(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 16/26 20060101AFI20230718BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20230718BHJP
H01L 29/788 20060101ALI20230718BHJP
H01L 29/792 20060101ALI20230718BHJP
H10B 43/27 20230101ALI20230718BHJP
【FI】
G11C16/26
H01L29/78 371
H10B43/27
(21)【出願番号】P 2022033805
(22)【出願日】2022-03-04
(62)【分割の表示】P 2018121151の分割
【原出願日】2018-06-26
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】日岡 健
(72)【発明者】
【氏名】小林 司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光司
(72)【発明者】
【氏名】清水 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋
【審査官】後藤 彰
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-216025(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11C 16/26
H01L 21/336
H10B 43/27
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2メモリセルと、
前記第1及び第2メモリセルに接続される第1ワード線と、
前記第1メモリセルに接続される第1ビット線と、
前記第2メモリセルに接続される第2ビット線と、
前記第1ビット線に接続される第1センスアンプと、
前記第2ビット線に接続される第2センスアンプと、
前記第1センスアンプと前記第2センスアンプに制御信号を供給する制御回路と、
前記第1ワード線に電圧を供給する第1ロウデコーダと、
を備え、
読み出し動作において、
前記第1ロウデコーダは、前記第1ワード線に、読み出し電圧を印加する前に、前記読み出し電圧より高い第1キック電圧を印加し、
前記制御回路は、前記第1ワード線が前記読み出し電圧になる前に、前記第1センスアンプを前記第1ビット線と接続させるための第1制御信号を供給するとともに、前記第2センスアンプを前記第2ビット線と接続させるための第2制御信号を供給し、
前記第1制御信号の供給が終了するタイミングは前記第2制御信号の供給が終了するタイミングより早い、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1メモリセルは、前記第2メモリセルより前記第1ロウデコーダの近くに配置されている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1制御信号の供給を開始するタイミングと前記第2制御信号の供給を開始するタイミングとが実質的に同一である請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1メモリセル及び第2メモリセルを含むメモリセルアレイをさらに備え、
前記第1ロウデコーダは、前記メモリセルアレイの下に配置されている請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
第1方向に延伸して設けられ、前記第1ワード線として機能する第1導電体と、
前記第1導電体を通過して設けられ、前記第1導電体との交差部分が前記第1及び第2メモリセルとしてそれぞれ機能する第1及び第2ピラーと、
前記第1導電体上に設けられ、前記第1導電体と電気的に接続された
ビアコンタクトと、
をさらに備え、
前記
ビアコンタクトと前記第1ピラーとの前記第1方向における間隔は、前記
ビアコンタクトと前記第2ピラーとの前記第1方向における間隔よりも短い、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリセルが三次元に積層されたNAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高速に動作することが可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、第1及び第2メモリセルと、前記第1及び第2メモリセルに接続される第1ワード線と、前記第1メモリセルに接続される第1ビット線と、前記第2メモリセルに接続される第2ビット線と、前記第1ビット線に接続される第1センスアンプと、前記第2ビット線に接続される第2センスアンプと、前記第1センスアンプと前記第2センスアンプに制御信号を供給する制御回路と、前記第1ワード線に電圧を供給する第1ロウデコーダと、を備え、読み出し動作において、前記第1ロウデコーダは、前記第1ワード線に、読み出し電圧を印加する前に、前記読み出し電圧より高い第1キック電圧を印加し、前記制御回路は、前記第1ワード線が前記読み出し電圧になる前に、前記第1センスアンプを前記第1ビット線と接続させるための第1制御信号を供給するとともに、前記第2センスアンプを前記第2ビット線と接続させるための第2制御信号を供給し、前記第1制御信号の供給が終了するタイミングは前記第2制御信号の供給が終了するタイミングより早い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成の一例を示すブロック図。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたメモリセルアレイの構成例を示す回路図。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及び電圧生成回路の構成例を示すブロック図。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュールの構成例を示す回路図。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたメモリセルアレイの平面レイアウトの一例を示す図。
【
図7】
図7は、
図6に示すVIII-VIIIに沿ったメモリセルアレイの断面図。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたメモリセルアレイ及びロウデコーダモジュールの断面構造の一例を示す図。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図10】
図10は、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図11】
図11は、第1実施形態、及び比較例の読み出し動作の波形の一部を示す図。
【
図12】
図12は、第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図13】
図13は、第1実施形態の変形例1、及び比較例の読み出し動作の波形の一部を示す図。
【
図14】
図14は、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図15】
図15は、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及び電圧生成回路の構成例を示すブロック図。
【
図16】
図16は、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図17】
図17は、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及び電圧生成回路の構成例を示すブロック図。
【
図18】
図18は、第1実施形態の変形例4に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図19】
図19は、第1実施形態の変形例5に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図20】
図20は、第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図21】
図21は、第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図22】
図22は、第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置に含まれたロウデコーダモジュールの構成例を示すブロック図。
【
図23】
図23は、第2実施形態に係る半導体記憶装置の全体構成の一例を示すブロック図。
【
図24】
図24は、第2実施形態に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図25】
図25は、第2実施形態の比較例に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図26】
図26は、第3実施形態に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及びシーケンサの構成例を示すブロック図。
【
図27】
図27は、第3実施形態に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図28】
図28は、第3実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置における読み出し動作の波形の一例を示す図。
【
図29】
図29は、第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及びシーケンサの構成例を示すブロック図。
【
図30】
図30は、第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置に含まれたセンスアンプモジュール及びシーケンサの構成例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。図面は模式的なものである。尚、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。参照符号を構成する文字の後の数字、及び参照符号を構成する数字の後の文字は、同じ文字及び数字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために用いられている。同じ文字及び数字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素は同じ文字及び数字のみを含んだ参照符号により参照される。
【0008】
<1>第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置について説明する。
【0009】
<1-1>構成
<1-1-1>半導体記憶装置10の全体構成
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の全体構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように半導体記憶装置10は、メモリセルアレイ11、ロウデコーダモジュール12、センスアンプモジュール13、入出力回路14、レジスタ15、ロジックコントローラ16、シーケンサ17、レディ/ビジー制御回路18、並びに電圧生成回路19を備えている。
【0010】
メモリセルアレイ11は、ブロックBLK0~BLKn(nは1以上の自然数)を含んでいる。ブロックBLKは、ビット線及びワード線に関連付けられた複数の不揮発性メモリセルの集合であり、例えばデータの消去単位となる。半導体記憶装置10は、例えばMLC(Multi-Level Cell)方式を適用することにより、各メモリセルに2ビット以上のデータを記憶させることが出来る。
【0011】
ロウデコーダモジュール12は、アドレスレジスタ15Bに保持されたブロックアドレスに基づいて、各種動作を実行する対象のブロックBLKを選択することが出来る。そしてロウデコーダモジュール12は、電圧生成回路19から供給された電圧を、選択したブロックBLKに転送することが出来る。ロウデコーダモジュール12の詳細については後述する。
【0012】
センスアンプモジュール13は、メモリセルアレイ11から読み出したデータDATを、入出力回路14を介して外部のコントローラに出力することが出来る。また、センスアンプモジュール13は、外部のコントローラから入出力回路14を介して受け取った書き込みデータDATを、メモリセルアレイ11に転送することが出来る。
【0013】
入出力回路14は、例えば8ビット幅の入出力信号I/O(I/O1~I/O8)を、外部のコントローラとの間で送受信することが出来る。例えば入出力回路14は、外部のコントローラから受信した入出力信号I/Oに含まれた書き込みデータDATをセンスアンプモジュール13に転送し、センスアンプモジュール13から転送された読み出しデータDATを入出力信号I/Oとして外部のコントローラに送信する。
【0014】
レジスタ15は、ステータスレジスタ15A、アドレスレジスタ15B、コマンドレジスタ15Cを含んでいる。ステータスレジスタ15Aは、例えばシーケンサ17のステータス情報STSを保持し、このステータス情報STSをシーケンサ17の指示に基づいて入出力回路14に転送する。アドレスレジスタ15Bは、入出力回路14から転送されたアドレス情報ADDを保持する。アドレス情報ADDに含まれたブロックアドレス、カラムアドレス、及びページアドレスは、それぞれロウデコーダモジュール12、センスアンプモジュール13、及び電圧生成回路19で使用される。コマンドレジスタ15Cは、入出力回路14から転送されたコマンドCMDを保持する。
【0015】
ロジックコントローラ16は、外部のコントローラから受信した各種制御信号に基づいて、入出力回路14及びシーケンサ17を制御することが出来る。各種制御信号としては、例えばチップイネーブル信号/CE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号/WE、リードイネーブル信号/RE、及びライトプロテクト信号/WPが使用される。信号/CEは、半導体記憶装置10をイネーブルにするための信号である。信号CLEは、アサートされている信号CLEと並行して半導体記憶装置10に入力される信号がコマンドCMDであることを入出力回路14に通知する信号である。信号ALEは、アサートされている信号ALEと並行して半導体記憶装置10に入力される信号がアドレス情報ADDであることを入出力回路14に通知する信号である。信号/WE及び/REはそれぞれ、例えば入出力信号I/Oの入力及び出力を入出力回路14に対して命令する信号である。信号/WPは、例えば電源のオンオフ時に半導体記憶装置10を保護状態にするための信号である。
【0016】
シーケンサ17は、コマンドレジスタ15Cに保持されたコマンドCMDに基づいて、半導体記憶装置10全体の動作を制御することが出来る。例えば、シーケンサ17は、ロウデコーダモジュール12、センスアンプモジュール13、電圧生成回路19等を制御して、書き込み動作や読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0017】
レディ/ビジー制御回路18は、シーケンサ17の動作状態に基づいてレディ/ビジー信号RBnを生成することが出来る。信号RBnは、半導体記憶装置10が外部のコントローラからの命令を受け付けるレディ状態であるか、命令を受け付けないビジー状態であるかを、外部のコントローラに通知する信号である。
【0018】
電圧生成回路19は、シーケンサ17の制御に基づいて所望の電圧を生成し、生成した電圧をメモリセルアレイ11、ロウデコーダモジュール12、センスアンプモジュール13等に供給することが出来る。例えば電圧生成回路19は、アドレスレジスタ15Bに保持されたページアドレスに基づいて、選択ワード線に対応する信号線、及び非選択ワード線に対応する信号線に対してそれぞれ所望の電圧を印加する。
【0019】
<1-1-2>メモリセルアレイ11の構成
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11の構成例を示す回路図であり、メモリセルアレイ11内の1つのブロックBLKにおける詳細な回路構成の一例を示している。
図2に示すようにブロックBLKは、例えばストリングユニットSU0~SU3を含んでいる。
【0020】
各ストリングユニットSUは、ビット線BL0~BLm(mは1以上の自然数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含んでいる。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7並びに選択トランジスタST1及びST2を含んでいる。
【0021】
メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積層を備え、データを不揮発に記憶することが出来る。各NANDストリングNSに含まれたメモリセルトランジスタMT0~MT7は、選択トランジスタST1のソースと選択トランジスタST2のドレインとの間に直列接続されている。同一のブロックBLKに含まれたメモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通接続されている。尚、以下の説明では、ストリングユニットSU毎に共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTが記憶する1ビットデータの集合のことを“ページ”と称する。従って、1つのメモリセルトランジスタMTに2ビットデータが記憶される場合、1つのストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合は、2ページデータを記憶する。
【0022】
選択トランジスタST1及びST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。同一のカラムアドレスに対応するNANDストリングNSに含まれた選択トランジスタST1のドレインは、対応するビット線BLに共通接続されている。ストリングユニットSU0~SU3に含まれた選択トランジスタST1のゲートは、それぞれセレクトゲート線SGD0~SGD3に共通接続されている。同一のブロックBLKにおいて、選択トランジスタST2のソースはソース線SLに共通接続され、選択トランジスタST2のゲートはセレクトゲート線SGSに共通接続されている。
【0023】
以上で説明したメモリセルアレイ11の回路構成において、ワード線WL0~WL7は、ブロックBLK毎に設けられている。ビット線BL0~BLmは、複数のブロックBLK間で共有されている。ソース線SLは、複数のブロックBLK間で共有されている。尚、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数と、各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数とはあくまで一例であり、任意の個数に設計することが出来る。ワード線WL並びにセレクトゲート線SGD及びSGSの本数は、メモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数に基づいて変更される。
【0024】
<1-1-3>ロウデコーダモジュール12の構成
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10に含まれたロウデコーダモジュール12の詳細な構成例を示すブロック図であり、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12との関係を示している。
図3に示すように、ロウデコーダモジュール12は複数のロウデコーダRDを含んでいる。
【0025】
複数のロウデコーダRDは、ブロック(例えばBLK0、BLK1、…)にそれぞれ対応して設けられている。
【0026】
つまり、1つのブロックBLKに、1つのロウデコーダRDが関連付けられている。
【0027】
ロウデコーダRDは、電圧生成回路19から配線された各種信号線(SGDD、CG0~CG7、SGSD)と、ロウデコーダRDに関連付けられたブロックBLKの各配線(SGD、WL、SGS)との接続を制御する。
【0028】
ロウデコーダRDは、ロウデコーダRDに関連付けられたブロックBLKが選択されると、信号線SGDD、及び配線SGD、信号線CG0~CG7、及び配線WL0~WL7、信号線SGSD、及び配線SGS、をそれぞれ接続する。
【0029】
各ブロックBLKには、ロウデコーダRDを介して電圧生成回路19から供給された電圧が印加される。ロウデコーダRDは、ブロックのワード線WLに対してワード線WLの延伸方向の一方側から電圧を印加し、そして、
図3に示すように、以上で説明した構成に対して領域AR1及びAR2が定義されている。
【0030】
領域AR1及びAR2は、ワード線WLの延伸方向(ブロックBLKの延伸方向)においてメモリセルアレイ11を分割して定義された領域であり、領域AR1がワード線WLの延伸方向の一方側の領域に対応し、領域AR2がワード線WLの延伸方向の他方側の領域に対応している。以下の説明では、各ブロックBLKに対応するロウデコーダRDが接続された領域から近い領域を“Near”、遠い領域を“Far”と称する。
【0031】
ところで、メモリセルアレイ11は、実質的なデータ保持領域として機能する領域CRを備えている。そして、領域AR1及びAR2は、領域CRに含まれている。
【0032】
<1-1-4>センスアンプモジュール13及び電圧生成回路19の構成
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13及び電圧生成回路19の詳細な構成例を示すブロック図である。
図4に示すように、センスアンプモジュール13は複数のセンスアンプユニットSAUを含み、電圧生成回路19はドライバDR1及びDR2を含んでいる。
【0033】
各センスアンプユニットSAUには、それぞれ1本のビット線BLが接続されている。つまり、センスアンプモジュール13に含まれたセンスアンプユニットSAUの個数は、例えばビット線BLの本数に対応している。以下では、領域AR1に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合のことをセンスアンプセグメントSEG1と称し、領域AR2に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合のことをセンスアンプセグメントSEG2と称する。
【0034】
ドライバDR1及びDR2は、図示せぬチャージポンプが生成した電圧に基づいて、それぞれ第1電源電圧VDD1、及び第2電源電圧VDD2を生成する。そして、ドライバDR1は、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG1に含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2は、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG2に含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0035】
以上で説明した各センスアンプユニットSAUの詳細な回路構成は、例えば
図5に示すものとなる。
図5は、センスアンプモジュール13内の1つのセンスアンプユニットSAUについての詳細な回路構成の一例を示している。
図5に示すようにセンスアンプユニットSAUは、互いにデータを送受信可能なように接続されたセンスアンプ部SA、並びにラッチ回路SDL、LDL、UDL、及びXDLを含んでいる。
【0036】
センスアンプ部SAは、例えば読み出し動作において、対応するビット線BLに読み出されたデータをセンスして、読み出したデータが“0”であるか“1”であるかを判定する。
【0037】
図5に示されるように、各センスアンプユニットSAUは、p型のMOSFET(metal oxide semiconductor field effect transistor)21、24、n型のMOSFET Tbls、Tblc、Tblx、26、Txxl、Tstb、Tsen、30、31、Tblq、33、Tlsw、ならびにキャパシタ41および42を含む。
【0038】
1つのビット線BLは、直列接続されたトランジスタTblsおよびTblcを介してノードSCOMと接続されている。トランジスタTblsおよびTblcは、それぞれのゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号BLSおよびBLCを受け取る。ノードSCOMは、直列接続されたトランジスタTblxおよび21を介して、電位VHSAのノードと接続されている。トランジスタ21はゲートにおいてラッチ回路SDL内のノードINV_Sと接続されており、トランジスタTblxはゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号BLXを受け取る。
【0039】
トランジスタ21とトランジスタTblxが接続されているノードSSRCは、トランジスタ24を介してノードSRCGNDと接続されている。トランジスタ24は、ゲートにおいて、ノードINV_Sと接続されている。
【0040】
ノードSCOMはまた、トランジスタ26を介して電位VLSAのノードと接続されている。トランジスタ26は、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号NLOを受け取る。
【0041】
ノードSCOMはさらに、トランジスタTxxlを介してノードSENと接続されている。トランジスタTxxlは、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号XXLを受け取る。ノードSENは、キャパシタ42を介して信号CLKSAを受け取る。信号CLKSAは、例えばシーケンサ17により制御される。ノードSENはまた、後述のバスDBUSとキャパシタ41により容量結合している。
【0042】
ノードSENはまた、トランジスタTblqを介してバスSBUSと接続されている。トランジスタTblqは、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号BLQを受け取る。ノードSENは、さらに、直列接続されたトランジスタ30および31を介してノードLOPと接続されている。トランジスタ31のトランジスタ30と反対のノード(ソース)は、ノードLOPではなく接地されていてもよい。トランジスタ30は、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号LSLを受け取る。
【0043】
ノードLOPは、電圧生成回路19によって電圧を制御される。
【0044】
バスSBUSはまた、直列接続されたトランジスタTstbおよびTsenを介してノードLOPと接続されている。トランジスタTstbは、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号STBを受け取る。トランジスタTsenは、ゲートにおいて、ノードSENと接続されている。
【0045】
バスSBUSはまた、トランジスタ33を介して電源電圧VDD(VDD1、またはVDD2等)のノードと接続されている。トランジスタ33は、ゲートにおいて、例えばシーケンサ17から信号LPCを受け取り、電源電圧VDDをバスSBUSに転送する。
【0046】
つまり、ノードSENは、トランジスタTblq、及びトランジスタ33を介して、電源電圧VDDが供給される(矢印C1参照)。
【0047】
ラッチ回路SDL、LDL、UDL、及びXDLは、読み出しデータを一時的に保持する。ラッチ回路XDLは入出力回路14に接続され、センスアンプユニットSAUと入出力回路14との間のデータの入出力に使用される。
【0048】
ラッチ回路SDLは、例えばインバータ60及び61、並びにnチャネルMOSトランジスタ62及び63を含んでいる。インバータ60の入力ノードはノードLATに接続され、インバータ60の出力ノードはノードINV_Sに接続される。インバータ61の入力ノードはノードINV_Sに接続され、インバータ61の出力ノードはノードLATに接続される。トランジスタ62の一端はノードINV_Sに接続され、トランジスタ62の他端はバスLBUSに接続され、トランジスタ62のゲートには制御信号STIが入力される。トランジスタ63の一端はノードLATに接続され、トランジスタ63の他端はバスLBUSに接続され、トランジスタ63のゲートには制御信号STLが入力される。例えば、ノードLATにおいて保持されるデータがラッチ回路SDLに保持されるデータに相当し、ノードINV_Sにおいて保持されるデータはノードLATに保持されるデータの反転データに相当する。ラッチ回路LDL、UDL、及びXDLの回路構成は、例えばラッチ回路SDLの回路構成と同様のため、説明を省略する。
【0049】
以上で説明した各種制御信号は、例えばシーケンサ17によって生成される。
【0050】
尚、第1実施形態におけるセンスアンプモジュール13の構成は、これに限定されない。例えば、センスアンプユニットSAUが備えるラッチ回路の個数は、任意の個数に設計することが可能である。この場合にラッチ回路の個数は、例えば1つのメモリセルトランジスタMTが保持するデータのビット数に基づいて設計される。また、以上の説明では、センスアンプユニットSAU及びビット線BLが1対1で対応する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、複数のビット線BLが、セレクタを介して1つのセンスアンプユニットSAUに接続されても良い。
【0051】
<1-1-5>半導体記憶装置10の構造
以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11、ロウデコーダモジュール12、及びセンスアンプモジュール13の構造について説明する。
【0052】
図6は、第1実施形態におけるメモリセルアレイ11の平面レイアウトの一例を示し、メモリセルアレイ11内の1つのストリングユニットSU0における平面レイアウトの一例を示している。尚、以下の図面では、X軸がワードWLの延伸方向に対応し、Y軸がビット線BLの延伸方向に対応し、Z軸が基板表面に対する鉛直方向に対応している。
【0053】
図6に示すようにストリングユニットSU0は、X方向に延伸し且つY方向に隣り合うコンタクトプラグLI間に設けられる。コンタクトプラグLIは、隣り合うストリングユニットSU間を絶縁するスリット内に設けられる。つまり、メモリセルアレイ11では、図示せぬ領域において複数のコンタクトプラグLIがY方向に配列し、隣り合うコンタクトプラグLI間にそれぞれストリングユニットSUが設けられている。
【0054】
このようなストリングユニットSU0の構成において、X方向において領域CR及びHRが定義されている。領域CRは、実質的なデータ保持領域として機能する領域であり、領域CRには、複数の半導体ピラーMHが設けられている。1つの半導体ピラーMHは、例えば1つのNANDストリングNSに対応している。領域HRは、ストリングユニットSU0に設けられた各種配線と、ロウデコーダモジュール12との間を接続するための領域である。具体的には、ストリングユニットSU0には、例えば選択ゲート線SGSとして機能する導電体41、ワード線WL0~WL7としてそれぞれ機能する8つの導電体42、及び選択ゲート線SGDとして機能する導電体43が、上層の導電体と重ならない部分を有するように設けられている。そして導電体41~43の端部は、それぞれ導電性のビアコンタクトVCを介して、ストリングユニットSUの下部に設けられたロウデコーダモジュール12に接続される。
【0055】
以上で説明したメモリセルアレイ11の断面構造の一例が、
図7及び
図8に示されている。
図7及び
図8は、メモリセルアレイ11内の1つのストリングユニットSU0についての断面構造の一例を示し、
図7は、
図6のVIII-VIII線に沿った断面を示している。
図8は、
図6のX方向に沿った断面を示し、領域HRにおけるワード線WL0(導電体42)に関連する構造を抽出して示している。尚、以下の図面では層間絶縁膜の図示が省略され、
図8は領域CRにおける半導体ピラーMHの構造を省略して示している。
【0056】
図7に示すようにメモリセルアレイ11には、半導体基板上に形成されたP型ウェル領域50の上方に、ソース線SLとして機能する導電体40が設けられている。導電体40上には、複数のコンタクトプラグLIが設けられている。隣り合うコンタクトプラグLI間且つ導電体40の上方には、Z方向において例えば導電体41、8層の導電体42、導電体43が順に設けられている。
【0057】
導電体40~43の形状は、X方向及びY方向に広がった板状であり、コンタクトプラグLIの形状は、X方向及びZ方向に広がった板状である。そして、複数の半導体ピラーMHが、導電体41~43を通過するように設けられている。具体的には、半導体ピラーMHは、導電体43の上面から導電体40の上面に達するように形成されている。
【0058】
半導体ピラーMHは、例えばブロック絶縁膜45、絶縁膜(電荷蓄積層)46、トンネル酸化膜47、及び導電性の半導体材料48を含んでいる。具体的には、半導体材料48の周囲にトンネル酸化膜47が設けられ、トンネル酸化膜47の周囲に絶縁膜46が設けられ、絶縁膜46の周囲にブロック絶縁膜45が設けられている。尚、半導体材料48内には、異なる材料が含まれていても良い。
【0059】
このような構造において、導電体41と半導体ピラーMHとが交差する部分が選択トランジスタST2として機能し、導電体42と半導体ピラーMHとが交差する部分がメモリセルトランジスタMTとして機能し、導電体43と半導体ピラーMHとが交差する部分が選択トランジスタST1として機能する。
【0060】
半導体ピラーMHの半導体材料48上には、導電性のビアコンタクトBCが設けられている。ビアコンタクトBC上には、ビット線BLとして機能する導電体44が、Y方向に延伸して設けられている。各ストリングユニットSUにおいて、1つの導電体44には1つの半導体ピラーMHが接続されている。つまり、各ストリングユニットSUにおいて、例えばX方向に配列する複数の導電体44には、それぞれ異なる半導体ピラーMHが接続される。
【0061】
図8に示すように、領域HRにおいてP型ウェル領域50の表面内には、n
+不純物拡散領域51及び52が形成されている。拡散領域51及び52間、且つP型ウェル領域50上には、図示せぬゲート絶縁膜を介して導電体53が設けられている。この拡散領域51及び52並びに導電体53が、それぞれトランジスタTRのソース、ドレイン、及びゲート電極として機能する。トランジスタTRはロウデコーダモジュール12に含まれている。拡散領域51上には、ビアコンタクトVCが設けられている。ビアコンタクトVCは、導電体40~42を通過して導電体54に接続され、ビアコンタクトVCと導電体40~42との間は、絶縁膜によって絶縁されている。導電体54は、例えば導電体43が設けられた配線層と導電体44が設けられた配線層との間の配線層に設けられ、導電性のビアコンタクトHUを介してワード線WL0に対応する導電体42に接続される。ビアコンタクトHUと半導体ピラーMHとの間隔は半導体ピラーMHが設けられた領域に応じて異なり、
図3を用いて説明したNear側及びFar側はビアコンタクトHUと半導体ピラーMHとの距離に応じて定義されている。
【0062】
このような構成により、ロウデコーダモジュール12はトランジスタTRを介してワード線WL0に対応する導電体42に電圧を供給することが出来る。半導体記憶装置10には導電体41~43に対応して図示せぬ複数のトランジスタTR及び導電体54が設けられ、ロウデコーダモジュール12はこれらのトランジスタTRを介して各種配線に対応する導電体に電圧を供給する。尚、以下では、トランジスタTRのゲート電極に対応する導電体53が形成される配線層のことを配線層GCと称し、ビット線BLに対応する導電体44が形成される配線層のことを配線層M1と称する。
【0063】
尚、第1実施形態におけるメモリセルアレイ11の構造は、以上で説明した構造に限定されない。例えば、上記説明においてセレクトゲート線SGS及びSGDは、それぞれ1層の導電体41及び43により構成されているが、セレクトゲート線SGS及びSGDは、複数層の導電体により構成されていても良い。また、1つの半導体ピラーMHが通過する導電体42の個数は、これに限定されない。例えば、1つの半導体ピラーMHが通過する導電体42の個数を9個以上にすることで、1つのNANDストリングNSに含まれたメモリセルトランジスタMTの個数を9個以上にすることが出来る。
【0064】
<1-2>動作
第1実施形態に係る半導体記憶装置10は、読み出し動作において第1キック動作を実行する。第1キック動作とは、ドライバの駆動電圧を一旦目標の電圧値よりも高い値に設定し、一定時間経過後に目標の電圧値に下げる電圧印加方法である。第1キック動作は、例えばワード線WLに対して実行される。例えば、ワード線WLに対して第1キック動作が実行された場合、ワード線WLに対する電流の供給量が増加して、ワード線WLが充電される。尚、以下では、第1キック動作時において、目標の電圧を印加する前に印加される目標の電圧よりも高い電圧のことを第1キック電圧と称し、目標の電圧と第1キック電圧との差分のことを第1キック量と称する。
【0065】
このような第1実施形態に係る半導体記憶装置10の読み出し動作時における波形の一例が、
図9に示されている。
図9では、ワード線WLのNear側部分の波形を実線で示し、ワード線WLのFar側部分の波形を破線で示している。また、
図9では、ワード線WLのNear側部分に対応する電源電圧VDD1を実線で示し、ワード線WLのFar側部分に対応する電源電圧VDD2を破線で示している。
【0066】
尚、以下の説明において、各種制御信号が入力されるNチャネルMOSトランジスタは、ゲートに“H”レベルの電圧が印加されるとオン状態になり、ゲートに“L”レベルの電圧が印加されるとオフ状態になるものとする。また、選択されたワード線WLに対応するメモリセルトランジスタMTのことを、選択メモリセルと称する。
【0067】
[時刻T0以前]
図9に示すように、時刻T0より前の初期状態では、例えばワード線WL並びに制御信号BLCの電圧が電圧VSSとされ、制御信号LPC、BLQ、XXL、及びSTBの電圧が“L”レベルとされ、ビット線BLの電圧が電圧VSSとされる。
【0068】
[時刻T0~T1]
時刻T0において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、選択されたワード線WL(WL(選択)とも表記)に対して第1キック動作を実行する。この場合、選択されたワード線WLには、例えば所望の電圧より高い第1キック電圧VCGRVKが一時的に印加される。第1キック電圧VCGRVKは、例えばワード線WLのNear側における電圧に表れる。一方で、ワード線WLのFar側においては、配線のRC遅延によって、例えば電圧VCGRVを超えることなく電圧VCGRVまで上昇する。尚、第1キック量の大きさは、任意の数値に設定することが可能である。
【0069】
また、ロウデコーダモジュール12は、選択されなかったワード線WL(WL(非選択)とも表記)に例えば読み出しパス電圧VREADを印加する。
【0070】
また、シーケンサ17は、制御信号BLCの電圧を電圧VBLCとする。これによりセンスアンプモジュール13からビット線BLに電流が供給され、ビット線BLの電圧が電圧VBLまで上昇する。
【0071】
また、シーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“H”レベルとする。制御信号LPC、BLQが“H”レベルになると、トランジスタ33及びTblqがオン状態になりノードSENが充電され、ノードSENの充電が完了するとシーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“L”レベルにする。
【0072】
上記のように、セグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードには、ドライバDR1によって生成された第1電源電圧VDD1が供給されている。また、セグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードには、ドライバDR2によって生成された第2電源電圧VDD2が供給されている。従って、セグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第1電源電圧VDD1に充電される。また、セグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第2電源電圧VDD2に充電される。なお、電源電圧VDD1は、電源電圧VDD2よりも大きい(VDD1>VDD2)。
【0073】
[時刻T1~時刻T2]
時刻T1において、シーケンサ17は、制御信号XXLを“H”レベルにする。制御信号XXLが“H”レベルになると、選択メモリセルの状態に基づいてノードSENの電位が変化する。なお、時刻T1は、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻である。
【0074】
[時刻T2~]
そしてシーケンサ17は、ノードSENの電位の変化が落ち着いた時刻T2において、制御信号XXLを“L”レベルにし、制御信号STBを“H”レベルにして、ノードSENの状態に基づいて選択メモリセルの閾値電圧を判定し、判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持する。
【0075】
判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持した後、ロウデコーダモジュール12及びシーケンサ17は、ワード線WL、並びに制御信号BLCを初期状態に戻し、当該ページの読み出し動作を終了する。
【0076】
<1-3>効果
以上で説明した第1実施形態に係る半導体記憶装置10によれば、読み出し動作を高速化することが出来る。以下に、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の詳細な効果について説明する。
【0077】
メモリセルが三次元に積層された半導体記憶装置では、例えば
図6及び
図7に示すように、板状に形成された導電体42がワード線WLとして使用される。このような構造のワード線WLはRC遅延が大きくなる傾向があり、ワード線WLの一端から電圧が印加された場合に、ドライバから近い領域(Near側)と、ドライバ遠い領域(Far側)とで、電圧の上昇速度が異なることがある。このような場合、ワード線WLの電圧が安定するまでに時間を要する。そこで半導体記憶装置は、電圧上昇の速度が相対的に遅いワード線WLのFar側における電圧上昇を補助するために、例えば第1キック動作を実行することがある。
【0078】
図10に示すように、キック動作を行なう場合でも、ワード線WLの電圧が安定してからセンスを開始することが考えられる。
図10に示す動作例では、
図9に示すセンス開始時刻T1よりも遅い時刻T3(T1<T3)からセンスを開始する。つまり、キック動作を行なわない程ではないが、キック動作を行なう場合でも、ワード線WLの電圧が安定するまでに時間を要する。そのため、読み出し動作を高速化できない。
【0079】
読み出し動作を高速化の観点から選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻T1において、センスを開始する事が考えられる。
【0080】
ここで、第1実施形態の比較例に係る半導体記憶装置の読み出し動作の一例について、
図11を用いて説明する。
図11は、Near側及びFar側のワード線WLの波形と、ノードSENの波形との一例を示し、
図9を用いて説明した読み出し動作の波形に対して、セグメントSEG1及びSEG2のノードSENで共通の充電電圧に充電している点が異なっている。
図11では、ワード線WLのNear側部分の波形を実線で示し、ワード線WLのFar側部分の波形を破線で示している。また、
図11では、ワード線WLのNear側部分に対応する電源電圧VDD1を実線で示し、ワード線WLのFar側部分に対応する電源電圧VDD2を破線で示している。
【0081】
図11に示すように、全てのセンスアンプユニットSAUのノードSENを電圧VDDに充電する場合について説明する。
【0082】
時刻T1において、ワード線WLのNear側部分では、電圧VCGRVよりも高く、ワード線WLのFar側部分では、電圧VCGRVよりも低い。そのため、Near側のメモリセルでは、ワード線WLの電圧が高く見え、Far側のメモリセルでは、ワード線WLの電圧が低く見える。そのため、Near側のメモリセルに流れるセル電流Icellは大きくなり、Far側のメモリセルに流れるセル電流Icellは小さくなる。
【0083】
その結果、全てのセンスアンプユニットSAUのノードSENを単一の電圧VDDに充電すると、Near側では、メモリセルがオンする場合(ON CELL)及びメモリセルがオフする場合(OFF CELL)の両方の状態において、ノードSEN(SEG1)の電位が判定用の電圧VTHを下回る可能性がある。この場合、本来はメモリセルがオフすると判定されなければならないところを、オンすると誤判定される可能性がある。また、Far側では、メモリセルがオンする場合(ON CELL)及びメモリセルがオフする場合(OFF CELL)の両方の状態において、ノードSEN(SEG2)の電位が判定用の電圧VTHを上回る可能性がある。この場合、本来はメモリセルがオンすると判定されなければならないところを、オフすると誤判定される可能性がある。
【0084】
選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻T1において、センスを開始する場合、上記のような誤判定を避けるための工夫をする必要がある。
【0085】
そこで、本実施形態では、Near側のメモリセルに関するセグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENを、高めの電圧、第1電源電圧VDD1に充電する。また、Far側のメモリセルに関するセグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENを、低めの電圧、第2電源電圧VDD2に充電する。これにより、センス時におけるセグメントSEG1及びセグメントSEG2におけるノードSENの電位を共に適切な電位にすることができる。その結果、
図9で説明したように、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前である時刻T1において制御信号XXLを“H”レベルにしても、選択メモリセルの閾値電圧を適切に判定することができ、
図11で説明したような可能性を抑制することができる。
【0086】
なお、上述した実施形態では、センスアンプのノードSENに供給する電源をVDD1またはVDD2にすることで、ノードSENの充電レベルを切り替える。一方で、ノードSENに供給する電源を1種類にする。そして、上述した実施形態と同様に、領域AR1、またはAR2毎に制御信号LPC、BLQの大きさを変えることで、ノードSENの充電レベルを切り替えることもできる。
【0087】
<1-4>第1実施形態の変形例1
<1-4-1>動作
以下に、第1実施形態の変形例1の読み出し動作について説明する。
【0088】
第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10は、読み出し動作において第2キック動作を実行する。第2キック動作とは、ドライバの駆動電圧を一旦目標の電圧値よりも低い値に設定し、一定時間経過後に目標の電圧値に上げる電圧印加方法である。第2キック動作は、例えばワード線WLに対して実行される。例えば、ワード線WLに対して第2キック動作が実行された場合、ワード線WLに対する電流の供給量が減少して、ワード線WLが放電される。尚、以下では、第2キック動作時において、目標の電圧を印加する前に印加される目標の電圧よりも低い電圧のことを第2キック電圧と称し、目標の電圧と第2キック電圧との差分のことを第2キック量と称する。
【0089】
このような第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10の読み出し動作時における波形の一例が、
図12に示されている。
図12は、Near側及びFar側にそれぞれ対応するワード線WLの波形、ビット線BLの波形、及び各種制御信号の波形の一例を示している。
【0090】
[時刻T10以前]
図12に示すように、時刻T0より前の初期状態では、例えばワード線WL並びに制御信号BLCの電圧が電圧VSSとされ、制御信号LPC、BLQ、XXL、及びSTBの電圧が“L”レベルとされ、ビット線BLの電圧が電圧VSSとされる。
【0091】
[時刻T10~T11]
時刻T0において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、ワード線WLに例えば読み出しパス電圧VREADを印加する。
【0092】
シーケンサ17は、制御信号BLCの電圧を電圧VBLCとする。これによりセンスアンプモジュール13からビット線BLに電流が供給され、ビット線BLの電圧が電圧VBLまで上昇する。
【0093】
[時刻T11~T12]
時刻T11において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、選択されたワード線WLに対して第2キック動作を実行する。この場合、選択されたワード線WLには、例えば所望の電圧より低い第2キック電圧VCGRVLKが一時的に印加される。第2キック電圧VCGRVLKは、例えばワード線WLのNear側における電圧に表れる。一方で、ワード線WLのFar側においては、配線のRC遅延によって、例えば電圧VCGRVを下回ることなく電圧VCGRVまで降圧される。尚、第2キック量の大きさは、任意の数値に設定することが可能である。
【0094】
また、シーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“H”レベルとする。制御信号LPC、BLQが“H”レベルになると、トランジスタ33及びTblqがオン状態になりノードSENが充電され、ノードSENの充電が完了するとシーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“L”レベルにする。
【0095】
セグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第2電源電圧VDD2に充電される。また、セグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第1電源電圧VDD1に充電される。なお、第1実施形態においては、VDD1>VDD2であったが、本変形例においてはVDD1<VDD2である。
【0096】
[時刻T12~]
時刻T12において、シーケンサ17は、制御信号XXLを“H”レベルにする。制御信号XXLが“H”レベルになると、選択メモリセルの状態に基づいてノードSENの電位が変化する。そしてシーケンサ17は、ノードSENの電位の変化が落ち着いた時刻T3において、制御信号XXLを“L”レベルとして、制御信号STBを“H”レベルとして、ノードSENの状態に基づいて選択メモリセルの閾値電圧を判定し、判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持する。なお、時刻T12は、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻である。
【0097】
判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持した後、ロウデコーダモジュール12及びシーケンサ17は、ワード線WL、並びに制御信号BLCを初期状態に戻し、当該ページの読み出し動作を終了する。
【0098】
<1-4-2>効果
以上で説明した第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10によれば、読み出し動作を高速化することが出来る。以下に、第1実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10の詳細な効果について説明する。
【0099】
ここで、第1実施形態の変形例1の比較例に係る半導体記憶装置の読み出し動作の一例について、
図13を用いて説明する。
図13は、Near側及びFar側のワード線WLの波形と、ノードSENの波形との一例を示し、
図12を用いて説明した読み出し動作の波形に対して、セグメントSEG1及びSEG2のノードSENで共通の充電電圧に充電している点が異なっている。
【0100】
図13に示すように、全てのセンスアンプユニットSAUのノードSENを電圧VDDに充電する場合について説明する。
【0101】
時刻T12において、Far側のワード線WLは、電圧VCGRVよりも高い。そのため、Far側のメモリセルは、ワード線WLの電圧が高く見える。そのため、メモリセルに流れるセル電流Icellが大きくなる。その結果、メモリセルがオンする場合(ON CELL)、及びメモリセルがオフする場合(OFF CELL)の両方の状態において、ノードSEN(SEG2)の電位は、判定用の電圧VTHを下回る可能性がある。この場合、本来はメモリセルがオフすると判定されなければならないところを、オンすると誤判定される可能性がある。
【0102】
また、時刻T12において、Near側のワード線WLは、電圧VCGRVよりも低い。そのため、Near側のメモリセルは、ワード線WLの電圧が低く見える。そのため、メモリセルに流れるセル電流Icellが小さくなる。その結果、メモリセルがオンする場合(ON CELL)、及びメモリセルがオフする場合(OFF CELL)の両方の状態において、ノードSEN(SEG1)の電位は、判定用の電圧VTHを上回る可能性がある。この場合、本来はメモリセルがオンすると判定されなければならないところを、オフすると誤判定される可能性がある。
【0103】
以上の様に、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻T12において、センスを開始する場合、工夫をする必要がある。
【0104】
そこで、本実施形態では、Near側のメモリセルに関するセグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENを、低めの電圧、第2電源電圧VDD2に充電する。また、Far側のメモリセルに関するセグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENを、高めの電圧、第1電源電圧VDD1に充電する。これにより、センス時におけるセグメントSEG1及びセグメントSEG2におけるノードSENの電位を共に適切な電位にすることができる。その結果、
図13で説明したような可能性を抑制することができる。
【0105】
<1-5>第1実施形態の変形例2
第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13を4つの領域に分けて、領域毎にノードSENの充電電圧を制御する。以下に、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0106】
<1-5-1>構成
図14は、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11及びロウデコーダモジュール12の構成例を示すブロック図であり、第1実施形態で
図3を用いて説明した構成に対して、定義されている領域の範囲が異なっている。
【0107】
具体的には、
図14に示すように第1実施形態の変形例2に係るメモリセルアレイ11は、領域AR1と、領域AR2と、領域AR3と、領域AR4とが定義されている。領域AR1と、領域AR2と、領域AR3と、領域AR4とは、ワード線WLの延伸方向(ブロックBLKの延伸方向)においてメモリセルアレイ11を分割して定義された領域である。ところで、ワード線WLの延伸方向(ブロックBLKの延伸方向)において、ロウデコーダRDが接続された領域から、遠ざかる方向に向かって、順に“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”、と定義される。そこで、領域AR1と、領域AR2と、領域AR3と、領域AR4とは、それぞれ上記“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”に対応している。
【0108】
図15は、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13(13A及び13B)及び電圧生成回路19(19A、及び19B)の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0109】
図15に示すように、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、領域AR1及びAR2に対応するセンスアンプモジュール13Aと、領域AR3及びAR4に対応するセンスアンプモジュール13Bと、を備えている。
【0110】
センスアンプモジュール13Aは、領域AR1に対応するセンスアンプセグメントSEG1A、及び領域AR2に対応するセンスアンプセグメントSEG2Aを備えている。
【0111】
セグメントSEG1Aに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR1に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。セグメントSEG2Aに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR2に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。
【0112】
センスアンプモジュール13Bは、領域AR3に対応するセンスアンプセグメントSEG1B、及び領域AR4に対応するセンスアンプセグメントSEG2Bを備えている。
【0113】
セグメントSEG1Bに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR3に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。セグメントSEG2Bに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR4に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。
【0114】
図15に示すように、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13Aに対応する電圧生成回路19Aと、センスアンプモジュール13Bに対応する電圧生成回路19Bと、を備えている。
【0115】
電圧生成回路19Aは、ドライバDR1A及びDR2Aを備えている。ドライバDR1A及びDR2Aは、図示せぬチャージポンプが生成した電圧に基づいて、それぞれ第1電源電圧VDD1、及び第2電源電圧VDD2を生成する。そして、ドライバDR1Aは、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG1Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Aは、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG2Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0116】
電圧生成回路19Bは、ドライバDR1B及びDR2Bを備えている。ドライバDR1B及びDR2Bは、図示せぬチャージポンプが生成した電圧に基づいて、それぞれ第3電源電圧VDD3、及び第4電源電圧VDD4を生成する。そして、ドライバDR1Bは、生成した第3電源電圧VDD3をセグメントSEG1Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Bは、生成した第4電源電圧VDD4をセグメントSEG2Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0117】
<1-5-2>動作
第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、基本的には、
図9及び
図12で説明した読み出し動作と同様である。
【0118】
第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンス(信号XXLの立ち上げタイミング)を行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0119】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で低くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Aは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で最も高い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Aは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第1電源電圧VDD1の次に高い第2電源電圧VDD2(VDD2<VDD1)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Bは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第2電源電圧VDD2の次に高い第3電源電圧VDD3(VDD3<VDD2)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Bは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、最も低い第4電源電圧VDD4(VDD4<VDD3)を供給する。
【0120】
第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態の変形例1と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0121】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で高くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Aは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で最も低い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Aは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第1電源電圧VDD1の次に低い第2電源電圧VDD2(VDD1<VDD2)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Bは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第2電源電圧VDD2の次に低い第3電源電圧VDD3(VDD2<VDD3)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Bは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、最も高い第4電源電圧VDD4(VDD3<VDD4)を供給する。
【0122】
なお、上述したように、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さは、必ずしも領域の並び順に高く、または低くなるわけではない。そのような場合でも、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さと、対応するノードSENの充電電圧の高さが対応付されていれば良い。
【0123】
以上のように、電圧生成回路19A、及び19Bは、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、電圧生成回路19A、及び19Bは、ノードSENの充電電圧を第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の大きさを制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0124】
<1-5-3>第1実施形態の変形例2の効果
以上のように、第1実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10よりも細かく領域をわけることで、読み出し動作を高速化しつつ、より細かくノードSENの充電電圧を制御することができる。
【0125】
<1-6>第1実施形態の変形例3
第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13を8つの領域に分けて、領域毎にノードSENの充電電圧を制御する。以下に、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0126】
<1-6-1>構成
図16は、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11及びロウデコーダモジュール12の構成例を示すブロック図であり、第1実施形態で
図3を用いて説明した構成に対して、定義されている領域の範囲が異なっている。
【0127】
具体的には、
図16に示すように第1実施形態の変形例3に係るメモリセルアレイ11は、領域AR1~AR8、が定義されている。領域AR1~AR8は、ワード線WLの延伸方向(ブロックBLKの延伸方向)においてメモリセルアレイ11を分割して定義された領域である。ところで、ワード線WLの延伸方向(ブロックBLKの延伸方向)において、ロウデコーダRDが接続された領域から、遠ざかる方向に向かって、順に“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”、と定義される。そこで、領域AR1~AR8とは、それぞれ上記“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”、に対応している。
【0128】
図17は、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13(13A、13B、13C、及び13D)及び電圧生成回路19(19A、19B、19C、及び19D)の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0129】
図17に示すように、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10は、領域AR1及びAR2に対応するセンスアンプモジュール13Aと、領域AR3及びAR4に対応するセンスアンプモジュール13Bと、領域AR5及びAR6に対応するセンスアンプモジュール13Cと、領域AR7及びAR8に対応するセンスアンプモジュール13Dと、を備えている。
【0130】
センスアンプモジュール13A、及び13Bは、第1実施形態の変形例2で説明した構成と同様である。
【0131】
センスアンプモジュール13Cは、領域AR5に対応するセンスアンプセグメントSEG1C、及び領域AR6に対応するセンスアンプセグメントSEG2Cを備えている。
【0132】
セグメントSEG1Cに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR5に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。セグメントSEG2Cに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR6に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。
【0133】
センスアンプモジュール13Dは、領域AR7に対応するセンスアンプセグメントSEG1D、及び領域AR8に対応するセンスアンプセグメントSEG2Dを備えている。
【0134】
セグメントSEG1Dに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR7に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。セグメントSEG2Dに含まれたセンスアンプユニットSAUは、領域AR8に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されている。
【0135】
図15に示すように、第1実施形態に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13Aに対応する電圧生成回路19Aと、センスアンプモジュール13Bに対応する電圧生成回路19Bと、センスアンプモジュール13Cに対応する電圧生成回路19Cと、センスアンプモジュール13Dに対応する電圧生成回路19Dと、を備えている。
【0136】
電圧生成回路19A、及び19Bは、第1実施形態の変形例2で説明した構成と同様である。
【0137】
電圧生成回路19Cは、ドライバDR1C及びDR2Cを備えている。ドライバDR1C及びDR2Cは、図示せぬチャージポンプが生成した電圧に基づいて、それぞれ第5電源電圧VDD5、及び第6電源電圧VDD6を生成する。そして、ドライバDR1Cは、生成した第5電源電圧VDD5をセグメントSEG1Cに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Cは、生成した第6電源電圧VDD6をセグメントSEG2Cに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0138】
電圧生成回路19Dは、ドライバDR1D及びDR2Dを備えている。ドライバDR1D及びDR2Dは、図示せぬチャージポンプが生成した電圧に基づいて、それぞれ第7電源電圧VDD7、及び第8電源電圧VDD8を生成する。そして、ドライバDR1Dは、生成した第7電源電圧VDD7をセグメントSEG1Dに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Dは、生成した第8電源電圧VDD8をセグメントSEG2Dに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0139】
<1-6-2>動作
第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、基本的には、
図9及び
図12で説明した読み出し動作と同様である。
【0140】
第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンス(信号XXLの立ち上げタイミング)を行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0141】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”の順で低くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Aは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で最も高い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Aは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第1電源電圧VDD1の次に高い第2電源電圧VDD2(VDD2<VDD1)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Bは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第2電源電圧VDD2の次に高い第3電源電圧VDD3(VDD3<VDD2)を供給する。また、“Mid3”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Bは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第3電源電圧VDD3の次に高い第4電源電圧VDD4(VDD4<VDD3)を供給する。また、“Mid4”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Cは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第4電源電圧VDD4の次に高い第5電源電圧VDD5(VDD5<VDD4)を供給する。また、“Mid5”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Cは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第5電源電圧VDD5の次に高い第6電源電圧VDD6(VDD6<VDD5)を供給する。また、“Mid6”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Dは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第6電源電圧VDD6の次に高い第7電源電圧VDD7(VDD7<VDD6)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Dは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、最も低い第8電源電圧VDD8(VDD8<VDD7)を供給する。
【0142】
第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態の変形例1と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0143】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”の順で高くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Aは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で最も低い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Aは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第1電源電圧VDD1の次に低い第2電源電圧VDD2(VDD1<VDD2)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Bは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第2電源電圧VDD2の次に低い第3電源電圧VDD3(VDD2<VDD3)を供給する。また、“Mid3”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Bは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第3電源電圧VDD3の次に低い第4電源電圧VDD4(VDD3<VDD4)を供給する。また、“Mid4”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Cは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第4電源電圧VDD4の次に低い第5電源電圧VDD5(VDD4<VDD5)を供給する。また、“Mid5”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Cは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第5電源電圧VDD5の次に低い第6電源電圧VDD6(VDD5<VDD6)を供給する。また、“Mid6”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1Dは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、第6電源電圧VDD6の次に低い第7電源電圧VDD7(VDD6<VDD7)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2Dは、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の中で、最も高い第8電源電圧VDD8(VDD7<VDD8)を供給する。
【0144】
なお、上述したように、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さは、必ずしも領域の並び順に高く、または低くなるわけではない。そのような場合でも、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さと、対応するノードSENの充電電圧の高さが対応付されていれば良い。
【0145】
以上のように、電圧生成回路19A、19B、19C、及び19Dは、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧を第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の大きさを制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0146】
<1-6-3>第1実施形態の変形例3の効果
以上のように、第1実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10よりも細かく領域をわけることで、読み出し動作を高速化しつつ、より細かくノードSENの充電電圧を制御することができる。
【0147】
<1-7>第1実施形態の変形例4
第1実施形態の変形例4に係る半導体記憶装置10は、ロウデコーダモジュール12を2つの領域(12A、12B)に分けて、ブロックを制御する。以下に、第1実施形態の変形例4に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0148】
図18は、第1実施形態の変形例4に係る半導体記憶装置10に含まれたロウデコーダモジュール12A及び12Bの詳細な構成例を示すブロック図であり、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12A及び12Bとの関係を示している。
図18に示すように、ロウデコーダモジュール12Aは複数のロウデコーダRDAを含み、ロウデコーダモジュール12Bは複数のロウデコーダRDBを含んでいる。
【0149】
複数のロウデコーダRDAは、偶数ブロック(例えばBLK0、BLK2、…)にそれぞれ対応して設けられ、複数のロウデコーダRDBは、奇数ブロック(例えばBLK1、BLK3、…)にそれぞれ対応して設けられている。具体的には、例えばブロックBLK0及びBLK2にはそれぞれ異なるロウデコーダRDA(0)及び(2)が関連付けられ、ブロックBLK1及びBLK3にはそれぞれ異なるロウデコーダRDB(1)及び(3)が関連付けられている。
【0150】
各ブロックBLKには、ロウデコーダRDA及びRDBのいずれか一方を介して電圧生成回路19から供給された電圧が印加される。ロウデコーダRDAは、偶数ブロックのワード線WLに対してワード線WLの延伸方向の一方側から電圧を印加し、ロウデコーダRDBは、奇数ブロックのワード線WLに対してワード線WLの延伸方向の他方側から電圧を印加する。そして、
図18に示すように、以上で説明した構成に対して領域AR1及びAR2が定義されている。
【0151】
以下の説明では、各ブロックBLKに対応するロウデコーダRDA又はRDBが接続された領域から近い領域を“Near”、遠い領域を“Far”と称する。つまり、例えばブロックBLK0では、領域AR1がNear側に対応し、領域AR2がFar側に対応する。同様に、ブロックBLK1では、領域AR2がNear側に対応し、領域AR1がFar側に対応する。
【0152】
第1実施形態の変形例4に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、上述した第1実施形態及び第1実施形態の変形例1と同じである。偶数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Aが実行する。また、奇数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Bが実行する。ドライバDR1は、偶数ブロックが選択された場合と、奇数ブロックが選択された場合において、第1電源電圧VDD1の大きさを変える。また、ドライバDR2は、偶数ブロックが選択された場合と、奇数ブロックが選択された場合において、第2電源電圧VDD2の大きさを変える。具体的には、偶数ブロックが選択された場合、第1電源電圧VDD1が第2電源電圧VDD2よりも大きくなることがある。この場合、奇数ブロックが選択された場合、第1電源電圧VDD1が第2電源電圧VDD2よりも小さくなる。
【0153】
なお、上述したように、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さは、必ずしも領域の並び順に高く、または低くなるわけではない。そのような場合でも、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さと、対応するノードSENの充電電圧の高さが対応付されていれば良い。
【0154】
以上のように、電圧生成回路19は、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧を制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0155】
<1-8>第1実施形態の変形例5
第1実施形態の変形例5に係る半導体記憶装置10は、第1実施形態の変形例2と、第1実施形態の変形例4とを組み合わせたものである。以下に、第1実施形態の変形例5に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態の変形例2と、第1実施形態の変形例4と異なる点を説明する。
【0156】
図19は、第1実施形態の変形例5に係る半導体記憶装置10に含まれたロウデコーダモジュール12A及び12Bの詳細な構成例を示すブロック図であり、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12A及び12Bとの関係を示している。
【0157】
図19に示すように、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12A及び12Bとの関係は、第1実施形態の変形例4で説明した関係と同様である。
【0158】
そして、
図19に示すように、以上で説明した構成に対して領域AR1~AR4が定義されている。
【0159】
以下の説明では、各ブロックBLKに対応するロウデコーダRDA又はRDBが接続された領域から、遠ざかる方向に向かって、各領域を“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”と称する。つまり、例えばブロックBLK0では、領域AR1がNear側に対応し、領域AR2がMid1側に対応し、領域AR3がMid2側に対応し、領域AR4がFar側に対応する。同様に、ブロックBLK1では、領域AR1がFar側に対応し、領域AR2がMid2側に対応し、領域AR3がMid1側に対応し、領域AR4がNear側に対応する。
【0160】
第1実施形態の変形例5に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、上述した第1実施形態及び第1実施形態の変形例1と同じである。偶数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Aが実行する。また、奇数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Bが実行する。
【0161】
ドライバDR1A~DR2Bは、偶数ブロックが選択された場合と、奇数ブロックが選択された場合において、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の大きさを変える。第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の大きさは、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さに対応する。
【0162】
以上のように、電圧生成回路19は、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧を制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0163】
<1-9>第1実施形態の変形例6
第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置10は、第1実施形態の変形例3と、第1実施形態の変形例4とを組み合わせたものである。以下に、第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態の変形例3と、第1実施形態の変形例4と異なる点を説明する。
【0164】
図20は、第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置10に含まれたロウデコーダモジュール12A及び12Bの詳細な構成例を示すブロック図であり、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12A及び12Bとの関係を示している。
【0165】
図20に示すように、メモリセルアレイ11に含まれた各ブロックBLKとロウデコーダモジュール12A及び12Bとの関係は、第1実施形態の変形例4で説明した関係と同様である。
【0166】
そして、
図20に示すように、以上で説明した構成に対して領域AR1~AR8が定義されている。
【0167】
以下の説明では、各ブロックBLKに対応するロウデコーダRDA又はRDBが接続された領域から、遠ざかる方向に向かって、各領域を“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”と称する。つまり、例えばブロックBLK0では、領域AR1がNear側に対応し、領域AR2がMid1側に対応し、領域AR3がMid2側に対応し、領域AR4がMid3側に対応し、領域AR5がMid4側に対応し、領域AR6がMid5側に対応し、領域AR7がMid6側に対応し、領域AR8がFar側に対応する。同様に、ブロックBLK1では、領域AR1がFar側に対応し、領域AR2がMid6側に対応し、領域AR3がMid5側に対応し、領域AR4がMid4側に対応し、領域AR5がMid3側に対応し、領域AR6がMid2側に対応し、領域AR7がMid1側に対応し、領域AR8がNear側に対応する。
【0168】
第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、上述した第1実施形態の変形例3と同じである。偶数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態の変形例3におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Aが実行する。また、奇数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態の変形例3におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Bが実行する。
【0169】
第1実施形態の変形例6に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、上述した第1実施形態及び第1実施形態の変形例1と同じである。偶数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Aが実行する。また、奇数ブロックが選択された場合の動作は、第1実施形態及び第1実施形態の変形例1におけるロウデコーダモジュール12の動作をロウデコーダモジュール12Bが実行する。
【0170】
ドライバDR1A~DR2Dは、偶数ブロックが選択された場合と、奇数ブロックが選択された場合において、第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の大きさを変える。第1電源電圧VDD1~第8電源電圧VDD8の大きさは、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さに対応する。
【0171】
以上のように、電圧生成回路19は、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧の大きさを制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0172】
<1-10>第1実施形態の変形例7
第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置10は、ロウデコーダモジュール12A及び12Bが各ブロックBLKを両側から駆動する。以下に、第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態、第1実施形態の変形例1、及び第1実施形態の変形例4と異なる点を説明する。
【0173】
図21は、第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11及びロウデコーダモジュール12の構成例を示すブロック図であり、第1実施形態の変形例4で説明した構成に対して、ロウデコーダモジュール12A及び12Bの構成が異なっている。
【0174】
具体的には、
図21に示すように第1実施形態の変形例7におけるロウデコーダモジュール12Aは、ブロックBLK0~BLKnに対応するロウデコーダRDA(0)~(n)を含み、ロウデコーダモジュール12Bは、ブロックBLK0~BLKnに対応するロウデコーダRDB(0)~(n)を含んでいる。つまり、第1実施形態の変形例7において各ブロックBLKは、ロウデコーダモジュール12A及び12Bによって、ブロックBLKの両側から駆動される構成となっている。具体的には、例えばワード線WLに対応する導電体42の一端側からロウデコーダRDAが電圧を供給し、他端側からロウデコーダRDBが電圧を供給する。以下の説明では、各ブロックBLKにおいてロウデコーダRDA及びRDBから近い領域を“Near”、ブロックBLKの中央部分を含む領域を“Far”と称する。つまり、領域AR1及びAR4がNear部に対応し、領域AR2及びAR3がFar部に対応する。
【0175】
電圧生成回路19の構成は、
図15で説明した構成と同様である。
【0176】
第1実施形態の変形例7では、ドライバDR1Aは、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG1Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Aは、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG2Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0177】
また、ドライバDR1Bは、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG1Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Bは、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG2Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0178】
第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、第1実施形態と同様に、“Near”側よりも“Far”側のワード線WLの電圧が低い。そのため、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1A及びDR2Bは、高めの第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2A及びDR1Bは、低めの第2電源電圧VDD2(VDD2<VDD1)を供給する。
【0179】
また、第1実施形態の変形例7に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態の変形例と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、第1実施形態の変形例と同様に、“Near”側よりも“Far”側のワード線WLの電圧が高い。そのため、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1A及びDR2Bは、低めの第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2A及びDR1Bは、高めの第2電源電圧VDD2(VDD1<VDD2)を供給する。
【0180】
以上のように、電圧生成回路19は、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧の大きさを制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0181】
<1-11>第1実施形態の変形例8
第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置10は、ロウデコーダモジュール12A及び12Bが各ブロックBLKを両側から駆動する。以下に、第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態の変形例7と異なる点を説明する。
【0182】
図22は、第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置10に含まれたメモリセルアレイ11及びロウデコーダモジュール12の構成例を示すブロック図であり、第1実施形態の変形例7で説明した構成に対して、領域のわけかたが異なっている。
【0183】
具体的には、
図22に示すように、各ブロックBLKにおいてロウデコーダRDA及びRDBから近い領域から遠ざかる方向に向かって領域を“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”、と定義する。つまり領域AR1及びAR8がNear部に対応し、領域AR2及びAR7がMid1部に対応し、領域AR3及びAR6がMid2部に対応し、領域AR4及びAR5がFar部に対応する。
【0184】
電圧生成回路19の構成は、
図17で説明した構成と同様である。
【0185】
第1実施形態の変形例8では、ドライバDR1Aは、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG1Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Aは、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG2Aに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0186】
また、ドライバDR1Bは、生成した第3電源電圧VDD3をセグメントSEG1Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Bは、生成した第4電源電圧VDD4をセグメントSEG2Bに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0187】
ドライバDR1Cは、生成した第4電源電圧VDD4をセグメントSEG1Cに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Cは、生成した第3電源電圧VDD3をセグメントSEG2Cに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0188】
また、ドライバDR1Dは、生成した第2電源電圧VDD2をセグメントSEG1Dに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給し、ドライバDR2Dは、生成した第1電源電圧VDD1をセグメントSEG2Dに含まれたセンスアンプユニットSAUに供給する。
【0189】
第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0190】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で低くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1A及びDR2Dは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で最も高い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2A及びDR1Dは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第1電源電圧VDD1の次に高い第2電源電圧VDD2(VDD2<VDD1)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1B及びDR2Cは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第2電源電圧VDD2の次に高い第3電源電圧VDD3(VDD3<VDD2)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2B及びDR1Cは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、最も低い第4電源電圧VDD4(VDD4<VDD3)を供給する。
【0191】
第1実施形態の変形例8に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第1実施形態の変形例1と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0192】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で高くなる事がある。この場合、“Near”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1A及びDR2Dは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で最も低い第1電源電圧VDD1を供給する。また、“Mid1”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2A及びDR1Dは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第1電源電圧VDD1の次に低い第2電源電圧VDD2(VDD1<VDD2)を供給する。また、“Mid2”側に対応するビット線BLに関するドライバDR1B及びDR2Cは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、第2電源電圧VDD2の次に低い第3電源電圧VDD3(VDD2<VDD3)を供給する。また、“Far”側に対応するビット線BLに関するドライバDR2B及びDR1Cは、第1電源電圧VDD1~第4電源電圧VDD4の中で、最も高い第4電源電圧VDD4(VDD3<VDD4)を供給する。
【0193】
以上のように、電圧生成回路19は、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の大きさに応じて、ノードSENの充電電圧の大きさを制御する。その他の動作は、第1実施形態に係る半導体記憶装置10の動作と同様のため、説明を省略する。
【0194】
<2>第2実施形態
第2実施形態では、複数のプレーンを備え、非同期で各プレーンに読み出し動作を行う半導体記憶装置10について説明する。以下に、第2実施形態に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0195】
<2-1>半導体記憶装置10の全体構成
図23は、第2実施形態に係る半導体記憶装置10の全体構成の一例を示すブロック図である。
図23に示すように半導体記憶装置10は、プレーン<0>、プレーン<1>、センスアンプモジュール130、131、入出力回路14、レジスタ15、ロジックコントローラ16、シーケンサ17、レディ/ビジー制御回路18、並びに電圧生成回路190、191を備えている。
【0196】
プレーン<0>及びプレーン<1>はそれぞれ上述したメモリセルアレイ11及びロウデコーダモジュール12と同様である。
【0197】
センスアンプモジュール130は、プレーン<0>から読み出したデータDATを、入出力回路14を介して外部のコントローラに出力することが出来る。また、センスアンプモジュール130は、外部のコントローラから入出力回路14を介して受け取った書き込みデータDATを、プレーン<0>に転送することが出来る。
【0198】
センスアンプモジュール131は、プレーン<1>から読み出したデータDATを、入出力回路14を介して外部のコントローラに出力することが出来る。また、センスアンプモジュール131は、外部のコントローラから入出力回路14を介して受け取った書き込みデータDATを、プレーン<1>に転送することが出来る。
【0199】
レジスタ15は、プレーン<0>に対応するステータスレジスタ15A0、アドレスレジスタ15B0、コマンドレジスタ15C0を含んでいる。また、レジスタ15は、プレーン<1>に対応するステータスレジスタ15A1、アドレスレジスタ15B1、コマンドレジスタ15C1を含んでいる。
【0200】
ステータスレジスタ15A0は、例えばプレーン<0>に対応する第1シーケンサ170のステータス情報STSを保持し、このステータス情報STSを第1シーケンサ170の指示に基づいて入出力回路14に転送する。
【0201】
ステータスレジスタ15A1は、例えばプレーン<1>に対応する第2シーケンサ171のステータス情報STSを保持し、このステータス情報STSを第2シーケンサ171の指示に基づいて入出力回路14に転送する。
【0202】
アドレスレジスタ15B0は、入出力回路14から転送されたプレーン<0>に関するアドレス情報ADDを保持する。
【0203】
アドレスレジスタ15B1は、入出力回路14から転送されたプレーン<1>に関するアドレス情報ADDを保持する。
【0204】
コマンドレジスタ15C0は、入出力回路14から転送されたプレーン<0>に関するコマンドCMDを保持する。
【0205】
コマンドレジスタ15C1は、入出力回路14から転送されたプレーン<1>に関するコマンドCMDを保持する。
【0206】
シーケンサ17は、第1シーケンサ170、第2シーケンサ171、及び制御回路172を備えている。
【0207】
第1シーケンサ170は、コマンドレジスタ15C0に保持されたコマンドCMDに基づいて、プレーン<0>の動作を制御することが出来る。第1シーケンサ170は、センスアンプモジュール130、電圧生成回路190等を制御して、書き込み動作や読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0208】
第2シーケンサ171は、コマンドレジスタ15C1に保持されたコマンドCMDに基づいて、プレーン<1>の動作を制御することが出来る。第2シーケンサ171は、センスアンプモジュール131、電圧生成回路191等を制御して、書き込み動作や読み出し動作等の各種動作を実行する。
【0209】
制御回路172は、第1シーケンサ170及び第2シーケンサ171を制御する。
【0210】
レディ/ビジー制御回路18は、シーケンサ17の動作状態に基づいてレディ/ビジー信号RBnを生成することが出来る。信号RBnとしては、第1シーケンサ170の動作状態を示すものと、第2シーケンサ171の動作状態を示すものがある。
【0211】
電圧生成回路190は、第1シーケンサ170の制御に基づいて所望の電圧を生成し、生成した電圧をプレーン<0>、センスアンプモジュール130等に供給することが出来る。例えば電圧生成回路190は、アドレスレジスタ15B0に保持されたページアドレスに基づいて、選択ワード線に対応する信号線、及び非選択ワード線に対応する信号線に対してそれぞれ所望の電圧を印加する。
【0212】
電圧生成回路191は、第2シーケンサ171の制御に基づいて所望の電圧を生成し、生成した電圧をプレーン<1>、センスアンプモジュール131等に供給することが出来る。例えば電圧生成回路191は、アドレスレジスタ15B1に保持されたページアドレスに基づいて、選択ワード線に対応する信号線、及び非選択ワード線に対応する信号線に対してそれぞれ所望の電圧を印加する。
【0213】
第1実施形態では、電圧生成回路19は、ブロックの領域毎に、ノードSENを充電するための電源電圧を変えていた。しかし、電圧生成回路190及び191は、プレーン<0>及びプレーン<1>に含まれるブロックBLKの領域毎に、ノードSENを充電するための電源電圧を変えない。
【0214】
<2-2>動作
第2実施形態に係る半導体記憶装置10は、各プレーンが独立して読み出し動作を行う事ができる。しかしながら、一方のプレーンの読み出しを行っている最中に、他方のプレーンにおいて所定の動作(例えば、データの出力)などを行うと、信号線CG(例えば
図3にて示した信号線CG)の電圧の変動などがノイズとなって、一方のプレーンの読み出しに影響を及ぼす可能性がある。そこで、第2実施形態では、制御回路172が、第1シーケンサ170または第2シーケンサ171からのステータスを監視することで、読み出し動作を行っているプレーンへのノイズを低減する。なお、CG線とは、ロウデコーダを介してワード線WLに接続される配線であり、例えば最上層の配線層である。
【0215】
以下に、読み出し動作を行っているプレーンへのノイズを低減する方法を説明する。
【0216】
このような第2実施形態に係る半導体記憶装置10の読み出し動作時における波形の一例が、
図24に示されている。
図24は、読み出し動作を行なうプレーン<1>と、プレーン<1>の読み出し動作時に影響を与えるプレーン<0>の波形の一例を示している。より具体的には、
図24は、読み出し動作を行なうプレーン<1>に関しては、レディ/ビジー信号、読み出し期間を示すクロックCLK、制御信号BLC、XXL、LPC、BLQ、ビット線BL、トランジスタTblcを流れる電流ISA、ノードSENの波形の一例を示している。また、
図24は、プレーン<1>の読み出し動作に影響を与えるプレーン<0>のレディ/ビジー信号、CG線、読み出し動作に影響を与える動作のクロックCLKの波形の一例を示している。
【0217】
図24では、制御回路172が、プレーン<1>にて読み出し動作を行なう際、プレーン<0>における動作を監視する。そして、制御回路172が、プレーン<0>の動作がプレーン<1>に影響を与えると判定する場合、プレーン<1>の読み出し動作を制御する例を示している。
【0218】
図24に示すように、時刻T20より前の読み出し動作が開始される前のプレーン<1>では、レディ/ビジー信号はレディ状態を示す。また、プレーン<1>において、例えば制御信号BLCの電圧が電圧VSSとされ、制御信号XXL、LPC、BLQ、の電圧が“L”レベルとされ、ビット線BLの電圧が電圧VSSとされる。
【0219】
時刻T20において、プレーン<1>に対する
読み出し動作が開始されると、第2シーケンサ171は、レディ/ビジー制御回路18を介して、プレーン<1>がビジーであることを示すレディ/ビジー信号を出力する。
【0220】
時刻T21において、第2シーケンサ171は、制御信号BLCの電圧を電圧VBLCとする。これによりセンスアンプモジュール13からビット線BLに電流ISAが供給され、ビット線BLの電圧が電圧VBLまで上昇する。なお、
図24では、簡単のため、ON CELLに関する電流ISAのみを示している。
【0221】
時刻T22において、第2シーケンサ171は、制御信号LPC、BLQを“H”レベルとする。制御信号LPC、BLQが“H”レベルになると、トランジスタ33及びTblqがオン状態になりノードSENが例えば電圧VDDに充電される。
【0222】
時刻T23において、第2シーケンサ171は、他のプレーンから影響を受けたくない期間(例えばビット線BLの充電待ち時間)に入る場合、その旨を示す“H”レベルのクロックCLKVを、制御回路172に供給する。制御回路172は、第2シーケンサ171から“H”レベルのクロックCLKVを受信することで、プレーン<1>が他のプレーンから影響を受けたくない期間に入った事を認識できる。
【0223】
時刻T24において、プレーン<0>が、他のプレーン<1>の動作に影響を与える期間に突入する場合、第1シーケンサ170は、“H”レベルのクロックCLKAを、制御回路172に供給する。制御回路172は、第1シーケンサ170から“H”レベルのクロックCLKAを受信することで、プレーン<0>が他のプレーンに影響を与える期間に入った事を認識できる。
【0224】
ここで、
図25を用いて、プレーン<1>が他のプレーンから影響を受けたくない期間に、プレーン<0>が、他のプレーン<1>の動作に影響を与える期間に突入する場合について説明する。
【0225】
プレーン<0>のCG線の電圧が上昇すると、プレーン<1>の制御信号BLCがカップリングなどにより上昇してしまう事がある。その結果、ビット線BLの電位が上昇し、電流ISAが低下してしまう。そのままセンスを行なう場合、ON CELLに関するノードSENの電圧が、閾値電圧VTHを下回らない事がある(時刻T27のSEN参照)。
【0226】
そこで、
図24に示すように、本実施形態の制御回路172は、第1シーケンサ170のクロックCLKAが“H”レベル、且つ第2シーケンサ171のクロックCLKVが“H”レベル、と判定する場合、第1シーケンサ170に、ノードSENの充電電圧を電圧VDDよりも低い電圧VDDxに下げるように、電圧生成回路191を制御する。
【0227】
その結果、時刻T26~時刻T27におけるセンス期間において、ON CELLに関するノードSENの電位を適切な電位にすることができる。つまり、ON CELLに関するノードSENの電位が、閾値電圧VTHを下回ることとなる。
【0228】
本実施形態では、ノイズを受けることによりON CELLに関するノードSENの電圧が、ノイズを受けない場合のON CELLに関するノードSENの電圧よりも高くなることを想定し、ノードSENの電位を意図的に下げている。そのため、他のプレーンからノイズを受けた場合においても、適切にノードSENの電圧を調整することが可能となる。
【0229】
以上では、プレーン<1>が読み出しを行い、プレーン<0>の動作に基づき、プレーン<1>のノードSENの充電電圧を変更する例について説明したが、これに限らない。例えば、プレーン<0>が読み出しを行い、プレーン<1>の動作に基づき、プレーン<0>のノードSENの充電電圧を変更しても良い。この場合、上述した第1シーケンサ170及び第2シーケンサ171の動作が入れ替わる。
【0230】
また、上記半導体記憶装置が2つのプレーンを備える例について説明したが、これに限らない。例えば、半導体記憶装置は、3以上のプレーンを備えていても良い。尚、その場合、プレーン毎に、ステータスレジスタと、アドレスレジスタと、コマンドレジスタと、シーケンサと、電圧生成回路と、センスモジュールとを備えている。このような場合でも、上述した実施形態を適用可能である。
【0231】
<2-3>効果
上述した実施形態によれば、1つの半導体記憶装置(チップ)内に複数のプレーンを持ち、且つ非同期に読み出し動作を行なうことができる半導体記憶装置において他プレーンのノイズを検知する。そして、読み出し動作を制御するシーケンサは、ノイズを検知することにより、ノードSENの充電電圧を制御する。
【0232】
以上により、読み出し動作中に、他のプレーンからノイズを受けても、適切にデータを判定することができる。
【0233】
なお、上述した実施形態によれば、ノイズを受けることを想定し、ノードSENの電位を意図的に下げている。しかし、ノイズを受けることによりON CELLに関するノードSENの電圧が、ノイズを受けない場合のON CELLに関するノードSENの電圧よりも低くなることもある。このような場合、ノードSENの電位を意図的に上げても良い。
【0234】
<3>第3実施形態
第1実施形態に係る半導体記憶装置10は、Near側のメモリセルに対応するセグメントSEG1におけるノードSENの充電電圧を、Far側のメモリセルに対応するセグメントSEG2におけるノードSENの充電電圧よりも、高くした。これに対して、第3実施形態に係る半導体記憶装置10では、Near側のメモリセルに対応するセグメントSEG1におけるセンス期間を、Far側のメモリセルに対応するセグメントSEG2におけるセンス期間よりも、短くする。以下に、第3実施形態に係る半導体記憶装置10について、第1実施形態と異なる点を説明する。
【0235】
<3-1>センスアンプモジュール13及びシーケンサ17の構成
図26は、第3実施形態に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13及びシーケンサ17の詳細な構成例を示すブロック図である。
図26に示すように、センスアンプモジュール13は複数のセンスアンプユニットSAUを含んでいる。
【0236】
第3実施形態では、センスアンプモジュール13とシーケンサ17の構成が、第1実施形態と異なっている。具体的には、第3実施形態に係る半導体記憶装置10においては、
図26に示すように、シーケンサ17が、センスアンプモジュール13におけるセンスアンプセグメントSEG1(領域AR1に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)とセンスアンプセグメントSEG2(領域AR2に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)とに対して、制御信号LPC、BLQ、XXL、STBを個別に与えることができるように構成されている。特に、シーケンサ17は、センス期間を規定する制御信号XXLを、セグメントSEG1とセグメントSEG2とに対して、個別に与えることができる。
【0237】
なお、第1実施形態では、セグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR1によって生成された第1電源電圧VDD1が供給され、セグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR2によって生成された第2電源電圧VDD2が供給されるように構成されていた。しかし、第3実施形態では、セグメントSEG1においても、セグメントSEG2においても、ノードSENは、同じ電源電圧VDDに充電される。
【0238】
<3-2>動作
第3実施形態に係る半導体記憶装置10も、第1実施形態に係る半導体記憶装置10と同様に、読み出し動作において第1キック動作を実行する。第1キック動作とは、ドライバの駆動電圧を一旦目標の電圧値よりも高い値に設定し、一定時間経過後に目標の電圧値に下げる電圧印加方法である。このような第3実施形態に係る半導体記憶装置10の読み出し動作時における波形の一例が、
図27に示されている。
図27では、ワード線WLのNear側部分の波形を実線で示し、ワード線WLのFar側部分の波形を破線で示している。また、
図27では、ワード線WLのNear側部分に対応するセンスアンプユニットSAUに与えられる制御信号XXLを実線で示し、ワード線WLのFar側部分に対応するセンスアンプユニットSAUに与えられる制御信号XXLを破線で示す。
【0239】
[時刻T30以前]
図27に示すように、時刻T30より前の初期状態では、例えばワード線WL並びに制御信号BLCの電圧が電圧VSSとされ、制御信号LPC、BLQ、XXL、及びSTBの電圧が“L”レベルとされ、ビット線BLの電圧が電圧VSSとされる。
【0240】
[時刻T30~T31]
時刻T30において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、選択ワード線WLに対して第1キック動作を実行する。その結果、選択ワード線WLのNear側には例えば所望の電圧より高い第1キック電圧VCGRVKが表れ、その一方で、選択ワード線WLのFar側においては、配線のRC遅延によって、例えば電圧VCGRVを超えない電圧VCGRVまで上昇する。
【0241】
また、ロウデコーダモジュール12は、非選択ワード線WLに例えば読み出しパス電圧VREADを印加する。
【0242】
また、シーケンサ17は、制御信号BLCの電圧を電圧VBLCとする。これによりセンスアンプモジュール13からビット線BLに電流が供給され、ビット線BLの電圧が電圧VBLまで上昇する。
【0243】
また、シーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“H”レベルとする。制御信号LPC、BLQが“H”レベルになると、トランジスタ33及びTblqがオン状態になりノードSENが充電され、ノードSENの充電が完了するとシーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“L”レベルにする。
【0244】
[時刻T31~時刻T33]
時刻T31において、シーケンサ17は、制御信号XXLを“H”レベルにする。制御信号XXLが“H”レベルになると、選択メモリセルの状態に基づいてノードSENの電位が変化する。なお、時刻T31は、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻である。
【0245】
そしてシーケンサ17は、時刻T32において、セグメントSEG1に供給される制御信号XXL(SEG1)を“L”レベルにし、その後の時刻T33において、セグメントSEG2に供給される制御信号XXL(SEG2)を“L”レベルにする。また、シーケンサ17は、時刻T33において、セグメントSEG1およびセグメントSEG2に供給される制御信号STBを“H”レベルにして、ノードSENの状態に基づいて選択メモリセルの閾値電圧を判定し、判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持する。
【0246】
判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持した後、ロウデコーダモジュール12及びシーケンサ17は、ワード線WL、並びに制御信号BLCを初期状態に戻し、当該ページの読み出し動作を終了する。
【0247】
<3-3>効果
図11に示した比較例において説明したように、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻T1においてセンスを開始する場合、ワード線WLのNear側部分では、電圧VCGRVよりも高くなるため、メモリセルに流れるセル電流Icellが大きくなり、ワード線WLのFar側部分では、電圧VCGRVよりも低くなるため、メモリセルに流れるセル電流Icellが小さくなる。このため、メモリセルがオフしているかオンしているかを、誤判定する可能性がある。
【0248】
そこで、第3実施形態では、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻である時刻T31にシーケンサ17が制御信号XXLを“H”レベルにしてセンス期間が開始された後、時刻T32において、セグメントSEG1に供給される制御信号XXL(SEG1)を“L”レベルにし、時刻T33において、セグメントSEG2に供給される制御信号XXL(SEG2)を“L”レベルにしている。これにより、セル電流Icellが大きくなるセグメントSEG1におけるセンス期間を、セル電流Icellが小さくなるセグメントSEG2におけるセンス期間よりも、早く終了させている。
【0249】
これにより、セグメントSEG1であるかセグメントSEG2であるかにかかわらず、メモリセルがオンする場合(ON CELL)には対応するセンスアンプユニットSAUにおけるノードSENの電位が判定用の電圧VTHを下回り、メモリセルがオフする場合(OFF CELL)には対応するセンスアンプユニットSAUにおけるノードSENの電位が判定用の電圧VTHを上回るようになる。
【0250】
従って、第3実施形態に係る半導体記憶装置10によれば、第1実施形態に係る半導体記憶装置10と同様に、誤判定を避けつつ、読み出し動作を高速化することが出来る。
【0251】
<3-4>第3実施形態の変形例1
<3-4-1>動作
以下に、第3実施形態の変形例1の読み出し動作について説明する。
【0252】
第3実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10は、読み出し動作において第2キック動作を実行する。
【0253】
このような第3実施形態に係る半導体記憶装置10の読み出し動作時における波形の一例が、
図28に示されている。
図28は、Near側及びFar側にそれぞれ対応するワード線WLの波形、ビット線BLの波形、及び各種制御信号の波形の一例を示している。
【0254】
[時刻T40以前]
図28に示すように、時刻T40より前の初期状態では、例えばワード線WL並びに制御信号BLCの電圧が電圧VSSとされ、制御信号LPC、BLQ、XXL、及びSTBの電圧が“L”レベルとされ、ビット線BLの電圧が電圧VSSとされる。
【0255】
[時刻T40~T41]
時刻T40において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、ワード線WLに例えば読み出しパス電圧VREADを印加する。
【0256】
シーケンサ17は、制御信号BLCの電圧を電圧VBLCとする。これによりセンスアンプモジュール13からビット線BLに電流が供給され、ビット線BLの電圧が電圧VBLまで上昇する。
【0257】
[時刻T41~T42]
時刻T41において、読み出し動作が開始されると、ロウデコーダモジュール12は、選択されたワード線WLに対して第2キック動作を実行する。
【0258】
また、シーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“H”レベルとする。制御信号LPC、BLQが“H”レベルになると、トランジスタ33及びTblqがオン状態になりノードSENが充電され、ノードSENの充電が完了するとシーケンサ17は、制御信号LPC、BLQを“L”レベルにする。
【0259】
セグメントSEG1に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第2電源電圧VDD2に充電される。また、セグメントSEG2に含まれるセンスアンプユニットSAUにおいて、ノードSENは、第1電源電圧VDDに充電される。
【0260】
[時刻T42~44]
時刻T42において、シーケンサ17は、制御信号XXLを“H”レベルにする。制御信号XXLが“H”レベルになると、選択メモリセルの状態に基づいてノードSENの電位が変化する。なお、時刻T42は、選択ワード線WLの電圧がVCGRVに安定する前の時刻である。
【0261】
そしてシーケンサ17は、時刻T43において、セグメントSEG2に供給される制御信号XXL(SEG2)を“L”レベルにし、その後の時刻T44において、セグメントSEG1に供給される制御信号XXL(SEG1)を“L”レベルにする。また、シーケンサ17は、時刻T44において、セグメントSEG1およびセグメントSEG2に供給される制御信号STBを“H”レベルにして、ノードSENの状態に基づいて選択メモリセルの閾値電圧を判定し、判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持する。
【0262】
判定結果をセンスアンプユニットSAU内のラッチ回路に保持した後、ロウデコーダモジュール12及びシーケンサ17は、ワード線WL、並びに制御信号BLCを初期状態に戻し、当該ページの読み出し動作を終了する。
【0263】
<3-4-2>効果
以上で説明した第3実施形態の変形例1に係る半導体記憶装置10によれば、第3実施形態に係る半導体記憶装置10と同様に、誤判定を避けつつ、読み出し動作を高速化することが出来る。
【0264】
<3-5>第3実施形態の変形例2
第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13を4つの領域に分けて、領域毎に制御信号XXLを制御する。以下に、第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10について、第3実施形態と異なる点を説明する。
【0265】
<3-5-1>構成
メモリセルアレイ11の分割方法については、
図14で説明したものと同様である。
【0266】
図29を用いて、第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13(13A及び13B)及びシーケンサ17の詳細な構成例を説明する。
【0267】
第3実施形態の変形例2では、センスアンプモジュール13とシーケンサ17の構成が、第1実施形態の変形例2と異なっている。具体的には、第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10においては、
図29に示すように、シーケンサ17が、センスアンプモジュール13におけるセンスアンプセグメントSEG1A(領域AR1に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2A(領域AR2に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG1B(領域AR3に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2B(領域AR4に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、に対して、制御信号LPC、BLQ、XXL、STBを個別に与えることができるように構成されている。特に、シーケンサ17は、センス期間を規定する制御信号XXLを、セグメントSEG1Aと、セグメントSEG2Aと、セグメントSEG1Bと、セグメントSEG2Bと、に対して、個別に与えることができる。
【0268】
なお、第1実施形態の変形例2では、セグメントSEG1Aに含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR1Aによって生成された第1電源電圧VDD1が供給され、セグメントSEG2Aに含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR2Aによって生成された第2電源電圧VDD2が供給され、セグメントSEG1Bに含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR1Bによって生成された第3電源電圧VDD3が供給され、セグメントSEG2Bに含まれるセンスアンプユニットSAUにおける電源電圧VDDのノードにはドライバDR2Bによって生成された第4電源電圧VDD4が供給されるように構成されていた。しかし、第3実施形態の変形例2では、セグメントSEG1Aにおいても、セグメントSEG2Aにおいても、セグメントSEG1Bにおいても、セグメントSEG2Bにおいても、ノードSENは、同じ電源電圧VDDに充電される。
【0269】
<3-5-2>動作
第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、基本的には、
図27及び
図28で説明した読み出し動作と同様である。
【0270】
第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第3実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンス(信号XXLの立ち上げタイミング)を行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0271】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で低くなる事がある。この場合、シーケンサ17は、
図27の時刻T31~時刻T33において、セグメントSEG1Aに供給される制御信号XXL(SEG1A)、セグメントSEG2Aに供給される制御信号XXL(SEG2A)、セグメントSEG1Bに供給される制御信号XXL(SEG1B)、セグメントSEG2Bに供給される制御信号XXL(SEG2B)、の順で制御信号XXLを“L”レベルにする。
【0272】
第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第3実施形態の変形例1と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0273】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、“Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Far”の順で高くなる事がある。この場合、シーケンサ17は、
図28の時刻T42~時刻T44において、セグメントSEG2Bに供給される制御信号XXL(SEG2B)、セグメントSEG1Bに供給される制御信号XXL(SEG1B)、セグメントSEG2Aに供給される制御信号XXL(SEG2A)、セグメントSEG1Aに供給される制御信号XXL(SEG1A)、の順で制御信号XXLを“L”レベルにする。
【0274】
なお、上述したように、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さは、必ずしも領域の並び順に高く、または低くなるわけではない。そのような場合でも、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さと、対応する制御信号XXLを“L”レベルにするタイミングが対応付されていれば良い。
【0275】
<3-5-3>第3実施形態の変形例2の効果
以上のように、第3実施形態の変形例2に係る半導体記憶装置10は、第3実施形態に係る半導体記憶装置10よりも細かく領域をわけることで、読み出し動作を高速化しつつ、より細かくノードSENの充電電圧を制御することができる。
【0276】
<3-6>第3実施形態の変形例3
第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10は、センスアンプモジュール13を8つの領域に分けて、領域毎にノードSENの充電電圧を制御する。以下に、第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10について、第3実施形態と異なる点を説明する。
【0277】
<3-6-1>構成
メモリセルアレイ11の分割方法については、
図16で説明したものと同様である。
【0278】
図30を用いて、第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10に含まれたセンスアンプモジュール13(13A、13B、13C、及び13D)及びシーケンサ17の詳細な構成例を説明する。
【0279】
第3実施形態の変形例3では、センスアンプモジュール13とシーケンサ17の構成が、第1実施形態の変形例3と異なっている。具体的には、第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10においては、
図30に示すように、シーケンサ17が、センスアンプモジュール13におけるセンスアンプセグメントSEG1A(領域AR1に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2A(領域AR2に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG1B(領域AR3に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2B(領域AR4に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG1C(領域AR5に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2C(領域AR6に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG1D(領域AR7に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、センスアンプセグメントSEG2D(領域AR8に設けられたNANDストリングNSに対応するビット線BLに接続されたセンスアンプユニットSAUの集合)と、に対して、制御信号LPC、BLQ、XXL、STBを個別に与えることができるように構成されている。特に、シーケンサ17は、センス期間を規定する制御信号XXLを、セグメントSEG1Aと、セグメントSEG2Aと、セグメントSEG1Bと、セグメントSEG2Bと、セグメントSEG1Cと、セグメントSEG2Cと、セグメントSEG1Dと、セグメントSEG2Dと、に対して、個別に与えることができる。
【0280】
<3-6-2>動作
第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作は、基本的には、
図27及び
図28で説明した読み出し動作と同様である。
【0281】
第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第3実施形態と同様に、選択されたワード線WLに対して、第1キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンス(信号XXLの立ち上げタイミング)を行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0282】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、““Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”の順で低くなる事がある。この場合、シーケンサ17は、
図27の時刻T31~時刻T33において、セグメントSEG1Aに供給される制御信号XXL(SEG1A)、セグメントSEG2Aに供給される制御信号XXL(SEG2A)、セグメントSEG1Bに供給される制御信号XXL(SEG1B)、セグメントSEG2Bに供給される制御信号XXL(SEG2B)、セグメントSEG1Cに供給される制御信号XXL(SEG1C)、セグメントSEG2Cに供給される制御信号XXL(SEG2C)、セグメントSEG1Dに供給される制御信号XXL(SEG1D)、セグメントSEG2Dに供給される制御信号XXL(SEG2D)、の順で制御信号XXLを“L”レベルにする。
【0283】
第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10の読み出し動作においても、上述した第3実施形態の変形例1と同様に、選択されたワード線WLに対して、第2キック動作を行ない、且つ選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なうことができる。選択されたワード線WLの電圧が安定する前にセンスを行なう場合、ワード線WLの電位に応じてノードSENの充電電圧を制御する。
【0284】
具体的には、センス開始時に、選択されたワード線WLの電位の高さが、““Near”、“Mid1”、“Mid2”、“Mid3”、“Mid4”、“Mid5”、“Mid6”、“Far”の順で高くなる事がある。この場合、シーケンサ17は、
図28の時刻T42~時刻T44において、セグメントSEG2Dに供給される制御信号XXL(SEG2D)、セグメントSEG1Dに供給される制御信号XXL(SEG1D)、セグメントSEG2Cに供給される制御信号XXL(SEG2C)、セグメントSEG1Cに供給される制御信号XXL(SEG1C)、セグメントSEG2Bに供給される制御信号XXL(SEG2B)、セグメントSEG1Bに供給される制御信号XXL(SEG1B)、セグメントSEG2Aに供給される制御信号XXL(SEG2A)、セグメントSEG1Aに供給される制御信号XXL(SEG1A)、の順で制御信号XXLを“L”レベルにする。
【0285】
なお、上述したように、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さは、必ずしも領域の並び順に高く、または低くなるわけではない。そのような場合でも、センス開始時における選択されたワード線WLの電位の高さと、対応する制御信号XXLを“L”レベルにするタイミングが対応付されていれば良い。
【0286】
<3-6-3>第3実施形態の変形例3の効果
以上のように、第3実施形態の変形例3に係る半導体記憶装置10は、第3実施形態に係る半導体記憶装置10よりも細かく領域をわけることで、読み出し動作を高速化しつつ、より細かくノードSENの充電電圧を制御することができる。
【0287】
<4>変形例等
尚、上記実施形態では、全てのビット線BLを対象として読み出し動作が実行される場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、半導体記憶装置10は、読み出し動作が奇数ビット線と偶数ビット線とに分けて実行されるような構成であっても良い。この場合にセンスアンプモジュール13は、例えば奇数ビット線と偶数ビット線とにそれぞれ対応して設けられる。そして、奇数ビット線と偶数ビット線とにそれぞれ対応するセンスアンプモジュール13には、例えば異なる制御信号BLCが供給される。上記実施形態は、このような構成の半導体記憶装置10に対しても適用することが可能である。
【0288】
尚、上記実施形態では、ロウデコーダモジュール12がメモリセルアレイ11下部に設けられている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、メモリセルアレイ11が半導体基板上に形成され、メモリセルアレイ11を挟むようにロウデコーダモジュール12A及び12Bが配置されても良い。このような場合においても、上記実施形態で説明した動作を実行することが可能である。
【0289】
尚、上記実施形態では、半導体記憶装置10がページ毎にデータを読み出す場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、半導体記憶装置10がメモリセルに記憶された複数ビットのデータを一括で読み出すようにしても良い。このような場合においても、読み出し動作の印加時にキック動作を適用することがあるため、半導体記憶装置10は、上記実施形態で説明した動作を適用することが出来る。
【0290】
尚、上記実施形態において、メモリセルにMONOS膜を使用した場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、フローティングゲートを利用したメモリセルを使用した場合においても、上記実施形態で説明した読み出し動作及び書き込み動作を実行することで、同様の効果を得ることが出来る。
【0291】
尚、上記実施形態では、各導電体42が電気的に接続されるビアコンタクトVCが、当該導電体42を通過する場合を例に挙げたが、これに限定されない。例えば、各導電体42に対応するビアコンタクトVCは、異なる配線層の導電体42から導電体40を通過して、対応する拡散領域52に接続されるようにしても良い。また、以上の説明では、ビアコンタクトBC、VC、HU、TRCが、1段のピラーにより形成されている場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、これらのビアコンタクトは、2段以上のピラーを連結して形成されていても良い。また、このように2段以上のピラーを連結する場合に、異なる導電体を介していても良い。
【0292】
尚、上記実施形態において、メモリセルアレイ11の構成はその他の構成であってもよい。その他のメモリセルアレイ11の構成については、例えば“三次元積層不揮発性半導体メモリ”という2009年3月19日に出願された米国特許出願12/407,403号に記載されている。また、“三次元積層不揮発性半導体メモリ”という2009年3月18日に出願された米国特許出願12/406,524号、“不揮発性半導体記憶装置及びその製造方法”という2010年3月25日に出願された米国特許出願12/679,991号、“半導体メモリ及びその製造方法”という2009年3月23日に出願された米国特許出願12/532,030号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0293】
また、メモリセルアレイ11の構成は三次元積層型以外の構成であってもよい。その他のメモリセルアレイ11の構成については、例えば“SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE HAVING PLURALITY OF TYPES OF MEMORIES INTEGRATED ON ONE CHIP”という2009年3月3日に出願された米国特許出願12/397,711号に記載されている。また、“SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE INCLUDING STACKD GATE HAVING CHARGE ACCUMULATION LAYER AND CONTROL GATE AND METHOD OF WRITING DATA TO SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE”という2012年4月19日に出願された米国特許出願13/451,185号、“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY ELEMENT, NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY, AND METHOD FOR OPERATING NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY ELEMENT”という2009年3月17日に出願された米国特許出願12/405,626号、及び“NONVOLATILE SEMICONDUCTOR MEMORY DEVICE HAVING ELEMENT ISOLATING REGION OF TRENCH TYPE AND METHOD OF MANUFACTURING THE SAME”という2001年9月21日に出願された米国特許出願09/956,986号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0294】
尚、上記実施形態では、ブロックBLKがデータの消去単位である場合を例に説明したが、これに限定されない。その他の消去動作については、“不揮発性半導体記憶装置”という2011年9月18日に出願された米国特許出願13/235,389号、“不揮発性半導体記憶装置”という2010年1月27日に出願された米国特許出願12/694,690号に記載されている。これらの特許出願は、その全体が本願明細書において参照により援用されている。
【0295】
尚、本明細書において“接続”とは、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。また、本明細書において“遮断”とは、当該スイッチがオフ状態になっていることを示し、例えばトランジスタのリーク電流のような微少な電流が流れることを除外しない。
【0296】
尚、上記各実施形態において、
(1)読み出し動作では、“A”レベルの読み出し動作で選択されたワード線に印加される電圧は、例えば0~0.55Vの間である。これに限定されることなく、0.1~0.24V、0.21~0.31V、0.31~0.4V、0.4~0.5V、0.5~0.55Vのいずれかの間にしても良い。
“B”レベルの読み出し動作で選択されたワード線に印加される電圧は、例えば1.5~2.3Vの間である。これに限定されることなく、1.65~1.8V、1.8~1.95V、1.95~2.1V、2.1~2.3Vのいずれかの間にしても良い。
“C”レベルの読み出し動作で選択されたワード線に印加される電圧は、例えば3.0V~4.0Vの間である。これに限定されることなく、3.0~3.2V、3.2~3.4V、3.4~3.5V、3.5~3.6V、3.6~4.0Vのいずれかの間にしても良い。 読み出し動作の時間(tRead)としては、例えば25~38μs、38~70μs、70~80μsの間にしても良い。
【0297】
(2)書き込み動作は、上述した通りプログラム動作とベリファイ動作とを含む。プログラム動作時に選択されたワード線に最初に印加される電圧は、例えば13.7~14.3Vの間である。これに限定されることなく、例えば13.7~14.0V、14.0~14.6Vのいずれかの間にしても良い。プログラム動作時に非選択のワード線に印加される電圧としては、例えば6.0~7.3Vの間としても良い。この場合に限定されることなく、例えば7.3~8.4Vの間としても良く、6.0V以下としても良い。
書き込み動作において、奇数番目のワード線を選択した際に、選択されたワード線に最初に印加される電圧と、偶数番目のワード線を選択した際に、選択されたワード線に最初に印加される電圧とは、異なっていても良い。書き込み動作において、非選択のワード線が奇数番目のワード線であるか、偶数番目のワード線であるかで、印加するパス電圧を変えても良い。
プログラム動作をISPP方式(Incremental Step Pulse Program)とした場合における、プログラム電圧のステップアップ幅としては、例えば0.5V程度が挙げられる。 書き込み動作の時間(tProg)としては、例えば1700~1800μs、1800~1900μs、1900~2000μsの間にしても良い。
【0298】
(3)消去動作では、半導体基板上部に形成され、且つ上記メモリセルが上方に配置されたウェルに最初に印加する電圧は、例えば12.0~13.6Vの間である。この場合に限定されることなく、例えば13.6~14.8V、14.8~19.0V、19.0~19.8V、19.8~21.0Vの間であっても良い。
消去動作の時間(tErase)としては、例えば3000~4000μs、4000~5000μs、4000~9000μsの間にしても良い。
【0299】
(4)メモリセルの構造は、半導体基板(シリコン基板)上に、膜厚が4~10nmのトンネル絶縁膜を介して配置された電荷蓄積層を有している。この電荷蓄積層は、膜厚が2~3nmのSiN又はSiON等の絶縁膜と、膜厚が3~8nmのポリシリコンとの積層構造にすることが出来る。また、ポリシリコンには、Ru等の金属が添加されていてもよい。電荷蓄積層の上には絶縁膜を有している。この絶縁膜は、例えば、膜厚が3~10nmの下層High-k膜と、膜厚が3~10nmの上層High-k膜とに挟まれた、膜厚が4~10nmのシリコン酸化膜を有している。High-k膜としては、HfO等が挙げられる。また、シリコン酸化膜の膜厚は、High-k膜の膜厚よりも厚くすることが出来る。絶縁膜上には、膜厚が3~10nmの材料を介して、膜厚が30~70nmの制御電極が形成されている。ここで材料は、TaO等の金属酸化膜、TaN等の金属窒化膜である。制御電極には、W等を用いることができる。また、メモリセル間には、エアギャップを形成することが出来る。
【0300】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0301】
10…半導体記憶装置
11…メモリセルアレイ
12…ロウデコーダモジュール
13…センスアンプモジュール
14…入出力回路
15…レジスタ
16…ロジックコントローラ
17…シーケンサ
18…レディ/ビジー制御回路
19…電圧生成回路