(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】製造装置及び移送手段
(51)【国際特許分類】
B23Q 7/14 20060101AFI20230718BHJP
B23Q 11/00 20060101ALI20230718BHJP
B23Q 11/08 20060101ALI20230718BHJP
B23Q 17/00 20060101ALI20230718BHJP
F16P 3/14 20060101ALI20230718BHJP
G01V 8/26 20060101ALI20230718BHJP
【FI】
B23Q7/14
B23Q11/00 D
B23Q11/08 Z
B23Q17/00 A
F16P3/14
G01V8/26
(21)【出願番号】P 2021559813
(86)(22)【出願日】2020-04-10
(86)【国際出願番号】 AT2020060144
(87)【国際公開番号】W WO2020206478
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2021-10-08
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】509296085
【氏名又は名称】トルンプ マシーネン オーストリア ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディトゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ゲーアハルト キルヒマイヤー
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-024750(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第10005841(DE,A1)
【文献】特開2000-132233(JP,A)
【文献】特開昭63-244117(JP,A)
【文献】特開平08-161047(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0101901(US,A1)
【文献】米国特許第4855717(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23Q 7/00-7/18
B23Q 11/00-13/00
B23Q 17/00-23/00
B25J 1/00-21/02
F16P 1/00-7/02
G01V 1/00-99/00
G05D 1/00-1/12
G08B 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工作物(6)を加工するための製造セル(2)を有する製造装置(1)であって、
前記製造セル(2)の境界を形成する外側環状の保護仕切り(8)を有し、
該保護仕切り(8)内に工作物(6)の装填プロセスを実施するためのロック部(13)が形成され、該ロック部(13)の開口部に、第1の送信器(21)と該第1の送信器(21)に対応づけられた第1の受信器(22)とを有する第1の光バリア装置(14)が形成され、前記工作物(6)を移送するための荷重収容手段(4)を有する無人移送手段(3)を備えた、製造装置(1)において、
装填プロセスを実施するために、前記無人移送手段(3)と前記ロック部(13)の間に第2の光バリア装置(27)と第3の光バリア装置(28)とが形成され、前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)とが、互いに対向する側に設けられた前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とによって外側に境界を付けられ、
前記第2の光バリア装置(27)は、前記無人移送手段(3)に固定された第2の送信器(23)と、前記ロック部(13)に固定された第2の受信器(25)とを有し、
前記第3の光バリア装置(28)は、前記ロック部(13)に固定された第3の送信器(33)と、前記無人移送手段(3)に固定された第3の受信器(
34)とを有
し、
前記無人移送手段(3)は制御装置(17)を有し、前記ロック部(13)が制御装置(15)を有し、
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)と前記ロック部(13)の制御装置(15)とは、一緒に前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とをプログラム制御で監視するように、形成されている、
ことを特徴とする製造装置(1)。
【請求項2】
装填プロセスを実施する間、前記工作物(6)のための前記ロック部(13)のパーキングゾーン(29)と関連する領域が、前記無人移送手段(3)と、前記第2の光バリア装置(27)と、前記第3の光バリア装置(28)とによって外側に境界を付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の製造装置(1)。
【請求項3】
前記制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)及び/又は前記第3の光バリア装置(28)を必要に応じてプログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造装置(1)。
【請求項4】
前記制御装置(15)は、前記ロック部(13)の前の前記第1の光バリア装置(14)を必要に応じて、プログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の製造装置(1)。
【請求項5】
前記第2の光バリア装置(27)は、前記無人移送手段(3)の制御装置(17)から前記ロック部(13)の制御装置(15)へのメッセージを伝達するように形成され、
前記第3の光バリア装置(28)は、前記ロック部(13)の制御装置(15)から前記無人移送手段(3)の制御装置(17)へのメッセージを伝達するように、形成されている、ことを特徴とする請求項1~
4の何れか一項に記載の製造装置(1)。
【請求項6】
前記無人移送手段(3)は監視領域(19)を形成するために検出器(20)を有し、前記監視領域(19)は、前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)の共通の空間的広がりを越えて外側方向に張り出している、ことを特徴とする請求項1~
5の何れか一項に記載の製造装置(1)。
【請求項7】
無人移送手段(3)と工作物(6)を加工するための製造セル(2)とによって工作物(6)を装填する方法であって、
前記製造セル(2)の外側環状の保護仕切り(8)内にロック部(13)が形成され、該ロック部(13)の開口部は、第1の送信器(21)と第1の送信器(21)とに対応づけられた第1の受信器(22)を有する第1の光バリア装置(14)によって、権限のないアクセスに対して保護され、前記無人移送手段(3)は、荷重収容手段(4)を有し、かつ制御装置(17)によって制御される、方法において、
前記無人移送手段(3)は前記製造セル(2)の前記ロック部(13)の前の装填プロセスのためのスタート位置へ移動され、
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)によって、第2の光バリア装置(27)と第3の光バリア装置(28)が能動化され、前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)によって前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)とが互いに対向する側において外側に境界を付けられ、
前記第1の光バリア装置(14)は前記ロック部(13)の制御装置(15)によって非能動化され、
前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とは、装填プロセスを実施する間に、前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)と前記ロック部(13)の前記制御装置(15)とによって監視され、
前記第2の光バリア装置(27)は、前記無人移送手段(3)に固定された第2の送信器(23)と、前記ロック部(13)に固定された第2の受信器(25)とを有し、
前記第3の光バリア装置(28)は、前記ロック部(13)に固定された第3の送信器(33)と、前記無人移送手段(3)に固定された第3の受信器(
34)とを有
し、
前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)と前記ロック部(13)の前記制御装置(15)とは、一緒に前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とをプログラム制御で監視するように、形成されている、
ことを特徴とする方法。
【請求項8】
スタート位置において、前記無人移送手段(3)の進入方向(30)は、前記ロック部(13)の通過方向(31)に関して整合して方向付けされている、ことを特徴とする請求項
7に記載の方法。
【請求項9】
前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記無人移送手段(3)が停止される、ことを特徴とする請求項
7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記無人移送手段(3)の検出器(20)が能動化され、該検出器(20)によって監視領域(19)が形成され、該監視領域は前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)の共通の空間的広がりを越えて外側方向へ張り出している、ことを特徴とする請求項
7~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記ロック部(13)の前記制御装置(15)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記第1の光バリア装置(14)が能動化される、ことを特徴とする請求項
7~10の何れか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)と前記ロック部(13)の前記制御装置(15)とによって、前記第2の光バリア装置(27)及び/又は前記第3の光バリア装置(28)は、前記無人移送手段(3)と前記ロック部(13)との間でメッセージを直接伝達するために使用される、ことを特徴とする請求項
7~11の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び8の前提部分に基づく、工作物を加工するための製造セルと、工作物を移送して製造セルに加工すべき工作物を装填するための無人移送車両と、を有する製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
工業用の製造設備内で自動化されて作動する製造機械によって工作物を加工し、それを工業ロボットによって操作する他に、工作物の部品調達もその搬出もいわゆる無人移送システム(FTS)によって実施することは、大体において一般的である。それは、自動的に制御される車両を有する、企業内の床と結合された移送システムであって、その第1の課題は、材料移送である。この種のFTSは、1つ又は複数の無人移送車両(FTF)、案内制御、現在地を定め、位置を検出し、データを伝送する装置及びインフラ構造と周辺装置を有している。無人移送車両として、床と結合された、走行ドライブを備えた移送手段が設けられており、その移送手段が自動的に制御され、かつ非接触で案内される。この種のFTFによって、材料移送は、能動的又は非能動的な荷重収容手段によって移送物を引っ張ることにより、あるいは支持することによって行われる。無人移送車両は、たとえばパレットトラック又はフォークリフトと同様に形成することができる。作業者の安全を保証するために、FTFは人認識システムも搭載しなければならない。他方で、この種の製造設備の製造セルは、保護仕切りによって、たとえば保護フェンスによって、保護されている。製造セルの境界を形成する、この種の保護仕切りによって、近傍に留まっている人が、駆動中の加工機械により、もしくはロボットによって損傷され得ることが、阻止される。しかし操作者は、製造セルの外部においても危険にさらされることがある。この種の危険な状況に至ってしまうのは、特に、材料が無人移送車両によって製造セルへ移動される場合、あるいは加工された部品が搬出され、さらに保護フェンス内のロック部を通して工作物が供給されて載置され、あるいはそこで再び収容されて、前へ送られる場合である。無人移送車両の荷重収容手段がまさにロック部に接近している場合に、操作者が近傍領域内に、もしくは製造セルの保護仕切り内のロック部の前に立ち入ろうとした場合には、操作者は挟み込まれて、損傷を受けることがある。少なくともこの種の状況においては、設備の秩序どおりの安全な駆動は妨げられてしまう。
【0003】
特許文献1は、工作物を移送するための移送手段と保護仕切りを備えた製造セルとを有する製造ステーションを開示しており、保護仕切りがロック部を有している。このロック部を通して工作物が無人移送車両によって製造セル内へ搬送される。ロック部の-それぞれ始端と終端における-開口部に、光バリア装置が形成されており、それを用いてロック部の2つの開口部を通る移送手段の通過が監視される。これらの開口部の、それぞれ一方の側に光バリア装置の送信器が、そして対向する側に受信器が配置されている。
【0004】
特許文献2は、ドックレベラーにおいてトラックに積み卸しするための保護装置を開示している。あらかじめ定められた空間が、ライトグリッド又は同様のセンサによって監視される。進入し、もしくは退出する際の、ドックレベラーに関する車両の相対的な状況にしたがって、ライトグリッドが選択的にオンにされ、もしくは再びオフにされる。
【0005】
特許文献3は、トラック積み込み場所の安全装置を開示している。適切なセンサ(たとえばレーザー、超音波)を用いて、車両とゲート進入との間で積み込み場所が走査されて、危機的な領域内の人の存在が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
[特許文献1]国際公開第2017/182486号
[特許文献2]独国特許出願公開第10005841(A1)号明細書
[特許文献3]国際公開第2015/200450号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の課題は、より高い確実性をもって人の安全を保証することができ、かつ、自動的に行われる工作物の供給又はその搬出によってもたらされ得る、製造セル内で進行している製造プロセスの障害を、できる限り回避することができる、製造装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この課題は、工作物を加工するための製造セルを有し、製造セルの境界を形成する外側環状保護仕切りを有し、保護仕切り内に工作物の装填プロセスを実施するためのロック部が形成されている、製造装置によって解決される。ロック部の開口部に、第1の送信器と第1の送信器に対応づけられた第1の受信器とを有する第1の光バリア装置が形成されており、かつ工作物を移送するための荷重収容手段を有する無人移送手段が設けられている。装填プロセスを実施するために、無人移送手段とロック部との間に第2の光バリア装置と第3の光バリア装置が形成されているので、荷重収容手段と工作物は、互いに対向する側において、第2の光バリア装置と第3の光バリア装置によって側方を制限されている。製造装置のこの形成が、それによって一時的に使用可能な安全装置の構築が可能である、という利点を有している。
【0009】
装填プロセスを実施する間、工作物のためのロック部のパーキングゾーンと関連する領域が、移送手段、第2の光バリア装置及び第3の光バリア装置によって側方を制限されていることも、効果的である。というのは、それによって製造セル内へ、あるいはそこから、工作物を移送するシーケンスの間、製造セルの保護ゾーンと移送手段の保護ゾーンを唯一の関連する保護ゾーンとして結合して、監視することができるからである。
【0010】
展開によれば、移送手段が制御装置を有しており、制御装置は、第2の光バリア装置及び/又は第3の光バリア装置を必要に応じてプログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている。これは、装填プロセスを実施するために必要とされる、ロック部のコンポーネントが、移送手段がロック部に到達して、装填プロセスを開始するまでは、非作動のままでいることができる、という利点を有している。
【0011】
好ましくは、ロック部は制御装置を有しており、この制御装置は、ロック部の前の第1の光バリア装置を必要に応じてプログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている。
【0012】
製造装置の展開であって、移送手段の制御装置とロック部の制御装置が、共通に第2の光バリア装置と第3の光バリア装置をプログラム制御で監視するように形成されているものは、次のような、すなわち装填プロセスの進行をローカルに、すなわち上位に配置されている製造セルの制御装置からも、かつ製造装置全体の中央の制御装置からも独立して、組織し、かつ実施することができる、という利点を有している。
【0013】
好ましい形成によれば、第2の光バリア装置が、移送手段に固定された第2の送信器と、ロック部に固定された第2の受信器とを有しており、かつ第3の光バリア装置が、ロック部に固定された第3の送信器と、移送手段に固定された第3の受信器とを有している。
【0014】
製造装置は、展開において次のように形成されている。すなわち第2の光バリア装置が移送手段の制御装置からのメッセージをロック部の制御装置へ伝達するように形成されており、かつ第3の光バリア装置はロック部の制御装置から移送手段の制御装置へメッセージを伝達するように形成されている。これは、それによって移送手段と製造セルのロック部との間で直接的な通信が可能であり、そのために製造セルの上位に配置されている制御装置とも、製造装置全体の中央の制御装置ともメッセージ交換を行う必要がない、という利点を有している。
【0015】
移送手段が監視領域を形成するための検出器を有している、製造装置の形成も効果的であって、その監視領域は、荷重収容手段と工作物の共通の空間的広がりを越えて側方向へ張り出している。それによって駆動ゾーン上で走行する間も、装填プロセスの間も、移送手段の衝突を回避することができる。
【0016】
本発明の課題は、無人移送手段と工作物を加工するための製造セルとによって、工作物を装填する方法によっても、独立に解決され、製造セルの外側環状保護仕切り内にロック部が形成され、ロック部の開口部は第1の送信器とこの第1の送信器に対応づけられた第1の受信器とを有する第1の光バリア装置によって、権限のないアクセスに対して安全確保されており、無人移送手段が荷重収容手段を有し、かつ制御装置によって制御される。この方法において、以下の方法ステップが実施される。無人移送手段が製造セルのロック部の前の装填プロセスのためのスタート位置へ移動され、移送手段の制御装置によって、第2の光バリア装置と第3の光バリア装置が能動化され、荷重収容手段と工作物が互いに対向する側において、第2の光バリア装置と第3の光バリア装置によって側方を制限され、かつ第1の光バリア装置がロック部の制御装置によって検出され、かつ装填プロセスが実施される間、第2の光バリア装置と第3の光バリア装置が移送手段の制御装置とロック部の制御装置によって監視される。それによって、-互いに独立した-移送手段の監視とロック部の監視から、移送手段とロック部の共通の空間的領域の監視への交代を、自動的なやり方で行うことができる、という利点が得られる。
【0017】
この方法の好ましい展開において、移送手段の制御装置によって、第2の光バリア装置又は第3の光バリア装置の中断が記録された場合に、移送手段が停止される。それによって、近傍に存在する諸部分の衝突とそれに伴う損傷、そして又操作者の損傷も、阻止することができる。
【0018】
移送手段の制御装置によって、第2の光バリア装置又は第3の光バリア装置の中断が記録された場合に、移送手段の検出器が能動化されることも、効果的であって、この検出器によって監視領域が形成され、その監視領域は、荷重収容手段と工作物の共通の空間的広がりを越えて側方向に張り出している。これが、障害となる対象又は人の存在に関する監視領域の自動的に行われる管理及びそれに伴ってその障害が再び除去された場合に、一度中断された装填プロセスの自動的な続行も、許容する。
【0019】
ロック部の制御装置によって第2の光バリア装置又は第3の光バリア装置の中断が記録された場合に、第1の光バリア装置が能動化される、展開は、障害の場合において付加的に、障害となる対象がロック部内もしくはパーキングゾーン内へ侵入するか、も監視することができる、という利点を有している。
【0020】
好ましくは、この方法において、移送手段の制御装置とロック部の制御装置によって、第2の光バリア装置及び/又は第3の光バリア装置を、移送手段とロック部の間でメッセージを直接的に伝達するために使用することができる。したがって上位に配置されている制御装置に関係なく、移送手段とロック部の間で通信全体もしくはデータ及び情報交換全体を行うことができる。
【0021】
本発明をさらによく理解するために、以下の図を用いて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図は、それぞれ著しく簡略化された図式的な表示である。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、製造セルと移送手段とを有する製造装置を示している。
【
図3】
図3は、装填プロセスを実施するために、製造セルのロック部の前のスタート位置にある移送手段を示している。
【
図4】
図4は、アクティブな側方の光バリア装置を有する製造セルのロック部前の移送手段を示している。
【
図5】
図5は、ロック部内へ進入した移送手段を有する製造セルを示している。
【
図6】
図6は、ロック部のパーキングゾーン内にパレットもしくは工作物を載置した後の、製造セルのロック部前の移送手段を示している。
【
図7】
図7は、再び製造セルから離れた移送手段を有する製造装置を示している。
【
図8】
図8は、装填プロセスの障害場合の状況におけるロック部前の移送手段を示している。
【
図9】
図9は、移送手段を有する製造装置の代替的な実施例の詳細を、装填プロセスの開始時において示している。
【
図10】
図10は、
図9に示す製造装置を、装填プロセスの障害の状況において示している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
最初に記録しておくが、異なるように記載される実施形態において、同一の部分には同一の参照符号ないし同一の構成部分名称が設けられており、その場合に説明全体に含まれる開示は、同一の参照符号ないし同一の構成部分名称を有する同一の部分へ意味に従って移し替えることができる。また、説明内で選択される、たとえば上、下、側方などのような位置記載は、直接説明され、かつ示される図に関するものであって、この位置記載は位置が変化した場合には意味にしたがって新しい位置へ移し替えられる。
【0025】
図1は、製造セル2と移送手段3とを有する製造装置1を示している。
【0026】
製造装置1は、
図1において上からの平面図で示されている。移送手段3として、いわゆる床と結合された無人移送車両(FTF)が設けられており、その移送車両は専用の走行ドライブ(図示せず)を有しており、自動的に制御され、かつ非接触で案内することができる。材料移送のために、移送手段3には荷重収容手段4が形成されている。この実施例によれば、荷重収容手段4は、2つの歯もしくはフォーク5を有するパレットトラックとして形成されている。荷重収容手段4は、フォーク5を用いて、工作物6を装填したパレット7を収容して、移送することができる。製造セル2は、境界の形式の外側環状の保護仕切り8を有している。この実施例において、保護仕切り8は保護フェンスとして形成されている。製造セル2内には、工作物6を自動的に加工するための加工装置9が設けられている。そのために、たとえば多軸ロボットによって形成された操作装置10が設けられており、その操作装置によって工作物6が加工装置9へ供給され、もしくは加工後に再びその加工装置から取り出される。加工装置9は、たとえば曲げプレスによって形成することができる。
【0027】
外側環状の保護仕切り8内に、安全装置11を備えたドア12が設けられている。このドアによって、そのための権限を有し、かつ認証された操作者のみが製造セル2へ入ることができる。他方で、製造セル2の保護仕切り8は、ドアもしくはロック部を有しており、それは、製造セル2内へ、又は再びそこからの工作物を移送する役割を果たす。ロック部も同様安全装置を有しており、その安全装置によって製造セル2内への権限のない立ち入りが阻止される。この実施例によれば、ロック部の安全装置として、光バリア装置14が設けられている。ロック部の光バリア装置14自体は、制御装置15と接続されており、その制御装置によってその駆動状態を監視し、かつ制御することができる。ロック部の制御装置15は、さらに、製造セル2の制御装置16と接続されている。人あるいは何らかの対象が光バリア装置14の監視領域内へ侵入し、あるいはそれを越えた場合には、それがロック部の制御装置15によって定められて、製造セル2の制御装置16へ伝達される。それに基づいて製造セル2の制御装置16は、加工装置9と操作装置10の駆動を中断し、もしくは場合によっては他の安全措置を導入することができる。
【0028】
移送手段3は、同様に独立した制御装置17を有しており、その制御装置が移送手段3のプログラム制御される自動的な駆動を可能にする。それに数えられるのは、走行移動の制御、工作物6を有するパレット7の上昇と下降、駆動ゾーン上での現在地決定とナビゲーション、そして製造装置1の中央の制御装置18との通信である。したがって、移送手段3による移送任務の実施のために必要とされるような、情報もしくはデータの交換を行うことができる。移送手段3の制御装置17を用いて、駆動ゾーン上で走行する間、走行すべき経路も直接監視することができる。
【0029】
図2は、
図1に示す製造装置1の詳細を示している。
図2に拡大して示す、製造装置1の諸部分においてよりよく認識できるように、移送手段3は保護フィールドもしくは監視領域19を有している。この監視領域19は、移送手段3専用の検出器20によって実現される。検出器20は、いわゆるレーザースキャナによって実現することができ、それを用いて保護フィールド内の対象を検出することができる。移送手段3の検出器20は、その監視領域19がフォーク及び工作物6を有するパレット7の空間的広がりを越えて側方向へ張り出すように、配置されている。監視領域19は、移送手段3及びそれを定める検出器20に関する相対的配置において、不変である。移送手段3が、走行する際に障害となる対象に近づきすぎて、この対象が検出器20によって、監視領域19内に存在すると認識された場合に、移送手段3の制御装置17が移送手段3の停止又は回避操作をもたらすので、障害となる対象との、あるいは人との、衝突を阻止することができる。したがってそれによって物又は人の損傷も回避することができる。
【0030】
移送手段3と連動する監視領域19を発生させるためのスキャナもしくは検出器20は、付加的に、その空間的広がりにおいても可変であることができる。たとえば、移送手段3のより高い走行速度が選択されている場合に、監視領域19を拡大して、それによってより大きい安全間隔を保証することができる。
【0031】
図3~7は、移送手段3を用いて製造セル2へ工作物6を供給する方法の種々のセクションもしくは他の位相を示している。
図2に示す状況又はそれに応じた、製造装置1の駆動状態は、移送手段3が製造セル2のロック部のそばに到着したことに相当する。そのために移送手段3の制御装置17は、-図示される状況に先立って-製造装置1の制御装置18から、工作物6を製造セル2へ供給するための移送依頼を得ている。図示される状況においては、ロック部へのアクセスは、もちろん、光バリア装置14によって阻止されている。
【0032】
ロック部の前の光バリア装置14は、それ自体知られたやり方で、第1の送信器21と第1の受信器22を有している。これらはそれぞれ、ドアもしくはロック部の互いに対向する側に配置されている。光バリア装置14の送信器21と受信器22は、さらに互いに対して、送信器21と受信器22の間に送信器21から発生された光ビームが構築され、もしくは維持されることが可能であるように、方向付けされている。送信器21と受信器22がロック部の制御装置15と接続されていることにより、制御装置15によって光バリア装置14の中断を認識することができる。
【0033】
本発明によれば、製造装置1もしくは製造装置1のロック部及び他の送信器23、24もしくは受信器25、26を有する移送手段3は、光バリア装置27、28を一時的に構築するように形成されている(
図4)。
【0034】
図3において、移送手段3は、ロック部のパーキングゾーン29内へ工作物6を有するパレット7を装填するプロセスのためのスタート位置で示されている。その場合に荷重収容手段4の進入方向30は、ロック部の通過方向31に対して互いに整合するように方向付けされている。したがって第2の光バリア装置27の送信器23と受信器25及び第3の光バリア装置28の送信器24と受信器26は、移送手段3に、もしくはロック部内に位置決めされ、もしくは配置されている。すなわち移送手段3の2つの送信器23、24は、この移送手段に、荷重収容手段4の進入方向30に関して側方に配置されている。他方でロック部の2つの受信器25、26も通過方向31に関して側方に配置されているので、2つの光バリア装置27、28がオンにされ、もしくは能動化された状態において、これらは工作物6もしくはパレット7を有する荷重収容手段4の側方を制限する。好ましくは2つの光バリア装置27、28は、互いに対して実質的に平行に方向付けされている。
【0035】
2つの光バリア装置27、28の能動化された状態において、これらにより移送手段3と共に、U字状の側方の境界が形成される。それによって側方へ向かってつながり合った空間的領域が確保され、もしくは囲い込まれ、その内部空間内にロック部13のパーキングゾーン29も移送手段3の荷重収容手段4もある(
図4、5、6)。すなわちこれら2つの側方の光バリア装置27、28が、一時的に使用可能な安全装置として用いられる。
【0036】
移送手段3が、装填プロセスを実施するために製造セル2のロック部13の前のそのスタート位置を占めた後に(
図3に基づく)(これは、移送手段3の制御装置17に内蔵された現在地を定める装置によって確認することができる)、制御装置17によって2つの光バリア装置27、28が能動化される。そのために2つの送信器23、24がオンにされるので、光ビームがそれぞれの受信器25、26へ入射し、それらによって検出される。したがって、2つの光バリア装置27、28の能動化は、ロック部13の制御装置15によって記録することができ、それに続いてロック部13の制御装置15によってロック部13の第1の光バリア装置14をオフにすることができる(
図3、4)。これが、ロック部13の前の第1の光バリア装置14から2つの光バリア装置27、28への安全機能の移行もしくは交代に相当する。これは同時に、安全確保すべき空間的領域を、ロック部13のパーキングゾーン29と移送手段3の荷重収容手段4の共通の領域へ拡大することを、意味している。その後、装填プロセスのそれ以降の推移において、側方の光バリア装置27、28は、拡大された共通の領域(荷重収容手段4とパーキングゾーン29)を監視し、もしくは安全確保するために用いられる。
【0037】
装填プロセスのそれに続く位相-光バリア装置27、28の能動化後-は、移送手段3の荷重収容手段4がロック部13内へ進入することにある(
図5)。荷重収容手段4のフォーク5が下降することによって、その後、送手段3は工作物6を有するパレット7をパーキングゾーン29内に載置し、それに続いてロック部13から再び退出する(
図6)。
【0038】
移送手段3が再びロック部13の前のその初期位置へ達するとすぐに、移送手段3の制御装置17によって2つの光バリア装置27、28が非作動にされ、もしくはオフにされる(
図6、7)。これが、ロック部13の制御装置15によって、ロック部13の2つの受信器25、25からの信号がなくなることを用いて記録することができ、それに続いて制御装置15がロック部13の前の第1の光バリア装置14を再びオンにする。
【0039】
上述した装填プロセスのために、付加的にさらに、移送手段3がロック部13の前のそのスタート位置に達し、かつそこに停止した場合に、移送手段3の監視領域19のためのスキャナもしくは検出器20も非作動にされる(
図3、4)。他方で、装填プロセスの終了後、移送手段3がロック部13の前のスタート位置を離れる前に(
図6)、検出器20が再びオンにされて、監視領域19が再び能動化される(
図7)。
【0040】
2つの側方の光バリア装置27、28によって安全機能がもたらされている期間の間(
図4、5、6)、ロック部13もしくは移送手段3の2つの制御装置15、17によって2つの光バリア装置27、28の光ビームの中断が、しかるべき境界を対象又は人が侵入し、もしくは越えたことと解釈されて、それに応じた安全措置が導入される。それに属するのは、たとえば移送手段3が制御装置17によって自動的に停止されることである。他方で、このような場合において、ロック部13の制御装置15によってロック部13の前の第1の光バリア装置14を再び能動化することができる(第1の送信器21と第1の受信器22をオンにすることにより)。
【0041】
2つの光バリア装置27、28によって監視される領域内へ対象又は人が侵入する、この種の場合において、好ましくはまた、光バリア装置27、28のいずれかのこの種の中断が確認された後に、検出器20をオンにすることにより、移送手段3の監視領域19が再び能動化される。それに続いて、中断された装填プロセスは、移送手段3の監視領域19の検出器20から得られた信号もしくはデータから、監視領域19に再び障害物がなくなったことが確認できた場合に初めて、製造セル2の制御装置15によって再び続行することができる。そのために必要な措置は、移送手段3の制御装置17とロック部13の制御装置15の協働のもとで、自動的なやり方で実施することができる。
【0042】
図8は、製造セル2のロック部13における移送手段3の装填プロセスの中断の状況を示している。その場合に表示によれば、側方の光バリア装置28が、人32の体が送信器24から送信された光ビームを覆ったことにより中断されている。それによって光バリア装置28の受信器26は、光ビームを検出することができず、それをロック部13の制御装置15によって障害の発生として記録することができる。
【0043】
その後、ロック部13の制御装置15は、報告もしくはメッセージを生成することができ、それが製造セル2の制御装置16を介して製造装置の中央の制御装置18へ伝達される。その後、製造装置1の中央の制御装置18から、移送手段3の制御装置17が側方の光バリア装置28の中断の報告を受けて、それに反応して、移送手段3が停止される。好ましくは、光バリア装置28の中断の伝達への他の反応として、移送手段3の監視領域19のための検出器20がオンにされる。移送手段3の走行移動は、検出器20による監視領域19の監視により、移送手段3の監視領域19内にもはや人32がいないことが明らかにされた場合に初めて、その制御装置17によって再び続行される。さらに、移送手段3の走行運動の再開は、ロック部13の受信器25、26によって、移送手段3の送信器23、24からのしかるべき光ビームが再び受信されることも、前提としている(
図4に示すような状況に相当する)。
【0044】
図9は、製造装置1の代替的な実施例の詳細を示している。ここでも
図1~8におけるのと同一の部分には、同一の参照符号もしくは構成部分名称が使用されている。不必要な繰り返しを避けるために、先行する図内の詳細な説明を参照するよう指示し、もしくは参照する。
【0045】
この実施例に基づく製造装置1において、移送手段3と製造セル2の間に形成された2つの側方の光バリア装置27、28は、送信器と受信器の代替的な配置によって実現されている。
【0046】
左の光バリア装置27(移送手段3から製造セル2のロック部13を見る方向において左)、
図2から8に示す実施例におけるように、移送手段3における送信器23とロック部13における受信器25によって形成される。右の光バリア装置28を形成するために、ロック部13における送信器33と移送手段3における受信器34が設けられている。したがって移送手段3は、左に送信器23、右に受信器34を有している。ロック部13の制御装置15は、左に配置された受信器25及び右に配置された送信器23と接続されている。
【0047】
付加的に、この実施例に基づく製造装置1において、2つの側方の光バリア装置27、28は、移送手段3とロック部13の間でメッセージを直接伝達するために、使用することもできる。そのために、移送手段3の制御装置17もしくは送信器23は、それらによって左の光バリア装置27の光ビームにコード化された信号を乗せて変調することができ、他方でその信号が受信器25もしくはロック部13の制御装置15によって受信して、復調することができるように、形成されている。それと同様なやり方で、送信器33を有するロック部13の制御装置15は、右の光バリア装置28の光ビームを介して、受信器34もしくは移送手段3の制御装置17へメッセージを伝達するように、形成されている。このようにして、移送手段3と製造セル2のロック部13との間で直接的な通信が可能であって、そのために上位に配置されている製造セル2の制御装置16と、さらに製造装置1全体の中央の制御装置18とメッセージ交換を行う必要はない。
【0048】
この実施例に基づく、移送手段3を用いて工作物6を製造セル2へ供給する方法は、付加的な判断基準を用いて駆動状態を監視することを許し、その場合にこれは、移送手段3と製造セル2のロック部13との間の直接的な通信において行うことができる。ロック部13の制御装置15は、その基本状態において、その光バリア装置14をアクティブに維持し、それによってロック部13へのアクセスを監視する。さらに、制御装置15は、受信器25の状態のみを監視すればよく、したがって移送手段3が到達した場合にその移送手段と製造セル2のロック部13との間で通信を行うことができる。
【0049】
工作物6を供給するために製造セル2のロック部13に到着する移送手段3は、まずロック部13の前で装填プロセスのためのスタート位置をとり、そのスタート位置内で荷重収容手段4もしくは移送手段3の進入方向30が、ロック部13の通過方向31に対して整合するように方向づけされている。移送手段3が装填プロセスのためのこのスタート位置をとるとすぐに、移送手段3の制御装置17が、側方の光バリア装置27の左側に配置された送信器23の能動化によってこの光バリア装置をオンにし、それに伴って-受信器25による光ビームの検出により-ロック部13もしくはその制御装置15への接続を形成する。それに反応して、ロック部13の制御装置15が送信器33の能動化によって右の光バリア装置28を能動化することができ、その送信器によって光ビームが移送手段3における受信器34へ向けられる。移送手段3の受信器34における光ビームの検出が、最終的にその制御装置17に、装填プロセスを実際に実施することができる、という情報を与える。装填プロセスの準備完了をこのように両側で確認することは、ロック部13の制御装置15によって光バリア装置14を、そして他方で移送手段3の制御装置17によって監視領域19のための検出器20を非作動にできるための、前提でもある。そして、制御装置17によって移送手段3がロック部13内へ進入するために移動される。
【0050】
装填プロセスのそれ以降の推移の間、2つの側方の光バリア装置27、28によって、拡大された関連する空間的領域の監視が行われ、その領域は、フォーク5及び工作物6を備えたパレットを有する荷重収容手段4も、ロック部13内のパーキングゾーン29も含んでいる。側方の光バリア装置27、28の2つの光ビームのいずれかの中断が、移送手段3とロック部13の制御装置15、17によって、障害の発生として認識されて、2つの制御装置15、17によって互いに直接的に通信することにより非常措置を導入することができる。
【0051】
図10は、製造セル2のロック部13における移送手段3の装填プロセスの障害もしくは中断の状況を示している。図示される状況において、人32のボディが拡大された監視領域に近づいて、それによってロック部の送信器33と移送手段3の受信器34との間で右の光バリア装置28の光ビームが中断されている。したがって移送手段3の制御装置17によって受信器34からの信号がないことが記録されて、移送手段3が停止される。同時に制御装置17は、それに応じた報告を作成することができ、それが左の光バリア装置27を介してロック部13の制御装置15へ伝達される。移送手段3の停止の他に、ロック部13の制御装置15によって他の保護措置としてロック部13の前の光バリア装置14を再びオンし、かつ移送手段3の制御装置17によって、監視領域19を能動化するために検出器20をオンにすることができる。
【0052】
そのほかにおいて、この種の障害場合の後の装填プロセスの再開もしくは続行は、同様に自動化されたやり方で行うことができる。すなわち移送手段3の制御装置17によって、人32もしくはその他の妨げとなる対象がもはや監視領域19内に存在しないことが、確認された場合に、この状況はロック部13の制御装置15へも伝達することができる。その結果において、-移送手段3の検出器20を非作動にして、ロック部13の前の光バリア装置14を再びオフにした後に-移送手段3を再び移動させ、そのようにして装填プロセスを続行することができる。
【0053】
特に厳しく扱われる安全措置として、特に、全期間の間、すなわち障害の発生から、障害となる対象又は障害となる人がもはや存在していないことが検出されるまで、検出器20による監視領域19の監視も、光バリア装置14によるロック部13へのアクセスの監視も行われる。その後に初めて、装填プロセスの自動的に制御される再始動を実施することが許される。
【0054】
最後に形式的に指摘しておくが、構造をよりよく理解するために、部材は部分的に縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大かつ/又は縮小して示されている。
[構成1]
工作物(6)を加工するための製造セル(2)を有する製造装置(1)であって、
前記製造セル(2)の境界を形成する外側環状の保護仕切り(8)を有し、
該保護仕切り(8)内に工作物(6)の装填プロセスを実施するためのロック部(13)が形成され、該ロック部(13)の開口部に、第1の送信器(21)と該第1の送信器(21)に対応づけられた第1の受信器(22)とを有する第1の光バリア装置(14)が形成され、前記工作物(6)を移送するための荷重収容手段(4)を有する無人移送手段(3)を備えた、製造装置(1)において、
装填プロセスを実施するために、前記無人移送手段(3)と前記ロック部(13)の間に第2の光バリア装置(27)と第3の光バリア装置(28)とが形成され、前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)とが、互いに対向する側に設けられた前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とによって外側に境界を付けられている、ことを特徴とする製造装置(1)。
[構成2]
装填プロセスを実施する間、前記工作物(6)のための前記ロック部(13)のパーキングゾーン(29)と関連する領域が、前記無人移送手段(3)と、前記第2の光バリア装置(27)と、前記第3の光バリア装置(28)とによって外側に境界を付けられている、ことを特徴とする構成1に記載の製造装置(1)。
[構成3]
前記無人移送手段(3)は制御装置(17)を有し、該制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)及び/又は前記第3の光バリア装置(28)を必要に応じてプログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている、ことを特徴とする構成1又は2に記載の製造装置(1)。
[構成4]
前記ロック部(13)が制御装置(15)を有し、該制御装置(15)は、前記ロック部(13)の前の前記第1の光バリア装置(14)を必要に応じて、プログラム制御で能動化し、かつ非能動化するように、形成されている、ことを特徴とする構成1~3の何れか一項に記載の製造装置(1)。
[構成5]
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)と前記ロック部(13)の制御装置(15)とは、一緒に前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とをプログラム制御で監視するように、形成されている、ことを特徴とする構成1~4の何れか一項に記載の製造装置(1)。
[構成6]
前記第2の光バリア装置(27)は、前記無人移送手段(3)に固定された第2の送信器(23)と、前記ロック部(13)に固定された第2の受信器(25)とを有し、
前記第3の光バリア装置(28)は、前記ロック部(13)に固定された第3の送信器(33)と、前記無人移送手段(3)に固定された第3の受信器(32)とを有している、ことを特徴とする構成1~5の何れか一項に記載の製造装置(1)。
[構成7]
前記第2の光バリア装置(27)は、前記無人移送手段(3)の制御装置(17)から前記ロック部(13)の制御装置(15)へのメッセージを伝達するように形成され、
前記第3の光バリア装置(28)は、前記ロック部(13)の制御装置(15)から前記無人移送手段(3)の制御装置(17)へのメッセージを伝達するように、形成されている、ことを特徴とする構成1~6の何れか一項に記載の製造装置(1)。
[構成8]
前記無人移送手段(3)は監視領域(19)を形成するために検出器(20)を有し、前記監視領域(19)は、前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)の共通の空間的広がりを越えて外側方向に張り出している、ことを特徴とする構成1~7の何れか一項に記載の製造装置(1)。
[構成9]
無人移送手段(3)と工作物(6)を加工するための製造セル(2)とによって工作物(6)を装填する方法であって、
前記製造セル(2)の外側環状の保護仕切り(8)内にロック部(13)が形成され、該ロック部(13)の開口部は、第1の送信器(21)と第1の送信器(21)とに対応づけられた第1の受信器(22)を有する第1の光バリア装置(14)によって、権限のないアクセスに対して保護され、前記無人移送手段(3)は、荷重収容手段(4)を有し、かつ制御装置(17)によって制御される、方法において、
前記無人移送手段(3)は前記製造セル(2)の前記ロック部(13)の前の装填プロセスのためのスタート位置へ移動され、
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)によって、第2の光バリア装置(27)と第3の光バリア装置(28)が能動化され、前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)によって前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)とが互いに対向する側において外側に境界を付けられ、
前記第1の光バリア装置(14)は前記ロック部(13)の制御装置(15)によって非能動化され、
前記第2の光バリア装置(27)と前記第3の光バリア装置(28)とは、装填プロセスを実施する間に、前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)と前記ロック部(13)の前記制御装置(15)とによって監視される、ことを特徴とする方法。
[構成10]
スタート位置において、前記無人移送手段(3)の進入方向(30)は、前記ロック部(13)の通過方向(31)に関して整合して方向付けされている、ことを特徴とする構成9に記載の方法。
[構成11]
前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記無人移送手段(3)が停止される、ことを特徴とする構成9又は10に記載の方法。
[構成12]
前記無人移送手段(3)の制御装置(17)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記無人移送手段(3)の検出器(20)が能動化され、該検出器(20)によって監視領域(19)が形成され、該監視領域は前記荷重収容手段(4)と前記工作物(6)の共通の空間的広がりを越えて外側方向へ張り出している、ことを特徴とする構成9~11の何れか一項に記載の方法。
[構成13]
前記ロック部(13)の前記制御装置(15)は、前記第2の光バリア装置(27)又は前記第3の光バリア装置(28)の中断を記録する場合に、前記第1の光バリア装置(14)が能動化される、ことを特徴とする構成9~12の何れか一項に記載の方法。
[構成14]
前記無人移送手段(3)の前記制御装置(17)と前記ロック部(13)の前記制御装置(15)とによって、前記第2の光バリア装置(27)及び/又は前記第3の光バリア装置(28)は、前記無人移送手段(3)と前記ロック部(13)との間でメッセージを直接伝達するために使用される、ことを特徴とする構成9~13の何れか一項に記載の方法。
【0055】
1 製造装置
2 製造セル
3 移送手段
4 荷重収容手段
5 フォーク
6 工作物
7 パレット
8 保護仕切り
9 加工装置
10 操作装置
11 安全装置
12 ドア
13 ロック部
14 光バリア装置
15 制御装置
16 制御装置
17 制御装置
18 制御装置
19 監視領域
20 検出器
21 送信器
22 受信器
23 送信器
24 送信器
25 受信器
26 受信器
27 光バリア装置
28 光バリア装置
29 パーキングゾーン
30 進入方向
31 通過方向
32 人
33 送信器
34 受信器
【0056】
保護領域は、請求項によって定められる。しかし明細書と図面は、請求項を解釈するために利用されるべきである。図示され、かつ説明された様々な実施例からなる個別特徴及び特徴の組合せは、それ自体自立した進歩的解決を表すことができる。自立した進歩的解決の基礎となる課題は、明細書から読み取ることができる。
【0057】
具体的な説明内の値領域についてのすべての記載は、その任意の部分領域とすべての部分領域を共に含むものであって、たとえば記載1から10は、下限の1と上限の10から始まるすべての部分領域、すなわち下限の1またはそれ以上で始まり、上限の10またはそれ以下で終了する、たとえば1から1.7、または3.2から8.1、あるいは5.5から10のすべての部分領域、を一緒に含んでいるものとする。
【0058】
最後に形式的に指摘しておくが、構造をよりよく理解するために、部材は部分的に縮尺どおりではなく、かつ/又は拡大かつ/又は縮小して示されている。
【符号の説明】
【0059】
1 製造装置
2 製造セル
3 移送手段
4 荷重収容手段
5 フォーク
6 工作物
7 パレット
8 保護仕切り
9 加工装置
10 操作装置
11 安全装置
12 ドア
13 ロック部
14 光バリア装置
15 制御装置
16 制御装置
17 制御装置
18 制御装置
19 監視領域
20 検出器
21 送信器
22 受信器
23 受信器
24 送信器
25 受信器
26 受信器
27 光バリア装置
28 光バリア装置
29 パーキングゾーン
30 進入方向
31 通過方向
32 人
33 送信器
34 受信器