(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】マンコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B66B 29/08 20060101AFI20230719BHJP
B66B 23/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B66B29/08 Z
B66B23/00 C
(21)【出願番号】P 2022126014
(22)【出願日】2022-08-08
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大恵 淳
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-171967(JP,A)
【文献】特開2018-95328(JP,A)
【文献】特開2022-399(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械室を有する構造体と、
乗降部の床を構成するために、前記機械室を上方から覆う床プレートと、
前記乗降部に配置される制御盤と、を備え、
前記制御盤は、前記乗降部の床に固定される筐体を備え、
前記筐体は、前記床プレートが前記構造体に対して着脱可能となるために、前記床プレートの真上の空間から離れて配置される、マンコンベヤ。
【請求項2】
人を乗せて走行する複数のステップと、
前記ステップよりも第1横方向外側に配置される手摺ベルトと、を備え、
前記筐体は、
上下方向視にて前記床プレートから離れて且つ前記乗降部の床に固定される本体部と、
前記本体部から第1横方向内側へ突出する突出部と、を備え、
前記突出部は、前記上下方向視にて前記床プレートと重なり、且つ、前記床プレートから上方へ離れており、
前記突出部は、前記第1横方向と直交する第2横方向へ延び、且つ、前記第2横方向視にて前記手摺ベルトと重なる、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項3】
前記制御盤は、前記第2横方向へ延びる手摺部を備え、
前記手摺部は、前記突出部の上部に固定される、請求項2に記載のマンコンベヤ。
【請求項4】
人を乗せて走行する複数のステップと、
前記ステップよりも第1横方向外側に配置される欄干部と、を備え、
前記制御盤は、前記第1横方向視にて前記欄干部と重なる重なり部を備える、請求項1に記載のマンコンベヤ。
【請求項5】
前記筐体は、空気が前記筐体の内部及び外部間を流通するための開口部を備え、
前記開口部は、前記重なり部に配置される、請求項4に記載のマンコンベヤ。
【請求項6】
前記筐体の下部は、前記乗降部の床面よりも下方に配置され、
前記筐体の下部は、前記機械室に通じる連通孔を備える、請求項1~5の何れか1項に記載のマンコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、マンコンベヤに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、乗降部の床を構成する床プレートと、乗降部に配置される制御盤と備えている。そして、制御盤は、床プレートの上に載置される筐体を備えており、筐体は、ビスによって、床プレートに固定されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
ところで、特許文献1に係るマンコンベヤにおいては、床プレートは、取り外しされない構成となっている。なお、特許文献1(例えば[0008]参照)には、床プレートを保守点検などで取り外しする場合には、制御盤ではなく、棒状の誘導柵にすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、課題は、筐体を乗降部の床に固定しつつ、床プレートを着脱することができるマンコンベヤを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
マンコンベヤは、機械室を有する構造体と、乗降部の床を構成するために、前記機械室を上方から覆う床プレートと、前記乗降部に配置される制御盤と、を備え、前記制御盤は、前記乗降部の床に固定される筐体を備え、前記筐体は、前記床プレートが前記構造体に対して着脱可能となるために、前記床プレートの真上の空間から離れて配置される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】同実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の斜視図
【
図3】同実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の平面図
【
図4】同実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の第1横方向視図
【
図5】同実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の第2横方向視図
【
図7】他の実施形態に係るマンコンベヤの乗降部の第1横方向視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
以下、マンコンベヤにおける一実施形態について、
図1~
図6を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(
図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する制御盤6とを備えていてもよい。
【0012】
各図において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である第1横方向(「幅方向」ともいう)D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D1と直交する第2横方向(「前後方向」ともいう)D2であり、第3方向D3は、第1横方向D1及び第2横方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0014】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部3aと、走行部3aに接続されることによって走行部3aと共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ3bとを備えていてもよい。特に限定されないが、走行部3aは、例えば、ローラチェーンとしてもよい。
【0015】
また、例えば、走行部3aは、第1横方向D1に離れて一対設けられ、複数のステップ3bは、一対の走行部3a,3aの間に配置されていてもよい。そして、ステップ3bは、それぞれの走行部3aに対して第1横方向D1を軸にして回転可能に接続されていてもよい。
【0016】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、ステップ3bが反転するように走行部3aが巻き掛けられて且つ第1横方向D1を軸にして回転する一対の回転部5a,5aと、回転部5aを回転させる駆動源5bとを備えていてもよい。特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよく、また、駆動源5bは、例えば、モータとしてもよい。
【0017】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。そして、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ3bの走行と同期してもよい。
【0018】
また、本実施形態においては、欄干部4(手摺ベルト4a)が、ステップ3bを第1横方向D1で挟むように一対備えられているため、欄干部4(手摺ベルト4a)は、ステップ3bよりも第1横方向D1外側に配置されている。なお、第1横方向D1外側とは、マンコンベヤ1の第1横方向D1の中心C1(
図2参照)から遠い側のことであり、第1横方向D1内側とは、マンコンベヤ1の第1横方向D1の中心C1に近い側のことである。
【0019】
構造体2は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2のそれぞれの端部に配置される機械室2a,2aを備えていてもよい。特に限定されないが、構造体2は、例えば、複数の枠材で構成されるトラス構造又はケタ構造としてもよい。なお、機械室2aは、例えば、本実施形態のように、回転部5a及び駆動源5bを、内部に収容していてもよい。
【0020】
図1~
図3に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、機械室2a,2aを上方から覆うように、構造体2に取り付けられる床プレート7,8を備えていてもよい。これにより、床プレート7,8は、ステップ3bに乗り降りするために、搬送部3の第2横方向D2の各端部に配置される乗降部1aの床を構成している。なお、乗降部1aの床は、例えば、本実施形態のように、床プレート7,8及び建築床X1によって、構成されていてもよい。
【0021】
床プレート7,8は、例えば、構造体2に対して着脱可能な第1床プレート7と、構造体2に対して着脱不能に固定される第2床プレート8とを備えていてもよい。床プレート7,8の個数は、特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、四つとしてもよい。
【0022】
また、第1及び第2床プレート7,8のそれぞれの個数は、特に限定されない。第1床プレート7の個数は、例えば、本実施形態のように、二つとしてもよく、また、第2床プレート8の個数は、例えば、本実施形態のように、二つとしてもよい。
【0023】
図2~
図5に示すように、制御盤6は、乗降部1aに配置されている。制御盤6は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1に離れて一対備えられていてもよい。なお、制御盤6の個数は、特に限定されず、制御盤6は、例えば、乗降部1aに一つだけ備えられていてもよい。
【0024】
制御盤6は、例えば、本実施形態のように、電装品(図示していない)と、電装品を内部に収容し、乗降部1aの床に固定される筐体9と、第2横方向D2へ延びる手摺部10と、情報を表示する表示部11と、ステップ3bの走行を制御するために、乗降部1aの人を検出する検出部(図示していない)とを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、一対の制御盤6,6においては、例えば、筐体9、手摺部10及び表示部11は、マンコンベヤ1の第1横方向D1の中心C1に対して対称に構成されていてもよい。
【0025】
電装品は、特に限定されない。電装品は、例えば、主電源をオンオフするためのメインブレーカでもよく、また、例えば、走行部3a(
図1参照)及び手摺ベルト4aの走行速度を変更させるためのインバータでもよく、また、例えば、常用電源の電圧を変圧させるトランスでもよく、また、例えば、各制御を行うシーケンサでもよい。
【0026】
表示部11は、特に限定されないが、例えば、ステップ3bの走行方向を表示する運転方向表示器としてもよい。例えば、乗降部1aがステップ3bに乗る乗り部である場合には、表示部11は、乗降部1aに人が進入してもよい旨の情報(例えば、矢印)を表示してもよく、また、例えば、乗降部1aがステップ3bから降りる降り部である場合には、表示部11は、乗降部1aに人が進入してはいけない旨の情報(例えば、バツ印)を表示してもよい。
【0027】
筐体9は、例えば、本実施形態のように、乗降部1aの床に固定される本体部12と、本体部12から第1横方向D1内側へ突出する突出部13とを備えていてもよい。そして、本体部12の全部は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、第1床プレート7から離れていてもよく、また、突出部13の一部は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、第1床プレート7と重なっていてもよい。
【0028】
そして、突出部13は、第1床プレート7から上方へ離れている。これにより、筐体9(具体的には、突出部13)は、第1床プレート7の真上の空間(着脱空間)から離れて配置されている。したがって、第1床プレート7が構造体2(
図1参照)に対して着脱可能となるため、筐体9の本体部12を乗降部1aの床に固定しつつ、第1床プレート7を構造体2に対して着脱することができる。
【0029】
例えば、治具が第1床プレート7に取り付けられ、第1床プレート7が上方へ持ち上げられ第2横方向D2へ移動されることによって、第1床プレート7が構造体2から取り外される。一方で、例えば、第1床プレート7が第2横方向D2へ移動されて下方へ降ろされることによって、第1床プレート7が構造体2に取り付けられる。
【0030】
このように、着脱空間とは、第1床プレート7を構造体2に取り付けたり取り外したりするために必要となる空間である。例えば、着脱空間は、第1床プレート7の真上の空間であって、第1床プレート7(具体的には、床面)から、少なくとも第1床プレート7の高さH1(
図6参照)だけ上方の空間をいう。特に限定されないが、着脱空間は、第1床プレート7の真上の空間であって、例えば、第1床プレート7から、少なくとも50mmだけ上方の空間としてもよい。
【0031】
また、突出部13は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2へ延び、且つ、第2横方向D2視にて手摺ベルト4aと重なっていてもよい。これにより、突出部13によって、ステップ3bに乗り降りする人を誘導することができる。
【0032】
しかも、手摺部10は、例えば、本実施形態のように、突出部13の上部に固定されていてもよい。これにより、手摺部10が、第2横方向D2視にて手摺ベルト4aと重なる突出部13の上部に、固定されている。したがって、手摺部10によって、ステップ3bに乗り降りする人を効果的に誘導することができる。
【0033】
なお、手摺部10は、例えば、本実施形態のように、上下方向D3視にて、手摺ベルト4aと直線状に配置されていてもよい。具体的には、手摺部10及び手摺ベルト4aは、第2横方向D2と平行な共通の仮想面と交差するように、それぞれ配置されていてもよい。そして、手摺部10は、例えば、本実施形態のように、第2横方向D2視にて、手摺ベルト4aと重なっていてもよい。
【0034】
また、上下方向D3において、手摺部10の上端高さは、例えば、本実施形態のように、手摺ベルト4aの水平部分4dの上端高さと同じ(完全に同じだけでなく、±50mmの差異を有する略同じも含む)であってもよい。なお、手摺ベルト4aの水平部分4dとは、手摺ベルト4aの第2横方向D2の端部で、第2横方向D2と平行な部分をいう。
【0035】
筐体9は、例えば、本実施形態のように、内部を開放するための扉9aを備えていてもよい。扉9aは、例えば、本実施形態のように、突出部13に配置されていてもよく、また、例えば、本体部12に配置されていてもよい。
【0036】
筐体9の本体部12は、例えば、本実施形態のように、第1横方向D1視にて欄干部4と重なる重なり部12aを備えていてもよい。これにより、制御盤6と欄干部4との間に人が侵入することを抑制することができる。
【0037】
また、筐体9は、例えば、本実施形態のように、重なり部12aに、空気が内部及び外部間を流通するための開口部12bを備えていてもよい。これにより、筐体9の内部の空気を外部へ出したり、外部の空気を筐体9の内部に入れたりすることができるため、筐体9の内部の温度が上昇することを抑制することができる。なお、制御盤6は、例えば、開口部12bでの空気の流通を強制的に行うために、送風機を備えていてもよい。
【0038】
なお、開口部12bが重なり部12aに配置されているため、欄干部4は、第1横方向D1視にて、開口部12bと重なっている。これにより、例えば、開口部12bを欄干部4で隠すことができるため、例えば、乗降部1aの人が開口部12bを視認することを抑制することができる。
【0039】
図6に示すように、筐体9の本体部12の下部は、例えば、乗降部1aの床面よりも下方に配置されていてもよい。特に限定されないが、例えば、本実施形態のように、筐体9の本体部12は、構造体2の上と躯体X2の上とに跨って載置されていてもよい。
【0040】
そして、本体部12は、例えば、本実施形態のように、下部に、機械室2aと通じるための連通孔12cを備えていてもよい。これにより、筐体9の下部と機械室2aの内部とを通じさせることができるため、例えば、筐体9の内部と機械室2aの内部との間の電線14の布設を容易に行うことができる。
【0041】
なお、連通孔12cは、例えば、本実施形態のように、本体部12の底部12dに配置されていてもよい。これにより、例えば、第1床プレート7が構造体2に対して着脱されるときに、第1床プレート7が電線14と干渉することを抑制することができる。なお、連通孔12cは、例えば、本体部12の側部12eに配置されていてもよい。
【0042】
また、第1床プレート7は、例えば、本実施形態のように、乗降部1aの床を構成するプレート部7aと、構造体2に支持されるために、構造体2の上に載置する支持部7bとを備えていてもよい。これにより、本実施形態においては、第1床プレート7の高さH1は、プレート部7aの上端から支持部7bの下端までの上下方向D3の距離となる。
【0043】
[1]
以上より、マンコンベヤ1は、本実施形態のように、機械室2aを有する構造体2と、乗降部1aの床を構成するために、前記機械室2aを上方から覆う床プレート7,8と、前記乗降部1aに配置される制御盤6と、を備え、前記制御盤6は、前記乗降部1aの床に固定される筐体9を備え、前記筐体9は、前記床プレート(本実施形態においては、第1床プレート)7が前記構造体2に対して着脱可能となるために、前記床プレート7の真上の空間から離れて配置される、という構成が好ましい。
【0044】
斯かる構成によれば、筐体9は、乗降部1aの床に固定されている。そして、筐体9が、床プレート7,8の真上の空間から離れて配置されているため、床プレート(本実施形態においては、第1床プレート)7は、構造体2に対して着脱可能となる。これにより、筐体9を乗降部1aの床に固定しつつ、床プレート7を着脱することができる。
【0045】
[2]
また、上記[1]のマンコンベヤ1は、本実施形態のように、人を乗せて走行する複数のステップ3bと、前記ステップ3bよりも第1横方向D1外側に配置される手摺ベルト4aと、を備え、前記筐体9は、上下方向D3視にて前記床プレート7,8から離れて且つ前記乗降部1aの床に固定される本体部12と、前記本体部12から第1横方向D1内側へ突出する突出部13と、を備え、前記突出部13は、前記上下方向D3視にて前記床プレート7と重なり、且つ、前記床プレート7から上方へ離れており、前記突出部13は、前記第1横方向D1と直交する第2横方向D2へ延び、且つ、前記第2横方向D2視にて前記手摺ベルト4aと重なる、という構成が好ましい。
【0046】
斯かる構成によれば、突出部13が、上下方向D3視にて床プレート7と重なっているものの、突出部13が、床プレート7から上方へ離れているため、床プレート(本実施形態においては、第1床プレート)7は、構造体2に対して着脱可能となる。そして、突出部13が、第2横方向D2へ延び、且つ、第2横方向D2視にて手摺ベルト4aと重なっているため、突出部13によって、ステップ3bに乗り降りする人を誘導することができる。
【0047】
[3]
また、上記[2]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記制御盤6は、前記第2横方向D2へ延びる手摺部10を備え、前記手摺部10は、前記突出部13の上部に固定される、という構成が好ましい。
【0048】
斯かる構成によれば、手摺部10は、第2横方向D2へ延びている。そして、手摺部10は、第2横方向D2視にて手摺ベルト4aと重なる突出部13の上部に、固定されている。これにより、手摺部10によって、ステップ3bに乗り降りする人を効果的に誘導することができる。
【0049】
[4]
また、上記[1]~[3]の何れか一つのマンコンベヤ1は、本実施形態のように、人を乗せて走行する複数のステップ3bと、前記ステップ3bよりも第1横方向D1外側に配置される欄干部4と、を備え、前記制御盤6は、前記第1横方向D1視にて前記欄干部4と重なる重なり部12aを備える、という構成が好ましい。
【0050】
斯かる構成によれば、制御盤6の重なり部12aが、第1横方向D1視にて、欄干部4と重なっているため、制御盤6と欄干部4との間に人が侵入することを抑制することができる。
【0051】
[5]
また、上記[4]のマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記筐体9は、空気が前記筐体9の内部及び外部間を流通するための開口部12bを備え、前記開口部12bは、前記重なり部12aに配置される、という構成が好ましい。
【0052】
斯かる構成によれば、空気は、開口部12bを経由して、筐体9の内部及び外部間を流通する。そして、開口部12bが重なり部12aに配置されているため、欄干部4は、第1横方向D1視にて開口部12bと重なっている。
【0053】
[6]
また、上記[1]~[5]の何れか一つのマンコンベヤ1においては、本実施形態のように、前記筐体9の下部は、前記乗降部1aの床面よりも下方に配置され、前記筐体9の下部は、前記機械室2aに通じる連通孔12cを備える、という構成が好ましい。
【0054】
斯かる構成によれば、筐体9の下部は、乗降部1aの床面よりも下方に配置されている。そして、筐体9の下部が連通孔12cを備えているため、筐体9の下部と機械室2aとを通じさせることができる。
【0055】
なお、マンコンベヤ1は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0056】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、筐体9の一部(突出部13)は、上下方向D3視にて、床プレート7と重なっている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、筐体9の全部は、上下方向D3視にて、床プレート7,8から離れている、という構成でもよい。
【0057】
(B)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、制御盤6は、突出部13の上部に固定される手摺部10を備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、制御盤6は、手摺部10を備えていないという構成でもよい。斯かる構成においては、特に限定されないが、例えば、筐体9(例えば、突出部13)の上面高さは、手摺ベルト4aの水平部分4dの上端高さと同じであってもよい。
【0058】
(C)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、制御盤6の筐体9は、第1横方向D1視にて欄干部4と重なる重なり部12aを備えている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。
【0059】
例えば、制御盤6は、第1横方向D1視にて、欄干部4から離れている、という構成でもよい。また、例えば、筐体9は、第1横方向D1視にて欄干部4から離れており、制御盤6は、筐体9から第2横方向D2へ突出し且つ第1横方向D1視にて欄干部4と重なる柵状の重なり部を備えている、という構成でもよい。
【0060】
(D)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、開口部12bは、筐体9の重なり部12aに配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、開口部12bは、筐体9の重なり部12aから離れた位置(例えば、突出部13)に配置されていてもよい。
【0061】
(E)また、上記実施形態に係るマンコンベヤ1においては、筐体9の下部は、乗降部1aの床面よりも下方に配置されている、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1は、斯かる構成に限られない。例えば、筐体9は、乗降部1aの床面の上に載置されている、という構成でもよい。
【0062】
(F)また、マンコンベヤ1においては、
図7に示すように、制御盤6は、筐体9の突出部13を乗降部1aの床(例えば、第1床プレート7)に支持させるために、突出部13から乗降部1aの床まで下方へ延びる支持部15を備えていてもよい。これにより、筐体9は、支持部15を介して、乗降部1aの床に支持される。したがって、例えば、筐体9を乗降部1aに安定して固定することができる。
【0063】
そして、斯かる構成においては、特に限定されないが、支持部15は、例えば、
図7に示すように、突出部13から下方へ延びる長さを変更可能であってもよく、また、例えば、突出部13に対して着脱可能であってもよい。これにより、例えば、支持部15を着脱空間から容易に離すことができる。なお、支持部15の構成は、特に限定されないが、支持部15は、例えば、
図7に示すように、ネジ機構15aによって、突出部13から延びる長さを変更可能であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1…マンコンベヤ、1a…乗降部、2…構造体、2a…機械室、3…搬送部、3a…走行部、3b…ステップ、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、4d…水平部分、5…駆動部、5a…回転部、5b…駆動源、6…制御盤、7…第1床プレート、7a…プレート部、7b…支持部、8…第2床プレート、9…筐体、9a…扉、10…手摺部、11…表示部、12…本体部、12a…重なり部、12b…開口部、12c…連通孔、12d…底部、12e…側部、13…突出部、14…電線、15…支持部、15a…ネジ機構、D1…第1横方向、D2…第2横方向、D3…上下方向、C1…中心、X1…建築床、X2…躯体
【要約】
【課題】 筐体を乗降部の床に固定しつつ、床プレートを着脱することができるマンコンベヤを提供する。
【解決手段】 マンコンベヤは、機械室を有する構造体と、乗降部の床を構成するために、機械室を上方から覆う床プレートと、乗降部に配置される制御盤と、を備え、制御盤は、乗降部の床に固定される筐体を備え、筐体は、床プレートが構造体に対して着脱可能となるために、床プレートの真上の空間から離れて配置される。
【選択図】
図2