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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】多芯筆記具
(51)【国際特許分類】
   B43K 24/12 20060101AFI20230718BHJP
   B43K 15/02 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B43K24/12
B43K15/02
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019215957
(22)【出願日】2019-11-29
(65)【公開番号】P2021084369
(43)【公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】303022891
【氏名又は名称】株式会社パイロットコーポレーション
(72)【発明者】
【氏名】松本 泰来
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-240409(JP,A)
【文献】特開2019-098750(JP,A)
【文献】特開2019-101488(JP,A)
【文献】特開2020-104416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B43K 24/12
B43K 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後方に開口する開口部が設けられた軸筒と、
前記軸筒内に交換可能に収容された複数の筆記体と、
前記開口部を閉塞する頭冠と、
を備え、
各筆記体の後端側には、操作部を有する操作体が設けられており、
前記軸筒の側壁には、前後方向に延びて前記開口部に至る前窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、
前記頭冠の側壁には、前記前窓孔に対応するように、前後方向に延びて前記頭冠の前方端に至る後窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、
各操作体の操作部が、対応する前窓孔及び後窓孔の少なくとも一方から径方向外方に突出しており、
前記軸筒または前記頭冠には、ある操作部が前方にスライドされた時に当該操作部に対応する操作体の一部を係止することが可能な係止部が設けられており、
前記軸筒の内部には、前記複数の筆記体のそれぞれを後方に付勢する複数のコイルスプリングが設けられており、
前記複数のコイルスプリングの前端側は、前記軸筒に固定されたスプリング支持体によって支持されており、
前記スプリング支持体には、前記複数の筆記体がそれぞれ挿通可能な複数の内孔が設けられており、
前記軸筒と前記頭冠とは、互いに前後方向に摺動することで係合可能となっており、
前記軸筒の内部には、前後方向に延びる摺動リブが設けられており、
前記頭冠の内部には、前後方向に延びる摺動レール溝が設けられており、
前記摺動リブと前記摺動レール溝とが互いに前後方向に摺動することで、前記軸筒と前記頭冠とが互いに係合可能となっている
ことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項2】
前記摺動リブは、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられており、
前記摺動レール溝も、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられている
ことを特徴とする請求項に記載の多芯筆記具。
【請求項3】
前記4本の摺動レール溝は、径方向には互いに分断されていて、前後方向に延びる空洞部を取り囲んでいる
ことを特徴とする請求項に記載の多芯筆記具。
【請求項4】
前記係止部の少なくとも1つが、前記頭冠の前記摺動レール溝を規定する内側壁部の前方端によって構成されている
ことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項5】
前記頭冠の側壁の少なくとも一部は、前記軸筒の内周面の形状に倣う形状を有しており、前記頭冠の側壁の前記少なくとも一部と前記軸筒の内周面とが互いに前後方向に摺動するようになっており、
前記頭冠の側壁の前記少なくとも一部が、前記頭冠の前記摺動レール溝を規定する外側壁部と連続的に構成されている
ことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載の多芯筆記具。
【請求項6】
後方に開口する開口部が設けられた軸筒と、
前記軸筒内に交換可能に収容された複数の筆記体と、
前記開口部を閉塞する頭冠と、
を備え、
各筆記体の後端側には、操作部を有する操作体が設けられており、
前記軸筒の側壁には、前後方向に延びて前記開口部に至る前窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、
前記頭冠の側壁には、前記前窓孔に対応するように、前後方向に延びて前記頭冠の前方端に至る後窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、
各操作体の操作部が、対応する前窓孔及び後窓孔の少なくとも一方から径方向外方に突出しており、
前記軸筒または前記頭冠には、ある操作部が前方にスライドされた時に当該操作部に対応する操作体の一部を係止することが可能な係止部が設けられており、
前記軸筒の内部には、前記複数の筆記体のそれぞれを後方に付勢する複数のコイルスプリングが設けられており、
前記複数のコイルスプリングの前端側は、前記軸筒に固定されたスプリング支持体によって支持されており、
前記スプリング支持体には、前記複数の筆記体がそれぞれ挿通可能な複数の内孔が設けられており、
前記軸筒と前記頭冠とは、互いに前後方向に摺動することで係合可能となっており、
前記頭冠の内部には、前後方向に延びる摺動リブが設けられており、
前記軸筒の内部には、前後方向に延びる摺動レール溝が設けられており、
前記摺動リブと前記摺動レール溝とが互いに前後方向に摺動することで、前記頭冠と前記軸筒とが互いに係合可能となっている
ことを特徴とする多芯筆記具。
【請求項7】
前記摺動リブは、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられており、
前記摺動レール溝も、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられている
ことを特徴とする請求項に記載の多芯筆記具。
【請求項8】
前記4本の摺動レール溝は、径方向には互いに分断されていて、前後方向に延びる空洞部を取り囲んでいる
ことを特徴とする請求項に記載の多芯筆記具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多芯筆記具に関する。特には、軸筒内に複数の筆記体を交換可能に収容することができる多芯筆記具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、軸筒の後端に開口部を設け、当該開口部を介して筆記体を軸筒内に挿入可能且つ軸筒内から取り外し可能に構成した多芯筆記具が開示されている。また、特許文献1には、筆記体としてシャープペンシルを採用できることも記載されている。
【0003】
図21は、特許文献1における多芯筆記具101の概略縦断面図であって、全ての筆記体が突出していない状態を示す図であり、図22は、図21の多芯筆記具101の概略縦断面図であって、ノック式のシャープペンシルである筆記体106が突出している状態を示す図であり、図23は、図21の多芯筆記具101の概略縦断面図であって、ノック式のシャープペンシル106を取り出している状態を示す図である。
【0004】
特許文献1における多芯筆記具101において、図21に示すように、軸筒102は、先細状の円筒体からなる前軸103と、当該前軸103の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸104と、からなっている。前軸103の前端には、筆記体106のペン先が突出可能な前端孔131が軸方向に貫設されている。前軸103及び後軸104は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)または金属により形成される。
【0005】
後軸104の後部の側壁には、図22に示すように、本実施形態では5本(2~6本から選択され得る)の前後方向に延びる細長状の窓孔141が、径方向に貫設されている。5本の窓孔141は、例えば、周方向に等間隔に形成されている。
【0006】
後軸104の5本の窓孔141の内側の軸心側の領域には、前後方向に延びるリリースバー143が延出されている。リリースバー143の前方端は、後述するスプリング支持体109に支持されている。一方、後軸104の5本の窓孔141の相互間の側壁内面には、前後方向に延びる係止壁部143aが形成されており、当該係止壁部143aは、ペン先が突出した状態の筆記体106の操作体107の後端を係止できるようになっている。そして、ペン先が突出した状態の筆記体106の操作体107の後端が当該係止壁部143aに係止されている際において、代わりに他の筆記体106、206を突出させるべく当該他の筆記体106、206の操作体107が前方に移動される時に、当該他の筆記体106、206の操作体107がリリースバー143を径方向外方に押圧し、当該押圧されたリリースバー143が前記係止壁部143aに係止されていた操作体107の後端を径方向外方に押圧してその係止状態を解除するようになっている。その他、後軸104の5本の窓孔141の相互間の側壁外面の一カ所に、クリップ144が設けられている。
【0007】
後軸104の後端部には、図23に示すように、開口部142を開閉自在にする蓋部105が回動自在に設けられている。蓋部105の一端部は、例えば、クリップ144基部に、ヒンジ部により回動自在に接続され得る。ヒンジ部は、例えば、ペン先下向きでクリップ144を正面視したときのクリップ144の左右方向に延設され得る。この場合、蓋部105は、略前後方向に回動自在であり得る。
【0008】
蓋部105の前面には、当接壁部151が形成されている。当該当接壁部151に、没入状態の筆記体106の後端に連結された操作体107の後端が、衝止されるようになっている(図21参照)。ヒンジ部としては、典型的には、回動軸により回動自在に接続される構成が採用され得るが、当該態様以外にも、屈曲変形可能な可撓性を有する連結部等も採用され得る。
【0009】
そして、例えば、蓋部105の他端部の前面には、係合部が設けられ(例えば係合凹部または係合孔部)、後軸104の後端には、当該係合部と係合可能な被係合部が設けられ得る(例えば係合凸部)。更に詳細には、係合部(係合凹部または係合孔部)の内面に内向突起が形成され得て、被係合部(係合凸部)の外面に前記内向突起と乗り越え係止可能な外向突起が形成され得る。
【0010】
この場合、係合部と被係合部とは、蓋部105が開口部142を閉鎖している間、互いに係合状態にある(内向突起と外向突起が乗り越え係止状態にある)。その係合状態は、コイルスプリング108の後方への付勢による操作体107と蓋部105の当接壁部151との当接では解除されず、蓋部105が開くことはない。
【0011】
ここで、図21乃至図23に示すように、本実施形態においては、一つの筆記体106が、ノック式のシャープペンシルであり、他の筆記体206は、ボールペンである。
【0012】
以上のような構成の多芯筆記具101は、以下のように作用する。
【0013】
一つの操作体107の操作部171が選択されて、コイルスプリング108の後方付勢に抗して窓孔141に沿って前方にスライド操作されると、スライド操作された操作体107の前側突出部172が、リリースバー143を径方向外方に押圧する。この際に、先に突出状態にある他の筆記体106、206があれば、径方向外方に押圧されたリリースバー143が、当該他の筆記体106、206の後側突出部173を当該方向に押圧して、操作体107の後端と係止壁部143aとの係止状態を解除する。これにより、当該他の筆記体106、206はコイルスプリング108の後方付勢により後方に移動され、すなわち、軸筒102内に没入される。当該他の筆記体106、206の没入と同時に、前方にスライド操作された操作体107に連結された筆記体106、206のペン先が、軸筒102の前端孔131より外部に突出される。そして、前方にスライド操作された当該操作体107の後端が軸筒102の内部の係止壁部143aに新たに係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0014】
筆記体106(ノック式シャープペンシル)のペン先164aが軸筒102の前端孔131より前方に突出された状態において、筆記体106に連結された操作体107の操作部171を更に前方に押圧操作すると、筆記体106の前端筒体164の外面が軸筒102の前端部内壁に係止され、鉛芯収容筒体161、連結筒体162及びチャック体がチャックスプリングの付勢に抗して前方に移動される。これに伴って、チャック体が締め付けリングの締め付けから開放されるとともに、鉛芯が前方に繰り出され、前端筒体164の前端開口部から鉛芯が前方に突出される。そして、操作部171の前方への押圧が解除されると、チャック体がチャックスプリングの付勢によって後退し、締め付けリングがチャック体の外周面に再び係合し、締め付けリングがチャック体を径方向内方に再び締め付ける。これにより、チャック体が、前記繰り出された鉛芯を再び保持する。これにより、前端筒体164の前端開口部(ペン先164aの前端)からの鉛芯の突出状態が維持される。
【0015】
筆記体106を交換する際には、蓋部105が軸筒102の後端の開口部142を閉鎖した状態(図21参照)から、蓋部105のヒンジ部と反対側の操作端部を後方に押圧して係合部と被係合部との係合を解除し、蓋部105を後方に回動させることで、軸筒102の後端の開口部142を開口させる。これと同時に、各操作体107は、コイルスプリング108の後方付勢により、開口部142から後方外部へと突出される。この状態から操作体107を取り出すことにより(図23参照)、当該操作体107と連結状態にある筆記体106を軸筒102内から取り出すことができる。
【0016】
その後、新たな筆記体106(と新たな操作体107)を開口部142を通して軸筒102内に挿入する。そして、蓋部105の当接壁部151に各々の操作体107を当接させて各々の操作体107を前方に押圧するように蓋部105を前方に回動させ、係合部と被係止部とを係合させ、開口部142を閉鎖させる。これに伴って、新たな操作体107の鍔部175の前面が対応するコイルスプリング108の後端を押圧した状態となり、筆記体106(及び操作体107)の交換作業が終了する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【文献】特開2018-167410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
図21乃至図23を用いて説明した多芯筆記具は、蓋部105を回動自在にする機構等が存在するため、組み立て作業を自動化することが比較的困難であった。
【0019】
本件発明者は、組み立て作業の自動化について鋭意の検討を重ねる内に、開口部を閉塞する頭冠(蓋部の機能を有する部材)を軸筒に対して前後方向に摺動するように設けることが有効であるとの知見を得た。
【0020】
そして更に、本件発明者は、多芯筆記具の前後方向の長さを所望の範囲に収めるために、各操作体の操作部が突出する窓孔を、軸筒と頭冠との両者によって形成することが有効であるとの知見を得た。(軸筒のみによって窓孔が形成される場合、窓孔の後方に配置される頭冠の長さをコンパクトにすると、十分な摺動代を確保することが容易でない。)
【0021】
本発明は、以上のような知見に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、軸筒内に複数の筆記体を交換可能に収容することができる多芯筆記具であって、組み立て作業を自動化することが可能な多芯筆記具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明は、後方に開口する開口部が設けられた軸筒と、前記軸筒内に交換可能に収容された複数の筆記体と、前記開口部を閉塞する頭冠と、を備え、各筆記体の後端側には、操作部を有する操作体が設けられており、前記軸筒の側壁には、前後方向に延びて前記開口部に至る前窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、前記頭冠の側壁には、前記前窓孔に対応するように、前後方向に延びて前記頭冠の前方端に至る後窓孔が径方向に複数分配されて貫設されており、各操作体の操作部が、対応する前窓孔及び後窓孔の少なくとも一方から径方向外方に突出しており、前記軸筒または前記頭冠には、ある操作部が前方にスライドされた時に当該操作部に対応する操作体の一部を係止することが可能な係止部が設けられており、前記軸筒の内部には、前記複数の筆記体のそれぞれを後方に付勢する複数のコイルスプリングが設けられており、前記複数のコイルスプリングの前端側は、前記軸筒に固定されたスプリング支持体によって支持されており、前記スプリング支持体には、前記複数の筆記体がそれぞれ挿通可能な複数の内孔が設けられており、前記軸筒と前記頭冠とは、互いに前後方向に摺動することで係合可能となっていることを特徴とする多芯筆記具である。
【0023】
本発明によれば、軸筒と頭冠とが互いに前後方向に摺動することで係合可能となっているため、組み立て作業の自動化を実現することができる。また、各操作体の操作部が突出する窓孔を、軸筒の前窓孔と頭冠の後窓孔との両者によって形成しているため、後窓孔の後方側の頭冠の長さをコンパクトに収めても、十分な摺動代を確保することが容易である。
【0024】
本発明において、前記軸筒の内部には、前後方向に延びる摺動リブが設けられており、前記頭冠の内部には、前後方向に延びる摺動レール溝が設けられており、前記摺動リブと前記摺動レール溝とが互いに前後方向に摺動することで、前記軸筒と前記頭冠とが互いに係合可能となっていることが好ましい。
【0025】
これによれば、軸筒と頭冠との摺動を確実且つ円滑に実現することができる。また、頭冠側に摺動レール溝を設けることによって、頭冠の強度(変形しにくさ)を効果的に補うことができる。(もっとも、本願出願の時点では、頭冠側に摺動リブが設けられ軸筒側に摺動レール溝が設けられる態様についても、本発明の範囲から排除されない。)
【0026】
この場合、更に、前記摺動リブは、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられており、前記摺動レール溝も、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられていることが好ましい。
【0027】
これによれば、軸筒と頭冠との摺動をバランス良く実現することができる。
【0028】
また、この場合、更に、前記4本の摺動レール溝は、径方向には互いに分断されていて、前後方向に延びる空洞部を取り囲んでいることが好ましい。
【0029】
これによれば、当該空洞部を有効活用することが可能となる。例えば、筆記体として熱変色性インクを用いたボールペンが採用される場合、頭冠の後方端に摩擦体が取り付けられることが好ましいが、前記空洞部は当該取り付けに関する構成を収めるために有効利用され得る。
【0030】
また、前記係止部の少なくとも1つが、前記頭冠の前記摺動レール溝を規定する内側壁部の前方端によって構成されていることが好ましい。
【0031】
これによれば、当該係止部の少なくとも1つを、比較的容易に設けることができる。
【0032】
また、前記頭冠の側壁の少なくとも一部は、前記軸筒の内周面の形状に倣う形状を有しており、前記頭冠の側壁の前記少なくとも一部と前記軸筒の内周面とが互いに前後方向に摺動するようになっており、前記頭冠の側壁の前記少なくとも一部が、前記頭冠の前記摺動レール溝を規定する外側壁部と連続的に構成されていることが好ましい。
【0033】
これによれば、軸筒と頭冠との摺動をより一層確実且つ円滑に実現することができる。また、頭冠の強度(変形しにくさ)をより一層効果的に補うことができる。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、軸筒と頭冠とが互いに前後方向に摺動することで係合可能となっているため、組み立て作業の自動化を実現することができる。また、各操作体の操作部が突出する窓孔を、軸筒の前窓孔と頭冠の後窓孔との両者によって形成しているため、後窓孔の後方側の頭冠の長さをコンパクトに収めても、十分な摺動代を確保することが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1実施形態における多芯筆記具の概略縦断面図であって、全ての筆記体が突出していない状態を示す図である。
図2図1の多芯筆記具の概略縦断面図であって、1本の筆記体が突出している状態を示す図である。
図3図1の多芯筆記具の概略縦断面図であって、筆記体の突出を解除する際の状態を示す図である。
図4図1の多芯筆記具の筆記体である筆記体を示す図である。
図5図1の多芯筆記具の後軸(軸筒)の平面図である。
図6図1の多芯筆記具の後軸の側面図である。
図7図1の多芯筆記具の後軸の後方側から見た端面図である。
図8図7のA-A線断面図である。
図9図7のB-B線断面図である。
図10図1の多芯筆記具の頭冠の平面図である。
図11図1の多芯筆記具の頭冠の側面図である。
図12図1の多芯筆記具の頭冠の前方側から見た端面図である。
図13図12のC-C線断面図である。
図14図1の多芯筆記具の頭冠の斜視図である。
図15】本発明の第2実施形態における多芯筆記具の概略縦断面図であって、全ての筆記体が突出していない状態を示す図である。
図16図15の多芯筆記具の頭冠の平面図である。
図17図15の多芯筆記具の頭冠の側面図である。
図18図15の多芯筆記具の頭冠の前方側から見た端面図である。
図19図18のD-D線断面図である。
図20図15の多芯筆記具の頭冠の斜視図である。
図21】特許文献1における多芯筆記具の概略縦断面図であって、全ての筆記体が突出していない状態を示す図である。
図22図21の多芯筆記具の概略縦断面図であって、ノック式のシャープペンシルが突出している状態を示す図である。
図23図21の多芯筆記具の概略縦断面図であって、ノック式のシャープペンシルを取り出している状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0037】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態における多芯筆記具1の概略縦断面図であって、全ての筆記体が突出していない状態を示す図であり、図2は、図1の多芯筆記具1の概略縦断面図であって、1本の筆記体6(例えばボールペン)が突出している状態を示す図であり、図3は、図1の多芯筆記具1の概略縦断面図であって、筆記体6の突出を解除する際の状態を示す図である。また、図4は、図1の多芯筆記具1の筆記体である筆記体6を示す図である。
【0038】
図1乃至図3に示すように、本実施形態の多芯筆記具1において、軸筒2は、先細状の円筒体からなる前軸3と、当該前軸3の後端部と螺合または圧入により取り付けられる円筒状の後軸4と、からなっている。前軸3の前端には、筆記体のペン先が突出可能な前端孔3hが軸方向に貫設されている。前軸3及び後軸4は、合成樹脂(例えば、ポリカーボネイト等)または金属により形成される。
【0039】
図5は、図1の多芯筆記具1の後軸4の平面図であり、図6は、図1の多芯筆記具1の後軸4の側面図であり、図7は、図1の多芯筆記具1の後軸4の後方側から見た端面図であり、図8は、図7のA-A線断面図であり、図9は、図7のB-B線断面図である。
【0040】
図5乃至図9に示すように、後軸4の後部の側壁に、本実施形態では4本(2~6本から選択され得る)の前後方向に延びる細長状の前窓孔4wが、径方向に貫設されている。4本の前窓孔4wは、周方向に等間隔に形成されている。また、本実施形態では、4本の前窓孔4wのうちの1本の前方側に連続して、クリップ移動孔4pが形成されている。これに対応して、本実施形態では、1本の筆記体6がクリップ部6pを有している(図1乃至図3参照)。本明細書では、説明の便宜上、クリップ移動孔4pが設けられた側を上方側とする。
【0041】
また、後軸4の軸心側の領域には、スプリング支持体9(4本の筆記体6が貫通する4つの円形孔9hを有する)が設けられている(図7参照)。
【0042】
後軸4の後方に開口する開口部4eは、頭冠11によって閉塞されている。後軸4と頭冠11とは、互いに前後方向に摺動することで係合及び係合解除可能となっている。
【0043】
図10は、図1の多芯筆記具1の頭冠11の平面図であり、図11は、図1の多芯筆記具1の頭冠11の側面図であり、図12は、図1の多芯筆記具1の頭冠11の前方側から見た端面図であり、図13は、図12のC-C線断面図であり、図14は、図1の多芯筆記具1の頭冠11の斜視図である。
【0044】
図10乃至図14に示すように、頭冠11の側壁には、前窓孔4wに対応するように、前後方向に延びて頭冠11の前方端に至る4本の後窓孔11wが、径方向に貫設されている。4本の後窓孔11wも、周方向に等間隔に形成されている。
【0045】
図1乃至図3に示すように、前窓孔4wの後方側領域と後窓孔11wの前方側領域とは、径方向に重なっており、それらから更に径方向外方に、筆記体6の操作体7の操作部71が突出している。
【0046】
図5乃至図14に示すように、後軸4の内部には、前後方向に延びる摺動リブ4rが設けられており、頭冠11の内部には、前後方向に延びる摺動レール溝11rが設けられており、摺動リブ4rと摺動レール溝11rとが互いに前後方向に摺動することで、後軸4と頭冠11とが互いに係合及び係合解除可能となっている。摺動リブ4rも摺動レール溝11rも、筆記体6及び操作体7と干渉しない位置に設けられている。
【0047】
具体的には、図5乃至図14に示すように、摺動リブ4rは、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられており、摺動レール溝11rも、左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられている。
【0048】
更に具体的には、4本の摺動リブ4rは、軸心に対して上下対称に、上下方向に約4.2mmの間隔g1を空けるように、略円筒状の外周壁(内径約10.2mm、外径約11.8mm)から左右方向に延びるように形成されており、軸心に対して左右対称に、左右方向に約5.5mmの間隔g2となる位置まで延びている。各摺動リブ4rの上下方向の厚みは、約0.5mmである。
【0049】
一方、4本の摺動レール溝11rは、径方向には互いに分断されていて、前後方向に延びる空洞部11vを取り囲んでいる。本実施形態の空洞部11vは、軸心を中心軸とした直径2.4mmの円筒状空間を含んでいる。摺動レール溝11rの底面は、軸心に対して左右対称に、左右方向に約5.0mmの間隔g3となる位置にあり、摺動レール溝11rの内側壁部11aと外側壁部11bとによって、上下方向の範囲g4を軸心からの上下方向の離間距離約1.5mm~約2.7mmの範囲に規定されている。
【0050】
内側壁部11aは、軸心に対して上下対称に、上下方向に約1.0mmの間隔g5を空ける位置まで、且つ、軸心に対して左右対称に、左右方向に約5.7mmの間隔g6(摺動レール溝11rの底面から約0.35mmの高さ)となる位置まで延びている。
【0051】
また、頭冠11の側壁11sは、後軸4の内周面の形状に概ね倣う形状を有しており、頭冠11の側壁と後軸4の内周面とが互いに前後方向に摺動するようになっている。そして、頭冠11の当該側壁11sは、摺動レール溝11rを規定する外側壁部11bと連続的に構成されている。
【0052】
また、頭冠11の後端部には、係合部11gが設けられ(例えば係合凹部または係合孔部)、後軸4の後端部には、当該係合部11gと係合可能な被係合部4gが設けられている(例えば係合凸部)。
【0053】
係合部11gと被係合部4gとは、頭冠11が後軸4の開口部4eを閉鎖している間、互いに係合状態にある。その係合状態は、コイルスプリング8の後方への付勢による操作体7と頭冠11との当接では解除されず、頭冠11が抜け出ることはない。
【0054】
また、本実施形態では、内側壁部11aの前方端が頭冠11の前方端にまで至っておらず、ペン先が突出した状態の筆記体6の操作体7の後側突出部73(図4参照)を係止できるようになっている。すなわち、内側壁部11aの前方端が、対応する操作部71が前方にスライドされた時に当該操作部71に対応する操作体7の一部を係止することが可能な係止部として機能するようになっている。
【0055】
一方、内側壁部11aが存在しない外側壁部11b間においては、内側壁部11aに対応するように(内側壁部11aを軸心回りに90°移動させた位置に)、ペン先が突出した状態の筆記体6の操作体7の後側突出部73を係止するための係止壁部11cが設けられている。
【0056】
ペン先が突出した状態の筆記体6の操作体7の後側突出部73が内側壁部11aまたは係止壁部11cに係止されている際において、代わりに他の筆記体6を突出させるべく当該他の筆記体6の操作体7が前方に移動される時、図3に示すように、当該他の筆記体6の操作体7が内側壁部11aまたは係止壁部11cに係止されていた操作体7の後端を径方向外方に押圧してその係止状態を解除するようになっている。
【0057】
なお、筆記体6について図4を参照して補足すると、筆記体6の後端に操作体7(更にクリップ部6pが設けられている場合がある)が取り付けられており、操作体7は、操作部71と、前側突出部72と、後側突出部73と、嵌入部74と、鍔部75と、を有している。操作部71は、操作体7の後端部外方側に形成され、且つ、前窓孔4w及び後窓孔11wから外部に突出される。後側突出部73は、操作体7の操作部71の軸心側に設けられ、前側突出部72は、後側突出部73の前方に設けられ、嵌入部74は、操作体7の前端部に形成され且つインキ収容筒体の後端開口部に嵌入されている。鍔部75は、嵌入部74の後方に形成されており、鍔部75の前面は、コイルスプリング8の後端を押圧している。
【0058】
各コイルスプリング8は、スプリング支持体9と協働して、各々の操作体7(即ち各々の筆記体6)を、常時、後方に付勢している。すなわち、各コイルスプリング8は、ペン先突出状態及びペン先没入状態のいずれにおいても、圧縮状態(即ち筆記体6が後方に付勢された状態)を維持している。これにより、操作体7の前後のがたつきが防止されている。但し、各コイルスプリング8は、その内部に筆記体6が挿通されていない状態(例えば筆記体の交換作業中の状態)では、非圧縮状態(フリー状態)となるようになっている。
【0059】
また、操作体7の両方の側面に係止突起(図示せず)が形成されており、当該係止突起は前窓孔4w及び後窓孔11wの両側壁に抜け止め係合可能となっている。操作体7は、合成樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂等)の成形体により得られる。
【0060】
以上のような構成の多芯筆記具1は、以下のように作用する。
【0061】
一つの操作体7の操作部71が選択されて、コイルスプリング8の後方付勢に抗して前窓孔4w及び後窓孔11wに沿って前方にスライド操作されると、スライド操作された操作体7の前側突出部72が、先に突出状態にある他の筆記体6があれば、当該他の筆記体6を径方向外方に押圧する。これにより、内側壁部11aまたは係止壁部11cとの係止状態が解除され、当該他の筆記体6はコイルスプリング8の後方付勢により後方に移動され、すなわち、軸筒2内に没入される。当該他の筆記体6の没入と同時に、前方にスライド操作された操作体7に連結された筆記体6のペン先が、前軸3の前端孔3hより外部に突出される。そして、前方にスライド操作された当該操作体7の後側突出部73が内側壁部11aまたは係止壁部11cに新たに係止され、そのペン先突出状態が維持される。
【0062】
筆記体6を交換する際には、頭冠11が後軸4の後端の開口部4eを閉鎖した状態から、頭冠11を後軸4に対して前後方向に摺動させて係合部11gと被係合部4gとの係合を解除し、後軸4の後端の開口部4eを開口させる。これと同時に、各操作体7は、コイルスプリング8の後方付勢により、開口部4eから後方外部へと突出される。この状態から操作体7を取り出すことにより、当該操作体7と連結状態にある筆記体6を軸筒2内から取り出すことができる。
【0063】
その後、新たな筆記体6(と新たな操作体7)を開口部4eを通して軸筒2内に挿入する。そして、頭冠11を後軸4に対して前後方向に摺動させて係合部11gと被係合部4gとを係合させ、開口部4eを閉鎖させる。これに伴って、新たな操作体7の鍔部75の前面が対応するコイルスプリング8の後端を押圧した状態となり、筆記体6(及び操作体7)の交換作業が終了する。
【0064】
あるいは、頭冠11と後軸4との係合が解除できない構成の場合には、前軸3と後軸4との螺合が解除されて前軸3が取り外され、この状態から筆記体6のインキ収容筒(ペン先を含む)が操作体7の嵌入部74から取り外される。
【0065】
その後、新たな筆記体6のインキ収容筒が操作体7の嵌入部74に嵌合され、前軸3と後軸4とが再び螺合される。これによって、筆記体6の交換作業が終了する(操作体7は交換されない)。
【0066】
以上のような本実施形態の多芯筆記具1によれば、後軸4と頭冠11とが互いに前後方向に摺動することで係合及び係合解除可能となっているため、組み立て作業が容易であり、組み立て作業の自動化(例えばロボットによる組み立て等)を実現することができる。また、各操作体7の操作部71が突出する窓孔を、後軸4の前窓孔4wと頭冠11の後窓孔11wとの両者によって形成しているため、後窓孔11wの後方側の頭冠11の長さをコンパクトに収めても、十分な摺動代を確保することができる。例えば、本実施形態では、前後方向の後窓孔11wの長さは約18.1mmであり、後窓孔11wの後方側の頭冠11の長さは約3.5mmであり、それらの合計(すなわち頭冠11全体の長さ)は約21.6mmであるが、十分な摺動代を確保している。
【0067】
また、本実施形態の多芯筆記具1によれば、後軸4の内部に前後方向に延びる摺動リブ4rが設けられ、頭冠11の内部に前後方向に延びる摺動レール溝11rが設けられ、摺動リブ4rと摺動レール溝11rとが互いに前後方向に摺動することで後軸4と頭冠11とが互いに係合及び係合解除可能となっているため、後軸4と頭冠11との摺動を確実且つ円滑に実現することができる。
【0068】
また、本実施形態の多芯筆記具1によれば、頭冠11の側に摺動レール溝11rを設けているため、頭冠11の強度(変形しにくさ)が効果的に補われている。
【0069】
また、本実施形態の多芯筆記具1によれば、摺動リブ4rは左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられており、摺動レール溝11rも左右方向に対称且つ上下方向に対称に4本が設けられているため、後軸4と頭冠11との摺動をバランス良く実現することができる。
【0070】
更に、本実施形態の多芯筆記具1によれば、4本の摺動レール溝11rが径方向には互いに分断されていて、前後方向に延びる空洞部11vを取り囲んでいるため、当該空洞部11vを有効活用することが可能となる。例えば、筆記体6として熱変色性インクを用いたボールペンが採用される場合、頭冠11の後方端に摩擦体が取り付けられることが好ましいが、前記空洞部11vは当該取り付けに関する構成を収めるために有効利用され得る。
【0071】
また、本実施形態の多芯筆記具1によれば、操作体7の後側突出部73を係止する係止部の少なくとも1つが、頭冠11の摺動レール溝11rを規定する内側壁部11aの前方端によって構成されている。これにより、当該係止部の少なくとも1つを、比較的容易に設けることができる。
【0072】
また、本実施形態の多芯筆記具1によれば、頭冠11の側壁が後軸4の内周面の形状に倣う形状を有しており、当該頭冠11の側壁と後軸4の内周面とが互いに前後方向に摺動するようになっており、頭冠11の側壁が頭冠11の摺動レール溝11rを規定する外側壁部11bと連続的に構成されている。これにより、後軸4と頭冠11との摺動をより一層確実且つ円滑に実現することができ、更に、頭冠11の強度(変形しにくさ)をより一層効果的に補うことができる。また、頭冠11の摺動レール溝11rは、頭冠11と後軸4とが係合した状態において、開口部4eに至る前窓孔4wを有する後軸4の後部を補強する効果をも奏する。
【0073】
(第2実施形態)
図15は、本発明の第2実施形態における多芯筆記具1'の概略縦断面図であって、全ての筆記体6が突出していない状態を示す図である。また、図16は、図15の多芯筆記具1'の頭冠11'の平面図であり、図17は、図15の多芯筆記具1'の頭冠11'の側面図であり、図18は、図15の多芯筆記具1'の頭冠11'の前方側から見た端面図であり、図19は、図18のD-D線断面図であり、図20は、図15の多芯筆記具1'の頭冠11'の斜視図である。
【0074】
図15乃至図20に示すように、本実施形態の多芯筆記具1'においては、第1実施形態において4本設けられていた後窓孔11wの1つが、固定クリップ部11p'に置換されている。これにより、前窓孔4wの数は第1実施形態と同様に4本であるが、前窓孔4wと後窓孔11wとによって形成される窓孔の数は3本となっている。すなわち、収容できる筆記体6の数が3本となっている。
【0075】
本実施形態のその他の構成については、図1乃至図14を用いて説明した第1実施形態と略同様である。図15乃至図20において、第1実施形態と同様の部分については、同様の符号を付している。また、本実施形態の第1実施形態と同様の部分については、詳しい説明を省略する。
【0076】
本実施形態の多芯筆記具1'によっても、第1実施形態の多芯筆記具1と略同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0077】
1、1' 多芯筆記具
2 軸筒
3 前軸
3h 前端孔
4 後軸
4e 開口部
4w 前窓孔
4r 摺動リブ
4g 被係合部
4p クリップ移動孔
6 筆記体
6p クリップ部
7 操作体
71 操作部
72 前側突出部
73 後側突出部
74 嵌入部
75 鍔部
8 コイルスプリング
9 スプリング支持体
9h 円形孔
11 頭冠
11w 後窓孔
11v 空洞部
11r 摺動レール溝
11a 内側壁部
11b 外側壁部
11c 係止壁部
11g 係合部
11s 側壁
11' 頭冠
11p' 固定クリップ部
101 多芯筆記具
102 軸筒
103 前軸
104 後軸
105 蓋部
106 筆記体
107 操作体
108 コイルスプリング
109 スプリング支持体
131 前端孔
141 窓孔
142 開口部
143 リリースバー
143a 係止壁部
144 クリップ
151 当接壁部
161 鉛芯収容筒体
162 連結筒体
164 前端筒体
164a ペン先
171 操作部
172 前側突出部
173 後側突出部
175 鍔部
206 筆記体
図1
図2
図3
図4
図5
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図16
図17
図18
図19
図20
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