(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】配送システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230719BHJP
【FI】
G06Q10/083
(21)【出願番号】P 2018179043
(22)【出願日】2018-09-25
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 真理子
(72)【発明者】
【氏名】藤本 英基
(72)【発明者】
【氏名】小林 徹也
(72)【発明者】
【氏名】梶山 肇
(72)【発明者】
【氏名】金 雄范
(72)【発明者】
【氏名】市川 明
(72)【発明者】
【氏名】山本 訓稔
【審査官】藤澤 美穂
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-000781(JP,A)
【文献】国際公開第2015/111170(WO,A1)
【文献】特開2003-085249(JP,A)
【文献】特開2006-076666(JP,A)
【文献】特表2006-524622(JP,A)
【文献】特開2010-140217(JP,A)
【文献】特開2003-058787(JP,A)
【文献】特開2010-198061(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02755175(EP,A1)
【文献】特開2017-201527(JP,A)
【文献】特開2004-083233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物を受け取る受取人から、複数の配送業者に対して当該受取人の情報を問い合わせる許可を受け付ける受付手段と、
前記許可がされた場合に、前記複数の配送業者のそれぞれから前記受取人宛の荷物に関する情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記受取人宛の複数の荷物がまとめて配送されるようにする情報を生成する生成手段と、
前記生成手段により生成された情報に基づいて、配送人が各配送業者の配送センターから荷物を集配する集配ルートの情報を含む配送スケジュールを作成する作成手段と、を備える配送システム。
【請求項2】
前記予め定められた条件は、前記複数の荷物の配送先の住所が指定されている場合には、当該住所が共通であるという条件であり、当該複数の荷物の配送先の住所が指定されていない場合には、前記受取人が共通であるという条件であること
を特徴とする請求項1記載の配送システム。
【請求項3】
前記生成手段は、さらに、前記受取人宛の荷物の配送と、当該受取人と住所が共通の他の受取人宛の荷物とがまとめて配送されるようにする情報を生成すること
を特徴とする請求項1記載の配送システム。
【請求項4】
前記生成手段は、前記受取人宛の荷物と前記他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することが許可されていない場合には、当該受取人宛の荷物と当該他の受取人宛の荷物とが別々に配送されるようにする情報を生成すること
を特徴とする請求項3記載の配送システム。
【請求項5】
前記受付手段は、前記受取人から、当該受取人宛の荷物と、当該受取人と住所が共通の他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けること
を特徴とする請求項1記載の配送システム。
【請求項6】
前記受付手段は、さらに、前記受取人宛の荷物の種類に応じて、当該受取人宛の荷物と前記他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けること
を特徴とする請求項5記載の配送システム。
【請求項7】
前記受付手段は、前記受取人から、当該受取人と共通の住所宛の荷物であっても個人宛毎に配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けること
を特徴とする請求項1記載の配送システム。
【請求項8】
前記取得手段が一の配送業者から取得した情報に含まれる荷物について、当該一の配送業者ではない自システムの配送手段によって配送する場合、当該一の配送業者に対して当該荷物を配送しないように指示する指示手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の配送システム。
【請求項9】
前記取得手段が一の配送業者から取得した情報に含まれる荷物について、当該一の配送業者ではない自システムの配送手段によって配送する場合、当該配送手段によって当該荷物の配送が完了すると、当該一の配送業者に対して当該荷物の配送が完了したことを通知する通知手段をさらに備えること
を特徴とする請求項1に記載の配送システム。
【請求項10】
コンピュータに、
荷物を受け取る受取人から、複数の配送業者に対して当該受取人の情報を問い合わせる許可を受け付ける機能と、
前記許可がされた場合に、前記複数の配送業者のそれぞれから前記受取人宛の荷物に関する情報を取得する機能と、
前記取得する機能により取得された情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記受取人宛の複数の荷物がまとめて配送されるようにする情報を生成する機能と、
前記生成する機能により生成された情報に基づいて、配送人が各配送業者の配送センターから荷物を集配する集配ルートの情報を含む配送スケジュールを作成する機能と、を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配送システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、引用文献1には、荷物の受け取り側のユーザによって予め設定された一の配送先を取得し、一又は複数の発送元から各々互いに異なる複数の配送業者によって集荷された複数の荷物が、受け取り側のユーザとは異なるユーザの指示によって一の配送先に配送される場合に、各荷物に関連付けられる第1配送情報を、その発送元から一の配送先とは異なる所定の場所に配送するように設定可能であり、各荷物に関連付けられる第2配送情報を、所定の場所から一の配送先に、一の配送業者がまとめて配送するように設定可能であり、異なるユーザによって配送が指示された各荷物の第1配送情報の配送先と、受け取り側のユーザによって予め設定された一の配送先と、が一致するかを判定し、一致すると判定された場合に、第1配送情報の配送先を一の配送先から所定の場所に変更するまとめ配送システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的な配送システムでは、複数の配送業者のそれぞれが個別に配送を行うため、共通の配送先であっても荷物毎に別々に配送される場合があった。
本発明は、配送先への荷物の配送を複数の配送業者のそれぞれが個別に行う場合に比べて、複数の荷物を共通の配送先へ効率よく配送することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、荷物を受け取る受取人から、複数の配送業者に対して当該受取人の情報を問い合わせる許可を受け付ける受付手段と、前記許可がされた場合に、前記複数の配送業者のそれぞれから前記受取人宛の荷物に関する情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記受取人宛の複数の荷物がまとめて配送されるようにする情報を生成する生成手段と、前記生成手段により生成された情報に基づいて、配送人が各配送業者の配送センターから荷物を集配する集配ルートの情報を含む配送スケジュールを作成する作成手段と、を備える配送システムである。
請求項2に記載の発明は、前記予め定められた条件は、前記複数の荷物の配送先の住所が指定されている場合には、当該住所が共通であるという条件であり、当該複数の荷物の配送先の住所が指定されていない場合には、前記受取人が共通であるという条件であることを特徴とする請求項1記載の配送システムである。
請求項3に記載の発明は、前記生成手段は、さらに、前記受取人宛の荷物の配送と、当該受取人と住所が共通の他の受取人宛の荷物とがまとめて配送されるようにする情報を生成することを特徴とする請求項1記載の配送システムである。
請求項4に記載の発明は、前記生成手段は、前記受取人宛の荷物と前記他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することが許可されていない場合には、当該受取人宛の荷物と当該他の受取人宛の荷物とが別々に配送されるようにする情報を生成することを特徴とする請求項3記載の配送システムである。
請求項5に記載の発明は、前記受付手段は、前記受取人から、当該受取人宛の荷物と、当該受取人と住所が共通の他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けることを特徴とする請求項1記載の配送システムである。
請求項6に記載の発明は、前記受付手段は、さらに、前記受取人宛の荷物の種類に応じて、当該受取人宛の荷物と前記他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けることを特徴とする請求項5記載の配送システムである。
請求項7に記載の発明は、前記受付手段は、前記受取人から、当該受取人と共通の住所宛の荷物であっても個人宛毎に配送することを許可又は不許可とする設定を受け付けることを特徴とする請求項1記載の配送システムである。
請求項8に記載の発明は、前記取得手段が一の配送業者から取得した情報に含まれる荷物について、当該一の配送業者ではない自システムの配送手段によって配送する場合、当該一の配送業者に対して当該荷物を配送しないように指示する指示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配送システムである。
請求項9に記載の発明は、前記取得手段が一の配送業者から取得した情報に含まれる荷物について、当該一の配送業者ではない自システムの配送手段によって配送する場合、当該配送手段によって当該荷物の配送が完了すると、当該一の配送業者に対して当該荷物の配送が完了したことを通知する通知手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の配送システムである。
請求項10に記載の発明は、コンピュータに、荷物を受け取る受取人から、複数の配送業者に対して当該受取人の情報を問い合わせる許可を受け付ける機能と、前記許可がされた場合に、前記複数の配送業者のそれぞれから前記受取人宛の荷物に関する情報を取得する機能と、前記取得する機能により取得された情報が予め定められた条件を満たす場合に、前記受取人宛の複数の荷物がまとめて配送されるようにする情報を生成する機能と、前記生成する機能により生成された情報に基づいて、配送人が各配送業者の配送センターから荷物を集配する集配ルートの情報を含む配送スケジュールを作成する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1記載の発明によれば、配送先への荷物の配送を複数の配送業者のそれぞれが個別に行う場合に比べて、複数の荷物を共通の配送先へ効率よく配送することができる。
請求項2記載の発明によれば、複数の荷物の配送先の住所が指定されているか否かにかかわらず、複数の荷物の配送をまとめることができる。
請求項3記載の発明によれば、受取人宛の荷物と他の受取人宛の荷物とをまとめて配送することができる。
請求項4記載の発明によれば、受取人と住所が共通の他の受取人宛の荷物が存在する場合であっても、受取人宛の荷物と他の受取人宛の荷物とをまとめて配送しないようにすることができる。
請求項5記載の発明によれば、受取人が、受取人宛の荷物と他の受取人宛の荷物とをまとめて配送するか否かを選択することができる。
請求項6記載の発明によれば、受取人が、受取人宛の荷物の種類に応じて、他の受取人宛の荷物とまとめて配送するか否かを選択することができる。
請求項7記載の発明によれば、受取人が、受取人と共通の住所宛の荷物であっても個人宛毎に配送するか否かを選択することができる。
請求項8記載の発明によれば、一の配送業者から取得した情報に含まれる荷物について、一の配送業者に対して荷物を配送しないように指示しない構成と比較して、一の配送業者によって誤って荷物が配送されることが抑制される。
請求項9記載の発明によれば、一の配送業者において、荷物の配送が完了したことが明確になる。
請求項10記載の発明によれば、配送先への荷物の配送を複数の配送業者のそれぞれが個別に行う場合に比べて、複数の荷物を共通の配送先へ効率よく配送する機能を、コンピュータにより実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態に係る配送システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバの機能構成例を示したブロック図である。
【
図4】本実施の形態に係る配送タスク管理サーバの機能構成例を示したブロック図である。
【
図5】本実施の形態に係る配送スケジュール管理サーバの機能構成例を示したブロック図である。
【
図6】ユーザ登録の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図7】配送タスク作成の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図8】配送タスク作成の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【
図9】(A)は、ユーザ情報テーブルに登録されたユーザAの情報の一例を示す図である。(B)は、配送業者サーバにて管理されているユーザAの情報の一例を示す図である。(C)は、配送業者サーバにて管理されているユーザAの情報の一例を示す図である。(D)は、配送業者サーバに登録されるユーザAの情報の一例を示す図である。
【
図10】(A)は、ユーザ情報テーブルに登録されたユーザBの情報の一例を示す図である。(B)は、配送業者サーバにて管理されているユーザCの情報の一例を示す図である。(C)は、ユーザ管理テーブルに登録されるユーザCの情報の一例を示す図である。
【
図11】(A)~(C)は、配送業者がユーザから依頼された荷物の配送依頼の情報の一例を示す図である。
【
図12】配送タスク作成部が作成した配送タスクの一例を示す図である。
【
図13】スケジュール作成部が作成した配送スケジュールの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0009】
<配送システムの全体構成>
図1は、本実施の形態に係る配送システム1の全体構成例を示した図である。本実施の形態に係る配送システム1は、配送業者の配送人とは別に用意された配送システム1の配送人が、配送業者にて配送された荷物の配送を配送業者から引き継いで、配送業者にて管理されている荷物を受け取りに行き、受け取った荷物を配送先へ配送するシステムである。
【0010】
図示するように、本実施の形態に係る配送システム1は、共通ユーザ管理サーバ100、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300、配送人端末400、配送業者サーバ500A、配送業者サーバ500B、配送業者サーバ500C、依頼人端末600を備える。これらの各装置はネットワーク700に接続される。
【0011】
なお、配送業者サーバ500A、配送業者サーバ500B、配送業者サーバ500Cは、個々の配送業者で管理されるサーバ装置であり、これらを区別する必要がない場合には、単に配送業者サーバ500と称する。また、
図1に示す例では、3つの配送業者サーバ500を示したが、配送業者サーバ500の台数は図示の3つには限定されない。
【0012】
共通ユーザ管理サーバ100は、配送システム1を利用するユーザの情報を管理するサーバ装置である。共通ユーザ管理サーバ100は、配送システム1を利用するユーザに対して、ユーザ毎に固有のID(即ち、ユーザを識別するための識別情報)を割り当てて、ユーザの氏名、住所、電話番号等の情報を管理する。また、共通ユーザ管理サーバ100は、各配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、配送業者サーバ500にて管理されているユーザの情報を取得する。その際には、配送システム1へ情報を公開することを許可しているユーザの情報を対象とする。
なお、以下では、共通ユーザ管理サーバ100にて割り当てられるユーザのIDを、「共通ID」と称する場合がある。
【0013】
配送タスク管理サーバ200は、各配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、各配送業者がユーザから依頼された荷物の配送依頼の情報を取得するサーバ装置である。また、配送タスク管理サーバ200は、共通ユーザ管理サーバ100から、共通ユーザ管理サーバ100が管理するユーザの情報を取得する。そして、配送タスク管理サーバ200は、取得した情報を基に、配送タスクを作成する。配送タスクは、荷物の配送をタスクとして捉えたものであり、荷物の配送毎に作成される。ここで、配送タスク管理サーバ200は、荷物の配送先である場所や人の情報に基づいて、複数の配送をまとめられる場合には1つの配送タスクにまとめる。
【0014】
配送スケジュール管理サーバ300は、配送タスク毎に、配送人が荷物を配送するための配送スケジュールを作成するサーバ装置である。ここで、配送スケジュール管理サーバ300は、配送センターの住所、荷物の配送先の住所、配送人の現在地等を基に、配送スケジュールを作成する。配送センターとは、配送業者における荷物の最終拠点であり、配送先へ配送される荷物を保管する場所である。配送システム1に係る配送人は、配送スケジュールに従って、配送センターへ荷物を受け取りに行き、受け取った荷物を配送先へ配送する。
【0015】
配送人端末400は、配送システム1に係る配送人が使用する端末装置であり、例えば、スマートフォン、携帯電話等の携帯情報端末が例示される。配送人端末400は、例えばGPS(Global Positioning System)等により自端末の現在地の情報を取得し、取得した現在地の情報を定期的(例えば、1分毎)に配送スケジュール管理サーバ300に送信する。また、配送人端末400は、配送スケジュール管理サーバ300から、配送スケジュールの情報を受け取る。配送人は、受け取った配送スケジュールに従って、荷物の配送を行う。
【0016】
配送業者サーバ500は、個々の配送業者で管理されるサーバ装置である。個々の配送業者では、荷物を受け取る受取人となるユーザを独自に管理しており、配送業者サーバ500には、ユーザ毎に、ユーザの氏名、住所、電話番号、ユーザに付与された固有のID等の情報が登録されている。また、個々の配送業者では、ユーザから荷物の配送依頼を受け付けると、受け付けた配送依頼の情報を配送業者サーバ500に格納する。
なお、配送業者は少なくとも1つの配送業者サーバ500を管理するが、1つの配送業者が複数の配送業者サーバ500を管理する場合もあるものとする。
また、以下では、配送業者サーバ500にて割り当てられるユーザのIDを、「個別ID」と称する場合がある。
【0017】
依頼人端末600は、荷物の配送を依頼するユーザが使用する端末装置であり、例えば、スマートフォン、携帯電話等の携帯情報端末が例示される。例えば、ユーザは、依頼人端末600を用いてインターネット上のWebサイトを閲覧し、Webサイトにて商品を購入する。その際、ユーザが購入した商品の配送を依頼することにより、依頼人端末600は、商品の配送依頼を受け付ける。受け付けた配送依頼の情報は、例えば、商品を販売する店舗に送信され、店舗から配送業者サーバ500に対して荷物の配送が依頼される。また、ユーザが配送業者サーバ500にアクセスして、荷物の配送を依頼してもよい。
また、依頼人端末600は、ユーザ登録画面を表示して、配送システム1に登録するユーザの情報を受け付ける。配送システム1に登録されたユーザ(以下、登録ユーザと称する)は、配送システム1の配送人による配送サービスを利用することができる。なお、登録ユーザの情報は、依頼人端末600から共通ユーザ管理サーバ100に送信されて、上述したように、共通ユーザ管理サーバ100にて管理される。
【0018】
ネットワーク700は、共通ユーザ管理サーバ100、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300、配送人端末400、配送業者サーバ500、依頼人端末600における情報通信に用いられる通信手段であり、例えば、インターネットや公衆回線、LAN(Local Area Network)を含む。また、ネットワーク700は、有線通信によるネットワーク及び無線通信によるネットワークを含む。
【0019】
<共通ユーザ管理サーバのハードウェア構成>
図2は、本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバ100のハードウェア構成例を示す図である。
【0020】
図示するように、本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバ100は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)101と、BIOS(Basic Input Output System)等のプログラムを格納する記憶領域であるROM(Read Only Memory)102と、プログラムの実行領域であるRAM(Random Access Memory)103とを備える。また、共通ユーザ管理サーバ100は、OS(Operating System)やアプリケーション等の各種プログラム、各種プログラムに対する入力データ、各種プログラムからの出力データ等を記憶する記憶領域であるHDD(Hard Disk Drive)104を備える。
【0021】
さらに、共通ユーザ管理サーバ100は、外部との通信を行うための通信インタフェース(通信I/F)105と、ディスプレイ等の表示機構106と、キーボードやマウス、タッチパネル等の入力デバイス107とを備える。
【0022】
なお、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300、配送人端末400、配送業者サーバ500、依頼人端末600についても、一例として、
図2に示すハードウェア構成と同様のものを用いることができる。
【0023】
<共通ユーザ管理サーバの機能構成>
次に、本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバ100の機能構成について説明する。
図3は、本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバ100の機能構成例を示したブロック図である。本実施の形態に係る共通ユーザ管理サーバ100は、登録ユーザ情報受付部111、登録ユーザ情報取得部112、ユーザ情報登録部113、表示情報出力部114、ユーザ情報格納部115を備える。
【0024】
受付手段の一例としての登録ユーザ情報受付部111は、配送システム1に登録するユーザのユーザ情報を受け付ける。例えば、登録ユーザ情報受付部111は、依頼人端末600のディスプレイに表示されるユーザ登録画面において、ユーザの氏名、住所、電話番号等のユーザ情報が入力されると、入力されたユーザ情報を受け付ける。
さらに説明すると、ユーザ登録画面では、ユーザが利用対象とする配送業者の選択も行われる。ユーザは、ここで選択した配送業者に対して、配送業者が管理する自身の情報を配送システム1へ公開することを許可したものとされる。即ち、ユーザは、ここで選択した配送業者へ自身の情報を問い合わせることを許可したものとされる。付言すると、配送業者の選択においては、例えば、予め定められた複数の配送業者の中からユーザが1又は複数の配送業者を選択してもよいし、予め定められた複数の配送業者を一括で選択してもよい。
また、ユーザは、過去に利用したことのある配送業者がある場合、ユーザ登録画面において、過去に利用した際に配送業者から付与された自身の個別IDを入力してもよい。
ユーザがユーザ登録画面においてユーザ情報の入力を完了し、登録を実行すると、ユーザ登録画面で入力された情報(即ち、登録ユーザ情報受付部111が受け付けた情報)は、後述するように、ユーザ情報登録部113によってユーザ情報テーブルに登録される。
【0025】
登録ユーザ情報取得部112は、ユーザの登録が行われると、その登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、配送業者サーバ500にて管理されている登録ユーザの個別IDの情報を取得する。例えば、ユーザ登録画面において個別IDが入力された場合には、登録ユーザ情報取得部112は、入力された個別IDを基に登録ユーザの照会を行い、その個別IDが有効なものであるか否かを判定する。また、例えば、ユーザ登録画面において個別IDが入力されなかった場合には、登録ユーザ情報取得部112は、登録ユーザの氏名、住所、電話番号等の情報を基に登録ユーザの照会を行い、配送業者サーバ500にて管理されている登録ユーザの個別IDを有効なものとして取得する。
このようにして、登録ユーザ情報取得部112は、登録ユーザが利用対象として選択した各配送業者サーバ500から、登録ユーザの個別IDの情報を取得する。また、各配送業者の配送業者サーバ500には、ユーザ毎に様々な情報が登録されていることが考えられるため、登録ユーザ情報取得部112は、個別IDに限らず、登録ユーザのその他の情報を取得しても良い。
【0026】
また、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザ情報テーブルにおいて、登録ユーザの住所と同じ住所が登録されている別のユーザの情報を取得する。このようなユーザは、登録ユーザの家族や家族以外の同居人などであり、登録ユーザと同居しているユーザ(以下、同居ユーザと称する)として扱われる。
さらに、登録ユーザ情報取得部112は、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザのうち、登録ユーザの住所と同じ住所が登録されている別のユーザの情報を取得する。このようなユーザも、登録ユーザと同居している同居ユーザとして扱われる。
ただし、登録ユーザ情報取得部112は、同居ユーザの情報を取得する場合、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500にアクセスする構成に限られない。例えば、登録ユーザ情報取得部112は、配送システム1における全ての配送業者サーバ500にアクセスして、登録ユーザと同居している同居ユーザの情報を取得してもよい。
【0027】
ユーザ情報登録部113は、ユーザの登録が行われると、その登録ユーザに対して共通IDを割り当てる。そして、ユーザ情報登録部113は、ユーザ情報受付部が受け付けた登録ユーザの情報と共通IDとを対応させて、ユーザ情報テーブルに登録する。また、ユーザ情報登録部113は、登録ユーザ情報取得部112が配送業者サーバ500から取得した登録ユーザの個別ID等の情報を、登録ユーザの共通IDと対応させて、ユーザ情報テーブルに登録する。さらに、ユーザ情報登録部113は、登録ユーザと同居している同居ユーザの情報も、登録ユーザの共通IDと対応させて、ユーザ情報テーブルに登録する。
【0028】
表示情報出力部114は、依頼人端末600のディスプレイに画面を表示させるためのデータを出力する。例えば、表示情報出力部114は、ユーザ登録画面の情報を依頼人端末600に出力し、ユーザ登録画面を依頼人端末600のディスプレイに表示させる。
【0029】
ユーザ情報格納部115は、ユーザ情報テーブルを格納する。ユーザは、依頼人端末600からユーザ情報テーブルにアクセスして、登録した自身のユーザ情報を参照したり、ユーザ情報の変更や削除をしたりすることができる。
【0030】
そして、共通ユーザ管理サーバ100を構成する各機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、例えば、共通ユーザ管理サーバ100を
図2に示したハードウェア構成にて実現した場合、HDD104等に記憶された各種プログラムが、RAM103に読み込まれてCPU101に実行されることにより、
図3に示す登録ユーザ情報受付部111、登録ユーザ情報取得部112、ユーザ情報登録部113、表示情報出力部114等の機能部が実現される。また、ユーザ情報格納部115は、例えば、HDD104により実現される。
【0031】
<配送タスク管理サーバの機能構成>
次に、本実施の形態に係る配送タスク管理サーバ200の機能構成について説明する。
図4は、本実施の形態に係る配送タスク管理サーバ200の機能構成例を示したブロック図である。本実施の形態に係る配送タスク管理サーバ200は、配送依頼情報取得部211、ユーザ情報取得部212、配送タスク作成部213、配送タスク格納部214を備える。
【0032】
取得手段の一例としての配送依頼情報取得部211は、定期的(例えば、1時間毎)に、各配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、各配送業者がユーザから受け付けた荷物の配送依頼の情報を取得する。ここで、配送依頼情報取得部211は、各配送業者の配送業者サーバ500から、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザ宛の荷物の配送依頼の情報を取得する。例えば、一のユーザが配送業者サーバ500A及び配送業者サーバ500Bにおける情報の公開を許可している場合には、配送業者サーバ500A及び配送業者サーバ500Bのそれぞれから、一のユーザ宛の荷物の配送依頼の情報が取得される。
【0033】
ユーザ情報取得部212は、共通ユーザ管理サーバ100から、配送依頼情報取得部211が取得した配送依頼の配送先であるユーザの情報を取得する。
【0034】
生成手段の一例としての配送タスク作成部213は、配送依頼情報取得部211が取得した配送依頼の情報と、ユーザ情報取得部212が取得したユーザの情報とを基に、荷物の配送毎に、配送タスクを作成する。ここで、配送タスク作成部213は、例えば、配送依頼情報取得部211が配送依頼の情報を取得したタイミングで配送タスクを作成してもよいし、配送依頼情報取得部211が配送依頼の情報を取得した後、他の配送依頼の情報が取得されるのを待機して、配送タスクを作成してもよい。また、例えば、予め定められた数の配送依頼が蓄積された後に、配送タスクを作成してもよい。
【0035】
さらに説明すると、配送タスク作成部213が作成する配送タスクには、配送先であるユーザの氏名、住所、電話番号、共通ID、配送タスクの状態を示すタスクステータス等の情報が含まれる。また、配送依頼の依頼元のユーザによって配送を希望する日時が指定されている場合には、指定された希望配送日時の情報も配送タスクに含まれる。そして、配送タスク作成部213は、配送依頼に含まれる複数の荷物に関する情報が予め定められた条件を満たす場合に、複数の荷物の配送を1つにまとめて配送タスクを作成する。本実施の形態において、複数の荷物の配送を1つにまとめて作成された配送タスクは、複数の荷物がまとめて配送されるようにする情報の一例として用いられる。
【0036】
より具体的には、配送のまとめ方としては、荷物の配送先である場所をキーにしてまとめる手法と、荷物の配送先である人をキーにしてまとめる手法とが存在する。荷物の配送先の住所が指定されている場合には、場所をキーにしてまとめる手法が用いられる。他方、荷物の配送先の住所が指定されていない場合には、人をキーにしてまとめる手法が用いられる。
例えば、同一ユーザ宛の荷物で配送先の住所が同じ場合、配送タスク作成部213は、場所をキーにしてまとめる手法により、1つの配送タスクにまとめる。また、例えば、異なるユーザ宛の荷物であっても、そのユーザ同士が家族や同居人の関係で配送先の住所が同じ場合、配送タスク作成部213は、1つの配送タスクにまとめる。ただし、ユーザ同士が家族や同居人の関係であっても、同居ユーザへの配送が許可されていない場合には、1つの配送タスクにまとめずに、別々の配送タスクを作成する。
【0037】
他方、荷物の中には、例えば、配送先のユーザは指定されていても、配送先の住所が固定されていない場合が存在する。このような場合、配送タスク作成部213は、人をキーにしてまとめる手法により、同一ユーザ宛の荷物を1つの配送タスクにまとめる。配送先の場所は、配送タスク管理サーバ200又は配送スケジュール管理サーバ300等が配送先のユーザに対してメール等で通知することにより、ユーザから配送先の場所の指定を受け付ける。
【0038】
配送タスク格納部214は、配送タスク作成部213によって作成された配送タスクの情報を格納する。
【0039】
そして、共通ユーザ管理サーバ100と同様に、例えば、HDD等に記憶された各種プログラムが、RAMに読み込まれてCPUに実行されることにより、
図4に示す配送依頼情報取得部211、ユーザ情報取得部212、配送タスク作成部213等の機能部が実現される。また、配送タスク格納部214は、例えば、HDDにより実現される。
【0040】
<配送スケジュール管理サーバの機能構成>
次に、本実施の形態に係る配送スケジュール管理サーバ300の機能構成について説明する。
図5は、本実施の形態に係る配送スケジュール管理サーバ300の機能構成例を示したブロック図である。本実施の形態に係る配送スケジュール管理サーバ300は、配送タスク取得部311、スケジュール作成部312、スケジュール通知部313、配送状況管理部314、配送状況通知部315を備える。
【0041】
配送タスク取得部311は、配送タスク管理サーバにて作成された配送タスクの情報を取得する。
【0042】
スケジュール作成部312は、配送タスク取得部311が取得した配送タスク毎に、配送システム1に係る配送人が荷物を配送するための配送スケジュールを作成する。ここで、スケジュール作成部312は、各配送タスクについて、荷物が到着する配送センターの住所、配送センターに荷物が到着する予定時刻、荷物の配送先の住所、配送人の現在地等を基に、配送スケジュールを作成する。例えば、スケジュール作成部312は、複数の荷物の配送がまとめられた配送タスクにおいて、複数の荷物が同じ配送センターに到着する場合、到着予定時刻が遅い方に合わせて配送人が配送センターに着くように、配送スケジュールを作成する。
【0043】
スケジュール通知部313は、スケジュール作成部312が作成した配送スケジュールを配送人端末400に通知する。ここで、複数の配送人が存在する場合には、それぞれの配送人の配送人端末400に対して、配送スケジュールが通知される。
【0044】
配送状況管理部314は、配送タスク毎に、荷物の配送状況を管理する。ここで、配送状況管理部314は、荷物の配送状況に合わせて、配送スケジュールの情報を更新する。例えば、配送人が配送センターで荷物を受け取ると、配送人が配送人端末400を操作することにより、配送人が荷物を受け取ったことが配送スケジュール管理サーバ300に通知される。この通知により、配送状況管理部314は、配送タスク格納部214に格納されている配送タスクのタスクステータスを、「集配中」から「配送中」に変更する。
【0045】
指示手段、通知手段の一例としての配送状況通知部315は、荷物の配送先であるユーザに対して、荷物の配送状況や荷物の現在位置の情報、荷物の到着予定時刻等を通知する。また、配送状況通知部315は、配送システム1に係る配送人が荷物を配送する場合、その荷物を管理する配送業者の配送業者サーバ500に対して、荷物を配送しないように指示する。さらに、配送状況通知部315は、荷物の配送が完了すると、その荷物を管理する配送業者の配送業者サーバ500に対して、荷物の配送が完了した旨を通知する。
なお、配送業者に対する指示又は通知は、配送業者サーバ500に対して行う構成に限られない。配送業者に対して指示又は通知を行えばよく、例えば、配送業者サーバ500の管理者にメールで指示又は通知をしたり、配送業者において荷物の配送を担当する担当者にメールで指示又は通知をしたりしてもよい。
【0046】
そして、共通ユーザ管理サーバ100と同様に、例えば、HDD等に記憶された各種プログラムが、RAMに読み込まれてCPUに実行されることにより、
図5に示す配送タスク取得部311、スケジュール作成部312、スケジュール通知部313、配送状況管理部314、配送状況通知部315等の機能部が実現される。
【0047】
<ユーザ登録の処理手順>
次に、共通ユーザ管理サーバ100がユーザ登録を行う処理の手順について説明する。
図6は、ユーザ登録の処理手順の一例を示したフローチャートである。
なお、以下では、処理のステップを記号の「S」と表記する場合がある。
【0048】
まず、ユーザが配送システム1に登録するために、依頼人端末600から共通ユーザ管理サーバ100へアクセスすると、表示情報出力部114は、ユーザ登録画面の情報を依頼人端末600に出力する。そして、ユーザ登録画面を依頼人端末600のディスプレイに表示させる(S101)。次に、登録ユーザ情報受付部111は、依頼人端末600からユーザ情報を受け付ける(S102)。
【0049】
次に、受け付けたユーザ情報を基にユーザ登録が実行されると、ユーザ情報登録部113は、登録ユーザに対して共通IDを割り当てる。そして、登録ユーザのユーザ情報と共通IDとを対応させて、ユーザ情報テーブルに登録する(S103)。次に、登録ユーザ情報取得部112は、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、配送業者サーバ500において、登録ユーザの有効な個別IDが存在するか否かを判定する(S104)。
【0050】
S104で肯定の判断(YES)がされた場合、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500から、登録ユーザの個別IDを取得する(S105)。一方、S104で否定の判断(NO)がされた場合、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500に対して、登録ユーザのユーザ情報を送信して、登録ユーザを新たに登録するように通知する(S106)。そして、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500によって付与された登録ユーザの個別IDを取得する(S107)。
なお、S104~S107の処理は、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500毎に実行される。
【0051】
S105の後、又はS107の後、ユーザ情報登録部113は、S105で取得された個別ID及びS107で取得された個別IDを、登録ユーザの共通IDと対応させてユーザ情報テーブルに登録する(S108)。次に、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザ情報テーブルにおいて、登録ユーザの住所と同じ住所が登録されている別のユーザが存在するか否かを判定する(S109)。
S109で肯定の判断(YES)がされた場合、登録ユーザ情報取得部112は、その別のユーザの共通IDを取得する(S110)。次に、ユーザ情報登録部113は、S110で取得された共通IDを、登録ユーザの同居ユーザの共通IDとして、ユーザ情報テーブルに登録する(S111)。
【0052】
S111の後、又はS109で否定の判断(NO)がされた場合、登録ユーザ情報取得部112は、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500にアクセスする。そして、配送業者サーバ500において、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザのうち、登録ユーザの住所と同じ住所が登録されている別のユーザが存在するか否かを判定する(S112)。
【0053】
S112で否定の判断(NO)がされた場合、本処理フローは終了する。
一方、S112で肯定の判断(YES)がされた場合、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500から、その別のユーザの情報を取得する(S113)。ここで取得される別のユーザの情報は、登録ユーザの同居ユーザの情報として扱われる。次に、ユーザ情報登録部113は、この別のユーザについて配送システム1に登録するために、S113で取得されたユーザの情報をユーザ情報テーブルに登録する(S114)。その際、ユーザ情報登録部113は、別のユーザに対して新たに共通IDを割り当てる(S115)。また、ユーザ情報登録部113は、S115で割り当てた共通IDを、登録ユーザの同居ユーザの共通IDとして、ユーザ情報テーブルに登録する(S116)。そして、本処理フローは終了する。
なお、S112~S116の処理は、登録ユーザが利用対象として選択した配送業者の配送業者サーバ500毎に実行される。
【0054】
<配送タスク作成の処理手順>
次に、配送タスク管理サーバ200が配送タスクを作成する処理の手順について説明する。
図7及び
図8は、配送タスク作成の処理手順の一例を示したフローチャートである。
【0055】
まず、配送依頼情報取得部211は、各配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、配送業者がユーザから依頼された荷物の配送依頼の情報を取得する(S201)。ここで、配送依頼情報取得部211は、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザ宛の荷物の配送依頼の情報を取得する。次に、配送タスク作成部213は、取得された配送依頼の情報を参照して、配送が依頼された全ての荷物のうち、1つの荷物を選択する(S202)。
【0056】
次に、配送タスク作成部213は、配送が依頼された全ての荷物のうち、S202で選択した荷物をまとめるための期間として予め定められた期間内に収まっている荷物を抽出する(S203)。ここで、荷物をまとめるための期間とは、複数の荷物の配送をまとめるか否かの判断に用いられる期間であり、例えば、S202で選択した荷物が配送センターにて滞留する上限の期間である。この場合、S202で選択した荷物が配送センターに到着する予定時刻を基準として、その基準の時刻から予め定められた期間内に配送センターに到着する予定の荷物が抽出される。
【0057】
次に、配送タスク作成部213は、S202で選択した荷物について、荷物の配送先である場所をキーにしてまとめるか否かを判定する(S204)。
S204の判定では、例えば、配送先のユーザの住所に配送するように明示的に指定されている場合や、配送先のユーザの住所がユーザ情報テーブルに登録されており、それ以外の場所に配送するような指示がない場合に、肯定の判断(YES)がされる。一方、例えば、配送先のユーザの住所が固定されていない場合や、配送先のユーザの住所はユーザ情報テーブルに登録されているが、その住所には配送しないように指定されている場合に、否定の判断(NO)がされる。この場合、荷物の配送先である人をキーにしてまとめる手法が用いられる。
【0058】
S204で肯定の判断(YES)がされた場合、配送タスク作成部213は、S203で抽出した荷物のうち、S202で選択した荷物と同一のユーザ宛で、配送先の住所が同じ荷物が存在するか否かを判定する(S205)。
S205で否定の判断(NO)がされた場合、配送タスク作成部213は、S202で選択した荷物だけを含む配送タスクを作成する(S206)。
一方、S205で肯定の判断(YES)がされた場合、配送タスク作成部213は、同一ユーザ宛で配送先の住所が同じ複数の荷物をまとめる(S207)。
【0059】
S206の後、又はS207の後、配送タスク作成部213は、ユーザ情報テーブルを参照して、S202で選択した荷物の配送先であるユーザの同居ユーザを特定する(S208)。次に、配送タスク作成部213は、S204で抽出した荷物のうち、S208で特定した同居ユーザ宛の荷物が存在するか否かを判定する(S209)。S209で否定の判断(NO)がされた場合、配送タスク作成部213は、S207でまとめた荷物について、1つの配送タスクを作成する(S210)。
【0060】
一方、S209で肯定の判断(YES)がされた場合、配送タスク作成部213は、S207でまとめた複数の荷物とS208で確認された同居ユーザ宛の荷物との全てについて、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されているか否かを判定する(S211)。全ての荷物について、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されている場合(S211でYES)、配送タスク作成部213は、全ての荷物をまとめて1つの配送タスクを作成する(S212)。一方、少なくとも1つの荷物について、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されていない場合(S211でNO)、配送タスク作成部213は、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されていない荷物を他の者宛の荷物と一緒に配送しないように、配送タスクを作成する(S213)。
【0061】
S213では、例えば、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されている荷物だけをまとめて1つの配送タスクが作成される。他方、他の者宛の荷物と一緒に配送することが許可されていない荷物については、配送先のユーザ毎に配送タスクが作成される。又は、例えば、全ての荷物について、配送先のユーザ毎に配送タスクを作成してもよい。
【0062】
また、S204で否定の判断(NO)がされた場合、荷物の配送先である人をキーにしてまとめる処理が行われる。この場合、配送タスク作成部213は、S203で抽出した荷物のうち、S202で選択した荷物と同一のユーザ宛の荷物が存在するか否かを判定する(S214)。S214で肯定の判断(YES)がされた場合、配送タスク作成部213は、同一ユーザ宛の複数の荷物をまとめて1つの配送タスクを作成する(S215)。一方、S214で否定の判断がされた場合、配送タスク作成部213は、S202で選択した荷物だけを含む配送タスクを作成する(S216)。S215又はS216の後、配送タスク作成部213は、配送先のユーザに対してメール等で通知し、ユーザから配送先の場所を受け付けて、配送タスクの情報として追加する(S217)。
【0063】
S210、S212、S213又はS217の後、配送タスク作成部は、S201で取得された配送依頼の情報にて配送が依頼された全ての荷物のうち、まだ配送タスクの作成が行われていない荷物が存在するか否かを判定する(S218)。S218で肯定の判定(YES)がされた場合、S202に移行する。一方、S218で否定の判断(NO)がされた場合、本処理フローは終了する。
【0064】
<共通ユーザ管理サーバの処理の説明>
次に、共通ユーザ管理サーバ100の処理について、具体例を挙げて説明する。
例えば、ユーザAが依頼人端末600から共通ユーザ管理サーバ100にアクセスすると、依頼人端末600のディスプレイにユーザ登録画面が表示される。ユーザAが、このユーザ登録画面において、自身の氏名、住所、電話番号等のユーザ情報を入力すると、ユーザ登録が行われる。また、ユーザ登録画面では、ユーザAが利用対象とする配送業者の選択も行われる。ここで、ユーザAは、ユーザ登録画面において、過去に利用したことのある配送業者から付与された自身の個別IDを入力してもよい。
この例では、ユーザAは、配送業者サーバ500Aを管理する配送業者A、配送業者サーバ500Bを管理する配送業者B、配送業者サーバ500Cを管理する配送業者Cの3つを選択する。また、ユーザAは、過去に配送業者Aのサービスを利用したことがあり、その際に付与された個別IDとして、個別ID「333」を入力する。
【0065】
ユーザAの登録が行われると、ユーザ情報登録部113は、ユーザAに対して共通IDを割り当てる。そして、ユーザ情報登録部113は、ユーザ登録画面に入力されたユーザAの情報と共通IDとを対応させて、ユーザ情報テーブルに登録する。
図9(A)は、ユーザ情報テーブルに登録されたユーザAの情報の一例を示す図である。図示の例では、共通IDは「C-8797」、ユーザAの氏名は「山田太郎」、電話番号は「xx-xxxx-xxxx」、住所は「xx県yy市zz1-1」である。
【0066】
また、荷物をまとめる期間として「1日」が指定される。例えば、荷物をまとめるためにユーザAの荷物が配送センターに滞留する上限の期間が1日とされる。言い換えると、一の荷物と他の荷物とについて、一の荷物が配送センターに到着する予定時刻と他の荷物が配送センターに到着する予定時刻とが1日以内であれば、まとめる対象として扱われる。ただし、荷物をまとめる期間としては、荷物が配送センターに滞留する上限の期間には限られない。例えば、荷物の配送依頼がされた時刻を基準とした期間であってもよい。この場合、例えば、一の荷物と他の荷物とについて、一の荷物の配送が依頼された時刻と他の荷物の配送が依頼された時刻とが1日以内であれば、まとめる対象として扱われる。
【0067】
さらに、同居ユーザ配送可/不可は、ユーザA宛の荷物を、ユーザAと同居している同居ユーザ宛の荷物とまとめて配送することを許可するか否かの設定である。「可」の場合には、ユーザA宛の荷物と同居ユーザ宛の荷物とをまとめて配送することが許可される。一方、「不可」の場合には、ユーザA宛の荷物と同居ユーザ宛の荷物とをまとめて配送することは許可されず、別々の配送タスクに割り振られる。
【0068】
また、同居ユーザ配送可/不可の設定について、荷物の種類や荷物の性質に応じて、「可」又は「不可」の設定を行ってもよい。例えば、酒類やアルコール飲料は未成年の飲酒が禁止されるが、例えば子供用の荷物とまとめて配送すると、子供が酒類やアルコール飲料の荷物を受け取る可能性がある。そこで、酒類やアルコール飲料については「不可」の設定が行われる。また、例えば、高価なものは、その荷物の宛先のユーザが直接受け取った方がよいため、「不可」の設定が行われる。
さらに、荷物をまとめて配送することを許可する同居ユーザを指定してもよい。例えば、酒類やアルコール飲料については、成人の同居ユーザ宛の荷物であればまとめて配送してもよいとする設定が行われる。また、例えば、高価なものについては、信頼できる同居ユーザ宛の荷物であればまとめて配送してもよいとする設定が行われる。
なお、後述するように、同居ユーザ配送可/不可の設定を、配送する荷物毎に行ってもよい。
【0069】
また、同居ユーザ配送可/不可の設定は、配送先のユーザと同じ住所宛の荷物であっても個人宛毎に配送することを許可するか否かの設定として捉えることもできる。この場合、「可」の場合には、個人宛毎に配送することが許可され、例えば、ユーザA宛の荷物と同居ユーザ宛の荷物とは別々の配送タスクに割り振られる。一方、「不可」の場合には、個人宛毎に配送することが許可されず、例えば、ユーザA宛の荷物と同居ユーザ宛の荷物とをまとめて配送タスクが作成される。
【0070】
さらに、ユーザ情報テーブルには、配送業者サーバ500にてユーザAに付与された個別IDや、ユーザAの同居ユーザの情報が登録される。
より具体的には、ユーザAの登録が行われると、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザAが利用対象として選択した各配送業者の配送業者サーバ500A~500Cにアクセスして、配送業者サーバ500A~500Cにて管理されているユーザAの個別IDを取得する。
【0071】
例えば、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500Aにアクセスして、ユーザAに入力された個別ID「333」を基にユーザAの照会を行い、個別ID「333」が有効なものであるか否かを判定する。
図9(B)は、配送業者サーバ500Aにて管理されているユーザAの情報の一例を示す図である。登録ユーザ情報取得部112は、例えば、ユーザ登録画面に入力されたユーザAの氏名、住所、電話番号と、個別ID「333」として登録されているユーザの氏名、住所、電話番号とを比較する。そして、両者が全て一致する場合には、ユーザAと個別ID「333」のユーザとは同一であり、個別ID「333」はユーザAの有効な個別IDであると判定する。
【0072】
また、例えば、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500Bにアクセスして、ユーザAの氏名、住所、電話番号の情報を基にユーザAの照会を行い、配送業者サーバ500Bにて管理されているユーザAの個別IDを取得する。
図9(C)は、配送業者サーバ500Bにて管理されているユーザAの情報の一例を示す図である。ここで、個別ID「X-222」のユーザの氏名、住所、電話番号は、ユーザ登録画面に入力されたユーザAの氏名、住所、電話番号と一致する。そこで、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザAの有効な個別IDとして、「X-222」を取得する。
【0073】
さらに、例えば、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500Cにアクセスして、ユーザAの氏名、住所、電話番号等の情報を基にユーザAの照会を行い、配送業者サーバ500Cにて管理されているユーザAの個別IDを取得する。この例では、配送業者サーバ500Cにおいて、ユーザAはまだ登録されていない。そこで、登録ユーザ情報取得部112は、配送業者サーバ500Cに対してユーザAを新たに登録するように通知する。その際、ユーザ登録画面で入力されたユーザAの情報も合わせて配送業者サーバ500Cに通知する。
図9(D)は、配送業者サーバ500Cに登録されるユーザAの情報の一例を示す図である。
図9(D)に示すように、配送業者サーバ500Cには、ユーザ登録画面に入力されたユーザAの氏名、住所、電話番号が登録される。また、配送業者サーバ500Cでは、ユーザAの個別IDとして新たに「A3849」が付与される。そして、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザAの有効な個別IDとして「A3849」を取得する。
【0074】
また、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザ情報テーブルにおいて、ユーザAの住所と同じ住所が登録されている別のユーザの情報を取得する。この例では、ユーザAの住所と同じ住所が登録されているユーザとして、ユーザBが存在する。
図10(A)は、ユーザ情報テーブルに登録されたユーザBの情報の一例を示す図である。図示の例では、共通ID「C-6547」のユーザBの住所は、ユーザAの住所と同じである。よって、ユーザBの共通ID「C-6547」は、ユーザAの同居ユーザの共通IDとして登録される。また、ユーザAの共通ID「C-8797」は、ユーザBの同居ユーザの共通IDとして登録される。
【0075】
さらに、登録ユーザ情報取得部112は、ユーザAが利用対象として選択した各配送業者の配送業者サーバ500A~500Cにアクセスして、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザのうち、ユーザAの住所と同じ住所が登録されている別のユーザの情報を取得する。この例では、配送業者サーバ500Bにおいて、ユーザAの住所と同じ住所が登録されているユーザとして、ユーザCが存在する。
図10(B)は、配送業者サーバ500Bにて管理されているユーザCの情報の一例を示す図である。図示の例では、個別ID「X-333」のユーザCの住所はユーザAの住所と同じである。よって、ユーザCはユーザAの同居ユーザとして扱われる。
【0076】
ここで、ユーザCも配送システム1に登録される。
図10(C)は、ユーザ管理テーブルに登録されるユーザCの情報の一例を示す図である。図示のように、配送業者サーバ500Bにて管理されているユーザCの情報がユーザ情報テーブルに登録される。その際、ユーザCに対して新たに共通ID「C-9987」が付与される。また、ユーザCの共通ID「C-9987」は、ユーザAの同居ユーザの共通IDとして登録される。さらに、ユーザBの同居ユーザの共通IDとしても登録される。一方、ユーザAの共通ID「C-8797」は、ユーザCの同居ユーザの共通IDとして登録される。また、ユーザBの共通ID「C-6547」も、ユーザCの同居ユーザの共通IDとして登録される。
【0077】
なお、ユーザAの同居ユーザの情報を手動で登録してもよい。例えば、ユーザAが、ユーザ登録画面において、自身の情報と一緒に同居ユーザの情報を入力すると、同居ユーザに対して共通IDが付与されて同居ユーザの情報がユーザ情報テーブルに登録される。また、例えば、ユーザAが、自身のユーザ登録の際に、すでに登録されている同居ユーザの共通IDを入力してもよい。この場合、共通IDを基に特定されるユーザの住所がユーザAの住所と同じであれば、有効な共通IDと判定され、ユーザAの同居ユーザの共通IDとして登録される。
【0078】
<配送タスク管理サーバの処理の説明>
次に、配送タスク管理サーバ200の処理について、具体例を挙げて説明する。
まず、配送依頼情報取得部211は、定期的(例えば、1時間毎)に、各配送業者の配送業者サーバ500にアクセスして、各配送業者がユーザから依頼された荷物の配送依頼の情報を取得する。ここでは、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザ宛の荷物の配送依頼の情報を取得する。
図11(A)~(C)は、配送業者がユーザから依頼された荷物の配送依頼の情報の一例を示す図である。
【0079】
ここで、
図11(A)、(B)は、配送業者Bがユーザから依頼された配送依頼の情報を示している。
図11(C)は、配送業者Cがユーザから依頼された配送依頼の情報を示している。各配送依頼に割り当てられている配送IDは、配送業者が独自に付与するIDである。
なお、
図11(A)~(C)に示す例では指定されていないが、配送依頼では、荷物の受取人を指定してもよい。受取人が指定された場合、指定された受取人に対して荷物の受け渡しが行われる。指定された受取人が不在の場合には、再配送となる。また、まとめて配送した複数の荷物について、荷物毎に受取人が指定されている場合には、荷物に対応する受取人に対して荷物の受け渡しが行われる。
【0080】
配送タスク作成部213は、配送依頼情報取得部211が取得した
図11(A)~(C)の荷物配送の情報と、ユーザ情報取得部212が取得したユーザの情報とを基に、荷物の配送毎に配送タスクを作成する。
より具体的には、
図11(A)に示す荷物1(配送ID:2222)では、配送先のユーザの個別IDが「X-222」であり、ユーザ情報テーブルを検索することにより、共通ID「C-8797」のユーザAを示していることが確認される(
図9(A)参照)。同様に、
図11(B)に示す荷物2(配送ID:2223)では、配送先のユーザの個別IDが「X-333」であり、ユーザ情報テーブルを検索することにより、共通ID「C-9987」のユーザCを示していることが確認される(
図10(C)参照)。また、
図11(C)に示す荷物3(配送ID:123)では、配送先のユーザの個別IDが「A3849」であり、ユーザ情報テーブルを検索することにより、共通ID「C-8797」のユーザAを示していることが確認される(
図9(A)参照)。
【0081】
即ち、荷物1の配送先、荷物3の配送先はユーザAの住所で、荷物2の配送先はユーザAの同居人であるユーザCの住所であり、全て同一の場所である。よって、配送タスク作成部213は、荷物の配送先である場所をキーにして、これら3つの荷物をまとめて1つの配送タスクを作成する。
図12は、配送タスク作成部213が作成した配送タスクの一例を示す図である。図示のように、配送タスクには、配送タスクをまとめる際に用いられたキーの情報(図示の例では、場所)、配送先のユーザの共通ID、配送先の住所、配送先の電話番号、タスクステータス、希望配送日時の情報が登録される。
【0082】
さらに説明すると、この例では、荷物1~荷物3について、荷物をまとめる期間は「1日」と設定されている(
図11参照)。そして、3つの荷物については、配送センター到着予定時刻が1日以内に収まるため、1つの配送タスクにまとめられる。
また、この例では、3つの荷物毎に「同居ユーザ配送可/不可」の設定がされており、3つの荷物ともに「可」が設定されている。そのため、3つの荷物は1つの配送タスクにまとめられる。ここで、例えば、荷物1の設定が「不可」の場合、荷物1と荷物2とはまとめられない。この場合、例えば、荷物1だけで1つの配送タスクが作成され、荷物2と荷物3とが1つの配送タスクにまとめられる。又は、同じユーザA宛の荷物である荷物1と荷物3とを1つの配送タスクにまとめて、荷物2だけで1つの配送タスクを作成してもよい。
【0083】
なお、荷物毎に「同居ユーザ配送可/不可」の設定がされていない場合には、ユーザ情報テーブルに登録されたユーザ毎の「同居ユーザ配送可/不可」の設定が参照される。言い換えると、「同居ユーザ配送可/不可」の設定は、荷物毎の設定の方がユーザ毎の設定よりも優先される。
また、この例では、配送タスクの希望配送日時として、荷物1の「2018年5月4日18時」が設定される。ただし、複数の荷物を1つの配送タスクにまとめる場合、複数の荷物に対して希望配送日時が指定されている場合には、最も早い希望配送日時が、その配送タスクの希望配送日時として設定される。
【0084】
<配送スケジュール管理サーバの処理の説明>
次に、配送スケジュール管理サーバ300の処理について、具体例を挙げて説明する。
配送タスク取得部311は、配送タスク管理サーバにて作成された配送タスクの情報を取得する。そして、スケジュール作成部312は、配送タスク取得部311が取得した配送タスク毎に、配送人が配送するための配送スケジュールを作成する。この例では、スケジュール作成部312は、
図12に示す配送タスクの配送スケジュールを作成するものとする。
【0085】
図13は、スケジュール作成部312が作成した配送スケジュールの一例を示す図である。配送スケジュールには、配送タスクに含まれる荷物の情報、荷物が到着する配送センターの情報、及び集配ルートの情報が含まれる。図示の例では、配送センターの住所として、荷物1及び荷物2を管理する配送業者Bの配送センターBの住所、荷物3を管理する配送業者Cの配送センターCの住所が含まれる。これらの配送センターの住所は、各配送業者の配送業者サーバ500から取得される。また、荷物1~3のそれぞれについて、配送センターに到着する予定時刻が定められている。この到着予定時刻は、各配送業者にて計算され、配送業者サーバ500から取得される。そして、配送センターの住所、配送センターへの到着予定時刻を基に、集配ルートが計画される。
【0086】
より具体的には、荷物1が配送センターBに到着する予定時刻は2018年5月4日11時である。また、荷物2が配送センターBに到着する予定時刻は2018年5月4日16時である。さらに、荷物3が配送センターCに到着する予定時刻は2018年5月4日12時である。ここで、荷物1と荷物2は同じ配送センターBに到着し、荷物2の到着予定時刻の方が遅い。そこで、荷物2が到着した後(即ち、2018年5月4日16時以降)に配送人が配送センターBに着くように、集配ルートが決定される。また、荷物3が配送センターCに到着する予定時刻は2018年5月4日12時であるため、配送人が配送センターBよりも先に配送センターCに向かい、荷物3が到着した後(即ち、2018年5月4日12時以降)に配送センターCに着くように、集配ルートが決定される。
【0087】
さらに、ユーザから指定された希望配送日時も考慮される。図示の例では、荷物1に対して希望配送日時が2018年5月4日18時に指定されている。そのため、集配ルートや各配送センターの住所、配送先の住所等を基に、2018年5月4日18時までに配送できるか否かの確認が行われる。ここで、荷物1の配送が希望配送日時までに間に合わないと判断される場合には、荷物1のための別の配送タスクが作成される。
【0088】
スケジュール通知部313は、このようにして作成された配送タスクの配送スケジュールを、配送人端末400に通知する。ここで、複数の配送人が存在する場合、スケジュール通知部313は、配送スケジュールと配送人の現在地とを基に、配送スケジュールに従って配送可能な配送人を選択して、選択した配送人の配送人端末400に対して配送スケジュールを通知する。また、スケジュール通知部313は、配送人が他の配送タスクの作業中または作業予定である場合には、その作業完了後に配送可能であるか、又は、その作業中に割り込んで配送可能であるか等を判断して、配送スケジュールを通知する。
なお、スケジュール通知部313が配送人を選択するのではなく、配送システム1の管理者等が配送人を選択してもよい。また、配送人自身が配送可能な配送タスクを選択してもよい。
【0089】
また、配送状況管理部314は、配送タスク毎に、配送タスクのタスクステータスを更新したり、荷物の荷物ステータスを更新したりする。
配送タスクのタスクステータスには、「新規」、「集配中」、「配送中」、「完了」、「待機中」がある。「新規」は、配送タスクが作成されて、まだ配送人に割り当てられていない状態である。「集配中」は、配送人が荷物の集配作業中の状態である。「配送中」は、配送人が荷物の集配を完了し、配送先に向かっている状態である。「完了」は、荷物の配送が完了した状態である。「待機中」は、荷物の配送が完了して一定時間経過した状態である。
【0090】
また、荷物の荷物ステータスには、「配送センター到着待ち」、「配送センター到着済み」、「集配済み」、「完了」がある。「配送センター到着待ち」は、配送センターに荷物がまだ到着していない状態である。「配送センター到着済み」は、配送センターに荷物が到着したが、まだ集配されていない状態である。「集配済み」は、配送人によって荷物が集配された状態である。「完了」は、荷物の配送が完了した状態である。
【0091】
また、配送状況通知部315は、荷物1~3の配送先であるユーザA及びユーザCに対して、荷物ステータスや荷物の現在位置の情報、荷物の到着予定時刻等を通知する。さらに、配送状況通知部315は、配送業者サーバ500Bに対して、荷物1及び荷物2を配送しないように指示する。そして、配送状況通知部315は、配送業者サーバ500Cに対して、荷物3を配送しないように指示する。また、配送状況通知部315は、荷物1~3の配送が完了すると、配送業者サーバ500Bに対して、荷物1及び荷物2の配送が完了した旨を通知する。また、配送業者サーバ500Cに対して、荷物3の配送が完了した旨を通知する。
【0092】
なお、配送人が配送センターに行ったが、到着予定時刻までに荷物が配送センターに到着しないことも考えられる。この場合、配送スケジュールにおいて、他の配送センターへ行く予定がある場合には、そちらの配送センターへ行くようにスケジュールを変更する。その際、配送人は、スケジュールを変更して他の配送センターへ向かう旨を配送スケジュール管理サーバ300へ通知する。また、配送人が再度配送センターへ戻ってきても、まだ荷物が配送センターへ到着していない場合には、その荷物の配送はキャンセルされる。その際、配送人は、荷物の配送をキャンセルする旨を配送スケジュール管理サーバ300へ通知する。配送スケジュール管理サーバ300は、配送をキャンセルする荷物を管理する配送業者サーバ500や、その荷物の配送を依頼したユーザの依頼人端末600に対して、荷物の配送をキャンセルする旨を通知する。荷物の配送がキャンセルされると、配送を依頼したユーザは、例えば、後日配送するのか、その配送自体を取りやめるのか等について、配送業者と交渉すればよい。
また、配送人は、配送センターで荷物を受け取る際、信用できる者であることを示すために、配送業者サーバ500から事前に送られる認証情報(例えばパスワード等)を提示する。認証が取れると、配送センターから配送人への荷物の受け渡しが行われる。
【0093】
さらに、配送タスク管理サーバ200にて作成された全ての配送タスクについて、配送システム1に係る配送人が配送するのではなく、一部の配送タスクの配送を配送業者が行ってもよい。この場合、スケジュール作成部312は、配送業者が配送を行う荷物の配送タスクについては、スケジュールを作成せずに、配送タスク格納部214から削除する。また、スケジュール作成部312は、各配送タスクについて、配送業者側で配送するか、又は配送システム1側で配送するかを決定した結果を、配送業者サーバ500に通知する。
【0094】
例えば、スケジュール作成部312は、配送タスク内の荷物が1つしかない場合、その荷物を管理する配送業者サーバ500に対して、配送業者側で配送するか、配送システム1側で配送するかを問い合わせる。問い合わせ後、一定時間内(例えば、1時間以内)に配送業者から回答がない場合には、配送業者サーバ500に対して配送を任せる旨を通知する。
また、例えば、スケジュール作成部312は、荷物の希望配送日時が指定されている場合、それが急な配送の場合には、配送業者サーバ500に対して配送を任せる旨を通知する。より具体的には、例えば、配送タスク管理サーバ200にて配送を確認した時刻(即ち、配送依頼情報取得部211が配送依頼の情報を取得した時刻)から一定時間内(例えば、1時間以内)に配送を完了させるようにユーザに指定されている場合、配送業者サーバ500に対して配送を任せる旨を通知する。
さらに、例えば、スケジュール作成部312は、荷物を管理する配送センターが、配送システム1の対象エリア外だった場合には、配送業者サーバ500に対して配送を任せる旨を通知する。
【0095】
また、本実施の形態では、配送タスク管理サーバ200の配送依頼情報取得部211は、配送業者サーバ500から配送依頼の情報を取得する構成に限られない。配送依頼情報取得部211は、例えば、ユーザが依頼人端末600を用いてインターネット上のWebサイトで商品を購入した場合、その商品を購入したWebサイトを構成するシステムから、直接、配送依頼の情報を取得してもよい。この場合、配送依頼情報取得部211は、例えば、Webサイトのシステムに定期的(例えば、1時間毎)にアクセスして、ユーザが荷物の配送依頼を行ったことや、店舗から商品が発送されたことを検知して、配送依頼の情報を取得する。そして、配送タスク作成部213は、取得された配送依頼の情報を基に配送タスクを作成する。なお、Webサイトのシステムから配送依頼の情報を取得した時点で、どの配送業者が荷物を管理するか決まっていない場合には、後ほど、例えば配送業者サーバ500へアクセスすることにより、荷物を管理する配送業者が特定される。
【0096】
さらに、ユーザが依頼人端末600を用いてインターネット上で複数の商品を購入する場合に、複数の商品をまとめて配送する指示を行ってもよい。より具体的には、例えば、ユーザは、依頼人端末600により、インターネット上で複数の店舗のそれぞれで商品を購入する。そして、ユーザは、依頼人端末600において、購入した複数の商品をまとめて配送する指示を行う。依頼人端末600は、複数の商品をまとめて配送する指示を受け付けると、受け付けた指示の情報を、共通ユーザ管理サーバ100、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300等に送信する。そして、配送タスク管理サーバ200の配送タスク作成部213は、送信された情報を基に配送タスクを作成する。ここで、ユーザは、複数の商品をまとめて配送するための期間、例えば、個々の商品が配送センターにて滞留する上限の期間を指示してもよい。
このように、Webサイトのシステムから配送依頼の情報を直接取得することにより、例えば、配送業者サーバ500から配送依頼の情報を取得する構成と比較して、早めに配送依頼の情報が取得される。そのため、例えば、早めに配送タスクの作成が行われ、配送人が確保されることになる。
【0097】
また、本実施の形態では、配送システム1のユーザ登録の処理として、共通ユーザ管理サーバ100の登録ユーザ情報受付部111が、依頼人端末600からユーザ情報を受け付けることとしたが、このような構成に限られない。
例えば、配送業者サーバ500において、配送システム1のユーザ登録を受け付けてもよい。この場合、例えば、配送業者サーバ500のユーザ登録画面において、配送システム1の利用有無の選択を受け付ける。ここで、配送システム1を利用することを選択したユーザに対しては、配送システム1へ情報を公開することを許可するか否かの確認が行われる。そして、配送タスク管理サーバ200のユーザ情報取得部212は、定期的に(例えば、1時間毎に)、各配送業者サーバ500にアクセスして、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザのうち、ユーザ情報テーブルにまだ登録していないユーザが存在するか否かを判定する。まだ登録していないユーザが存在する場合、そのユーザの情報を配送業者サーバ500から取得する。そして、取得した情報を基にユーザ登録が行われる。また、新たに登録されたユーザの住所とすでに登録済みのユーザの住所とを比較して、同居ユーザにあたるか否かの判定も行われる。同居ユーザにあたる場合には、それぞれのユーザに対して、同居ユーザの情報が登録される。
【0098】
また、ユーザ登録済みのユーザであっても、配送業者サーバ500のユーザ登録画面から、配送業者を新たに利用対象として追加する場合も考えられる。そこで、ユーザ情報取得部212は、配送システム1へ情報を公開することを許可したユーザのうち、ユーザ情報テーブルにすでに登録済みのユーザであっても、利用対象とする配送業者を追加したユーザについては、そのユーザの個別ID等の情報を配送業者サーバ500から取得する。そして、取得した情報がユーザ情報テーブルに追加される。
【0099】
また、本実施の形態では、配送人が荷物を配送する構成に限られない。例えば、自走式の配送装置が荷物を配送してもよい。この場合、自走式配送装置は、スケジュール通知部313から配送スケジュールが通知されると、通知された配送スケジュールに従って、配送センターに荷物を受け取りに行き、配送先へ配送する。また、自走式配送装置は、配送人端末400と同様に、ネットワーク700を介して、共通ユーザ管理サーバ100、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300、配送業者サーバ500、依頼人端末600等と情報のやり取りを行う。
【0100】
さらに、本実施の形態では、共通ユーザ管理サーバ100、配送タスク管理サーバ200、配送スケジュール管理サーバ300をそれぞれ別の装置として3台のサーバ装置を設けたが、これらの機能を1台のサーバ装置や2台のサーバ装置で実現してもよい。付言すると、共通ユーザ管理サーバ100の機能、配送タスク管理サーバ200の機能、配送スケジュール管理サーバ300の機能のうち、全部の機能を実現するプログラムを使用したり、一部の機能を実現するプログラムを使用したりしてもよい。
また、本実施の形態では、共通ユーザ管理サーバ100の機能、配送タスク管理サーバの機能、配送スケジュール管理サーバの機能と同様に、配送人端末400の機能や依頼人端末600の機能についても、例えば、HDD等に記憶された各種プログラムがRAMに読み込まれてCPUに実行されることにより実現される。
【0101】
また、本発明の実施の形態を実現するプログラムは、通信手段により提供することはもちろん、CD-ROM等の記録媒体に格納して提供することも可能である。
【0102】
なお、上記では種々の実施形態および変形例を説明したが、これらの実施形態や変形例どうしを組み合わせて構成してももちろんよい。
また、本開示は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0103】
1…配送システム、100…共通ユーザ管理サーバ、111…登録ユーザ情報受付部、112…登録ユーザ情報取得部、113…ユーザ情報登録部、114…表示情報出力部、115…ユーザ情報格納部、200…配送タスク管理サーバ、211…配送依頼情報取得部、212…ユーザ情報取得部、213…配送タスク作成部、214…配送タスク格納部、300…配送スケジュール管理サーバ、311…配送タスク取得部、312…スケジュール作成部、313…スケジュール通知部、314…配送状況管理部、315…配送状況通知部、400…配送人端末、500…配送業者サーバ、600…依頼人端末