IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッドの特許一覧

<>
  • 特許-二次電池 図1
  • 特許-二次電池 図2
  • 特許-二次電池 図3
  • 特許-二次電池 図4
  • 特許-二次電池 図5
  • 特許-二次電池 図6
  • 特許-二次電池 図7
  • 特許-二次電池 図8
  • 特許-二次電池 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/105 20210101AFI20230718BHJP
   H01M 50/178 20210101ALI20230718BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20230718BHJP
   H01M 50/129 20210101ALI20230718BHJP
【FI】
H01M50/105
H01M50/178
H01M50/55 301
H01M50/129
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022501194
(86)(22)【出願日】2019-07-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2019098383
(87)【国際公開番号】W WO2021003781
(87)【国際公開日】2021-01-14
【審査請求日】2022-01-07
(31)【優先権主張番号】201921058265.1
(32)【優先日】2019-07-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522010668
【氏名又は名称】ジアンス・コンテンポラリー・アンプレックス・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100159329
【弁理士】
【氏名又は名称】三縄 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ ▲曉▼
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ 新羽
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 威
(72)【発明者】
【氏名】牛 少▲軍▼
【審査官】渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-084970(JP,A)
【文献】特開2001-126683(JP,A)
【文献】特開2012-064459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/105
H01M 50/126-129
H01M 50/55
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二次電池であって、電極アセンブリ及び包装バッグを備え、
前記包装バッグは第1包装フィルム及び第2包装フィルムを備え、前記第2包装フィルムと前記第1包装フィルムとが一体的に設けられ、前記第2包装フィルムが前記第1包装フィルムから縦方向のエッジに沿って延在して前記第1包装フィルムに折り返され、
前記電極アセンブリは前記第1包装フィルムと前記第2包装フィルムとの間に設けられ、
前記第1包装フィルムと前記第2包装フィルムとは前記電極アセンブリの外側に接続されて密封部を形成し、前記密封部が側部密封領域及び底部密封領域を備え、
前記側部密封領域は前記電極アセンブリの横方向に沿った外側に設けられ、且つ前記側部密封領域は前記電極アセンブリに近い方向へ曲げられ、
前記底部密封領域は前記電極アセンブリの前記第2包装フィルムの折り返し部に近い側に設けられ、且つ前記底部密封領域は前記側部密封領域に接続され、
側部密封領域は縦方向に延在している第1折り目線を有し、且つ側部密封領域は第1折り目線に沿って電極アセンブリへ曲げられ、
横方向において、第1折り目線と底部密封領域との距離は0.1mm~2mmである、二次電池。
【請求項2】
前記縦方向において、前記底部密封領域の前記電極アセンブリから離れるエッジは前記包装バッグのエッジと同じ平面にある、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記底部密封領域は前記側部密封領域から延在しており、且つ前記側部密封領域から離れる方向に沿って、前記底部密封領域の前記縦方向でのサイズが徐々に減少する、請求項1又は2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記側部密封領域は、2つであり且つそれぞれ前記電極アセンブリの前記横方向に沿った両側に位置し、前記底部密封領域は、2つであり且つそれぞれ対応する1つの側部密封領域に接続され、
前記横方向において、2つの底部密封領域が互いに分離される、請求項3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記底部密封領域の幅は前記側部密封領域の幅よりも小さい、請求項1~4のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項6】
前記側部密封領域は第1領域及び第2領域を備え、前記第1領域が前記第1折り目線に沿って曲げられ、前記第2領域が前記第1領域の端部から延在して前記第1領域の前記電極アセンブリに近い側に折り返される、請求項に記載の二次電池。
【請求項7】
前記二次電池は電極リード線をさらに備え、前記電極リード線が前記電極アセンブリに接続されて前記密封部を貫通し、
前記電極リード線は、2つであり且つ前記電極アセンブリの前記底部密封領域から離れる側に位置する、請求項1~のいずれか一項に記載の二次電池。
【請求項8】
前記側部密封領域は、2つであり且つそれぞれ前記電極アセンブリの前記横方向に沿った両側に位置し、前記底部密封領域は、前記横方向の両端に沿ってそれぞれ2つの側部密封領域に接続される、請求項1に記載の二次電池。
【請求項9】
前記第1包装フィルム及び前記第2包装フィルムの両方は保護層、金属層及び接続層を備え、前記接続層が前記金属層の前記電極アセンブリに向ける表面に設けられ、前記保護層が前記金属層の前記電極アセンブリから離れる表面に設けられ、
前記第1包装フィルムの前記接続層は前記第2包装フィルムの前記接続層に溶接されて前記密封部を形成する、請求項1に記載の二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電池分野に関し、特に二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電子機器の急速な発展に伴って、電池のエネルギー密度に対する要件はますます高くなる。二次電池において、金属ケースの代わりに包装フィルム(たとえばアルミニウムプラスチックフィルム又は鋼プラスチックフィルム)で作られた包装バッグを使用して、電池の重量を減らし、エネルギー密度を高めることができる。
【0003】
従来技術では、通常、包装フィルムに窪みを打ち抜き、次に二重層構造に曲げる。二層の包装フィルムが直接接続されているエッジを除き、従来技術は、二層の包装フィルムの他のエッジでホットプレスして密封部を形成し、それにより、二層の包装フィルムに接続させて包装バッグを形成する。密封部は大きな空間を占め、二次電池のエネルギー密度に影響を及ぼし、従って、従来技術は、通常、密封部を曲げて、密封部が占める空間を減少する。しかしながら、密封部を曲げる時、二層の包装フィルムが直接接続されているエッジは密封部に近い領域で応力集中し、包装フィルムが破損するリスクがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術に存在する問題に鑑みて、本発明の目的は、エネルギー密度を高めて、密封性能を改善できる二次電池を提供することである。
【0005】
上記目的を実現するために、本発明は、電極アセンブリ及び包装バッグを備える二次電池を提供する。包装バッグは第1包装フィルム及び第2包装フィルムを備え、第2包装フィルムと第1包装フィルムが一体的に設けられ、第2包装フィルムが第1包装フィルムから縦方向のエッジに沿って延在して第1包装フィルムに折り返される。電極アセンブリは第1包装フィルムと第2包装フィルムとの間に設けられる。第1包装フィルムと第2包装フィルムは電極アセンブリの外側に接続されて密封部を形成し、密封部が側部密封領域及び底部密封領域を備える。側部密封領域は電極アセンブリの横方向に沿った外側に設けられ、且つ側部密封領域は電極アセンブリに近い方向へ曲げられる。底部密封領域は電極アセンブリの第2包装フィルムの折り返し部に近い側に設けられ、且つ底部密封領域は側部密封領域に接続される。
【0006】
縦方向において、底部密封領域の電極アセンブリから離れるエッジは包装バッグのエッジと同じ平面にある。
【0007】
底部密封領域は側部密封領域から延在しており、且つ側部密封領域から離れる方向に沿って、底部密封領域の縦方向でのサイズが徐々に減少する。
【0008】
側部密封領域は、2つであり且つそれぞれ電極アセンブリの横方向に沿った両側に位置し、底部密封領域は、2つであり且つそれぞれ対応する1つの側部密封領域に接続される。横方向において、2つの底部密封領域が互いに分離される。
【0009】
底部密封領域の幅は側部密封領域の幅よりも小さい。
【0010】
側部密封領域は縦方向に延在している第1折り目線を有し、且つ側部密封領域は第1折り目線に沿って電極アセンブリへ曲げられる。横方向において、第1折り目線と底部密封領域との距離は0.1mm~2mmである。
【0011】
側部密封領域は第1領域及び第2領域を含み、第1領域が第1折り目線に沿って曲げられ、第2領域が第1領域の端部から延在して第1領域の電極アセンブリに近い側に折り返される。
【0012】
二次電池は電極リード線をさらに備え、電極リード線が電極アセンブリに接続されて密封部を貫通する。電極リード線は、2つであり且つ電極アセンブリの底部密封領域から離れる側に位置する。
【0013】
側部密封領域は、2つであり且つそれぞれ電極アセンブリの横方向に沿った両側に位置し、底部密封領域は、横方向の両端に沿ってそれぞれ2つの側部密封領域に接続される。
【0014】
第1包装フィルムと第2包装フィルムの両方は保護層、金属層及び接続層を備え、接続層が金属層の電極アセンブリに向ける表面に設けられ、保護層が金属層の電極アセンブリから離れる表面に設けられる。第1包装フィルムの接続層は第2包装フィルムの接続層に溶接されて密封部を形成する。
【0015】
本発明の有益な効果については、側部密封領域は電極アセンブリに近い方向へ曲げられて、側部密封領域の横方向でのサイズを減少させ、二次電池のエネルギー密度を高める。底部密封領域を設けることにより、第1包装フィルムと第2包装フィルムの接続強度を高めて、包装バッグの破裂のリスクを低減させ、包装バッグの密封性能を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係る二次電池の一実施例の模式図である。
図2図1の二次電池の線A-Aに沿った断面図である。
図3図1の二次電池の線B-Bに沿った断面図である。
図4図1の包装バッグの成形前の模式図である。
図5図4の包装バッグの包装フィルムの断面図である。
図6図1の二次電池の成形中の模式図である。
図7図6の二次電池の丸枠での拡大図である。
図8図7の二次電池の線C-Cに沿った断面図である。
図9】本発明に係る二次電池の別の実施例の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
符号の説明:
1 電極アセンブリ
2 包装バッグ
21 第1包装フィルム
22 第2包装フィルム
23 密封部
231 側部密封領域
231a 第1領域
231b 第2領域
232 底部密封領域
24 保護層
25 金属層
26 接続層
3 電極リード線
4 絶縁部材
L1 第1折り目線
L2 第2折り目線
L3 第3折り目線
X 縦方向
Y 横方向
Z 厚さ方向
【0018】
本願の目的、技術案及び利点をより明確で理解しやすくするために、以下、図面及び実施例を参照しながら本願をさらに詳細に説明する。理解されるように、ここで説明された具体的な実施例は本願を解釈するためのものに過ぎず、本願を制限するものではない。
【0019】
本願の説明において、特に明確に規定限定されていない限り、「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、相対的な重要性を指示又は暗示するものではなく、説明するためのものに過ぎず、用語「複数」は2つ以上(2つを含む)を意味し、特に規定説明されていない限り、用語「接続」は、広義に理解すべきであり、たとえば、「接続」は固定的接続であってもよく、取り外し可能接続、又は一体的接続、電気的接続、信号接続であってもよく、「接続」は直接接続であってもよく、中間媒体を介した間接的接続であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記用語の本願での具体的な意味を理解することができる。
【0020】
ただし、本明細書の説明において、本願の実施例に説明された「上」、「下」等の方位詞は図面に示される角度から説明されており、本願の実施例に対する制限として理解されるべきではない。以下、具体的な実施例及び図面を組み合わせて本願を更に詳細に説明する。
【0021】
図1図3に示すように、第1実施例では、本願の二次電池は電極アセンブリ1、包装バッグ2、電極リード線3及び絶縁部材4を備える。
【0022】
電極アセンブリ1は二次電池が充放電機能を実現するためのコア部材である。電極アセンブリ1は正極板、負極板及びセパレータを備え、セパレータは正極板と負極板を分離する。正極板は、正極集電体及び正極集電体の表面に塗布されている正極活物質層を備え、正極集電体がアルミ箔であってもよく、正極活物質層が三元材料、マンガン酸リチウム又はリン酸鉄リチウムを含む。負極板は負極集電体及び負極集電体の表面に塗布されている負極活物質層を含み、負極集電体が銅箔であってもよく、負極活物質層がカーボン又はシリコンを含む。
【0023】
電極アセンブリ1は巻回型構造であってもよい。具体的に、正極板及び負極板はいずれも1つであり、且つ正極板と負極板はストリップ構造である。正極板、セパレータ及び負極板を順に積層して2回以上巻き取って電極アセンブリ1を形成する。電極アセンブリ1を製造する時、電極アセンブリ1は先ず中空の円筒状構造に巻き取られ、巻き取られた後に扁平状に押され得る。
【0024】
あるいは、電極アセンブリ1は積層型構造であってもよい。具体的に、正極板は複数に設けられ、負極板は複数に設けられ、前記複数の正極板と負極板は厚さ方向Zに沿って交互に積層され、セパレータは正極板と負極板を分離する。
【0025】
包装バッグ2は第1包装フィルム21及び第2包装フィルム22を備え、第2包装フィルム22と第1包装フィルム21が一体的に設けられる。第2包装フィルム22が第1包装フィルム21から縦方向Xのエッジに沿って延在して第1包装フィルム21に折り返される。第2包装フィルム22と第1包装フィルム21は厚さ方向Zに沿って上下に設けられてもよい。
【0026】
第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は、1枚の包装フィルム(たとえば、アルミニウムプラスチックフィルム、鋼プラスチックフィルム等)を曲げることによって形成されてもよい。具体的には、図4に示すように、打ち抜きによって前記1枚の包装フィルムに2つの空洞を形成し、次に前記1枚の包装フィルムを第3折り目線L3に沿って二層に曲げ、すなわち、本願の第1包装フィルム21及び第2包装フィルム22を形成することができる。2つの空洞はそれぞれ第1包装フィルム21及び第2包装フィルム22に形成される。電極アセンブリ1は第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間に設けられ、2つの空洞は電極アセンブリ1を収容するための内部空洞を取り囲む。
【0027】
図5に示すように、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22の両方は保護層24、金属層25及び接続層26を備え、保護層24及び接続層26はそれぞれ金属層25の両側に設けられる。具体的には、接続層26は接合剤によって金属層25の電極アセンブリ1に向ける表面に設けられてもよく、保護層24は接合剤によって金属層25の電極アセンブリ1から離れる表面に設けられてもよい。
【0028】
保護層24の材質はナイロン又はポリエチレンテレフタレートであってもよく、金属層25の材質はアルミ箔又は鋼箔であってもよく、接続層26の材質はポリプロピレンであってもよい。
【0029】
第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は電極アセンブリ1の外側に接続されて密封部23を形成する。具体的には、ホットプレスによって、第1包装フィルム21の接続層26は第2包装フィルム22の接続層26に溶接されて密封部23を形成する。密封部23は電極アセンブリ1を収容する内部空洞を密封し、電解液の漏れを回避する。
【0030】
ホットプレスの過程で、密封部23の接続層26は溶融して圧縮され、従って、ホットプレス成形の後、密封部23の厚さは第1包装フィルム21と第2包装フィルム22のホットプレス前の厚さの総和よりも小さい。
【0031】
図3に示すように、電極リード線3は電極アセンブリ1に接続され、密封部23を貫通して包装バッグ2の外部に延在している。具体的には、電極リード線3は2つであってもよく、1つの電極リード線3が正極板の正極集電体に接続され、他方の電極リード線3が負極板の負極集電体に接続される。2つの電極リード線3は電極アセンブリ1を包装バッグ2の外部の他の部材と接続し、更に電極アセンブリ1の充放電を実現する。電極リード線3の材質はアルミニウム、ニッケル又はニッケルメッキを施した銅であってもよい。
【0032】
電極リード線3は第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間を通過し、接続層26が薄いため、電極リード線3は金属層25に接触して、安全上のリスクを引き起こしやすい。従って、本願の二次電池は、好ましくは、絶縁部材4が設けられる。
【0033】
絶縁部材4は2つであってもよい。2つの絶縁部材4はそれぞれ2つの電極リード線3と密封部23を分離する。各絶縁部材4は対応する1つの電極リード線3の外側に取り囲マレル。絶縁部材4の一部が第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間に挟持され、それにより電極リード線3と包装バッグ2を分離し、電極リード線3と金属層25との接触のリスクを低減させる。絶縁部材4の材質はポリプロピレンであってもよい。
【0034】
絶縁部材4の一部が第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間に挟持されるため、ホットプレス時に、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22の接続層26は絶縁部材4に溶接される。
【0035】
図1及び図6に示すように、密封部23は側部密封領域231及び頂部密封領域233を備え、側部密封領域231は電極アセンブリ1の横方向Yに沿った外側に設けられ、頂部密封領域233は電極アセンブリ1の第2包装フィルム22の折り返し部から離れる側に設けられる。
【0036】
側部密封領域231は、2つであり且つそれぞれ電極アセンブリ1の横方向Yに沿った外側に設けられ、頂部密封領域233は、電極アセンブリ1の縦方向Xに沿った側に設けられて2つの側部密封領域231に接続される。2つの側部密封領域231と頂部密封領域233はU字状構造を形成する。第1包装フィルム21と第2包装フィルム22の縦方向Xに沿って頂部密封領域233から離れる一端は直接的に接続され、従って、側部密封領域231と頂部密封領域233は包装バッグ2の密封を実現することができる。
【0037】
図6に示すように、ホットプレス成形の後、側部密封領域231は一定の幅を有し、それにより、二次電池の横方向Yでのサイズが比較的大きく、二次電池のエネルギー密度に影響を与える。従って、好ましくは、側部密封領域231は電極アセンブリ1に近い方向へ曲げられて、側部密封領域231の横方向Yでのサイズを減少させ、二次電池のエネルギー密度を高める。曲げ成形の後、側部密封領域231上には縦方向Xに沿って延在している第1折り目線L1が形成され、つまり、側部密封領域231は第1折り目線L1に沿って電極アセンブリ1に近い方向へ曲げられる。
【0038】
包装バッグ2のエッジE1において、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は対向して曲げられ、側部密封領域231を曲げるとき、エッジE1の第1折り目線L1に近い領域での応力集中を引き起こし、つまり、エッジE1の第1折り目線L1に近い領域は応力集中領域である。
【0039】
従来技術では、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は直接的に接続されるため、電極アセンブリ1の頂部密封領域233から離れる側に、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22はホットプレスによって接続されることがない。つまり、2つの側部密封領域231の間に、第1包装フィルム21の接続層26と第2包装フィルム22の接続層26が溶接されず、両方の間の接続強度が低い。
【0040】
二次電池が衝撃されると、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間の、溶接されなくて応力集中領域に近い部分が破裂しやすく、それにより電解液の漏れをもたらして、安全上のリスクを引き起こす。
【0041】
従って、本願の密封部23は底部密封領域232をさらに備え、底部密封領域232は電極アセンブリ1の第2包装フィルム22の折り返し部に近い側に設けられ、且つ底部密封領域232は側部密封領域231に接続される。図8に示すように、底部密封領域232に、第1包装フィルム21の接続層26と第2包装フィルム22の接続層26が一体的に溶接される。
【0042】
底部密封領域232を設けることにより、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22の応力集中領域に近い接続強度を高めて、包装バッグ2の破裂のリスクを低減させ、包装バッグ2の密封性能を改善することができる。
【0043】
側部密封領域231を曲げるとき、応力集中領域は包装バッグ2のエッジE1に位置し、つまり、包装バッグ2のエッジE1が破裂するリスクは最も高い。従って、好ましくは、縦方向Xにおいて、底部密封領域232の電極アセンブリ1から離れるエッジE2は包装バッグ2のエッジE1と同じ平面にあり、このように、破裂のリスクを最大限に低減させることができる。同時に、包装バッグ2のエッジE1が破裂しても、底部密封領域232は依然として密封の役割を果たして、電解液の漏れを回避することができる。また、底部密封領域232の幅が一致する前提下で、底部密封領域232のエッジE2が包装バッグ2のエッジE1と同じ平面にないと、底部密封領域232は包装バッグ2の内部空間を占め、二次電池の容量に影響を与える。
【0044】
図1図6及び図7に示すように、底部密封領域232は側部密封領域231から延在しており、且つ側部密封領域231から離れる方向に沿って、底部密封領域232の縦方向Xでのサイズが徐々に減少する。側部密封領域231から離れるほど、包装バッグ2の受ける応力が小さくなり、破損のリスクが低くなる。従って、側部密封領域231から離れる方向に沿って、底部密封領域232の縦方向Xでのサイズが徐々に減少しても、密封性能を確保することができる。また、底部密封領域232の縦方向Xでのサイズが減少すると、包装バッグ2の内部空間を増加させ、二次電池の容量を高めることができる。
【0045】
好ましくは、底部密封領域232は、2つであり且つそれぞれ対応する1つの側部密封領域231に接続され、横方向Yにおいて、2つの底部密封領域232が互いに分離される。二次電池の通常の動作において、電極アセンブリ1は少量のガスを放出し、二次電池のサイクルの終わりに、包装バッグ2の内部は一定量のガスを有し、従って二次電池を設計する時に、電極アセンブリ1により生成されたガスを収容するための一定の空間を予め残す。2つの底部密封領域232の間に、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22が溶接されず、生成されたガスは第1包装フィルム21と第2包装フィルム22を広げて、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22との間に貯蔵することができる。つまり、本願は包装バッグ2の内部空間をさらに増加させて、二次電池の容量を高めることができる。
【0046】
図6に示すように、底部密封領域232の幅は側部密封領域231の幅よりも小さい。補足として、側部密封領域231の幅とは側部密封領域231の曲げ部分の間の幅であり、又は側部密封領域231の展開状態での幅である。ここで、底部密封領域232の幅とは底部密封領域232の縦方向Xでのサイズであり、側部密封領域231の幅とは側部密封領域231の横方向Yでのサイズである。
【0047】
幅の値は底部密封領域232と側部密封領域231の密封強度によって決められる。底部密封領域232の近くに、第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は直接的に接続され、底部密封領域232がなくても一定の密封強度を有し、従って、底部密封領域232は比較的小さな幅を有することができる。また、底部密封領域232の幅を減少させると、包装バッグ2の内部空間を増加させ、二次電池の容量を高めることができる。
【0048】
図7に示すように、横方向Yにおいて、第1折り目線L1と底部密封領域232との間の距離がDである。Dの値が小さいほど、側部密封領域231を曲げるとき、底部密封領域232の受ける力が大きくなり、Dの値が大きいほど、側部密封領域231を曲げた後、横方向Yで占める空間が大きくなる。従って、好ましくは、Dの値が0.1mm~2mmである。
【0049】
図2に示すように、側部密封領域231は第1領域231a及び第2領域231bを含み、第1領域231aが第1折り目線L1に沿って曲げられ、第2領域231bが第1領域231aの端部から延在して第1領域231aの電極アセンブリ1に近い側に折り返される。図6に示すように、二次電池の成形の過程で、先ず第2折り目線L2に沿って側部密封領域231を曲げ、第2折り目線L2の両側はそれぞれ第1領域231a及び第2領域231bであり、次に第1折り目線L1に沿って第1領域231aを曲げる。
【0050】
第1包装フィルム21と第2包装フィルム22は成形の過程において切断プロセスを必要とし、切断された断面で、金属層25は露出される。露出された金属層25は腐食されやすく、短絡のリスクを引き起こす恐れがある。本願は側部密封領域231を2回曲げることにより、露出された金属層25の一部を第1領域231aと空洞の壁との間に挟持して、金属層25の露出を減少させ、短絡のリスクを低減させることができる。横方向Yにおいて、第2領域231bの電極アセンブリ1に近い表面が空洞の壁に接着され、第2領域231bの電極アセンブリ1から離れる表面が第1領域231aに接着される。
【0051】
本願では、2つの電極リード線3は電極アセンブリ1の底部密封領域232から離れる側に位置する。つまり、2つの電極リード線3は縦方向Xに沿って延在して頂部密封領域233を貫通する。
【0052】
以下、本願の二次電池の第2実施例を説明する。説明を簡略化するために、以下、第2実施例の第1実施例との相違点のみを主に紹介し、説明しない部分は第1実施例を参照して理解され得る。
【0053】
図9に示すように、第2実施例では、側部密封領域231は、2つであり且つそれぞれ電極アセンブリ1の横方向Yに沿った両側に位置し、底部密封領域232は、横方向Yの両端に沿ってそれぞれ2つの側部密封領域231に接続される。第1実施例に比べて、第2実施例はホットプレスプロセスを簡略化して、ホットプレス機器に対する要件を低減させることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9