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特許7314147エネルギー送達のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】エネルギー送達のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/18 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
A61B18/18 100
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020536962
(86)(22)【出願日】2018-12-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-25
(86)【国際出願番号】 IB2018060238
(87)【国際公開番号】W WO2019135135
(87)【国際公開日】2019-07-11
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】62/613,301
(32)【優先日】2018-01-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/221,154
(32)【優先日】2018-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512023166
【氏名又は名称】ニューウェーブ メディカル,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】NEUWAVE MEDICAL,INC.
【住所又は居所原語表記】3529 Anderson Street,Madison,Wisconsin 53704,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】トム・マーク
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-507736(JP,A)
【文献】特表2007-535369(JP,A)
【文献】特開平8-187297(JP,A)
【文献】特開2009-178506(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ波アブレーションプローブであって、
マイクロ波放出部分と、剛性部分と、可撓性部分と、を備え、
前記マイクロ波放出部分は、前記剛性部分の遠位に位置付けられ、
前記剛性部分は、前記可撓性部分の遠位に位置付けられ、
前記剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された1つ以上の突出部を含み、
前記マイクロ波放出部分は、マイクロ波エネルギーを放出するように構成されており、
前記剛性部分は前記マイクロ波放出部分とは重ならない、マイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項2】
前記マイクロ波放出部分は、マイクロ波アンテナである、請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項3】
前記マイクロ波アンテナは、同軸伝送線を含む、請求項2に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項4】
前記マイクロ波アンテナは、三軸伝送線を含む、請求項2に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項5】
前記剛性部分は、長さがおよそ2~10cmである、請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項6】
前記剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された5つ以上の突出部を有する、請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項7】
腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された前記1つ以上の突出部は、金属製突出部である、請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項8】
前記剛性部分と前記マイクロ波放出部分との間に間隙がある、請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【請求項9】
請求項1に記載のマイクロ波アブレーションプローブと、腹腔鏡器具と、を備える、システム。
【請求項10】
前記腹腔鏡器具は、手動で操作される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記腹腔鏡器具は、ロボット制御で操作される、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記マイクロ波アブレーションプローブに電気接続された電源を更に備える、請求項10に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取等)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを送達するための総合的システム及び方法に関する。特定の実施形態では、可撓性部分及び剛性部分を有するマイクロ波アブレーションプローブを備えるデバイス、システム、及び方法が提供される。
【背景技術】
【0002】
エネルギー送達デバイス(例えば、アンテナ、プローブ、電極等)(例えば、マイクロ波アブレーションデバイス)(例えば、高周波アブレーションデバイス)を使用して、所望の組織領域を「治療」するために所望の組織領域にエネルギーを送達する。アブレーション療法(例えば、マイクロ波アブレーション、高周波アブレーション)は、様々な容態及び/又は疾患(例えば、腫瘍細胞)の治療に広く使用されている最小侵襲性技術である。このような技術においては、アブレーションエネルギー(例えば、マイクロ波エネルギー)(例えば、高周波エネルギー(RF))を使用して、所望の組織領域を所望の温度まで加熱して、加熱領域での組織破壊を引き起こす。
【0003】
状況によっては、腹腔鏡手術は、アブレーションのために使用される。腹腔鏡手術は、トロカール又は小円筒管の直径およそ5~10ミリメートルの挿入のために、所望の組織領域内又はその近くにいくつかの小さな切開部を必要とし、切開部を通って外科用器具(例えば、マイクロ波アブレーションデバイス)及び腹腔鏡が組織領域及び/又は腔内に配置される。腹腔鏡は、手術野を照らし、拡大画像を身体の内側からビデオモニタに送信し、外科医に臓器及び組織の拡大図を与える。外科医は、ライブビデオフィードを見て、トロカールを通って配置された外科用器具を操作することによって手術を行う。
【0004】
従来の腹腔鏡手術は、経皮的処置で使用される同じプローブを利用することができる。経皮的プローブは、腹腔鏡処置における操作性を制限する場合がある15~25cm長の剛性シャフトを使用して概ね構成される。
【0005】
ロボット制御型腹腔鏡手術と同様に、ロボットを使用して経皮的プローブを配置することが可能であるが、プローブの剛性シャフトは、所望の標的領域へのアクセスを制限する。ロボット制御型手術は、典型的には、マイクロ波エネルギーの代わりにRFエネルギーを利用する。統合されたRF外科用ツールを有する因子を形成することが可能ないくつかの様々なクランプツール又は顎部ツールが利用可能である。このような統合されたRFツールが広く使用されている。しかしながら、剛性である経皮マイクロ波アブレーションプローブの煩雑な特性及び制限された移動性により、ロボット制御型腹腔鏡処置及び従来の腹腔鏡処置のためのマイクロ波技術の採用が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
腹腔鏡アブレーションで使用するための改善されたプローブが必要とされている。
【0007】
本発明は、このニーズに対処するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
マイクロ波アブレーションを伴う処置中に剛性である腹腔鏡プローブを操作するという問題を解決するマイクロ波アブレーションプローブ及びシステムが本明細書に提供される。本明細書に記載のマイクロ波アブレーションプローブは、容易な操作性のための可撓性構成要素と、ロボット制御型把持ツール又は手動把持ツールによって容易に把持するための(例えば、複数の金属突出部を含む)剛性構成要素と、を備える。このようなマイクロ波アブレーションプローブは、より堅牢で正確なアブレーション処置を提供する。
【0009】
したがって、特定の実施形態では、本発明は、マイクロ波放出部分と、剛性部分と、可撓性部分と、を備える、マイクロ波アブレーションプローブを提供する。
【0010】
このようなマイクロ波アブレーションプローブは、マイクロ波放出部分、剛性部分、及び可撓性部分の特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分は、剛性部分の遠位に位置付けられ、剛性部分は、可撓性部分の遠位に位置付けられる。いくつかの実施形態では、剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された1つ以上の突出部を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分は、マイクロ波エネルギーを放出するように構成されている。
【0011】
このようなマイクロ波アブレーションプローブは、特定のマイクロ波放出部分に限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分はマイクロ波アンテナを含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは同軸伝送線を含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波アンテナは、三軸伝送線を含む。
【0012】
このようなマイクロ波アブレーションプローブは、特定の剛性部分に限定されない。いくつかの実施形態では、剛性部分は、長さがおよそ2~10cmである。いくつかの実施形態では、剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された1つ以上の(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ又はそれ以上の)突出部を有する。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された1つ以上の突出部は、金属製突出部である。
【0013】
いくつかの実施形態では、このような腹腔鏡器具の把持部分は、突出部を取り外し可能に受け入れるように構成されたスロット又は凹部である。例えば、いくつかの実施形態では、突出部は、マイクロ波アブレーションプローブを腹腔鏡器具と取り外し可能に係合する目的で、かかるスロット又は凹部内に取り外し可能に嵌合することができるように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、突出部の形状は、特定の形状(例えば、幾何学形状)を有する突出部を取り外し可能に受け入れるように構成された既知のスロット又は凹部を有する多様な既知の腹腔鏡器具に適合するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態では、突出部の形状は、特定の形状(例えば、幾何学形状)を有する突出部を取り外し可能に受け入れるように構成された既知のスロット又は凹部を有する特定の腹腔鏡器具に適合するように構成されている。
【0016】
マイクロ波アブレーションプローブを腹腔鏡器具と取り外し可能に係合する目的で、把持部分と突出部との間の取り外し可能な係合のために、他の取り外し可能な機構が使用されてもよいことが理解される(例えば、カンチレバー型スナップなど)。いくつかの実施形態では、このような腹腔鏡器具の把持部分は、スロット付き顎部である。
【0017】
特定の実施形態では、本発明は、記載されたマイクロ波アブレーションプローブ及び腹腔鏡器具を備えるシステムを提供する。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具は手動で操作される。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具はロボット制御で操作される。いくつかの実施形態では、システムは、マイクロ波アブレーションプローブに電気接続された電源を更に備える。
【0018】
特定の実施形態では、本発明は、把持部分を有する腹腔鏡器具と、記載されたマイクロ波アブレーションプローブと、を提供することと、マイクロ波アブレーションプローブの1つ以上の突出部を腹腔鏡器具の把持部分で把持することと、マイクロ波アブレーションプローブのマイクロ波放出部分を所望の組織位置に位置付けることと、所望の組織領域がアブレーションされる条件下で、マイクロ波アブレーションプローブにより、所望の組織位置へマイクロ波エネルギーを送達することと、を含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織領域は、被験体内(例えば、ヒト被験体)にある。
【0019】
追加の実施形態を本明細書に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】腹腔鏡使用のための例示的なマイクロ波アブレーションプローブを示す。
図2】腹腔鏡器具と係合されたマイクロ波アブレーションプローブを示す。
図3】腹腔鏡器具と係合されたマイクロ波アブレーションプローブを示す。
図4】腹腔鏡器具と係合されたマイクロ波アブレーションプローブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、医療処置(例えば、組織切除、摘出、焼灼、血栓、心不整脈及びリズム障害の治療、電気手術、組織採取等)を含む多様な用途のために、組織にエネルギーを送達するための総合的システム及び方法に関する。特定の実施形態では、可撓性部分及び剛性部分を有するマイクロ波アブレーションプローブを備えるデバイス、システム、及び方法が提供される。
【0022】
現在使用されているアブレーションプローブは剛性であり、それ故に、組織領域のアブレーションを伴う処置中に操作するか又は操ることが困難である。腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)と係合するように構成された剛性である遠位端部分を有する可撓性マイクロ波アブレーションプローブに対するニーズが存在する。本開示は、(例えば、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)との係合を容易にするように構成された)剛性部分及び可撓性部分の両方を有するマイクロ波アブレーションプローブを提供することによって、このニーズに対処する。
【0023】
したがって、本明細書では、剛性部分及び可撓性部分の両方を含む(例えば、腹腔鏡アブレーション処置での使用のための)マイクロ波アブレーションプローブが提供される。例示的なプローブを図1図4に記載する。
【0024】
図1は、可撓性を維持しながら腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)との係合を容易にするように構成されたマイクロ波アブレーションプローブ1を示す。図1に示すように、マイクロ波アブレーションプローブ1は、(突出部3を有する)剛性部分2、可撓性部分4、及びマイクロ波放出部分5を有する。
【0025】
更に図1を参照すると、剛性部分2は、特定の寸法及び特性に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、剛性部分2は、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)との係合(例えば、固定、取り付け)を容易にすることができるように構成されている。剛性部分2は、特定の幅及び長さに限定されない。いくつかの実施形態では、剛性部分2の幅及び長さは、アブレーション処置中にマイクロ波アブレーションプローブ1の機能を妨げないような幅及び長さである。いくつかの実施形態では、剛性部分2の幅は、およそ0.1~2cm(例えば、0.1、0.2、0.5、0.8、0.9、1、1.5、1.85、1.99、2、2.01、2.1、3cm)である。いくつかの実施形態では、剛性部分2の長さは、およそ2~10cm(例えば、0.5、1、1.3、1.5、1.8、1.999、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、10.1、10.3、10.5、10.8、11、15cmなど又はこれらの端数を含む値)である。
【0026】
更に図1を参照すると、剛性部分2は、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)との係合(例えば、固定、取り付け)のために構成された突出部3を更に含む。剛性部分2は、特定の数の突出部3を有することに限定されない。いくつかの実施形態では、剛性部分2は、1~50個の突出部3とすることができる。いくつかの実施形態では、剛性部分2は、1~50個の突出部3を有することができる。図1に示すようないくつかの実施形態では、剛性部分2は、7つの突出部3を有する。
【0027】
更に図1を参照すると、突出部3は、特定の寸法及び特性に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、突出部3は、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)とのマイクロ波アブレーションプローブ1の係合(例えば、固定、取り付け)が促進されるように構成されている。突出部3は、特定の幅及び長さに限定されない。いくつかの実施形態では、突出部3の幅及び長さは、アブレーション処置中にマイクロ波アブレーションプローブ1の機能を妨げないような幅及び長さである。いくつかの実施形態では、突出部3のそれぞれの幅及び長さは同一である。いくつかの実施形態では、突出部3のそれぞれの幅及び長さは、同一ではない。いくつかの実施形態では、突出部3の長さは、およそ0.1~10cm(例えば、0.1、0.2、0.5、0.8、0.9、1、1.5、1.85、1.99、2、2.01、2.1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12cm)である。いくつかの実施形態では、突出部3の幅は、およそ0.1~2cm(例えば、0.1、0.2、0.5、0.8、0.9、1、1.5、1.85、1.99、2、2.01、2.1、3cm)である。突出部3は、特定の組成に限定されない。いくつかの実施形態では、突出部3は金属である。突出部3は、剛性部分2に沿う特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、図1に示すように、突出部3は、剛性部分2全体に沿って位置付けられている。いくつかの実施形態では、突出部3は、剛性部分2の一部分(例えば、99%、90%、80%、60%、50%、25%、10%、1%)のみに沿って位置付けられている。
【0028】
更に図1を参照すると、突出部3は、特定の組成に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、突出部3は金属である。いくつかの実施形態では、突出部3はプラスチックである。いくつかの実施形態では、突出部3はセラミックである。いくつかの実施形態では、突出部3は、様々な種類の金属及び/又はプラスチックの混合物である。
【0029】
更に図1を参照すると、突出部3は、かかる腹腔鏡器具の把持部分と取り外し可能に係合するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、突出部3は、マイクロ波アブレーションプローブを腹腔鏡器具と取り外し可能に係合する目的で、スロット又は凹部の形状を有する把持部分に取り外し可能に嵌合することができるように構成されている。
【0030】
マイクロ波アブレーションプローブを腹腔鏡器具と取り外し可能に係合する目的で、把持部分と突出部3との間の取り外し可能な係合のために、他の取り外し可能な機構が使用されてもよいことが理解される(例えば、カンチレバー型スナップなど)。いくつかの実施形態では、このような腹腔鏡器具の把持部分は、スロット付き顎部である。
【0031】
更に図1を参照すると、可撓性部分4は、特定の寸法及び特性に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、可撓性部分4は、剛性部分2が腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)と係合する一方、柔軟に操作することができるように構成されている。可撓性部分4は、特定の幅及び長さに限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性部分4の幅及び長さは、アブレーション処置中にマイクロ波アブレーションプローブ1の機能を妨げないような幅及び長さである。いくつかの実施形態では、可撓性部分4の幅は、およそ0.1~2cm(例えば、0.1、0.2、0.5、0.8、0.9、1、1.5、1.85、1.99、2、2.01、2.1、3cm)である。いくつかの実施形態では、可撓性部分4の長さは、任意の所望の長さ(例えば、およそ1cm~10,000cm)である。可撓性部分4は、マイクロ波アブレーションプローブ1に沿う特定の位置付けに限定されない。いくつかの実施形態では、可撓性部分4は、マイクロ波アブレーションプローブ1の近位端に位置する。いくつかの実施形態では、可撓性部分4は、剛性部分2及びマイクロ波放出部分5によって占有されないマイクロ波アブレーションプローブ1の全長に沿って位置する。
【0032】
更に図1を参照すると、マイクロ波放出部分5は、特定の寸法及び特性に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5は、剛性部分2が腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)と係合している一方、マイクロ波エネルギーを放出することができるように構成されている。マイクロ波放出部分5は、特定の幅及び長さに限定されない。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5の幅及び長さは、アブレーション処置中にマイクロ波アブレーションプローブ1の機能を妨げないようなものである。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5の幅は、およそ0.1~2cm(例えば、0.1、0.2、0.5、0.8、0.9、1、1.5、1.85、1.99、2、2.01、2.1、3cm)である。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5の長さは、およそ2~10cm(例えば、0.5、1、1.3、1.5、1.8、1.999、2、3、4、5、6、7、8、9、若しくは10、10.1、10.3、10.5、10.8、11、15cmなど又はその端数を含む値)である。
【0033】
マイクロ波放出部分5は、マイクロ波アブレーションプローブ1に沿う特定の位置付けに限定されない。図1に示すように、マイクロ波放出部分5は、マイクロ波アブレーションプローブ1の最も遠位端に位置する。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5はマイクロ波アンテナである。このように、いくつかの実施形態では、マイクロ波アブレーションプローブ1の遠位端において剛性部分2を位置付けることにより、マイクロ波放出部分5のすぐ近傍に剛性部分2を局在させることが可能になる。剛性部分2及びマイクロ波放出部分5の両方がマイクロ波アブレーションプローブ1に沿って遠位に位置付けられるいくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分5は、(図1に示すように)剛性部分2よりも遠位に位置付けられる。剛性部分2及びマイクロ波放出部分5の両方がマイクロ波アブレーションプローブ1に沿って遠位に位置付けられるいくつかの実施形態では、剛性部分2はマイクロ波放出部分5に直接当接する。剛性部分2及びマイクロ波放出部分5の両方が、マイクロ波アブレーションプローブ1に沿って遠位に位置付けられるいくつかの実施形態では、剛性部分2とマイクロ波放出部分5との間に間隙(例えば、0.1cm、0.25cm、0.5cm、0.8cm、1cm、1.5cm、5cm、10cmなど)が存在する。
【0034】
マイクロ波アブレーションプローブは、マイクロ波エネルギーを放出する特定の態様に限定されない。図1に示すように、マイクロ波アブレーションプローブはマイクロ波放出部分を有する。いくつかの実施形態では、マイクロ波放出部分は、マイクロ波エネルギーを放出するように構成されたアンテナを有する。このようなマイクロ波アブレーションプローブは、(例えば、アブレーションデバイス、外科用デバイスなど)の特定の種類又は設計のアンテナに限定されない。いくつかの実施形態では、システムは、線形のアンテナを有するエネルギー送達デバイス(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第6878147号、同第4494539号、米国特許出願第11/728460号、同第11/728457号、同第11/728428号、同第10/961994号、同第10/961761号、及び国際公開第03/039385号を参照されたい)を利用する。いくつかの実施形態では、システムは、非線形のアンテナを有するエネルギー送達デバイス(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第6251128号、同第6016811号、及び同第5800494号、米国特許出願第09/847181号、並びに国際公開第03/088858号を参照されたい)を利用する。いくつかの実施形態では、アンテナは、ホーン反射構成要素(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第6527768号、同第6287302号を参照されたい)を有する。いくつかの実施形態では、アンテナは、指向性反射シールド(例えば、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第6312427号を参照されたい)を有する。
【0035】
いくつかの実施形態では、本明細書で定義されるようなマイクロ波アブレーションプローブ内のアンテナは、同軸伝送線構成を有する。そのようなマイクロ波アブレーションは、同軸伝送線の特定の構成に限定されない。同軸伝送線の例として、Pasternack、Micro-coax、及びSRC Cablesによって開発された同軸伝送線が挙げられるがこれらに限定されない。いくつかの実施形態では、同軸伝送線は、中心導体、誘電体素子、及び外部導体(例えば、外側シールド)を有する。いくつかの実施形態では、かかるマイクロ波アブレーションプローブは、可撓性の同軸伝送線を有するアンテナ(例えば、肺静脈の周り又は管状構造を通って位置付ける目的で)(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第7033352号、同第6893436号、同第6817999号、同第6251128号、同第5810803号、同第5800494号を参照されたい)を利用する。いくつかの実施形態では、かかるマイクロ波アブレーションプローブは、剛性の同軸伝送線を有するアンテナ(例えば、米国特許第6878147号、米国特許出願第10/961994号、同第10/961761号、及び国際公開第03/039385号を参照されたい)を利用する。
【0036】
いくつかの実施形態では、本明細書で定義されるようなマイクロ波アブレーションプローブ内のアンテナは、三軸伝送線構成を有する。かかるマイクロ波アブレーションプローブは、三軸伝送線の特定の構成に限定されない。いくつかの実施形態では、三軸伝送線は、最適化された調整能力を有するように構成される(例えば、米国特許第7101369号、米国特許出願第10/834802号、同第11/236985号、同第11/237136号、同第11/237430号、同第11/440331号、同第11/452637号、同第11/502783号、同第11/514628号、及び国際出願PCT/US05/14534号を参照されたい)。
【0037】
図2図3及び図4は、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)6と係合されたマイクロ波アブレーションプローブ1を示す。図示のように、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)6は、マイクロ波アブレーションプローブ1の剛性部分2に沿って位置付けられた突出部3のうちの1つと係合される。図示のように、腹腔鏡器具6は、把持部分(例えば、スロット付顎部)を介して、マイクロ波アブレーションプローブ1の剛性部分2に沿って位置付けられた突出部3のうちの1つに係合することが示されている。図から分かるように、かかる係合は、可撓性部分4の可撓性を妨げない。図から分かるように、マイクロ波放出部分5は、マイクロ波アブレーションプローブ1の最も遠位端に位置付けられている。
【0038】
本発明は、特定のタイプの腹腔鏡器具での使用に限定されない。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具は手動で操作される。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具はロボット制御で操作される。本発明のマイクロ波アブレーションプローブと係合することができる腹腔鏡器具の例としては、カニューレ及びトロカール、トロカール切開閉鎖装置、電極及び電気外科用ケーブル、腹腔鏡バイポーラはさみ及び把持器、鉗子及び把持器、フック及びプローブ、ノットプッシャ、針及び針ホルダー、剛性スコープ、リトラクタ、及び並びにはさみが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具は、Da Vinciロボット(Intuitive Surgical)である。
【0039】
本発明のマイクロ波アブレーションプローブは、多様なシステム/キットの実施形態内で組み合わされてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上のマイクロ波アブレーションプローブと、1つ以上の腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)と、を備える、システム及び/又はキットが提供される。いくつかの実施形態では、本発明は、1つ以上のマイクロ波アブレーションプローブと、任意の1つ以上の付属部品(例えば、外科用器具、温度監視装置、撮像システムなど)と共に、腹腔鏡器具(例えば、手動又はロボット制御)、プロセッサを有するコンピュータ、発生器、配電システム、及びエネルギーアプリケータのうちの1つ以上と、を備える、システム及び/又はキットを提供する。例示的なシステムの構成要素は、米国特許第7101369号、同第9072532号、同第9119649号及び同第9192438号及び米国特許出願公開第20130116679号に記載されている。
【0040】
本発明のシステムは、組織領域へのマイクロ波エネルギーの送達を伴う任意の医療処置において使用することができる。
【0041】
システムは、特定のタイプ又は種類の組織領域(例えば、脳、肝臓、心臓、血管、足、肺、骨等)の治療に限定されない。いくつかの実施形態では、システムは、腫瘍領域のアブレーションに使用される。追加の治療としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意のその他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば、原発性若しくは転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、出血の制御(例えば、電気焼灼)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、組織の切断又は除去を含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、システムのコンポーネントのうちの1つ以上を監視及び/又は制御し、かつ/あるいはそれに関するフィードバックを提供するプロセッサを利用する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、コンピュータモジュール内に設けられる。例えば、いくつかの実施形態では、システムは、標的組織のサイズ及び形状、組織領域の温度等挙げられるがこれらに限定されない組織領域の1つ以上の特徴を監視することを通して(例えば、フィードバックシステムを通して)、組織領域に提供されるマイクロ波エネルギーの量を調節するためのソフトウェアを提供する(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許出願第11/728460号、同第11/728457号、及び同第11/728428号を参照されたい)。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、リアルタイムで情報(例えば、監視情報)を提供するように構成されている。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、エネルギー送達システムと相互作用するように構成されており、それにより組織領域に送達されるエネルギーの量を上昇又は低下させる(例えば、調整する)ことが可能である。いくつかの実施形態では、ソフトウェアは、冷却剤を調節するように設計されている。いくつかの実施形態では、治療される組織のタイプ(例えば、肝臓)は、その特定のタイプの組織領域のために事前に較正された方法に基づいて、プロセッサに組織領域へのエネルギーの送達を調節(例えば、調整)させる目的で、ソフトウェアに入力される。他の実施形態では、プロセッサは、特定のタイプの組織領域に基づいて、システムのユーザに有用な特徴を表示するチャート又は図を生成する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、例えば、高温によって引き起こされる急速なガス放出に起因する組織の亀裂を回避するために電力をゆっくり上昇させる目的で、エネルギー送達アルゴリズムを提供する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、ユーザが電力、治療期間、異なる組織タイプに対する異なる治療アルゴリズム、複数のアンテナモードにおけるアンテナへの電力の同時印加、アンテナ間で切り替えられた電力送達、可干渉性及び非干渉性位相整合等を選択することを可能にする。いくつかの実施形態では、プロセッサは、類似の又は異なる患者特性での以前の治療に基づいて、特定の組織領域に対する切除治療に関する情報のデータベース(例えば、特定の患者特徴に基づいて、必要とされるエネルギーレベル、組織領域の治療期間)の形成のために構成されている。いくつかの実施形態では、プロセッサは、遠隔制御によって操作される。
【0043】
いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースソフトウエアは、エネルギー送達システムのコンポーネントを監視及び/又は操作するために提供される。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースソフトウエアは、タッチスクリーンインターフェースによって操作される。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースソフトウエアは、無菌環境(例えば、処置室)内又は非無菌環境内で実行及び操作されてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースソフトウエアは、処置デバイスハブ内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェースソフトウエアは、処置カート内で(例えば、プロセッサを介して)実行及び操作される。ユーザーインターフェースソフトウエアは、特定の機能に限定されない。ユーザーインターフェースソフトウエアと関連付けられた機能の例としては、エネルギー送達システム内のコンポーネントごとの使用数を監視すること(例えば、エネルギー送達デバイスの使用回数を監視すること)、各コンポーネント又は各コンポーネント部品のリアルタイム温度を提供及び監視すること(例えば、エネルギー送達デバイスに沿った異なる位置(例えば、ハンドルにて、スティックにて、先端部にて)でのリアルタイム温度を提供すること)(例えば、エネルギー送達システムと関連付けられたケーブルのリアルタイム温度を提供すること)、治療される組織のリアルタイム温度を提供及び監視すること、エネルギー送達システムの一部又は全部を自動停止すること(例えば、緊急停止)、例えば処置の前、処置中、及び処置の後に蓄積されたデータに基づいてレポートを生成すること、ユーザに可聴及び/又は視覚的アラートを提供すること(例えば、処置が開始及び/又は終了したことを示すアラート、温度が異常レベルに達したことを示すアラート、処置の長さがデフォルトを超えていることを示すアラート等)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、撮像デバイスを備える撮像システムを利用する。エネルギー送達システムは、特定のタイプの撮像デバイスに限定されない(例えば、内視鏡デバイス、定位的コンピュータ支援神経外科的ナビゲーションデバイス、熱センサ位置決定システム、運動速度センサ、操縦ワイヤシステム、術中超音波、介在性超音波、マイクロ波撮像、音響トモグラフィー、二重エネルギー撮像、蛍光法、コンピュータトモグラフィー磁気共鳴撮像、核医学撮像デバイス三角測量撮像、熱音響撮像、赤外線及び/又はレーザー撮像、電磁気撮像)(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第6817976号、同第6577903号、及び同第5697949号、同第5603697号、並びに国際公開第06/005579号を参照されたい。)。いくつかの実施形態では、システムは、本発明のエネルギーシステムと共に用いられるアイテムのうちのいずれかの配置、位置決定、及び/又は監視を可能にする又は支援する、内視鏡カメラ、撮像コンポーネント、及び/又はナビゲーションシステムを利用する。
【0045】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、組織領域に送達されるエネルギーの量を調節するための調整素子を利用する。いくつかの実施形態では、調整素子は、システムのユーザによって手動で調節される。いくつかの実施形態では、調整システムは、ユーザがデバイスのエネルギー送達を所望するとおりに調節できるように、エネルギー送達デバイスに組み込まれる(例えば、それぞれが、本明細書において参照によりその全体が援用されている、米国特許第5957969号、同第5405346号を参照されたい。)。
【0046】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、エネルギー送達デバイス(例えば、組織切除カテーテル)内及びそれに沿った望ましくない加熱を低減するように、冷却剤システムを利用する。システムは、特定の冷却システム機序に限定されない。
【0047】
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、温度監視システムを利用する。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、(例えば、温度センサにより)エネルギー送達デバイスの温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムを使用して、組織領域(例えば、治療される組織、周囲組織)の温度を監視する。いくつかの実施形態では、温度監視システムは、温度情報をユーザ又はプロセッサに提供して、プロセッサがシステムを適切に調節することを可能にする目的で、プロセッサと通信するように設計される。
【0048】
システムは、本発明の特徴を直接的又は間接的のいずれかで利用するか又は支援する、1つ以上の追加のコンポーネントを更に用いることができる。例えば、いくつかの実施形態では、1つ以上の監視デバイスを用いて、システムの任意の1つ以上のコンポーネントの機能を監視及び/又は報告する。追加として、本発明のデバイスと併せて直接的又は間接的に用いられ得る任意の医療デバイス又はシステムが、本システムと共に含まれてもよい。そのようなコンポーネントとしては、滅菌システム、デバイス、及びコンポーネント、その他の外科的、診断的、若しくは監視デバイス又はシステム、コンピュータ機器、手引書、説明書、ラベル、並びにガイドライン、ロボット機器等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0049】
このシステムは、特定の用途に限定されない。実際に、本発明のエネルギー送達システムは、エネルギーの放出が適用できる任意の環境において使用するために設計される。そのような使用には、あらゆる医学的、獣医学的、及び研究用途が挙げられる。加えて、本発明のシステム及びデバイスは、農業環境、製造環境、機械環境、又はエネルギーが送達される任意のその他の用途において使用され得る。いくつかの実施形態では、このシステムは、観血手術、経皮、血管内、心臓内、内視鏡、腔内、腹腔鏡、又は外科的エネルギー送達のために構成されている。いくつかの実施形態では、エネルギー送達デバイスは、カテーテルを介して、外科的に作られた開口部を介して、かつ/又は身体開口部(例えば、口、耳、鼻、眼、膣、陰茎、肛門)を介して、患者の体内に配置することができる(例えば、N.O.T.E.S.処置)。いくつかの実施形態では、このシステムは、標的組織又は領域へエネルギーを送達するために構成されている。いくつかの特定の実施形態では、本明細書に記載されるプローブは、腹腔鏡処置での使用を見出す。
【0050】
本発明は、標的組織又は領域の性質によって限定されない。用途としては、心不整脈の治療、腫瘍切除(良性及び悪性)、手術中、外傷後、出血の任意のその他の制御のための出血の制御、軟組織の除去、組織摘出及び採取、静脈瘤の治療、腔内組織切除(例えば、バレット食道及び食道腺癌などの食道病理を治療する)、骨性腫瘍、正常な骨、及び良性骨性病態の治療、眼内用途、整形手術における用途、脳腫瘍及び電気的じょう乱を含む中枢神経系の病理の治療、避妊手術(例えば、卵管の切除)、並びに任意の目的のための血管又は組織の焼灼が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、外科的用途は、切除療法(例えば、凝固壊死を達成する)を含む。いくつかの実施形態では、外科的用途は、例えば転移性腫瘍を標的とする腫瘍切除を含む。いくつかの実施形態では、デバイスは、脳、首、胸、腹、及び骨盤が挙げられるがこれらに限定されない任意の所望の位置における、組織又は有機体に対する最小の損傷での移動及び位置決定のために構成されている。いくつかの実施形態では、システムは、例えば、コンピュータトモグラフィー、超音波、磁気共鳴撮像、蛍光透視等による誘導送達のために構成されている。
【0051】
特定の実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている組織領域及びシステム(例えば、マイクロ波アブレーションプローブ、並びに任意選択的に、電源、温度モニタ、撮像装置、調整システム、及び/又は温度低減システム)を提供することと、システムにおいて使用されるアブレーションを行うことと、を含む、組織領域を治療する方法を提供する。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、エネルギー送達により、例えば、組織領域及び/若しくは血管の血栓症のアブレーション、並びに/又は組織領域の電気穿孔法が行われる。いくつかの実施形態では、組織領域は、腫瘍である。いくつかの実施形態では、組織領域は、心臓、肝臓、生殖器、胃、肺、大腸、小腸、脳、首、骨、腎臓、筋肉、腱、血管、前立腺、膀胱、及び脊髄のうちの1つ以上を含む。
【0052】
上記明細書に記した全ての刊行物及び特許は、それらの全体が完全に本明細書において参照により組み込まれる。記載された本技術の範囲及び主旨から逸脱することなく、本技術の記載されたコンポジション、方法及び使用の様々な修正及び変更が、当業者には明らかとなるであろう。本技術は、特定の例示的な実施形態に関連して説明されてきたが、特許請求される発明はそのような特定の実施形態に過度に制限されるべきではないことを理解されたい。実際には、当業者に明らかである、本発明を実行するための記載された方法の様々な修正は、以下の「特許請求の範囲」の範囲内であることが意図される。
【0053】
〔実施の態様〕
(1) マイクロ波アブレーションプローブであって、
マイクロ波放出部分と、剛性部分と、可撓性部分と、を備え、
前記マイクロ波放出部分は、前記剛性部分の遠位に位置付けられ、
前記剛性部分は、前記可撓性部分の遠位に位置付けられ、
前記剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された1つ以上の突出部を含み、
前記マイクロ波放出部分は、マイクロ波エネルギーを放出するように構成されている、マイクロ波アブレーションプローブ。
(2) 前記マイクロ波放出部分は、マイクロ波アンテナである、実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(3) 前記マイクロ波アンテナは、同軸伝送線を含む、実施態様2に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(4) 前記マイクロ波アンテナは、三軸伝送線を含む、実施態様2に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(5) 前記剛性部分は、長さがおよそ2~10cmである、実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
【0054】
(6) 前記剛性部分は、腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された5つ以上の突出部を有する、実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(7) 腹腔鏡器具の把持部分と係合するように構成された前記1つ以上の突出部は、金属製突出部である、実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(8) 腹腔鏡器具の前記把持部分は、スロット付き顎部である、実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブ。
(9) 実施態様1に記載のマイクロ波アブレーションプローブと、腹腔鏡器具と、を備える、システム。
(10) 前記腹腔鏡器具は、手動で操作される、実施態様9に記載のシステム。
【0055】
(11) 前記腹腔鏡器具は、ロボット制御で操作される、実施態様9に記載のシステム。
(12) 前記マイクロ波アブレーションプローブに電気接続された電源を更に備える、実施態様10に記載のシステム。
(13) 組織領域をアブレーションする方法であって、
a)把持部分を有する腹腔鏡器具と、実施態様1に記載のようなマイクロ波アブレーションプローブと、を提供することと、
b)前記マイクロ波アブレーションプローブの前記1つ以上の突出部を、前記腹腔鏡器具の前記把持部分で把持することと、
c)前記マイクロ波アブレーションプローブの前記マイクロ波放出部分を所望の組織位置に位置付けることと、
d)所望の組織領域がアブレーションされる条件下で、前記マイクロ波アブレーションプローブにより、前記所望の組織位置へマイクロ波エネルギーを送達することと、を含む、方法。
(14) 前記組織領域は、被験体内にある、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記被験体は、ヒト被験体である、実施態様14に記載の方法。
図1
図2
図3
図4