(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】経中隔送達システム
(51)【国際特許分類】
A61F 2/24 20060101AFI20230718BHJP
A61F 2/97 20130101ALI20230718BHJP
【FI】
A61F2/24
A61F2/97
(21)【出願番号】P 2021211831
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2018530833の分割
【原出願日】2016-12-15
【審査請求日】2022-01-25
(32)【優先日】2015-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513259997
【氏名又は名称】ニオバスク ティアラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ニュリー, コリン エー.
(72)【発明者】
【氏名】レーン, ランディー マシュー
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, カレン ソク-ジ
【審査官】大橋 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-530689(JP,A)
【文献】特表2013-525039(JP,A)
【文献】特表2008-528069(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0100167(US,A1)
【文献】特表2013-540467(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/24
A61F 2/97
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
補綴具を標的治療面積に送達するための送達システムであって、前記送達システムは、
近位端、遠位端、およびその間に延在する管腔を有する、内側ガイドワイヤカテーテルであって、前記管腔は、ガイドワイヤを摺動可能に受容するように定寸されている、内側ガイドワイヤカテーテルと、
前記内側ガイドワイヤカテーテルの前記遠位端に結合された遠位カプセルであって、前記遠位カプセルは、前記補綴具を受容するように定寸された内側チャネルを備える、遠位カプセルと、
前記内側ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置されたベルカテーテルであって、当該ベルカテーテルの遠位端に隣接するベル要素を有するベルカテーテルと、
前記ベルカテーテルを覆って摺動可能に配置されたアンカカテーテルと、
前記アンカカテーテルを覆って摺動可能に配置されたシースカテーテルであって、前記シースカテーテルは、近位端および遠位端を有する、シースカテーテルと、
第1回転アクチュエータ要素を有するアクチュエータ機構と、
を備え、
前記アンカカテーテルは、前記アンカカテーテルの遠位端に隣接し、前記補綴具に係合するように構成されている、アンカ要素を有し、前記ベル要素は、前記アンカ要素と係合するように前記補綴具を拘束し、
前記第1回転アクチュエータ要素は、前記内側ガイドワイヤカテーテル及び前記ベルカテーテルの両方と動作可能に結合されており、
第1の方向への前記第1回転アクチュエータ要素の作動は、前記遠位カプセルを近位へと移動させ、
前記第1の方向とは反対の第2の方向への前記第1回転アクチュエータ要素の作動は、前記遠位カプセルを遠位へと移動させ、且つ、前記ベル要素を前記アンカ要素から離れるように移動させ、それによって、前記補綴具から拘束を除去し、前記補綴具が拡張することを可能にする
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
回転可能ノブを有するアクチュエータ機構を有する操向可能カテーテル
を更に備え、
前記内側ガイドワイヤカテーテル、前記ベルカテーテル、前記アンカカテーテル、及び、前記シースカテーテルは、前記操向可能カテーテルの中に摺動可能に配置され、
前記回転可能ノブの作動は、前記操向可能カテーテルを操向し、それによって、前記内側ガイドワイヤカテーテル、前記ベルカテーテル、前記アンカカテーテル、及び、前記シースカテーテルを操向する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記送達システムの近位部分に結合されたハンドル
を更に備え、
前記アクチュエータ機構は、前記ハンドルに結合されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記遠位カプセルは、拡張可能部材を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記拡張可能部材は、ステントまたはバルーンを有する
ことを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記遠位カプセルは、波形領域を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記遠位カプセルは、複数のヒンジ連結されたスプラインを有し、
前記複数のヒンジ連結されたスプラインは、圧縮が前記複数のヒンジ連結されたスプラインに印加されるときに、ヒンジにおいて半径方向に拡張するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記補綴具
を更に備え、
前記補綴具は、人工僧帽弁である
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(相互参照)
本出願は、2015年12月15日に出願された米国仮特許出願第62/267,722号(Attorney Docket No.42194-727.101)の非仮出願であり、かつそれの利益を主張する。上記文献の全ての内容は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
本出願は、2011年4月28日に出願された米国特許出願第13/096,572号(Attorney Docket No.42194-703.201、現:米国特許第8,579,964号)に関連する。上記文献の全ての内容は、参照することによって本明細書において援用される。
【0003】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイスおよび方法に関し、より具体的には、僧帽弁逆流とも称される僧帽弁閉鎖不全症等の弁閉鎖不全症の治療で使用される補綴具送達システムに関する。
【背景技術】
【0004】
(発明の背景)
脊椎動物の心臓は、4つの心腔に分割され、心臓によって送出される血液が心臓血管系を通って順方向に流動することを確実にする、4つの弁(僧帽、大動脈、肺動脈、および三尖弁)を装備している。健康な心臓の僧帽弁は、心臓の左心室から左心房の中への血液の逆流を防止し、左心室が収縮するときに閉鎖する2つの可撓性弁尖(前および後)を備える。弁尖は、線維輪に付着し、それらの遊離縁は、左心室の収縮中にそれらが左心房の中へ逸脱しないように防止するために、弁下腱索によって左心室内の乳頭筋に繋留される。
【0005】
種々の心臓疾患または退行性変化は、僧帽弁器官のこれらの部分のうちのいずれかで機能不全を引き起こし、僧帽弁を異常に狭窄または拡張させ、もしくは左心室から左心房の中へ戻って血液を漏出(すなわち、逆流)させ得る。いずれのそのような障害も、心臓の充足性を損なわせ、消耗性または致命的であり得る。
【0006】
故に、天然僧帽弁器官を置換、修復、または再形成するための開心術技法、および天然僧帽弁の生体構造を修正する弁形成リング等の種々の人工装具の外科的埋込を含む、多数の外科的方法およびデバイスが、僧帽弁機能不全を治療するために開発されてきた。しかしながら、これらのデバイスは、患者に長期的な回復周期を要求し、高価である、開心術を要求する。つい最近では、置換僧帽弁アセンブリの送達のための低侵襲経心尖および経カテーテル技法が開発されている。そのような技法では、人工弁が、概して、可撓性カテーテルまたは送達システムの端部上に圧着状態で搭載され、弁が埋込部位に到達するまで患者の血管または身体を通して前進させられる。次いで、人工弁は、欠陥のある天然弁の部位でその機能的サイズまで拡張される。
【0007】
これらのデバイスおよび方法は、弁閉鎖不全症にとって有望な治療であるが、実現することが困難で製造することが高価であり得、または全ての患者の治療に適応されるわけではない場合がある。加えて、送達システムのうちのいくつかは、身体に大きな刺入創を作成する、大きなサイズを有する。したがって、僧帽弁閉鎖不全症等の弁閉鎖不全症の治療のための改良されたデバイスおよび方法を提供することが望ましいであろう。これは、そのような送達デバイスがより小さい外形を有し、標的治療部位まで容易に前進または操向され、補綴具の正確な送達および展開を可能にされた場合に望ましいであろう。これらの目的のうちの少なくともいくつかが、以下で開示されるデバイスおよび方法によって満たされるであろう。
【0008】
(2.背景技術の説明)
米国特許公開第2015/0342736号は、人工弁送達システムを説明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国特許公開公報第2015/0342736号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
(発明の要約)
本発明は、概して、医療システム、デバイス、および方法に関し、より具体的には、僧帽弁逆流とも称される僧帽弁閉鎖不全症等の弁閉鎖不全症の治療で使用される補綴具送達システムに関する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
一側面では、補綴具を標的治療面積に送達するための送達システムは、内側ガイドワイヤカテーテルと、内側ガイドワイヤカテーテルの遠位端に結合される、遠位カプセルと、内側ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置される、シースカテーテルであって、シースカテーテルは、近位端および遠位端を有する、シースカテーテルとを備える。送達システムはさらに、シースカテーテルの遠位端に結合される、近位カプセルと、内側ガイドワイヤカテーテルおよびシースカテーテルと動作可能に結合される、アクチュエータ機構とを備えることができる。内側ガイドワイヤカテーテルは、近位端、遠位端、およびその間に延在する管腔を有することができ、管腔は、ガイドワイヤを摺動可能に受容するように定寸され、遠位カプセルは、補綴具を受容するように定寸される内側チャネルを備えることができる。近位カプセルはまた、補綴具を受容するように定寸される内側チャネルも備えることができる。加えて、第1の方向へのアクチュエータ機構の作動が、遠位カプセルから離れるように近位カプセルを移動させ、それによって、補綴具から拘束を除去し、補綴具が拡張することを可能にすることができる一方で、第1の方向と反対の第2の方向へのアクチュエータ機構の作動は、遠位カプセルと係合するように近位カプセルを移動させ、それによって、その中に補綴具を封入することができる。
【0012】
送達システムは、ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置される、ベルカテーテルを備えることができる。ベルカテーテルは、ベルカテーテルの遠位端に隣接して配置されるベル要素を有することができる。アンカカテーテルは、ベルカテーテルを覆って摺動可能に配置されることができ、アンカカテーテルは、アンカカテーテルの遠位端に隣接し、補綴具に係合するように構成される、アンカ要素を有し、ベル部材は、アンカ要素と係合するように補綴具を拘束することができる。
【0013】
送達システムは、アクチュエータ機構を有する、操向可能カテーテルを備えることができる。内側ガイドワイヤカテーテルおよびシースカテーテルは、操向可能カテーテルの中に摺動可能に配置されることができ、アクチュエータ機構の作動は、操向可能カテーテルを操向し、それによって、内側ガイドワイヤカテーテルおよびシースカテーテルを操向することができる。操向可能カテーテルは、操向可能カテーテルに結合される複数の引張ワイヤを備えることができる。また、アクチュエータ機構の作動は、引張ワイヤを移動させ、それによって、操向可能カテーテルを操向することができる。
【0014】
操向可能カテーテルを操向するためのアクチュエータ機構は、回転可能ノブを備えることができ、送達システムはさらに、送達システムの近位部分に結合されるハンドルを備えることができる。アクチュエータ機構は、ハンドルに結合されることができる。アクチュエータ機構は、複数の回転可能サムホイールを備えることができる。
【0015】
遠位カプセルは、拡張可能部材を備えることができ、拡張可能部材は、ステントまたはバルーンを備えることができる。遠位カプセルは、波形領域を備えることができる。いくつかの実施形態では、遠位カプセルは、複数のヒンジ連結されたスプラインを備えることができ、複数のヒンジ連結されたスプラインは、圧縮が複数のヒンジ連結されたスプラインに印加されるときに、ヒンジにおいて半径方向に拡張するように構成され得る。遠位カプセルは、近位部分と、遠位部分と、複数のフィラメントとを備えることができ、フィラメントの移動は、遠位部分に対して近位部分を移動させ、それによって、遠位カプセルの長さを増加または減少させることができる。
【0016】
送達システムはまた、補綴具を備えることもでき、補綴具は、人工僧帽弁であることができる。
【0017】
別の側面では、補綴具を標的治療面積に送達するための方法は、内側ガイドワイヤカテーテルに結合される遠位カプセルと、シースカテーテルに結合される近位カプセルとを有する送達システムを提供することと、作動機構を作動させ、それによって、遠位カプセルから離れるように近位カプセルを移動させることと、近位および遠位カプセルの中に配置される補綴具から拘束を解放することと、標的治療面積内で補綴具を展開することとを含む。いくつかの実施形態では、内側ガイドワイヤカテーテルは、シースカテーテルの中に摺動可能に配置されることができ、作動機構を作動させることは、シースカテーテルに対して内側ガイドワイヤカテーテルを移動させることができる。加えて、作動機構を作動させることは、サムホイールを回転させることを含むことができる。
【0018】
送達システムはさらに、ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置される、ベルカテーテルを備えることができ、ベルカテーテルは、ベルカテーテルの遠位端に隣接して配置されるベル要素を有することができ、補綴具を展開することは、補綴具から離れるようにベル要素を移動させ、それによって、補綴具から拘束を除去することを含むことができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、送達システムは、ベルカテーテルを覆って摺動可能に配置されるアンカカテーテルを備えることができ、アンカカテーテルは、アンカカテーテルの遠位端に隣接し、補綴具に係合するように構成される、アンカ要素を有することができ、補綴具を展開することは、アンカ要素から離れるようにベル部材を移動させ、それによって、補綴具から拘束を除去することを含むことができる。
【0020】
補綴具を標的治療面積に送達するための方法は、送達システムを覆って配置される操向可能カテーテルを用いて、送達システムを操向することを含むことができる。また、操向することは、操向可能カテーテルに動作可能に結合されるアクチュエータ機構を作動させることを含むことができ、アクチュエータ機構を作動させることは、操向可能カテーテルに結合される複数の引張ワイヤを移動させることを含むことができる。いくつかの実施形態では、操向することは、回転可能ノブを回転させることを含むことができる。
【0021】
遠位カプセルは、拡張可能部材を備えることができ、本明細書に開示される方法はさらに、ステントまたはバルーンを備え得る、拡張可能部材を半径方向に拡張すること、または半径方向に圧潰することを含むことができる。加えて、遠位カプセルは、波形領域を備えることができ、本明細書に開示される方法はさらに、波形領域を軸方向に拡張すること、または軸方向に圧潰することを含むことができる。遠位カプセルはまた、複数のヒンジ連結されたスプラインを備えることもでき、本明細書に開示される方法はさらに、それに圧縮を印加することによって、ヒンジ連結されたスプラインを半径方向に拡張すること、またはそれに張力を印加することによって、ヒンジ連結されたスプラインを半径方向に圧潰することを含むことができる。遠位カプセルは、近位部分と、遠位部分と、複数のフィラメントとを備えることができ、本明細書に開示される方法はさらに、フィラメントを移動させ、それによって、近位カプセルに向かって、またはそれから離れるように、遠位カプセルを移動させることを含むことができる。標的治療面積は、天然僧帽弁であることができ、補綴具は、人工僧帽弁であることができる。
【0022】
なおも別の側面では、補綴具を標的治療面積に送達するための送達システムは、補綴具を標的治療面積に送達するための送達カテーテルと、送達カテーテルと動作可能に結合される、操向可能カテーテルであって、操向可能カテーテルは、アクチュエータ機構を備え、アクチュエータ機構の作動は、操向可能カテーテルを操向し、それによって、送達カテーテルも操向する、操向可能カテーテルとを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、操向可能カテーテルは、操向可能カテーテルに結合される複数の引張ワイヤを備えることができ、アクチュエータ機構の作動は、引張ワイヤを移動させ、それによって、操向可能カテーテルを操向することができる。加えて、操向可能カテーテルを操向するためのアクチュエータ機構は、回転可能ノブを備えることができ、送達システムはさらに、送達システムの近位部分に結合され得るハンドルを備えることができ、アクチュエータ機構は、ハンドルに結合されることができる。送達システムはさらに、人工僧帽弁であり得る補綴具を備えることができる。
【0024】
別の側面では、補綴具を標的治療面積に送達するための方法は、補綴具を運搬する送達カテーテルを提供することと、送達カテーテルに動作可能に結合される操向カテーテルを提供することと、作動機構を作動させ、それによって、操向カテーテルを操向し、送達カテーテルを操向することと、標的治療面積内で補綴具を展開することとを含む。作動機構を作動させることは、ノブを回転させることを含むことができ、アクチュエータ機構を作動させることは、操向カテーテルに結合される複数の引張ワイヤを移動させることを含むことができる。標的治療面積は、天然僧帽弁であることができ、補綴具は、人工僧帽弁であることができる。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
補綴具を標的治療面積に送達するための送達システムであって、前記送達システムは、
近位端、遠位端、およびその間に延在する管腔を有する、内側ガイドワイヤカテーテルであって、前記管腔は、ガイドワイヤを摺動可能に受容するように定寸されている、内側ガイドワイヤカテーテルと、
前記内側ガイドワイヤカテーテルの前記遠位端に結合された遠位カプセルであって、前記遠位カプセルは、前記補綴具を受容するように定寸された内側チャネルを備える、遠位カプセルと、
前記内側ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置されたシースカテーテルであって、前記シースカテーテルは、近位端および遠位端を有する、シースカテーテルと、
前記シースカテーテルの前記遠位端に結合された近位カプセルであって、前記近位カプセルは、前記補綴具を受容するように定寸された内側チャネルを備える、近位カプセルと、
前記内側ガイドワイヤカテーテルおよび前記シースカテーテルと動作可能に結合されたアクチュエータ機構であって、第1の方向への前記アクチュエータ機構の作動は、前記遠位カプセルから離れるように前記近位カプセルを移動させ、それによって、前記補綴具から拘束を除去し、前記補綴具が拡張することを可能にする、アクチュエータ機構と
を備え、
前記第1の方向と反対の第2の方向への前記アクチュエータ機構の作動は、前記遠位カプセルと係合するように前記近位カプセルを移動させ、それによって、その中に前記補綴具を封入する、システム。
(項目2)
前記ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置されたベルカテーテルをさらに備え、前記ベルカテーテルは、前記ベルカテーテルの遠位端に隣接して配置されたベル要素を有する、項目1に記載のシステム。
(項目3)
前記ベルカテーテルを覆って摺動可能に配置されたアンカカテーテルをさらに備え、前記アンカカテーテルは、前記アンカカテーテルの遠位端に隣接し、前記補綴具に係合するように構成されている、アンカ要素を有し、前記ベル部材は、前記アンカ要素と係合するように前記補綴具を拘束する、項目2に記載のシステム。
(項目4)
アクチュエータ機構を有する操向可能カテーテルをさらに備え、前記内側ガイドワイヤカテーテルおよび前記シースカテーテルは、前記操向可能カテーテルの中に摺動可能に配置され、前記アクチュエータ機構の作動は、前記操向可能カテーテルを操向し、それによって、前記内側ガイドワイヤカテーテルおよび前記シースカテーテルを操向する、項目1に記載のシステム。
(項目5)
前記操向可能カテーテルは、それに結合された複数の引張ワイヤを備え、前記アクチュエータ機構の作動は、前記引張ワイヤを移動させ、それによって、前記操向可能カテーテルを操向する、項目4に記載のシステム。
(項目6)
前記操向可能カテーテルを操向するための前記アクチュエータ機構は、回転可能ノブを備える、項目4に記載のシステム。
(項目7)
前記送達システムの近位部分に結合されたハンドルをさらに備え、前記アクチュエータ機構は、前記ハンドルに結合されている、項目1に記載のシステム。
(項目8)
前記アクチュエータ機構は、複数の回転可能サムホイールを備える、項目7に記載のシステム。
(項目9)
前記遠位カプセルは、拡張可能部材を備える、項目1に記載のシステム。
(項目10)
前記拡張可能部材は、ステントまたはバルーンを備える、項目9に記載のシステム。
(項目11)
前記遠位カプセルは、波形領域を備える、項目1に記載のシステム。
(項目12)
前記遠位カプセルは、複数のヒンジ連結されたスプラインを備え、前記複数のヒンジ連結されたスプラインは、圧縮が前記複数のヒンジ連結されたスプラインに印加されるときに、ヒンジにおいて半径方向に拡張するように構成されている、項目1に記載のシステム。
(項目13)
前記遠位カプセルは、近位部分と、遠位部分と、複数のフィラメントとを備え、前記フィラメントの移動は、前記遠位部分に対して前記近位部分を移動させ、それによって、前記遠位カプセルの長さを増加または減少させる、項目1に記載のシステム。
(項目14)
前記補綴具をさらに備え、前記補綴具は、人工僧帽弁である、項目1に記載のシステム。
(項目15)
補綴具を標的治療面積に送達するための方法であって、前記方法は、
内側ガイドワイヤカテーテルに結合された遠位カプセルと、シースカテーテルに結合された近位カプセルとを有する送達システムを提供することと、
作動機構を作動させ、それによって、前記遠位カプセルから離れるように前記近位カプセルを移動させることと、
前記近位および遠位カプセルの中に配置された補綴具から拘束を解放することと、
前記標的治療面積内で前記補綴具を展開することと
を含む、方法。
(項目16)
前記内側ガイドワイヤカテーテルは、前記シースカテーテルの中に摺動可能に配置され、前記作動機構を作動させることは、前記シースカテーテルに対して前記内側ガイドワイヤカテーテルを移動させる、項目15に記載の方法。
(項目17)
前記作動機構を作動させることは、サムホイールを回転させることを含む、項目15に記載の方法。
(項目18)
前記送達システムはさらに、前記ガイドワイヤカテーテルを覆って摺動可能に配置されたベルカテーテルを備え、前記ベルカテーテルは、前記ベルカテーテルの遠位端に隣接して配置されたベル要素を有し、前記補綴具を展開することは、前記補綴具から離れるように前記ベル要素を移動させ、それによって、前記補綴具から拘束を除去することを含む、項目15に記載の方法。
(項目19)
前記送達システムはさらに、前記ベルカテーテルを覆って摺動可能に配置されたアンカカテーテルを備え、前記アンカカテーテルは、前記アンカカテーテルの遠位端に隣接し、前記補綴具に係合するように構成されている、アンカ要素を有し、前記補綴具を展開することは、前記アンカ要素から離れるように前記ベル部材を移動させ、それによって、前記補綴具から拘束を除去することを含む、項目18に記載の方法。
(項目20)
前記送達システムを覆って配置された操向可能カテーテルを用いて、前記送達システムを操向することをさらに含む、項目15に記載の方法。
(項目21)
操向することは、前記操向可能カテーテルに動作可能に結合されたアクチュエータ機構を作動させることを含む、項目20に記載の方法。
(項目22)
アクチュエータ機構を作動させることは、前記操向可能カテーテルに結合された複数の引張ワイヤを移動させることを含む、項目21に記載の方法。
(項目23)
操向することは、回転可能ノブを回転させることを含む、項目21に記載の方法。
(項目24)
前記遠位カプセルは、拡張可能部材を備え、前記方法はさらに、前記拡張可能部材を半径方向に拡張すること、または半径方向に圧潰することを含む、項目15に記載の方法。
(項目25)
前記拡張可能部材は、ステントまたはバルーンを備える、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記遠位カプセルは、波形領域を備え、前記方法はさらに、前記波形領域を軸方向に拡張すること、または軸方向に圧潰することを含む、項目15に記載の方法。
(項目27)
前記遠位カプセルは、複数のヒンジ連結されたスプラインを備え、前記方法はさらに、それに圧縮を印加することによって、前記ヒンジ連結されたスプラインを半径方向に拡張すること、またはそれに張力を印加することによって、前記ヒンジ連結されたスプラインを半径方向に圧潰することを含む、項目15に記載の方法。
(項目28)
前記遠位カプセルは、近位部分と、遠位部分と、複数のフィラメントとを備え、前記方法はさらに、前記フィラメントを移動させ、それによって、前記近位カプセルに向かって、またはそれから離れるように、前記遠位カプセルを移動させることを含む、項目15に記載の方法。
(項目29)
前記標的治療面積は、天然僧帽弁である、項目15に記載の方法。
(項目30)
前記補綴具は、人工僧帽弁である、項目15に記載の方法。
(項目31)
補綴具を標的治療面積に送達するための送達システムであって、前記システムは、
前記補綴具を前記標的治療面積に送達するための送達カテーテルと、
前記送達カテーテルと動作可能に結合された操向可能カテーテルであって、前記操向可能カテーテルは、アクチュエータ機構を備え、前記アクチュエータ機構の作動は、前記操向可能カテーテルを操向し、それによって、前記送達カテーテルも操向する、操向可能カテーテルと
を備える、システム。
(項目32)
前記操向可能カテーテルは、それに結合された複数の引張ワイヤを備え、前記アクチュエータ機構の作動は、前記引張ワイヤを移動させ、それによって、前記操向可能カテーテルを操向する、項目31に記載のシステム。
(項目33)
前記操向可能カテーテルを操向するための前記アクチュエータ機構は、回転可能ノブを備える、項目31に記載のシステム。
(項目34)
前記送達カテーテルの近位部分に結合されるハンドルをさらに備え、前記アクチュエータ機構は、前記ハンドルに結合されている、項目31に記載のシステム。
(項目35)
前記補綴具をさらに備え、前記補綴具は、人工僧帽弁である、項目31に記載のシステム。
(項目36)
補綴具を標的治療面積に送達するための方法であって、前記方法は、
前記補綴具を運搬する送達カテーテルを提供することと、
前記送達カテーテルに動作可能に結合された操向カテーテルを提供することと、
作動機構を作動させ、それによって、前記操向カテーテルを操向し、前記送達カテーテルを操向することと、
前記標的治療面積内で前記補綴具を展開することと
を含む、方法。
(項目37)
前記作動機構を作動させることは、ノブを回転させることを含む、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記アクチュエータ機構を作動させることは、前記操向カテーテルに結合された複数の引張ワイヤを移動させることを含む、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記標的治療面積は、天然僧帽弁である、項目36に記載の方法。
(項目40)
前記補綴具は、人工僧帽弁である、項目36に記載の方法。
【0025】
(参照による引用)
本明細書で記述される全ての出版物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が、参照することによって組み込まれるように具体的かつ個別に示された場合と同一の程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0026】
本発明の新規の特徴は、添付の請求項で詳細に記載される。本発明の特徴および利点のさらなる理解は、本発明の原理が利用される、例証的実施形態を記載する以下の発明を実施するための形態、ならびに付随する図面を参照することによって得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】
図1は、人工心臓弁用の経中隔送達システムの斜視図である。
【
図2A】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図2B】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図2C】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図2D】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図2E】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図2F】
図2A-2Fは、経中隔埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図3A】
図3A-3Dは、経大動脈埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図3B】
図3A-3Dは、経大動脈埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図3C】
図3A-3Dは、経大動脈埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図3D】
図3A-3Dは、経大動脈埋込手技中に補綴具によって横断される手技経路の連続図である。
【
図5】
図5は、
図1で見られる送達システムの送達ハンドル部分の組立図である。
【
図6】
図6は、
図1で見られる送達システムの操向ガイド部分の組立図である。
【
図7】
図7は、
図1で見られる送達システムの送達カテーテル部分の組立図である。
【
図9A】
図9A-9Cは、
図8Aの線A-Aに沿って得られた操向ハンドル部分の断面図である。
【
図9B】
図9A-9Cは、
図8Aの線A-Aに沿って得られた操向ハンドル部分の断面図である。
【
図9C】
図9A-9Cは、
図8Aの線A-Aに沿って得られた操向ハンドル部分の断面図である。
【
図12A】
図12A-12Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図12B】
図12A-12Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図12C】
図12A-12Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図12D】
図12A-12Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図13A】
図13A-13Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図13B】
図13A-13Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図13C】
図13A-13Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図13D】
図13A-13Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図14A】
図14A-14Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図14B】
図14A-14Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図14C】
図14A-14Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図14D】
図14A-14Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図15A】
図15A-15Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図15B】
図15A-15Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図15C】
図15A-15Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図15D】
図15A-15Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図16A】
図16A-16Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図16B】
図16A-16Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図16C】
図16A-16Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【
図16D】
図16A-16Dは、
図1の送達システムの弁カプセル部分の代替実施形態の連続部分図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(発明の詳細な説明)
開示されるデバイス、送達システム、および方法の具体的実施形態が、ここで、図面を参照して説明されるであろう。本発明を実施するための形態の中のいかなるものも、任意の特定の構成要素、特徴、またはステップが本発明に不可欠であることを含意することを意図していない。
【0029】
(経中隔送達システム)
最初に
図1を参照すると、経カテーテル心臓弁送達のための経中隔送達システムの一実施形態が、概して、1として描写されている。図面および以下に続く説明では、「近位」という用語が、ユーザに最も近い送達システムの端部2を指すであろう一方で、「遠位」という用語は、ユーザから最も遠い端部3を指すであろう。経中隔送達システム1は、補綴具カプセルまたは弁カプセルアセンブリ8等の補綴具と、送達カテーテルアセンブリ7と、操向ガイド10と、送達ハンドルアセンブリ4と、送達ハンドル4と操向ハンドル5との間の界面9とを備えることができる。操向ガイド10は、操向可能カテーテルアセンブリ6および操向ハンドル5から成ることができる。弁カプセルアセンブリ8は、その間に延在する送達カテーテルアセンブリ7を介して、送達ハンドルアセンブリ4と動作可能に連通することができる。補綴具または弁カプセルアセンブリ8の平行移動位置および角姿勢は、操向ハンドル5によって動作可能に制御され、その間に延在する操向可能カテーテルアセンブリ6を介して連通することができる。界面9は、Oリング型シール等の摺動可能シールから成ることができる。界面9はさらに、ある程度の摩擦を維持しながら、送達ハンドルまたは送達カテーテルが操向ハンドル内で平行移動することを可能にするように機能し、したがって、血液または他の流体が操向カテーテルアセンブリを上って行く場合に、そのような血液または流体が操向ハンドルから浸出しないように防止することができる。
【0030】
他の関連送達カテーテルとともに、本明細書に説明される送達デバイスのうちのいずれかと使用され得る、経カテーテル僧帽弁または任意の補綴具のさらなる詳細が、その内容全体が参照することによって本明細書に組み込まれる、Lane et.al.に対する共同所有された米国特許第8,579,964号に説明される。
【0031】
概して、送達ハンドルアセンブリ4は、サムホイール11等の遠位アクチュエータと、サムホイール12等の近位アクチュエータとを含み、両方とも、A側送達ハンドル筐体22およびB側送達ハンドル筐体23から成る、送達ハンドルアセンブリ4と一体的に関連付けられる。遠位サムホイール11および近位サムホイール12はまた、送達ハンドルアセンブリ4に対して回転可能に位置付け可能であり、内部ねじ山(図示せず)を介してアクチュエータとしての役割を果たし、送達カテーテルアセンブリ7内の種々のカテーテルの平行移動制御を可能にし、そのさらなる証拠が、以降の節で詳述されるであろう。送達ハンドルアセンブリ4は、一側面では、運動平行移動作用物として機能する、送達カテーテルアセンブリ7を介して、弁カプセルアセンブリ8に動作可能に結合される。いくつかの実施形態では、送達ハンドルアセンブリ4、送達カテーテルアセンブリ7、および弁カプセルアセンブリ8は、送達システム26を形成することができる。いくつかの実施形態では、操向ハンドル5および操向可能カテーテルアセンブリ7は、それを通って送達システム26が平行移動して回転し得、そこから埋込中に蛇行性血管系を横断するためにその形状をとり得る、経路を提供する、操向ガイド10を形成することができる。全体的に見て、送達システム26および操向ガイド10は、経中隔送達システム1を形成することができる。
【0032】
弁カプセルアセンブリ8は、種々の構造を呈してもよい。例えば、遠位カプセル14および近位カプセル13は、実質的に剛性のステンレス鋼、ポリマー、金属、もしくは別様に剛性の管類から、圧潰可能な可撓性管類から、または形状記憶特性を呈し、ニチノール等の人間生理学に固有の温度勾配によって作動される形状設定可能な特殊金属合金から形成されてもよい。現在、弁カプセルアセンブリ8の部分は、送達ハンドルアセンブリ4の中に位置する遠位サムホイール11または近位サムホイール12のいずれかの旋回によって、平行移動可能に制御されることができる。遠位サムホイール11を回転させることによって、近位カプセル14は、内側に同伴される、例えば、
図17A-17Bおよび18A-18Bに示されるような人工僧帽弁等の補綴具のある部分を明らかにするために、カプセルアセンブリ8の軸に沿って平行移動可能に位置付けられることができる。近位サムホイール12を回転させることによって、近位カプセル13は、弁カプセルアセンブリ8の軸に沿って平行移動可能に位置付けられることができ、再度、好ましくは、人工弁(図示せず)のある部分を明らかにして解放する。カプセル変形例が、以降の節で詳細に説明されるであろう。
【0033】
図7を参照すると、送達カテーテルアセンブリ7は、概して、相互を覆って同心円状かつ摺動可能に配置される、入れ子カテーテル群から成る。入れ子カテーテル群の中の最内カテーテルは、概して、その間に延設するガイドワイヤを受け入れるように定寸されるガイドワイヤ管腔33とともに、遠位カプセル14に結合される遠位区分32と、近位区分31とを有する、ガイドワイヤカテーテル30である。ガイドワイヤカテーテル30は、その全長の全体を通して一定の外径および一定の内径、ならびに関節運動を可能にする可撓性区分300を有する。ガイドワイヤカテーテル30は、概して、ベルカテーテル34の内側に嵌合し、それに対して摺動可能に平行移動することができるように構成される。ベルカテーテル34は、概して、その間に延設するガイドワイヤカテーテル30を受け入れるように定寸される内側管腔361とともに、ベル36に結合される遠位区分360であって、ベルは、概して、ベルカテーテルよりも大きい直径を有して円筒形に成形されることができる、遠位区分と、近位区分35とを有する。ベルカテーテル34は、その全長の全体を通して一定の外径および一定の内径、ならびに関節運動を可能にする可撓性区分301を有する。ベルカテーテル34は、概して、係留カテーテル37の内側に嵌合し、それに対して摺動可能に平行移動することができるように構成される。係留カテーテル37は、概して、その間に延設するベルカテーテル34を受け入れるように定寸される内側管腔40とともに、アンカ400に結合される遠位区分39であって、アンカは、概して、円筒形に成形され、弁交連係留部分(図示せず)を受容するように円周方向に位置付けられる複数の係留スロットを有することができる、遠位区分と、近位区分38とを有する。係留カテーテル37は、その全長の全体を通して一定の外径および一定の内径、ならびに関節運動を可能にする可撓性区分302を有する。係留カテーテル37は、概して、シースカテーテル41の内側に嵌合し、それに対して平行移動することができるように構成される。シースカテーテル41は、概して、その間に延設する係留カテーテル37を受け入れるように定寸される内側管腔130とともに、近位カプセル13に結合される遠位区分43であって、近位カプセルは、キャップ部分で終端する円筒部分を有することができ、キャップ部分は、丸いドーム様表面を有することができる、遠位区分と、近位区分42とを有する。シースカテーテル41は、その全長の全体を通して一定の外径および一定の内径、ならびに関節運動を可能にする可撓性区分303を有する。シースカテーテル41は、概して、操向カテーテルアセンブリ6の内側に嵌合し、それに対して摺動可能に平行移動することができるように構成される。操向カテーテルアセンブリ6は、操向可能カテーテル309と、引張リング307であって、引張リングは、カテーテルの遠位区分305に位置する円形リング様形状を有することができる、引張リングと、カテーテルの近位区分に位置する複数の引張ワイヤ308と、関節運動を可能にする可撓性区分304と、全長の全体を通して延設する内側管腔310とから成る。引張ワイヤ308毎に、操向可能カテーテル309の全体に延設する、対応する管腔(図示せず)がある。
【0034】
概して、操向ガイド10は、それぞれ、AおよびB側操向ハンドル筐体24ならびに25内に埋め込まれる、ガスケットに類似する円筒形のOリング型界面から成る界面区分9と、A側操向ハンドル筐体24と、B側操向ハンドル筐体25と、操向サムホイール16等のアクチュエータであって、操向サムホイールは、略円筒形を有することができる、アクチュエータと、カテーテルひずみ緩和27と、操向可能カテーテルアセンブリ6とを含む。操向サムホイールは、加えて、ホイールを握持して旋回させることを促進する表面を提供するように、1つ以上の陥凹またはスロットによって分離される、1つ以上の突出を含むことができる。いくつかの実施形態では、操向サムホイールは、ホイールを握持して旋回させることを促進するように、リブを伴うテクスチャ加工表面を有することができる。界面区分9は、操向ハンドル5と送達カテーテルアセンブリ7との間に動的シールを提供し、したがって、それによって、摺動可能に密閉されたカテーテル平行移動を可能にし、送達カテーテルアセンブリは、したがって、それを通って横断し、操向可能カテーテルアセンブリ6の末端の関節運動端15において操向ガイド10の遠位端に向かって退出してもよい。界面区分9は、動的シールを提供するが、送達カテーテルアセンブリ7は、標的インプラント部位において患者内の正確な位置付けを画定するために、依然として操向ガイド10内で平行移動して回転してもよい。インプラント手技および標的インプラント部位に関する詳細が、以降の節で議論されるであろう。操向カテーテルアセンブリ6の操向可能部分を作動させるために、操向サムホイール16が旋回させられなければならない。操向サムホイール16が旋回されるとき、操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15は、サムホイール旋回の方向と同一の方向に屈曲するであろう。本運動平行移動は、引張リング307と遠位に噛合接続し(溶接接続、または締結具、もしくは接着剤、または任意の好適な締結の方法を使用する等)、操向ハンドル5に固有であり、以降の節でさらに詳細に説明されるであろう内部機構と近位に接続可能に連通する、例えば、
図7で描写されるような内部引張ワイヤ308の使用を通して達成される。
【0035】
ここで
図2A-2Fを参照すると、概して、経中隔弁埋込中に従われる一連のステップが、参照することによって組み込まれる。
図2Aは、(心室前面、肺動脈幹、および大動脈が除去された)ヒト心臓800の部分図の一般的描写を説明する。操向ガイド7は、標的インプラント部位に至る経路を提供するために前もって留置されたガイドワイヤ811を辿るであろう。典型的手技中に、操向ガイド7は、下行下大静脈(図示せず)、最初に、鼠径部の近傍の大腿静脈における切開(図示せず)を介して、下大静脈810に進入するであろう。操向ガイド7は、次いで、右心房802(
図2B)への入口として作用する大静脈孔801を通って下大静脈810から退出するであろう。いったん右心房802の中に入ると、操向ガイド10は、次いで、隔壁内の卵円孔803を貫通し、左心房804へのアクセスを獲得するであろう。左心房804(
図2C)において、操向ガイド10は、送達カテーテル812(
図2D)が内側で動作するためのインプラント部位(僧帽弁輪805)に向かった直接チャネルを提供するために、僧帽弁輪805に向けられるであろう。いったん標的インプラント部位(
図2E)に来ると、送達カテーテル812は、人工弁808を展開するように動作するであろう。いったん弁808が展開されると、送達カテーテル812は、完全に除去されることができる(
図2F)。
【0036】
再度、ここで
図3A-3Dを参照すると、概して、経大動脈弁埋込中に辿られる一連のステップが、参照することによって組み込まれる。
図3Aは、(心室前面、肺動脈幹、および大動脈基部表面が除去された)ヒト心臓800の部分図の一般的描写を説明する。操向ガイド7は、再度、標的インプラント部位に至る経路を提供するために前もって留置されたガイドワイヤ811を辿るであろう。典型的手技中に、操向ガイド7は、鼠径部の近傍の大腿動脈における切開(図示せず)を介して、下行大動脈813に進入するであろう。操向ガイド7は、次いで、大動脈弁815を通過し、左心室流出路816(LVOT)の中へ降下する前に、下行大動脈813を上り、大動脈弓814を横断して継続するであろう。LVOT816から出て来て、左心室817に進入した後、操向ガイド7は、次いで、急に曲がり、僧帽弁輪805に向かって上を指さなければならない。本時点で、送達カテーテル812は、標的インプラント部位(僧帽弁輪805)に接近するために、操向ガイド7内で前進されてもよい。いったん標的インプラント部位(
図2E)に来ると、送達カテーテル812は、人工弁808を展開するように動作するであろう。いったん弁808が展開された後、送達カテーテル812は、完全に除去されることができる(
図2F)。
【0037】
図4-7を特に参照すると、機能性を可能にする経中隔送達システム1の内部機構が説明されるであろう。具体的には、
図4は、分解図で示される経中隔送達システム1のアセンブリの実施形態を図示する。経中隔送達システム1は、内部部品の説明をより容易に理解させるために、区分で表示される。送達ハンドル区分403は、
図5を参照して以下でさらに詳細に説明されるであろう。操向ハンドル区分402は、
図6を参照して以下でさらに詳細に説明されるであろう。最終的に、送達カテーテル区分401は、
図7を参照して上記で以前に説明されている。
【0038】
ここで
図5を参照すると、送達ハンドル区分403は、概して、B側送達ハンドル筐体23と噛合接続しているA側送達ハンドル筐体22と、複数のサムホイール(遠位サムホイール11および近位サムホイール12)等のアクチュエータと、該複数のサムホイール内のサムホイールの回転に応じて、近位または遠位に平行移動し得る複数の力伝達主ねじ(遠位主ねじ503および近位主ねじ511)と、システム内の同心円状入れ子カテーテルから同伴空気ボーラスを除去する能力を提供する、複数の止血ポートおよび関連管類(血液ポートA21、血液ポートB20、血液ポートC18、および血液ポートD19)と、さらに詳細に説明されるものとする種々の他の構成要素および締結具とから成る。具体的には、送達ハンドル区分403の運動伝達要素を参照すると、遠位主ねじ503は、遠位サムホイール11と螺合接続し、該遠位サムホイール11を旋回させることによって、平行移動運動が遠位主ねじ503に付与される。遠位主ねじ503の運動は、シースカテーテル41の近位端42と、それ自体が接着剤(医療グレード紫外線硬化接着剤、または医療グレードシアノアクリレート接着剤、もしくはプラスチックまたはポリマー用の任意の好適な医療グレード接着剤等)を用いて遠位主ねじ503に噛合される、遠位主ねじキャップ501の遠位端5010との間の接続を介して、シースカテーテル41に伝達される。遠位主ねじキャップ501はまた、シースカテーテル41と係留カテーテル37との間の密閉された界面(遠位Oリング502)および出口血液ポートA21を介して、空気の放出を可能にする。静止ねじキャップ504は、それぞれ、AおよびB側ハンドル筐体22、23内に同伴され、係留カテーテル37のための場所および保定を提供し、それによって、係留カテーテル37の近位端38は、静止ねじキャップ504の遠位端5040と噛合接続している(医療グレード紫外線硬化接着剤、または医療グレードシアノアクリレート接着剤、もしくはプラスチックまたはポリマー用の任意の好適な医療グレード接着剤、または機械的ねじ山を締結することを介して)。静止ねじキャップ504はまた、係留カテーテル37とベルカテーテル34との間の密閉された界面(医療Oリング505)および出口血液ポートB20を介して、空気の放出を可能にする。近位主ねじ511は、近位サムホイール12と螺合接続し、該近位サムホイール12を旋回させることによって、平行移動運動が近位主ねじ511に付与される。近位主ねじ511の運動は、ガイドワイヤカテーテル30の近位端31と近位主ねじ511の遠位端5110との間の接続を介して、ガイドワイヤカテーテル30に伝達される。近位主ねじ511運動はまた、近位主ねじ511の遠位端5110と近位主ねじ羽子板510との間の摺動可能干渉を介して、ベルカテーテル34に伝達され、それによって、近位主ねじ羽子板510は、近位主ねじキャップ508と噛合接続し、近位主ねじキャップ508は、ベルカテーテル34の近位端35を収納する。近位主ねじキャップ508はまた、ベルカテーテル34とガイドワイヤカテーテル30との間の密閉された界面(近位Oリング509)および出口血液ポートC19を介して、空気の放出を可能にする。近位主ねじ511は、近位主ねじ511と噛合接続する出口血液ポートD18を介して、空気の放出を可能にする。
【0039】
ここで
図6を参照すると、操向ハンドル区分402は、概して、B側操向ハンドル筐体25と噛合接続するA側操向ハンドル筐体24と、カテーテルひずみ緩和部27と噛合接続する操向可能カテーテルアセンブリ6と、界面9と、複数の回転可能ディスク(B側回転可能ディスク600およびA側回転可能ディスク607)と、操向サムホイール16と、押しボタン613と、さらに詳細に説明されるものとする種々の他の構成要素および締結具とから成る。具体的には操向ハンドル区分402の操向要素を参照すると、操向サムホイール16は、A側回転可能ディスク607内で中心に置かれる係止ハブ608と噛合接続する。A側回転可能ディスク607およびB側回転可能ディスク600は、複数のキャリアロッド601を介してともに結合され、A側操向ハンドル筐体24およびB側操向ハンドル筐体25から成るハンドル筐体内で回転するように機械的に作動する。A側回転可能ディスク607が操向サムホイール16に接続されるため、操向サムホイール16の回転は、A側回転可能ディスク607の回転を引き起こす。複数の回転可能ディスク(B側回転可能ディスク600およびA側回転可能ディスク607)の具体的機能は、キャリアロッド601上で自由に回転し得、また、引張ワイヤ308に接続され、また、旋回されたときに張力をそれらに印加する、張力ヒンジ602を介して、複数の引張ワイヤ308を作動させることである。ここで具体的には操向ハンドル区分402の係止要素を参照すると、押しボタン613は、シャフトとして作用する押しボタンピン611と螺合接続する。押しボタン613は、ボタンが押下されるときに直接平行移動を可能にする、空洞6131内に位置する。押しボタンばね612は、押しボタン613の内面と空洞6131の底部との間に収納され、押下された押しボタン613が解放されるときのために復帰力を提供する。押しボタン613からの運動は、押しボタンピン611に沿って、止めねじ605を介して押しボタンピン611に締結されるクロスバー604に直接伝達される。押しボタン613が押下されるにつれて、押しボタンピン611が平行移動するとき、クロスバー604も平行移動し、したがって、クロスバー604の端部上に位置する複数のクロスバーペグ6041も平行移動する。非押下状態であるとき、クロスバーペグ6041は、A側回転可能ディスク607の周辺上に出現する複数のスロット6071内に着座される。クロスバーペグ6041は、次いで、スロット6071を通って突出し、ねじ山付き締結具606によってA側操向ハンドル筐体24の内側に搭載される、位置決めディスク609の周辺の周囲にアレイで出現する、円周方向スリット610のうちのいずれかの内側に静置してもよい。押下状態であるとき、クロスバーペグ6041は、遊隙が達成されるまで円周方向スリット610から離れるように移動され、係止機構は、クロスバー604の自由回転、ならびにA側回転可能ディスク607に直接関連する全ての側面を可能にする。係止機構の背後の力学に関するさらなる詳細は、参照することにより組み込まれる、
図9で見られることができる。
【0040】
断面図を介して、
図8A-8Dは、本明細書に説明されるデバイスの具体的内部特徴を示し、ここでは、さらなる詳細を明らかにするために依拠されるであろう。
図8Aは、遠位端3と、操向可能カテーテルアセンブリ6と、操向ハンドル5と、遠位端3と近位端2との間の送達ハンドルアセンブリ4とから成る、経中隔送達システム1全体を描写する。経中隔送達システム1の遠位端3には、その中に人工弁を同伴する、遠位14および近位13カプセルが位置する。操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15は、操向ハンドル5の最遠位部分と噛合接続し、それによって、それを位置付けて制御する。操向サムホイール16は、操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15の作動制御を提供する。近位に続けると、それぞれ、近位13および遠位14カプセルの平行移動にそれぞれ関与する、遠位11および近位12サムホイールを収納する、送達ハンドルアセンブリ4が描写されている。血液ポートA21が、提供され、A側送達ハンドル筐体22およびB側送達ハンドル筐体23(図示せず)によって収納される。さらなる血液ポートB、C、およびD(それぞれ、20、19、および18)も提供され、その機能は、前の節でさらに詳細に説明される。
【0041】
図8Bは、遠位端3、操向ハンドル5、および送達ハンドルアセンブリ4の内部機構を明らかにする、
図8Aの前述の描写の断面
図AAを紹介する。
図8Bの断面AAは、遠位カプセル14および近位カプセル13の内面、ならびに操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15を示し、その機械的相互作用の全ては、上記で以前に説明されている。また、操向ハンドル5と、要素、すなわち、遠位11および近位12サムホイール、ならびにA側送達ハンドル筐体22を表示する、送達ハンドルアセンブリ4との内部図も描写されている。詳細区分C250が提供され、それによって、詳細区分C250の内容の拡大図が、
図8Cに出現する。
【0042】
記述されるように、
図8Cは、
図8Bの詳細区分C250の内容の拡大図であり、弁カプセルアセンブリ8の内部特徴のさらなる詳細が、これによって提供される。遠位カプセル14は、ガイドワイヤカテーテル30の遠位端32の近傍に組み込まれる、ガイドワイヤカテーテルねじ山付き挿入物490のための噛合手段を提供する、ねじ山付き部分460において、内部でねじ山付きであることが分かり得る。同様に、ベル36は、ベルカテーテル34の遠位端360の近傍に組み込まれる、ベルカテーテルねじ山付き挿入物500のための噛合手段を提供する、ねじ山付き部分470において、内部でねじ山付きである。同様に、アンカ400は、係留カテーテル37の遠位端39の近傍に組み込まれる、係留カテーテルねじ山付き挿入物510のための噛合手段を提供する、ねじ山付き部分480において、内部でねじ山付きである。さらにベル36に関して、ベル36は、定位置で示され、アンカ400の最遠位部分450に同心円状に配向され、送達ハンドルアセンブリ4(図示せず)によって作動されたときに、その上で平行移動し得ることが分かり得る。遠位カプセル14およびガイドワイヤカテーテル30から成る接続されたペアは、ベル36およびベルカテーテル34から成る、同様に接続されたペア内で同心円状に連携して移動し得、それはまた、それらの構造により、静止しているが本質的に可撓性である、アンカ400および係留カテーテル37から成る、同様に接続されたペア内で同心円状に連携して移動し得ることを理解されたい。近位カプセル13はまた、シースカテーテル41への取付を介して、以前に議論されたカテーテルの上で同心円状に連携して移動し得る、接続されたペアを形成する。
【0043】
図8Dは、
図8Aで紹介される断面
図B-Bの結果を描写する。以前に説明されたように、複数のハンドル筐体、すなわち、A側24およびB側25は、噛合接続し、操向ハンドル5を備える、筐体の全体を形成する。
図8Dの本断面
図B-B内で、A側607およびB側600回転可能ディスクをともに噛合してピン留めする、複数のキャリアロッド601も見られ得る。また、クロスバー604、押しボタンピン611、および該バーならびに該ピンを噛合接続でともに締結する止めねじ605も示されている。押しボタン613と、拡張すると、押しボタンばね612を収納する、操向サムホイール16とが、加えて、明らかにされている。
【0044】
図9A-9Cは、操向ハンドル5に固有である係止機構(これらの図は断面図を提供する)の内部力学を図示し、さらに、構成要素の間の動的関係、およびそれらが動作され得る方式を図示する。
図9Aから始まって、ボタンを押すことと、ノブを旋回させることと、次いで、ボタンによって達成された角位置を維持しながら、ボタンを解放することとを含む、一連の動作が記載される。具体的には、
図9Aは、操向サムホイール16内に搭載され、押しボタンばね612の対抗力によって内部に付勢される、押しボタン613の押下(平行移動700を示す矢印)を描写する。押しボタン613が押しボタンピン611および止めねじ605を介してクロスバー604に噛合して接続されると、押しボタン613が押下を通して平行移動されるとき、クロスバー604も押しボタン613と同一の方向に平行移動される(平行移動730を示す矢印)。いったんクロスバー604が完全に平行移動されると、クロスバー604の端部上で説明される複数のクロスバーペグ6041は、位置ディスク609(
図9B)によって提供される円周方向スリット610(
図9B)から係脱される。
【0045】
図9B内で続けると、いったんクロスバー604が非拘束されると、したがって、操向サムホイール16へのトルクの印加(回転710を示す矢印)によって、自由に回転する(回転740を示す矢印)。
【0046】
図9Cは、操向および位置拘止のための操向サムホイール16の押しボタン613機構の動作における最終ステップを提供する。適切な回転位置が操向サムホイール16を用いて達成された後、押しボタン613は、解放される。これは、押しボタンばね612のための付勢力に起因して、押しボタン613が押下されるときに受けるものと反対の方向に平行移動(平行移動720を示す矢印)を可能にする。押しボタン613を解放することはまた、クロスバー604が平行移動する(平行移動750を示す矢印)ことも可能にし、拡張すると、クロスバーペグ6041は、したがって、円周方向スリット610(
図9B)との再係合を達成し、操向サムホイール16のさらなる回転に対する拘止と、拡張すると、操向可能カテーテル309(図示せず)の位置の妨害とを提供し得る。
【0047】
ここで
図10A-10Dを参照すると、操向サムホイール16の回転およびシステムの弁カプセル端におけるその後の効果を描写する、一連の画像が提供されている。
図10Aから始まって、トルクが操向サムホイール16に印加されるとき、回転運動が、操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15において内部にさらに組み込まれる、複数の引張ワイヤ308と連通する、A側回転可能ディスク607に伝達される。引張ワイヤは、操向サムホイール16回転の方向に操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15を優先的に引動するように作用する。トルクのさらなる印加(
図10B-10D)は、操向サムホイール16のさらなる回転と、操向可能カテーテルアセンブリ6の関節運動端15のその上さらなる屈曲とをもたらす。
【0048】
ここで、
図11A-11Dを具体的に参照すると、弁カプセルアセンブリ8の特定の実施形態および経カテーテル人工弁の一般的な展開シーケンスが、本明細書に図示されている。本明細書で参照される経カテーテル人工弁に関する詳細が、Lane et.al.に対する共同所有された米国特許第8,579,964号に説明される。
図11Bで描写されるように、経カテーテル人工弁1100は、優先的に圧着された後に、弁カプセルアセンブリ8内に同伴され(該経カテーテル人工弁を圧着するために使用される装填デバイスに関する詳細は、その内容全体が参照することにより本明細書に組み込まれる、共同所有された米国特許公開第20/0155990号に説明される)、その中に装填される。弁カプセルアセンブリ8は、近位端および遠位端を有する、略円筒構造を備えることができ、近位端および遠位端はそれぞれ、丸いドーム様表面で終端する。
図1に示されるように、弁カプセルアセンブリは、近位カプセル13と、遠位カプセル14とを備えることができ、近位カプセル13は、弁カプセルアセンブリの近位端に配置され、遠位カプセル14は、弁カプセルアセンブリの遠位端に配置される。近位カプセル13および遠位カプセル14はそれぞれ、円筒部分を有することができ、円筒部分の一方の端部は、開円形を有し、他方の端部は、丸いドーム様表面を有し得る、キャップ部分を有する。
図3に示されるように、近位カプセル13の開円形は、遠位カプセル14の開円形と交わり、またはそれに対して当接するように構成されることができ、近位カプセルのキャップ部分は、弁カプセルアセンブリの近位端を形成し、遠位カプセルのキャップ部分は、弁カプセルアセンブリの遠位端を形成する。
【0049】
図11Cは、近位カプセル13が弁1100から離れるように平行移動され、心房スカート1101が露見されて自己拡張することを可能にされた後の段階的展開における弁1100を図示する。
図11Dは、遠位カプセル14が弁1100から離れるように平行移動された後に、心房スカート1101が完全に拡張された弁1100を図示する。複数の三角係留タブ1102もまた、遠位カプセル14の移動によって露見されている。
図11Eは、弁1100の最終展開を図示し、それによって、遠位カプセル14は、その最大変位まで平行移動しており、ベルカテーテル34上のベル36もまた、最終的に送達デバイスからの弁の完全な解放が達成され、弁1100が弁カプセルアセンブリ8のいかなる部分にも係留されなくなるまで、弁の係留特徴(図示せず)を解放するために、最大限に平行移動している。
【0050】
図12A-12Dを特に参照すると、弁カプセルアセンブリ1205の代替実施形態が、本明細書に図示されている。
図12Aは、近位カプセル13、遠位カプセルスリーブ1200、および随意のバルーン先端1201またはテーパ状先端から成ることができる、弁カプセルアセンブリ1205を描写する。バルーン先端1201は、ヒト心臓の左心室内で見出される解剖学的制限に固有である空間拘束を最適化するために、優先的に膨張または収縮されてもよく、それによって、バルーン先端1201を収縮させることは、典型的展開を可能にするために、遠位カプセルスリーブ1200(概して、以前に説明された近位カプセル14(
図1)よりも全長が短いように構成される)が、バルーン先端1201の上で平行移動することを可能にする。
【0051】
図13A-13Dを特に参照すると、弁カプセルアセンブリ1305の代替実施形態が、本明細書に図示されている。
図13Aは、近位カプセル13および圧潰可能遠位カプセル1300から成る、弁カプセルアセンブリ1305を描写する。圧潰可能遠位カプセル1300は、概して、ヒト心臓の左心室内で見出される解剖学的制限に固有である空間拘束を最適化するために、平行移動し、蛇腹の様式で機能し、それによって、典型的展開を可能にするように遠位カプセル1300を圧潰することは、以前に説明された近位カプセル14(
図1)によって予想されるものよりも短い距離で、左心室の中へカプセルの本体を移動させることを要求する。圧潰可能遠位カプセル1300の動作機能は、直列に継合されることができ、概して、織物、ポリマー、金属合金、またはそれらの任意の組み合わせから成り得る、シュラウド1302によって被覆されることができる、複数の積層リング1301もしくは積層可能要素の作動に依拠する。
【0052】
弁カプセルアセンブリの任意の実施形態が、本明細書に説明されるような任意の送達カテーテルで使用されてもよい。
図14A-14Dを特に参照すると、弁カプセルアセンブリ1405の代替実施形態が、本明細書に図示されている。
図14Aは、近位カプセル13および圧潰可能にスプライン付きの遠位カプセル1400から成る、弁カプセルアセンブリ1405を描写する。圧潰可能にスプライン付きの遠位カプセル1400は、概して、ヒト心臓の左心室内で見出される解剖学的制限に固有である空間拘束を最適化するために、平行移動し、傘の様式で機能し、それによって、典型的展開を可能にするようにスプライン付きの遠位カプセル1400を圧潰することは、以前に説明された近位カプセル14(
図1)によって予想されるものよりも短い距離で、左心室の中へカプセルの本体を移動させることを要求する。圧潰可能にスプライン付きの遠位カプセル1400の動作機能は、並列に継合され、概して、織物、ポリマー、金属合金、またはそれらの任意の組み合わせから成り得る、シュラウド1402によって被覆される、複数のヒンジ連結されたスプライン1401の作動に依拠する。スプライン1401は、カプセルの円筒部分の縦方向表面に沿った一連の平行切り込みまたは切開によって形成される、アーム様平行構造であることができ、スプラインのヒンジは、各アーム様構造が屈曲することを可能にし、したがって、遠位カプセルを圧縮または圧潰する。
【0053】
図15A-15Dを特に参照すると、弁カプセルアセンブリ1505の代替実施形態が、本明細書に図示されている。
図15Aは、近位カプセル13および圧潰可能に配線された遠位カプセル1500から成る、弁カプセルアセンブリ1505を描写する。圧潰可能に配線された遠位カプセル1500は、概して、ヒト心臓の左心室内で見出される解剖学的制限に固有である空間拘束を最適化するために、平行移動し、(剛性の複数のワイヤ1502の押動/引動に依拠して)旗竿の様式で機能し、それによって、典型的展開を可能にするように配線された遠位カプセル1500を圧潰することは、以前に説明された近位カプセル14(
図1)によって予想されるものよりも短い距離で、左心室の中へカプセルの本体を移動させることを要求する。圧潰可能に配線された遠位カプセル1500の動作機能は、並列に継合され、概して、織物、ポリマー、金属合金、またはそれらの任意の組み合わせから成り得る、シュラウド1504によって被覆される、構造リング1501に近位に締結される、複数のニチノールもしくは類似合金ワイヤ1502の作動に依拠する。遠位に、複数のニチノールワイヤ1502は、カプセルをその全体で締め付け、弁の遠位部分から離れるようにそれを平行移動させるために、複数の遠位スロット1506に、次いで、最終的に遠位キャップ1503の内側に常駐する遠位管腔1507(図示せず)に引き込まれてもよい。1つの特定の実施形態では、遠位管腔1507(図示せず)は、ガイドワイヤカテーテル(30、
図7)内に出現する付加的管腔(図示せず)であって、送達システム全体を横断し、それぞれ、送達システムAおよびB側ハンドル半分22、23を通って退出する、付加的管腔(図示せず)を備えるであろう。複数のニチノールワイヤ1502は、付加的管腔(図示せず)を横断してそこから退出し、オペレータによって、展開のために握持可能および引動可能であり得る。
【0054】
図16A-16Dを特に参照すると、弁カプセルアセンブリ1605の代替実施形態が、本明細書に図示されている。
図16Aは、近位カプセル13および形状記憶遠位カプセル1600から成る、弁カプセルアセンブリ1605を描写する。形状記憶遠位カプセル1600は、概して、ヒト心臓の左心室内で見出される解剖学的制限に固有である空間拘束を最適化するために、平行移動し、蛇腹の様式で機能し、それによって、典型的展開を可能にするように形状記憶遠位カプセル1600を圧潰することは、以前に説明された近位カプセル14(
図1)によって予想されるものよりも短い距離で、左心室の中へカプセルの本体を移動させることを要求する。形状記憶遠位カプセル1600の動作機能は、構造キャップ1601にさらに係留され、概して、織物、ポリマー、金属合金、またはそれらの任意の組み合わせから成り得る、シュラウド1601によって被覆される、患者の血流内の温度勾配による、ステント様ニチノールもしくは類似合金フレーム1600の作動および硬直化に依拠する。複数の内部付勢ワイヤ1603は、形状記憶遠位カプセル1600が、張力を受けているときに圧潰され、張力を受けていないときに延在されることを可能にする。
【0055】
(補綴具)
図17Aは、アンカ支柱の可視性を可能にするように随意の被覆が除去された、人工僧帽弁の好ましい実施形態の斜視図を図示する。
図17Bは、心室の中を見下ろす、心房からの
図17Aの人工弁の上面図を図示する。弁1700は、D字形断面を有する、非対称の拡張したアンカ部分を含む。示されるように、アンカ部分は、概して、その縦軸に沿った前1702および後1704側面、ならびに心房1706、環状1708、および心室1710領域を備える。交連(本明細書では交連柱とも称される)1713も示されている。人工弁1700は、圧潰構成と、拡張構成とを有する。圧潰構成は、心臓への経管腔送達のための送達カテーテル等のシャフト上、または心臓壁を通した経心尖送達のためのシャフト上に装填するように適合される。半径方向に拡張した構成は、弁を損傷した弁に隣接する患者の天然心臓に係留するように適合される。弁が圧潰構成から拡張構成に拡張することを可能にするために、弁のアンカ部分は、ニチノールのようなニッケルチタン合金等の自己拡張式材料から加工されてもよい、またはスプリングテンパステンレス鋼もしくは弾性ポリマーからも製造されてもよい。なおも他の実施形態では、アンカは、バルーン等の拡張可能部材を用いて拡張可能であり得る。好ましい実施形態では、アンカは、管をレーザ切断、放電機械加工(EDM)、または光化学的にエッチングすることによって、加工される。アンカはまた、材料の平坦なシートを光化学的にエッチングすることによって加工されてもよく、それは、次いで、対向端がともに溶接された状態で巻き上げられる。
【0056】
心房スカート部分1716は、人工弁を僧帽弁の上方で心房に係留することに役立つ、フランジ付き領域を形成する。心房スカートは、フランジを形成するようにアンカから半径方向外向きに延在する、複数の三角指部を含む。心房スカート1716の後1704部分が、略丸形または円形である一方で、心房スカート1716の前1702部分の一部は、平坦である。したがって、心房スカート領域は、好ましくは、D字形断面を有する。これは、以下で議論されるであろうように、心臓の他の部分を妨害することなく、人工弁が患者の心臓生体構造に共形化することを可能にする。各三角指部は、一対の相互接続された支柱から形成される。心房スカートの三角指部は、概して、人工弁の中心軸から半径方向外向きに屈曲され、弁中心軸を横断する平面内に位置する。いくつかの実施形態では、心房スカートは、弁の中心軸と実質的に垂直である平面内に位置する。心房スカート1706の前部分1702は、随意に、垂直に上向きに、かつ人工弁と実質的に平行に延在する、1つ以上の支柱であり得る、整合要素1714を含む。整合要素1714は、蛍光透視法下で可視化を促進するように、放射線不透過性マーカ(図示せず)を含んでもよい。整合要素は、以降で議論されるであろうように、医師が人工弁を天然僧帽弁生体構造と整合させることに役立つ。
【0057】
心房スカート領域の下には、送達のための圧潰構成および天然弁輪に沿って人工弁を係留するための拡張構成も有する、環状領域1720が配置される。環状領域はまた、好ましくは閉鎖された一連のセルを形成する、複数の相互接続された支柱から成る。支柱のうちのいくつかの中の縫合糸孔1721は、組織または他の被覆(図示せず)が環状領域に取り付けられることを可能にする。組織または別の被覆でアンカの全体もしくは一部を被覆することは、心臓弁および隣接組織に対してアンカを密閉することに役立ち、それによって、血液が、弁の周囲ではなく、弁を通して流し込まれることを確実にする。環状領域は、円筒形であり得るが、好ましい実施形態では、円形である後部分1704と、平坦である前部分1702とを有し、それによって、D字形断面を形成する。本D字形断面は、心臓の他の面積内の血流を妨害することなく、天然僧帽弁生体構造により良好に共形化する。
【0058】
人工弁の下部分は、心室スカート領域1728を含む。心室スカート領域はまた、送達のための圧潰構成と、係留のための拡張構成とを有する。これは、半径方向に拡張することができる、好ましくは閉鎖された一連のセルを形成する、複数の相互接続された支柱から形成される。拡張構成における心室スカートは、天然僧帽弁尖に対して拡張することによって、人工弁を心室に係留する。心室スカート内の随意の返し1723が、心室組織の中へ人工弁を係留することにさらに役立つために、使用されてもよい。返しはまた、随意に、心房スカート部分ならびにアンカの環状領域の中に含まれてもよい。加えて、心室スカート内の随意の縫合糸孔1721が、上記で議論されるように同様に、組織または別の材料を心室スカート領域に縫合することに役立つために使用されてもよい。心室スカートの前1702部分は、平坦であり得、心室スカートの後1704部分は、円形であり得、同様に、心臓の他の部分を妨害することなく、天然生体構造に係留して共形化するように、D字形断面を形成する。また、心室スカートの下部分が、覆われたままとなり得るため、展開制御領域としての役割を果たし、それによって、以下でさらに詳細に解説されるであろうように、随意の心室三角タブおよび後部タブが拡張した後まで、心室スカートの半径方向膨張を抑止する。
【0059】
心室スカート部分はまた、随意に、以下でさらに詳細に議論されるであろうように、人工弁を係留することに役立つために、アンカの前部分の上に一対の心室三角タブ1724(本図では1つだけが可視である)を含んでもよい。心室スカートはまた、随意に、人工弁を弁輪の後部分に係留するために心室スカートの後部分1704の上に後タブ1726を含んでもよい。三角タブ1724または後タブ1726は、アンカから半径方向外向きに延在するタブであり、それらは、上流方向へ上向きに傾斜する。
【0060】
実際の弁機構は、漏斗または円錐様形状でアンカの中心軸に向かって半径方向内向きに延在する、3本の交連柱(交連とも称される)1713から形成される。交連1713は、三角形の交連を作成する、複数の相互接続された支柱から形成される。交連の支柱は、組織もしくは合成材料が交連に取り付けられることを可能にする、1つ以上の縫合糸孔1721を含んでもよい。本例示的実施形態では、弁は、三尖弁であり、したがって、これは、3つの交連1713を含む。交連の先端は、送達カテーテルに係合するための交連タブ1712(タブとも称される)を含んでもよい。本実施形態では、タブは、マッシュルーム様形状を形成する、より狭い縮径部に接続される拡大先頭領域を有する。交連は、任意の位置で付勢されてもよいが、好ましくは、逆行性血流が、相互に並置するように交連を押進して弁を閉鎖し、順行性血流が、交連を半径方向内向きに押動し、弁を完全に開放するように、人工弁の中心軸に向かってわずかに内向きに傾斜してもよい。
図17Bは、心房側からの
図17Aの人工弁を図示する上面図であり、好ましいD字形断面を示す。
【0061】
図18Aは、被覆1770が縫合糸1772を用いてアンカの部分に結合された、
図17A-17Bの人工僧帽弁を図示する。本図は、心房の視点から得られる。本実施形態では、被覆は、好ましくは、本明細書の他の場所で開示されるように、いくつかの供給源に由来し得る心膜である。代替実施形態では、被覆は、Dacronポリエステル、ePTFE、または別の合成材料等のポリマーであってもよい。被覆は、好ましくは、環状領域1720および心室スカート領域1728を覆って配置され、いくつかの実施形態では、前部心室三角1724タブおよび心室後部タブ1730もまた、同一または異なる材料で被覆されてもよい。被覆は、血液が弁機構を通って流れ込むように、隣接組織に対してアンカを密閉することに役立つ。本実施形態では、心房スカート、ならびにタブ1724、1730は、被覆されていないままにされる。加えて、放射線不透過性マーカ1714aは、整合要素の一部を形成し、弁の整合中に重要である、蛍光透視法下での人工弁の可視化を促進する。
【0062】
図18Bは、心室から見られるような
図18Aで見られる人工僧帽弁の斜視図である。弁交連の支柱は、上記で議論されるような環状および心室領域と同一の材料、または異なる材料で被覆され、それによって、三尖弁尖1713を形成する。
図18Bは、3つの弁尖が相互と係合され、逆行性血流を防止する、閉鎖構成における弁を示す。交連タブ1712は、被覆されていないままとなり、以下で解説されるであろうように、交連が送達デバイスと結合されることを可能にする。
図18A-18Bの人工弁は、滅菌されてもよいため、当技術分野で公知の方法を使用する患者内の埋込に好適である。
【0063】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書で示され、説明されているが、そのような実施形態は、一例のみとして提供されることが当業者に明白となるであろう。例えば、任意のカプセルが、明細書に開示されるような任意の送達カテーテル、送達システム、または補綴具を送達する方法で使用されてもよい。同様に、任意の補綴具または人工弁が、明細書に開示されるような任意の送達カテーテル、送達システム、または補綴具を送達する方法とともに使用されてもよい。ここで、多数の変形例、変更、および代用が、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替物が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項は、本発明の範囲を定義し、これらの請求項およびそれらの均等物の範囲内の方法ならびに構造が、それによって対象とされることが意図される。