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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】レゾルバ
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/20 20060101AFI20230718BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
G01D5/20 110E
G01D5/245 110P
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020205916
(22)【出願日】2020-12-11
(65)【公開番号】P2022092918
(43)【公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-05-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000113791
【氏名又は名称】マブチモーター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003649
【氏名又は名称】弁理士法人真田特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100092978
【弁理士】
【氏名又は名称】真田 有
(72)【発明者】
【氏名】松縄 暁
【審査官】菅藤 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-3230(JP,A)
【文献】特開2011-47672(JP,A)
【文献】特開平11-325964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/20
G01D 5/245
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータのステータに対する回転角を検出するレゾルバであって、
前記ステータに設けられ、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号を伝達する正弦励磁コイルおよび余弦励磁コイルと、
前記ロータに設けられ、前記正弦励磁コイルおよび前記余弦励磁コイルに対向配置される検出コイルと、
前記検出コイルとともに前記ロータ側で閉回路を形成する励磁コイルと、
前記ステータに設けられ、前記励磁コイルに対向配置されるとともに、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号を伝達する正弦検出コイルおよび余弦検出コイルと、
を備え、
前記正弦検出コイル,前記余弦検出コイル,前記励磁コイルの軸倍角が、前記正弦励磁コイル,前記余弦励磁コイル,前記検出コイルの軸倍角と相違する
ことを特徴とする、レゾルバ。
【請求項2】
前記ロータの回転軸を中心とした内円および外円と前記回転軸を通る二直線とで囲まれる領域が、部分円環領域と定義され、
前記正弦励磁コイルおよび前記余弦励磁コイルが、同一平面上で周方向に交互に隣接配置され、
前記正弦励磁コイルおよび前記余弦励磁コイルの各々が、互いに接続された一対のくし型閉コイルを前記部分円環領域内で重ならないように配置された構造を備えるとともに、
前記一対のくし型閉コイルが、前記外円側の円弧から前記内円側の円弧に向かって歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索してなる第一くし型閉コイルと、前記内円側の円弧から前記外円側の円弧に向かって歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索してなる第二くし型閉コイルとを有する
ことを特徴とする、請求項1記載のレゾルバ。
【請求項3】
前記正弦励磁コイル,前記余弦励磁コイル,前記正弦検出コイル,前記余弦検出コイルの各々が、磁極対の一方を生成するための往路コイルと前記磁極対の他方を生成するための復路コイルとを有し、
前記往路コイルおよび前記復路コイルの各々が、互いに重ならないように同一平面上に配置される
ことを特徴とする、請求項1または2記載のレゾルバ。
【請求項4】
前記正弦検出コイル,前記余弦検出コイル,前記励磁コイルの軸倍角がnXであり、
前記正弦励磁コイル,前記余弦励磁コイル,前記検出コイルの軸倍角が1Xである
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のレゾルバ。
【請求項5】
前記正弦検出コイル,前記余弦検出コイル,前記励磁コイルの軸倍角がnXであり、
前記正弦励磁コイル,前記余弦励磁コイル,前記検出コイルの軸倍角が(n-1)Xである
ことを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のレゾルバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステータに対するロータの回転角を検出するレゾルバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ステータに対するロータの回転角を検出するレゾルバにおいて、ステータ側に配置される二つの励磁コイルに電気角の位相が90度相違する交流電圧を印加するとともに、ロータ側に配置される検出コイルで二つの交流電圧が加算された信号を取得するものが知られている。このようなレゾルバは、二相励磁単相出力型のレゾルバと呼ばれている。検出コイルで得られる信号には、励磁コイルに印加された交流電圧を基準として、ロータの回転角に応じた位相差が生じる。したがって、その位相差に基づいてロータの回転角を求めることができる(特許文献1参照)。また、ステータ側に配置される一つの励磁コイルに交流電圧を印加するとともに、ロータ側に配置される二つの検出コイルで信号を取得するものも知られている。このようなレゾルバは、単相励磁二相出力型のレゾルバと呼ばれる(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-90431号公報
【文献】特開2014-25757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のレゾルバにおいて、検出コイルで得られた信号は、アンテナコイルを介してロータ側からステータ側へと伝達される。例えば特許文献1に記載の技術では、検出巻線42(検出コイル)に接続された一次巻線45がロータ側に設けられるとともに、これに対向する二次巻線49がステータ側に設けられ、これらの巻線45,49がアンテナコイルとして機能している。一方、アンテナコイルは励磁コイルや検出コイルと干渉しない位置に配置されるため、レゾルバの小型化の障害になりやすいという課題がある。
【0005】
また、角度分解能を高めるべく、特許文献2に記載されたように低軸倍角のレゾルバと高軸倍角のレゾルバとを組み合わせて構成することも考えられる。しかしこの場合、励磁コイルや検出コイル,アンテナコイルの数が増加し、装置が大型かつ複雑になる。また、低軸倍角のレゾルバと高軸倍角のレゾルバとの各々に励磁信号を入力する必要があり、二系統の励磁回路を設けなければならないため、部品点数が増加するとともに、装置がさらに大型化してしまう。
【0006】
本件の目的の一つは、上記のような課題に照らして創案されたものであり、角度分解能が高められ、かつ、構成が簡素でスペースの有効活用が容易なレゾルバを提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示のレゾルバは、ロータのステータに対する回転角を検出するレゾルバであって、ステータに設けられ、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号を伝達する正弦励磁コイルおよび余弦励磁コイルと、ロータに設けられ、正弦励磁コイルおよび余弦励磁コイルに対向配置される検出コイルと、検出コイルとともにロータ側で閉回路を形成する励磁コイルと、ステータに設けられ、励磁コイルに対向配置されるとともに、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号を伝達する正弦検出コイルおよび余弦検出コイルと、を備える。また、正弦検出コイル,余弦検出コイル,励磁コイルの軸倍角が、正弦励磁コイル,余弦励磁コイル,検出コイルの軸倍角と相違する。
【発明の効果】
【0008】
開示のレゾルバによれば、角度分解能が高められ、かつ、構成が簡素でスペースの有効活用が容易なレゾルバを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例としてのレゾルバの構造を示す模式図である。
図2図1に示すレゾルバでの角度情報の算出手法を説明するための模式図である。
図3】ステータ側の具体的な回路構造を例示する分解斜視図である。
図4図3に示す回路構造を正面から見たときの模式図である。
図5】部分円環領域を説明するための模式図である。
図6】ロータ側の具体的な回路構造を例示する分解斜視図である。
図7図6に示す回路構造を正面から見たときの模式図である。
図8】(A),(B)は検出コイルと励磁コイルとの対応関係を示す模式図である。
図9】変形例としての励磁コイルの構造を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1. 構成]
[1-1. 概要]
図1は実施例としてのレゾルバ1の構造を示す模式図である。このレゾルバ1は、振幅変調された交流信号を入力し、それを用いて位相変調された信号から回転角を検出する変調波レゾルバである。レゾルバ1は、ロータ2(回転子)とステータ3(固定子)と制御装置4とを備える。ロータ2は、ステータ3に対して回転可能に軸支される円盤状の部材である。また、ステータ3は、図示しないケーシングに対して固定される円盤状の部材である。ロータ2,ステータ3の各々には、シート状に形成された複数のシートコイルが設けられる。本実施例はフレキシブル基板(FPC,Flexible Printed Circuits)にコイルを形成した例を示すが、ガラス布をエポキシ樹脂で固めたガラスエポキシ基板のようなリジット基板を用いてもよい。
【0011】
制御装置4は、ロータ2のステータ3に対する回転角を演算して出力するものである。制御装置4には、シートコイルに供給される交流信号を生成する信号生成回路5と、シートコイルから返送される出力信号に基づき、回転角に対応する角度情報を出力する信号処理回路6とが内蔵される。信号生成回路5で生成された交流信号は、電磁誘導によりステータ3側からロータ2側へと伝達された後、ロータ2側からステータ3側へと返送されて信号処理回路6へと入力される。信号処理回路6に入力された信号に基づき、ロータ2のステータ3に対する回転角が把握される。
【0012】
図1に示すレゾルバ1のロータ2およびステータ3には、第一コイル群10と第二コイル群20とが設けられる。第一コイル群10は、ロータ2側からステータ3側への情報伝達を担うコイル群であり、軸倍角がnXの励磁コイルおよび検出コイルを含む。第一コイル群10の励磁コイルおよび検出コイルは多極コイルである。これに対して、第二コイル群20は、ステータ3側からロータ2側への情報伝達を担うコイル群であり、第一コイル群10とは軸倍角が相違する励磁コイルおよび検出コイルを含む。第二コイル群20に含まれる励磁コイルおよび検出コイルの軸倍角は、例えば1Xである。
【0013】
第一コイル群10には、正弦励磁コイル11,余弦励磁コイル12,検出コイル13が設けられる。正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12は、ロータ2側の検出コイル13に対して、ロータ角に応じた電圧を誘起させるためのシート状のコイルであり、ステータ3に設けられる。これらの励磁コイル11,12には、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号が入力される。この交流信号は、信号生成回路5で生成されて、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の各々に供給される。
【0014】
交流信号の具体例としては、例えば数十キロヘルツ~数メガヘルツの高周波信号の振幅を周期的に増減するように変調させた変調波が挙げられる。また、検出コイル13はロータ2に設けられて、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12に対向配置されるシート状のコイルである。検出コイル13には、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12を励磁することで発生した磁束の鎖交によって交流電圧信号が誘起される。
【0015】
第二コイル群20には、正弦検出コイル21,余弦検出コイル22,励磁コイル23が設けられる。励磁コイル23は、検出コイル13とともにロータ2側で閉回路を形成するシート状のコイルである。図1に示すように、励磁コイル23の両端は検出コイル13の両端に接続される。検出コイル13に生じた誘起電圧は、励磁コイル23に作用する。また、正弦検出コイル21および余弦検出コイル22は、ロータ2側の励磁コイル23に発生した磁束を受けて、ロータ角に応じた交流電圧信号が誘起されるシート状のコイルであり、ステータ3側に設けられる。これらの検出コイル21,22には、電気角の位相が互いに90度相違する交流信号が伝達される。検出コイル21,22で得られた各々の交流信号は、ロータ2のステータ3に対する回転角を算出すべく信号処理回路6へと伝達される。
【0016】
ここで、図2に示すように、正弦励磁コイル11に入力される電圧波形をsinωtとおく。ωは振動する電圧の角振動数[rad/s](角速度)を表し、tは時間[s]を表す。このとき、余弦励磁コイル12に入力される電圧波形は、電気角の位相がsinωtとは90度(2/π[rad])相違することから、例えばcosωtと表現できる。一方、これらの励磁コイル11,12で発生した磁束によって検出コイル13側に誘起される電圧波形は、sin(ωt+θnX)と表現できる。
【0017】
角度θnXは、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12と検出コイル13との実際の角度のずれに相当するパラメータ[rad]である。これらのコイル11~13の軸倍角はnXであることから、ステータ3に対してロータ2が一回転する間に、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12と検出コイル13との相対位置がn回は実質的に同一となる。角度θnXは、繰り返し変化する相対位置の一周期の範囲内(2π[rad]/nの範囲内)において、ロータ2の回転角がどこに位置するのか(高分解能位置情報)を表す角度となる。
【0018】
また、励磁コイル23に伝達される電圧波形は、検出コイル13と同一であり、sin(ωt+θnX)と表現できる。一方、励磁コイル23で発生した磁束によって正弦検出コイル21側に誘起される電圧波形は、sin(ωt+θnX)・sinθ1Xと表現できる。また、余弦検出コイル22側に誘起される電圧波形は、sin(ωt+θnX)・cosθ1Xと表現できる。角度θ1Xは、正弦検出コイル21および余弦検出コイル22と検出コイル13との実際の角度のずれに相当するパラメータ[rad]である。これらのコイル21~23の軸倍角は1Xであることから、角度θ1Xは、ロータ2の一回転の範囲内(2π[rad]の範囲内)において、ロータ2の回転角がどこに位置するのかを表す角度となる。なお、前述の通り、ロータ2の高分解能位置情報は角度θnXで与えられる。したがって、角度θ1Xに求められる精度は、2π[rad]の範囲をn個に等分した区間のうち、ロータ2の回転角がどの区間(位置)に入っているかを把握できる程度の精度があればよい。
【0019】
正弦検出コイル21および余弦検出コイル22の各々に誘起された電圧波形は、信号処理回路6に入力される。信号処理回路6では、各々の電圧波形がアンプ回路を介して増幅される。その後、検波回路を介して同期検波処理が施されるとともに、積分回路を介して所定区間分の電圧の積分値に相当する値(磁束量相当値)が算出される。ここで算出された一方の積分値は、基準クロックに対する位相を抽出するのに用いられ、他方の積分値は、信号レベル(振幅)を抽出するのに用いられる。前者の位相情報は、角度θnXの情報に変換される。また、後者の信号レベル情報は、角度θ1Xの情報に変換される。これらの角度情報に基づき、ロータ2のステータ3に対する回転角が求められる。
【0020】
[1-2. ステータ側のコイル]
図3は、ステータ3側の具体的な回路構造を例示する分解斜視図であり、図4はその回路構造を正面から見たときの模式図である。ロータ2およびステータ3の対向面において、ステータ3側には正弦励磁コイル11と余弦励磁コイル12と正弦検出コイル21と余弦検出コイル22とが設けられる。正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12は、ロータ2側の検出コイル13と対向する位置において、周方向に交互に隣接するように配置される。また、正弦検出コイル21および余弦検出コイル22は、ロータ2側の励磁コイル23と対向する位置において環状に配置される。
【0021】
正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の各々が配置される領域の形状は、図5に示すような部分円環領域65に対応する形状とされる。部分円環領域65とは、ロータ2の回転軸Cを中心とした内円61および外円62と回転軸Cを通る二直線63,64とで囲まれる領域である。図5に示す例では、二直線63,64のなす角度が45度であり、周方向に八つの部分円環領域65を隣接配置させることが可能である。m個の部分円環領域65を隣接配置させたい場合には、二直線63,64のなす角度を360度/mに設定すればよい。
【0022】
本実施例では、ロータ2およびステータ3の対向面を偶数個(図4中では8個)に等分した領域において、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12が交互に隣接配置される。これにより、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の数が同数となる。なお、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12は、ロータ2の磁極ピッチを基準として各コイル11,12の位相が一致することを前提として、同一平面上において、ロータ2の回転軸Cに対して回転対称形状をなすように配索されてもよい。図4に示す例では、導体のレイアウトが回転軸Cに対して、隣接する正弦励磁コイル11と余弦励磁コイル12のそれぞれ1つを合わせて1組と考えるとき、四回の回転対称形状になるように形成されている。
【0023】
ここで、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12のペアの数(組数)について補足的に説明する。組数を1組または2組に設定した場合には、図4中で励磁コイル11,12が配置される円環状の領域において、左半面と右半面とのバランスが悪くなりやすく、検出器としてのロバスト性が低下する。したがって、組数は好ましくは3組以上とされる。また、組数を奇数に設定した場合にも、左半面と右半面とで正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の各々の数が相違することになってしまう。したがって、より好ましくは組数が偶数とされる。ただし、組数を増加させすぎると、励磁コイル11,12同士の隙間に多くのスペースを取られてしまい、特に小径のレゾルバ1では不利となる。これらの点を考慮して、図4に示す正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の組数は、4組に設定されている。
【0024】
なお、電気角の位相が同一となるような位置に、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12をずらして配置してもよい。例えば、回転対称となる位置から、電気角で360度分(すなわち1極対分の機械角)だけ周方向に相違する位置にこれらの励磁コイル11,12をずらして配置してもよい。このように、励磁コイル11,12の位置を周方向に、電気角でN周期分移動させる(具体的にいえば、電気角で一周期分や二周期分移動させる)ことで、励磁コイル11,12間の隙間G(図4参照)を広げることができ、内周側からの引き出し線をその隙間Gに通して同一平面内で配索することが容易となる。隙間Gの寸法は、少なくとも電気角で180度分(すなわち0.5極対分の機械角であって、一つの磁極分)に相当する寸法以上に設定される。なお、各励磁コイル11,12は必ずしも等しく配置されなくてよい。
【0025】
また、図5に示すような一つの部分円環領域65に含まれる励磁コイル11,12の周方向の長さは、最小限で一つの磁極対(N極およびS極)が形成されうる長さがあればよい。部分円環領域65の数がm個である場合、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の組数はm/2組と表現できる。したがって、一つの励磁コイル11,12に含まれる磁極対の数は最大で、軸倍角の値nを組数で除した数(2n/m個)となり、最小で一個となる。
【0026】
正弦励磁コイル11は、往路コイル11Aと復路コイル11Bとを繋いだ形状に形成される。往路コイル11Aに入力される電流の向きは、復路コイル11Bに入力される電流の向きとは逆方向に設定される。したがって、往路コイル11Aに生成される磁極の向きが例えば図4中の紙面手前側から奥側へ向かう方向であるとき、復路コイル11Bに生成される磁極の向きは、図4中の紙面奥側から手前側へ向かう方向となる。これらの往路コイル11Aおよび復路コイル11Bは、図5に示すような部分円環領域65内において、互いに重ならないように同一平面上に配置される。往路コイル11Aは、少なくとも一部が波形状のコイルで構成される。
【0027】
ここでいう「波形状」には、ロータ2の回転軸Cに垂直でその回転軸Cを原点とした極座標平面において、偏角の変化に対して径方向の距離が一定の周期で変化する反復形状が含まれる。また、その反復形状を模した形状や、その反復形状に類似した形状が含まれる。例えば、その反復形状と完全に同一であるとはいえないものの、レゾルバ1の性能に支障をきたさない程度にその反復形状を変形させた形状や、実質的にその反復形状と同等であるといえる形状は、ここでいう「波形状」に含まれる。具体例を挙げれば、「波形状」には矩形波形状や正弦波形状や三角波形状が含まれる。また、これらの形状の角が取れた波形状(矩形や三角形の角を丸く鈍した形状)も含まれる。
【0028】
図4に示す往路コイル11Aは、ロータ2の回転軸Cと同軸である円の円周に沿って矩形波を配置するとともに、その矩形波の内周側に沿って導体を配索した形状に形成される。別言すれば、ロータ2の回転軸Cと同軸に配置された歯車の輪郭をなすように導体を配索するとともに、その歯車の内周側に沿って導体を配索した形状に形成される。言い換えれば、往路コイル11Aは外向き歯のくし形に形成され、図5に示す内円61側の円弧から外円62側の円弧に向かって歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索した形状に形成される。
【0029】
これに対して復路コイル11Bは、ロータ2の回転軸Cと同軸である円の円周に沿って矩形波を配置するとともに、その矩形波の外周側に沿って導体を配索した形状に形成される。別言すれば、ロータ2の回転軸Cと同軸に配置された歯車の輪郭をなすように導体を配索するとともに、その歯車の外周側に沿って導体を配索した形状に形成される。言い換えれば、復路コイル11Bは内向き歯のくし形に形成され、図5に示す外円62側の円弧から内円61側の円弧に向かって歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索した形状に形成される。
【0030】
正弦励磁コイル11と同様に、余弦励磁コイル12は、往路コイル12Aと復路コイル12Bとを互いに重ならないように繋いだ形状に形成される。図4に示すように、往路コイル12Aは、円弧から外向きに歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索した形状に形成される。また、復路コイル12Bは、円弧から内向きに歯を延ばしたくしの輪郭をなすように導体を配索した形状に形成される。
【0031】
なお、図4に示すようなくし型に形成された励磁コイル11,12は、内側に配置される往路コイル11A,12Aと外側に配置される復路コイル11B,12Bとの形状が若干異なる。それゆえ、各々で生成される磁界の強度も若干相違することになり、これが角度誤差を発生させる要因のひとつとなっている。一方、図4に示すように、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12における磁極の向きのレイアウト(交流の励磁信号によってある瞬間に生成される磁束の向きのレイアウト)は、各コイル11,12の一群おきに反転するように形成される。このレイアウトについて、図8(A),(B)を用いて説明する。
【0032】
図8(A),(B)は、励磁コイル11,12とロータ2側の検出コイル13との関係を説明するための模式図である。正弦励磁コイル11,余弦励磁コイル12の各々の数は、実際には図4に示すように四つずつであるが、図8(A),(B)ではこれを省略して二つずつ示している。図中の左右方向は回転角(偏角)方向に相当し、図中の上下方向は半径方向(上が外径側,下が内径側)に相当する。
【0033】
正弦励磁コイル11,余弦励磁コイル12の各々には、ロータ2の磁極ピッチを基準として各コイル11,12の位相が一致することを前提として、励磁による磁束の向きが互いに相違する回転対称形状のコイルが同数含まれる。例えば、図8(A)中の左側の正弦励磁コイル11に着目すると、ある瞬間に往路コイル11Aを励磁することで生成される磁束の向きが紙面手前から奥へ向かう方向であるとする。一方、図8(A)中の右側の正弦励磁コイル11における往路コイル11Aについて、ある瞬間に往路コイル11Aを励磁することで生成される磁束の向きは、紙面奥から手前へ向かう方向になるように形成される。つまり、これらの正弦励磁コイル11の往路コイル11Aは、ロータ2の磁極ピッチを基準として各コイル11,12の位相が一致することを前提として、回転対称形状であって、励磁による磁束の向きが互いに相違するように形成される。
【0034】
正弦励磁コイル11の復路コイル11Bについても同様であり、図8(A)中の左側の正弦励磁コイル11における復路コイル11Bは、ある瞬間に紙面奥から手前へ向かう方向への磁束を生成する。一方、図8(A)中の右側の正弦励磁コイル11における復路コイル11Bは、ある瞬間に紙面手前から奥へ向かう方向への磁束を生成する。ここで、正弦励磁コイル11で生成される磁束を検出コイル13に重ね合わせてみると、往路コイル13Aに作用する磁界と復路コイル13Bに作用する磁界との差が小さくなる。したがって、同相内でのコイル形状(くしの向き)による磁束差が平均化され、レゾルバ1の角度検出精度がさらに向上する。
【0035】
なお、余弦励磁コイル12で生成される磁束のピーク位置は、正弦励磁コイル11で生成される磁束のピーク位置に対して電気角で90°ずれた位置になる。したがって、図8(A)に示す状態では、余弦励磁コイル12で生成される磁束は検出コイル13に鎖交しない。
【0036】
図8(B)は、図8(A)に示す状態からロータ2が電気角で90°回転した状態を表す模式図である。正弦励磁コイル11だけでなく、余弦励磁コイル12においても、ロータ2の磁極ピッチを基準として各コイル11,12の位相が一致することを前提として、励磁による磁束の向きが互いに相違する回転対称形状のコイルが同数含まれる。このような構造により、余弦励磁コイル12で生成された磁界のうち、往路コイル13Aに作用する磁界と復路コイル13Bに作用する磁界との差が小さくなり、コイル形状(くしの向き)による磁束差が平均化される。したがって、レゾルバ1の角度検出精度がさらに向上する。
【0037】
図4において、正弦検出コイル21は、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12の内側に配置されるコイルであり、往路コイル21Aと復路コイル21Bとを繋いだ形状に形成される(図3参照)。往路コイル21Aは、正弦検出コイル21が配索される平面で、ロータ2の回転軸Cを通る直線Pによって二分割された円環領域の一方において、渦巻状に導体を配索した形状に形成される。また、復路コイル21Bは、直線Pによって二分割された円環領域の他方において、渦巻状に導体を配索した形状に形成される。往路コイル21Aは磁極対の一方を生成するように機能し、復路コイル21Bは磁極対の他方を生成するように機能する。
【0038】
余弦検出コイル22は、正弦検出コイル21と同様の構造を持つ。例えば、余弦検出コイル22は、往路コイル22Aと復路コイル22Bとを繋いだ形状に形成される(図3参照)。往路コイル22Aは、余弦検出コイル22が配索される平面で、直線Qによって二分割された円環領域の一方において、渦巻状に導体を配索した形状に形成される。また、復路コイル22Bは、直線Qによって二分割された円環領域の他方において、渦巻状に導体を配索した形状に形成される。
【0039】
正弦検出コイル21および余弦検出コイル22の巻数や巻き形状は、ロータ2のステータ3に対する回転角が変化するにつれて、検出コイル21,22に生じる磁界の強さが正弦波状に変化するように設定される。例えば、ロータ2の回転軸Cに垂直でその回転軸Cを原点とした極座標平面において、偏角を変動させるにつれて巻数が段階的に変化するように設定される。図4に示す例では、偏角が90度(クロックポジションで12時方向)および270度(6時方向)であるときに巻数が0であり、偏角が0度(3時方向)および180度(9時方向)であるときに巻数が最大となるように、コイルの巻き形状が設定されている。また、巻数が最大となる偏角の大きさは、正弦検出コイル21と余弦検出コイル22とで90度相違するように設定される。例えば、正弦検出コイル21の巻数が最大となる偏角が90度および270度であるとき、余弦検出コイル22の巻数が最大となる偏角は0度および180度となる。
【0040】
[1-3. ロータ側のコイル]
図6は、ロータ2側の具体的な回路構造を例示する分解斜視図であり、図7はその回路構造を正面から見たときの模式図である。ロータ2およびステータ3の対向面において、ロータ2側には検出コイル13と励磁コイル23とが設けられる。励磁コイル23は、検出コイル13の内側に配置される。検出コイル13は、ステータ3側の正弦励磁コイル11や余弦励磁コイル12に対向して環状に配置される。同様に、励磁コイル23は、ステータ3側の正弦検出コイル21や余弦検出コイル22に対向して環状に配置される。
【0041】
検出コイル13は、正弦励磁コイル11や余弦励磁コイル12と同様の構造を持ち、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12と対向する位置において環状に配置される。例えば、検出コイル13は、複数の磁極を周方向に隣接配置してなる円環状の磁極群を有する。また、検出コイル13は、往路コイル13Aと復路コイル13Bとを繋いだ形状に形成される。これらの往路コイル13Aおよび復路コイル13Bは、例えば図7に示すように、円環状の領域内において互いに重ならないように配置される。往路コイル13Aは、ロータ2の回転軸Cと同軸である円の円周に沿って矩形波を配置するとともに、その矩形波の外周側に沿って導体を配索した形状に形成される。また、復路コイル13Bは、ロータ2の回転軸Cと同軸である円の円周に沿って矩形波を配置するとともに、その矩形波の内周側に沿って導体を配索した形状に形成される。
【0042】
検出コイル21,22と同様に、検出コイル13の巻数を偏角に応じて正弦波状に変化させてもよい。例えば、ロータ2のステータ3に対する回転角が変化するにつれて、検出コイル13に生じる磁界の強さが正弦波状に変化するように、巻数や巻き形状を設定してもよい。なお、コイルの軸倍角が大きくなるにつれて、隣接する磁極間で磁束がショートしやすくなり、磁界の波形の角がとれて自ずと正弦波状に大きさが変化する磁界が得られるという傾向がある。具体的な磁界分布形状は、磁極間距離,エアギャップ,巻数,コイル形状などに依存して変化する。
【0043】
励磁コイル23は、往路コイル23Aと復路コイル23Bとを繋いだ形状に形成される。往路コイル23Aおよび復路コイル23Bは、各々が配索される平面で、ロータ2の回転軸Cを通る任意の直線Rによって二分割された円環領域の各々において、環状に導体を配索した形状に形成される。二つの半円環領域に巻回される巻線は互いに接続されている。また、一方の半円環領域に巻回される巻線の巻き方向は、他方の半円環領域に巻回される巻線の巻き方向とは逆方向に設定されている。
【0044】
[2. 作用, 効果]
(1)上記のレゾルバ1では、検出コイル13で得られた信号をそのままステータ3側へと伝達するためのアンテナコイルが省略されている。また、軸倍角がnXの第一コイル群10と軸倍角が1Xの第二コイル群20とが設けられ、両方のコイル群10,20が信号伝達経路において直列に配置されている。例えば、信号生成回路5で生成された交流信号は、第一コイル群10を介してロータ2側へと伝達された後、第二コイル群20を介して再びステータ3側に返送されて信号処理回路6へと入力される。つまり、交流信号がステータ3からロータ2へと伝達される過程では第一コイル群10が利用され、その交流信号がロータ2からステータ3へと伝達される過程では第二コイル群20が利用される。
【0045】
このような構造により、信号生成回路5で生成された交流信号が第一コイル群10と第二コイル群20とに独立して伝達される従来構造のものと比較して、コイル数を削減することができ、レゾルバ1の内径側を大きくすることができる。したがって、スペースの有効活用を図ることができる。また、従来構造のものと比べてアンテナコイルが省略されているため、コイルの導体が配索される層数を削減することができ、回路構造を簡素にすることができる。さらに、RDC(Resolver Digital Converter,レゾルバデジタルコンバータ)の励磁用アンプ数を2系統から1系統へと削減することができ、レゾルバ1の部品点数を削減することができ、製造コストをカットすることができる。したがって、構成が簡素で小型化が容易なレゾルバ1を提供することができる。
【0046】
(2)上記のレゾルバ1では、正弦励磁コイル11と余弦励磁コイル12とが同一平面上で周方向に交互に隣接配置される。このように、正弦励磁コイル11と余弦励磁コイル12とを同一層に形成することで、正弦励磁コイル11から検出コイル13までの距離や、余弦励磁コイル12から検出コイル13までの距離をほぼ一定にすることができ、信号強度を揃えることができる。 したがって、簡素な構成で良好な信号波形を実現することができる。
【0047】
(3)上記のレゾルバ1では、正弦励磁コイル11,余弦励磁コイル12,検出コイル13の各々に、往路コイル11A~13Aと復路コイルと11B~13Bとが設けられる。これらの往路コイル11A~13Aおよび復路コイル11B~13Bは、互いに重ならないように同一平面上に配置される。このような構造により、正弦励磁コイル11,余弦励磁コイル12,検出コイル13の各々を1層で実現することができ、構造を簡素化,軽薄化することができる。
【0048】
(4)上記のレゾルバ1では、第一コイル群10に含まれるコイルの軸倍角がnXであり、第二コイル群20に含まれるコイルの軸倍角が1Xになっている。このような構成により、正弦検出コイル21および余弦検出コイル22の各々に誘起された電圧波形の位相および信号レベル(振幅)を角度θnXおよび角度θ1Xの情報に対応させることができる。したがって、ロータ2のステータ3に対する回転角を容易に精度よく求めることができる。
【0049】
[3. 変形例]
上記の実施例はあくまでも例示に過ぎず、本実施例で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施例の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。また、本実施例の各構成は必要に応じて取捨選択でき、あるいは、公知技術に含まれる各種構成と適宜組み合わせることができる。
【0050】
上記の実施例では、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12を同一平面上に配置するために部分円環領域65に対応する形状に配置したが、これらのコイル11,12は同一平面上に配置されていなくてもよいし、配置される領域の形状が部分円環領域65の形状でなくてもよい。例えば、正弦励磁コイル11および余弦励磁コイル12をそれぞれ完全な円環の領域に対応する形状に形成し、それぞれを基板の別層に配置することもできる。
【0051】
また、例えば、上記の実施例では、第二コイル群20に含まれるコイルの軸倍角が1Xである場合について詳述したが、これに代えて、軸倍角が(n―1)Xのコイルを用いてもよい。このような場合であっても、軸倍角nXのコイルから得られる信号と軸倍角(nー1)Xのコイルから得られる信号とに基づき、バーニヤの原理を用いて軸倍角1Xに相当する角度を算出することができ、ロータ2のステータ3に対する回転角を特定することができるとともに、上記の実施例と同様の作用,効果を獲得することができる。
【0052】
また、上記の実施例では、軸倍角がnXの正弦励磁コイル11と余弦励磁コイル12とを励磁するとともに、軸倍角が1Xの正弦検出コイル21と余弦検出コイル22とで信号を検出する構造のレゾルバ1を例示したが、入出力の関係を逆にしてもよい。例えば、第一コイル群10に含まれるコイルの軸倍角を1Xとし、第二コイル群20に含まれるコイルの軸倍角をnXとしてもよい。この場合、軸倍角がnXの第二コイル群20が信号の位相変調を担い、軸倍角が1Xの第一コイル群10が信号の振幅変調を担うものとなる。このような構造においても、上記の実施例と同様の作用,効果を獲得することができる。
【0053】
また、上記の実施例では、図3図6に示すような形状の第二コイル群20(正弦検出コイル21,余弦検出コイル22,励磁コイル23)を例示したが、具体的なコイル形状はこれに限定されない。例えば、ロータ2の回転軸Cを基準とする極座標平面において、検出コイル21,22と励磁コイル23とが重なり合う部分の面積Sが偏角θに対して正弦波状に変化するように、検出コイル21,22及び励磁コイル23の形状を設定してもよい。
【0054】
図9に示す正弦検出コイル21は、往路コイル21A(図9中の「sin+」)と復路コイル21B(図9中の「sin-」)とを繋いだ形状に形成される。また、余弦検出コイル22も、往路コイル22A(図9中の「cos-」)と復路コイル22B(図9中の「cos+」)とを繋いだ形状に形成される。これらのコイル21A,21B,22A,22Bは、互いに重ならないように同一平面上に配置される。
【0055】
また、コイル21A,21B,22A,22Bの各々の形状に関して、外周側端辺に相当する曲線は、ロータ2の回転軸Cを基準とする極座標平面において、例えば以下の式1で表され、内周側端辺に相当する曲線は、例えば以下の式2で表される。この場合、正弦検出コイル21,余弦検出コイル22の各々と励磁コイル23とが重なり合う部分の面積Sは、以下の式3で表される。
【0056】
【数1】
【0057】
このように、検出コイル21,22と励磁コイル23との重畳部分の面積Sが正弦波状に変化するように、各コイル21,22,23の形状を設定することで、励磁コイル23と検出コイル21,22との間で信号伝達を担う磁束の面積を連続的に(スムーズに)変動させることができ、検出コイル21,22に生じる交流信号の波形を滑らかな曲線状にすることができる。したがって、簡素な構成で良好な信号波形を実現することができる。
【符号の説明】
【0058】
1 レゾルバ
2 ロータ
3 ステータ
4 制御装置
5 信号生成回路
6 信号処理回路
10 第一コイル群
11 正弦励磁コイル
11A 往路コイル
11B 復路コイル
12 余弦励磁コイル
12A 往路コイル
12B 復路コイル
13 検出コイル
13A 往路コイル
13B 復路コイル
20 第二コイル群
21 正弦検出コイル
21A 往路コイル
21B 復路コイル
22 余弦検出コイル
22A 往路コイル
22B 復路コイル
23 励磁コイル
23A 往路コイル
23B 復路コイル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9