(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの医薬製剤
(51)【国際特許分類】
A61K 31/569 20060101AFI20230719BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20230719BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230719BHJP
A61K 47/14 20170101ALI20230719BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230719BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A61K31/569
A61K9/08
A61K9/48
A61K47/14
A61P1/16
A61P9/00
(21)【出願番号】P 2020545883
(86)(22)【出願日】2018-11-27
(86)【国際出願番号】 EP2018082727
(87)【国際公開番号】W WO2019102040
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2021-11-12
(32)【優先日】2017-11-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520184251
【氏名又は名称】ウメクリン コグニチオン アーべー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】アルハジフ,ポール
(72)【発明者】
【氏名】ドベルスコグ,マグヌス
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,マヤ
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,トマス
(72)【発明者】
【氏名】シュイッパー,ニコラス
【審査官】春日 淳一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/114308(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/033556(WO,A1)
【文献】特表2016-520656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K,A61P
CAplus,REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む
脂質溶液の形態の経口医薬製剤であって、:
(i) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム
【化1】
;及び
(ii) 以下:
a)45~100%のモノエステル;
b)必要に応じて、51%までのジエステル;
c)必要に応じて、約10%までのトリエステル;
を含むビヒクルであって、
ここで、前記モノエステル、ジエステル(存在する場合)及び/又はトリエステル(存在する場合)は、以下:
・ 50~90%の量のカプリル酸(C8);
・ 10-50%の量のカプリン酸(C10);
・ 3%までの量のカプロン酸(C6);
・ 100%までの量のラウリン酸(C12);
・ 12%までの量のパルミチン酸(C16);
・ 3%までの量のミリスチン酸(C14);
・ 6%までの量のステアリン酸(C18);
・ 100%までの量のオレイン酸(C18:1);
・ 35%までの量のリノール酸(C18:2);
のうちの1つ以上から選択される脂肪酸を含み
、
前記モノエステルは、モノグリセリド又はプロピレングリコールのモノエステルであり、前記ジエステルが存在する場合、ジグリセリド又はプロピレングリコールのジエステルであり、且つ、前記トリエステルが存在する場合、トリグリセリドであり、且つ
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量は、組成物の総重量の0.1~10重量%である、医薬製剤。
【請求項2】
請求項1に記載の医薬製剤であって、ここで、当該製剤が3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム及び前記ビヒクルのみからなる、医薬製剤。
【請求項3】
前記モノエステルがモノグリセリドであり、前記ジエステルが存在する場合、ジグリセリドであり、且つ、前記トリエステルが存在する場合、トリグリセリドである、請求項
1に記載の医薬製剤。
【請求項4】
前記モノエステルが、モノカプロン酸グリセロール、モノカプリル酸グリセロール、モノデカン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、モノミリスチン酸グリセロール、モノパルミチン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノリノール酸グリセロールのいずれか1つから選択されるモノグリセリドである、請求項
1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項5】
前記モノエステルが、カプリル酸プロピレングリコール、カプロン酸プロピレングリコール、デカン酸プロピレングリコール、パルミチン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、リノール酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、及びオレイン酸プロピレングリコールSEのいずれか1つから選択されるプロピレングリコールのモノエステルである、請求項
1に記載の医薬製剤。
【請求項6】
前記ジエステルが、プロピレングリコールジカプロエート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジデカノエート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジパルミテート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレエート、及びプロピレングリコールジリノレートのいずれか1つから選択されるプロピレングリコールのジエステルである、請求項
1に記載の医薬製剤。
【請求項7】
前記ジエステルが、ジカプロン酸グリセロール、ジカプリル酸グリセロール、ジデカン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジミリスチン酸グリセロール、ジパルミチン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール及びジリノール酸グリセロールのいずれか1つから選択されるジグリセリドである、請求項
1~3のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項8】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量が、当該製剤の総重量の0.1~5重量%である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項9】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量が、当該製剤の総重量の0.1~4重量%である、請求項1~
7のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項10】
前記医薬製剤中のビヒクルの量が、当該製剤の総重量の90~99.9重量%である、請求項1~
9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項11】
前記医薬製剤中のビヒクルの量が、当該製剤の総重量の95~99.9重量%である、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項12】
前記脂肪酸が50~90%の量のカプリル酸(C8)であり、及び10~50%の量のカプリン酸(C10)である、請求項1~
11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項13】
前記ビヒクルが、
モノカプリル酸グリセロールとモノデカン酸グリセロールの混合物、
カプリル酸とカプリン酸のモノグリセリドとジグリセリドの混合物、
モノオレイン酸グリセロール、
モノラウリン酸プロピレングリコール、又は
モノカプリル酸プロピレングリコール、
である、請求項1に記載の医薬製剤。
【請求項14】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを1mg~200mg、10mg~100mg、3mg~30mg、又は30mg~60mgの量で含む、請求項1~
13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項15】
当該製剤がカプセルに充填される、請求項1~
14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
【請求項16】
前記カプセルが5mg~40mg又は10mg~20mgの3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを含む、請求項
15に記載の医薬製剤。
【請求項17】
請求項1~
14のいずれか一項に記載の医薬製剤を作製するための方法であって、それにより、:
(a) 前記ビヒクルが15℃~80℃の温度に加熱されている;及び
(b) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを、必要に応じて微粉化された形態で、15℃~80℃の温度で、化合物が完全に溶解して透明な溶液が提供されるまで攪拌しながら前記ビヒクルに添加し、その後、前記溶液は任意でカプセルに充填される;
方法。
【請求項18】
ステップ(a)において、前記ビヒクルが60℃~75℃の温度に加熱される、請求項
17に記載の方法。
【請求項19】
ステップ(b)において、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが完全に溶解すると、前記温度は約30℃に低下する、請求項
17又は
18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、新規な医薬製剤、治療における、例えば過眠症及び肝性脳症などの病状の治療などにおえる、その使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
医薬品開発における最大の課題の1つは、薬物化合物が非常に度々、水性媒体に難溶である、又は溶けにくいことである。不十分な薬物溶解度は、ひいては、ヒト及び動物などの対象に投与されたときの薬物の不十分なバイオアベイラビリティ及び不十分な血漿曝露を意味する。
【0003】
創薬プログラムで特定されたすべての新しい化学物質の40%から70%は、水性媒体への溶解性が不十分であると推定されている(M. Lindenberg, S et al.: European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceuticals, vol. 58, no.2, pp. 265-278, 2004; D.J. Hauss: Drugs and Pharmaceutical Sciences, Vol. 170, pp. 1-339, Informa Healthcare NC, 2007)。
Gupta et al.; Volume 2013、記事ID 848043 記事 http://dx.doi.org/10.1155/2013/848043を参照。
科学者たちは、経口で投与したときのその臨床効果を高めることを目的として、吸収性の低い薬物のバイオアベイラビリティを高めるために、薬物溶解度が低いという問題を解決するさまざまな方法を調査した。表面積及びしたがって溶解の増加などの技術は、溶解性の問題を解決することがある。バイオアベイラビリティの問題も解決する可能性のある他の技術は、界面活性剤とポリマーの添加である。しかし、各化合物は独自の化学的及び物理的特性を持っているため、その臨床効果を発揮できる医薬品に製剤化する際には、それぞれ異なる課題がある。
【0004】
異なる種類の脂質で薬剤を製剤すること(formulating)は、特定の薬物にとって有用である。経口投与用の脂質製剤は、一般に、純粋なトリグリセリドオイル、モノグリセリド、ジグリセリド、及び親油性もしくは親水性の界面活性剤と共溶媒のかなりの部分に及ぶ、さまざまな物理化学的特性を持つ賦形剤のブレンドに溶解した薬物で構成される。
【0005】
いずれの脂質ベースの製剤に適切な賦形剤を選択する際の主な考慮事項は、完全な用量を可溶化する能力を持ち、且つ経口で摂取でき、且つ患者が飲み込むことができるサイズの薬剤の処方単位用量を同時に提供する1つ以上の賦形剤を特定することである。通常、タブレット又はカプセルのサイズと組み合わせた薬物の負荷が制限要因である。
【0006】
脂質ベースの製剤は、1つの脂質のみ、又は異なる種類の脂質の組み合わせた混合物を含有することができる。また、難溶性薬物を製剤化する際に、薬物の安定性だけでなく満足のいく溶解性を得るために、1つ以上の追加の賦形剤も含める必要があることも一般的である。いくつかのタイプの脂質系を組み合わせて含む医薬製剤は、しばしば製造するのが複雑になる傾向があり、及びしたがって商品のコストが増加する。
【0007】
自己乳化型ドラッグデリバリーシステム(SEDDS)は、難溶性薬物の製剤化に役立つ可能性がある。しかし、ほとんどの脂質ベースの製剤は、医薬品市場に到達していない。SEDDSの開発のための論理的で好ましい脂質賦形剤を表す食用油は、大量の親油性薬物を溶解する能力が低いため、頻繁に選択されない。自己乳化特性は、油性薬物担体ビヒクルに加えて、製剤中に比較的大量の界面活性剤を組み込むことも必要とする。
【0008】
カプリル酸/カプリン酸のモノグリセリドとジグリセリドの混合物(Akoline)は、合成の市販の界面活性剤よりも安全であると考えられているため、好ましい天然由来の乳化剤である。しかしながら、医薬分野の科学者の間では、そのような賦形剤は自己乳化効率が限られていることが認識されている(P.P. Constantinides; Pharmaceutical Research, vol. 12, no. 11. Pp. 1561-1572, 1995)。
【0009】
通常、SEDDSを形成するために、界面活性剤濃度は製剤全体の30~60%の範囲である(C.W. Pouton; International Journal of Pharmaceutics, vol. 27, no. 2-3, pp. 335-348, 1985)。
界面活性剤を大量に使用すると、胃腸(GI)刺激を引き起こす可能性がある。SEDDSの配合(formulation)に含まれる界面活性剤は、比較的高いHLBと親水性を備えており、非常に細かい水中油型エマルションとして水性GI流体に迅速かつ容易に分散できるため、優れた自己乳化性能を実現できる。また、高濃度の薬物の可溶化を支援するために、1つ以上の共溶媒が製剤に添加されることが多い。
【0010】
化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、肝性脳症(HE)及び過眠症(HS)の治療のために現在臨床フェーズIIにある化合物である。この化合物の問題の1つは、水性媒体への溶解性が低いことであり、及びしたがって、臨床的及び商業的に実現可能な製剤(drug product)を得るために、この化合物を製剤する(formulate)方法を見つける必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
発明の説明
化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(化合物I)
【化1】
は、水性媒体への溶解性が低い。これは、薬物負荷が低く、及びしたがって、患者に過剰な数の薬物用量を与えずに臨床的に治療用量に到達することが困難であることを意味する。この化合物を十分な薬物負荷を提供する医薬品に製剤化することを可能にし、それにより医薬品が臨床的に十分な治療効果を発揮できるようにするために、新しい医薬製剤が開発された。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様は、以下を含む医薬製剤である。:
(i) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム
【化2】
;及び
(ii) 以下:
a)45~100%のモノエステル;
b)必要に応じて、51%までのジエステル;
c)必要に応じて、約10%までのトリエステル;
を含むビヒクルであって、ここで、前記モノエステル、ジエステル(存在する場合)及び/又はトリエステル(存在する場合)は、以下:
・ 50~90%の量のカプリル酸(C8);
・ 10-50%の量のカプリン酸(C10);
・ 3%までの量のカプロン酸(C6);
・ 100%までの量のラウリン酸(C12);
・ 12%までの量のパルミチン酸(C16);
・ 3%までの量のミリスチン酸(C14);
・ 6%までの量のステアリン酸(C18);
・ 100%までの量のオレイン酸(C18:1);
・ 35%までの量のリノール酸(C18:2);
のうちの1つ以上から選択される脂肪酸を含み、且つ、
ここで、前記化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量は、当該組成物の総重量の0.1~10重量%である。
【0013】
本発明の一態様において、本発明の医薬製剤は、当該組成物の総重量の0.1~10重量%の量の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムと、ビヒクルとを含む。前記ビヒクルは、
(a) 45~100%のモノエステル;
(b) 必要に応じて、51%までのジエステル;
(c) 必要に応じて、約10%までのトリエステル;
を含み、ここで、前記モノエステル(複数可)を形成する前記脂肪酸(複数可)及び前記任意のジ及び/又はトリエステル(複数可)を形成する前記脂肪酸(複数可)は、カプリル酸(C8)、カプリン酸(C10)、カプロン酸(C6)、ラウリン酸(C12)、パルミチン酸(C16)、ミリスチン酸(C14)、ステアリン酸(C18)、オレイン酸(C18:1)、及びリノール酸(C18:2)のうちの1つ以上から選択される。
【0014】
一態様において、前記ビヒクルを形成する上記の脂肪酸エステル(複数可)の総量は、前記ビヒクルの100%になり、且つ前記ビヒクルは、上記の脂肪酸エステル(複数可)のうちの1つ以上から完全に構成される。
【0015】
本発明の一態様において、前記ビヒクルはモノエステルである。
【0016】
本発明のさらに別の態様において、前記ビヒクルは、モノエステルとジエステルの混合物である。
【0017】
本発明のさらに別の態様において、前記ビヒクルは、モノエステルとトリエステルの混合物である。
【0018】
本発明のさらに別の態様では、前記ビヒクルは、モノエステル、ジエステル及びトリエステルの混合物である。
【0019】
本発明は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムのバイオアベイラビリティ及び薬物曝露が、本発明による前記化合物を製剤化することによって増加し得るという点で、完全に予想外である。
【0020】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記ビヒクルに加えて前記製剤に界面活性剤又はいずれの他の賦形剤を組み込む必要がない。
【0021】
本発明の一態様は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン17-オンオキシム及び上記で定義されたビヒクルのみからなる、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤である。
【0022】
本発明の一態様は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム及び上記に定義されたビヒクルのみからなる、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記ビヒクルを形成する上記の脂肪酸エステル(複数可)は、前記ビヒクルの100%に達する。
【0023】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量が当該製剤の総重量の0.1~5重量%である。
【0024】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量が当該製剤の総重量の0.1~4重量%である。
【0025】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、ここで、前記医薬製剤中のビヒクルの量は、当該製剤の総重量の90~99.9重量%である。
【0026】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、ここで、前記医薬製剤中のビヒクルの量は、当該製剤の総重量の95~99.9重量%である。
【0027】
本発明の一態様は、50mg/mlまでの前記ビヒクル中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度を提供する、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。
【0028】
本発明の一態様は、40mg/mlまでの前記ビヒクル中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度を提供する、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。
【0029】
本発明の一態様は、60mg/mlまでの前記ビヒクル中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度を提供する、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。
【0030】
さらに、本発明の一態様は、本発明の一態様は、100mg/mlまでの、例えば90mg/mlまで、又は80mg/mlまで、又は70mg/mlまで、又は60mg/mlまで、又は50mg/mlまで、又は40mg/mlまで、又は30mg/mlまで、又は20mg/mlまで、又は10mg/mlまでの、前記ビヒクル中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度を提供する、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。
【0031】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記モノエステル、ジエステル(存在する場合)及び/又はトリエステル(存在する場合)が、50~90%の量の前記脂肪酸カプリル酸(C8)、及び10~50%の量の前記脂肪酸カプリン酸(C10)を含む。
【0032】
本発明によるビヒクルにおいて有用であり得るモノエステルの例は、グリセロールモノカプロエート、グリセロールモノカプリレート、グリセロールモノデカノエート、グリセロールモノラウレート、グリセロールモノミリステート、グリセロールモノパルミテート、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエート、及びグリセロールモノオレエートのうちいずれか1つから選択されるモノグリセリドである。
【0033】
本発明の一態様は、カプリル酸及びカプリン酸の前記グリセロールモノエステルをビヒクルとして含む、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。
【0034】
本発明によるビヒクルにおいて有用であり得るモノエステルのなおさらなる例は、カプリル酸プロピレングリコール、カプロン酸プロピレングリコール、及びデカン酸プロピレングリコールのいずれか1つから選択されるプロピレングリコールのモノエステルである。
【0035】
本発明によるビヒクルで有用であり得るモノエステルのさらなる例は、パルミチン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、及びリノール酸プロピレングリコールのいずれか1つから選択される。
【0036】
本発明によるビヒクルにおいて有用であり得るモノエステルのさらなる例は、イソステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、及びオレイン酸プロピレングリコールSEのいずれか1つから選択される、プロピレングリコールと脂肪酸のエステルである。
【0037】
本発明によるビヒクルにおいて有用であり得るジエステルの例は、プロピレングリコール及び脂肪酸のジエステル、例えば、プロピレングリコールジカプロエート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジデカノエート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジパルミテート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレエート、及びプロピレングリコールジリノレート、である。
【0038】
本発明によるビヒクルにおいて有用であり得るジエステルのなおさらなる例は、グリセロール及び脂肪酸のエステル、例えばジカプロン酸グリセロール、ジカプリル酸グリセロール、ジデカン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジミリスチン酸グリセロール、ジパルミチン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール、及びジリノール酸グリセロールから選択されるいずれか1つ、である。
【0039】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記モノエステルがモノグリセリドであり、存在する場合前記ジエステルがジグリセリドであり、且つ存在する場合前記トリエステルがトリグリセリドである。
【0040】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記ビヒクルがグリセロールモノカプリレートとグリセロールモノデカノエートの混合物、すなわちカプリル酸エステルとカプリン酸エステルの前記グリセロールモノエステルの混合物、例えばImwitor742(登録商標)、である。
【0041】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルは、カプリル酸及びカプリン酸のモノグリセリド及びジグリセリドの混合物、例えば、Akoline MCM(登録商標)、である。
【0042】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルは、カプリル酸及びカプリン酸のモノグリセリド及びジグリセリドの混合物、例えば、Capmul(登録商標)MCM、である。
【0043】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求される医薬製剤であり、前記ビヒクルは、グリセリルモノオレエート、例えば、Cithrol GMO(登録商標)、である。
【0044】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルは、プロピレングリコールモノラウレート、例えば、Lauroglycol FCC(登録商標)、である。
【0045】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルがオレオイルマクロゴール-6グリセリド、例えば、Labrafil M1944CS(登録商標)、である。
【0046】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルがポリオキシエチレン-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド、例えばAcconon MC8-2(登録商標)、である。
【0047】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルは、プロピレングリコールモノカプリレート、例えば、capryol 90(登録商標)又はcapryol PGMC(登録商標)、である。
【0048】
本発明の一態様は、脂肪酸カプリル酸(C8)及び脂肪酸カプリン酸(C10)のモノエステル、ジエステル(存在する場合)及び/又はトリエステル(存在する場合)を含む、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、カプリル酸(C8)エステルの量は50~90%であり、且つカプリン酸(C10)エステルの量は、本発明の当該医薬製剤の前記ビヒクル中で10~50%である。
【0049】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記ビヒクルが50~90%の量のカプリル酸(C8)エステルであり、且つ10~50%の量のカプリン酸(C10)エステルであり、ここで、前記カプリル酸(C8)エステル及び前記カプリン酸(C10)エステルは、合計で100%になる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
図面
【
図1】
図1は、IND化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの血漿濃度が、単回経口投与後(それぞれ1、3、10、30、100及び200mg)及びSAD研究の1用量あたり6名の被験者について、用量の増加に比例して増加し、比例定数βはC
Maxで1.01、AUC0-∞で1.12(平均±SEM)であったことを示すグラフである。
【
図2A】
図2Aは、MAD研究における第1の単回経口投与(MAD研究の第1の投与)後のIND化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの血漿中濃度(平均±SEM)を示している。MAD試験での投与は、1日1回50mg、1日2回50mg(すなわち100mg)及び1日2回100mg(すなわち200mg)、用量あたり6人の被験者であった。
【
図2B】
図2Bは、5日間反復投与した後の(MAD研究の最後の用量)IND化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの血漿濃度(平均±SEM)を示している。投薬は、50mgを1日1回、50mgを1日2回(すなわち、100mg)、及び100mgを1日2回(すなわち、200mg)、用量あたり6人の被験者であった。
【発明を実施するための形態】
【0051】
定義
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン17-オンオキシムの水性媒体への溶解度を説明するときに本明細書で使用される「難溶性(poorly soluble)」という表現は、μg/mlの大きさでの溶解度を指す。3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度は、水中で1.5μg/ml、SGF(模擬胃液)中で0.2μg/ml、FaSSIF(絶食状態シミュレーション)で7μg/mlと低いことが示されています。腸)及びFeSSIF(摂食状態の模擬腸液)中の19μg/ml、と低いことが示されている。
【0052】
「IND化合物」という用語は、本明細書では3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(本特許明細書では化合物Iとも呼ばれる)と定義される。
【0053】
「生物学的同等製品」又は「生物学的同等性を示す製品」という表現は、本明細書では、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを治療薬として含み、同じ経口剤形及び同じ投与量又は濃度で前記化合物を含み、同一のAUC±20%及び/又は同一のCmax±20%、を有し、且つ同じ又は同様の治療効果を示す、製品と定義される。
【0054】
「Cmax」という表現は、本明細書では、化合物をヒト対象に投与した時点から特定の時点で到達する治療化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの最大濃度として定義される。
【0055】
「AUC」(曲線下面積)という表現は、本明細書では薬物吸収の尺度として定義される。AUCが大きいと、対象の薬物吸収率が高くなることを意味するが、AUCが小さいと、薬物吸収率が低くなることを意味する。
【0056】
本明細書を通して使用される「大量のビヒクル」という用語は、当該製剤の総重量の90~99.9重量%、例えば当該製剤の総重量の95~99.9重量%など、を意味する。
【0057】
本明細書全体で使用される「IND製剤」という用語は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを含み、且つ本明細書に記載される臨床フェーズI試験で使用される医薬製剤を意味する。
【0058】
本明細書を通して使用される「PK」という用語は、調査されている化合物の薬物動態学的特性を意味する。
【0059】
「SAD」という用語は、「単回漸増用量(Single Ascending Dose)」として定義され、すなわち、より低い用量で開始し、且つ臨床試験プロトコルに従って3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの各用量を増加させる。
【0060】
「MAD」という用語は、「複数の漸増用量(Multiple Ascending Dose)」として定義され、すなわち、より低い用量で開始し、臨床試験プロトコルに従って3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの各用量を増加させる。
【0061】
本明細書で使用される「1日1回」という表現は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが対象に毎日1回だけ投与されることを意味する。
【0062】
本明細書で使用される「1日2回」又は「BID」という表現は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが指定された用量で1日2回投与されることを意味する。つまり、1日2回50mg(BID)とは、1日の用量が100mg/日であることを意味し、且つ1日2回100mg(BID)とは、1日の用量が200mg/日であることを意味する。
【0063】
本明細書で使用される「ビヒクル」という用語は、任意選択でジエステルと組み合わせて、且つ任意選択でトリエステルと組み合わせて、モノエステルとして定義される。
【0064】
本明細書で使用される「脂肪酸エステル(複数可)」という用語は、脂肪酸又はカルボン酸をアルコールと反応させること、モノエステル、ジエステル、又はトリエステル、又はそれらの組み合わせを提供することによって形成されるエステルとして定義される。前記アルコールがグリセロールである場合、生成される脂肪酸エステル(複数可)は、モノグリセリド、ジグリセリド、又はトリグリセリド、又は前記モノ、ジ、又はトリグリセリドの組み合わせであり得る。
【0065】
本明細書で使用するとき、脂肪酸の前記パーセンテージは、1つの特定の脂肪酸の総量又は2つ以上の特定の脂肪酸の総量が常に100%になるはずであることを意味する。エステルを形成する際に脂肪酸が1つだけ存在する場合、その脂肪酸の量は脂肪酸の総量の100%となり;2つ以上の脂肪酸が用いられた場合、例えば本明細書に記載及びクレームされている1つの特定の脂肪酸が100%未満で用いられているとき、脂肪酸の総量は合計100%になる、など。
【0066】
本明細書全体で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかに他に述べていない限り、複数の指示対象も包含する。
【0067】
「A型肝性脳症」という表現は、典型的には、急性肝不全に関連する、典型的には脳浮腫に関連する肝性脳症を意味する。
【0068】
「B型肝性脳症」という表現は、典型的には、内因性肝疾患を伴わない門脈系のシャントによって引き起こされる肝性脳症(バイパス)を意味する。
【0069】
「C型肝性脳症」という表現は、典型的には、肝硬変患者に発生する肝性脳症を意味する。このタイプは、突発性、持続性、及び最小限の脳症に細分される。
【0070】
「最小限の肝性脳症」という表現は、典型的には、臨床的に明白な認知機能障害には至らないが、神経心理学的研究で証明できる肝性脳症を意味する。
【0071】
「明白な肝性脳症」という表現は、典型的には、広範囲の精神及び運動障害を伴う神経精神症候群として現れる臨床的に明らかな肝性脳症を意味する。明白な肝性脳症は、以前は安定していた患者、又は持続的な神経精神異常を呈している可能性のある患者で、数時間又は数日にわたって偶発的に発生することがある。
【0072】
「過眠症」という表現は、日中の過度の日中の眠気を特徴とする一群の障害を示すものと理解することができ、これは、被験者が通常の品質及び夜間睡眠のタイミングを経験しているにもかかわらず発生する。
【0073】
「ナルコレプシー」という表現には、1型ナルコレプシー(カタプレキシーを伴う)と2型ナルコレプシー(カタプレキシーなし)の両方が含まれる。
【0074】
医薬製剤及び投薬
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの用量が1mg~200mgである。
【0075】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの用量が10mg~100mgである。
【0076】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの用量が3mg~30mgである。
【0077】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの用量が30mg~60mgである。
【0078】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が1mg/日~200mg/日である。
【0079】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が50mg/日~100mg/日である。
【0080】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が20mg/日~160mg/日である。
【0081】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が40mg/日~160mg/日である。
【0082】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン17-オンオキシムの1日投与量が80mg/日~160mg/日である
【0083】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤であり、ここで前記1日投与量が、1日1回投与される。
【0084】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求される医薬製剤であり、ここで、前記1日投与量は、1日2回投与される。
【0085】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤であり、ここで、前記製剤はカプセルに充填される。
【0086】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、前記カプセルは、5mg~40mgの3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを含む。
【0087】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤であり、前記カプセルは、10mg~20mgの3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを含む。
【0088】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤であり、肝性脳症の標準治療として使用されるさらなる治療薬を含む。
【0089】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤であり、ここで、さらなる治療剤は、アンモニア低下化合物である。
【0090】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記アンモニア低下化合物が、リファキシミン、ラクツロース、オルニチンフェニルアセテート、及びグリセロールフェニルブチレートから選択される
【0091】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤である。ここで、前記アンモニア低下化合物がリファキサミンである。
【0092】
本発明の一態様は、本明細書に記載及び請求される医薬製剤である。ここで、前記アンモニア低下化合物がラクツロースである。
【0093】
さらに、本発明の一態様は、
(i) 本明細書に記載され、請求されている医薬製剤;及び
(ii) アンモニア低下化合物;
を含むコンビネーションプロダクトである。
【0094】
本発明のさらに別の態様では、本明細書に記載され、特許請求されているコンビネーションプロダクトは、部品キットの組み合わせである。
【0095】
本発明のさらに別の態様は、過眠症の治療に有用なさらなる治療薬を含む、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤又は前記製剤で満たされたカプセルである。
【0096】
さらに、本発明の一態様は、
(i) 本明細書に記載され、請求されている医薬製剤;及び
(ii) 過眠症の治療に有用な治療薬;
を含むコンビネーションプロダクトである。
【0097】
過眠症の治療に有用なさらなる治療薬は、オキシバートナトリウム(Xyrem(登録商標))、モダフィニル(Provigil(登録商標))、アルモダフィニル(Nuvigil(登録商標))、メチルフェニデート、アンフェタミン、(R)-2-アミノ-3-フェニルプロピルカルバメート塩酸塩(JZP-110)、JZP-507、JZP-258、エスシタロプラムシュウ酸塩などのシュウ酸塩(oxalate)、及びピトリサント(Wakix(登録商標))
【0098】
本発明のさらに別の態様では、本明細書に記載されている前記コンビネーションプロダクトは、部品キットの組み合わせである。
【0099】
さらに、本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されるように、医薬製剤と生物学的に同等であるか、又はコンビネーションと生物学的に同等である薬物製品である。
【0100】
医療用途と医療処置(medical treatement)
肝性脳症に苦しむ患者は、睡眠覚醒サイクルの障害、認知、記憶、学習、運動協調、意識、エネルギーレベルの低下と人格の変化、認知障害、見当識障害(disorientation)及び昏睡を包含するがこれらに限定されない症状を示す可能性がある。
【0101】
本発明の一態様は、肝性脳症の治療方法であり、ここで、本明細書に記載及び請求される医薬製剤は、そのような治療を必要とする対象に投与される。
【0102】
本発明のさらに別の態様は、肝性脳症を予防する方法であり、ここで、本明細書に記載及び請求される医薬製剤は、そのような治療を必要とする対象に投与される。
【0103】
さらに、本発明の一態様は、肝性脳症の治療又は予防のための方法で使用するための、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤である。
【0104】
さらに、本発明の一態様は、肝性脳症の治療又は予防のための医薬の製造のための、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤の使用である。
【0105】
本発明の一実施形態では、前記肝性脳症は、A型肝性脳症、B型肝性脳症、C型肝性脳症、最小肝性脳症、及び明白な肝性脳症のうちいずれか1つから選択される。
【0106】
本発明の一態様は、傾眠過多の治療方法であり、ここで、本明細書に記載及び請求される医薬製剤は、そのような治療を必要とする対象に投与される。
【0107】
本発明のさらに別の態様は、傾眠の予防方法であり、ここで、本明細書に記載及び請求される医薬製剤は、そのような治療を必要とする対象に投与される。
【0108】
さらに、本発明の一態様は、傾眠過剰の治療又は予防のための方法で使用するための、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤である。
【0109】
さらに、本発明の一態様は、傾眠過剰の治療又は予防のための薬剤の製造のための、本明細書に記載及び請求されている医薬製剤の使用である。
【0110】
本発明の一実施形態では、前記傾眠過剰は、特発性過眠症、再発性過眠症、ナルコレプシー、交代勤務睡眠障害、過度の眠気、エンドゼピン関連再発性昏睡、及びアンフェタミン耐性過眠症からなる群から選択される。
【0111】
特定のさらなる実施形態では、前記傾眠過剰は、むずむず脚症候群、夜間ジストニア、夜間運動障害、クライン・レビン症候群、パーキンソン病、薬物治療(medication)又は物質に関連する障害、精神障害からなる群から選択される障害に関連する障害、急速眼球運動(REM)行動障害、前頭夜間ジストニア、夜間運動障害、閉塞性睡眠時無呼吸、肝硬変、及び肝性脳症からなる群から選択される障害に関係する。
【0112】
投薬ルート
本明細書に記載され、特許請求される医薬製剤は、経腸投与によって投与することができる。経腸投与の例は、食道、胃、小腸及び大腸(すなわち、胃腸管)への投与を含む。投与方法には、経口、舌下(舌下での薬物の溶解)、直腸投与が含まれる。
【0113】
本発明の一態様において、本発明による医薬製剤は経口投与される。
【0114】
製剤の準備のためのプロセス
本発明による医薬製剤は、本明細書で定義される前記ビヒクルを適切な温度まで予熱することにより製造され、その後、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、場合により微粉化形態で、適切な温度で撹拌しながら、且つ透明な溶液が得られるまで、前記ビヒクルに添加される。
【0115】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、公開された特許出願WO2008/063128に記載されている合成手順に従って調製することができる。
【0116】
本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求される医薬製剤を作製するためのプロセスであり、それにより:
(i) 本明細書に記載及び請求される前記ビヒクルは、15℃~80℃の温度に加熱され、;及び
(ii) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(必要に応じて微粉化された形態)を、攪拌下、15℃~80℃の温度で、化合物が完全に溶解し、且つ透明な溶液が提供されるまで、前記ビヒクルに添加し、その後、前記溶液は任意でカプセルに充填される。
【0117】
本発明の一態様において、上記のステップ(i)で前記ビヒクルを加熱するための温度は、60℃~75℃である。
【0118】
本発明の一態様では、カプセル充填のために、温度を約30℃に下げる。
【0119】
さらに、本発明の一態様は、本明細書に記載され、特許請求されているいずれの1つのプロセスによって入手可能な医薬製剤である。
【0120】
実施例
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(化合物I)の溶解度をさまざまなビヒクルでテストした。
【0121】
概要
化合物Iの溶解性は、様々な媒体で評価された。化合物Iを小さなバイアルに量り入れ、且つ既知量のビヒクルを加えた。前記ビークルを溶かす必要がある場合は、サンプルを約15℃~80℃に加熱し、且つボルテックス又はスターラーでかき混ぜた。目視検査によってシステム内の化合物Iの溶解度を評価するために、さらに化合物I又はビヒクルを追加した。
【実施例1】
【0122】
実施例1
カプリン酸/カプリル酸モノグリセリド(1.02g)[IOI Oleoから入手したImwitor(登録商標)742]を40℃に加熱した。微粉化した化合物Iをアリコートで加え、且つ混合物をボルテックスでかき混ぜた。混合後、透明な溶液が得られなくなるまで添加を続けた。合計28mgの化合物Iは透明な溶液をもたらしたが、31mgは溶解しなかった。
【実施例2】
【0123】
実施例2
モノオレイン酸グリセロール[Croda Health CareからのCithrol GMO]を50℃で溶融した。微粉化した化合物Iをバイアル(3.9mg)に量り入れ、且つグリセロールモノオレイン酸塩を加えた(413mg)。サンプルを加熱し、且つボルテックスでかき混ぜた。透明な溶液は得られなかった。モノオレイン酸グリセロール(83mg)を追加すると、透明な溶液が得られた。混合物は室温で固化するように見える。
【実施例3】
【0124】
実施例3
微粉化化合物I(1.3mg)をオレオイルマクロゴール-6-グリセリド[GattefosseからのLabrafil M1944 CS](0.91g)に加えた。サンプルを約40℃に加熱し、ボルテックスでかき混ぜた。透明な溶液が得られた。化合物I(3.3mg)を追加したが、40℃に加熱し、ボルテックスで撹拌した後も透明な溶液が得られた。化合物I(3.0mg)をさらに追加すると、ボルテックスと加熱による攪拌を繰り返した後、溶解しない物質が生じた。
【実施例4】
【0125】
実施例4
微粉化した化合物Iをバイアル(1.8mg)に量り取り、プロピレングリコールモノラウレート[GattefosseからのLauroglycol FCC]を添加した(100μL)。サンプルを室温でボルテックスにより撹拌した。透明な溶液は得られなかった。さらにプロペングリコールモノラウレートを少しずつ(2x100μL)追加し、ボルテックスで撹拌した後、透明な溶液が得られた。
【実施例5】
【0126】
実施例5
微粉化化合物Iをバイアル(25.9mg)に量り取り、プロピレングリコールモノカプリレート タイプI[GattefosseからのCapryol PGMC]を加えた(0.991g)。サンプルを室温で約60分間撹拌し、溶解しない物質が生じた。追加のプロペングリコールモノカプリレート タイプI(0.994g)を追加し、室温で60分間攪拌した後、透明な溶液が得られた。化合物I(6mg)を加え、攪拌中に透明な溶液が再び得られた。化合物I(3mg)の添加は、室温で60分間攪拌した後に溶解しない物質をもたらした。
【実施例6】
【0127】
実施例6
微粉化した化合物Iをバイアル(26.2mg)に量り入れ、プロピレングリコールモノカプリレートタイプII[ガッテフォッセのカプリオール90]を加えた(0.988g)。サンプルを室温で約60分間撹拌し、溶解しない物質が生じた。追加のプロペングリコールモノカプリレート タイプII(0.383g)を追加し、室温で30分間攪拌した後、透明な溶液が得られた。化合物I(4.5mg)を加え、攪拌中に透明な溶液が再び得られた。化合物I(4.9mg)の添加は、室温で60分間攪拌した後に溶解しない物質をもたらした。プロピレングリコールモノカプリレートタイプII(0.139 g)をさらに追加すると、60分の攪拌後に透明な溶液が得られた。
【実施例7】
【0128】
実施例7
微粉化した化合物Iをバイアル(32.5mg)に量り入れ、ポリオキシエチレン-8カプリル酸/カプリン酸グリセリド[AbitecからのAcconon MC8-2]を加えた(1.008g)。室温で30~60分間撹拌すると、溶解しない物質が生じた。ポリオキシエチレン-8カプリル酸/カプリン酸グリセリドを合計14.06グラムまで8回に分けて加えた。各添加の間に材料を少なくとも30分間撹拌した。最後の添加後、透明な溶液が得られた。
【0129】
表1 さまざまなビヒクルにおける化合物Iの溶解度(実施例1~7)
【表1】
【実施例8】
【0130】
実施例8A
カプセルの脂質溶液
カプリン酸/カプリル酸グリセリド[Imwitor(登録商標)742]を60℃に加熱し、化合物Iを20mg/mLの濃度になるように加えた。溶解が完了すると、温度が30℃に低下し、サイズ0のハードゼラチンカプセルに溶液が充填された。目標の充填重量は500mgで、その後、カプセルにキャップをした。
【0131】
実施例8B
カプセルの脂質溶液
カプリン酸/カプリル酸グリセリド[Imwitor(登録商標)742]を60℃に加熱し、化合物Iを2mg/mLの濃度になるように加えた。溶解が完了すると、温度が30℃に低下し、サイズ0のハードゼラチンカプセルに溶液が充填された。目標の充填重量は500mgで、その後、カプセルにキャップをした。
【実施例9】
【0132】
実施例9
カプセル内の脂質固体
カプリン酸/カプリル酸グリセリド[Imwitor(登録商標)742]を70℃に加熱し、化合物Iを40mg/mLの濃度になるように加えた。溶解が完了すると、温度が30℃に低下し、サイズ0のハードゼラチンカプセルに溶液が充填された。目標の充填重量は500mgであった。その後、カプセルに蓋をし、冷蔵庫で保管する前に、-20℃で2~3時間保持した。
【0133】
加熱温度を60℃から70℃に上げると、20mg/mLの代わりに40mg/mLの化合物Iを溶解することができた。
【実施例10】
【0134】
実施例10
以下の医薬製剤が製造され、且つ下記の臨床フェーズI試験で使用された。
【0135】
実施例8A及び8Bに記載されている製造方法に従うことにより、以下の用量が臨床投与のためにハードゼラチンカプセル(サイズ0)に充填された。10mgのカプセルの場合、実施例8Aによって生成された濃度20mg/mlの0.5mlを各カプセルに充填した。1mgのカプセルの場合、実施例8Bによって生成された濃度2mg/mlの0.5mlを各カプセルに充填した。
【0136】
プラセボカプセルはビヒクルのみを含有し、これは化合物Iを含むカプセルと同じタイプのカプセルに充填された。目標の充填重量は500mgであった。
【表2】
【0137】
臨床試験では、前記1mgカプセルを1mgと3mgの投薬に使用した。臨床試験では、前記10mgカプセルをより高用量で使用した。
【0138】
生物学的研究
I. 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの経口吸収
本発明の出願人によって行われた研究において、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの経口吸収は、異なる用量で、異なる動物種及びヒトにおいてシミュレートされた。さまざまな媒体への溶解度を次の表に示す。:
【表3】
【0139】
GastroPlus(登録商標) v9.0内の胃腸(GI)吸収(ACAT(登録商標))モデルを使用して、経口投与後の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの分画と吸収量をシミュレートした。吸収はラット、イヌ及びヒトでシミュレートされた。ベースライン入力パラメータを表Aにまとめる。前記入力パラメータは、以前の前臨床実験で使用された条件から、又は将来の研究で計画されている条件から選択された。臨床材料中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの粒子サイズはおおよそ10μmである。
【0140】
表A シミュレーションに使用される投与パラメータ
【表4】
* ビヒクルへの溶解度が小腸通過中に変化しないことを反映する人工数(artificial number)。
【0141】
シミュレーションに使用されたPKパラメータは、以下の項目IIで説明されているヒト臨床フェーズI単回上昇用量(single ascending dose)(SAD)研究のPK結果の要約から取得された。使用したデータは、用量レベル10、100、200mgからのものである。クリアランスの中央値、分布量、AUC、T1/2(終末(terminal))、Cmax及びTmaxを使用した。分布体積については、平均体重70kgを使用して、分布体積をLからL/Kgに変換した。血漿中濃度-時間データについては、平均値を使用した。
【0142】
異なる投与量と製剤での経口投与後のシミュレーションされた(予測された)血漿濃度時間プロファイルを、臨床フェーズI試験で観察された実際の血漿濃度時間プロファイルと一緒に、以下の表Bにまとめる(以下の表1を参照)。
【0143】
表B ヒトへの経口投与後の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの予測及び観察されたPKパラメータ
【表5】
【0144】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム溶液のヒトへの経口投与後、吸収される予測画分は、10~200mgの投与間隔で完了する。吸収される予測画分は、カプセル内に粉末を投与した後の方がはるかに少なくなる。78%と14%の吸収された画分は、それぞれ10mgと200mgの用量でシミュレーションされた。溶液製剤の場合、予測されるCmax値は、カプセル内に脂質を投与した後のヒトにおいて実際に観察されたCmax値よりも約2倍(2-fold)低かった。AUCとTmaxは、観測値の70~100%であった。シミュレーションに使用されたPK入力パラメータは、例えばタンパク質結合、血液/血漿比、及びマルチコンパートメント動態などの影響を考慮に入れていないため、観測された血漿濃度とシミュレーションされた血漿濃度との時間プロファイルの差異を説明する場合がある。別の要因は、使用された透過性入力パラメータである可能性がある。シミュレーションで使用された実験的in vitro透過性値よりもヒトにおけるin-vivo透過性が高いと、ピーク血漿濃度が高くなる可能性がある。
【0145】
それにもかかわらず、経口水溶液を使用したシミュレーションは、中鎖モノグリセリドを含有するカプセルで得られた血漿濃度プロファイルをかなりよく予測できた。経口水溶液でのシミュレーションでは、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの全用量が溶液中であり、小腸通過中に沈殿が発生しないと想定されていた。これは、中鎖モノグリセリド中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが、経口吸収に関して沈殿のない水溶液のように作用することを示している。
【0146】
粉末カプセルからのシミュレートされた吸収は、溶液カプセルからの吸収よりもはるかに少なかった。AUC及びCmaxは、100及び200mgの経口投与で10倍及び20倍減少した。カプセル内の粉末からのシミュレートされた経口吸収は、100mgを超える経口投与量で約100ng/mlの予測最大血漿濃度を示す。
【0147】
高用量(>100mg)での経口吸収の制限パラメータは、溶解ではなく溶解度である。カプセル内の粉末中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの微粉化は、粒子表面積の増加による溶解の改善をもたらすため、吸収される総量と最大血漿濃度に限られた影響しか与えない。
【0148】
一方、改善された溶解度は、カプセル製剤中の粉末後に得られる経口吸収及び最大血漿濃度に大きな影響を与えると予測されている。消化管(GI tract)への溶解性の改善は、食物の摂取と組み合わせて観察されることがある。したがって、カプセル内の粉末の場合、絶食又は摂食状態では、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの血漿中濃度に有意な影響が生じ、吸収の変動に寄与することが予測される。このような効果は、現在のシミュレーションからの脂質製剤では予想されていない。他の多くの食品の影響が現在の研究で説明されていない経口吸収に影響を与える可能性があるため、これを検証するには生体内(in vivo)データが必要である。
【0149】
II. 臨床フェーズI試験
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの経口吸収は、ヒト志願者を対象としたフェーズI臨床試験で調査された。フェーズI試験における経口製剤は、前記化合物の脂質溶液を含有するカプセルであった。ヒトでの経口吸収は、1~2時間のTmaxと1~200mgの用量範囲でのCmaxの用量直線性で、良好な血漿曝露をもたらすことがわかった。また、経口投与すると、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムがヒトの脳に入ること、及び忍容性が高く、線形薬物動態に関連する用量で、GABA-A受容体におけるニューロステロイドアロプレグナノロンの効果に拮抗することが示された。
【0150】
研究デザイン
合計90の適格な健康に同意する男性被験者(18~50歳)が研究に含まれた。使用した経口製剤は、上記の実施例10に従って製剤化された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの脂質溶液を含有するカプセルであった(以下のIND製剤)。
【0151】
第1のヒト単回漸増用量(single ascending dose)(SAD)研究(EudraCT 2015-004911-19)及び5日間の複数漸増用量(MAD)研究(EudraCT 2016-003651-30)は、予期された(prospective)、無作為化、二重盲検、及びプラセボ対照であり、且つ、健康な男性ボランティアにおける3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(IND化合物)の単回及び複数の漸増経口投与の安全性、忍容性、及び薬物動態(PK)特性を評価するために設計された。
【0152】
IND製剤は以下の用量で経口投与された。:
SAD: 1、3、10、30、100及び200mg。
MAD: 1日1回50mg;50mg1日2回(BID)、つまり100mg/日;又は100mgを1日2回(BID)、つまり200mg/日。
【0153】
IND化合物の生物学的活性を評価することを目的とした拮抗薬試験(EudraCT 2015-004911-19)は、無作為化され、二重盲検3部クロスオーバー設計でプラセボ制御された。経口投与された研究対象: プラセボ(A);3mgのIND製剤(B);又は30mgのIND製剤(C);90分後、静脈内(i.v.)アロプレグナノロン注射(0.05mg/kg)と最大衝動性眼球速度(SEV)(Saccadometer Plus、Ober Consulting Sp.z o.o,ポーランド)及び鎮静/傾眠(「眠気の欠如」から「眠りに落ちる」まで段階的に変化する視覚的アナログスケール)3時間。
【0154】
IND化合物とアロプレグナノロンの分析
IND化合物とアロプレグナノロンは、UPLC/MS/MSのWatersAcquity、C18カラム、及びWatersXEVO-TQ-Sトリプル四重極質量分析計で定量した。内部標準として、D4-[3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム]及びD5-アロプレグナノロンをそれぞれ使用した。アロプレグナノロンの分析には、オキシム誘導体化を使用して感度を高めた。標準及びQCサンプルをヒトのブランク血漿/血清に調製した。3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの検出限界は1ng/mL、アロプレグナノロンについては0.05ng/ml(0.15nmol/L)であった。
【0155】
データ分析
薬物動態パラメータは、非コンパートメント分析とソフトウェアPhoenixWinNonlin(登録商標)バージョン6.3以降(Pharsight Corporation,U.S.A.)を使用して評価された。用量比例性は、AUC0->∞とCmaxに基づくSAD研究についてであり、及び定常状態のAUCτに関するMAD研究におけるものであった。最初の投与量と最後の投与量との間の蓄積比は、(定常状態のAUCτ/最初の投与量AUC0->∞)として計算された。統計計算は、IBM SPSS統計(バージョン24,IBM)で行われた。
【0156】
結果
薬物動態
IND製剤での単回投与後、血漿濃度は用量の増加に比例して増加し、比例定数βはCMaxでは1.01、AUC0-∞では1.12でした(表1、
図1)。また、1日2回5日間投与すると、IND化合物3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン17-オンオキシムの血漿中濃度が比例して増加し、用量を50から100に2倍にすると、AUC0-∞が1.9倍に増加しました。 mg、及び非常に少ない蓄積で、1.1-1.2回(表1、
図2)。
【0157】
アロプレグナノロン誘発SEV低下のIND化合物拮抗作用
30mgのIND化合物は、アロプレグナノロン注射に反応してSEVが減少した被験者の反応時間中に、アロプレグナノロン誘発のSEVの減少を有意に抑制した(AUCの分析、p=0.04、表2)(n=11,69%)。一方、3mgのIND化合物によるアロプレグナノロン効果の減少は有意ではなかった(p=0.286)。
【0158】
アロプレグナノロン誘発鎮静のIND化合物拮抗作用
鎮静作用のあるアロプレグナノロン注射に反応した被験者(n=8、50%)についての統計分析では、IND化合物の3mgと30mgの両方が、応答期間中に鎮静効果を有意に阻害した(p=0.012及びp=0.05、それぞれ、表2)。
【0159】
アロプレグナノロンへの暴露
3つの研究機会で、血清アロプレグナノロン濃度曲線は、静脈内(i.v.)注射後の最初の研究時点での最高血清レベル74~82nMと非常に類似していた。3つの研究機会の間のアロプレグナノロン暴露間に有意差はなかった(p=0.163、AUCの比較)。
【0160】
考察
本所見は、本発明に従って脂肪酸エステル中に配合された(formulated)場合、経口投与された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、ヒトにおいて十分に許容されることを示している。有害事象(AE)は概して軽度であり、且つ、重篤な有害事象(SAE)も用量制限毒性も、単回(200 mg)又は複数(5日間12時間ごとに100 mg)の上昇用量プロトコルで健康な成人男性に投与された最高用量まで観察されなかった。調査されたすべての用量で、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは直線的なPKを示した。つまり、Cmax(SAD)とAUC0-∞(SAD)又はAUCτ(定常状態)として評価された全身暴露の両方が経口投与量と直線的に関連し、定常状態の投薬中に薬物が蓄積したという証拠はなかった。
【0161】
重要なことに、チャレンジ研究の結果は、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが脳に入ること、及びGABA-A受容体でのアロプレグナノロンの作用に拮抗することを示している。経口投与された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、アロプレグナノロンの効果の明らかな用量依存的阻害をもたらした。SEVは、中間体を含む30mgの3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムによって有意に阻害されたが、3mgでは有意でない阻害であった。
【0162】
3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムも、3mgと30mgの用量でアロプレグナノロン誘発鎮静を有意に逆転させた。
【0163】
有利な安全性及び薬物動態学的所見、並びにアロプレグナノロンチャレンジ試験の結果は、本発明に従って配合された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムは、神経ステロイドのCNS効果に起因するヒト障害の有望な新しい治療を表すことを示唆している。肝性脳症(HE)、アロプレグナノロンの上昇した脳レベルが報告されている肝硬変及び門脈全身性シャントに関連する神経学的障害(Ahboucha et al. 2005 and 2006)、はその一例である。
【0164】
アンタゴニスト研究の発見は、動物モデルにおける以前の発見を拡張し、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが、病態生理学的に関連する可能性が高い濃度でアロプレグナノロンの効果に拮抗することを示唆している。注射後10分の拮抗薬研究における血清アロプレグナノロン濃度は平均約80nMであり、肝性昏睡で死亡した肝硬変患者の脳における6-20nmol/kgの濃度よりもかなり高かった(Ahboucha et al. 2005&2006)。さらに、動物研究では、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(未発表データ)とアロプレグナノロン(Johansson et al. 2002)についての濃度vs.時間のプロファイルは、脳と血漿で非常に類似していることが示されている。その結果は、成人男性で十分に許容される範囲内で十分に30mgの低用量で投与された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム、肝性脳症(HE)患者で説明されている濃度よりも高い濃度でも神経ステロイドの影響を逆転させることができることを意味する。
【0165】
最近のいくつかの観察では、特発性過眠症などの疾患に関連する過度の日中の眠気(EDS)におけるCNS GABA-A受容体のニューロステロイド誘発性アロステリック活性化も関係している(Billiard and Sonka, 2016)。これらには、原発性過眠症患者の脳脊髄液における推定GABA-Aアゴニストの同定(Rye 2012)と、GABA-AアンタゴニストのフルマゼニルがEDS患者の覚醒を促進できるという臨床的観察(Korkmaz 1997)が含まれる。確かに、HE及び傾眠過剰障害の臨床症状は類似点を示し、HEは眠気障害と見なされている(Montagnese 2015)。
【0166】
要約すると、これらの所見は、本明細書に記載及び特許請求されている医薬製剤としてヒトに経口投与された3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが、これは忍容性が高く、線形薬物動態と関連している用量で、脳のGABA-A受容体における神経ステロイドアロプレグナノロンの効果に拮抗することを示している。これは、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムもGABA作動性神経伝達を正規化できる可能性があり、傾眠過剰に関連する疾患又はGABA受容体のニューロステロイド媒介アロステリック過活性化に起因する他の疾患の治療のための有望な新しい治療法を表すことを示唆している。
【0167】
表1 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム(化合物I)の血漿中濃度及び平均(SD)として提示される薬物動態パラメータ、1用量あたり被験者6人。
【表6】
* 次の低用量に対して倍(fold)増、
a τ=24時間、
b τ=12時間
【0168】
表2 応答期間中のアロプレグナノロン応答被験者の統計分析。曲線下面積(AUC)として示される最大衝動性眼球速度(ΔSEV)の変化、及びVASスコアのAUCとして示される鎮静作用の変化。Wilcoxonの符号付き順位検定を使用した統計分析では、SEVと鎮静作用におけるアロプレグナノロン誘発性の変化に対する化合物Iの有意な拮抗作用が示された。
【表7】
* アロプレグナノロン+プラセボとは著しく異なる、
N.S =有意ではない
【0169】
1. 以下を含む医薬製剤であって、:
(i) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム
【化3】
;及び
(ii) 以下:
a)45~100%のモノエステル;
b)必要に応じて、51%までのジエステル;
c)必要に応じて、約10%までのトリエステル;
を含むビヒクルであって、
ここで、前記モノエステル、ジエステル(存在する場合)及び/又はトリエステル(存在する場合)は、以下:
・ 50~90%の量のカプリル酸(C8);
・ 10-50%の量のカプリン酸(C10);
・ 3%までの量のカプロン酸(C6);
・ 100%までの量のラウリン酸(C12);
・ 12%までの量のパルミチン酸(C16);
・ 3%までの量のミリスチン酸(C14);
・ 6%までの量のステアリン酸(C18);
・ 100%までの量のオレイン酸(C18:1);
・ 35%までの量のリノール酸(C18:2);
のうちの1つ以上から選択される脂肪酸を含み、且つ、
ここで、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量は、組成物の総重量の0.1~10重量%である、医薬製剤。
2. 請求項1に記載の医薬製剤であって、ここで、当該製剤が3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシム及び前記ビヒクルのみからなる、医薬製剤。
3. 請求項1及び2のいずれか一項に記載の医薬製剤であって、ここで、前記モノエステルは、モノグリセリド又はプロピレングリコールのモノエステルであり、
前記ジエステルが存在する場合、ジグリセリド又はプロピレングリコールのジエステルであり、且つ、
前記トリエステルが存在する場合、トリグリセリドである、医薬製剤。
4. 前記モノエステルがモノグリセリドであり、前記ジエステルが存在する場合、ジグリセリドであり、且つ、前記トリエステルが存在する場合、トリグリセリドである、請求項3に記載の医薬製剤。
5. 前記モノエステルが、モノカプロン酸グリセロール、モノカプリル酸グリセロール、モノデカン酸グリセロール、モノラウリン酸グリセロール、モノミリスチン酸グリセロール、モノパルミチン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロール、モノオレイン酸グリセロール、モノリノール酸グリセロールのいずれか1つから選択されるモノグリセリドである、請求項3及び4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
6.前記モノエステルが、カプリル酸プロピレングリコール、カプロン酸プロピレングリコール、デカン酸プロピレングリコール、パルミチン酸プロピレングリコール、ステアリン酸プロピレングリコール、リノール酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、オレイン酸プロピレングリコール、及びオレイン酸プロピレングリコールSEのいずれか1つから選択されるプロピレングリコールのモノエステルである、請求項3に記載の医薬製剤。
7. 前記ジエステルが、プロピレングリコールジカプロエート、プロピレングリコールジカプリレート、プロピレングリコールジデカノエート、プロピレングリコールジラウレート、プロピレングリコールジミリステート、プロピレングリコールジパルミテート、プロピレングリコールジステアレート、プロピレングリコールジオレエート、及びプロピレングリコールジリノレートのいずれか1つから選択されるプロピレングリコールのジエステルである、請求項3に記載の医薬製剤。
8. 前記ジエステルが、ジカプロン酸グリセロール、ジカプリル酸グリセロール、ジデカン酸グリセロール、ジラウリン酸グリセロール、ジミリスチン酸グリセロール、ジパルミチン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、ジオレイン酸グリセロール及びジリノール酸グリセロールのいずれか1つから選択されるジグリセリドである、請求項3及び4のいずれか一項に記載の医薬製剤。
9. 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの量が、当該製剤の総重量の0.1~5重量%又は当該製剤の総重量の0.1~4重量%である、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬製剤。
10. 前記医薬製剤中のビヒクルの量が、当該製剤の総重量の90~99.9重量%であるか、又は当該製剤の総重量の95~99.9重量%である、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬製剤。
11. 50mg/mlまで又は40mg/mlまでの、前記ビヒクル中の3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの溶解度を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬製剤。
12. 前記脂肪酸が50~90%の量のカプリル酸(C8)であり、及び10~50%の量のカプリン酸(C10)である、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬製剤。
13. 前記ビヒクルが、
モノカプリル酸グリセロールとモノデカン酸グリセロールの混合物、
カプリル酸とカプリン酸のモノグリセリドとジグリセリドの混合物、
モノオレイン酸グリセロール、
モノラウリン酸プロピレングリコール、又は
モノカプリル酸プロピレングリコール、
である、請求項1に記載の医薬製剤。
14. 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの用量が1mg~200mg、10mg~100mg、3mg~30mg、又は30mg~60mgである、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
15. 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が1mg/日~200mg/日、50mg/日~100mg/日、20mg/日~160mg/日、40mg/日~160mg/日、又は80mg/日~160mg/日である、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
16. 前記1日投与量が1日1回又は1日2回投与される、請求項15に記載の医薬製剤。
17. 当該製剤がカプセルに充填される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬製剤。
18. 前記カプセルが5mg~40mg又は10mg~20mgの3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを含む、請求項17に記載の医薬製剤。
19. 肝性脳症のためのケア療法の標準として使用されるさらなる治療剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
20. 前記さらなる治療剤がアンモニア低下化合物である、請求項19に記載の医薬製剤。
21. 前記アンモニア低下化合物が、リファキシミン、ラクツロース、オルニチンフェニルアセテート、及びグリセロールフェニルブチレートから選択される、請求項20に記載の医薬製剤。
22. 前記アンモニア低下化合物がリファキサミン又はラクツロースである、請求項21に記載の医薬製剤。
23. 以下:
(i) 請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤;及び
(ii) アンモニア低下化合物;
を含むコンビネーションプロダクト。
24. 過眠症の治療に有用なさらなる治療剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
25. 当該製剤がカプセルに充填され、且つ場合により過眠症の治療に有用なさらなる治療剤を含む、請求項1~18のいずれか一項に記載の医薬製剤。
26. 前記さらなる治療剤が、オキシバートナトリウム、モダフィニル、アルモダフィニル、メチルフェニデート、アンフェタミン、(R)-2-アミノ-3-フェニルプロピルカルバメート塩酸塩(JZP-110)、JZP-507、JZP-258、シュウ酸塩、及びピトリサントのいずれか1つから選択される、請求項24及び25のいずれか一項に記載の医薬製剤。
27. 当該製剤又は当該コンビネーションプロダクトが経腸投与又は経口投与に適している、請求項1~22及び24~26のいずれか1項に記載の医薬製剤及び請求項23に記載のコンビネーションプロダクト。
28. 肝性脳症又は傾眠過剰の治療方法における使用のための、請求項1~22及び24~26のいずれか一項に記載の医薬製剤及び請求項23に記載のコンビネーションプロダクト。
29. 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムの1日投与量が1mg/日~200mg/日、50mg/日~100mg/日、20mg/日~160mg/日、40mg/日~160mg/日、又は80mg/日~160mg/日である、請求項28に記載の使用のための医薬製剤及びコンビネーションプロダクト。
30. 前記1日投与量が1日1回又は1日2回投与される、請求項29に記載の使用のための医薬製剤又はコンビネーションプロダクト。
31. 請求項1~22及び24~26のいずれか一項に記載の医薬製剤を作製するための方法であって、それにより、:
(a) 前記ビヒクルが15℃~80℃の温度に加熱されている;及び
(b) 3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムを、必要に応じて微粉化された形態で、15℃~80℃の温度で、化合物が完全に溶解して透明な溶液が提供されるまで攪拌しながら前記ビヒクルに添加し、その後、前記溶液は任意でカプセルに充填される;
方法。
32. ステップ(i)において、前記ビヒクルが60℃~75℃の温度に加熱される、請求項31に記載の方法。
33. ステップ(ii)において、3α-エチニル-3β-ヒドロキシアンドロスタン-17-オンオキシムが完全に溶解すると、前記温度は約30℃に低下する、請求項31及び32のいずれか一項に記載の方法。
34. 請求項31~33のいずれか一項に記載の方法により入手可能なプロダクト。