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特許7315141スマートツールシステム、装置、および方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】スマートツールシステム、装置、および方法
(51)【国際特許分類】
   B25F 5/00 20060101AFI20230719BHJP
   B23Q 17/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B25F5/00 Z
B25F5/00 D
B25F5/00 G
B25F5/00 C
B23Q17/00 A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2021548516
(86)(22)【出願日】2019-10-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-26
(86)【国際出願番号】 US2019058326
(87)【国際公開番号】W WO2020087066
(87)【国際公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-09-14
(31)【優先権主張番号】62/751,032
(32)【優先日】2018-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】521175849
【氏名又は名称】オウセンタス エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】AUTHENTAS LLC
【住所又は居所原語表記】251 Little Falls Drive, Wilmington, Delaware 19808 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】ギルト、 ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】クゼンチャック、 エド
(72)【発明者】
【氏名】ラム シニア., フレデリック、 ウィリアム
(72)【発明者】
【氏名】ラム セカンド, フレデリック、 ウィリアム
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-083043(JP,A)
【文献】国際公開第2018/177669(WO,A1)
【文献】特表2017-538590(JP,A)
【文献】特開2004-230548(JP,A)
【文献】特開2009-279683(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0240125(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25F 5/00
B23Q 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気圧式ツールの外部に取り付けられるよう構成された外付け空気圧式ツールモニタ装置であって、
空気圧式ツールの外面と当該空気圧式ツールの外面の複数の取り付け点で結合するように構成された外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジングと、
前記外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジング内に配置され、前記空気圧式ツールの操作を検出したことに応じて前記外付け空気圧式ツールモニタ装置を休止モードから覚醒モードへ移行させるように構成された、1つまたは複数のコントローラと、
前記外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジング内に配置された圧力センサと加速度計とを含み、期間にわたって前記空気圧式ツールの特性であって、前記複数の取り付け点のうち一つの取り付け点における前記空気式ツールの圧力および加速度を含む特性を測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、
前記外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジング内に配置され、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置から1つまたは複数の外部装置にデータを送信するように構成された通信インターフェースであって、送信される前記データは、前記期間にわたって測定された前記空気圧式ツールの前記1つまたは複数の特性に少なくとも部分的に基づいて生成される、通信インターフェースと、
前記外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジング内に配置され、1つまたは複数のセンサおよび通信インターフェースに電力を供給するように構成された電源と、を備え、
前記1つまたは複数のセンサの少なくとも1つは、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置が前記覚醒モードにあるとき動作状態とされ、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置が前記休止モードにあるとき非動作状態とされる、外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項2】
前記電源は、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置が前記覚醒モードにあるとき前記1つまたは複数のセンサおよび前記通信インターフェースへ動力を供給し、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置が前記休止モードにあるとき前記1つまたは複数のセンサのうち1つまたは複数または前記通信インターフェースへの電力供給を抑制する、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項3】
前記1つまたは複数のセンサのうち少なくとも1つのセンサが覚醒センサを含み、前記覚醒センサの測定に基づいて前記空気圧式ツールの操作が検出される、請求項1に記載の
外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項4】
前記外付け空気圧式ツールモニタ装置ハウジングは、前記複数の取付け点において前記空気圧式ツールの前記外面と取り外し可能に結合するように構成された、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項5】
前記空気圧式ツールの前記1つまたは複数の特性の各々が、電磁特性または物理特性のいずれかを含む、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項6】
前記1つまたは複数のコントローラは、さらに、前記1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて、1つまたは複数のデータシグネチャを生成するように構成された、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項7】
前記1つまたは複数のコントローラは、
1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較し、前記比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成するよう構成された、請求項6に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項8】
前記1つまたは複数のコントローラは、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置の前記空気圧式ツールへの取り付け位置を示す位置データを送信するよう構成された、請求項6に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数のセンサは、オーディオセンサ、慣性測定ユニット(IMU)センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、または温度センサのうちの1つまたは複数をさらに備える、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項10】
前記1つまたは複数の外部装置は、1つまたは複数のクラウドサーバを備える、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項11】
前記通信インターフェースは、セルラ通信インターフェースを含み、
前記通信インターフェースは、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置から前記1つまたは複数のクラウドサーバにデータを直接送信するように構成された、請求項10に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項12】
前記通信インターフェースは、無線インターフェースと、赤外線インターフェースと、Bluetooth(登録商標)インターフェースと、近距離通信インターフェースと、無線周波数インターフェースとのうちの1つを含み、
前記通信インターフェースは、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置と前記1つまたは複数のクラウドサーバとの間に配置されたゲートウェイ装置を介して、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置から前記1つまたは複数のクラウドサーバにデータを送信するように構成された、請求項10に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【請求項13】
期間にわたってツールの1つまたは複数の特性に基づいて診断評価を実行するために、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって実行される方法であって、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つによって、ツールに結合されたツールモニタ装置からデータを受信するステップであって、受信されたデータは、ツールモニタ装置の1つまたは複数のセンサによって前記期間にわたって取り込まれたツールの1つまたは複数の特性の測定値に少なくとも部分的に基づいて生成さ
れる、ステップと、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つによって、1つまたは複数の測定されたプロパティに少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のデータシグネチャを生成するステップと、
前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つによって、1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを、1つまたは複数の診断結果に対応する1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較し、前記1つまたは複数のコンピューティングデバイスのうちの少なくとも1つによって、前記比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成するステップと、を含む方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数のセンサは、オーディオセンサ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、圧力センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、または温度センサのうちの1つまたは複数を備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
期間にわたってツールの1つまたは複数の特性に基づいて診断評価を実行するための装置であって、
1つまたは複数のプロセッサと、
前記1つまたは複数のプロセッサのうちの少なくとも1つに動作可能に結合された、1つまたは複数のメモリとを備え、
前記1つまたは複数のメモリは、前記1つまたは複数のプロセッサのうちの少なくとも1つによって実行されると、前記1つまたは複数のプロセッサのうちの少なくとも1つに、
前記ツールに結合されたツールモニタ装置からデータを受信する処理であって、受信されるデータは、前記ツールモニタ装置の1つまたは複数のセンサによって前記期間にわたって取り込まれたツールの1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて生成された、処理と、
前記1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のデータシグネチャを生成する処理と、
前記1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを、1つまたは複数の診断結果に対応する1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較し、前記比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成する処理と、を行わせる命令を格納する、装置。
【請求項16】
前記1つまたは複数のセンサは、オーディオセンサ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、圧力センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、または温度センサのうちの1つまたは複数を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
期間にわたってツールの1つまたは複数の特性に基づいて診断評価を実行するための、少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体は、
前記ツールに結合されたツールモニタ装置からデータを受信する処理であって、受信されたデータは、前記ツールモニタ装置の1つまたは複数のセンサによって前記期間にわたって取り込まれた前記ツールの前記1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて生成された、処理と、
前記1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のデータシグネチャを生成する処理と、
1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを、1つまたは複数の診断結果に対応する1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較し、前記比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成する処理とを含む、コンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記1つまたは複数のセンサは、オーディオセンサ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、圧力センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、または温度センサのうちの1つまたは複数を備える、請求項17に記載の少なくとも1つの非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項19】
前記1つまたは複数のコントローラは、前記1つまたは複数のセンサの少なくとも1つが非動作状態となったことに少なくとも部分的に基づいて、前記外付け空気圧式ツールモニタ装置を覚醒モードから休止モードへ移行させるよう構成された、請求項1に記載の外付け空気圧式ツールモニタ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願データ]
本出願は「空気圧式スマートツールシステム、装置、および方法」という名称で、2018年10月26日に出願された米国仮出願第62/751,032号の優先権を主張し、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
建設、エンジニアリング、建築、およびその他の物理的操作を行うためのツール(工具)には、電気コードレス(バッテリ式)およびコード付きツールの他に、空気圧式ツールも含まれる。
【0003】
空気圧式ツール(空気ツール、空気駆動ツール、または空気圧駆動ツールとしても知られる)は、主として圧縮空気によって駆動され、圧縮空気キャニスタ(二酸化炭素キャニスタなど)を介して、または空気圧縮機を介して駆動されるツールである。空気圧式ツールの例には、ネイルガン(釘打ち機)、ステープルガン、フレームガン、空気パレット釘打ち機などが含まれる。
【0004】
産業用および建設用途における非電気式および非電子式空気圧式ツールは、市場への導入以来、伝統的にあまり変化していない。これらの製品は、電動空気圧式ツールがないことを理由の一部として、他の産業用ツールや建設ツールの技術的進歩から利益を得ていない。
【0005】
電力がなければ、空気圧式ツールの作動および使用の診断評価が困難である。なぜなら、使用および操作中に、ツールコンポーネントをモニタするために電気駆動センサを利用することは不可能であるからである。この診断評価の欠如は、空気圧式ツールの現実世界での使用に関する具体的なデータポイントを製造業者および製品開発者が持たないことにより、製品開発を遅らせる。
【0006】
電動ツール、バッテリ駆動ツール、または電動ツールとしても知られるコードレスおよびコード付き電動ツールは、主として、バッテリまたはバッテリパック(リチウムイオンまたはニッケルカドミウム18ボルト、20ボルト、60ボルト、バッテリおよび他の異なる電圧など)を介して、または延長コードまたは電気コンセントに差し込まれる電気線を介して送達される電力によって駆動される。コードレスおよびコード付きツールの例には、ドリル、ハンマードリル、コンパクトドリルドライバ、インパクトレンチ、グラインダ、カッタ、丸鋸、チョップソー、ジグソー、往復鋸、ネイルガン、ステープルガン、フレームガン、釘打ち機、草刈り機、ヘッジトリマ、チェーンソー、芝刈り機などが含まれる。
【0007】
コードレスおよびコード付き電動ツールの診断評価は、コンセントなどの電源に差し込まれたコードとは別個の電源、またはツールに取り付けられたメインバッテリとは別個の電源を有さないことを理由の一部として、困難であり得る。特に、ツールからデータを収集し送信するプロセスは、ツール上のセンサおよびデータチップに一定の電力を供給することを必要とする。これは、コード付き電動ツールでは、トリガが短時間押し下げられたときにのみ電力を受け取り、トリガが押し下げられてから解放されて再び電力を失うまでの間だけ電力を供給する接続を確立するので、達成することができなかった。さらに、これは、ユーザが単一のツール上で異なるバッテリを使用したり、バッテリをツール間で交換したりするので、バッテリ駆動ツールにおいて実施することは困難であろう。
【0008】
従って、現在のコードレスおよびコード付き電動ツールは、搭載されたセンサがツールの作動により電力供給される場合にのみ、データの収集が可能であろう。このデータ収集は、ツール、ツール機能、およびツール使用の診断評価、追跡、および改善を実行するために必要なすべての情報を明らかに欠いている。このようなライブの診断評価の欠如は、コードレスツールおよびコード付きツールの現実世界での使用に関する具体的なデータポイントを製造業者および製品開発者が持たないことにより、製品開発を遅らせる。
【0009】
空気圧式ツールならびにコードレスツールおよびコード付き電気ツールの両方について、診断能力の欠如は、保守および修理コストの増加をもたらす。
ほとんどの場合、ツールの内部欠陥、不適切な使用、または誤動作は、ツールが破損してしまうまで検出されず、その結果、修理コストおよび材料が増加する。
さらに、ツール内の1つの構成要素の故障は、時にはツールの他の部品を損傷し、修理コストをさらに増大させる。
【0010】
したがって、空気圧式駆動ツールならびにコードレスおよびコード付き電気ツールの診断評価のためのシステムおよび方法の改良が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、例示的な実施形態による空気圧式ツールに取り付けられたツールモニタを示す図である。
図2図2は、例示的な実施形態による、ツールハンドルの一部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図3図3は、例示的実施形態に従った、ツールキャップの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図4図4は、例示的実施形態に従った、ツールキャップの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図5図5は、例示的実施形態に従った、ツールモニタ内の加速度計の軸線がツールハウジング内の気流の方向と整合するように、ツールハウジングに取り付けられたツールモニタを示す。
図6】例示的実施形態に従った、ツールモニタ内の加速度計の軸線がツールノーズからの発射体の駆動方向と整列するように、ツールノーズに取り付けられたツールモニタを示す図である。
図7図7はツールマガジンに取り付けられたツールモニタを示しており、これにより、ツールモニタ内の加速度計の軸が、例示的な実施形態に従ったツールマガジンからの発射物の供給方向と整列される。
図8図8は、例示的実施形態に従った、ツールモニタ内の加速度計の軸線がツールハウジング内のツールおよびピストンドライバの駆動力と整列するように、ツールキャップに取り付けられたツールモニタを示す図である。
図9図9は、例示的な一実施形態による、ツールキャップ上に配置されたツールモニタの斜視図である。
図10図10は、例示的実施形態によるコードレスツールに取り付けられたツールモニタを示す図を示す。
図11図11は、例示的実施形態によるコードレスツールに取り付けられたツールモニタを示す図を示す。
図12図12は、例示的実施形態に従った、ツールモニタ内のセンサがツールの電気接点コネクタおよびバッテリまたは電源と位置合わせされるように、ツールベースに取り付けられたツールモニタを図示する。
図13図13は、ツールモニタ内の加速度計の軸が例示的な実施形態に従い、チャックおよびツール駆動方向の供給方向と整列され、ユーザの握りが静止するツールハンドルからのライン内にあるように、ツールモータカバーに取り付けられたツールモニタを示す。
図14図14は、例示的な実施形態に従った、ツールモニタ内の加速度計の軸線がツールチャックの回転駆動方向と整合するように、ツールチャックに取り付けられたツールモニタを示す。
図15図15は、例示的実施形態による、電動モータおよびスイッチアセンブリ上に配置されたツールモニタの図面である。
図16図16は、例示的実施形態による、コード付き電動ツールの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図17図17は、例示的実施形態による、コード付き電動ツールの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図18図18は、例示的実施形態による、コード付き電動ツールの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図19図19は、例示的実施形態による、コード付き電動ツールの異なる部分に取り付けられたツールモニタを示す。
図20図20は、例示的実施形態による、時間間隔にわたって加速度計から収集されたセンサデータの一例を示す図である。
図21図21は、例示的実施形態に従った、X(上から2番目のライン)、Y(上から3番目のライン)、およびZ(下のライン)軸に沿って測定されたg力、ならびに所与の時間間隔にわたる圧力(上のライン)を含む、センサデータの例を示す。
図22図22は、例示的実施形態によるセンサデータの一例を示す。
図23図23は、例示的な実施形態によるスマートツールシステムの通信アーキテクチャの実装を示す。
図24図24は、例示的な実施形態によるスマートツールシステムの通信アーキテクチャの別の実装を示す。
図25図25は、ツールモニタおよび関連する方法と共に使用される例示的な専用コンピューティング環境を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では、方法、装置、およびコンピュータ可読媒体が例および実施形態として説明されているが、当業者であれば、スマートツールシステム、装置、および方法が説明された実施形態または図面に限定されないことを認識するであろう。図面および説明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、その意図は、特許請求の範囲の精神および範囲内にあるすべての修正、均等物および代替物を包含することである。本明細書で使用される任意の見出しは、効率化目的のためだけのものであり、説明の範囲を限定することを意味するものではない。本明細書で使用される場合、単語「can」は強制的な意味(すなわち、しなければならない)ではなく、許容的な意味(すなわち、可能性を有する意味)で使用される。同様に、単語「include」、「including」、および「includes」はこれらに限定されないが、を含むことを意味する。
【0013】
上述したように、ツールの診断評価、モニタ、および管理のためのシステムおよび方法において、改善が必要とされている。本出願人は、ツールの動作、使用、および構成要素の状態の診断評価、モニタ、および管理を可能にする新規なシステム、装置、および方法を発見した。本明細書で使用される用語は、空気圧式駆動ツール(「空気圧式ツール」と呼ばれる)、コードレス(電池式)電気式ツールおよびコード付きツール(「電動ツール」と呼ばれる)、ならびに炭化水素の内燃力から動力を得るツールなどの非電気式および非空気圧式駆動ツールを含むが、これらに限定されない。
【0014】
特に、本出願人はスマートツールシステム、ツールモニタ、ツール診断データマイニング方法、およびライブデータ転送機能を開発し、これらを利用して、ツール使用、ツール開発、ツールメンテナンス、部品およびツール開発、販売支援、ロジスティクス支援、ユーザトレーニング、安全トレーニング、警告システム、補充プログラム、データ配信、盗難防止、ロケーションサービス、保証管理、広告サービス、および後述するような様々な他のシナリオを、診断的に評価することができる。
【0015】
本明細書は、以下に、ツールモニタ装置を開示する。ツールモニタ装置は、ツールの外面と結合するように構成されたハウジングと、ハウジング内に配置され、ある期間にわたってツールの1つまたは複数の特性を測定するように構成された1つまたは複数のセンサと、ツールモニタ装置から1つまたは複数の外部装置にデータを送信するように構成された通信インターフェースとを含む。送信されるデータは、前記の期間にわたって測定されたツールの1つまたは複数の特性に少なくとも部分的に基づいて生成される。前記ツールモニタ装置はさらに、前記1つまたは複数のセンサと前記通信インターフェースとに電力を供給するように構成された電源を含む。
【0016】
ツールは、空気圧式ツールまたは電動ツールとすることができる。この場合、ツールモニタ用の前記電源は、ツールに電力を供給するように構成された第2の電源から独立させることができる。
【0017】
ツールモニタのハウジングは、複数の取り付け点でツールの外面と結合するように構成することができる。結合方法は、以下により詳細に議論され、そして永久的または取り外し可能な連結であり得る。
【0018】
センサによって測定されるツールの1つまたは複数の特性のそれぞれは、電磁特性(磁場、電流、電圧など)および/または物理特性(圧力、音、動き、加速度など)のいずれかであり得る。
【0019】
ツールモニタ装置は、1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のデータシグネチャ(data signature)を生成するように構成された1つまたは複数のコントローラを含むことができる。コントローラは、それぞれ、1つまたは複数のメモリ(フラッシュメモリのような任意の種類のメモリであってもよい)に結合された1つまたは複数のプロセッサと、プロセッサ上で実行され、ツールモニタ装置にデータシグネチャ生成および他の開示された機能を実行させる、メモリ上に記憶された1つまたは複数の命令とを含むことができる。
【0020】
1つまたは複数のコントローラはさらに、1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較し、この比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成するように構成され得る。以下でより詳細に論じられるように、診断評価は、ツール、ツール使用、ツールユーザ、ツール年齢、ツール摩耗などに関連し得る。
【0021】
1つまたは複数のコントローラは、ツール上のツールモニタ装置の取り付け位置を示す位置データを送信するように、さらに構成することができる。データシグネチャを生成するとき、生成されたデータシグネチャを比較するとき(例えば、同じ取付位置を有する比較シグネチャを選択することによって)、および/または、診断評価を生成するときに、このプロセスがコントローラによって実行されるかクラウドシステムによって実行されるかにかかわらず、位置データを使用することができる(以下でさらに説明する)。
【0022】
センサは、例えば、オーディオセンサ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、圧力センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、および/または温度センサを含むことができる。
【0023】
データを受信する1つまたは他の外部装置は、クラウドサーバ、データセンタ、エンドユーザ装置、またはセンサデータを利用するように構成された任意の他のコンピューティングデバイスとすることができる。
【0024】
通信インターフェースは、セルラ通信インターフェースとすることができる。この場合、通信インターフェースは、ツールモニタ装置から1つまたは複数のクラウドサーバに直接データを送信するように構成することができる。
【0025】
通信インターフェースは、無線通信インターフェース、赤外線インターフェース、Bluetooth(登録商標)インターフェース、近距離通信インターフェース、または無線周波数インターフェースであってもよい。後述するように、通信インターフェースは、ツールモニタ装置と1つまたは複数のクラウドサーバとの間に配置されたゲートウェイ装置を介して、ツールモニタ装置から1つまたは複数のクラウドサーバにデータを送信するように構成することができる。
【0026】
出願人はまた、ある期間にわたってツールの1つまたは複数の特性に基づいて診断評価を実行し、上述のようなツールモニタ装置を使用するための、1つまたは複数のコンピューティングデバイス、装置、およびコンピュータ可読媒体によって実行される方法を発見した。
【0027】
この方法は、ツールに結合されたツールモニタ装置からデータを受信することを含み、受信されたデータは、ツールモニタ装置の1つまたは複数のセンサによってある期間にわたって捕捉された、ツールの1つまたは複数の特性の測定値に、少なくとも部分的に基づいて生成される。
【0028】
この方法はまた、1つまたは複数の測定された特性に少なくとも部分的に基づいて1つまたは複数のデータシグネチャを生成するステップと、1つまたは複数の生成されたデータシグネチャ内の少なくとも1つの生成されたデータシグネチャを、1つまたは複数の診断結果に対応する1つまたは複数の格納されたデータシグネチャと比較するステップとを含む。
【0029】
本方法は、前記比較に少なくとも部分的に基づいて診断評価を生成することをさらに含む。上記で説明したように、この診断評価は、ツール、ツール使用、ツールユーザ、ツール年齢、ツール摩耗などに関連する評価を含むことができる。
【0030】
前述のように、モニタ装置の1つまたは複数のセンサは、オーディオセンサ、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、圧力センサ、気圧センサ、電流センサ、電圧センサ、ホール効果センサ、電磁センサ、または温度センサのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0031】
スマートツールシステムは、ツールモニタ装置(「ツールモニタ」)を含む。ツールモニタは、従来の非電気および非電気圧縮作動式、圧縮機依存式、圧縮駆動式ツール、モータ駆動式電動ツール、および/または内燃駆動ツールなどの他のタイプのツールに関する情報およびデータを蓄積するために構築された、高度に開発された専用センサの独立した電子基板である。ツールモニタは例えば、電子チップ、電子回路基板、および外部ハウジングを含むことができる。ツールモニタは、加速度計、慣性測定ユニット(IMU)センサ、全地球測位衛星(GPS)センサ、アンテナ(複数可)、および位置ハードウェア、ならびに圧力センサおよび気圧センサを含む、専用センサをさらに含むことができる。ツールモニタはさらに、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニット、揮発性または不揮発性メモリ、記憶ドライブまたはディスク(フラッシュメモリなど)、および無線インターネットカードまたはチップ、セルラネットワークインターフェース、または1つまたは複数の通信ポート(ユニバーサルシリアルバスポートなど)などの通信インターフェースを含むことができる。ツールモニタは、収集されたセンサデータを送信するために使用される低電力広域ネットワーク(LPWAN)の一部とすることができる。
【0032】
ツールモニタに組み込むことができるセンサの追加の例には、ツールおよび締結部材の使用を検出し、ツールの使用を識別し、空気圧、圧力、および電気プロファイルを測定するための波形を生成するためのマイクロフォンまたは他のオーディオセンサと、ツールおよび雰囲気の圧力変化を測定するための気圧センサと、ツール内の加速度計および比較器出力の割り込み時間を捕捉するための時間および/またはカウンタと、独立ツールモニタバッテリを充電するための電力収集および電力生成センサと、ホール効果センサ、磁気ダイオードセンサ、磁気トランジスタセンサ、異方性磁気抵抗センサ、磁力計、巨大磁気抵抗磁力計、磁気トンネル接合磁力計、磁気光学センサ、ローレンツ力ベースの微小電気機械システムセンサ、電子トンネルベースの微小電気機械システムセンサなどを含む電磁センサと、異なる温度でツールおよび部品の性能を識別するための温度センサとが含まれる。
【0033】
ツールモニタは、リチウムイオンまたは他の再充電可能なバッテリ、使い捨てバッテリなどのオンボードバッテリによって、および/またはツールモニタ上の電力ケーブルおよび電力インターフェースを介した電力コンセントによって電力供給され得る。ツールモニタは、空気圧式ツールであっても、電動であっても、ガス駆動であっても、ツール部品自体の運動によって動力を供給されることもできる。空気圧式ツールの場合、ツールモニタは、ツールモニタに動力を供給するために圧縮空気によって発生する力の一部を利用するために、ツール内のモータに連結される電気発生器を含むことができる。電動ツールの場合、ツールモニタは、ツール内の電気モータおよび/または機械的動力駆動機構に連結されて、モーションによって生成された力の一部をツールモニタに動力を供給するための発電機を含むことができる。ツールモニタ内の電気発生器は、ツールの運動によっても動力を供給することができる。例えば、ツールを使用するときに生成される力または反動を利用し、電気に変換してツールモニタに動力を供給することができる。
【0034】
ツールモニタは、いくつかの省電力機能を含むことができる。ツールモニタには、低消費電力設計のセンサと、ツール上のデータを収集するアーキテクチャが含まれる。ツールモニタはまた、転送中のデータレートおよび電力消費を低減するために、収集されたデータを少量記憶することができる。ツールモニタは、ツールモニタ電源における電力消費を低減する目的で、捕捉スレッドを開始するために、加速度計を介して割り込みをさらに生成することができる。捕捉スレッドは、過剰な電力消費を防止するために割り込みが発生するまで、セマフォを介してブロックすることができる。この休止(hibernate)またはスリープ機能については、以下でより詳細に説明する。
【0035】
スマートツールシステムは、ツールモニタによって収集されたデータを分析し、データシグネチャを生成し、データシグネチャを利用して、様々な診断、保守、製品開発、広告、安全性評価、保証管理、ユーザトレーニング、警告、ユーザ通知、および/またはツール使用関連分析を実行するように構成された分析ソフトウェアをさらに含む。
【0036】
分析ソフトウェアは、オプションとして、ツールモニタの1つまたは複数のプロセッサによって実行される命令を記憶するコンピュータ読み取り可能媒体上などのツールモニタに統合することができる。
【0037】
解析ソフトウェアは、ツールモニタ装置の外部、例えば、リモートコンピューティングデバイスに格納することもできる。この場合、ツールモニタは、ツールの使用および動作に関するセンサデータを収集し、収集された情報を、通信インターフェースを介して、および/またはゲートウェイ無しでクラウドへの直接リンクを介して、分析のためにリモートコンピューティングデバイスに渡すことができる。
【0038】
分析ソフトウェアは、任意選択で、一部の処理タスクがツールモニタ上で実行され、他の処理タスクがリモートコンピューティングデバイス上で実行されるように、分割または分散することができる。例えば、ツールモニタは、ツールモニタによって収集されたセンサデータに基づいてデータシグネチャを生成するソフトウェアを格納し、実行することができる。生成されたデータシグネチャは、その後、さらなる分析および処理のために、上述のように、リモートコンピューティングデバイスまたはクラウドに渡すことができる。
【0039】
図1図9は、例示的な実施形態に係る空気圧式ツール上のツールモニタを示す。図1は、空気圧式ツール100に取り付けられたツールモニタ110を示す図である。ツール100は、ネイルガン、ステープルガン、フレームガン、および/または空気式パレット釘打ち機などの任意の空気圧式ツールとすることができる。ツール100は、ツールキャップ101と、発射体(締結部材など)を駆動するピストンを収容するツールハウジング102と、ツールを把持し、および/またはツールハウジングに空気流を供給するツールハンドル104と、発射体を方向付けるツールノーズ103またはバレルと、発射前に発射体を保持するツールマガジン105とを含む。図1に示されるように、ツールモニタ110は、発生した力の中心に位置合わせする目的で、ツール100のキャップ101上に配置することができる。
【0040】
必要とされる診断評価に応じて、ツールモニタ110は、ツール100上の異なる位置に、永久的にまたは取り外し可能に取り付けることができる。例えば、ツール100は、所定の取り付け点でツールモニタ110と結合するように製造または設計することができる。次いで、ツールモニタ110は、これらの点でツール100に永久的にまたは取り外し可能に結合され得る。例えば、ツール100は、ツールモニタ110上の対応するスレッドと結合するように構成された複数の場所に、スレッドを含むことができる。
【0041】
ツール使用の分析のために、ツール100上のツールモニタ110の位置は、ツール使用から生じるセンサ読み取り値に基づいて検出されるか、ユーザによって分析ソフトウェアに入力されるか、および/またはツール使用および動作診断分析を実行している装置のメモリに記憶されるかのいずれかであり得る。例えば、ツールモニタ110のセンサ(加速度計および圧力センサを含む)は、ツールモニタ110がツール100上のどこに配置されているかに応じて、異なる特徴を生成するであろう。これらのシグネチャは、ツール100上のツールモニタ110の位置を決定するために、既知のツールモニタ110の位置(初期トレーニングデータセットまたは較正プロセスの一部とすることができる)に関連するシグネチャと比較することができる。
【0042】
上述したように、ツールモニタ110は、実行されている特定の診断評価に基づいてツール100上の異なる点に配置することができる。図2図8は、ツール100上のツールモニタ110の追加の配置点の例を示す。
【0043】
図2は、ツールハンドル104の一部に取り付けられたツールモニタ110を示す。図2に示すように、ツールモニタ110は、ツールモニタ110内の加速度計の軸がハンドル内の空気の流れと整列するように配置することができる。これにより、圧縮空気がハンドルを通過するときに発生するg力(すなわち、地球の重力によって引き起こされる重力加速度の単位で測定される加速度)を測定することができる。
【0044】
ツールモニタの小さな設計は、空気圧式ツールに対する最小限の改造を必要とし、空気圧式ツールの通常の使用を妨げるものではない。加えて、ツールモニタは、工業環境での拡張使用のために、頑丈かつ防水の構造を含むことができる。さらに、ツールモニタの無線設計は、センサデータの収集と送信のために空気圧式ツールを分解する必要がない。
【0045】
図3図4は、ツールキャップ101の異なる部分に取り付けられたツールモニタ110を示す。図5は、ツールモニタ110内の加速度計の軸線がツールハウジング102内の気流の方向と整列するように、ツールハウジング102に取り付けられたツールモニタ110を示す。これは、圧縮空気がツールハウジング102を通過するときに発生するg力の測定を可能にする。
【0046】
図6はツールモニタ110内の加速度計の軸線がツールノーズ103からの発射体の駆動方向と整列するように、ツールノーズ103に取り付けられたツールモニタ110を示す。これは、発射体の射出および材料内の発射体の衝撃に対する近さから生じるツールノーズ103内のg力の測定を可能にする。
【0047】
図7は、ツールモニタ110内の加速度計の軸がツールマガジン105からの発射物の供給方向と整列するように、ツールマガジン105に取り付けられたツールモニタ110を示す。これは、発射体をツールノーズ103に供給することから生じるツールマガジン105内のg力の測定を可能にする。
【0048】
図8は、ツールモニタ110内の加速度計の軸線がツールハウジング102内のツールおよびピストンドライバ120の駆動力と整列するように、ツールキャップ101に取り付けられたツールモニタ110を示す。ここでも、これは、ピストンドライバ120の運動から生じるツールキャップ101内のg力の測定を可能にする。
【0049】
図9は、ツールキャップ101上に配置されたツールモニタ110の斜視図である。図9に示すように、ツールモニタ110は、1つまたは複数のセンサおよび/またはセンサボード、ならびにカスタムフィットされたセンサボードハウジングを含むことができる。図に示すように、ツールモニタは、圧力センサと気圧センサとの取り付けを可能にする貫通穴ポート設計を有することができる。
【0050】
図10図11は、コードレスツール200に取り付けられたツールモニタ210を示す図である。ツール200は、ドリル、ハンマードリル、コンパクトドリルドライバ、インパクトレンチ、丸鋸、チョップソー、ジグソー、往復鋸、ネイルガン、ステープルガン、フレームガン、釘打ち機、ステープラ、リーフブロワ、草刈り機、ヘッジトリマ、チェーンソー、芝刈り機などの任意のコードレスツールとすることができる。コードレスツール200は、ツールチャック201と、ギアボックスおよびクラッチ、またはアタッチメント(ビットまたはブレードなど)などの多数の機械的解決策を駆動する電気モータおよびスイッチアセンブリを収容するツールハウジング202とを含む。図10図11に示すように、ツールモニタ210をツールハウジング202上に配置することにより、発生する力と整合させ、ツールモニタ210の電源への接続を容易にすることができる。
【0051】
必要とされる診断評価に応じて、ツールモニタ210は、ツール200上の異なる位置に永久的にまたは取り外し可能に取り付けることができる。例えば、ツール200は、所定の取り付け点でツールモニタ210と結合するように製造または設計することができる。次いで、ツールモニタ210は、これらの点でツール200に永久的にまたは取り外し可能に結合され得る。例えば、ツール200は、ツールモニタ210上の対応するねじ山、スナップ、ワイヤ、またはコネクタと嵌合するように構成された複数の位置に、ねじ山、スナップ、ワイヤ、またはコネクタを含むことができる。
【0052】
ツール使用の分析の目的のために、ツール200上のツールモニタ210の位置は、ツール使用から生じるセンサ読み取り値に基づいて検出されるか、ユーザによって分析ソフトウェアに入力されるか、および/またはツール使用および動作診断分析を実行している装置のメモリに記憶されるかのいずれかであり得る。例えば、ツールモニタ210のセンサ(加速度計、圧力センサ、および電気センサを含む)は、ツールモニタ210がツール210上のどこに配置されているかに応じて、異なるシグネチャを生成するであろう。これらのシグネチャは、ツール200上のツールモニタ210の位置を決定するために、既知のツールモニタ210の位置(初期トレーニングデータセットまたは較正プロセスの一部とすることができる)に関連するシグネチャと比較することができる。
【0053】
上述したように、ツールモニタ210は、実行されている特定の診断評価に基づいてツール200上の異なる点に配置することができる。図12図14は、ツール200上のツールモニタ210の追加の配置点の例を示す。
【0054】
図12は、ツールモニタ210内のセンサがツール200の電気接点コネクタおよびバッテリまたは電源と位置合わせされるように、ツールベース206に取り付けられたツールモニタ210を示す。これにより、ツール内の電気使用量の測定および管理、ならびにセンサに電力を供給するための電力の収集、ならびにツールモニタ210内の一体化された再充電可能バッテリ、スーパーキャパシタ、および/またはキャパシタの充電が可能になる。
【0055】
図13は、ツールモニタ210内の加速度計の軸がチャック201の送り方向およびツール駆動方向と整列し、ユーザが握るツールハンドル205からライン状になるように、ツールモータカバー204に取り付けられたツールモニタ210を示す。これは、ツール200におけるg力および回転の測定を可能にし、結果として、ユーザおよびツールプロファイルを作成するための使用統計を示すために正確なデータが生成される。
【0056】
図14は、ツールモニタ210内の加速度計の軸が、ツールチャック201の回転駆動方向と整列するように、ツールチャック201に取り付けられたツールモニタ210を示す。これにより、チャックの回転および材料内のピースの衝撃から生じるツールチャック201内のg力、振動、および方向移動の測定が可能になる。
【0057】
ツールモニタの小型設計は、コードレスおよびコード付きツールに対して必要な修正を最小限とし、これらのツールの通常の使用を妨害しない。加えて、ツールモニタは、工業環境での拡張使用のために、頑丈かつ防水の構造を含むことができる。さらに、ツールモニタの無線設計は、センサデータを収集し送信するためにツールを分解することを必要としない。
【0058】
図15は、例示的実施形態による、電気モータおよびスイッチアセンブリ300上に配置されたツールモニタ310を示す。図15に示すように、ツールモニタ310は、1つまたは複数のセンサおよび/またはセンサボード、ならびにカスタムフィットされたセンサボードハウジングを含むことができる。図に示されるように、ツールモニタは、一体化された再充電可能なバッテリ、スーパーキャパシタ、および/またはキャパシタの給電および再充電を可能にする電気モータおよびスイッチアセンブリに取り付けることができる。
【0059】
図16図19は、例示的な実施形態による、コード付き電動ツール400の異なる部分に取り付けられたツールモニタ410を示す。図18は、ツールモニタ410内の加速度計の軸線が、ツールハウジング401内の典型的なツール使用の方向と整合するように、コード付きツールハウジング401に取り付けられたツールモニタ410を示す。これにより、ツールを動かしたときに特定の方向および方向に発生するg力を測定することができる。
【0060】
ツールモニタは、ツールの使用期間にわたるセンサデータの測定値を蓄積する。先に議論したように、センサデータは、ツールモニタの特定の位置でg力を測定する加速度計からのデータを含むことができる。図20は、例示的実施形態による、時間間隔にわたって加速度計から収集されたセンサデータの一例を示す図である。図20に示すように、センサデータは、時間間隔にわたって、X(青色の線)、Y(赤色の線)、およびZ(橙色の線)軸に沿って、測定されたg力を示す。
【0061】
ツールモニタは、所定の時点におけるツールモニタの位置の圧力を測定するために使用することができる1つまたは複数の圧力センサ(気圧センサなど)をさらに含む。図21は、例示的実施形態に従った、X(上から2番目のライン)、Y(上から3番目のライン)、およびZ(下のライン)軸に沿って測定されたg力、ならびに所与の時間間隔にわたる圧力(上のライン)を含む、センサデータ2100の一例を示す。図21のグラフの左軸は、測定されたG力(重力加速度の単位)に対応し、下軸は時間(秒)に対応し、右軸は測定された圧力(ポンド/平方インチゲージ)に対応する。図21に示すように、時間軸は負の値で始まり、ゼロを通って正の値に進む。この負の時間間隔は、空気圧式ツールからの発射体の放出または空気圧式ツールの作動などの特定の事象の前の期間に対応することができる。
【0062】
ツールモニタは、所与の時点におけるツールの複数の位置における電流、抵抗、および電圧を測定するために使用することができる、1つまたは複数の電子および電気信号センサ(電流センサ、ホール効果センサなど)をさらに含むことができる。図22は、例示的実施形態によるセンサデータの一例を示す。図22は、電流(線X1)、電気抵抗(線X2)、および電気電圧(線X3)を含み、Y軸は、所定の時間間隔にわたっての電流、抵抗、および電圧の変化を示す。図22のグラフの左軸は、測定電流(アンペアのSI単位)に対応し、下軸は時間(秒単位)に対応し、右軸は抵抗(オームのSI単位)に対応する。
【0063】
これらの電気ユニットを測定し、これらの測定値のデータをクラウドに直接渡すことにより、個々のツールが電気使用履歴を記憶した、オームメータ、電流計などのクラウドベースの電子および電気可視化ツールの実装が可能になる。
【0064】
もちろん、圧力、G力センサ(加速度計と呼ばれることもある)、電気センサ、および/または電子センサの読み取り値は単なる例として提供され、ツールモニタは異なるセンサによって集められた様々な異なるデータ点を追跡することができることが理解される。
【0065】
ツールモニタは、任意選択で、特定のアクションが実行されるまで「休止(hibernate)」またはスリープモードに留まるように構成することができ、その後、センサがアクティブ化され、センサデータを記録する。例えば、ツールモニタは、発射がツール上で行われたとき、または電動シグネチャによってツールに電力供給されたときに覚醒させることができ、ツールモニタは、次いで、覚醒時の圧力または電動シグネチャ、およびツール内の発射またはアクティブな電力供給期間にわたる圧力波形または電気波形を測定することができる。その発射または電力シーケンスが終了した後、ツールモニタは、さらなるおよび/または後の分析のために、データを処理、記憶、または送信し、その後、スリープモードに戻ることができる。
【0066】
スマートツールシステムの分析ソフトウェア(ツールモニタ上および/またはリモートコンピューティングデバイス上にあるかにかかわらず)は、センサ波形(図20~22に示されるものなど)に基づいて収集されたセンサデータのためのデータシグネチャを生成し、次いで、そのデータシグネチャを使用して、診断または他のツール関連評価を実行する。特定のイベント(ツールの発射または電力供給など)から生成されたデータシグネチャを、既知の条件、イベント、または使用シナリオに対応する基準データシグネチャと比較して、イベント中のツールの動作に関する評価を行うことができる。基準データシグネチャは、トレーニングデータセットまたは較正期間に基づいて決定することができ、ツール使用の診断評価に使用するためにメモリに記憶することができる。例えば、空気圧式ツールを使用するときの操作者による不適切な把持に対応する基準データシグネチャを記憶することができる。ツール使用から生成されたデータシグネチャが、基準データシグネチャに対する事前に定義された類似性しきい値と一致するか、またはその範囲内に収まる場合、ツールのオペレータの把持(グリップ)が不適切であると判断することができる。
【0067】
基準データシグネチャは、特定の時間間隔に関連付けることもできる。ツールモニタ内の加速度計、圧力センサ、および電気センサは、ツールの内側のツールモニタによる重力、気圧、および電力使用の測定を可能にし、部品、付属装置、締結部材、および発射体に対する特定の効果および変化を識別する。波形によって示される圧力および電気的シグネチャは、任意の所与の時点における特定の構成要素上の圧力および電気的使用を正確に識別するために、既知の構成要素圧力および/または電気的プロファイルを有するように、ツールの動作の異なる段階に対応する特徴に一致させることができる。
【0068】
ツールモニタは、さらに、所定の時点におけるツール位置を識別するために使用され得る、1つまたは複数の位置および座標生成センサを、ツールモニタ上に含む。
【0069】
これらの位置および座標点の測定、ならびにこれらの測定値および点のクラウドへの送信は、アクティブ盗難保護、紛失防止および管理、位置に基づくツールロックアウトおよび装備機能、地理位置情報データサービス、ジオフェンス(geofence)データ収集およびデータ生成サービス、ツール回復サービスなど、クラウドベースの位置サービスの実施を可能にする。
【0070】
センサデータ、データセンサから生成されたデータシグネチャ、および/または基準データシグネチャに基づいて行うことができる様々な可能な評価および判定がある。それらは、以下を含む。
【0071】
発射体の発射または使用されている付属装置または電気信号レポートに対応する基準シグネチャと、ツール使用に対応するセンサデータからの生成データシグネチャとを比較することにより、発射された発射体とツールで使用された付属装置および/または消耗品を自動的にカウントすること。
【0072】
ツールに関する不正使用レポートを生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0073】
ツールに関する自由落下レポートを生成し識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0074】
予防保守情報をユーザに提供するために、センサ生成データを使用すること。
【0075】
ユーザに予測保守情報を提供するために、センサ生成データを使用すること。
【0076】
ツールのメンテナンス推奨を生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0077】
ツールのインテリジェントなカスタマイズされた保守プログラムを作成するために、センサ生成データを使用すること。
【0078】
ツールまたはツールモニタ上に、小型LEDライトのカスタムシーケンスを点滅させるなどの通知を作成するために、センサ生成データを使用すること。
【0079】
ツール上の画面、またはツールモニタに組み込まれたディスプレイ上に配信される通知を作成するために、センサ生成データを使用すること。
【0080】
アプリケーションおよび提供される情報を切り替える目的で、ユーザタイプを識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0081】
ツールにおけるユーザ利益をさらに拡張するために、応用機械学習におけるセンサ生成データを使用すること。
【0082】
ツールにおけるユーザ利益をさらに拡張するために、機械学習におけるセンサ生成データを使用すること。
【0083】
故障の危険性がある部品を警告するためのアラートの送信のために、センサ生成データを使用すること。
【0084】
アクティブ保証管理のために、センサ生成データを使用すること。
【0085】
ツール付属装置、プロジェクタイル、および消耗品の使用に基づいてプロモーションを生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0086】
使用されている発射体タイプおよび/または付属装置タイプおよび/または消耗品タイプを識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0087】
発射体なしでツールが発射および/または使用されたとき、あるいは、適切な付属品なし、または、鋸刃、研削ホイール、ドリルビット、ねじなどの適切な消耗品と共に操作されたときを識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0088】
締結され、またはその中または上で加工されている材料の種類を識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0089】
締結部材、付属装置、消耗品、材料識別データポイントを組み合わせて、発射体、付属装置、消耗品、材料のカスタマイズされた推奨事項をユーザに送信するために、センサ生成データを使用すること。
【0090】
材料の設置用途と処置を特定するために、センサ生成データを使用すること。
【0091】
材料設置に関するデータポイントを取得し、ユーザに警告または推奨を生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0092】
特殊化されたカスタムトレーニングサービスおよびユーザへの情報を生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0093】
ユーザ保護のための高度な安全基準および処置を生成および/または推奨または開発するために、センサ生成データを使用すること。
【0094】
ツール上でのレビューおよび分析用の統計を生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0095】
ツールの不正使用レポートを生成するために、装置によって報告された重力に関するセンサ生成データを使用すること。
【0096】
ツールで使用される締結部材の種類およびサイズを特定するために、報告された重力に関するセンサ生成データを使用すること。
【0097】
使用される締結部材および/またはツールに使用される付属装置および/または消耗品のタイプおよびサイズを識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0098】
ツールに関するレビューおよび分析用の統計を生成するために、センサ生成データを使用すること。
【0099】
ツールの不正使用レポートを生成するために、装置によって報告された重力に関するセンサ生成データを使用すること。
【0100】
ツールに使用される締結部材および/または付属装置および/または消耗品のタイプおよびサイズを識別するために、報告されたg力のセンサ生成データを使用すること。
【0101】
ツールに使用される締結部材および/または付属装置および/または消耗品のタイプおよびサイズを識別するために、センサ生成データを使用すること。
【0102】
空気圧式ツール内の個々の部品故障の位置を特定し、識別するために、圧力センサ、気圧センサ、電子センサ、および電気センサによって生成された波形を含むセンサ生成データを使用すること。
【0103】
地図または装置上のツール位置を識別するために、装置によって生成されたGPS座標および他の位置データを含むセンサ生成データを使用すること。
【0104】
盗難防止機能を実行するために、センサが生成した位置と座標に関するデータを使用すること。
【0105】
紛失防止機能を実行するために、センサが生成した位置と座標のデータを使用すること。
【0106】
コードレスおよび/またはコード付きツールのアームおよびアーム解除に、センサが生成した位置および座標に関するデータを使用すること。
【0107】
ツールの位置およびその位置での使用についての通知をユーザに配信するために、センサが生成した位置および座標に関するデータを使用すること。
【0108】
ツール回復のために第三者に通知を配信するために、位置および座標に関するセンサ生成データを使用すること。
【0109】
ツールが盗まれたり、紛失したり、または承認されていない場所にある場合に、ツールが作動しないようロックおよび/またはロックアウトするために、位置および座標に関するセンサ生成データを使用すること。
【0110】
図23は、例示的な実施形態によるスマートツールシステムの通信アーキテクチャの実装を示す。ツールモニタ2310は、モニタ対象ツール2300上のデータを収集し、その情報を所定の間隔またはカスタムされた間隔でゲートウェイ2330を介してクラウド2340に渡すことができる。データは、クラウドから引き出され、次いで、分析ソフトウェアを実行する特殊ソフトウェアおよびハードウェアシステム2350によって処理され、エンドユーザの装置に特殊化された情報を配信する。エンドユーザの装置は、モバイル装置、タブレット、パーソナルラップトップまたはコンピュータ、オンツールスクリーン、または特殊化された情報を受信するように構成された任意の装置であってもよいが、これらに限定されない、図23に示す例では、エンドユーザ装置2330もゲートウェイ2330である。
【0111】
図24は、例示的な実施形態によるスマートツールシステムの通信アーキテクチャの別の実装を示す。ツールモニタ2410は、被モニタツール2400上のデータを収集し、所定の間隔またはカスタムされた間隔で、情報をクラウドシステム2440に直接渡すことができる。次に、データは、クラウド2440から引き出され、次いで、分析ソフトウェアを実行する特殊なソフトウェアおよびハードウェアシステム2450によって処理される。このソフトウェアは、エンドユーザおよび/またはツールモニタ2410の装置に、特殊な情報を直接配信することができる。特殊目的のシステム2450は、本明細書で説明する診断またはレビュー評価のいずれかを実行するために、クラウドシステム2440上に格納されたシグネチャプロファイルおよび他の情報とともに、モニタ2410から受信したセンサデータを処理することができる。次いで、これらの評価の結果は、ツール2400のエンドユーザに中継され、および/またはフィードバック、試験、および/または開発の目的のために収集され得る。
【0112】
図23の通信アーキテクチャに示されるゲートウェイは、典型的にはデータを送信する前に通信するためにゲートウェイ接続およびインターフェースを必要とする、Bluetooth(登録商標)対応、RFID対応、または他の通信技術である。これは、ユーザが、モバイル装置またはコンピュータにアプリケーションをインストールすること、ローカルルータまたは独立アンテナ装置を現場のセンサ技術の範囲内に配置すること、またはクラウドにデータを取得し送信する目的でツールモニタ上の技術を起動するために、ツールモニタ上の装置とは独立した、装置とは別個の特定のローカルエリアに起動ユニットを使用すること、を必要とすることを伴う。ゲートウェイ装置とユーザーアクティベーションのこれらの要件は、導入、一貫した使用、およびデータへのアクセスの制限についてハードルを生成する。ゲートウェイ要件により、ユーザの導入が少ない、ゲートウェイ技術の使用率が低い、またはこれらのゲートウェイ依存装置を持つツールがゲートウェイの有効範囲外に移動する、ことを理由として、ツールに関するデータと情報がクラウドに送信されないようにすることができる。
【0113】
図24に示すシステムは、ツールモニタ2410によって収集されたデータを、ユーザが任意の種類のゲートウェイをセットアップまたは利用することを必要とせずに、クラウドシステムに直接送信するという利点を有する。これは、例えば、通信接続を確立し、情報を送信するために、ツールモニタ2410内で無線電気通信カード(simカードなど)を使用することによって達成することができる。
【0114】
開示されたスマートツールシステムにはいくつかの利点がある。現在のところ、日常的な通常の使用状況において、特定の個々のツールおよび特定の個々の部品に加えられる機械的動作、電気的動作、電子的動作、またはg力のサイクルの測定値を正確に測定し、クラウドに報告する方法はない。空気圧式ツールに単一サイクルが発生するが、これに限定されるものではなく、ツールのトリガが押されると、電子信号および/または電気信号が完了し、これにより、モータを複数回回転させるツールの回路が完成し、これ自体が、締結部材、付属装置、および/または消耗品の動作を駆動または動力供給する。開示されたスマートツールシステムは、製品の多くの部分についての深いデータ取得を可能にし、これは、ユーザ、売り手、流通業者、ブランド、ブランド企業、および前記ツールの製造業者により大きな利益をもたらすのに役立つ。異なる利点のいくつかは訓練、保守管理、保証管理、在庫管理、製品開発、製品配送、安全基準生成などであるが、これらに限定されない。ツールモニタはツールが使用の各単一サイクルおよび指定された間隔で経過したときに、単一ポイントおよび複数ポイントのデータを記録、保存、および送信することができる。
【0115】
ユーザが非電動または非電子コンプレッサ依存の圧縮駆動ツールを有する場合、このモニタを製品に追加することは、ユーザにとって複数の利点を追加する。これは、発射または駆動される締結部材の正確な量を知ることができること、締結部材の配置および使用の詳細を追跡すること、発射または撃ち込まれる締結部材および材料のタイプを識別すること、消費または使用されている付属装置の正確な量を知ることができること、異なる付属装置および部品の寿命を識別することができること、付属装置の交換および使用の詳細を追跡することができること、予防保守のための警告を受け取ることができること、特定のツールを見つけること、保証管理を提供すること、前記ツールのユーザ使用に基づいて特殊な安全訓練および安全基準を導入および開発することなどを含むが、これらに限定されない複数の機能をツールに追加する。
【0116】
スマートツールモニタシステムを有することは、ダウンタイムの低減、メンテナンススケジュールの支援、修理コストの低減、製品開発の改善、ユーザの安全性の向上、より良い安全基準の開発の支援、ツール損失の防止、アクティブ盗難保護サービスの作成、ツールロックアウトおよびロックの実施、ツールの装備および解除の実施、個々のツールの音声警報の可能化などを支援することができる。また、これは、ユーザ、エンドユーザ、ブランドの製造業者、ブランドおよびブランド企業、小売業者、オンライン販売業者および再販業者、ならびにこのタイプの製品の流通業者および卸売業者に複数の利益をもたらすための正確なデータを提供するのにも役立つ。これは、これらのタイプのユーザがツールをサポートし、現在ツールでは利用できないその他の利点を提供するのに役立つ場合がある。
【0117】
ツールモニタ装置およびそれが生成し、提供するセンサ生成データは、製品のユーザおよび生産者に安全および安全意識を高める能力を提供する。これは、実世界およびリアルタイムのデータを提供するので、ツールに対する誤用の警告を提供し、ツールの適切かつ推奨される使用をユーザに教え、訓練することによって、ユーザのリスクを低減するのを助けることができる。生産者にとって、データは、より安全で信頼性の高い製品を開発するのに役立つ。これはまた、様々な安全機関および規制当局のための新しい改善された安全基準を形成するためのデータを生成するのに役立つ。
【0118】
ツールモニタ装置およびセンサ生成データは、リアルワールドおよびリアルタイムのデータを送達するので、ツールを使用することの健康影響に関するレポートを送達することができる。それは、ユーザが経験するg力について報告し、異なる推奨を通じてそれらのg力を低減するのを助けることができる。これは、ユーザがツールを保持する方法について報告し、警告を送信して、負傷および疲労を軽減するのを助けることができる。
【0119】
ツールモニタ装置およびそれが生成および配送するセンサ生成データは、材料設置品質レポートを生成することによって、より高品質で安全な製品、技能、および仕事を生み出すための能力を、ツールのユーザへ提供する。
【0120】
それは、リアルタイムおよびリアルワールドデータを使用するので、ビデオ、推薦、ブログ、テキスト等を生成し、データによって生成された使用プロファイルに基づいて各個人ユーザに配信することができる。さらに、リアルタイムおよびリアルワールドデータを使用するので、ユーザがそれらの在庫を管理し、ツール、部品、付属装置、および締結部材を含むがこれらに限定されない、盗まれた財産を追跡するのを助けることができる。
【0121】
上述の技術の1つまたは複数は、コンピュータシステムが上述の技術を実施することを可能にする、コンピュータ読み取り可能な命令がロードされた1つまたは複数の特殊目的のコンピュータシステムで実施可能であるか、またはそれを含むことができる。図25は、コンピューティング環境2500の一例を示す。コンピューティング環境2500は、説明された実施形態の使用または機能の範囲に関するいかなる限定をも示唆することを意図するものではなく、例えば、ツールモニタ装置、クラウドシステム、ゲートウェイ装置、センサデータシグネチャの分析を実行するための専用プロプライエタリコンピューティングシステムなどに対応することができる。
【0122】
図25を参照すると、コンピューティング環境2500は、少なくとも1つの処理ユニット2510およびメモリ2520を含む。処理ユニット2510はコンピュータ実行可能命令を実行し、実プロセッサまたは仮想プロセッサとすることができる。多重処理システムでは、複数の処理ユニットがコンピュータ実行可能命令を実行して処理能力を増大させる。メモリ2520は揮発性メモリ(例えば、レジスタ、キャッシュ、RAM)、不揮発性メモリ(例えば、ROM、EEPROM、フラッシュメモリなど)、またはこれら2つの何らかの組み合わせとすることができる。メモリ2520は、記述された技術を実施するソフトウェア2580を記憶することができる。
【0123】
コンピューティング環境には、追加機能を設定できる。例えば、コンピューティング環境2500は、記憶装置2540、1つまたは複数の入力装置2550、1つまたは複数の出力装置2560、および1つまたは複数の通信接続2590を含む。バス、コントローラ、またはネットワークなどの相互接続機構2570は、コンピューティング環境2500の構成要素を相互接続する。典型的には、オペレーティングシステムソフトウェアまたはファームウェア(図示せず)がコンピューティング環境2500で実行される他のソフトウェアのためのオペレーティング環境を提供し、コンピューティング環境2500の構成要素の活動を調整する。
【0124】
ストレージ2540は、リムーバブルまたは非リムーバブルとすることができ、磁気ディスク、磁気テープまたはカセット、CD?ROM、CD?RW、DVD、または情報を格納するために使用することができ、コンピューティング環境2500内でアクセスすることができる任意の他の媒体を含む。記憶装置2540は、ソフトウェア2580のための命令を記憶することができる。
【0125】
入力装置2550は、キーボード、マウス、ペン、トラックボール、タッチスクリーン、またはゲームコントローラなどのタッチ入力装置、音声入力装置、スキャン装置、デジタルカメラ、リモコン、またはコンピューティング環境2500に入力を提供する別の装置とすることができる。出力装置2560は、ディスプレイ、テレビ、モニタ、プリンタ、スピーカ、またはコンピューティング環境2500からの出力を提供する別の装置とすることができる。
【0126】
通信接続2590は、通信媒体を介して別のコンピューティングエンティティへの通信を可能にする。通信媒体は、コンピュータ実行可能命令、オーディオまたはビデオ情報、または他のデータなどの情報を、変調されたデータ信号で伝達する。変調されたデータ信号は、信号内の情報を符号化するようにその特性の1つまたは複数が設定または変更された信号である。限定ではなく例として、通信媒体には、電気、光学、RF、赤外線、音響、または他の搬送波で実施される有線または無線技術が含まれる。
【0127】
実施の一態様として、コンピュータ可読媒体も含まれる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ環境内でアクセス可能な任意の利用可能な媒体である。限定ではなく例として、コンピューティング環境2500内では、コンピュータ可読媒体がメモリ2520、記憶装置2540、通信媒体、および上記のいずれかの組み合わせを含む。
【0128】
図25は、識別を容易にするためだけに、コンピューティング環境2500、ディスプレイ装置2560、および入力装置2550を別個の装置として示す。コンピューティング環境2500、ディスプレイ装置2560、および入力装置2550は別個の装置(たとえば、ワイヤによってモニタおよびマウスに接続されたパーソナルコンピュータ)とすることができ、単一の装置(たとえば、スマートフォンまたはタブレットなどのタッチディスプレイを有するモバイル装置)、または装置の任意の組合せ(たとえば、タッチスクリーンディスプレイ装置に動作可能に結合されたコンピューティングデバイス、単一のディスプレイ装置および入力装置に取り付けられた複数のコンピューティングデバイスなど)に統合することができる。コンピューティング環境2500は、セットトップボックス、パーソナルコンピュータ、または1つまたは複数のサーバ、例えば、ネットワーク化されたサーバのファーム、クラスタ化されたサーバ環境、またはコンピューティングデバイスのクラウドネットワークであり得る。
【0129】
記載された実施形態を参照して本発明の原理を記載し、図示したが、記載された実施形態はそのような原理から逸脱することなく、配置および詳細において修正され得ることが認識されるであろう。ソフトウェアで示される実施形態の要素はハードウェアで実現することができ、その逆も可能である。
【0130】
本発明の原理を適用することができる多くの可能な実施形態を考慮して、本発明は、以下の特許請求の範囲およびその均等物の範囲および精神内に入ることができるようなすべての実施形態を本発明として請求する。
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