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特許7314308熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ
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  • 特許-熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ 図1
  • 特許-熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ 図2
  • 特許-熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ 図3
  • 特許-熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】熱伝達装置を有するバッテリハウジング構造体、及びバッテリハウジング構造体を有するトラクションバッテリ
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6556 20140101AFI20230718BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20230718BHJP
   H01M 10/625 20140101ALI20230718BHJP
   H01M 10/615 20140101ALI20230718BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20230718BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/625
H01M10/615
H01M10/653
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021563092
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-29
(86)【国際出願番号】 EP2020056170
(87)【国際公開番号】W WO2020216516
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-22
(31)【優先権主張番号】102019110613.3
(32)【優先日】2019-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598001467
【氏名又は名称】カウテックス テクストロン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス・ハース
(72)【発明者】
【氏名】モーリッツ・リッペルハイデ
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク・エンキルヒ
【審査官】佐藤 卓馬
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-227148(JP,A)
【文献】特開2012-248299(JP,A)
【文献】特開2018-116813(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011075820(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/613
H01M 10/625
H01M 10/615
H01M 10/653
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に車両の流体温度調節可能なトラクションバッテリ(1)におけるバッテリハウジング構造体(2)としての、バッテリハウジング構造体(2)であって、
複数のバッテリセル(3)を収容するための内部空間(5)を取り囲むバッテリハウジング(4)と、
流入部(19)、流出部(20)、及び流体工学的にこれらの間に配置された少なくとも1つの流体通路(7)を有する熱伝達装置(6)と、を有し、
前記熱伝達装置(6)は前記流入部(19)から少なくとも1つの前記流体通路(7)を介して前記流出部(20)へと流体(8)によって貫流することができ、
少なくとも1つの前記流体通路(7)は前記内部空間(5)に配置されるとともに、その接触側(10)で前記バッテリセル(3)への少なくとも1つの接触部材(9)に対して熱伝達のために押圧可能である、バッテリハウジング構造体において、
前記熱伝達装置(6)の中の流体(8)に圧力が印加されることによって膨張して、支持面(16)に支持されることで少なくとも1つの前記流体通路(7)を少なくとも1つの前記接触部材(9)に対して押圧する少なくとも1つの膨張部材(11)が設けられることを特徴とする、バッテリハウジング構造体(2)。
【請求項2】
少なくとも1つの前記膨張部材(11)は、前記支持面(16)に支持されることで少なくとも1つの前記流体通路(7)を少なくとも1つの前記接触部材(9)に対して押圧するために、少なくとも1つの前記流体通路(7)の前記接触側(10)と向かい合う支持側(12)に配置されることを特徴とする、請求項1に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項3】
少なくとも1つの前記流体通路(7)はその通路壁に少なくとも1つの切欠き(13)を有し、少なくとも1つの前記膨張部材(11)が前記通路壁の前記切欠き(13)に配置されて、圧力印加によって少なくとも1つの前記流体通路(7)の中で膨張するために施工されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記流体通路(7)はそれぞれ1つの前記膨張部材(11)が中に配置された複数の切欠き(13)をその前記通路壁に有し、前記複数の切欠き(13)は前記膨張部材(11)とともに好ましくは少なくとも1つの列に配置されることを特徴とする、請求項3に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項5】
前記複数の切欠き(13)はそれぞれ円形状又は長方形状を有することを特徴とする、請求項4に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項6】
少なくとも1つの前記膨張部材(11)が少なくとも1つの前記流体通路(7)と前記支持面(16)との間で位置決めされ、
少なくとも1つの前記膨張部材(11)は前記流入部(19)、前記流出部(20)、及び/又は少なくとも1つの前記流体通路(7)と流体接続されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項7】
少なくとも1つの前記膨張部材(11)は少なくとも1つの前記流体通路(7)と並列のバイパス配管(18)に配置されることを特徴とする、請求項6に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項8】
前記支持面(16)は前記バッテリハウジング(4)のハウジング壁の内面(16)であり、好ましくは前記バッテリハウジング(4)の底面壁(17)の内面(16)であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項9】
前記バッテリセル(3)との熱伝達のために複数の前記接触部材(9)が設けられ、好ましくは各々の前記バッテリセル(3)について1つの前記接触部材(9)が設けられ、
少なくとも1つの前記流体通路(7)はその前記接触側(10)で前記複数の接触部材(9)に対して押圧可能であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項10】
前記熱伝達装置(6)は少なくとも1つの前記接触部材(9)に対して前記接触側(10)で押圧可能である複数の前記流体通路(7)を有することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項11】
前記バッテリハウジング(4)の中に支持プレートが配置され、前記支持面は前記支持プレートの面であり、前記支持プレートは好ましくは前記バッテリハウジング(4)の中間壁又は中央壁を形成することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項12】
前記複数のバッテリセル(3)が少なくとも2つの平面で前記内部空間(5)に配置され、
各々の前記平面に1つの前記熱伝達装置(6)が割り当てられ、
各々の前記流体通路(7)をその前記接触側(10)で1つの平面の前記バッテリセル(3)への1つの前記接触部材(9)に対して熱伝達のために押圧可能であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)。
【請求項13】
流体温度調節可能なトラクションバッテリ(1)において、
請求項1から12のいずれか1項に記載のバッテリハウジング構造体(2)と、
前記バッテリハウジング構造体(2)のバッテリハウジング(4)に収容された複数のバッテリセル(3)と、
少なくとも1つの流体通路(7)と前記複数のバッテリセル(3)との間での熱伝達のための少なくとも1つの接触部材(9)と、を有する、流体温度調節可能なトラクションバッテリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に車両の流体温度調節可能なトラクションバッテリにおけるバッテリハウジング構造体としての、バッテリハウジング構造体に関し、複数のバッテリセルを収容するための内部空間を取り囲むバッテリハウジングと、流入部、流出部、及び流体工学的にこれらの間に配置された少なくとも1つの流体通路を有する熱伝達装置と、を有し、熱伝達装置は流入部から少なくとも1つの流体通路を介して流出部へと流体によって貫流することができ、少なくとも1つの流体通路は内部空間に配置されるとともに、その接触側でバッテリセルへの少なくとも1つの接触部材に対して熱伝達のために押圧可能である。
【0002】
さらに本発明は、上記のバッテリハウジング構造体と、バッテリハウジング構造体のバッテリハウジングに収容された複数のバッテリセルと、少なくとも1つの流体通路と複数のバッテリセルとの間での熱伝達のための少なくとも1つの接触部材と、を有する、流体温度調節可能なトラクションバッテリに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術より、流体温度調節可能なトラクションバッテリのためのバッテリハウジング構造体、及び、相応の流体温度調節可能なトラクションバッテリがさまざまな実施形態ですでに知られている。これらは複数の要求事項を満たさなければならない。たとえばバッテリハウジングは、その中に収容されたバッテリセルとバッテリモジュールとを衝突安全式にカプセル化して、環境に対して遮蔽すべきである。さらにバッテリハウジングは、トラクションバッテリの低コストな製造を可能にすべきであり、バッテリハウジングに収容されたバッテリモジュールの簡易なメンテナンスのためにセットアップされるべきである。
【0004】
トラクションバッテリの周知のバッテリハウジングは、たとえば溶接又はプレスされた鋼板や鋳造アルミニウムから製造される。しかしながらプラスチック及び/又は複合材料も、これらがたとえば金属に比べて少ない重量を有することから、このようなバッテリハウジングに使用されることが増えている。
【0005】
現代のトラクションバッテリは高い感温性を有する。トラクションバッテリを通る電流が熱を生成するので、通常、熱交換器としてバッテリモジュールの熱を吸収してバッテリハウジングから運び出すバッテリ冷却部材がハウジングの中に配置される。これに加えて、たとえば周囲温度が低いときには、トラクションバッテリを適切な動作温度までできるだけ迅速に加熱するのが有利である。このことは、トラクションバッテリの充電と放電との両方に当てはまる。
【0006】
トラクションバッテリの温度調節のために、典型的には流体が利用され、すなわち気体又は好ましくは液体が利用される。このとき流体からバッテリセルへ、又はその逆に、熱伝達を行うことができる。その代替として、蒸発のための熱を吸収させるために、又は凝縮するときの熱を放出させるために、流体がその凝集状態を変化させる冷却回路が設けられていてもよい。このことは、トラクションバッテリの特別に効率的な温度調節を可能にする。
【0007】
十分な熱伝達を保証するために、流体通路と接触部材との間の接触を追加の圧着力によって改善することができる。そのために、先行技術では弾性的なばね部材が知られている。しかしこれは製造に関してコストが高く、恒常的な機械的負荷を生成する。特に、剛性の低いバッテリハウジングの場合に、このような機械的負荷が問題となり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって本発明の根底にある課題は、上述した欠点を少なくとも部分的に克服し、特に容易に製造することができ、高い信頼性と耐久性とを有するバッテリハウジング構造体、及びそのようなバッテリハウジング構造体を有する流体温度調節可能なトラクションバッテリを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の根底にある課題は、請求項1の構成要件を有するバッテリハウジング構造体によって解決される。バッテリハウジング構造体の有利な実施形態は、請求項1に従属する各請求項に記載されている。
【0010】
より詳細には、本発明の根底にある課題は、特に車両の流体温度調節可能なトラクションバッテリにおけるバッテリハウジング構造体としての、バッテリハウジング構造体によって解決され、複数のバッテリセルを収容するための内部空間を取り囲むバッテリハウジングと、流入部、流出部、及び流体工学的にこれらの間に配置された少なくとも1つの流体通路を有する熱伝達装置と、を有し、熱伝達装置は流入部から少なくとも1つの流体通路を介して流出部へと流体によって貫流することができ、少なくとも1つの流体通路は内部空間に配置されるとともに、その接触側でバッテリセルへの少なくとも1つの接触部材に対して熱伝達のために押圧可能である。
【0011】
本発明によるバッテリハウジング構造体は、熱伝達装置の中の流体に圧力が印加されることによって膨張して、支持面に支持されることで少なくとも1つの流体通路を少なくとも1つの接触部材に対して押圧する少なくとも1つの膨張部材が設けられることを特徴とする。
【0012】
すなわち、熱伝達装置における利用可能な流体圧力が、接触部材への少なくとも1つの流体通路の圧着力を生成するために利用される。それによって面状の熱伝達を保証することができる。圧着力生成のための機械的なばね部材の使用を省略することができる。本発明によるバッテリハウジング構造体では、少なくとも1つの流体通路が使用時にのみ、すなわち流体に圧力が印加されているときにのみ、接触部材に対して押圧されることによって、機械的負荷が低減される。それにより、非使用時には流体通路が機械的負荷なしに保たれる。同様のことは、膨張部材が支持される支持面について、及びこれと機械的に結合されるコンポーネントについても当てはまる。それに伴い、弾性的なばね部材の使用とは対照的に、機械的負荷が常に一時的にのみ有効となる。このことは、特にプラスチック部品が使用される場合に好ましい。プラスチック部品は、恒常的な機械的負荷を受けるとクリープや恒常的な変形を生じる傾向があるからである。また、接触部材に対する少なくとも1つの流体通路の改善された押圧により、当該接触部材の厚みの低減、及びこれに伴って少なくとも1つの流体通路とバッテリセルとの間の熱抵抗の低減を行うことができる。
【0013】
本発明によるバッテリハウジング構造体の別の利点は、作動時に部品公差や部品変形が補償されることにあり、後者は負荷のもとで、すなわち流体への印加がなされたときに、自動的にもたらされる。このようにして、トラクションバッテリの充電又は放電を高い信頼度で実行することができる。それと同時に、少なくとも1つの流体通路の押圧に関する適合化が原則として必要ないので、熱伝達装置が高い再利用可能性を有する。
【0014】
これに加えて、少なくとも1つの流体通路が少なくとも1つの接触部材に対して押圧されることで力伝達を行うことができ、それに加えてこのような力伝達は、バッテリセルが接触部材と熱接触することも保証する。典型的には、バッテリセルは少なくとも流体通路と反対を向いている側から接触部材と熱接触する。
【0015】
車両は電気駆動装置を有する任意の車両であってよく、たとえば純粋に電気で作動する車両、又は電気駆動装置と、たとえば内燃機関などの別の駆動装置とを有するいわゆるハイブリッド車両であってよい。車両における電気駆動モータの個数と配置は、本発明にとって重要ではない。
【0016】
バッテリハウジングは、たとえば底面トレイとカバーとを含む2部分で構成されていてよく、それにより、バッテリセルの挿入後にバッテリハウジングを閉止することができる。さらに、バッテリセルへのアクセスを可能にするためにバッテリハウジングを開くことができる。バッテリハウジングは、たとえば金属で製作されていてよい。しかしながら、バッテリハウジングがプラスチック材料又は複合材料で製造されるのが好ましく、それにより、バッテリハウジングを少ない重量で製造することができる。その場合、少なくとも1つの流体通路の圧着による機械的負荷が一時的にのみ生じるので、バッテリハウジングに関わる公差要求事項の削減を行うことができる。バッテリハウジングに関わる剛性要求事項の削減も可能であり、それによって重量を節減することができる。その場合、垂れ発生のリスクも低減することができる。
【0017】
熱伝達装置は流入部と流出部とを含み、これらを通って流体が循環する。流入部と流出部とはバッテリハウジングから導出されていてよく、又は別案として、たとえば特にバッテリセルが複数の平面に配置される場合にバッテリハウジング内での流体の配分を行うために、バッテリハウジングの中に位置することができる。少なくとも1つの流体通路は、熱伝達装置の動作に依存して、接触部材から熱を吸収するために、及び/又はこれに放出するために、熱交換器としての役目を果たす。それによりバッテリセルを温度調節して、最善の動作を可能にするとともに、その最大の蓄電容量を提供することができる。
【0018】
流体は、気体又は好ましくは液体であり得る。このとき、流体から少なくとも1つの流体通路及び少なくとも1つの接触部材を介してバッテリセルに、又はその逆に、熱伝達を行うことができる。その代替として、蒸発のための熱を吸収させるために、又は凝縮するときの熱を放出させるために、流体がその凝集状態を変化させる冷却回路が設けられていてもよい。このことは、バッテリセルの特別に効率的な温度調節を可能にする。
【0019】
少なくとも1つの流体通路は、熱を少なくとも1つの接触部材に伝達するために、又は少なくとも1つの接触部材から熱を吸収するために、内部空間に配置される。さらに少なくとも1つの接触部材が、さらなる熱伝達のためにバッテリセルと熱接触する。少なくとも1つの接触部材は、典型的には、高い熱伝導率を有する金属、好ましくはアルミニウムから製作される。少なくとも1つの流体通路は管状に施工され、接触部材との良好な熱接触を成立させるために、接触部材と接触する接触側を有する。接触側は、少なくとも1つの流体通路の平坦な壁であるのが好ましい。少なくとも1つの流体通路は、長方形の断面を有するのが特別に好ましい。少なくとも1つの流体通路の壁は形状安定的である。少なくとも1つの流体通路も、典型的には高い熱伝導率を有する金属、好ましくはアルミニウムから製作される。複数の流体通路が原則として任意の方式で並列及び/又は直列に接続されていてよい。1つの流体通路又は複数の流体通路が、全体としてメアンダ状に施工又は配置されていてよい。
【0020】
少なくとも1つの膨張部材は、膨張を可能にするために弾性的に変形可能である。たとえば少なくとも1つの膨張部材は、プラスチック材料又はゴム材料から製作されていてよい。少なくとも1つの膨張部材は熱伝達装置の作動時に流体の圧力によって膨張し、それにより、少なくとも1つの流体通路が少なくとも1つの接触部材に対して押圧される。このとき少なくとも1つの膨張部材の支持は、十分な安定性を有する支持面で行われる。このとき、少なくとも1つの流体通路が少なくとも1つの接触部材に対して押圧される所望の機械的圧力を、膨張部材の個数、これらの配置、並びにこれらの形状及び/又はこれらのサイズを通じて調整することができる。
【0021】
有利な実施形態では、少なくとも1つの膨張部材は、支持面に支持されることで少なくとも1つの流体通路を少なくとも1つの接触部材に対して押圧するために、少なくとも1つの流体通路の接触側と向かい合う支持側に配置される。それにより、少なくとも1つの流体通路がその全体で、支持面により少なくとも1つの接触部材に対して押圧される。少なくとも1つの流体通路の断面の変化が回避され、それにより、少なくとも1つの流体通路を通る流体の貫流が損なわれることがない。
【0022】
有利な実施形態では、少なくとも1つの流体通路はその通路壁に少なくとも1つの切欠きを有し、少なくとも1つの膨張部材が通路壁の切欠きに配置されて、圧力印加により少なくとも1つの流体通路の中で膨張するために施工される。少なくとも1つの膨張部材は、たとえば切欠きに挿入されていてよい。このとき、少なくとも1つの膨張部材が通路壁を内側でも外側でも包囲するのが好ましい。その代替として少なくとも1つの膨張部材は、それぞれの切欠きの領域で、少なくとも1つの流体通路の内側又は外側に配置されていてよい。このとき、複数の膨張部材を単一の弾性部材によって構成することができ、たとえば、少なくとも1つの流体通路の内側に配置されて複数の切欠きを覆うゴムベルトによって構成することができる。少なくとも1つの膨張部材は、流体への圧力の印加がないときからすでに、又は液体への圧力の印加後に初めて、切欠きを通って延びることができる。少なくとも1つの流体通路での圧力上昇が、少なくとも1つの膨張部材の隆起を直接的に惹起する。
【0023】
有利な実施形態では、少なくとも1つの流体通路はそれぞれ1つの膨張部材が中に配置された複数の切欠きをその通路壁に有し、複数の切欠きは膨張部材とともに好ましくは少なくとも1つの列に配置される。複数の切欠きと膨張部材とがある場合、少なくとも1つの流体通路を少なくとも1つの接触部材に対して均等に押圧することができる。さらに、支持面のさまざまな構成に合わせた、又は支持面の変形に合わせた、適合化を行うことができる。多数の膨張部材は、典型的には、支持面が作動中に変形したときでも、支持面に合わせた非常に正確な適合化を可能にする。少なくとも1つの流体通路及び切欠きの形状に依存して、均等な押圧を実現するために複数列の切欠きを有する少なくとも1つの流体通路の構成が好ましい場合がある。
【0024】
有利な実施形態では、複数の切欠きはそれぞれ円形状又は長方形状を有する。そのような切欠きは、少なくとも1つの流体通路に容易に製作することができる。相応に成形された膨張部材の製造も容易に可能である。
【0025】
有利な実施形態では、少なくとも1つの膨張部材は少なくとも1つの流体通路と支持面との間で位置決めされ、少なくとも1つの膨張部材は流入部、流出部、及び/又は少なくとも1つの流体通路と流体接続される。このように、少なくとも1つの膨張部材が少なくとも1つの流体通路の外部で、すなわち少なくとも1つの流体通路と支持面との間で、位置決めされる。それによって少なくとも1つの流体通路は、少なくとも1つの接触部材に対して全体として押圧される。少なくとも1つの流体通路の断面の変化が回避される。少なくとも1つの膨張部材は、たとえばバルーンやクッションのような形式で施工されていてよい。少なくとも1つの膨張部材は、原則として任意の個所で熱伝達装置と結合されていてよい。このとき複数の膨張部材が共同で、又はそれぞれ個別に、熱伝達装置と結合されていてよい。
【0026】
有利な実施形態では、少なくとも1つの膨張部材は少なくとも1つの流体通路と並列のバイパス配管に配置される。このときバイパス配管は、少なくとも1つの流体通路よりも小さい断面積を有するのが好ましい。バイパス配管に沿って複数の膨張部材が配置されるのが好ましい。その代替として、バイパス配管が全体的に膨張部材として、たとえば弾性的に変形可能なホースとして、施工されていてよい。
【0027】
有利な実施形態では、支持面はバッテリハウジングのハウジング壁の内面であり、好ましくはバッテリハウジングの底面壁の内面である。このようにして、支持面を提供するための別個のコンポーネントが必要ない。底面壁の内面への支持の場合、一時的のみの機械的負荷によって、ハウジングの変形を低減することができる。それと同時に、膨張部材によって底面壁の内面に合わせた高い信頼度の適合化が行われ、それにより、少なくとも1つの流体通路を少なくとも1つの接触部材に対して高い信頼度で押圧することができる。底面壁の内面が支持面として利用される場合、バッテリセルの重力によって反力が生成され、それにより、少なくとも1つの接触部材と少なくとも1つの流体通路との間の熱接触を特別に高い信頼度で具体化することができる。
【0028】
有利な実施形態では、バッテリセルとの熱伝達のために複数の接触部材が設けられ、好ましくは各々のバッテリセルについて1つの接触部材が設けられ、少なくとも1つの流体通路をその接触側で複数の接触部材に対して押圧可能である。それに伴い、少なくとも1つの流体通路の圧着をそれぞれ局所的に適合化できることによって、少なくとも1つの流体通路による接触部材への特別に高い信頼度の接触を実現することができる。複数の流体通路を複数の接触部材に対して個別に押圧可能であるのが好ましく、各々の流体通路を1つの接触部材に対して個別に押圧可能であるのが特別に好ましい。
【0029】
有利な実施形態では、熱伝達装置は、少なくとも1つの接触部材に対して接触側で押圧可能である複数の流体通路を有する。それに伴い、それぞれの流体通路の圧着を局所的に適合化できることによって、少なくとも1つの流体通路による接触部材への特別に高い信頼度の接触を実現することができる。それぞれの流体通路が機械的に互いに固定されて結合されていてよい。その代替として、個々の流体通路が相互に可動に配置されていてよい。複数の流体通路を複数の接触部材に対して個別に押圧可能であるのが好ましく、各々の流体通路を1つの接触部材に対して個別に押圧可能であるのが特別に好ましい。
【0030】
有利な実施形態では、バッテリハウジングの中に支持プレートが配置され、支持面は支持プレートの面であり、支持プレートは好ましくはバッテリハウジングの中間壁又は中央壁を形成する。すなわち、バッテリハウジングのハウジング壁が支持面を提供することは原則として必要ない。このことは、複数の平面へのバッテリセルの配置を可能にするという利点があり、それにより、バッテリセルや接触部材の配置に関わりなく、流体通路をそれぞれの接触部材に対してそれぞれ押圧することができる。このとき支持プレートは、バッテリハウジングの構造的な補強を追加的に惹起する。
【0031】
複数のバッテリセルが少なくとも2つの平面で内部空間に配置されるのがさらに好ましい。各々の平面に1つの熱伝達装置が割り当てられる。各々の流体通路をその接触側で、1つの平面のバッテリセルへの1つの接触部材に対して熱伝達のために押圧可能である。それに応じて、複数の平面へのバッテリセルの配置が内部空間で形成される。その場合、平面に割り当てられた少なくとも1つの流体通路とバッテリセルとがそれぞれ熱接触することによって、各々の平面のバッテリセルを高い信頼度で温度調節できることが保証される。複数の平面へのバッテリセルの配置は、トラクションバッテリについて高度の構成自由度をもたらす。隣接する2つの平面は、たとえば支持プレートなどの支持部材の両方の側でまず最初に熱伝達装置が配置され、これにそれぞれ1つの接触部材が後続するように構成されるのが好ましい。さらに、相応の平面のバッテリセルがこれに後続する。
【0032】
さらに本発明の課題の解決は、上記のバッテリハウジング構造体と、バッテリハウジング構造体のバッテリハウジングに収容された複数のバッテリセルと、少なくとも1つの流体通路と複数のバッテリセルとの間の熱伝達のための少なくとも1つの接触部材と、を有する、流体温度調節可能なトラクションバッテリによって行われる。
【0033】
バッテリハウジング構造体の利点や構成に関する上記の説明は、このようなバッテリハウジング構造体を有する流体温度調節可能なトラクションバッテリについて相応に当てはまる。
本発明のさらなる利点、具体的事項、及び構成要件は、以下に説明する実施例から明らかとなる。ここで具体的には次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】バッテリハウジング構造体と複数のバッテリセルとを有する本発明の第1の好ましい実施形態に基づく本発明のトラクションバッテリを横からの断面図で示す部分図であり、バッテリハウジング構造体は複数の流体通路を有する熱伝達装置を有している。
図2】第1の実施形態のトラクションバッテリの複数の流体通路を示す概略図であり、流体通路は隣接して配置されていて、それぞれ複数の円形の膨張部材を有している。
図3】本発明の第2の実施形態に基づく複数の流体通路を示す概略図であり、流体通路は隣接して配置されていて、それぞれ複数の長方形の膨張部材を有している。
図4】バッテリハウジング構造体と複数のバッテリセルとを有する本発明の第3の実施形態に基づく本発明のトラクションバッテリを横からの断面で示す部分図であり、バッテリハウジング構造体は複数の流体通路を有する熱伝達装置を有している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下の説明において、同じ符号は同じコンポーネント又は同じ構成要件を示しており、したがって、あるコンポーネントに関して1つの図面を参照して行った説明は他の図面にも該当するので、繰り返しての説明は行わない。さらに、1つの実施形態との関連で説明した個々の構成要件は、他の実施形態でも別個に適用可能である。
【0036】
図1は、本発明の第1の好ましい実施形態による車両用の流体温度調節可能なトラクションバッテリ1を示している。車両は電気駆動装置を有する任意の車両であってよく、たとえば、純粋に電気式に作動する車両、又は電気駆動装置と、たとえば内燃機関などの別の駆動装置と、を有する、いわゆるハイブリッド車両であってよい。車両は、電気モータの任意の配置を有することができる。
【0037】
トラクションバッテリ1は、バッテリハウジング構造体2と複数のバッテリセル3とを含んでいる。バッテリハウジング構造体2は、バッテリセル3を収容するための内部空間5を取り囲むバッテリハウジング4を含んでいる。第1の実施形態のバッテリハウジング4は、少ない重量を有するプラスチック材料又は複合材料で製作される。
【0038】
さらにバッテリハウジング構造体2は、流入部と、流出部と、流体工学的にこれらの間に配置された複数の流体通路7と、を有する熱伝達装置6を含んでいる。流体通路7は長方形の断面を有する管状に施工されている。流体通路7の壁は、高い熱伝導率を有する金属、好ましくはアルミニウムから寸法安定的に製作される。流体通路7は、原則として任意の仕方で並列及び/又は直列に接続される。流体通路7は内部空間5に配置されている。流体通路7は、機械的に互いに固定されて結合されていてよい。その代替として、個々の流体通路7が相互に可動に配置されていてよい。
【0039】
熱伝達装置6は、流入部から流体通路を介して流出部へと流体8により貫流される。流体8は、この実施例では気体又は好ましくは液体である。流体通路7は内部空間5に配置されている。流入部と流出部とはバッテリハウジング4から導出されていてよく、あるいはその代替として、たとえばバッテリハウジング4の中で流体8の配分を行うために、バッテリハウジング4の中に位置する。
【0040】
さらにトラクションバッテリ1は、図1の図面で見て下面で流体通路7の接触側10と熱接触する接触部材9を含んでおり、それにより、接触部材9と流体通路7との間の熱伝達を可能にする。接触部材9は、この実施形態では高い熱伝導率を有する金属、好ましくはアルミニウムで製作される。流体通路7は、接触部材との良好な熱接触を確立するために、接触側10をもって接触部材9と接触する。接触側10は、それぞれの流体通路7の平坦な壁である。さらに接触部材9が、熱伝達のためにバッテリセル3と熱接触する。
【0041】
それぞれの流体通路7は、熱伝達装置6の動作に依存して、接触部材9から熱を吸収するために、及び/又はこれに放出するために、熱交換器を共同で形成する。それによりバッテリセル3を温度調節して、最善の動作を可能にするとともに、その最大の蓄電容量を提供することができる。それに応じて、流体8から流体通路7及び接触部材9を介してさらにバッテリセル3へと、又はこの逆へと、熱伝達が行われる。すなわち接触部材9は、流体通路7とバッテリセル3との間で熱伝達をする役目を果たす。
【0042】
図1から明らかなように、流体通路7には複数の膨張部材11が構成されている。膨張部材11は、膨張を可能にするために、弾性的に変形可能である。たとえば膨張部材11は、弾性的なプラスチック材料又は弾性的なゴム材料で製作されていてよい。そのために流体通路7には、流体通路7の接触側10と向かい合う支持側12に、それぞれ1つの膨張部材11が中に配置された切欠き13を有するそれぞれ2つの列が配置されている。図2から明らかなように、切欠き13と膨張部材11とはそれぞれ円形状を有している。
【0043】
ここでは膨張部材11は、流体通路7の内側から切欠き13に挿入されている。ここでは膨張部材11は内側でフランジ領域21をもって流体通路7に当接し、流体8への圧力の印加がないときすでに切欠き13を通って延びている。
【0044】
流体通路7の中での圧力上昇が、すなわち流体8への圧力の印加が、図1に示すように膨張部材11の膨張を惹起する。このとき、それぞれの流体通路7に当接していない自由壁14が、右側の膨張部材11について図1に示すように、圧力によって外方に向かって湾曲する。
【0045】
膨張部材11の膨張は、この実施形態では、隆起15の形成を惹起する。すなわち、熱伝達装置6の中の流体8に圧力が印加されることで膨張部材11が膨張し、それによって隆起15が形成される。隆起15は、この実施形態では、流体8が圧力印加されることによってバッテリハウジング4の底面壁17の内面16まで膨張し、その結果、隆起15及びこれに伴って流体通路7並びに熱伝達装置6の全体が内面16で支持される。このように、底面壁17の内面16が流体通路7のための支持面16を形成する。
【0046】
支持面16に流体通路7が支持されることで、流体8が圧力印加されたときに流体通路が膨張部材11により接触部材9に対して押圧される。それにより接触部材9と流体通路7との間で、並びに接触部材9とバッテリセル3との間でも、熱接触が改善される。このとき流体通路7の断面の変化が、特にその縮小が、その寸法安定的な施工によって回避され、その結果、流体通路7を通る流体8の循環が損なわれることはない。
【0047】
このように、膨張部材11は流体8に圧力が印加されたときにのみ膨張し、その結果、流体圧力により生成された圧着力をもって流体通路7が接触部材9に対して押圧される。それに応じて底面壁17への機械的な負荷が低減され、それによりバッテリハウジング4の、特に底面壁17の変形が少なくなる。それと同時に、膨張部材11によって底面壁17の内面16への高い信頼度の圧着が行われ、その結果、流体通路7を接触部材9に対して高い信頼度で押圧することができる。これに加えて、バッテリセル3の重力によって反力が生成され、それにより、接触部材9と流体通路7との間の熱接触が特別に高い信頼度で具体化される。
【0048】
多数の膨張部材11は、典型的には、たとえば作動時に支持面が変形したときにも、支持面16に合わせた非常に正確な適合化を可能にする。流体通路7及び切欠き13の形状に依存して、接触部材9に対する流体通路7の均等な押圧を実現することができる。このとき流体通路7が接触部材9に対して押圧される所望の機械的圧力を、膨張部材11の個数、これらの配置、並びにこれらの形状及び/又はこれらのサイズを通じて調整することができる。さらに、膨張部材11が膨張することで、部品公差や作動時の部品変形を負荷のもとで、すなわち流体8に圧力が印加されたときに、自動的に補償することができる。
【0049】
図3は、第2の実施形態によるトラクションバッテリ1とバッテリハウジング構造体2とに関するものである。第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2は、第1の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2に実質的に対応しており、したがって以下においては、第1及び第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2の相違点についてのみ説明する。第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2のさらなる詳細は、第1の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2の詳細に対応する。
【0050】
第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2は、切欠き13及び膨張部材11の配置と構成とによって、第1の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2と区別される。第2の実施形態では、流体通路7は、それぞれ1つの膨張部材11が中に配置された切欠き13を有する1つの列のみを有している。第1の実施形態とは対照的に、切欠き13と膨張部材11とはそれぞれ長方形状を有している。
【0051】
図4は、第3の実施形態によるトラクションバッテリ1とバッテリハウジング構造体2とに関するものである。第3の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2は、第1又は第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2にほぼ対応しており、したがって以下においては、第1及び第3の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2の相違点だけを説明する。第3の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2のさらなる詳細は、第1又は第2の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2の詳細に対応している。
【0052】
第3の実施形態のトラクションバッテリ1及びバッテリハウジング構造体2は複数の流体通路7を含んでいるが、これらは切欠き13を有していない。第1の実施形態とは対照的に第2の実施形態では、複数の膨張部材11が流体通路7と支持面16との間で位置決めされている。膨張部材11はバルーン状又はクッション状に施工されており、バイパス配管18を介して互いに接続されるとともに、流体通路7と並列に配置されている。バイパス配管18を介して、膨張部材11は熱伝達装置6の流入部19及び流出部20と流体接続されている。このときバイパス配管18は、流体通路7よりも小さい断面積を有している。
【0053】
第1から第3の実施形態の各々と組合せ可能である代替的な実施形態では、熱伝達のために複数の接触部材9が複数のバッテリセル3とともに設けられ、好ましくは、各々のバッテリセル3について1つの接触部材9が設けられる。流体通路7はその接触側10で、複数の接触部材9に対して押圧可能である。各々の流体通路7を接触部材9のうちの1つに対して押圧可能であるのが特別に好ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 トラクションバッテリ
2 バッテリハウジング構造体
3 バッテリセル
4 バッテリハウジング
5 内部空間
6 熱伝達装置
7 流体通路
8 流体
9 接触部材
10 接触側
11 膨張部材
12 支持側
13 切欠き
14 自由壁
15 隆起
16 支持面、内面
17 底面壁
18 バイパス配管
19 流入部
20 流出部
21 フランジ領域
図1
図2
図3
図4