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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】引戸の自閉装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 1/16 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
E05F1/16 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019228904
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021095805
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-10-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103137
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 滋
(74)【代理人】
【識別番号】100145838
【弁理士】
【氏名又は名称】畑添 隆人
(72)【発明者】
【氏名】香西 統太
(72)【発明者】
【氏名】平垣 駿
【審査官】野尻 悠平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0019432(US,A1)
【文献】実開昭55-107577(JP,U)
【文献】実開昭55-021407(JP,U)
【文献】実開昭54-110291(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
引戸の開放移動に連動して第1の方向に回転し、閉鎖移動時には第2の方向に回転する第1巻取体と、
前記第1巻取体に隣接して配置された第2巻取体と、
引戸全閉時に前記第2巻取体に巻き取られているぜんまいバネと、
を備え、
前記ぜんまいバネは、前記第1巻取体の第1の方向の回転にしたがって、前記第2巻取体から引き出されて前記第1巻取体に巻き取られるようになっており、
前記第1巻取体と前記第2巻取体の間に、前記せんまいバネの部分が当接することで、前記ぜんまいバネの逆巻を防止する逆巻き防止要素を設けてなる、引戸の自閉装置。
【請求項2】
前記ぜんまいバネの部分は、前記ぜんまいバネの前記第1巻取体と前記第2巻取体との間に亘って延びる部分である、
請求項1に記載の引戸の自閉装置。
【請求項3】
前記逆巻き防止要素は、基端部を中心に揺動可能である、
請求項1、2いずれか1項に記載の引戸の自閉装置。
【請求項4】
前記逆巻き防止要素は、第1当接部と第2当接部を備え、
前記第1巻取体は、ぜんまいバネの巻取面と、前記巻取面の幅方向両側で当該巻取面から対向状に立ち上がる周縁部と、を備え、
前記逆巻き防止要素は、前記ぜんまいバネが逆巻き挙動を示す時に、前記ぜんまいバネの部分が前記第1当接部に当接すると前記第1巻取体側に揺動し、前記第2当接部が前記第1巻取体の前記周縁部に当接する、
請求項3に記載の引戸の自閉装置。
【請求項5】
前記逆巻き防止要素の第1当接部の幅寸法は、前記第1巻取体の前記周縁部間の寸法よりも小さく、前記第1当接部は、前記周縁部間に入り込むことが可能である、
請求項4に記載の引戸の自閉装置。
【請求項6】
前記第2巻取体は、ぜんまいバネの巻取面と、前記巻取面の幅方向両側で当該巻取面から対向状に立ち上がる周縁部と、を備え、
前記逆巻き防止要素の幅寸法は、前記第1巻取体の前記周縁部間の寸法よりも大きく、前記第2巻取体の前記周縁部間の寸法よりも大きい、
請求項4、5いずれか1項に記載の引戸の自閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、引戸の自閉装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自閉装置を備えた引戸は、例えば、引戸を手動で開放することで開口部を形成し、開放した引戸は自閉装置によって自動的に閉鎖するようになっている。
【0003】
引戸の自閉装置は、ぜんまいバネを備えており、ぜんまいバネが元の巻取状態に戻る力を利用して、開放した引戸を閉鎖方向に移動させるようにしている。より具体的には、自閉装置の外部に設けた第1ワイヤ巻取ドラムにワイヤの一端を固定し、引戸の戸尻側に設けた第2ワイヤ巻取ドラムにワイヤの他端を固定し、引戸の全閉状態では、ワイヤの一端側は第1ワイヤ巻取ドラムに巻き付けられている。引戸開放時にワイヤが第1ワイヤ巻取ドラムから引き出され、ワイヤの他端側は第2ワイヤ巻取ドラムに巻き取られるようになっている。自閉装置のぜんまいバネの一方の端部は、第1ワイヤ巻取ドラムの回転に連動して回転する軸に固定された巻取体に固定されており、引戸開放時の第1ワイヤ巻取ドラムの回転に連動して、自閉装置のぜんまいバネが元の巻取状態から引き出されて前記巻取体に巻き取られるようになっている。引戸開放時に前記巻取体に巻き取られたぜんまいバネが元の巻取状態に戻る力(巻きぐせ)によって開放姿勢にある引戸を閉鎖させるようになっている。このような自閉装置については、例えば、特許文献1に記載されている。
【0004】
このような自閉式の引戸において、設置時に、第1ワイヤ巻取ドラムにおけるワイヤの巻取方向を誤った状態でワイヤを取り付けると、引戸開放時に、第1ワイヤ巻取ドラムが逆方向に回転して、前記巻取体が固定された軸及び前記巻取体が逆方向に回転し、ぜんまいバネが前記巻取体に逆巻きされてしまい、ぜんまいバネが故障ないし破損してしまうおそれがある。
【文献】特開2001-20594
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、引戸の自閉装置において、ぜんまいバネの逆巻きを防止することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が採用した技術手段は、
引戸の開放移動に連動して第1の方向に回転し、閉鎖移動時には第2の方向に回転する第1巻取体と、
前記第1巻取体に隣接して配置された第2巻取体と、
引戸全閉時に前記第2巻取体に巻き取られているぜんまいバネと、
を備え、
前記ぜんまいバネは、前記第1巻取体の第1の方向の回転にしたがって、前記第2巻取体から引き出されて前記第1巻取体に巻き取られるようになっており、
前記第1巻取体と前記第2巻取体の間に、前記せんまいバネの部分が当接することで、前記ぜんまいバネの逆巻を防止する逆巻き防止要素を設けてなる、引戸の自閉装置、である。
「逆巻き」とは、第1巻取体の第2の方向に回転によってぜんまいバネを巻き取ろうとすることを意味する。
前記逆巻き防止要素は、ぜんまいバネの逆巻き防止時に非当接姿勢からぜんまいバネの部分に当接してもよく、あるいは、通常時に当接姿勢にあり(ぜんまいバネの正巻を許容する状態で接触している)、前記ぜんまいバネが逆巻き挙動を示す時に、当該ぜんまいバネの逆巻き方向の動きを規制するように当接するものでもよい。
1つの態様では、前記逆巻き防止要素は、引戸全閉状態からの開放動作始動時の逆巻きを防止する。
1つの態様では、ぜんまいバネの一端は前記第1巻取体に固定されており、他端は前記第2巻取体に固定されている。
【0007】
1つの態様では、前記ぜんまいバネの部分は、前記ぜんまいバネの前記第1巻取体と前記第2巻取体との間に亘って延びる部分である。
1つの態様では、前記ぜんまいバネの前記第1巻取体と前記第2巻取体との間に亘って延びる部分は、前記ぜんまいバネの前記第1巻取体側端部に位置する部分であり、前記ぜんまいバネの前記第1巻取体と前記第2巻取体との間に亘って延びる部分の端部は前記第1巻取体に固定されている。
1つの態様では、前記ぜんまいバネは、第1面と第2面を有し、前記ぜんまいバネは、第1面を内側にして前記第2巻取体に巻き取られ、前記第2面を内側にして前記第1巻取体に巻き取られ、前記逆巻き防止要素は、前記ぜんまいバネの部分の第2面に近接ないし当接している。
【0008】
1つの態様では、前記逆巻き防止要素は、基端部を中心に揺動可能である。
1つの態様では、前記逆巻き防止要素は、第1当接部と第2当接部を備え、
前記第1巻取体は、ぜんまいバネの巻取面と、前記巻取面の幅方向両側で当該巻取面から対向状に立ち上がる周縁部と、を備え、
前記逆巻き防止要素は、前記ぜんまいバネが逆巻き挙動を示す時に、前記ぜんまいバネの部分が前記第1当接部に当接すると前記第1巻取体側に揺動し、前記第2当接部が前記第1巻取体の前記周縁部に当接する。
1つの態様では、前記逆巻き防止要素の第1当接部の幅寸法は、前記第1巻取体の前記周縁部間の寸法よりも小さく、前記第1当接部は、前記周縁部間に入り込むことが可能である。
1つの態様では、前記第2巻取体は、ぜんまいバネの巻取面と、前記巻取面の幅方向両側で当該巻取面から対向状に立ち上がる周縁部と、を備え、
前記逆巻き防止要素の幅寸法は、前記第1巻取体の前記周縁部間の寸法よりも大きく、前記第2巻取体の前記周縁部間の寸法よりも大きい。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、施工ミス等によって、自閉装置のぜんまいバネの逆巻き方向にワイヤが取り付けられてしまった場合であっても、逆巻き防止要素によって逆巻き方向の巻き取りが規制されているので、全閉状態からの開放動作始動時に、ぜんまいバネ等の部品の故障や破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】全閉姿勢にある引戸装置の正面図である。
図2】全開姿勢にある引戸装置の正面図である。
図3】引戸装置の縦断面図である。
図4】自閉装置の内部を示す平面図である。
図5】第2巻取体及びそれを支持するブラケットを示す図である。
図6】自閉装置の第1巻取体、第2巻取体、ぜんまいバネを示す図であり、上図は平面図、下図は側面図である。
図7】第1巻取体と逆巻き防止要素の側面図であり、右図は、逆巻き防止要素の第1実施形態を示し、左図は、逆巻き防止要素の第2実施形態を示す。
図8】左図は、ぜんまいバネが第2巻取体に巻き取られた状態(引戸全閉時)を示し、右図は、ぜんまいバネが第1巻取体に巻き取られた状態(引戸全開時)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1図3を参照しつつ、本実施形態に係る引戸装置の構成について説明する。引戸装置は、第1スライド扉1と第2スライド扉2とからなる扉体と、戸先側縦枠3と、戸尻側縦枠4と、戸先側縦枠3と戸尻側縦枠4の上端間で水平状に延びる上枠5(図3参照)と、を備えている。図1図2において、上枠5の前面は省略されており、後述する自閉装置6が設けられる上面50のみが示してある。
【0012】
引戸装置が取り付けられる躯体には、上端面12と左右の側端面13、14を三方とした切り欠き部が形成されており、当該切り欠き部から開口部Oが形成されている。より具体的には、図2に示すように、開口部Oは、切り欠き部の上端面12と、引戸の戸尻側に位置する側端面13と、引戸の戸先側の側端面14に位置して設けた戸先側縦枠3と、床面FLないし地面とで囲まれた領域である。図1では、第1スライド扉1と第2スライド扉2によって開口部Oが閉鎖された状態を示し、図2では、第1スライド扉1及び第2スライド扉2が戸尻側の全開姿勢にあり、開口部Oが開放された状態を示す。
【0013】
本実施形態に係る躯体は、開口部Oの戸尻側に位置する袖壁部D1と、開口部の上方及び袖壁部D1の上方に亘って位置する上壁部D2と、を備えている。戸尻側縦枠4は、開口部Oの戸尻側の側端面13から戸尻側に離間して、袖壁部D1の戸尻側部位及び上壁部D2の戸尻側端部に位置して設けてある。上枠5は、下端が上端面12に一致するように上壁部D2に設けてある(図3参照)。
【0014】
1つの限定されない実施例では、本実施形態に係る引戸装置は、避難連絡坑ドアの開き戸(車両用開口部を開閉する)に設けられる。引戸装置が、避難連絡坑ドアの開き戸に設けられる場合には、躯体(袖壁部D1、上壁部D2を備える)は開き戸から構成される。すなわち、開口部は、開き戸(可動の躯体)に形成された人道用開口部であり、引戸装置は、人道用開口部を開閉するように開き戸に設けられる。
【0015】
第1スライド扉1の上端には扉幅方向に間隔を存して2つのハンガーローラ10、10が設けてあり、第2スライド扉2の上端には扉幅方向に間隔を存して2つのハンガーローラ20、20が設けてある。上壁部D2には、上枠5内に位置して、第1ハンガーレール11、第2ハンガーレール21が設けてある。図示の態様では、第1ハンガーレール11と第2ハンガーレール21は段違い状に異なる高さ位置で延びているが、この態様には限定されない。
【0016】
第1スライド扉1は、ハンガーローラ10が第1ハンガーレール11上を転動することで、開閉移動するようになっており、第1ハンガーレール11は、第1スライド扉1のハンガーローラ10の移動範囲をカバーするように延びている。より具体的には、第1ハンガーレール11の戸先側端部は、全閉姿勢にある第1スライド扉1の戸先側のハンガーローラ10に対応する位置にあり、第1ハンガーレール11の戸尻側端部は、全開姿勢にある第1スライド扉1の戸尻側のハンガーローラ10に対応する位置にある。
【0017】
第2スライド扉2は、ハンガーローラ20が第2ハンガーレール21上を転動することで、開閉移動するようになっており、第2ハンガーレール21は、第2スライド扉2のハンガーローラ20の移動範囲をカバーするように延びている。より具体的には、第2ハンガーレール21の戸先側端部は、全閉姿勢にある第2スライド扉2の戸先側のハンガーローラ20に対応する位置にあり、第2ハンガーレール21の戸尻側端部は、全開姿勢にある第2スライド扉2の戸尻側のハンガーローラ20に対応する位置にある。
【0018】
第1スライド扉1に設けた取手Hを用いて、第1スライド扉1を開放させることで、第1スライド扉1、第2スライド扉2を開放させるようになっている。例えば、第1スライド扉1が開放方向にスライド移動すると、戸尻側に移動する第1スライド扉1の戸尻側部位が開放姿勢にある第2スライド扉2の戸尻側部位に係止し、第1スライド扉1と第2スライド扉2が一体で開放方向にスライド移動して開放姿勢となる。引戸装置は、手動で開放した第1スライド扉1を自動で閉鎖させる自動閉鎖機構を備えている。開放姿勢から自動閉鎖機構によって第1スライド扉1が閉鎖方向にスライド移動すると、戸先側に移動する第1スライド扉1の戸尻側部位が、閉鎖姿勢にある第2スライド扉2の戸先側部位に係止し、第1スライド扉1と第2スライド扉2が一体で閉鎖方向にスライド移動して閉鎖姿勢となる。
【0019】
引戸装置は自閉式引戸装置であって、自動閉鎖機構を備えている。自動閉鎖機構は、ワイヤWと、ワイヤWを巻き取ることでワイヤWを介して開放姿勢にある第1スライド扉1(及び第2スライド扉2)を閉鎖方向に移動させる自閉装置6と、を含む。自閉装置6は、上枠5の上面50の戸先側部位に位置して設けてある。自閉装置6の外部にはワイヤWの巻取部である巻取ドラム60が設けてあり、巻取ドラム60にはワイヤWの一端が固定されている。自閉装置6には、巻取ドラム60と並んで第1プーリ60´が設けてあり、巻取ドラム60から水平に引き出されたワイヤWは、第1プーリ60´を経由して戸先側に向かって斜め下方に延び、上枠5内の戸先側部位に設けた第2プーリ7を経由して戸尻側に向かって水平に延び、ワイヤWの他端は、上枠5内の戸尻側部位に設けた巻取装置8の巻取ドラムに巻き取られるようになっている。
【0020】
巻取装置8の巻取ドラムは、ワイヤWを当該巻取ドラムに巻き取る方向に付勢するための手段(例えば、ぜんまいバネ)を備えている。自閉装置6の巻取ドラム60は、ワイヤWを当該巻取ドラム60に巻き取る方向に付勢されている。本実施形態では、自閉装置6の巻取ドラム60の巻取方向の付勢力は、巻取装置8の巻取ドラムの巻取方向の付勢力よりも大きい。自閉装置6の内部機構については、後述する。
【0021】
第1スライド扉1の戸先側のハンガーローラ10のブラケットには突出部100が設けてあり、ワイヤWの水平部分は、突出部100を挿通して延びている。第1スライド扉1のハンガーローラ10のブラケットの突出部100の戸尻側部位には、ワイヤWに固定した当接体101が戸先側に向かう方向から当接しており、第1スライド扉1の開放姿勢時に、自閉装置6によって、ワイヤWの一端が巻取ドラム60に巻き取られていくと、ワイヤWの水平部分が戸先側に移動し(この時、ワイヤWの他端側部位は、巻取装置8の巻取ドラムから引き出される)、ワイヤW上の当接体101が突出部100を戸先側に向かって移動させることで、ハンガーローラ10、すなわち、第1スライド扉1が戸先側(閉鎖方向)へ移動して開口部Oを閉鎖する。
【0022】
全閉姿勢にある第1スライド扉1を自閉装置6の付勢力(ワイヤWを巻き取る方向の力)に抗して手動で戸尻側(開放方向)にスライド移動させると、ハンガーローラ10の突出部100がワイヤW上の当接体101に当接してワイヤWを戸尻側へ移動させることで、ワイヤWが自閉装置6の巻取ドラム60から引き出されながら戸尻側へ移動し、ワイヤWが戸尻側へ移動した分は巻取装置8の巻取ドラムに巻き取られる。
【0023】
図4を参照しつつ、自閉装置6の内部構造について説明する。自閉装置6は箱状のケーシングを備え、ケーシングは、上枠5の上面50に固定される底壁6A、底壁6Aから対向して垂直状の立ち上がる第1壁6B、第2壁6Cを備え、第1壁6Bと第2壁6Cの間の空間が自閉装置6の構成要素を収容する内部空間となっている。巻取ドラム60と第1プーリ60´は、第1壁6Bの外部に位置している。
【0024】
第1壁6Bと第2壁6C間には、第1軸61、第2軸62がそれぞれ回転自在に支持されている。第1軸61の一端は、第1壁6Bを越えて外部に突出しており、第1軸61の突出部に巻取ドラム60が設けてあり、第1軸61と巻取ドラム60は一体で回転するようになっている。第1軸61には、第2壁6C側に位置して、第1ギア63が設けてあり、第2軸62には、第2壁6C側に位置して、第2ギア64が設けてあり、第1ギア63と第2ギア64は噛合している。第1ギア63と第2ギア64の相対的な大きさは、第1ギア63が大径ギアであり、第2ギア64が小径ギアである。
【0025】
第2軸62には、第1巻取ドラム65が設けてあり、第1巻取ドラム65は、第2軸62と一体で回転するようになっている。第1巻取ドラム65に隣接して第2巻取ドラム66が配置されている。第1巻取ドラム65と第2巻取ドラム66は、ぜんまいバネ(長尺状の金属製板バネから渦巻き状に形成されている)67の巻取部である。引戸全閉時には、ぜんまいバネ67は、第2巻取ドラム66に巻き取られている。ぜんまいバネ67を形成する板バネは、第1面670と第2面671を有しており、ぜんまいバネ67は、第1面670を内側として第2巻取ドラム66に巻き取られており、第2面671を内側として第1巻取ドラム65に巻き取られるようになっている(図8参照)。
【0026】
全閉姿勢にある第1スライド扉1が開放される時には、巻取ドラム60に巻き取られたワイヤWが引き出されることで、巻取ドラム60、第1軸61、第2軸62、第1巻取ドラム65が第1の方向(後述する図6下図のA方向)に回転し、第2巻取ドラム66に巻き取られているぜんまいバネ67は第1巻取ドラム65に巻き取られていく。ぜんまいバネ67が第1巻取ドラム65に巻き取られるにしたがって、ぜんまいバネ67には、元の状態(第2巻取ドラム66に巻き取られた状態)に戻ろうとする力が蓄えられていく。
【0027】
したがって、第1スライド扉1を開放姿勢とした後で取手Hから手を離すと、一定時間後に(後述する自閉遅延機構を備えている場合には)、第1巻取ドラム65に巻き取られたぜんまいバネ67が、元の姿勢に復帰するように、第2巻取ドラム66に巻き取られていく。ぜんまいバネ67が第2巻取ドラム66に巻き取られる時に、第1巻取ドラム65が第2の方向(後述する図6下図のB方向)に回転して第2軸62が第2の方向に回転する。第2軸62の第2の方向の回転力は、第2ギア64、第1ギア63を介して、第1軸61に伝達され、第1軸61が第2の方向に回転して、ワイヤWの巻取ドラム60が第2の方向に回転して、ワイヤWを巻き取っていき、ワイヤWの水平部分が戸先側方向に移動することで、第1スライド扉1が閉鎖方向に移動する。
【0028】
本実施形態に係る自閉装置6は、自閉遅延機構を備えており、開口部Oの全開状態を所定時間保持するようにしている。自閉遅延機構は、第1軸61に設けられ、第1軸61と一体で回転するピニオン680と、ピ二オン680に噛合した移動ラック681と、引戸の開放状態を所定時間維持するためのタイマ機構682と、第2軸62の回転を規制する回転規制レバー683と、第2軸62に設けられ、第2軸62と一体で回転するラチェット684と、を備えている。移動ラック681は、第1軸61の回転に伴うピニオンの回転によって第1位置と第2位置との間で可動である。引戸全閉時(ぜんまいバネ67が第2巻取ドラム66に巻き取られている)には、移動ラック681は第1位置にあり、引戸開放に連動して、第1位置から第2位置へと移動し、引戸全開時(ぜんまいバネ67が第1巻取ドラム65に巻き取られている)には、移動ラック681は第2位置となる。
【0029】
移動ラック681が第1の位置から第2の位置に移動した時に、回転規制レバー683は下方に回動し、下方に回動した状態で先端の当接部6830の上動がタイマ機構682によって機械的に規制される。回転規制レバー683の長さ方向中間部位には係止部6831が設けてあり、回転規制レバー683が下方に回動した状態では、係止部6831が第2軸62に設けたラチェット684に係止することで、第2軸62の第2の方向の回転を規制している。移動ラック681が第1の位置から第2の位置に移動した時に、タイマ機構682のタイマが始動し、タイマ終了によって、回転規制レバー683の上方への回動規制が解除され、係止部6831とラチェット684との係止状態が解除され、第2軸62が第2の方向に回転可能となる。第2軸62が第2の方向に回転することに連動して、ワイヤWの巻取ドラム60が第2の方向に回転して、ワイヤWを巻き取っていき、ワイヤWの水平部分が戸先側方向に移動することで、第1スライド扉1が閉鎖方向に移動する。このような自閉遅延機構は公知であり、より詳細な説明については、特許文献1を参照することができる。
【0030】
図6に示すように、第1巻取ドラム65におけるぜんまいバネ67の巻取面は、周方向に間隔を存して配置した3つの板状要素650から形成されている。各板状要素650は、フラット面6500とフラット面6500の周方向両側の傾斜面6501とからなる。ぜんまいバネ67の一端は、1つの板状要素650のフラット面6500にビス等で固定されている。各板状要素650の傾斜面6501は、第1巻取ドラム65の周方向と略一致しており、ぜんまいバネ67の最初の一巻の第2面671は、各板状要素650の傾斜面6501に接触するようになっている。すなわち、ぜんまいバネ67は、第2面671を内側にして、第1巻取ドラム65に巻き取られるようになっている。第1巻取ドラム65は、巻取面(3つの板状要素650)と、巻取面を挟むように両側に位置して設けた一対の円板状の周縁部651と、からなり、周縁部651は円周状の側縁652を備えている。
【0031】
図5に示すように、第2巻取ドラム66は、ベアリング(図示せず)を介して、軸66´に回転自在に取り付けてあり、軸66´は、底壁6Aに固定したブラケット9に支持されている。第2巻取ドラム66は、巻取面660と、巻取面660を挟むように両側に位置して一対の円板状の周縁部661と、からなり、周縁部661は円周状の側縁662を備えている。巻取面660は、略円周面であるが、一部にフラット部6660が形成されており、ぜんまいバネ67の他端は、巻取面660のフラット部6660にビス等で固定される。ぜんまいバネ67は、第1面670を内側にして、第2巻取ドラム66に巻き取られるようになっている。本実施形態では、第1巻取ドラム65と第2巻取ドラム66の幅寸法(巻取面の幅寸法、周縁部651、652の外面間ないし内面間の寸法、側縁652、662の厚さは同じである。
【0032】
ブラケット9は、底面90と、底面90から対向状に垂直に立ち上がる一対の側面91、92を備え、軸66´の長さ方向端部は、それぞれ、側面91、92に支持されている。第2巻取ドラム66は、第1巻取ドラム65に隣接しており、第2巻取ドラム66において、第1巻取ドラム65に近い側を前側、第1巻取ドラム65から遠い側を後側とする。ブラケット9の前側部位には、第1巻取ドラム65と第2巻取ドラム66の間に位置して、逆巻き防止要素93が設けてある。図6に示すように、第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652と第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662は近接しており、逆巻き防止要素93は、上記近接部の下方の空間に位置している。
【0033】
本実施形態に係る逆巻き防止要素93は、立ち上がり状の板状体であり、第1巻取ドラム65側の第1面93Aと、第2巻取ドラム66側の第2面93Bを備えており、ブラケット9に対して下端を支点ないし中心として揺動可能に取り付けられている。本明細書では、逆巻き防止要素93の実施形態として2つの形態を開示する。図7の右図が第1実施形態であり、左図が第2実施形態である。第1実施形態と第2実施形態とは、上端部の当接部において相違し、その他の点については共通する。ここでは、第1実施形態について説明し、第2実施形態については後述する。なお、逆巻き防止要素93は、第1巻取ドラム65、第2巻取ドラム66、ぜんまいバネ67の動作に実質的に影響を与えない場合には、揺動せずに、ブラケット9(底面90や側面91、92)に固定ないし一体化されていてもよい。
【0034】
逆巻き防止要素93は、水平状の上端部930と、上端部930の左右の傾斜部931とを備えている。逆巻き防止要素93の幅寸法、具体的には、左右の側縁932間の寸法は、第1巻取ドラム65の幅寸法(周縁部651の外面間の寸法)、第2巻取ドラム66の幅寸法(周縁部661の外面間の寸法)よりも大きい。逆巻き防止要素93の上端部930の幅寸法は、第1巻取ドラム65の幅寸法(周縁部651の内面間の寸法)、第2巻取ドラム66の幅寸法(周縁部661の内面間の寸法)よりも小さい。逆巻き防止要素93の上端部930を、第1巻取ドラム65の周縁部651の内面間に位置させた時には、左右の傾斜部931が、第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652に対向するように位置する。逆巻き防止要素93の上端部930を、第2巻取ドラム66の周縁部661の内面間に位置させた時には、左右の傾斜部931が、第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662に対向するように位置する。
【0035】
したがって、逆巻き防止要素93の上端部930及びその近傍部位(第2面93Bの上端部位)が、ぜんまいバネ67の部分(典型的には、第1巻取ドラム65と第2巻取ドラム66の間に亘って延びる部分67´)に当接可能な第1当接部となっている。逆巻き防止要素93の左右の傾斜部931及びその近傍部位(第1面93Aの上端部位)が、第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652に当接可能な第2当接部となっている。なお、第1巻取ドラム65にぜんまいバネ67が巻き取られて巻径が大きくなった場合に、逆巻き防止要素93の第1面93Aの上端部位にぜんまいバネ67が接触してもよい。
【0036】
本実施形態の逆巻き防止要素93の揺動の構成について説明する。逆巻き防止要素93の左右の側縁932の下端には、左右の突片933が板厚内で突成されている。ブラケット9の側面91、92の前側の下端には方形状の切り欠き911、921(図5参照)が形成されており、底面90の前端は、切り欠き911、921までは達していない。逆巻き防止要素93の幅は、ブラケット9の側面91、92の内面間の寸法と略同じであり、逆巻き防止要素93は、下端の左右の突片933を、側面91、92の下端の切り欠き911、921内に位置させて、ブラケット9に設けてある。逆巻き防止要素93の下端の突片933は、遊びがある状態で側面91、92の下端の切り欠き911、921内に位置しており、逆巻き防止要素93は下端を支点として揺動可能となっている。逆巻き防止要素93の揺動可能の構成は上記の態様に限定されない。例えば、逆巻き防止要素93の下端の軸を介して回動可能に支持してもよい。あるいは、逆巻き防止要素93を立ち上がり部と底面部からL形状の剛性を備えた弾性部材(板バネ材)から形成し、底面部に対して立ち上がり部が弾性によって揺動可能としてもよい。
【0037】
本実施形態に係る逆巻き防止要素93は自立できず、引戸全閉時(ぜんまいバネ67が第2巻取ドラム66に巻き取られた状態)には、下端を支点として後側に僅かに倒れるように傾いた姿勢で、上端部930がぜんまいバネ67の部分67´の第2面671に当接、および/あるいは、左右の傾斜部931が第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652に当接している(図6下図)。
【0038】
引戸全閉時から引戸が開放を開始すると、第1巻取ドラム65が第1の方向(図6下図のA方向)に回転を開始し、ぜんまいバネ67の部分67´が前側に膨らんだ状態から、上方に引き上げられるように移動し(逆巻き防止要素93の上端部930から後側に逃げるように移動する)、逆巻き防止要素93は、下端を支点としてさらに後側に倒れるように傾いた姿勢で、上端部930がぜんまいバネ67の部分67´に当接、および/あるいは、左右の傾斜部931が第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662に当接した状態となる(図8左図)。
【0039】
さらに、第1巻取ドラム65が第1の方向に回転して、ぜんまいバネ67が第1巻取ドラム65に巻き取られていくと、第2巻取ドラム66からぜんまいバネ67が引き出されていき、第2巻取ドラム66に巻き取られているぜんまいバネ67の径は縮径していき、逆巻き防止要素93の傾斜部931が第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662に当接して傾動状態を維持したまま、逆巻き防止要素93の上端部930とぜんまいバネ67の部分67´は離間していく。引戸全開時には、図8右図の状態となる。
【0040】
引戸全開時から引戸が閉鎖を開始すると、第1巻取ドラム65が第2の方向に回転して、ぜんまいバネ67が第1巻取ドラム65から引き出されて、第2巻取ドラム66に巻き取られていき、第2巻取ドラム66に巻き取られるぜんまいバネ67の径は拡径していき、引戸全閉時には、図6下図の状態となる。
【0041】
引戸全閉時からの引戸開放時に、逆巻き防止要素93の上端部930とぜんまいバネ67の部分67´は接触し得るが、逆巻き防止要素93は、ぜんまいバネ67の部分67´から逃げる方向に揺動可能なので、逆巻き防止要素93は、第1巻取ドラム65の第1の方向の回転に伴うぜんまいバネ67の第2巻取ドラム66からの引き出し・第1巻取ドラム65への巻き取りに影響を与えない。引戸全開時からの引戸閉鎖過程では、逆巻き防止要素93はぜんまいバネ67の部分67´に接触しない。逆巻き防止要素93の傾斜部931が第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662に接触し得るが、逆巻き防止要素93は、第2巻取ドラム66の側縁662から逃げる方向に揺動可能なので、逆巻き防止要素93は、第2巻取ドラム66の第2の方向の回転に伴うぜんまいバネ67の第2巻取ドラム66への巻き取り・第1巻取ドラム65からの引き出しに影響を与えない。
【0042】
図6下図は、開口部全閉状態に対応しており、第2巻取ドラム66は、第1巻取ドラム65の後側斜め下方に位置しており、第2巻取ドラム66に巻き取られたぜんまいバネ67は、第2巻取ドラム66の下側から前側かつ上方に引き出され、第1巻取ドラム65の上側から巻き取られるようになっている。図6下図において、第2軸62及び第1巻取ドラム65の第1の回転方向を矢印Aで示し、第2の回転方向を矢印Bで示す。同様に、第1軸61の第1の回転方向を矢印Aで示し、第2の回転方向を矢印Bで示す。引戸が開放を開始すると、第1軸61及び第2軸62は第1の方向(A方向)に回転し、第1の方向(A方向)が正常な巻取方向である。
【0043】
ここで、引戸の設置時に、ワイヤWの一端側が誤った方向で巻き取られるように巻取ドラム60に固定されていると、引戸が開放を開始することで、第1軸61が第2の方向に回転し、連動して、第2軸62及び第1巻取ドラム65が第2の方向(B方向)に回転する。図6下図の状態において、第1巻取ドラム65のB方向への回転は、ぜんまいバネ67の部分67´を第1巻取ドラム65の下側に引き込むような回転であるが、本実施形態では、逆巻き防止要素93の上端部930がぜんまいバネ67の部分67´の第2面671に近接ないし接触しているので、ぜんまいバネ67の逆巻き方向の挙動を示した時には、ぜんまいバネ67の部分67´の第2面671(例えば、ぜんまいバネ67が第2巻取ドラム66に巻き取られた状態を示す図6下図の態様では、ぜんまいバネ67の部分67´において、第1巻取ドラム65の板状要素650に固定された部位の下側の位置)に逆巻き防止要素93の上端部930が当接して突っ張ることで、ぜんまいバネ67の逆巻きを防止する。この時、逆巻き防止要素93は下端を支点として揺動可能なので、第1巻取ドラム65側に揺動し得るが、逆巻き防止要素93の両側の傾斜部931が第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652に当接することで、揺動が規制された姿勢で突っ張ることができる。また、引戸全閉状態からの開放動作始動時にぜんまいバネ67が逆巻き方向の挙動を示すと、逆巻き防止要素93によってぜんまいバネ67の巻き取りが規制されて引戸が開かないので、引戸が開かないことをもって、ワイヤWの一端側が誤った方向で巻取ドラム60に固定されていることを認識することができる。
【0044】
図6下図の状態において、第1巻取ドラム65がB方向に回転しようとした場合のぜんまいバネ67の部分67´の引き込みを良好に防止するためには、逆巻き防止要素93の上端部930と第1巻取ドラム65の巻取面(板状要素650の傾斜面6501)とのクリアランスCが小さい方が有利である。逆巻き防止要素93の上端を水平状の上端部930と左右の傾斜部931から構成し、上端部930が、第1巻取ドラム65の左右の周縁部651間の空間に入り込むことを可能とすることで、クリアランスCを小さくできる。一方、クリアランスCを小さくすると、逆巻き防止要素93が後側に倒れるように傾動した時に、上端部930がぜんまいバネ67の部分67´に接触し易くなるが、逆巻き防止要素93が後側に倒れるように傾動した時には、左右の傾斜部931ないし傾斜部931の近傍部位(第2面93Bの上端部位)が第2巻取ドラム66の周縁部661の側縁662に当接することで、逆巻き防止要素93の後側への過度の傾動を規制する(図8右図では、逆巻き防止要素93の上端部930はぜんまいバネ67の部分67´に接触していない)。
【0045】
図7左図は、逆巻き防止要素93の第2の実施形態を示す。逆巻き防止要素93は、水平状の上端部930と、上端部930の左右の段部931´とを備えている。第1の実施形態に係る逆巻き防止要素93の説明において、傾斜部931を段部931´に置き換えることで、既述の説明を援用することができる。また、図7左図に示す態様では、上端部930の高さ位置が、図7右図に示す態様よりも高くなっており、クリアランスCがより小さくなるようにしている。
【0046】
図5に示すように、本実施形態に係るブラケット9の後側部位には、後面940と対向状の側面941、942から平面視コ字形の補強要素94が固定されている。補強要素94の側面941、942は、ブラケット9の側面91、92の後側部位に重なるように設けてあり、側面941、942には、軸66´の押え部が形成されており、側面91、92の支持部と側面941、942の押え部で軸66´の長さ方向端部を固定するようになっている。なお、第2巻取ドラム66の軸66´の支持構造は、図示の態様に限定されない。第2巻取ドラム66は、ブラケット9の側面91、92(及び補強要素94の側面941、942)の間の空間に収まっている。ブラケット9の側面91、92の上端と補強要素94の側面941、942の上端の水平縁は一致しており、第2巻取ドラム66の上方部位は部分的にブラケット9(補強要素94を含む)の上端よりも上方に位置している。ブラケット9の側面91、92の前側は下向きの傾斜縁910、920となっており、傾斜縁910、920は、第1巻取ドラム65の周縁部651の側縁652の近傍に位置しており、逆巻き防止要素93の上方部位は、傾斜縁910、920よりも上方に延びている。ぜんまいバネ67において、第1巻取ドラム65と第2巻取ドラム66との間に亘って延びる部分67´は、正面視において、傾斜縁910、920の上方に位置している。
【符号の説明】
【0047】
1 第1スライド扉
3 第2スライド扉
6 自閉装置
65 第1巻取ドラム(第1巻取体)
650 板状要素(巻取面)
651 周縁部
66 第2巻取ドラム(第2巻取体)
660 巻取面
661 周縁部
67 ぜんまいバネ
67´ ぜんまいバネの部分
93 逆巻き防止要素
930 上端部(第1当接部)
931 傾斜部(第2当接部)
931´ 段部(第2当接部)
933 突片(基端部)
93A 逆巻き防止要素の第1面(上端部位かつ両側部位が第2当接部となる)
93B 逆巻き防止要素の第2面(上端部位が第1当接部となる)
A 第1の方向
B 第2の方向(逆巻き)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8