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特許7314337手術器具と遠隔操作アクチュエータとの間の無菌障壁
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】手術器具と遠隔操作アクチュエータとの間の無菌障壁
(51)【国際特許分類】
   A61B 46/10 20160101AFI20230718BHJP
【FI】
A61B46/10
【請求項の数】 15
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022023606
(22)【出願日】2022-02-18
(62)【分割の表示】P 2019199985の分割
【原出願日】2015-03-17
(65)【公開番号】P2022059076
(43)【公開日】2022-04-12
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】61/954,497
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/954,557
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/954,502
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/954,595
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】61/954,571
(32)【優先日】2014-03-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/019,318
(32)【優先日】2014-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/103,991
(32)【優先日】2015-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/104,306
(32)【優先日】2015-01-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510253996
【氏名又は名称】インテュイティブ サージカル オペレーションズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】モリセット,タイラー ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ダッチス セカンド,グレゴリー ダブリュ
(72)【発明者】
【氏名】シェナ,ブルース マイケル
【審査官】木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-516120(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0036452(KR,A)
【文献】特表2013-502280(JP,A)
【文献】特開2013-34833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 34/00 ― 34/37
A61B 46/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具無菌ドレープを組み立てる方法であって、
プラスチックシートに第1の開口を作ることと、
アクチュエータと制御面とを含むキャリッジの周りに適合するように成形されたパウチを提供することであって、前記パウチは、前記キャリッジでの前記パウチの装着状態において前記制御面に隣接するように配置される第2の開口を含む、提供することと、
前記プラスチックシートにある前記第1の開口の上で前記パウチを前記プラスチックシートに封止することと、
前記キャリッジでの前記パウチの装着状態において前記制御面と係合可能であるように前記第2の開口に隣接する前記パウチの第1の側に器具無菌アダプタの底プレートを配置し、前記第1の側とは反対の前記第2の開口に隣接する前記パウチの第2の側に前記器具無菌アダプタの頂プレートを配置することと、
前記底プレートと前記頂プレートとの間で前記第2の開口を取り囲む前記パウチの部分を保持するように前記底プレートと前記頂プレートとを接合することとを含む、
方法。
【請求項2】
前記プラスチックシートは、チューブの形態における約100マイクロメートル(0.004インチ)の厚さの熱可塑性ポリウレタンの単一の層であり、前記プラスチックシートは、潤滑剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記パウチを通じて前記頂プレートと前記底プレートとの間にピンを通し且つ該ピンを熱でかしめることによって、恒久的なアセンブリを形成するために前記頂プレートを前記底プレートに接合することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
比較的剛的な領域をもたらすよう、前記パウチにある前記第2の開口の周りで前記パウチに補剛材を接合することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
熱可塑性ウレタン(TPU)の層とポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)の層とを含むシートを共押出しすること、
前記シートから前記補剛材を切断すること、及び
熱封止によって前記補剛材を前記パウチに接合することを更に含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記パウチを前記頂プレートと前記底プレートとの間に保持するよう、前記第2の開口に隣接して接着剤を塗布することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記パウチは、前記キャリッジの周りに遊び嵌めをもたらすように形成される、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
手術器具のための制御構成を含むキャリッジの周りに適合するよう成形されるパウチであって、前記キャリッジでのパウチの装着状態において前記制御構成に隣接するように配置される第2の開口を有する、パウチと、
第1の開口を有するプラスチックシートであって、前記パウチは前記第1の開口の上で封止される、プラスチックシートと、
前記パウチの前記第2の開口に隣接して前記パウチに封止される器具無菌アダプタ(ISA)と、を含み、
前記器具無菌アダプタ(ISA)は、
前記キャリッジへの前記器具無菌アダプタ(ISA)の取付状態において前記キャリッジの前記制御構成と係合し、
前記器具無菌アダプタ(ISA)への前記手術器具の取付状態において前記手術器具の制御構成と係合する
ように構成され
前記器具無菌アダプタ(ISA)は、前記パウチの第1の側に配置される底プレートと、前記パウチの反対側の第2の側に配置され、前記底プレートに接合される、頂プレートとを含む
器具無菌ドレープ。
【請求項9】
前記頂プレートは、前記パウチを通じて前記頂プレートと前記底プレートとの間を通るピンを熱でかしめることによって、前記底プレートに接合されている、請求項に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項10】
前記底プレートと前記頂プレートとの間に保持される前記パウチの部分に対応する比較的剛的な領域をもたらすよう、前記第2の開口の周りで前記パウチに連結される補剛材を更に含む、請求項に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項11】
前記補剛材は、熱可塑性ウレタン(TPU)の層とポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)の層を含む、請求項10に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項12】
前記プラスチックシートは、チューブの形態における約100マイクロメートル(0.004インチ)の厚さの熱可塑性ポリウレタンの単一の層であり、前記プラスチックシートは、潤滑剤を含む、請求項8乃至11のうちのいずれか1項に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項13】
前記パウチは、ポリウレタンで作られている、請求項8乃至12のうちのいずれか1項に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項14】
前記パウチは、前記キャリッジの周りに遊び嵌めをもたらすように成形されている、請求項8乃至13のうちのいずれか1項に記載の器具無菌ドレープ。
【請求項15】
前記キャリッジの前記制御構成及び前記手術器具の前記制御構成は、前記キャリッジのアクチュエータからの動きを前記手術器具に伝達するように構成される、請求項8乃至14のうちのいずれか1項に記載の器具無菌ドレープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
この出願は、以下の先に出願された出願の優先権の権利を主張する。
米国 61/954,497 2014年3月17日(17-03-2014)
米国 61/954,502 2014年3月17日(17-03-2014)
米国 61/954,557 2014年3月17日(17-03-2014)
米国 61/954,571 2014年3月17日(17-03-2014)
米国 61/954,595 2014年3月17日(17-03-2014)
米国 62/019,318 2014年6月30日(30-06-2014)
米国 62/103,991 2015年1月15日(15-01-2015)
米国 62/104,306 2015年1月16日(16-01-2015)
これらの出願の各々を、許容される最大の程度まで、ここに参照として特に援用する。
【0002】
本発明の実施態様は、外科ドレープの分野に関し、より具体的には、手術器具を取り付ける装備を備える遠隔操作アクチュエータのための外科ドレープに関する。
【背景技術】
【0003】
診断的又は外科的な処置の間に損傷させられることがある外来組織(extraneous tissue)の量を減少させ、それにより、患者の回復時間、不快感、及び有害な副作用を減少させるために、最小侵襲的な医療技法が用いられている。従来的な形態の最小侵襲的な手術は、内視鏡検査を含む。より一般的な形態の内視鏡検査の1つは、腹腔鏡検査であり、腹腔鏡検査は、腹腔内の最小侵襲的な検査又は手術である。従来的な腹腔鏡手術では、患者の腹腔にガスが通気され、カニューレスリーブが患者の腹部の筋系にある小さな(約12mm)の切開部に通されて、腹腔鏡手術器具を封止された仕方で通し得る進入ポートを提供する。
【0004】
腹腔鏡手術器具は、一般的には、手術野及びエンドエフェクタを有する手術器具を見るための腹腔鏡を含む。典型的な手術エンドエフェクタは、例えば、クランプ(clamps)、グラスパ(graspers)、鋏(scissors)、ステープル(staples)、及び針ホルダ(needle holders)を含む。手術器具は、例えば、操作者がエンドエフェクタを手術部位に導入し且つ患者の体の外側から手術部位に対するエンドエフェクタの動きを制御するのを可能にするために、各手術器具の作業端又はエンドエフェクタが約30cmの長さの延長チューブによってそのハンドルから分離される点を除き、従来的な(観血)手術において用いられるものと類似する。
【0005】
エンドエフェクタの改良された制御をもたらすために、遠隔操作アクチュエータで手術器具を制御することが望ましいことがある。外科医は、遠隔操作アクチュエータに接続される器具を間接的に操作するためにコンソールにある制御装置を作動させることがある。手術器具を別個に殺菌し、遂行されるべき外科処置のための必要とされる器具として使用のために選択し得るよう、手術器具は遠隔操作アクチュエータに取り外し可能に連結される。一連の手術の間に手術器具を交換してよい。
【0006】
遠隔操作手術器具を用いて手術を執り行うことは新たな挑戦を生む。1つの挑戦は、患者に隣接する領域を無菌状態に維持する必要である。しかしながら、典型的には、手術器具を制御するのに必要なモータ、センサ、エンコーダ、及び電気接続部を、従来的な方法、例えば、蒸気、熱及び圧力、又は化学物質を用いて殺菌し得ない。何故ならば、それらは殺菌プロセス中に損傷させられ或いは破壊されるからである。
【0007】
遠隔操作手術システムの他の挑戦は、多数の接続部が手術器具と遠隔操作アクチュエータ及びそのコントローラとの間に必要とされることである。接続部は、アクチュエータ力、電気信号、及びデータを送信することが要求される。これは遠隔操作アクチュエータ及びそのコントローラへの手術器具の取付けを複雑にする。
【0008】
サーボ作動される遠隔操作手術システムの更に他の挑戦は、手術室が精密な機械的アセンブリを準備するための理想的な環境でないことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
手術システムの遠隔操作アクチュエータとアクチュエータによって制御される手術器具との間の効果的な無菌障壁インターフェースを提供することが望ましい。既知の無菌障壁インターフェースは効果的であるが、患者側の手術人員についての作業の流れを向上させ且つ遠隔操作手術器具設計及び能力の進歩に順応する必要は、無菌インターフェースの改良を要求する。所要の改良の中には、無菌障壁インターフェースを(その関連する無菌障壁ドレープと共に)アクチュエータの機械的な駆動要素に並びに手術システムの情報通信インターフェース地点に素早く容易に確実に取り付ける能力、アクチュエータの機械的な駆動機能及びシステムの情報通信機能が手術器具に効果的に連結されるよう、手術器具をインターフェースに素早く容易に確実に取り付ける能力、他の手術器具を取り付け且つその所定の場所に係入させるよう、手術器具をインターフェースから素早く容易に分離させ且つ取り外す能力、及びインターフェースをアクチュエータから素早く容易に分離させ且つ取り外す能力がある。加えて、そのような改良されるインターフェースは、機械的に頑丈でなければならず、製造が容易且つ安価でなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
器具無菌ドレープが、プラスチックシートと、プラスチックシートにある第1の開口に封止されるパウチとを含む。パウチは、アクチュエータを含むキャリッジの周りに適合するように形作られる。器具無菌アダプタ(ISA)が、パウチにある第2の開口に連結される。ISAは、パウチの両側に配置され且つ相互に接合される底プレート及び頂プレートを含む。底プレートと頂プレートとの間に保持されるパウチの部分に対応する比較的非弾性的な領域をもたらすよう、補剛材が第2の開口の周りでパウチに連結されてよい。手術器具を受ける基準面をもたらすよう、底プレートの部分が頂プレートを通じて突出してよい。ISAは、手術器具が取り付けられるときにキャリッジ内の感知ピンを押し下げる、固定していないピン(loose pins)を含んでよい。
【0011】
本発明の他の構成及び利点は、添付の図面から並びに以下に続く詳細な記述から明らかであろう。
【0012】
本発明は、本発明の実施態様を非限定的に一例として例示するために用いられる後続の記述及び添付の図面を参照することによって、最良に理解されることがある。図面において、同等の参照番号は類似の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】遠隔手術システムの患者側部分100を示す図である。
【0014】
図2】遠隔操作アクチュエータと共に用いる手術器具の側面図である。
【0015】
図3】セットアップ関節の斜視図である。
【0016】
図4図3に示すセットアップ関節の支柱部分の斜視図である。
【0017】
図5】無菌ドレープの部分の斜視図である。
【0018】
図6】キャリッジの制御面、器具無菌アダプタ(ISA)、及び手術器具の斜視図である。
【0019】
図7】ISAの分解斜視図である。
【0020】
図8】ISAのパウチ部分の斜視図である。
【0021】
図9図7中の線7A-7Aに沿って取られたISAの断面図である。
【0022】
図10図7中の線7B-7Bに沿って取られたISAの底プレートの断面図である。
【0023】
図11図7中の線7C-7Cに沿って取られたISAの部分及びプレゼンスピンの断面図である。
【0024】
図12図11において円で囲んだISAの部分及び存在ピンの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下の記述には、数多くの具体的な詳細が示される。しかしながら、本発明の実施態様は、これらの具体的な詳細がなくても実施されてよいことが理解されよう。他の場合には、この記述の理解を曖昧にしないために、周知の回路、構造、及び技法を詳細に示さない。
【0026】
以下の記述では、本発明の幾つかの実施態様を例示する添付の図面を参照する。他の実施態様が利用されてよく、本開示の精神及び範囲から逸脱せずに、機械的、組成的、構造的、電気的、及び動作的な変更が行われてよい。以下の詳細な記述は、限定的な意味において理解されてならず、本発明の実施態様の範囲は、発効する特許の請求項によってのみ定められる。
【0027】
ここにおいて用いる用語法は、特定の実施態様を記載する目的のためだけであり、本発明を限定することを意図しない。「下」(“beneath”)、「下方」(“below”)、「下方」(“lower”)、「上方」(“above”)、「上方」(“upper”)、及び同等物のような、空間的に相対的な用語は、図面中に例示するような1つの要素又は構造に対する他の要素の又は構造の関係を記載する記述の容易さのために、ここにおいて用いられることがある。空間的に相対的な用語は、図面中に描写される向きに加えて、使用中又は動作中の装置の異なる向きを包含することを意図する。例えば、図面中のデバイスが反転させられるならば、他の要素又は構成の「下」(“beneath”)又は「下方」(“below”)にあるものとして記載される要素は、他の要素又は構成の上方(“above”)に向けられる。よって、例示的な用語「下方」(“below”)は、上方及び下方の向きの両方を包含し得る。デバイスをその他の向きにしてよく(例えば、90度回転させ或いは他の向きにしてよく)、ここで用いる空間的に相対的な記述子(descriptors)は、相応して解釈される。
【0028】
ここにおいて用いるとき、文脈がその他のことを示さない限り、単数形の形態である「a」、「an」、及び「the」は、複数形の形態も含むことが意図される。「含む」(“comprises”)及び/又は「含む」(“comprising”)という用語は、述べられている構成、ステップ、動作、要素、及び/又は構成部品(コンポーネント)の存在を特定するが、1つ又はそれよりも多くの他の構成、ステップ、動作、要素、構成部品、及び/又はそれらの群(グループ)の存在又は追加を排除しないことが更に理解されるであろう。
【0029】
図1は、本発明の実施態様に従った、遠隔操作手術システムの例示的な患者側部分100の図である。患者側部分100は、支持アセンブリ110と、各支持アセンブリの端にある1つ又はそれよりも多くの手術器具マニピュレータ112とを含む。支持アセンブリ110は、手術のために患者に対して手術器具マニピュレータ(複数の手術器具マニピュレータ)112を位置付けるために用いられる、1つ又はそれよりも多くの電力供給されない係止可能なセットアップ関節を任意的に含む。描写されるように、患者側部分100は、フロアの上に位置する。他の実施態様において、患者側部分は、壁に、天井に、患者の体122も支持する手術台126に、或いは他の手術室機器に取り付けられてよい。更に、患者側部分100は、4つのマニピュレータ112を含むものとして示されているが、より多い又はより少ないマニピュレータ112が用いられてよい。一層更には、患者側部分100は、図示のような単一のアセンブリで構成されてよく、或いは、患者側部分100は、各々が様々な可能な方法において任意的に取り付けられる、2つ又はそれよりも多くの別個のアセンブリを含んでよい。
【0030】
各手術器具マニピュレータ112は、患者の体122中の手術部位で作動する、1つ又はそれよりも多くの手術器具120を支持する。各マニピュレータ112は、関連する手術器具が1つ又はそれよりも多くの機械的な自由度(例えば、全部で6つのデカルト自由度、5つ以下のデカルト自由度など)で動くのを可能にする、様々な形態において提供されてよい。典型的には、機械的な又は制御的な制約は、各マニピュレータ112が、患者に対して静止的なままである器具の運動の中心の周りで、その関連する手術器具を動かすのを制限し、この運動の中心は、典型的には、器具が体に入る位置にあるように配置される。
【0031】
「手術器具」という用語は、ここでは、患者の体の中に挿入されるように構成され且つ外科処置又は診断処置を実施するために用いられる医療デバイスを記載するために用いられる。手術器具は、典型的には、鉗子(forceps)、持針器(needle driver)、剪断器(shears)、バイポーラ焼灼器(bipolar
cauterizer)、組織安定器(tissue stabilizer)又は開創器(retractor)、クリップアプライヤ(clip applier)、吻合デバイス(anastomosis device)、撮像デバイス(imaging device)(例えば、内視鏡又は超音波プローブ)、及び同等物のような、1つ又はそれよりも多くの手術タスクと関連付けられるエンドエフェクタを含む。本発明の実施態様と共に用いられる幾つかの手術器具は、エンドエフェクタの位置及び向きを器具のシャフトに対する1つ又はそれよりも多くの機械的な自由度を伴って操作し得るよう、エンドエフェクタ用の(「リスト」と呼ぶこともある)関節式に作動する支持体を更に提供する。更に、多くの手術エンドエフェクタは、開閉するジョー、ある経路に沿って並進するナイフのような、機能的な機械的な自由度を含む。手術器具は、恒久的であってよい或いは手術システムによって更新可能であってよい(例えば器具の内側の半導体メモリに)格納される情報を含んでもよい。従って、システムは、器具と1つ又はそれよりも多くのシステム構成部品との間の一方向の又は双方向の情報通信をもたらすことがある。
【0032】
機能的な遠隔操作手術システムは、一般的には、操作者が患者の体122の外側から手術部位を見るのを可能にするビジョンシステム部分(図示せず)を含む。ビジョンシステムは、典型的には、ビデオ画像キャプチャ機能128(「カメラ器具」)と、キャプチャ画像を表示する1つ又はそれよりも多くのビデオディスプレイとを有する、手術器具を含む。幾つかの手術システム構成において、カメラ器具128は、画像をカメラ器具128の遠位端から患者の体122の外側の1つ又はそれよりも多くの撮像センサ(例えば、CCD又はCMOSセンサ)に移転する光学(optics)を含む。代替的に、撮像センサ(複数の撮像センサ)は、カメラ器具128の遠位端に位置付けられてよく、センサ(複数のセンサ)によって生成される信号は、処理及びビデオディスプレイでの表示のために、リード線に沿って或いは無線式に送信されてよい。例示的なビデオディスプレイは、Intuitive Surgical, Inc., Sunnyvale, Californiaによって商品化されている手術システム中の外科医コンソール上の立体視ディスプレイである。
【0033】
機能的な遠隔操作手術システムは、手術器具が患者の内側にある間に手術器具120の動きを制御するための制御システム部分(図示せず)を更に含む。制御システム部分は、手術システム内の単一の場所にあってよく、或いは、制御システム部分は、手術システム内の2つ又はそれよりも多くの場所に分散させられてよい(例えば、制御システム部分構成部品は、システムの患者側部分内に、専用システム制御コンソール内に、或いは別個の機器ラック内にあってよい)。遠隔操作マスタ/スレーブ制御は、所望の制御の程度、制御される手術器具の大きさ、及び他の要因に依存して、様々な方法において行われてよい。幾つかの実施態様において、制御システム部分は、ジョイスティック、外骨格グローブ、電動及び重力補償マニピュレータ、又は同等物のような、1つ又はそれよりも多くの手動操作入力装置を含む。これらの入力デバイスは、遠隔操作モータを制御し、次に、遠隔操作モータは、手術器具の動きを制御する。
【0034】
遠隔操作モータによって生成される力は、ドライブトレーン機構を介して伝達され、ドライブトレーン機構は、遠隔操作モータからの力を手術器具120に伝達する。幾つかの遠隔手術の実施態様において、マニピュレータ(複数のマニピュレータ)を制御する入力装置は、患者が配置される部屋の内側又は外側のいずれかで、患者から離れた場所に設けられてよい。次に、入力装置からの入力は、制御システム部分に送信される。遠隔操縦、遠隔操作、及びテレプレゼンス手術に熟知した人々は、Intuitive Surgical, Inc.によって商品化されているda Vinci(登録商標)Surgical System及びComputer Motion, Inc.によって元来製造されているZeus(登録商標)Surgical System並びにそのようなシステムの様々な例示的な構成部品のような、そのようなシステム及びそれらの構成部品について知っている。
【0035】
図示のように、手術器具120及び任意的な入力ガイド124(例えば、患者の腹部内のカニューレ)の両方が、手術器具120が入力ガイド124を通じて挿入された状態で、マニピュレータ112の遠位端に取り外し可能に連結される。マニピュレータ112内の遠隔操作アクチュエータは、手術器具120を全体的に動かす。マニピュレータ112は、器具キャリッジ130を更に含む。手術器具120は、器具キャリッジ130に取り外し可能に接続される。器具キャリッジ130内に収容される遠隔操作アクチュエータは、手術器具120が手術器具のエンドエフェクタの様々な動きに変換する、多数のコントローラ動作をもたらす。よって、器具キャリッジ130内の遠隔操作アクチュエータは、手術器具120を全体的に動かすよりもむしろ、手術器具120の1つ又はそれよりも多くの構成部品のみを動かす。器具全体又は器具の構成部品のいずれかを制御する入力は、外科医によって制御システム部分に提供される入力(「マスタ」命令)が手術器具による対応する作用(「スレーブ」応答)に変換されるような入力である。
【0036】
図2は、手術器具120の例示的な実施態様の側面図であり、手術器具120は、細長いチューブ210によって連結される、遠位部分250及び近位制御機構240を含む。手術器具120の遠位部分250は、図示の鉗子254、持針器、焼灼装置、切断ツール、撮像装置(例えば、内視鏡又は超音波プローブ)、又は様々なツール及び撮像装置の組み合わせを含む組み合わせ装置のような、様々なエンドエフェクタのいずれかを提供してよい。図示の実施態様において、エンドエフェクタ254は、エンドエフェクタの向きが器具チューブ210に対して操作されるのを可能にする「リスト」252(手関節)によって、細長いチューブ210に連結される。
【0037】
図3は、セットアップ関節110から延びるアームの斜視図である。アームはキャリッジ130を支持し、次に、キャリッジ130は支柱310(strut)で手術器具120を支持する。手術の準備のために、セットアップ関節は、無菌ドレープ300で覆われる。無菌ドレープ300は、アームを汚染から保護し、アームの周りに無菌表面を提供する。無菌ドレープ300の大部分は、アームを覆うチューブ又はバッグの形態にあってよい、プラスチックシートである。例えば、単一層の熱可塑性ポリウレタン(TPU)又は他の適切な材料が、プラスチックシートのために用いられてよい。プラスチックの粘着性を減少させるために潤滑剤が混ぜ込まれてよい。シートは約100マイクロメートル(0.004インチ)の厚さであってよい。
【0038】
図4は、キャリッジ130を支持するアームの支柱310部分の斜視図である。スパー402(spar)がキャリッジ130を支柱310に位置付ける。キャリッジ130がより明瞭に見えるのを可能にするために、無菌ドレープは図示されていない。キャリッジの表面400は、制御装置とアクチュエータと手術器具との間で機械的運動及びデータ信号を通信する、多数の機械的及び電気的インターフェースを提供する。手術器具への接続は無菌ドレープを貫通することを必要とすることがあるのが理解されるであろう。キャリッジ130と手術器具120との間の接続と両立し得るプラスチックシートを通じる貫通を提供するのは困難である。更に、キャリッジ130は、手術器具120の細長いチューブ210(図2)がキャリッジの側面に沿う圧痕410を通るのを可能にするように形作られる。キャリッジの形状の故に並びにキャリッジは支柱310から突出する故に、キャリッジをプラスチックシートで覆う(drape)のは困難である。
【0039】
図5は、キャリッジ130の周りに配置されるように構成される無菌ドレープの部分の斜視図である。無菌ドレープは、3つの部分を含む。第1の部分は、上述のプラスチックシート300である。第2の部分は、キャリッジ130の周りに適合するように形作られるパウチ500である。第3の部分は、キャリッジ130の制御構成400と係合し且つ手術器具への接続のための制御構成の無菌対応部分(sterile counterpart)を提供する、概ね剛的な器具無菌アダプタ(ISA)510である。無菌ドレープの3つの部分の各々は、3つの部分が連続的な障壁(barrier)を形成するよう重なり合い且つ隣接する部分を封止する。無菌ドレープは、使い捨てアセンブリである。
【0040】
パウチ500は、プラスチックシート300のために用いられる材料と同じでよいが、より大きな厚さを備える、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、及び/又は熱可塑性ウレタン(TPU)のような、材料で作られてよい。他の適切な材料がパウチのために用いられてよい。パウチ500は、熱成形(heat-forming)、熱成形(thermo-forming)、又は真空成形(vacuum-forming)のような、適切なプロセスによって、適切な厚さのプラスチックシートから加工されてよい。パウチ500はフレキシブルであってよいが、応力に晒されないときに、その当初の形状に戻らなければならない。パウチ500は、アクチュエータ及び手術器具のための障害物のない作業空間を提供するよう、キャリッジ130の周りの緩い形態嵌め(遊び嵌め)(loose form fit)であるドレープの部分を提供する。手術器具のシャフトがキャリッジを通る領域410のような、パウチ500がキャリッジ130により近接して適合される特定の領域があってよい。パウチを通じて表示灯のようなキャリッジ130の構成を見ることができるよう、パウチ500を透明な又は半透明な材料で形成するのが望ましいことがある。幾つかの実施態様において、パウチは、2つ又はそれよりも多くの部分で形成されてよい。例えば、パウチの部分はより剛的な材料で形成されてよく、パウチの部分はよりフレキシブルな材料で形成されてよい。
【0041】
パウチ500がプラスチックシート300に接合される場所に、孔520がプラスチックシート300に形成される。パウチ500が孔を通じて延びるよりもむしろ、孔520の上に位置付けられる状態で、パウチ500をプラスチックシート300に接合させるのが望ましい。プラスチックシート300は、シート及びパウチの材料と適合するいずれかのプロセスによって、例えば、熱溶接又は感圧性接着剤(PSA)によって、パウチ500に接合されてよい。孔520は、パウチ500がプラスチックシート300に接合される前又は後に、プラスチックシート300に形成されてよい。
【0042】
図6は、キャリッジの制御面400、(無菌ドレープのプラスチックシート部分又はパウチを伴わない)ISA510、及び器具制御面242を示すよう回転させられた手術器具の近位制御機構240の斜視図である。ISA510は、図面によって示唆されるように、キャリッジの制御面400に連結される。ISA510は、キャリッジの制御面400の制御構成の全てに亘る(extend)制御面を、遠隔操作手術器具の近位制御機構240を受け且つ器具制御面242の制御構成と係合し得る無菌の使い捨て表面として提供する。
【0043】
図7は、ISA510の分解斜視図である。ISA510は、カプラディスク724(coupler disks)をISA510の底プレート710にある開口722内に挿入することによって組み立てられる。底プレートのキー溝を通じるカプラディスクのタブの通過、次に、タブ及びキー溝の整列を外すディスクの回転によって、カプラディスク724は開口722内に保持される。プレゼンスピン600(presence pins)が、ISA510の底プレート710にあるポケット712内に挿入されてよい。フラックスカプラ704(flux couplers)が、ISA510の頂プレート700にある開口702の上に結合されてよい。
【0044】
図8は、パウチ500の斜視図である。パウチ500は、開口802を提供し、カプラディスク724、プレゼンスピン600、及びフラックスカプラ704のような、制御構成は、開口802を通じて、底プレート710と頂プレート700との間を連絡する。組み立てられる底プレート710は、パウチ500の第1の側、即ち、開口802に隣接してパウチ空洞の内部に面する、パウチの側に配置される。組み立てられる頂プレート700は、パウチの反対の第2の側、即ち、開口802に隣接してパウチ空洞の内部から見て外方に向く、パウチの側に配置される。パウチ500は、様々な方法によって互いに接合されてよい頂プレート700及び底プレート710の間に捕捉される。頂プレート700及び底プレート710を接合させる1つの方法は、パウチ500を通じて頂プレート700及び底プレート710の間にピンを通し、ピンを熱でかしめて(heat staking)恒久的なアセンブリを形成することである。頂プレート及び底プレートを接合する他の適切な方法は、超音波溶接、感圧性接着剤(PSA)、液状接着剤(liquid adhesives)、及びスナップ嵌め(snap fits)を含む。
【0045】
図6及び7に再び戻ると、頂プレート700は、キャリッジの制御面に対して実質的に垂直であり且つキャリッジ130を支持する支柱310(図4)と実質的に平行である、垂直壁部分612を含んでよい。ISA510の垂直壁部分612は、手術器具を案内してISAと係合させるのを助け且つその突出中に無菌ドレープの柔らかい表面を保護する、剛的な表面を提供してよい。垂直壁部分612は、手術器具の近位制御機構240にある対応する凹部616と係合するリブ614を含んでよい。リブ614は、近位制御機構240との許容性のある初期的な係合をもたらすようテーパ状にされてよく、近位制御機構240は、次に、器具が所定の位置に導かれてISAと係合すると、器具をより精密な場所に案内する。
【0046】
図8を再び参照すると、底プレート710と頂プレート700との間に保持される幾つかの領域804は狭い。パウチ500を形成するためにフレキシブルな材料が用いられるならば、その材料は、パウチの材料の可撓性(フレキシビリティ)及び弾性の故に、底プレート710と頂プレート700との間に十分に保持されないことがある。底プレート710と頂プレート700との間に保持されるパウチの部分に対応する比較的非弾性的な領域をもたらすために、補剛材800(stiffener)がパウチ500に連結されてよい。非弾性的な領域は、ポリエチレンテレフタレート共重合体(PETG)の層及び熱可塑性ウレタン(TPU)の層を有するシートを共押し出しすることによって形成されてよい。補剛材800は、共押出しシートのために切断されてよい。補剛材800は、TPUを同様にTPUで形成されてもよいパウチに熱溶接することによって、パウチ500に連結されてよい。ISA510の底プレート710と頂プレート700との間に保持される非弾性的な領域800を備えるフレキシブルなパウチ500を提供する他のアセンブリが用いられてもよい。他の実施態様は、感応性接着剤(PSA)又は液状接着剤を使用して、パウチ500を底プレート710及び頂プレート700の一方又は両方に結合して、それらのプレートの間にパウチを保持してよい。
【0047】
図9は、図7の線7A-7Aに沿って取られたISA510の断面図である。図6を参照すると、キャリッジは、手術器具内に収容される無線周波数識別(RFID)装置を読み取るセンサ604を提供してよい。RFID装置は、付近の金属構成部品の存在の故に、センサ604がRFID装置に極めて近接することを必要とすることがある。ISA510の底プレート710は、センサ604が、底プレート710、補剛材800、及びISAの頂プレート700に隣接して配置されるべきパウチ500を通じるのを可能にする、通路900を提供してよい。更に、センサ604に隣接する頂プレート700の領域902は、センサが手術器具内のRFID装置により一層近接するのを可能にするよう、より薄くされてよい。
【0048】
図6を再び参照すると、キャリッジは、電気及び/又は光信号のための接続をもたらすフラックス接続部606(flux connection)を提供してよい。例示の実施態様において、ポゴピン606(pogo pins)、ばね荷重導電性ピンは、手術器具に接続されるべき電気信号をもたらす。ISAの底プレート710は、フラックス接続部606が、底プレート、補剛材800、及びISAの頂プレート700に隣接して配置されるべきパウチ500を通じるのを可能にする、通路910を提供してよい。フラックス接続部に隣接する頂プレート700の領域は、フラックスコネクタ904(flux connector)のための開口912を提供してよく、フラックスコネクタ904は、連続的な障壁を提供しながらフラックス接続部と手術器具との間の電気及び/又は光信号のための経路を提供するよう、頂プレート700にある開口912を閉じる。
【0049】
図10は、図7の線7B-7Bに沿って取られた底プレーと710の断面図である。手術器具をキャリッジ130の制御面400から既知の距離に位置付けるのが望ましい(図4)。手術器具がISAの頂プレート700に対して配置されるならば、底プレーと710、補剛材800、パウチ500、及び頂プレート700の寸法的な公差は、全て、手術器具の位置に影響を及ぼし、それは場所の所望の精度をもたらさないことがある。底プレート710は、手術器具のための基準面をもたらす着床パッド602(landing pads)を含んでよい。着床パッド602は、補剛材800、パウチ500、及び頂プレート700を通じて、底プレート710から延びる。底プレート710は、キャリッジ130の制御面400上のISA510の取付けための基準面をもたらす、取付け面1000を更に含んでよい。着床パッド602及び取付け面1000は、中実な底プレート710にある対向する平行な表面であるので、着床パッドと取付け面との間の距離を相当な精度で制御し得る。よって、ISAは、手術器具を、精度を伴って、キャリッジ130の制御面400から既知の距離に位置付け得る。
【0050】
図11は、図7の線7C-7Cに沿って取られたプレゼンスピン600並びにISAの頂プレート700及び底プレート710の部分の断面図である。制御システムは、手術器具がISA510に連結されたときを示す信号を必要としてよい。キャリッジは、制御システムに信号をもたらすために押し下げ得る、バネ荷重プランジャ608(図6)を提供してよい。ISAの底プレート710は、プレゼンスピン600を受け入れるポケット1104を提供してよい。バネ荷重プランジャ608が底プレート710のポケット1104内を進み、頂プレート700の開口を通じてプレゼンスピン600を持ち上げるよう、開口1102が底プレート710に設けられる。プレゼンスピン600は、手術器具が、キャリッジ内にバネ荷重プランジャを押し下げながら、手術器具とキャリッジとの間の無菌障壁を維持するのを可能にする。手術器具がISAに連結されるとき、プレゼンスピン600は、おそらく図11に例示する位置まで押し下げられ、バネ荷重プランジャ608も同様に押し下げられ、手術器具がISAに連結されることを示す信号を制御システムにもたらす。
【0051】
図12は、図11において円12で囲まれたプレゼンスピン及びISAの部分の斜視図である。図12において最良に見られるように、底プレート710にあるポケット1104は、底プレート710の下面1000から突出してよい。ポケット1104を収容する突起1106は、バネ荷重プランジャ608の周りでキャリッジ空間内に延びてよい。これは、バネ荷重プランジャ608が、バネ荷重プランジャを損傷させることがある横方向の力からバネ荷重プランジャを保護するよう、ISAを受けるキャリッジの表面より下に配置されるのを可能にする。
【0052】
突起1106は、キャリッジ上でのISAの位置決めを助けるよう、キャリッジに入る端で面取りされてよい。図6を参照すると、キャリッジの制御面400にあるガイドピン610は、ISAがキャリッジ上に位置付けられるときに、ISAのその端を横方向に位置付けるよう、ISAにあるレセプタクル(receptacle)と係合してよい。突起1106、特に、垂直壁部分708から最も遠く離れた突起は、係合ピン610係合と協働して、ISAの反対端を横方向に位置付け、それをキャリッジの制御面400との係合のために整列させる。
【0053】
特定の例示的な実施態様を記載し且つ添付の図面中に示したが、そのような実施態様は例示的であるに過ぎず、広義の発明を限定しないこと、並びに、この発明は、図示され且つ記載される特定の構造及び配置に限定されないことが、理解されるべきである。何故ならば、様々な他の修正が当業者の心に思い浮かぶことがあるからである。よって、本記述は限定的なものと考えられるべきでなく、例示的なものと考えられるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12