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特許7314299止血クリップの長さが短縮された配備メカニズム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】止血クリップの長さが短縮された配備メカニズム
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/128 20060101AFI20230718BHJP
   A61B 17/122 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
A61B17/128
A61B17/122
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021556284
(86)(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-05-17
(86)【国際出願番号】 US2020037061
(87)【国際公開番号】W WO2020257026
(87)【国際公開日】2020-12-24
【審査請求日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】62/863,320
(32)【優先日】2019-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】コンドン、ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】レーティネン、ローリー エイ.
(72)【発明者】
【氏名】ロバーツ、アレックス
【審査官】菊地 康彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-507307(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0159783(US,A1)
【文献】特表2011-524793(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105877803(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/122-17/128
A61B 17/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリップ装置であって、
クリップを備え、該クリップは、基端部から先端部まで長手方向に延び、且つそれを通して延びるチャネルを含むカプセルと、一対のクリップアームであって、それらの基端部が前記チャネル内に摺動可能に受け入れられて、前記クリップアームを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる、一対のクリップアームとを含み、
ブシュを備え、該ブシュは、前記クリップを本クリップ装置の基端部分に解放可能に結合し、
先端部分及び基端部分を含む引張部材を備え、前記先端部分及び前記基端部分のそれぞれは、前記クリップアームの基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされ、且つ該引張部材は一対の突起を含み、該一対の突起は、前記引張部材の前記基端部分の対向面から延びて、前記クリップアームの基端部を通して延びる開口部内に受け入れられて前記クリップアーム間のアライメントを維持し、前記引張部材の前記基端部分は、レリーフを含み、該レリーフは、一対のフィンガを画定するようにそれに沿って長手方向に延び、該一対のフィンガは当該一対のフィンガの基端部において互いに分離され、
ヨークを備え、該ヨークは、前記クリップアームの前記基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要部分を含み、前記主要部分は、その先端部に形成された凹部を含み、前記凹部は、前記引張部材の前記一対のフィンガを解放可能に受け入れるようなサイズ及び形状にされており、前記一対のフィンガは、前記クリップの配備中、前記一対のフィンガを前記凹部から解放し、且つ前記引張部材を前記ヨークから係合解除するべく、予め決められた力がそれに加えられると、互いに向かって曲がるように構成されており、
制御部材を備え、該制御部材は、前記クリップアームを前記開放形態と前記閉鎖形態との間で移動させるために、本クリップ装置の基端部分を通して、当該制御部材の基端部から、前記ヨークに取り付けられた当該制御部材の先端部まで延びる
クリップ装置。
【請求項2】
前記一対のフィンガの外面は、丸みを帯びており、且つ前記主要部分に形成された前記凹部は、前記一対のフィンガが、前記予め決められた力がそれに加えられるまで前記凹部内に保持されるように対応して丸みを帯びている、請求項1に記載のクリップ装置。
【請求項3】
前記カプセルの前記基端部は、半径方向内向きに付勢されて、前記ブシュの対応する構造に係合するタブを含み、前記ヨークの前記主要部分は、前記制御部材の前記先端部が前記カプセルの前記基端部を通り越して基端方向に移動されて、前記クリップを本クリップ装置の前記基端部分から配備する際に、前記タブを半径方向外向きに移動させるようなサイズ及び形状にされている、請求項1又は2に記載のクリップ装置。
【請求項4】
前記ヨークは、前記主要部分の基端部から先端方向に延びる一対のオーバーハングを含み、それにより、前記クリップアームの基端部は、前記主要部分と前記オーバーハングとの間で拘束される、請求項1~3のいずれか一項に記載のクリップ装置。
【請求項5】
前記クリップアームの前記基端部は、ロック解除形態において、前記クリップアームの前記基端部にあるロッキングタブが前記カプセルの対応するロッキングと係合することを防止されるように、半径方向外向きに付勢される、請求項4に記載のクリップ装置。
【請求項6】
前記ロッキングタブは、前記クリップアームの前記基端部から延びるとともに、前記ロッキングは、前記カプセルの壁を通して横方向に延び、それにより、前記クリップアームの前記基端部が前記ヨークから解放されると、前記ロッキングタブが前記ロッキング窓内に受け入れられて前記クリップを前記閉鎖形態にロックする、請求項5に記載のクリップ装置。
【請求項7】
前記クリップアームは、前記カプセルの一部分に係合するように構成された係合機構を含み、それにより、前記係合機構が前記カプセルに係合すると、前記クリップアームは、前記カプセルに対してさらに基端方向に移動することを防止され、且つ前記予め決められた力は、前記制御部材の前記先端部に加えられる、請求項1~6のいずれか一項に記載のクリップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡装置に関し、特に胃腸管に沿って組織を治療するための内視鏡用クリップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡的な胃腸(GI)処置中、患者は、GI管壁の穿孔のリスクがあり得るか、又は処置の一部としてGI管壁を塞ぐ必要があり得る。止血クリップは、管腔の穿孔を塞ぐとともに、例えば粘膜/粘膜下欠損、出血性潰瘍、動脈、ポリープ、憩室の止血に使用され得る。欠損のサイズに応じて、複数のクリップが必要とされ得る。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、クリップ装置に関し、該クリップ装置は、クリップを備え、該クリップは、基端部から先端部まで長手方向に延び、且つそれを通して延びるチャネルを含むカプセルと、一対のクリップアームであって、それらの基端部がチャネル内に摺動可能に受け入れられて、クリップアームを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる、一対のクリップアームとを含む。ブシュは、クリップを本装置の基端部分に解放可能に結合する。引張部材は、先端部分及び基端部分を含む。該先端部分及び基端部分のそれぞれは、クリップアームの基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされる。引張部材は、基端部分の対向面から延びて、クリップアームの基端部を通して延びる開口部内に受け入れられてクリップアーム間のアライメントを維持する一対の突起を含む。基端部分は、レリーフを含み、該レリーフは、一対のフィンガを画定するようにそれに沿って長手方向に延び、フィンガは、その基端部において互いに分離される。ヨークは、クリップアームの基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要部分を含み、主要部分は、その先端部に形成された凹部を含み、凹部は、引張部材の一対のフィンガを解放可能に受け入れるようなサイズ及び形状にされており、一対のフィンガは、クリップの配備中、一対のフィンガを凹部から解放し、且つ引張部材をヨークから係合解除するべく、予め決められた力がそれに加えられると、互いに向かって曲がるように構成される。制御部材は、クリップアームを開放形態と閉鎖形態との間で移動させるために、本装置の基端部分を通して、基端部から、ヨークに取り付けられた先端部まで延びる。
【0004】
ある実施形態において、一対のフィンガの外面は、丸みを帯び得、且つ主要部分に形成された凹部は、一対のフィンガが、予め決められた力がそれに加えられるまで凹部内に保持されるように対応して丸みを帯び得る。
【0005】
ある実施形態において、カプセルの基端部は、半径方向内向きに付勢されて、ブシュの対応する構造に係合するタブを含み得、ヨークの主要部分は、制御部材の先端部がカプセルの基端部を通り越して基端方向に移動されて、クリップを基端部分から配備する際に、タブを半径方向外向きに移動させるようなサイズ及び形状にされている。
【0006】
ある実施形態において、ヨークは、主要部分の基端部から先端方向に延びる一対のオーバーハングを含み得、それにより、クリップアームの基端部は、主要部分とオーバーハングとの間でロック解除形態に向かって拘束される。
【0007】
ある実施形態において、クリップアームの基端部は、ロック解除形態において、クリップアームの基端部におけるロッキング構造がカプセルの対応するロッキング機構と係合することを防止されるように、半径方向外向きに付勢され得る。
【0008】
ある実施形態において、ロッキング構造は、クリップアームの基端部から延びるロッキングタブを含むとともに、カプセルのロッキング機構は、その壁を通して横方向に延びる窓を含み得、それにより、クリップの基端部が制御部材の先端部から解放されると、ロッキングタブは、ロッキング窓内に受け入れられて、クリップを閉鎖形態にロックする。
【0009】
ある実施形態において、クリップアームは、カプセルの一部分に係合するように構成された係合機構を含み得、それにより、係合機構がカプセルに係合すると、クリップアームは、カプセルに対してさらに基端方向に移動することを防止され、及び予め決められた力は、制御部材の先端部に加えられる。
【0010】
本発明はまた、クリップ装置に関し、該クリップ装置はクリップを備え、該クリップは、基端部から先端部まで長手方向に延び、それを通して延びるチャネルを含むカプセルと、一対のクリップアームであって、それらの基端部は、チャネル内に摺動可能に受け入れられて、クリップアームを開放形態と閉鎖形態との間で移動させる、一対のクリップアームとを含む。ブシュは、クリップを本装置の基端部分に解放可能に結合する。制御部材は、本装置の基端部分を通して、基端部から、クリップアームに解放可能に結合された先端部まで延びて、クリップを開放形態と閉鎖形態との間で移動させ、且つヨークは、制御部材をクリップアームに解放可能に結合するために制御部材の先端部に取り付けられる。ヨークは、クリップアームの基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要部分と、一対の突起であって、主要部分の対向面から延びて、クリップアームの基端部を通して延びる開口部内に受け入れられてそれらの間のアライメントを維持する一対の突起と、それに形成された一対のレリーフとを含み、それにより、予め決められた力がヨークに加えられると、レリーフによって画定されたヨークの部分は、ヨークの残りの部分から分離されて、クリップの配備中にクリップアームを制御部材から解放する。
【0011】
ある実施形態において、一対のレリーフは、突起の対向する側面に沿ってヨークの主要部分の先端部から延びて、応力集中ネック部を画定し得、それに沿って、ヨークは、クリップの配備中に分離するように構成される。
【0012】
ある実施形態において、一対のレリーフは、予め決められた力がそれに加えられると、突起が切り落とされてクリップアームを制御部材から解放するように、主要部分の対向面に近接した突起を通して延び得る。
【0013】
ある実施形態において、カプセルの基端部は、半径方向内向きに付勢されて、ブシュの対応する構造に係合するタブを含み得、ヨークの主要部分は、制御部材の先端部がカプセルの基端部を通り越して基端方向に移動されて、クリップを基端部分から配備する際に、タブを半径方向外向きに移動させるようなサイズ及び形状にされている。
【0014】
ある実施形態において、ヨークは、主要部分の基端部から先端方向に延びる一対のオーバーハングを含み得、それにより、クリップアームの基端部は、主要部分とオーバーハングとの間でロック解除形態に向かって拘束される。
【0015】
ある実施形態において、クリップアームの基端部は、半径方向外向きに付勢され得、それにより、ロック解除形態において、クリップアームの基端部におけるロッキング構造は、カプセルの対応するロッキング機構と係合することを防止される。
【0016】
ある実施形態において、ロッキング構造は、クリップアームの基端部から延びるロッキングタブを含み得るとともに、カプセルのロッキング機構は、その壁を通して横方向に延びる窓を含み得、それにより、クリップの基端部が制御部材の先端部から解放されると、ロッキングタブは、ロッキング窓内に受け入れられて、クリップを閉鎖形態にロックする。
【0017】
ある実施形態において、クリップアームは、カプセルの一部分に係合するように構成された係合機構を含み得、それにより、係合機構がカプセルに係合すると、クリップアームは、カプセルに対してさらに基端方向に移動することを防止され、及び予め決められた力は、制御部材の先端部に加えられる。
【0018】
本発明は、標的組織を治療するための方法にも関する。クリップ装置は、体内の標的部位まで、内視鏡の作業チャネルを通して、クリップ装置のクリップが作業チャネルの先端部を通り越して先端方向に延びるまで挿入される。クリップ装置は、カプセル及びそれに摺動可能に受け入れられる一対のクリップアームを含み、一対のクリップアームは、先端部分と、クリップアームの基端部間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた基端部分とを含む引張部材によって互いに対して整列され、及び基端部分の対向面から延びる一対の突起は、クリップアームの基端部を通して延びる開口部内に受け入れられて、クリップアーム間のアライメントを維持する。クリップ装置は、選択された標的組織が先端部間に受け入れられるまで、クリップアームに結合された制御ワイヤによって開放形態と閉鎖形態との間で移動される。制御ワイヤの先端部は、ヨークによってクリップアームの基端部に結合され、ヨークは、クリップアームの基端部間に受け入れられる主要部分を含み、引張部材の基端部分の一対のフィンガは、主要部分の凹部に解放可能に受け入れられる。クリップアームは、基端方向にカプセルに引き込まれて、クリップを閉鎖形態に向かって移動させ、クリップアーム間で標的組織を掴む。クリップは、予め決められた力がヨークによって一対のフィンガに加えられて、一対のフィンガを互いに向かって曲げて、引張部材をヨークから解放するまで、カプセルに対して制御部材を基端方向に引くことにより、クリップ装置の基端部分から配備される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の例示的な実施形態によるクリップ装置の長手方向側面図。
図2図1のクリップ装置の一部分の長手方向側面の部分透視図。
図3図1のクリップ装置の配備メカニズムの長手方向側面の部分透視図。
図4図1によるクリップ装置の配備した部分の長手方向側面図。
図5】本発明の別の例示的な実施形態によるクリップ装置の長手方向側面の部分的な透視図。
図6図5のクリップ装置の配備メカニズムの長手方向側面の部分的な透視図。
図7】本発明の別の例示的な実施形態によるクリップ装置の長手方向側面の部分的な透視図。
図8図7のクリップ装置の配備メカニズムの長手方向側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、以下の説明及び添付図面を参照することにより、さらに理解され得、同様の要素には、同じ参照符号が付されている。本発明は、内部組織の穿孔、欠損及び/又は出血を治療するための内視鏡用クリップ装置に関する。いくつかの実施形態において、複数のクリップを配置するとき、標的部位をより見やすくし、且つより良好な操作性を可能にするために、配備されたクリップは、より短いことが好ましいことがあり得る。本発明の例示的な実施形態において、いくつかの現行のクリップと比べて、配備されたクリップの長さが短縮されるように、配備メカニズムが短くされたクリップ装置であって、クリップの複数の部分を体内に脱落させないように構成されるクリップ装置について説明する。配備メカニズムのヨーク部分は、当該ヨークに沿って形成された1つ以上のレリーフにより、配備メカニズムの残りの部分から壊れ且つ/又は分離するように構成され得る。制御部材の先端部に接続された分離されるヨーク部分は、以下に詳細に説明されるように、配備中に完全に分離されて、配備されたクリップから除去され、その後、体内から取り出される。当業者は、本明細書において、基端及び先端という用語が、装置のユーザに向かう方向と、装置がユーザから離れる方向とをそれぞれ指すことを意図されることを理解するであろう。
【0021】
図1~4に示すように、組織欠損を治療するためのクリップ装置100は、一対のクリップアーム104を含むクリップ102を備え、クリップアームの基端部108は、カプセル106内に摺動可能に受け入れられ、それにより、クリップ102は、クリップアーム104の先端部110が互いから分離される開放形態と、先端部110が互いに向かって引き寄せられる閉鎖形態との間で移動し得る。クリップアーム104は、ヨーク114及び引張部材116を介してクリップアーム104に結合されている制御部材112の基端方向及び先端方向の移動により、開放形態と閉鎖形態との間で移動される。
【0022】
引張部材116は、クリップ102が配備されて標的組織に被さって適所にロックされるまで、引張部材116に解放可能に結合されるヨーク114が、クリップアーム104の基端部108を、カプセル106内でのクリップアーム104のロックを防止するロック解除形態に向かって拘束している間、クリップアーム104の互いに対する所望のアライメントを維持するように構成される。クリップ102は、装置100の基端部分118に解放可能に結合され、標的部位へのクリップ装置100の挿入を容易にする。
【0023】
基端部分118は可撓性長尺状部材170を含み、該可撓性長尺状部材170は、制御部材112を収納し、且つクリップ102をハンドル及び/又はアクチュエータ172に接続する。該ハンドル及び/又はアクチュエータは、使用中、体外に留まってユーザがアクセスできるようにして、ユーザが、開放形態と閉鎖形態との間での装置100の動作及び移動を制御し、且つ標的組織に被さってクリップ102を配備させることができるようにする。可撓性長尺状部材170は、例えば、ブシュ122によってクリップ102に解放可能に結合され得る。制御部材112は、ハンドル部材172の一部分に接続された基端部から、ヨーク114に接続される先端部126まで長尺状部材を通して延びる。
【0024】
カプセル106は、基端部124から先端部128まで延びるとともに、当該基端部から先端部を通して延びるチャネル130を含む。一実施形態において、基端部124は例えばタブ132によってブシュ122に解放可能に結合されるように構成されており、該タブは、ブシュ122の対応する部分に係合するように半径方向内向きにクリンプされる。カプセル106は、例えば、下記で詳細に説明されるように、例えばクリップアーム104のロッキングタブ136に係合するようにカプセル壁を通して横方向に延びるロッキング窓134など、カプセル壁に形成されたロッキング機構も含む。
【0025】
クリップアーム104のそれぞれは、基端部108からその先端部110まで延びる。上述した通り、これらのクリップアーム104の基端部分は、カプセル106のチャネル130内に摺動可能に受け入れられる。具体的には、クリップアーム104のそれぞれの基端部108は、チャネル130内に摺動可能に受け入れられ、制御部材112を操作することにより、クリップ102を開放形態と閉鎖形態との間で移動させることができるようにする。一実施形態において、クリップアーム104は、開放形態に向かって付勢され、それにより、カプセル106から出て先端方向に進められると、クリップアーム104は、それらの自然な付勢下で互いに離れて開放形態に移動する。アーム104がカプセル106内に基端方向に引き入れられると、クリップアーム104は、カプセル106の壁によって拘束され、且つ先端部110が互いに隣接した状態で閉鎖位置に一緒に引き寄せられる。当業者は、クリップアーム104を開閉するための任意の数の他のメカニズムを用い得ることを理解する。
【0026】
この実施形態のクリップアーム104は、当該クリップアーム104から延びる係合機構138も含み、係合機構は、カプセル106の一部分に係合するように構成されており、それにより、係合機構138がカプセル106と係合すると、クリップアーム104は、カプセル106内へとさらに基端方向に移動することを防止される。一実施形態において、係合機構138は、これらのクリップアーム104のより基端方向にある部分の幅よりも広く、カプセル106内へと基端方向に引き込むことができるようなサイズにされた幅で横方向外向きに延びている。そのため、クリップアーム104が基端方向にカプセル106内に引き込まれると、係合機構138は、カプセル106の先端面154の一部分に当接する。係合機構138は、クリップアーム104に沿って位置決めされ、それにより、係合機構138がカプセル106と係合している箇所において、クリップアーム104は、カプセル106内に十分に基端方向に引き入れられて、クリップアーム104を一緒に閉鎖形態に引き寄せる。一例では、係合機構138は、クリップアーム104の長手方向縁から横方向に延びるウィングとして構成される。
【0027】
クリップアーム104の基端部108は、例えば、それから延びるロッキングタブ136などのロッキング機構を含む。この実施形態において、クリップアーム104の基端部108は、カプセル106の中心線から離れるように半径方向外向きに付勢されるが、クリップ102の配備前にはヨーク114によって抑え込まれ、且つカプセル106の壁に係合することを防止される。クリップ102が配備されると、制御部材112は、ヨーク114によってクリップ102から解放され、及びロッキングタブ136は、自由になって半径方向外向きに勢いよく外されてロッキング窓134と係合し、標的組織に被さってクリップアーム104を閉鎖形態にロックする。この実施形態のクリップアーム104の基端部108は、それを通して延びる開口部140も設けられており、そこに引張部材116の一部を受け入れて、クリップアーム104を互いに対して所望のアライメントに保持する。
【0028】
引張部材116は、クリップアーム104の基端部108間に受け入れられるように構成されており、且つ先端部分144から基端方向に延びる基端部分142を含む。基端部分142は、ヨーク114の対応するサイズ及び形状にされた部分内に受け入れられるようなサイズ及び形状にされている。基端部分142はレリーフ146を含む。該レリーフ146は、先端方向にその内部へと延びて、一対のフィンガ148を画定する。該フィンガ148は、クリップ102の配備中、互いに向かって曲がり且つ/又は変形して、引張部材116をヨーク114から解放し得る。
【0029】
フィンガ148のそれぞれは、外向きに湾曲した形状を有し、それにより、一対のフィンガ148は、クリップ102の概ね丸みを帯びた基端部分142を形成して、分離(すなわち配備)が望まれるまでヨーク114内での基端部分142の保持を容易にする。フィンガ148は、その対向面から延びる突出部150を含み、各突出部150は、クリップアーム104の開口部140の対応する開口部に受け入れられて、クリップアーム104間のアライメントを維持する。各突出部150は、開口部140の形状に対応するようなサイズ及び形状にされ、且つ一実施形態において、各突出部150が両方のフィンガ148に沿って延びてフィンガ148をヨーク114から解放できるように、概ねC字形状の横断面を有する。この実施形態において、先端部分144の幅は、カプセル106の幅(例えば、直径)に概ね一致し、それにより、引張部材116は、そのチャネル130内で摺動可能である。
【0030】
ヨーク114は、クリップアーム104の基端部108間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要部分152と、クリップアーム104の基端部108をロック解除形態に拘束するオーバーハング160とを含む。該ロック解除形態においては、クリップアーム104のロッキングタブ136がカプセル106のロッキング窓134との係合から外れた状態に保持される。主要部分152は、制御部材112の先端部126に取り付けられた基端部154から先端部156まで延びる。一実施形態において、主要部分152は、対向面162と横方向面164とによって画定される。各対向面162は、クリップアーム104の基端部108の対応する基端部に接触し、横方向面164は、対向面162の長手方向縁166を基端部154から先端部156まで接続する。
【0031】
オーバーハング160は、対向面162に沿って基端部154から先端方向に延びて、各基端部108が、主要部分152と、オーバーハング160のうち対応するものの1つとの間に受け入れられるようにする。このように、オーバーハング160は、カプセルの壁との係合から外れて、カプセル106の中心線の近くの位置にクリップアーム104の基端部108を保持して、クリップ102が配備されるまで、ロッキングタブ136がロッキング窓134と係合することを防止する。
【0032】
主要部分152の先端部156内へと基端方向に延びる凹部158は、引張部材116の基端部分142を受け入れるようなサイズ及び形状にされる。一実施形態において、凹部158は、基端部分142の湾曲したフィンガ148を当該凹部158内に受け入れるために、概ねC字形状である。凹部158及びフィンガ148の対応する湾曲部は、ヨーク114と引張部材116が互いに係合解除することが望まれるまで、フィンガ148が凹部158内に確実に保持されるようにする。上述した通り、一対のフィンガ148は、予め決められた力が加えられると、互いに向かって変形して、引張部材116をヨーク114から解放するように設計されている。クリップ102が閉じられて、クリップアーム104の係合機構138がカプセル106に対するクリップアーム104のさらなる基端方向への移動を防止するとき、ヨーク114が引張部材116から分離される箇所において予め決められた力が加えられるまで、制御部材112に基端方向の力を継続的に加えられることにより、制御部材112にかかる張力を増加させる。
【0033】
主要部分152の幅は、カプセル106の幅(例えば、直径)に概ね一致し、それにより、クリップアーム104が開放形態と閉鎖形態との間で移動する間、主要部分152がカプセル106のチャネル130内で摺動可能である。これは、配備中、ブシュ122からのカプセル106の解放も容易にする。ヨーク114が引張部材116から分離すると、クリップアーム104の基端部108は、オーバーハング160から解放され、クリップアーム104のロッキングタブ136が自由になって半径方向外向きに勢いよく外れて、カプセル106のロッキング窓134と係合し、クリップ102を閉鎖形態にロックする。
【0034】
次いで、ユーザは、制御部材112に基端方向の力を加え続けて、ヨーク114を、カプセル106の基端部124を通り越して基端方向に移動させて、主要部分152の幅を画定する横方向面162が、カプセル106の内向きに縁が曲げられているタブ132を半径方向外向きにカプセル106の中心線から離れるように押して、カプセル106をブシュ122から係合解除し、クリップ102を装置100の基端部分118から自由にして、装置100の基端部分118が体内から引き出されるとき、クリップ102が標的組織に被さりクリップ留めされて適所に残され得るようにする。
【0035】
一実施形態において、ヨーク114は、ブシュ122内へと基端方向に引き込まれて、ヨーク114は、装置100の基端部分118とともに体内から取り出されるが、その際、装置100のいずれの部分も体内に脱落せず、基端部分118を体内から引き出した後に体内に残る唯一のものは、配備されたクリップ102である。別の実施形態において、ヨーク114は、ブシュ122を通して可撓性長尺状部材170のフレア付き先端部内に引き込まれ、同様に基端部分118を引き出している間にヨーク114を体内から取り出し得る。
【0036】
クリップ装置100を用いる例示的な方法によれば、クリップ102は、例えば、内視鏡の作業チャネルを通して体内の標的部位まで挿入されるが、ハンドル部材は、体外に留まる。クリップ102は、閉鎖形態にある作業チャネルを通して挿入される。クリップ102が標的部位に到達すると、ユーザは、制御部材112を先端方向に進めて、クリップアーム104を先端方向に進めてカプセル106から出し、クリップアーム104を自由にして、それらの自然な付勢下で開放形態に向かって移動できるようにし、標的組織がクリップアーム104間に受け入れられ得るようにする。その後、ユーザは、制御部材112を動作させて、組織の標的部分が必要に応じてクリップアーム104間に位置決めされるまで、必要に応じてクリップ102を開放形態と閉鎖形態との間で移動させ得る。その後、ユーザは、制御部材112を基端方向に引いて(又は基端部分118を制御部材112にわたって先端方向に進めて)、クリップアーム104がカプセル106内に引き込まれるとき、クリップアーム104が互いに向かって引き寄せられて、標的組織をクリップアーム104の先端部110間で掴むようにする。
【0037】
クリップ102が、標的組織を掴む所望の位置にあることにユーザが満足すると、ユーザは、上述の通り、係合機構138がカプセル106と係合した後、引張部材116のフィンガ148が互いに向かって曲がり/変形し、且つヨーク114の凹部158から解放される状態になるまで、制御部材112に加える力を基端方向に増大し続ける。ヨーク114が引張部材116から分離されると、クリップアーム104の基端部108は、オーバーハング160から解放され、ロッキングタブ136がカプセル106のロッキング窓134に係合してクリップ102を閉鎖形態にロックするまで、基端部108が自由になって、カプセル106の中心線から外向きに勢いよく外れるようにする。
【0038】
その後、ユーザは、先端部114がタブ132に係合してそれらを外向きに押して、カプセル106をブシュ122から係合解除し、且つクリップ102を装置100の基端部分118から自由にして、クリップ102を標的組織に結合されたままにするまで、制御部材112をカプセル106に対してさらに基端方向に引く。その後、制御部材112は、ヨーク114がブシュ122内に受け入れられ、且つ基端部分118を、それに受け入れられる制御部材112全体と一緒に体内から引き出すまで基端方向に引かれ得る。
【0039】
この実施形態の引張部材116とヨーク114の組み合わせの長さは、約2mmであり得、いくつかの従来のクリップ設計と比較すると、従来のクリップ設計では、配備メカニズムの長さの組み合わせは、約6~7mmである。比較的短くされた配備メカニズムは、カプセル106の長さを約7~8mm、特定の一実施形態において約7.5mmと対応して短くする。この実施形態のカプセル106は、長さが12.5~13.5mmに及び得る従来の一部のクリップよりも概ね短くできる。当業者は、配備中の引張部材116からのヨーク114の分離及び配備時のヨーク114の除去により、体内に複数の部分が脱落することが防止されることを理解するであろう。当業者は、クリップ装置200~300が、下記で詳細に説明するように、同様に短くされた配備メカニズム及びカプセル長さを有し、それにより、配備されたクリップ長さを従来の一部のクリップと比較して短くすることも理解するであろう。
【0040】
図5~6に示すような、別の例示的な実施形態によるクリップ装置200は、上述のクリップ装置100と概ね同様である。同クリップ装置200は、クリップ202を備え、該クリップ202は、一対のクリップアーム204を含み、それらクリップアームの基端部208は、カプセル206内に摺動可能に受け入れられ、それにより、クリップ202は、クリップアーム204の先端部が互いに分離される開放形態と、先端部が互いに向かって引き寄せられる閉鎖形態との間で移動し得る。クリップアーム204は、上述のような制御部材212及び制御部材212によって開放形態と閉鎖形態との間で移動され、制御部材の先端部226は、ヨーク214に結合されている。
【0041】
カプセル206、クリップアーム204及びカプセル206が解放可能に結合されるクリップ装置200の基端部分218は、上述の装置100の対応する要素と概ね同様である。しかしながら、互いに解放可能に結合された別個のヨーク及び引張部材ではなく、クリップ装置200は、単一の要素、すなわちヨーク214を含む。該ヨーク214は、制御部材212をクリップアーム204に解放可能に結合し、且つクリップアーム204間の所望のアライメントを維持する。
【0042】
ヨーク114と同様に、ヨーク214は、クリップアーム204の基端部208間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要本体252を含む。主要本体252は、制御部材212の先端部226に接続された基端部254から先端部256まで延びる。主要本体252は、対向面262によって画定され、各対向面262は、クリップアーム204の対応するクリップアームに対面及び/又は接触する。横方向面264は、対向面262の長手方向縁266を基端部254から先端部256まで接続する。ヨーク214は、対向面262のそれぞれに沿って基端部255から先端方向に延びるオーバーハング260も含み、それにより、各クリップアーム204の基端部208は、主要本体252と、オーバーハング260の対応するオーバーハングとの間に受け入れられる。オーバーハング260は、基端部208を拘束し、それらをカプセル206の壁から離れるように保持して、クリップ202が配備されるまで、クリップアーム204の基端部208におけるロッキングタブ236がカプセル206のロッキング窓234と係合し、且つクリップ202を閉鎖形態にロックすることを防止する。
【0043】
ヨーク214は、その対向面262から延びる突起250も含み、各突起250は、クリップアーム204の対応するクリップアームの基端部208を通して延びる対応する開口部240に受け入れられ、それらの間のアライメントを維持する。このように、配備前形態では、主要本体252は、基端部208間に受け入れられ、各オーバーハングは、クリップアーム204の対応するクリップアームに被さって延び、及び各突起250は、クリップアーム204の1つの対応する開口部240を通して延びる。
【0044】
主要本体252は、一対のレリーフ246も含み、該レリーフ246は、主要本体252に沿って長手方向に、突起250の対向面に沿って先端部256から延びる。レリーフ246は、突起250の基端側に応力集中ネック部248をもたらすようなサイズ、形状及び構成にされており、応力集中ネック部は、配備中に壊れるか又はさもなければ係合解除若しくは分離する。特に、クリップ装置100に関して上述した通り、クリップアーム204の係合機構がカプセル206の先端部に係合し、且つ予め決められた力がヨーク214に加えられると、ヨーク214は、応力集中ネック部248で壊れるか又は分離して、突起250を含むヨーク214の第1の部分244をクリップアーム204に接続したままにする一方、残りの基端部分(第2の部分242)は、それから分離されて、制御部材212に結合されたままになる。
【0045】
ヨーク114と同様に、ヨーク214の主要部分252の幅は、カプセル206の幅(例えば、直径)に概ね一致し、それにより、クリップアーム204が開放形態と閉鎖形態との間で移動する間、主要部分152は、カプセル206のチャネル230内で摺動可能であり、且つ配備中に基端部分218のブシュ222からのカプセル206の解放を容易にする。特に、応力集中ネック部248において、第2の部分242から第1の部分244が分離すると、クリップアーム204の基端部208は、クリップアーム204のロッキングタブ236が外向きに勢いよく外れて、カプセル206のロッキング窓234に係合し、クリップ202を閉鎖形態にロックするようにオーバーハング260から解放される。
【0046】
ユーザが制御部材212に継続的に基端方向の力を加えると、第2の部分242は、カプセル206の基端部224を通り越して基端方向に移動され、それにより、主要部分252の幅を画定する横方向面264が、カプセル206の内向きに縁が曲げられているタブ232を半径方向外向きにカプセル206の中心線から離れるように押し込んで、カプセル206をブシュ222から係合解除し、クリップ202を装置200の基端部分から自由にする。装置200の基端部分が体内から取り出されると、クリップは、標的組織の上側にクリップ留めされて体内に留まり得る。当業者は、クリップ装置200がクリップ装置100と概ね同様の方法で使用され得るため、クリップ202のみが体内に残り、装置200のいずれの部分も体内に脱落されないことを理解するであろう。
【0047】
図7~8に示すように、クリップ装置300は、上述のクリップ装置200と概ね同様であり、開放形態と閉鎖形態との間で可動であるクリップ302を備える。クリップ302は、基端部分318の先端部におけるブシュ322と、クリップ302のカプセル306との間の分離可能な接続部によって装置300の基端部分318に解放可能に結合されている。クリップ装置300は、ヨーク314を含む。該ヨーク314は、制御部材312をクリップ302の一対のクリップアーム304に結合してクリップアーム304をカプセル306に対して移動させて、上述の通りクリップアーム304を開放形態と閉鎖形態との間で移動させる。
【0048】
ヨーク314はまた、クリップアーム304間の所望のアライメントも維持する。ヨーク214と同様に、ヨーク314は、クリップアーム304の基端部308間に受け入れられるようなサイズ及び形状にされた主要部分352と、基端部308におけるロッキングタブ336がカプセル306のロッキング窓334との係合から外れて保持される状態で、クリップアーム304をロック解除形態に拘束するオーバーハング360と、主要部分352の対向面362から延び、クリップアーム304の基端部308を通して延びる開口部内に受け入れられ、それらの間の所望のアライメントを維持する突起350とを含む。
【0049】
主要部分352は、クリップ装置200の主要部分252と概ね同様のサイズ、形状及び構成にされている。配備中、主要部分の第1の部分と第2の部分との間が分離する箇所に位置する応力集中ネック部を画定する一対のレリーフではなく、この実施形態において、ヨーク314は、突起350を通して延びるスロット346を含む。これらスロットは、突起350の横断面を減少させて脆弱な位置を生じ、その位置において、下記で詳細に説明されるように、突起350が切り落とされて、クリップ302を配備しなくなる。
【0050】
一実施形態において、スロット346のそれぞれは、対向面362に近接した突起350の一部分に形成され、それにより、予め決められた力がそれに加えられると、突起350は、この箇所で切り落とされ、クリップアーム304の基端部308をヨーク314から解放する。特に、標的組織が必要に応じてクリップアーム304間で掴まれると、制御部材312は、クリップアーム304の係合機構がカプセル306に係合して、カプセル306に対するクリップアーム304のさらなる基端方向の移動を防止するまで、カプセル306に対して基端方向に移動される。ユーザが制御部材312にさらに基端方向に向けた力を加えると、カプセル306は、突起350が切り落とされ、且つ基端部308がそれから解放される予め決められた力に達するまで突起350に力を加え、それらの自然な付勢下でクリップアーム304の基端部308が自由になり、半径方向外向きに勢いよく外れて、クリップアーム304のロッキング機構がカプセル306の対応するロッキング機構に係合する。
【0051】
例えば、基端部308は、外向きにカプセル306の中心線から離れるように勢いよく外れるため、基端部308から延びるロッキングタブ336は、カプセル306のロッキング窓334に係合する。この時点で、ヨーク314がクリップアーム304から分離され、且つ主要部分352の幅を画定する主要部分352の横方向面364が、カプセル306の基端部324における内向きに縁が曲げられているタブ332に係合して、タブ332を半径方向外向きにブシュ322との係合から外すように移動させるまで、ユーザは、制御部材312をさらに基端方向に引き寄せる。当業者は、クリップ装置300がクリップ装置100、200と概ね同様の方法で使用され得ることを理解するであろう。当業者は、この実施形態(例えば、突起350を切り落とす)におけるいずれの脱落した部分もクリップ302にトラップされたままとなり、脱落した部分が、閉じられた標的組織に干渉することを防止することも理解するであろう。
【0052】
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に対する様々な修正形態がなされ得ることが明らかであろう。
いくつかの実施形態は、「結合された」及び「接続された」という表現をそれらの派生語とともに使用して説明され得る。これらの用語は、互いに同義語であることを意図しない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接物理的又は電気的に接触していることを示すために、「接続された」及び/又は「結合された」という用語を使用して説明され得る。しかしながら、「結合された」という用語は、2つ以上の要素が互いに直接接触していないが、それでも依然として互いに協働又は相互作用することも意味し得る。
【0053】
本明細書では、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」は、文脈上明白に他の意味を示す場合を除いて、複数形も含むことを意図する。本明細書では、「備える/からなる」及び/若しくは「備えている/からなる」又は「包含する」及び/又は「包含している」という用語は、述べた特徴、領域、ステップ、要素及び/又は構成要素の存在を明記するが、1つ以上の他の特徴、領域、整数、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことをさらに理解されたい。
【0054】
さらに、いくつかの実施形態において、「実質的な」又は「概ね」という用語及び「およそ」又は「約」という用語は、区別しないで使用され得、且つ当業者によって認められる任意の相対的な方法を使用して説明され得る。例えば、これらの用語は、依然として意図した機能をもたらす逸脱を示すために、基準パラメータとの比較としての機能を果たし得る。非限定的ではあるが、基準パラメータからの逸脱は、例えば、1%未満、3%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満などの量であり得る。
【0055】
特定の実施形態を本明細書で示し且つ説明したが、同じ目的を達成するために計算された任意の配置構成が図示の特定の実施形態の代わりとなり得ることを認識すべきである。本発明は、様々な実施形態のあらゆる適合形態又は変形形態を網羅するものとする。上記の説明は、説明のためになされ、限定ではないことが理解される。上記の実施形態の組み合わせ及び本明細書で具体的に説明しない他の実施形態は、上記の説明を検討すれば当業者に明らかである。そのため、様々な実施形態の範囲は、上述の構成要素、構造及び方法が使用される任意の他の応用を含む。
【0056】
構造上の特徴及び/又は方法論的な行為に特有の言語で主題を説明したが、添付の特許請求の範囲で定義される主題は、必ずしも上述の特定の特徴又は行為に限定されないことを理解されたい。むしろ、上述の特定の特徴及び行為は、特許請求の範囲を実施するための例示的な形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8