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特許7314186プラント通信システム、プラント制御・通信システム、プロセスプラント通信システム、データを処理するための方法、及びデータ処理パイプラインを構成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】プラント通信システム、プラント制御・通信システム、プロセスプラント通信システム、データを処理するための方法、及びデータ処理パイプラインを構成する方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
G05B23/02 Z
【請求項の数】 44
(21)【出願番号】P 2021009503
(22)【出願日】2021-01-25
(62)【分割の表示】P 2017518462の分割
【原出願日】2015-10-05
(65)【公開番号】P2021061074
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】62/060,408
(32)【優先日】2014-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】14/873,721
(32)【優先日】2015-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】ゾーニオ、ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ニクソン、マーク、ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ウォズニス、ウィルヘルム、ケー.
(72)【発明者】
【氏名】ルーカス、ミハエル、ジェー.
(72)【発明者】
【氏名】ロトヴォルド、エリック、ディー.
(72)【発明者】
【氏名】マストン、ポール、アール.
(72)【発明者】
【氏名】ブレビンス、テレンス、エル.
(72)【発明者】
【氏名】ロウ、ギャリー、ケー.
【審査官】山村 秀政
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0277656(US,A1)
【文献】特開2014-225237(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0237554(US,A1)
【文献】国際公開第2014/145801(WO,A2)
【文献】特開2015-176609(JP,A)
【文献】特表2002-541891(JP,A)
【文献】米国特許第05537549(US,A)
【文献】特開2003-345431(JP,A)
【文献】米国特許第7290048(US,B1)
【文献】喜田 弘司等,爆発的に連続発生するデータをリアルタイムに処理するストリーム分析基盤の紹介,IEICE Technical Report,日本,社団法人電子情報通信学会 ,2011年,pp.41-46
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 23/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスを実施するプロセスプラント環境内部で用いるための分散型データパイプラインを生成するための構成環境を使用するプラント通信システムであって、
プロセスプラント内部に配設されて前記プロセスを制御する複数のプロセス制御装置と、前記複数のプロセス制御装置に通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを含む、プロセス制御ネットワークであって、前記複数のプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成する、プロセス制御ネットワークと、
さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含む、さらなるプラント通信ネットワークであって、前記さらなるプラント通信ネットワーク上の前記複数の処理装置のうちの少なくとも1つが、前記プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に接続される、さらなるプラント通信ネットワークと、
分散型データパイプラインであって、前記分散型データパイプラインを生成するための構成環境において、前記プロセスプラント環境の画定された複数の異なる装置にわたって、特定の予め定められた通信順序でともに通信可能に接続された一連のデータ処理モジュールを使用することによって、特定の分散処理動作を処理制御データに対して行うように画定され、前記構成環境における前記分散型データパイプラインの画定は、前記一連のデータ処理モジュールのグラフィカル表現を配置し、前記一連のデータ処理モジュールの異なるデータ処理モジュールがダウンロードされ実行される、前記複数の異なる装置の異なる装置を特定する、ことを含み、前記分散型データパイプラインの一連の前記データ処理モジュールの異なるモジュールは前記複数の異なる装置にわたって前記特定の分散処理動作のランタイム実行の前記構成環境で画定された前記プロセスプラント環境の画定された前記複数の異なる装置の各々に前記構成環境からダウンロードされ、前記分散型データパイプラインが下流データ処理モジュールのセットに結合された1つ以上の上流データ処理モジュールを含み、一連の前記データ処理モジュールの異なるモジュールの各々は異なる機能を有する、分散型データパイプラインと、
を含み、
前記分散型データパイプライン内部の前記下流データ処理モジュールのセットに含まれるデータ処理モジュールの各々が、前記分散型データパイプライン内部の1つ以上の上流データ処理モジュールの各々から受信されたデータを処理し、
前記分散型データパイプラインの前記1つ以上の上流データ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、前記プロセス制御・通信ネットワークに接続された前記複数のプロセス制御装置のうちの1つに配設され、
前記分散型データパイプラインの前記下流データ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、前記さらなるプラント通信ネットワークの前記複数の処理装置のうちの1つに配設される、
プラント通信システム。
【請求項2】
前記分散型データパイプラインの前記下流データ処理モジュールのうちの前記1つによって生成された前記データを格納し、前記さらなるプラント通信ネットワークを介して、前記格納されたデータを他のアプリケーションで利用可能にするために前記分散型データパイプラインの前記下流データ処理モジュールのうちの1つに通信可能に結合された、データベースをさらに含む、請求項1に記載のプラント通信システム。
【請求項3】
前記上流データ処理モジュールのうちの1つが、前記プロセス制御ネットワークに配設されて、前記分散型データパイプラインによって処理するための未処理のプロセス制御データを収集し、前記収集された未処理のプロセス制御データを別個に格納するために前記プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に結合されたデータベースをさらに含む、請求項1または請求項2に記載のプラント通信システム。
【請求項4】
前記さらなるプラント通信ネットワークが、ビッグデータ通信ネットワークである、請求項1~請求項3の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項5】
前記さらなるプラント通信ネットワークが、ともに結合された複数の異なる通信ネットワークを備える、請求項1~請求項4の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項6】
前記複数の異なる通信ネットワークが、第1のプラントベースの通信ネットワークと、第2のクラウドベースの通信ネットワークとを含む、請求項5に記載のプラント通信システム。
【請求項7】
前記分散型データパイプラインが、前記複数の異なる通信ネットワークの各々の内部の処理装置の各々に格納された、少なくとも1つの異なるデータ処理モジュールを含む、請求項5または請求項6に記載のプラント通信システム。
【請求項8】
前記複数の異なる通信ネットワークのうちの少なくとも1つが、無線通信ネットワークである、請求項5~請求項7の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項9】
前記プロセス制御・通信ネットワークが、ともに通信可能に結合された複数の異なる制御・通信ネットワークを備える、請求項1~請求項8の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項10】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、前記プロセス制御ネットワーク内部のデータ源から得られたデータをクリーニングするデータクリーニングモジュールである、請求項1~請求項9の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項11】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、前記プロセス制御ネットワーク内部の多数のデータ源からのデータを時間整合させるデータ整合モジュールである、請求項1~請求項10の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項12】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、プラント内部の特定のイベントに対するデータの感度を判定する感度データ分析モジュールである、請求項1~請求項11の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項13】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、データ源からのデータと、プラント内部のイベントとの間の因果関係を判定する因果関係分析モジュールである、請求項1~請求項12の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項14】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、前記データについての教師付き学習を行う学習モジュールである、請求項1~請求項13の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項15】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、前記データについての教師なし学習を行う学習モジュールである、請求項1~請求項14の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項16】
前記データ処理モジュールのうちの1つが、前記分散型データパイプライン内部で生成されたデータをユーザに提示するデータ提示モジュールである、請求項1~請求項15の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項17】
前記分散型データパイプラインが、前記プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、前記データ収集モジュールのうちの1つ以上または別の中間データ処理モジュールによって収集された前記データを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、前記1つ以上の中間データ処理モジュールまたは1つ以上の最終使用データ処理モジュールによって生成された出力データを、1つ以上の他のアプリケーションによってアクセスされることができるような方法で格納する前記1つ以上の最終使用データ処理モジュールと、を含む、請求項1~請求項16の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項18】
前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールのうちの1つ以上が、前記分散型データパイプライン内部で周期的に接続される、請求項17に記載のプラント通信システム。
【請求項19】
前記1つ以上の周期的に接続されたデータ処理モジュールのうちの1つが、前記分散型データパイプライン内部で発生させたデータをユーザに対して表示するデータディスプレイモジュールである、請求項17または請求項18に記載のプラント通信システム。
【請求項20】
前記1つ以上の周期的に接続されたデータ処理モジュールのうちの1つが、前記さらなるプラント通信ネットワークに周期的に接続された携帯型装置に配設される、請求項17~請求項19の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項21】
前記複数のプロセス制御装置のうちの1つが、1つ以上の制御ルーチンを、制御器の実行速度で実行するプロセス制御器であり、前記複数のプロセス制御装置のうちの1つに配設された前記分散型データパイプラインの前記1つ以上の上流データ処理モジュールによって収集された前記プロセス制御データが、前記制御器の実行速度を上回る速度で、プロセス制御データを収集する、請求項1~請求項20の何れか1項に記載のプラント通信システム。
【請求項22】
プラント内部のプロセスを制御するためのデータパイプラインを生成するための構成環境を使用するプラント制御・通信システムであって、
実行速度で前記プロセスの制御を実行するプロセス制御器を含む、前記プラント内部に配設されて前記プロセスを制御する複数のプロセス制御装置と、
前記プラント内部に配設された複数のデータ処理装置と、
前記複数のプロセス制御装置及び前記複数のデータ処理装置を通信可能に結合する1つ以上の通信ネットワークと、
前記プロセス制御器の実行速度を上回る収集データ速度で、前記プラント内部の前記プロセス制御装置から未処理のデータを収集する、前記プラント内部で前記複数のプロセス制御装置間に分散して配設された1つ以上のデータ源と、
前記収集データ速度で前記1つ以上のデータ源から前記収集された未処理のデータを格納するために前記1つ以上の通信ネットワークに通信可能に結合されたデータベースと、
前記プラント内部の画定された複数の異なる装置にわたって、データパイプラインが画定されている前記データパイプラインを生成するための構成環境からダウンロードされた一連のデータ処理モジュールをもち、ランタイムの間、プロセス制御データに対して分散データ処理動作を実行するように、特定の予め定められた通信順序で、画定された前記複数の異なる装置にわたって、ともに通信可能に接続された一連の前記データ処理モジュールを含むように前記構成環境で画定され、前記構成環境における前記データパイプラインの画定は、前記一連のデータ処理モジュールのグラフィカル表現を配置し、前記一連のデータ処理モジュールの異なるデータ処理モジュールがダウンロードされ実行される、前記複数の異なる装置の異なる装置を特定する、ことを含み、一連の前記データ処理モジュールの異なるモジュールの各々は異なる機能を有する、前記データパイプラインと、
を備え、
前記データパイプラインの前記データ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、前記1つ以上のデータ源のうちの1つからの未処理のデータに対する前記分散データ処理動作の第1部分を行い、
前記データ処理モジュールのうちの少なくとも別の1つが、前記データパイプライン内部の前記データ処理モジュールのうちの1つから受信されたデータに対する前記分散データ処理動作の第2部分を行い、
前記データ処理モジュールのうちの少なくとも2つが、前記プロセス制御器の前記実行速度よりも速い速度で動作する、
プラント制御・通信システム。
【請求項23】
前記データ処理モジュールのうちの前記少なくとも2つが、前記プロセス制御器の前記実行速度よりも速い速度で前記2つのデータ処理モジュール間でデータ通信することによって、前記プロセス制御器の前記実行速度よりも速い速度で動作する、請求項22に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項24】
前記データパイプラインの下流データ処理モジュールのうちの1つに通信可能に結合され、前記データパイプラインの前記下流データ処理モジュールのうちの前記1つによって生成された前記データを格納し、前記格納されたデータを他のアプリケーションで利用可能にするためのデータベースをさらに含む、請求項22または請求項23に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項25】
プラントが、前記複数のプロセス制御装置及び前記複数のデータ処理装置を通信可能に結合する2つ以上の通信ネットワークを含み、前記データパイプラインが、前記2つ以上の通信ネットワークの各々にわたって分散させた装置内のデータ処理モジュールを含む、請求項22~請求項24の何れか1項に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項26】
前記2つ以上の通信ネットワークが、少なくとも1つのプロセス制御・通信ネットワークと、1つの他のプラント通信ネットワークとを含む、請求項22~請求項25の何れか1項に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項27】
前記1つ以上の通信ネットワークが、プロセス制御ネットワークであり、前記データ処理モジュールのうちの1つが、プロセス制御ネットワーク内部のデータ源からデータを得るデータ選択モジュールである、請求項22~請求項26の何れか1項に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項28】
前記データパイプラインが、プロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、前記データ収集モジュールのうちの1つ以上または別の中間データ処理モジュールによって収集された前記データを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、前記1つ以上の中間データ処理モジュールによって生成された出力データを、1つ以上の他のアプリケーションによってアクセスされることができるような方法で格納する1つ以上の最終使用データ処理モジュールと、を含む、請求項22~請求項27の何れか1項に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項29】
前記データパイプラインの前記データ処理モジュールのうちの1つ以上が、前記データパイプライン内部に周期的に接続されるように構成される、請求項28に記載のプラント制御・通信システム。
【請求項30】
プロセスを実施するプロセスプラント環境内部で用いるための分散型データパイプラインを生成するための構成環境を使用するプロセスプラント通信システムであって、
プラント内部に配設されて前記プロセスを制御する複数のプロセス制御装置と、前記複数のプロセス制御装置間に通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを含み、前記複数のプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成する、プロセス制御ネットワークと、
さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含み、さらなるプラント通信ネットワーク上の前記複数の処理装置のうちの少なくとも1つが、前記プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に接続される、さらなるプラント通信ネットワークと、
複数の分散型データパイプラインであって、各分散型データパイプラインが、ランタイムの間、前記プロセスプラント環境に含まれる画定された複数の異なる装置の各々にわたって、各々特定の予め定められた順序で、ともに通信可能に接続されている、一連の異なるデータ処理モジュールの各々を使用することによって、分散処理動作の各々をプロセス制御データに対して行うように各々画定され、前記構成環境における前記分散型データパイプラインの各々の画定は、前記一連の異なるデータ処理モジュールの各々のグラフィカル表現を配置し、前記一連の異なるデータ処理モジュールの各々の異なるデータ処理モジュールがダウンロードされ実行される、前記複数の異なる装置の各々の異なる装置を特定する、ことを含み、前記異なるデータ処理モジュールが前記構成環境で画定された前記複数の異なる装置の各々に前記分散型データパイプラインを生成するための前記構成環境からダウンロードされ、各分散型データパイプラインが、前記プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、データ収集モジュールのうちの1つ以上または別の中間データ処理モジュールによって収集されたデータを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、前記1つ以上の中間データ処理モジュールによって生成されたデータを用いてデータパイプライン出力データを発生させる1つ以上の終了データ処理モジュールと、を含み、各分散型データパイプラインの少なくとも2つのデータ処理モジュールが、前記プロセス制御・通信ネットワーク及び前記さらなるプラント通信ネットワーク内部の異なる装置に各々位置し、一連の異なるデータ処理モジュールの各々の各モジュールは異なる機能を有する、複数の分散型データパイプラインと、
前記さらなるプラント通信ネットワーク内部で通信可能に接続された分析アプリケーションのセットであって、前記分析アプリケーションのセットの各々が、前記分散型データパイプラインのうちの1つ以上の前記終了データ処理モジュールによって生成されたデータを受信するように構成されている、分析アプリケーションのセットと、
を含む、プロセスプラント通信システム。
【請求項31】
前記分析アプリケーションのセットのうちの1つが、前記分散型データパイプラインのうちの1つ以上に周期的に接続する、請求項30に記載のプロセスプラント通信システム。
【請求項32】
前記分散型データパイプラインのうちの1つの前記データ処理モジュールが、データを処理して、前記プロセスのオンライン動作中に、前記分散型データパイプラインのうちの前記1つの内部でデータ通信する、請求項30または請求項31に記載のプロセスプラント通信システム。
【請求項33】
前記分析アプリケーションのうちの1つが、前記分散型データパイプラインのうちの2つ以上からのデータを受信するように構成されている、請求項30~請求項32の何れか1項に記載のプロセスプラント通信システム。
【請求項34】
前記プロセス制御ネットワークが、前記複数のプロセス制御装置をともに通信可能に結合する2つ以上の通信ネットワークを含み、前記分散型データパイプラインのうちの1つが、前記2つ以上の通信ネットワークの各々にわたって分散させた装置内のデータ処理モジュールを含む、請求項30~請求項33の何れか1項に記載のプロセスプラント通信システム。
【請求項35】
プラント内部に配設されてプロセスを制御する複数のプロセス制御装置と、前記複数のプロセス制御装置間で通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを含む、プロセス制御ネットワークを有し、前記複数のプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成し、さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含むさらなるプラントネットワークを含む、プラント内でデータを処理するための方法であって、前記方法が、
プロセス制御ネットワーク内部に、及び前記さらなるプラントネットワーク内に分散型データパイプラインを格納し、
前記分散型データパイプラインは、プロセスプラント環境の画定された複数の異なる装置にわたって、特定の予め定められた順序でともに通信可能に接続されるように構成されている一連の異なるデータ処理モジュールとして、前記分散型データパイプラインを生成するための構成環境で、画定され、前記構成環境における前記分散型データパイプラインの画定は、前記一連の異なるデータ処理モジュールのグラフィカル表現を配置し、前記一連の異なるデータ処理モジュールの異なるデータ処理モジュールがダウンロードされ実行される、前記複数の異なる装置の異なる装置を特定する、ことを含み、
一連の前記異なるデータ処理モジュールのモジュールの各々は異なる機能を有し、ランタイムの間、前記プロセス制御データに対する分散処理動作を実行するように、前記分散型データパイプラインの一連の前記異なるデータ処理モジュールのモジュールの各々は前記構成環境から前記構成環境で画定された前記複数の異なる装置の各々にダウンロードされ、
画定された前記複数の異なる装置は、前記プロセス制御装置及び処理装置のうちのさまざまな異なる装置を含み、
前記プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールのうちの1つ以上においてデータを収集し、
前記プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールにおいて、前記収集されたプロセス制御データを処理し、
コンピュータメモリ装置に、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールによって展開された処理済みデータを格納し、
さらなる処理装置で実行されたさらなるアプリケーションにおいて、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールによって展開された前記データを用いる、
方法。
【請求項36】
コンピュータメモリ装置に、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールによって展開された前記処理済みデータを格納することが、ビッグデータマシンに前記処理済みデータを格納することを含む、請求項35に記載のデータを処理する方法。
【請求項37】
前記プロセス制御ネットワーク内部に、及び前記さらなるプラントネットワーク内に前記分散型データパイプラインを格納することが、前記さらなるプラントネットワークの第1のプラントサブネットワーク内部の装置に、前記データ処理モジュールのうちの少なくとも1つを格納することと、前記さらなるプラントネットワークの第2のプラントサブネットワークに、前記データ処理モジュールのうちの別の1つを格納することとを含む、請求項35または請求項36に記載のデータを処理する方法。
【請求項38】
第1のプラントサブネットワークが、前記プラント内のビッグデータネットワークであり、かつ前記第2のプラントサブネットワークが、クラウドベースのネットワークである、請求項37に記載のデータを処理する方法。
【請求項39】
前記プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、前記分散型データパイプラインの前記データ処理モジュールのうちの1つ以上においてデータを収集することが、オンラインプロセス制御を行うために前記プロセス制御ネットワーク内部で用いられる制御器の実行速度よりも速い実行速度でデータを収集することを含む、請求項35~請求項38の何れか1項に記載のデータを処理する方法。
【請求項40】
プロセスを制御するように動作する複数のプロセス制御装置を備えるプロセス制御ネットワークを有し、ともに通信可能に結合された複数の処理装置を有するプロセス通信ネットワークを有する、プロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法であって、
前記データ処理パイプラインを生成するための構成環境で画定されている前記データ処理パイプラインの構成に基づいて、前記複数のプロセス制御装置及び前記処理装置のうちの異なる装置の内部に、データ処理モジュールのセットを格納し、
前記データ処理パイプラインの前記構成は、ランタイムの間、前記データ処理パイプラインによって実行される特定の分散データ処理動作を画定し、
前記構成環境における前記データ処理パイプラインの画定は、前記データ処理モジュールのセットのグラフィカル表現を配置し、前記データ処理モジュールのセットの異なるデータ処理モジュールがダウンロードされ実行される、前記複数のプロセス制御装置及び前記処理装置のうちの異なる装置を特定する、ことを含み、
前記複数のプロセス制御装置及び前記処理装置のうちの異なる装置の内部に、データ処理モジュールのセットを格納することは、前記データ処理モジュールのセットに含まれる異なるデータ処理モジュールを、前記複数のプロセス制御装置及び処理装置のうちの異なる装置にダウンロードすることを含み、
前記データ処理パイプラインの構成に基づいて、前記データ処理モジュールを前記構成環境によって予め定められているように固定するように通信可能に相互接続させて、通信可能な一連の3つ以上のデータ処理モジュールのセットを作り出し、前記データ処理モジュールのセットのモジュールの各々は異なる機能を有し、
前記データ処理パイプラインの構成に基づいて、前記一連の前記3つ以上のデータ処理モジュールのセットを、プラントにおいて収集されたデータに対して、特定のタイプのデータ処理を行うように構成し、
前記データ処理の前記特定のタイプは前記特定の分散データ処理動作に含まれ、
前記一連の前記3つ以上のデータ処理モジュールを構成することは、
プロセス制御ネットワーク内部のプロセス制御装置内部の一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの第1の1つ以上を、未処理のプロセスデータを収集するためのデータ収集モジュールとして構成し、
前記一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの第2の1つ以上を、1つ以上のデータ収集モジュールと通信し、前記データ収集モジュールによって収集された前記未処理のプロセスデータを処理して中間プロセスデータを作成するための中間プロセスモジュールとして構成し、
前記一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの第3の1つ以上を、中間データ処理モジュールのうちの1つ以上と通信し、前記中間プロセスデータを処理して、最終使用プロセスデータを生成するための最終使用プロセスモジュールとして構成し、
前記最終使用プロセスデータを受信するように構成された前記プロセス通信ネットワークに通信可能に接続された1つ以上のアプリケーションに、前記最終使用プロセスデータを提供するための最終使用プロセスモジュールのうちの1つ以上を構成することを含む、
ことを含む、
方法。
【請求項41】
前記プロセス制御ネットワーク内部のプロセス制御装置内部に格納された前記一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの前記第1の1つ以上を、データ収集モジュールとして構成することが、前記一連のデータ収集モジュールを、前記プロセス制御ネットワーク内部でプロセス制御を行うプロセス制御器の制御器実行速度よりも速い速度で前記未処理のプロセスデータを収集するように構成することを含む、請求項40に記載のプロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法。
【請求項42】
前記一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの前記第2の1つ以上を、中間データプロセスモジュールとして構成することが、中間データプロセスモジュールを、前記プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で前記データ収集モジュールによって収集された前記未処理のプロセスデータを処理するように構成することを含む、請求項41に記載のプロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法。
【請求項43】
前記一連の3つ以上のデータ処理モジュールのうちの前記第3の1つ以上を、最終使用プロセスモジュールとして構成することが、前記最終使用プロセスモジュールを、前記プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で前記中間プロセスデータを処理するように構成することを含む、請求項41または請求項42に記載のプロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法。
【請求項44】
前記複数のプロセス制御装置及び前記処理装置のうちの異なるものの内部に、データ処理モジュールのセットを格納することが、前記データ処理モジュールのうちのいくつかをプロセス制御ネットワーク装置に格納し、前記データ処理モジュールのうちの他をプロセス通信ネットワーク装置内に格納することを含む、請求項40~請求項43の何れか1項に記載のプロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、概してプロセスプラントで用いられるような制御及び監視システムに関し、より具体的には、監視及び制御システム内に分散するようにされたプロセスデータに対するデータパイプラインを設置して用いることに関する。
【背景技術】
【0002】
化学、石油、工業または他のプロセスプラントで用いられて、物理的材料または製品を製造するか、精製するか、変換するか、生成するか、生産するような分散型プロセス制御システムは、通常は、アナログ、デジタル、もしくは複合アナログ/デジタルバスを介して、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して1つ以上のフィールド装置に通信可能に結合された1つ以上のプロセス制御器を含む。例えば、弁、弁ポジショナ、スイッチ、及びトランスミッタ(例えば、温度、圧力、レベル、及び流量センサ)であり得るフィールド装置は、プロセス環境内に位置して、物理的またはプロセス制御機能、例えば弁の開閉、温度または圧力等のプロセス及び/または環境パラメータの測定等を概して行って、プロセスプラントまたはシステム内部で実行している1つ以上のプロセスを制御する。また、スマートフィールド装置、例えば周知のフィールドバスプロトコルに準拠するフィールド装置は、制御計算、警告機能、及び制御器内部で一般に実施される他の制御機能を行い得る。プロセス制御器は、通常はプラント環境内部に位置し、フィールド装置によってなされたプロセス測定及び/またはフィールド装置に関係する他の情報を示す信号を受信し、例えば、プロセス制御の決定をなす異なる制御モジュールを稼動させる制御器アプリケーションを実行し、受信された情報に基づいて制御信号を生成し、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)フィールドバスフィールド装置等のフィールド装置内で動作させている制御モジュールまたはブロックと連係する。制御器内の制御モジュールは、通信線またはリンクを経由してフィールド装置に制御信号を送り、それによって、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部の動作を制御する。例えば、制御器及びフィールド装置は、プロセスプラントまたはシステムによって制御されているプロセスの少なくとも一部を制御する。
【0003】
フィールド装置及び制御器からの情報は、たいていの場合、データハイウェイまたは通信ネットワークを経由して、1つ以上の他のハードウェア装置、例えばオペレータワークステーション、パーソナルコンピュータまたはコンピューティング装置、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中型データベース、または、通常はより過酷なプラント環境から離れた制御室または他の場所に置かれる他の集中型運用コンピューティング装置に利用可能にされる。これらのハードウェア装置の各々は、通常はプロセスプラント全体にわたるか、またはプロセスプラントの一部にわたって集中化される。これらのハードウェア装置は、アプリケーションを稼動させ、それらのアプリケーションは、例えば、オペレータが、プロセスを制御すること及び/またはプロセスプラントを動作させることに関する機能を行うこと、例えばプロセス制御ルーチンの設定を変更すること、制御器またはフィールド装置内部の制御モジュールの動作を修正すること、プロセスの現在の状態を閲覧すること、フィールド装置及び制御器によって生成されたアラームを閲覧すること、作業員を訓練するかまたはプロセス制御ソフトウェアを試験することを目的としてプロセスの動作をシミュレーションすること、構成データベースを保持して更新すること等を可能にし得る。ハードウェア装置、制御器及びフィールド装置によって利用されるデータハイウェイは、有線通信路、無線通信路、または有線及び無線通信路の組み合わせを含み得る。
【0004】
一例として、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内部の種々の場所に位置する異なる装置内部に格納されて実行される複数のアプリケーションを含む。構成アプリケーションは、1つ以上のワークステーションまたはコンピューティング装置に常駐し、ユーザが、プロセス制御モジュールを作成するかまたは変更して、これらのプロセス制御モジュールを、データハイウェイを介して専用の分散型制御器にダウンロードすることを可能にする。通常、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成され、これらは、その入力に基づいて制御スキーム内部で機能を行い、制御スキーム内部で他の機能ブロックに出力を提供するオブジェクト指向プログラミングプロトコルにおけるオブジェクトである。さらに、構成アプリケーションは、構成設計者が、閲覧アプリケーションによって使用されて、オペレータにデータを表示し、オペレータがプロセス制御ルーチン内部で設定点等の設定を変更することを可能にするオペレータインターフェースを作成するかまたは変更することを可能にする。各々の専用の制御器、及びいくつかのケースでは、1つ以上のフィールド装置は、それらに割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを稼動させるそれぞれの制御器アプリケーションを格納して実行し、実際のプロセス制御機能性を実施する。1つ以上のオペレータワークステーション上で(またはオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信接続している1つ以上のリモートコンピューティング装置上で)実行され得る閲覧アプリケーションは、データハイウェイを介して制御器アプリケーションからデータを受信して、ユーザインターフェースを用いてプロセス制御システム設計者、オペレータ、またはユーザにこのデータを表示し、任意の数多くの異なるビュー、例えばオペレータのビュー、エンジニアのビュー、技術者のビュー等を提供し得る。データヒストリアンアプリケーションは、通常は、データハイウェイをわたって提供されたデータのいくつかまたはすべてを収集して格納するデータヒストリアン装置に格納されて、それによって実行され、一方で構成データベースアプリケーションは、データハイウェイに取り付けられたまたさらなるコンピュータ内で稼動して、現在のプロセス制御ルーチン構成及びそれに関連付けられたデータを格納し得る。代替的に、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに位置し得る。
【0005】
プロセスプラントまたはプロセス制御システムまたは他の監視システムでは、異常状態または障害の根拠が生じた場合(例えば、警告が生成された場合、またはプロセス測定またはアクチュエータが過度の変数を有していることが発見された場合)、オペレータ、計器技術者、またはプロセスエンジニアは、通常は、分析ツールを、システムによって制御されているプロセスについての当人の知識と、システムを通るその流路と併用して、異常状態または障害の根拠を生み出すことに寄与しているかもしれない上流測定値及びプロセス変数を判断するよう試みる。例えば、オペレータは、プロセス制御装置(例えば、フィールド装置、制御器等)の出力からある期間にわたって取り込まれたデータの履歴ログを、DeltaV(商標)バッチ分析プロダクトまたは連続データ分析ツールに送り込み、さまざまなプロセス変数及び/または測定値の、異常または障害状態への寄与を判断することを試み得る。通常、ユーザは、当人のプロセスについての知識に基づいて、いずれの履歴データログを分析ツールに送り込むかを決定し、候補となる上流要因(例えば、測定値、プロセス変数等)を特定する。続いて、これらのデータ分析ツールは、例えば主成分分析(PCA)を利用して、候補となる上流要因のいずれが下流の予測される品質パラメータに影響を与えるかを判断する。このように、分析ツールによって提供された出力の精度及び有効度は、ユーザの知識に基づくかまたはそれに限定され、そのため、異常状態または障害のソースへの完全なまたは正しい洞察を提供し得ない。
【0006】
加えて、現在既知のプロセス制御プラント及びプロセス制御システムのアーキテクチャは、限定された制御器及び装置メモリ、通信帯域幅、制御器及び装置プロセッサ能力によって強く影響される。例えば、現在既知のプロセス制御システムアーキテクチャでは、制御器内での動的及び静的不揮発性メモリの使用は、通常最小にされるか、または少なくとも注意深く管理される。結果として、システム構成(例えば、先験的に)中、ユーザは、通常は制御器内のどのデータがアーカイブまたは保存されるべきか、それが保存される頻度、及び圧縮が使用されるか否かを選択しなければならず、したがって、制御器はこの限定されたデータ規則のセットを備えて構成される。結果的に、トラブルシューティング及びプロセス分析において有用であることができるデータは、多くの場合アーカイブされず、それが収集された場合、有用な情報はデータ圧縮に起因して失われてしまったかもしれない。
【0007】
上述の現在既知のプロセスプラント及びプロセス制御システムの限定及び他の限定は、プロセスプラントまたはプロセス制御システムの動作と最適化において、例えばプラント動作中、トラブルシューティング中、及び/または予測モデル化中に、望ましくなく顕在化する場合がある。例えば、そのような限定は、履歴データを得るために、トラブルシューティングを行い、スタンドアロンのオフライン信号処理ツールにデータを手動で供給して、信号処理ツールの出力の分析を手動で監督して、更新されたモデルを生成するために行われなければならない、煩雑で長いワークフローを余儀なくする。そのような場合でさえ、トラブルシューティングの結果及びモデルは、実際のシステムを表すには不完全であるかまたは十分ではない場合があるが、それはそれらの生成に対する入力が、特定のオペレータの経験及び知識に依拠しているためである。
【0008】
「ビッグデータ」は、概して、とても大きいかまたは複雑なため、従来のデータベース管理ツール及び/またはデータ処理アプリケーション(例えば、リレーショナルデータベース及びデスクトップ統計パッケージ)が許容時間内にデータセットを管理することが可能ではない、1つ以上のデータセットの収集を指す。通常、ビッグデータを使用するアプリケーションは、トランザクションによる、エンドユーザ向けかまたはエンドユーザに焦点を合わせたものである。例えば、ウェブ検索エンジン、ソーシャルメディアアプリケーション、マーケティングアプリケーション、及びリテイルアプリケーションは、ビッグデータを使用して操作する場合がある。ビッグデータは、最新のマルチプロセス、マルチコアサーバの並列処理能力が十分に利用されることを可能にする分散型データベースによってサポートされ得る。
【発明の概要】
【0009】
例えば障害の恐れのあるソース、異常動作、及び/またはプロセスプラント内のプロセスを制御することによって生成された信号の挙動の変動を判定するための、分散型信号処理ベースのデータ処理及び分析を提供するためのシステム及び方法は、プロセスプラントまたはプロセス制御システムのさまざまな相互接続された装置内部に1つ以上のデータパイプラインを形成して設置することを含み、データパイプラインは、データを所定の方法で自動的に収集して処理し、一部または完全なデータ分析を行う。データパイプラインを用いて、例えばビッグデータベースの学習のタイプであってもよい信号処理ベースの学習を実施し得る。概して言えば、データパイプラインを用いるシステム及び方法は、データ処理をリアルタイムで自動的に、またはプロセスプラント内でリアルタイムに収集されたデータに対して、またはデータベースに格納されたデータ、例えばビッグデータマシンに対して行い得る。いくつかのケースでは、データパイプラインアーキテクチャを用いて行われる信号処理のいくつかは、プロセスプラントに組み込まれ、1つ以上の信号源の近くで、データが信号源によって生成されたときにリアルタイムで行われる。データパイプラインアーキテクチャによって信号処理が行われるデータは、例えば、プロセス制御装置の出力信号のある期間にわたる値、プロセス変数、温度、圧力、流量等の物理的パラメータの測定値、エネルギのバランス、質量のバランス、性能パラメータ、分析機能の出力、及び/またはプロセスプラントで制御されているプロセスに基づいて生成された任意の他の値を示してもよい。またさらには、データパイプラインアーキテクチャは、プロセス制御データとは異なる他のタイプのデータ、例えば監視データ(制御を行わない監視システムによって発生する)、装置の動作パラメータを示す装置データ、ネットワーク内部の装置を点検、修理及び交換するために保守作業員によって用いられる保守データ、通信データ等を処理し得る。
【0010】
また、データパイプラインアーキテクチャは、例えばプロセスプラントネットワークでのビッグデータベースの学習を行うシステムで用いられてもよく、データ処理パイプラインは、ともに通信可能に接続されて、データに対して予め構成された処理動作を特定の順序で行い、処理済みデータを発生させる多数のデータ処理モジュールを含み得る。データ処理パイプラインは、例えば、データ収集、データ選択及びクリーニング、データ整合、感度分析、因果関係分析、教師付き学習、及び/または教師なし学習を含むデータ処理動作を行い得る。これらの別個のモジュールまたはブロックは、プラントネットワーク内部の同じかまたは異なる装置に位置してもよく、プラントネットワーク内部の1つ以上の異なる通信ネットワークを通して、ともに通信可能に接続されてもよい。
【0011】
データパイプラインまたはパイプラインは、データモデル化スタジオまたは構成システムで生成されてもよく、そこでユーザは、特定のプロセスデータに適用すべきさまざまなデータ処理モジュールを選択し、モジュールをともに接続して、特定の順序でともに接続された多数の処理モジュールを有するデータパイプラインを形成する。ユーザは、格納された履歴データ、例えばビッグデータ機器に格納されたデータ上のデータパイプラインを試験してもよく、試験の完了後、データパイプラインをプラントネットワークのさまざまなプロセッサ、ノードまたは装置にダウンロードして、データ処理をリアルタイムで、またはデータがプラント装置によって収集されたかまたは生成されたときのリアルタイムのデータにデータ処理を実施し得る。また、データモデル化スタジオ構成システムは、プラントネットワークにダウンロードされたときに、ユーザがデータ処理パイプライン素子のノード、装置または他の場所の各々を特定することを可能にし得る。
【0012】
一実施形態では、データパイプラインはプロセス制御ネットワーク及びさらなる通信ネットワークを含むプロセスプラント内部の、またはそれに関連するさまざまな(例えば、2つ以上の)通信ネットワークを通して稼動するかまたは延伸する。より具体的には、プロセスを実施するプロセスプラント環境内部で用いるためのプラント通信システムは、プロセスプラント内部に配設されてプロセスを制御する多様なプロセス制御装置と、多様なプロセス制御装置に通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを含む、プロセス制御ネットワークを含み、多様なプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成する。本システムは、さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含む、さらなるプラント通信ネットワークをさらに含み、さらなるプラント通信ネットワーク上の複数の処理装置のうちの少なくとも1つが、プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に接続される。本システムにおいては、分散型データパイプラインは、プラント通信システム内部に配設され、かつさらなるプラント通信ネットワーク及び分散型データパイプラインは、データパイプラインが下流データ処理モジュールのセットに結合された1つ以上の上流データ処理モジュールを含むように、特定の通信順序でともに通信可能に接続されて、特定の通信順序でプロセス制御データの処理を行う、一連のデータ処理モジュールを含む。データパイプライン内部の下流データ処理モジュールのセットの各々が、データパイプライン内部の1つ以上の上流データ処理モジュールから受信されたデータを処理し、データパイプラインの1つ以上の上流データ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、プロセス制御・通信ネットワークに接続された多様なプロセス制御装置のうちの1つに配設され、データパイプラインの下流データ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、さらなるプラント通信ネットワークの複数の処理装置のうちの1つに配設される。
【0013】
本システムは、データパイプラインの下流データ処理モジュールのうちの1つによって生成されたデータを格納し、さらなるプラント通信ネットワークを介して、格納されたデータを他のアプリケーションで利用可能にするためにデータパイプラインの下流データ処理モジュールのうちの1つに通信可能に結合された、データベースをさらに含み得る。所望であれば、上流データ処理モジュールのうちの1つが、プロセス制御ネットワークに配設されて、データパイプラインによって処理するための未処理のプロセス制御データを収集し、データベースは、収集された未処理のプロセス制御データを別個に格納するために、プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に結合される。データベースは、ビッグデータ通信ネットワークであってもよいさらなるプラント通信ネットワークに結合された処理装置のうちの1つに配設されてもよい。さらなるプラント通信ネットワークが、ともに結合された複数の異なる通信ネットワークを備えてもよく、第1のプラントベースの通信ネットワークと、第2のクラウドベースの通信ネットワークとを含む。このケースでは、データパイプラインは、複数の異なる通信ネットワークの各々の内部の処理装置に格納された、少なくとも1つの異なるデータ処理モジュールを含んでもよい。異なる通信ネットワークは、無線及び/または有線通信ネットワークを含んでもよく、プロセス制御・通信ネットワークは、ともに通信可能に結合された複数の異なる制御・通信ネットワークを含んでもよい。
【0014】
所望であれば、データ処理モジュールは、プロセス制御ネットワーク内部のデータ源からデータを得るデータ収集モジュールであるか、プロセス制御ネットワーク内部のデータ源から得られたデータをクリーニングするデータクリーニングモジュールであるか、プロセス制御ネットワーク内部の多数のデータ源からのデータを時間整合させるデータ整合モジュールであるか、プラント内部の特定のイベントに対するデータの感度を判定する感度データ分析モジュールであるか、データ源からのデータと、プラント内部のイベントとの間の因果関係を判定する因果関係分析モジュールであるか、データについての教師付きまたは教師なし学習を行う学習モジュールであるか、データパイプライン内部で生成されたデータをユーザに提示するデータ提示モジュールであってもよく、またはそれらのいずれかを含んでもよい。
【0015】
またさらには、プラント通信システムは、データパイプラインが、プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、データ収集モジュールのうちの1つ以上または別の中間データ処理モジュールによって収集されたデータを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、1つ以上の中間データ処理モジュールまたは1つ以上の最終使用データ処理モジュールによって生成された出力データを、1つ以上の他のアプリケーションによってアクセスされることができるような方法で格納する1つ以上の最終使用データ処理モジュールと、を含むように構築されてもよい。またさらには、データパイプラインのデータ処理モジュールのうちの1つ以上が、データパイプライン内部で、データパイプライン内部の他のデータ処理モジュールか、あるいはデータパイプラインからのデータに署名するアプリケーションのいずれかに断続的に接続され得る。例えば、1つ以上の断続的に接続されたデータ処理モジュールが、データパイプライン内部で発生させたデータをユーザに対して表示するデータディスプレイモジュールであってもよく、これらのモジュールは、さらなるプラント通信ネットワーク等に断続的に接続された携帯型装置に配設されてもよい。
【0016】
加えて、データパイプラインの出力データは、2つ以上の他のアプリケーションによって同時にアクセス可能であるようになされてもよい。またさらには、データパイプラインモジュールは、任意の所望の実行速度で実行されてもよく、その速度は、データパイプライン内部の異なるモジュールごとに異なってもよい。同様に、データパイプラインモジュールのいずれかは、プロセスデータがデータパイプライン内部で収集されて分析されているプロセスを制御しているプロセス制御器の実行速度よりも速いか、遅いか、または等しい速さで実行されてもよい。ここで、多様なプロセス制御装置のうちの1つが、1つ以上の制御ルーチンを、制御器の実行速度で実行するプロセス制御器であり、多様なプロセス制御装置のうちの1つに配設されたデータパイプラインの1つ以上の上流データ処理モジュールによって収集されたプロセス制御データが、制御器の実行速度を上回る速度で収集されてもよい。加えて、データパイプライン内部の任意の数(例えば、2つ以上)のデータ処理モジュールが、制御器の実行速度を上回る速度で、収集されたデータを処理し得る。
【0017】
別の実施形態では、データパイプラインは、プロセスプラントのプロセス制御システムの制御器の実行速度よりも速い速度でデータを処理する、プロセスプラントの1つ以上の通信ネットワークに配設される。特に、プラント内部のプロセスを制御するためのプラント制御・通信システムは、実行速度でプロセスの制御を実行するプロセス制御器を含む、プラント内部に配設されてプロセスを制御する多様なプロセス制御装置を含む。プラント制御・通信システムは、プラント内部に配設された複数のデータ処理装置と、多様なプロセス制御装置及び複数のデータ処理装置を通信可能に結合する1つ以上の通信ネットワークとをさらに含む。ここで、プラント内部に1つ以上のデータ源が配設され、これらのデータ源は、制御器の実行速度を上回る収集データ速度で、プラント内部のプロセス制御装置から未処理のデータを収集する、プラント内部で多様なプロセス制御装置間に分散して配設される。またさらには、データベースは、収集データ速度で1つ以上のデータ源から収集された未処理のデータを格納するために1つ以上の通信ネットワークに通信可能に結合され、データパイプラインは、プラント内部の複数の処理装置のうちの1つ以上に配設され、データパイプラインは、特定の通信順序でともに通信可能に接続された一連のデータ処理モジュールを含み、データパイプラインのデータ処理モジュールのうちの少なくとも1つが、1つ以上のデータ源のうちの1つからの未処理のデータに対するデータ処理動作を行い、データ処理モジュールのうちの少なくとも別の1つが、データパイプライン内部のデータ処理モジュールのうちの1つから受信されたデータに対するデータ処理を行う。ここで、データ処理モジュールのうちの少なくとも2つが、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で動作する。
【0018】
本システムにおいては、データ処理モジュールのうちの少なくとも2つが、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で2つのデータ処理モジュール間でデータ通信することによって、及び/またはプロセス制御器の実行速度よりも速い速度でデータに対して処理を行うことによって、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で動作し得る。
【0019】
別の実施形態では、多数の分散型データパイプラインは、プロセスプラント内部に配設されて、プラント内部でデータを処理し、処理されたデータを高水準分析アプリケーションに供給する。一例では、プロセスを実施するプロセスプラント環境内部で用いるためのプロセスプラント通信システムは、プラント内部に配設されてプロセスを制御する多様なプロセス制御装置と、多様なプロセス制御装置間に通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを有するプロセス制御ネットワークを含み、多様なプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成する。また、さらなるプラント通信ネットワークがプラントに配設され、さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含み、さらなるプラント通信ネットワーク上の複数の処理装置のうちの少なくとも1つが、プロセス制御・通信ネットワークに通信可能に接続される。複数の分散型データパイプラインが、システムに配設され、各データパイプラインは、ともに通信可能に接続されて、プロセス制御データに対して特定のシーケンスで処理を行う一連の異なるデータ処理モジュールを含み、各データパイプラインが、プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、データ収集モジュールのうちの1つ以上または別の中間データ処理モジュールによって収集されたデータを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、1つ以上の中間データ処理モジュールによって生成されたデータを用いてデータパイプライン出力データを発生させる1つ以上の終了データ処理モジュールと、を含む。ここで、各データパイプラインの少なくとも2つのデータ処理モジュールが、プロセス制御・通信ネットワーク及びさらなるプラント通信ネットワーク内部の異なる装置に位置する。システムは、さらなるプラント通信ネットワーク内部で通信可能に接続された高水準分析アプリケーションのセットをさらに含み、高水準分析アプリケーションのセットの各々が、分散型データパイプラインのうちの1つ以上の終了データ処理モジュールによって生成されたデータに署名する。
【0020】
所望であれば、高水準分析アプリケーションのセットのうちの1つ以上が、分散型データパイプラインのうちの1つ以上に断続的に接続してもよく、分散型データパイプラインのうちの1つのデータ処理モジュールが、データを処理して、プロセスのオンライン動作中に、分散型データパイプラインのうちの1つの内部でデータ通信してもよい。所望であれば、高水準分析アプリケーションのうちの1つ以上が、分散型データパイプラインのうちの2つ以上からのデータ(出力データまたは最終使用データ)に署名してもよく、高水準分析アプリケーションのうちの1つ以上が、無線通信接続を介してさらなるプラントネットワークに接続された携帯型装置に配設されてもよい。
【0021】
別の実施形態では、プラント内でデータを処理するための方法は、プラント内部に配設されてプロセスを制御する多様なプロセス制御装置と、多様なプロセス制御装置間で通信可能に結合されたプロセス制御・通信ネットワークとを含む、プロセス制御ネットワークを有するプラント内で用いられてもよく、多様なプロセス制御装置のうちの1つ以上が、プロセス制御データを収集または生成し、プラント制御ネットワークは、さらなるプラント通信ネットワークリンクによってともに通信可能に結合された複数の処理装置を含むさらなるプラントネットワークを含む。本方法は、プロセス制御ネットワーク内部に、及びさらなるプラントネットワーク内に分散型データパイプラインを格納することを含んでもよく、分散型データパイプラインを格納することが、特定の順序でともに通信可能に接続されて、プロセス制御装置及び処理装置のうちのさまざまな異なるものにおいてプロセス制御データに対して処理を行うように構成された一連のデータ処理モジュールを格納することを含む。本方法は、プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、データパイプラインのデータ処理モジュールのうちの1つ以上においてデータを収集することと、プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、分散型データパイプラインのデータ処理モジュールにおいて、収集されたプロセスデータを処理することとをさらに含んでもよい。またさらには、本方法は、コンピュータメモリ装置に、分散型データパイプラインのデータ処理モジュールによって展開された処理済みデータを格納することと、さらなる処理装置で実行されたさらなるアプリケーションにおいて、分散型データパイプラインのデータ処理モジュールによって展開されたデータを用いることと、をさらに含んでもよい。
【0022】
所望であれば、コンピュータメモリ装置に、分散型データパイプラインのデータ処理モジュールによって展開された処理済みデータを格納することが、ビッグデータマシンに処理済みデータを格納することを含んでもよい。また、プロセス制御ネットワーク内部に、及びさらなるプラントネットワーク内に分散型データパイプラインを格納することが、多様なプロセス制御装置のうちの1つの内部に、データ処理モジュールのうちの少なくとも1つを格納することと、さらなるプラントネットワークの処理装置のうちの1つに、データプロセスモジュールのうちの別の1つを格納することとを含んでもよい。加えて、プロセス制御ネットワーク内部に、及びさらなるプラントネットワーク内に分散型データパイプラインを格納することが、さらなるプラントネットワークの第1のプラントサブネットワーク内部の装置に、データ処理モジュールのうちの少なくとも1つを格納することと、さらなるプラントネットワークの第2のプラントサブネットワークに、データ処理モジュールのうちの別の1つを格納することとを含んでもよい。ここで、第1のプラントサブネットワークが、例えば、プラント内のビッグデータネットワークであってもよく、かつ第2のプラントサブネットワークが、例えば、クラウドベースのネットワークであってもよい。
【0023】
重ねて、所望であれば、プロセス制御ネットワークのオンライン動作中に、データパイプラインのデータ処理モジュールのうちの1つ以上においてデータを収集することが、オンラインプロセス制御を行うためにプロセス制御ネットワーク内部で用いられるプロセス制御器の実行速度よりも速い速度でデータを収集することを含んでもよい。
【0024】
所望であれば、データパイプラインは、プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上のデータ収集モジュールと、データ収集モジュールまたは別の中間データ処理モジュールのうちの1つ以上によって収集されたデータを処理する1つ以上の中間データ処理モジュールと、1つ以上の中間データ処理モジュールまたは最終使用データ処理モジュールによって生成された出力データを、1つ以上の他のアプリケーションによってアクセスされることができるような方法で格納する1つ以上の最終使用データ処理モジュールと、を含んでもよい。例えば、データパイプラインのデータ処理モジュールのうちの1つ以上が、データパイプライン内部に断続的に接続されてもよく、及び/または断続的に接続されたデータ処理モジュールが、さらなるプラント通信ネットワークに断続的に接続された携帯型装置内に配設されてもよい。
【0025】
別の実施形態では、データ処理パイプラインを構成する方法は、プロセスを制御するように動作する多様なプロセス制御装置を備えるプロセス制御ネットワークを有し、ともに通信可能に結合された多様な処理装置を有するプロセス通信ネットワークを有する、プロセスプラント内部で用いられる。本構成方法は、多様なプロセス制御装置及び処理装置のうちの異なるものの内部に、データ処理モジュールのセットを格納することと、データ処理モジュールを固定するように通信可能に相互接続させて、通信可能に直列接続された3つ以上のデータ処理モジュールのセットを作り出すことと、直列接続された3つ以上のデータ処理モジュールのセットを、プラントにおいて収集されたデータに対して、特定のタイプのデータ処理を行うように構成することと、を含む。本構成の工程は、プロセス制御ネットワーク内部のプロセス制御装置内部の一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、未処理のプロセスデータを収集するためのデータ収集モジュールとして構成することと、一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、1つ以上のデータ収集モジュールと通信し、データ収集モジュールによって収集された未処理のプロセスデータを処理して中間プロセスデータを作成するための中間プロセスモジュールとして構成することと、一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、中間データ処理モジュールのうちの1つ以上と通信し、中間プロセスデータを処理して、最終使用プロセスデータを生成するための最終使用プロセスモジュールとして構成することと、を含んでもよい。加えて、本構成方法は、プロセス通信ネットワークに通信可能に接続された1つ以上の署名アプリケーションに、最終使用プロセスデータを提供するための最終使用データ処理モジュールのうちの1つ以上を構成することを含んでもよい。
【0026】
所望であれば、データ処理パイプラインを構成する本方法は、一連のデータ収集モジュールのうちの1つ以上を、プロセス制御ネットワーク内部でプロセス制御を行うプロセス制御器の制御器実行速度よりも速い速度で未処理のプロセスデータを収集するように構成することによって、プロセス制御ネットワーク内部のプロセス制御装置内部に格納された一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、データ収集モジュールとして構成することを含んでもよい。またさらには、一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、中間データプロセスモジュールとして構成することが、1つ以上の中間データプロセスモジュールを、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で未処理のプロセスデータを処理するように構成することを含んでもよい。また、一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、最終使用プロセスモジュールとして構成することが、最終使用プロセスモジュールのうちの1つ以上を、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度で中間プロセスデータを処理するように構成することを含んでもよい。
【0027】
プロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法は、プロセス制御ネットワーク装置内にデータ処理モジュールのいくつかを格納し、データ処理モジュールの他のものをプロセス通信ネットワーク装置内に格納することによって、多様なプロセス制御装置及び処理装置のうちの異なるものの内部に、データ処理モジュールのセットを格納することを含んでもよい。プロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法は、プロセスデータに対して特定のシーケンスで処理を実行するための異なるデータ処理モジュールを格納することによって、多様なプロセス制御装置及び処理装置のうちの異なるものの内部にデータ処理モジュールのセットを格納することをさらに含んでもよく、格納されたデータ処理モジュールのセットが、プロセス制御ネットワークからプロセスデータを収集する1つ以上の上流データ収集モジュールと、データ収集モジュールまたは別の中間プロセスモジュールのうちの1つ以上によって収集されたデータを処理する1つ以上のデータ収集モジュールまたは1つ以上の他の中間プロセスモジュールの下流に通信可能に接続された1つ以上の中間プロセスモジュールと、1つ以上の中間プロセスモジュールからの中間データを用いて最終使用データを発生させる、1つ以上の中間プロセスモジュールの下流に通信可能に結合された1つ以上の最終使用プロセスモジュールと、を含む。
【0028】
同様に、一連のデータ処理モジュールのうちの1つ以上を、プロセスデータを処理して中間プロセスデータを生成するように構成することが、1つ以上の中間データ処理モジュールを、2つ以上の上流データ処理モジュールからのデータを受信し、2つ以上の上流データ処理モジュールからのデータを組み合わせて中間プロセスデータを作成することを含んでもよく、1つ以上の中間プロセスモジュールを、2つ以上の下流データ処理モジュールに対して中間プロセスデータを提供するように構成することを含んでもよい。最終使用プロセスモジュールのうちの1つ以上を、中間プロセスデータを処理して最終使用プロセスデータを生成するように構成することが、1つ以上の最終使用プロセスモジュールを、多数の異なるアプリケーションに対して最終使用データのストリームを提供し、かつ/または1つ以上の断続的に接続されたアプリケーションに対して最終使用データを提供するように構成することを含んでもよい。直列接続された3つ以上のデータ処理モジュールのセットを、プラントにおいて収集されたデータに対して特定のタイプのデータ処理を行うように構成することが、データ処理モジュールのうちの2つを、ともに断続的に通信可能に接続されるように構成することを含んでもよい。
【0029】
一例として、プロセスプラント内部にデータ処理パイプラインを構成する方法は、プロセス制御ネットワーク及びプロセス通信ネットワークを含む異なる通信ネットワークに、通信可能に結合されたデータ処理モジュールのうちの異なるものを格納することによって、多様なプロセス制御装置及び処理装置のうちの異なるものの内部に、データ処理モジュールのセットを格納することを含み得る。この格納工程は、プロセス制御フィールド装置内のデータパイプラインのデータ処理モジュールのうちの1つに格納すること、プロセス制御器内のデータ処理モジュールのうちの1つに格納すること、領域ビッグデータ分析マシン内のデータ処理モジュールのうちの1つに格納すること、クラウドベースのデータ分析マシン内のデータ処理モジュールのうちの1つに格納すること、及び/または携帯型装置内のデータ処理モジュールのうちの1つに格納することのいずれかまたはすべてをさらに含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】プロセス制御装置、監視装置及びビッグデータ機器装置を含むプラントネットワークのブロック図であり、データパイプラインが作成されて設置され得る。
図2A図1のプラントネットワークに作成されて設置され得るさまざまな異なる例のデータパイプラインのブロック図である。
図2B図1のプラントネットワークに作成されて設置され得るさまざまな異なる例のデータパイプラインのブロック図である。
図2C図1のプラントネットワークに作成されて設置され得るさまざまな異なる例のデータパイプラインのブロック図である。
図3】さまざまな方法で組み合わせられて、プラントネットワークに1つ以上のデータパイプラインを作成することができるデータ処理機能のセットを図示するブロック図である。
図4】データパイプラインを用いた、自動的または自律的な信号処理ベースの学習をサポートし得るプロセスプラントまたはプロセス制御及び監視システムのための一例のビッグデータネットワークのブロック図である。
図5図4の一例のビッグデータ機器のブロック図である。
図6】データパイプラインに基づく自動的または自律的な信号処理ベースの学習が行われ得る、プロセスプラントまたはプロセス制御システムの一例のさらなるブロック図を図示する。
図7】プラントからデータを収集して格納するビッグデータマシンと、プラントから収集されたデータを用いるかまたは分析する1つ以上のデータモデルを実施するデータパイプラインを作成して実行するために用いられ得るデータスタジオとを含むプロセスプラントまたはプロセス制御システムの一例のブロック図を図示する。
図8】汎用プラント環境内部で接続された、図6のデータモデル化スタジオの例示的な実施形態のブロック図である。
図9】リアルタイムプラントネットワークにおける試験及びインプリメンテーションのための1つ以上のデータパイプラインを作成するために用いられ得る、図7及び8のデータモデル化スタジオのグラフィカルユーザインターフェースの画面表示である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
プロセスプラントまたはプロセス制御システムにおいて信号処理ベースの学習を自動的または自律的に行うための手法、システム、及び方法は、信号処理ベースの学習がリアルタイムで、またはオンラインプラントネットワークで行われる基礎構造としての1つ以上のデータパイプラインの作成及び使用を含む。概して、これらの手法、システム、及び方法は、信号処理が、プロセスプラント内部の制御システムまたは監視システムの動作の結果として、さらには保守活動または保守データ、監視データ、装置データ、業務または計画データ等に基づいて生成されたデータ(例えば、信号)に対して自動的または自律的に行われるかまたは適用されることを可能にする。通常、データパイプラインが動作するデータまたは信号は、プロセスの制御、保守、監視等に基づいて経時変化するパラメータ値を示す。このように、本明細書で用いられる場合、用語「信号」は、概して、パラメータ値の時系列、例えば、制御器の出力の時系列、外乱変数の時系列、時系列プロセス変数測定、監視または測定された変数の時系列等を指す。ユーザがプロセスプラントから帰納的に履歴信号フィードを得て、オフラインの別個の信号プロセッサ内に履歴信号フィードを提供する周知のプロセス制御信号処理手法とは異なり、本明細書に記載された手法、システム、及び方法は、データパイプラインを用いて、1つ以上の信号処理機能が、プロセスプラント、保守システム、監視、システムまたはプロセス制御システムに組み入れられて、それによって、信号が1つ以上の信号源によってリアルタイムで生成されると、信号処理が自律的に(例えば、バックグラウンドプロセスとして)リアルタイムで行われるようにすることを可能にした。このように、本明細書に開示された手法、システム、及び方法を用いて、信号処理は、動作中のオンラインプロセスプラントまたはシステムに、例えばさまざまな信号処理機能を、プロセスプラント内部のさまざまな信号源に近接して位置付けるかまたは設置するか、またはシステムを監視して、これらの信号処理活動の結果が、プラント内部の他の分析モジュールまたはより高次の分析アプリケーションによって用いられることを可能にすることによって、統合化されるかまたは組み入れられる。実際に、いくつかの実施形態では、1つ以上の信号処理機能が、信号源に組み込み型であるかまたはそれに組み込まれてもよく、一方で他のケースでは、信号処理機能は、より集中型の装置内に置かれてもよい。いずれにしても、組み入れられるかまたは統合化された信号処理機能は、オンラインプロセスプラントまたは監視システムのリアルタイムな動作の結果として、信号源によって生成されたリアルタイム信号に対して自律的及び自動的に実行されるように構成され得る。
【0032】
本明細書で述べられた手法、システム、及び方法は、単一の信号に、多数の信号にそれぞれかつ/または群としてあるいは全体としての多数の信号に適用されてもよいことに留意されたい。しかしながら、本明細書での記述を簡易にするため、かつ限定を目的としないために、単数形の用語「信号」が利用される。
【0033】
1つ以上のデータパイプライン構造を用いて、1つ以上の信号処理機能を行うこと(例えば、リアルタイム信号に対する1つ以上の信号処理機能の適用)は、信号の1つ以上の特性を示し、信号または信号群に関する他の情報を示す等の結果をもたらし得る。さらに別のケースでは、データパイプラインの使用は、データマイニング及びデータ学習に加えて、データ処理または信号調整を行うよう実施され得る。例えば、信号に存在する1つ以上の卓越周波数または高周波は、データパイプライン内部の1つ以上の信号処理機能の適用によって判定され得る。いくつかのプロセスプラントまたはプロセス制御システムでは、データパイプラインによって行われたデータ処理によって判定された信号の特性は、プロセスプラントのリアルタイム動作中に自動的または自律的にさらに動作する1つ以上の分析機能に提供される。分析機能は、例えば、プロセスにおいて信号源の上流にある素子(例えば、プロセス素子)を示すかまたは特定する素子整合マップまたは同様のリソースに基づいて、信号の特性の1つ以上のソースを判定し得る。これらまたは他のケースでは、データ学習は、データパイプラインを用いて、プロセスプラント、制御システム、監視または非監視システム等に関する他のタイプの知識を特定するように行われてもよい。
【0034】
概して言えば、データパイプラインは、プラントまたは他の監視システム内のさまざまなソースからのデータをクリーニングし、フィルタリングし、処理して学習及び分析を行うために、プラント内部に組み込まれた分散型処理システムにおける素子構造として用いられる。特に、さまざまなソースから、例えば制御システムリソース、保守システムリソース、フィールド装置、制御器、監視システム、研究所分析等から受信されたデータの1つ以上のストリームに対して行われる特定の処理を定義するために、1つ以上のデータパイプラインを設けてもよい。各データパイプラインは、それらに提供された一定の信号またはデータ(例えば、データのストリーム)上で動作して、その後データパイプライン内部の下流ブロックまたはモジュールに提供される1つ以上のデータストリームを発生させる、多数の異なる処理ブロックまたはデータ処理モジュールで構成される。概して言えば、データパイプラインへの初期入力は、未処理のデータ、例えば制御信号、プロセス変数測定信号(例えば、圧力、温度、流れ等データ)、監視信号、装置データ、保守データ等の1つ以上のセットである。また、データパイプライン内部の各ブロックは、データ入力(例えば、データパイプライン内の1つ以上の他のデータ処理モジュールから受信される)をいくつかの方法で処理して、例えば、データのクリーニング、データの組み合わせ、消失データの穴埋め、データのフィルタリング、データに対する学習または分析等を行う。データパイプラインのさまざまな異なるデータ処理モジュールを通したデータフローとして、データパイプラインは、データパイプライン内部の他のデータ処理モジュール、他のデータパイプライン、高水準分析アプリケーション等の他の分析モジュールを含む他のデータコンシューマに曝されてもよく、またそれらに利用可能にされてもよい新しいデータ(中間データまたは最終使用データであってもよい)を作成する。また、データパイプラインの出力(本明細書では最終使用データと称される)は、例えば、警告を設定し、より良好な保守または制御を行い、ユーザにグラフ及びチャートを提供して、プラントまたは監視システムのいくつかの動作、またはデータパイプライン内部で処理されたときにデータから集められた任意の他の知識を例証するために用いられ得る分析結果を表すかまたは提供し得る。またさらには、データパイプラインのさまざまな異なるモジュールまたはブロックは、プラントネットワークまたは他のネットワーク内部の異なる装置で実施されてもよく、データは、データパイプラインの異なるブロック間を、任意の所望の方法かつ任意の所望の速さまたは速度で流れ得る。概して言えば、データパイプライン内部のデータ処理モジュールは、(1)プラントまたはプロセスから何らかのデータ、例えば未処理のプロセスデータ、制御器データ、I/Oデータ、保守データ等を収集するデータ収集モジュール、(2)1つ以上のデータ収集モジュールまたは他の中間プロセスモジュール(つまり、その下流)に通信可能に接続され、他の中間プロセスモジュールから提供された収集データまたは他のデータを分析(例えば、組み合わせ、処理、フィルタリング等)して中間データを発生させるように動作する中間プロセスモジュール、及び(3)1つ以上のデータ収集モジュールまたは中間プロセスモジュール(すなわち、下流)に通信可能に接続され、これらの他のモジュールからのデータを用いて、1つ以上のデータコンシューマ、例えばユーザインターフェース、高水準分析アプリケーション、データベース等に提供された処理済みデータ(最終使用データ)を作成する最終使用プロセスモジュールの形状を取ってもよい。所望であれば、データパイプラインは、プロセスの動作中に最終使用データをリアルタイムで生成するように動作してもよく、データコンシューマに最終使用データをコンスタントに、周期的に、または断続的に提供してもよい。つまり、最終使用アプリケーションは、データパイプラインに接続されて、接続されたままにされ、データパイプラインから最終使用データを一貫または一定ベースで受信してもよく、またはデータパイプラインに周期的または断続的に接続されて、これらのアプリケーションまたはユーザがそのデータを要するときに最終使用データを受信してもよい。またさらには、データパイプライン内部のデータは、任意の所望の速度で、例えばプロセスを制御している1つ以上のプロセス制御器の実行速度よりも速く、収集されて処理されてもよい。このケースでは、プロセスプラント内部のデータパイプラインは、プロセス制御器とは独立して動作する(それでも、データパイプラインは、プロセス制御器によって生成されたデータを用いるかまたは収集し得る)。
【0035】
このように、理解されるように、データ処理及び知識学習手法は、それらの動作を通して、プラント内部で収集されるか、生成されるか、または測定されたデータに対する特定の行動を実施して、その結果特定のタイプの高水準データ処理及び学習を行うことを可能にする1つ以上のデータパイプラインの使用によって、プラントネットワーク内部で自動的または自律的に実施され得る。各データパイプラインは、特定のデータのセットに対して特定の(例えば、固定された)順序で行われ、その結果プラント内部でのプラントまたは学習に関する知識につながるいくつかの包括的処理を行う一連の動作または機能を定義する。言い換えると、各データパイプラインは、一連の所定のデータ処理機能を、特定の予め定義された順序で実施して、1つ以上のデータモデルを行うかまたは実施し、かつ/またはプラント内部でデータ学習を実施する。通常、必ずしもそうではないが、データパイプラインの少なくとも一部が利用されるプロセスプラントは、プロセス制御ビッグデータネットワーク及びプロセス制御ビッグデータネットワークノードまたは装置を含む。例えば、本明細書に開示されたシステム、方法、及び手法のうちの少なくともいくつかは、例えば前述の米国出願番号第13/784,041号、前述の米国特許出願第14/174,413号、前述の米国出願番号第14/212,493号及び/または前述の米国出願番号第14/507,188号、発明の名称「REGIONAL BIG DATA IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」に記載された、局所化された領域及び/または集中型ビッグデータをサポートするプロセスプラントで実施されてもよい。このように、データパイプラインを用いて自動的または自律的な信号処理ベースの学習を行うプロセスプラントは、1つ以上のビッグデータ装置を含んでもよく、それらのうちの少なくともいくつかは、それぞれ分散されるかまたは埋め込まれて、ビッグデータプロバイダノードによって生成されたビッグデータ上で動作するビッグデータ機器を含む。
【0036】
システムの一例では、個々のデータパイプラインが、タグ付けされて分散され、プラント制御または監視設定内部で予測、特化された可視化、警告及びアラートを生成するために用いられ得る分析モジュールに包含されてもよい。つまり、分析モジュールは、1つ以上のデータパイプラインを組み合わせるかまたは用い、パイプラインによって発生した出力または露出データを用いて、プラントデータに対する分析を行い得る。その後、分析ブロックの出力を用いて、予測を行い、障害を監視して、リアルタイムで勧告をオンラインで提供(例えば、プラント内部の事象が進展するにしたがって、オペレータ及び保守作業者に、彼らのシフト全体を通して勧告を提供)し得る。理解されるように、データパイプラインを用いて、時系列、資産、マシン健全性データ、監視データ等を、任意の所望の方法で収集し、格納し、処理して組み合わせて、任意の所望のまたは有用な出力を発生させてもよい。
【0037】
一例として、データパイプラインアーキテクチャを、プラントネットワーク、例えば図1に図示されたプラントネットワーク10で用いてもよい。図1のプラントネットワーク10は、弁、センサ、トランスミッタ、またはプロセス、装置またはプラントパラメータを測定し、及び/またはプラント内部いくつかの物理的制御行動を行う任意の他のタイプの装置であってもよいさまざまなフィールド装置18に入力/出力装置16を介して結合された制御器14を有する制御システム12を含むとして図示される。フィールド装置18は、有線フィールド装置であるとして図1に図示されているが、これらは、同様にまたは代わりに無線装置であることができ、任意の所望の方法でプラント資産、システム、流体の流れ等の制御を行うように構成されてもよい。またさらには、プラントネットワーク10は、無線ゲートウェイ装置22を介してプラントネットワーク10内部に接続された無線装置であるとして図示された監視装置または他のフィールド装置または測定装置20を含む。装置20は、任意のタイプの装置、例えば保守装置、監視装置、センサ等であることができる。また、装置20は、無線または有線装置であってもよく、任意の所望の通信プロトコル及び/または通信ネットワークを用いて、プラントネットワーク10内で通信してもよい。またさらには、図1は、データ処理装置を、プラントネットワーク10に結合された空間分析装置24の形式で図示する。ここで、空間分析装置24は、プラントのサンプルか、またはそれに提供された他のデータに対する分析を周期的に行って、プラント動作のいくつかの態様に関する情報またはデータを提供するかまたは生成してもよい。当然ながら、空間分析装置24は、プラントネットワーク10で用いられて、プラント、制御システム、非監視システム等の動作に関する情報またはデータを提供することができる試験または分析装置の単なる一例である。また、オフラインの研究室測定値または分析を提供する装置、任意のタイプの信号分析装置等の他のタイプの分析装置を含む任意の他のタイプのデータプロバイダが、プラントネットワーク10に結合されることができることが理解されよう。
【0038】
図1に図示されるように、プラントネットワーク10は、本明細書では領域ビッグデータノードとも称される1つ以上の埋め込み分析層26と、集中型分析層28と、クラウドベースの分析層30とを含むさまざまなレベルの分析構造をさらに含む。領域、集中型及びクラウドベースの分析層26、28、30の各々は、プラントネットワーク10内のこれらの層において、1つ以上のプロセッサ、コンピュータ、サーバ等上で実行され得る1つ以上の分析エンジンまたは信号処理エンジンを含む。図1に図示されるように、領域埋め込み型分析層またはブロック26は、制御システム12及び監視システム装置(例えば、20、22、24等)に近接した(論理的にまたは通信可能に接続されている)プラント10内の装置内部に埋め込まれ得る1つ以上の分析エンジン36a~36nを含んでもよい。分析エンジン36a~36nは、制御器、フィールド装置、ゲートウェイ装置等に実装され得るが、これらのエンジンは、さらにまたは代わりに、例えばビッグデータマシンを実施するスタンドアロンの処理装置で実施されてもよい。分析エンジン36a~36nは、ストリーミングプロトコルバス37を介してともに接続されてもよく、制御システム12のさまざまな制御装置14、16、18のうちの1つに、監視装置20、24に、またはシステム内部の他の装置、例えばスペクトル分析装置24に、同じかまたは異なる通信プロトコルを用い得るさまざまな異なるバスまたは通信ネットワークを介して接続されてもよい。いくつかのケースでは、埋め込み型分析エンジン36a~36nは、制御及び監視装置または他の装置内部に埋め込まれてもよく、またはデータ分析を行う装置内部のスタンドアロンの装置またはチップであってもよい。
【0039】
図1に図示されるように、埋め込み型分析エンジン36a~36nは、ともに接続され、集中分析層またはブロック28のうちの1つ以上の分析プラットフォーム40に、分析バス37を介して接続される。集中層または集中型ビッグデータノード28の分析プラットフォーム40は、本明細書により詳細に記載されるようなビッグデータ機器を有するビッグデータプラットフォームであってもよい。分析エンジン36a~36n及びビッグデータプラットフォーム40は、図1のプラントネットワーク10のより低いレベルの制御、監視及び分析マシンにおける装置からのデータを格納し得る。またさらには、集中層28のビッグデータ機器は、クラウドベースの分析ブロック30内部のデータ分析に接続されてもよい。図1に図示されないが、クラウドベースの分析ブロック30は、図1のその他のレベルまたはブロックを介して提供されるかまたは利用可能であるデータに対してデータ分析を行う、任意の数の分析装置及びビッグデータ装置を含んでもよい。
【0040】
またさらには、図1に図示されるように、1つ以上の携帯型装置42は、分析マシンのいずれか、例えば分析ブロック26、28及び30の装置のいずれかに無線接続して、データ分析を行い得る。このように、例えば、1つ以上の携帯型装置42が、分析エンジン36a~36nと、ビッグデータ機器40と、及び/またはクラウド分析ブロック30内のサーバまたは他のマシンとインターフェース接続して、データパイプラインを用いてデータ分析を行い得る。図1に明示的に図示されていないが、携帯型装置42は、他の装置と接続して、例えばフィールド装置18、監視装置20、制御器14、I/O装置16、ゲートウェイ22、データ処理装置24等に対するデータを取得し得る。
【0041】
理解されるように、図1の下段は、いくつかのデータ源(I/O装置、I/Oバス、無線及び有線フィールド装置、近赤外分光装置、及び機材監視システム等)からデータが収集されることを図示する。データの一部は、従来の制御器14に送られてもよいが、データのほとんどが、ネットワーク10の領域ビッグデータノード(すなわち、埋め込み分析層26)内の埋め込み型分析エンジン36a~36nに対してストリーミングされる。埋め込み型分析エンジン36a~36nは、データをキャッシュして、処理をリアルタイムでローカルに開始し、埋め込み型分析エンジン36a~36nは、学習及びランタイムの両方の実行能力を含み得る。可能である多くのタイプの分析、障害検出、及び勧告システムがあるため、分析エンジン36a~36nは、広範なアルゴリズムを実行することが可能であってもよい。この能力の一部として、分析エンジン36a~36nは、特化された信号処理及び学習チップ(TI信号処理及びIBMニューロ学習チップ等)を含んでもよい。そのようなハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを利用して、予測、障害検出を行い、勧告を提供してもよい。このシステムの一部として、埋め込み型分析は、それらが監視している機材についての先頭のインジケータの特定を開始し、その後他の埋め込み型分析エンジンと連動して、それらの先頭のインジケータに多大な影響を与えるパラメータを特定することができる。いったん覚えさせると、埋め込み型分析モジュール36a~36nは、それらをその後用いてプロセス、資産、及び機材を監視するところでダウンロードされることができる。一意の特徴は、分析エンジン36a~36nが、データパイプラインによって定義されたような方法で継続的に学習することができ、そのような学習が、ビッグデータ装置またはノードのいずれかにおいて後日検討するためにキャッシュされることができることである。
【0042】
またさらには、図1に図示されるように、データ分析は、携帯型装置42において実行されるかまたは稼動されることができる。実際、組み込み型分析能力を備える新しいチップセットの開発によって、携帯型ユニット42は、実際に分析を稼動させるために最もよい場所のうちの1つにあってもよい。この要因を意識して、携帯型装置42は、より低水準の装置、例えば制御器14、フィールド装置18、監視装置20から、及び高水準装置、例えば埋め込み型分析エンジン36a~36n、集中型ビッグデータサーバ40、及びクラウド層30からデータを引き出して、特化された処理を行ってもよい。そのようなケースでは、特化されたアプレットを、特定の機材、装置、プロセス、会社等のために開発することができ、これらのアプレットを、携帯型装置42上で実行させることができる。
【0043】
上述のように、埋め込み型分析エンジン36a~36nに送られたストラテジは、例えばデータパイプライン内にともに連鎖された1つ以上の分析ブロックを含んでもよい。例えば、データパイプライン内の第1のブロックを用いて、一定のデータ(例えば、制御器データ、フィールド装置データ、測定データ、監視データ、装置データ等)をフィルタリングしてもよく、データパイプライン内の第2のブロックを用いて、フィルタリングされたデータのセット内部の消失データに対処(例えば、消失データを見つける、補間または他の手法に基づいてデータを埋める等)してもよく、データパイプライン内の第3のブロックを用いて、第2のブロックからのデータを時間整合させてもよく、データパイプライン内の第4のブロックを用いて、整合されたデータのアレイまたはマトリックスからパラメータを選択してもよく、データパイプライン内の第5のブロックを用いて、選択されたパラメータから障害検出を行ってもよく、データパイプライン内の最終ブロックを用いて、障害検出データに対する予測を行ってもよい。各データパイプラインは、例えば警告/アラートを含み、警告限度を手動で調整可能であってもよいモジュールによってホスティングされてもよい。
【0044】
当然ながら、各データパイプラインは、プラント10内部で収集されたデータに対する処理を行うために用いられ得るさまざまな異なるデータ処理ブロック、またはさまざまな異なるタイプのデータ処理ブロックを含むことができる。例えば、データパイプライン内部のブロックまたはモジュールは、1)データクリーニング(ノイズ及び矛盾するデータの除去)、2)データ統合(多数のデータ源を組み合わせ得る)、3)データ選択(分析タスクに関係するデータをデータベースから取得する)、4)データ変換(データを下流アルゴリズムまたはブロックによって使用可能である形式に変換して一本化する)、5)データマイニング(インテリジェントな方法を適用してデータ内部のパターンを抽出する場合に必須のプロセス)、6)パターン評価(趣向性測定値に基づく知識を表す実に興味深いパターンを特定する)等を含むかまたは行うことができる。加えて、知識の表現及び予測は、データパイプライン内部の1つ以上のデータパイプラインまたはブロックによって生成されてもよい。いくつかのケースでは、例えばデータパイプラインは、知見を提示するための可視化手法を含んでもよく、制御または監視における予測を提供するために用いられ得るオンラインモデルを含んでもよい。また、いくつかのケースでは、予測はさらに、制御ストラテジに戻して束ね、それによって、データパイプライン分析に基づいて、制御ループを閉じてもよい。
【0045】
単なる一例として、図2A~2Cは、図1のもののようなプラントネットワーク10で実施されることができるさまざまな異なるデータパイプラインを図示する。特に、図2Aは、ともに通信可能に結合されて(矢印によって図示されるとおり)、単一のデータストリームに対して異なるデータ処理タスクを行う5つのデータ分析ブロックを有するデータパイプライン50を図示する。図2Aのデータパイプライン50の例では、第1のデータ処理ブロック52は、特定のタイプのプロセスデータ(例えば、監視または弁データ)を収集し、第2のブロック54は、ブロック52によって収集されたデータをフィルタリングし、第3のデータ処理ブロック56は、消失データを埋めるかまたはフィルタリングされたデータを処理して異常値等を取り除くことによって、データを平滑化する。ブロック56は、他のブロック(曝されたデータに接続されるかまたはそれを得ることができる異なるデータパイプラインまたは分析モジュールの一部として)によって用いられるために、一定の計算されたデータを提供するか、またはそれを可視化するかまたは曝すとして図示される。ブロック56のケースでは、フィルタリング及び平滑化されたデータのアベレージ(平均)及び標準偏差(SD)は、曝されたパラメータとして提供される。いずれにしても、データパイプライン50の第4のブロック58は、ブロック56からのフィルタリング及び平滑化されたデータに対してフーリエ変換を行い、その出力におけるデータの周波数表現を提供し得る。次いで、データパイプライン50内のブロック59は、ブロック58の出力において周波数データの分析を行い、当該信号の1つ以上の卓越周波数を判定する。卓越周波数データは、データパイプライン50の最終的な出力であってもよく、データベースに格納されるか、または他の分析ブロックが用いるために曝されてもよい。
【0046】
同様にして、図2Bは、データパイプライン60内部のデータストリームを集束させるさまざまなデータ処理ブロックを有するデータパイプライン60を図示する。本例では、データパイプライン60は、さまざまな異なる装置またはデータ源に接続されて、そこから異なるデータストリームを受信する3つのデータ収集ブロック62A~62Cと、ブロック62A~62Cからのデータストリームをフィルタリングするフィルタブロック64A~64Cと、フィルタブロックのうちの1つ64Aからのデータを処理して異常値を取り除き得るデータ処理ブロック65とを有する。次いで、ブロック66は、ブロック64B及び64C及び65からのデータを時間整合させて、時間整合データのマトリックスを発生させ、一方でブロック68は、ブロック66によって発生したデータのマトリックス内部のデータを選択して、さらなる処理を行う。フィルタブロック64A、64B、及び64Cは、フィルタリングされたデータに関するパラメータ、例えばフィルタリングされたかまたは入信するデータの任意の統計的尺度、フィルタ係数等を曝すとして図示されている。当然ながら、他のデータを、これらかまたは図2Bのデータパイプライン60内の任意の他のブロックによって計算して曝すことができる。
【0047】
またさらには、図2Cは、拡散するデータストリーム上で動作するブロックを含むデータパイプライン70を図示する。このケースでは、第1のデータ処理ブロック72(例えば、データ収集モジュール)は、特定のタイプのプロセスデータ(例えば、監視または弁データ)を収集し、第2のブロック74(例えば、中間プロセスモジュール)は、ブロック72によって収集されたデータをフィルタリングし、第3のデータ処理ブロック76(例えば、別の中間プロセスモジュール)は、消失データを埋めるかまたはフィルタリングされたデータを処理して異常値等を取り除くことによって、フィルタリングされたデータを平滑化する。この後、ブロック78A~78D(中間プロセスモジュールでもある)は、ブロック76からのフィルタリング及び平滑化されたデータに、異なるサンプリングレートでフーリエ変換を行い、ブロック79A~79Eは、フーリエ変換ブロック78A~78Dからのデータをフィルタリングする。このケースでは、ブロック79D及び79Eは、ブロック78Dからの同じデータを、異なるフィルタリング係数(例えば、パス範囲)を用いてフィルタリングして、フィルタリングされたデータの異なるセットを発生させ得る。いずれにしても、ブロック79A~79Eからのデータは、他の分析で用いるために、ブロック80(最終使用プロセスモジュールであってもよい)によってデータベースに格納されてもよく、ブロック82(最終使用プロセスモジュールであってもよい)等によって、グラフまたはチャートとしてユーザに提示されてもよい。
【0048】
理解されるように、図2A~2Cのさまざまなデータパイプライン内のブロックの各々を、図1のプラントネットワーク10内部の異なるまたは同じ装置、プロセッサ等に格納して、実行させてもよい。一例として、図2Bのデータパイプライン60は、プラントネットワーク10内部の異なる装置に配設されたそのさまざまなデータ処理ブロックを有するとして図1に図示される。このケースでは、データ収集ブロック62A~62Cは、図1のフィールド装置18及び20のうちのさまざまなものに配設され、フィルタリングブロック64A~64Cは、I/O装置16及びゲートウェイ装置22のうちのさまざまなものに格納されて実行される。平滑化ブロック65は、分析エンジン36bのうちの1つに格納されて実行され、一方で時間整合ブロック66は、分析エンジン36aのうちの別の1つに格納されて実行される。選択ブロック68は、ビッグデータ分析プラットフォーム40に格納されて実行される。当然ながら、データパイプライン60の別個のブロックの各々が、これらのブロックが実行される装置間に結合された異なる通信ネットワークを経由して通信可能に接続され、データパイプライン60のブロックは、そのネットワークに適切な通信を用いるか、またはネットワーク間通信を介して互いに通信する(データパイプライン60によって定義されたように)ように構成される。このように、特定のデータパイプラインは、異なる通信ネットワーク及びプロトコルを用いて、依然として途切れなく動作する装置間で分散されてもよい。当然ながら、データパイプライン60のブロックのいずれかによって曝されるかまたは出力されたデータは、プラントネットワーク10内のその他の装置またはアプリケーションのいずれかに提供されるかまたはそれによってアクセスされてもよく、携帯型装置42、クラウド30等に含まれるものを含む。
【0049】
さらなる例として、図2Aのデータパイプライン50全体が、分析エンジン36n内に配設されて、その中で実行されるとして図示される。別の例では、図2Cのデータパイプライン70の最初の3つのブロックは、分析エンジン36bで実行されるとして図示され、一方で図2Cのデータパイプライン70の残りのデータ処理ブロックのほとんどは、ビッグデータプラットフォーム40で実行されるとして図示され、チャーティングブロック80は、携帯型装置42内で稼動するとして図示されている。
【0050】
当然ながら、図2Cのデータパイプラインのさまざまなブロックの構成及び場所は、単なる例示であり、データパイプラインの任意の特定のブロックまたはモジュールを、例えば装置の処理能、装置のデータ格納能力、装置のデータ源への近接等に基づいて、プラントネットワーク10内部の任意の好適な装置内部に格納して実行させてもよい。また、同じデータパイプラインの異なるデータ処理モジュールが、異なるネットワークに、例えばプロセス制御ネットワーク(例えば、図1のフィールド装置18及び/または20及び制御器14に関連するもののいずれか)及び/またはプラント通信ネットワーク、例えば通信ネットワーク26、28、30、または図1のいずれかにに格納されてもよい。要は、いったん作成されてプラントネットワーク10内のさまざまな装置に設置されると、データパイプラインは、それに提供されたデータ上で動作して、このデータを用いてモデルを稼動させ、高水準分析を行い、ユーザにデータを提示等し得るさまざまな分析モジュールルーチン、他のデータパイプライン等のいずれかに格納されるかまたは提供されることができる新しいデータを発生させる。いくつかのケースでは、データパイプライン自体が、概してプラント10内に分散されて、データストリームを既知または所定の方法で処理し、他の分析モジュールによる使用または処理かまたはユーザによる消費に使用可能である新しいデータまたは新しいタイプのデータを作る分析モジュールであってもよい。当然ながら、所望であれば、データパイプラインは、分析モジュール全体(開始から終了まで)を実施するために用いられてもよく、または分析モジュールに組み入れられるかまたはその一部として用いられてもよい。結果として、特定のデータパイプラインは、いったんプラントに設置されると、2つ以上の分析モジュールによって用いられて、同じデータに対して、または同じデータを用いて、異なるタイプの分析を行ってもよい。
【0051】
また、図2A~2Cのデータパイプラインは、単なる例であり、任意の特定の順番でともに通信可能に結合された任意の処理ブロックのセットを画定する任意の他のタイプのデータパイプラインを設計して用いてもよいことが理解されよう。またさらには、データパイプラインは、集束するかまたは拡散するストリームまたは両方を有してもよく、図2A~2Cに図示された単純なデータパイプラインよりもはるかに複雑な、任意の数の拡散及び/または収束する分岐、任意の方法で接続された任意の数のモジュール等を備えるものであってもよい。
【0052】
上記からわかるように、監視及び分析システムにおける基本的なデータ処理アーキテクチャ上の概念としてデータパイプラインを用いることによって、リアルタイムでの、または分析モジュールによって用いられる時間枠においてのデータの効率的な処理を可能にする。そのようなデータパイプラインは、特定の順序で配置されているアルゴリズムのセットを含み、他の分析モジュールによって用いられ得るモデルを展開するために構成される。結果として得られたモデルは、ダウンロードされてランタイム環境で用いられ、予測、障害検出、及び勧告を行い得る。データパイプライン内に含まれ得るモジュールは、例えば、データ選択及び/またはデータクリーニングモジュール、データ整合モジュール、感度分析モジュール、因果関係分析モジュール、教師付き学習モジュール、及び教師なし学習モジュールを含む。
【0053】
また、データパイプラインまたはデータパイプラインのいずれかの内部の任意の処理モジュールは、任意の所望の通信及びデータ処理速度で、データ収集及び処理を実行することができる。一例として、データパイプラインまたはその処理モジュールは、未処理のプロセスデータが生成されるプロセス制御ネットワーク内部に配設されたプロセス制御器の実行速度よりも速いか、それと同じであるか、またはそれよりも遅いデータ転送速度で、未処理のプロセスデータを収集し得る。概して言えば、通常は、そのようなデータを用いてプラント内部でのプロセス制御活動を行い得るプロセス制御器の実行よりも速いデータ転送速度で、未処理のプロセスデータを収集することが望ましい。また、そのようなデータをリアルタイムで処理するために、通常は、データパイプライン内のデータ処理モジュールのうちの少なくともいくつかが、プロセス制御器の実行速度よりも速い実行速度で動作し、場合によっては、データパイプラインの異なる処理モジュール間で、プロセス制御器の実行速度よりも速い速度でデータを送るように構成することが望ましい。このより高速なデータ転送速度は、データパイプラインが未処理のデータを制御器の実行速度よりも速いデータ転送速度で処理して分析することを可能にし、このことは、通常はより良好またはより完全なプロセス分析を可能にする。
【0054】
より一般的な意味において、図3は、ともに接続されてプラントネットワーク内部のデータパイプラインを形成することができるさまざまなタイプのデータ処理ブロックまたは機能のブロック図85を描写する。特に、ブロック86は、構造化及び非構造化データ、例えばプロセスデータ、空間データ、振動データ、画像データ等を含む、プラント内部の1つ以上のデータ源を表す。ブロック86によって表されるデータ源は、任意のデータ源、例えば測定済みまたは未処理のデータ、処理済みデータ、制御データ、監視データ、保守データ、装置データ、他のデータパイプラインまたは他の分析モジュール等によって発生したデータのソースであることができる。このデータは、オンラインソースから、データベースまたはヒストリアンから、または外部ソース(例えば、インターネット、プラントネットワークの外部のソース等)から入手可能であることができる。
【0055】
当該図85はまた、データパイプライン内の1つ以上のデータ処理ブロックによって行われることができるさまざまなタイプの処理を表すブロックを含み、データ選択及びクリーニングブロック87、データ整合ブロック88、感度分析ブロック89、因果関係分析ブロック90、教師付き学習ブロック91、及び教師なし学習ブロック92を含む。ブロック87~92は、データパイプラインで行われることができるかまたは行われるデータ処理機能の主なタイプを含み、各データパイプラインは、通常は、何らかの方法でともに通信可能に接続される、ブロック87~92によって表されるタイプの1つ以上の処理ブロックを含む。図3において矢印で図示されるように、データパイプライン内のブロック87~92は、ブロック86(例えば、何らかの特定のデータ源)からデータを得て、さまざまなデータ処理機能を行うための任意の順番または方法でともに接続され得る。
【0056】
またさらには、図3の表現ブロック93及び調査分析ブロック94によって図示されるように、ブロック87~92のうちの1つ以上の組み合わせから作成されたデータパイプラインは、出力または処理済みデータを、プラントネットワーク内のさまざまなユーザに提供することができる。表現ブロック93は、例えば、データパイプラインによって発生したデータのいくつかのタイプの表現を提供する。そのような表現は、例えば、データパイプラインの1つ以上のブロックによって発生した(例えば、因果関係ブロック90、感度ブロック89、教師付きまたは教師なし学習ブロック91、92等からの)データの何らかの表現、図示、描画または他の閲覧を提供するグラフ、チャート、ビューボックス、動画等であってもよい。同様に、調査分析ブロック94は、すべて新しいかまたはより有用なデータパイプラインを作成する目的で、変更を行い、新しいかまたは変更されたデータ源を付加し、データパイプラインをデバッグ等して、データパイプライン等において新しいデータ処理または新しいデータ源を試みるための、データパイプライン内部のインターフェースをユーザに提供することができる。
【0057】
当然ながら、ブロック87~92のうちのいずれかにおいてデータ処理を行うために用いられ得る多くのタイプのアルゴリズムまたは手法があり、これらの手法の数例のみが以下に述べられる。特に、ブロック87のデータ選択及びクリーニング機能は、さまざまな手法を用いて実施され得る。例えば、これらのブロックは、任意の所望の手法を用いて、クリーニングするためのパラメータまたはデータ、及びクリーニングまたは用いるためのデータの時間周期を選択するかまたは特定し得る。これらの選択は、ブロック作成者によって特定されたとおりに絶対であるかまたは固定されていてもよく、または何らかの現行の基準または計算に基づいて決定されてもよい。例えば、データ選択は、(オンラインで、あるいはデータベースに格納された履歴データにおいて)特定されたパラメータが高い変動性を示したときに、自動的に始まってもよい。データ選択ブロック87は、関心のあるパラメータについての変動性が高いときに調査してもよく、そのようなデータが利用可能である場合に、プロセス応答時間に基づいてこの期間を、例えば過去及び未来に延長してもよい。別のケースでは、データ選択ブロック87は、画定された期間内に、下流及び上流パラメータの変動性を見直してもよく、最小変動値を超えるパラメータを選択してもよい(上流/下流パラメータが構成において、または別の方法で予め定義されていることを前提とする)。プラント内部の上流/下流路が画定されていない場合、データ選択ブロック87は、プロセスユニットに対するパラメータを選択し、選択された期間にわたってデータによる主成分分析(PCA)を行ってもよく、すべてのパラメータについて振動有意性指数(oscillation significance index(OSI))を計算してもよく、かつこの指数値に基づいてパラメータを選択してもよい。当然ながら、データを選択する多くの他の方法を用いてもよい。
【0058】
別のケースでは、データ選択及びクリーニングブロック87は、消失または不良データを検出し、このデータに対するデータ修正または排除を行い得る。例えば、ブロック87は、不良状態データ値に、その変数についての最後の周知の良好な値を(例えば、オンラインで)与えてもよい。別のケースでは、ブロック87は、補間手法を用いて消失データを埋めてもよい。例えば、(消失データの前の)データの最後の良好な部分のデータトレンドの傾斜が、消失データの期間後のデータの一部の傾斜とほぼ同じである場合、消失パラメータ値は、一致した傾斜で埋められてもよい。この規則は、プロセス応答時間と等しいデータ長まで、またはプロセス応答時間が既知ではない場合は、所定のサンプル数(例えば10)まで適用され得る。消失データの前後のデータの傾斜が同じではない場合、データの可変平均値は、生成された消失データ値に適用され得る。同様に、相当数のデータの値、例えば入手可能なデータの2倍が消失した場合、またはいくつかの変数が同じ時間周期において不良である場合、データが不良である期間を、データセットから切り取ることができる。マルチステートモデルのためのデータを除外するかまたは分離するか、またはデータスライシングを行うための任意の周知の手順を用いてもよい。このケースでは、データスライシングは、先頭の変数を基準としてパラメータ遅延を画定した後に行われてもよい。教師なし学習については、簡易なデータ切取が適用されてもよい。またさらには、選択された期間全体にわたって20パーセントを越える値が不良である場合、変数は、この変数が確実に分析中であることを要する主要な変数である場合を除き、モデル化/学習全体から除外され得る。
【0059】
さらに別のケースでは、ブロック87は、例えば3σ(標準偏差の規則)を適用するか、またはハンメル分析(すなわち、中央絶対偏差の規則)を適用するか、モデルベースの規則(例えば、AR/ARIMA)を適用するか、もしくはカルマンに基づく異常値検出規則を適用することによって異常値除去を行ってもよく、これらはほんの一例である。
【0060】
またさらには、データ選択及びクリーニングブロック87は、データフィルタリングを行ってもよい。例えば、ブロック87は、特定のアプリケーションがフィルタリングを必要とするときのみフィルタリングを適用してもよく、または任意の所望の、または周知のフィルタリング手法、例えばサビツキー・ゴーレイフィルタリング、指数フィルタリング、平均化フィルタリング、任意のウェーブレットフィルタリング等の選択を設けてもよい。
【0061】
同様にして、ブロック88は、任意の所望の手法を用いてデータ整合を行い得る。例えば、データ整合は、教師付き学習についての下流品質パラメータか、または教師なし学習についての大きな変動を有するプロセス下流先頭のパラメータを選択することによって行われ得る。データ整合は、個々の上流パラメータごとに相互相関アルゴリズムを適用して、上流パラメータについての時間遅延を適用し得、または時間遅延を画定するために上流パラメータごとにPCA手法を適用し得る。ブロック88は、時間遅延に基づく整合データの新しいファイルを展開してもよく、また品質パラメータが研究所で決定された場合には、変更後の第1の値のみを用いてもよい。
【0062】
またさらなるケースでは、ブロック89は、例えば時間整合ファイル(例えば、ブロック88を発生させる)を用いて感度分析を行い、部分最小二乗法(PLS)モデルを展開し得る。ブロック89は、すべての入力に対する順次のステップ変更を試験的に用いて、モデル入力ごとにゲインを定義し(他の変数における変更に対する変数の感度を判定し)得る。ブロック89は、最小ゲインよりも小さい入力を、モデル構成から除外してもよく、任意には、PCAを適用して、入力パラメータについてのOSI(振動有意性指数)を展開してもよい。
【0063】
同様に、ブロック90は、非整合及び/または整合ファイルを用いて因果関係分析を行ってもよく、これらのファイルからPCAモデルを展開してもよい。ブロック90は、入力パラメータについてのOSI指数(有意性指数)をさらに定義してもよく、必要とされる最低指標値よりも小さい入力を、モデル構成から除外してもよい。
【0064】
またさらには、ブロック91は、任意の所望の非線形モデル、例えばニューラルネットワークモデル、またはPLSまたはMLRモデル等の線形モデルを用いて、教師付き学習を行い得る。ブロック92は、データクラスタ化、K-means、k-NN、決定木、バギング、ブースティング、ランダムフォレスト、条件付きベイズ確立分析等を行うことによって、分析モデル化、例えばPCA及びSVDモデル化を適用することによって教師なし学習を行い得る。当然ながら、これらは、発生させることができるか、またはデータパイプライン内のブロック87~92の各々で実施されることができる処理のタイプのほんの数例であり、多くの他のタイプのデータ処理を同様にまたは代わりに適用することができる。
【0065】
図4は、データパイプラインのさらなる使用例として、1つ以上のプロセスを制御し、プロセス制御ビッグデータ及び特にその動作を、1つ以上のデータパイプラインを用いてサポートして、自動的または自律的な信号処理ベースの学習の1つ以上のインスタンスを実施する、プロセスプラントまたはプロセス制御システムのための例示的なビッグデータネットワーク100の簡略化されたブロック図である。プロセス制御ビッグデータネットワーク100は、1つ以上のプロセス制御ビッグデータノード102~110を含み、その各々が、プロセス制御ビッグデータを収集し、観察し、生成し、格納し、分析し、アクセスし、送信し、受信し、かつ/またはその上で動作する。本明細書で区別なく用いられる「プロセス制御ビッグデータ」、「プロセスビッグデータ」、及び「ビッグデータ」は、概して、プロセス制御システムまたはプラントに含まれ、それらに関連する装置によって、生成され、受信され、かつ/または観察されるすべての(またはほとんどすべての)データを指す。いくつかのケースでは、プロセスプラントに含まれ、それに関連するすべての装置によって生成されるか、作成されるか、受信されるか、そうでなければ観察されるすべてのデータは、プロセス制御ビッグデータネットワーク100内部のビッグデータとして収集されて格納される。
【0066】
例示的なプロセス制御ビッグデータネットワーク100は、1つ以上の異なるタイプのプロセス制御ビッグデータノードまたは装置102~110を含み、その各々が、プロセスプラントまたはプロセス制御システムによって、1つ以上のプロセスの制御から、またはそれに基づいて生成されるプロセス制御ビッグデータを収集し、観察し、生成し、格納し、分析し、アクセスし、送信し、受信し、及び/または、その上で動作する。各プロセス制御ビッグデータノードまたは装置102~110は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン(図示せず)に接続され、バックボーンを用いて、1つ以上の他のプロセス制御ビッグデータノードと通信し得る。したがって、プロセス制御ビッグデータネットワーク100は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーンと、それに通信可能に接続されたプロセス制御ビッグデータノード102~110とを含む。一例では、プロセス制御ビッグデータネットワーク100は、バックボーンを介して、ネットワーク100のさまざまな他の装置、スイッチ、またはノードに、かつそれらからパケットをルーティングするように構成された、複数のネットワーク接続されたコンピューティング装置またはスイッチを含む。より詳細に説明されるように、1つ以上のデータパイプラインは、ビッグデータネットワーク100のさまざまなノード102~110内で生成された、収集された、もしくはそうでなければそこで利用可能なデータにおけるデータ処理、及び教師付きもしくは教師なし学習を行うために、ビッグデータネットワーク100のさまざまな装置、ノードなどの内部で実装されてもよい。
【0067】
プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンは、1つ以上の好適なルーティングプロトコル、例えばインターネットプロトコル(IP)スイート(例えば、UPD(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(伝送制御プロトコル)、イーサネット(登録商標)等)に含まれるプロトコル、または他の好適なルーティングプロトコルをサポートする、任意の数の有線通信リンク及び任意の数の無線通信リンクを含み得る。バックボーンは、ストリーム制御伝送プロトコル(SCTP)等のストリーミングプロトコル及び/または別の好適なストリーミングプロトコルをサポートして、プロセス制御ビッグデータノード間でデータをストリーミング(例えば、輸送)し得る。例えば、前述の米国特許出願第14/506,863号、発明の名称「STREAMING DATA FOR ANALYTICS IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」は、プロセス制御ビッグデータのためのストリーミングプロトコル及び手法の例を説明し、それらのうちの任意の1つ以上は、ネットワーク100内でプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンによって利用され得る。通常、プロセスデータビッグデータネットワーク100に含まれる各ノードは、バックボーンによってサポートされたルーティングプロトコルの少なくともアプリケーション層(及び、いくつかのノードについては、付加的な層)をサポートし得る。いくつかのケースでは、各プロセス制御ビッグデータノード102~110は、例えば、一意のネットワークアドレスによって、プロセス制御システムビッグデータネットワーク100内部で一意的に識別される。
【0068】
プロセス制御システムビッグデータネットワーク100の少なくとも一部は、アドホックネットワークであってもよい。このように、ノード102~110のうちの少なくともいくつか(及び/またはユーザインターフェース装置130等の1つ以上の他のノード)は、ネットワークバックボーンに(またはネットワーク100の別のノードに)アドホックに接続し得る。
【0069】
図4は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100内のさまざまなビッグデータノード102~110間での通信接続を描写する簡略化された図であるため、プロセス制御ネットワークバックボーンは図4に明示的には図示されない。しかしながら、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに利用されてもよいそのようなバックボーンの一例は、前述の米国特許出願第13/784,041号に説明されている。当然ながら、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてが、米国特許出願第13/784,041号に記載されたバックボーンとともに利用されることに限定されず、任意の好適な通信ネットワークバックボーンとともに利用されてもよい。
【0070】
ここで異なるタイプのプロセス制御ビッグデータノードまたは装置102~110に目を向けると、概して、ネットワーク100のプロセス制御ビッグデータノードは、後述のような「ビッグデータプロバイダ」であってもよく、かつ/または「ビッグデータ機器」を含んでもよい。
【0071】
本明細書で区別なく用いられる「ビッグデータプロバイダ、」「ビッグデータプロバイダノード、」または「プロバイダノード」は、概して、プロセス制御ビッグデータネットワーク100を用いて、プロセス制御関連のビッグデータを収集し、生成し、観察し、かつ/または転送するプロセス制御ビッグデータノードを指す。プロバイダノードによって生成され、収集され、観察され、かつ/または転送されるプロセス制御ビッグデータは、プラント内部のプロセスの制御または監視に直接利用されるかまたはそれから生成されるデータ、例えば、制御器、入力/出力(I/O)装置、トランスミッタ等のフィールド装置、センサ等のプロセス制御装置によって生成または用いられる、一次リアルタイムの構成データを含み得る。付加的にまたは代替的に、プロセス制御ビッグデータプロバイダノードは、プロセスプラント内部でのそのような一次プロセス制御データ及び他のデータ、例えばビッグデータネットワーク100の、及び/またはプラント内の他の通信ネットワークのネットワーク制御に関連するデータ、帯域幅、ネットワークアクセス試行、診断データ、監視データ等を示すデータ等の伝達及びルーティングに関連するデータを生成し、収集し、観察し、かつ/または転送し得る。さらに、いくつかのプロセス制御ビッグデータプロバイダノードは、収集したプロセス制御データ、監視データ、保守データ等を分析することによって、プロセス制御ビッグデータネットワーク100内部で学習された結果、学習、及び/または情報を示すデータを生成し、収集し、観察し、かつ/または転送し得る。通常は、そのような分析結果、学習、及び/または学習情報は、本明細書に記載された1つ以上のデータパイプラインを用いて、1つ以上のプロセス制御ビッグデータノードによって行われる自動的で自律的な分析から生成される。
【0072】
いくつかのケースでは、ビッグデータプロバイダノードは、ビッグデータをリアルタイムで(例えば、ストリーミングによって)送受信するための、そしていくつかの実施形態では、プロセス制御ビッグデータネットワーク100を経由したストリーミングまたは他の配信に備えて、リアルタイムビッグデータをキャッシュするための、マルチコアハードウェア(例えば、マルチコアプロセッサ)を含み得る。ビッグデータプロバイダノードは、いくつかの実施形態では、リアルタイムビッグデータをキャッシュするための高密度メモリをさらに含んでもよい。ビッグデータプロバイダノードによって、送信され、受信され、ストリーミングされ、キャッシュされ、収集され、かつ/またはそうでなければ観察され得るリアルタイムデータの例は、プロセス制御データ、例えば測定データ、構成データ、バッチデータ、イベントデータ、監視データ、保守データ(例えば、保守装置、アルゴリズム、手順等によって収集されるかまたは生成されたもの)及び/または連続データを含み得る。例えば、構成、バッチレシピ、設定点、出力、速度、制御行動、診断、警告、イベント、及び/またはそれらの変化に対応するリアルタイムデータが収集されてもよい。リアルタイムデータの他の例は、プロセスモデル、統計、ステータスデータ、及びネットワーク及びプラント管理データを含み得る。いくつかの実施形態では、ビッグデータプロバイダノードは、それが観察するリアルタイムビッグデータのうちの少なくともいくつかをキャッシュしないが、代わりに、データが観察されるか、受信されるか、または生成されると、1つ以上の他のビッグデータノードにキャッシュされていないデータをストリーミングする。本明細書に記載された手法のうちのいずれかまたはすべてとともに利用され得るビッグデータプロバイダノードの例は、前述の米国特許出願第13/784,041号、14/174,413号、及び14/212,493号に見出され得る。当然ながら、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてが、米国特許出願第13/784,041号、14/174,413号、及び14/212,493号に記載されたもの以外のビッグデータプロバイダノードとともに、代替的にまたは付加的に利用されてもよい。
【0073】
本明細書で区別なく用いられる用語「ビッグデータ機器」、「ビッグデータ機器ノード」、または「機器ノード」は、概して、プロセス制御ビッグデータを受信し、格納し、取得し、かつ分析するプロセス制御ビッグデータノードを指す。このように、プロセス制御ビッグデータ機器(または「BDA」)は、概して、1つ以上のプロセス制御ビッグデータプロバイダノードによって生成されたかまたは提供されたビッグデータ上で動作する。いくつかのケースでは、ビッグデータ機器は、ビッグデータプロバイダノードに含まれるか、またはビッグデータプロバイダとともに同じノードまたは装置内に統合化されてともに常駐している。そのようなケースでは、ビッグデータ機器は「埋め込み型ビッグデータ機器」と称されるが、これは、当該機器がプロバイダノードまたは装置内に埋め込まれて、ともに常駐するビッグデータプロバイダによって受信されたか、収集されたか、または生成されたビッグデータ上で動作するためである。一例では、埋め込み型ビッグデータ機器は、埋め込み型ビッグデータ機器が常駐して知識を発見するかまたは学習するビッグデータプロバイダノードによってローカルに生成され、かつ/または提供されたビッグデータを分析する。この学習済み知識は、埋め込み型ビッグデータ機器に格納され、埋め込み型ビッグデータ機器によってローカルに動作し、かつ/または他のビッグデータノードにビッグデータとして提供されてもよい。本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてが、例えば前述の米国特許出願第14/212,493号に、及び/または米国特許出願第14/507,188号、発明の名称「REGIONAL BIG DATA IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」等に記載されたような埋め込み型ビッグデータ機器とともに利用されてもよいが、他の好適な埋め込み型ビッグデータ機器を、付加的または代替的に利用してもよい。さらに、ビッグデータプロバイダノードが埋め込み型ビッグデータ機器を含む実施形態では、ビッグデータプロバイダノードのキャッシュは、サイズにおいて低減し得るかまたは省略され得るが、これは埋め込み型ビッグデータ機器がローカルなデータ格納能力を提供するためであることに留意されたい。
【0074】
いくつかのケースでは、ビッグデータ機器は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100のスタンドアロンのビッグデータノードであってもよい。つまり、これらのケースでは、ビッグデータ機器は、ビッグデータプロバイダノード内に埋め込まれず、またはそれとともに常駐しない。このように、ビッグデータ機器を含むプロセス制御ビッグデータノードは、必ずしもそれ自体でビッグデータのプロバイダであり得るというわけではない。
【0075】
図5は、例示的なビッグデータ機器214の簡略化されたブロック図を描画し、その事例は、図4のプロセス制御ビッグデータネットワーク100のノード102~110のいずれか、または図1の同様のノードに含まれ得る。例示的なビッグデータ機器214は、受信されたビッグデータを履歴化するかまたは格納するためのビッグデータ格納領域220と、1つ以上のビッグデータ機器受信装置222と、1つ以上のビッグデータ機器要求サービサ224とを含む。ビッグデータ機器受信装置222の各々は、ビッグデータパケット(別のノードからストリーミングされてもよく、及び/または機器214が常駐するビッグデータプロバイダノードによって生成されてもよい)を受信し、データパケットを処理して、内部に担持された実体データ及びタイムスタンプを取得し、実体データ及びタイムスタンプを、例えば時系列データとして、及び任意にはさらにメタデータとして、機器214のビッグデータ格納領域220内に格納するように構成される。例えば、データ点は、タグ付けされて、メタデータとして格納されてもよい。ビッグデータ格納領域220は、多数のローカル及び/またはリモート物理データドライブまたはストレージエンティティ、例えばRAID(リダンダントアレイオブインディペンデンドディスクズ(Redundant Array of Independent Disks))ストレージ、ソリッドステートストレージ、クラウドストレージ、高密度データストレージ、及び/またはデータバンク、またはデータセンターストレージに好適であり、他のノードに対する単一または単体の論理データ格納領域またはエンティティの外観を有する任意の他の好適なデータ格納技術を含み得る。さらに、ビッグデータ機器要求サービサ224の各々は、ビッグデータ機器格納領域220に格納された時系列データ及び/またはメタデータに、例えば、要求側のエンティティまたはアプリケーションの要求ごとにアクセスするように構成される。
【0076】
いくつかの事例では、ビッグデータ機器214は、1つ以上のビッグデータ分析装置226を含み、格納されたビッグデータの少なくとも一部に対してそれぞれのデータ分析及び/または学習を、通常は自動的及び/または自律的な方法で、学習分析を開始及び/または行うための何らかのユーザ入力なしに行う。ビッグデータ分析装置226は、1つ以上のデータパイプラインを用いて、格納されたデータに対する大規模データ分析(例えば、データマイニング、データ発見等)を個々に、及び/または一括して行い、新しい情報または知識を発見するか、検出するか、または学習し得る。例えば、データマイニングは、概して、大量のデータを検査して、新しいかまたは既知ではない対象となるデータまたはパターン、例えば特異記録または多数のデータ記録群を抽出するプロセスを包含する。付加的または代替的に、ビッグデータ分析装置226は、格納されたデータに対して大規模データ分析(例えば、マシン学習分析、データモデル化、パターン認識、予測分析、相関分析等)を行い、格納されたデータ内部での暗黙の関係または干渉を予測するか、計算するか、または特定してもよい。いくつかのケースでは、多数のビッグデータ分析装置226(及び/または少なくとも1つのビッグデータ分析装置226の多数のインスタンス)は、平行してかつ/または協調的に動作して、機器214のビッグデータ格納領域220に格納されたデータを分析する。本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに利用されてもよい協調型データ分析の一例が、前述の米国特許出願第14/507,188号、発明の名称「REGIONAL BIG DATA IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」に見出されるが、任意の好適な協調型データ分析手法が、本開示のいずれかまたはすべての態様とともに利用されてもよい。
【0077】
通常、ビッグデータ機器受信装置222、ビッグデータ機器要求サービサ224、及びビッグデータ機器分析装置226の各々は、1つ以上の非一時的有形メモリまたはデータ格納装置上に格納されたそれぞれのコンピュータ実行可能命令を含み、1つ以上のプロセッサによって、1つ以上のそれら各自のビッグデータ機能を行うように実行可能である。いくつかのケースでは、ビッグデータ分析装置226は、ビッグデータ機器214に含まれないが、代わりに、ビッグデータ機器214と通信可能に接続している。例えば、格納領域220、受信機222、及びサービサ224を含むビッグデータ機器214は、コンピュータ実行可能命令の第1のセットによって実施されてもよく、ビッグデータ分析装置226は、コンピュータ実行可能命令の第2のセット(コンピュータ実行可能命令の第1のセットとして、同じ非一時的有形メモリまたはデータ格納装置上に格納されてもよく、または格納されなくてもよい)によって実施されてもよい。本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに利用され得るビッグデータ機器及びそれらのコンポーネントのさまざまなタイプの例の説明は、前述の米国特許出願第13/784,041号、14/174,413号、及び14/212,493号に見出され得るが、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてが、他の好適なビッグデータ機器とともに利用されてもよいことが理解される。
【0078】
図4に再度戻ると、プロセス制御ビッグデータネットワーク100は、制御器、I/O装置、フィールド装置等のプロセス制御装置によって、直接生成され、ルーティングされ、かつ/または用いられる一次または主プロセス関連データに関して、さまざまなレベル、階層、または順序で動作するプロセス制御ビッグデータプロバイダノード102~110を含み得る。最も低い順序、階層、またはレベルにおいて、「ローカル」ビッグデータプロバイダノードまたは装置102a~102nは、プロセスに最も近接して動作して、プロセスプラント内のプロセス装置及び機材の入力、動作、及び出力に関連する主プロセスビッグデータを収集、生成、観察、及び/または転送する。このように、「ローカルビッグデータプロバイダノードまたは装置」102a~102nは、通常は、主プロセス制御データまたは監視データ(プロセス監視システムから)を生成し、ルーティングし、かつ/または受信して、1つ以上のプロセスが、プロセスプラント内においてリアルタイムで制御または監視されることを可能にするノード及び/または装置である。ローカルビッグデータプロバイダノード102a~102nの例は、その主機能が、プロセス制御データ上で生成及び/または動作してプロセスを制御することに向けられる装置、例えば有線及び無線フィールド装置、制御器、及びI/O装置を含む。これらのプロセス制御装置は、分散された状態で互いに、かつ/または1つ以上のプロセス制御・通信ネットワークに通信可能に接続され得る。例えば、1つ以上のフィールド装置は、1つ以上のI/O装置に通信可能に接続され、これは次には、1つ以上の制御器に通信可能に接続され、これらは次に、1つ以上のプロセス制御・通信ネットワーク(例えば、HART(登録商標)、WirelessHART(登録商標)、プロセス制御ビッグデータ、FOUNDATION(登録商標)Fieldbus等)に通信可能に結合される。
【0079】
ローカルビッグデータプロバイダノード102a~102nの他の例は、その主機能が、プロセス制御システム(プロセス制御ビッグデータネットワーク100及び/または他の通信ネットワークを含み得る)の1つ以上の通信ネットワークを通した主プロセスデータへのアクセスまたはルーティングを提供することである装置を含む。そのようなタイプのローカルビッグデータプロバイダノード102a~102nの例は、アクセスポイント、ルータ、有線制御バスへのインターフェース、無線通信ネットワークへのゲートウェイ、外部ネットワークまたはシステムへのゲートウェイ、及び他のそのようなルーティング及びネットワーキング装置を含む。ローカルビッグデータプロバイダノード102a~102nのさらに他の例は、例えばオーバーフローキャッシュ、中間端末、またはルーティングキューとして、プロセス制御システム全体にわたってビッグデータを一時的に格納するように構成される装置、例えばヒストリアン装置を含む。
【0080】
いくつかのケースでは、ローカルビッグデータプロバイダノードは、埋め込み型ビッグデータ機器112a、112nをそれぞれ含むノード102a、102nによって図4に図示されるように、それぞれのローカルビッグデータ機器を含む。各ローカルな埋め込み型ビッグデータ機器112a、112nは、そのそれぞれのプロバイダ102a…102nによって提供される、それぞれのローカルビッグデータを受信して格納する。さらに、いくつかのローカルビッグデータプロバイダノードにおいては、たとえばノード102aにおいては、1つ以上の分析機能、ルーチン、動作、またはプロセス(丸で囲まれたAによって表される)は、機器112aに格納されたローカルビッグデータのうちの少なくともいくつかに対して行われてもよい。分析Aは、図5のビッグデータ分析装置226のうちの1つ以上によって行われてもよく、分析Aは、1つ以上のデータパイプラインによって行われるかまたは実施されてもよい。また、1つ以上の分析Aの学習情報、学習、及び/または結果が、ローカルビッグデータ機器112aに格納されてもよく、学習情報または結果の少なくともいくつかは、別のビッグデータノード106aに提供されてもよい。
【0081】
例えばノード102nによって図示されるような、いくつかのローカルプロバイダノードは、ローカルビッグデータの収集及び履歴化のための、それぞれのローカルの埋め込み型ビッグデータ機器112nを含むが、しかしながら、常駐機器112nは、最小の分析を行うかまたは分析を行わない。このように、ノード102nは、ローカルに格納されたビッグデータを、例えば分析処理のための、またはさらなる転送のための別のノード106bにストリーミングする(そうでなければ、例えば要求時に、または好適なときに送信する)のみである。いくつかのローカルビッグデータノード、例えばノード102bは、いかなるビッグデータ機器も全く含まない。そのようなノード102bは、ローカルに観察されたビッグデータを、1つ以上の他のビッグデータノード102a、106bにリアルタイムで、またはキャッシュの支援によってストリーミングし得る。
【0082】
さまざまなタイプのリアルタイムデータ、例えばプロセス関連データ、プラント関連データ、及び他のタイプのデータは、ビッグデータプロバイダノードまたは装置102a~102nによってビッグデータとしてキャッシュされ、収集され、格納され、送信され、かつ/またはストリーミングされ得る。プロセス関連のデータの例は、プロセスがプロセスプラント内で制御される間に生成された(そして、いくつかのケースでは、プロセスのリアルタイムな実行の影響を示す)連続的データ、バッチデータ、測定データ、及びイベントデータを含む。さらに、プロセス関連データは、プロセス定義、構成データ、及び/またはバッチレシピデータ等の配置またはセットアップデータ、プロセス診断の構成、実行及び結果に対応するデータ等を含み得る。
【0083】
さらに、プラント関連データ、例えばプロセスプラントに関連するが、プロセスプラント内のプロセスを直接構成、制御、または診断するアプリケーションによって生成されないかもしれないデータが、ビッグデータプロバイダノード102a~102nによってビッグデータとしてキャッシュされ、収集され、格納され、送信され、かつ/またはストリーミングされ得る。プラント関連データの例は、振動データ、スチームトラップデータ、プラントの安全性に対応するパラメータの値を示すデータ(例えば、腐食データ、ガス検出データ等)、プラントの安全性に対応するイベントを示すデータ、マシン、プラント機材及び/または装置の健全性に対応するデータ、機材、マシン及び/または装置診断の構成、実行及び結果に対応するデータ、ならびに診断及び予知診断に有用なデータを含む。
【0084】
さらに、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンに、及びプロセスプラントのさまざまな通信ネットワークに関するデータハイウェイトラフィック及びネットワーク管理データ、ユーザトラフィック、ログイン試行、クエリ、及び命令に関連するデータ等のユーザ関連データ、テキストデータ(例えば、ログ、操作手順、マニュアル等)、空間データ(例えば、場所に基づくデータ)、及びマルチメディアデータ(例えば、閉回路TV、ビデオクリップ等)を含む他の種類のデータは、ビッグデータプロバイダノード102a~102nによってビッグデータとしてキャッシュされ、収集され、格納され、送信され、かつ/またはストリーミングされてもよい。本明細書に開示されたデータパイプラインは、このデータのいずれか上で動作するかまたはそれを用いてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、動的測定及び制御データは、ビッグデータプロバイダノード102a~102nによって、ビッグデータとして自動的にキャッシュされ、収集され、格納され、送信され、かつ/またはストリーミングされ得る。動的測定及び制御データの例は、プロセス動作の変化を特定するデータ、設定点等の動作パラメータの変化を特定するデータ、ダウンロードまたは通信エラー等のプロセス及びハードウェア警告及びイベントの記録等を含む。加えて、変化が検出されるか、または制御器または他のエンティティがビッグデータネットワーク100に初期に付加される場合、静的データ、例えば制御器構成、バッチレシピ、警告、及びイベント等は、デフォルトでは自動的に収集されてもよい。当然ながら、本明細書に開示されたデータパイプラインは、このデータのいずれか上で動作するかまたはそれを用いてもよい。
【0086】
また、いくつかのシナリオでは、メタデータの変化が検出されたときに、動的制御及び測定データについて記述するかまたは特定する、少なくともいくつかの静的メタデータが、ビッグデータプロバイダノード102a~102nに取り込まれる。例えば、制御器によって送られるべきである、モジュールまたはユニットにおける測定及び制御データに影響を与える制御器構成に変更がなされる場合、関連付けられたメタデータの更新は、その後ビッグデータプロバイダノード102a~102nによって自動的に取り込まれる。付加的または代替的に、外部システムまたはソースからのデータをバッファリングするために用いられる特別なモジュールに関連するパラメータ(例えば、天気予報、公開イベント、企業の決定事項等)、監視データ、及び/または他のタイプの監視データは、ビッグデータプロバイダノード102a~102nによって自動的に取り込まれてもよい。本明細書に開示されたデータパイプラインは、このデータのいずれか上で動作するかまたはそれを用いてもよい。
【0087】
いくつかの状況では、エンドユーザによって作成された追加パラメータは、ビッグデータプロバイダノード102a~102n内に自動的に取り込まれる。例えば、エンドユーザは、モジュール内で特別な計算を作成してもよく、または収集を必要とするユニットにパラメータを追加してもよく、もしくはエンドユーザは、デフォルトでは通信されない標準的な制御器診断パラメータを収集することを希望してもよい。エンドユーザが任意に構成するパラメータは、デフォルトパラメータとして同じ方法で通信され得る。
【0088】
図4のネットワーク100を再度参照すると、ローカルビッグデータノード102a~102nの上位の1つ以上のレベルまたは階層において、プロセス制御ビッグデータネットワーク100は、1つ以上の領域ビッグデータノード106a~106mを含み得る。領域ビッグデータを実施するために、プロセスプラントまたはプロセス制御システムは、任意の所望の、例えば地理的な、物理的な、機能的な、論理的な方法によって描かれ得る複数の異なる領域またはエリアを有すると見なされる場合がある。例証的であるが非限定的な例では、プロセスプラントは、未処理の材料を受信して第1の中間生産物を生産する第1の領域と、他の未処理の材料を受信して第2の中間生産物を生産する第2の領域と、第1及び第2の中間生産物を受信して出力製品を生産する第3の領域とを有し得る。これらの3つの異なる例示的な領域の各々は、それぞれの「領域」ビッグデータノード106a、106b、106mによって、そのそれぞれの領域によって発生したビッグデータ上で動作するようにサービスを提供され得る。したがって、「領域ビッグデータノード」は、ローカルビッグデータプロバイダノード102のそれぞれのグルーピングまたは領域によって、及びいくつかのケースでは、他のビッグデータプロバイダノード104によって、生成され、かつ/または提供されるデータに対してビッグデータサポート及びサービスを提供する。他のビッグデータプロバイダノード104は、例えば、プラントの領域の外部のビッグデータノード(例えば、ポータブル診断装置またはオフラインシミュレータ)、ユーザインターフェース装置130、または全体的にプロセスプラントの外部にあるデータ源(例えば、材料供給元のコンピューティング装置、天気予報を提供しているフィード等)を含み得る。理解されるように、領域ビッグデータノード106a~106mは、図1の領域層またはブロック26のいずれかに対応し得る。
【0089】
図4に示されるように、領域ビッグデータノード106a~106mによってサービスを受けたそれぞれのグルーピングまたは領域は、何らかの地理的な、物理的な、機能的な、論理的な、または他の所望の方法に従って関連付けられる1つ以上のビッグデータプロバイダノード102a~102n及び/または他のビッグデータノード104を含み得る。例えば、領域ビッグデータノード106aは、ローカルビッグデータプロバイダノード102a及び102bを含む領域にサービスを提供し、領域ビッグデータノード106bは、ローカルビッグデータノード102b及び102nに加えて、別のビッグデータノード104を含む領域にサービスを提供する。特定の領域に含まれる特定のノード102、104は、領域ビッグデータ格納、アクセス、及び/または分析を目的として、それらのそれぞれの領域ビッグデータノード106にデータをストリーミングするかまたは伝達し得る。さらに、ビッグデータプロバイダノード102a~102nのいずれか、及び/または他のビッグデータノード104は、特定の領域ビッグデータノード106a~106mと通信して、そのような要求ノードが特定の領域ビッグデータノード106a~106mの特定の領域に含まれるか否かにかかわらず、領域に利用可能なサービスを要求し、かつ/または内部に格納された領域ビッグデータ及びメタデータにアクセスし得る。また、本明細書に記載された各データパイプラインは、特定の領域ビッグデータノード106a~106m内部に、またはさまざまな領域ビッグデータノード106a~106mにわたって実施されてもよい。
【0090】
したがって、各領域ビッグデータノード106a~106mは、それぞれの領域ビッグデータ機器116a~116mを含み、それを介してビッグデータが受信され、領域ビッグデータとして格納されて、アクセスされるかまたは要求される。さらに、各領域ビッグデータノード106a~106mは、通常は、領域ビッグデータのうちの少なくともいくつかで、個別に及び/または協調的に動作し得る1つ以上の分析機能、ルーチン、動作、またはプロセス(例えば、A-A)を含む。例えば、領域ビッグデータ機器116bは、プロセスプラントの一部または領域を通る液体の流れを協調的に制御するように構成されるローカルプロバイダノード102b、102nから、ローカルビッグデータを受信してもよく、ノード106bは、受信データのうちの少なくともいくつかに対して分析プロセスAを行って、プロセスプラントの一部または領域内部での液体の平均輸送遅延を判断してもよい。分析プロセスAは、例えば1つ以上のデータパイプラインによって発生させるかまたは展開されたデータを連動させて用いてもよく、または代わりに1つ以上のデータパイプラインによって部分的または全体的で実施されてもよい。そして、分析Aの結果は、領域ビッグデータ機器116b内部の付加的な領域ビッグデータとして格納されるかまたは履歴化されてもよい。一実施形態では、分析A~Aの各々は、それぞれ各自のビッグデータノードに常駐している、図5の1つ以上のビッグデータ分析装置226によって行われ、これらの分析は、ビッドデータノード106a~106mのさまざまな装置にダウンロードされて、実施されるかまたは実行される1つ以上のデータパイプラインを用いて実施され得る。
【0091】
いくつかの状況では、領域ビッグデータノードまたは装置106a~106mは、受信されたかまたは生成されたビッグデータ、学習済み知識または情報、及び/または分析結果を、別の領域ビッグデータノード106a~106mに、例えばピアとして通信する。いくつかのケースでは、データパイプラインは、多数のピアノードにわたって実施されてもよい。上記の例を続けることによって例証するために、領域ビッグデータノード116aは、領域ビッグデータノード106bによって行われる分析Aによって生成された学習情報を受信する。そして、領域ビッグデータノード106aは続いて、1つ以上のそれぞれの領域分析A、Aを、それ自体の領域内部のローカルビッグデータノード102a、102bから受信されたローカルビッグデータとともに、ノード106bからピア提供された学習情報の少なくとも一部に対して実施し得る。これらの分析は、互いに及び/または分析Aと同じかまたは異なるデータパイプラインを用いて実施されてもよい。次に、分析A、Aは、領域ビッグデータ機器116aにおける履歴化のために、かつ/または他のビッグデータノード106b、106c、108に提供するために、付加的な領域ビッグデータを生成し得る。このように、領域ビッグデータノード106a~106mが、いくつかのシナリオにおいて(例えば、結果として行われた任意の常駐分析の結果または学習に基づいて)、領域ビッグデータを作り出し得る場合、領域ビッグデータノード106a~106mもまた、領域ビッグデータプロバイダノードとして動作し得る。
【0092】
それぞれの領域ビッグデータノード下でのビッグデータプロバイダノード102a~102nのグルーピングは、例えば地理的、物理的、機能的、論理的等の任意の所望の方法によって実行されてもよい。例えば、例証的であるが非限定的なシナリオでは、プロセスプラント内のプロセスは、2つの中間生産物に基づいて、特定の製品を生産し得る。このように、ローカルビッグデータプロバイダノード102aは、第1の中間生産物を生産する第1の制御ループを表している場合があり、ローカルビッグデータプロバイダノード102bは、第2の中間生産物を生み出す第2の制御ループを表している場合がある。このように、2つの制御ループ102a、102bによって生成されるか、収集されるか、受信されるか、そうでなければ観察されるすべてのプロセス制御データが、履歴化、格納、及び分析のために、領域ビッグデータノード106aに送信され得る。
【0093】
同様にして、領域ビッグデータノード106bは、ビッグデータプロバイダノードのそのそれぞれの群から、データを受信して分析してもよい。例えば、領域ビッグデータノード106bは、他のソース104によって提供されたビッグデータと併せて、ビッグデータプロバイダノード102b、102nの各々からの中間生産物に基づく別の製品の生産に対応するビッグデータを分析する役割を果たしてもよい。
【0094】
領域ビッグデータノード106aにおいては、受信されたビッグデータは、(例えば、1つ以上の分析機能またはプロセスA、Aを用いることによって)分析されて、時間を通じて、かつ/またはさまざまなデータセットのうちの少なくともいくつかにわたって、意味のある関係、パターン、相関、傾向等について記述する学習済み知識を作成するかまたは生成し得る。例えば、特定の製品が最終的に生産されるときに、2つの制御ループ102a、102bにおけるイベントの一定の組み合わせが、劣悪な製品の品質につながる場合がある。劣悪な製品品質の根本の原因を判定するために、領域ビッグデータノード106aは、それらの発生時またはその直後に(例えば、イベントの発生に対応するデータが領域ビッグデータノード106aで受信されるとき)、イベントの組み合わせによって生成されたデータを分析し、この目的のために作成されて、ノード106aにおけるさまざまな装置で実行される1つ以上のデータパイプラインを用いて、これを行ってもよい。領域ビッグデータノード106aは、これらのイベントの発生に基づいて劣悪な製品品質を予測する学習済み知識を生成してもよく、かつ/またはそれらが今後生じた場合及びそのときには、1つ以上のパラメータをリアルタイムで自動的に調節するかまたは変更して、イベントの組み合わせの影響を緩和してもよい。例えば、領域ビッグデータノード106aは、改訂された設定点または改訂されたパラメータ値を決定して、2つの制御ループ102a、102bをより良好に規制し管理し得る。
【0095】
概して、各領域ビッグデータノード106a~106m(または、そのそれぞれのビッグデータ機器116a~116m)は、ビッグデータプロバイダノードのそのそれぞれの群または領域からのデータを分析して、意味のあるパターン、相関、傾向等を判断し、1つ以上のデータパイプラインを用いて、これらの分析を行い得る。そして、学習パターン、相関、傾向等は、学習済み知識として、それぞれの領域ビッグデータ機器116a~116m内に格納される。本明細書で用られる場合、用語「学習済み知識」または「学習」は、概して、ビッグデータに対して行われる1つ以上の分析の結果として生成されるデータ、サービス、機能、ルーチン、及び/またはアプリケーションを指す。さらに、各領域ビッグデータノード106a~106m(または、そのそれぞれのビッグデータ機器116a~116m)は、初期の学習済み知識に基づいて、新しいサービス、機能、ルーチン、またはアプリケーションを決定(及び/または、既存のサービス、機能、ルーチン、またはアプリケーションを修正)してもよく、これは、ひいてはさらなる学習済み知識として格納される。
【0096】
領域ビッグデータノード106a~106mは、階層化または均一化された学習のために利用されてもよい。例えば、1つ以上の領域ビッグデータノードは、それらの学習済み知識及び/または格納データを、多数の領域を監督する上流ビッグデータノードに送信し得る。図4に示されるように、領域ビッグデータノード106cは、領域ビッグデータノード106a及び106bから学習済み知識及び/またはデータを受信し、ノード106cは、受信されたビッグデータをそのそれぞれの埋め込まれた機器116c内で履歴化する。領域ビッグデータノード106cは、受信された学習済み知識及び/またはデータのうちの少なくともいくつかに対するさらなる分析または学習を(例えば、分析機能A~Aのうちの1つ以上を用いることによって)行い、付加的な学習済み知識(例えば、データパターン、傾向、相関等、サービス、機能、ルーチン、及び/またはアプリケーション)を生成してもよく、これは、ひいては埋め込み機器116c内部に付加的な領域ビッグデータとして格納され、かつ/または他のビッグデータノード106a、106b、108に提供されてもよい。当然ながら、データパイプラインを用いて、分析機能A~Aのいずれか、または分析機能A~Aの任意の組み合わせを実施してもよい。
【0097】
いくつかのケースでは、階層化または均一化された学習は、データパイプラインを用いてボトムアップベースで実施される。例証的であるが非限定的な例では、領域ビッグデータノード106aは、ローカルビッグデータプロバイダノード102a、102bのそのそれぞれの群から受信されたデータを分析して、その「領域」が正しく動作しているかを判定する。領域ビッグデータノード106aがその分析から学習する知識は、結果として、地域的ビッグデータノード106aに新しい診断パラメータ(例えば、学習パラメータ)を生成させ得る。領域ビッグデータノード106aは、格納、使用、及び/またはアクセスのために、上流ビッグデータノード106cに、生成された診断パラメータを、データパイプラインによって定義されたように送信し得る。領域ビッグデータノード106aは、上流領域ビッグデータノード106cとの新しい診断パラメータの共有を(例えば、生成されたとして自動的に、または周期的に)同じかまたは異なるデータパイプラインを用いて、独立して開始してもよく、または上流領域ビッグデータノード106aは、領域ビッグデータノード106cが、領域ビッグデータノード106aに1つ以上のタイプの新しい学習済み知識を共有することを要求したときに、新しい診断パラメータが送信されるようにしてもよい。
【0098】
当然ながら、データパイプラインを用いた階層化または均一化された学習は、トップダウンベースで実行されてもよい。上記の例を継続することによって例証するために、上流領域ビッグデータノード106cは、受信された診断ルーチンを分析して、診断ルーチンが他の領域ビッグデータノード(例えば、領域ビッグデータノード106b)に有用であるかまたは適用可能であることを判定し得る。したがって、上流領域ビッグデータノード106cは、1つ以上の他のデータパイプラインを用いて、領域ビッグデータノード106bに診断パラメータを分散させてもよく、それによって、領域ビッグデータノード106b及び/またはその領域104に含まれるローカルプロバイダノード102a、102n、104のいずれかが、そのそれぞれの診断を目的として、診断パラメータを利用することが可能である。上流領域ビッグデータノード106cは、領域ビッグデータノード106bとの新しい診断ルーチンの共有を独立して開始してもよく、または上流領域ビッグデータノード106cは、領域ビッグデータノード106bによって要求がなされると、新しい診断パラメータが送信されるようにしてもよい。代替的にまたは付加的に、上流領域ビッグデータノード106cは、監督しているかまたは接続されるすべての領域ビッグデータノードから受信された学習済み知識を集約して分析することによって、汎用診断パラメータを生成し得る。このシナリオでは、上流領域ビッグデータノード106cが、汎用診断が有用であり得ることを示す領域ビッグデータノードからデータを受信した場合か、または何らかの他の理由(例えば、異なるデータパイプラインによって定義される)によって、上流領域ビッグデータノード106cは、汎用診断パラメータをその領域ビッグデータノードのいずれかまたはすべてに対して、例えば生成されたとして自動的に、または特定の領域ビッグデータの要求時に周期的に分散させる。続いて、かつ同様にして、領域ビッグデータノード106cの下流の各領域ビッグデータノードは、そのそれぞれの領域で、任意の数のローカルなビッグデータプロバイダに、汎用診断ルーチンを分散し得る。
【0099】
さらに他のケースでは、領域ビッグデータノード、例えばノード106a及び106bは、学習済み知識を、例えば1つ以上のデータパイプラインを用いてピアツーピア方式で互いに共有し得る。例えば、領域ビッグデータノード106aは、領域ビッグデータノード106bに、新しいかまたは学習された分析ルーチンまたはパラメータを直接送信し、それによって、領域ビッグデータノード106bは、新しい分析ルーチンをそれ自体の目的のために利用し得る。
【0100】
図4では、1つの上流領域ビッグデータノード106cのみが描写されていることに留意されたい。しかしながら、図4に関して述べられた手法及び概念は、多数の層またはレベルのビッグデータ履歴化、格納、及び学習をサポートする任意の数の上流領域ビッグデータノードに適用されてもよい。
【0101】
さらに、領域ビッグデータ機器及び局所的なビッグデータ機器の両方が、プロセスプラントの異なるそれぞれのビッグデータノード及び/または異なるそれぞれの群または領域にサービスを提供するが、プロセスプラント全体またはその2つ以上の領域にサービスを提供しないため、領域ビッグデータ機器及び局所的ビッグデータ機器の両方が、本明細書においては概してかつ全面的に「分散型ビッグデータ機器」と称される。概して、分散型ビッグデータ機器は、ビッグデータを多数の他のビッグデータ機器に通信する。例えば、特定のビッグデータプロバイダノードに含まれるローカルビッグデータ機器は、他のビッグデータプロバイダノードに含まれる他の局所的ビッグデータ機器に、1つ以上の領域ビッグデータ機器に、かつ/または集中型ビッグデータ機器(以下にさらに詳細に説明される)に、学習済み知識及び/またはビッグデータを通信してもよい。同様に、領域ビッグデータ機器は、1つ以上の局所的ビッグデータ機器及び/またはビッグデータプロバイダノードから、ビッグデータを受信してもよい。領域ビッグデータ機器は、他の領域ビッグデータ機器に、かつ/または集中型ビッグデータ機器に、学習済み知識及び/またはビッグデータを通信してもよい。
【0102】
上述のように、プロセス制御ビッグデータネットワーク100のいくつかの構成では、領域ビッグデータノードまたは装置106a~106m、ローカルビッグデータノードまたは装置102a~102n、及び/または他のビッグデータノードまたは装置104のうちの少なくともいくつかが、集中型ビッグデータノード108に、それぞれのビッグデータ、分析結果、及び/または学習情報を通信し、1つ以上の予め定義されたデータパイプラインによって再度そのように行い得る。「集中型ビッグデータノード」(図1の層28に対応する)は、通常は、プロセスプラントの多数の領域にサービスを提供し、かついくつかの状況では、プロセスプラントの大部分または全体にサービスを提供する。このように、集中型ビッグデータノード108は、プロセスプラントビッグデータを受信して格納し、それへのアクセス提供するための1つ以上の集中型埋め込みビッグデータ機器118を含む。例えば、集中型ビッグデータ機器118は、プロセスプラントによって生成されたビッグデータのほとんどまたはすべての包括的かつ長期間の履歴化を提供してもよく、かつ/または集中型ビッグデータ機器118は、他のビッグデータノードに対して、あるいはプロセス制御ビッグデータノードではない、プロセスプラントの内部または外部のコンピューティング装置に対しても、プロセスプラント全体にわたる可用性についてのビッグデータを公開してもよい。
【0103】
いくつかの構成では、単一の集中型ビッグデータノード108または機器118は、プロセス制御システムまたはプラント全体にサービスを提供しなくてもよいが、プロセス制御システムまたはプラントの2つ以上の領域にサービスを提供してもよい。例えば、異なる集中型ビッグデータノード108または機器118は、単一のプラントまたはシステム内で用いられて、セキュリティ及びアクセスを目的として、異なるタイプまたはエリアのビッグデータを区分してもよい。いくつかの構成では、単一の集中型ビッグデータノード108または機器118は、プロセスプラント全体にサービスを提供する。
【0104】
プロセスプラントでは、領域ビッグデータノード106a~106mのうちの1つ以上が、その生成されたかまたは受信された学習済み知識及び/またはデータのうちのいくつかまたはすべてを、集中型ビッグデータノード108にストリーミングするか、そうでなければ配信し得る。例えば、領域ビッグデータノード106a~106mのうちの1つ以上は、そのそれぞれに格納された学習済み知識及び/またはデータのうちの少なくともいくつかを、集中型ビッグデータノード108に送信する。いくつかの実施形態では、領域ビッグデータノード106a~106mのうちの1つ以上は、そのそれぞれ格納された学習された知識及び/またはデータのうちの少なくともいくつかを、1つ以上の適切なデータパイプラインによって定義された方法で、周期間隔をもって集中型ビッグデータノード108に押圧する。いくつかの実施形態では、領域ビッグデータノード106a~106mのうちの1つ以上は、集中型ビッグデータノード108からの要求に応答して、そのそれぞれ格納された学習済み知識及び/またはデータの少なくとも一部を提供する。このケースでは、データパイプラインブロックは、パイプライン内の次の(上流)ブロックにデータを自動的に公開するかまたは送るか、またはデータパイプライン内の前の(下流)ブロックからのデータを要求するようにセットアップされ得る。
【0105】
集中型ビッグデータノード108及び/またはその埋め込み型機器118は、例えば1つ以上の分析機能A~Aを利用することによって、受信された学習済み知識及び/または領域ビッグデータノード106a~106mから受信されたデータのいずれかまたはすべてをさらに分析するように構成され得る。一実施形態では、分析A~Aの各々が、それぞれのビッグデータノード上に常駐する、図5の1つ以上のビッグデータ分析装置226によって行われる。1つ以上の分析A~Aは、受信された学習済み知識及び/またはデータに対して、1つ以上のデータパイプラインによって定義されたように動作して、付加的な知識を生成し、さまざまなエンティティとプロセスプラントの内部及び外部のプロバイダとの間の関係性を決定し得る。付加的な知識及び決定された関係性は、格納されてもよく、そうでなければ、例えば埋め込み機器118において付加的な集中型ビッグデータとして利用されてもよい。いくつかのケースでは、集中型ビッグデータノード108または機器118は、生成された知識及び関係性を利用して、それに応じてプラントの1つ以上のプロセスを制御する。
【0106】
実際に、ビッグデータネットワーク100のノード102~106は、例えば、履歴化または長期間の格納のために、集中型ビッグデータ機器118にビッグデータをストリーミングするかそうでなければ提供してもよい。例えば、ローカルビッグデータプロバイダノード102は、そのビッグデータを集中型ビッグデータノード108に直接ストリーミング配信してもよい。同様に、ビッグデータネットワークの任意のノード102~106は、埋め込まれた集中型機器118によって提供されたサービスを要求してもよく、かつ/またはその内部に格納されたデータ及びメタデータに対するアクセスを要求してもよい。さらに、多数の集中型ビッグデータノード108または機器118が単一のプロセスプラントにサービスを提供する実施形態では、多数の集中型ビッグデータノード108または機器118は、領域ビッグデータノード106a~106mについて記載されたものと同様に、ピアツーピア方式で通信し得る。
【0107】
また、領域ビッグデータノード106a~106mと同様に、いくつかの状況において、例えば集中型ビッグデータノード108によって行われた分析(例えば1つ以上の分析機能A~A)が、結果として、集中型ビッグデータ機器118に格納されて、他のビッグデータノード102~106にアクセス可能にされるデータを付加的の発見または学習に至る場合、集中型ビッグデータノード108は、それ自体がビッグデータの生産元またはプロバイダであり得る。しかしながら、通常は、集中型ビッグデータ機器118によって取り扱われて提供されたビッグデータの容量の大部分は、他のビッグデータノード102~106から受信される。本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに利用され得る例示的な集中型ビッグデータノード108及び例示的な集中型ビッグデータ機器118の記載が、前述の米国特許出願第13/784,041号に見出され得る。しかしながら、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべては、米国特許出願第13/784,041号に記載されたもの以外の集中型ビッグデータ機器ととともに、代替的にまたは付加的に利用されてもよいことが理解される。
【0108】
いくつかの構成では、集中型ビッグデータノード108は、ビッグデータ履歴化、格納、アクセス、及び/または分析のためのリモートビッグデータノード(例えば、プロセスプラントに対して離隔しているビッグデータノード)にデータ及び学習情報を通信する。そのようなビッグデータノードは、本明細書においては「クラウドビッグデータノード110」と称され、複数の異なるプロセスプラントまたはプロセス制御システム10にサービスを提供し得る。例えば、多数の異なる製油所を操業させる会社は、クラウドビッグデータノード110及びクラウドビッグデータ機器121を設けて、その製油所のすべてに関連するビッグデータを提供し得る。本明細書に記載されたデータパイプラインは、クラウドビッグデータノード110に部分的または完全で実施され得る。例えば、クラウドビッグデータノード110及び常駐クラウドビッグデータ機器121を介して、特定の製油所の集中型ビッグデータノードが、プロセスプラントのプロセス制御ビッグデータネットワーク100によって生成された公開ビッグデータを取得してもよく、同じデータパイプラインを用いて、特定の製油所における操業のための得られた公開ビッグデータを利用し得る。いくつかの実施形態では、ビッグデータノード102~106のいずれかが、1つ以上のデータパイプラインによって、クラウドビッグデータノード110にデータを直接ストリーミングするかまたは提供し得る。同様に、ビッグデータノード102~106のいずれかが、クラウドビッグデータノード110の埋め込み機器121によって提供されたサービスを要求し、かつ/または1つ以上のデータパイプラインによってその内部に格納されたデータ及びメタデータにアクセスし得る。図4には図示されていないが、例えば、図5のビッグデータ分析装置226によって提供され得るように、かつ本明細書に記載された1つ以上のデータパイプラインによって実施され得るように、クラウドビッグデータノード110は、その内部に1つ以上のそれぞれの分析ルーチン、機能、またはプロセスを含んでもよい。
【0109】
さらに、すべてのタイプのビッグデータノードが、すべてのプロセスプラントに含まれるわけではないことに留意されたい。例えば、特定のプロセスプラントにおける最も高レベルなビッグデータ処理は領域レベルにおけるものである場合があり、そのため、特定のプロセスプラントが、いかなる集中型ビッグデータノード108も含まないかもしれず、クラウドビッグデータノード110に接続されないかもしれない。しかし、概して、プロセス制御ビッグデータを容易にするかまたはサポートするために、プロセスプラントは、少なくとも1つのローカルなビッグデータプロバイダノード102と、少なくとも1つのビッグデータ機器112、116、118とを含む。
【0110】
加えて、いくつかの実施形態では、プロセスプラントは、任意のビッグデータサポートを本質的に含まない1つ以上のレガシープロセス制御装置(図示せず)を含む。これらの実施形態では、プラント内のゲートウェイノードまたはレガシー装置に直接結合された付属装置は、レガシー装置によって利用されるプロトコルとプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンによって利用されるプロトコルとの間で、データメッセージを変換するかまたは翻訳し、それによって、レガシー装置及びプロセス制御ビッグデータネットワーク100を通信可能に接続し得る。しかしながら、データパイプラインは、これらのノードを通過して、データパイプラインのさまざまなデータ処理ブロック間の通信を行ってもよい。
【0111】
また、通常は、ビッグデータノードまたは装置102~110は、統合型ユーザインターフェースを有していないが、ビッグデータノードまたは装置102~110のうちのいくつかは、例えば有線または無線通信リンクを経由して通信することによって、またはユーザインターフェース装置130をビッグデータノードまたは装置102~110のポートにプラグ接続することによって、1つ以上のユーザインターフェース装置130と通信接続する能力を有し得る。図4では、ユーザインターフェース装置130は、プロセス制御ビッグデータネットワーク100に無線接続されたビッグデータノードが描写される。
【0112】
ユーザインターフェース装置130は、1つ以上の組み込み型ユーザインターフェースを含む装置(例えば、移動または据置型コンピューティング装置、ワークステーション、携帯型装置、サーフィスコンピューティング装置、タブレット等)であり、それを介して、ユーザまたはオペレータは、プロセス制御システムまたはプロセスプラントとインタラクトして、プロセスプラントに関連する活動(例えば、構成、閲覧、監視、試験、診断、命令、プランニング、スケジューリング、注釈、及び/または他の活動)を行い得る。組み込み型ユーザインターフェースは、スクリーン、キーボード、キーパッド、マウス、ボタン、タッチスクリーン、タッチパッド、バイオメトリックインターフェース、スピーカー及びマイクロホン、カメラ、及び/または任意の他のユーザインターフェース技術を含み得る。ユーザインターフェース装置130は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーンへの直接の有線及び/または無線接続を含んでもよく、またはバックボーンへの、例えばアクセスポイントまたはゲートウェイを介しての間接接続を含んでもよい。ユーザインターフェース装置130は、無線携帯型装置、例えば図1の装置42として実施されてもよく、1つ以上のデータパイプラインに接続されて、1つ以上のデータパイプラインから最終使用データを受信してもよい。また、これらの装置または最終使用装置は、データパイプラインに断続的に接続されてもよく、または長期間にわたってデータパイプラインに接続されたままであってもよい。
【0113】
いくつかの実施形態では、ユーザインターフェース装置130は、1つ以上の組み込み分析能力(図4においてAで表示される)を有し得る。言い換えると、ユーザインターフェース装置130は、任意の数のビッグデータノード及び/またはビッグデータ機器と通信してデータをダウンロード及び/または受信し、ダウンロード/受信されたデータに対してローカルな分析Azを行い、知識を発見または学習してもよく、かつデータパイプラインの一部として、またはデータパイプラインに接続することによってそのようにしてもよい。実際に、いくつかの構成では、ユーザインターフェース装置130は、それ自体がビッグデータプロバイダノードであってもよく、それ自体が、その分析Azの結果のうちの少なくともいくつかを、1つ以上の他のローカル型、領域型、集中型、またはクラウド型のビッグデータノード102~110に対するビッグデータとして提供してもよい。プロセス制御ビッグデータネットワーク内でのユーザインターフェース装置の使用の例(本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに利用され得る)は、例えば、前述の米国特許出願第14/028,785号に見出され得る。しかしながら、当然ながら、ユーザインターフェース装置をプロセス制御ビッグデータネットワーク100とともに利用する他の手法が、本明細書に記載された手法のいずれかまたはすべてとともに、代替的にまたは付加的に用いられてもよい。
【0114】
図6は、本明細書に開示されたような1つ以上のデータパイプラインを用いた自動信号処理ベースの学習手法、方法、システム、及び装置が実施されて含まれ得る、プロセスプラントまたはプロセス制御システム401に関連するさまざまな装置を含む別の例のプラントネットワーク400のブロック図を描画する。例えば、自動信号処理ベースの学習システムの少なくとも一部は、1つ以上のデータパイプラインを用いて、プロセスプラントネットワーク400で実施され得る。プロセスプラントネットワーク400の少なくとも一部は、プロセス制御ビッグデータネットワーク、例えば図4のプロセス制御ビッグデータネットワーク100によってサポートされ得る。しかしながら、プロセスプラントネットワーク400は、議論を簡易にするため及び限定を目的とせずに、図1、4、及び5に図示された特徴に関して以下に記載されているが、図6のプロセスプラントネットワーク400は、図1、4、及び5に記載されたもの以外のプロセス制御ビッグデータネットワークを利用してもよいか、またはプロセスプラントネットワーク400は、あらゆるプロセス制御ビッグデータネットワーク、ノード、及び/または装置を省略してもよいことが理解される。
【0115】
図6では、プロセス制御ビッグデータノードまたは装置は、ノードがプロセス制御ビッグデータプロバイダノード、ビッグデータ機器、または両方であることを意味する参照符号「BD」によって示される。例えば、図6において参照符号「BD」によって示されるノードまたは装置は、図4のローカルビッグデータプロバイダノード及び/または機器102a~102n、112a~112n、領域ビッグデータプロバイダノード及び/または機器106a~106m、116a~116m、集中型ビッグデータプロバイダノード108及び/または機器118、または別のタイプのビッグデータノード104を指している場合があり、または図1の同様のノードを指している場合がある。
【0116】
図6では、プロセス制御ビッグデータノードBDは、プロセス制御ビッグデータネットワーク400のノードである。所望であれば、プロセス制御ビッグデータネットワーク400は、図4のプロセス制御ビッグデータネットワーク100であってもよく、ノードBDは、ネットワーク100のノード102~108であってもよい。図6では、ノードBDは、ネットワーク400を経由し、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン405を介して、通信可能に接続される。バックボーン405は、さまざまなプロセス制御ビッグデータノードBDへの、そしてそこからのパケットをルーティングするように構成された、複数のネットワーク接続されたコンピューティング装置またはスイッチを含む。バックボーン405の複数のネットワーク接続されたコンピューティング装置は、任意の数の無線及び/または有線リンクによって相互接続されてもよく、ビッグデータネットワークバックボーン405は、ネットワーク100に関して先に述べられたように、1つ以上の好適なルーティングプロトコル、例えばプロセス制御ビッグデータストリーミングプロトコルサポートし得る。
【0117】
図6に図示されるように、プロセス制御ビッグデータネットワーク400は、集中型ビッグデータ機器408及び多数の他のビッグデータプロバイダノード411、415、416、418、419、420、421、426、428、435、442a、442b、444、452a、455a、458、472、475、478を含む。例示的なビッグデータプロバイダノードのうちの1つは、プロセス制御ネットワークまたはプラント40のビッグデータをローカルに収集し、分析して格納するビッグデータプロセス制御器装置411である。制御器411は、入力/出力(I/O)カード426及び428を介して有線フィールド装置415~422に通信可能に接続され、無線ゲートウェイ435及びプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405を介して無線フィールド装置440~446に通信可能に接続される。しかし、別の実施形態では、制御器411は、ビッグデータバックボーン405以外の通信ネットワークを用いて、例えば任意の数の有線及び/または無線通信リンクを含むプロセス制御・通信ネットワークを用いることによって、公衆またはインターネットベースの通信ネットワークを用いることによって、ローカルエリアネットワーク等を用いて、無線ゲートウェイ435に通信可能に接続され得る。図6では、制御器411は、プロセス制御システムビッグデータネットワーク400のビッグデータプロバイダノードBDであり、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405に直接接続される。
【0118】
制御器411は、一例として、Emerson Process Managementによって販売されるDeltaV(商標)制御器であってもよく、フィールド装置415~422及び440~446のうちの少なくともいくつかを用いて、バッチプロセスまたは連続プロセスを実施するように動作し得る。プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405に通信可能に接続されていることに加えて、制御装置411はさらに、FOUNDATION(登録商標)フィールドバスプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、WirelessHART(登録商標)プロトコル等の、例えば、標準的な4-20mA装置、I/Oカード426、428、及び/または任意のスマート通信プロトコルに関連する任意の所望のハードウェア、ソフトウェア、及び/または通信リンクまたはネットワークを用いて、フィールド装置415~422及び440~446のうちの少なくともいくつかと通信可能に接続され得る。制御器411は、プロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405を用いて、フィールド装置415~422及び440~446のうちの少なくともいくつかと通信可能に接続され得る。図6では、制御器411、フィールド装置415~422及びI/Oカード426、428は、有線装置であるとして図示され、フィールド装置440~446は、無線フィールド装置であるとして図示されている。当然ながら、有線フィールド装置415~422及び無線フィールド装置440~446は、任意の他の所望の規格またはプロトコル、例えば今後開発される任意の規格またはプロトコルを含む、任意の有線または無線プロトコルに準拠してもよい。
【0119】
プロセス制御器装置411は、1つ以上のプロセス制御ルーチン(例えば、メモリ432に格納される)を実施するかまたは監督するプロセッサ430を含み、これは、制御ループを含み得る。プロセッサ430は、フィールド装置415~422と、及びバックボーン405に通信可能に接続された他のプロセス制御ビッグデータノードBDと通信するように構成される。本明細書に記載された任意の制御ルーチンまたはモジュール(品質予測及び障害検出モジュールまたは機能ブロックを含む)は、そのように所望であれば、異なる制御器または他の装置によって実施されるかまたは実行されるそれらの部品を有し得ることに留意すべきである。同様に、プロセス制御システム40内部で実施されることになる、本明細書に記載された制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア等を含む任意の形状を取ってもよい。制御ルーチンは、任意の所望のソフトウェア形式、例えばオブジェクト指向プログラミング、ラダー論理、シーケンシャル機能チャート、機能ブロック図を用いること、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語または設計パラダイムを用いることで実施されてもよい。制御ルーチンは、任意の所望のタイプのメモリ、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)またはリードオンリーメモリ(ROM)に格納され得る。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、または任意の他のハードウェアまたはファームウェア素子内にハードコード化され得る。このように、制御装置411は、任意の所望の方法で制御ストラテジまたは制御ルーチンを実施するように構成され得る。
【0120】
いくつかの実施形態では、制御装置411は、一般に機能ブロックと称されるものを用いて制御ストラテジを実施し、各機能ブロックは、全体的な制御ルーチンのオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、(リンクと呼ばれる通信を介して)他の機能ブロックと協働して、プロセス制御システム401内部にプロセス制御ループを実施する。制御ベースの機能ブロックは、通常は、例えばトランスミッタ、センサ、または他のプロセスパラメータ測定装置に関連する入力機能か、例えばPID、ファジー論理等の制御を行う制御ルーチンに関連する制御機能か、または弁等のいくつかの装置の動作を制御する出力機能のうちの1つを行い、プロセス制御システム401内でいくつかの物理的機能を行う。当然ながら、ハイブリッド及び他のタイプの機能ブロックが存在する。機能ブロックは、制御器411内に格納されて実行されてもよく、このことは、通常は、これらの機能ブロックが、標準的な4-20mA装置及び等のいくつかのタイプのスマートフィールド装置、例えばHART装置のために用られるかまたはそれらに関連するケースか、またはフィールド装置自体の中に格納され、フィールド装置自体によって実施され得るケースに当てはまり、このことは、Fieldbus装置に当てはまる可能性がある。制御装置411は、1つ以上の制御ループを実施し得る1つ以上の制御ルーチン438を含んでもよい。各制御ループは、通常は制御モジュールと称され、機能ブロックのうちの1つ以上を実行することによって実施され得る。
【0121】
図6に図示された有線装置411~422は、ビッグデータ有線プロセス制御装置415、416、及び418~421、ならびにI/Oカード426、428を含む。図6は、有線レガシー装置417及び422をさらに図示し、これは、プロセスプラント内部の有線ビッグデータ装置415、418~421、426、428と協働し得る。有線フィールド装置415~422は、センサ、弁、トランスミッタ、ポジショナ等の任意のタイプの装置であってもよく、一方でI/Oカード426及び428は、任意の所望の通信または制御器プロトコルに適合する任意のタイプのI/O装置であってもよい。図6では、フィールド装置415~418は、アナログ線またはアナログ・デジタル結合線を経由してI/Oカード426に通信する標準的な4-20mA装置またはHART装置であり、一方でフィールド装置419~422は、Fieldbus通信プロトコルを用いてデジタルバスを経由してI/Oカード428に通信する、FOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールド装置等のスマート装置である。しかし、いくつかの実施形態では、ビッグデータ有線フィールド装置415、416、及び418~421のうちの少なくともいくつか及び/またはビッグデータI/Oカード426、428のうちの少なくともいくつかは、付加的に、または代替的に、ビッグデータネットワークバックボーン405を用いて制御器411と通信する。
【0122】
ネットワーク400はさらに、監視システム(これは、プロセス制御システム401の一部であってもよく、またはそうでなくてもよい)を含むとして図示される。監視システムは、図6に図示された無線フィールド装置440~446を含み、これらは、無線ビッグデータノードまたは装置BD(例えば、装置442a、442b、444)の例をさらに含む。図6は、レガシー無線装置(例えば、装置446)の一例をさらに含む。無線フィールド装置440~446は、無線ネットワーク470において、無線プロトコル、例えばWirelessHARTプロトコルを用いて通信する。そのような無線フィールド装置440-446は、(例えば無線ストリーミングプロトコルを用いて)無線通信するようにさらに構成されたプロセス制御ビッグデータネットワーク400の1つ以上の他のビッグデータ装置またはノードBDと直接通信し得る。無線通信するように構成されていない1つ以上の他のビッグデータノードと通信するために、無線フィールド装置440~446は、バックボーン405に、または別のプロセス制御・通信ネットワークに接続された無線ゲートウェイ435を利用してもよい。ビッグデータをサポートする任意の数の無線フィールド装置を、プロセスプラント40において利用してもよい。
【0123】
図6に図示される無線ゲートウェイ435は、プロセス制御プラントまたはシステム40に含まれ、無線通信ネットワーク470のさまざまな無線装置440~458への、そしてそれらからのアクセスを提供するビッグデータノードBDの別の例である。特に、無線ゲートウェイ435は、無線装置440~458間の、有線装置411~428間の、かつ/またはプロセス制御ビッグデータネットワーク400の他のノードまたは装置(図6の制御器411を含む)間の通信結合を提供する。例えば、無線ゲートウェイ435は、ビッグデータネットワークバックボーン405を用いることによって、かつ/またはプロセスプラント40の1つ以上の他の通信ネットワークを用いることによって、通信結合を提供し得る。
【0124】
いくつかのケースでは、無線ゲートウェイ435は、有線及び無線プロトコルスタックの下層に対するサービス(例えば、アドレス変換、ルーティング、パケット分割、優先順位付け等)をルーティングし、バッファリングして時間調整し、一方で有線及び無線プロトコルスタックの共用層をトンネリングさせることによって、通信結合を提供する。他のケースでは、無線ゲートウェイ435は、いかなるプロトコル層も共用していない有線及び無線プロトコル間で、コマンドを翻訳し得る。プロトコル及びコマンド変換に加えて、無線ゲートウェイ435は、無線ネットワーク470で実施された無線プロトコルに関連するスケジューリングスキームのタイムスロット及びスーパーフレーム(時間において等間隔に配置された通信タイムスロットのセット)によって用いられる同期クロッキングを提供し得る。さらには、無線ゲートウェイ435は、無線ネットワーク470のためのネットワーク管理及び運用機能、例えばリソース管理、性能調整、ネットワーク障害軽減、監視トラフィック、セキュリティ等を提供し得る。
【0125】
有線フィールド装置415~422と同様に、無線ネットワーク470の無線装置440~446は、プロセスプラント40内部の監視機能及び/または物理的制御機能、例えば弁の開閉を行うか、またはプロセスパラメータの測定を行い得る。しかしながら、無線フィールド装置440~446は、ネットワーク470の無線プロトコルを用いて通信するように構成される。このように、無線ネットワーク470の無線フィールド装置440~446、無線ゲートウェイ435、及び他の無線ノード452~458は、無線通信パケットの生産元及びコンシューマである。
【0126】
いくつかのシナリオでは、無線ネットワーク470は、非無線装置を含んでもよく、これはビッグデータ装置であってもよく、またはそうでなくてもよい。例えば、図6のフィールド装置448は、レガシー4-20mA装置であってもよく、フィールド装置450は従来の有線HART装置であってもよい。ネットワーク470内で通信するために、フィールド装置448及び450は、無線アダプタ(WA)452aまたは452bを介して無線通信ネットワーク470に接続され得る。図6では、無線アダプタ452bは、無線プロトコルを用いて通信するレガシー無線アダプタであるとして示され、無線アダプタ452aは、ビッグデータをサポートするとして示され、それ故にビッグデータネットワークバックボーン405に通信可能に接続されている。加えて、無線アダプタ452a、452bは、Foundation(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNet等の他の通信プロトコルをサポートし得る。さらに、無線ネットワーク470は、1つ以上のネットワークアクセスポイント455a、455bを含んでもよく、これらは、無線ゲートウェイ435と有線通信している別個の物理装置であってもよく、または統合型装置として無線ゲートウェイ435を備えてもよい。図6では、ネットワークアクセスポイント455aは、ビッグデータ装置BDであるとして図示され、一方でネットワークアクセスポイント455bは、レガシーアクセスポイントである。無線ネットワーク470はまた、無線通信ネットワーク470内で1つの無線装置から別の無線装置までパケットを転送するための1つ以上のルータ458を含んでもよく、それらの各々が、プロセス制御システム40において分散型ビッグデータをサポートしてもよく、またはそうでなくてもよい。無線装置440~446及び452~458は、無線装置が分散型及び/または集中型ビッグデータ装置である場合、互いに、かつ無線通信ネットワーク470の無線リンク460上の無線ゲートウェイ435と、かつ/またはビッグデータネットワークバックボーン405を介して通信し得る。
【0127】
したがって、図6のシステムは、プロセス制御システムのさまざまなネットワークに対するネットワークルーティングの機能性及び運用を主に提供する働きをし、そこにおいて、またはそれを通してデータパイプラインを実施し得るノードBDのビッグデータ装置のいくつかの例を含む。例えば、無線ゲートウェイ435、アクセスポイント455a、及びルータ458は、無線通信ネットワーク470内で無線パケットをルーティングするための機能性を各々含み、これらのノードまたは装置は、そのような通信を、1つ以上のデータパイプラインの実装の一部として実施し得る。無線ゲートウェイ435は、無線ネットワーク470のためのトラフィック管理及び運営機能を行うことに加えて、無線ネットワーク470と通信接続する有線ネットワークへの、及びそこからのトラフィックをルーティングする。無線ネットワーク470は、特にプロセス制御メッセージ及び機能をサポートする無線プロセス制御プロトコル、例えばWirelessHARTを利用してもよく、これをデータパイプライン通信のためにさらに用いてもよい。図6に図示されるように、無線ネットワーク470の装置435、455a、452a、442a、442b、及び458は、プロセス制御プラント40においてビッグデータをサポートするが、しかしながら、無線ネットワーク470の任意の数の任意のタイプのノードが、プロセスプラント40において分散されたビッグデータをサポートしてもよい。
【0128】
他の無線プロトコルを用いて通信する他の装置は、プロセス制御ビッグデータネットワーク400のビッグデータノードまたは装置BDであってもよい。図6では、1つ以上の無線アクセスポイント472は、他の無線プロトコル、例えばWi-Fiまたは他のIEEE802.11対応無線ローカルエリアネットワークプロトコル、WiMAX(ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(Worldwide Interoperability for MicrowaveAccess))、LTE(ロングタームエボリューション(Long Term Evolution))または他のITU-R(国際電気通信連合無線通信部門(International Telecommunication Union Radiocommunication Sector))互換プロトコル等の移動通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)、及びブルートゥース(登録商標)等の単波長無線通信、または他の無線通信プロトコルを利用して、データパイプラインまたはデータパイプラインの位一部を実施し得るビッグデータ装置BDである。通常、そのような無線アクセスポイント472は、携帯型または他のポータブルコンピューティング装置(例えば、ユーザインターフェース装置)が、無線ネットワーク470とは異なり、かつ無線ネットワーク470とは異なる無線プロトコルをサポートするそれぞれの無線ネットワークを経由して通信することを可能にする。いくつかのシナリオでは、ポータブルコンピューティング装置に加えて、1つ以上のプロセス制御装置(例えば、制御器411、フィールド装置415~422、または無線装置435、440~458)がさらに、アクセスポイント472によってサポートされた無線プロトコルを用いて通信し得る。
【0129】
加えて、図6のシステムでは、隣接したプロセス制御システム40の外部にあるシステムに対する1つ以上のゲートウェイ475、478は、データパイプラインまたはデータパイプラインを用いる分析モジュールを実施するために用いられ得る、プロセス制御ビッグデータネットワーク400のビッグデータノードまたは装置BDである。通常、そのようなシステムは、プロセス制御システム40によって生成されるかまたは動作する情報のカスタマーまたは供給元である。例えば、プラントゲートウェイノード475は、隣接したプロセスプラント40(それ自体のそれぞれのプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405を有する)を、それ自体のそれぞれのプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーンを有する別のプロセスプラントと通信可能に接続し得る。別の例では、単一のプロセス制御ビッグデータネットワークバックボーン405が、多数のプロセスプラントまたはプロセス制御環境にサービスを提供し得る。さらに別の例では、プラントゲートウェイノード475は、隣接したプロセスプラント40を、クラウドビッグデータノード110及び/またはクラウドビッグデータ機器121と通信可能に接続する。
【0130】
図6に図示されたプラントゲートウェイノード475は、隣接したプロセスプラント40を、プロセス制御ビッグデータネットワーク400またはバックボーン405を含まないレガシーまたは従来技術のプロセスプラントに通信可能に接続させる。この例では、プラントゲートウェイノード475は、プラント40のプロセス制御ビッグデータバックボーン405によって利用されるプロトコルと、レガシーシステム(例えば、イーサネット、Profibus、Fieldbus、DeviceNet等)によってデータパイプラインの一部として利用される異なるプロトコルとの間でメッセージを変換するかまたは翻訳し得る。1つ以上の外部システムゲートウェイノード478は、外部の公衆または私設システムのネットワーク、例えば研究所システム(例えば、研究所情報管理システムすなわちLIMS)、オペレータラウンドデータベース、荷役システム、保守管理システム、製品在庫管理システム、生産スケジューリングシステム、天候データシステム、出荷及び取扱システム、包装システム、インターネット、別のプロバイダのプロセス制御システム、または他の外部システムに、プロセス制御ビッグデータネットワーク400を通信可能に接続させる。
【0131】
図6は、有限個のフィールド装置415~422及び場合によっては440~446備える単一の制御器411のみを図示しているが、この例は、例証のみのものであり、非限定的な実施形態である。任意の数の制御器411がビッグデータをサポートしてもよく、制御器411のいずれかが、任意の数の有線または無線フィールド装置415~422、440~446と通信して、プラント40内のプロセスを制御してもよい。さらに、プロセスプラント40はまた、任意の数の無線ゲートウェイ435、ルータ458、アクセスポイント455、無線プロセス制御・通信ネットワーク470、アクセスポイント472、及び/またはゲートウェイ475、478を含んでもよい。またさらには、図6のシステムは、任意の数の集中型ビッグデータ機器408を含んでもよく、これらは、プロセスプラント40内の装置のいずれかまたはすべてから収集されたデータ及び/または生成された学習済みデータまたは知識を受信して格納し得る。いくつかの実施形態では、プロセス制御ビッグデータネットワーク400は、任意の数の領域ビッグデータ機器及びノード(図6に図示せず)を含み得る。
【0132】
さらに、図6によって図示された例のプロセスプラント40に含まれる態様、装置、及びコンポーネントの組み合わせは、例示のみのものである。本明細書に開示されたデータパイプラインの手法、システム、方法、及び装置は、図6に図示された態様の0個以上のいずれかによって、プロセスプラントで利用され得る。例えば、本明細書に開示されたデータパイプライン手法、システム、方法、及び装置は、集中型ビッグデータ機器408を備えていないプロセスプラントで、または1つ以上の領域ビッグデータ機器及び/またはノードを備えるプロセスプラントで、利用されてもよい。別の例では、本明細書に開示された手法、システム、方法、及び装置は、レガシー装置のみを備えるプロセスプラントで利用され得る。
【0133】
ここで図1~6を同時に参照すると、プロセス制御ビッグデータネットワーク、ビッグデータ機器112、116、118、121の任意の数のいずれかのノード102、106、108、110、ビッグデータノード411、415、416、418、419、420、421、426、428、435、442a、442b、444、452a、455a、458、472、475、478、及び/またはレガシー装置417、422、440、446、448、450、452b、455bは、データパイプラインのインスタンスまたは一部を含み得る。つまり、データパイプラインとして実施された分析モジュールのインスタンスは、その値が経時変化する信号を生成するプロセスプラントまたはプロセス制御システムに含まれるかまたはそれに関連する任意のノードまたは装置、例えばプロセス制御装置、ビッグデータノード、分析装置等と統合化されてもよい。データパイプラインとして実施された信号処理モジュールの少なくとも一部は、図1~6に図示されたノードまたは装置のうちのいずれか1つ以上のメモリに格納され、かつともに常駐するプロセッサによって実行可能であるソフトウェアまたはコンピュータ実行可能命令として実施される。
【0134】
いくつかのケースでは、データパイプラインとして実施された信号処理モジュールの少なくとも一部は、チップ、集積回路、半導体回路、または図1及び4~6に図示されたノードまたは装置のうちのいずれか1つに含まれる他の好適なハードウェアとして実施される。例えば、信号処理モジュールの少なくとも一部は、1つ以上の組み込み型デジタル信号処理(DSP)チップ、例えばTexas InstrumentsのKeyStoneマルチコアDSP及びARM(商標)プロセッサ、または他の好適なDSPチップ上で実施されてもよい。1つ以上の組み込み型DSPチップは、その値が経時変化する信号を生成するプロセスプラントまたはプロセス制御システムに含まれるかまたはそれに関連する任意のノードまたは装置、例えばプロセス制御装置、ビッグデータノード、分析装置等に埋め込まれるかまたはそれらと統合化されてもよい。例えば、組み込み型DSPチップのうちの1つ以上は、弁、振動測定装置、トランスミッタ等に含まれてもよい。チップの数を所望のように増大させて、信号処理機能/能力をスピードアップし、向上させ、かつ/または付加してもよい。
【0135】
いくつかのケースでは、データパイプラインとして実施される信号処理モジュールは、(プロセスプラントまたはプロセス制御システムの)その値が経時変化する信号を生成しているノードまたは装置と統合化されないが、それにもかかわらず信号処理モジュールは、ノードまたは装置に通信可能に結合される。例えば、データパイプラインの形式で実施される信号処理モジュールは、その値が経時変化する信号を生成するノードまたは装置に物理的に取り付けられ、それによって、信号源の出力が、プロセス制御ネットワークを経由して送信される前に、信号処理モジュールのさまざまなブロックまたはコンポーネントを横断するようにしてもよく、または信号処理モジュールは、それを経由してノードまたは装置の出力が送信されるネットワークリンクを監視してもよい。
【0136】
データパイプラインを作成するかまたは構成することは、ユーザが、データパイプライン内のブロック及びブロック間の相互接続に加えて、各ブロックがダウンロードされて稼動するか、またはプラントネットワーク内部で実行される場所を容易に定義することができる構成環境を概して提供するデータスタジオ構成アプリケーションを通して行われ得る。データスタジオは概して、データパイプラインを作成するために用いられ得るデータ処理ブロックのテンプレートを格納する構成領域と、ユーザがデータパイプラインにおいていずれの処理ブロックを用いるかを特定することを可能にする構成領域と、これらのブロック間の通信相互接続とを含み得る。いったん構成領域に作成されると、データパイプラインは、ビッグデータマシン内部の履歴データを用いて試験され得る。試験が完了した後、作成されたデータパイプラインは、プラントネットワーク内のさまざまな装置にダウンロードされてもよく、データがプラント内部に収集されるとデータ上で自動的に稼動して、プラント内部で新しい学習を継続的に提供し得る。
【0137】
概して言えば、データパイプライン内のブロックのセットを用いて、データを読み取ったり、フィルタリングをしたり、成形をしたり、分析を行ったり、結果を可視化たり、データに対する他の機能を行ってもよい。ブロックを用いて、図1~6に関して記載された分析ブロックによって処理されて試験され得る形式に組み合わせて成形する「データパイプライン」を作り上げる。
【0138】
一般的には、データスタジオは、2つのレベルで閲覧され得る。第1に、データスタジオは、ユーザに、実質的にデータ処理を行って、予測を生成し、障害検出を行って、予測を生成する処理及び計算エンティティを作成するための構造化環境を提供する。データスタジオを用いて、データを成形し、モデルを生成し、モデルを試験し、モデルを比較して、普通はデータサイエンティストによって実行される機能を行う。いったんモデルが展開されると、同じモデルのセットが、プラント内部の計算エンジン、例えば、図1~6の埋め込み型分析エンジンまたはビッグデータ機器にダウンロードされ得る。これらのモデルはさらに、本明細書では分析モジュールと称される。
【0139】
図7は、同様にしてプロセスプラント内部でデータを収集するビッグデータネットワーク500を含む、プロセスプラント(例えば、図1、4または6のもの)の例示的なプロセス制御または監視システムのブロック図である。加えて、図7のプロセス制御システムは、例えば、データスタジオ509を実行して、ユーザが、ビッグデータネットワークによって収集されたデータ上でさまざまなデータモデルを作成して稼動させることを可能にする、プロセスプラント環境内部に設けられたユーザインターフェースステーション503を含む。ユーザインターフェースステーション503はさらに、診断、見通し、分析、関係性の特定等を体系的または包括的に行うモデルを実行して、プロセスプラントから取得されたデータを発見して評価するデータ知識アプリケーション514(図3のブロック94に関連し得るかまたはその内部機能として実施され得る)を実行する。図7は、単一のユーザインターフェースステーション503のみが、データスタジオ509及びデータ知識アプリケーション514をホスティングすることが描かれているが、いくつかの実施形態では、データスタジオ509及びデータ知識アプリケーション514は、異なるユーザインターフェースステーション503上で、多数のユーザインターフェースステーション503上でホスティングされてもよく、またはプロセスプラント509の1つ以上の装置間で分散させてもよい。より具体的には、プラントまたはプロセス制御システム内部において実施されたデータスタジオ509は、ユーザまたはモデル開発者に、プラントから予め収集された履歴データ、プラント内部で現在収集されているリアルタイムデータ、または両方に対して、プラント環境内部で稼動するデータパイプラインを体系的かつ効率的に定義するかまたは作成することを支援するためのツールを提供する。データスタジオ509及びデータ知識アプリケーション514は、ビッグデータネットワーク500が、プラントまたはプロセス制御システム内部で生成されたかまたはその内部で収集されたデータのすべてまたはほとんどを収集し、格納し、かつそれらに対する効率的なアクセスを提供するということを利用することが可能である。また、データモデル化スタジオ509は、このデータを用いて、モデル開発者にモデルを設計し、試験し、プラントまたはプロセス制御システム内部において実施するさらに効率的な方法を提供する。データ知識アプリケーション514は、プラントまたはプロセス制御システムにモデル埋め込むための、さらにはデータと実行されたモデルの結果と間の関係性を閲覧して調査するための付加的な環境を提供する。図7に図示されるように、データスタジオ509は、1つ以上の装置の1つ以上のプロセッサによって、例えばユーザインターフェースステーション503上で実行される命令のセットであってもよい。当然ながら、データスタジオ509は、種々のコンピューティング装置のいずれか、例えばタブレット、携帯電話、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、サーバ等で実行され、1つの装置内部で実行されてもよく、または任意の数のそのような装置間で分散させてもよい。同じように、データ知識アプリケーション514は、1つ以上の装置の1つ以上のプロセッサによって実行され、種々のコンピューティング装置のいずれかで実行される命令のセットであってもよい。
【0140】
一般的には、例示的なプロセス制御システムビッグデータネットワーク500は、プロセス制御システムビッグデータ装置または機器502と、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン505と、バックボーン505に通信可能に接続された複数のノード508とを含む。加えて、ノード508は、制御器、フィールド装置、プラント機材、監視機材等のようなプロセスプラント機材に接続される。プロセス関連データ、プラント関連データ、通信関連データ及び他のタイプのデータは、複数のノード508で収集されてキャッシュされてもよく、そのデータは、長期的な格納(例えば「履歴化」)及び処理のために、ネットワークバックボーン505を介してプロセス制御システムビッグデータ装置または機器502に伝達されてもよい。データのうちの少なくともいくつかは、ネットワーク500のノード508間で、例えばプロセスをリアルタイムで制御するために伝達されてもよい。
【0141】
プロセスプラントシステムに関連する任意のタイプのデータが、プロセス制御システムビッグデータ機器502に収集されて格納されてもよい。例えば、継続的なバッチ測定等のリアルタイムプロセスデータ、及びプロセスがプロセスまたはプラントネットワークで制御されている間に生成される(及び、いくつかのケースでは、リアルタイム実行プロセスの効果を示す)イベントデータが、収集されて格納されてもよい。また、プロセス定義、配置またはセットアップデータ、例えばプロセスプラント構成データ及び/またはバッチレシピデータが、収集されて格納されてもよい。加えて、プロセス診断の構成、実行及び結果に対応するデータが、収集されて格納されてもよい。当然ながら、他のタイプのプロセスデータ、例えば警報またはアラートもまた、収集されて格納されてもよい。同様にして、プロセスプラント10のバックボーン505の、及びさまざまな他の通信ネットワークのデータハイウェイトラフィック及びネットワーク管理データが、収集されて格納されてもよい。同様に、ユーザ関連データ、例えばユーザのトラフィック、ログイン試行、クエリ及び命令に関連するデータが、収集されて格納されてもよい。またさらには、テキストデータ(例えば、ログ、動作手順、マニュアル等)、空間データ(例えば、場所に基づくデータ)及びマルチメディアデータ(例えば、閉回路TV、ビデオクリップ等)が、収集されて格納されてもよい。
【0142】
プロセスプラントビッグデータネットワークバックボーン505は、複数のネットワーク接続されたコンピューティング装置、例えばユーザインターフェース装置503(データスタジオ509及び知識発見アプリケーション514をホストする)、またはプロセス制御システムビッグデータネットワーク500のさまざまなノード508へ、及びそこから、及びプロセス制御ビッグデータ機器502(それ自体がプロセス制御システムビッグデータネットワーク500のノードである)へ、及びそこからパケットをルーティングするように構成されたスイッチを含んでもよい。バックボーン505の複数のネットワーク接続されたコンピューティング装置が、任意の数の無線及び/または有線リンクによって相互接続されてもよい。また、プラントネットワークビッグデータネットワークバックボーン505は、1つ以上のファイアウォール装置を含んでもよい。
【0143】
例示を目的として、ビッグデータネットワークバックボーン505は、1つ以上の好適なルーティングプロトコル、例えばインターネットプロトコル(IP)スイート(例えば、UPD(ユーザデータグラムプロトコル)、TCP(伝送制御プロトコル)、イーサネット等)に含まれるプロトコル、または他の好適なルーティングプロトコルをサポートし得る。所望であれば、ノード508のうちの少なくともいくつかは、ストリーミングプロトコル、例えばストリーム制御転送プロトコル(SCTP)を利用して、キャッシュされたデータを、ノード508からネットワークバックボーン505を介してプロセス制御ビッグデータ機器502にストリーミングしてもよい。通常、各プロセスデータビッグデータネットワーク500に含まれるノード508は、バックボーン505によってサポートされたルーティングプロトコルのアプリケーション層(及び、いくつかのノードについては、付加的な層)を少なくともサポートし得る。各ノード508は、例えば一意なネットワークアドレスによって、プロセス制御システムビッグデータネットワーク500内部で一意的に識別され得る。加えて、プロセス制御システムビッグデータネットワーク500の少なくとも一部は、アドホックネットワークであってもよい。このように、ノード508のうちの少なくともいくつかは、ネットワークバックボーン505に(またはネットワーク500の別のノードに)アドホックに接続されてもよい。
【0144】
また、プロセスプラントネットワーク内部の装置に(例えば、マシン及び装置等のプロセスプラントに含まれる物理的機材に)関連するが、プロセスを直接構成、制御、または診断するアプリケーションによって生成され得ないデータもまた、ビッグデータマシン502に収集されて格納されてもよい。例えば、振動データ及びスチームトラップデータ、プラントの安全性データ、プラントの安全性に対応するパラメータ(例えば、腐食データ、ガス検出データ等)の値を示すデータを格納してもよい。同様に、プラントの安全性に対応するイベントを示すデータが、ビッグデータマシン502に収集されて格納されてもよい。同様に、マシン、プラント機材及び/または装置の健全性に対応するデータ、機材データ(例えば、振動データ及び他のデータに基づいて判断されたポンプ健全性データ)、機材、マシン、及び/または装置診断の構成、実行及び結果に対応するデータを収集して格納してもよい。
【0145】
いくつかのケースでは、プロセスまたはプラント外部のエンティティによって生成されるかまたはそれに対して送信されたデータ、例えば、未処理の材料コスト、部品または機材の予想到着時間、天候データ、及び他の外部データに関連するデータは、ビッグデータマシン502に収集されて格納され得る。当然ながら、ネットワークバックボーン505に通信可能に接続されたノード508のいずれかによって生成されるか、受信されるか、または観察されたすべてのデータが、プロセス制御システムビッグデータ機器502に収集されて格納されてもよい。当然ながら、これらのタイプのデータのいずれかまたはすべてが、1つ以上のデータパイプラインの1つ以上のデータ収集モジュールに収集されることができるか、または任意のデータパイプラインの任意の処理モジュールによって用いられてもよい。
【0146】
図7に図示されるように、データスタジオ509は、構成及びデータ調査のためのプロセス制御システムビッグデータネットワーク500内に、例えばユーザインターフェース上に、またはユーザまたは他のアプリケーションによって用いるための他のインターフェース装置上に、主インターフェースを設けるように構成され得る。データスタジオ509は、プロセス制御システムビッグデータネットワークバックボーン505を介してビッグデータ機器502に接続されてもよく、またはプロセス制御システムビッグデータ機器502に直接接続されてもよく、もしくは任意の他の方法でビッグデータ機器502に結合されてもよい。
【0147】
図7のネットワークでは、プロセス制御ビッグデータ装置または機器502は、ネットワーク500内部に集中し、データを(例えば、ストリーミングを介して、かつ/または他の何らかのプロトコルを介して)ネットワーク500のノード508から受信し、受信データを格納するように構成される。このように、プロセス制御ビッグデータ装置または機器502は、ノード508から受信したデータを履歴化するかまたは格納するためのデータ格納領域520と、ビッグデータマシン502内の格納のためのデータを収集する複数の機器データ受信機522と、ビッグデータストレージ520からのデータを要求してアクセスする複数の機器要求サービサ535とを含み得る。いずれにしても、プロセス制御ネットワークにおいて収集されて、データ格納領域520に格納されたデータのすべてまたはほとんどが、データモデル化スタジオ509及び知識発見アプリケーション514のユーザに利用可能である場合に有用である。
【0148】
プロセス制御システムビッグデータ格納領域520は、多数の物理的データドライブまたはストレージエンティティ、例えばRAID(リダンダントアレイオブインディペンデンドディスクズ)ストレージ、クラウドストレージ、またはデータバンクまたはデータセンターストレージに好適な任意の他の好適なデータ格納技術を含んでもよい。しかしながら、ネットワーク500のノード508に対しては、データ格納領域520は、単一または単体の論理的データ格納領域またはエンティティの様相を有する。このように、データストレージ520は、プロセス制御ビッグデータネットワーク500のための、またはプロセスプラントのための集中型ビッグデータ格納領域520として見なされ得る。所望であれば、単一の論理的集中型データ格納領域520が、多数のプロセスプラント(例えば、当該プロセスプラント及び別のプロセスプラント)にサービスを提供してもよい。例えば、集中型データ格納領域520は、エネルギ会社のいくつかの製油所にサービスを提供してもよい。加えて、集中型データ格納領域520は、例えば、少なくとも1つの高帯域幅通信リンクを介して、バックボーン505に直接接続されてもよい。また、集中型データ格納領域520は、統合型ファイアウォールを含んでもよい。
【0149】
単一の論理的データ格納領域520の構造は、すべてのまたはほとんどのプロセス制御システム関連データの格納をサポートし得る。例えば、データストレージエンティティの各エントリ、データ点、または観察値は、データの識別(例えば、ソース、装置、タグ、場所等)の表示、データのコンテンツ(例えば、測定、値等)、及びデータが収集され、生成され、受信されるかまたは観察された時間を示すタイムスタンプを含んでもよい。このように、これらのエントリ、データ点、または観察値は、本明細書では「時系列データ」と称される。データは、例えば拡張性のあるストレージ、ストリーミングされたデータ、及び低遅延のクエリをサポートするスキーマを含む共通の形式を用いて、データ格納領域520に格納され得る。
【0150】
1つのケースでは、スキーマは、各列に多数の観察値を格納することと、列内のデータをフィルタリングするためにロウキー(row-key)をカスタムハッシュとともに用いることとを含み得る。ハッシュは、タイムスタンプ及びタグに基づいてもよい。例えば、ハッシュは、タイムスタンプの丸められた値であってもよく、タグは、プロセス制御システムのイベントまたはエンティティに対応するか、またはそれに関連してもよい。また、各列または列の群に対応するメタデータが、時系列データと統合的に、あるいは時系列データとは別個に、データ格納領域520格納されてもよい。例えば、メタデータは、スキーマレスな方法で、時系列データとは別個に格納されてもよい。
【0151】
所望であれば、機器データストレージ520でデータを格納するために用いられるスキーマはさらに、ノード508のうちの少なくとも1つのキャッシュにデータを格納するために利用されてもよい。したがって、このケースでは、スキーマは、データがノード508のローカルな格納領域から、バックボーン505にわたってプロセス制御システムビッグデータ機器データストレージ520に送信されるときに維持される。
【0152】
データストレージ520に加えて、プロセス制御システムビッグデータ機器502は、1つ以上の機器データ受信機522をさらに含んでもよく、その各々が、バックボーン505からデータパケットを受信し、データパケットを処理して、その内部に担持された実体データ及びタイムスタンプを取得し、実体データ及びタイムスタンプをデータ格納領域520に格納するように構成される。機器データ受信機522は、例えば複数のコンピューティング装置またはスイッチに常駐してもよい。多数の機器データ受信機522(及び/または少なくとも1つのデータ受信機522の多数のインスタンス)が、多数のデータパケットに対して並行動作してもよい。
【0153】
受信データパケットが、プロセス制御ビッグデータ機器データ格納領域520によって利用されるスキーマを含むケースでは、機器データ受信機522は、データ格納領域520の付加的なエントリまたは観察値を概要情報とともに取り込むのみである(そして任意には、所望であれば対応するメタデータを格納してもよい)。受信データパケットが、プロセス制御ビッグデータ機器データ格納領域520によって利用されるスキーマを含まないケースでは、機器データ受信機522は、パケットを復号して、それに応じてプロセス制御ビッグデータ機器データ格納領域520の時系列データ観察値またはデータ点(そして任意には、対応するメタデータ)を取り込み得る。
【0154】
加えて、プロセス制御システムビッグデータ機器502は、1つ以上の機器要求サービサ535を含んでもよく、その各々が、プロセス制御システムビッグデータ機器ストレージ520に格納された時系列データ及び/またはメタデータに、例えば要求側エンティティまたはアプリケーションの要求ごとにアクセスするように構成される。機器要求サービサ535は、例えば複数のコンピューティング装置またはスイッチに常駐してもよい。機器要求サービサ535及び機器データ受信機522のうちの少なくともいくつかは、同じコンピューティング装置上に(例えば、統合型装置上に)常駐してもよく、または統合型アプリケーションに含まれてもよい。
【0155】
いくつかのケースでは、多数の機器要求サービサ535(及び/または少なくとも1つの機器要求サービサ535の多数のインスタンス)は、多数の要求側エンティティまたはアプリケーションからの多数の要求に対して並行動作し得る。当然ながら、単一の機器要求サービサ535が、多数の要求、例えば単一のエンティティまたはアプリケーションからの多数の要求、または1つのアプリケーションの異なるインスタンスからの多数の要求に対するサービスを提供し得る。いずれにしても、図7のデータモデル化スタジオ509及び知識発見アプリケーション514は、1つ以上の要求サービサ535を介して、データ格納領域520に格納されたデータにアクセスし得る。
【0156】
図8は、図7のプロセス制御ビッグデータバックボーン505を介して、ビッグデータ機器502及びプロセスプラントネットワークに結合されたデータスタジオ509の例の実施形態のブロック図である。図8にさらに図示されるように、もう1つの付加的なユーザインターフェース装置513が、プロセス制御ビッグデータバックボーン505を介してデータスタジオ509にアクセスしてもよい。加えて、知識発見アプリケーション514は、プロセス制御ビッグデータバックボーン505に結合される。概して言えば、データスタジオ509は、ビッグデータマシンまたは他のデータ源から収集されたデータに対する操作を行うように構成されたデータパイプラインをグラフィカルに作成及びプログラミングするように構造化環境を提供する。これに関し、データパイプラインは、プロセスプラント(例えば、本プロセスプラント)の動作についてのいくらかの知識を与える出力を発生させるために、データに対して行われる一連の相互接続された数学的または分析ルーチンである。データパイプラインは、1つ以上のデータ入力と、データ入力に対して行われる1つ以上の機能と、当該機能の結果である1つ以上の出力とで構成される。
【0157】
図8に図示されるように、データスタジオ509は、グラフィカルなデータパイプライン作成を容易にするために構造化環境を生成するための構成エンジン523と作成されたパイプラインをダウンロードするかまたは実行するための稼動エンジン524とを含む。より具体的には、構成エンジン523は、構造化環境向けにグラフィカルユーザインターフェースの素子を生成するためのインターフェースルーチン525と、データパイプラインのビルディングブロックの働きをする複数のテンプレート529と、モデルを、稼動エンジン524によって実行可能なデータ形式に変換するコンパイラ527とを含む。ランタイムエンジン524は、データパイプラインの実行で用いられるデータを取得するためのデータ取得ルーチン526と、実行可能なデータパイプラインを稼動させるための実行ルーチン528とを含む。
【0158】
インターフェースルーチン525は、プロセッサによって実行されると、ドラッグアンドドロップグラフィカルユーザインターフェースのユーザインターフェース素子のセットを生成して、テンプレート529を表示するライブラリ領域525aと、モデルを作成するためのメインプレゼンテーションウィンドウの働きをするキャンバス領域525bとを含むデータパイプラインの作成を促進する、メモリに格納された命令のセットを含む。テンプレート529は、データパイプラインのビルディングブロックの働きをし、選択されてキャンバス領域525bに移動して、データパイプラインを作成することができる。データスタジオ509の構成エンジン523に含まれるテンプレート529は、例えばデータ源または読み取りテンプレート529a(パイプラインで用いられるデータ源を特定する)と、データまたは出力データを書き込む場所、そうでなければパイプラインからデータを送信する場所を特定するデータ書き込みテンプレート529bと、データパイプライン内のデータストリーム上で稼動させるフィルタリングルーチンを特定するフィルタテンプレート529cと、1つ以上のデータのストリーム上で行われる動作をマージするデータを特定するマージテンプレート529dと、ステート検出及び関連する処理活動を特定するステートテンプレート529eと、データに対して行われる分析を特定するデータ分析テンプレート529fと、ユーザにデータを表示するために、データに対して行われるさまざまなグラフ化または他の可視化機能を特定する可視化テンプレート529gとを含む。当然ながら、図8に図示されたテンプレートは、例示のみのものであり、他のタイプのテンプレートを同様に作成して格納することができる。
【0159】
いくつかのケースでは、データ源または読み取りテンプレート529aは、プロセスプラント内部で通信され、生成され、受信され、かつ/または観察されるデータのさまざまなデータ型(構造化及び/または非構造化)、コンテキスト、及び/または境界条件を収集するデータ源を示す。データ源または読み取りテンプレート529aは、データベースデータ、ストリーミングされたデータ、トランザクションデータ、及び/またはプロセス制御システムビッグデータネットワークを介して通信されて、プロセス制御システムビッグデータストレージ520に格納されるかまたはその中に履歴化される任意の他のタイプのデータに関係し得る。データ源または読み取りテンプレート529aはさらに、プロセスプラントのビッグデータアーキテクチャの一部として収集されたすべての(またはほぼすべての)プロセスデータ及びプラントデータを収集して格納するビッグデータ機器502に格納されたデータ源を含んでもよい。データ源529aは、ビッグデータアーキテクチャを実施するプロセスプラントのさまざまなパラメータのいずれかまたはすべてを定義する、ビッグデータ機器502に格納された包括的な高忠実度データを定義し得る。
【0160】
データ源テンプレート529aの例は、圧力読み取り、弁読み取り、温度読み取り、振動読み取りを含む。ユーザは、履歴またはリアルタイムデータのためのパラメータを設定し、それによってデータのサブセットのみが選択されるようにしてもよい。例えば、データ源テンプレート529aは、通常は温度A~温度Bの範囲内であると予想される温度データを摂氏で収集するデータ源を示し得る。データ源テンプレート529aはさらに、プロセスプラントの外部のデータ源、外部プラントサイトまたは天候または環境データベース等の外部データベース等を表し得る。同様にして、データ書き込みテンプレート529bは、任意のデータベース、マシン、またはデータを書き込むか、またはパイプラインからのデータを利用可能にする他のデータパイプラインまたは分析モジュールを特定し得る。
【0161】
その他のテンプレート529c~529gは、データに対して行われる任意の基本的または単体の機能を実施するかまたは定義することができる。例えば、分析テンプレート529fは、例えばニューラルネットワークルーチン、相関ルーチン、しきい値ルーチン等の数学的機能、または例えば平均化ルーチン、最大ルーチン、最小ルーチン、フィルタルーチン等の統計的プロセスを含んでもよい。テンプレート529eは、ランダムフォレストアルゴリズムまたは部分的最小自乗回帰等の分類手法を含んでもよい。またさらには、テンプレート529c~fは、分析のためのデータを準備するためのデータ処理手法、例えば一定のしきい値レベルよりも高いデータを取り除くフィルタリングルーチン、または異常値データを取り除くためのクリッピングルーチンを含んでもよい。ユーザはさらに、テンプレート529の1つ以上のパラメータを変えることが可能であってもよい。例えば、ユーザは、フィルタルーチンを選択して、低点フィルタ(特定の傾斜)、クリッピングフィルタ(しきい値レベル)等の特性を定義してもよい。
【0162】
可視化テンプレート529gは、データパイプラインによってデータに対して行われる機能の結果をどのようにして解釈及び/または表現するかを定義する。例えば、パイプラインの出力が、ユーザに対してグラフィカルに表現される場合、テンプレート529gは、グラフ、チャートまたはディスプレイインターフェースを表し得る。出力テンプレート529gは、出力テンプレートによって特定されたグラフィカルな表現のためのデータを準備するための1つ以上のデータマッサージング手法をさらに定義し得る。例えば、棒グラフは、2つの有効数字に丸められた数値を必要とする場合があり、出力テンプレートは、データを準備するための丸めルーチンをさらに含んでもよい。出力または可視化テンプレート529gは、データパイプラインの出力が送られるべきである特定の場所をさらに示し得る。例えば、テンプレート529gは、データパイプラインによって発生した値のセットが、プロセスプラント(例えば、本プロセスプラント)内の1つ以上の制御器に送られることになっていることを示し得る。値の例は、設定点値、制御ルーチン等を含む。しかしながら、出力は、任意の値、例えば関係を表すバインド、特定の値、データ出力がしきい値に適合しているか否かを示すバイナリ値、効力に対応するパーセンテージ等であることができる。
【0163】
しかしながら、ユーザは、データスタジオ509に含まれる予め定義されたテンプレートを用いることに限定されない。ユーザは、既存のテンプレートを編集し、新しいテンプレートを追加し、かつ/または編集された/新しいテンプレートを、今後の使用のためにデータスタジオ509に保存してもよい。例えば、既存の平均化ルーチンが2つのデータ源入力を受け入れる場合、ユーザは、3つの入力を受け入れるように平均化ルーチンテンプレートを編集してもよい。ユーザはさらに、新しいテンプレートを新規作成して、データスタジオ509に付加的な機能性を追加してもよい。ユーザはさらに、作成されたデータパイプラインまたはデータパイプラインの一部を、今後の使用のためにデータスタジオ509とともにテンプレートとして保存してもよい。
【0164】
コンパイラ527は、メモリに格納されたコンパイラルーチン527aを含んでもよく、これをプロセッサ上で実行して、ユーザインターフェースを用いて作成されたグラフィカルなデータパイプラインを、ランタイムエンジン524によってサポートされた実行可能なデータ形式でコンパイルされたデータパイプラインに変換する。
【0165】
ランタイムエンジン524は、コンパイルされたデータパイプラインを実行して、所望の出力(データパイプラインによって定義される)を発生させるものであり、メモリ520から、及び/またはプラント装置からデータを取得するためのデータ取得ルーチン526と、実行可能なモデルを稼動させ、かつ/または実行するための実行ルーチン528とを含む。より具体的には、プロセッサは、データ源からデータを、そしてメモリから、データパイプラインで用いられるグラフィカルなテンプレート529に対応する機能を取得するための取得ルーチン526を実行し得る。いくつかの実施形態では、取得ルーチン526は、ビッグデータネットワークバックボーン505を介してビッグデータ機器520から、及び/またはプラント自体からデータを取得し得る。実行ルーチン528は、プロセッサ上でコンパイルされたデータパイプラインを実行して1つ以上の出力を発生させる、メモリに格納された命令のセットを含み得る。
【0166】
実行ルーチン528は、データパイプラインがメモリに格納された履歴データ上で稼働し得る、プラントの動作から切り離されたオフライン環境でデータパイプラインを稼動させ得るか、または、取得ルーチン526がプラントまたはビッグデータ機器内の1つ以上の装置からリアルタイムまたはほぼリアルタイムでデータストリームを取得して、ユーザに提供されてもよく、かつ/またはプラントの動作に影響するように用いられてもよい出力を発生させる得るオンライン環境でデータパイプラインを稼動させ得る。
【0167】
より具体的な例として、データ源テンプレート529a(データパイプライン内に入力されるデータを定義する)は、フィルタリング機能(例えば、ローパス、ハイパス、平滑化フィルタ等)を定義する第1のフィルタテンプレート529cに接続され得る。フィルタリング機能テンプレート529cは、クリッピングルーチンを定義する第2のフィルタテンプレート529cに接続されることができ、第2のフィルタテンプレートは、ニューラルネットワーク手法を定義する分析テンプレート529fに接続されることができ、そして分析テンプレートは、別のフィルタリング手法を定義するフィルタテンプレート529cに接続されることができ、フィルタテンプレートは、平均化手法を定義するテンプレート529fに接続されることができ、テンプレート529fは、出力を表示する方法を定義する可視化テンプレート529gに接続されることができる。
【0168】
図9は、データパイプラインのグラフィカルな作成を容易にするためのデータスタジオ509のグラフィカルユーザインターフェース600の例を図示する。上述のように、構成エンジン523のインターフェースルーチン525は、テンプレート529を表示するライブラリ領域525aと、データパイプラインを作成するためのメインプレゼンテーションウィンドウの働きをするキャンバス領域525bとを含むドラッグアンドドロップグラフィカルユーザインターフェース500を生成する。図9に図示されるように、ライブラリ領域525aは、データパイプラインのグラフィカルビルディングブロックの働きをする複数のテンプレート529を表示する。テンプレート529は、読み取りテンプレート529a、書き込みテンプレート529b、フィルタテンプレート529c、マージテンプレート529d、ステートテンプレート529e、分析テンプレート529f及び可視化テンプレート529gを含むさまざまなデータテンプレート529を含んでもよい。
【0169】
ユーザは、ライブラリ領域525aから異なるテンプレート529を選択し、それらをキャンバス領域525bにドラッグして、データパイプラインを構築し得る。ユーザは、テンプレート529をキャンバス領域526b内に配置し、データパイプライン内部のデータフローを定義するために、相互通信接続を用いてテンプレート間のフローを定義し得る。図9は、ドラッグアンドドロップ及びグラフィカルユーザインターフェースを図示しているが、データスタジオ509の他の実施形態が、他のグラフィカルまたは非グラフィカルなインターフェースを含んでもよい。
【0170】
さらに、構成エンジン523は、ユーザが、キャンバス領域525bに描かれたデータパイプラインテンプレート529を、テンプレート529及びデータテンプレート間の相互接続で用いられる特定のパラメータを定義することによって変更し、データパイプラインを形成する相互接続されたブロックを作成し、通信接続、実行速度等を定義することを可能にする。データパイプラインは、例えば、データパイプラインのために取得されるデータの特定のデータ源を定義する入力ブロックと、パイプライン内部のデータに対して行われるデータ処理手順を定義する1つ以上の機能ブロックと、1つ以上のデータ出力部の出力に関連する動作を定義する1つ以上の出力ブロックとを含み得る。
【0171】
図9の例では、4つの読み取りブロック602(パイプラインのためのデータを得るための異なるデータ源を定義する)と、獲得されたデータストリームの各々をフィルタリングするように接続されたフィルタブロック604と、さまざまなソースの各々からのデータを、共通のまたは整合された時間にオフセットするかまたは時間整合させるように動作し得る、フィルタブロック604の各々に接続された時間オフセットブロック606とを含むデータパイプラインが作成される。同様に、ブロック606の各々によって発生したデータは、ブロック608に提供され、これは時系列データをマージして、マージされたデータまたはデータのマトリックスを線グラフの形状で可視化ブロック610に提供する。可視化ブロック610は、マージされた時系列データを所望の形式で示す折れ線グラフを発生させ得る。
【0172】
当然ながら、図9のデータパイプラインを作成する場合、ユーザは、各ブロックをさまざまなパラメータ(例えば、フィルタ係数、サンプリングレート、時間オフセット、可視化パラメータ等)で構成してもよい。また、ユーザは、データパイプライン内のブロックの各々の場所または位置、及びデータパイプラインがダウンロードされてプラント内でデータパイプラインとして実行されるときのデータパイプライン内部のブロックの実行速度及び通信レートを特定してもよい。ユーザは、例えば、プラントの動作または稼動中に各ブロックがダウンロードされて稼動する装置、ノード、ビッグデータマシン等を特定してもよい。
【0173】
またさらには、ユーザは、データベースに格納された履歴データ上で、作成されたデータパイプラインを試験してもよく、データパイプラインの動作に満足した場合、プラント内にデータパイプラインをダウンロードして、それによって、データパイプラインのさまざまなブロックがダウンロードされて、特定されたノード、マシンまたは装置で実行されるようにしてもよい。また、このとき、構成エンジン523またはそのコンパイラ527は、データパイプラインのブロックを、ブロックが格納されて実行されるさまざまな装置間に設置された通信ネットワークを経由して互いに通信するように構成してもよい。いくつかのケースでは、同じデータパイプラインの異なるブロックは、異なる通信ネットワークさらには異なる通信プロトコルを用いて、互いに通信し得る。
【0174】
データパイプラインは、いったんダウンロードされると、プラント内でプラントの稼動中に継続的またはオンゴーイングベースで稼動するかまたは実行して、データに対して、データパイプラインによって特定されたようなデータ処理を施す。そして、このデータは、プラント内部の任意のユーザ、任意のマシンまたは任意の分析モジュールによる閲覧及び使用に利用可能である。また、分析モジュールは、1つ以上のデータパイプラインを用いてもよいかまたはそれらで作られてもよく、単一のデータパイプラインが、多数の他の分析モジュールで用いられてもよい。
【0175】
理解されるように、本明細書に記載された監視及び分析エンジン、アルゴリズム及びデータパイプラインは、分散型制御システム(DCS)、資産管理システム、及び通常のプロセス制御プラントまたはネットワークの既存のマシン健全性システムの外部で稼動することができる。これらのシステムの各々は、それらそれぞれの組織(動作、保守、及び信頼性エンジニアリング)にとって重要であると考えられ、そのため、分析モジュール及びこれらのモジュールが異なるマシン上で動作するデータパイプラインの稼動は、これらのシステムの各々、それらをサポートしようと試みる運用会社、及びそれらをサポートしようと試みるさまざまな組織及び機関に対するストレスを回避する。
【0176】
また、DCSシステムと、本明細書に記載された監視及び分析システムとの間の差異は、監視及び分析システムは、データをリアルタイムで消費していない点である。アプリケーションは、データを受信し、分析を行い、予測をして、障害検出を行い、システムの時定数の範囲内で人間及び他のシステムが入手できる勧告を(データパイプラインを用いて)生成するように設計される。例えば、バッチ操作では、更新された予測は、分単位であることができる。ほとんどの継続的操作についても同じである。この操作は、制御行動がプロセスの動作に直接影響を与える制御操作とは非常に異なる。データのストリーミングは、アプリケーションが実際にデータを必要とする場合のみに必要であり、そのため、本明細書に記載されたデータパイプライン(及びデータパイプラインの上部で動作する分析モジュール)は、異なる速度で動作することができる。
【0177】
また、理解されるように、本明細書に記載されたデータパイプライン構造を用いて、先頭のインジケータを特定し、そしてそれらの先頭のインジケータを用いて、先頭のインジケータに最も影響を与えるパラメータを特定することが可能である。この分析の中から最良値を得るために、各パラメータの他の各パラメータに対する関係性(例えば上流、下流)に関する情報を、データパイプラインに提供されるかまたはそれによって用いられるデータの一部と同様に用いてもよい。この情報を提供するいくつかの制御及び装置階層は、通常のプラントにおいて有効である。例えば、DeltaV及びAMS、及びプラントのPI&D等のシステムから入手可能な機材階層を用いて、機材の物理的関係性を定義してもよい(例えば、原油タンクは、大気塔の上流のヒータの上流の脱塩装置の上流である)。
【0178】
分析モジュールは、このデータのいずれかを用いて、データパイプラインによって行われる処理とともに、オンゴーイングまたはオンデマンド分析を行い得る。このように、本明細書に記載された分析モジュールは、データスタジオとともに定義されたパイプラインに、実行可能なコンテンツを提供し得る。分析モジュールは、タグ、記述、実行速度を有してもよく、データパイプラインブロック及びパラメータをサポートし得る。分析モジュールは、システム内の任意のコンピュータまたは実行エンジンにダウンロードされてもよく、監視及び分析バスを介して送られ得るデータへの参照を自動的に解決し得る。また、分析モジュールは、コンピューティング素子間を移動させてもよく、構成システムは、これが発生している範囲内でデータリンクを自動的に再バインドして、データパイプラインが元の状態のままになることを保証し得る。
【0179】
またさらには、分析モジュールは、いったんデバッグされると、それらは、同様のアプリケーションのために再利用されることができるテンプレートとして格納され得る。このように、分析テンプレートのライブラリは、何度も作成されて再利用されてもよい。必要であれば、これらのモジュールは、さらに使用許諾を与えて再販されてもよい。
【0180】
また、所望であれば、分析モジュール、及び/または分析モジュール内部で用いられるかまたはそれをサポートするデータパイプラインは、例えば、データスタジオ509を用いてデバッグされてもよい。分析予測またはデータ処理がオフである場合、ユーザは、データスタジオ509を用いて、モジュール(またはデータパイプライン)をオンラインで動作させるかまたは作動させ、データパイプラインまたはモジュール内の各ブロックにおけるデータ値を閲覧し得る。そして、ユーザは、データスタジオ509を用いて、データ値を見て、誤差につながるブロック、ブロック内部のアルゴリズム等を修正することができる。本明細書に開示されたシステム、方法、及び手法のいずれかまたはすべてを、プロセスをリアルタイムで制御または監視するように構成された任意のプロセスプラントまたはプロセス制御システムで利用してもよい。また、本明細書で用いられる場合、「機材」(piece of equipment、equipment piece、またはequipment)は概して、プロセスまたはその一部の制御中に直接利用され得るかまたはそうではない場合があるが、それにもかかわらず、プロセスの制御または流れに関して他の機材及び/またはプロセス素子によって命令され得る物理的素子またはコンポーネントを指す。
【0181】
ソフトウェアにおいて実施される場合、本明細書に記載されたアプリケーション、ブロック、サービス、及びエンジンのいずれかが、任意の有形の非一時的コンピュータ可読メモリ、例えば磁気ディスク、レーザーディスク(登録商標)、ソリッドステートメモリ装置、分子メモリ格納装置に、またはコンピュータまたはプロセッサ等のRAMまたはROMの他の格納媒体に格納されてもよい。本明細書に開示された例示的なシステムは、いくつかのコンポーネントの中でも特に、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/またはファームウェアを含むとして開示されているが、そのようなシステムは、例証に過ぎず、限定として考慮されるべきではないことに留意すべきである。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェアコンポーネントのいずれかまたはすべてが、ハードウェアに独占的に、ソフトウェアに独占的に、またはハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせに組み込まれることができると考えられる。したがって、本明細書に記載された例示的なシステムは、1つ以上のコンピュータ装置のプロセッサ上で実行されるソフトウェアにおいて実施されるとして記載されているが、当業者においては、提供された例が、そのようなシステムを実施する唯一の方法ではないことが容易に理解されよう。
【0182】
このように、特定の例を参照して本発明を説明してきたが、例証のみが意図され、本発明を限定することは意図されておらず、当業者においては、本発明の本質及び範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に変更、付加または削除がなされてもよいことが明らかであろう。
【0183】
関連出願の相互参照
本件は、2014年10月6日出願の米国仮特許出願番号第62/060,408号、発明の名称「Data Pipeline for Process Control System Analytics」に対する優先権及び利益を主張する正規出願であり、その開示全体が、参照により本明細書に明確に組み入れられる。
【0184】
本出願はさらに、2013年3月3日出願の米国特許出願第13/784,041号、発明の名称「BIG DATA IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」、2013年9月17日出願の米国特許出願第14/028,785号、発明の名称「METHOD AND APPARATUS FOR CONTROLLING A PROCESS PLANT WITH LOCATION AWARE MOBILE CONTROL DEVICES」、2014年2月6日出願の米国特許出願第14/174,413号、発明の名称「COLLECTING AND DELIVERING DATA TO A BIG DATA MACHINE IN A PROCESS CONTROL SYSTEM」、2014年3月14日出願の米国特許出願第14/212,493号、発明の名称「DISTRIBUTED BIG DATA IN A PROCESS CONTROL SYSTEM」、2014年3月14日出願の米国特許出願第14/212,411号、発明の名称「DETERMINING ASSOCIATIONS AND ALIGNMENTS OF PROCESS ELEMENTS AND MEASUREMENTS IN A PROCESS」、及び2013年3月15日出願の米国仮特許出願番号第61/798,820号、発明の名称「DATA MODELING STUIDO」の優先権及び利益を主張する2014年3月17日出願の米国特許出願第14/216,823号、発明の名称「DATA MODELING STUDIO」に関連し、その各々の開示全体が、参照により本明細書に明確に組み入れられる。
【0185】
加えて、本出願は、本件と同時に出願された米国特許出願第14/507,188号、発明の名称「REGIONAL BIG DATA IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」、本件と同時に出願された米国特許出願第14/507,252号、発明の名称「AUTOMATIC SIGNAL PROCESSING-BASED LEARNING IN A PROCESS PLANT」、及び本件と同時に出願された米国特許出願第14/506,863号、発明の名称「STREAMING DATA FOR ANALYTICS IN PROCESS CONTROL SYSTEMS」に関連し、その各々の開示全体が、参照により本明細書に明確に組み入れられる。
図1
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