(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】アンテナ、基板、及び通信装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 9/04 20060101AFI20230718BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
H01Q9/04
H01Q21/24
(21)【出願番号】P 2020562863
(86)(22)【出願日】2019-10-29
(86)【国際出願番号】 JP2019042307
(87)【国際公開番号】W WO2020137137
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】P 2018243860
(32)【優先日】2018-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】小坂 圭史
(72)【発明者】
【氏名】鳥屋尾 博
(72)【発明者】
【氏名】半杭 英二
(72)【発明者】
【氏名】松永 泰彦
【審査官】赤穂 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/073703(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/027824(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0212308(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/04
H01Q 21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形の導体板の各辺にアンテナ素子を1つずつ備え、
前記アンテナ素子のそれぞれは、
リングの一部がスプリット部によって切断された形状のスプリットリング導体と、
給電線と、
を備え、
前記給電線は、
前記スプリットリング導体と電気的に接続され、
前記スプリットリング導体の内側に形成された領域を跨ぐ方向に延伸され、
4つの前記アンテナ素子のうち、前記導体板における対向する任意の2辺に備えられた2つの前記アンテナ素子は、
偏波方向の電界の向きが略同一となるよう、それぞれが備える前記給電線を介して給電される、
アンテナ。
【請求項2】
4つの前記アンテナ素子のうち、前記導体板における隣接する任意の2辺に備えられた2つの前記アンテナ素子のそれぞれにおける各中心同士の距離が、
前記アンテナの共振周波数における電磁波の真空波長の略1/5以下である、
請求項1に記載のアンテナ。
【請求項3】
4つの前記アンテナ素子のうち、前記導体板における隣接する任意の2辺に備えられた2つの前記アンテナ素子は、
それぞれが備える前記給電線を介して給電される信号の位相差が90度である、
請求項1または2に記載のアンテナ。
【請求項4】
略長方形の導体板を備え、
アンテナ素子を前記導体板の各辺に1つずつ取り付けられるよう、前記アンテナ素子におけるグランド端子に対応する端子を備え、
前記導体板における対向する任意の2辺に備えられる前記アンテナ素子の偏波方向の電界の向きが略同一となるように前記アンテナ素子のそれぞれが給電線を介して給電されるよう、前記給電線における端子に対応する端子を備え、
前記アンテナ素子のそれぞれは、
リングの一部がスプリット部によって切断された形状のスプリットリング導体と、
前記給電線と、
前記導体板から切り離されている前記グランド端子と、
を備え、
前記給電線は、
前記スプリットリング導体と電気的に接続され、
前記スプリットリング導体の内側に形成された領域を跨ぐ方向に延伸されている、
基板。
【請求項5】
前記アンテナ素子が前記導体板の各辺に1つずつ取り付けられた場合に、前記導体板における隣接する任意の2辺に備えられることとなる2つの前記アンテナ素子のそれぞれにおける各中心同士の距離が、前記アンテナ素子の共振周波数における電磁波の真空波長の1/5以下となるように構成された、
請求項4に記載の基板。
【請求項6】
前記アンテナ素子が前記導体板の各辺に1つずつ取り付けられた場合に、前記導体板における隣接する任意の2辺に備えられることとなる2つの前記アンテナ素子のそれぞれに対して給電される信号の位相差が90度となるよう構成された、
請求項4または5に記載の基板。
【請求項7】
請求項1から3のいずれかに記載のアンテナを備える、
通信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、アンテナ、基板、及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置に用いられる小型アンテナとして、スプリットリング共振器を用いたアンテナが知られている。
例えば、特許文献1に、スプリットリング共振器を備えた略長方形の導体板が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1におけるアンテナを2偏波化するため、単に、特許文献1における導体板の、スプリットリング共振器が備えられている辺と隣接する辺に、さらにスプリットリング共振器を備えた場合、2つの偏波間の放射パタンの直交性が確保できない、という課題が本願発明者により見出された。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示のある態様に係るアンテナは、例えば、略長方形の導体板の各辺にアンテナ素子を1つずつ備えたアンテナであって、前記アンテナ素子のそれぞれは、リングの一部がスプリット部によって切断された形状のスプリットリング導体と、給電線と、を備え、前記給電線は、前記スプリットリング導体と電気的に接続され、前記スプリットリング導体の内側に形成された領域を跨ぐ方向に延伸され、4つの前記アンテナ素子のうち、前記導体板における対向する任意の2辺に備えられた2つの前記アンテナ素子は、偏波方向の電界の向きが略同一となるよう、それぞれが備える前記給電線を介して給電される、アンテナであってもよい。本開示のある態様に係る基板は、例えば、略長方形の導体板を備える基板であって、アンテナ素子を前記導体板の各辺に1つずつ取り付けられるよう、前記アンテナ素子におけるグランド端子に対応する端子を備え、前記導体板における対向する任意の2辺に備えられる前記アンテナ素子の偏波方向の電界の向きが略同一となるように前記アンテナ素子のそれぞれが給電線を介して給電されるよう、前記給電線における端子に対応する端子を備え、前記アンテナ素子のそれぞれは、リングの一部がスプリット部によって切断された形状のスプリットリング導体と、前記給電線と、前記導体板から切り離されている前記グランド端子と、を備え、前記給電線は、前記スプリットリング導体と電気的に接続され、前記スプリットリング導体の内側に形成された領域を跨ぐ方向に延伸されている、基板であってもよい。本開示のある態様に係る通信装置は、例えば、本開示のある態様に係るアンテナを備える、通信装置であってもよい。
【発明の効果】
【0006】
本開示における様々な態様によれば、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な2偏波アンテナ並びに当該アンテナ用の基板及び通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図15】本開示のある態様に係るアンテナにおける給電回路図の例
【
図16】本開示のある態様に係るアンテナにおける給電回路図の例
【
図17】本開示のある態様に係るアンテナにおける給電回路図の例
【
図22】本開示のある態様に係るアンテナにおける給電回路図の例
【
図29】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図30】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図31】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図32】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図33】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図34】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【
図35】本開示のある態様に係る基板の例と、本開示のある態様に係るアンテナ素子の例と、の接続態様の例
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示におけるすべての態様は、例示に過ぎず、その他の例の本開示からの排除を意図するものでも、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲の限定を意図するものでもない。
【0009】
本開示における各態様同士の組み合わせに係る記載を、一部省略する場合があるかもしれない。その省略は、説明の簡略化を意図するものであり、本開示からの排除を意図するものでも、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲の限定を意図するものでもない。その省略の有無に関わらず、本開示における各態様同士のすべての組み合わせは、本開示に、明示的、暗示的、または内在的に、含まれる。すなわち、その省略の有無に関わらず、本開示における各態様同士のすべての組み合わせは、本開示から、直接的かつ明確に、導くことができる。
【0010】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナは、
図1, 2のように、略長方形の導体板a1の各辺にアンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) を1つずつ備えたアンテナA1であって、アンテナ素子a2のそれぞれは、リングの一部がスプリット部a21 (a21-1, a21-2, a21-3, a21-4) によって切断された形状のスプリットリング導体a22 (a22-1, a22-2, a22-3, a22-4) と、給電線a23 (a23-1, a23-2, a23-3, a23-4) と、を備え、給電線a23は、スプリットリング導体a22と電気的に接続され、スプリットリング導体a22の内側に形成された領域a24を跨ぐ方向に延伸され、4つのアンテナ素子a2のうち、導体板a1における対向する任意の2辺に備えられた2つのアンテナ素子a2 (a2-1とa2-3、または、a2-2とa2-4) は、偏波方向の電界の向きが略同一となるよう、それぞれが備える給電線a23を介して給電される、アンテナA1であってもよい。
【0011】
例えば、導体板a1は、基板B1に備えられてもよい。
【0012】
例えば、アンテナ素子a2は、
図3~14のような態様や、それらの変形でもよい。
例えば、
図1, 2は、
図3におけるアンテナ素子a2やその変形を各辺に備えたアンテナA1を例示しているが、アンテナA1における各アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) は、
図4~14における任意のアンテナ素子a2や、それらの変形でもよい。
【0013】
例えば、スプリット部a21は、なにも満たされていなくてもよいし、樹脂等が満たされていてもよい。
例えば、スプリット部a21は、どのような形状でもよく、直線、曲線、折れ線等、の形状でもよい。
例えば、スプリット部a21は、ミアンダ形状でもよい。ミアンダ形状という文言には、つづら折り形状、櫛歯形状、インターデジタル構造に基づく形状等、の文言で称される概念が、含まれるものとする。例えば、ミアンダ形状は、直線、曲線、折れ線等、の組み合わせによって形成される。
【0014】
例えば、スプリットリング導体a22は、板金で形成されていてもよい。
例えば、スプリットリング導体a22は、どのような形状でもよく、方形リングに沿った略C字形状に基づく形状でも、円形リング、楕円形リング、トラックリング等、その他様々なリングに沿った形状に基づく形状でもよい。
例えば、スプリットリング導体a22の内側に形成された領域a24は、どのような形状でもよく、正方形や長方形等の多角形の形状でも、円や楕円等の形状でもよい。
例えば、スプリットリング導体a22における、スプリット部a21を挟む部分に、補助導体が備えられていてもよい。補助導体は、スプリットリング導体a22と、同一の層に設けられていてもよいし、異なる層に設けられていてもよい。
【0015】
「給電線a23が、スプリットリング導体a22と電気的に接続される」という文言には、導体が直接接続されることによる電気的接続と、EM給電等のワイヤレス給電に係る電気的接続と、の両方の概念が含まれるものとする。
例えば、給電線a23は、スプリットリング導体a22におけるどの部分に接続されていてもよく、接続箇所を調節することで、RF回路とアンテナ素子a2とのインピーダンスを整合することができる。
例えば、給電線a23は、スプリットリング導体a22とは別の層に設けられ、例えばビア等を介してスプリットリング導体a22に接続されてもよい。
例えば、給電線a23は、スプリットリング導体a22が存在する層とは同一の層に設けられ、領域a24内で延伸されてもよく、さらに、スプリットリング導体a22や導体板a1に設けられたクリアランスに沿って延伸されてもよい。
例えば、給電線a23は、伝送線路等の電線で形成されていてもよく、板金で形成されていてもよい。
例えば、スプリットリング導体a22と、給電線a23の板金部分と、は、1枚の導体板からレーザ等で切り出すことにより、形成されてもよい。
【0016】
例えば、アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) への給電は、
図15における回路
図Pのような態様により実現されてもよい。
例えば、
図15では、アンテナ素子a2-1及びアンテナ素子a2-3は、給電点a31によって給電され、アンテナ素子a2-2及びアンテナ素子a2-4は、給電点a32によって給電される。
「アンテナ素子a2-1とアンテナ素子a2-3は、偏波方向の電界の向きが略同一となるよう、それぞれが備える前記給電線a23を介して給電される」という特徴は、例えば、
図16, 17のような態様やその変形例で実現されてもよい。なお、アンテナ素子a2-2とアンテナ素子a2-4についても同様である。
例えば、
図16では、アンテナ素子a2-1及びアンテナ素子a2-3は、単に、給電点a31から給電されることで、アンテナ素子a2-1における偏波方向の電界の向きE1と、アンテナ素子a2-3における偏波方向の電界の向きE3と、が略同一となっている。
このとき、例えば、給電点a31から見た、アンテナ素子a2-1への給電線と、アンテナ素子a2-3への給電線とは、電気的に略等長な配線となっている。
例えば、
図17では、アンテナ素子a2-1は、単に、給電点a31によって給電され、アンテナ素子a2-3は、移相器a41 (例えば、180度移相器) を介した給電点a3によって給電されることで、スプリットリング導体a22と給電線a23との接続位置による影響が調節され、E1とE3とが略同一となっている。
【0017】
例えば、略長方形の導体板a1の1辺に1つのアンテナ素子a2 (a2-1) を備えたのみである場合は、当該アンテナ素子a2 (a2-1) に対応する偏波の放射パタンは、
図18のようになる。
したがって、例えば、当該アンテナ素子a2 (a2-1) が備えられた辺に隣接する辺に、さらにもう1つのアンテナ素子a2 (a2-2またはa2-4) を備えることにより、2偏波化しようとすると、両偏波の放射パタンの直交性は低くなってしまう。
対して、本開示のある態様に係るアンテナA1では、例えば、アンテナ素子a2-1とアンテナ素子a2-3に対応する偏波の放射パタンは、
図19のようになり、アンテナ素子a2-2とアンテナ素子a2-4に対応する偏波の放射パタンは、
図20のようになる。したがって、本開示のある態様に係るアンテナA1では、例えば、両偏波の放射パタンの直交性が高い。
すなわち、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な2偏波アンテナを提供できる。
【0018】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ (例えば、アンテナA1や、その変形例) は、
図21のように、4つのアンテナ素子a2のうち、導体板a1における隣接する任意の2辺に備えられた2つのアンテナ素子a2 (a2-1とa2-2、a2-2とa2-3、a2-3とa2-4、またはa2-4とa2-1) のそれぞれにおける各中心 (O1, O2, O3, O4) 同士の距離L(L12, L23, L34, L41) が、当該アンテナの共振周波数における電磁波の真空波長λの略1/5以下である、アンテナA2であってもよい。
【0019】
L12は、点O1と点O2を結ぶ線分の長さである。すなわち、L12は、点O1と点O2 の間の距離である。
L23は、点O2と点O3を結ぶ線分の長さである。すなわち、L23は、点O2と点O3 の間の距離である。
L34は、点O3と点O4を結ぶ線分の長さである。すなわち、L34は、点O3と点O4 の間の距離である。
L41は、点O4と点O1を結ぶ線分の長さである。すなわち、L41は、点O4と点O1 の間の距離である。
【0020】
例えば、略長方形の導体板a1におけるある隣接する2辺にのみアンテナ素子a2 (例えば、a2-1とa2-2のみ) を備えた2偏波アンテナの場合は、L (例えば、L12) がλの略1/5以下であった場合、両偏波の放射パタンの直交性は、低くなってしまう。
対して、本開示のある態様に係るアンテナA2では、例えば、L (L12, L23, L34,L41) がλの略1/5以下であった場合でも、両偏波の放射パタンの直交性が高い。
すなわち、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器を用いたより小型な2偏波アンテナを提供できる。
【0021】
例えば、本開示のある態様に係るアンテナ (例えば、アンテナA1、A2や、その変形例) は、
図22のように、4つのアンテナ素子a2のうち、導体板a1における隣接する任意の2辺に備えられた2つのアンテナ素子a2 (a2-1とa2-2、a2-2とa2-3、a2-3とa2-4、またはa2-4とa2-1) は、それぞれが備える給電線a23を介して給電される信号の位相差が90度である、アンテナA3であってもよい。
【0022】
例えば、当該90度の位相差は、
図22における回路
図Qのような態様やその変形例で実現されてもよい。
【0023】
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な円偏波アンテナを提供できる。
【0024】
例えば、本開示のある態様に係る基板は、
図23のように、略長方形の導体板a1を備える基板B1であって、アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) を導体板a1の各辺に1つずつ取り付けられるよう、アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) におけるグランド端子a25 (a25-1, a25-2, a25-3, a25-4) に対応する端子b1 (b1-1, b1-2, b1-3, b1-4) を備え、導体板a1における対向する任意の2辺に備えられるアンテナ素子a2 (a2-1とa2-3、または、a2-2とa2-4) の偏波方向の電界の向きが略同一となるようにアンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) のそれぞれが給電線a23 (a23-1, a23-2, a23-3, a23-4) を介して給電されるよう、給電線a23 (a23-1, a23-2, a23-3, a23-4) における端子に対応する端子b2 (b2-1, b2-2, b2-3, b2-4) を備え、アンテナ素子a2のそれぞれは、リングの一部がスプリット部a21によって切断された形状のスプリットリング導体a22と、給電線a23と、導体板から切り離されているグランド端子a25と、を備え、給電線23は、スプリットリング導体a22と電気的に接続され、スプリットリング導体a22の内側に形成された領域a24を跨ぐ方向に延伸されている、基板B1、であってもよい。
【0025】
略長方形という文言には、
図23のように、略長方形の形状から、例えばアンテナ素子a2の取り付け箇所等に対応する部分が切欠かれている形状が含まれるものとする。
【0026】
例えば、基板B1は、導体板a1を備える層を備えるとともに、その他の層を備えてもよい。
【0027】
例えば、アンテナ素子a2-1におけるグランド端子a25-1は、1つでもよく、複数でもよい。
したがって、グランド端子a25-1に対応する、基板B1における端子b1-1も同様に、1つでもよく、複数でもよい。
アンテナ素子a2-2, a2-3, a2-4におけるグランド端子a25-2, a25-3, a25-4についても同様であり、端子b1-2, b1-3, b1-4についても同様である。
【0028】
例えば、基板B1は、端子b2を含む、給電用導体パターンb3を備えてもよい。
例えば、給電用導体パターンb3は、導体板a1を備える層と同一の層に備えられてもよい。
例えば、給電用導体パターンb3は、
図24のように、アンテナ素子a2が基板B1に取り付けられた場合に、アンテナ素子a2 (領域a24も含むものとする) a24と対向することとなる基板B1の部分に、備えられてもよい。
例えば、給電用導体パターンb3は、
図25のように、アンテナ素子a2が基板B1に取り付けられた場合に、アンテナ素子a2 (領域a24も含むものとする) と対向することとなる基板B1 の部分以外の部分に、備えられてもよい。
例えば、
図15~
図17における回路図のような態様やその変形例が、基板B1における給電用導体パターンb3を備える層の別の層において実装されていてもよく、基板B1における給電用導体パターンb3を備える層の別の層において実装されていてもよい。
【0029】
例えば、
図25のように、アンテナ素子a2が基板B1に取り付けられた場合に、アンテナ素子a2 (領域a24も含むものとする) a24と対向することとなる基板B1の部分に、導体が存在しなくてもよい。
例えば、
図26のように、アンテナ素子a2が基板B1に取り付けられた場合に、アンテナ素子a2 (領域a24も含むものとする) a24と対向することとなる基板B1の部分に、導体b4が存在してもよく、導体b4は、導体板a1から電気的に切り離されていてもよい。
例えば、
図27, 28のように、アンテナ素子a2が基板B1に取り付けられた場合に、アンテナ素子a2 (領域a24も含むものとする) a24と対向することとなる基板B1の部分に、すでにアンテナ素子a2が備えられていてもよい。
【0030】
以上より、本開示のある態様では、例えば、
図29~35のように、グランド端子a25を端子b1に接続し、給電線a23における端子を対応する端子b2に接続することで、給電されたRF信号に応じた電流をアンテナ素子a2に流すことができる。
したがって、本開示のある態様によれば、例えば、アンテナ素子a2を、部品として単体で流通させたり、設計の要求に応じて柔軟に組み合わせたりすることができる。
すなわち、本開示のある態様によれば、例えば、アンテナ素子a2器を、部品として取り扱うことができる。
以上より、本開示のある態様では、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な2偏波アンテナのための基板を提供できる。
【0031】
例えば、本開示のある態様に係る基板 (例えば、基板B1や、その変形例) は、
図36のように、アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) が導体板a1の各辺に1つずつ取り付けられた場合に、導体板a1における隣接する任意の2辺に備えられることとなる2つのアンテナ素子a2 (a2-1とa2-2、a2-2とa2-3、a2-3とa2-4、またはa2-4とa2-1) のそれぞれにおける各中心 (O1, O2, O3, O4) 同士の距離L (L12, L23, L34, L41) が、アンテナ素子a2の共振周波数における電磁波の真空波長の1/5以下となるように構成された、基板B2であってもよい。
【0032】
以上より、本開示のある態様では、例えば、スプリットリング共振器を用いたより小型な2偏波アンテナのための基板を提供できる。
【0033】
例えば、本開示のある態様に係る基板 (例えば、基板B1、B2や、その変形例) は、アンテナ素子a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) が導体板a1の各辺に1つずつ取り付けられた場合に、導体板a1における隣接する任意の2辺に備えられることとなる2つのアンテナ素子a2 (a2-1とa2-2、a2-2とa2-3、a2-3とa2-4、またはa2-4とa2-1) のそれぞれ対して給電される信号の位相差が90度となるよう構成された、基板B3であってもよい。
【0034】
例えば、当該90度の位相差は、
図22における回路
図Qのような態様やその変形例で実現されてもよい。
例えば、
図22における回路
図Qのような態様やその変形例が、基板B1における給電用導体パターンb3を備える層の別の層において実装されていてもよく、基板B1における給電用導体パターンb3を備える層の別の層において実装されていてもよい。
【0035】
以上より、本開示のある態様では、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な円偏波アンテナのための基板を提供できる。
【0036】
例えば、本開示のある態様に係る通信装置は、本開示のある態様に係るアンテナ (例えば、アンテナA1、A2、A3や、その変形例) を備えてもよい。
【0037】
以上より、本開示のある態様によれば、例えば、スプリットリング共振器を用いた小型な2偏波アンテナを備えた通信装置を提供できる。
【0038】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0039】
この出願は、2018年12月27日に出願された日本出願特願2018-243860を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0040】
A1, A2, A3:アンテナ
a1:導体板
a2 (a2-1, a2-2, a2-3, a2-4) :アンテナ素子
a21 (a21-1, a21-2, a21-3, a21-4) :スプリット部
a22 (a22-1, a22-2, a22-3, a22-4) :スプリットリング導体
a23 (a23-1, a23-2, a23-3, a23-4) :給電線
a24 (a24-1, a24-2, a24-3, a24-4) :領域
a25 (a25-1, a25-2, a25-3, a25-4) :グランド端子
a31, a32:給電点
a41, a42:移相器
B1, B2, B3:基板
b1 (b1-1, b1-2, b1-3, b1-4):端子
b2 (b2-1, b2-2, b2-3, b2-4):端子
b3 (b3-1, b3-2, b3-3, b3-4):給電用導体パターン
b4 (b4-1, b4-2, b4-3, b4-4):導体