(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】共回転スクロール圧縮機におけるオルダム継手
(51)【国際特許分類】
F04C 18/02 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
F04C18/02 311F
(21)【出願番号】P 2021559529
(86)(22)【出願日】2019-04-08
(86)【国際出願番号】 US2019026250
(87)【国際公開番号】W WO2020209827
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】316011466
【氏名又は名称】日立ジョンソンコントロールズ空調株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000350
【氏名又は名称】ポレール弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ペン ジャンホイ
(72)【発明者】
【氏名】フェン フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ジーン フィールズ
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04178143(US,A)
【文献】米国特許第06146118(US,A)
【文献】国際公開第2017/183615(WO,A1)
【文献】特開2018-141443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機であって、
円筒形のハウジングと、
前記円筒形のハウジングと係合する下部キャップハウジングと、
主軸に沿って配置された主シャフトと、
ドライバスクロールであって、前記主軸に整列したドライバ軸を有し、前記ドライバスクロールのベースプレートから延びる螺旋状インボリュートを有するドライバスクロールと、
アイドラスクロールであって、前記主軸からオフセットされた軸を有し、前記ドライバスクロールの前記螺旋状インボリュートと噛み合う螺旋状インボリュートを有するアイドラスクロールと、
前記ドライバスクロールと前記アイドラスクロールとの間に配置されたオルダム継手と、
前記ドライバスクロールの前記ベースプレートから前記アイドラスクロールに向かって延びる2つのキースロットと
を含み、各キースロットは、前記オルダム継手の対応するドライバスクロールキーとそれぞれ係合し、
前記2つのキースロットの各々
の中心を通る第一平面は、前記ドライバ軸を通って延びる第二平面に平行で、オフセットされる、圧縮機。
【請求項2】
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの前記
2つのキースロットと係合すると、
前記ドライバスクロールキーの各々の中心を通る第三平面が前記第一平面と一致する、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記オルダム継手を、前記ドライバスクロールキーの各々の中心を通る第三平面により第一部分と第二部分に区分するとき、前記オルダム継手の一方のアイドラスクロールキーを含む前記第一部分は、他方のアイドラスクロールキーを含む前記第二部分よりも大きい質量を有する、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記オルダム継手の前記第一部分において軸方向に追加部分を有する、請求項3に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの前記
2つのキースロットと係合すると、前記第一平面に平行な前記オルダム継手の質量中心を通る
第四平面が、前記ドライバ軸を通って延びる前記第二平面と一致する、請求項3に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記オルダム継手は、外側を向く外面を有し、
2つのアイドラスクロールキーのうちの一方の両側に隣接する
前記外面の第一部分は、前記オルダム継手の他方のアイドラスクロールキーの両側に隣接する
前記外面の第二部分よりも半径方向にさらに延びる、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの前記
2つのキースロットと係合すると、前記第一平面に平行な前記オルダム継手の質量中心を通る
第四平面が、前記ドライバ軸を通って延びる前記第二平面と
一致する、請求項6に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記ドライバスクロールの前記ベースプレートに、
外面から半径方向に前記ドライバ軸に向かって延びる穴が配置され、
前記穴は、前記第一平面と直交する平面と平行である、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項9】
2つの支持延長部が、前記ドライバスクロールの前記ベースプレートから前記アイドラスクロールに向かって延び、各々が前記キースロットのうちの1つを含み、
前記2つの支持延長部は互いに向かい合う第一構造と第二構造を含み、前記第一構造は、前記第二構造よりも大きい質量を有する、請求項1に記載の圧縮機。
【請求項10】
圧縮機であって、
円筒形のハウジングと、
前記円筒形のハウジングと係合する下部キャップハウジングと、
主軸に沿って配置された主シャフトと、
ドライバスクロールであって、前記主軸に整列したドライバ軸を有し、前記ドライバスクロールのベースプレートから延びる螺旋状インボリュートを有するドライバスクロールと、
アイドラスクロールであって、前記主軸からオフセットされた軸を有し、前記ドライバスクロールの前記螺旋状インボリュートと噛み合う螺旋状インボリュートを有するアイドラスクロールと、
2つのドライバスクロールキーを有
し、前記ドライバスクロールと前記アイドラスクロールとの間に配置されたオルダム継手と
を含み、前記2つのドライバスクロールキーの各々
の中心を通る第一平面は、前記オルダム継手の質量中心を通って延びる第二平面に平行で、オフセットされる、圧縮機。
【請求項11】
2つのキースロットが、前記ドライバスクロールの前記ベースプレートから前記アイドラスクロールに向かって延び、各キースロットが、前記オルダム継手の前記
2つのドライバスクロールキーとそれぞれ係合するように構成され、
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの前記
2つのキースロットと係合すると、前記第一平面は、前記ドライバスクロールの前記キースロットの中心を通る第三平面と
一致する、請求項10に記載の圧縮機。
【請求項12】
前記オルダム継手を前記第一平面により第一部分と第二部分に区分するとき、前記オルダム継手の一方のアイドラスクロールキーを含む前記第一部分は、他方のアイドラスクロールキーを含む前記第二部分よりも大きい質量を有する、請求項
11に記載の圧縮機。
【請求項13】
前記オルダム継手の前記第一部分において軸方向に追加部分を有する、請求項12に記載の圧縮機。
【請求項14】
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの前記
2つのキースロットと係合すると、前記第一平面に平行な前記オルダム継手の質量中心を通る前記第二平面が、前記
ドライバ軸を通って延びる第四平面と一致する、請求項12に記載の圧縮機。
【請求項15】
前記オルダム継手は、外側を向く外面を有し、
2つのアイドラスクロールキーのうちの一方の両側に隣接する
前記外面の第一部分は、前記オルダム継手の他方のアイドラスクロールキーの両側に隣接する
前記外面の第二部分よりも半径方向にさらに延びる、請求項10に記載の圧縮機。
【請求項16】
前記オルダム継手の前記ドライバスクロールキーが前記ドライバスクロールの
対応するキースロットと係合すると、前記第一平面に平行な前記オルダム継手の質量中心を通る前記第二平面が、前記
ドライバ軸を通って延びる第四平面と一致する、請求項15に記載の圧縮機。
【請求項17】
スクロール圧縮機のドライバスクロールであって、
螺旋状インボリュートであって、前記ドライバスクロールのベースプレートから延び、ドライバ軸を有する螺旋状インボリュートと、
前記ドライバスクロールの前記ベースプレートから延びる2つのキースロットであって、各キースロットは、オルダム継手の対応するドライバスクロールキーとそれぞれ係合するように構成された、2つのキースロットを備え、
前記2つのキースロットの各々
の中心を通る第一平面は、前記ドライバ軸を通って延びる第二平面に平行で、半径方向にオフセットされる、スクロール圧縮機のドライバスクロール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、共回転スクロール圧縮機の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
スクロール圧縮機は、可変冷媒流量(VRF)システムを含む冷媒圧縮用途において、広く使用されている。共回転スクロール圧縮機は、ドライバスクロールおよびアイドラスクロールと、ドライバスクロールおよびアイドラスクロールの両方のインボリュート部分を片側に含むが、シャフト部分は反対側にある。各インボリュートの中心は、そのそれぞれのシャフト部分の中心にある。ドライバスクロールは、長いシャフトを有することができ、アイドラスクロールは、より短いシャフトまたはシャフト用の軸受ハブを有することができる。いくつかの実装形態では、ドライバスクロールは、圧縮機の中心にあり、すなわち、圧縮機の中心軸または中心線と整列され、その回転は、ロータおよびステータを含むモータ構成要素によって駆動される。アイドラスクロールは、平行に配置されてもよいが、軌道半径(Ror)はドライバスクロールからオフセットされる。オルダム継手は、ドライバスクロールとアイドラスクロールとの間に直接配置される。一般に、ドライバスクロールはオルダム継手を回転させ、継手はその後、アイドラスクロールを回転させる。両方のスクロールが回転する間、それぞれの間の相対的な運動は周回運動である。したがって、一方のインボリュートは、他方のインボリュートに対して回転する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
いくつかの実装形態は、圧縮機のための構成および技術を含み、圧縮機は、円筒形のハウジングと、円筒形のハウジングと係合する下部キャップハウジングと、主軸に沿って配置された主シャフトと、主軸に整列したドライバ軸を有し、ドライバスクロールのベースプレートから延びる螺旋状インボリュートを有するドライバスクロールと、主軸からオフセットされた軸を有し、ドライバスクロールの螺旋状インボリュートと噛み合う螺旋状インボリュートを有するアイドラスクロールと、ドライバスクロールとアイドラスクロールとの間に配置されたオルダム継手と、ドライバスクロールのベースプレートからアイドラスクロールに向かって延びる2つのキースロットとを含むことができ、各キースロットは、オルダム継手の対応するドライバキーとそれぞれ係合する。2つのキースロットの各々を通る第一平面は、ドライバ軸を通って延びる第二平面に平行で、オフセットされる。
【0004】
他の実装形態は、圧縮機のための構成および技術を含み、円筒形のハウジングと、円筒形のハウジングと係合する下部キャップハウジングと、主軸に沿って配置された主シャフトと、主軸に整列したドライバ軸を有し、ドライバスクロールのベースプレートから延びる螺旋状インボリュートを有するドライバスクロールと、主軸からオフセットされた軸を有し、ドライバスクロールの螺旋状インボリュートと噛み合う螺旋状インボリュートを有するアイドラスクロールと、2つのドライバスクロールキーを有するドライバスクロールとアイドラスクロールとの間に配置されたオルダム継手とを含む。さらに、2つのドライバスクロールキーの各々を通る第一平面は、オルダム継手の幾何学的中心を通って延びる第二平面に対して平行であり、オフセットされている。
【0005】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。異なる図において同じ参照番号を使用することは、類似または同一の品目または特徴であることを示している。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】いくつかの実装形態による共回転スクロール圧縮機1の断面図の例を示す。
【
図2】いくつかの実装形態によるスクロール圧縮機の断面図の下部の例を示す。
【
図3】いくつかの実装形態による、断面の等角図におけるスクロール圧縮機の下部の例を示す。
【
図4】いくつかの実装形態によるオルダム継手の例の上面図の例を示す。
【
図5】いくつかの実装形態によるオルダム継手の例の分離図の例を示す。
【
図6】いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。
【
図7】いくつかの実装形態による、ドライバスクロールの底面図の例を示す。
【
図8】いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。
【
図9】いくつかの実装形態による、
図8のオルダム継手の数学的表現の例を示す。
【
図10】いくつかの実装形態による、オルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。
【
図11】いくつかの実装形態による、オルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。
【
図12】いくつかの実装形態による、ドライバスクロールの底面図の例を示す。
【
図13】いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。
【
図14】いくつかの実装形態による、
図13のオルダム継手の例を示す。
【
図15】いくつかの実装形態による、オルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。
【
図16】いくつかの実装形態による、オルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。
【
図17】いくつかの実装形態による、
図8のオルダム継手の数学的表現の例を示す。
【
図18】いくつかの実装形態による、例示的な共回転スクロール解析を示す。
【
図19】いくつかの実装形態による、共回転スクロール解析の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
ドライバスクロールおよびアイドラスクロールのそれぞれのインボリュートは、動作中に冷媒ガスの三日月形のポケットを形成する噛合対の螺旋状インボリュートとして互いに嵌合する。一般に、圧縮中、吸入ガスが圧縮機に入り、次いでスクロール対の外側領域に入る。ポケットは、周回運動が起こると体積が減少し、このことがガスをより高い圧力に圧縮する。いくつかの実装形態では、中央セクションの近くで、圧縮ポケットは、ドライバスクロールの排出ポートに到達し、高圧ガスがこのポートから出る。いくつかの実装形態では、圧縮機は「高圧サイド」の設計であり、それにおいて吸入ガスが圧縮室に直接入り、圧縮機の容積部の大部分が吐出圧力にある。
【0008】
いくつかの例では、アイドラスクロールの軸は、スクロールインボリュートの軌道の半径の距離だけドライバスクロールの軸から数学的にオフセットされている。当然ながら、半径方向でのコンプライアンスの技術では、アイドラスクロール軸の位置は、わずかな増分で自動調整することができる。以下の説明では、わずかな増分は無視することができ、アイドラ軸の位置は一定と考えることができる。一般に、ドライバスクロールが回転し、次いでこの動きがそれぞれのオルダム継手キーに伝達され、ひいてはオルダム継手が回転する。オルダム継手がドライバスクロールと共に回転する間、オルダム継手は、ドライバスクロールの対応するキースロット内で、そのキーによって前後にスライドする。これにより、アイドラスクロール用のオルダム継手のスクロールキーは次いで、ドライバスクロールと調和してアイドラスクロールを回転させる。これにより、インボリュート周回運動と同様の、ドライバスクロールに対するオルダム継手の周回運動が生じる。2つのスクロールインボリュートも互いに対して旋回し、これによりガスの圧縮が生じる。
【0009】
共回転スクロールのいくつかの例では、オルダム継手は、整列のための重要な特徴が同時に生成されるため、可能な限り小さい製造誤差を確保するために、ドライバスクロールとアイドラスクロールとの間に直接配置される。しかし、直接的な整列のために設計されたオルダム継手は、ドライバスクロールとアイドラスクロールとの間にある不可避の構造と衝突するのを回避する困難を提示する。これらの例は、主軸受座の部分、スクロールインボリュートの外側部分、および段付きボルト62(後述)である。
【0010】
いくつかの実装形態では、ドライバスクロールのキースロットおよび支持延長部をシフトさせることができ、これにより、オルダム継手の中心質量を効果的に移動またはシフトさせる。さらに、いくつかの実装形態では、キースロットおよび支持延長部と係合するオルダム継手のキーは、オルダム継手の中心面から離れるように移動またはシフトされる。これは、オルダム継手の中心質量をシフトまたは移動させる。
【0011】
図1は、いくつかの実装形態による共回転スクロール圧縮機1の断面図の例を示す。圧縮機の本体またはハウジングは、上部キャップ2、中央シェル4、および下部キャップまたはベース6を含むことができる。これらの構成要素は、部分12および14に示すように、互いに圧入されてもよい。上部キャップ2、中央シェル4、および下部キャップ6は、ほぼ円形の輪郭を有することができる。下部キャップ6は、本質的に、ドライバスクロール96の主軸または中心線に本質的に平行な、垂直に延びる縁部またはリムを有するボウル形であってもよい。下部キャップ6は、圧縮機の構成要素が組み立てられる、または配置される開口端または開口面を有することができる。中央シェル4は、本質的に、主軸96に平行な軸を有する円筒形であってもよく、主軸受24および/または下部軸受もしくはアイドラスクロール軸受94などの、主シャフトまたはドライバスクロールシャフト20の1つ以上の軸受のボアと同心であってもよい。中央シェル4は、開いた上端および下端を有し、「ケース」と呼ぶことができる。上部キャップ2は、本質的に、主軸96に本質的に平行な垂直縁部またはリムを有するボウル形であってもよい。下部キャップ6は、開口端または開口面を有し、開口端または開口面は、例えば、ドライバスクロール50およびアイドラスクロール80および関連する構成要素などの圧縮機構または圧縮ユニットの構成要素を含むことができる、組み立て中に所定の位置において一度圧縮された圧縮機の構成要素を、収容する。中央シェル4は、板金または鋼管などであってもよい。上部キャップ2、中央シェル4、および下部キャップ5は、低次の炭素の鋼で作られてもよい。さらに、スクロール圧縮機1は、周囲環境から密閉されてもよいが、本明細書に記載の技術は、性能を損なうことなく、半密閉のスクロール設計に適用することもできる。図示のように、気密端子40は、中央シェル4内に、または代替的に上部キャップ2内に配置され得る。
【0012】
いくつかの実装形態では、高い室28などの主軸受座26の上方の圧縮機室全体は、高圧吐出ガス、モータ構成要素(例えば、モータステータ16およびモータロータ18)、および上部軸受22アセンブリを含む。この室はまた、本質的に主軸受座26とモータ構成要素との間にあってもよい油溜めまたはリザーバ42を収容してもよい。主軸受座26の下方の室は、低圧吸引ガス、圧縮機構(例えば、ドライバスクロール50およびアイドラスクロール80)、半径方向コンプライアンス特徴部(例えば、アイドラスクロール座標軸、対応するスライダブロック264、ならびにアイドラスクロール軸受94、およびハブ260(後述)に対して、角度θの駆動フラットのシャフト用ピン)のうちの1つまたは複数、および軸受を介する自然の漏れに起因する圧縮機内の油の一部を含むことができる。
【0013】
また、上部軸受プレート32は、上部軸受22の周囲の部分が上部キャップ2に向かって上方に、また外側に広がるようにして配置されてもよい。下部キャップ6には、冷媒ガスまたは液体とガスとの混合物を吸引するための吸引入口8が配置されてもよく、排出用出口10が上部キャップ2に配置されてもよい。
図1に示す例では、冷媒は、ドライバスクロール50およびアイドラスクロール80のインボリュートの噛み合いによって形成された圧縮室に直接吸引され、ハウジングの内部の大部分は、排出圧力にあり得る。
【0014】
ドライバスクロールシャフトまたは主シャフト20は、主軸96と整列され、上述したように、主軸96がステータ16の内側で動作するロータ18によって非常に高速まで回転され得るように、少なくとも主軸受24および上部軸受22によって支持され得る。下部軸受またはアイドラスクロール軸受94は、アイドラスクロール80のハブ部分の内側に配置されてもよい。さらに、主軸受座26は、中央シェル4の内側に圧入されてもよい。主軸受24は主軸受座の直径と同心であるため、ドライバスクロール/主シャフト20は、ステータ16と同心に整列される。動作時に、ステータ16は、ロータ18が適切な方向にスピンし、圧縮ユニット内のガス、例えば、動作時にドライバスクロール50の螺旋状インボリュートと、アイドラスクロール80の螺旋状インボリュートとの噛み合いによって形成されるガスの圧縮ポケットを圧縮するため高い出力を生成するように、磁場を付与する。いくつかの実装形態では、モータ(例えば、ロータ18およびステータ16)は、ステータ16のための特別な巻線設計、ならびに永久磁石を有するロータ18を含むことができる。
【0015】
図1に示され、以下でさらに詳細に説明されるように、いくつかの実装形態では、ドライバスクロールプレート52の第一表面の上部に、シールプレート60が配置され得る。いくつかの実装形態では、ドライバスクロール50とアイドラスクロール80との間にオルダム継手70を配置することができ、アイドラスクロールプレート80の下方に、スラストプレート66を配置することができる。さらに、いくつかの例では、シールプレート60は、1つまたは複数のボルト62(例えば、4つの等間隔の段付きブロット)によって、スラストプレート66に取り付けられる。また、圧縮機1は、主軸受座26の上方の高圧側から、吐出圧での油を供給する給油管92を含んでもよい。
【0016】
図2は、いくつかの実装形態によるスクロール圧縮機の断面図の下部の例を示す。
図2に示すように、ドライバスクロール50およびアイドラスクロール80を含むことができる圧縮機構は、主軸受座26の下方に配置される。ドライバスクロール50は、ドライバスクロールプレート52の下面または底面53から下方に延びる螺旋状インボリュートを含む。アイドラスクロール80の螺旋状インボリュートは、アイドラスクロールプレート82の上面または頂面81から上方に延びて、ドライバスクロール50のインボリュートと噛み合う。上述したように、ドライバスクロール50の軸は、圧縮機の主軸96上にあり、いくつかの実装形態では、少なくとも上部軸受22、ステータ16、ロータ18、および主軸受24と整列される。いくつかの例によれば、アイドラスクロール80の軸は、(
図1に示すように)主軸96からオフセット98され、2つのインボリュートの軌道半径(Ror)に等しい距離に配置され得る。
【0017】
圧縮ガスを排出するために、排出ポートまたは穴202が、ドライバスクロール50に配置され得る。主軸受24は、ドライバスクロール50の同心円上に、また主軸受座26とドライバスクロールシャフト20との間に、配置されてもよい。いくつかの実装形態では、主軸受24は、シャフトシール44の下方、およびスラストワッシャ212の上方に配置される。いくつかの実装形態では、ドライバスクロール50の負荷は、主に主軸受24によって担持される。スラストワッシャ212は、ドライバスクロールプレート52と主軸受座26との間に配置されてもよい。さらに、主軸受24は、主軸受座26に押し込まれてもよく、ドライバスクロールシャフト20は、主軸受26内で回転する。
【0018】
いくつかの実装形態では、
図2に示すように、オルダム継手70は、ドライバスクロール50とアイドラスクロール80との間に直接配置されてもよく、上面81などのアイドラスクロールプレート82に載置されてもよい。オルダム継手70のキーは、ドライバスクロール50とアイドラスクロール80との間に係合している。一般に、ドライバシャフト20が回転すると、ドライバスクロール50がオルダム継手70を回転させ、その後、オルダム継手70がアイドラスクロール80を回転させる。オルダム70の継手は、ドライバスクロール50からアイドラスクロール80に運動を伝達する。したがって、動作中、ドライバスクロール50およびアイドラスクロール80が回転する間、各々の間の相対的な運動は、円形の周回運動である。したがって、動作中、一方のインボリュートは他方のインボリュートに対して回転する。
【0019】
いくつかの実装形態では、アイドラスクロール80は、アイドラスクロールプレート82の下面または底面83から下方に延びるアイドラスクロールハブ256を含む。アイドラスクロールハブ256は、アイドラスクロール軸受94の周囲に配置されてもよい。さらに、アイドラスクロールハブ256およびアイドラスクロール軸受94は、アイドラスクロールシャフト260およびスライダブロック264を介して、アイドラスクロール軸のオフセット98と整列されてもよい。いくつかの実装形態では、アイドラスクロール80の負荷は主にアイドラスクロール軸受94によって担持され、アイドラスクロール軸受94はアイドラスクロールハブ256に押し込まれ、本質的に固定されたスライダブロック264の周りを回転することができる。スライダブロック264は、コンプライアントシャフトジャーナルとして機能し、アイドラ軸の座標に対して駆動角度θで配置された駆動フラットを有し、これは、漏れを最小限に抑えるためにFtg(接線方向のガス)ベクトルからの適切なフランク接触力を、効果的に加える。
【0020】
さらに、アイドラスクロール軸受94およびスライダブロック264駆動フラット上のクラウンは、オイルで潤滑されてもよい。スライダブロック264は、いくつかの実装形態では、アイドラスクロール軸受94用のジャーナルを形成する、焼結され、硬化され、研削された構成要素であってもよい。
【0021】
図2は、いくつかの例では、アイドラシャフトハブ260が、例えば抵抗溶接によって下部キャップ6に溶接されてもよく、溶接されるように下方に延びる1つまたは複数の突起を有してもよいことをさらに示す。アイドラスクロールハブ256、スライダブロック264、およびアイドラスクロール軸受94はそれぞれ、アイドラシャフトハブ260と本質的に整列している。これらの構成要素は、
図1のアイドラスクロール軸オフセットに対して「自動整列」する。オフセットは、本質的に、スクロールインボリュート形状に基づいて計算された値であるが、実際の値は、詳細に説明する半径方向コンプライアンス機構によって確立される。
【0022】
スライダブロックシール262は、スライダブロック264の下部に配置されてもよく、アイドラシャフトハブ260のベース部の上面にシールを形成してもよい。スライダブロックシール262は、圧縮機の下側に入るオイルの量を制御し、また、アイドラシャフトハブ260に対するスライダブロック264の安定化負荷を画定することができる。
【0023】
さらに、いくつかの実装形態では、オイルなどの潤滑剤は、主軸受座26にシール210され、および/またはアイドラシャフトハブ260にシールされ得る給油管92によって、圧縮機の下部に供給されてもよい。いくつかの実装形態によれば、排出圧力油は、アイドラスクロールハブ256またはシャフトの下に供給されてもよく、シャフト256またはハブが、回転ピストンに類似するようになる。これは、アイドラシャフトハブ260およびスライダブロック264が、本質的に非回転式のピストンであり、アイドラスクロール軸受94およびアイドラスクロールハブ256が、本質的に、固定ピストン用の回転シリンダであるためである。いくつかの実装形態では、ドライバスクロール50とアイドラスクロール80の両方は、それらに加えられる排出圧力によって加圧された油を有する。ただしドライバスクロールには、アイドラに排出圧力の油が作用するのに対し、常に排出圧力のガスが作用する。したがって、この実装形態は、スクロールの圧縮を制御するために最適な軸方向のガスの力を加えると共に、ドライバスクロールの下向きの力を効果的に相殺するものとなる。給油管92は、加圧油を搬送するための一例である。
【0024】
図2は、以下でより詳細に説明するアイドラスクロールプレート82の1つまたは複数のオイル噴射経路274をさらに示す。軸方向のコンプライアンスに関しては、ドライバスクロールシャフト20が圧縮機の高圧側に位置するため、シャフト20の直径の面積の吐出圧力(Pd)倍の下向きの力が生成される。したがって、ドライバスクロールシャフト20の直径は、軸方向のコンプライアンスの力、ならびに強度およびたわみの考慮事項に重要である。軸方向のコンプライアンスのための吐出圧力構成要素は、ドライバスクロールシャフト20の直径を指定することによって達成することができる。ドライバスクロールシャフトの直径は、最適な負荷担持能力ならびに関連するジャーナル軸受、および適切な流体力学的油膜に対して選択される。したがって、ピストンの直径が吐出圧力に与える影響は、本質的にシャフト軸受の選択の結果である。例えば、10hpの圧縮機の能力に対する28mmのシャフト20の直径がある。本質的に軸方向コンプライアンスのスクロールのすべての設計は、吐出圧力x面積によって生成される力、ならびに(圧縮された吸引)中間圧力x異なる面積によって生成される力を含むことに留意されたい。次いで、これらの2つの力は、すべての動作条件に対して最適化される。さらに、軸方向のコンプライアンスを維持しようとして、いくつかの実装形態は、ローサイド室のドライバスクロールプレート52の頂面または上面51の上方に配置された圧縮された吸入中間ガス圧力を含むシールプレート60を含むことができる。シールプレート60は、対応する内側シール252および外側シール254が動作中にシール室を形成するように係合することができる1つまたは複数の環状溝253、255を有し得る。いくつかの例では、溝またはチャネルは、ドライバスクロールプレート52の頂面51に配置され得る。さらに、いくつかの例では、内側シール252および/または外側シール254は、ドライバスクロールプレートの表面に固定されてもよい。いくつかの例では、シールプレート60は、1つまたは複数のボルト62によってスラストプレート66に取り付けることができ、いくつかの例では、4つの等間隔のボルト62が配置される。ボルト62の本体は、正確な接地の直径および長さし得る。さらに、ボルト62は、正確な位置で等間隔に配置することができ、これらは、ドライバスクロールプレート52を通って下方に運ばれ、スラストプレート66にしっかりと入る。いくつかの例では、ボルト62は、シールプレート60ならびにドライバスクロールプレート52を貫通する精密な滑り嵌めを有する。いくつかの例では、圧縮機は、スラストプレート66および/またはシールプレート60を含まなくてもよい。
【0025】
さらに、いくつかの例では、シールプレート60とドライバスクロールベースプレート52の頂面または上面51との間には、特定の隙間280があり、これはボルト62の全長において考慮され得る。さらに、ドライバスクロールプレート51の頂面と、シールプレート63の底面との間に、特定の隙間280があってもよく、この隙間は、ボルト62の長さに依存し得る。この隙間は、シール252、254が上方に延びてドライバスクロールプレート52とシールプレート60との間で接触できるようにするために必要であり、各シール252、254の間の差圧がこれを生じさせる。さらに、それぞれのシール252、254の頂面と、シール252、254の頂面が面するそれぞれの溝253、255の底面との間に、隙間または間隙があってもよい。シールの種類に応じて、隙間は120~200ミクロンからとすることができる。いくつかの実装形態では、内側シール252と外側シール254との間の圧力は、排出圧力より小さい。さらに、他の例では、内側シール252および外側シール254は、ばね荷重面型であってもよい。圧縮中、シールプレート60の内側シール252と外側シール254との間に後方室の力が発生する可能性があり、後方室の内側のガスの圧力は、内側シール252と外側シール254との間の領域の外側よりも高く、これは吸引圧力Psである。
【0026】
いくつかの実装形態では、スラストプレート66は、ドライバスクロール軸96と同心に配置されてもよい。スラストプレート66は、アイドラスクロールプレート82の下面または底面83の下に配置され得る。さらに、1つまたは複数のボルト62用の対応する穴がスラストプレート66に配置され、これについては以下でより詳細に説明する。一般に、スラストプレート66は、ドライバスクロール軸20、およびアイドラスクロール80を中心に、それ自体の軸で、回転することができる。ドライバスクロールプレート52は、例えば、圧縮された吸入ガスのための1つ以上の半径方向および水平方向の通路(例えば、通路220、222、224)をさらに含んでもよい。さらに、アイドラスクロール80は、スラストプレート66の頂部と、ドライバスクロール50のインボリュート床面との間に、直接充填されて、旋回することができる。
【0027】
図3は、いくつかの実装形態による、断面の等角図におけるスクロール圧縮機の下部の例を示す。上述したように、1つまたは複数の通路(例えば、圧縮された吸入ガス通路用の通路220、222、224)が、ドライバスクロールベースプレート52に配置されてもよく、これらの通路は、ドライバスクロールプレート52に穿孔され、あるいはその他のやり方で作り出された穴または他の空洞であり得る。通路は、互いに開いていてもよく、あるいはその他のやり方で交差して、ドライバスクロールプレート52を通る圧力下のガスの流れを生成し得る。
図3はまた、ドライバスクロール50の出口通路または穴21を示す。いくつかの実装形態では、穴320は、アイドラスクロール80のバランスをとるために、アイドラスクロールプレート82に半径方向に穿孔または他の方法で作成することができる。この穴は塞がれていてもよい。さらに、
図3に示すように、取り付け部分またはベース330を下部キャップ6に取り付けることができる。
【0028】
例えば、ドライバスクロールベースプレート52の通路は、第一半径方向通路222、第一軸方向通路220、および第二軸方向通路224を含んでもよい。第一半径方向通路222は、ドライバスクロールプレート52における軸方向通路220、224のそれぞれの半径よりも大きい半径を有してもよい。また、第一半径方向通路222の外側の半径方向の範囲は、プラグ221で塞がれ得る。
【0029】
第一軸方向通路220は、一方の開口部で第一半径方向通路222と交差してもよく、内側シール252と外側シール254との間に配置されてもよい。すなわち、第一軸方向通路220の他方の開口部は、内側シール252と外側シール254との間に開口してもよい。
【0030】
また、第一半径方向通路222の半径方向内側には、第一半径方向通路222と交差する第二軸方向通路224が配置されてもよい。すなわち、第二軸方向通路224の一方の開口部は、開口して、第一半径方向通路222と交差し、第二軸方向通路224の他方の開口部は、ドライバスクロール50のインボリュートの壁の間の床部に開口することができる。動作中、この開口部は、圧縮された吸引ガス源が供給されることを可能にし、この開口部の位置は、必要な圧力を得るために、インボリュート形状内で、正確でなければならない。動作中、アイドラスクロール50の対応するインボリュートは、この穴または開口部を前後に通過し、各ポケットの異なる圧力に対して開口する。このため、この穴の直径は、小さい(この通路の他の開口と比較して小さい)。いくつかの実装形態では、第一半径方向通路222は3mmであってもよく、第二軸方向通路224は0.7mmであってもよく、シール室への第一軸方向通路220は2mmであってもよい。内側シール252と外側シール254との間にある第一軸方向通路222の穴または開口部は、過渡的な逆流を最小限に抑えるために、第二軸方向通路224の圧縮ポケットへの開口部よりも小さくてもよい。
【0031】
例えば、圧縮された吸引ガスの供給源は、第二軸方向通路224に入る。圧縮インボリュートポケットが実際に旋回するとき、このガスは低圧から高圧まで循環する。第二軸方向通路224は、ポケット内の最も低い圧力で始まり、次いで、ドライバスクロール50の隣接するインボリュート壁が第二軸方向通路224を通過する前に、最も高い圧力まで増加する。その後、新たな低圧が第二軸方向通路224に入る。第一軸方向通路220の直径は本質的に非常に小さく、これは圧縮された吸入ガス室内の正弦波の圧力変動を大きく制限する。これは、高圧および低圧の変動を本質的に平均化する。
【0032】
いくつかの実装形態では、ドライバスクロールプレート52は、2つのオルダムキー支持延長部302であって、ドライバスクロールプレート52の周りに等間隔に離間し、ドライバスクロールプレート52の底面または下面53から下方に延びる、2つのオルダムキー支持延長部302を含む。オルダムキー支持延長部302は、オルダム継手70がスクロール間に嵌合することを可能にし、各スクロールベースプレートに直接係合して、ほぼ完全に整列して回転することを可能にする。オルダムキー支持延長部302は、インボリュートが下方に延びる限り、ドライバスクロールベースプレートの第二下面または底面53から下方に延びなくてもよい。さらに、オルダムキー支持延長部302の外面は、ドライバスクロールプレート52の外面と同一平面上にあってもよい。各キー支持延長部302内には、キースロット310に対応する形状を有するオルダム継手70のドライバスクロールキー(後述)と係合するためのキースロット310が配置されている。さらに、キー支持延長部302の内面とインボリュートの外壁との間には、十分な隙間がある。キースロット310は、平坦で互いに平行であり得る2つの側面を含み得る。
【0033】
図3に示すように、シールプレート60は、シールプレート60の底面または下面に配置された外側環状溝またはチャネル255、および内側環状溝またはチャネル253を有することができる。外側溝255および内側溝253は、それぞれ外側シール254および内側シール252に対応することができる。いくつかの例によれば、外側シール254および内側シール252は、ドライバスクロールプレート52の頂面または上面51から突出する環状突起、延長部、または隆起部である。いくつかの実装形態では、外側シール254および内側シール252は静止している。すなわち、シールとシール面との間に、スピンまたは周回運動が存在しなくてもよい。
【0034】
図4は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の例の上面図の例を示す。
図5は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の例の斜視図の例を示す。いくつかの実装形態では、オルダム継手70は、それぞれが、オルダム継手70の外面から半径方向に外向きに延びるベース部分408の頂面から軸方向に上方に延びる部分406を有するドライバスクロールキー402を含む。図示のように、部分406、408は、ドライバスクロールプレート52のオルダムキー支持延長部302のオルダムキースロット310に対応する形状を有することができる。オルダム継手70の外面の湾曲部460は、傾斜および形状が湾曲部462と対称であってもよい。さらに、ドライバスクロールキー402の隆起(raised or elevated)部406は、外向き面470に平行な内向き面472を有する直角プリズムまたは立方体の形状を有してもよい。隆起部406の側面474、476は、平坦であり、互いに平行であってもよい。さらに、内面472と一致する平面は、オルダム継手70の内面の湾曲部分403の接平面と平行であってもよい。当然ながら、上述したように、隆起部406の形状は、支持延長部302によって部分的に形成されたキースロット310に対応する。
【0035】
さらに、いくつかの実装形態では、1つまたは複数のアイドラスクロールキー404は、その外面から半径方向外側に延びる部分から下方に延びる部分410をそれぞれ有するように、配置されてもよい。部分404、410は、アイドラスクロールプレート82(簡潔にするために図示せず)のアイドラスクロールオルダムキースロットに対応する形状を有することができる。
【0036】
オルダム継手70は、ダイカストアルミニウムとして製造され、その後、動作上の接触に必要な表面の機械加工を続けることができる。上述したように、オルダム継手70は、周回インボリュートと固定スクロールインボリュートとの間のインボリュート座標軸を本質的に維持する。例えば、操作すると、ドライバスクロール50が回転し、この動きが各オルダムキーに伝達され、次にオルダム継手70が回転する。ドライバスクロール50と共に回転している間、オルダム継手70の周回運動があり、これはインボリュート周回運動と同じである。この時点から、アイドラスクロールキーは、次いでドライバスクロール50と調和して、アイドラスクロール80を回転させる。これにより、オルダム継手70の周回運動が生じる。例えば、2つのスクロール部材のそれぞれに対するオルダムの相対的な運動は、単に、各スクロール部材のキースロット(例えば、ドライバスクロールのキースロット310)で、前後にスライドする、オルダムキー(402、404)であってもよい。
【0037】
図4では、例えば、平面Aは、ドライバスクロールキー402の中心を通過する。平面Bは、アイドラスクロールキー404の中心を通る。平面Fは、ドライバスクロール軸96を通過し、平面Aと平行である。平面Fは、圧縮プロセス中に移動するパラメータの静止基準である(平面Aに常に整列させなくともよい)。平面Cは、オルダム継手70の質量中心を通過し、平面Fと常に平行である。後に示し、後述するように、平面Cは、平面Aと常に整列しているとは限らない。
【0038】
オルダム継手70の質量中心450は、圧縮機の中心でもあるドライバスクロール軸96に対してx(θ)およびy(θ)の座標を有する。したがって、スクロールセットが軌道を成すと、オルダム継手の質量中心450は、x、y、およびθによって定められる。数学的には、スクロールが一回転周回すると、オルダム継手70の中心質量は二回転周回することになり、これは問題となり得る。以下の式1および式2は、0~πの回転により、x,y座標を算出する。
x(θ)=R*cos(θ)*cos(θ) 式1
y(θ)=-R*sin(θ)*cos(θ) 式2
【0039】
Rは、ドライバスクロール軸96とアイドラスクロール軸98との間の距離(本質的にインボリュート対の軌道半径(Ror)である)を表し、0≦θ≦πである。計算に際し、平面Cは質量中心450を通り、平面Aに平行であり、平面Bに垂直である。また、計算に際し、距離Dは平面Aに平行であり、ドライバスクロール軸96からの可変オフセットである。初期設計では、オルダム継手70は対称であり、D=0である。X軸は静止しており、ドライバ軸96およびアイドラ軸98を通る。Y軸は、ドライバスクロール軸96を起点とし、X軸に垂直である。これらは、静止平面F軸と可変平面C軸との間の可変のオフセットDであり得る、オルダム継手の質量中心450の最適化を含む計算に、使用され得る。θ角は、X軸を起点として時計回りに移動する。したがって、1つの目的は、オルダム継手の質量中心450がオルダム継手70の幾何学的中心に等しくなるように、設計を最適化することである。D>0の場合、オルダム継手の中心質量450の式は以下の通りである。
x(θ)=D*sin(θ)+R*cos(θ)*cos(θ) 式3
y(θ)=D*cos(θ)-R*sin(θ)*cos(θ) 式4
【0040】
式3および式4について、0≦θ≦2πである。
【0041】
図6は、いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。
図6は、360度のクランク角周回運動の一部の間に、ドライバスクロール50とアイドラスクロール80との間の構造と衝突するオルダム継手70に関する問題を示す。これらの構造の例は、主軸受座(4、6)の部分、スクロールインボリュートの外側部分、および段付きボルト62であってもよい。例えば、参照符号65で示され、円で示されるように、アイドラスクロールインボリュート664の外側部分は、オルダム継手70の内面に接触することができる。
図6はまた、オルダム継手ドライバスクロールキー402と係合するドライバスクロール612のオルダム継手キー支持延長部を示す。
【0042】
図7は、いくつかの実装形態による、ドライバスクロールの底面図の例を示す。いくつかの実装形態では、1つまたは複数のバランス穴710をドライバスクロールプレート52の外径に穴あけまたは穿孔することができる。上述したように、ドライバスクロールプレート52は、プレートの底面53から下方に延びる螺旋状インボリュート662を有する。さらに、いくつかの例では、2つのオルダムキー支持延長部702は、ドライバスクロールプレート52の底面または下面53から延びることができ、上述のように、下面53よりも低い床部分または表面を有することができるオルダムキースロット704を、含むことができる。例えば、各キー支持延長部702は、互いに対向してキースロット704を形成し、サイズおよび形状が対称である2つの構造(701、703)を含むことができる。
【0043】
いくつかの例では、キー支持延長部702は、各オルダムキースロット704の中心を通る平面Gが、ドライバスクロール軸96を通る平面Fに対して平行、およびシフトまたはオフセットされるように、距離Dだけシフトまたはオフセットされる。上述したように、各キースロット704は、平坦で互いに平行であり得る2つの側面706を有することができる。したがって、平面Gは、各側面706に平行であってもよく、各側面間の中間まで延び、各キースロット704の中心を通って延びてもよい。この場合の距離D(
図9に示す)の例は、スクロール圧縮機のサイズに依存し得、オルダム継手キーの幅程度であり得る。
【0044】
図8は、いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。いくつかの実装形態では、ドライバスクロール50のオフセットされたオルダム継手キー支持延長部702がオルダム継手70のドライバスクロールキー402と係合すると、オルダム継手70は、図示のように、平面Fと平面Aとの間の距離および矢印808だけシフトされる。図示のように、平面Fは、ドライバスクロール軸96を通り、平面Aは、オルダム継手70のドライバスクロールキー402の中心を通る。さらに、この場合、ドライバスクロール50のキー支持延長部702のシフトは、
図6において参照符号65によって特定される干渉が排除される点まで、オルダム継手70を効果的に移動させる。さらに、オルダム継手の質量中心450を通る平面Cは、平面Bに沿ってシフトされる。インボリュートの端角の反対側のベースプレート52の1つまたは複数の半径方向の穴710は、ドライバスクロール52のバランスの問題を修正するために配置されてもよい。
【0045】
図9は、いくつかの実装形態による、
図8のオルダム継手の数学的表現の例を示す。図示されているように、平面AおよびCは、平面Bが変化していないのに対して、平面Fから離れるように移動している。オルダムの質量中心450は、平面Bにあるままであるが、ドライバ軸96を通る平面Fから距離Dだけ移動している。言い換えれば、ドライバスクロール52のシフトまたはオフセットされたキー支持延長部702がドライバスクロールキー402と係合すると、ドライバスクロールキー402もシフトし、これにより、平面Cに示すように、オルダム継手の質量中心450が平面Fに対してシフトする。したがって、圧縮機が動作しているとき、オルダム継手の質量中心450は、ドライバスクロール軸96の周りを回転する。したがって、今やX-Y座標は、式3および式4で定義されるように、Dの関数になる。
【0046】
バランスに関して、距離Dがいずれかの正の値を有する場合、オルダム継手の質量中心450が問題になる。D=0の場合、質量中心の軌道は、動作中は本質的に純粋な円である。D>0の他の例は、軌道半径Rの関数として表される。D<Rの場合、軌道経路はリマコンになる。この例は、圧縮機の機構の各回転に対して、オルダムの質量中心450が二回転することを、明確に示している。不規則な運動は、音、振動、および可能性のある信頼性の著しい増加を引き起こす。例えば、D=3Rの場合、動きはディンプルされたリマコンであり、それは、Dが無限に近づくにつれて、オルダムの質量中心450の動きが円に近づくことを示す。
【0047】
図10は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。(
図7および
図8に示すように)ドライバスクロール50から延びるキー延長部702がシフトされる実装形態では、材料1002は、オフセットされた平面Aのドライバキースロット704の反対側にあるオルダム継手70の部分に、追加されてもよい。この場合、材料1002は、アイドラスクロールキー404の頂面部分を含み得るオルダム継手70の部分の周りに、軸方向に追加される。追加される材料1002は、オルダム継手70の一部の周りの高さが均一であってもよく、ドライバスクロールキー402の頂面403よりも低くてもよい。さらに、追加される材料1002の質量は、アイドラスクロールキー404を二等分することができる平面Bの両側で、等しくなるべきである。
図10に示すように、材料1002を追加した結果として、オルダム継手の質量中心450は、
図9に示すように質量中心450がシフトしたところからドライバ軸96を横切る平面Fに戻り、その動きは動作中、本質的に円形である。添加材料の組成はオルダム継手の材料と同じであってもよく、それはダイカストアルミニウムであってもよい。
【0048】
図11は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。(
図7および
図8に示すように)ドライバスクロール50から延びるキー延長部702がシフトされる実装形態では、材料1102は、オルダム継手70の外面1110の一部分の周りのオルダム継手70の一部分へ、半径方向に加えられてもよい。追加の材料1102は、追加される外面1110の対応する曲率を維持することができ、アイドラスクロールキー404の外面1105よりも小さい外面1110から半径方向に延びることができる。さらに、追加される材料1102の質量は、平面Bの両側で等しくなければならない。材料を追加した結果として、オルダム継手の質量中心450は、
図9に示すように質量中心450がシフトしたところからドライバ軸96を横切る平面Fに戻り、その動きは動作中、本質的に円形である。追加の材料の組成は、ダイカストアルミニウムであってもよい。
【0049】
ドライバスクロール50およびキー支持延長部702を示す
図7に戻ると、バランスのために1つまたは複数のバランス穴710をドライバスクロールプレート52内に配置することができる。例えば、ドライバスクロール50において、キースロット704とキー支持延長部702とがシフトしているため、ドライバスクロール50がアンバランスになる可能性がある。不均衡は、特に高速での動作のために、修正されるべきである。1つまたは複数のバランス穴がバランスを補正することができる。バランス穴711のように、平面F、A、およびCに対して垂直に配置されたバランス穴が配置されてもよい。例えば、バランス穴711によるドライバプレート52の質量の除去は、例えば
図7および
図8に示すように、支持延長部702をシフトまたはオフセットすることによって引き起こされ得るドライバスクロール50の不均衡を修正することができる。いくつかの例では、合計5つまたは6つのバランス穴を配置することができる。
【0050】
図12は、いくつかの実装形態による、ドライバスクロールの底面図の例を示す。例えば、ドライバスクロール50において、キースロット704とキー支持延長部702とがシフトしているため、ドライバスクロール50がアンバランスになる可能性がある。不均衡は、特に高速での動作のために、修正されるべきである。
図7に関して上述したように、2つのオルダムキー支持延長部702は、ドライバスクロールプレート52の底面または下面53から延びることができ、上述のように、下面53よりも低い床部分または表面を有することができるオルダムキースロット704を、含むことができる。例えば、各キー支持延長部702は、互いに対向してキースロット704を形成し、サイズおよび形状が対称である2つの構造(701、703)を含むことができる(
図7に示すように)。
図12に示されるように、キー支持延長部702(およびキースロット704)をシフトまたはオフセットさせた結果としてのドライバスクロール50における不均衡を補正するために、材料1202が、キー支持延長部702の2つの支持構造701、703うちの一方に加えられてもよい。
図12では、例えば、材料1202は、両方のキー支持延長部702上の支持構造703に追加される。いくつかの例では、各キー支持延長部702の支持構造703は、平面Bに平行な方向においてより大きくても広くてもよく、それによって追加の材料の質量を実現する。材料は、支持延長部702の移動の方向とは反対の支持部701、703に加えられてもよい。例えば、キー支持延長部702が平面Fの一方の側にシフトされる場合、材料は、シフトの方向とは反対の構造(例えば、703)に加えられてもよい。追加される材料の質量は、必要な不均衡の補正に依存し得る。追加される材料の組成は、支持延長部704の材料自体と同じであってもよく、一般に鋳鉄または延性の鉄であってもよい。
【0051】
図13は、いくつかの実装形態による、圧縮機の下部の上面図の例を示す。図示のように、オルダム継手70のドライバスクロールキー1302は、平面Fと平面Aとが一致するようにシフトされ、オルダム継手70のドライバスクロールキー1302のシフトは、オルダム継手平面Cの質量中心を通る平面に、距離D(
図14に示す)をシフトさせる。
図13では、シフトは矢印1308で示されている。この場合、オルダム継手支持延長部302はシフトされず、したがってキースロット310はシフトされず、キースロット310の中心は、ドライバ軸96と同じ平面にある(平面F)。言い換えれば、ドライバスクロールキー1302は、例えば、
図1~
図5に示すオルダム継手70のドライバスクロールキー402と比較して、増分D(
図14に示す)だけシフトされる。距離Dの例は、0.5Rであり得る。さらに、差は、干渉に基づいて決定され得る。その結果、干渉があった(例えば、
図6の65)オルダム継手70の部分は、今やシフトされており、動作中に干渉が発生しない。
【0052】
図14は、いくつかの実装形態による、
図13のオルダム継手の数学的表現の例を示す。
図14は、シフトされたドライバキー1302も示す。図示されているように、平面A(ドライバキー1302の中心を通るか、またはドライバキー1302を二等分する)は、場所Cに平行であり、平面Bに垂直であり、距離Dだけオフセットされる。すなわち、いくつかの実装形態では、ドライバスクロールとオルダム継手70との係合時に、ドライバスクロールキー1302のオフセットまたはシフトの結果として、オルダム継手の質量中心450を通る平面Cが、距離Dだけシフトされる。シフトされた中心質量450は、本質的に平面Cと平面Bとの交差部である。
【0053】
さらに、オルダム継手70の外面の湾曲部1460は、湾曲部1462に対して傾斜および形状が対称または同一でなくてもよい。さらに、ドライバスクロールキー1302の隆起部1406は、外向き面1470に平行な内向き面1472を有する直角プリズムまたは立方体の形状を有してもよい。隆起部1406の側面1474、1476は、平坦であり、互いに平行であってもよい。さらに、場合によっては、内面1472と一致する平面は、オルダム継手70の内面の湾曲部分1403の接平面と平行でなくてもよい。当然ながら、上述したように、隆起部1406の形状は、支持延長部302によって部分的に形成されたキースロット310に対応する。
【0054】
図15は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。ドライバスクロールキー1302がシフトまたはオフセット(例えば、
図13および
図14に示すように)される場合、ドライバスクロールキー1302がシフトまたはオフセットされるのと同じ側のオルダム継手70の部分に、材料1502が追加され得る。この場合、材料1502は、オルダム継手70の一部の周りに軸方向に追加される。追加される材料1502は、オルダム継手の質量中心450を通る平面である平面Cを、平面AおよびFと一致させ、したがって不均衡を修正する。追加される材料1502は、オルダム継手70の一部の周りの高さが均一であってもよく、ドライバスクロールキー402の頂面403よりも低くてもよい。さらに、追加される材料1502の質量は、平面Bの両側で等しくなるべきである。言い換えれば、材料1502を追加した結果、質量中心平面450の平面Cは、ドライバ軸96を通る平面に戻り、その運動は、動作中、円である。追加される材料1502の組成は、オルダム継手と同じであってもよく、それは一般にはダイカストアルミニウムである。
【0055】
図16は、いくつかの実装形態によるオルダム継手の上面図および斜視図の例を示す。ドライバスクロールキー1302がシフトまたはオフセット(例えば、
図13および
図14に示すように)される場合、オルダム継手70の外面1610の一部の周りのオルダム継手70の一部に、材料1602を、半径方向に追加することができる。追加される材料1502は、オルダム継手の質量中心450を通る平面である平面Cを、平面AおよびFと一致させ、したがって不均衡を修正する。追加の材料1602は、追加される外面1610の対応する曲率を維持することができ、アイドラスクロールキー404の外面1605より半径方向に小さい外面1610から、半径方向に延びることができる。さらに、追加される材料1602の質量は、平面Bの両側で等しくなるべきである。言い換えれば、材料を追加した結果、質量中心平面450を通る平面Cは、ドライバ軸96を通る平面に戻り、その運動は、動作中、円である。追加される材料1502の組成は、オルダム継手と同じであってもよく、それは一般にはダイカストアルミニウムである。
【0056】
図17は、いくつかの実装形態による、
図8のオルダム継手の数学的表現の例を示す。例えば、
図17は、ドライバスクロール50から延びるキー延長部702が、(例えば、
図7および
図8に示すように)シフトされる場合に関する。以下の説明は、オルダムの質量中心450がドライバ軸96を横切る平面Fに維持されない場合に起こり得る技術的問題を説明する。図示のように、X軸は平面Fと整列され、Y軸は平面Bと整列される。ドライバスクロールが回転すると、これは、ドライバスクロール50と係合しているオルダム継手のドライバスクロールキー402に、Fd1およびFd2の回転力を生成する。前述のように、オルダム継手70は、次いで、アイドラスクロール80を移動させて、Fi1およびFi2アイドラキー404の力によって同期に回転させる。最後に、オルダムの遠心力は、X軸およびY軸の成分によって分散される。以下の記号が、定義される:Fd1=第一ドライバスクロールキー402の操作力;Fd2=第二ドライバスクロールキー402の操作力;Fi1=第一アイドラスクロールキー404の操作力;Fi2=第二アイドラスクロールキー404の操作力;Fc(u)=u軸におけるオルダム継手上の遠心力;Fc(v)=v軸におけるオルダム継手の遠心力。
【0057】
図18は、いくつかの実装形態による、例示的な共回転スクロール解析を示す。以下の解析は、以下の動作条件での共回転スクロールオルダム継手である:圧縮トルク=10kN*mm;オルダムキー間の距離=120mm;オルダム継手の質量=0.08kg;圧縮機の回転速度=140rps。特に、各々の360度の軌道の力のダイナミクスについて説明する。
【0058】
例えば、
図18は、D=0のオフセット値であるオルダム継手70の360度の回転を示しており、オルダム継手の中心質量は、本質的に、純粋な円形経路を周回する。また、2つのドライバキー402および2つのアイドラキー404にかかる力がプロットされている。予想されるように、各ペアキーにかかる力は、
図17の説明に示すように、反対方向にある。力はまた、495Nの一定のピークツーピーク、および83Nという平均の力で、正と負との間で対称的にサイクルする。したがって、オルダム継手70は、CW回転とCCW回転との間で、常に方向を切り替えている。
【0059】
図19は、いくつかの実装形態による共回転スクロール解析の例を示す。
図19に示す分析では、オフセットD=0.5Rであり、したがって、アンバランスなオルダム継手70である。この場合、Dの値に関係なく、アイドラキー404の負荷は同じままであると結論付けることができる。一方、ドライバキー402の負荷は、Dが増加すると増加し続ける。
図18のように、力はまた正と負との間で対称的に循環するが、波高値はもはや一定ではない。平均の力は同じであるが、この場合、一次波高値は375Nであり、一方で二次は620Nである。スクロール圧縮室の各軌道内のこの非常に周期的な負荷は、インボリュート壁の接触に大きな影響を及ぼす。したがって、高音源である。半径方向に適合する共回転スクロールの概念は、従来のスクロール圧縮機(例えば、固定スクロールおよび周回スクロールを使用する)よりもはるかに高速で動作する可能性があるため、オルダム継手70のバランスの値は大きい。
【0060】
上述したオルダム継手70の不均衡や、ドライバスクロール50から延びるキー延長部702が(
図7および
図8に示すように)シフトされる事例に起因して生じる不均衡、またはドライバスクロールキー1302がシフトまたはオフセットされる事例(例えば
図13および
図14に示すように)に起因して生じる不均衡は、本明細書で説明した共回転スクロールなどの共回転スクロールにおいて、特に、高速の動作(例えば、>200hzまたは12,000RPM)である間、非常に重要な問題となる。これらの実装形態の目的は、オルダム継手70と他の構造物(例えば、主軸受座の部分、スクロールインボリュートの外側部分、および段付きボルト62)との間の干渉を回避することである。しかし、オルダム継手の質量中心450が幾何学的中心から外れる結果となる不均衡が発生する可能性がある。重要なことは、例えば、固定された周回スクロールセットを実装する圧縮機よりも、共回転スクロールでの適用において、不均衡な対処が増大することである。固定スクロール、およびオルダム継手70を直接間に配置した周回スクロールを実装する圧縮機は、固定または中程度の動作速度(例えば、60~150hzまたは3600~9000RPM)で動作する。したがって、従来の固定スクロールと周回スクロールのセットでは、より高速でアンバランスに対処することは、はるかに効果的ではなかった。
【0061】
本明細書に記載のプロセスは、説明の目的のための例にすぎない。本明細書の開示に照らして、当業者は、多数の他の変形形態が明らかである。さらに、本明細書の開示は、プロセスを実行するための適切なフレームワーク、アーキテクチャ、および環境のいくつかの例を記載しているが、本明細書の実装形態は、図示および説明された特定の例に限定されない。さらに、本開示は、説明され、図面に示されるように、様々な例示的な実装形態を提供する。しかし、本開示は、本明細書に記載および図示された実装形態に限定されず、当業者に知られているように、または当業者に知られることになるように、他の実装形態に拡張することができる。
【0062】
主題は、構造的特徴および/または方法論的行為に特有の文言で記載されているが、添付の特許請求の範囲で定められる主題は、記載された特定の特徴または動作に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴および動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。