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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】アンテナおよび通信装置
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/04 20060101AFI20230718BHJP
   H01Q 5/364 20150101ALI20230718BHJP
【FI】
H01Q9/04
H01Q5/364
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020546016
(86)(22)【出願日】2019-09-10
(86)【国際出願番号】 JP2019035430
(87)【国際公開番号】W WO2020054681
(87)【国際公開日】2020-03-19
【審査請求日】2022-08-25
(31)【優先権主張番号】P 2018170131
(32)【優先日】2018-09-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】相馬 達也
(72)【発明者】
【氏名】小坂 圭史
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-063449(JP,A)
【文献】特開2018-074506(JP,A)
【文献】国際公開第2013/027824(WO,A1)
【文献】特開2015-179938(JP,A)
【文献】特開2019-213011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/04
H01Q 5/364
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプリッ卜リング導体部と、
リング内導体部と、
を備え、
前記スプリッ卜リング導体部は、
ある領域の外であって、
前記領域の輪郭に沿った部分の、スプリッ卜以外の部分に、
存在し、
前記リング内導体部は、
前記領域の内に、
存在し、
前記スプリッ卜リング導体部における前記スプリッ卜を挟む部分の一方と連続しており、
少なくとも一部が前記スプリッ卜リング導体部に沿うように曲げられており
前記リング内導体部に対して、
給電線の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされる、
アンテナ。
【請求項2】
前記スプリッ卜リング導体部と、
前記リング内導体部における前記スプリッ卜リング導体部に沿う部分と、
の間の幅が、
前記スプリッ卜リング導体部と、
前記リング内導体部における前記スプリッ卜リング導体部に沿う部分以外の部分と、の間の幅よりも、
狭い、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
前記スプリッ卜リング導体部と、
前記リング内導体部における前記スプリッ卜リング導体部に沿う部分と、
が、
共振に寄与するキャパシタンスを有する程度に近接している、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項4】
前記スプリッ卜リング導体部に対して、
給電線の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされる、
請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ。
【請求項5】
スプリッ卜リング導体部と、
リング内導体部と、
を備え、
前記スプリッ卜リング導体部は、
ある領域の外であって、
前記領域の輪郭に沿った部分の、スプリッ卜以外の部分に、
存在し、
前記リング内導体部は、
前記領域の内に、
存在し、
前記スプリッ卜リング導体部における前記スプリッ卜を挟む部分の一方と連続しており、
少なくとも一部が前記スプリッ卜リング導体部に沿うように曲げられており、
前記領域が、
略四角形であり、
前記スプリッ卜は、
前記領域の角付近に存在し、
前記リング内導体部は、
前記スプリッ卜リング導体部と連続する箇所から見て1つ目の曲がり目と、終端と、の間の部分が、前記スプリッ卜リング導体部に沿うように、1回曲げられている、
ンテナ。
【請求項6】
前記スプリッ卜リング導体部と、
前記リング内導体部における、前記スプリッ卜リング導体部と連続する箇所から見て2つ目の曲がり目と、終端と、の間の部分と、
の間の幅が、
前記スプリッ卜リング導体部と、
前記リング内導体部における2箇所の曲がり目の間の部分と、
の間の幅よりも、
狭い、
請求項に記載のアンテナ。
【請求項7】
スプリッ卜リング導体部と、
リング内導体部と、
を備え、
前記スプリッ卜リング導体部は、
ある領域の外であって、
前記領域の輪郭に沿った部分の、スプリッ卜以外の部分に、
存在し、
前記リング内導体部は、
前記領域の内に、
存在し、
前記スプリッ卜リング導体部における前記スプリッ卜を挟む部分の一方と連続しており、
少なくとも一部が前記スプリッ卜リング導体部に沿うように曲げられており、
第2リング内導体部
を備え、
前記リング内導体部は、
ある第2の領域の外であって、
前記第2の領域の輪郭に沿った部分の、第2スプリッ卜以外の部分に、
存在し、
前記第2リング内導体部は、
前記第2の領域の内に、
存在し、
前記リング内導体部における前記第2スプリッ卜を挟む部分の一方と連続しており、少なくとも一部が前記リング内導体部に沿うように曲げられている、
ンテナ。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載のアンテナ
を備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナおよび通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置に用いられる小型アンテナとして、スプリットリング共振器を用いたアンテナが知られている。例えば、特許文献1に、スプリットリング共振器を備えた無線通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/027824号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1におけるアンテナは、スプリットリング共振器の共振周波数が1つである。このため、特許文献1におけるアンテナには、「どのように、スプリットリング共振器のメリット(小型でかつ製造コストが低い)を維持しつつ、共振周波数をマルチバンド化または広帯域化するか」という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、スプリットリング導体部と、リング内導体部と、を備えてもよく、前記スプリットリング導体部は、ある領域の外であって、前記領域の輪郭に沿った部分の、スプリット以外の部分に、存在してもよく、前記リング内導体部は、前記領域の内に、存在してもよく、前記スプリットリング導体部における前記スプリットを挟む部分の一方と連続していてもよく、少なくとも一部が前記スプリットリング導体部に沿うように曲げられていてもよい。
【0006】
本開示のある態様に係る通信装置は、例えば、本開示のある態様に係るアンテナを備えてもよい。
【発明の効果】
【0007】
本開示における様々な態様によれば、例えば、スプリットリング共振器のメリット(小型でかつ製造コストが低い)を維持しつつ、共振周波数をマルチバンド化または広帯域化した、アンテナおよび当該アンテナを備える通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示のある態様に係るアンテナの例
図2】本開示のある態様に係るアンテナの例
図3】本開示のある態様に係るアンテナの例
図4】本開示のある態様に係るアンテナの例
図5】本開示のある態様に係るアンテナの例
図6】本開示のある態様に係るアンテナの例
図7】本開示のある態様に係るアンテナの例
図8】本開示のある態様に係るアンテナの例
図9】本開示のある態様に係るアンテナの例
図10】本開示のある態様に係るアンテナの例
図11】本開示のある態様に係るアンテナの例
図12】本開示のある態様に係るアンテナの例
図13】本開示のある態様に係るアンテナの特性の例
図14】本開示のある態様に係るアンテナの例
図15】本開示のある態様に係るアンテナの例
図16】本開示のある態様に係るアンテナの例
図17】本開示のある態様に係るアンテナの例
図18】本開示のある態様に係るアンテナの例
図19】本開示のある態様に係るアンテナの例
図20】本開示のある態様に係るアンテナの例
図21】本開示のある態様に係るアンテナの例
図22】本開示のある態様に係るアンテナの例
図23】本開示のある態様に係るアンテナの例
図24】本開示のある態様に係るアンテナの例
図25】本開示のある態様に係るアンテナの例
図26】本開示のある態様に係るアンテナの例
図27】本開示のある態様に係るアンテナの例
図28】本開示のある態様に係るアンテナの例
図29】本開示のある態様に係るアンテナの例
図30】本開示のある態様に係るアンテナの例
図31】本開示のある態様に係るアンテナの例
図32】本開示のある態様に係るアンテナの例
図33】本開示のある態様に係るアンテナの例
図34】本開示のある態様に係るアンテナの例
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示におけるすべての態様は、例示に過ぎず、その他の例の本開示からの排除を意図するものでも、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲の限定を意図するものでもない。
【0010】
本開示における各態様同士の組み合わせに係る記載を、一部省略する場合があるかもしれない。その省略は、説明の簡略化を意図するものであり、本開示からの排除を意図するものでも、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲の限定を意図するものでもない。その省略の有無に関わらず、本開示における各態様同士のすべての組み合わせは、本開示に、明示的、暗示的、または内在的に、含まれる。すなわち、その省略の有無に関わらず、本開示における各態様同士のすべての組み合わせは、本開示から、直接的かつ明確に、導くことができる。
【0011】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナは、図1~12のように、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102と、を備えてもよく、スプリットリング導体部101は、領域103の外であって、領域103の輪郭に沿った部分の、スプリット104以外の部分に、存在してもよく、リング内導体部102は、領域103の内に、存在してもよく、スプリットリング導体部101におけるスプリット104を挟む部分の一方と連続していてもよく、少なくとも一部がスプリットリング導体部101に沿うように曲げられていてもよい。
【0012】
例えば、領域103は、スプリットリング導体部101とスプリット104により囲まれていてもよい。
例えば、領域103は、どのような形状でもよく、正方形や長方形等の多角形の形状でも、円や楕円等の形状でもよい。
【0013】
例えば、スプリットリング導体部101は、板金で形成されていてもよい。
例えば、スプリットリング導体部101は、どのような形状でもよく、方形リングに沿った略C字形状に基づく形状でも、円形リング、楕円形リング、トラックリング等、その他様々なリングに沿った形状に基づく形状でもよい。
例えば、スプリットリング導体部101におけるスプリット104を挟む部分に、補助導体1011が備えられていてもよい。補助導体1011は、スプリットリング導体部101と、同一の層に設けられていてもよいし、異なる層に設けられていてもよい。
【0014】
例えば、スプリット104には、なにも満たされていなくてもよいし、樹脂等が満たされていてもよい。
例えば、スプリット104は、どのような形状でもよく、直線、曲線、折れ線等、の形状でもよい。
例えば、スプリット104は、ミアンダ形状でもよい。ミアンダ形状という文言には、つづら折り形状、櫛歯形状、インターデジタル構造に基づく形状等、の文言で称される概念が、含まれるものとする。例えば、ミアンダ形状は、直線、曲線、折れ線等、の組み合わせによって形成される。
【0015】
例えば、リング内導体部102は、板金で形成されていてもよい。
例えば、リング内導体部102は、スプリットリング導体部101と同一の層に設けられていてもよい。ただし、スプリットリング導体部101におけるリング内導体部102に沿う部分以外の部分は、リング内導体部102が存在する層とは別の層に設けられていてもよい。
例えば、リング内導体部102と、スプリットリング導体部101と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0016】
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、2つの共振回路を備えている、と捉えることができる。
1つ目の共振回路は、例えば、RF(Radio Frequency)信号が給電されることにより、スプリット104に生じるキャパシタンスと、スプリットリング導体部101に生じるインダクタンスと、からなる、と捉えることができる。この1つ目の共振回路によって、第1の共振周波数が生じる、と捉えることができる。
2つ目の共振回路は、例えば、RF信号が給電されることにより、スプリット104に生じるキャパシタンスと、リング内導体部102に生じるインダクタンスと、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間に生じるキャパシタンスと、スプリットリング導体部101におけるリング内導体部102に沿う部分以外の部分に生じるインダクタンスと、からなる、と捉えることができる。この2つ目の共振回路によって、第2の共振周波数が生じる、と捉えることができる。
以上からわかるように、1つ目の共振回路の共振周波数と、2つ目の共振回路の共振周波数と、は互いに異なる、と捉えることができる。
1つ目の共振回路の共振周波数と、2つ目の共振回路の共振周波数と、を遠ざければ、マルチバンドのアンテナとなる。1つ目の共振回路の共振周波数と、2つ目の共振回路の共振周波数と、を近づければ、広帯域のアンテナとなる。例えば、2つ目の共振回路の共振周波数が、1つ目の共振回路の共振周波数よりも、高い場合、2つ目の共振回路の共振周波数を低く調節することで、1つ目の共振回路の共振周波数と、2つ目の共振回路の共振周波数と、を近づければよい。2つ目の共振回路の共振周波数を低く調節するには、例えば、リング内導体部102の長さを長くしたり、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間の幅を狭くしたり、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間にチップキャパシタを設けたり、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間の領域をミアンダ形状にしたり、すればよい。
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器のメリット(小型でかつ製造コストが低い)を維持しつつ、共振周波数をマルチバンド化または広帯域化した、アンテナを提供できる。
本開示のある態様によれば、例えば、図13のように、共振周波数が単一である場合よりも、リターンロスが閾値a以下となる帯域幅が広くなる場合がある。閾値aは、例えば-10dBであるが、それには限られず、リターンロスが閾値a以下である場合にアンテナとして十分動作すれば足りる。
【0017】
なお、本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、後から基板2等に実装するための部品として形成されていてもよい。
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、基板2上に直接形成されていてもよい。
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、基板2から突出していてもよい。
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、基板2に対して略垂直に配置されてもよい。
【0018】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナは、図1~12のように、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間の幅が、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分以外の部分と、の間の幅よりも、狭くてもよい。
例えば、本開示のある態様に係るアンテナは、図1~12のように、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、が、共振に寄与するキャパシタンスを有する程度に近接していてもよい。
【0019】
以上より、本開示のある態様では、例えば、RF信号が給電されることにより、スプリットリング導体部101と、リング内導体部102におけるスプリットリング導体部101に沿う部分と、の間に生じるキャパシタンスにより、第2の共振回路が形成される、と捉えることができる。
【0020】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1Aや、その変形例)では、図14~27のように、リング内導体部102に対して、給電線105の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされてもよい。
【0021】
例えば、給電線105は、リング内導体部102におけるどの部分に接続されていてもよく、接続箇所を調節することで、RF回路と本開示のある態様に係るアンテナとのインピーダンスを整合することができる。
例えば、給電線105は、リング内導体部102が存在する層とは別の層に設けられ、ビア3を介してリング内導体部102に接続されてもよい。
例えば、給電線105は、リング内導体部102が存在する層とは同一の層に設けられ、領域103内で延伸されてもよく、さらに、スプリットリング導体部101や基板に設けられたクリアランスに沿って延伸されてもよい。
例えば、給電線105は、伝送線路等の電線で形成されていてもよく、板金で形成されていてもよい。
例えば、リング内導体部102と、給電線105の板金部分と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0022】
リング内導体部102に対するワイヤレス給電は、例えば、給電線105が接続されたEM(Electro-Magnetic)結合部106により、実現されてもよい。
例えば、EM結合部106は、リング内導体部102におけるどの部分とEM結合してもよく、EM結合の箇所を調節することで、RF回路と本開示のある態様に係るアンテナとのインピーダンスを整合することができる。
例えば、EM結合部106は、リング内導体部102が存在する層とは別の層に設けられてもよい。
例えば、EM結合部106は、リング内導体部102が存在する層とは同一の層に設けられてもよく、EM結合部106に接続された給電線105は、領域103内で延伸されてもよく、さらに、スプリットリング導体部101や基板に設けられたクリアランスに沿って延伸されてもよい。
例えば、EM結合部106は、板金で形成されていてもよい。
例えば、リング内導体部102と、EM結合部106は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
例えば、EM結合部106と、給電線105の板金部分と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0023】
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、第2の共振回路には、直接給電がなされ、第1の共振回路には、リング内導体部102を介して給電がなされる。したがって、本開示のある態様によれば、例えば、リング内導体部102に対してではなくスプリットリング導体部101に対して、給電線の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされる場合よりも、よいアンテナ特性が得られる。
【0024】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1Bや、その変形例)では、図28図29のように、さらに、スプリットリング導体部101に対して、給電線107の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされてもよい。
【0025】
例えば、給電線107は、スプリットリング導体部101におけるどの部分に接続されていてもよく、接続箇所を調節することで、RF回路と本開示のある態様に係るアンテナとのインピーダンスを整合することができる。
例えば、給電線107は、スプリットリング導体部101が存在する層とは別の層に設けられ、ビア3を介してスプリットリング導体部101に接続されてもよい。例えば、給電線107は、スプリットリング導体部101が存在する層とは同一の層に設けられ、領域103内で延伸されてもよく、さらに、スプリットリング導体部101や基板に設けられたクリアランスに沿って延伸されてもよい。
例えば、給電線107は、伝送線路等の電線で形成されていてもよく、板金で形成されていてもよい。例えば、スプリットリング導体部101と、給電線107の板金部分と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0026】
スプリットリング導体部101に対するワイヤレス給電は、例えば、給電線107が接続されたEM(Electro-Magnetic)結合部108により、実現されてもよい。
例えば、EM結合部108は、スプリットリング導体部101におけるどの部分とEM結合してもよく、EM結合の箇所を調節することで、RF回路と本開示のある態様に係るアンテナとのインピーダンスを整合することができる。
例えば、EM結合部108は、スプリットリング導体部101が存在する層とは別の層に設けられてもよい。
例えば、EM結合部108は、スプリットリング導体部101が存在する層とは同一の層に設けられてもよく、EM結合部108に接続された給電線107は、領域103内で延伸されてもよく、さらに、スプリットリング導体部101や基板に設けられたクリアランスに沿って延伸されてもよい。
例えば、EM結合部108は、板金で形成されていてもよい。
例えば、スプリットリング導体部101と、EM結合部108は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
例えば、EM結合部108と、給電線107の板金部分と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0027】
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、第1の共振回路にも、直接給電がなされる。したがって、本開示のある態様によれば、例えば、より細かいチューニングが可能となる。
【0028】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1A、1B、1Cや、その変形例)では、図30図31のように、領域103が、略四角形であってもよく、スプリット104が、領域103の角(頂点)付近に存在してもよく、リング内導体部102が、スプリットリング導体部101と連続する箇所から見て1つ目の曲がり目と、終端と、の間の部分が、スプリットリング導体部101に沿うように、1回曲げられていてもよい。
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1A、1B、1Cや、その変形例)では、さらに、図30図31のように、リング内導体部102における、スプリットリング導体部101と連続する箇所から見て2つ目の曲がり目と、終端と、の間の部分と、スプリットリング導体部101と、の間の幅が、リング内導体部102における2箇所の曲がり目の間の部分と、スプリットリング導体部101と、の間の幅よりも、狭くてもよい。
【0029】
以上の本開示のある態様では、例えば、特に、広帯域で良好なアンテナ特性が得られる。
【0030】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1A、1B、1C、1Dや、その変形例)では、図32~34のように、さらに、リング内導体部109を備えてもよく、リング内導体部102は、領域110の外であって、領域110の輪郭に沿った部分の、スプリッ卜111以外の部分に、存在してもよく、リング内導体部109は、領域110の内に、存在してもよく、リング内導体部102におけるスプリッ卜111を挟む部分の一方と連続していてもよく、少なくとも一部がリング内導体部102に沿うように曲げられていてもよい。
【0031】
例えば、領域110は、リング内導体部102とスプリット111により囲まれていてもよい。
例えば、領域110は、どのような形状でもよく、正方形や長方形等の多角形の形状でも、円や楕円等の形状でもよい。
【0032】
例えば、スプリット111には、なにも満たされていなくてもよいし、樹脂等が満たされていてもよい。
例えば、スプリット111は、どのような形状でもよく、直線、曲線、折れ線等、の形状でもよい。
例えば、スプリット111は、ミアンダ形状でもよい。
【0033】
例えば、リング内導体部109は、板金で形成されていてもよい。
例えば、リング内導体部109は、リング内導体部102と同一の層に設けられていてもよい。ただし、リング内導体部102におけるリング内導体部109に沿う部分以外の部分は、リング内導体部109が存在する層とは別の層に設けられていてもよい。
例えば、リング内導体部109と、リング内導体部102と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
例えば、リング内導体部109に対して、給電線の接続による給電、または、ワイヤレス給電、がされてもよい。
【0034】
以上の本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、3つ目の共振回路をさらに備えている、と捉えることができる。
3つ目の共振回路は、例えば、RF信号が給電されることにより、スプリット111に生じるキャパシタンスと、リング内導体部109に生じるインダクタンスと、リング内導体部102と、リング内導体部109におけるリング内導体部102に沿う部分と、の間に生じるキャパシタンスと、リング内導体部102におけるリング内導体部109に沿う部分以外の部分に生じるインダクタンスと、からなる、と捉えることができる。
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器のメリット(小型でかつ製造コストが低い)を維持しつつ、さらに共振周波数をマルチバンド化または広帯域化した、アンテナを提供できる。
【0035】
なお、本開示のある態様によれば、例えば、領域103内、領域110内、領域112内、…と、リング内導体部を再帰的に構成することで、スプリットリング共振器のメリット(小型でかつ製造コストが低い)を維持しつつ、さらに共振周波数をマルチバンド化または広帯域化した、アンテナを提供できる。
【0036】
例えば、本開示のある態様に係る通信装置は、本開示のある態様に係るアンテナ(例えば、アンテナ1A、1B、1C、1D、1Eや、その変形例)を備えてもよい。
【0037】
以上の本開示のある態様では、例えば、小型かつ高性能な通信装置を提供できる。
【0038】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本発明を説明した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本発明は、本発明のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0039】
この出願は、2018年9月12日に出願された日本出願特願2018-170131号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0040】
1A、1B、1C、1D、1E:アンテナ
101:スプリットリング導体部
1011:補助導体
102:リング内導体部
103:領域
104:スプリット
105:給電線
106:EM結合部
107:給電線
108:EM結合部
109:リング内導体部
110:領域
111:スプリット
112:領域
2:基板
3:ビア
4:ランドパターン
5:接地部
a:閾値
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