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特許7314424太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法および装置、デバイスならびに記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-14
(45)【発行日】2023-07-25
(54)【発明の名称】太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法および装置、デバイスならびに記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H02S 50/00 20140101AFI20230718BHJP
【FI】
H02S50/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022554928
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-03
(86)【国際出願番号】 SG2021050126
(87)【国際公開番号】W WO2021183054
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-11-04
(31)【優先権主張番号】202010177188.2
(32)【優先日】2020-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522178636
【氏名又は名称】エンヴィジョン デジタル インターナショナル ピーティーイー.エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ENVISION DIGITAL INTERNATIONAL PTE.LTD.
【住所又は居所原語表記】1 Harbourfront Avenue,#17-01 Keppel Bay Tower,Singapore 098632(SG)
(73)【特許権者】
【識別番号】522178647
【氏名又は名称】シャンハイ エンヴィジョン デジタル シーオー.,エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI ENVISION DIGITAL CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.15,Lane 55,Chuanhe Road China(Shanghai)Pilot Free Trade Zone Shanghai(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【弁理士】
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【弁理士】
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ジンリン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジン
(72)【発明者】
【氏名】スン,ジエ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,カン
(72)【発明者】
【氏名】リ,ジョウシェン
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,フイロン
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-104750(JP,A)
【文献】特開2017-184472(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-2021311(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第110705727(CN,A)
【文献】中国特許第108964606(CN,B)
【文献】特開2011-181614(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109450376(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第107181461(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106357217(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 50/00-50/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法であって、
前記太陽光発電アレイの現在の動作状態データを取得するステップであって、前記太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、前記現在の動作状態データは前記太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と前記太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む前記ステップと;
前記現在の動作状態データに基づいて前記太陽光発電アレイの現在の特性パラメータを決定するステップであって、前記現在の特性パラメータは前記太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付け、前記現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および前記現在の放射照度を含む前記ステップと;
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの動作状態を決定するステップであって、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む前記ステップと;
を含み、
前記現在の動作状態データに基づいて前記太陽光発電アレイの前記現在の特性パラメータを決定する前記ステップは、
電流閾値に基づいて前記現在の出力電流値をフィルタリングすることによって、フィルタリングされた現在の出力電流値を取得するステップであって、前記電流閾値は前記太陽光発電アレイの前記過去の動作状態データに基づいて決定され、前記フィルタリングされた現在の出力電流値は前記電流閾値以下である前記ステップと;
前記フィルタリングされた現在の出力電流値のKパーセンタイルを前記現在の特性電流値として決定するステップであって、Kは50以上の整数である前記ステップと;
前記フィルタリングされた現在の出力電流値に対応する電流平均に対する電流標準偏差の比率を前記現在の電流離散率として決定するステップとを含み、
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの前記標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの前記動作状態を決定する前記ステップは、
前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値以下であることを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が正常であることを決定するステップと;
前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値より大きいことと、前記現在の放射照度が前記標準的な放射照度以下であることを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が正常であることを決定するステップと;を含み、
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの前記標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの前記動作状態を決定する前記ステップは、
前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値よりも大きいことと、前記現在の放射照度が前記標準的な放射照度よりも大きいことを受けて、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率を取得するステップであって、Nは1以上の整数である前記ステップと;
少なくともM個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率が前記標準的な電流離散率よりも大きいことを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が異常であることを決定するステップであって、Mは1以上の整数であり、MがN以下である前記ステップと;をさらに含む、方法。
【請求項2】
前記太陽光発電アレイの前記動作状態が異常であることを決定する前記ステップの後に、
前記M個の連続サンプリングモーメントに対応する前記現在の出力電流値の最小出力電流値を決定するステップと;
前記最小出力電流値に対応する太陽光発電ストリングを異常な太陽光発電ストリングとして決定するステップとをさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記太陽光発電アレイの前記現在の動作状態データを取得する前記ステップの前に、
予め設定された時間内の前記太陽光発電アレイの前記過去の動作状態データを取得するステップであって、前記過去の動作状態データは前記太陽光発電ストリングの過去の出力電流値、前記太陽光発電ストリングに対応する過去の放射照度、前記太陽光発電ストリングが位置する環境の過去の周囲温度および過去の風速を含む前記ステップと;
最大放射照度、最大風速および最大周囲温度に基づいて、前記太陽光発電アレイに対応する太陽電池モジュール温度を計算するステップであって、前記最大放射照度は前記過去の放射照度に基づいて決定され、前記最大周囲温度は前記過去の周囲温度に基づいて決定され、前記最大風速は前記過去の風速に基づいて決定される前記ステップと;
前記太陽電池モジュール温度および前記最大放射照度に基づいて前記太陽光発電アレイに対応する第1の最大出力電流値を計算するステップであって、前記第1の最大出力電流値は前記最大放射照度下の前記太陽光発電ストリングの出力電流値である前記ステップと;
定格設備容量および最大システム電圧に基づいて前記太陽光発電アレイに対応する第2の最大出力電流値を計算するステップであって、前記定格設備容量は前記太陽光発電アレイに接続されたコンバイナーの定格電力であり、前記最大システム電圧は前記コンバイナーに接続されたインバータのシステム電圧であり、前記第2の最大出力電流値は前記コンバイナーによって前記太陽光発電ストリングが入力することができる最大電流値である前記ステップと;
前記第1の最大出力電流値および前記第2の最大出力電流値の最小値を電流閾値として決定するステップと;
前記電流閾値に基づいて前記過去の動作状態データをフィルタリングすることによってフィルタリングされた過去の動作状態データを取得するステップであって、前記フィルタリングされた過去の出力電流値は前記電流閾値以下である前記ステップと;
前記フィルタリングされた過去の動作状態データに基づいて前記標準的な特性パラメータを決定するステップとをさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタリングされた過去の動作状態データに基づいて前記標準的な特性パラメータを決定する前記ステップは、
前記フィルタリングされた過去の出力電流値および前記フィルタリングされた過去の出力電流値に対応する取得モーメントに基づいて第1の特性曲線を作成するステップであって、前記第1の特性曲線は前記太陽光発電アレイの発電性能を特徴付け、前記第1の特性曲線は正規分布曲線である前記ステップ、および、前記第1の特性曲線および予め設定された実験係数に基づいて前記標準的な特性電流値を決定するステップと;
前記フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の放射照度に基づいて第2の特性曲線を作成するステップであって、前記第2の特性曲線は線形曲線である前記ステップ、および、前記標準的な特性電流値および前記第2の特性曲線に基づいて前記標準的な放射照度を決定するステップと;
前記フィルタリングされた過去の出力電流値に基づいて前記太陽光発電アレイの過去の電流離散率を計算するステップ、および、前記過去の電流離散率および故障電流離散率に基づいて前記標準的な電流離散率を計算するステップとを含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
太陽光発電アレイの動作状態を決定する装置であって、
前記太陽光発電アレイの現在の動作状態データを取得するように構成された第1の取得モジュールであって、前記太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、前記現在の動作状態データは前記太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と前記太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む前記第1の取得モジュールと;
前記現在の動作状態データに基づいて前記太陽光発電アレイの現在の特性パラメータを決定するように構成された第1の決定モジュールであって、前記現在の特性パラメータは前記太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付け、前記現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および前記現在の放射照度を含む前記第1の決定モジュールと;
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの動作状態を決定するように構成された第2の決定モジュールであって、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む前記第2の決定モジュールと;
前記第2の決定モジュールに含まれ、前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値以下であることを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が正常であることを決定するように構成された第1の決定ユニットと;
前記第2の決定モジュールに含まれ、前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値より大きいことと、前記現在の放射照度が前記標準的な放射照度以下であることを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が正常であることを決定するように構成された第2の決定ユニットと;
前記第2の決定モジュールに含まれ、前記現在の特性電流値が前記標準的な特性電流値よりも大きいことと、前記現在の放射照度が前記標準的な放射照度よりも大きいことを受けて、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率を取得するように構成された取得ユニットであって、Nは1以上の整数である、前記取得ユニットと;
前記第2の決定モジュールに含まれ、少なくともM個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率が前記標準的な電流離散率よりも大きいことを受けて、前記太陽光発電アレイの前記動作状態が異常であることを決定するように構成された第3の決定ユニットであって、Mは1以上の整数であり、MがN以下である、前記第3の決定ユニットと;
前記第1の決定モジュールに含まれ、電流閾値に基づいて前記現在の出力電流値をフィルタリングすることによってフィルタリングされた現在の出力電流値を得るように構成されたフィルタリングユニットであって、前記電流閾値は前記太陽光発電アレイの前記過去の動作状態データに基づいて決定され、前記フィルタリングされた現在の出力電流値は前記電流閾値以下である前記フィルタリングユニットと;
前記第1の決定モジュールに含まれ、前記フィルタリングされた現在の出力電流値のKパーセンタイルを前記現在の特性電流値として決定するように構成された第の決定ユニットであって、Kは50以上の整数である前記第の決定ユニットと;
前記第1の決定モジュールに含まれ、前記フィルタリングされた現在の出力電流値に対応する電流平均に対する電流標準偏差の比率を前記現在の電流離散率として決定するように構成された第の決定ユニットと;
を含む、装置。
【請求項6】
プロセッサと、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶するメモリとを備えるコンピュータ装置であって、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、前記プロセッサによってロードされて実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の前記太陽光発電アレイの前記動作状態を決定する前記方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ装置。
【請求項7】
少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットを記憶するコンピュータ可読記憶媒体であって、前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、プロセッサによってロードされて実行されると、請求項1~のいずれか一項に記載の前記太陽光発電アレイの前記動作状態を決定する前記方法を前記プロセッサに実行させる、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、太陽光発電技術の分野に関し、特に、太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法および装置、デバイスならびに記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池モジュールの出力電流は、太陽光発電ストリングの出力電流の重大な不整合を引き起こす可能性があり、ひいては太陽光発電ステーションに発電損失をもたらす、部分的な日陰による遮蔽、一部の領域の深刻な埃の堆積、または一部の太陽電池アセンブリの故障等の問題が原因で、太陽光発電ステーションの実際の動作中に減少する場合がある。
【0003】
関連技術では、太陽電池モジュールの温度は太陽電池モジュールの故障が原因で高すぎたり低すぎたりする場合があるので、赤外線画像の故障した太陽電池モジュールの色は他の正常な太陽電池アセンブリのそれらとは異なる。そのため、太陽電池アセンブリの画像はドローンに装備された赤外線画像取得装置によって取得してもよく、太陽光発電アレイの太陽電池モジュールの動作状態は取得された赤外線画像に基づいて決定してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、取得された赤外線画像は、ステーションの周囲温度等の、ステーションの環境要因の影響を受けやすくなり得るので、赤外線画像における故障した太陽電池モジュールと正常な太陽電池モジュールの区別が少ないため、太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度は低い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態は、太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法および装置、デバイスならびに記憶媒体を提供する。
【0006】
第1の態様において、太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法が本開示の実施形態によって提供される。前記方法は、
太陽光発電アレイの現在の動作状態データを取得するステップであって、前記太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、前記現在の動作状態データは前記太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と前記太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む前記ステップと;
前記現在の動作状態データに基づいて前記太陽光発電アレイの現在の特性パラメータを決定するステップであって、前記現在の特性パラメータは前記太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付けることを意図しており、前記現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および前記現在の放射照度を含む前記ステップと;
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの動作状態を決定するステップであって、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む前記ステップとを含む。
【0007】
第2の態様において、太陽光発電アレイの動作状態を決定する装置が本開示の実施形態によって提供される。前記装置は、
太陽光発電アレイの現在の動作状態データを取得するように構成された第1の取得モジュールであって、前記太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、前記現在の動作状態データは前記太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と前記太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む前記第1の取得モジュールと;
前記現在の動作状態データに基づいて前記太陽光発電アレイの現在の特性パラメータを決定するように構成された第1の決定モジュールであって、前記現在の特性パラメータは前記太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付けることを意図しており、前記現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および前記現在の放射照度を含む前記第1の決定モジュールと;
前記現在の特性パラメータを前記太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって前記太陽光発電アレイの動作状態を決定するように構成された第2の決定モジュールであって、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、前記標準的な特性パラメータは前記太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む前記第2の決定モジュールとを含む。
【0008】
第3の態様において、プロセッサとメモリとを含むコンピュータ装置が本開示の実施形態によって提供される。前記メモリは、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットをそこに記憶する。前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、前記プロセッサによってロードされて実行されると、上記の態様による太陽光発電アレイの動作状態を決定する前記方法を前記プロセッサに実行させる。
【0009】
第4の態様において、コンピュータ可読記憶媒体が本開示の実施形態によって提供される。前記コンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセットまたは命令セットをそこに記憶する。前記少なくとも1つの命令、前記少なくとも1つのプログラム、前記コードセットまたは前記命令セットは、プロセッサによってロードされて実行されると、上記の態様による太陽光発電アレイの動作状態を決定する前記方法を前記プロセッサに実行させる。
【0010】
本開示の実施形態による技術的解決策は、少なくとも以下の有益な効果を達成し得る。
【0011】
太陽光発電アレイの現在の動作状態データ(太陽光発電ストリングの現在の出力電流値および太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度)が取得され、太陽光発電アレイの現在の特性パラメータ(現在の特性電流値、現在の電流離散率および現在の放射照度)が現在の動作状態データに基づいて決定され、現在の特性パラメータが太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータ(標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度)と比較されることで、太陽光発電アレイの動作状態を決定する。太陽光発電アレイの現在の動作状態は、リアルタイムの動作状態データに基づいて決定された現在の特性パラメータと標準的な特性パラメータとの比較に基づいて決定される。関連技術における赤外線画像によって動作状態を決定する方法と比較して、現在の特性パラメータは太陽光発電アレイの動作状態特性をリアルタイムで反映することができるので、赤外線画像への周囲温度の干渉を回避することができ、それによって太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本開示の例示的な実施形態による実施環境の概略図を示す。
図2】本開示の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す。
図3】本開示の例示的な実施形態による過去の動作状態データを前処理する方法のフローチャートを示す。
図4】本開示の例示的な実施形態による標準的な特性パラメータを決定する方法のフローチャートを示す。
図5】本開示の例示的な実施形態による第1の特性曲線の概略図を示す。
図6】本開示の別の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す。
図7】本開示のさらに別の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す。
図8】本開示のさらに別の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す。
図9】本開示の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する装置の構造ブロック図を示す。
図10】本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ装置の構造ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本開示の目的、技術的解決策、および利点をより明確にするために、本開示の実施態様をさらに添付図面と組み合わせて以下に詳細に説明する。
【0014】
本明細書において言及される「複数の」という用語は2つ以上を意味し、「および/または」という用語は関連する対象物の関連関係を記述するもので、3種類の関係が存在し得ることを示す。例えば、Aおよび/またはBは、Aが単独で存在する、AおよびBが同時に存在する、Bが単独で存在するという3つの状況を示すことができる。記号「/」は、前後関係の関連する対象物が「or」の関係にあることを一般に示す。
【0015】
太陽電池モジュールが故障する場合、2つの状況があり得る。1つの状況は、太陽電池モジュールが損傷を受けるかまたは太陽電池モジュールが遮蔽されることであり、太陽電池モジュール温度を上昇させる原因となる。もう1つの状況は、太陽電池モジュールがバイパスダイオードによって短絡する、すなわち、太陽電池モジュールが動作しないことであり、太陽電池モジュール温度が低いことの原因となる。正常な太陽電池モジュールと故障した太陽電池モジュールの温度差のため、関連技術では太陽電池モジュールの動作状態を決定する方法が提供される。太陽光発電ステーションの太陽電池アセンブリは、赤外線画像取得装置が装備されたドローンを用いて点検される。この方法では、太陽電池モジュールの動作状態は取得された赤外線画像に基づいて決定される。
【0016】
関連技術の方法に関しては、赤外線画像は温度によって大きな影響を受けるので、太陽光発電ステーションの周囲温度が高かったり低かったりする場合、正常な太陽電池モジュールと故障した太陽電池モジュールを区別することができない可能性があり、見落としや誤警報につながり、それによって太陽電池モジュールの動作状態を決定する精度が比較的低くなる。
【0017】
上記の課題を解決するため、太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法が本開示の実施形態によって提供される。本開示の例示的な実施形態による実施環境の概略図を示す図1を参照する。実施環境は、太陽光発電アレイ101および監視プラットフォーム102を含む。
【0018】
太陽光発電アレイ101は、並列の複数の太陽光発電ストリングによって形成された太陽光発電システムであり、単一のコンバイナーに接続されたすべての太陽光発電ストリングの集合を指す。実際の太陽光発電ステーションは、複数の太陽光発電アレイ101を含む。太陽光発電アレイ101の各太陽光発電ストリングによる電流出力は、コンバイナーによって結合されてから、インバータに送信される。通常、太陽光発電アレイには並列の8~16個の太陽光発電ストリングが、各太陽光発電ストリングには直列の24個の太陽電池アセンブリが存在する。本開示の実施形態では、太陽光発電アレイ101は、太陽光発電アレイの動作状態データを取得するセンサ、例えば太陽光発電ストリングの出力電流を取得する電流センサや変流器を備えていてもよく、取得された動作状態データを監視プラットフォーム102に送信してもよい。
【0019】
太陽光発電アレイ101および監視プラットフォーム102は、有線または無線ネットワークを介して接続される。
【0020】
監視プラットフォーム102は、太陽光発電アレイ101によって送信された動作状態データの記憶、データの処理、および警報記録の生成等の機能を備えたコンピュータ装置である。コンピュータ装置は、サーバー、いくつかのサーバーからなるサーバークラスタ、またはクラウドサーバーであってもよい。本開示の実施形態では、監視プラットフォーム102は、太陽光発電アレイ101によって送信された動作状態データを取得し、動作状態データを分析して処理することによって現在の特性パラメータを取得し、現在の特性パラメータを標準的な特性パラメータと比較することで、太陽光発電アレイの動作状態を決定することができる。任意には、監視プラットフォーム102は、取得された動作状態データをデータベースに記憶することで、動作状態データに基づいて標準的な特性パラメータを引き続き継続的に更新することもできる。可能な実施態様では、太陽光発電アレイに異常な太陽光発電ストリングが存在すると決定したときは、監視プラットフォーム102は警報記録を生成することができるので、運用保守要員が適時に太陽光発電アレイの動作状態を知ることができ、故障があった場合、適時に太陽光発電ストリングの異常な動作状態問題を解決することができる。
【0021】
明確にするため、以下の方法実施形態では、コンピュータ装置である監視プラットフォーム102は、単に導入および説明のための一例とみなされる。
【0022】
本開示の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す図2を参照する。コンピュータ装置に適用できる方法は、本実施形態の説明のための一例とみなされ、以下のステップを含み得る。
【0023】
ステップ201では、太陽光発電アレイの現在の動作状態データが取得されるが、太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、現在の動作状態データは太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む。
【0024】
太陽光発電アレイは並列の複数の太陽光発電ストリングによって形成された太陽光発電システムであるので、太陽光発電アレイの動作状態を決定することは各太陽光発電ストリングの動作状態を決定することである。したがって、可能な実施態様では、取得された現在の動作状態データは、各太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む。
【0025】
太陽光発電ストリングの現在の出力電流値に関しては、誘導コイルを採用して太陽光発電ストリングの現在の出力電流値を検出してもよく、取得された現在の出力電流値をコンピュータ装置に送信してもよい。各太陽光発電ストリングは、現在の出力電流値に対応する。同じサンプリングモーメントの現在の出力電流値の数は、太陽光発電アレイに含まれる太陽光発電ストリングの数によって決まる。例えば、太陽光発電アレイが8個の太陽光発電ストリングを含む場合、同じサンプリングモーメントに対応する現在の出力電流値は、I,I,I,I,I,I,I,およびIを含み得る。
【0026】
太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度は、太陽光発電ステーションに備えられた照射器によって取得することができる。照射器の設置態様は、水平設置(すなわち、水平照射器)であってもよい。水平照射器によって取得された放射照度データは、太陽光発電アレイの傾斜角に対応する放射照度データに変換される必要がある。太陽光発電アレイと同じ傾斜角および同じ方向の設置態様(傾斜照射器)も採用してもよい。この設置態様によって取得された放射照度は、太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度である。太陽光発電アレイの太陽電池アセンブリはすべて同じ傾斜角を採用しているので、同じ取得モーメントは1つの現在の放射照度に対応する。概略的には、現在の放射照度は900W/mであってもよい。
【0027】
任意には、現在の動作状態データは予め設定された時間毎に取得してもよい。予め設定された時間は30秒または5分であってもよく、必要に応じて太陽光発電ステーションの運用保守要員によって設定してもよい。現在の動作状態データの取得時間間隔は、本開示の実施形態において限定されない。
【0028】
ステップ202では、現在の動作状態データに基づいて太陽光発電アレイの現在の特性パラメータが決定されるが、現在の特性パラメータは太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付けることを意図しており、現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および現在の放射照度を含む。
【0029】
可能な実施態様では、太陽光発電アレイの動作状態をより正確に判断するために、現在の特性パラメータ(太陽光発電アレイの現在の動作状態を特徴付けることを意図された特性)は現在の動作状態データを処理することによって決定される必要がある。例えば、現在の特性電流値は、太陽光発電アレイに含まれるすべての太陽光発電ストリングのうちの正常な動作状態の下での太陽光発電ストリングに対応する出力電流値を特徴付ける。現在の電流離散率は、太陽光発電アレイに含まれる各太陽光発電ストリングの発電性能を特徴付ける。現在の電流離散率が低い場合は、各太陽光発電ストリングの発電性能均一性が良好である(すなわち、各太陽光発電ストリングの出力電流値のずれが小さい)ことを表す。現在の電流離散率が高い場合は、各太陽光発電ストリングの出力電流値のずれが大きく、発電性能が不良であることを表す。故障した太陽電池モジュールが特定の太陽光発電ストリングに存在する可能性がある。
【0030】
概略的には、現在の特性電流値はIで表すことができ、現在の電流離散率はCVで表すことができ、現在の放射照度はPOAで表すことができる。
【0031】
ステップ203では、現在の特性パラメータを太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって太陽光発電アレイの動作状態が決定される。
【0032】
標準的な特性パラメータは、太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定される。概略的には、例えば、過去の出力電流値、過去の放射照度等の、一定期間内の太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データを取得してもよい。
【0033】
任意には、分析によって太陽光発電アレイに対応する標準的な特性パラメータを得るために、6ヶ月以内の太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データを取得してもよい。
【0034】
可能な実施態様では、太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データを分析することによって、例えば、太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値(Iref)、標準的な電流離散率(CVts)および標準的な放射照度(POAref)等の、太陽光発電アレイに対応する標準的な特性パラメータを取得してもよい。次に、取得された標準的な特性パラメータは現在の特性パラメータと比較される。予め設定された論理的関係を満たす場合は、太陽光発電アレイの動作状態は正常であることが出力される。予め設定された論理的関係を満たさない場合は、太陽光発電アレイの動作状態は異常であることが出力される。
【0035】
予め設定された論理的関係は、現在の特性電流値は標準的な特性電流値以下である(I≦Iref)、現在の放射照度は標準的な放射照度以下である(POA≦POAref)、現在の電流離散率は標準的な電流離散率以下である(CV≦CVts)、等であってもよい。
【0036】
要約すると、本開示の実施形態では、太陽光発電アレイの現在の動作状態データ(太陽光発電ストリングの現在の出力電流値および太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度)がリアルタイムで取得され、太陽光発電アレイの現在の特性パラメータ(現在の特性電流値、現在の電流離散率および現在の放射照度)が現在の動作状態データに基づいて決定され、現在の特性パラメータが太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータ(標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度)と比較されることで、太陽光発電アレイの動作状態を決定する。太陽光発電アレイの現在の動作状態は、リアルタイムの動作状態データに基づいて決定された現在の特性パラメータを標準的な特性パラメータと比較することによって決定される。関連技術における赤外線画像によって動作状態を決定する方法と比較して、現在の特性パラメータは太陽光発電アレイの動作状態特性をリアルタイムで反映することができるので、赤外線画像への周囲温度の干渉を回避することができ、それによって太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度を向上させる。
【0037】
可能な実施態様では、標準的な特性パラメータは、取得された太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データに基づいて決定される。過去の動作状態データには若干の異常または無効なデータが存在する可能性があるので、例えば、夜間の動作状態データ(無効なデータ)、またはコンバイナーが故障した(すなわち出力電流値を取得する機器が故障した)時に取得されたデータ(異常なデータ)は、すべて標準的な特性パラメータを決定する精度に影響を及ぼすことになる。したがって、決定された標準的な特性パラメータの精度を向上させるために、取得された過去の動作状態データは一定のデータ品質ルールに従ってフィルタリングして処理する必要がある。本実施形態は、取得された過去の動作状態データをフィルタリングして処理する方法を説明することに重点を置いている。
【0038】
概略的には、図3は、本開示の例示的な実施形態による過去の動作状態データを前処理する方法のフローチャートを示す。
【0039】
ステップ301では、予め設定された時間内の太陽光発電アレイの過去の動作状態データが取得される。
【0040】
過去の動作状態データは、太陽光発電ストリングの過去の出力電流値、太陽光発電ストリングに対応する過去の放射照度、太陽光発電ストリングが位置する環境の過去の周囲温度および過去の風速を含む。
【0041】
予め設定された時間は、最近6ヶ月、または最近1年であってもよい。予め設定された時間が長ければ長いほど、過去の動作状態データに基づいて決定された標準的な特性パラメータがより正確になる。
【0042】
可能な実施態様では、最近6ヶ月以内の太陽光発電アレイの過去の出力電流値、過去の放射照度、過去の周囲温度、過去の風速などを取得してもよい。過去の出力電流値および過去の放射照度を取得する方法に関しては、上記実施形態を参照されたく、本実施形態では繰り返さない。過去の周囲温度および過去の風速は、それぞれ太陽光発電ステーションに設置された温度センサおよび風速計によって取得してもよい。
【0043】
任意には、過去の動作状態データは、予め設定されたサンプリング周波数に基づいて取得してもよい。例えば、予め設定されたサンプリング周波数は5分である。サンプリング周波数は、予め設定された動作状態データを取得するためのサンプリング周波数と同じであってもよい。
【0044】
ステップ302では、最大放射照度、最大風速および最大周囲温度に基づいて、太陽光発電アレイに対応する太陽電池モジュール温度が計算される。
【0045】
最大放射照度は、過去の放射照度に基づいて決定される。すなわち、取得期間内のすべての過去の放射照度の最大値が最大放射照度とみなされる。最大周囲温度は、過去の周囲温度に基づいて決定される。すなわち、取得期間内のすべての過去の周囲温度の最大値が最大周囲温度とみなされる。最大風速は、過去の風速に基づいて決定される。すなわち、取得期間内のすべての過去の風速の最大値が最大風速とみなされる。
【0046】
概略的には、放射照度、風速、周囲温度および太陽電池モジュール温度間の関係は以下のように表すことができる。
【0047】
【数1】
【0048】
ここで、Tは太陽電池モジュール温度(太陽電池モジュールのバックパネルの温度)であり、GPOAは(太陽光発電アレイの傾斜角に対応する)放射照度であり、Wは太陽電池モジュールが位置する環境の風速であり、Tは太陽電池モジュールが位置する環境の周囲温度を表し、aおよびbは定数である。aおよびbの値は、太陽電池モジュールの種類および設置態様によって異なる。特定値に関しては、表1を参照されたい。
【0049】
【表1】
【0050】
可能な実施態様では、太陽電池モジュール温度Tは、取得された最大風速、最大周囲温度、および最大放射照度を式(1)に代入することによって得られる。
【0051】
ステップ303では、太陽電池モジュール温度および最大放射照度に基づいて、太陽光発電アレイに対応する第1の最大出力電流値が計算されるが、第1の最大出力電流値は最大放射照度下の太陽光発電ストリングの出力電流値である。
【0052】
概略的には、出力電流、太陽電池モジュール温度、および放射照度間の関係は以下のように表すことができる。
【0053】
【数2】
【0054】
ここで、Iは出力電流であり、Iph,stcは標準試験条件下の出力電流であり、GPOAは傾斜放射照度であり、βは太陽電池モジュールの電流温度上昇係数であり、Tは太陽電池モジュール温度(太陽電池モジュールのバックパネルの温度)であり、Tstcは標準試験条件下の温度、すなわち25℃である。
【0055】
標準試験条件(STC)は、太陽光発電分野で容認された太陽電池アセンブリの試験標準、すなわち、1.5、1000W/m、25℃を指す。1.5は、エア・マス(AM)が1.5である、すなわち、大気を通過する光の実際の距離が大気の鉛直厚さの1.5倍であることを指す。1000W/mは、標準試験下の太陽の放射照度である。25℃は、太陽電池モジュールが25℃で動作することを指す。
【0056】
可能な実施態様では、Iph,stc,β,Tstc等はデフォルト値であるので、太陽光発電アレイに対応する第1の最大電流値Iはステップ302で取得された太陽電池モジュール温度Tおよび最大放射照度を式(2)に代入することによって得ることができる。
【0057】
ステップ304では、定格設備容量および最大システム電圧に基づいて、太陽光発電アレイに対応する第2の最大出力電流値が計算されるが、第2の最大出力電流値はコンバイナーによって太陽光発電ストリングが入力することができる最大電流値である。
【0058】
定格設備容量は、太陽光発電アレイに接続されたコンバイナーの定格電力である。最大システム電圧は、コンバイナーに接続されたインバータのシステム電圧である。
【0059】
概略的には、定格設備容量、最大システム電圧および第2の最大出力電流間の関係は以下のように表すことができる。
【0060】
【数3】
【0061】
ここで、Pcbx,ratedはコンバイナーの定格設備容量であり、Vinv.max_systemはインバータの最大システム電圧であり、Iは第2の最大出力電流である。式(3)から、第2の最大出力電流は太陽光発電アレイの過去の動作データと関連がないことがわかるであろう。すなわち、同じコンバイナーに関しては、第2の最大出力電流が固定される。
【0062】
可能な実施態様では、コンバイナーの定格設備容量およびインバータの最大システム電圧に基づいて計算することによって、第2の最大出力電流値、すなわちIを得てもよい。
【0063】
ステップ305では、第1の最大出力電流値および第2の最大出力電流値の最小値が電流閾値として決定される。
【0064】
可能な実施態様では、第1の最大出力電流値および第2の最大出力電流値の最小値が電流閾値として決定される。例えば、電流閾値は15Aであってもよい。太陽光発電ストリングの取得された出力電流値が電流閾値よりも高い場合は、太陽光発電ストリングに対応する出力電流値が仮想的に高いことを表す。電流値が仮想的に高いことの理由は、太陽光発電ストリングの故障の範囲に属さない、コンバイナー装置に関する問題や、太陽光発電ストリングの電流を検出する誘導コイルの故障である可能性がある。したがって、仮想的に高い電流値を除去するために、決定された電流閾値に基づいて過去の動作状態データをフィルタリングすることが必要である。
【0065】
概略的には、電流閾値はIthresholdで表すことができる。電流閾値、第1の最大出力電流値Iおよび第2の最大出力電流値I間の関係は、(IおよびIの最小値をとって)以下のように表すことができる。
【0066】
【数4】
【0067】
概略的には、I=15AおよびI=15.5Aとすると、電流閾値Ithreshold=15Aとなる。
【0068】
ステップ306では、電流閾値に基づいて過去の動作状態データをフィルタリングすることによって、フィルタリングされた過去の動作状態データが得られるが、フィルタリングされた過去の出力電流値は電流閾値以下である。
【0069】
可能な実施態様では、過去の動作状態データは予め設定されたデータ品質ルールに従ってフィルタリングしてもよい。データ品質ルールは、夜間のデータの除去(例えば、午前7時以前および午後6時以降のデータの除去)、繰り返されるタイムスタンプデータの除去、電流閾値を超えたデータの除去、コンバイナーが接続されていない(コンバイナーが停止している)時間内のデータの除去、スタックデータ(スタックデータは予め設定された時間を超えて、例えば、10分以上データがリフレッシュされてないことを指す)の除去、放射照度が20W/m未満のデータの除去、空白値の補充などを含み得る。
【0070】
電流閾値を超えたデータを除去した後、取得モーメントに対応する電流空白値を補充する必要がある。空白値に対応する取得モーメント前後の有効時点の電流平均を空白値の代わりの充填値とみなすことができる。例えば、10:05:00に対応する電流値は20Aであり、電流閾値15Aよりも大きい。10:00:00に取得された電流値は12Aであり、電流閾値15Aよりも小さい。10:10:00に取得された電流値は10Aであり、やはり電流閾値15Aよりも小さい。そうすると、11Aの電流平均値を10:05:00に対応する出力電流値とみなすことができる。
【0071】
可能な実施態様では、予め設定されたデータ品質ルールによって処理された後の過去の動作状態データは、標準的な特性パラメータを決定するための基本データとみなされる。
【0072】
本実施形態では、分析によって太陽光発電アレイに対応する電流閾値を得るために、予め設定された時間内の太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データが取得されて、予め設定されたデータ品質ルールに従って過去の動作状態データをフィルタリングして処理するようになっており、それによって標準的な特性パラメータを決定する精度を向上させる。
【0073】
可能な実施態様では、予め設定された時間内に取得された過去の動作状態データを前処理した後、フィルタリングされた過去の動作状態データに基づいて標準的な特性パラメータを決定してもよい。
【0074】
概略的には、図4は、本開示の例示的な実施形態による標準的な特性パラメータを決定する方法のフローチャートを示す。本方法は以下のステップを含む。
【0075】
ステップ401では、フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の出力電流値に対応する取得モーメントに基づいて、第1の特性曲線が作成されるが、第1の特性曲線は太陽光発電アレイの発電性能を特徴付けるものであり、第1の特性曲線は正規分布曲線である。
【0076】
可能な実施態様では、予め設定された時間内の過去の出力電流値が取得される。予め設定された時間が6ヶ月である場合を例にとると、同じ取得モーメントに対応する過去の出力電流値は6×30個存在し得る。特性曲線の適合の都合上、まずKパーセンタイルを180個の過去の出力電流値ととらえる。Kパーセンタイルに対応する過去の出力電流値は取得モーメントに対応する過去の出力電流値とみなされ、Kは50よりも大きい。すなわち、中央値を上回る過去の出力電流値がとられる。上記のステップによると、過去の出力電流値および対応する取得モーメントに基づいて第1の特性曲線を作成するために、1日の各取得モーメントに対応する過去の出力電流値を決定することができる。第1の特性曲線は正規分布曲線であり、以下のように表すことができる。
【0077】
【数5】
【0078】
ここで、f(t)はモーメントtに対応する過去の出力電流値を表し、tは取得モーメントであり、μおよびσは第1の特性曲線に対応する2つの不確定な定数であり、μは過去の出力電流値の平均によって決定され、σは過去の出力電流値の標準偏差によって決定される。
【0079】
概略的には、図5は、本開示の例示的な実施形態による第1の特性曲線の概略図を示す。横座標は取得モーメントであり、縦座標は過去の出力電流値である。第1の特性曲線と横軸に囲まれる面積は、1日の太陽光発電ストリングの発電性能を特徴付けることができる。
【0080】
ステップ402では、第1の特性曲線および予め設定された実験係数に基づいて標準的な特性電流値が決定される。
【0081】
予め設定された実験係数は、運用保守要員によって設定してもよい。例えば、予め設定された実験係数は80%であってもよく、標準的な特性電流値に対応する曲線下の面積の曲線下の総面積に対する比率が予め設定された実験係数を満たすことを意味する。
【0082】
概略的には、図5に示すように、標準的な特性電流値は2つの取得モーメントtおよびtに対応する。tおよびt間の曲線と横軸によって囲まれる曲線下の面積の第1の特性曲線と横軸によって囲まれる面積に対する比率は、実験係数80%を満たす。
【0083】
可能な実施態様では、運用保守要員が前もって対応する実験係数を設定する。コンピュータ装置は、作成された第1の特性曲線に基づいて予め設定された実験係数を満たす標準的な特性電流値を計算することができる。
【0084】
ステップ403では、フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の放射照度に基づいて第2の特性曲線が作成されるが、第2の特性曲線は線形曲線である。
【0085】
同じ取得モーメントに対応する過去の放射照度を決定する方法に関しては、ステップ401の方法を参照されたい。Kパーセンタイルを6ヶ月以内の同じ取得モーメントの過去の放射照度ととらえ、Kは50よりも大きい整数である。すなわち、中央値を上回る放射照度がとられる。
【0086】
可能な実施態様では、フィルタリングされた過去の出力電流値に基づいて、1日の各取得モーメントに対応する過去の出力電流値が決定される。1日の各取得モーメントに対応する過去の放射照度は、フィルタリングされた過去の放射照度に基づいて決定される。次に、1日の各取得モーメントに対応する過去の出力電流値および1日の各サンプリングモーメントに対応する過去の放射照度に基づいて、第2の特性曲線が作成される。第2の特性曲線は線形曲線である。
【0087】
ステップ404では、標準的な特性電流値および第2の特性曲線に基づいて標準的な放射照度が決定される。
【0088】
可能な実施態様では、ステップ402に基づいて決定された標準的な特性電流値を第2の特性曲線に代入することによって、標準的な特性電流値に対応する標準的な放射照度を得ることができる。
【0089】
ステップ405では、フィルタリングされた過去の出力電流値に基づいて太陽光発電アレイの過去の電流離散率が計算される。
【0090】
可能な実施態様では、同じ太陽光発電ストリングに関して、同じ取得モーメントに対応する過去の出力電流値を取得する方法はステップ401を参照することができる。すなわち、Kパーセンタイルを180個の過去の出力電流値ととらえるが、本実施形態では繰り返さない。同様に、それぞれ太陽光発電アレイに含まれるすべての太陽光発電ストリングに対応する過去の出力電流値を得ることができる。例えば、太陽光発電アレイが8個の太陽光発電ストリングを含む場合、取得モーメントに対応する過去の出力電流値はI~Iであると決定される。
【0091】
過去の電流離散率に関しては、まず、同じ取得モーメントに対応する複数の過去の出力電流値に基づいて、取得モーメントに対応する電流離散率が計算される。同様に、Kパーセンタイルを各取得モーメントに対応する電流離散率とするために、1日の各取得モーメントに対応する電流離散率を取得してもよい。Kパーセンタイルに対応する電流離散率は、過去の電流離散率とみなされる。電流離散率が小さければ小さいほど、太陽光発電ストリングの発電性能がより良くなる。したがって、Kパーセンタイルは中央値を下回る電流離散率をとる。例えば、1日の各取得モーメントに対応する電流離散率の中央値が8%である場合は、8%未満の電流離散率を過去の電流離散率とみなすことができる。
【0092】
概略的には、各太陽光発電ストリングの電流離散率および出力電流値間の関係は以下のように表すことができる。
【0093】
【数6】
【0094】
【数7】
【0095】
【数8】
【0096】
ここで、Iaveは各太陽光発電ストリングの出力電流値に対応する電流平均であり、Iσは各太陽光発電ストリングの出力電流値に対応する電流標準偏差であり、CVは現在の取得モーメントに対応する電流離散率であり、Nは太陽光発電ストリングの数であり、Iはi番目の太陽光発電ストリングに対応する出力電流値を表す。
【0097】
概略的には、各太陽光発電ストリングに対応する過去の出力電流値を式(4)に代入することによって、電流平均が得られる。得られた電流平均および過去の出力電流値を式(5)に代入することによって、電流標準偏差が得られる。次に、得られた電流平均および電流標準偏差を式(6)に代入することによって、取得モーメントに対応する電流離散率が得られる。同様に、1日の各取得モーメントに対応する電流離散率を取得することができ、中央値でのまたは中央値より前の電流離散率は過去の電流離散率とみなされ、CVsdと表すことができる。
【0098】
ステップ406では、過去の電流離散率および故障電流離散率に基づいて標準的な電流離散率が計算される。
【0099】
概略的には、標準的な電流離散率、過去の電流離散率および故障電流離散率間の関係は、以下のように表すことができる。
【0100】
【数9】
【0101】
ここで、CVtsは標準的な電流離散率であり、CVsdは過去の電流離散率であり、CVbdは故障電流離散率、通常は10%であり、αは実験係数である。
【0102】
可能な実施態様では、得られた過去の電流離散率を式(7)に代入することによって、その後の論理判断のための標準的な電流離散率を得ることができる。
【0103】
なお、標準的な特性電流値、標準的な放射照度、および標準的な電流離散率を決定する方法は上記の実施形態に示した順序で実行せずに、同時に決定してもよく、あるいは、標準的な特性電流値、標準的な放射照度および標準的な電流離散率を決定する順序で決定してもよく、さらに標準的な電流離散率、標準的な特性電流値、および標準的な放射照度を決定する順序で決定してもよい。本実施形態は、各標準的な特性パラメータ値を決定する順序を限定しない。
【0104】
本実施形態では、フィルタリングされた過去の出力電流値および取得モーメントに基づいて、第1の特性曲線が適合され、実験係数および第1の特性曲線に基づいて、標準的な特性電流値が決定される。フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の放射照度に基づいて、第2の特性曲線が適合され、決定された標準的な特性電流値および第2の特性曲線に基づいて、標準的な放射照度が決定される。フィルタリングされた過去の出力電流値を分析して計算することによって過去の電流離散率が得られ、得られた過去の電流離散率および故障電流離散率に基づいて標準的な電流離散率が決定される。
【0105】
可能な実施態様では、太陽電池モジュールの出力電流は朝晩の陰による遮蔽や低い放射照度によって影響を受ける場合があるので、太陽電池モジュールの出力電流値を低くする可能性があるため、計算された電流離散率が高くなって、誤警報が発生する場合がある。したがって、太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度を向上させるために、電流離散率に基づいて太陽光発電アレイの動作状態を決定する前に、最初に出力電流値および放射照度を判断する必要がある。
【0106】
本開示の別の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す図6を参照する。本実施形態では、コンピュータ装置に適用可能な方法を説明のための例にとる。本方法は、以下のステップを含む。
【0107】
ステップ601では、太陽光発電アレイの現在の動作状態データが取得されるが、太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、現在の動作状態データは、太陽光発電ストリングの現在の出力電流値および太陽光発電ストリングの現在の放射照度を含む。
【0108】
このステップの実施態様に関しては、ステップ201を参照されたく、本実施形態では繰り返さない。
【0109】
ステップ602では、太陽光発電アレイの現在の特性パラメータが現在の動作状態データに基づいて決定される。
【0110】
ストリングの出力電流を検出するコンバイナー装置または誘導コイルが故障した場合、取得された現在の出力電流値は仮想的に高くなる。取得された出力電流値に仮想的に高い電流値が存在する場合、計算された現在の電流離散率は高くなり、太陽光発電アレイの動作状態の判断に影響を及ぼすことになる。したがって、現在の動作状態データに基づいて現在の特性パラメータを分析する前に、現在の動作状態データは前処理する、例えば、現在の出力電流値の中の仮想的に高い電流値を除去する必要がある。
【0111】
概略的には、図7に示すように、ステップ602は、ステップ602A、ステップ602B、およびステップ602Cを含み得る。
【0112】
ステップ602Aでは、電流閾値に基づいて現在の出力電流値をフィルタリングすることによって、フィルタリングされた現在の出力電流値が得られるが、フィルタリングされた現在の出力電流値は電流閾値以下である。
【0113】
電流閾値を決定する方法に関しては、上記の実施形態を参照されたく、本実施形態では繰り返さない。
【0114】
可能な実施態様では、複数の現在の出力電流値が同じ取得モーメントで取得される場合は、複数の現在の出力電流値が電流閾値に基づいてフィルタリングされる。すなわち、電流閾値よりも大きい現在の出力電流値は除去されて、空白値を充填する必要がない。
【0115】
概略的には、例えば、取得された現在の出力電流値はI=10A,I=11A,I=10A,I=12A,I=10A,I=11A,I=20A,I=12Aであってもよく、電流閾値はIthreshold=15Aである。現在の出力電流値は、電流閾値および現在の出力電流値間の関係に応じてフィルタリングすることができる。I>Ithresholdであるので、Iに対応する現在の出力電流値は除去される。
【0116】
リアルタイムで取得された現在の出力電流値に関しては、仮想的に高い電流値が除去された後、空白値が存在する場合、空白値を充填する必要はない。残っている現在の出力電流値だけは引き続き分析する必要がある。また、仮想的に高い電流値が存在する場合、例えばコンバイナー装置の故障警報、誘導コイルの故障警報等の他の警報が発せられることになるが、これらは本開示の太陽光発電アレイの故障警報とは関連がない。
【0117】
ステップ602Bでは、フィルタリングされた現在の出力電流値のKパーセンタイルが現在の特性電流値として決定されるが、Kは50以上の整数である。
【0118】
可能な実施態様では、仮想的に高い電流値が除去された現在の出力電流値のKパーセンタイルが、現在の特性電流値として決定される。デフォルトでは、Kが50以上の整数である場合、得られた現在の電流特性電流値は正常な動作状態の太陽光発電ストリングの出力電流値である。
【0119】
概略的には、フィルタリングされた現在の出力電流値がI=10A,I=11A,I=10A,I=12A,I=10A,I=11A,およびI=12Aである場合は、現在の出力電流値は順序正しく並べられる。現在の特性電流値I=11Aを得るために、中央値(K=50)がとられる。
【0120】
ステップ602Cでは、フィルタリングされた現在の出力電流値に対応する電流平均に対する電流標準偏差の比率が、現在の電流離散率として決定される。
【0121】
可能な実施態様では、電流平均はフィルタリングされた現在の出力電流値および式(4)に基づいて計算することができる。電流標準偏差は、電流平均、フィルタリングされた現在の出力電流値および式(5)に基づいて計算することができる。次に、現在の電流離散率は、電流標準偏差、電流平均および式(6)に基づいて計算することができる。
【0122】
概略的には、フィルタリングされた現在の出力電流値がI=10A,I=11A,I=10A,I=12A,I=10A,I=11A,およびI=12Aである場合は、それらを式(4)に代入することによって電流平均Iave=10.86Aを得ることができる。電流平均およびフィルタリングされた現在の出力電流値を式(5)に代入することによって、電流標準偏差Iσ=0.833Aを得ることができる。次に、電流標準偏差および電流平均を式(6)に代入することによって、現在の電流離散率CV=0.077を得ることができ、これはパーセンテージ、すなわち、7.7%に変換される。
【0123】
ステップ603では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値以下であることを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が正常であることが決定される。
【0124】
可能な実施態様では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値以下である場合は、太陽光発電ストリングの現在の出力電流値が低く、太陽電池モジュールによって受け取られた放射照度が低いことを表しているが、これは太陽光発電ストリングの故障が原因ではない。したがって、太陽光発電アレイの現在の動作状態は正常であると判断することができる。すなわち、含まれる太陽光発電ストリングの動作状態は正常である。
【0125】
ステップ604では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値より大きいことと、現在の放射照度が標準的な放射照度以下であることを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が正常であることが決定される。
【0126】
可能な実施態様では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値よりも大きい場合、現在の放射照度が標準的な放射照度以下であるかどうかも判断し続けることが必要である。現在の放射照度が標準的な放射照度以下である場合は、太陽電池モジュールによって受け取られた放射照度が低いことを表す。低い放射照度に起因する電流離散率が高い状況をなくし、誤警報が発せられるのを避けるために、太陽光発電アレイの現在の動作状態が正常であることが出力されなければならない。すなわち、含まれる太陽光発電ストリングの動作状態は正常である。
【0127】
ステップ605では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値よりも大きいことと、現在の放射照度が標準的な放射照度よりも大きいことを受けて、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率が取得されるが、Nは1以上の整数である。
【0128】
可能な実施態様では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値よりも大きく、現在の放射照度が標準的な放射照度よりも大きい場合は、太陽光発電ストリングによって受け取られた放射照度が正常であることを表す。この場合、現在の電流離散率の判断が行われることになる。
【0129】
電流離散率の判断に関しては、偶発的要素に起因する誤警報をなくすために、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率を判断しなければならない。すなわち、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率を取得する必要がある。
【0130】
ステップ606では、少なくともM個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率が標準的な電流離散率よりも大きいことを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が異常であることが決定されるが、Mは1以上の整数であり、MはN以下である。
【0131】
可能な実施態様では、現在のサンプリングモーメントがモーメントaであり、取得モーメントaに対応する現在の電流離散率が標準的な電流離散率よりも大きい場合は、モーメントaは第1の異常モーメントtとして指定され、次の取得モーメント(モーメントa+1)の現在の特性パラメータと標準的な特性パラメータの間の関係が継続的に判断される。モーメントa+1に対応する現在の電流離散率も標準的な電流離散率よりも大きい場合、モーメントa+1は第2の異常モーメントtとして指定され、上記の判断ステップが繰り返される。M個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率がすべて標準的な電流離散率よりも大きい場合、異常な太陽光発電ストリングが太陽光発電アレイに存在すると判断される。
【0132】
M個の連続サンプリングモーメントに対応する時間は、i番目の異常モーメントと第1の異常モーメントの間の時間差であり得る。すなわち、異常な太陽光発電ストリングが太陽光発電アレイに存在すると出力する前にt-t≧Ttsを満たす必要があるが、ここで、tは第1の異常モーメントであり、tはi番目の異常モーメントであり、Ttsは時間閾値である。
【0133】
任意には、連続異常モーメントが時間閾値未満である場合、太陽光発電アレイの動作状態は正常であると出力しなければならない。
【0134】
任意には、時間閾値は必要に応じて運用保守要員によって設定してもよい。例えば、時間閾値は15分または60分であってもよい。
【0135】
本実施形態では、現在の電流離散率の計算上で仮想的に高い電流値の影響を除去するために、リアルタイムで取得された現在の出力電流値が電流閾値によってフィルタリングされる。さらに、電流離散率を判断する前にまず太陽電池モジュールの低い放射照度のために現在の出力電流値が低い状況を除去することによって、低い出力電流値に起因する誤警報を回避することができ、それによって太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度を向上させる。さらにまた、時間閾値を設定することによって、連続異常モーメントの時間が時間閾値を満たす時だけ、太陽光発電ストリング異常警報が発せられることになり、偶発的要因に起因する誤警報を回避するとともに、警報精度を向上させることができる。
【0136】
可能な実施態様では、太陽光発電アレイが故障していると判断されると、コンピュータ装置は警報記録を生成することもできるので、運用保守要員は警報記録に基づいて太陽光発電アレイに存在する異常な太陽光発電ストリングを識別し、オフラインで異常な太陽光発電ストリングを点検し、太陽光発電ストリングの動作状態が異常である問題を適時に解決することができる。
【0137】
1.M個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の出力電流値の最小出力電流値が決定される。
【0138】
異常な太陽光発電ストリングが太陽光発電アレイに存在すると判断された場合、M個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の出力電流値に基づいて、複数の最小出力電流値を決定することができる。例えば、Mが3である場合は、各サンプリングモーメントに対応する現在の出力電流値の最小電流値が決定され、3個の連続サンプリングモーメントが3個の最小出力電流値に対応する。
【0139】
2.最小出力電流値に対応する太陽光発電ストリングが異常な太陽光発電ストリングとして決定される。
【0140】
出力電流値が小さく、現在の特性電流値と大きく異なるので、現在の電流離散率は高い。したがって、最小出力電流値に対応する太陽光発電ストリングは異常な太陽光発電ストリングとして決定され、異常な太陽光発電ストリング情報は運用保守要員に通知される警報内容とみなされる。
【0141】
任意には、警報記録は、異常な取得モーメントに対応する現在の特性電流値、最小出力電流値、最大出力電流値、および異常な太陽光発電ストリング情報を含み得る。
【0142】
本実施形態では、即座に運用保守要員に通知して太陽光発電ストリングの動作状態が異常である問題を解決すべくオフライン点検を実行するために、最小出力電流値、異常な太陽光発電ストリング情報、最大出力電流値、および現在の特性電流値等の情報を含む警報記録が生成される。
【0143】
本開示の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法のフローチャートを示す図8を参照する。本方法は、以下のステップを含み得る。
【0144】
ステップ801では、太陽光発電アレイに対応する過去の動作状態データが取得される。
【0145】
ステップ802では、過去の動作状態データに基づいて標準的な特性パラメータが決定されるが、標準的な特性パラメータは、標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む。
【0146】
ステップ803では、太陽光発電アレイに対応する現在の動作状態データが取得される。
【0147】
ステップ804では、現在の動作状態データに基づいて現在の特性パラメータが決定されるが、現在の特性パラメータは、現在の特性電流値、現在の電流離散率、および現在の放射照度を含む。
【0148】
ステップ805では、現在の特性電流値が標準的な特性電流値以下であるか否かが判断される。
【0149】
ステップ806では、現在の放射照度が標準的な放射照度以下であるか否かが判断される。
【0150】
ステップ807では、現在の電流離散率が標準的な電流離散率以下であるか否か、および異常モーメントが時間閾値未満であるか否かが判断される。
【0151】
ステップ808では、太陽光発電アレイの動作状態が正常であることが出力される。
【0152】
ステップ809では、異常な太陽光発電ストリングが太陽光発電アレイに存在することが出力される。
【0153】
本開示の例示的な実施形態による太陽光発電アレイの動作状態を決定する装置の構造ブロック図を示す図9を参照する。本装置は、ソフトウェア、ハードウェアまたはそれらの組み合わせによってコンピュータ装置の全部または一部として実装することができる。本装置は、
太陽光発電アレイの現在の動作状態データを取得するように構成された第1の取得モジュール901であって、太陽光発電アレイは並列の少なくとも2つの太陽光発電ストリングを含み、現在の動作状態データは太陽光発電ストリングの現在の出力電流値と太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度を含む第1の取得モジュール901と;
現在の動作状態データに基づいて太陽光発電アレイの現在の特性パラメータを決定するように構成された第1の決定モジュール902であって、現在の特性パラメータは太陽光発電アレイの現在の動作状態の特性を特徴付けることを意図しており、現在の特性パラメータは現在の特性電流値、現在の電流離散率および現在の放射照度を含む第1の決定モジュール902と;
現在の特性パラメータを太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータと比較することによって太陽光発電アレイの動作状態を決定するように構成された第2の決定モジュール903であって、標準的な特性パラメータは太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、標準的な特性パラメータは太陽光発電ストリングに対応する標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度を含む第2の決定モジュール903とを含む。
【0154】
任意には、第2の決定モジュール903は、
現在の特性電流値が標準的な特性電流値以下であることを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が正常であることを決定するように構成された第1の決定ユニットと;
現在の特性電流値が標準的な特性電流値よりも大きいことと、現在の放射照度が標準的な放射照度以下であることを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が正常であることを決定するように構成された第2の決定ユニットとを含む。
【0155】
任意には、第2の決定モジュール903は、
現在の特性電流値が標準的な特性電流値よりも大きいことと、現在の放射照度が標準的な放射照度よりも大きいことを受けて、N個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率を取得するように構成された取得ユニットであって、Nは1以上の整数である取得ユニットと;
少なくともM個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の電流離散率が標準的な電流離散率よりも大きいことを受けて、太陽光発電アレイの動作状態が異常であることを決定するように構成された第3の決定ユニットであって、Mは1以上の整数であり、MはN以下である第3の決定ユニットとをさらに含む。
【0156】
任意には、本装置は、
M個の連続サンプリングモーメントに対応する現在の出力電流値の最小出力電流値を決定するように構成された第3の決定モジュールと;
最小出力電流値に対応する太陽光発電ストリングを異常な太陽光発電ストリングとして決定するように構成された第4の決定モジュールとをさらに含む。
【0157】
任意には、第1の決定モジュール902は、
電流閾値に基づいて現在の出力電流値をフィルタリングすることによってフィルタリングされた現在の出力電流値を得るように構成されたフィルタリングユニットであって、電流閾値は太陽光発電アレイの過去の動作状態データに基づいて決定され、フィルタリングされた現在の出力電流値は電流閾値以下であるフィルタリングユニットと;
フィルタリングされた現在の出力電流値のKパーセンタイルを現在の特性電流値として決定するように構成された第4の決定ユニットであって、Kは50以上の整数である第4の決定ユニットと;
フィルタリングされた現在の出力電流値に対応する電流平均に対する電流標準偏差の比率を現在の電流離散率として決定するように構成された第5の決定ユニットとを含む。
【0158】
任意には、本装置は、
予め設定された時間内の太陽光発電アレイの過去の動作状態データを取得するように構成された第2の取得モジュールであって、過去の動作状態データは、太陽光発電ストリングの過去の出力電流値、太陽光発電ストリングに対応する過去の放射照度、および太陽光発電ストリングが位置する環境の過去の周囲温度および過去の風速を含む第2の取得モジュールと;
最大放射照度、最大風速および最大周囲温度に基づいて太陽光発電アレイに対応する太陽電池モジュール温度を計算するように構成された第1の計算モジュールであって、最大放射照度は過去の放射照度に基づいて決定され、最大周囲温度は過去の周囲温度に基づいて決定され、最大風速は過去の風速に基づいて決定される第1の計算モジュールと;
太陽電池モジュール温度および最大放射照度に基づいて太陽光発電アレイに対応する第1の最大出力電流値を計算するように構成された第2の計算モジュールであって、第1の最大出力電流値は最大放射照度下の太陽光発電ストリングの出力電流値である第2の計算モジュールと;
定格設備容量および最大システム電圧に基づいて太陽光発電アレイに対応する第2の最大出力電流値を計算するように構成された第3の計算モジュールであって、定格設備容量は太陽光発電アレイに接続されたコンバイナーの定格電力であり、最大システム電圧はコンバイナーに接続されたインバータのシステム電圧であり、第2の最大出力電流値はコンバイナーによって太陽光発電ストリングが入力することができる最大電流値である第3の計算モジュールと;
第1の最大出力電流値および第2の最大出力電流値の最小値を電流閾値として決定するように構成された第5の決定モジュールと;
電流閾値に基づいて過去の動作状態データをフィルタリングすることによってフィルタリングされた過去の動作状態データを得るように構成されたフィルタリングモジュールであって、フィルタリングされた過去の出力電流値は電流閾値以下であるフィルタリングモジュールと;
フィルタリングされた過去の動作状態データに基づいて標準的な特性パラメータを決定するように構成された第6の決定モジュールとをさらに含む。
【0159】
任意には、第6の決定モジュールは、
フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の出力電流値に対応する取得モーメントに基づいて、第1の特性曲線を作成するとともに、第1の特性曲線および予め設定された実験係数に基づいて標準的な特性電流値を決定するように構成された第6の決定ユニットであって、第1の特性曲線は太陽光発電アレイの発電性能を特徴付け、第1の特性曲線は正規分布曲線である第6の決定ユニットと;
フィルタリングされた過去の出力電流値およびフィルタリングされた過去の放射照度に基づいて第2の特性曲線を作成するとともに、標準的な特性電流値および第2の特性曲線に基づいて標準的な放射照度を決定するように構成された第7の決定ユニットであって、第2の特性曲線は線形曲線である第7の決定ユニットと;
フィルタリングされた過去の出力電流値に基づいて太陽光発電アレイの過去の電流離散率を計算するとともに、過去の電流離散率および故障電流離散率に基づいて標準的な電流離散率を計算するように構成された計算ユニットとを含む。
【0160】
本開示の実施形態では、太陽光発電アレイの現在の動作状態データ(太陽光発電ストリングの現在の出力電流値および太陽光発電ストリングに対応する現在の放射照度)がリアルタイムで取得され、太陽光発電アレイの現在の特性パラメータ(現在の特性電流値、現在の電流離散率および現在の放射照度)が現在の動作状態データに基づいて決定され、現在の特性パラメータが太陽光発電アレイの標準的な特性パラメータ(標準的な特性電流値、標準的な電流離散率および標準的な放射照度)と比較されることで、太陽光発電アレイの動作状態を決定する。太陽光発電アレイの現在の動作状態は、リアルタイムの動作状態データに基づいて決定された現在の特性パラメータを標準的な特性パラメータと比較することによって決定される。関連技術における赤外線画像によって動作状態を決定する方法と比較して、現在の特性パラメータは太陽光発電アレイの動作状態特性をリアルタイムで反映することができるので、赤外線画像への周囲温度の干渉を回避することができ、それによって太陽光発電アレイの動作状態を決定する精度を向上させる。
【0161】
本開示の例示的な実施形態によるコンピュータ装置の概略構造図を示す図10を参照する。具体的には、コンピュータ装置1000は、中央処理装置(CPU)1001と、ランダムアクセスメモリ(RAM)1002およびリードオンリメモリ(ROM)1003を含むシステムメモリ1004と、システムメモリ1004と中央処理装置1001とを接続するシステムバス1005とを含む。コンピュータ装置1000は、コンピュータ装置内の様々な構成要素間の情報の伝達を容易にする基本入出力(I/O)システム1006と、オペレーティングシステム1013、アプリケーション1014、およびその他のプログラムモジュール1015を格納するための大容量記憶装置1007とをさらに含む。
【0162】
基本入出力システム1006は、情報を表示するためのディスプレイ1008と、情報のユーザ入力用のマウスまたはキーボード等の入力装置1009を備える。ディスプレイ1008および入力装置1009は、いずれもシステムバス1005に接続された入出力コントローラ1010を介して中央処理装置1001に接続される。基本入出力システム1006は、キーボード、マウス、電子ペン等の複数のその他のデバイスからの入力を受信して処理するための入出力コントローラ1010をさらに備えてもよい。同様に、入出力コントローラ1010はさらに、ディスプレイ画面、プリンタ、または他の種類の出力装置に出力を提供する。
【0163】
大容量記憶装置1007は、システムバス1005に接続された大容量記憶装置コントローラ(図示せず)によって中央処理装置1001に接続される。大容量記憶装置1007とその関連するコンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ装置1000のための不揮発性記憶装置を提供する。すなわち、大容量記憶装置1007は、ハードディスクまたはコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)ドライブ等のコンピュータ可読記憶媒体(図示せず)を含み得る。
【0164】
一般性を失うことなく、コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含んでもよい。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読記憶命令、データ構造、プログラムモジュール、またはその他のデータ等の情報を記憶するための任意の方法または技術によって実装された揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能の媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、またはその他の固体記憶装置技術;CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)またはその他の光記憶装置、カセットテープ、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置またはその他の磁気記憶装置を含む。当然、当業者であれば、コンピュータ記憶媒体が上記に限定されないことがわかるであろう。上記のシステムメモリ1004および大容量記憶装置1007は、総称してメモリと呼ぶことがある。
【0165】
メモリは、1つ以上の中央処理装置1001によって実行され、上述の方法実施形態を実行するための命令を含むように構成された1つ以上のプログラムを格納する。1つ以上のプログラムは、中央処理装置1001によって実行されると、中央処理装置1001に上記の方法実施形態による方法を実行させる。
【0166】
本開示の様々な実施形態によれば、コンピュータ装置1000は、インターネット等のネットワークを介して遠隔ネットワークコンピュータに接続されることによって動作することもできる。すなわち、コンピュータ装置1000は、システムバス1005に接続されたネットワークインターフェースユニット1011によってネットワーク1012に接続されてもよく、あるいは、すなわち、コンピュータ装置1000はネットワークインターフェースユニット1011を用いてその他の種類のネットワークまたはリモートサーバーシステム(図示せず)に接続されてもよい。
【0167】
メモリは、1つ以上のプログラムをさらに含む。メモリに格納された1つ以上のプログラムは、本開示の実施形態による方法のコンピュータ装置によって実行されるステップを実行するように構成された命令を含む。
【0168】
コンピュータ可読記憶媒体が本開示の実施形態によってさらに提供される。コンピュータ可読記憶媒体は、そこに少なくとも1つの命令を記憶する。少なくとも1つの命令は、プロセッサによってロードされて実行されると、プロセッサに上記の実施形態で説明した太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法を実行させる。
【0169】
コンピュータプログラム製品が本開示の実施形態によってさらに提供される。コンピュータプログラム製品は、そこに少なくとも1つの命令を記憶する。少なくとも1つの命令は、プロセッサによってロードされて実行されると、プロセッサに上記の実施形態で説明した太陽光発電アレイの動作状態を決定する方法を実行させる。
【0170】
当業者であれば、上述した1つ以上の例において、本開示の実施形態で説明した機能が、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせで実装され得ることを理解するであろう。ソフトウェアで実装される場合、これらの機能は、コンピュータ可読記憶媒体に格納されるか、あるいはコンピュータ可読記憶媒体上の1つ以上の命令またはコードとして伝送され得る。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータ記憶媒体および通信媒体を含む。通信媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体であってもよい。
【0171】
上記は本開示の単なる任意の実施形態にすぎず、本開示を限定することを意図するものではない。本開示の精神および原則内に行われたいかなる修正、均等な置換および改良は、すべて本開示の保護範囲内に含まれるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10