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特許7314316独立型モータ及びバンドルを有する一体型モータ圧縮機
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】独立型モータ及びバンドルを有する一体型モータ圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/62 20060101AFI20230718BHJP
【FI】
F04D29/62 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021570746
(86)(22)【出願日】2020-05-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-02
(86)【国際出願番号】 EP2020025249
(87)【国際公開番号】W WO2020239265
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-11-29
(31)【優先権主張番号】1905787
(32)【優先日】2019-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】517029381
【氏名又は名称】ヌオーヴォ・ピニォーネ・テクノロジー・ソチエタ・レスポンサビリタ・リミタータ
【氏名又は名称原語表記】Nuovo Pignone Tecnologie S.R.L.
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヴィダレンス、ヨアン
(72)【発明者】
【氏名】デフォイ、ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】アルバン、トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ガウデス、パスカル
(72)【発明者】
【氏名】デンタン、ジュリアン
【審査官】落合 弘之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2006/0024174(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0179961(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0078880(US,A1)
【文献】特開2014-126037(JP,A)
【文献】特開昭60-259711(JP,A)
【文献】特表2014-527598(JP,A)
【文献】英国特許出願公告第00647427(GB,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0158794(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0251351(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0265555(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 1/00-13/16
F04D 17/00-19/02
F04D 21/00-25/16
F04D 29/00-35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周に少なくとも1つの開口部(13)が配設された圧縮機バンドル(6)と、
前記圧縮機バンドル(6)の少なくとも一部を収容する圧縮機ケーシング(2)と、
モータケーシング(3)と、
前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結するように構成された少なくとも1つの締結装置(12)と、
を備え、
前記少なくとも1つの開口部(13)が、前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結した状態で、当該少なくとも1つの開口部(13)を通じた結合操作によって、モータロータ(14)及び圧縮機ロータ(15)を結合できるようにサイズ決定され、
前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結した状態で、前記圧縮機バンドル(6)が前記圧縮機ケーシング(2)内に装着されたときに、前記モータケーシング(3)及び前記圧縮機ケーシング(2)が、圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成するように構成されている、モータ圧縮機ユニット。
【請求項2】
前記少なくとも1つの締結装置(12)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置である、請求項1に記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項3】
前記圧縮機バンドル(6)が、少なくとも1つの第1の取り外し可能な締結装置(40)によって前記圧縮機ケーシング(2)内に締結される、請求項1又は2に記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項4】
前記モータケーシング(3)と前記圧縮機ケーシング(2)とを締結する少なくとも1つの第2の取り外し可能な締結装置(7)をさらに備える、請求項3記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項5】
前記少なくとも1つの締結装置(12)、前記少なくとも1つの第1の取り外し可能な締結装置(40)及び前記少なくとも1つの第2の取り外し可能な締結装置(7)のうちの1つ以上がねじを備える、請求項4記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項6】
前記少なくとも1つの開口部(13)は、前記圧縮機バンドル(6)の外周に規則的、又は、不規則に配設された複数の開口部を含む、請求項1から5のいずれか1項記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項7】
前記圧縮機ケーシング(2)が、圧縮されるガスに対して封止され、一端が閉止した筒形状である、請求項1から6のいずれか1項記載のモータ圧縮機ユニット。
【請求項8】
モータ圧縮機ユニット(1)を組み立てるための方法であって、
少なくとも1つの締結装置(12)によって圧縮機バンドル(6)をモータケーシング(3)に締結するステップと、
前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結した状態で前記圧縮機バンドル(6)の少なくとも1つの開口部(13)を通じた結合操作によってモータロータ(14)及び圧縮機ロータ(15)を結合するステップと、
前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結した状態で前記圧縮機バンドル(6)の少なくとも一部を圧縮機ケーシング(2)の中へ挿入するステップと、
前記モータケーシング(3)と前記圧縮機ケーシング(2)が圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成するように、前記圧縮機バンドル(6)を前記モータケーシング(3)に締結した状態で前記圧縮機バンドル(6)を前記圧縮機ケーシング(2)内に装着するステップと、
を含む、方法。
【請求項9】
前記結合するステップが、結合装置(16)が、前記モータロータ(14)及び前記圧縮機ロータ(15)のうちの一方に接続された状態で、前記結合装置を他方のロータに接続するステップを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記圧縮機バンドル(6)及び前記モータケーシング(3)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置(12)によって一緒に締結される、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記圧縮機バンドル(6)が、少なくとも1つの第1の取り外し可能な締結装置(40)によって前記圧縮機ケーシング(2)内に締結される、請求項8から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記少なくとも1つの開口部(13)を通して少なくとも1つの電気的接続又は機械的接続を行うステップを更に含む、請求項8から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの第2の取り外し可能な締結装置(7)によって前記モータケーシング(3)と前記圧縮機ケーシング(2)とを締結するステップをさらに有する、請求項8から12のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、一般に、モータ圧縮機ユニットに関し、より具体的には、直列圧縮機(integrated in line compressor、「ICL」)の圧縮機バンドル及びモータケーシングの結合に関する。
【0002】
本発明の実施形態はまた、そのようなモータ圧縮機ユニットを組み立てるための方法にも関する。
【背景技術】
【0003】
一般に、モータ圧縮機ユニットは、円筒状圧縮機ケーシング及び円筒状モータケーシングに装着された圧縮機バンドルを備える。
【0004】
モータ圧縮機ユニットを組み立てるために、圧縮機ケーシング及びモータケーシングを一緒に締結して、圧縮されるガスに対して密に封止されたハウジングを形成する。
【0005】
次いで、結合装置をハウジングに装着して、圧縮機バンドルのモータシャフト及びシャフトを一緒に接続する。
【0006】
2つのケーシングが一緒に締結されるので、一般に、少なくとも1つの小さいアクセスポートが圧縮機ケーシングに提供され、このポートは、操作者が、アクセスポートを通して各シャフトを結合装置に接続することを可能にするようにサイズ決定され、また、ICLハウジング内に生じる高圧に抵抗するようにサイズ決定される。
【0007】
2つのシャフトを結合した後に、圧縮ガスが圧縮機ケーシングの外側へ漏出することができないように、アクセスポートをハッチによって密封する。
【0008】
ハッチは、高圧に抵抗するために巨大である。
【0009】
アクセスポートはまた、メンテナンスアクセスにも使用される。
【0010】
ハッチを塞ぐための1つの共通して使用されるソリューションは、圧縮機ケーシングに平面を提供することであり、アクセスポートは、ハッチ封止接合部が平坦であるように、平面に配置される。
【0011】
しかしながら、円筒に平面を作成することは、圧縮機ケーシングの容積を低減させる。
【0012】
小さい外径を有する圧縮機ケーシングを備える圧縮機ユニットの場合、アクセスポートのサイズが、アクセスポートを通して2つのシャフトの結合を行うのに十分大きくない場合がある。
【0013】
明細書、米国特許出願公開第2010/0044966号は、圧縮機ケーシングと、アクセスポートを含むカップリングとともに接続されたモータケーシングと、を備える、モータ圧縮機ユニットを開示している。
【0014】
モータ圧縮機ユニットは、シール部材を備え、カップリングガードがカップリングの上を並進し、封止面を形成するように2つのスライドガイドに装着された、カップリングガードを更に備える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、カップリングガード及びスライドガイドは、重厚でかさばる部品である。
【0016】
更に、カップリングガードの並進は、モータケーシングにこすれてシール部材を劣化させる。
【0017】
特にアクセスポート又は結合部を塞ぐハッチを廃止することによって、先に述べた欠点のうちの少なくともいくつか回避するために必要性が存在する。
【0018】
一態様によれば、モータ圧縮機ユニットのための圧縮機バンドルが提案される。
【0019】
圧縮機バンドルは、圧縮機バンドルをモータ圧縮機ユニットのモータケーシングに締結するように構成された少なくとも1つの締結装置を含み得、また、少なくとも1つの開口部を通してモータロータ及び圧縮機ロータを結合するようにサイズ決定された少なくとも1つの開口部も含み得る。
【0020】
別の態様によれば、モータ圧縮機ユニットが提案される。
【0021】
モータ圧縮機ユニットは、
-上で定義したような圧縮機バンドルと、
-モータケーシングであって、少なくとも1つの締結装置が、圧縮機バンドル及びモータケーシングを一緒に締結する、モータケーシングと、を備え得る。
【0022】
有利には、少なくとも1つの締結装置は、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置である。
【0023】
モータ圧縮機ユニットは、圧縮機ケーシングを更に備え得、圧縮機バンドルが、モータケーシングに締結された圧縮機ケーシングに装着され、モータケーシング及び圧縮機ケーシングが、圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成する。
【0024】
有利には、圧縮機バンドルは、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置によって圧縮機ケーシング内に締結される。
【0025】
一態様によれば、モータ圧縮機ユニットを組み立てるための方法が提案される。
【0026】
この方法は、
-圧縮機バンドルをモータケーシングに締結することと、
-圧縮機バンドルの少なくとも1つの開口部を通してモータロータ及び圧縮機バンドルロータを結合することと、を含み得る。
【0027】
結合装置は、モータロータ及び圧縮機ロータのうちの一方に接続され得、結合ステップは、結合装置を他方のロータに接続する。
【0028】
この方法は、更に、
-圧縮機バンドルを圧縮機ケーシングの中へ挿入することと、
-圧縮機バンドルを圧縮機ケーシング内に締結することであって、モータケーシング及び圧縮機ケーシングが、圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成する、締結することと、を更に含み得る。
【0029】
圧縮機バンドル及びモータケーシングは、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置によって一緒に締結され得る。
【0030】
圧縮機バンドルは、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置によって圧縮機ケーシング内に更に締結され得る。
【0031】
この方法は、少なくとも1つの開口部を通して少なくとも1つの電気的接続又は機械的接続を行うことを更に含み得る。
【0032】
本発明の他の利点及び特徴は、決して限定するものではない実施形態の詳細な説明の考察に、及び添付図面に現れるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、モータ圧縮機ユニットの一実施形態を表す。
図2図2は、圧縮機ケーシングを伴わないモータ圧縮機ユニットを示す。
図3図3は、圧縮機バンドルの図を示す。
図4図4は、モータ圧縮機ユニットの長手方向断面を示す。
図5図5は、モータ圧縮機ユニットを組み立てるための方法の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本明細書に開示する実施形態は、圧縮機バンドルユニットが圧縮機ケーシングに挿入され、モータケーシングが圧縮機バンドルユニットを圧縮し、モータケーシングがモータ圧縮機を形成する前に、モータロータ及び圧縮機バンドルロータの接続が行われるような方法で、圧縮機バンドルユニット及びモータケーシングを締結することを意図する。
【0035】
モータロータ及び圧縮機バンドルロータを接続するために通常使用されるアクセスポート及びハッチが廃止され、モータ圧縮機ユニットの重量を低減させ、モータ圧縮機ハウジングの封止完全性を高め、かつハウジング内部の容積が減少することを回避する。
【0036】
更に、圧縮機バンドルを圧縮機ケーシングに締結するために、及びモータケーシングを圧縮機ケーシングに締結するために、取り外し可能な締結装置を使用することは、圧縮ケーシングから圧縮機バンドルを容易に引き出すことを可能にする。
【0037】
加えて、圧縮機バンドルをモータケーシングに締結するために、取り外し可能な締結装置を使用することは、圧縮機バンドルが圧縮機ケーシングの外側にあるときに、圧縮機バンドル及びモータケーシングを容易に取り外すことを可能にする。
【0038】
圧縮機ケーシング2と、モータケーシング3と、モータ圧縮機ユニットの回転軸と混同する中心軸Aと、を備えるモータ圧縮機ユニット1の一実施形態を表す図1を参照する。
【0039】
ケーシング2及び3は、円筒状である。
【0040】
別の実施形態では、ケーシング2及び3は、別の形状、例えば正方形を有し得る。
【0041】
圧縮機ケーシング2は、ガス処理手段(図示せず)に接続されるように構成された第1のフランジ4及び第2のフランジ5を含み得る。
【0042】
例示的に、図1は、ガス入口パイプと接続された第1のフランジ4、及びガス出口管と接続された第2のフランジ5を示す。
【0043】
ガス入口パイプは、モータ圧縮機ユニット1によって圧縮されるガスを提供する。
【0044】
フランジ4及び5は、中心軸Aに対して垂直に配設される。
【0045】
別の実施形態では、圧縮機ケーシング2は、2つを超えるフランジを有し得、例えば、圧縮機ケーシング2は、1つの入力フランジと、2つの出力フランジと、を有し得る。
【0046】
圧縮機バンドル6は、圧縮機ケーシング2内に装着される。
【0047】
圧縮機バンドル6を圧縮機ケーシング2から容易に取り外すことができるように、圧縮機バンドル6は、少なくとも1つの第1の取り外し可能な締結装置40、例えばねじ及びねじ山アセンブリによって、圧縮機ケーシング2内に締結され得る。
【0048】
別の実施形態では、圧縮機バンドル6は、取り外し可能な締結装置を使用することなく、圧縮機ケーシング2内に締結される。例えば、2つのケーシングは、一緒に溶接され得る。
【0049】
第2の締結装置7は、圧縮機ケーシング2及びモータケーシング3を一緒に締結する。
【0050】
第2の締結装置7は、例えば、圧縮機ケーシング2に配置されたねじ山9に装着されたねじ8を備える、取り外し可能な締結装置である。
【0051】
モータケーシング及び圧縮機ケーシングは、圧縮されるガスに対して密に封止されたハウジングを形成する。
【0052】
図2は、圧縮機ケーシング2を取り外した、モータ圧縮機ユニット1を示す。
【0053】
圧縮機バンドル6は、圧縮機バンドル6を通ってガスが流れるように第1のフランジ4及び第2のフランジ5とそれぞれ協働する、圧縮機バンドル入口10及び圧縮機バンドル出口11を更に備える。
【0054】
第3の締結装置12は、モータケーシング3及び圧縮機バンドル6を一緒に締結する。
【0055】
第3の締結装置12は、例えばねじ及びねじ山アセンブリを備える、取り外し可能な締結装置である。
【0056】
別の実施形態では、第3の締結装置12は、取り外し可能な締結手段を備えない。例えば、モータケーシング3及び圧縮機バンドル6は、一緒に溶接される。
【0057】
圧縮機バンドルは、開口部13を通して、モータケーシング3のモータロータ14及び圧縮機バンドル6の圧縮機ロータ15の結合を行うようにサイズ決定された開口部13を更に備える。
【0058】
結合装置16は、2つのロータ14及び15を一緒に接続する。
【0059】
結合装置16は、2つのロータ14及び15を結合解除するように、可撓性結合装置であり得る。
【0060】
開口部13は、開口部11を通した、例えば結合部ワイヤ17、18、及び19の制御回路20(図4に示す)への電気的接続又は機械的接続を行うために更に使用される。
【0061】
図3は、図2の方向III-IIIによる、圧縮機バンドル6の図を示す。
【0062】
圧縮機バンドル6は、圧縮機バンドル6の外周に規則的に配設された3つの開口部13を備える。
【0063】
別の実施形態によれば、圧縮機バンドル6は、圧縮機バンドル6の外周に不規則に配設された少なくとも1つの開口部又はより多くの開口部を備え、開口部は、同じ形状又は異なる形状を有する。
【0064】
図4は、モータ圧縮機ユニット1の長手方向断面を示す。
【0065】
モータケーシング3は、ロータ14を備えるモータ21を備える。
【0066】
モータ21は、ロータ及びステータに装着された永久磁石を有する永久磁石モータなどの、電気モータであり得る。代替として、例えば同期モータ、誘導モータ、ブラシ付きDCモータなどの、他のタイプの電気モータが使用され得る。
【0067】
ワイヤ18は、モータ21を制御回路20に接続する。
【0068】
モータロータ14は、2つのベアリング22、23によってモータケーシング3内に回転可能に支持されたモータシャフト14aを備える。
【0069】
圧縮機バンドル6は、圧縮機シャフト15aに装着された4つの圧縮ホイール24、25、26、27を備える1つの圧縮セクションを備え、圧縮ホイール及び圧縮機シャフト15aは、ロータ15を形成する。
【0070】
圧縮機シャフト15aは、2つのベアリング28、29によって圧縮機バンドル6内に回転可能に支持される。
【0071】
ベアリング22、23、28、及び29は、アクティブ磁気ベアリングであり、ベアリング22及び23は、ワイヤ19によって制御回路20に接続されており、ベアリング28及び29は、ワイヤ17によって制御回路20に接続されている。
【0072】
制御回路20は、ベアリング22、23、28、及び29、並びにモータ21を制御するように構成されている。制御回路20は、例えばマイクロプロセッサを備える。
【0073】
代替的に、ベアリング22、23、28、及び29は、流体ベアリングであり得る。
【0074】
別の実施形態では、圧縮機バンドル6は、1つを超える圧縮セクションを備えることができ、各セクションは、少なくとも1つの圧縮ホイールを備える。
【0075】
別の実施形態では、モータケーシング3及び圧縮機バンドル6は、2つよりも多い又は少ないベアリングを備える。
【0076】
以下、図1図2図3、及び図4を参照して、圧縮機の完全な動作サイクルを説明する。
【0077】
モータ圧縮機ユニット1の動作の一実施形態では、モータ21がモータロータ14を回転させ、それによって圧縮機シャフト15aを駆動する。圧縮されるプロセスガスは、圧縮機ハウジング2内に提供された第1のフランジ4を介して導入される。次いで、モータ圧縮機ユニット1が、ホイール24、25、26、27を通してプロセスガスを圧縮し、それによって圧縮プロセスガスを生成する。次いで、圧縮プロセスガスが、圧縮機ハウジング2内に提供された第2のフランジ5を介してモータ圧縮機ユニット1を出る。
【0078】
図5は、モータ圧縮機ユニット1を組み立てるための方法の一例を示す。
【0079】
結合装置16の第1の端部がモータシャフト14aに接続され、ワイヤ18、17、及び19の一方の端部がモータ21に、ベアリング22及び23に、及びベアリング28及び29に接続されていると仮定する。
【0080】
ステップ30で、第3の締結装置12を使用して、モータケーシング3及び圧縮機バンドル6を一緒に締結する。
【0081】
次いで、ステップ31で、モータロータ14及び圧縮機ロータ15を一緒に結合する。結合装置16の第2の端部は、圧縮機シャフト15aに接続され、軸14及び15の中心軸は、モータ圧縮機ユニット1の中心軸Aと整列している。
【0082】
結合は、開口部13を通して行われる。
【0083】
更に、ワイヤ17、18、及び19の自由端は、制御回路20に接続される。ワイヤ17、18、及び19の接続は、開口部13を通して行われる。
【0084】
他の電気的接続、例えば制御回路20へのセンサの接続は、開口部を通して行うことができる。ステップ32で、開口部13を通して機械的接続を行うこともできる。
【0085】
次いで、ステージ32で、モータケーシング3に締結された圧縮バンドル6を、圧縮機ケーシング2に挿入し、第1の締結装置40によって圧縮機ケーシング2内に締結する。
【0086】
次いで、圧縮機ケーシング2及びモータケーシング3を、第2の締結装置7によって一緒に締結する(ステップ33)。
【0087】
圧縮機バンドル6をモータケーシング3に締結して、少なくとも1つの開口部13を有する圧縮機バンドル6を提供することで、アクセスポート及びハッチを使用することなく、モータロータ14及び圧縮機ロータ15を結合すること、及び電気的接続又は機械的接続を行うことを可能にする。
【0088】
アクセスポート及びハッチの廃止は、モータ圧縮機1の重量を低減させ、かつモータコンプレッサハウジングの封止完全性を高める。
【0089】
加えて、ハウジング内部の容積が低減されず、ハウジングにはいかなる平面も必要とされない。
【0090】
これは、小さい外径を有するモータ圧縮機に非常に良く適している。
【0091】
更に、第1の取り外し可能な締結具装置40及び第2の取り外し可能な締結具装置7の使用は、モータ圧縮機1の中心軸Aに対して垂直に配設された第1のフランジ4及び第2のフランジ5を取り外すことなく、例えばメンテナンス作業のために、圧縮ケーシング2から圧縮機バンドル6を容易に引き出すことを可能にする。
【0092】
加えて、第3の取り外し可能な締結装置12の使用は、圧縮機バンドル6が圧縮機ケーシング4の外側にあるときに、圧縮機バンドル6及びモータケーシング3を容易に取り外して、メンテナンス作業を容易にすることに可能にする。
【0093】
様々な発明的本発明の態様を以下の付記に記載し、これらの付記は、別途指示されない限り、任意の好適な方法で組み合わせられ得る。
A.モータ圧縮機ユニット(1)のための圧縮機バンドル(6)であって、圧縮機バンドルが、圧縮機バンドルをモータ圧縮機ユニットのモータケーシング(3)に締結するように構成された少なくとも1つの締結装置(12)を含み、また、少なくとも1つの開口部を通して、モータロータ(14)及び圧縮機ロータ(15)を結合するようにサイズ決定された少なくとも1つの開口部(13)も含む、圧縮機バンドル(6)。
B.モータ圧縮機ユニット(1)であって、
-Aによる圧縮機バンドル(6)と、
-モータケーシング(3)であって、少なくとも1つの締結装置(12)が、圧縮機バンドル及びモータケーシングを一緒に締結する、モータケーシング(3)と、を備える、モータ圧縮機ユニット(1)。
C.少なくとも1つの締結装置(12)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置である、Bに記載のモータ圧縮機ユニット。
D.圧縮機ケーシング(2)を更に備え、圧縮機バンドル(6)が、モータケーシングに締結された圧縮機ケーシング内に装着され、モータケーシング及び圧縮機ケーシングが、圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成する、B又はCに記載のモータ圧縮機ユニット。
E.圧縮機バンドル(6)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置(40)によって圧縮機ケーシング(2)内に締結される、Dに記載のモータ圧縮機ユニット。
F.モータ圧縮機ユニット(1)を組み立てるための方法であって、
-圧縮機バンドル(6)をモータケーシング(3)に締結することと、
-圧縮機バンドルの少なくとも1つの開口部(13)を通してモータロータ(14)及び圧縮機バンドルロータ(15)を結合することと、を含む、方法。
G.結合装置(16)が、モータロータ(14)及び圧縮機ロータ(15)のうちの一方に接続され、結合ステップが、結合装置を他方のロータに接続することを含む、Fに記載の方法。
H.
-圧縮機バンドル(6)を圧縮機ケーシング(2)の中へ挿入することと、
-圧縮機バンドルを圧縮機ケーシング内に締結することであって、モータケーシング(3)及び圧縮機ケーシングが、圧縮されるガスに対して封止されたハウジングを形成する、締結することと、を更に含む、F又はGに記載の方法。
I.圧縮機バンドル(6)及びモータケーシング(3)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置(12)によって一緒に締結される、F、G、又はHのいずれか1つに記載の方法。
J.圧縮機バンドル(6)が、少なくとも1つの取り外し可能な締結装置(40)によって圧縮機ケーシング(2)内に締結される、F、G、H、又はIのいずれか1つに記載の方法。
K.少なくとも1つの開口部(13)を通して少なくとも1つの電気的接続又は機械的接続を行うことを更に含む、F、G、H、I、又はJのいずれか1つに記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5