(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】ブラシ
(51)【国際特許分類】
A46B 7/04 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
A46B7/04
(21)【出願番号】P 2021083951
(22)【出願日】2021-05-18
【審査請求日】2021-07-13
(31)【優先権主張番号】P 2020086521
(32)【優先日】2020-05-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511294073
【氏名又は名称】株式会社発明ラボックス
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】松本奈緒美
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-065036(JP,U)
【文献】特開2003-289944(JP,A)
【文献】特表2007-530131(JP,A)
【文献】特開平6-304021(JP,A)
【文献】特開2011-5044(JP,A)
【文献】特開2006-116272(JP,A)
【文献】特開2003-199622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A46B 7/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラシ部と、持ち手となる柄部分とが着脱可能なブラシであって、
前記ブラシ部は、台座部に取り付けた毛束
を着脱する着脱部を備え、
当該着脱部は、
前記毛束が貫通する空洞部及び前記柄部分に固定するための突起部を備え、前記突起部が前記柄部分のレール部に沿って挿入され溝に嵌め込まれた状態で、前記着脱部を回転させることで前記柄部分に前記毛束を固定するものであり、
前記着脱部には前記毛束が挿入される側(入口側)と前記毛束が排出される側(出口側)に穴があり、前記毛束の出口側の穴の形状は、楕円形状、三角形状、四角形状その他の任意の形状である、
ことを特徴とするブラシ。
【請求項2】
ブラシ部と、持ち手となる柄部分とが着脱可能なブラシであって、
前記ブラシ部は、
毛束を取り付けた台座部と、
前記毛束を貫通させる空洞を有し、当該空洞に前記毛束を貫通させた状態で前記柄部分に着脱させる着脱部とを備え、
前記着脱部は、前記柄部分に固定するための突起部を備え、前記突起部が前記柄部分のレール部に沿って挿入され溝に嵌め込まれた状態で、前記着脱部を回転させることで前記柄部分に固定すると共に、
前記着脱部には前記毛束が挿入される側(入口側)と前記毛束が排出される側(出口側)に穴があり、前記毛束の出口側の穴の形状は、楕円形状、三角形状、四角形状その他の任意の形状であり、且つ、前記着脱部の回転により任意の形状に成形されたブラシ部を所望の位置に回転させることを特徴とするブラシ。
【請求項3】
前記着脱部の空洞の毛束出口形状は、少なくとも楕円形状、三角形状、四角形状のいずれか1つであることを特徴とする請求項1又は2に記載のブラシ。
【請求項4】
前記毛束は融着又は植毛によって前記台座に取り付けられたことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のブラシ。
【請求項5】
前記着脱部の突起部は、前記空洞の外壁に設けられたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載のブラシ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物を磨くブラシに関し、特に歯を磨くブラシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ブラシ部分と、持ち手の部分の柄部分とが着脱可能になった歯ブラシがある(下記の特許文献1を参照)。このような歯ブラシは、ブラシ部分のみを交換できるため、部位に応じたブラシへの交換ができたり、ブラシ部分が機能しなくなった場合に簡単に交換することができたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような歯ブラシの場合、毛先だけが悪くなっても毛先のみの交換ができず、毛先と一体化したカートリッジ部分、すなわちブラシ部分の全体を交換しなければならず、資源の無駄使いとなっていた。
【0005】
本発明は、上記従来の問題を解消するためのものであって、ブラシ部分の交換時に資源の無駄使いを防止することができるブラシを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るブラシは、ブラシ部と、持ち手となる柄部分とが着脱可能なブラシであって、前記ブラシ部は、毛束を設けた着脱部を備え、当該着脱部は、前記柄部分に固定するための突起部を備え、前記突起部が前記柄部分のレール部に沿って挿入され溝に嵌め込まれた状態で、前記着脱部を回転させることで前記柄部分に固定することを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るブラシは、ブラシ部と、柄部分となる柄部分とが着脱可能なブラシであって、前記ブラシ部は、毛束を取り付けた台座部と、前記毛束を貫通させる空洞を有し、当該空洞に前記毛束を貫通させた状態で前記柄部分に着脱させる着脱部とを備え、 前記着脱部は、前記柄部分に固定するための突起部を備え、前記突起部が前記柄部分のレール部に沿って挿入され溝に嵌め込まれた状態で、前記着脱部を回転させることで前記柄部分に固定することを特徴とする。
【0008】
上記発明において、前記着脱部の空洞の毛束出口形状は、少なくとも楕円形状、三角形状、四角形状のいずれか1つとするのが好ましい。また、前記毛束は融着又は植毛によって前記台座に取り付けるようにするのが好ましい。更に、前記着脱部の突起部は、前記空洞の外壁に設けても良い。
【0009】
本発明に係るブラシにあっては、前記着脱部を回転させることで前記柄部分に着脱可能としているため、ブラシ部分の交換時に資源の無駄使いを防止することができる。
【0010】
また、本発明に係るブラシにあっては、前記着脱部の空洞の毛束出口形状が、少なくとも楕円形状、三角形状、四角形状のいずれか1つであることにより、歯の形状や箇所に応じて毛束の密集部分を形成でき、それにより強度が増し、固めのブラシとしても利用できる。
【0011】
また、本発明に係るブラシにあっては、前記毛束が融着又は植毛によって前記台座に取り付けられたことにより、一部の部品の交換のみで済み、資源の無駄使いを防止することができる。
【0012】
また、本発明によるブラシにあっては、前記着脱部の突起部が、前記空洞の外壁に設けられたことにより、着脱部の柄部分への固定を容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るブラシを示す構成図である。
【
図2】
図1に示したブラシの先端部分の拡大図である。
【
図4】
図1に示したブラシの柄部分の差し込み口に形成されるレール部を示す説明図である。
【
図5】ブラシの柄部分の差し込み口を示す断面図である。
【
図6】
図1に示したブラシのブラシ部の各構成を示す説明図である。
【
図7】ブラシ部及び柄部分を半分に割ったモデルを示す説明図である。
【
図8】
図6に示したブラシ部及び柄部分が分離した状態でのA-A断面図である。
【
図9】着脱部の出口側の穴側から見た正面図である。
【
図10】着脱部を柄部分に取り付け、着脱部を回転させて柄部分に固定させる状態を示す説明図である。
【
図11】本発明に係るブラシの変形例を示す斜視図である。
【
図13】着脱部を回転させて柄部分に毛束を固定させる状態を示す説明図である。
【
図14】本発明の実施の形態2に係るブラシを示す斜視図である。
【
図16】本発明の実施の形態2に係るブラシを示す斜視図である。
【
図18】本発明の実施の形態4に係るブラシを示す斜視図である。
【
図20】本発明の実施の形態5に係るブラシを示す斜視図である。
【
図22】本発明の実施の形態6に係るブラシを示す斜視図である。
【
図24】本発明の実施の形態7に係るブラシを示す斜視図である。
【
図27】組み立て状態でのブラシを示す斜視図である。
【
図28】ブラシの使用形態の一例を示す説明図である。
【
図29】本発明の実施の形態8に係るブラシを示す斜視図である。
【
図34】タッチペンのタブレット端末に対する使用例を示す説明図である。
【
図35】本発明の実施の形態8に係るブラシを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るブラシを示す構成図である。
図2は、
図1に示したブラシの先端部分の拡大図である。このブラシ10は、ブラシ部11と、持ち手となる柄部分12とが着脱可能なブラシ10であって、ブラシ部11は、毛束13を取り付けた台座部14と、台座部14の毛束13を貫通させる空洞15を有し且つ当該空洞15に毛束13を貫通させた状態で柄部分12に着脱させる着脱部16とを備える。着脱部16は、柄部分12に固定するための突起部17を有し、突起部17が柄部分12の略前後方向に設けたレール部31に沿って挿入され、内側周方向に設けた溝18に嵌め込まれた状態で前記着脱部16を回転させることで柄部分12に固定される。レール部31と溝18とは突起部17が内部を移動する観点で連続している。
【0015】
前記柄部分12は、研磨対象(例えば、歯など)を磨く際にユーザの持ち手となる部分である。
図3に示すように、柄部分12はユーザが持った際にユーザの力が伝わりやすいように、また磨きやすいように一方向に反った形状をしている。なお、柄部分12の形状は、同図に示したものに限定されるものではなく、他の形状(例えば、反っていない直線の形状など)であってもよい。
【0016】
また、前記柄部分12の素材は、例えばポリプロピレン、ABS樹脂、飽和ポリエステル樹脂などが考えられるが、これらに限定されるものではない。また、電動で磨くことができるように、柄部分12に動力発生手段(例えば、乾電池や充電池を電源とした動力発生手段)が含まれており、柄部分12に設けられた不図示のスイッチをON(オン)にするとブラシ部11に振動が与えられ、研磨対象を研磨できる構成にしても良い。係る構成によれば、例えば電動歯ブラシを構成できる。
【0017】
前記ブラシ部11は、毛束13を取り付けた台座部14と、前記毛束13を貫通させる空洞15を有し且つ当該空洞15に毛束13を貫通させた状態で柄部分12に着脱させる着脱部16とから構成されている。前記毛束13の毛先を着脱部16の後方部19(着脱部16が柄部分12に接する側)から挿入する。
【0018】
毛束13を挿入することによって、台座部14が着脱部16の後方部19に接するが、円形をした台座部14の径は、着脱部16の後方部19の穴径より大きく構成される。そのため、台座部14は空洞15の内部に入ることなく、後方部19のところで止められる。すなわち、後方部19が台座部14のストッパーとなる。
【0019】
台座部14が着脱部16の後方部19に接した状態、すなわち毛束13を着脱部16に合体させた状態で前記柄部分12に差し込まれる(嵌め込まれる)。柄部分12に差し込まれた状態を
図2に示す。ここで、着脱部16が差し込まれる柄部分12の部分について説明する。
【0020】
図4に示すように、着脱部16が差し込まれる柄部分12の差し込み口30には、着脱部16に設けられた突起部17の位置に合わせたレール部31が差し込み方向に沿って形成されている。突起部17は、空洞15の外壁となる着脱部16の外周に設けられており、この例では4つの突起部17が等間隔(空洞15の上部、下部、左部、右部)に設けられている。ここでは4つの突起部17が設けられているため、レール部31もそれにあわせて4つ設けられている。突起部17の形状は円筒状に限定されるものではなく、他の形状であってもレール部13に沿って挿入できればよい。
【0021】
突起部17をそれぞれのレール部31に合わせて着脱部16に設けられた溝18がある部分まで押し込み、押し込んだ状態で着脱部16を回転させることで溝18に突起部17が係止され、ブラシ部11を柄部分12に固定する。
【0022】
図5に、柄部分12の差し込み口30の断面を示す。溝18は差し込み口30の円周に沿って形成されており、前記レール部31と接続している。レール部31に沿って突起部17が溝18まで押し込まれ、その状態で着脱部16を右又は左方向に回転されると突起部17がレール部31からずれて、溝18に沿って移動する。これにより、溝18の側壁が突起部17のストッパーとなる結果、着脱部16が柄部分12の差し込み口30から抜けずにブラシ部11が柄部分12に係止固定される。
【0023】
一方、ブラシ部11を柄部分12から取り外す場合は、着脱部16を前記突起部17がレール部31に合致するところまで回転させ、溝18による係止状態を解除し、レール部31に沿って着脱部16の挿入方向とは逆方向に抜くと着脱部16が柄部分12から分離し、ブラシ部11を柄部分12から取り外すことができる。これにより、毛束13を容易に交換できる。なお、柄部分12の台座部14が接する部分には通気口20(
図1を参照)を設け、カビの発生を防ぐことができるようにしてもよい。
【0024】
毛束13を取り付けた台座部14について説明する。毛束13は複数の毛(例えば、プラスティック製、人工毛、動物毛、人毛などのいずれか一つ又はそれらの組み合わせ)から構成され、台座部14(例えば、プラスティック板など)に付けられている。すなわち、毛束13は融着又は植毛によって台座部14に取り付けられている。毛束13の台座部14への固定は、例えば接着剤などによる融着や植毛などが考えられるが、固定方法はこれらに限定されるものではない。
【0025】
このとき、
図6に示すように、毛束13は円柱形状になるように台座部14に固定配置されている。着脱部16には毛束13が挿入される側(入口側)と毛束13が排出される側(出口側)に穴があり、
図6に示す例では、入口側の穴50は毛束13が配置された円形状と同じ形状の穴となる。
【0026】
一方、毛束13の出口側の穴51の形状、すなわち着脱部16の空洞15の毛束13の出口形状は、楕円形状、三角形状、四角形状のいずれかである。
図6の例では楕円形状となる。なお、入口側の穴50の形状は円形状だけでなく、楕円形状、三角形状、四角形状などであってもよい(図示省略)。毛束13の出口形状を楕円形状などにすることにより、毛束13の先端も楕円形状となるので、歯の形状や箇所に応じて毛束13の密集部分を形成でき、その密集部分において毛束13の腰が強いブラシとなる。
【0027】
図7は、ブラシ部11及び柄部分12を半分に割ったモデルを示す説明図である。
図8は、
図6に示したブラシ部11及び柄部分12が分離した状態でのA-A断面図である。
図9は、着脱部16の出口側の穴51側から見た正面図である。出口側の穴51は楕円形状になる。円柱形状の毛束13の径は着脱部16の入口側の穴50の円形状の径と略同じである。また入口側の穴50の面積と出口側の穴51の面積とは略同じとすることで、出口側の穴51から突出する毛束13は出口側の穴51の形状と同じ又は相似形となる。
【0028】
図10は、着脱部16を柄部分12に取り付け、着脱部16を回転させて柄部分12に固定させる状態を示す説明図である。同図に示すように、着脱部16を柄部分12に取り付けた後(押し込んだ後)、着脱部16を矢印方向に回転させることで着脱部16に設けられた突起部17を柄部分12に設けられた溝18に嵌め込んで着脱部16を柄部分12に係止固定させる。また、突起部17が溝18に嵌合し且つレール部31の位置からずれている状態であれば、着脱部16を所望の位置に回転させた状態で使用できる。例えば、歯ブラシとして使用する場合では歯を磨きやすい角度に設定できる。
【0029】
図11は、本発明に係るブラシの変形例を示す斜視図である。このブラシは掃除等に好適な形状のものである。
図11の変形例では、柄部分12に取り付けた着脱部16の出口側の穴51から毛束13が突出されており、毛束13が突出される着脱部16の出口側の穴51の形状が楕円形状である場合を示している。この例においても穴51の形状と近似する形状に毛束13が整形されて突出する。係る構造によっても所望の形状に毛束13を整形して使用できる。図示しないが、穴51の形状は任意の形状のものにでき、異なる形状の穴51を有する着脱部16を複数用意しておくことで、ブラシの毛束13の形状を任意に変更できる。
【0030】
図12は、
図11に示したブラシの組立図である。毛束13を固定する場合、当該毛束13を着脱部16に挿入し、毛束13が挿入された着脱部16を柄部分12に嵌め込んで固定する。
図13は、着脱部16を回転させて柄部分12に毛束13を固定させる状態を示す説明図である。同図に示すように、着脱部16を柄部分12に取り付けた後(押し込んだ後)、着脱部16を矢印方向に回転させることで、着脱部16に設けられた突起部17を柄部分12に設けられた溝18に嵌め込んで着脱部16を柄部分12に固定させる。なお、同図の例では、着脱部16の出口側の穴51の形状は楕円形状ではなく楔形状である。また、穴51の形状は、これら楕円または楔形状に限定されず、任意の形状を選択できる。
【0031】
(実施の形態2)
図14は、本発明の実施の形態2に係るブラシを示す斜視図である。
図15は、
図14に示したブラシの組立図である。このブラシは、塗装などで用いられる刷毛(ブラシ)170である。刷毛170は、持ち手である柄部分171に着脱部173を介して毛束172を取り付けたものである。
【0032】
当該刷毛170は、毛束172が挿入される着脱部173の入口側の穴174から毛束172を挿入し、着脱部173に挿入された毛束172、すなわちブラシ部176を柄部分171に嵌め込むことによりブラシ部176が柄部分171に固定装着され、刷毛170が完成する。入口側の穴174の形状は、例えば毛束172が配置された形状(例えば、四角形状)と同様であり、着脱部173の出口側の穴175の形状は、例えば楕円形状、三角形状などである。これにより、毛束172の密集部分が形成でき、密集により強度が増し、固めの刷毛170として利用することができる。また、毛束172を容易に交換することができるため、色分けして塗装する際、色ごとに毛束172やブラシ部176を分けることができる。
【0033】
前記着脱部173の柄部分171への装着は、上述したように、柄部分171側に形成された溝に着脱部173の外側の外周に設けられた突起部を、柄部分171側の差し込み口に設けられたレール部を介して嵌める。嵌めあいは、しまりバメ程度としてブラシ部176を柄部分171に固定する。なお、ここでは毛束172の長さが均一になっているが、これに限定されることなく、不均一であってもよい。
【0034】
この刷毛170によれば、塗装などに使用する場合、刷毛ごと交換することが多く不経済であり、高価な毛を用いた刷毛はコストが高いことから、柄部分170をそのまま使用可能とし、ブラシ部176のみ交換することでコストを低減できる。また、建設現場では大量の使用済みの刷毛が発生するので、ブラシ部176のみがごみとなれば全体のごみ量を相当低減できる。また、着脱部173は単純な差し込み型であるから、塗料による固着があってもブラシ部176を引き抜くのは容易である。なお、刷毛170は塗装などに用いられるものであるため、塗装対象(鉄、板、プラスティックなどの材質や大きさ)に応じて毛束132の毛の硬さや量を変えるようにしてもよい。なお、刷毛170の柄部分171の形状は
図14、
図15に示すものに限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0035】
(実施の形態3)
図16は、本発明の実施の形態2に係るブラシを示す斜視図である。
図17は、
図16に示したブラシの組立図である。このブラシ10は、毛染めなどで用いられる刷毛190である。刷毛190は、持ち手である柄部分191に着脱部193を介して毛束192を取り付けた構造である。
【0036】
この刷毛190は、毛束192が挿入される着脱部193の入口側の穴194から毛束192を挿入し、着脱部193に挿入された毛束192、すなわちブラシ部196を柄部分191に押し込む。嵌めあいは、しまりバメ程度としてブラシ部196を柄部分191に固定する。これによりブラシ部196が柄部分191に装着され、刷毛190が完成する。入口側の穴194の形状は、例えば毛束192が配置された形状(例えば、四角形状)と同様であり、着脱部193の出口側の穴195の形状は、例えば楕円形状、三角形状、四角形状などである。これにより、毛束192の密集部分が形成でき、密集により強度が増し、固めの刷毛190として利用することができる。
【0037】
着脱部193の柄部分191への装着は、上述したように、柄部分191側に形成された不図示の溝に着脱部193の外側の外周に設けられた不図示の突起部を、柄部分191側の差し込み口に設けられた不図示のレール部を介して嵌めることで、ブラシ部196を柄部分191に固定する。なお、ここでは毛束192の長さが均一になっているが、これに限定されることなく、不均一であってもよい。
【0038】
また、この例では毛束192とは別に櫛197が刷毛190に設けられており、毛束192と櫛197を用いて毛染めをすることができる。また、毛束192の毛の量は毛染めする部位に応じて変えるようにしてもよい。また、櫛197も毛束にして毛染めの部位に応じて両方の毛束を使い分けるようにしてもよい。また、
図16、
図17では毛束192の形状が毛先に向かって細くなっているが、毛先に向かって細くなるものに限定されるものではなく、また更に毛先に向かってより細くなっているものでもよい。
【0039】
このように、毛染め用の刷毛の毛束部分が変えられることにより、廃棄せずに複数回利用でき、資源の無駄使いを防止することができる。また、毛染液により着脱部193と柄部分191が固着しても、これらは差し込みで固定されているだけなので簡単に引き抜くことができる。すなわち、上記実施の形態と同様、固着する頻度が高い液体を用いるブラシにおいては、差し込みのみで固定する方法がブラシ交換の観点から好ましい。
【0040】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4に係るブラシを示す斜視図である。
図19は、
図18に示したブラシの組立図である。このブラシは、絵筆や掃除用ブラシなどのブラシ210である。ブラシ210は、持ち手である柄部分211に着脱部213を介して毛束212を取り付けたものである。
【0041】
このブラシ210は、毛束212が挿入される着脱部213の入口側の穴214から毛束212を挿入し、着脱部213に挿入された毛束212、すなわちブラシ部216を柄部分211に押し込む。嵌めあいは、しまりバメ程度としてブラシ部216を柄部分211に固定する。これによりブラシ部216が柄部分211に装着され、ブラシ210が完成する。入口側の穴214の形状は、例えば毛束212が配置された形状(例えば、四角形状)と同様であり、着脱部213の出口側の穴215の形状は、例えば楕円形状、三角形状、四角形状などである。これにより、毛束212の密集部分が形成でき、密集により強度が増し、固めのブラシ210として利用することができる。なお、
図18、
図19では出口側の穴215の形状は四角形状となっている。
【0042】
着脱部213の柄部分211への装着は、上述したように、柄部分211側に形成された不図示の溝に着脱部213の外側の外周に設けられた不図示の突起部を、柄部分211側の差し込み口に設けられた不図示のレール部を介して嵌め込んで固定する。なお、ここでは毛束212の長さが均一になっていないが、これに限定されることなく、均一であってもよい。長さが均一になっていないことにより、細かな部位に色を付けたり、細かな部位を掃除したりする際、簡単に色付けや掃除をすることができる。また、柄部分211の形状はこれに限定されるものではなく、他の形状であってもよい。
【0043】
絵筆や掃除用ブラシとして使用する際は毛束212の損耗が激しいことから、交換頻度が高くなる。特に掃除用ブラシの場合は、異なる素材の毛や長さ(腰の強さなど)のものに交換することで掃除箇所に対して適切に対応できる。この場合、毛の種類ごとにそれぞれ全体を準備するのは不経済であり、毛束212が消耗した際に全体を廃棄せずに済むことから、特に事業として掃除を行う場合に有用である。
【0044】
(実施の形態5)
図20は、本発明の実施の形態5に係るブラシを示す斜視図である。
図21は、
図20に示したブラシの組立図である。このブラシ230は、掃除ロボットなどに用いられるクリーニングのブラシ230である。ブラシ230は、柄部分231に着脱部233を介して毛束231を取り付けたものである。
【0045】
このブラシ230は、毛束232が挿入される着脱部233の入口側の穴234から毛束232を挿入し、着脱部233に挿入された毛束232、すなわちブラシ部236を柄部分231に押し込むことでブラシ部236が柄部分231に装着され、ブラシ230が完成する。柄部分231に対するブラシ部236の嵌めあいは、しまりばめ程度とするのが好ましい。入口側の穴234の形状は、例えば毛束232が配置された形状(例えば、四角形状)と同様であり、着脱部233の出口側の穴235の形状は、例えば楕円形状、三角形状、四角形状などである。これにより、毛束232の密集部分が形成でき、密集により強度が増し、固めのブラシ230として利用することができ、部屋の隅の埃などをかき出すことができる。なお、
図20、
図21では出口側の穴235の形状は四角形状となっている。
【0046】
着脱部233の柄部分231への装着は、上述したように、柄部分231側に形成された不図示の溝に着脱部233の外側の外周に設けられた不図示の突起部を、柄部分231側の差し込み口に設けられた不図示のレール部を介して嵌める。これにより、ブラシ部236は柄部分231に固定される。なお、ここでは毛束232の長さが均一になっているが、これに限定されることなく、不均一であってもよい。また、毛束232の長さを掃除する部位に応じて変えるようにしてもよい。
【0047】
(実施の形態6)
図22は、本発明の実施の形態6に係るブラシを示す斜視図である。
図23は、
図22に示したブラシの組立図である。このブラシは、化粧ブラシである。ブラシ250は柄部分251に着脱部253を介して毛束252を取り付けたものである。
【0048】
このブラシ250は、毛束252が挿入される着脱部253の入口側の穴254から毛束252を挿入し、着脱部253に挿入された毛束252、すなわちブラシ部256を柄部分251に押し込み、着脱部253を回転させることによりブラシ部256が柄部分251に装着され、ブラシ250が完成する。入口側の穴254の形状は、例えば毛束252が配置された形状(例えば、円形状)と同様であり、着脱部253の出口側の穴255の形状は、例えば楕円形状、三角形状、四角形状などである。これにより、毛束252の密集部分が形成でき、密集により強度が増し、固めのブラシ250として利用することができる。
【0049】
着脱部253の柄部分251への装着は、上述したように、柄部分251側に形成された不図示の溝に着脱部253の外側の外周に設けられた不図示の突起部を、柄部分251側の差し込み口に設けられた不図示のレール部を介して嵌め、着脱部253を回転させるなどする。これにより、ブラシ部256は柄部分251に固定される。なお、ここでは毛束252の長さが均一になり、毛先が丸まっているが、これに限定されることなく、不均一であって、毛先が丸まっていなくてもよい。
【0050】
また、ブラシ250は化粧ブラシであるため、毛束252に用いられる毛は、例えば動物の原毛である。また、化粧する部位に応じて動物の原毛の種類や量を変えるようにしてもよい。
【0051】
(実施の形態7)
図24は、本発明の実施の形態7に係るブラシを示す斜視図である。
図25及び
図26は、
図24に示したブラシの組立図である。このブラシ270は、上記実施の形態とは異なり、毛束272が着脱部273に予め固定された化粧ブラシである。また着脱部273は、長尺であり且つ端部を持ち手である柄部分271に押し込み、当該着脱部273を回転させることによりブラシ部276が柄部分271に装着され、ブラシ270が完成する。毛束272は、先端が平らに成形されており、これにより毛束272も板状に成形される。毛束272は、平筆のようになることからメイク等の化粧用のブラシに好適である。
【0052】
着脱部273の柄部分273への装着は、柄部分273の側に形成された溝278に着脱部273の外側の外周に設けられた突起部275を、柄部分271側の差し込み口に設けられたレール部279にガイドされつつ嵌め込み、
図26に示すように、着脱部273を回転させる。これにより、突起部275が溝278に嵌り且つ溝278が突起部275の差し込み方向での動きを規制するので、ブラシ部276は柄部分271に固定される。
【0053】
図27は、組み立て状態でのブラシを示す斜視図である。
図28は、ブラシの使用形態の一例を示す説明図である。このブラシ270は、柄部分271の毛束272に所望の化粧品、例えばアイブローパウダーを付着させて化粧を行う。この際、着脱部273が外れない範囲で当該着脱部273を回転させることで、広く塗布することも狭く塗布することもできる。なお、突起部275とレール部279とを180度ごとに2つ設けることで、着脱部273の回転可動範囲を180度近くまで広げることができる。
【0054】
また、係る構成では、使用に伴い毛束272が広がったり消耗するので着脱部273ごと交換する。ブラシ部276は、同図の例では平筆のような構造であるが、柄部分271との取り合い部分を共通にして先端の毛束の形状を変更することで、様々な化粧の用途に使用できる。例えば、先端が尖った形状、丸みを帯びた形状の毛束を有するブラシ部を装着して使用できる(図示省略)。また、着脱部273が長尺であることから手を顔から離した状態で使用できるので便利である。化粧の際に手が邪魔で顔が見難くなるのを防止できる。更に、着脱部273を柄部分271に固定しない状態でも使用できる。このためには、着脱部273の全長は30mm以上100mm以下に設定するのが好ましい。
【0055】
(実施の形態8)
図29は、本発明の実施の形態8に係るブラシを示す斜視図である。
図30は、
図29に示したブラシの先端部分の拡大図である。このブラシ280は、タブレット端末などで使用するタッチペンである。
図32に示すように、ブラシ部286は、毛束282と着脱部283とが一体化しており、上記同様、持ち手となる柄部分281の端部に設けたレール部289に着脱部283の突起部285を合わせて差し込み、
図33に示すように回転させて突起部285と溝288を内部係止させ当該ブラシ部を持ち手に固定する。
【0056】
前記毛束282は導電繊維からなる。この導電繊維は、着脱部283の内部で柄部分281に電気的に接続される。具体的には、着脱部283の後端部に電極(図示省略)が設けられ、当該電極が前記毛束282の根元と接続され通電状態になる。前記電極は、これと対向する位置に設けた柄部分281側の電極(図示省略)と装着時に接触して導通する。柄部分281側の電極は、柄部分281の外周に設けた接点284に接続している。この接点284は、使用時にユーザが指に触れる部分に設ける。同図の例では二つの接点284が設けられているが、柄部分281の全周に接点を面状に展着しても良い。
【0057】
図31に示すように、ブラシ部286は毛束282の形状が異なるものを複数用意しておくことができる。
図34は、当該タッチペンのタブレット端末に対する使用例を示す説明図である。タブレットに描画を行うアプリケーションを表示させ、このタッチペンを用いて描画する。筆状になっているため、水彩画等を描く感覚でデジタル描画が可能となる。また、ブラシ部286を交換して毛束282の形状を変更することで異なる描画感覚を得ることができる。
【0058】
このブラシ部286は、着脱部283の内部に毛束282が配置され且つ先端では絞った形で突出させてあるので腰が強いブラシを構成できる。毛束282を突出させる穴の形状を変更することで様々な形状の毛束282を作ることができる。長尺の長方形の穴であれば平筆ようになり、楕円形状の穴であれば楕円柱の筆ができる。また、筆圧の検出を可能とするため、毛束282の腰を強く設定しても良い。毛の径を太くしたり、毛束282の長さを短くすることで全体として腰が強くなり、筆圧の検出を可能とすることができる。
【0059】
このブラシは、毛束282の形状を容易に変更できる。また、毛束282の寿命になったときに簡単に交換できる。特にブラシ部286のみの交換で済むため維持費が安い。
【0060】
(実施の形態9)
図33は、本発明の実施の形態9に係るブラシを示す斜視図である。このブラシ300は、柄部分301の内部に電源302を備え、装着部303の先端から光を射出する構成である。このブラシ300は、例えば歯ブラシである。柄部分301および装着部303は透明な樹脂からなる。柄部分301の内部であってグリップ部分301aには、LED等の光源304及び光源用の電源302及び電気回路305が設けられる。少なくとも光源304からブラシ部306までは透明の樹脂で構成される(同図では説明のため毛束を省略する)。柄部分301及びブラシ部306の外周表面は、反射率の高いアルミ蒸着等により反射膜を形成しても良いし、単なる透明のままでも良い。また、光を内部に反射する界面があればよく、屈折率が内部より低い透明の樹脂層を外側に形成するようにしても良い。柄部分301の側面にはスイッチ307が設けられる。
【0061】
柄部分301の側面のスイッチ307を押すことで光源304が点灯する。光源304の光は柄部分301の内部から内部反射を繰り返してブラシ部306に至る。ブラシ部306は、装着部303に毛束が設けられており、毛束は化学繊維の半透明である。また装着部自体が透明である。前記光源304の光は、柄部分301の端面から出て装着部303の端面(柄部分301側、図示省略)から入り、先端側から出る。先端側は、装着部303の外周面であり且つ毛束自体であり、これらが透明または半透明であるため、これらから光が発出される。これによりブラシ300の先端から光が照射されるため視認性が非常に良くなる。
【0062】
また、前記ブラシ部306を交換することで様々な形状のブラシを使用でき、柄部分301を兼用できるので経済的である。当該ブラシを歯ブラシとして使用する場合、鏡を見ながら磨くエリアに光が届き大変よく見える。このため、歯ブラシを鏡で見ながら確認しつつ歯磨きができる。更に、化粧ブラシとして使用する場合、暗い場所でも化粧をする部分を光で照らすことができるので、大変便利である。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明に係るブラシは、ブラシ部の交換時に資源の無駄使いを防止することができるため、産業上の利用可能性を有している。
【符号の説明】
【0064】
10、170、210、230、250 ブラシ
11、176、196、216、236、256 ブラシ部
12 柄部分
13、172、192、212、232、252 毛束282
14 台座部
15 空洞
16、173、193、213、233、253 着脱部283
17 突起部
18 溝
19 後方部
20 通気口
30 差し込み口
31 レール部
50、174、194、214、234、254 入口側の穴
51、175、195、215、235、255 出口側の穴
170、190 刷毛
171、191、211、231、251 柄部分301
197 櫛