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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】工作機械及び判定方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/00 20060101AFI20230719BHJP
   G05B 19/18 20060101ALI20230719BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
G08B13/00 Z
G05B19/18 W
B23Q17/00 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020061339
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021162925
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-02-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】千賀 敬太
【審査官】大橋 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-001150(JP,A)
【文献】特開2014-021907(JP,A)
【文献】特開2004-171246(JP,A)
【文献】特開平08-263760(JP,A)
【文献】特開2000-011268(JP,A)
【文献】特開2005-008124(JP,A)
【文献】中国実用新案第206907030(CN,U)
【文献】中国実用新案第206297530(CN,U)
【文献】特開2000-099186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 13/00-25/00
B60R 25/00
G05B 19/00
B23Q 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械において、
前記移設検知部は、
電源に接続する第一導電部と、
該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部と
を備え、
前記移設検知部の被取付部への取付けを行い、前記取付時に前記第一導電部及び第二導電部を接続する導電性の取付具と、
前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する判定部とを備え
前記移設検知部は、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板を備え、
前記判定部は前記基板の一面に位置し、
前記第一導電部及び第二導電部は前記基板の他面にて前記貫通孔の周囲に位置す
工作機械。
【請求項2】
前記取付具は、前記基板の他面と前記被取付部との間にて、前記貫通孔に同軸的に配置されるスタッドボスを含む
請求項に記載の工作機械。
【請求項3】
自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械において、
前記移設検知部は、
電源に接続する第一導電部と、
該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部と
を備え、
前記移設検知部の被取付部への取付けを行い、前記取付時に前記第一導電部及び第二導電部を接続する導電性の取付具と、
前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する判定部と
を備え、
前記移設検知部は、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板を備え、
前記第一導電部及び第二導電部は前記貫通孔の周囲に位置しており、
前記取付具は、前記貫通孔に挿入して前記基板を前記被取付部に取り付けるボルトを含む
作機械。
【請求項4】
前記基板は、第一貫通孔及び第二貫通孔を含む複数の前記貫通孔と、各貫通孔に対応する複数の前記第一導電部と、各貫通孔に対応する複数の前記第二導電部とを有し、
前記判定部は、少なくとも、前記第一貫通孔の周囲に位置する前記第一導電部及び第二導電部が非接続であり且つ前記第二貫通孔の周囲に位置する前記第一導電部及び第二導電部が非接続である場合、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する
請求項1から3のいずれか一つに記載の工作機械。
【請求項5】
前記電源は前記移設検知部の前記被取付部からの取り外しを検知する為に使用し、
前記移設検知部は、前記電源とは異なり、前記移設検知部を駆動する為の第二電源を備える
請求項1からのいずれか一つに記載の工作機械。
【請求項6】
自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械で前記移設検知部の被取付部からの取り外しを判定する判定方法において、
前記移設検知部は、電源に接続した第一導電部と、該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部と、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板とを備え、
前記基板の一面に判定部が位置し、
前記第一導電部及び第二導電部は前記基板の他面にて前記貫通孔の周囲に位置し、
導電性を有する取付具によって前記移設検知部の前記被取付部への取付けを行い、
前記判定部は、前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する
判定方法。
【請求項7】
自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械で前記移設検知部の被取付部からの取り外しを判定する判定方法において、
前記移設検知部は、電源に接続した第一導電部と、該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部と、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板とを備え、
前記移設検知部の被取付部への取付けを行い、前記取付時に前記第一導電部及び第二導 電部を接続する導電性の取付具と、判定部とを備え、
前記第一導電部及び第二導電部は前記基板の他面にて前記貫通孔の周囲に位置し、
前記取付具は、前記貫通孔に挿入して前記基板を前記被取付部に取り付けるボルトを含み、
前記判定部は、前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する
判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、自機の移設を検知する移設検知部の取り外しを判定できる工作機械及び判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、工作機械の移設を監視する手段が普及している。特許文献1には、ジャイロセンサを用いて工作機械の移設を検知する機器移設有無検知装置が開示されている。他に、光センサを用いて工作機械の設置面(床)との距離変化を検知することによって、工作機械の移設を検知する技術も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-334395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の機器移設有無検知装置は、該機器移設有無検知装置を監視対象の工作機械から取り外した場合、監視対象の工作機械の移設が検知できなくなり、監視対象の工作機械の不正な移設等に対応できないという問題がある。このような問題は、上述の光センサを用いる場合も同様である。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構
成にて移設検知部を取り外したか否かを判定でき、低コストで上述の問題を解決できる工
作機械及び判定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械において、前記移設検知部は、電源に接続する第一導電部と、該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部とを備え、前記移設検知部の被取付部への取付けを行い、前記取付時に前記第一導電部及び第二導電部を接続する導電性の取付具と、前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する判定部とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態においては、移設検知部は取付具を介して被取付部に取り付ける。移設検知部の被取付部への取付時に、第一導電部及び第二導電部は取付具によって接続する。移設検知部の被取付部からの取り外し時に、取付具は第一導電部及び第二導電部から離れ、第一導電部及び第二導電部は非接続となり、判定部は移設検知部を被取付部から取り外したと判定する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、前記移設検知部は、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板を備え、前記判定部は前記基板の一面に位置し、前記第一導電部及び第二導電部は前記基板の他面にて前記貫通孔の周囲に位置する。
【0009】
本開示の一実施形態においては、判定部、例えばCPUを基板の一面に実装し、前記一面を作業者側に向ける。第一導電部及び第二導電部は基板の他面、即ち作業者の反対側に位置するので、第一導電部及び第二導電部を視認できず、認識し難い。故に工作機械の不正な移設を行う者に、取り外しの検知は気づかれ難い。
【0010】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、前記取付具は、前記基板の他面と前記被取付部との間にて、前記貫通孔に同軸的に配置されるスタッドボスを含む。
【0011】
本開示の一実施形態においては、スタッドボスは第一導電部及び第二導電部を接続する。スタッドボスは、基板の被取付部への取付と第一導電部及び第二導電部の接続とを兼用できる。
【0012】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、前記移設検知部は、貫通孔、前記第一導電部及び第二導電部を有する基板を備え、前記第一導電部及び第二導電部は前記貫通孔の周囲に位置しており、前記取付具は、前記貫通孔に挿入して前記基板を前記被取付部に取り付けるボルトを含む。
【0013】
本開示の一実施形態においては、ボルトは第一導電部及び第二導電部を接続する。ボルトは、基板の被取付部への取付と第一導電部及び第二導電部の接続とを兼用できる。
【0014】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、前記基板は、第一貫通孔及び第二貫通孔を含む複数の前記貫通孔と、各貫通孔に対応する複数の前記第一導電部と、各貫通孔に対応する複数の前記第二導電部とを有し、前記判定部は、少なくとも、前記第一貫通孔の周囲に位置する前記第一導電部及び第二導電部が非接続であり且つ前記第二貫通孔の周囲に位置する前記第一導電部及び第二導電部が非接続である場合、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する。
【0015】
本開示の一実施形態においては、基板の少なくとも二箇所、例えば第一貫通孔及び第二貫通孔の付近に、移設検知部の取り外しを検知する構造を設ける。少なくとも第一貫通孔及び第二貫通孔にて、第一導電部及び第二導電部が非接続である場合、移設検知部を被取付部から取り外したと判定する。
【0016】
本開示の一実施形態に係る工作機械は、前記電源は前記移設検知部の前記被取付部からの取り外しを検知する為に使用し、前記移設検知部は、前記電源とは異なり、前記移設検知部を駆動する為の第二電源を備える。
【0017】
本開示の一実施形態においては、移設検知部の被取付部からの取り外しを検知する為の電源は、移設検知部を駆動する為の第二電源とは異なる。故に第二電源の寿命が短くなることを防止できる。
【0018】
本開示の一実施形態に係る判定方法は、自機の移設を検知する移設検知部を備える工作機械で前記移設検知部の被取付部からの取り外しを判定する判定方法において、前記移設検知部は、電源に接続した第一導電部と、該第一導電部と非接続であり、前記電源の電位とは異なる電位を有する第二導電部とを備え、導電性を有する取付具によって前記移設検知部の前記被取付部への取付けを行い、前記取付具による前記第一導電部及び第二導電部の接続時に、前記移設検知部を前記被取付部に取付けたと判定し、前記第一導電部及び第二導電部の非接続時に、前記移設検知部を前記被取付部から取り外したと判定する。
【0019】
本開示の一実施形態においては、移設検知部は取付具を介して被取付部に取り付ける。移設検知部の被取付部への取付時に、第一導電部及び第二導電部は取付具によって接続する。移設検知部の被取付部からの取り外し時に、取付具は第一導電部及び第二導電部から離れ、第一導電部及び第二導電部は非接続となり、判定部は移設検知部を被取付部から取り外したと判定する。
【発明の効果】
【0020】
本開示の一実施形態に係る工作機械及び判定方法にあっては、移設検知部は取付具を介して被取付部に取り付ける。移設検知部の被取付部への取付時に、第一導電部及び第二導電部は取付具によって接続する。移設検知部の被取付部からの取り外し時に、取付具は第一導電部及び第二導電部から離れ、第一導電部及び第二導電部は非接続となり、判定部は移設検知部を被取付部から取り外したと判定する。機械的な構成によって、低コストでの移設検知部の取り外しの有無を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施の形態1に係る工作機械を略示する斜視図である。
図2】工作機械の要部構成を略示するブロック図である。
図3】工作機械において、移設検知装置の取り付けを説明する説明図である。
図4】他面における第一貫通孔又は第二貫通孔付近の略示部分拡大図である。
図5図4のV―V線を切断線とした移設検知装置及び板金の略示部分拡大断面図である。
図6】工作機械の電圧検知回路を表す概略的回路図である。
図7】実施の形態2に係る移設検知装置及び板金の略示部分拡大断面図である。
図8】工作機械の電圧検知回路を表す概略的回路図である。
図9】実施の形態3に係る移設検知装置の取り付けを説明する説明図である。
図10】工作機械の電圧検知回路を表す概略的回路図である。
図11】実施の形態4に係る他面における第一貫通孔又は第二貫通孔付近の略示部分拡大図である。
図12】工作機械の電圧検知回路を表す概略的回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態1)
以下本発明を実施の形態1に係る工作機械100を示す図面に基づいて説明する。図1は、工作機械100を略示する斜視図、図2は、工作機械100の要部構成を略示するブロック図である。工作機械100は、基台1、機械本体2、機械カバー3、操作部4及び制御装置10を備える。
【0023】
基台1は機械本体2を支持する。機械カバー3は機械本体2(図2参照)を覆う。制御装置10は機械本体2の後側に取り付けている。操作部4は、表示部4a、スイッチ、ボタン及びタッチパネル等を有し、操作者の操作を受け付ける。
【0024】
機械本体2は、主軸駆動機構2a及びワーク保持部駆動機構2bを備える。主軸駆動機構2aは、工具を装着する主軸の回転及び主軸の上下左右前後移動を実行する。ワーク保持部駆動機構2bは、ワークを保持するワーク保持部の回転を実行する。
【0025】
制御装置10は、CPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14及び入出力インタフェース(以下、入出力I/Fと言う。)16等を備える。CPU11は、ROM12に格納した制御プログラムをRAM13に読み出して、主軸駆動機構2a及びワーク保持部駆動機構2b等を制御する。不揮発性メモリ14は、例えばEEPROM(登録商標)、EPROM及びフラッシュメモリ等である。不揮発性メモリ14に代えてハードディスクを使用してもよい。CPU21に代えてGPU、マイクロコントローラ、FPGA等を使用してもよい。
【0026】
入出力I/F16を介して、操作部4から制御装置10に操作信号が入力する。入出力I/F16を介して、制御装置10から主軸駆動機構2a及びワーク保持部駆動機構2b等に駆動/停止信号が出力する。
【0027】
工作機械100は、電源5、電源スイッチ6及び移設検知装置20(移設検知部)を備える。電源スイッチ6は、電源5のオン/オフを切り替える。
【0028】
移設検知装置20は、工作機械100に対して不正な移設又は不正な改造があったかを検知する。例えば、工作機械100の電源オフ時に、閾値以上の振動を検知した場合、移設検知装置20は、振動値が閾値を超過した旨の信号(超過信号)を制御装置10に送信する。
【0029】
移設検知装置20は、電池27(第二電源)、CPU21(判定部)、ROM22、RAM23、不揮発性メモリ24、電圧検知回路28、振動センサ25及び入出力インタフェース(以下、入出力I/Fと言う。)26等を有する。CPU21は、ROM22に格納した制御プログラムをRAM23に読み出して、工作機械100の移設、改造を検知する処理を実行する。
【0030】
不揮発性メモリ24は、振動センサ25が検知した振動値を比較するための閾値が記憶している。不揮発性メモリ24は、例えばEEPROM(登録商標)、EPROM及びフラッシュメモリ等である。不揮発性メモリ24に代えてハードディスクを使用してもよい。
【0031】
入出力I/F16、26を介して、電源スイッチ6は電源5のオン又はオフを示す信号を移設検知装置20に入力する。振動センサ25は工作機械100の振動の大きさを検出する。振動センサ25は、例えば、加速度センサ又はジャイロセンサを用いる。振動センサ25にて検出した振動値が、予め設定した閾値を超過した場合、CPU21は、超過信号を制御装置10に出力する。移設検知装置20は電池27を有しているので、電源5がオフの状態でも、上記処理が実行可能である。
【0032】
電圧検知回路28は、後述する第一導電部291と第二導電部292が通電しているか否かを検知する。以下においては、説明の便宜上、移設検知装置20を制御装置10内に設けた場合を例に説明する。移設検知装置20は後述の板金17(図3参照)に取り付ける。電圧検知回路28は検知結果をCPU21に出力する。CPU21は検知結果に基づいて、移設検知装置20が板金17から取り外されたか否かを判定する。電圧検知回路28の詳細は後述する。
【0033】
制御装置10及び移設検知装置20は、工作機械100に対する不正な移設又は不正な改造があったと判定した場合、以降における工作機械100の運転を制限する。例えば、工作機械100の電源オフ時に、振動センサ25が振動を検知し、検知した振動が閾値以上である場合、移設検知装置20は超過信号を制御装置10に送信する。超過信号を受信した制御装置10(CPU11)は、警告を表示する指示信号を表示部4aに出力すると共に、機械本体2の運転を禁止する。例えば、CPU11は、以降、操作部4から受信する主軸駆動機構2a又はワーク保持部駆動機構2bを駆動する駆動信号を無視する。
【0034】
一方、制御装置10は、移設検知装置20が出力する超過信号に応じて、工作機械100の運転を制限する。移設検知装置20が超過信号を出力しない場合、換言すれば、不正の意図で移設検知装置20を工作機械100から取り外した場合は、不正な移設又は不正な改造があったとしても、制御装置10による工作機械100の運転の制限は出来ない。工作機械100は、このような問題に対応できる。
【0035】
図3は、工作機械100において、移設検知装置20の取り付けを説明する説明図である。図3に示す如く、移設検知装置20は矩形の基板29を備える。基板29の四隅夫々に、基板29の厚み方向に貫通した貫通孔29aが形成してある。基板29の一面29cに、CPU21、抵抗282、GNDとしての導電体283等が実装してある。一面29cは操作者側を向く。電池27は図示を省略している。
【0036】
図4は、他面29dにおける第一貫通孔29a1又は第二貫通孔29a2付近の略示部分拡大図である。図4に示す如く、他面29d、換言すれば前記一面29cの反対面において、四つの貫通孔29aの内、二つの貫通孔29a(以下、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2とも称する)の周囲に第一導電部291及び第二導電部292が形成してある。
【0037】
第一導電部291は、第一貫通孔29a1の周縁の一部に沿う円弧状をなす。第二導電部292は、第一貫通孔29a1の径方向において、第一導電部291の反対側に配置してある。第二導電部292は、第一貫通孔29a1の周縁の一部に沿う円弧状をなす。第一導電部291及び第二導電部292は離隔し、連なっていない。換言すれば、第一導電部291及び第二導電部292は電気的に非接続の状態にある。
【0038】
第二貫通孔29a2の周囲に形成した第一導電部291及び第二導電部292の構成は、第一貫通孔29a1の周囲に形成した第一導電部291及び第二導電部292の構成と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0039】
図5は、図4のV―V線を切断線とした移設検知装置20及び板金17の略示部分拡大断面図である。図5に示す如く、基板29における第一貫通孔29a1から適長離れた位置に、基板29の厚み方向に貫通した二つのビアホール29e、29fが形成してある。各ビアホール29e、29fの内周面及び周縁部には導電部、例えば銅膜が形成してある。第一導電部291は第一配線291aを介してビアホール29eの導電部に接続する。以下、ビアホールの導電部への接続を、単にビアホールへの接続とも称する。第二導電部292は第二配線292aを介してビアホール29fに接続する。なお図3ではビアホール29e、29fの記載を省略している。
【0040】
基板29における第二貫通孔29a2から適長離れた位置にも、基板29の厚み方向に貫通した二つのビアホール29e、29fが形成してある。第二貫通孔29a2の周囲に形成した第一導電部291及び第二導電部292とビアホール29e、29fとの接続構成は、第一貫通孔29a1の周囲に形成した第一導電部291及び第二導電部292とビアホール29e、29fとの接続構成と同様であるので、その詳細な説明は省略する。
【0041】
絶縁膜、即ち非導電部29bが、第一導電部291及び第二導電部292を除いて、他面29dを覆う。即ち、非導電部29bは、第一導電部291及び第二導電部292の間に設けてあり、第一導電部291及び第二導電部292の間は絶縁してある。非導電部29bは第一配線291a及び第二配線292aを覆う。
【0042】
基板29の他面29dは制御装置10の板金17(被取付部)に対向する。他面29dと板金17の間に、導電性を有する四つのスタッドボス171が設けてある。四つのスタッドボス171の位置は四つの貫通孔29aの位置に対応する。スタッドボス171は有底円筒形をなし、底面を板金17に向け、貫通孔29aに対して同軸的に配置してある。スタッドボス171の内周面には、ねじ溝が形成してある。スタッドボス171の内径は貫通孔29aの直径と略同じである。スタッドボス171の外径は貫通孔29aの直径よりも大きい。スタッドボス171の底面から雄ねじ部171aが軸方向に突出する。板金17には、ねじ孔17aが形成してあり、雄ねじ部171aはねじ孔17aに締結してある。
【0043】
図5に示す如く、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2において、スタッドボス171の開口側端面は第一導電部291及び第二導電部292に対向する。第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2にボルト172を挿入し、ボルト172はスタッドボス171に締結する。ボルト172の頭部の直径は、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2の直径よりも大きい。ボルト172の頭部とスタッドボス171の間に基板29を固定している。ボルト172の締結によって、スタッドボス171の開口側端面は第一導電部291及び第二導電部292に接触する。換言すれば、スタッドボス171は第一導電部291及び第二導電部292を電気的に接続する。
【0044】
なお第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2以外の貫通孔29aにおいても、ボルト172の頭部とスタッドボス171の間に基板29を固定している。
【0045】
図6は、工作機械100の電圧検知回路28を表す概略的回路図である。電圧検知回路28は、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2に関し、第一導電部291及び第二導電部292の間の通電を検知する。以下の説明において、「接続」は「電気的な接続」を意味する。図6に示す如く、電圧検知回路28は、例えば5Vの電池からなる電源281を有する。これに限るものではなく、移設検知装置20の電池27を兼用する構成であっても良い。
【0046】
電源281の一端(正極)には抵抗282の一端が接続する。抵抗282は、例えば10-50kΩである。抵抗282の他端は、接続ノードD1にて二つに分岐している。前記二つのうち、一方にはCPU21の入力端子211が接続し、他方にはビアホール29eが接続する。電源281の他端(負極)には、GNDとしての導電体283が接続する。
【0047】
ビアホール29eには、第一配線291aを介して第一導電部291が接続する。第一導電部291には、スタッドボス171を介して第二導電部292が接続する。第二導電部292には、第二配線292aを介してビアホール29fが接続する。ビアホール29fにはGNDとしての導電体283が接続する。CPU21は、第2端子212を介して導電体283に接続する。
【0048】
電源281、抵抗282、導電体283、接続ノードD1、第一配線291a、第一導電部291、スタッドボス171、第二導電部292、第二配線292a及びビアホール29e、29fは電圧検知回路28を構成する。電圧検知回路28はいわゆるプルアップ回路を構成する。
【0049】
従って、第一導電部291及び第二導電部292が接続ノードD1に接続している場合、即ち、移設検知装置20(基板29)を板金17に取り付けてある場合は、電源281からの電流は、抵抗282、接続ノードD1、ビアホール29e、第一配線291a、第一導電部291、スタッドボス171、第二導電部292、第二配線292a、ビアホール29f及び導電体283の順に流れる。この際、抵抗282及び第一導電部291の間の電圧、即ち、CPU21の入力端子211に入力される電圧は「0(零)V」である。
【0050】
一方、第一導電部291及び第二導電部292が接続ノードD1に接続していない場合、即ち、移設検知装置20(基板29)を板金17及びスタッドボス171から取り外した場合は、電源281からの電流は、接続ノードD1から第一導電部291側に流れなくなり、この際、抵抗282及び第一導電部291の間の電圧、即ち、CPU21の入力端子211に入力される電圧は「5V」になる。
【0051】
従って、CPU21は、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2の両方について、入力端子211に入力する電圧を監視し、第一貫通孔29a1における電圧が閾値(例えば、1V)より大きく且つ第二貫通孔29a2における電圧が閾値より大きい場合、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定することができる。CPU21は、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定した場合、制御装置10に超過信号を送出する。超過信号を受信した制御装置10は、警告を表示する指示信号を表示部4aに出力すると共に、機械本体2の運転を禁止する。
【0052】
以上においては、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2の両方に関し、入力端子211に入力する電圧を監視しているが、これに限定するものではなく、三つの貫通孔29a又は四つの貫通孔29aについて、電圧検知回路28を設け、三つの貫通孔29a又は四つの貫通孔29aに関し、入力端子211に入力する電圧を監視してもよい。また、一つの貫通孔29aについてのみ、電圧検知回路28を設け、該貫通孔29aに関し、入力端子211に入力する電圧を監視してもよい。
【0053】
実施の形態1に係る工作機械及び判定方法にあっては、移設検知装置20はスタッドボス171を介して板金17に取り付ける。移設検知装置20の板金17への取付時に、第一導電部291及び第二導電部292はスタッドボス171によって接続する。移設検知装置20の板金17からの取り外し時に、スタッドボス171は第一導電部291及び第二導電部292から離れ、第一導電部291及び第二導電部292は非接続となり、CPU21は移設検知装置20を板金17から取り外したと判定する。機械的な構成によって、低コストでの移設検知装置20の取り外しの有無を判定できる。
【0054】
またCPU21を基板29の一面29cに実装し、一面29cを作業者側に向ける。第一導電部291及び第二導電部292は基板29の他面29d、即ち作業者の反対側に位置するので、第一導電部291及び第二導電部292を視認できず、認識し難い。故に工作機械の不正な移設を行う者に、取り外しの検知は気づかれ難い。
【0055】
またスタッドボス171は第一導電部291及び第二導電部292を接続する。スタッドボス171は、基板29の板金17への取付と第一導電部291及び第二導電部292の接続とを兼用できる。
【0056】
また基板29の少なくとも二箇所、例えば第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2の付近に、移設検知装置20の取り外しを検知する構造を設ける。少なくとも第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2にて、第一導電部291及び第二導電部292が非接続である場合、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定する。基板29を板金17に取り付けているにも拘わらず、スタッドボス171の緩み等によって、一箇所のみにて第一導電部291及び第二導電部292が非接続となる場合がある。このような場合、移設検知装置20を板金17から取り外したとは判定しない。二箇所以上にて第一導電部291及び第二導電部292が非接続となった場合のみ、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定する。故に移設検知装置20の板金17からの取り外しを誤検知することを防止できる。
【0057】
(実施の形態2)
以下本発明を実施の形態2に係る工作機械100を示す図面に基づいて説明する。実施の形態2に係る構成の内、実施の形態1と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。図7は、移設検知装置20及び板金17の略示部分拡大断面図である。図7に示すように、実施の形態2においては、第一導電部291及び第二導電部292は、基板29の一面29cに形成してある。第一導電部291及び第二導電部292の構成は、一面29cに形成してあることを除けば、実施の形態1と同様であるので、その詳細な説明を省略する(図5参照)。
【0058】
第一配線291a及び第二配線292aは一面29cに形成してあり、それぞれ第一導電部291及び第二導電部292に接続する。なお実施の形態1と異なり、基板29にビアホールを形成していない。
【0059】
絶縁膜、即ち非導電部29bが、第一導電部291及び第二導電部292を除いて、一面29cを覆う。即ち、非導電部29bは、第一導電部291及び第二導電部292の間に設けてあり、第一導電部291及び第二導電部292の間は絶縁してある。非導電部29bは第一配線291a及び第二配線292aを覆う。
【0060】
第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2にボルト172を挿入し、ボルト172はスタッドボス171に締結する。ボルト172の頭部の直径は、第一貫通孔29a1及び第二貫通孔29a2の直径よりも大きい。ボルト172の頭部とスタッドボス171の間に基板29を固定している。ボルト172の締結によって、ボルト172の頭部は第一導電部291及び第二導電部292に接触する。換言すれば、ボルト172は第一導電部291及び第二導電部292を電気的に接続する。
【0061】
図8は、工作機械100の電圧検知回路28aを表す概略的回路図である。電源281の一端(正極)には抵抗282の一端が接続する。抵抗282の他端は接続ノードD1にて二つに分岐している。前記二つの分岐のうち、一方にはCPU21の入力端子211に接続し、他方は第一配線291aを介して第一導電部291に接続する。電源281の他端(負極)には、GNDとしての導電体283が接続する。第一導電部291には、ボルト172を介して第二導電部292が接続する。第二導電部292には、第二配線292aを介してGNDとしての導電体283が接続する。
【0062】
電源281、抵抗282、導電体283、接続ノードD1、第一配線291a、第一導電部291、ボルト172、第二導電部292、第二配線292aは電圧検知回路28aを構成する。
【0063】
第一導電部291及び第二導電部292が接続ノードD1に接続している場合、即ち、移設検知装置20(基板29)を板金17に取り付けてある場合は、電源281からの電流は、抵抗282、接続ノードD1、第一配線291a、第一導電部291、ボルト172、第二導電部292、第二配線292a及び導電体283の順に流れる。この際、抵抗282及び第一導電部291の間の電圧、即ち、CPU21の入力端子211に入力される電圧は「0(零)V」である。
【0064】
一方、第一導電部291及び第二導電部292が接続ノードD1に接続していない場合、即ち、ボルト172をスタッドボス171から取り外して、移設検知装置20(基板29)を板金17から取り外した場合は、電源281からの電流は、接続ノードD1から第一導電部291側に流れなくなり、この際、抵抗282及び第一導電部291の間の電圧、即ち、CPU21の入力端子211に入力される電圧は「5V」になる。
【0065】
CPU21は、入力端子211に入力する電圧を監視し、電圧が閾値(例えば、1V)より大きい場合、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定することができる。CPU21は、移設検知装置20を板金17から取り外したと判定した場合、制御装置10に超過信号を送出する。超過信号を受信した制御装置10は、警告を表示する指示信号を表示部4aに出力すると共に、機械本体2の運転を禁止する。
【0066】
実施の形態2に係る工作機械にあっては、ボルト172は第一導電部291及び第二導電部292を接続する。ボルト172は、基板29の板金17への取付と第一導電部291及び第二導電部292の接続とを兼用できる。
【0067】
(実施の形態3)
以下本発明を実施の形態3に係る工作機械を示す図面に基づいて説明する。実施の形態3に係る構成の内、実施の形態1又は2と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。図9は、移設検知装置20の取り付けを説明する説明図である。
【0068】
図9に示す如く、基板29の一面29cには、CPU21、GNDとしての導電体283、ダイオード284、蓄電器285、リセットIC286等が実装してある。電源281は例えば5Vの電池からなる。電源281は、移設検知装置20の板金17からの取り外しを検知する為に使用する。一方電池27(第二電源)は移設検知装置20を駆動する為の電源であり、電源281とは別の電源である。
【0069】
図10は、工作機械100の電圧検知回路28bを表す概略的回路図である。電源281の一端(正極)側は接続ノードD2にて二つに分岐している。前記二つのうち、一方はリセットIC286の一端と接続しており、リセットIC286の他端はCPU21の入力端子211に接続している。リセットIC286はGNDとしての導電体283に接続している。
【0070】
リセットIC286は、電源281の電圧を検出し、検出した電圧が閾値以下である場合、その旨を表す通知信号をCPU21に出力する。例えば、リセットIC286は、電源281の電圧が閾値以下である場合は0(零)V(通知信号)の信号をCPU21に出力し、電源281の電圧が閾値超過である場合は5Vの信号をCPU21に出力する。
【0071】
接続ノードD2の分岐の他方はダイオード284の一端に接続している。ダイオード284の他端は接続ノードD3にて二つに分岐している。前記二つのうち、一方は蓄電器285の一端に接続しており、他方はリセットIC286と接続している。蓄電器285の他端は導電体283に接続している。
【0072】
電源281の他端(負極)側は、ビアホール29e、第一配線291a、第一導電部291、スタッドボス171、第二導電部292、第二配線292a及びビアホール29fを介して、導電体283に接続している。即ち、スタッドボス171は導電体283を介してリセットIC286と電気接続している。電源281、導電体283、ダイオード284、蓄電器285、リセットIC286、接続ノードD2、接続ノードD3、第一配線291a、第一導電部291、スタッドボス171、第二導電部292、第二配線292a、ビアホール29e及びビアホール29fは電圧検知回路28bを構成する。
【0073】
電圧検知回路28bにおいて、電流は、電源281からリセットIC286、導電体283、ビアホール29f、第二配線292a、第二導電部292、スタッドボス171、第一導電部291、第一配線291a、ビアホール29eの順に流れる。
【0074】
正常時、蓄電器285は電源281からの電流によって充電を行う。また、電源281からの電力供給が途絶えた場合又は電圧検知回路28bが開放された場合、リセットIC286は蓄電器285からの電力供給によって駆動する。ダイオード284は蓄電器285から電流が電源281側に流れることを防ぎ、リセットIC286が誤作動することを防ぐ。これに限らず、蓄電器285の代わりに、電池27を用いても良い。
【0075】
リセットIC286は、電源281からの電力供給が途絶えた場合又は電圧検知回路28bが開放された場合、異常信号をCPU21の入力端子211に入力する。即ち、CPU21は、電源281の異常または移設検知装置20の板金17からの取り外しを検出することができる。
【0076】
(実施の形態4)
以下本発明を実施の形態4に係る工作機械を示す図面に基づいて説明する。実施の形態4に係る構成の内、実施の形態1~3と同様な構成については同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。実施の形態4は、第一導電部、第二導電部、第一配線及び第二配線の構成を除き、実施の形態1と同様な構成を備える。図11は、他面29dにおける第一貫通孔29a1又は第二貫通孔29a2付近の略示部分拡大図である。
【0077】
図11に示す如く、他面29dにて、第一貫通孔29a1の周囲に、二つの第一導電部291sと、二つの第二導電部292sとが形成してある。二つの第一導電部291sと、二つの第二導電部292sとは第一貫通孔29a1の径方向において、反対側に配置してある。第一導電部291s及び第二導電部292sは、第一貫通孔29a1の周縁の一部に沿う円弧状をなす。
【0078】
図12は、工作機械100の電圧検知回路28cを表す概略的回路図である。図12に示す如く、二つの第一導電部291sと、二つの第二導電部292sとはスタッドボス171を介して接続する。電源281、抵抗282、導電体283、接続ノードD1、第一配線291a、第一導電部291s、スタッドボス171、第二導電部292s、第二配線292a及びビアホール29e、29fは電圧検知回路28cを構成する。
【0079】
第一導電部291s又は第二導電部292sがスタッドボス171から離れた場合、移設検知装置20の板金17からの取り外しを検出することができる。なお第一導電部又は第二導電部を三つ以上設けてもよい。
【符号の説明】
【0080】
17 板金(被取付部)
20 移設検知装置(移設検知部)
21 CPU(判定部)
27 電池(第二電源)
29 基板
100 工作機械
171 スタッドボス
172 ボルト
281 電源
291、291s 第一導電部
292、292s 第二導電部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12