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特許7314174固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法及びシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/209 20170101AFI20230718BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20230718BHJP
   B33Y 30/00 20150101ALI20230718BHJP
   B29C 64/124 20170101ALI20230718BHJP
【FI】
B29C64/209
B33Y10/00
B33Y30/00
B29C64/124
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020560815
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-30
(86)【国際出願番号】 NL2019050258
(87)【国際公開番号】W WO2019212346
(87)【国際公開日】2019-11-07
【審査請求日】2022-04-22
(31)【優先権主張番号】18170372.9
(32)【優先日】2018-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502015784
【氏名又は名称】ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパスト-ナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー
(74)【代理人】
【識別番号】100085545
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 光夫
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(72)【発明者】
【氏名】オリエスラヘルス,ルート
(72)【発明者】
【氏名】スメルティンク,ジェローン アントニウス
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘルプ,ジェローン アルヤン
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表平10-513130(JP,A)
【文献】特開2016-064539(JP,A)
【文献】特開2017-088967(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第114474712(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法であって、該物体が、支持体上に及び/又は該物体の既に形成された部分上に該媒体の再被覆層を繰返し提供し、続いて、後続の再被覆層を同様に形成する前に、特定のパターンに従って該媒体の該層の1以上の所定の区域を固化させることによって、層状に造形され、
ここで、該媒体の該後続の再被覆層は、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えているノズルヘッドを備えているリコータを使用して施与され、各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、該後続の再被覆層の施与中に、該媒体の連続流が、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上のカバー区域に当たるように放出され、該複数のノズルは、交差しない連続流を提供するように配置され、該ノズルヘッド及び該支持体は、少なくとも1つの走行方向において互いに対して相対的に可動であり、
該ノズルヘッドの1以上の走行において、該少なくとも1つの走行方向において、該連続流の該カバー区域が、2つの外側カバー区域の間に画定されたカバー幅全体をカバーし、
該複数のノズルから放出された、該少なくとも1つの走行方向における該連続流の該カバー区域の経路が、少なくとも部分的に重複する、
前記方法。
【請求項2】
該ノズルヘッドは、互いにオフセットされている複数のノズルアレイを備えており、該複数のノズルアレイは、少なくとも第1のノズルアレイ及び第2のノズルアレイとして配置され、該少なくとも1つの走行方向における該ノズルヘッドの1以上の走行において、該第1のアレイの該ノズルの該連続流のカバー区域の経路は、該第2のアレイの該ノズルの該連続流のカバー区域の経路と少なくとも部分的に重複する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイの該ノズルの該開口区域は、該第2のアレイの該ノズルの該開口区域と少なくとも部分的に重複する、請求項に記載の方法。
【請求項4】
該カバー区域の中心点から同じカバー区域アレイ内の隣接するカバー区域の中心点まで測定されるカバー区域ピッチで、該同じカバー区域アレイ内の該隣接するカバー区域が離される、請求項又はに記載の方法。
【請求項5】
該カバー区域ピッチは、カバー区域径に該複数のノズルアレイのアレイの総数を掛けた値の0.5~1倍である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
複数の後続アレイの複数のカバー区域は、該少なくとも1つの走行方向でカバー区域アレイピッチだけオフセットされており、該カバー区域アレイピッチは、該第1のアレイのカバー区域の中心点を通る第1の線から、該第2のアレイのカバー区域の中心点を通る第2の線まで測定され、該カバー区域アレイピッチは、カバー区域径の2倍より大きい、請求項のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
該少なくとも1つの走行方向で複数の走行を実行することによって、単一の後続層が設けられ、第1の走行において、該少なくとも1つの走行方向に該複数のノズルから放出された該連続流の該カバー区域の経路が、該経路間のカバーされていない領域によって互いに離され、次に、該カバーされていない領域は、1以上の追加の走行を実行することによってカバーされ、該1以上の追加の走行を実行する前に、該カバー区域は、該走行方向に対して横断方向に移動されて、該追加の走行中の該カバー区域の該経路が、該カバーされていない領域の少なくとも一部分をカバーする、請求項1~のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
該連続流の該カバー区域が、単一の走行でカバー幅全体をカバーする、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ノズルが、該媒体の連続流を選択的に分注するように配置され、該ノズルは、該媒体を放出する為に調整可能な流量を有する、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
該複数のノズルのうちの少なくとも2つのサブセットが、異なる材料を提供するように構成され、第1のサブセットは、第1の材料を収容する第1のリザーバと流体連通しており、第2のサブセットは、第2の材料を収容する第2のリザーバと流体連通している、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
該媒体の該後続層を施与する前に、該支持体上の及び/又は該物体の該既に形成された部分上の該媒体の該層の上面の高さ分布が、測定デバイスを用いて判定され、該後続層を施与することは、該判定された高さ分布に基づいて、該測定された高さ分布の非平坦性及び/又は不均一性を補償するように実施される、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
各ノズルに、該ノズルの開口区域の周りに延在する縁壁が設けられている、請求項1~11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
媒体の該連続流の放出の最初の開始中に、流れパルスが提供される、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
放出の終わりに、該ノズルを通して気体が導かれる、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
固化可能な媒体から物体を層状に形成する為のシステムであって、
該媒体を支えるように構成された支持体、
該媒体の1層を放出するように構成されたリコータ、
該媒体を選択的に固化するように構成された固化手段、並びに
該リコータを用いて、該支持体上に及び/又は該物体の既に形成された部分上に該媒体の再被覆層を繰返し提供し、続いて、後続の再被覆層が同様に形成される前に、該固化手段を用いて、特定のパターンに従って該媒体の該層の1以上の所定の区域を固化する為に、該リコータ及び該固化手段を動作させるように構成されたコントローラ
を備えており、
該リコータは、該媒体の該後続の再被覆層を施与する為のノズルヘッドを備えており、該ノズルヘッドは、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えており、各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、該媒体の連続流は、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上のカバー区域に当たるように放出可能であり、該複数のノズルは、該媒体の該層の施与中に、交差しない連続流を提供するように配置され、該システムは、該ノズルヘッド及び該支持体が、少なくとも1つの走行方向において互いに対して相対的に可動であるように構成されており、
該ノズルヘッドは、該ノズルヘッドの1以上の走行において、該少なくとも1つの走行方向においてカバー幅全体をカバーするカバー区域を提供する連続流を提供するように構成されており、該カバー幅全体は、2つの外側カバー区域の間に画定され
該複数のノズルから放出された、該少なくとも1つの走行方向における該連続流の該カバー区域の経路が、少なくとも部分的に重複する、
前記システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法及びシステムに関する。その上、本発明は、付加製造(additive manufacturing)システムにおいて媒体の層を施与する為のコータ(coater)に関する。
【背景技術】
【0002】
付加製造の分野において、物体を作成する様々な様式がある。ステレオリソグラフィ(SLA:stereolithography)において、(再)被覆手段の使用によって紫外線キュアラブル材料の薄層を一度に1層ずつ繰返し配置し、そして引き続き、施与された薄層の一部を選択的に固化することによって、複雑な3次元の固体物体が作られることができる。該物体は、(複雑な)工具類(tooling)なしで迅速に作られることができる。コンピュータが、パターンの断面を生成する為に使用されることができる。該SLAシステムは、CAD/CAMシステムに容易にリンク付けされることができる。
【0003】
ステレオリソグラフィにおいて、3D印刷用途に媒体の薄層を施与する為に、再被覆が使用される。典型的には、形成されるべき物体についての造形材料(building material)として使用される媒体は、(ポリマー)樹脂である。例えば、典型的には10~100ミクロンの樹脂の薄層を堆積させる為に、リコータ(recoater)が配置されることができる。該部分の選択的な照明(illumination)を用いて、物体の層が硬化されることができる。
【0004】
媒体(例えば、樹脂)の薄層の堆積が、様々な様式で実行されることができる。例えば、液槽印刷(vat printing)において、薄い樹脂層を堆積させる為に、アプリケータ(applicator)、ブレード(blade)、又はナイフ(knife)のような再被覆の幾何形状が使用される。既知のリコータ方法は、幾何形状が樹脂に直接接触している間に、不正確な又は時間のかかる層堆積をもたらす可能性がある。ブレードリコータが、液体状媒体面にわたって掃引され、既存の隆起を捕らえ、その厚さを所望の層厚さに近い寸法まで削除することができる。接触の結果、相当な量の樹脂が、リコータを通過することが可能でなくなり、又は該リコータそれ自体によって引きずられうる。引きずれられる樹脂の量は、とりわけ液槽(vat)/桶(bath)の高さ、粘性、及びリコータの速度に依存する。液槽/桶の高さは、造形される物体の存在時に、造形ジョブ中に変動しうるのに対して、引きずられる樹脂の量は、典型的に、十分に既知でなく又は制御されず、最終的に、不正確な層堆積をもたらす。このようにして、経路上に波(waves)又はむら(non-uniformities)が形成され得、従って精密な堆積がもはや可能でなくなる。
【0005】
樹脂の非接触堆積は、不正確な層堆積を引き起こす樹脂の引きずりを解消することができる。桶とコータ自体との間の接触が回避されることができる。既知の方法において、細長く幅の広いスリットが使用され、該スリットから、液槽/桶内の上層を被覆する為に、媒体のスクリーン又はカーテンが堆積される。しかしながら、カーテン又はスクリーンをより大きい幅(例えば、1メートル超)に拡大することは困難である。さらに、コータの動きによって、空気がスクリーンに衝突する可能性があり、その結果、流れの不安定性、例えばスクリーン又はカーテンの極度の湾曲又はさらには破損、が生じ、その結果、施与される樹脂の(後続の)層がさらに不均一になる。さらに、スリットを介して高粘性媒体を放出する為に必要とされる液圧は、10~100バールの値に容易に到達する可能性がある。高圧の結果、スリットの間隙が変形する可能性があり、その結果、スクリーンの厚さが不正確になる可能性がある。追加的に、比較的小さい間隙厚さ(例えば、約100マイクロメートル以下)を有するより長い長さ(例えば、約1メートル以上)のスリットを作成することと、厳密な間隙公差(gap tolerance)(例えば、マイクロメートル程度)とを組み合わせることで、実現が極めて高価且つ困難になる可能性がある。
【0006】
製造が容易で、頑強であり、及び/又はスケーラブルな(再)被覆手段が必要である。その上、樹脂の(薄)層の正確な堆積を可能にする(再)被覆手段が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の欠点のうちの少なくとも1つを解消する方法及びシステムを提供することである。
【0008】
追加的に又は代替的に、本発明の目的は、後続の媒体層を正確で、安定した、及び/又は均一な堆積を可能にする、改善された堆積安定性を有する方法及びシステムを提供することである。
【0009】
追加的に又は代替的に、本発明の目的は、付加製造システム又は方法における改善された非接触(再)被覆手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
これらの目的のために、本発明は、固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法を提供し、該方法において、該物体が、支持体(例えば、液体で充填された液槽、例えばガラス板又は箔のような圧迫された表面)上に、及び/又は該物体の既に形成された部分上に該媒体の層を繰返し提供し、続いて、後続層を同様に形成する前に、特定のパターンに従って該媒体の該層の1以上の所定の区域を固化させることによって、層状に造形される。該媒体の該後続層は、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えているノズルヘッドを使用して施与され、各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、該後続層の施与中に、該媒体の連続流が、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上のカバー区域に当たるように放出される。該複数のノズルは、交差しない連続流を提供するように配置される。該ノズルヘッド及び該支持体は、少なくとも1つの走行方向において互いに対して相対的に可動である。該ノズルヘッドの1以上の走行において、該少なくとも1つの走行方向において、該連続流の該カバー区域が、カバー幅全体をカバーする。
【0011】
該複数のノズルを用いて、該少なくとも1つの走行方向における該ノズルヘッドの1以上の走行(例えば、媒体が施与される表面に沿って、前後に走査(back and forth scanning))において、完全な/連続するカバーが得られることができる。該連続流の該カバー区域は、該少なくとも1つの走行方向で見ると、カバー幅全体をカバーする故に、該媒体の該後続層の実質的に均一の分布が得られることができる。
【0012】
任意的に、該連続流の該カバー区域は、単一の走行で、カバー幅全体をカバーする。従って、該少なくとも1つの走行方向における単一の走行(すなわち、通過)は、後続の媒体層の完全なカバーを提供しうる。
【0013】
1組の異なるノズルを通して該媒体を射出することによって、該媒体(例えば、樹脂)を堆積するように構成された複数のノズルを有する(リ)コータが得られることができる。該複数のノズルから該少なくとも1つの走行方向に放出された該連続流の該カバー区域の経路は、完全/全体的なカバーが得られるようにしうる。従って、該少なくとも1つの走行方向における該カバー区域の複数の経路間には、カバーされていない領域がないようにすることができ、従って該少なくとも1つの走行方向における単一の行程又は走行で、実質的に均一のカバー区域が得られることができる。該少なくとも1つの走行方向で見て、該カバー幅にわたって実質的に連続するカバーが得られる場合に、該カバー幅全体が該複数のカバー区域のそれぞれを包みうる。該ノズルヘッド上のノズル構成は、該複数のノズルから放出される該連続流間の交差が防止されるように配置される。これは、とりわけ該媒体が施与される表面に対する噴霧の高さ、噴霧角、及び/又は噴霧の向きの適当な配置によって実現されることができる。該後続層が施与される表面は、容器内又は支持体上の上部媒体層(液体状又は硬化されている)であることができる。有利には、該カバー区域は、該少なくとも1つの走行方向で見て、完全なカバー幅を連続して占有するように選択される。上記少なくとも1つの走行方向における該ノズルヘッドの相対的な動きの結果、該媒体の実質的に均一の層が施与されることができる。該ノズルヘッドは、拡大縮小可能及び制御可能な方式で媒体層の均一の施与を可能にする。さらに、該ノズルヘッドは、製造が比較的容易であり、且つ頑強である。該複数のノズルから該媒体を放出する為に、高い圧力が用いられることができる。該複数のノズルを有する該ノズルヘッドを用いて、該少なくとも1つの走行方向における相対運動によって、幅広い実質的に連続する印刷区域が、正確に被覆されることができる。
【0014】
例えば該後続層が施与される該表面に対して該ノズルヘッドが動かされる場合に、該複数のノズルから放出された連続する交差しない流れは、空気が連続流間を動くことを可能にする。これは、細長いスリットを通して媒体の細長いカーテン又はスクリーンが施与される事例とは反対であり、そのような事例において、該カーテン/スクリーンの周辺でより高い圧力が蓄積する可能性がある。
【0015】
改善された拡大縮小可能性、頑強性、及び製造可能性に加えて、複数のノズルを有するコータはまた、該媒体の施与された層の厚さを空間的に制御及び/又は調整する能力を提供しうる。
【0016】
液体状媒体層を層状に所定のパターンで固化又は硬化させることによって、物体又は部分が形成されることができる。該媒体は、付加製造又はステレオリソグラフィの為の造形材料としうる。液槽材料、例えばポリマー及び/又はセラミック材料、が用いられることができる。液槽重合において、紫外(UV)光は、3D印刷プロセスで液体を硬化させる。例えば、該物体の層を一度に1つずつ造形する為に、紫外線キュアラブルフォトポリマー樹脂の液体及び紫外レーザーが使用されることができる。各層に対して、レーザービームは、液体状樹脂の表面上の物体パターンの断面を追跡することができる。該樹脂上で追跡された該パターンは、該紫外レーザー光への露出によって、キュアされ、固化され、及び下の層に接合されることができる。
【0017】
該ノズルの開口区域を通して放出された該連続流(continuous streams)は、安定した途切れない噴射(stable unbroken jet)を形成することができる。該複数のノズルは、使用中、該媒体の該後続層を施与している場合に、該連続流/噴射(jets)が互いに接触しないように配置される。このようにして、該媒体のより均一の施与が得られることができる。該後続の媒体層が、薄膜を形成することができる。液体状噴射間の接触又は交差は、飛び散り及び/又は乱流を引き起こす可能性がある。それにもかかわらず、該少なくとも1つの走行方向における相対運動の結果、該カバー幅全体の完全なカバーが得られることができる。該複数のノズルは、個別の連続流によって提供される媒体の連続しない(non-contiguous)スクリーンを提供するように構成されることができる。該複数のノズル、従って該個別の連続流は、上部媒体面にわたって該少なくとも1つの走行方向に掃引される。
【0018】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向に該複数のノズルから放出された該連続流の該カバー区域の経路は、少なくとも部分的に重複する。
【0019】
有利には、該連続流は互いに対して別個であり、該連続流間の接触は回避される。連続流は、該ノズルヘッドの該複数のノズルの各ノズルから出ることができ、各連続流は、支持体、該支持体の上の該媒体の層、及び/又は該物体の既に形成された部分上に、カバー区域の経路(線)を堆積させる。該少なくとも1つの走行方向における該連続流の異なる経路を少なくとも部分的に重複させることによって、該媒体の連続層が施与されることができる。しかしながら、該媒体が施与される該表面上に完全に均一に分布されない為、この連続層はそれでもなお、特定のレベルの不均一性を有しうる。重力が該媒体を該表面上に広げることを可能にする為に、所定の時間にわたって待機することによって、該媒体のより均一の分布が得られることができる。
【0020】
動き方向における該カバー区域の近接する(adjacent)経路の重複量は、該施与された媒体層の均一性及び層厚さを高めるように最適化されることができる。該カバー区域の中央において、該カバー区域の外側領域と比較されると、より多くの材料が堆積されうる。
【0021】
該複数のノズルは、互いに隣接して直線に配置された複数のカバー区域を含む少なくとも1つの線形アレイとして配置されているカバー区域を提供するように構成され得、ここで、該複数のカバー区域は、カバー幅を完全にカバーする。該カバー幅全体に沿ったこの連続するカバーに対して、該少なくとも1つの走行方向に形成される該複数のカバー区域の経路は、互いに(直接)隣接し又は少なくとも部分的に重複しうる。1つのアレイ又は行のカバー区域が、別のアレイ又は行のカバー区域からずれることができる。1つの例において、該複数のカバー区域は、互いに対してかみ合わされる。
【0022】
任意的に、該カバー区域の中心点から同じアレイ又は行内の隣接するカバー区域の中心点まで測定されるカバー区域ピッチで、該同じカバー区域アレイの該隣接するカバー区域が離される。カバー区域ピッチは好ましくは、カバー区域径に該複数のノズルアレイのアレイの総数を掛けた値の0.5~1倍、例えば好ましくは0.8~0.9倍、である。1つの例において、カバー区域ピッチは、0.85~0.8525である。他の範囲/値も可能であることが理解されるであろう。大きいピッチが選択された場合に、局所的な重複していないカバー区域が生じうる。頑強性を増大させ及び/又は局所的な歪みを回避する為に、好ましいピッチは、カバー区域径の0.5~0.75倍まで減少されることができる。有利には、この低減されたピッチの結果、より大きい平均厚さが得られる一方で、頑強性が大幅に低減される可能性がある。他の値も可能であり、これらの値は、該システムの様々な動作パラメータ及び他の特性に依存しうることが理解されるであろう。
【0023】
(部分的な)重複を用いて、該媒体が施与される該表面上の該媒体の改善された連続カバーが得られることができる。このようにして、後続の施与された層がより均一に分布させられる。
【0024】
任意的に、該複数のカバー区域間の重複は、該少なくとも1つの走行方向に対して斜めに、1つのアレイ又は行のカバー区域を用いて得られる。
【0025】
任意的に、隣接するアレイの該カバー区域は、該少なくとも1つの走行方向にカバー区域アレイピッチだけオフセットされており、該カバー区域アレイピッチは、該第1のアレイのカバー区域の中心点を通る第1の線から該第2のアレイのカバー区域の中心点を通る第2の線まで測定され、該カバー区域アレイピッチは、カバー区域径の2倍より大きい。
【0026】
カバー幅全体は、例えば、該ノズルヘッドの幅の一部分を形成しうる。1つの例において、該カバー幅は、該媒体を保持する容器の幅全体に実質的に対応する。任意的に、該ノズルは、該媒体の均一/均等な後続層を提供する為に複数の異なる走行方向が利用されることができるように構成される。
【0027】
任意的に、該ノズルヘッドは、互いにオフセットされている複数のノズルアレイを備えており、該複数のノズルアレイは、少なくとも第1のノズルアレイ及び第2のノズルアレイとして配置され、該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイの該ノズルの該連続流のカバー区域の経路は、該第2のアレイの該ノズルの該連続流のカバー区域の経路と少なくとも部分的に重複する。1つの例において、該ノズルアレイは、互いに隣接して直線に配置された複数のノズルを備えている線形アレイである。
【0028】
任意的に、該複数のノズルは、実質的に0°の噴霧角を有する。該ノズルヘッドの該複数のノズルは、例えば、実質的に直線で下方へ動く連続流を放出するように配置されうる。該カバー区域は、該ノズルの開口区域の直径に実質的に等しい直径を有する円筒形の形状としうる。これは、例えば、実質的に0度の噴霧角を有するノズルを利用することによって実現されることができる。0度の噴霧角が利用される場合に、該表面に対する該ノズルの高さに対する該カバー区域のサイズの依存性が低減及び/又は解消されることができる。他の噴霧角がまた、該ノズルが該媒体層を施与する表面上のカバー区域に影響する為に利用されうることが理解されるであろう。該カバー区域はまた、該開口区域から放出されている該媒体の流量及び/又は該表面に対する該ノズルの相対的な向きによって影響される。表面上に施与される媒体層の厚さは、該連続流の直径(すなわち、該ノズルの直径)、該放出された媒体の流量、及び/又は走査(scan)ヘッドが走行方向に動かされる速度(すなわち、再被覆速度)に依存することができる。該少なくとも1つの走行方向におけるノズルの該カバー区域の経路は、同じ走行方向において他のノズルのカバー区域の1以上の他の経路に接し又は少なくとも部分的に重複しうる。例えば、ノズルのカバーの経路は、該少なくとも1つの走行方向で見て、その隣接する(neighboring)又は近接の(adjacent)ノズルに接し又は少なくとも部分的に重複しうる。0度の噴霧角を有するノズルが利用される場合に、放出される該連続流は、線状(例えば、円筒形の噴射)としうる。そのような事例において、該ノズルの該開口区域が、該後続の媒体層が施与される表面(例えば、基体)上でも、該少なくとも1つの走行方向で見て、隣接する又は近接のノズルに接する又は少なくとも部分的に重複することを可能にすることで、該少なくとも1つの走行方向に動く際に該媒体の均一の分布が得られることができる。これは、該ノズルの該カバー区域の経路が、上記隣接する又は近接のノズルの該カバー区域の経路に接し又は少なくとも部分的に重複するからである。部分的な重複を用いて、該カバー幅全体に沿った改善された完全なカバーが得られることができる。該媒体のこのカバーは、より連続的及び/又は均一とすることができる。
【0029】
任意的に、該複数のノズルから放出された該連続流は円錐形である。該連続流のそのような円錐形の形状は、該噴霧角を選択することによって得られることができる。このようにして、該少なくとも走行方向で見て、該ノズルを互いに隣接及び/又は重複して配置する必要をなくしうる。
【0030】
任意的に、各ノズルアレイは、ほぼ等しい数のノズルを有する。
【0031】
アレイ内のノズルは、特定の方向に沿って、例えば実質的に直線となるように配置されることができる。しかしながら、他の構成も意図される。例えば、ノズルアレイは、該少なくとも1つの走行方向に対して斜めの線となるように配置されることができる。
【0032】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイの該ノズルの該開口区域は、該第2のアレイの該ノズルの該開口区域と少なくとも部分的に重複する。
【0033】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向において、該複数のノズルの該開口区域は、該複数のノズルアレイの各アレイの全長以上である該カバー幅全体をカバーする。
【0034】
任意的に、該複数のノズルは、後続の媒体層を提供し、重力は、該媒体の該施与された後続層の該表面の最終的な平坦化を提供する。遅延又は待機時間後、該後続の施与された媒体層の隆起は、重力によって平坦化することができ、該液体状媒体面は多少平坦になる。
【0035】
任意的に、アレイ内のノズルは、第1のノズルの開口区域の中心点から同じアレイ内の隣接するノズルの開口区域の中心点まで測定されるノズルピッチで離され、該ピッチは、該複数のノズルアレイのアレイの総数を掛けたノズル半径の1~2倍、好ましくは1.6~1.8、さらにより好ましくは1.7~1.75、である。
【0036】
該ピッチは、分析的、演算的、及び/又は経験的に最適化されることができる。多くの異なるタイプのモデルが利用されることができる。層厚さ及び/又は不均一性は、該ノズルヘッドの該複数のノズルによって放出された該連続流の該カバー区域の重複から判定されることができる。
【0037】
該ノズルピッチを最適に使用することによって、不均一性が大幅に低減されることができる。任意的に、該媒体の該層の施与後、重力に起因するより均一の分布を得る為に、所定の待機時間が利用される。
【0038】
任意的に、隣接するアレイのノズルは、該少なくとも1つの走行方向にアレイピッチだけオフセットされており、該アレイピッチは、第1のアレイのノズルの開口区域の中心点を通る第1の線から、第2のアレイのノズルの開口区域の中心点を通る第2の線まで測定され、該アレイピッチは、ノズル半径の2~15倍である。
【0039】
任意的に、該複数のノズルは個別のノズルである。
【0040】
任意的に、ノズルが、該媒体の連続流を選択的に分注するように配置され、該ノズルは、該媒体を放出する為に調整可能な流量を有する。該ノズルから放出される流量は、制御可能としうる。1つの例において、該複数のノズルのそれぞれは、調整可能な制限を備えている。任意的に、該複数のノズルの少なくとも1つのサブセットの該開口区域が調整可能である。媒体の供給は、空間的に制御されることができ、それにより該後続層の施与の制御可能性を大幅に高めることができる。
【0041】
該ノズルヘッドは、公称の流れ速度/流速を有する液体状媒体の該複数の連続流を放出する為の該複数のノズルと流体連通している正に加圧された液体状媒体を含みうる。
【0042】
任意的に、該複数のノズルのうちの少なくとも2つのサブセットが、異なる材料を提供するように構成され、第1のサブセットは、第1の材料を収容する第1のリザーバと流体連通しており、第2のサブセットは、第2の材料を収容する第2のリザーバと流体連通している。これは、複数のタイプの樹脂を同時に印刷すること(すなわち、多材料付加製造)を有効にしうる。該第1のリザーバは、例えば、該第2のリザーバとは別個でありうる。
【0043】
任意的に、該媒体の該後続層を施与する前に、該支持体上の及び/又は該物体の該既に形成された部分上の該媒体の該層の上面の高さ分布が、測定デバイスを用いて判定され、該後続層を施与することは、該判定された高さ分布に基づいて、該測定された高さ分布の非平坦性及び/又は不均一性を補償するように実施される。
【0044】
該方法は、層厚さを空間的に調整する可能性(制御ループ内の実装による)によって、大きい区域にわたって正確な媒体層堆積を有効にする。任意的に、補償は、該判定された高さ分布に基づいて、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上に施与される該媒体の分布を計算することによって実現される。
【0045】
該媒体(例えば、樹脂)は、硬化又は固化された場合に、ある程度まで収縮しうる。均等/均一の層を作成する為に、該収縮は、該後続層を施与する場合に補償されうる。このようにして、該媒体が硬化された位置で、より多くの媒体が堆積され得、ここで、これは、該ノズルヘッドの該複数の個々のノズルを用いて可能にされる。該ノズルによって堆積される媒体の量は、より良好に制御されることができる。該堆積のそのような空間制御可能性は、付加製造又はステレオリソグラフィにおいて非常に有利である。
【0046】
媒体の薄層を施与する為に、低流量の媒体が該複数のノズルから放出されることが所望される。しかしながら、低流量において、湿潤が生じうる。該媒体は、該ノズルの該開口区域(すなわち、ノズル出口)付近の周辺の表面を濡らす可能性がある。
【0047】
任意的に、各ノズルに、該ノズルの開口区域の周りに延在する縁壁が設けられている。湿潤は有害であるが、ノズル縁壁を使用すること、及び/又は所望される場合、一時的により高い流量で開始することによって、解消又は先送りすることができる。
【0048】
追加的に又は代替的に、該複数のノズルは、疎水性の被覆によって、該媒体が該被覆に付着する可能性があることが防止されるように取り囲まれうる。従って、このようにして、湿潤/滴下が防止されることができる。
【0049】
追加的に又は代替的に、該ノズルヘッドの該複数のノズルの該開口区域から放出された該流れは、湿潤のリスクを実質的に防止又は低減させるように制御される。湿潤の問題は主に、該複数のノズルを通して該媒体を放出する為の開始段階で生じる。最初に、より高い流量が利用されることができ、次に、該流量は、付加製造プロセスに必要とされる流量まで再び低減されることができる。より高い流量が該ノズルによって放出された結果、媒体層がより厚くなる為、これは、該媒体の該後続層が施与される該表面上の該関心区域に隣接して実行されることができる。例えば、桶/液槽に隣接して、又は別個の容器内で実行されることができる。
【0050】
任意的に、ノズル角が、迎え角を変化させ、それによって結果として生じる衝突力を変化させるように調整される。該衝突面に対する該連続流の角度(すなわち、迎え角)は、該衝突力に相当な影響を与えることができる。従って、このようにして、該角度は、該衝突力を低減させるように選択されうる。例えば、該流体の液槽又は既に形成された生成物に対する衝突力又は抗力は、走行方向と一致して後方に向けられた角度を該ノズルに与えることによって低減されることができる。
【0051】
任意的に、該少なくとも走行方向における運動中に該連続流を空気力から保護する為に、走査ヘッドの少なくとも一方の側にシールドが取り付けられる。該シールドは、例えば、該複数のノズルの前に設けられうる。1つの例において、該ノズルヘッドの両側(例えば、該走行方向で見られる前後)に、シールドが設けられる。
【0052】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向で複数の走行(すなわち、カバーされる表面に沿った前後の通過)を実行することによって、(単一の)後続層が設けられ、第1の走行において、該少なくとも1つの走行方向に該複数のノズルから放出された該連続流の該カバー区域の経路が、該経路間のカバーされていない領域によって互いに離され、次に、該カバーされていない領域は、1以上の追加の走行を実行することによってカバーされ、該1以上の追加の走行を実行する前に、該カバー区域は、該走行方向に対して横断方向に移動されて、該追加の走行中の該カバー区域の該経路が、該カバーされていない領域の少なくとも一部分をカバーする。
【0053】
該ノズルヘッドは、走行方向におけるカバー区域の経路間に間隙を有するように離されたカバー区域を提供するように構成されうる。該カバー区域の該経路間の該間隙において、最初の走行において媒体が施与されない。該間隙は、後続の追加の走行で媒体層を施与することによってカバーされ、該カバー区域は、該走行方向に対して横断方向に変位させられる。このようにして、複数の走行を利用することによって、例えば該ノズルヘッドを前後に動かすことによって、該媒体の層が、カバー幅全体にわたって施与されることができる。完全なカバーを得る為に少なくとも2つの走行が必要とされる。
【0054】
追加の後続の走行中に、該カバー区域は、該第1の走行からの前にカバーされていない領域をカバーするように、相対的に移動されることができる。該1以上の追加の走行は、該媒体の均一の施与された層が得られるように、該カバーされていない領域が完全にカバーされるまで実行されることができる。該ノズルヘッドを該走行方向に1回以上前後に動かすことによって、単一の後続層が施与されることができる。1回の前後運動は、2つの走行を提供しうる。1つの例において、完全な(均一の)カバーが得られるまで、複数の前後運動が実行される。第2の前後運動は、例えば、2つの追加の走行を提供しうる。
【0055】
1つの例において、該媒体の後続層を施与する為に、
所定のピッチを有する線パターンを堆積させる為に、該ノズルヘッドを該走行方向(例えば、x方向)に相対的に動かすことによって、最初の走行(すなわち、第1の再被覆行程)を実行すること、
該ノズルヘッドを該走行方向に対して横断方向(例えば、y方向)に相対的に動かすこと、ここで該ノズルヘッドが、例えば、2分の1のピッチ又はそれ以上で(相対的に)移動されることができる、
該最初の走行を実行することによって前にカバーされていなかった領域内に線パターンを堆積させる為に、追加の走行(すなわち、第2の再被覆行程)を実行すること
の工程が実行される。このようにして、該後続層に対して均一の媒体カバーが得られることができる。
【0056】
該ノズルヘッドは、次に、次の後続層を施与する為の前述の工程を繰返し実行する前に、該走行方向に対して横断方向(例えば、-y方向)に戻されることができる。
【0057】
任意的に、2つの隣接するノズル間の中心間距離は、少なくとも2.2mm、より好ましくは少なくとも2.4mm、さらにより好ましくは少なくとも2.5mm、である。
【0058】
有利には、例えば該ノズルから媒体(樹脂)の放出を開始する場合に、隣接するノズルでの形成された滴(droplets)に触れることが防止されることができる。2つの隣接するノズル間の最小の中心間距離は、様々な要因、例えばとりわけ使用される媒体の特性(すなわち、密度、表面張力など)、ノズル直径、に依存しうる。
【0059】
任意的に、媒体の該連続流の放出の最初の開始中に、流れパルスが提供される。
【0060】
該パルスは、該ノズルを通した媒体の該連続流の放出の開始中の最初のピーク流(すなわち、流速のパルス又はピーク)でありうる。1以上の流れパルスが、該ノズルを通した媒体の該連続流の放出流内に含まれることができる。1つの例において、該ノズルを通した放出の最初の開始中に、単一の流れパルスが提供される。
【0061】
任意的に、該ノズルを通して該媒体の該連続流を放出する前に、最初の放出中に該流れの速度のパルスを得るように、圧力が蓄積される。
【0062】
蓄積された該圧力は、噴射が互いに相互作用して個々の噴射の発散をもたらすことを防止する為に、噴射レジームに直接入ることを確実にすることができる。
【0063】
該ポンプがオンに切り換えられる前に、該ノズルヘッドへの供給部内のバルブが閉じられることができる。その結果、流体圧力が蓄積することができる。次に該バルブを開くことによって、圧力パルス又は流れパルス(すなわち、ピーク流)が作成され、その結果、噴射形式を生じることができる。このようにして、該中心間距離がかなり小さい、例えば2.2mmより小さい、場合でも、連続流が得られることができる。
【0064】
任意的に、放出の終わりに、該ノズルを通して気体が導かれる。該射出された気体は、例えば空気でありうる。
【0065】
任意的に、気体は、上記ノズルを通した媒体の放出が停止した場合に、該ノズルを通して射出される。有利には、このようにして、媒体が該複数のノズルヘッドの該ノズルの該開口区域又は該開口区域付近の周辺区域を濡らす「湿潤」プロセスが、実質的に防止されることができる。滴下がまた、少なくとも部分的に防止されうる。
【0066】
これは、異なる方法で実現されることができる。1つの例において、最終的な滴下及び/又は湿潤を実質的に防止する為に、加圧気体が該リコータ内へ射出されて該媒体を高流量でノズルから押し出すように、3方弁が配置される。
【0067】
任意的に、該走行方向における相対運動の速度、該複数のノズルから該支持体までの及び/又は該物体の該既に形成された部分までの距離、並びにノズルを通る流量のうちの少なくとも1つが、該複数のノズルを通して放出される該媒体の垂直方向の連続流を維持するように選択される。このようにして、放出された媒体の連続流(すなわち、噴射)が屈げ(再被覆中の相対運動に起因する)によって崩壊し、この流れを不連続にすることが、防止されることができる。それ故に、異なる動作条件(例えば、運動の速度、噴射の高さ、及び流量)が選択された場合でも、樹脂の連続シートが堆積されることができる。任意的に、前述の動作条件は、コントローラユニットを用いて制御される。
【0068】
該ノズルを通して放出された媒体の連続流(すなわち、噴射)は、表面張力によって、放出される場合に収縮しうる。その結果、該カバー区域は、該ノズル直径より小さくなりうる。
【0069】
任意的に、該複数のノズルから放出された、該少なくとも1つの走行方向における該連続流の該カバー区域の該経路は、該カバー区域の幅の0~50%、より好ましくは25~50%、の範囲内で重複する。
【0070】
1つの例において、該複数のノズルから放出された、該少なくとも1つの走行方向における該連続流の該カバー区域の該経路は、60~140μmの範囲内、より好ましくは80~120μmの範囲内、で重複する。該カバー経路の幅は、様々なパラメータ及び特性、例えば粘性、流量、走査速度など、に依存する為、他の値も可能であることが理解されるであろう。
【0071】
任意的に、該重複は、少なくとも80μm、より好ましくは少なくとも90μm、さらにより好ましくは少なくとも100μm、である。十分な重複を提供することによって、より頑強なシート堆積が得られることができる。
【0072】
その結果、連続する後続の再被覆層が、該少なくとも1つの走行方向における相対運動の速度がより速い(例えば、0.5m/秒超)場合でも得られうる。
【0073】
該後続の再被覆層は、例えば、単一の走査堆積で提供されうる。しかしながら、代替的には、該後続の再被覆層は、該少なくとも1つの走行方向における該ノズルヘッドの複数の走行を用いて(例えば、インターレーシング(interlacing)、ステッチング(stitching)などを使用)堆積される。
【0074】
さらなる観点に従って、本発明は、固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法に関し、該方法は、該媒体を収容するリザーバを設けること、所定の形状を有する該物体の固化された層を得る為に、該リザーバ内の該媒体の上層の所定の区域を固化すること、後続層形成工程及び後続の固化工程を繰返し実行して、該物体を形成することの工程を含み、該後続層形成工程は、先行の固化された層の上に後続の媒体層を施与することを含み、該後続の固化工程は、該先行の固化された層に付着された後続の固化された層を得る為に、該施与された後続の媒体層を固化することを含み、該後続層形成工程で該後続の媒体層を施与することは、ノズルヘッドを使用して実施され、該ノズルヘッド及び該容器内の該媒体は、少なくとも1つの走行方向において互いに対して可動であり、該ノズルヘッドは、複数のノズルを含み、該ノズルは、それぞれ該後続の媒体層が施与された表面上にカバー区域を形成する媒体の複数の連続する交差しない流れを放出するように構成され、該少なくとも1つの走行方向において、該連続流の該カバー区域が、カバー幅全体をカバーする。任意的に、該複数のカバー区域は、互いに隔置され、互いにオフセットされている複数のカバー区域アレイ又は行として配置され、該複数のカバー区域アレイ又は行は、少なくとも第1のカバー区域アレイ及び第2のカバー区域アレイを含み、該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイ又は行のノズルのカバー区域の経路は、該第2のアレイ又は行のノズルのカバー区域の経路に少なくとも部分的に重複する。
【0075】
さらなる観点に従って、本発明は、固化可能な媒体から物体を層状に形成する為のシステムに関し、該システムは、該媒体を支えるように構成された支持体、該媒体の1層を放出するように構成された被覆手段、該媒体を選択的に固化するように構成された固化手段、並びに該被覆手段を用いて、該支持体上に及び/又は該物体の該既に形成された部分上に該媒体の層を繰返し提供し、次に後続層が同様に形成される前に、該固化手段を用いて、特定のパターンに従って該媒体の該層の1以上の所定の区域を固化する為に、該被覆手段及び固化手段を動作させるように構成されたコントローラを備えている。該被覆手段は、該媒体の該後続層を施与する為のノズルヘッドを備えており、該ノズルヘッドは、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えており、各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、該媒体の連続流は、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上のカバー区域に当たるように放出可能である。該複数のノズルは、該媒体の該層の施与中に、交差しない連続流を提供するように配置される。該システムは、該ノズルヘッド及び該支持体が、少なくとも1つの走行方向において互いに対して相対的に可動であるように構成されている。該ノズルヘッドは、該ノズルヘッドの1以上の走行において、該少なくとも1つの走行方向においてカバー幅全体をカバーするカバー区域を提供する連続流を提供するように構成されている。
【0076】
支持体は、該(液体状の)媒体を保持する容器内に設けられうる。次に、該容器内の該液体状媒体の層が、該固定された支持体の上に、該連続流を放出する該複数のノズルを用いて作成される。3次元の物体に対する設計に従って、該施与された媒体層の少なくとも一部分を規定のエネルギーに露出させることによって、該施与された後続の媒体層の事前選択された断面が、(例えば、CADデータを使用して)固化される。次に、該複数のノズルを備えている該ノズルヘッドを用いて実行される該液体状媒体層の作成、及び該固化工程は、該3次元の物体を形成する為に、必要に応じて繰り返される。該媒体の各層は、該支持体の上に該後続の媒体層を分注することによって、部分的又は全体的に施与される。有利には、該少なくとも1つの走行方向において、該複数の結果として得られるカバー区域によって、カバー幅全体が含まれるように、該ノズルを配置することによって、均一の分布が得られる。
【0077】
該複数のノズルは、該複数のノズルから放出された該連続流間の交差を防止するように配置されることができる。該ノズルヘッドから該複数のノズルの該開口区域を通して放出された該連続流は、互いに接触しない。該ノズルヘッドが、該媒体の該後続層が施与される表面に対して該少なくとも1つの走行方向に相対的に動かされた場合に、完全なカバー幅における完全なカバーが得られることができる。
【0078】
該ノズルヘッドの該複数のノズルは、該少なくとも1つの走行方向に該カバー区域の経路に沿って、該媒体の層を堆積させる個別の連続流(又は噴射)を放出しうる。
【0079】
相対運動装置が、該複数のノズルを使用して媒体が均等且つ均一に施与されることができる処理速度で、該ノズルヘッド及び該後続の媒体層が施与される(媒体)受取り面を、該少なくとも1つの走行方向において互いに対して動かす為に使用されることができる。
【0080】
該ノズルヘッドの該複数のノズルの該開口区域は、互いに直接接触しない出口オリフィスを形成する。該出口オリフィスは隔置され、しかしながら、該複数のノズルは、該少なくとも1つの走行方向に該複数の連続流によって形成される該カバー区域がカバー幅全体を形成するように構成される。
【0081】
任意的に、該ノズルヘッドは、該少なくとも1つの走行方向に該複数のノズルから放出される該連続流の該カバー区域の経路が少なくとも部分的に重複するように構成される。
【0082】
該連続流の該カバー区域は、該走行方向において該カバー幅にわたって完全なカバーが得られるように、部分的に重複し又は少なくとも互いに隣接する。このようにして、該媒体の実質的に連続する及び/又は均一の後続層が、該ノズルヘッドによって施与されることができる。
【0083】
任意的に、該ノズルヘッドの該複数のノズルは、互いにオフセットされている複数のノズルアレイとして配置され、ここで、該複数のノズルアレイは、少なくとも第1のノズルアレイ及び第2のノズルアレイを備えており、該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイのノズルの連続流のカバー区域の経路は、該第2のアレイのノズルの連続流のカバー区域の経路に少なくとも部分的に重複する。
【0084】
1つの例において、該複数のノズルは、実質的に0°の噴霧角を有する。しかしながら、他の噴霧角がまた意図される。
【0085】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向において、該第1のアレイの該ノズルの該開口区域は、該第2のアレイの該ノズルの該開口区域と少なくとも部分的に重複する。
【0086】
任意的に、該少なくとも1つの走行方向において、該複数のノズルの該開口区域は、該複数のノズルアレイの各アレイの全長以上である該カバー幅全体をカバーする。
【0087】
該複数のノズルを所定のピッチで配置することによって、該開口区域及び/又は該カバー区域間の重複レベルが判定されることができる。有利には、該ピッチは、該媒体の該後続の施与される層の均一性又は平坦性を最適化するように調節されることができる。しかしながら、このパラメータはまた、他のパラメータ、例えば該ノズルヘッドと該後続層が該少なくとも1つの走行方向に施与される該表面との間の相対的な運動の速度(すなわち、再被覆速度)、ノズル角、噴霧角、該ノズルと該表面との間の距離、該ノズルの向き、該ノズルの該開口区域を通して放出される該媒体の流量、該開口区域の直径、該媒体の材料及び/又は流体特性(例えば、粘性)など、に依存し、しかしそれに限定されない。
【0088】
該複数のノズルは、異なるサブセットに互いに分割又は分類され得、ここで、各サブセットは、他の特性を有する媒体を提供する。異なる材料特性又は特徴(例えば、色)を有する媒体が、使用されることができる。該サブセット内の該ノズルは、媒体が送達される共通のチャネルを共用することができる。
【0089】
さらなる観点に従って、本発明は、本発明に従う付加製造システムで使用する為の媒体の層を施与する為のコータに関し、該コータは、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えているノズルヘッドを備えており、各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、支持体、該支持体上の該媒体の層、及び/又は該物体の既に形成された部分上のカバー区域に当たるように該媒体の連続流が放出可能である。該複数のノズルが、該複数のノズルから放出される該連続流間の交差を防止するように配置される。さらに、該ノズルヘッドは、少なくとも1つの走行方向に該支持体に対して相対的に可動である。該ノズルヘッドの1以上の走行において、該ノズルヘッドは、該複数のノズルを通して、該少なくとも1つの走行方向において、カバー幅全体をカバーするカバー区域を有する連続流を放出するように構成される。
【0090】
該ノズルヘッドは、ステレオリソグラフィ方法又はシステムにおいて樹脂膜リコータとして用いられることができ、ノズルヘッドは、該媒体の均一の(後続の)層を施与する為のディスペンサとして作用するように配置される。ノズルのパターンの多くの変形例が、用いられることができる。
【0091】
該少なくとも1つの走行方向から見た場合、カバー区域が幅全体に延在することによって、カバー幅全体が得られることができる。該幅は、該少なくとも1つの走行方向から見た場合、2つの外側カバー区域の間に画定されることができる。従って、上記2つの外側カバー区域(該少なくとも1つの走行方向に見られる)間に、連続する/均一のカバーが得られることができる。
【0092】
該ノズルヘッドと該媒体の該後続層が施与される該表面との間の相対運動は、異なる方法で実施されることができることが理解されるであろう。例えば、該ノズルヘッドが、上記表面に対して動かされることができ、又は該表面(例えば、支持体、基体、物体、...)が、該ノズルヘッドに対して動かされることができる。しかしながら、組み合わせも可能であり、例えば該ノズルヘッド及び該表面の両方が、該媒体の該後続層を均一に施与する為に、該少なくとも1つの走行方向における該ノズルヘッドと該表面との間の該相対運動を得るように、互いに対して動かされうる。
【0093】
該走行方向は、単方向又は双方向であることができることが理解されるであろう。双方向の事例において、媒体は、前後の相対運動の2回の走行中に施与されうる。単方向の事例において、媒体は、前後の相対運動の一方の間に施与されうる。従って、走行方向は、前方運動及び後方運動の両方を含みうるものであり、それぞれの完全な運動が、「走行」(run)又は「行程」(stroke)である。
【0094】
該走行方向は、該媒体が施与される該表面に対する(例えば、該支持体に対する)該ノズルヘッドの相対的な運動方向として見られることができる。
【0095】
1つの例において、各ノズルを通した該媒体の堆積は、実質的に線(例えば、円筒形)を形成する。該線(円筒)を用いて、該カバー区域が少なくとも互いに隣接することを可能にすること、又は該少なくとも1つの走行方向における該カバー区域の経路の重複を可能にすることによって、平面又は区域がカバーされることができる。
【0096】
複数の後続層がまた、固化工程を実行する前に、互いの後に施与されることができることが理解されるであろう。
【0097】
1つの例において、該媒体、例えば液体状フォトポリマー、で充填された液槽の特有の区域に、紫外光が集中させられる。事前にロードされたCADファイルに従うコントローラ(例えば、コンピュータ)によって制御されるUV光の集中によって、キュアラブル材料である該媒体の層は、一度に1層ずつ硬化されることができる。該硬化された媒体は、実質的に固体であることができる。
【0098】
さらなる観点に従って、本発明は、本発明に従う方法及び/又はシステムを用いて得られる3次元印刷された実体のある物体に関する。一体の3次元物体が、媒体の隣接する光硬化された層から生成されることができ、各層が、該物体の断面部分を形成する。該複数のノズルは、前に施与された層及び/又は前に形成された構成の上部に、新しい層を施与するように構成される。
【0099】
該方法を考慮して記載されている観点、特徴、及び選択肢はいずれも、システム及び記載のコータ又は付加製造ノズルヘッドにも等しく該当することが理解されるであろう。前述の観点、特徴、及び選択肢のいずれか1以上が組み合わされることができることも明らかである。
【0100】
本発明は、図面に表される例示的な実施態様に基づいてさらに説明される。例示的な実施態様は、非限定的な例示の目的で与えられる。該図は、非限定的な例の目的で与えられる本発明の実施態様の概略図にすぎないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0101】
図1図1は、システムの実施態様の概略図を示す。
図2図2は、システムの実施態様の概略図を示す。
図3図3は、表面上のカバー区域の概略図を示す。
図4図4は、表面上のカバー区域の概略図を示す。
図5図5は、ノズルヘッドの実施態様の概略図を示す。
図6図6は、堆積層厚さのグラフを示す。
図7図7は、連続流の長さと媒体の速度との関係に関するグラフを示す。
図8図8は、ノズルヘッドの実施態様の概略図を示す。
図9図9は、縁壁を有するノズルの側面図を示す。
図10図10は、経路を有するカバー区域の上面図を示す。
図11図11は、経路を有するカバー区域の上面図を示す。
図12図12は、方法の概略図を示す。
図13図13は、ノズルにおける滴形成を示す。
図14図14は、例示的なセットアップの概略図を示す。
図15図15は、例示的なセットアップの概略図を示す。
図16図16は、異なる動作レジームを示す。
図17図17は、異なるノズル配置を示す。
図18図18は、噴射を予測する為のモデルを示す。
図19A図19Aは、異なる噴射形状を示す。
図19B図19Bは、異なる噴射形状を示す。
図20図20は、連続するシート形成を得る為の走査方策を示す。
【発明を実施するための形態】
【0102】
図1は、固化可能な媒体3から物体を層状に形成するように構成されたシステム1の実施態様の概略図の斜視図を示す。該物体は、支持体5及び/又は該物体の既に形成された部分9上に媒体3の層を繰返し提供し、次に、特定のパターンに従って媒体3の該層の1以上の所定の区域を固化することによって、層状に造形され、引き続き、後続層7が同様に形成される。媒体3の後続層7は、互いに間隔を空けられた複数のノズル13を含むノズルヘッド11を使用して施与される。各ノズルは開口区域15を有し、開口区域15を通して、後続層7の施与中に、媒体3の連続流17が、支持体5及び/又は該物体の既に形成された部分9上の該媒体の該層上のカバー区域19に当たるように放出される。複数のノズル13は、交差しない連続流17を提供するように配置される。ノズルヘッド11及び支持体5は、少なくとも1つの走行方向Aに互いに対して相対的に可動である。少なくとも1つの走行方向Aにおいて、連続流17のカバー区域19は、カバー幅全体Wをカバーする。この例において、ノズルヘッド11は、容器10内の媒体3の上面に媒体3の後続層を施与するように、右から左へ動かされる。しかしながら、この例において、後続層7が施与される表面3’上に媒体3の該層を施与する為に、左から右への反対の走行方向も利用されうる。本発明は、改善された高さ分布又は平坦性で、媒体3の後続層7を施与する為の方法を提供する。長い時間を必要とすることなしに、より均一の媒体層が施与されることができる。
【0103】
該物体は、形成されている該物体とは別々に形成されたキュアラブル媒体(curable medium)(例えば、樹脂)の後続膜の選択的なキュアリング(curing)によって、製作又は造形されることができる。媒体の薄膜7が、所定のパターンの物体の層9を形成するように、形成され、選択的にキュアされ(cured)且つ硬化される(hardened)ことができる。該媒体は、刺激的な放射に応答してキュアラブルであることができる。該刺激は、規定のエネルギーを受けることによって得られうる。
【0104】
複数のノズル13は、後続の媒体層7の連続する及び/又は均一の施与を有効にする為に、カバー幅全体Wの完全なカバーを有効にするように配置される。複数のノズル13の配置は、ノズルのパターン、ノズルのサイズ、ノズルの向き、ノズルの間隔(ピッチ、ずれ)を含む。追加的に、該放出された媒体の流量及び/又は媒体の特性はまた、媒体の連続流/噴射が放出されたかどうかを判定する。任意的に、複数のノズル13は、ノズル縁壁を含む。このようにして、湿潤又は滴下のリスクは、大幅に低減されることができる。追加的に又は代替的には、個々の供給又は制限は、制御ループにおける多材料施与又は実装を有効にすることができる。
【0105】
ノズルから放出された媒体の質量流量は、ノズル13の開口区域15からの流体速度及び開口区域15の表面積から判定されることができる。層厚さの表示は、該媒体の質量流量及び後続層7が施与される表面3’に対するノズル13の相対速度に基づいて判定されることができる。
【0106】
ノズルヘッド11の単一のノズル13から放出される連続流17は、媒体3の後続層7が施与される表面3’又は基体上に線を堆積させるように構成されうる。この線は、表面3’又は基体に当たる連続流17のカバー区域19の経路に対応し、該経路は、少なくとも1つの走行方向Aにおける相対運動の結果として形成される。有利には、複数の連続流17が複数のノズル13を用いて得られた結果、表面3’又は基体上に異なる経路線が生じ、該経路線は、カバー幅全体Wに沿って媒体3の連続層を形成するように、互いに重複し、又は少なくとも接する。施与された後続層7は、完全に均一に分布されていないことがあり、従って追加の工程が、均一性をさらに改善する為に利用されうる。待機時間を用いて、該施与された媒体に対する重力の効果が、該施与された媒体の後続層7の不均一性をさらに低減させうる。
【0107】
その上、ノズル13又はノズルヘッド11と、媒体3の後続層7が施与される表面3’(例えば、媒体層3、既に硬化された物体層9、基体、支持体5)との間の相対運動によって実質的に撓んでいない、ノズル13から放出された連続流17を得ることが望ましい。しかしながら、これは、全ての連続流17が実質的に同じ角度で屈げられている場合に、ある程度可能にされうる。
【0108】
周囲空気が、連続流17に衝突する可能性があり(すなわち、よどみ圧)、それは、連続流17が屈がり、さらには崩壊することを生じる可能性があり(すなわち、不連続)、それは、媒体3の後続層7の堆積にとって有害であるはずである。任意的に、ノズルヘッド11は、媒体3の後続層7が施与される表面3’に対して動かされ、連続流17に対する周囲空気の空気力学的影響を低減させる為に、シールド(図示せず)が使用される。
【0109】
使用中に、ノズルヘッド11が、後続の媒体7が施与される表面3’の近くに配置される場合に、ノズル13から放出される複数の連続流17は、ノズルヘッド11と上記表面3’との間の相対運動の方向、すなわち走行方向Aに、撓みうる。この撓みは、ノズル13と上記表面3’との間の距離を増大させることによって低減されることができる。このようにして、連続流17は、上記動いている(媒体)表面によって変形されることなく、実質的に直線なままでありうる。
【0110】
図1の例示的な実施態様において、ノズルヘッド11は、特有の多ノズルパターンを有する。多くの可能なノズル構成が可能である。このノズル構成において、各ノズルアレイは、カバー幅全体Wにわたって完全で連続するカバーを有効にする為に、少なくとも1つの走行方向で見て、前のノズルアレイに対して隣接又は重複している。この重複の結果、複数の連続流は、複数のノズル及び媒体3の後続層7が施与される表面3’が互いに対して相対的に動かされた場合に、連続する実質的に均一の後続層を形成することができる。アレイ内のノズル間の最適の中心間ピッチを利用することによって、不均一性又は非平坦性が実際上最小化されることができる。1つの例において、実質的に0度の噴霧角を有するノズルの場合、媒体3の連続する均一の後続層7を施与する為に、該複数のノズルアレイのアレイの総数を掛けたノズル半径の約1.5~約1.9倍のピッチが有利であることが実証されている。ノズルピッチ及び/又はノズル直径は、所望される場合、結果として得られる層厚さプロファイルを調整する為に、変更されることができることが理解されるであろう。1つの例において、2つのアレイ間のピッチ(すなわち、ずれ)は、該ノズルヘッド及び/又は該後続層が施与される該表面の運動によってこれらの流れ(すなわち、噴射)が屈げられた場合に、複数のノズルから放出された連続流の衝突を防止する為に、ノズル直径の3~5倍であるように選択される。他のピッチ距離が選択されることもできることが理解されるであろう。該ノズルは、該複数の個別の交差しない連続流によって提供される該カバー区域が該カバー幅全体をカバーする限り、他の構成を有しうることが理解されるであろう。
【0111】
該複数のノズルから放出される該連続流の角度は、該媒体が施与される該表面に該連続流が当たることによって及ぼされる力を低減させるように調整されることができることが理解されるであろう。
【0112】
図2は、システム1の実施態様の側面概略図を示す。該システム1は、ステレオリソグラフィにおいて、3次元の物体、部分、構造、物品の作成の為に使用されることができる。該システム1は、複数の薄い媒体層を連続して固化することによって、複雑な3次元物体を自動的に造形させる為に使用されることができる。流体状の媒体3が、適当な刺激への露出によって固化可能である。該薄層の全てが全体的に3次元の物体を形成するように作成されるまで、後続の施与される媒体層7が、所定のパターンに従って、互いに重なり合って固化/硬化される。1つの例において、流体状媒体3は、紫外(UV)放射への露出によって重合及び固化されることができる液体状フォトポリマー樹脂である。それぞれの重合された媒体層は、所望の3次元物体の薄い断面を形成する。他のタイプの材料も使用されることができる。多くの変形例が可能である。
【0113】
例えば、媒体3としてのポリマーは、UV光によってキュアされることができ、キュアリング速度は、合理的に利用可能なUV光を使用して十分に速い。媒体面にわたって所定のパターンで動かされる小さく強力なUVスポットを生成する為に、紫外レーザー21が配置される。該システム1は、コンピュータ(図示せず)によって制御され、精密で複雑なパターンが製造されることができる。
【0114】
該システム1は、媒体3の層を施与する為のコータ23をさらに含み、コータ23は、互いに間隔を空けられた複数のノズル13(図示せず)を含むノズルヘッド11を備えており、各ノズル13は開口区域を有し、該開口区域を通して、媒体3の連続流17が、支持体5、該支持体上の該媒体の層、及び/又は該物体の既に形成された部分上のカバー区域19に当たるように放出可能である。複数のノズル13は、複数のノズル13から放出された連続流17間の交差を防止するように配置される。ノズルヘッド11は、少なくとも1つの走行方向Aに支持体5に対して相対的に可動である。ノズルヘッド11は、複数のノズル13を通して、少なくとも1つの走行方向Aにカバー幅全体Wをカバーするカバー区域19を有する連続流17を放出するように構成される。支持体は、垂直方向に可動であることができる。ノズルヘッド11を用いて、薄く実質的に均一な厚さの媒体(例えば、液体状樹脂)が、表面上に選択的に施与されることができる。
【0115】
図3は、媒体3の後続層7が施与される表面3’上のカバー区域19の上面概略図を示す。図3(a)~(c)で、カバー区域19は、図示の実施態様において実質的に円形の形状であるが、他の形状も可能である。多くの形状の変形例も可能である。
【0116】
複数のノズル13のそれぞれは、連続する線に沿って連続する媒体経路を堆積させるように構成されうる。経路は、少なくとも1つの走行方向Aに応じて直線又は曲線でありうる。
【0117】
複数のノズル13から排出された個々の連続流17は、少なくとも1つの走行方向Aにおける相対運動中でも、連続流17間の交差又は接触を防止するのに十分なほど分離される。また、該媒体の該後続層が施与される表面までの距離(すなわち、該連続流の長さ)は、途切れない連続流17を得るように選択される。
【0118】
連続流のカバー区域19は、少なくとも1つの走行方向Aにカバー幅全体Wをカバーする。さらに、少なくとも1つの走行方向Aに複数のノズル13から放出される連続流17のカバー区域19の経路は、少なくとも部分的に重複する。少なくとも1つの走行方向で見ると、重複領域25が形成されている。隣接するカバー区域の経路間の重複の結果、後続層7を施与する場合に、媒体3のより均一の分布が得られることができる。
【0119】
図3(a)で、ノズルヘッド11は、使用中に、互いにオフセットされている複数のカバー区域19アレイ27a、27bを提供するように構成された複数のノズル13を含む。複数のカバー区域19アレイ27a、27bは、少なくとも第1のカバー区域19アレイ27a及び第2のカバー区域19アレイ27bとして配置され、少なくとも1つの走行方向Aにおいて、該第1のアレイを形成するノズルの連続流17のカバー区域19の経路は、該第2のアレイのノズルの連続流17のカバー区域27bの経路と少なくとも部分的に重複する。
【0120】
図3(a)に示されている2行構成に隣接して、他のカバー区域19構成も用いられることができる。図3(b)の例示的な実施態様は、走行方向Aに相対的に可動のV字形のカバー区域19パターンを示す。該複数のカバー区域は、カバー幅全体をカバーしており、走行方向Aで見ると、重複領域25も含む。その結果、カバー区域19の経路は重複し、その結果、複数のノズル13を使用して、後続層7の実質的に均一の施与をもたらすことができる。
【0121】
図3(c)の例示的な実施態様において、3行構成が示されている。複数の後続アレイ内の複数のカバー区域19は、部分的な重複領域25が形成されるように移動される。少なくとも1つの走行方向Aにおいて、連続流17のカバー区域19は、カバー幅全体Wをカバーし、少なくとも1つの走行方向Aに複数のノズル13から放出された連続流17のカバー区域19の経路は、重複領域25に沿って少なくとも部分的に重複する。
【0122】
アレイ内のカバー区域のピッチ距離は、D*N*(0.5~1)に等しくすることができ、ここでDはカバー区域の直径であり、Nはノズルヘッドのアレイ/行の総数であり、(0.5~1)は範囲である。該ノズルヘッドの該複数のノズルアレイは、該少なくとも1つの走行方向において互いに離されうる。単一のアレイ内の該複数のノズルは、該少なくとも1つの走行方向に対して横断方向のピッチで離されうる。このようにして、ノズルの行列が得られることができる。任意的に、該ノズルアレイは、該少なくとも1つの走行方向に対して横断方向に互いに移動される。類似の構成が、該カバー区域について得られることができる。他の構成、例えば直線のアレイを使用しない構成、が使用されることができることが理解されるであろう。
【0123】
1つの例において、列内のそれぞれの個々のノズルに対して、直径の0.5~1倍の重複が該当する。第1の列の第1のノズルと次の列の第1のノズルとの間の距離は、N*D*[0.5~1]であることができ、Nはノズルヘッド(少なくとも1つの走行方向に互いにオフセットされている)のアレイの総数である。
【0124】
少なくとも1つの走行方向におけるアレイ間の距離は、該少なくとも1つの走行方向(すなわち、運動方向)における運動中に該連続流が互いに動くことを防止するように選択されることができる。1つの例において、該距離は、1.5*Dより大きい、より好ましくは2*Dより大きい、さらにより好ましくは3*Dより大きい、ように選択される。例えば、該アレイは、該少なくとも1つの走行方向に4*Dで離されうる。他の範囲/値も意図される。
【0125】
図4は、媒体3の後続層7が施与される表面3’に当たるカバー区域19の上面概略図を示す。この例において、カバー区域19に重複領域はない。このようにして、少なくとも1つの走行方向Aにおける該カバー区域の経路は重複していない。しかしながら、カバー区域19の構成は、上記経路が少なくとも1つの走行方向Aに互いに隣接するように選択される。このようにして、連続流17のカバー区域19は、カバー幅全体Wをカバーし、媒体3は、完全なカバー幅Wに沿って連続して放出されることができる。
【0126】
この例において、カバー区域19構成は、4つのアレイ又は行27a、27b、27c、27dを含む。異なる数のアレイ又は行が利用されうることが理解されるであろう。
【0127】
図5は、ノズルヘッド11の実施態様の底面概略図を示す。複数のノズル13が、ノズルヘッド11上に配置され、後続層7が施与される表面3’に対して少なくとも1つの走行方向Aに相対的に動かされる場合に連続する媒体層3を堆積させる為のパターンを形成する。ノズルヘッド11は、互いにオフセットされている複数のノズルアレイ29a、29b、29c、29dを含む。複数のノズルアレイ29a、29b、29c、29dは、該少なくとも1つの走行方向において、該ノズルアレイのノズル13の開口区域15が互いに隣接し又は部分的に重複するように配置される。アレイ29a、29b、29c、29d内のノズル13は、第1のノズル13aの開口区域の中心点から同じアレイ内の隣接するノズル13bの開口区域の中心点まで測定されるノズルピッチdyで離される。該ピッチは、媒体3の後続層7の均一且つ均等な施与を改善するように選択されることができる。さらに、隣接するアレイのノズル13は、少なくとも1つの走行方向Aにアレイピッチoだけオフセットされており、該アレイピッチは、該第1のアレイのノズルの開口区域の中心点を通る第1の線から第2のアレイのノズルの開口区域の中心点を通る第2の線まで測定される。アレイピッチoは、後続層7が施与される表面3’に対する走査ヘッド11の相対運動中に該連続流間の交差又は接触を回避するように選択されることができる。1つの例において、ノズルヘッド11の複数のノズル13は、媒体3の連続流を選択的に分注するように配置され、該ノズルは、該媒体を放出する為の調整可能な流量を有する。ノズル13当たりの流量は、個々の調整可能な制限(ノズル当たりのマイクロ流体弁又は加熱素子)を加えることによって調整されることができる。
【0128】
多材料再被覆を有効にする為に、グループ又は個々のノズルが、別個のリザーバから供給されることもできる。例えば、複数のノズル13の少なくとも2つのサブセットは、異なる材料を提供するように構成されることができ、第1のサブセットは、第1の材料を収容する第1のリザーバと流体連通し、第2のサブセットは、第2の材料を収容する第2のリザーバと流体連通する。
【0129】
1つの例において、後続の施与される媒体層の厚さが感知デバイスを用いて検査される制御ループが利用されうる。第1に、上層又は上面の高さプロファイルが測定され、その後、該媒体がノズルヘッド11を使用して施与される。該高さプロファイルは、所望の高さプロファイルと比較されることができ、ノズルヘッド11の複数のノズル13によって放出された該媒体は、該測定された高さプロファイルと所望の高さプロファイルとの差を補償するように選択又は調整されることができる。
【0130】
該ノズルの開口区域15は、ノズルオリフィス又はノズル出口を形成する。図5に示されている走査ヘッド11の複数のノズル13はそれぞれ、その開口区域15の周りに延在する縁壁31をさらに含む。ノズル縁壁31は、場合により液滴の形成をもたらす可能性のあるノズル13の周りの湿潤を防止する為に、開口区域15の周りに延びうる。湿潤は主に、該ノズルの該開口区域から放出される流量がより低い場合の問題である。この例において、ノズル縁壁31は円筒形である。
【0131】
ノズルヘッド11の複数のノズル13は、平坦な板33内に配置されうる。複数のノズル13の縁壁31は、上記板の湿潤を防止する為に、板33に対して外方へ延びうる。該板の湿潤は好ましくは、施与される後続層7の均一性又は平坦性にとって有害となるはずである、該後続の媒体層が施与される該表面上に落下する可能性のある該板上の媒体の液滴の形成を防止する為に、防止される。ノズル縁壁31は、連続流17が開口区域15から放出されてさらに成長すること(媒体3の液滴の形成を招く可能性がある)を実際上防止することができる。
【0132】
追加的に又は代替的には、平坦な板33は、該媒体が被覆に付着する可能性があることが防止されるように、疎水性被覆を有しうる。
【0133】
ノズルヘッド11のこのノズル配置は、ステレオリソグラフィを通して3次元物体を作成する為に使用されることができ、第1に、該複数のノズルを用いて、前の層(液体状又は前に固化されている)上に、媒体3の薄層が施与される。該媒体の薄層は、刺激(例えば、UV放射)に露出されると固化することが可能な液体状の重合可能な樹脂でありうる。次に、最後に施与された媒体層(すなわち、上層)の少なくとも1つの選択された部分を、上記少なくとも1つの部分を該刺激に露出させることにより、少なくとも部分的に固化することによって、該物体の次の層が形成されることができる。該少なくとも1つの部分は、上記物体の所与の点における断面形状に対応する。
【0134】
1つの例において、該ノズルアレイは、1000~10000マイクロメートル(すなわち、ノズルアレイピッチ)だけ隔置される。ノズルの該開口区域の直径は、例えば、250~450マイクロメートルの範囲内でありうる。
【0135】
図6は、堆積層厚さのグラフを示す。隣接するノズル間の最適のピッチは、該施与される後続の媒体層の均一性を改善するように選択されうる。図6(a)で、該少なくとも1つの走行方向に重複経路を有するカバー区域に対する層厚さに関するグラフが示されている。この例において、隣接するカバー区域の経路は、該複数のノズルアレイのアレイの総数を掛けたカバー区域(又は噴霧角が0度である場合は開口区)の半径の1.73の重複を有する。第1のカバー区域は、第1の媒体分布35aをもたらし、第2の、隣接するカバー区域は、第2の媒体分布35bをもたらす。第1の媒体分布35aと第2の媒体分布35bとの間には、重複領域37が存在する。図6(b)で、その結果得られる層厚さプロファイルが示されている(該走行方向における両方のカバー区域経路の寄与の加算)。実質的に均一の層厚さプロファイルが得られる。この例において、最適のピッチは、様々なプロセス変数、例えば開口区域の半径、噴霧角、ノズル角、ノズルの向き、該媒体の流体特性など、に依存し、しかしそれに限定されない。次に、該施与された後続の媒体層は、造形されている該部分の固体又は硬化された層を形成する為に、相乗効果的な放射への露出によって、硬化/固化されることができる。
【0136】
図7は、連続流の長さと媒体速度の関係に関するグラフを示し、媒体堆積安定性の表示を提供する。複数のノズル13のそれぞれの下流において、該後続層が施与される表面3’(例えば、媒体桶又は拘束面)に接触する安定した流体状の円形連続流17がもたらされることができる。媒体3の堆積された後続層7の層厚さは、流量及び走査速度(すなわち、少なくとも1つの走行方向Aにおける複数のノズル13の速度)の比によって制御されることができる。有利には、複数のノズル13は、作動距離、すなわちノズル開口区域15(すなわち、出口オリフィス)と媒体3の後続層7が施与される表面3’との間の距離、が、限界崩壊長さより小さくなるように構成されることができる。図7のグラフに示されているように、該実験は、特定の媒体放出流量の場合、安定した連続流17が得られることができることを示している。例えば、約360マイクロメートルのノズル直径の場合、許容できる媒体速度に対して、少なくとも10mmの安定した噴射長さが得られることができる。この長さは、媒体速度の点で、薄い媒体層を有する為に所望される高粘性の液体の場合により容易に得られる。
【0137】
異なるタイプの樹脂(すなわち、媒体)に関して、連続流の長さ(垂直軸)が媒体流速(水平軸)の関数として示されている。異なる樹脂は、異なる粘性を有する。高い粘性を有する樹脂を利用することによって、より遅い流速で連続流17を得ることが可能である。グラフ内の線はより急勾配であり、すなわち、媒体流速が速ければ速いほど、連続流の長さが大幅に大きくなることを意味する。このようにして、複数のノズル13から放出された媒体速度は、該連続流が安定しており、少なくとも媒体3の後続層7が施与される表面3’に接触するまで崩壊しないことを確実にするように選択されることができる。
【0138】
図8は、ノズルヘッド11の例示的な実施態様の斜視概略図を示す。図8(a)で、ノズルヘッド11は、複数のノズル13を含む一体の媒体放出/排出手段であり、複数のノズル13は、独立したノズルでありうる。ノズルヘッド11は、モノリシックの一体構造を形成しうる。該ノズルヘッドはまた、他の特徴、例えば固化手段としてのレーザー、を含みうる。このようにして、ステレオリソグラフィ用(stereolithographic)システムのより小型の設計が得られることができる。図8(b)で、ノズルヘッド11は、例えば保持手段によって互いに保持されている複数の個別のノズル13によって形成される。図8(a)及び図8(b)の該実施態様の該ノズルヘッドにおいて、少なくとも1つの走行方向Aにおいて、連続流17のカバー区域19は、カバー幅全体Wをカバーする。追加的に、少なくとも1つの走行方向Aに複数のノズル13から放出される連続流17のカバー区域19の経路は、互いに隣接し、又は少なくとも部分的に重複する。このようにして、媒体3の後続層7の実質的に均等又は均一の分布が得られることができる。
【0139】
図9は、ノズル13から放出される該媒体の2つの異なる流速に対する縁壁31を有するノズル13の側面図を示す。縁壁31は、様々な形状を有しうる。例えば、縁壁31はまた、隆起によって形成されうる。他の形状(例えば、鋭い縁部)がまた、用いられることができる。縁壁31は、疎水性被覆とさらに組み合わされうる。
【0140】
図10は、経路35を有するカバー区域19の上面図を示す。カバー区域19の経路は、走行方向Aにおける該カバー区域の相対運動によって得られる。この例において、3行構成が示されている。複数の後続アレイ内の複数のカバー区域19は、部分的な重複領域25が形成されるように移動される。少なくとも1つの走行方向Aにおいて、連続流17のカバー区域19は、カバー幅全体Wをカバーし、少なくとも1つの走行方向Aに複数のノズル13から放出された連続流17のカバー区域19の経路は、重複領域25に沿って少なくとも部分的に重複する。示されている例において、カバー区域19及び該媒体が施与される該表面は、方向Xに相対的に動かされ、その結果、それぞれの部分的に重複する経路35が生じる。このようにして、方向Xに単一の行程又は走行を実行することによって、完全なカバーが得られることができる。
【0141】
図11は、走行方向に相対的に動かされて経路35を形成するカバー区域19の上面図を、異なる時間工程で示す。この例において、該走行方向で見ると、カバー区域19の重複が存在しない。少なくとも1つの走行方向Aに複数の走行(それぞれ図(a)~図(c)参照)を実行することによって、後続層が設けられる。図11(a)は、第1の走行を示し、少なくとも1つの走行方向Aに複数のノズル13から放出された該連続流のカバー区域19の経路35は、互いに離されており、経路35間に、カバーされていない領域37が存在する。次に、1以上の追加の走行(図11(b)、図11(c)参照)を実行することによって、カバーされていない領域37がカバーされ、該1以上の追加の走行を実行する前に、カバー区域19は、カバー区域19の経路35が、該追加の走行中に、カバーされていない領域37の少なくとも一部分をカバーするように、走行方向に対して横断方向Yに移動される。
【0142】
従って、該追加の後続の走行中に、該カバー区域は、該第1の走行からの前にカバーされていない領域37を完全にカバーするように、相対的に移動されることができる。このようにして、該媒体の均一の施与される層が得られることができる。示されている例において、該最初の走行中に、所定のピッチを有する線状パターンが堆積される。該複数のカバー区域は、該走行方向に対して横断方向(Y方向)に相対的に動かされる。この例において、該ノズルヘッドは、2分の1のピッチで移動される。しかしながら、他の移動がまた、実行されることができる。次に、図11(b)に示されているように、追加の走行、すなわち第2の再被覆行程が、少なくとも領域37のうち、該最初の走行を実行することによって前にカバーされていない部分内に、線状パターンを堆積させるように実行される。さらなる追加の走行、すなわち第3の再被覆行程において、該線状パターンは、カバー幅全体Wをカバーするように堆積される。次に、該ノズルヘッドは、次の後続層を施与する為に前述の工程を繰返し実行する前に、該走行方向に対して横断方向(例えば、-Y方向)に戻されることができる。
【0143】
図12は、固化可能な媒体から物体を層状に形成する為の方法1000の概略図を示す。第1の工程1001で、該物体は、支持体上に及び/又は該物体の既に形成された部分上に該媒体の層を繰返し提供することによって、層状に造形される。第2の工程1002で、次に、該媒体の該層の1以上の所定の区域が、特定のパターンに従って固化され、その後、後続層が同様に形成される。これらの工程は、所望の幾何形状を有する該物体を層状に形成するように、繰返し実行される。さらに、該媒体の該後続層は、互いに間隔を空けられた複数のノズルを備えているノズルヘッドを使用して施与される。各ノズルは開口区域を有し、該開口区域を通して、該後続層の施与中に、該媒体の連続流が、該支持体の上及び/又は該物体の該既に形成された部分の上の該媒体の該層上のカバー区域に当たるように放出され、該複数のノズルは、交差しない連続流を提供するように配置される。該ノズルヘッド及び該支持体は、少なくとも1つの走行方向において互いに対して相対的に可動であり、該少なくとも1つの走行方向において、該連続流の該カバー区域は、カバー幅全体をカバーする。
【0144】
該少なくとも1つの走行方向に沿ってノズルによって提供される該連続流の該カバー区域の経路は、該ノズルヘッドの他のノズルの他の連続する媒体送達経路とともに均一の媒体層を施与する連続する媒体送達経路として考慮されることができる。該方法は、有利な高さ分布又は均一性で、高粘性樹脂の非接触堆積を有効にする。
【0145】
該媒体は、露出を提供することによって硬化されることができる感光性組成物を有しうる。本発明に従う方法及びシステムは、ハイテク市場、宇宙市場、医科及び歯科産業、電子機器産業などに対する物体を作成する為に使用されることができる。
【0146】
図13は、ノズルでの滴形成を示す。例えば再被覆プロセスを開始する場合に、該ノズルで形成される滴40が互いに触れるのを防止する為に、最小の中心間距離が、隣接するノズル間で選択されることができる。
【0147】
最小距離は、様々な要因、例えば該ノズルの配置、リコータの構成、再被覆の為に使用される樹脂、ノズル直径、該樹脂の密度及び表面張力など、に依存しうることが理解されるであろう。1つの実施態様において、該最小の中心間距離は、少なくとも1.8mm、より好ましくは少なくとも2mm、さらにより好ましくは少なくとも2.2mm、である。
【0148】
様々なノズルの中心間距離は、該ノズルに形成される滴40が互いに触れるのを防止するように選択されることができる。しかしながら、多くの実際の事例において、これは、該最小のノズルの中心間距離≧2.5mmである場合に保証されることができる。該流体の重量は、表面張力によって均衡されることができる。
【0149】
【数1】
【0150】
前述の内容は、例示的な実施態様の場合、該ノズルで滴に接触するのを防止する為に、2つの隣接するノズルの最小の中心間距離の表示を与える。
【0151】
図14は、例示的なセットアップの概略図を示す。1つの実施態様において、該セットアップは、該ノズルを通して流れパルスを含む放出流を生成するように構成されることができる。該流れパルスは、媒体の連続流の放出の最初の開始中に提供されることができる。該パルスの結果、該ノズルを通した媒体の連続流の放出の開始中に流速のピークが生じうる。
【0152】
1つの例において、該ノズルを通して該媒体の該連続流を放出する前に、最初の放出中に流れの速度のパルスを得る為に、圧力が蓄積される。最初のピーク流は、該ノズルを通した該樹脂の放出が開始される場合に得られることができる。このようにして、有利な放出開始方法が得られることができる。
【0153】
該中心間距離がかなり小さい、例えば2.2mmより小さい場合でも、噴射は依然として、該ポンプがオンに切り換えられる前に、該ノズルヘッドへの供給部内のバルブを閉じることによって作成されることができる。該バルブを閉じた結果、流体圧力が蓄積することができる。次に該バルブを開くことによって、圧力パルス又は流れパルスが作成され、瞬時に噴射をもたらす。
【0154】
蓄積圧力は、噴射が互いに相互作用して個々の噴射の発散をもたらすことを防止する為に、噴射レジームに直接入ることを確実にすることができる。図14で、Pvalveは、該バルブの樹脂入口における圧力であり、Pは、周囲圧力であり、Rは、バルブから該ノズルへの水圧抵抗であり、Rは、該ノズルにおける水圧抵抗である。
【0155】
図15は、例示的なセットアップの概略図を示す。該セットアップは、該ノズルを通した媒体の流れの放出が停止した場合に、該ノズルヘッドの湿潤を防止する為に、該ノズルヘッド内へ空気が射出されるように構成されることができる。
【0156】
該媒体の放出は、放出期間の終わりに該ノズルを通して空気を案内することによって、有利に停止されることができる。これは、様々な方法で実施されることができる。例えば、リコータ面全体の最終的な滴下及び湿潤を防止する為に、加圧空気がリコータ内へ射出されて該樹脂を高流量でリコータから押し出すように、3方弁が使用されることができる。図15で、Pは、該バルブの空気供給入口における圧力であり、Pは、周囲圧力であり、Rは、バルブから該ノズルへの水圧抵抗であり、Rは、該ノズルにおける水圧抵抗である。
【0157】
図16は、異なる動作レジームを示す。樹脂の連続シートを堆積させる為に、噴射が屈がるのを防止することが所望される。上記屈げの結果、放出された樹脂の連続流が崩壊し、この流れを不連続にする可能性がある。少なくとも噴射の高さ、流量、及び基体速度が、噴射の屈げに影響しており、図16に示されているグラフを参照されたい。例示的な実施態様の場合、噴射の屈げは、高さ及び流量が十分に大きい(例えば、噴射当たり1.5ml/分、及び60mmの高さ)場合、幅広い範囲の基体速度に対して防止されうる。
【0158】
図17a及び図17bは、2つの例示的なノズル配置を示す。速い基体速度(例えば、0.5m/秒超)で連続シートを得る為に、リコータは、該堆積される線が十分に重複するように構成されうる。該噴射は、表面張力によって、落下する場合に収縮する傾向がある為、該堆積される線の幅は、ノズル直径より小さくすることができる。例えば、360μmのノズル、1.5ml/分の流量、及び60mmの高さの場合、該堆積される線の幅は、約200μmでありうる(例えば、図19に示されている実験結果を参照)。頑強なシート堆積の為に、該堆積された線は、例えば、約100μmの重複を有しうる。しかしながら、粘性メニスカス間の即座の融合を有する為に、他の値も可能である。例えば、提案される重複は好ましくは、80~120μmの範囲内でありうる。
【0159】
100μmの重複を有する1つの例において、該重複及びノズル中心間距離要件を満たす為に必要とされる傾斜角は2.30であり、最終的に、該基体の幅方向に沿って連続シートを形成する為に、1列当たり25個のノズルが必要とされる。
【0160】
図17(a)で、該重複は311μmである。堆積の瞬間に、111μmの間隙が設けられる(すなわち、重複なし)。図17(b)で、該重複は100μmである。堆積の瞬間に、間隙は設けられない(すなわち、即座の重複あり)。
【0161】
図18は、下流位置における噴射の形状/直径を予測する為のモデルを示す。このモデルは、該ノズルから放出された噴射の形状の計算を可能にする。従って、該モデルは、該リコータを設計及び/又は構成する為に用いられることができる。
【0162】
図19は、異なる噴射形状を示す。図19(a)は、1.5ml/分の固定流量で、該噴射形状に対する粘性の作用を示す。図19(b)は、1.827Pa・sの固定粘性で、噴射形状に対する流量の作用を示す。図19のどちらのグラフでも、軸方向距離(z)が、径方向距離a(z)に対してグラフ化されている。該モデル及び実験結果から、満足のいく一致が得られる。流量は、粘性より噴射径に対して支配的な作用を有する。従って、実証されている該モデルは、下流位置における噴射径を概算する為に使用されることができる。示されている結果は、重力によって下方へ動く場合に、噴射が径方向に収縮することを示す。
【0163】
図20は、異なる例示的な方法を使用して連続シート形成を得る為の走査方策を示す。図20(a)において、第1の走査及び第2の走査を含むインターレーシングが利用され、該第1の走査と該第2の走査との間で、該リコータは、y方向に距離bだけ変位させられる。図20(b)において、第1の走査及び第2の走査を含む2走査ステッチングが利用され、該第1の走査と該第2の走査との間で、該リコータは、該y方向に沿ってaの距離だけ変位させられる。図20(c)において、媒体材料の連続する後続のシートを形成する為に、単一の走査を含む単一の走査堆積が示されている。
【0164】
該堆積された連続シートの厚さプロファイルは、リコータ速度に依存することができる。
【0165】
本明細書及び特許請求の範囲において、例で使用されるものを含み、別途明示的に指示されない限り、全ての数字は、その語が明示的に現れていない場合でも、「約(about)」又は「約(approximately)」という単語によって前置きされる場合と同様に読まれうる。「約(about)」又は「約(approximately)」という語句は、大きさ及び/又は位置について説明する場合に、説明されている値及び/又は位置が値及び/又は位置の合理的な予期範囲内であることを示す為に使用されうる。例えば、数値は、記載の値(又は値の範囲)の±0.1%、記載の値(又は値の範囲)の±1%、記載の値(又は値の範囲)の±2%、記載の値(又は値の範囲)の±5%、記載の値(又は値の範囲)の±10%などの値を有しうる。本明細書に言及されるあらゆる数値範囲は、その範囲内に包含される全ての下位範囲を含むことが意図される。
【0166】
「第1」及び「第2」という語は、様々な特徴/要素について説明する為に、本明細書で使用されうるが、これらの特徴/要素は、文脈が別途示さない限り、これらの語によって限定されるべきではない。これらの語は、1つの特徴/要素を別の特徴/要素から区別する為に使用されうる。従って、本発明の教示から逸脱することなく、以下に論じられる第1の特徴/要素は、第2の特徴/要素と呼ばれることもでき、同様に、以下に論じられる第2の特徴/要素は、第1の特徴/要素と呼ばれることもできる。
【0167】
空間的に相対的な語、例えば「下(under)」、「下(below)」、「下(lower)」、「上(over)」、「上(upper)」などは、図に示されている1つの要素又は特徴と別の要素又は特徴との関係について説明する為の説明を容易にする為に、本明細書で使用されうる。空間的に相対的な語は、図に示されている向きに加えて、使用又は動作中のデバイスの異なる向きを包含することが意図されることが理解されるであろう。例えば、図中のデバイスが反転させられた場合、他の要素又は特徴の「下(under)」又は「下(beneath)」として説明される要素は、他の要素又は特徴の「上(over)」として方向付けされるはずである。従って、「下(under)」という例示的な語は、上(over)及び下(under)の両方の向きを包含することができる。デバイスは、別の形で方向付けされ得(90度又は他の向きに回転される)、ここで、本明細書で使用される空間的に相対的な記述語は、それに応じて解釈される。同様に、「上方(upwardly)」、「下方(downwardly)」、「垂直(vertical)」、「水平(horizontal)」などの語は、具体的に別途示されない限り、説明のみの目的で、本明細書で使用される。
【0168】
本明細書において、特徴又は要素が別の特徴又は要素「上(on)」に位置すると参照される場合に、該特徴又は要素は、他方の特徴若しくは要素上に直接位置することができ、又は介在する特徴及び/若しくは要素も存在しうる。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素「上に直接(directly on)」位置すると参照される場合に、介在する特徴又は要素は存在しない。特徴又は要素が別の特徴又は要素に「接続(connected)」、「取り付け(attached)」、又は「結合(coupled)」されていると参照される場合に、該特徴又は要素は、他方の特徴又は要素に直接接続、取り付け、若しくは結合されることができ、又は介在する特徴若しくは要素が存在しうることも理解されるであろう。対照的に、特徴又は要素が別の特徴又は要素に「直接接続(directly connected)」、「直接取り付け(directly attached)」、又は「直接結合(directly coupled)」されていると参照される場合に、介在する特徴又は要素は存在しない。1つの実施態様に関して説明され又は示されている場合でも、そのように説明され又は示されている特徴及び要素は、他の実施態様に該当することができる。別の特徴に「隣接(adjacent)」して配置される構造又は特徴は、隣接する特徴に重複し又は隣接する特徴の下に位置する部分を有しうることも、当業者には理解されよう。
【0169】
該方法は、コンピュータ実施工程を含みうることが理解されるであろう。全ての前述の工程は、コンピュータ実施工程であることができる。実施態様は、コンピュータ装置を備えうるものであり、プロセスは、コンピュータ装置内で実行される。本発明はまた、本発明を実行するように適合されたコンピュータプログラム、特にキャリア上又はキャリア内のコンピュータプログラムに及ぶ。該プログラムは、ソース若しくはオブジェクトコードの形態、又は本発明に従うプロセスの実装で使用する為に好適な任意の他の形態でありうる。該キャリアは、該プログラムを載せることが可能な任意の実体又はデバイスでありうる。例えば、該キャリアは、記憶媒体、例えばROM、例えば半導体ROM又はハードディスクを備えうる。さらに、該キャリアは、電気若しくは光ケーブル又は無線若しくは他の手段を介して、例えばインターネット若しくはクラウドを介して搬送されうる伝送可能キャリア、例えば電気又は光信号でありうる。
【0170】
幾つかの実施態様は、例えば、命令又は命令セットを記憶しうる機械又は有形のコンピュータ可読媒体若しくは物品を使用して実施され得、ここで、該命令又は命令セットは、機械によって実行される場合、該機械に実施態様に従う方法及び/又は動作を実行させうる。
【0171】
様々な実施態様が、ハードウェア要素、ソフトウェア要素、又は両方の組み合わせを使用して実施されうる。ハードウェア要素の例は、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuits)、プログラマブル論理デバイス(PLD:programmable logic devices)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processors)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、論理ゲート、レジスタ、半導体デバイス、マイクロチップ、チップセットなどを含みうる。ソフトウェアの例は、ソフトウェア構成要素、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、機械プログラム、オペレーティングシステムソフトウェア、移動アプリ、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、関数、コンピュータ実施方法、手続き、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API:application program interfaces)、方法、命令セット、コンピューティングコード、コンピュータコードなどを含みうる。
【0172】
本明細書において、本発明は、本発明の実施態様の特有の例を参照して記載されている。しかしながら、本発明の本質から逸脱することなく、様々な修正、変形、代替、及び変更が加えられうることが明らかである。明確さ及び簡潔な説明の目的で、特徴は、同じ又は別個の実施態様の一部として本明細書に説明されているが、これらの別個の実施態様に記載されている特徴の全て又は幾つかの組み合わせを有する代替の実施態様がまた、特許請求の範囲に略述される本発明の枠組み内に入ることが意図及び理解されるであろう。従って、明細書、図、及び例は、限定ではなく例示と見なされるべきである。本発明は、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内に入る全ての代替形態、修正形態、及び変形形態を包含することが意図される。さらに、説明されている要素の多くは、個別若しくは分散された構成要素として又は任意の好適な組み合わせ及び位置で他の構成要素とともに実施されうる機能的実体である。
【0173】
特許請求の範囲において、括弧内に配置される任意の数値符号は、特許請求の範囲を限定すると解釈されるものでない。「備える、含む(comprising)」という単語は、特許請求の範囲に列挙されたもの以外の特徴又は工程の存在を除外しない。さらに、「a」及び「an」という単語は、「1つのみ(only one)」に限定されると解釈されるものではなく、代わりに「少なくとも1つ(at least one)」を意味する為に使用され、複数を除外しない。相互に異なる請求項において特定の方策が引用されていることだけで、これらの方策の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものでない。
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図3(c)】
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9
図10
図11(a)】
図11(b)】
図11(c)】
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19A
図19B
図20