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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】フッ化物蛍光体を有するLED光源
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/20 20060101AFI20230718BHJP
   F21V 9/38 20180101ALI20230718BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230718BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20230718BHJP
   C09K 11/08 20060101ALI20230718BHJP
   C09K 11/61 20060101ALI20230718BHJP
   C09K 11/02 20060101ALI20230718BHJP
   C09K 11/80 20060101ALI20230718BHJP
   C09K 11/64 20060101ALI20230718BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230718BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20230718BHJP
【FI】
G02B5/20
F21V9/38
F21S2/00 311
H01L33/50
C09K11/08 J
C09K11/61
C09K11/02 Z
C09K11/80
C09K11/64
F21Y115:10 300
F21Y115:30
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021156157
(22)【出願日】2021-09-24
(62)【分割の表示】P 2020542939の分割
【原出願日】2019-02-12
(65)【公開番号】P2022025066
(43)【公開日】2022-02-09
【審査請求日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】18156331.3
(32)【優先日】2018-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】シグニファイ ホールディング ビー ヴィ
【氏名又は名称原語表記】SIGNIFY HOLDING B.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 48,5656 AE Eindhoven,The Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100163821
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 沙希子
(72)【発明者】
【氏名】ペータース マルティヌス ペトルス ヨセフ
(72)【発明者】
【氏名】ウェフ レネー テオドルス
(72)【発明者】
【氏名】ブロエルスマ レミー シリル
(72)【発明者】
【氏名】ヘンドリクス レネー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ジョヴァノヴィック ブランキカ
【審査官】岩井 好子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-029052(JP,A)
【文献】特開2012-151466(JP,A)
【文献】特開2017-188592(JP,A)
【文献】特開2019-004134(JP,A)
【文献】特開2005-064111(JP,A)
【文献】特開2015-179719(JP,A)
【文献】特開2017-034237(JP,A)
【文献】国際公開第2017/057074(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0358519(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第109037419(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 5/20
F21V 9/38
F21S 2/00
H01L 33/50
C09K 11/08
C09K 11/61
C09K 11/02
C09K 11/80
C09K 11/64
F21Y 115/10
F21Y 115/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源光を生成するように構成されている固体光源と、前記光源光の少なくとも一部を変換器要素光に変換するように構成されている変換器要素とを備え、前記変換器要素が、粒子状の第1の発光材料をホストしている高分子ホストマトリックス要素を含み、前記高分子ホストマトリックス要素が、第1の外面を有し、前記第1の外面の少なくとも一部と前記第1の外面からの第1の距離とによって画定されている前記高分子ホストマトリックス要素の外側層が、前記高分子ホストマトリックス要素にしか囲まれない空洞を含み、前記第1の距離が、少なくとも10μmである、照明デバイス。
【請求項2】
前記粒子状の第1の発光材料が、四価マンガンがドープされたMAXタイプの粒子状の第1の発光材料であり、Mがアルカリカチオンを含み、Aが四価カチオンを含み、Xが、少なくともフッ素を含む一価アニオンを含む、請求項1に記載の照明デバイス。
【請求項3】
前記粒子状の第1の発光材料が、四価マンガンがドープされたKSiFを含み、前記粒子状の第1の発光材料が、10~40μmの範囲から選択される体積平均粒径を有し、前記高分子ホストマトリックス要素が、ポリシロキサンホスト材料を含む、請求項2に記載の照明デバイス。
【請求項4】
前記高分子ホストマトリックス要素にわたって平均化された平均重量百分率xの、前記粒子状の第1の発光材料が、前記高分子ホストマトリックス要素中で利用可能であり、前記第1の外面の少なくとも一部と前記第1の外面からの前記第1の距離とによって画定されている外側層体積が、前記外側層体積にわたって平均化された第1の局所重量百分率yの、前記粒子状の第1の発光材料を、ホストしており、前記平均重量百分率xに対する前記第1の局所重量百分率yの比率がy/x≦0.1である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項5】
y/x≒0である、請求項4に記載の照明デバイス。
【請求項6】
前記第1の距離が、少なくとも20μmかつ最大100μmである、請求項1乃至5のいずれか一項に照明デバイス。
【請求項7】
前記高分子ホストマトリックス要素が、第2の発光材料を更に含み、前記第2の発光材料が、M12:Ce3+のタイプの発光材料であって、Mが、Sc、Y、Tb、Gd、及びLuからなる群から選択され、Aが、Al、Ga、Sc、及びInからなる群から選択される発光材料と、MAlSiN:Euのタイプの選択された発光材料であって、Mが、バリウム、ストロンチウム、及びカルシウムからなる群から選択される発光材料と、の群から選択される1種以上の発光材料を含む、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項8】
前記空洞が、20~40μmの範囲の直径を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項9】
第1の端部、第2の端部、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間の反射器カップ壁部を有する反射器カップを更に備え、前記反射器カップが、前記第2の端部から前記第1の端部に向けて先細状であり、前記固体光源が、発光面を含み、前記高分子ホストマトリックス要素が、第2の外面を有し、前記反射器カップが、前記高分子ホストマトリックス要素をホストし、前記第1の外面が、前記第1の端部よりも前記第2の端部の近くに構成されており、前記第2の外面が、前記第2の端部よりも前記第1の端部の近くに構成されており、前記発光面が、前記高分子ホストマトリックス要素と接触している、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の照明デバイス。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の照明デバイスを1つ以上備える、照明器具又はランプ。
【請求項11】
照明デバイスを製造する方法であり、
光源光を生成するように構成されている固体光源を設けるステップと、
前記光源光の少なくとも一部を変換器要素光に変換するように構成されている変換器要素を設けるステップとを含む、方法であって、前記変換器要素を設けるステップが、前記変換器要素に含まれる高分子ホストマトリックス要素を供給するステップを含み、前記高分子ホストマトリックス要素を供給するステップが、
高分子出発材料と粒子状の第1の発光材料とを含む混合物を、支持体上に設けることにより、前記支持体上に前記混合物を配置したものを供給することを含む出発段階と、
前記高分子ホストマトリックス要素を供給するために、前記混合物を硬化させることを含む硬化段階と、
前記硬化段階の前、前記硬化段階の間、及び/又は前記硬化段階の後の発光材料除去段階と、を含み、前記高分子ホストマトリックス要素が、第1の外面を有し、前記発光材料除去段階が、前記第1の外面の少なくとも一部と前記第1の外面からの第1の距離とによって画定されている前記高分子ホストマトリックス要素の外側層が空洞を含むように、前記外側層内の前記粒子状の第1の発光材料の利用可能性を低減することを含み、前記第1の距離が、少なくとも10μmであり、前記発光材料除去段階が、前記第1の外面の少なくとも一部を、酸性の水性液体と接触させることを含む、方法。
【請求項12】
前記酸性の水性液体が、クエン酸を含み、酸性の水性液体が、少なくとも40℃の温度を有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記発光材料除去段階が、前記硬化段階の少なくとも一部に先行する、請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
反射器カップであって、前記反射器カップの第1の端部と前記反射器カップの第2の端部との間に反射器カップ壁部を備え、前記第2の端部から前記第1の端部に向けて先細状である反射器カップを設けるステップを更に含み、
前記固体光源を設けるステップが、前記固体光源の発光面が前記第2の端部よりも前記第1の端部の近くに構成されるように前記固体光源を設けるステップを含み、
前記支持体が、前記反射器カップ壁部の少なくとも一部と、前記発光面の少なくとも一部とを含む、請求項11乃至13のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明デバイス、そのような照明デバイスを備えるランプ又は照明器具に関し、並びに、そのような照明デバイスにおいて使用するためなどの、発光材料を含む高分子ホスト材料の作製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
発光材料を有する半導体照明デバイスが、当該技術分野において既知である。米国特許出願公開第2017/0158957号は、例えば、青色領域若しくは濃青色領域の光又は紫外領域の光を放出するための固体発光デバイスと、蛍光体とを組み合わせて備える、半導体発光デバイスを有する、カラー画像ディスプレイデバイス用のバックライト上に設けられている光源を説明している。蛍光体は、緑色発光蛍光体及び赤色発光蛍光体を含む。緑色発光蛍光体及び赤色発光蛍光体は、励起光の波長が400nm又は455nmである場合の、100℃における発光ピーク強度から25℃における発光強度への変化率が、最大でも40%のものである。この文献は、K[AlF]:Mn4+、K[AlF]:Mn4+、K[GaF]:Mn4+、Zn[AlF]:Mn4+、K[In2F]:Mn4+、K[SiF]:Mn4+、Na[SiF]:Mn4+、K[TiF]:Mn4+、K[ZrF]:Mn4+、Ba[TiF]:Mn4+、K[SnF]:Mn4+、Na[TiF]:Mn4+、Na[ZrF]:Mn4+、KRb[TiF]:Mn4+、及びK[Si0.5Ge0.5]:Mn4+に言及している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
発光材料KSiF:Mn4+は、温白色LEDに関して、特に、高いCRIに関しては、顕著な効率向上を可能にすると思われる。しかしながら、水分、光、及び高温の存在下では、発光材料は、緩徐に劣化し、すなわち、量子効率が低下して色点シフトをもたらすと考えられる。この緩徐なプロセスに加えて、発光材料粒子が水に直接曝される(すなわち、シリコーンによって保護されていない)場合には、より深刻で、より急速な劣化メカニズムが生じる恐れがある。発光材料は、水に曝されると、褐色化すると考えられる。褐色材料の存在は、LED出力の激しい減少、またそれゆえ、局所加熱をもたらし得る。シリコーンは、過度に高温となる恐れがあり、このことは、ワイヤボンドの破断などによる、LEDの故障を誘発し得る。
【0004】
それゆえ、本発明の一態様は、好ましくは、上述の欠点のうちの1つ以上を更に少なくとも部分的に取り除く、代替的な照明デバイスを提供すること、及び/又は、発光材料に関するホストマトリックスを提供する方法を提供することである。本発明は、従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを克服若しくは改善すること、又は有用な代替物を提供することを、目的として有してもよい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
驚くべきことに、シリコーン-空気界面から、より遠く離れている発光材料粒子は、水分子がシリコーンを介して粒子に到達することが可能な場合であっても、実質的に褐色化することがないと考えられる。
【0006】
それゆえ、第1の態様では、本発明は、光源光を生成するように構成されている光源、特に固体光源と、光源光の少なくとも一部を変換器要素光に変換するように構成されている変換器要素とを備え、変換器要素が、四価マンガンでドープされたMAXタイプの粒子状の第1の発光材料(及び、オプションとして他の材料)をホストしている、高分子ホストマトリックス要素(「ホスト」又は「マトリックス」又は「高分子マトリックス」)を含み、Mがアルカリカチオンを含み、Aが四価カチオンを含み、Xが、少なくともフッ素(F)を含む、一価アニオンを含み、粒子状の第1の発光材料が、高分子ホストマトリックス要素にわたって平均化された平均重量百分率x(又は、「バルク重量百分率」)で、高分子ホストマトリックス要素中で利用可能であり、高分子ホストマトリックス要素が、第1の外面を有し、第1の外面の少なくとも一部と第1の外面からの第1の距離とによって画定されている外側層体積が、粒子状の第1の発光材料を、外側層体積にわたって平均化された第1の局所重量百分率yでホストしており、y/x≦0.1、特にy/x≦0.05である、平均重量百分率xに対する第1の局所重量百分率yの比率を有し、特に第1の距離が、特に少なくとも10μmなどの、少なくとも5μmである、照明デバイスを提供する。第1の外面の少なくとも一部と第1の外面からの第1の距離とによって画定されている外側層は、空洞を含む。
【0007】
そのような照明デバイスは、より一層安定した色点及び効率を有し得ると考えられる。更には、水分に曝される場合であっても、色点及び/又は効率は、本質的に影響を受けることがないか、あるいは、そのような第1の発光材料が乏しい層を有さない照明デバイスよりも、遥かに低い程度で影響を受ける。
【0008】
用語「発光材料」の代わりに、用語「蛍光体」もまた適用されてもよい。
【0009】
上述のように、照明デバイスは、固体光源を備える。用語「光源」又は「固体光源」は、発光ダイオード(light emitting diode;LED)、共振空洞発光ダイオード(resonant cavity light emitting diode;RCLED)、垂直共振器レーザダイオード(vertical cavity laser diode;VCSEL)、端面発光レーザなどの、半導体発光デバイスを指してもよい。用語「光源」はまた、パッシブマトリックス(passive-matrix organic light-emitting diode;PMOLED)又はアクティブマトリックス(active-matrix organic light-emitting diode;AMOLED)などの、有機発光ダイオードを指してもよい。実施形態では、光源は、LED又はレーザダイオードなどの、固体光源を含む。一実施形態では、光源はLED(発光ダイオード)を含む。LEDという用語はまた、複数のLEDを指してもよい。更には、用語「光源」はまた、実施形態では、いわゆるチップオンボード(chips-on-board;COB)光源を指してもよい。用語「COB」は、特に、封入も接続もされることなく、PCBなどの基板上に直接実装されている、半導体チップの形態のLEDチップを指す。それゆえ、複数の半導体光源が、同じ基板上に構成されてもよい。実施形態では、COBは、単一の照明モジュールとして一体に構成されている、マルチLEDチップである。用語「光源」はまた、2~2000個の固体光源などの、複数の光源に関連してもよい。
【0010】
光源は、光源光を生成するように構成されている。この光源光は、特に、UV放射線及び青色光のうちの1つ以上を含み得る。用語「UV放射線」、「UV光」、又は「UV発光」は、本明細書では特に、300~380nmの範囲の波長を有する放射線を指すが、250~380nmの範囲などの、より小さい波長もまた可能であり得る。用語「青色光」又は「青色発光」は、特に、約440~495nmの範囲の波長を有する(ある程度の紫色及びシアンの色相を含む)光に関連する。光源光は、UV又は青色範囲内の、最大約20nmの半値全幅などの狭帯域であってもよく、あるいは、UV及び/又は青色範囲内の広帯域であってもよい。特に、光源は、少なくとも90%のような、少なくとも80%などの、少なくとも50%のパワーが、UV及び/又は青色範囲内、特に300~495nmの範囲にある、スペクトルパワー分布を有する光源光を生成する。
【0011】
照明デバイスは、光源光の少なくとも一部を変換器要素光に変換するように構成されている、変換器要素を更に備える。それゆえ、照明デバイスは、照明デバイス光を生成するように特に構成されており、照明デバイス光は、変換器要素光、及びオプションとして光源光もまた含む。特に、光源光が青色光から本質的になる場合、照明デバイス光はまた、実施形態では白色の照明デバイス光を供給するように、光源光を含んでもよい。
【0012】
それゆえ、変換器要素は、光源と受光関係で構成されている。変換器要素は、特に、光源と放射的に結合されている。用語「放射的に結合されている」とは、特に、光源によって放出された放射線の少なくとも一部が、発光材料によって受光される(及び、少なくとも部分的に発光へと変換される)ように、光源と発光材料とが互いに関連付けられていることを意味する。より特定的には、変換器要素は、特に、光源の下流に、透過モードで(光源光が変換器要素から抜け出ることができるか否かに関わらず)構成されている。それゆえ、照明デバイス光が光源光を含む場合、光源光は、光変換器要素を通って透過されている。
【0013】
用語「上流」及び「下流」は、光生成手段(本明細書では特に、光源)からの光の伝搬に対する、物品又は特徴部の配置に関するものであり、光生成手段からの光ビーム内での第1の位置に対して、光ビーム内の、光生成手段により近い第2の位置が「上流」であり、光ビーム内の、光生成手段からより遠く離れた第3の位置が「下流」である。
【0014】
変換器要素は、1種以上の異なる発光材料を含む。1種以上の発光材料は、当業者によって選択及び構成されてもよい。しかしながら、変換器要素は、第1の発光材料、特にMn(IV)(「四価マンガン」)タイプの発光材料をホストしている、高分子ホストマトリックス要素を少なくとも含む。それゆえ、一実施形態では、第1の発光材料は、Mn(IV)発光材料からなる群から選択される(赤色)発光材料を含み、更により特定的には、第1の発光材料は、四価マンガンでドープされたMAXタイプの発光材料を含み、Mはアルカリカチオンを含み、Aは四価カチオンを含み、Xは、少なくともフッ素(F)を含む、一価アニオンを含む。例えば、MAXは、K1.5Rb0.5AXを含んでもよい。Mは、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、セシウム(Cs)、及びアンモニウム(NH )からなる群から選択されるものなどの、一価カチオンに関連し、特にMは、K及びRbのうちの少なくとも1つ以上を含む。好ましくは、Mの少なくとも80%、更により好ましくは、95%などの少なくとも90%は、カリウム及び/又はルビジウムからなる。カチオンAは、ケイ素(Si)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、及び亜鉛(Zn)のうちの1つ以上を含んでもよい。好ましくは、Aの少なくとも80%、更により好ましくは、少なくとも95%などの、少なくとも90%は、ケイ素及び/又はチタン及び/又はゲルマニウムからなる(Mn4+による部分的置換を考慮しない)。特に、Mはカリウムを含み、Aはチタンを含む。Xは、一価アニオンに関連するが、特に少なくともフッ素を含む。オプションとして存在し得る他の一価アニオンが、塩素(Cl)、臭素(Br)、及びヨウ素(I)からなる群から選択されてもよい。好ましくは、Xの少なくとも80%、更により好ましくは、95%などの少なくとも90%は、フッ素からなる。用語「四価マンガン」とは、Mn4+を指す。これは、周知の発光イオンである。上記の式においては、四価カチオンA(Siなど)の一部が、マンガンによって置換されている。それゆえ、四価マンガンでドープされたMAXはまた、M1-mMnとして示されてもよい。マンガンのモル百分率、すなわち、マンガンが四価カチオンAを置換する百分率は、一般に、0.1~15%、特に1~12%の範囲となり、すなわち、mは0.001~0.15の範囲、特に0.01~0.12の範囲である。更なる実施形態が、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2013/088313号に由来し得る。
【0015】
それゆえ、一実施形態では、第1の発光材料は、四価マンガンでドープされたMAXを含み、Mはアルカリカチオンを含み、Aは四価カチオンを含み、Xは、少なくともフッ素を含む一価アニオンを含む。更により特定的には、Mは、K及びRbのうちの少なくとも1つ以上を含み、Aは、Si及びTiのうちの1つ以上を含み、X=Fである。好適な第2の発光材料の一例は、例えば、KSiF:Mn(5%)(すなわち、KSi(1-x)Mn、x=0.05)である。ここで、Mは、実質的に100%がKであり、Aは、実質的に100%がSiであるが、5%のMnでSiが置換されており(それゆえ、事実上、95%のSi及び5%のMn)、Xは、実質的に100%がFである。特定の実施形態では、Mは本質的にKである。そのような発光材料は、四価マンガンにより、特に赤色で発光し得る。用語「第1の発光材料」はまた、例えばKSiF:Mn及びK1.5Rb0.5AXなどの、四価マンガンでドープされたMAXタイプの複数の異なる第1の発光材料を指してもよい。実施形態では、Mはカリウムを含み、Aはケイ素を含む。それゆえ、実施形態では、粒子状の第1の発光材料は、四価マンガンでドープされたKSiFを含む。種々の第1の発光材料が存在する場合、重量百分率、及び/又はy/xの比率は、それぞれ、各タイプの第1の発光材料に関連する点に留意されたい。
【0016】
特に、第1の発光材料は、粒子状の第1の発光材料である。良好な結果は、比較的大きい粒子で得られる場合がある。それゆえ、実施形態では、粒子状の第1の発光材料は、特に10~40μmなどの、5~50μmの範囲から選択される体積平均粒径、より特定的は、15~40μmの範囲から選択される体積平均粒径などを有する。実施形態では、粒子状の第1の発光材料は、特に10~40μmなどの、5~50μm、より特定的は、20~35μmの範囲のような、15~40μmなどの範囲から選択される、d50値を有する。更には、第1の発光材料粒子の、少なくとも80重量%などの、特に少なくとも50重量%は、10~40μmの範囲内、特に15~40μmの範囲内、更により特定的には20~35μmの範囲内の粒径を有する。更には、他の発光材料が、ホストマトリックス中で利用可能である場合(以下もまた参照)、当該体積平均粒径は特に、約7~20μmの範囲を下回るなどの、より小さいものである。しかしながら、体積平均粒径はまた、より大きくてもよい。
【0017】
粒子状の第1の発光材料は、高分子ホストマトリックス要素にわたって平均化された平均重量百分率xで、高分子ホストマトリックス要素中で利用可能である。それゆえ、重量は、高分子材料、第1の発光材料、及びオプションとして(第2の発光材料及び/又は散乱粒子などのような)ホスト中で利用可能な他の材料を含む、高分子ホストマトリックス要素の総重量に関連する。それゆえ、例として、ホストマトリックスの高分子材料が50部であり、ホストマトリックス中の第1の発光材料が50部であり、高分子ホストマトリックス要素中に他の材料が存在しないと想定すると、第1の発光材料の重量百分率xは、50重量%である。それゆえ、重量百分率xは、バルク重量を指す。
【0018】
正確な重量百分率は、マトリックスの厚さ、(発光材料によって励起光として使用される)光源光のスペクトル分布、所望の色点、マトリックス中の他の発光材料及び/又は散乱要素の利用可能性などに依存し得る。
【0019】
用語「高分子ホストマトリックス要素」とは、高分子ホスト、並びに、高分子ホストによってホストされているオプションの1種以上の非ホスト材料を指す。それゆえ、本明細書では、高分子ホストマトリックス要素は、高分子ホストを含み、第1の外側層は、第1の発光材料を(低減された含有量で)ホストし得る、高分子ホスト材料であって、かつ1種以上の他の材料(第2の発光材料、散乱材料など)をホストし得る、高分子ホスト材料を含むが、実施形態では、高分子材料から本質的になる(それゆえ、事実上、ホスト機能を有さない)ものであってもよく、残りの部分が、第1の発光材料をホストし、かつオプションとして1種以上の他の材料(第2の発光材料、散乱材料など)をホストしている、高分子ホスト材料を含む。
【0020】
変換器要素は、高分子ホストマトリックス要素、並びにオプションとして、例えば、高分子ホストマトリックス要素上の(第1の外面などの、高分子ホストマトリックス要素の下流の)、光学層などの層、又は、光源の発光面と高分子ホストマトリックス要素との間の層(高分子ホストマトリックス要素)、及び/又は、反射層などの、1つ以上の他の要素を含む。それゆえ、実施形態では、高分子ホストマトリックス要素に加えて、変換器要素は、光学機能層などの他の要素を含んでもよい。
【0021】
高分子ホストマトリックス要素は、第1の外面を有する。この第1の外面は、ホストマトリックスの、最も遠隔に構成されている部分であってもよい。特に、第1の外面は、ホストマトリックスからホストマトリックスの外部に変換器光が抜け出てもよい面である。更には、この第1の外面は特に、気体環境に曝されてもよい、ホストマトリックス要素の面を指す。ホストマトリックスはまた、例えば支持体と接触していてもよく、かつ気体環境に本質的に曝されていない、1つ以上の他の外面を含んでもよい。それゆえ、ホストマトリックス及び第1の発光材料に対する周囲からの影響が開始され得るのは、特に、この第1の外面である。
【0022】
驚くべきことに、実質的に低減された第1の発光材料含有量を有する外側層は、この層を介した水及び/又は空気の浸透(拡散)が生じ得る場合であっても、有益な効果を有し得ると考えられる。それにもかかわらず、少なくとも5μm、更により特定的には、少なくとも10μm、更により特定的には、少なくとも20μmのような、少なくとも15μmなどの、そのような層が、第1の発光材料を本質的に含有しない場合、第1の発光材料及び/又は照明デバイスの安定性が実質的に増大される。
【0023】
それゆえ、実施形態では、第1の外面の少なくとも一部と第1の外面からの第1の距離(d1)とによって画定されている外側層体積は、粒子状の第1の発光材料を、外側層(体積)にわたって平均化された第1の局所重量百分率yでホストしており、y/x≦0.1である、平均重量百分率xに対する第1の局所重量百分率yの比率を有し、特に第1の距離(d1)は、少なくとも10μm、更により特定的には、少なくとも20μmのような、少なくとも15μmなどである。特に、第1の発光材料の利用可能性は、外側層内で本質的にゼロであってもよいため、特にy/x≒0である。それゆえ、例として、ホストマトリックスの外側層が、5部の高分子材料を含み、ホストマトリックスの外側層内の第1の発光材料が、0.05部を含む場合、重量百分率yは1重量%である。このことを上記の例と比較すると、xが50重量%である場合、y/x=0.02となり、y/x≦0.1の条件を満たす。それゆえ、第1の局所重量百分率yは、局所的なバルク重量百分率と見なされてもよい。用語「第1の局所重量百分率y」とは、外側層の総重量に対する第1の発光材料の重量を指す。上述のように、この外側層は、(高分子ホストマトリックス要素の残部内でもまた利用可能である)高分子材料を少なくとも含む。この外側層は、更に、オプションとして第1の発光材料を含んでもよく、また、オプションの第2の発光材料などの、1種以上の他の材料もオプションとして含んでもよい。
【0024】
特に、外側層の体積に対する、外側層内の第1の発光材料の第1の局所重量百分率は、最大20mg/cmのような、最大50mg/cmなどの、最大100mg/cmである。
【0025】
更には、特定の実施形態では、第1の距離は、100μm以下などの、150μm以下である。それゆえ、第1の距離は、実施形態では、10~100μmの範囲から選択されてもよい。
【0026】
高分子ホストマトリックス要素は、特に、光透過性材料を含み、すなわち、光源光及び変換器光に対して透過性である。とりわけ、特にシリコーンが(ホストマトリックス材料として)有用であり得る。それゆえ、ホストマトリックスは、特にポリシロキサンホスト材料を含み得る。LED用途に関するポリシロキサンは、当該技術分野において周知である。ポリシロキサンは、本明細書ではまた、「シリコーン」として示されてもよい。好適な材料が市販されており、例えば、「シリコーン封止材」としても知られている。あるいは、又は更に、(ホスト用の)光透過性材料は、エポキシ(材料)を含んでもよい。他の光透過性封止材もまた、可能であり得る。封止材としての、2種以上の異なる材料の組み合わせもまた、可能であり得る。封止材は、特に、(固体)光源の発光面を封入してもよい。
【0027】
以下で更に解明されるように、実施形態では、外側層は、液体で処理されてもよく、それにより、第1の発光材料の一部が液体によって抽出される。そのような実施形態では、外側層内での、ホストマトリックス中の以前の場所は、空洞になり得る。それゆえ、第1の外面の少なくとも一部と第1の外面からの第1の距離とによって画定されている外側層は、空洞を含む。これらの空洞は、空洞内で利用可能であった粒子のサイズを本質的に有する、内部空洞であってもよく、これらの空洞は、外部へのチャネルを有してもよい。空洞は、高分子ホストマトリックス要素からの光抽出を改善し得る。更には、空洞は、第1の発光材料及び/又は第2の発光材料によって生成される光の、再吸収を防止し得る。シリコーンは、ある程度の多孔性を有してもよい。それゆえ、孔を介して、液体が外側層に進入して、外側層から第1の発光材料を除去することにより、(内部)空洞の形成をもたらし得る。
【0028】
照明デバイスは特に、光源光及び/又は変換器光のビーム成形のための反射器カップを有する、(固体)光源に基づき得る。それゆえ、特定の実施形態では、照明デバイスは、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部と第2の端部との間の反射器カップ壁部を有する、反射器カップを更に備え、反射器カップは、第2の端部から第1の端部に向けて先細状である。更には、高分子ホストマトリックス要素は、第2の外面を有し、反射器カップは、高分子ホストマトリックス要素をホストし、第1の外面は、第1の端部よりも第2の端部に近接して構成され、第2の外面は、第2の端部よりも第1の端部に近接して構成されている。
【0029】
変換器要素は、完全に反射器カップ内に存在してもよく、又は、変換器要素の一部が、反射器カップ内に存在してもよい。同様に、高分子ホストマトリックス要素は、完全に反射器カップ内に存在してもよく、又は、高分子ホストマトリックス要素の一部が、反射器カップ内に存在してもよい。特に、第1の外面は、第2の端部と本質的に等しい位置にある。また更には、特に、固体光源は発光面を含み、発光面は、高分子ホストマトリックス要素と接触している。照明デバイスは、光軸を有してもよく、反射器カップは、この光軸の周りで本質的に対称に構成されている。更には、ホストマトリックスは(同様に)、この光軸の周りで本質的に対称に構成されてもよい。
【0030】
変換器要素はまた、1種以上の他の発光材料を含んでもよい。これらの発光材料は、本明細書では「第2の発光材料」として示される。そのような第2の発光材料は、外側層内で利用可能であってもよく、利用可能でなくてもよい。特に、高分子ホストマトリックス要素もまた、1種以上の第2の発光材料を含んでもよい。
【0031】
特に、第2の発光材料は、M12:Ce3+を含んでもよく、Mは、Sc、Y、Tb、Gd、及びLuからなる群から選択され、Aは、Al、Ga、Sc、及びInからなる群から選択される。
【0032】
好ましくは、Mは、少なくともY及びLuのうちの1つ以上を含み、更により特定には、Mは、少なくともLuを含み、Aは、少なくともAl及び/又はGaを含み、更により特定的には、Aは、少なくともAlを含み、更により特定的には、Aは、実質的にAlのみを含む。しかしながら、更に他の実施形態では、Aは、Al及びGaの双方を含む。また更なる実施形態では、Aは、Gaを本質的に含む。これらのタイプの材料は、最も高い効率をもたらし得る。特に、実施形態では、Mは、特に少なくとも75%などの、少なくとも50%のLuからなり((Y0.05Lu0.9Ce0.05Al12:Ce3+など)、第2の発光材料と組み合わせて良好な結果をもたらすと考えられる。それゆえ、実施形態では、Mの75%がLuからなる。特に、高Lu含有ガーネットの場合、スペクトル位置及び半値全幅が、所望される通りとなり得る。ルテチウムの場合、少なくとも100nmのFWHMが達成され得る。それゆえ、第1の発光材料光は、特に、少なくとも100nmの半値全幅(full width half maximum;FWHM)を有する。同様に、このことは、Aが実質的にGaを含むガーネットに関して、適用され得る。それゆえ、特に、Lu/Yの比率が低い場合、Al/Gaの比率が低く、又は特に、Y/Luの比率が低い場合、Ga/Alの比率が低い。それゆえ、特定の実施形態では、第1の発光材料は、LuAl12:Ce3+及びYGa12:Ce3+のうちの1つ以上を含む。あるいは、又は更に、AがAl及びGaのうちの1つ以上から選択されている、Lu12:Ce3+が適用されてもよく、Ga含有量を増大させることは、より短い波長への主波長シフトをもたらし得る。
【0033】
ガーネットの実施形態は、特に、M12ガーネットを含み、Mは、少なくともイットリウム及び/又はルテチウムを含み、Aは、少なくともアルミニウムを含む。そのようなガーネットは、セリウム(Ce)で、プラセオジム(Pr)で、又は、セリウムとプラセオジムとの組み合わせでドープされてもよいが、しかしながら、特にCeでドープされてもよい。特に、Aはアルミニウム(Al)を含むが、しかしながら、Aはまた、特にAlの約20%まで、より特定的にはAlの約10%まで、ガリウム(Ga)及び/又はスカンジウム(Sc)及び/又はインジウム(In)を部分的に含んでもよい(すなわち、Aイオンは、90モル%以上のAlと、10モル%以下のGa、Sc、及びInのうちの1つ以上とから本質的になる)。Aは、特に、最大で約10%のガリウムを含んでもよい。別の変形形態では、A及びOは、Si及びNによって少なくとも部分的に置換されてもよい。元素Mは、特に、イットリウム(Y)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、及びルテチウム(Lu)からなる群から選択されてもよい。更には、Gd及び/又はTbは、特に、最大でMの約20%の量でのみ存在する。特定の実施形態では、ガーネット発光材料は、(Y1-xLu12:Ceを含み、Xは0以上かつ1以下である。用語「:Ce」又は「:Ce3+」は、発光材料中の金属イオンの一部(すなわち、当該ガーネットでは、「M」イオンの一部)がCeによって置換されていることを示す。例えば、(Y1-xLuAl12:Ceを想定すると、Y及び/又はLuの一部が、Ceによって置換されている。この表記法は、当業者には既知である。Ceは、一般には10%以下で、Mを置換することになり、一般に、Ceの濃度は特に、(Mに対して)0.1~4%、特に0.1~2%の範囲となる。1%のCe及び10%のYを想定すると、完全な正しい式は、(Y0.1Lu0.89Ce0.01Al12とすることが可能である。ガーネット中のCeは、当業者には既知であるように、実質的に三価の状態であるか、又は三価の状態のみである。用語「YAG」は特に、M=Y、及びA=Alであることを指し、用語「LuAG」は特に、M=Lu、及びA=Alであることを指す。
【0034】
あるいは、又は更に、第2の発光材料は、(Ba,Sr,Ca)(S,Se):Eu、(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Eu、及び(Ba,Sr,Ca)Si:Euからなる群から選択される、1種以上の材料を含んでもよい。これらの化合物中、ユーロピウム(Eu)は、実質的に二価であるか又は二価のみであり、示されている二価カチオンのうちの1つ以上を置換する。一般に、Euは、カチオンの10%よりも多い量では存在することがなく、その存在は、特に、置換するカチオンに対して、約0.5~10%の範囲、より特定的には、約0.5~5%の範囲となる。用語「:Eu」は、金属イオンの一部が、Euによって(これらの例では、Eu2+によって)置換されていることを示す。例えば、CaAlSiN:Eu中、2%のEuを想定すると、正しい式は、(Ca0.98Eu0.02)AlSiNとすることが可能である。二価ユーロピウムは、一般に、上記の二価アルカリ土類カチオン、特にCa、Sr、又はBaなどの、二価カチオンを置換することになる。
【0035】
材料(Ba,Sr,Ca)(S,Se):Euはまた、M(S,Se):Eu、又はMLとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。Lは、硫黄(S)及びセレン(Se)のうちの1つ以上を指してもよい。元素「(S,Se)」は、(それゆえ)元素硫黄及び/又は元素セレンが適用されてもよいことを示し得る。一般に、ML中のL元素に関しては、100%のSなどの、主として硫黄が適用されてもよい。
【0036】
更には、材料(Ba,Sr,Ca)Si:Euはまた、MSi:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、Sr及び/又はBaを含む。更なる特定の実施形態では、Mは、Sr及び/又はBaからなり(Euの存在を考慮せず)、特に50~100%、より特定的には50~90%がBaであり、50~0%、特に50~10%がSrであり、Ba1.5Sr0.5Si:Eu(すなわち、75%のBa;25%のSr)などである。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。
【0037】
同様に、材料(Ba,Sr,Ca)AlSiN:Euはまた、MAlSiN:Euとしても示されることができ、Mは、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される1つ以上の元素であり、特に、Mは、この化合物において、カルシウム又はストロンチウム、あるいはカルシウム及びストロンチウム、より特定的にはカルシウムを含む。ここで、Euが導入され、M(すなわち、Ba、Sr、及びCaのうちの1つ以上)の少なくとも一部を置換する。
【0038】
特に、(i)緑色及び/又は黄色発光材料と(ii)橙色発光材料との組み合わせが、第1の発光材料と組み合わせた第2の発光材料として適用される。それゆえ、実施形態では、高分子ホストマトリックス要素は、第2の発光材料を更に含み、第2の発光材料は、(a)M12:Ce3+のタイプの発光材料であって、Mが、Sc、Y、Tb、Gd、及びLuからなる群から選択され、Aが、Al、Ga、Sc、及びInからなる群から選択される発光材料と、(b)MAlSiN:Euのタイプの選択された発光材料であって、Mが、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される発光材料との群から選択される、1種以上の発光材料を含む。更により特定的には、M12:Ce3+が適用され、Mは少なくともイットリウムを含み、Aは、少なくともガリウム及びアルミニウムなどの、ガリウムを少なくとも含み、並びに/あるいは、MAlSiN:Euが適用され、Mは、ストロンチウム及びカルシウムの双方を含む。特に、これらの第2の発光材料の双方、並びに第1の発光材料が適用される。そのような実施形態の場合、特に3000K以下の色温度を有し、かつ少なくとも80のCRIを有する、白色照明デバイス光を供給するように構成されている、照明デバイスを提供することが可能である。
【0039】
照明デバイスは、オプションとして、更なる光学素子を備えてもよい。そのような更なる光学素子は、高分子ホストマトリックス要素の下流に構成されてもよい。好適な光学素子としては、例えば、レンズ、屈折ベース又はTIR(Total Internal reflection;全内部反射)ベースの構造体を挙げることができる。レンズの例としては、球面レンズ、非球面レンズ、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズ、フレネルレンズ、ホログラフィックレンズ、又は、これらの任意の組み合わせのうちの1つ以上を挙げることができる。屈折ベースの構造体の例は、マイクロレンズ構造体、プリズムベースの構造体、又は可変プリズムベースの構造体であってもよい。TIRベースの構造体の例は、TIRベースの反射側壁部を介して入射光を(部分的に)導光するように構成されている、プリズム状構造体であってもよい。更には、そのような光学構造体は、実施形態では、高分子ホストマトリックス要素の一体部分であってもよい。
【0040】
本発明はまた、一態様では、例えば本明細書で説明されるような方法(以下もまた参照)で入手可能なものなどの、高分子ホストマトリックス自体も提供する。それゆえ、一態様では、本発明はまた、四価マンガンでドープされたMAXタイプの粒子状の第1の発光材料をホストしている、高分子ホストマトリックス要素であって、Mがアルカリカチオンを含み、Aが四価カチオンを含み、Xが、少なくともフッ素(F)を含む一価アニオンを含み、粒子状の第1の発光材料が、高分子ホストマトリックス要素にわたって平均化された平均重量百分率xで、高分子ホストマトリックス要素中で利用可能であり、高分子ホストマトリックス要素は、第1の外面を有し、第1の外面の少なくとも一部と第1の外面からの第1の距離とによって画定されている外側層体積が、粒子状の第1の発光材料を、外側層体積にわたって平均化された第1の局所重量百分率yでホストしており、y/x≦0.1である、平均重量百分率xに対する第1の局所重量百分率yの比率を有し、第1の距離が、10~100μmの範囲のような、特に少なくとも10μmなどの、少なくとも5μmである、高分子ホストマトリックス要素も提供する。照明デバイスに関連して説明された実施形態はまた、ホストマトリックス自体にも関連する。ホストマトリックスは、反射器カップ内に配置されてもよく、又は反射器カップ内で利用可能であってもよい、固体本体、特に固体シリコーン本体である。
【0041】
照明デバイスは、制御システムを更に備えてもよく、又は、制御システムに機能的に結合されてもよい。用語「制御すること」及び同様の用語は特に、少なくとも、要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理することを指す。それゆえ、本明細書では、「制御すること」及び同様の用語は、例えば、要素に対して、例えば、測定すること、表示すること、作動すること、開放すること、移行すること、温度を変更することなどの挙動を課すこと(要素の挙動を決定すること、又は要素の動作を管理すること)などを指してもよい。その他にも、用語「制御すること」及び同様の用語は、監視することを更に含んでもよい。それゆえ、用語「制御すること」及び同様の用語は、要素に挙動を課すこと、並びにまた、要素に挙動を課して、当該要素を監視することを含んでもよい。要素の制御は、制御システムを使用して行われることができる。それゆえ、制御システムと要素とは、少なくとも一時的に、又は恒久的に、機能的に結合されてもよい。要素は、制御システムを含んでもよい。実施形態では、制御システムと要素とは、物理的に結合されなくてもよい。制御は、有線制御及び/又は無線制御を介して行われることができる。用語「制御システム」はまた、特に機能的に結合されている複数の異なる制御システムを指してもよく、複数の異なる制御システムのうちの、例えば1つの制御システムが、マスター制御システムであってもよく、1つ以上の他の制御システムが、スレーブ制御システムであってもよい。
【0042】
また更なる態様では、本発明は、本明細書で定義されるような1つ以上の照明デバイスを備える、照明器具又はランプを提供する。そのような照明器具又はランプはまた、本明細書で説明される照明デバイスとは異なる、他の照明デバイスを備えてもよい。更には、そのような照明器具又はランプは、1つ以上の照明デバイス及びオプションの他の照明デバイスを制御するように構成されている、制御システムを備えてもよい。ランプは、例えば、スポットライトであってもよい。
【0043】
また更なる態様では、本発明はまた、特に上記(及び、以下)で説明されるものなどの、高分子ホストマトリックス要素を提供するための方法も提供する。それゆえ、一態様では、本発明は、高分子ホストマトリックス要素を提供し、当該方法は、材料が混合物として準備される出発段階と、混合物中の高分子出発材料が、(架橋)高分子ホストマトリックス要素を提供するために重合及び/又は架橋される硬化段階と、硬化段階の前、硬化段階の間、及び/又は硬化段階の後の、外側層内の第1の発光材料の利用可能性が低減される発光材料除去段階とを含む。
【0044】
特に、出発段階は、高分子出発材料と粒子状の第1の発光材料とを含む混合物を、支持体上に供給することにより、支持体上の混合物の配置を提供することを含んでもよい。高分子出発材料は、適切な条件下で、(架橋ポリシロキサンなどの)ポリシロキサンなどの、高分子ホスト材料へと重合及び/又は架橋することが可能な、(単量体)材料を含み得る。支持体は、実施形態では、反射器カップ、及び、第1の端部における支持体であってもよい。例えば、第1の端部においては、固体光源、又は、COBのような、固体光源を有する支持体が、特に第1の端部で利用可能であり、第1の端部で反射器カップを閉鎖していてもよい。このようにして、混合物は、反射器カップ内に供給されてもよい。(硬化前の)混合物は、特に、少なくとも5Pa.sのような、少なくとも2Pa.sなどの、粘性材料である。好適な出発材料は、例えば、Dow Corning OE6650などの、Dow Corningシロキサン樹脂であってもよい。好適な重合性材料及び/又は架橋性材料は、固体用途に関するレンズ又は光学部品を形成することが知られている材料であってもよい。
【0045】
出発材料中の第1の発光材料の重量百分率は、本質的に、平均重量百分率xと同じであってもよい。同様に、高分子ホストマトリックス要素の高分子材料の重量百分率は、本質的に、混合物中の高分子出発材料の重量百分率と同じであってもよい。
【0046】
支持体上に混合物が供給されると、硬化段階が生起し得る。しかしながら、以下で示されるように、発光材料除去段階が、最初に実行されてもよく、又は、硬化段階と部分的に重複してもよい。硬化段階は、高分子ホストマトリックス要素を提供するために、混合物を硬化させることを含む。これにより、粘性混合物は、固体ホストになる。シロキサンなどの硬化は、当該技術分野において既知である。高分子ホストマトリックス要素は、特に、架橋ポリシロキサンを含み得る。本明細書では、ホストマトリックスに関連するシリコーン又はシロキサンという用語は、特に、架橋ポリシロキサンを指す。
【0047】
発光材料除去段階は、硬化段階の前、硬化段階の間、及び/又は硬化段階の後に実行されてもよい。それゆえ、発光材料除去段階は、硬化状態に先行してもよく、硬化段階と少なくとも部分的に重複してもよく、又は硬化段階の後に実行されてもよい。硬化段階もまた、発光材料除去段階の一部の間に実行されてもよい。発光材料除去段階では、外側層内の粒子状の第1の発光材料の利用可能性が低減され、それにより、外側層の、外側層体積にわたって平均化された第1の発光材料の第1の局所重量百分率y、及び、高分子ホストマトリックス要素(120)にわたって平均化された第1の発光材料の平均重量百分率xが、y/x≦0.1の比率に達する。
【0048】
発光材料除去段階は、配置を遠心分離することを含んでもよい。このようにして、(相対的に大きい)第1の発光材料の粒子が、第1の外面から離れる方向に、及び/又は支持体の方向に、強制的に移動されてもよい。それゆえ、実施形態では、第2の発光材料は、外側層内で、少なくとも部分的に依然として利用可能なまま留まってもよく、バルク重量百分率(又は、高分子ホストマトリックス要素にわたって平均化された、第2の発光材料の平均重量百分率)に対して、さほど(又は、全く)低減されなくてもよい。種々の第2の発光材料が存在する場合、重量百分率は、それぞれ、各タイプの第2の発光材料に関連する点に留意されたい。
【0049】
用語「支持体」は、反射器カップを指してもよい。用語「支持体」はまた、実施形態では光源の発光面などの、光源の頂部を指してもよい。用語「支持体」はまた、光源用の支持体を指してもよい。
【0050】
反射器カップ、及び光源用の支持体は、光源の光及び変換器要素の光に対して反射性であってもよい。例えば、そのような反射器カップ及び/又は光源用の支持体は、鏡面反射又はランバート反射、特に鏡面反射をもたらすための、白色材料又は金属材料を含み得る。また、実施形態では、いくつかの部分が、白色反射材料を含んでもよく、他の部分が、金属材料を含んでもよい。
【0051】
反射器カップは更に、遠心分離を介した沈降を支援するように成形されてもよい。反射器カップは、壁部と第2の端部との間に小さい角度を有する、比較的浅いカップを有し得る。本発明では、この角度は、例えば、少なくとも25°などの約15°よりも大きいものであるが、特に、80°よりも小さいなどの90°よりも小さいものであってもよい。
【0052】
発光材料除去段階は、高分子ホストマトリックス要素の第1の外面の少なくとも一部を、酸性の水性液体と接触させることを含む。特に良好な結果は、4以下などの、6以下の範囲から選択されるpHを有する、クエン酸の水溶液などの、クエン酸含有(水性)液体で得られる場合がある。そのようなpHを有する他の酸性液体もまた、適用されてもよい。更には、特に酸が適用されてもよく、及び/又は、(例えばクエン酸からの)クエン酸塩、(シュウ酸からの)シュウ酸塩などの、マグネシウムイオンと錯体を形成する別の錯化剤が適用されてもよい。更には、特に液体は、少なくとも40℃などの、高温であってもよい。それゆえ、実施形態では、酸性の水性液体は、クエン酸を含み、酸性の水性液体は、少なくとも40℃の温度を有する。処理時間は、10~120分の範囲であってもよい。高分子ホストは、液体中に浸漬されてもよい。特に、本質的に第1の外面のみが、液体と接触している。
【0053】
硬化後には、外側層からの第1の発光材料の除去は、硬化が本質的に終了する前よりも困難となり得るため、特定の実施形態では、発光材料除去段階は、硬化段階の少なくとも一部に先行する。
【0054】
更には、デバイスに関連して上述された実施形態は、一般にはまた、本方法にも適用され得る。特に、粒子状の第1の発光材料は、四価マンガンでドープされたKSiFを含み、粒子状の第1の発光材料は、10~40μmの範囲から選択される体積平均粒径を有する。更には、特定の実施形態では、高分子出発材料は、(架橋ポリシロキサンなどの)ポリシロキサンへと重合及び/又は架橋するための材料を含む。
【0055】
上記から明らかとなるように、出発材料はまた、第2の発光材料を含んでもよいが、第2の発光材料がホストマトリックスにコーティングとして提供されることは、除外されなくてもよい。それゆえ、実施形態では、混合物は、第2の発光材料を更に含んでもよい。特に、第2の発光材料は、(a)M12:Ce3+のタイプの発光材料であって、Mが、Sc、Y、Tb、Gd、及びLuからなる群から選択され、Aが、Al、Ga、Sc、及びInからなる群から選択される発光材料と、(b)MAlSiN:Euのタイプの選択された発光材料であって、Mが、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、及びカルシウム(Ca)からなる群から選択される発光材料との群から選択される1種以上の発光材料を含む。
【0056】
上述のように、ホストマトリックスは、反射器カップ内に提供されてもよい。それゆえ、実施形態では、本方法は、(i)反射器カップであって、反射器カップの第1の端部と反射器カップの第2の端部との間に反射器カップ壁部を備え、第2の端部から第1の端部に向けて先細状である反射器カップと、(ii)第2の端部よりも第1の端部に近接して構成されている発光面を備える光源、特に固体光源とを提供するステップを更に含んでもよく、支持体は、反射器カップ壁部の少なくとも一部と、発光面の少なくとも一部とを含む。
【0057】
本発明では、高分子ホストマトリックス要素は、特にモノリシック要素である。出発混合物が、本体を提供するために、支持体上に流し込まれ、硬化される。それゆえ、ホストマトリックスは特に、多層システムではなく、モノリシックポリシロキサン本体などのモノリシック本体は、第1の発光材料、及びオプションとしてまた第2の発光材料を含み、前者は、均等には分布されていないが、これは、第1の発光材料の重量百分率が平均(バルク)重量百分率よりも実質的に低い、外側層が存在するためである。
【0058】
それゆえ、特にモノリシック高分子ホストマトリックス要素が提供される。
【0059】
しかしながら、また更なる態様では、多層ベースの、高分子ホストマトリックスを含む要素が提供される。例えば、一態様では、本発明は、高分子ホストマトリックスを含む要素を提供する方法を提供し、当該方法は、(i)高分子出発材料及び粒子状の第1の発光材料を含む、第1の混合物と、高分子出発材料及びオプションとして粒子状の第1の発光材料を含む、第2の混合物とを、支持体上に多層として供給することにより、支持体上の混合物の多層配置を提供することを含む、出発段階と、(ii)高分子ホストマトリックス要素を提供するために、第1の混合物及び第2の混合物を硬化させることを含む、硬化段階とを含む。第1の混合物は、第1の発光材料を、(平均)重量百分率xで含んでもよく、第2の混合物は、第1の発光材料を、(平均)重量百分率y(ゼロであってもよい)で含んでもよく、y/x≦0.1である。第1の混合物は、支持体上に最初に供給されてもよく、その後、第2の混合物が第1の混合物上に供給されて、多層を提供してもよい。あるいは、第2の混合物が、光透過性支持体などの支持体上に供給され、第1の混合物が、第2の混合物上に供給されて、多層を提供する。最初に堆積された層は、第2の層が堆積される前に硬化されてもよい。あるいは、第2の層が堆積されてもよく、次いで、双方の層が硬化される。一般に、多層ベースの高分子ホストマトリックスを含む要素が提供される場合、第2の層は、第1の発光材料を本質的に含有しない。しかしながら、第2の層、あるいは第1の層及び第2の層の双方、又は第2の層のみが、(また)オプションとして、第2の発光材料を含んでもよい。更には、高分子ホストマトリックスを提供する方法に関連して上述された実施形態はまた、この多層方法にも適用される。第2の層は、10~100μmの範囲のような、少なくとも10μmなどの、少なくとも5μmの厚さを有する。本明細書では、用語「多層ベースの高分子ホストマトリックスを含む要素」が適用されているが、これは、要素が多層を含んでもよく、多層のうちの1つの層が、第1の発光材料に対するホストマトリックスの機能を有し、第2の層は、そのような機能を有してもよいが、また第1の発光材料を含まなくてもよく、それゆえ、第1の発光材料に対するホスト機能を本質的に有さなくてもよいためである。
【0060】
それゆえ、また更なる態様では、本発明はまた、(i)四価マンガンでドープされたMAXタイプの粒子状の第1の発光材料をホストしている、高分子ホストマトリックスを含む第1の層であって、Mがアルカリカチオンを含み、Aが四価カチオンを含み、Xが、少なくともフッ素(F)を含む、一価アニオンを含み、粒子状の第1の発光材料が、第1の層にわたって平均化された平均重量百分率xで、第1の層内で利用可能である、第1の層と、(ii)第1の層と共に多層を形成している、第2の層であって、第2の高分子材料を含み、(第2の層に関する)第2の高分子材料もオプションとしてまた、第1の発光材料に関する高分子ホストマトリックスとして、第2の層にわたって平均された平均重量百分率yを有して構成されてもよく、y/x≦0.1である、第2の層とを含む、多層ベースの高分子ホストマトリックスを含む要素も提供する。第2の層は、10~100μmの範囲のような、少なくとも10μmなどの、少なくとも5μmの厚さを有する。特に、第1の層と第2の層とは、同じ高分子材料を含む。更により特定的には、第1の層及び第2の層は、高分子材料としてポリシロキサン(架橋ポリシロキサンなど)を含み、第1の層内で、ポリシロキサンは、第1の発光材料(及び、オプションとして第2の発光材料)をホストし、第2の層内では、オプションとして、第1の発光材料及び/又は第2の発光材料が利用可能であるが、特に、第2の発光材料のみが利用可能であるか、又は発光材料が利用可能ではない。
【0061】
本明細書におけるポリシロキサンは、特に、メチルポリシロキサン及び/又はフェニルポリシロキサン及び/又はメチルフェニルポリシロキサンを含み得る。それゆえ、デバイス内のポリシロキサンは、架橋されていてもよい。
【0062】
照明デバイスは、例えば、オフィス照明システム、家庭用アプリケーションシステム、店舗照明システム、家庭用照明システム、アクセント照明システム、スポット照明システム、劇場照明システム、光ファイバアプリケーションシステム、投影システム、自己点灯ディスプレイシステム、画素化ディスプレイシステム、セグメント化ディスプレイシステム、警告標識システム、医療用照明アプリケーションシステム、インジケータ標識システム、装飾用照明システム、ポータブルシステム、自動車用アプリケーション、(屋外)道路照明システム、都市照明システム、温室照明システム、園芸用照明、又はLCDバックライトの一部であってもよく、若しくは、それらに適用されてもよい。
【0063】
上述のように、照明ユニットは、LCDディスプレイデバイス内のバックライトユニットとして使用されてもよい。それゆえ、本発明はまた、バックライトユニットとして構成されている、本明細書で定義されるような照明ユニットを備える、LCDディスプレイデバイスも提供する。本発明はまた、更なる態様では、バックライトユニットを備える液晶ディスプレイデバイスも提供し、バックライトユニットは、本明細書で定義されるような1つ以上の照明デバイスを含む。
【0064】
用語「紫色光」又は「紫色発光」は、特に、約380~440nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「緑色光」又は「緑色発光」は、特に、約495~570nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「黄色光」又は「黄色発光」は、特に、約570~590nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「橙色光」又は「橙色発光」は、特に、約590~620nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「赤色光」又は「赤色発光」は、特に、約620~780nmの範囲の波長を有する光に関連する。用語「ピンク色光」又は「ピンク色発光」は、青色成分及び赤色成分を有する光を指す。用語「可視」、「可視光」、又は「可視発光」は、約380~780nmの範囲の波長を有する光を指す。
【図面の簡単な説明】
【0065】
ここで、本発明の実施形態が、添付の概略図面を参照して例としてのみ説明され、図面中、対応する参照記号は、対応する部分を示す。
図1A】本方法の実施形態、並びに、高分子ホストマトリックス要素及び照明デバイスの実施形態、並びに、いくつかの更なる態様を概略的に示す。
図1B】本方法の実施形態、並びに、高分子ホストマトリックス要素及び照明デバイスの実施形態、並びに、いくつかの更なる態様を概略的に示す。
図1C】本方法の実施形態、並びに、高分子ホストマトリックス要素及び照明デバイスの実施形態、並びに、いくつかの更なる態様を概略的に示す。
図2】第1の発光材料含有量を低減するように外側層が処理されることにより、空隙又は空洞をもたらしている、高分子ホストマトリックス要素の図を示す。 これらの概略図面は、必ずしも正しい縮尺ではない。
【発明を実施するための形態】
【0066】
図1aは、高分子ホストマトリックス要素120を提供する方法の一実施形態を、概略的に示す。この実施形態における方法は、出発段階、硬化段階、及び発光材料除去段階を含む。
【0067】
出発段階は、高分子出発材料420と粒子状の第1の発光材料110(及び、オプションとして、1種以上の他の材料)とを含む混合物410を準備すること、並びに、支持体を準備することを含む。混合物410が、支持体400上に供給され、それにより、図1aの中央の図の、支持体400上の混合物410の配置450を提供する。次いで、硬化段階及び第1の発光材料除去段階が実行され、一般には、最初に第1の発光材料除去段階が実行され、次いで硬化段階が実行される。図1aは、最終結果を単一ステップで示している。
【0068】
硬化段階は、高分子ホストマトリックス要素120を提供するために、混合物410を硬化させることを含む。発光材料除去段階は、硬化段階の前、硬化段階の間、及び/又は硬化段階の後に実行され、発光材料除去段階は、外側層124内の粒子状の第1の発光材料110の利用可能性を低減することを含み、それにより、外側層124の、外側層体積にわたって平均化された、第1の発光材料110の第1の局所重量百分率y、及び、高分子ホストマトリックス要素(120)にわたって平均化された、第1の発光材料110の平均重量百分率xが、y/x≦0.1の比率に達する。高分子ホストマトリックス要素120は、外側層124と、残部、すなわち、参照符号125で示される非外側層部分とを含む。
【0069】
本方法は、支持体上に粒子状の第1の発光材料110をホストしている、高分子ホストマトリックス要素120をもたらし得る。ここでは、支持体は、反射器カップの少なくとも一部、及び、光源10、より正確には、1つ以上の光源用の支持体を含む。光源用の支持体は、参照符号400aで示されている。そのような支持体400が提供されるため、本明細書で概略的に示される本方法の実施形態は、照明デバイス1を提供する。
【0070】
照明デバイス1は、光源光11を生成するように構成されている、固体光源10を備える。ここでは、例として、2つの光源10が概略的に示されている。照明デバイスは、光源光11の少なくとも一部を変換器要素光101に変換するように構成されている、変換器要素100を更に備え、変換器要素100は、四価マンガンでドープされたMAXタイプの粒子状の第1の発光材料110をホストしている、高分子ホストマトリックス要素120を含み、Mはアルカリカチオンを含み、Aは四価カチオンを含み、Xは、少なくともフッ素を含む一価アニオンを含む。
【0071】
粒子状の第1の発光材料110は、高分子ホストマトリックス要素120にわたって平均化された平均重量百分率xで、高分子ホストマトリックス要素120中で利用可能であり、高分子ホストマトリックス要素120は、第1の外面121を有する。図1aの下側の図で概略的に示されるように、外側層体積は、第1の外面121の少なくとも一部と、第1の外面121からの第1の距離d1とによって画定されている。外側層体積を有する、参照符号124で示されているこの外側層は、粒子状の第1の発光材料110を、外側層体積にわたって平均化された第1の局所重量百分率yでホストしており、y/x≦0.1である、平均重量百分率xに対する第1の局所重量百分率yの比率を有する。第1の距離d1は、10~100μmなどの、少なくとも5μmである。
【0072】
オプションとして、混合物410はまた、第2の発光材料112を含んでもよい。それゆえ、高分子ホストマトリックス要素120もまた、第2の発光材料112を更に含む。
【0073】
実施形態では、発光材料除去段階は、配置450を遠心分離することを含む。
【0074】
実施形態では、発光材料除去段階は、第1の外面121の少なくとも一部を、酸性の水性液体と接触させることを含む。特に、そのような実施形態では、第1の外面121の少なくとも一部と第1の外面121からの第1の距離d1とによって画定されている外側層124は、空洞123を含み得る。
【0075】
図1aはまた、支持体400の少なくとも一部が、反射器カップ300によって提供されている実施形態も、概略的に示している。
【0076】
それゆえ、実施形態では、照明デバイス1は、第1の端部301、第2の端部302、及び第1の端部301と第2の端部302との間の反射器カップ壁部305を有する、反射器カップ300を更に備え得る。図示のように、反射器カップ300は、第2の端部302から第1の端部301に向けて先細状である。固体光源10は、発光面12を含む。高分子ホストマトリックス要素120は、第2の外面122を有し、反射器カップ300は、高分子ホストマトリックス要素120をホストしている。第1の外面121は、第1の端部301よりも第2の端部302に近接して構成されている。第2の外面122は、第2の端部302よりも第1の端部301に近接して構成されている。発光面12は、高分子ホストマトリックス要素120と接触している。
【0077】
図1aを参照すると、(固体)光源10の発光面12又は頂部と、第1の外面121との間の距離は、参照符号d2で示されている。特に、この高さは、少なくとも100μmであってもよく、また当然ながら、外側層124の厚さよりも大きい。特に、この高さは、200~600μmの範囲などの、200μmよりも大きい。
【0078】
反射器300は、反射器壁部305を含む。この壁部は、第2の端部302との角度αを有し得る。この角度αが、20~60°の範囲、又は更に最大で約90°のような、少なくとも25°などの、約15°よりも大きい場合に、有益であり得る。反射器壁部305は、第1の端部301との角度βを有し得る。この角度βは、特に、95~135°の範囲などの、135°以下などの、約145°よりも小さくてもよい。
【0079】
参照符号Oは、照明デバイス1の光軸を示す。
【0080】
図1bは、高分子出発材料及び第1の発光材料と、オプションとして第2の発光材料、及びオプションとして散乱粒子などの更なる材料とを含む、出発材料を準備することから開始する、本方法のフローチャートを極めて概略的に示す。この出発材料は、混合物410として準備される。支持体400と共に、第1の段階Iでは、混合物410及び支持体400の配置450が提供される。
【0081】
本方法は、最終段階へと進み、硬化段階である(硬化はまた、「C」でも示されている)段階II、及び発光材料除去段階IIIを介して、高分子ホストマトリックス要素120が提供される。図1bに概略的に示されるように、硬化段階は、発光材料除去段階IIIの前、発光材料除去段階IIIの間、又は発光材料除去段階IIIの後に開始してもよく、特に、発光材料除去段階の後に開始してもよい。
【0082】
本発明は、第1の発光材料が本質的に空気に曝されないソリューションを提供するものであり、シリコーン-空気界面に近接している全ての第1の発光材料粒子が除去され、残りの全ての粒子がシリコーンで覆われている。液体ベースの第1の発光材料除去段階を想定すると、例えば~20~40μmの直径を有する、いくつかの空隙(空洞123)が、シリコーン内(蛍光体粒子によって従前に占有されていた場所)に存在することになる。
【0083】
一実施例では、黄色/緑色蛍光体、橙色蛍光体、及び赤色蛍光体KSiF:Mn4+(KSF)の混合物を使用して、温白色LEDが作製された。低いKSF吸収強度により、橙色赤色蛍光体の大部分は、KSFからなる(橙色に対するKSFの比率は、重量で~10:1)。KSFの高体積分率(及び、LED加工処理)により、KSFの一部は、(十分に厚い)シリコーン層によって保護されない。
【0084】
表面に近接する/表面上のKSF粒子は、水によって攻撃されることにより、褐変をもたらす恐れがあり、このことはまた、過度の加熱をもたらして、シリコーンの亀裂及びワイヤボンドの破断を生じさせるため、極めて望ましくない。このことは、ルーメンの低下をもたらす。試料の顕微鏡検査は、試験時間の後の、褐色粒子の発生を示すものであり、低いKSF含有量を有する試料と、高いKSF含有量を有する試料とが試験された。重度の褐変は、高いKSF含有量を有する試料に関しては~400時間後に、低いKSF含有量を有する試料に関しては~1000時間後に、既に観察されている。褐色の斑点の形成は、(温)水中にLEDを浸漬することによって、加速されることができる。高[KSF]LEDの場合には、85℃の水に3時間浸漬した後に、光出力の30%の劣化が既に観察されており、それゆえ、この試験の加速係数は~300/3=100である。
【0085】
驚くべきことに、クエン酸溶液によるLEDの処理により、褐色の斑点の形成を伴わずに、露されたKSF粒子の除去がもたらされることが見出された。この処理により、向上された安定性を有するLEDがもたらされる。
【0086】
一実施例では、LEDは、種々の時間(最大8時間)にわたって、高温(85℃)の0.1Mクエン酸水溶液で処理された。LEDの色点及び光出力に対する、処理の効果が測定された。CIE u'が、若干減少する(KSFの一部が、LEDパッケージから除去されている)。このことは、デバイスの頂部に近接している体積内のKSF粒子の除去が、色シフトを誘発しないことを示している。洗浄時の色点シフトは小さいものであり、必要に応じて、色点シフトは、洗浄時に実際の目標色点に達するように、蛍光体分配プロセスステップにおいて、若干高いu'及び低いv'に目標色点を調整することによって、補償されることができる。クエン酸による処理の後、LEDは、85℃の(通常)水に浸漬されたが、褐色化することなく、水に敏感なKSF粒子がパッケージから効果的に除去されたことを示した。
【0087】
洗浄処理の適用は、20~40μmの穴の存在を有する、KSFが枯渇されたシリコーン層をもたらすものであり、図2を参照されたい。穴又は空洞123の寸法は、使用された第1の発光材料粒子の粒径分布に依存し得る。
【0088】
上述のように、シリコーン-空気界面に、蛍光体を含まない上部層を作り出すことによって、KSFの劣化が激しく低減されることができ、それゆえ、信頼性が桁違いに良好となり得る。蛍光体を含まない上部層は、特に、光の大部分が生成される、ダイの上方及びダイに近接する領域において、特に10~100μmの厚さを有する。驚くべきことに、~10μmの蛍光体を含まない層は、水分子がシリコーンを介してKSF粒子に到達することが可能な場合であっても、KSFによる褐変を防止するために十分であることが見出された。
【0089】
とりわけ、本発明は、実施形態では、フッ化マンガン蛍光体と、5~100μm、特に10~100μmの上部において蛍光体を含まない層と、を含むLEDを提供する。また、従属請求項は、以下で説明されるような、このLEDを得るための方法に関する。
【0090】
一実施形態では、KSF蛍光体を含有するLEDは、蛍光体-シリコーン混合物中で使用されるシリコーンと同様の、第2のシリコーン層でコーティングされている。LEDは、水浸漬試験で試験されている。ルーメン維持は、そのような追加層を有さないLEDに関しては、平均で67%であったが、その一方で、追加的な蛍光体を含まないシリコーン層を有する同じLEDは、平均で91%の維持を有していた。それゆえ、多層ソリューションもまた適用されてもよい。それゆえ、蛍光体を含まない第2のシリコーン層を作り出すことにより、照明デバイスの信頼性を著しく向上させることができる。別の実施形態では、蛍光体は、遠心分離プロセスステップ(2分)で沈降された。LEDは、水浸漬試験において試験されたところ、20マイクロメートルの蛍光体を含まない層を作り出すことが、LEDの信頼性を著しく向上させるものと考えられた。
【0091】
図1cは、高分子ホストマトリックス要素120の一実施形態を、より詳細に示す。ここでは、高分子ホストマトリックス要素は、反射器カップによって提供されることが可能であるような形状を有する。高分子ホストマトリックス要素120は、第1の外面121及び第2の外面122を有する。これらの面間の距離は、高分子ホストマトリックス要素120の高さh1を画定し得る。第2の外面121は、例として本明細書でもまた示されている、光源10用の支持体と接触していてもよい。光源10は、必ずしも、正確に高分子ホストマトリックス要素120の中央に存在しているとは限らない。高分子ホストマトリックス要素及び反射器カップの双方は、本質的に光軸Oに対して対称であってもよい。高分子ホストマトリックス要素120及び反射器カップは、円錐台形状、又は切頂正方錘形状、放物形状などを有してもよい。
【0092】
図2は、第1の発光材料除去段階としての洗浄段階を含む、本発明の方法によって得ることが可能な、高分子ホストマトリックス要素120の断面図のSEM写真を示す。空洞123は、良好に視認可能である。
【0093】
用語「複数」は、2つ以上を指す。
【0094】
「実質的に全ての光(substantially all light)」、又は「実質的になる(substantially consists)」などにおける、本明細書の用語「実質的に(substantially)」は、当業者には理解されるであろう。用語「実質的に」はまた、「全体的に(entirely)」、「完全に(completely)」、「全て(all)」などを伴う実施形態も含み得る。それゆえ、実施形態では、当該形容詞はまた、実質的に削除される場合もある。適用可能な場合、用語「実質的に」はまた、95%以上、特に99%以上、更に特に99.5%以上などの、100%を含めた90%以上にも関連し得る。用語「備える(comprise)」は、用語「備える(comprises)」が「からなる(consists of)」を意味する実施形態もまた含む。用語「及び/又は」は、特に、その「及び/又は」の前後で言及された項目のうちの1つ以上に関連する。例えば、語句「項目1及び/又は項目2」、及び同様の語句は、項目1及び項目2のうちの1つ以上に関連し得る。用語「含む(comprising)」は、一実施形態では、「からなる(consisting of)」を指す場合もあるが、別の実施形態ではまた、「少なくとも定義されている種、及びオプションとして1つ以上の他の種を包含する」も指す場合がある。
【0095】
更には、明細書本文及び請求項での、第1、第2、第3などの用語は、類似の要素を区別するために使用されるものであり、必ずしも、連続的又は時系列的な順序を説明するために使用されるものではない。そのように使用される用語は、適切な状況下で交換可能であり、本明細書で説明される本発明の実施形態は、本明細書で説明又は図示されるもの以外の、他の順序での動作が可能である点を理解されたい。
【0096】
本明細書のデバイスは、とりわけ、動作中について説明されている。当業者には明らかとなるように、本発明は、動作の方法又は動作中のデバイスに限定されるものではない。
【0097】
上述の実施形態は、本発明を限定するものではなく、むしろ例示するものであり、当業者は、添付の請求項の範囲から逸脱することなく、多くの代替的実施形態を設計することが可能となる点に留意されたい。請求項では、括弧内のいかなる参照符号も、その請求項を限定するものとして解釈されるべきではない。動詞「備える、含む(to comprise)」及びその活用形の使用は、請求項に記述されたもの以外の要素又はステップが存在することを排除するものではない。文脈が明らかにそうではないことを必要としない限り、明細書本文及び請求項の全体を通して、単語「含む(comprise)」、「含んでいる(comprising)」などは、排他的又は網羅的な意味ではなく包括的な意味で、すなわち、「含むが、限定されない」という意味で解釈されたい。要素に先行する冠詞「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、複数のそのような要素が存在することを排除するものではない。本発明は、いくつかの個別要素を含むハードウェアによって、及び、好適にプログラムされたコンピュータによって実施されてもよい。いくつかの手段を列挙するデバイスの請求項では、これらの手段のうちのいくつかは、1つの同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。特定の手段が、互いに異なる従属請求項内に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが、有利に使用され得ないことを示すものではない。
【0098】
本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、デバイスに適用される。本発明は更に、明細書本文で説明される特徴及び/又は添付図面に示される特徴のうちの1つ以上を含む、方法又はプロセスに関する。
【0099】
本特許で論じられている様々な態様は、更なる利点をもたらすために組み合わされることも可能である。更には、当業者は、実施形態が組み合わされることが可能であり、また、3つ以上の実施形態が組み合わされることも可能である点を理解するであろう。更には、特徴のうちのいくつかは、1つ以上の分割出願のための基礎を形成し得るものである。
図1A
図1B
図1C
図2