(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】ゲーム装置、情報処理プログラム、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/493 20140101AFI20230718BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20230718BHJP
A63F 13/53 20140101ALI20230718BHJP
【FI】
A63F13/493
A63F13/45
A63F13/53
(21)【出願番号】P 2020058842
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2022-01-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001276
【氏名又は名称】弁理士法人小笠原特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】吉信 智章
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 智広
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-525(JP,A)
【文献】特開2015-47498(JP,A)
【文献】特開2015-42220(JP,A)
【文献】特開2012-183293(JP,A)
【文献】特開2012-64010(JP,A)
【文献】特開2003-205169(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0312626(US,A1)
【文献】収録30タイトル一挙公開!『タッチ!amiibo いきなりファミコン名シーン』が無料配信スタート,famitsu.com [online],2015年04月23日,https://www.famitsu.com/news/201504/23077283.html,[2023年02月01日検索]
【文献】スゴ得・知っ得・買っ得・納得スペシャル フリーソフト×無料アプリお得技,Windows100%,日本,株式会社晋遊舎,2013年06月13日,第16巻 、第7号,pp. 50-53
【文献】NEWS iPhone EXPRESS 業界スペシャリストが新型iPhoneを大胆予想!!,iPhoneMagazine,日本,株式会社三栄書房 SAN-EI SHOBO Publishing co.,Ltd.,2012年09月18日,第2巻,pp. 8,9
【文献】「PlayStation Suite」とは何か? Android端末で初代PSタイト ルをプレイしてみた,4gamer.net [online],2012年03月02日,https://www.4gamer.net/games/123/G012307/20120221064/,[2023年02月01日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24,13/00-13/98
G06F 3/01, 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイトル画面が表示されるタイトルシーンとプレイ画面が表示されるプレイシーンとを少なくとも含む複数のゲームのゲームプログラムを記憶した記憶媒体と、
前記ゲームプログラムに基づくゲーム処理を実行するコンピュータと、
前記実行中のゲーム処理にかかるゲーム画面が表示されるディスプレイと、
ユーザに操作されることで、前記複数のゲームのうち実行されるゲーム処理が所定の順序で切り替わる第1の切替操作部とを備え、
前記コンピュータは、前記第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、
実行中のゲーム処理がプレイシーンである場合には、当該ゲーム処理を中断して他のゲーム処理へ切り替え、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記プレイシーンの中断時の続きから当該ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行するとともに、所定条件が満たされるまで当該ゲーム処理にかかるゲームであることを示す第1画像をディスプレイに表示し、
実行中のゲーム処理がタイトルシーンである場合には、他のゲーム処理へ切り替え
、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記第1画像を前記ディスプレイに表示することなく、前記タイトルシーンから前記ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行する、ゲーム装置。
【請求項2】
前記記憶媒体には3つの前記ゲームプログラムが記憶される、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記記憶媒体には、非ゲームアプリケーションプログラムが更に記憶されており、
前記ゲーム装置は、ユーザに操作されることで、前記ゲーム処理の実行と前記非ゲームアプリケーションプログラムによる非ゲームアプリ処理の実行とが切り替わる第2の切替操作部を更に備え、
前記コンピュータは、前記第2の切替操作部への操作に応じて前記非ゲームアプリ処理からゲーム処理の実行に切り替える場合は、当該非ゲームアプリ処理に切り替わる直前に実行されていたゲーム処理の実行に切り替える、請求項1または2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記コンピュータは、前記第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、実行中のゲーム処理がプレイシーンであるか否かに関わらず、切り替えるゲーム処理が前記所定の順序のうちのどの順番に該当するのかを示す第2画像を前記ディスプレイに表示する、請求項1乃至
3のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記第2画像の表示面積は、前記第1画像よりも小さい、請求項
4に記載のゲーム装置
。
【請求項6】
前記コンピュータは、前記プレイシーンで中断されたゲーム処理を再開させる場合は、ゲームの進行を一時停止させた状態で当該ゲーム処理を再開させる、請求項1乃至
5のい
ずれかに記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記コンピュータは、前記第1画像の表示を開始した後、所定時間が経過した場合、または、当該所定時間の経過前であってもユーザによる所定の操作が行われた場合は、当該第1画像を消去する、請求項1乃至
6のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記コンピュータは、
前記第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、現在実行中のゲーム画像を暗転させるような表示を所定の時間だけ行ってから切り替え先のゲーム画像の表示を開始し、
前記第1画像を表示する場合は、前記ゲーム画像を暗転表示させている間に当該第1画像を表示する、請求項1乃至
7のいずれかに記載のゲーム装置。
【請求項9】
タイトル画面が表示されるタイトルシーンとプレイ画面が表示されるプレイシーンとを少なくとも含む複数のゲームのゲームプログラムを記憶した記憶媒体と、実行中のゲームのゲーム画面が表示されるディスプレイとを備えるゲーム装置のコンピュータに実行させる情報処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記ゲームプログラムに基づくゲーム処理を実行させ、
第1の切替操作部がユーザに操作されることで、前記複数のゲームのうち実行するゲーム処理を所定の順序で切り替えさせ、
前記第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、
実行中のゲーム処理がプレイシーンである場合には、当該ゲーム処理を中断して他のゲーム処理に切り替え、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記プレイシーンの中断時の続きから当該ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行させるとともに、所定条件が満たされるまで当該ゲーム処理にかかるゲームであることを示す第1画像をディスプレイに表示させ、
実行中のゲーム処理がタイトルシーンである場合には、他のゲーム処理へ切り替え
、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記第1画像を前記ディスプレイに表示することなく、前記タイトルシーンから前記ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行させる、情報処理プログラム。
【請求項10】
タイトル画面が表示されるタイトルシーンとプレイ画面が表示されるプレイシーンとを少なくとも含む複数のゲームのゲームプログラムを記憶した記憶媒体と、実行中のゲームのゲーム画面が表示されるディスプレイとを備えるゲーム装置のコンピュータが実行する情報処理方法であって、
前記コンピュータに、
前記ゲームプログラムに基づくゲーム処理を実行させ、
第1の切替操作部がユーザに操作されることで、前記複数のゲームのうち実行するゲームを所定の順序で切り替えさせ、
前記第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、
実行中のゲーム処理がプレイシーンである場合には、当該ゲーム処理を中断して他のゲーム処理に切り替え、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記プレイシーンの中断時の続きから当該ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行させるとともに、所定条件が満たされるまで当該ゲーム処理に係るゲームであることを示す第1画像をディスプレイに表示させ、
実行中のゲーム処理がタイトルシーンである場合には、他のゲーム処理へ切り替え
、前記第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、前記第1画像を前記ディスプレイに表示することなく、前記タイトルシーンから前記ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行させる、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、情報処理プログラム、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、複数のゲームアプリケーションがインストールされ得る情報処理装置が知られている。この装置では、ユーザがメニュー画面からプレイするゲームを選択して、ゲームプレイすることが可能となっている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような情報処理装置は、複数のゲームが一覧表示されるメニューから、ユーザがプレイしたいゲームを選択するので、このようなメニューから選択する場合ではなく、所定の操作でプレイするゲームが順次切り替わっていくような場合については特に考慮されていなかった。また、このような順次切り替えの場合、切り替わったゲームがどのゲームであるかユーザが瞬時に把握しにくい可能性があった。
【0005】
それ故に、本発明の目的は、プレイの対象となる複数のゲームを切り替え、プレイ中のゲーム画面に遷移する場合に、切り替えたゲームがどのゲームであるのかをユーザが把握しやすいゲーム装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、例えば以下のような構成例が挙げられる。
【0007】
構成例の一例は、記憶媒体と、コンピュータと、ディスプレイと、第1の切替操作部とを備えるゲーム装置である。記憶媒体には、タイトル画面が表示されるタイトルシーンとプレイ画面が表示されるプレイシーンとを少なくとも含む複数のゲームにかかるゲームプログラムが記憶されている。コンピュータは、ゲームプログラムに基づくゲーム処理を実行する。ディスプレイには、実行中のゲーム処理にかかるゲーム画面が表示される。第1の切替操作部は、ユーザに操作されることで、当該複数のゲームのうち実行するゲーム処理を所定の順序で切り替える。
そして、コンピュータは、第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、(1)実行中のゲーム処理がプレイシーンである場合には、当該ゲーム処理を中断して他のゲーム処理に切り替え、第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、プレイシーンの中断時の続きから当該ゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行するとともに、所定条件が満たされるまで当該ゲーム処理にかかるゲームであることを示す第1画像をディスプレイに表示する。また、(2)実行中のゲーム処理がタイトルシーンである場合には、他のゲーム処理へ切り替え、その後、第1の切替操作部への更なる操作によって再度当該ゲーム処理が実行されるときには、第1画像をディスプレイに表示することなく、タイトルシーンからゲーム処理が再開されるように当該ゲーム処理を実行する。
【0008】
上記構成例によれば、第1の切替操作部への操作という簡易な操作によって、ユーザがプレイするゲームを切り替えることができる。この切り替えの際、切り替わる先のゲームがプレイ中の状態であると、ゲームのシーンによってはどのゲームに切り替わったのかが瞬時に把握できずに、ユーザがスムーズにゲームに復帰できない可能性がある。このような場合に、ゲーム名等の画像を第1画像として表示することでユーザのゲーム復帰を補助することができる。その一方で、切り替わる先のゲームについて、プレイ中ではなくタイトル画面が表示されるような場合は、ユーザはどのゲームに切り替わったのかは容易に把握できるため、第1画像は表示しないようにして、当該タイトル画面の視認性を向上する。すなわち、タイトル画面において、第1画像で特定の箇所が隠れてしまうと、その部分がユーザに見えなくなってしまう可能性があるところ、これを防ぐことができる。更には、第1画像は表示しないようにすることで、タイトル画面の表示領域と重畳しないところに第1画像を表示するような構成に比べて、画面スペースを有効活用することもできる。
【0009】
他の構成例として、記憶媒体には3つのゲームプログラムが記憶されていてもよい。
【0010】
上記構成例によれば、ユーザが切り替わり先のゲームを容易に認識でき、ユーザビリティを向上させることができる。例えば、切り替え対象のゲームがもし2つだけである場合は、切り替えた場合の切り替わり先は現在プレイ中のゲームではない方のゲームであるため、切り替わったゲームがどちらのゲームであるのかをユーザは比較的容易に把握できるが、切り替え対象のゲームが3つある場合は、どのゲームに切り替わったのかについて、混乱を生じやすい。この点、本願の構成であれば、切り替わり先のゲームをユーザに容易に認識させることができる。ここで、切り替え対象のゲームが3つである場合、メニューを開いてプレイするゲームを選択させる構成も考えられるが、この構成だと、「メニューを開く」「プレイしたいゲームにカーソル等を合わせる」「決定する」という3段階の操作が必要になる。この点、上記のような第1の切替操作部を用いる構成であれば、操作回数をより少なくすることができ、ユーザの利便性をより高めることができる。
【0011】
他の構成例として、記憶媒体には、非ゲームアプリケーションプログラムが更に記憶されていてもよい。更に、ゲーム装置は、ユーザに操作されることで、ゲーム処理の実行と非ゲームアプリケーションプログラムによる非ゲームアプリ処理の実行とが切り替わる第2の切替操作部を更に備えていてもよい。そして、コンピュータは、第2の切替操作部への操作に応じて非ゲームアプリ処理からゲーム処理に切り替える場合は、当該非ゲームアプリ処理に切り替わる直前に実行されていたゲーム処理の実行に切り替えるようにしてもよい。
【0012】
上記構成例によれば、例えばユーザが、あるゲームのプレイ中に一時的に非ゲームアプリケーションプログラムに切り替え、その後当該ゲームのプレイに戻りたいというような場合に、簡易な操作で直前に遊んでいたゲームに戻ることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0013】
他の構成例として、記憶媒体に記憶される複数のゲームプログラムのうち少なくとも2つは、実質的に同じプレイヤキャラクタを操作するゲームのゲームプログラムであってもよい。
【0014】
上記構成例によれば、2つのゲームが実質的に同じプレイヤキャラクタ、例えば見た目がほぼ同じプレイヤキャラクタを操作するゲームの場合、どのゲームに切り替わったのかを切り替え直後に瞬時に把握できずユーザが混乱する可能性がある。しかし、上記構成であれば、このような混乱を防ぐ、あるいは軽減することができ、ユーザビリティを向上させることができる。
【0015】
他の構成例として、コンピュータは、第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、実行中のゲーム処理がプレイシーンであるか否かに関わらず、切り替えるゲーム処理が所定の順序のうちのどの順番に該当するのかを示す第2画像をディスプレイに表示してもよい。
【0016】
上記構成例によれば、切り替わり先のゲームが、切り替わる順序においてどの順番に位置するのかユーザに把握させることができる。そのため、更にもう一度第1の切替操作部を操作した場合に、次にどのゲームに切り替わるかをユーザに容易に把握させることができる。
【0017】
他の構成例として、第2画像の表示面積は、第1画像よりも小さい面積でもよい。
【0018】
上記構成例によれば、切り替え操作の結果、プレイ中のゲームに戻った際には、第1画像と第2画像との双方が表示されることになるが、プレイ中のゲーム画面においては、現在のゲームがどのゲームであるのかをいちはやく把握することが重要であるといえる。そのため、第1画像の方を第2画像よりも大きく表示することで、画面スペースを有効活用しつつユーザビリティを向上させることができる。
【0019】
他の構成例として、コンピュータは、プレイシーンで中断されたゲーム処理を再開させる場合は、ゲームの進行を一時停止させた状態で当該ゲーム処理を再開させてもよい。
【0020】
上記構成例によれば、ゲームを切り替えた際、すぐにゲームのプレイはスタートせずに、ユーザがプレイを再開するための準備ができるため、ユーザビリティを向上できる。
【0021】
他の構成例として、コンピュータは、第1画像の表示を開始した後、所定時間が経過した場合、または、当該所定時間の経過前であってもユーザによる所定の操作が行われた場合は、当該第1画像を消去してもよい。
【0022】
上記構成例によれば、第1画像が表示され続けることによる視認性の低下を防ぐことができる。特に、ゲームを一時停止させた状態で再開された場合であって、この一時停止状態が解除されたときは、ゲームのプレイが再開されることになる。そのため、このような場合は、所定時間の経過前であっても第1画像の表示を消すことで、ユーザビリティを向上させることができる。
【0023】
他の構成例として、コンピュータは、第1の切替操作部への操作に応じて実行中のゲーム処理を切り替えるとき、現在実行中のゲーム画像を暗転させるような表示を所定の時間だけ行ってから切り替え先のゲーム画像の表示を開始し、第1画像を表示する場合は、ゲーム画像を暗転表示させている間に当該第1画像を表示するようにしてもよい。
【0024】
上記構成例によれば、ゲームが切り替わったことをユーザに容易に認識させることができる。また、暗転画面中でも第1画像は表示されるため、どのゲームに切り替わるのかをユーザに容易に把握させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本実施形態によれば、簡易な操作で複数のゲームを切り替えることができ、また、この切り替えの際に、どのゲームに切り替わるかの把握が容易なゲーム装置等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図
【
図9】第2のゲームへの切り替え直後の画面例(プレイシーン)
【
図10】第3のゲームへの切り替え直後の画面例(プレイシーン)
【
図11】第1のゲームへの切り替え直後の画面例(プレイシーン)
【
図12】第2のゲームへの切り替え直後の画面例(タイトルシーン)
【
図13】第3のゲームへの切り替え直後の画面例(タイトルシーン)
【
図14】フラッシュメモリ102に記憶されるデータの一例
【
図16】ゲーム画像生成処理の詳細を示すフローチャート
【
図17】画面出力制御処理の詳細を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0027】
[情報処理装置のハードウェア構成]
以下、本発明の一実施形態について説明する。まず、本実施形態で想定する情報処理装置のハードウェア構成について説明する。本実施形態では、情報処理装置の一例として、携帯型ゲーム装置(以下、単にゲーム装置と呼ぶ)を例に説明する。ここで、本実施形態にかかるゲーム装置には、3つのゲームアプリケーション(以下、単にゲーム)がプリインストールされており、実行するゲームを所定の操作で切り替えてプレイすることが可能となっている。また、これらゲームとは別に、時計アプリケーション(以下、時計アプリ)もインストールされており、例えばユーザがゲームをプレイしない場合は、時計アプリを実行させておくことで、当該ゲーム装置を時計として利用することも可能となっている。
【0028】
図1は、本実施形態にかかるゲーム装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
図1において、ゲーム装置10は、プロセッサ101と、フラッシュメモリ102と、DRAM103と、ディスプレイ104と、操作部105とを備えている。また、図示は省略するが、ゲーム装置10は、RTCやバッテリーも備えている。なお、当該ゲーム装置10は、例えば、両手または片手に把持される程度の大きさの可搬型のゲーム機である。
【0029】
プロセッサ101は、後述するような各種処理を実行する。なお、プロセッサ101は、単一のプロセッサを搭載してもよいし、複数のプロセッサを搭載するようにしてもよい。フラッシュメモリ102は、プロセッサ101によって実行される各種プログラムおよび当該プログラムで利用される各種データが格納される。DRAM103は、ゲーム処理の過程で生成されたゲームデータを必要に応じて記憶するためのメモリである。また、本例では、実際に本実施形態の処理を実行するに際して、フラッシュメモリ102内の各種プログラム及びデータが当該DRAM103にコピー(ロード)される。そして、以下に説明する処理の実行においては、基本的には当該DRAM103にコピーされたプログラムやデータが用いられる。また、DRAM103の領域の一部は、VRAM(Video RAM)としても用いられる。
【0030】
次に、操作部105は、ユーザからの操作を受け付けるための入力装置である。具体的には、操作部105には、方向指示ボタン106(例えば十字キー等)、Aボタン107、Bボタン108、第1切り替えボタン109、第2切り替えボタン110、PAUSEボタン111を少なくとも含む。本例では、これらのボタンは押下式のボタンであるとする。その他、図示は省略するが、リセットボタンや電源ボタン等も操作部105に含まれている。
【0031】
方向指示ボタン106は、例えば上下左右の各方向を入力するためのボタンである。Aボタン107、Bボタン108は、所定の項目の決定操作やキャンセル操作に用いられる。また、後述する各種のゲーム処理において、所定の機能が適宜割り当てられる。例えば攻撃操作、アクセル操作、ブレーキ操作等が割り当てられる。第1切り替えボタン109は、上述した複数のゲームについて、実行するゲームを切り替えるためのボタンである。第2切り替えボタン110は、時計アプリに切り替えるためのボタンである。いずれかのゲームの実行中に第2切り替えボタン110が押下されることで、時計アプリの実行に処理を切り替えることができる。PAUSEボタン111は、ゲーム処理の実行中において、実行中のゲームを一時停止状態とし、また、この一時停止状態を解除するためのボタンである。ゲームのプレイ中に当該PAUSEボタンを押すとプレイ中のゲーム処理を一時停止状態にすることができる。また、一時停止状態のときに再度PAUSEボタン111を押下することで、一時停止状態を解除できる。なお、本実施形態では、一時停止状態を解除するための操作(以下、一時停止解除操作)として、この他、Aボタン107、Bボタン108の押下によっても解除できるものとする。
【0032】
[本実施形態の処理の概要]
次に、本実施形態で想定する処理の概要について説明する。上記のように、本実施形態のゲーム装置10では、3つのゲームがプレイ可能となっている。そして、上記第1切り替えボタン109を押下する度に、実行するゲームを所定の順番で切り替えることが可能となっている。
【0033】
上記3つのゲームの一例を、画面例を用いて簡単に説明する。本実施形態では、まず、第1のゲームとして、横スクロール型のシューティングゲームを例に挙げる。
図2は、当該第1のゲームのプレイ中の画面例である。
図2では、プレイヤキャラクタ211と敵キャラクタ212とが表示されている。ユーザは、方向指示ボタン106を操作してプレイヤキャラクタ211を移動させ、Aボタン107およびBボタン108を用いて各種攻撃を行うことができる。
【0034】
次に、第2のゲームについて説明する。本実施形態では、第2のゲームとして、上記第1のゲームと同様の横スクロール型のシューティングゲームを例に挙げる。
図3に、第2のゲームのプレイ中の画面例を示す。この第2のゲームは、第2のゲームの「続編」にあたるゲームとなっている。本実施形態では、上記第1のゲームおよび第2のゲームは、もともと同一のプラットフォーム向けに作られたゲームの連作である。そして、第2のゲームのプレイヤキャラクタ221は、実質的に第1のゲームにおけるプレイヤキャラクタ211と同じキャラクタを用いている。「実質的に同じ」とは、例えば、キャラクタの外観が同じである場合や、厳密にはキャラクタの外観について微細な違いはあるがほぼ同じであると認識できる場合、あるいは(その連作において)同じキャラクタであると認識できる場合、等である。なお、第1のゲームおよび第2のゲームのそれぞれにおいて、プレイヤキャラクタはアイテムを取得した場合やダメージを受けた場合に、外観が変化しうる。
【0035】
次に、第3のゲームについて説明する。本実施形態では、第3のゲームとして、見下ろし型(俯瞰)画面構成のレースゲームを例に挙げる。
図4は、第3のゲームのプレイ中の画面例である。このゲームでのプレイヤキャラクタ231は、車両を模したキャラクタである。ユーザは、方向指示ボタン106を操作してハンドル操作を行い、Aボタン107およびBボタン108を用いてアクセルおよびブレーキ操作を行うことでプレイヤキャラクタ231を運転し、敵キャラクタ232とのレースを行う。
【0036】
なお、各ゲームとも、その起動時には「タイトル画面」が表示される。一例として、
図5に、上記第1のゲームのタイトル画面の例を示す。当該タイトル画面では、ゲームタイトル名が少なくとも含まれるパネル画像215と、操作示唆表示216とが表示されている。また、当該タイトル画面においては、ゲームキャラクタが登場して動き回るようなデモンストレーションも行われてもよい。また、このタイトル画面の表示後、ゲームステージを紹介するようなデモンストレーション画面が表示されてもよい。以下の説明では、このようなデモンストレーションを「タイトルデモ」と呼ぶ。また、上記タイトル画面とタイトルデモを併せて「タイトルシーン」と呼ぶ。このタイトルシーンにおいて、ユーザが所定の操作(ゲーム開始操作)を行うことで、プレイヤキャラクタを実際に操作してゲームを進行させるプレイ画面に移行することができる(すなわち、実際のゲームプレイを開始できる)。以下の説明では、このような操作可能なプレイヤキャラクタが表示され、実際に当該プレイヤキャラクタを操作してゲームをプレイさせるゲーム画面が表示される状態を「プレイシーン」と呼び、このときのゲーム画面を「プレイ画面」と呼ぶ。なお、このプレイシーンやプレイ画面について、本例では説明の便宜上、プレイヤキャラクタが明示的に画面に表示される例を挙げるが、この例に限らず、タイトルシーン以外のシーンであって、プレイヤキャラクタが直接的に表示されないような場合もプレイシーンに含まれ得る。例えば、パズルゲームやシミュレーションゲーム、キャラクタ育成ゲーム等で、直接的にプレイヤキャラクタが表示されてはいないが、ユーザの操作に応じて反応するようなオブジェクトが表示されている場合や、その他、タイトルシーン以外でユーザの操作に応じてゲームを進行可能なシーン全般は、本例でいうプレイシーンに含まれる。また、以下の説明で「プレイ中」というときは、特段の断りがない限り、プレイシーン中であることを想定する。
【0037】
ここで、PAUSEボタン111によるゲームの一時停止操作について補足する。本実施形態では、所定のシーンでPAUSEボタン111による一時停止が行われた場合は、引き続きそのシーンが維持されるものとする。例えば、プレイシーンにおいて一時停止が行われた場合、この一時停止の状態はプレイシーンに含まれる。一方、タイトルシーンの途中でPAUSEボタン111が押された場合は、一時停止状態としてもよいし、当該PAUSEボタン111の入力は無視するようにしてもよいが、仮にタイトルシーン中の一時停止ができるようにした場合は、この一時停止の状態はタイトルシーンに含まれる。
【0038】
なお、他の実施形態では、上記タイトルシーン、プレイシーン以外の「その他のシーン」を設定してもよい。本実施形態においては、タイトルシーンとプレイシーン以外のシーンを設定することを排除しないし、そのようなシーンにおいて後述する通知画像の表示をどうするかは適宜設定してもよい。
【0039】
ここで、上述のPAUSEボタン111の操作に関連して、上述した一時停止状態の画面の一例を示す。
図6は、第1のゲームの一時停止状態の画面例である。
図6では、画面の上部に「PAUSE」の文字を含む横長の棒状の画像251(以下、一時停止表示画像)がゲーム画像に重畳して表示されている。第1のゲームのプレイシーン中にユーザがPAUSEボタン111を押下することで、ゲームの進行が一時停止し、このような画面が表示される。この状態で、ユーザが再度PAUSEボタン111を押下等の一時停止解除操作を行うことで、一時停止状態が解除され、一時停止表示画像251も画面から消去されて、ゲームプレイが再開できる。
【0040】
なお、上記
図6では、プレイ中のゲーム画像が表示された状態で一時停止状態にしている例を示したが、他の実施形態では、一時停止状態のときはプレイ中のゲーム画像を表示せず、他の画像を表示するようにしてもよい。例えば制限時間制のパズルゲーム等、そのゲームの性質上、一時停止状態においてパズルの盤面をユーザに見せたくないようなゲームの場合は、一時停止表示画像251に相当するものだけを表示するようにしてもよい。
【0041】
ここで、以下の説明では、「一時停止状態」と「ゲーム処理の中断」との用語は区別して用いる。上記「一時停止状態」とは、後述するようなゲームの切り替えに伴う「ゲーム処理の中断」とは異なり、1フレーム毎のゲーム画像出力や、操作入力自体の受け付けは継続している等、ゲーム処理自体は続行している状態である。例えば、一時停止状態中に所定の入力(いわゆる隠しコマンド等)を行うことで、プレイヤキャラクタの状態を変化させること等も可能な状態である。一方、後述の「ゲーム処理の中断」は、ゲーム処理の実行を一旦完全に止めることをいう。
【0042】
上記のように、ゲーム装置10では3つの異なるゲームをプレイすることができる。そして、第1切り替えボタン109を押下することで、ディスプレイ104に表示されるこの3つのゲームを、第1のゲーム→第2のゲーム→第3のゲーム→第1のゲーム・・・、のループになる順番で切り替えることができる。なお、各ゲームの処理をそれぞれ1つの動作モードとして考えると、3つのゲーム動作モードを切り替えることが可能であるとも言える。
【0043】
また、本実施形態では、上記第1切り替えボタン109による切り替え操作を行った際、実行中であったゲーム処理は、一旦その処理が中断される(この段階では、タイトルシーンであるかプレイシーンであるかを問わない)。そして、第1切り替えボタン109による切り替え操作が更に繰り返されて次にこのゲーム処理に切り替えられたときは、中断した処理が再開されるが、この際、ゲームを中断したタイミングがタイトルシーンであるか、プレイシーンであるかによって、再開する際の挙動が異なる。一例として、第1のゲームを中断・再開する場合を説明する。まず、ユーザが第1のゲームのプレイ中(プレイシーンのときに)に第1切り替えボタン109を押した場合、第1のゲームの処理は中断されるが、この際、上記のような一時停止状態としてからゲーム処理が中断される。換言すれば、一時停止状態にあるゲーム処理を中断するものといえる。その後、第2のゲーム→第3のゲームへの切り替えが発生し、更にその後、再度第1のゲームに切り替えられたときは、この一時停止状態のままでゲーム処理が再開されることになる。そのため、ユーザは、第1のゲームのプレイを続行したい場合は、一時停止解除操作を行う必要がある。なお、他の実施形態では、第1切り替えボタン109の操作でゲーム処理を中断する際、一時停止状態にはせずに瞬時に次のゲームに切り替えるようにしてもよい。そして、当該ゲームが再開される際に、一時停止状態から再開されるようにしてもよい。
【0044】
一方、第1のゲームのタイトル画面が表示されているとき(タイトルシーンのとき)にユーザが第1切り替えボタン109を押した場合は、当該タイトルシーンにかかる処理は一旦中断される。例えば、タイトルシーンの動きとして、最初に上記
図5で示すようなタイトル画面が5秒間表示された後、タイトルデモとしてパネル画像215の下をゲームキャラクタが動き回るようなデモンストレーションが10秒間表示される場合を想定する。すなわち、タイトルシーンの処理として、このような一連の動きを行うタイトルシーン処理が実行される場合を想定する。この場合、タイトルデモの途中でユーザが第1切り替えボタン109を押した場合は、ゲーム処理(タイトルシーン処理)は、一旦タイトルデモの途中の状態で中断する。しかし、その後第1のゲームが再開された場合は、このタイトルデモの途中からではなく、当該タイトルシーンの最初から処理を開始するようにして第1のゲームを再開する(プレイシーンの再開とは異なり、一時停止状態での再開ではない)。なお、他の実施形態では、この場合もタイトルデモの途中から処理を再開するようにしても良い。
【0045】
また、ゲーム装置10では、いずれかのゲームの実行中に第2切り替えボタン110を押すことで、上記時計アプリに切り替えることができる(ディスプレイ104に表示される内容が時計アプリのものにすることができる)。この際、実行中であったゲーム処理は一旦中断される。このとき、上記一時停止状態としてから中断してもよい。また、本実施形態では、時計アプリ実行中に第1切り替えボタン109を押した場合は、時計アプリ切り替え前に実行していたゲームに切り替えることができるものとする。例えば、第2ゲームの実行中に時計アプリに切り替え、その後、第1切り替えボタン109が押された場合は、当該第2ゲームが再開される。なお、時計アプリ実行中に第2切り替えボタン110が押された場合は、特に切り替え処理等は発生せずに引き続き時計アプリの実行を継続してもよい。あるいは、時計アプリ切り替え前に実行していたゲームの実行に戻るようにしてもよい。すなわち、実質的に第1切り替えボタン109が押された場合と同様の処理を実行してもよい。
【0046】
ここで、上記のように所定の順番でゲームを順次切り替えられる場合、ゲーム画面を単に切り替えただけだと、切り替わったゲームがどのゲームであるのか、ユーザが瞬間的に把握しにくいおそれがある。そこで、本実施形態では、ゲームを切り替えるときに、どのゲームに切り替わったのかを示すための通知画像を画面の一部に表示する。これにより、他のゲームからゲームプレイに復帰するとき、ユーザは次に画面に表示されるゲームを速やかに把握することができ、ゲームプレイへのよりスムーズな復帰が可能になる。
【0047】
以下、画面例を用いて、上記切り替え時の通知画像の例を説明する。まず、ユーザが第1のゲームをプレイ中(プレイシーンであるとき;上記
図2の状態)に、第1切り替えボタン109が押下された場合を説明する。この場合は、まず、
図7に示すように、ゲーム画像が瞬時にあるいは徐々に暗転(ブラックアウト)していき、黒一色のゲーム画像となるような演出が表示される。また、この暗転にかかる表示処理中、画面右下の一部の領域に、通知画像260がゲーム画像に重畳するようにして表示されている。なお、本実施形態では、この暗転画像もゲーム画像の1つとして扱うものとする。すなわち、暗転画像の画面への出力は、ゲーム画像の出力として扱うものとする。
【0048】
図8に、当該通知画像260を拡大したものを示す。通知画像260には、切り替えゲーム通知画像261と順番通知画像262とが含まれる。切り替えゲーム通知画像261は、本実施形態では、切り替えるゲームのタイトル画像をアイコン化したような画像であるとする。もちろんこれは一例で、タイトル名を何らかの形で表示した画像等、そのゲームをユーザが識別可能なものであればどのような画像を用いても良い。また、切り替えゲーム通知画像261は、切り替わるゲームがどのゲームであるのかをユーザにより把握させやすくするため、以下に説明する順番通知画像262よりも大きな面積で表示されている。
【0049】
順番通知画像262は、切り替えゲーム通知画像261の下部に配置されている。当該順番通知画像262は、3つのゲームのうちの何番目のゲームに切り替えられるのか示すための画像である。その表示のための画面の占有面積は、上記切り替えゲーム通知画像261よりも小さなものとなっている。本実施形態では、3つのゲームそれぞれに対応する丸印を横並びにして表示している。具体的には、一番左の丸印が第1のゲームに対応し、真ん中が第2のゲームに、一番右が第3のゲームに対応している。そして、切り替えられるゲームに対応する丸印を他の丸印より大きくして表示することで、何番目のゲームに切り替えられるのかを示している。また、順番通知画像262は、この丸印以外の部分は透過するような表示となっている。この順番通知画像262については、切り替えゲーム通知画像261より小さくし、透過するような表示とすることで、できるだけ視認性を妨げないような構成としている。なお、他の実施形態では、それぞれの丸印自体を順番通知画像262として扱っても良い。
【0050】
上記
図7のような暗転画像にかかる演出が所定時間(例えば2~3秒程度)行われた後、
図9に示すように、第2のゲームにかかるゲーム画像が表示される。ここでは、第2のゲームのプレイ中に中断されていたものとする。
図9では、一時停止表示画像251が表示されており、第2のゲームのプレイが一時停止状態であることが示されている。また、画面右下には上記通知画像260が表示されている。当該通知画像260は、所定の時間だけ表示された後、自動的に消去される。例えば、上記
図7で通知画像260の表示が開始されてから5秒経過後に、自動的に消去される。なお、この通知画像260が消去されるまでの「所定の時間」については、通知画像260を表示する時間として設定されている表示時間の他、上記ゲームの切り替え操作が行われてからの経過時間や、ゲームが再開されてからの経過時間等、実質的に通知画像260の表示を開始した後の所定時間に相当するものを含む概念である。
【0051】
次に、第2のゲームのプレイ中に第1切り替えボタン109が押下された場合について説明する。この場合は、上述したような暗転画面が表示された後、
図10に示すような第3のゲームにかかるゲーム画像が表示される。この場合の通知画像260の内容としては、まず、切り替えゲーム通知画像261には第3のゲームのタイトル画面をアイコン化したような画像が表示される。また、順番通知画像262としては、一番右の丸印を他の丸印より大きくした画像が表示される。これにより、第3のゲームに切り替わることをユーザが速やかに把握することが可能となる。なお、
図10の場合も、第3のゲームのプレイ中に中断されたものとする。そのため、この画面でも一時停止表示画像251が表示され、第3のゲームのプレイが一時停止状態であることが示されている。
【0052】
次に、第3のゲームのプレイ中に第1切り替えボタン109が押下された場合について説明する。この場合は、上述したような暗転画面が表示された後、
図11に示すような第3のゲームにかかるゲーム画像が表示される。この場合の通知画像260の内容として、切り替えゲーム通知画像261には第3のゲームのタイトル画面を縮小あるいはアイコン化したような画像が表示される。また、順番通知画像262として、一番左の丸印を他の丸印より大きくした画像が表示される。これにより、第1のゲームに切り替わることをユーザが速やかに把握することが可能となる。また、一時停止表示画像251が表示されており、第1のゲームのプレイが一時停止状態であることが示されている。ユーザは、この状態から一時停止解除操作を行うことで、第1のゲームのプレイを再開することができる。
【0053】
なお、順番通知画像262に関して、上記の図では単なる白丸として示していたが、実際にこの白丸部分に表示される内容として、各ゲームに対応する所定の文字や所定の画像を表示するようにしてもよい。
【0054】
ここで、本実施形態では、上記切り替えゲーム通知画像を表示するのは、切り替え先のゲームがプレイシーンで中断された場合のみとしている。すなわち、タイトルシーンで中断され、その後復帰する場合は、上記のような切り替えゲーム通知画像261の表示は行わないようにしている。その一方で、順番通知画像262については、タイトルシーンであるかプレイシーンであるかにかかわらず、切り替え時には所定時間表示するようにしている。例えば第1のゲームから第2のゲームに切り替わる場合であって、第2のゲームがタイトルシーンで中断していた場合を想定する。この場合は、第1切り替えボタン109が押下されると、一旦上記のような暗転画面が表示されるが、ここでは、上記のような切り替えゲーム通知画像261は表示されず、順番通知画像262のみが通知画像260として表示される。ここで、上記のように本実施形態では、タイトルデモの途中で中断された場合でも、再開時はタイトルシーンの処理の最初から実行される。そのため、この暗転画面の表示の後、タイトルシーンのどこで中断されたかに関わらず、タイトルシーンにおける最初の処理として、
図12に示すような第2のゲームのタイトル画面が表示されることになる。この画面でも、順番通知画像262のみが通知画像260としてタイトル画面に合成されている。これは、第1のゲーム、第3のゲームの場合も同様である。例えば、タイトルシーンで中断された第3のゲームが再開される場合は、
図13に示すように、第3のゲームのタイトル画面に順番通知画像262のみが含まれる通知画像260が合成された画面が表示されることになる。
【0055】
なお、このようにタイトルシーンに切り替わる場合は切り替えゲーム通知画像261を表示しないのは、次のような理由による。切り替え後にタイトル画面が表示される場合は、ゲームのタイトルが含まれる切り替えゲーム通知画像261をわざわざ表示せずとも、ユーザはどのゲームに切り替わるのかすぐに把握できる。そのため、この場合は、切り替えゲーム通知画像261を表示することなくタイトル画面の視認性を向上させようとするものである。換言すれば、タイトル画面の一部が(切り替えの度に)切り替えゲーム通知画像261で隠されてしまうことによる視認性の低下を防ぐものである。これに関して、ゲーム画像に重畳しないような箇所に上記切り替えゲーム通知画像261を表示することも考えられる。しかし、この場合は、その表示のための画面スペースが必要となってしまう。そのため、画面スペースの有効活用の観点からも、切り替えゲーム通知画像261を表示しないようにしている。その一方で、順番通知画像262については表示しておくことで、ゲームに切り替わる順番についてユーザに把握させることを可能としている。更に、第1切り替えボタン109をもう一度押下した場合はどのゲームに切り替わるのかを容易に把握させることも可能となっている。また、上記のように、順番通知画像262はその専有面積が切り替えゲーム通知画像261より小さく、背後も透過するようにしていることで、タイトル画面の視認性が極力低下しないようにもしている。
【0056】
このように、本実施形態では、所定の操作で所定順にゲームが切り替えることができるゲーム装置において、この切り替え操作が行われたとき、切り替え先のゲームが何であるかを示す通知画像260を必要に応じて表示するようにしている。これにより、ユーザが切り替え先のゲームを速やかに識別できるようにし、そのゲームプレイへの復帰の助けとなるようにしている。
【0057】
[本実施形態のゲーム処理の詳細]
次に、
図14~
図19を参照して、本実施形態におけるゲーム装置10の処理についてより詳細に説明する。
【0058】
[フラッシュメモリのデータについて]
まず、フラッシュメモリ102に記憶される各種データに関して説明する。
図14は、上記フラッシュメモリ102に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。フラッシュメモリ102には、制御用プログラム401、通知画像データ402、第1ゲームプログラム403、第2ゲームプログラム404、第3ゲームプログラム405、第1ゲーム用データ406、第2ゲーム用データ407、第3ゲーム用データ408等が記憶されている。
【0059】
制御用プログラム401は、後述の第1ゲームプログラム403、第2ゲームプログラム404、第3ゲームプログラム405に基づく上記3つのゲームの実行を制御し、また、これらのゲーム処理の切り替えと上記通知画像260の表示に関する制御を行うためのプログラムである。
【0060】
通知画像データ402は、上記通知画像260の素になる画像データである。上記3つの各ゲームに対応する切り替えゲーム通知画像261の画像データや、上記のような順番通知画像262の画像データが含まれている。
【0061】
第1ゲームプログラム403は、上記第1のゲームを実行するためのゲームプログラムである。第2ゲームプログラム404は、上記第2のゲームを実行するためのゲームプログラムである。第3ゲームプログラム405は、上記第3のゲームを実行するためのゲームプログラムである。
【0062】
第1ゲーム用データ406は、上記第1のゲームにおいて用いられる各種データである。例えば、各種キャラクタの画像データや音声データ等が含まれている。同様に、第2ゲーム用データ407は、上記第2のゲームにおいて用いられる各種データである。第3ゲーム用データ408は、上記第3のゲームにおいて用いられる各種データである。
【0063】
[DRAMのデータについて]
次に、
図15を用いて、DRAM103に記憶されるデータについて説明する。本実施形態では、例えば情報処理装置10の電源がオンにされたときに、フラッシュメモリ102に記憶されているプログラムやデータがDRAM103内の所定の領域(アドレス)にコピー等される。
【0064】
図14は、DRAM103に記憶される各種データの一例を示すメモリマップである。
図14において、DRAM103のメモリ空間は、制御処理用領域421と実行対象ゲーム処理用領域434に分けられている。制御処理用領域421は主に、本実施形態にかかるゲームの切り替え制御処理のために利用される、実行対象ゲーム処理用領域434は、上記第1のゲーム、第2のゲーム、第3のゲームにかかるゲーム処理の実行のために利用される。
【0065】
まず、制御処理用領域421には、制御用プログラム401、通知画像データ402、選択中ゲーム情報424、通知画像表示フラグ425、第1ゲーム中断データ430、第2ゲーム中断データ431、第3ゲーム中断データ432、操作データ433等が記憶される。
【0066】
制御用プログラム401および通知画像データ402は、フラッシュメモリ102からコピーされたものである。選択中ゲーム情報424は、上記第1のゲーム、第2のゲーム、第3のゲームのうち、現在の実行対象として選ばれているゲーム(以下、実行対象ゲームと呼ぶ)を示す情報である。ここで現在の実行対象として選ばれているゲームにかかるゲーム画面がディスプレイ104に表示されることになる。
【0067】
通知画像表示フラグ425は、上記通知画像260を表示するか否かを示すためのフラグである。オンの場合は通知画像260を表示することを示し、オフの場合は通知画像260を表示しないことを示す。
【0068】
次に、第1ゲーム中断データ430は、第1切り替えボタン109によって第1のゲームの処理が中断されたときのゲーム状態を保存(セーブ)したデータである。同様に、第2ゲーム中断データ431は、第1切り替えボタン109によって第2のゲームの処理が中断されたときのゲーム状態を保存したデータである。第3ゲーム中断データ432は、第1切り替えボタン109によって第3のゲームの処理が中断されたときのゲーム状態を保存したデータである。なお、以下の説明では、第1ゲーム中断データ430、第2ゲーム中断データ431、第3ゲーム中断データ432を総称して、単に「ゲーム中断データ」と呼ぶこともある。
【0069】
次に、操作データ433は、上記操作部105に対して行われた操作内容を示すデータである。具体的には、上述したような各種ボタンの押下状態を示すデータが含まれる。
【0070】
次に、実行対象ゲーム処理用領域434について説明する。当該領域には、実行対象ゲームにかかるゲームプログラムおよびゲームデータがフラッシュメモリ102からコピーされる。すなわち、第1ゲームプログラム403、第2ゲームプログラム404、第3ゲームプログラム405のいずれかが、切り替え操作等に応じて、各ゲームのプログラム435として読み込まれる。同様に、第1ゲーム用データ406、第2ゲーム用データ407、第3ゲーム用データ408のいずれかが、各ゲームのデータ436として適宜読み込まれる。また、それぞれのゲーム処理に際して利用される各種の(一時的な)データは、ゲーム処理に際して適宜生成され、その他のゲーム処理用データ437として記憶される。
【0071】
[プロセッサ101が実行する処理の詳細]
次に、
図16~
図17のフローチャートを用いて、本実施形態にかかる処理の詳細を説明する。なお、ここでは主に上記の3つのゲームの切り替えおよび通知画像の表示制御にかかる処理について説明し、各ゲーム処理の詳細や上記時計アプリに関する処理の説明は割愛する。
【0072】
本実施形態では、
図16に示すゲーム画像生成処理と、
図17に示す画面出力制御処理とが同期を取りながら並列的に実行される例で説明する。また、例えばこの2つの処理それぞれにかかる処理ループは、1フレーム毎に繰り返される。ゲーム画像生成処理は、主に、ゲーム処理を行うことでゲーム画像を生成し、図示しないVRAMに格納するための処理である。画面出力制御処理は、主に、上記処理でVRAMに格納されたゲーム画像をディスプレイ104に出力し、また、この際に必要に応じて上記通知画像260をゲーム画像に合成してから出力する処理である。
【0073】
まず、
図16を用いて、ゲーム画像生成処理について説明する。まず、ステップS1で、プロセッサ101は、実行中のゲームにかかるゲーム処理を実行し、その結果を反映したゲーム画像を生成する。なお、この時点でゲーム処理が開始されていない場合は、実行するゲームの各データを上記実行対象ゲーム処理用領域434に読み込み、ゲーム処理を開始する。このゲーム処理の結果、ゲーム画像が生成されることになる。生成されたゲーム画像は、VRAMに格納される。
【0074】
次に、ステップS2で、プロセッサ101は、操作データ433に基づき、第1切り替えボタン109が押下されたか、すなわち、ゲームを切り替えるための操作(以下、ゲーム切り替え操作)が行われたか否かを判定する。当該判定の結果、ゲーム切り替え操作が行われていない場合は(ステップS2でNO)、上記ステップS1に戻り、現在実行中のゲーム処理を継続する。
【0075】
一方、ゲーム切り替え操作が行われていた場合は(ステップS2でYES)、ステップS3で、プロセッサ101は、通知画像表示フラグ425にオンを設定する。次に、ステップS4で、プロセッサ101は、実行するゲームを切り替えるための処理を実行する。具体的には、プロセッサ101は、実行中のゲーム処理を中断する。この際、プレイシーンにおいてゲーム切り替え操作が行われた場合は、上述したような一時停止状態にしてから、ゲーム処理を中断する。次に、プロセッサ101は、中断したゲーム処理のゲーム状態を保存する処理を実行する。第1のゲームを中断した場合は、この時点における上記その他のゲーム処理用データ437を第1ゲーム中断データ430として保存する。あるいは、実行対象ゲーム処理用領域434全体のメモリ状態をそのまま第1ゲーム中断データ430として保存するようにしても良い。なお、この時点でまだ第1ゲーム中断データ430が作成されていなければ(初回保存の場合等)、この時点で作成されることになる。同様に、第2のゲームを中断した場合は、中断時点のゲーム状態を第2ゲーム中断データ431として保存する。第3のゲームを中断した場合は、中断時点のゲーム状態を第3ゲーム中断データ432として保存する。そして、プロセッサ101は、次に切り替えるゲームを選択中ゲーム情報424に基づいて決定する。本例では、上記のように第1のゲーム→第2のゲーム→第3のゲームの順番で切り替える。そのため、例えば選択中ゲーム情報424の内容が「第1のゲーム」であれば、次に切り替えるゲームを「第2のゲーム」と決定する。そして、当該決定した結果で選択中ゲーム情報424を更新する。更に、プロセッサ101は、切り替え先のゲームにかかるゲーム中断データを実行対象ゲーム処理用領域434に読み込む。この際、タイトルシーンで中断されていた場合は、そのタイトルシーンの最初から処理が行われるように、実行対象ゲーム処理用領域434の内容を適宜変更する。
【0076】
なお、プレイシーンの場合は上記のような一時停止状態とするのは、再開時のユーザの利便性を図るためである。プレイシーンでの中断の場合は、ユーザがプレイヤキャラクタを操作している状態における中断となり、いわば、操作途中での中断となる。そのため、再開するときに、どのような状況で中断したのか(例えばこれから敵を攻撃しようとしたときに中断したのか、等)をユーザに思い出してもらってからゲームが再開できるようにして、ユーザのゲームへのスムーズな復帰の補助を行うものである。
【0077】
次に、ステップS5で、プロセッサ101は、上述したような暗転画像をゲーム画像として生成し、VRAMに格納する。
【0078】
次に、ステップS6で、プロセッサ101は、操作データ433に基づき、ゲーム切り替え操作が行われたか否かを判定する。これは、暗転画像の表示中にゲーム切り替え操作が行われたか否かを判定するためのものである。当該判定の結果、ゲーム切り替え操作が行われていた場合は(ステップS6でYES)、上記ステップS3に戻り、処理が繰り返される。ゲーム切り替え操作が行われていなかった場合は(ステップS6でNO)、次に、ステップS7で、プロセッサ101は、暗転画像の生成処理を開始してから所定時間が経過したか否かを判定する。当該判定の結果、まだ経過していなければ(ステップS7でNO)、ステップS6に戻り、処理を繰り返す。一方、当該判定の結果、所定時間が経過していれば(ステップS7でYES)、上記ステップS1に戻り、処理が繰り返される。その結果、上記ゲーム中断データに基づき、切り替え後のゲームにかかるゲーム処理が実行されることになる。以上で、ゲーム画像生成処理の説明は終了する。
【0079】
次に、
図17を用いて、画面出力制御処理の詳細を説明する。まず、ステップS21で、プロセッサ101は、通知画像表示フラグ425がオンであるか否かを判定する。当該判定の結果、オンではない場合は(ステップS21でNO)、ステップS30で、プロセッサ101は、(VRAMに出力された)ゲーム画像をそのままディスプレイ104に出力する。そして、ステップS21に戻り、処理を繰り返す。
【0080】
一方、通知画像表示フラグ425がオンの場合は(ステップS21でYES)、次に、ステップS22で、プロセッサ101は、通知画像表示フラグ425をリセットする。続くステップS23で、プロセッサ101は、切り替え後のゲームに対応する、プレイシーンでのゲーム中断データがあるか否かを判定する。当該判定の結果、プレイシーンでの中断データがある場合は(ステップS23でYES)、ステップS24で、プロセッサ101は、通知画像データ402を用いて、上記切り替えゲーム通知画像261および順番通知画像262が含まれる通知画像260を生成する。一方、プレイシーンでの中断データがない場合は(ステップS23でNO)、ステップS25で、プロセッサ101は、順番通知画像262のみが含まれる通知画像260を生成する。
【0081】
次に、ステップS26で、プロセッサ101は、通知画像表示フラグ425がオンであるか否かを判定する。これは、通知画像260の表示中に更にゲーム切り替え操作が行われた場合を想定したものである。当該判定の結果、通知画像表示フラグ425がオンの場合は(ステップS26でYES)、上記ステップS22に戻り、処理が繰り返される。通知画像表示フラグ425がオンではない場合は(ステップS26でNO)、次に、ステップS27で、プロセッサ101は、通知画像260を表示するための所定の時間が経過したか否かを判定する。当該判定の結果、所定時間が経過した場合は(ステップS27でYES)、上述したステップS30に処理が進められる。一方、まだ経過していない場合は(ステップS27でNO)、次に、ステップS28で、プロセッサ101は、操作データ433に基づき、一時停止解除操作が行われたか否かを判定する。つまり、通知画像260が表示されている間にPAUSEボタン111が押下されたか否かを判定する。当該判定の結果、一時停止解除操作が行われた場合は(ステップS28でYES)、上述したステップS30に処理が進められる。つまり、一時停止解除操作を行うことで通知画像260が消去されることになる。
【0082】
一方、一時停止解除操作が行われていない場合は(ステップS28でNO)、ステップS29で、プロセッサ101は、上述の処理で生成した通知画像260をゲーム画像に合成し、当該合成後の画像をディスプレイ104に出力する。その後、上記ステップS26に戻り、処理が繰り返される。以上で、画面出力制御処理の説明を終了する。
【0083】
以上で、本実施形態にかかる処理の詳細説明を終了する。
【0084】
このように、本実施形態では、第1切り替えボタン109の操作によって簡易にゲームを切り替えることができる。このとき、切り替わり先のゲームがプレイ中に中断したものの場合、ゲーム内の場面によってはどのゲームで切り替わったのかすぐには把握できず、ユーザがスムーズにゲームに復帰できない可能性がある。例えば、上記第1のゲームと第2のゲームのような「連作」の場合、両ゲームで絵柄やステージ構成等が似ている可能性も高く、どちらのゲームに切り替わったのかが瞬時に把握しにくい可能性がある。そのため、本実施形態ではゲーム名等を含む通知画像260を表示することでユーザのゲーム復帰を補助することができる。また、切り替え後にタイトル画面が表示される場合であれば、ユーザは何のゲームかは把握できるため、この場合は通知画像260は表示しないようにしている。これにより、タイトル画面における視認性を向上し、画面スペースを有効活用することができる。
【0085】
[変形例]
なお、上記実施形態では、プレイシーンにおける中断~再開の場合は、ゲームを一時停止状態として再開する例を挙げた。これに限らず、他の実施形態では、プレイシーンの中断~再開のパターンとして、以下のようなパターンを用いても良い。まず、一時停止状態にしないようなパターンでもよい。例えば、第1のゲームのプレイ中に第1切り替えボタン109が押下されると、第2のゲームに切り替わり、その後、第1のゲームに切り替えられたとき、一時停止状態での再開はせずに、プレイシーン中のプレイ中の状態をそのまま再開するようにしてもよい。また、この場合は、以下のようなパターンも考えられる。第1のゲームのプレイ中に、ユーザがPAUSEボタン111を押下することで一時停止状態にしてから、ユーザが第1切り替えボタン109を押下することで第2のゲームに切り替えられる。その後、第1のゲームが再開される場合は、一時停止状態のまま再開される。また、この他、以下のようなパターンで処理されるように構成しても良い。第1のゲームのプレイ中に、ユーザが、PAUSEボタン111を押下することで一時停止状態になり、更に、第1切り替えボタン109を押下することで第2のゲームに切り替えられる。その後、第1のゲームが再開される場合は、一時停止状態を解除した状態で再開するようにしても良い。
【0086】
また、上記の例では、第1のゲームと第2のゲームとが実質的に同じプレイヤキャラクタを操作する「連作」の関係にある場合を例示した。他の実施形態では、第1~第3のゲームにおいて、実質的に同じプレイヤキャラクタではないゲームとしてもよい。更にこの場合、いくつかのゲームについては、例えば互いにその背景が似ていたり、色調が似ていたりする等、全体的な雰囲気が類似しているゲームであってもよい。また、その他、当該いくつかのゲームは、例えば類似するルールのパズルゲームやシミュレーションゲームであってもよい。
【0087】
また、上記の例では、3つのゲームアプリケーションにそれぞれ対応する「ゲームプログラム」がある場合を例に説明した。つまり、複数のゲームプログラムが存在する例を挙げた。ここで、この「複数のゲームプログラム」については、1つのプログラム内に各ゲームに対応するコードが含まれているような態様も含むものとする。すなわち、1つのプログラムが複数のゲームに対応するコードを持っているような態様も、本実施形態で言う「複数のゲームプログラム」に含まれる。
【0088】
また、上記の例では切り替え対象のゲームが3つである場合を例示したが、他の実施形態では、4つ以上のゲームを対象にしてもよい。
【0089】
また、上記の例では、時計アプリ(非ゲームアプリケーション)については第2切り替えボタン110を用いて切り替える例を示した。他の実施形態では、第1切り替えボタン109による切り替え対象に時計アプリを含めるようにしてもよい。例えば、第1のゲーム→第2のゲーム→第3のゲーム→時計アプリ→第1のゲーム・・・のような順番で切り替え可能に構成してもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、ゲームの切り替えの際、順番通知画像262については常に表示する例を挙げていた。他の実施形態では、切り替え先のゲームがタイトルシーンである場合は、この順番通知画像262も表示しないようにしてもよい。これにより、タイトル画面の視認性をより向上させることができる。
【0091】
また、上記実施形態では、ゲーム処理を中断する際にゲーム中断データとして保存する処理を例示した。他の実施形態では、このようなゲーム中断データを用いないような構成としてもよい。例えば、上記実行対象ゲーム処理用領域434を第1のゲーム~第3のゲームのそれぞれに対応するよう個別に用意する構成としてもよい。そして、第1のゲーム~第3のゲームを並列的に実行するようにして、このうちいずれか一つを、ディスプレイ104への映像出力を伴う「フォアグラウンドプロセス」とし、残り2つをディスプレイ104への出力は伴わない「バックグラウンドプロセス」として管理するようにしても良い。すなわち、上記ゲーム切り替え操作で、フォアグラウンドプロセスとバックグラウンドプロセスを切り替えるような構成としてもよい。また、バックグラウンドプロセスにする際、プレイシーン中であれば、上記のように一時停止状態としてからバックグラウンドプロセスに切り替えれば良い。
【0092】
また、上記実施形態では、通知画像260の表示態様として、画面の右下部分に表示する例を挙げた。通知画像260の表示位置はこれに限らず、他の実施形態では、画面左上、左下、右上のいずれかの場所に通知画像260を表示するようにしても良いし、画面の中央に表示するようにしても良い。また、通知画像260のサイズに関して、他の実施形態では、画面の一部に表示するのではなく、画面全域を用いて(つまり、全画面で)上記通知画像260を表示するようにしてもよい。また、この場合は、例えば、全画面表示した通知画像260を徐々に透過させていき、その後ろにあるゲーム画像が見えてくるような演出を行っても良い。この場合は、画面全域を用いて通知画像260を表示するため、切り替え先のゲームがどのゲームであるかについて、ユーザがより認識しやすくできる。また、通知画像260として全画面表示する内容としては、上記ゲームのタイトルの他、例えば、プレイを中断したときのステージ等の名称や、プレイ中のステージにおける進行度や中断したときの位置やどこまで進んだのかを示す情報等、ゲームプレイの中断時の状況をユーザに把握させるための各種情報を併せて表示してもよい。
【0093】
また、上記のような処理を実行する主体に関しても、上記のような構成に限らない。例えば、単体のゲーム装置ではなく、本体装置、操作部、表示部とが別のコンポーネントとして構成されるゲームシステムについても上記のような処理は適用可能である。更には、ゲーム装置が所定のサーバと通信可能な構成として、ゲーム装置10で実行される上記一連の処理のうちの主要な処理がサーバ側装置によって実行され、当該ゲーム装置10では一部の処理が実行されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
10 ゲーム装置
101 プロセッサ
102 フラッシュメモリ
103 DRAM
104 ディスプレイ
105 操作部