(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】枝収集装置及び作業機
(51)【国際特許分類】
A01D 43/06 20060101AFI20230719BHJP
A01D 42/02 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
A01D43/06
A01D42/02
(21)【出願番号】P 2019232044
(22)【出願日】2019-12-23
【審査請求日】2022-01-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(73)【特許権者】
【識別番号】595034891
【氏名又は名称】株式会社キュウホー
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】黒原 孝仁
(72)【発明者】
【氏名】加藤 優
(72)【発明者】
【氏名】萩原 智恵
(72)【発明者】
【氏名】永井 章博
【審査官】中村 圭伸
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-011558(JP,A)
【文献】特開2013-158336(JP,A)
【文献】実公昭59-033230(JP,Y2)
【文献】実公昭42-014164(JP,Y1)
【文献】特開平08-023711(JP,A)
【文献】特許第3702564(JP,B2)
【文献】実開平06-072332(JP,U)
【文献】特開昭62-146525(JP,A)
【文献】特開2003-000048(JP,A)
【文献】米国特許第06308505(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 63/00 - 63/12
A01D 42/00 - 43/06
A01D 85/00 - 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車両と、
前記走行車両に設けられた運転席と、
前記運転席の周辺に配置され前記走行車両を操作する操作装置と、
枝葉を収集する枝収集装置と、
を備え、
前記枝収集装置は、
フレーム部と、
それぞれ幅方向に離反して配置され且つ前記フレーム部から下方に延設された複数の枝フォーク部と、
前記走行車両に取付けられる取付ブラケットを含み且つ前記フレーム部を昇降可能に支持する昇降装置と、を有し、
前記複数の枝フォーク部のそれぞれは、前記走行車両の進行方向の前方側から後方側に向かうにつれて下後方に向かって傾斜するとともに、前記下後方にある前記枝フォーク部の先端側が圃場の上面と略直交するように下方に向かって屈曲し、
前記昇降装置は、前記フレーム部及び前記複数の枝フォーク部の姿勢を一定に保ちつつ前記フレーム部及び前記複数の枝フォーク部を昇降させる作業機。
【請求項2】
前記取付ブラケットは、前記走行車両の前部に取付けられ、
前記複数の枝フォーク部
のそれぞれは、
断面円形状の丸パイプ材により構成され、前記フレーム部から前記走行車両に向かって傾斜している請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記フレーム部は、
前記複数の枝フォーク部を前記幅方向に離反して支持する第1支持部材と、
前記複数の枝フォーク部のうち、前記第1支持部材とは別の前記複数の枝フォーク部を前記幅方向に離反して支持し且つ前記第1支持部材と前記走行車両の前後方向に離反して配置される第2支持部材と、
を有している請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記走行車両は、前記運転席の下側且つ前記走行車両の前輪の上方に足置き部が配置され、前記足置き部の前方は開放されている請求項2に記載の作業機。
【請求項5】
前記枝収集装置の幅方向の長さは、前記走行車両の幅方向の長さと略一致している請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記枝収集装置の高さは、前記走行車両の高さよりも低い請求項1~5のいずれかに1項に記載の作業機。
【請求項7】
操作可能な操作具を備え、
前記昇降装置は、
前記取付ブラケットに上下方向に揺動自在に支持され且つ前記フレーム部に連結される昇降フレームと、
前記操作具の操作によって操作され且つ電力によって前記昇降フレームを上下方向に揺動させる電動昇降機構と、を有し、
前記操作具は、前記運転席の前方に配置されている請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項8】
フレーム部と、
それぞれ幅方向に離反して配置され且つ前記フレーム部から下方に延設された複数の枝フォーク部と、
走行車両に取り付けられる取付ブラケットを含み且つ前記フレーム部を昇降可能に支持する昇降装置と、を備え、
前記複数の枝フォーク部
のそれぞれは、前記フレーム部から前記取付ブラケットに向か
うにつれて下後方に向かって傾斜
するとともに、前記下後方にある前記枝フォーク部の先端側が圃場の上面と略直交するように下方に向かって屈曲し、
前記フレーム部は、
前記複数の枝フォーク部を前記幅方向に離反して支持する第1支持部材と、
前記複数の枝フォーク部のうち、前記第1支持部材とは別の前記複数の枝フォーク部を前記幅方向に離反して支持し且つ前記第1支持部材と前記走行車両の前後方向に離反して配置される第2支持部材と、を有し、
前記昇降装置は、前記フレーム部及び前記複数の枝フォーク部の姿勢を一定に保ちつつ前記フレーム部及び前記複数の枝フォーク部を昇降させる枝収集装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝葉を収集する枝収集装置と、これを備える作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機は、走行車両と、走行車両に設けられた運転席と、運転席の周辺に配置され走行車両を操作する操作装置と、走行車両の前部に取り付けられ且つ枝葉を収集する枝収集装置と、を備え、枝収集装置は、前方へ向け突出する長寸フォークを適宜の間隔をもって複数本並設し、長寸フォークよりも細く短い短寸フォークを、長寸フォークと長寸フォークとの間に配設させ、且つ枝葉を掬い取る櫛形態の枝フォーク部と、枝フォーク部の後端部の上方に立設され、枝フォーク部の左右幅と略同幅であり、網状又は透明の部材で構成された枝受部と、を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機では、長寸フォークと短寸フォークとで枝葉を掬い上げるため、比較的短い枝葉であっても容易に収集できる。
しかしながら、特許文献1の作業機では、枝フォーク部に収集された枝葉が所定以上を超えると、当該収集された枝葉が他の枝葉の収集を妨げるため、収集できる枝葉の量が比較的少ないという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決すべくなされたものであって、多くの枝葉を収集することができる作業機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る作業機は、走行車両と、走行車両に設けられた運転席と、運転席の周辺に配置され走行車両を操作する操作装置と、枝葉を収集する枝収集装置と、を備え、枝収集装置は、フレーム部と、それぞれ幅方向に離反して配置され且つフレーム部から下方に延設された複数の枝フォーク部と、走行車両に取付けられる取付ブラケットを含み且つフレーム部を昇降可能に支持する昇降装置と、を有し、複数の枝フォーク部のそれぞれは、走行車両の進行方向の前方側から後方側に向かうにつれて下後方に向かって傾斜するとともに、下後方にある枝フォーク部の先端側が圃場の上面と略直交するように下方に向かって屈曲し、昇降装置は、フレーム部及び複数の枝フォーク部の姿勢を一定に保ちつつフレーム部及び複数の枝フォーク部を昇降させる。
【0007】
また、取付ブラケットは、走行車両の前部に取付けられ、複数の枝フォーク部のそれぞれは、断面円形状の丸パイプ材により構成され、フレーム部から走行車両に向かって傾斜している。
また、フレーム部は、複数の枝フォーク部を幅方向に離反して支持する第1支持部材と、複数の枝フォーク部のうち、第1支持部材とは別の複数の枝フォーク部を幅方向に離反して支持し且つ第1支持部材と走行車両の前後方向に離反して配置される第2支持部材と、を有している。
【0008】
また、作業機は、走行車両の後部に設けられた原動機を備え、運転席は、走行車両の原動機の前方に設けられ且つ走行車両の高さ方向において原動機とオーバラップする座部を有している。
また、走行車両は、運転席の下側且つ走行車両の前輪の上方に足置き部が配置され、足置き部の前方は開放されている。
【0009】
また、枝収集装置の幅方向の長さは、走行車両の幅方向の長さと略一致している。
また、枝収集装置の高さは、走行車両の高さよりも低い。
また、作業機は、操作可能な操作具を備え、昇降装置は、取付ブラケットに上下方向に揺動自在に支持され且つフレーム部に連結される昇降フレームと、操作具の操作によって操作され且つ電力によって昇降フレームを上下方向に揺動させる電動昇降機構と、を有し、操作具は、運転席の前方に配置されている。
【0010】
また、枝収集装置は、フレーム部と、それぞれ幅方向に離反して配置され且つフレーム部から下方に延設された複数の枝フォーク部と、走行車両に取り付けられる取付ブラケットを含み且つフレーム部を昇降可能に支持する昇降装置と、を備え、複数の枝フォーク部のそれぞれは、フレーム部から取付ブラケットに向かうにつれて下後方に向かって傾斜するとともに、下後方にある枝フォーク部の先端側が圃場の上面と略直交するように下方に向かって屈曲し、フレーム部は、複数の枝フォーク部を幅方向に離反して支持する第1支持部材と、複数の枝フォーク部のうち、第1支持部材とは別の複数の枝フォーク部を幅方向に離反して支持し且つ第1支持部材と走行車両の前後方向に離反して配置される第2支持部材と、を有し、昇降装置は、フレーム部及び複数の枝フォーク部の姿勢を一定に保ちつつフレーム部及び複数の枝フォーク部を昇降させる。
【発明の効果】
【0011】
上記作業機によれば、多くの枝葉を収集することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る作業機の左側面図である。
【
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る作業機の平面図である。
【
図3】作業機のフレーム構造(車体フレーム)を示す左側面図である。
【
図4】作業機のフレーム構造(車体フレーム)を示す平面図である。
【
図5A】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る枝収集装置と走行車両の前部を示す左側面図である。
【
図5B】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る枝収集装置を示す平面図である。
【
図6】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係る昇降装置の昇降を示す左側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る作業機の左側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る作業機の平面図である。
【
図10A】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る枝収集装置と走行車両の後部を示す左側面図である。
【
図10B】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る枝収集装置を示す平面図である。
【
図11】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係る昇降装置の昇降を示す左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態の作業機1について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
本発明の実施形態において、作業機1の運転席4に着座した作業者OP(運転者)の前側(
図1等の矢印A1方向)を前方、作業者OPの後側(
図1等の矢印A2方向)を後方、作業者OPの左側(
図2等の矢印B1方向)を左方、作業者OPの右側(
図2等の矢印B2方向)を右方として説明する。また、前後方向に直交する水平方向を幅方向として説明する。また、寸法は、幅方向の長さ(幅)をWで、上下方向の長さ(高さ)をTで示す。
【0014】
まず、第1実施形態の作業機1(以下、「作業機1A」と記す)について説明する。
図1に示すように、作業機1Aは、走行車両2と、運転席4と、操作装置10と、枝収集装置30(以下、「枝収集装置30A」と記す)と、を備えている。走行車両2は、走行可能な車体であり、当該車体に推進力を付与する走行装置5が設けられている。走行装置5は、回転駆動する装置であって、左側の前輪5FL、右側の前輪5FR、左側の後輪5RL、及び右側の後輪5RRを有している。
【0015】
図1、
図2に示すように、走行車両2には、原動機8が設けられている。本実施形態の場合、原動機8は、エンジンであるが、電力によって駆動する電気モータであってもよい。原動機8は、走行車両2の後部に設けられている。原動機8の上方及び側方は、原動機カバー20により覆われている。
運転席4は、走行車両2に設けられており、原動機8の前方に配置されている。運転席4は、座部4aと背もたれ部4bとを有している。
図1に示すように、運転席4の座部4aは、走行車両2の高さ方向(上下方向)において、原動機8とオーバラップしている。運転席4の座部4aの上面(座面)は、原動機8の上端部よりも下方に位置している。
【0016】
操作装置10は、運転席4の周辺に配置され走行車両2を操作する装置であり、運転席4の前方に配置されている。操作装置10は、操縦台10a、操舵装置(ステアリングハンドル)10b、アクセルペダル(走行ペダル)10c、ブレーキペダル10dと、を含んでいる。
図1、
図2に示すように、操舵装置10bは、操縦台10aに支持されている。操舵装置10bは、前後方向において、前輪5FL,5FRとオーバラップしている。アクセルペダル10cは、操縦台10aの側方(右方)に設けられている。アクセルペダル10cは、前進用ペダル10c1と後進用ペダル10c2とを含む。前進用ペダル10c1は、後進用ペダル10c2の前方に配置されている。ブレーキペダル10dは、操縦台10aの側方(左方)に設けられている。
【0017】
図1、
図2に示すように、アクセルペダル10cの前方及びブレーキペダル10dの前方は、カバー等により遮られておらず、開放されている。このため、運転席4に着座した作業者OPは、走行車両2の前方からアクセルペダル10c及びブレーキペダル10dの前方方向(走行車両2の前下方)を視認することができる(
図7参照)。操縦台10aの前方は、前カバー21により覆われている。
図1に示すように、前カバー21の上面は、側面視において、前方に向かうにつれて下方に移行するように傾斜している。また、
図2に示すように、前カバー21の幅W1は、運転席4の幅W2よりも狭い。
【0018】
図3、
図4に示すように、走行車両2は、車体フレーム11を備えている。車体フレーム11は、ベースフレーム11A、前フレーム11B、後フレーム11C、連結部材11D、支持板11Eを有している。連結部材11Dは、第1連結部材11D1、第2連結部材11D2、第3連結部材11D3、第4連結部材11D4を含む。
図4に示すように、ベースフレーム11Aは、第1ベースフレーム11ALと第2ベースフレーム11ARとを含む。第1ベースフレーム11ALは、走行車両2の左下部に配置されており、前後方向に延びている。第2ベースフレーム11ARは、走行車両2の右下部に配置されており、前後方向に延びている。
【0019】
図4に示すように、前フレーム11Bは、平面視にてC字状に形成されている。前フレーム11Bの一端部は、第1ベースフレーム11ALの左側面の前部に接続されている。前フレーム11Bの他端部は、第2ベースフレーム11ARの右側面の前部に接続されている。前フレーム11Bは、ベースフレーム11Aから前上方に向けて立ち上がった後、ベースフレーム11Aの前端部よりも前方まで延びている。第1ベースフレーム11ALの前端部と前フレーム11Bの前部とは、第1連結部材11D1により連結されている。第2ベースフレーム11ARの前端部と前フレーム11Bの前部とは、第2連結部材11D2により連結されている。
【0020】
図3に示すように、第1連結部材11D1は、第1ベースフレーム11ALの前端部から前方に延びた後、屈曲して上方に延びている。第2連結部材11D2は、第2ベースフレーム11ARの前端部から前方に延びた後、屈曲して上方に延びている。
図4に示すように、後フレーム11Cは、後部位11CBと、左部位11CLと、右部位11CRと、を有している。後部位11CBは、走行車両2の後部に配置されており、幅方向に延びている。左部位11CLは、後部位11CBの左端部から前方に向けて屈曲している。右部位11CRは、後部位11CBの右端部から前方に向けて屈曲している。後フレーム11Cは、平面視にてU字状を呈している。左部位11CLの前端部は、第3連結部材11D3により第1ベースフレーム11ALの前後方向の中途部と連結されている。右部位11CRの前端部は、第4連結部材11D4により第2ベースフレーム11ARの前後方向の中途部と連結されている。左部位11CLの後部寄りの部分と右部位11CRの後部寄りの部分とは、支持板11Eにより接続されている。支持板11Eは、原動機8の下部を支持している。
【0021】
図1、
図2に示すように、作業機1Aは、足置き部(第1足置き部12及び第2足置き部13)を有している。第1足置き部12は、操縦台10aの両側(左側と右側)に位置する。また、第1足置き部12は、前カバー21の両側(左側と右側)に位置する。第1足置き部12は、操舵装置10bよりも前方まで延びている。第1足置き部12は、前輪5FL,5FRの上方に配置されている。前輪5FLの左端は、左側の第1足置き部12の左端よりも左方に位置している。前輪5FRの右端は、右側の第1足置き部12の右端よりも右方に位置している。
【0022】
図2に示すように、第1足置き部12の前方は開放されている。言い換えれば、走行車両2の前方から第1足置き部12を視認することができる(
図7参照)。第2足置き部13は、第1足置き部12の後方に設けられている。第2足置き部13は、操縦台10aと運転席4との間に配置されている。
図1、
図3に示すように、走行車両2には、原動機8の動力によって駆動する草刈装置15が設けられている。草刈装置15は、走行車両2の下方に設けられている。草刈装置15は、走行車両2の運転席4の下方に配置されている。草刈装置15は、ベースフレーム11Aの下部に取り付けられている。草刈装置15は、上下方向に延びる回転軸15aと、回転軸15aに取り付けられた刈刃15bと、を有している。刈刃15bの上方及び側方は、刈刃カバー16により覆われている。
【0023】
枝収集装置30Aは、果樹等の剪定後の圃場Gに散乱している枝葉Eを収集する装置である。枝収集装置30Aは、走行車両2の前部又は後部に装着され、走行車両2の前進に伴い枝葉Eをかき集めることで枝収集作業を行う。本実施形態において、枝収集装置30Aは、走行車両2の前部に装着されている。
図2に示すように、枝収集装置30Aの幅方向の長さW3は、走行車両2の幅方向の長さW4と略一致しており、
図1に示すように、走行車両2に装着された枝収集装置30Aの高さT1は、走行車両2の高さ(原動機カバー20の高さ)T2よりも低い。
【0024】
図1、
図2、
図5A~
図7に示すように、枝収集装置30Aは、フレーム部31と、複数の枝フォーク部40と、昇降装置50Aと、を有している。フレーム部31は、枝収集装置30Aが有する構造体や部品を支持するフレームであり、例えば昇降装置50Aに対して複数の枝フォーク部40を支持する。本実施形態においてフレーム部31は、横部材32と、一対の縦部材33と、第1支持部材34と、第2支持部材35と、を含んでいる。
【0025】
図2、
図5Bに示すように、横部材32は、フレーム部31の基端側(後側)を構成し、幅方向に延びる長尺の部材である。横部材32の一端(左端)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、横部材32の他端(右端)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
図2、
図5Bに示すように、一対の縦部材33は、フレーム部31の基端側(後側)から先端側(前側)を構成し、前後方向に延びる部材である。一対の縦部材33は、幅方向に間隔をあけて離反して配置されている。一対の縦部材33のうち、幅方向の一方側(左側)の縦部材33Lは、横部材32の左側に配置され、一対の縦部材33のうち、幅方向の他方側(右側)の縦部材33Rは、横部材32の右側に配置されている。一対の縦部材33の後端は、横部材32と、ボルト等の締結部材により連結されており、横部材32の下側から前方に延設されている。
【0026】
図1、
図2、
図5A~
図7に示すように、第1支持部材34及び第2支持部材35は、複数の枝フォーク部40が取り付けられる部分であり、前後方向に離反して配置されている。第1支持部材34及び第2支持部材35は、幅方向に延びている長尺の板状部材である。第1支持部材34及び第2支持部材35の一端(左端)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、第1支持部材34及び第2支持部材35の他端(右端)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。第1支持部材34及び第2支持部材35は、取付部36を介して一対の縦部材33に取り付けられる。
【0027】
図1、
図2、
図5A~
図7に示すように、取付部36は、第1支持部材34及び第2支持部材35が前後方向に離反し且つ第1支持部材34が第2支持部材35よりも前方に位置するよう、当該第1支持部材34及び第2支持部材35を一対の縦部材33に取り付ける。詳しくは、取付部36は、幅方向の一方側(左側)の縦部材33Lの前側及び前後方向に中央部と、幅方向の他方側(右側)の縦部材33Rの前側及び前後方向の中央部と、にそれぞれ取り付けられている。
【0028】
図5Bに示すように、左側の縦部材33Lの前側に取り付けられた取付部(第1ブラケット)36Aと、右側の縦部材33Rの前側に取り付けられた取付部(第2ブラケット)36Bと、は対応しており、第1ブラケット36Aは、第1支持部材34の左側を支持し、第2ブラケット36Bは、第1支持部材34の右側を支持している。
図5Bに示すように、左側の縦部材33Lの前後方向の中央部に取り付けられた取付部(第3ブラケット)36Cと、右側の縦部材33Rの前後方向の中央部に取り付けられた取付部(第4ブラケット)36Dと、は対応しており、第3ブラケット36Cは、第2支持部材35の左側を支持し、第4ブラケット36Dは、第2支持部材35の右側を支持している。
【0029】
図1、
図5A~
図7に示すように、取付部36は、鋼板等を曲げ加工することで形成された部材であり、側面視で内角が鈍角を形成する略V字形状である。
図5Aに示すように、取付部36は、縦部材33に取り付けられる第1部分37と、縦部材33の後端から後方に移行するにつれて当該縦部材33から離れる方向に延設された第2部分38と、を含んでいる。第2部分38の板面には、ボルトやナット等の締結部材によって第1支持部材34又は第2支持部材35が取り付け固定されており、第2部分38は、第1支持部材34及び第2支持部材35のいずれか一方を支持する。これにより、第1ブラケット36A及び第2ブラケット36Bは、第1支持部材34の板面が前下方を向くように当該第1支持部材34を支持する。第3ブラケット36C及び第4ブラケット36Dは、第2支持部材35の板面が前下方を向くように当該第2支持部材35を支持する。
【0030】
図5Aに示すように、複数の枝フォーク部40は、走行車両2の前進に伴い、圃場Gの枝葉Eをかき集める部分である。複数の枝フォーク部40は、比較的細い長尺の部材であって、本実施形態においては断面円形状の丸パイプ材により構成されている。
図2や
図5Bに示すように、複数の枝フォーク部40は、それぞれ幅方向に離反して配置され、
図1や
図5Aに示すように、フレーム部31から下方に延設されている。具体的には、複数の枝フォーク部40は、第1支持部材34又は第2支持部材35に支持され、フレーム部31(第1支持部材34又は第2支持部材35)から走行車両2に向かって傾斜している。以下の説明において、第1支持部材34に支持される枝フォーク部40を前側フォーク40Fとして説明し、第2支持部材35に支持される枝フォーク部40を後側フォーク40Rとして説明する。
【0031】
図5Aに示すように、前側フォーク40Fは、基端側(上側)が第1支持部材34に取り付けられており、
図5Bに示すように、それぞれ幅方向に離反し且つ第1支持部材34の幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。言い換えると、第1支持部材34は、複数の枝フォーク部40(前側フォーク40F)を幅方向に離反して支持する。また、前側フォーク40Fの幅方向の一方側(左側)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、前側フォーク40Fの幅方向の他方側(右側)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
【0032】
図5Bに示すように、第1支持部材34に取り付けられた前側フォーク40Fは、幅方向に延びる列を形成し、前側フォーク40Fの先端側(下側)は、枝葉Eをかき集める枝集部(第1レーキ部40a)を形成する。また、前側フォーク40Fは、第1支持部材34の板面に沿って下方に延設されている。即ち、前側フォーク40Fは、
図5Aに示すように、第1支持部材34から後方に移行するにつれて当該縦部材33から離れる方向、つまり下後方に向かって傾斜している。前側フォーク40Fの先端側(下側)は、下方に向かって屈曲しており、圃場Gの上面と略直交する。
【0033】
図5Aに示すように、後側フォーク40Rは、基端側(上側)が第2支持部材35に取り付けられており、
図5Bに示すように、それぞれ幅方向に離反し且つ第2支持部材35の幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。言い換えると、第2支持部材35は、複数の枝フォーク部40(後側フォーク40R)を幅方向に離反して支持する。また、後側フォーク40Rの幅方向の一方側(左側)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、後側フォーク40Rの幅方向の他方側(右側)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
【0034】
図5Bに示すように、第2支持部材35に取り付けられた後側フォーク40Rは、幅方向に延びる列を形成し、後側フォーク40Rの先端側(下側)は、枝葉Eをかき集める枝集部(第2レーキ部40b)を形成する。また、後側フォーク40Rは、第2支持部材35の板面に沿って下方に延設されている。即ち、後側フォーク40Rは、
図5Aに示すように、第2支持部材35から後方に移行するにつれて当該縦部材33から離れる方向、つまり下後方に向かって傾斜している。後側フォーク40Rの先端側(下側)は、下方に向かって屈曲しており、圃場Gの上面と略直交する。
【0035】
上記構成によれば、複数の枝フォーク部40は、前側フォーク40Fと後側フォーク40Rとで、幅方向に並ぶ複数の枝フォーク部40の列を前後方向に離反して2列形成し、前後方向に離反する枝集部を2つ(第1レーキ部40a及び第2レーキ部40b)形成する。このため、後側フォーク40Rは、前側フォーク40Fがかき集めることができなかった枝葉Eをかき集めることができる。言い換えると、後側フォーク40Rは、前側フォーク40Fの枝収集作業の補助を行う。
【0036】
昇降装置50Aは、走行車両2に対してフレーム部31を昇降自在に支持する装置である。昇降装置50Aは、フレーム部31を下降させて枝フォーク部40が収集作業を行う作業状態と、フレーム部31を上昇させて枝フォーク部40が収集作業を行わない非作業状態と、に切り換えることができる。
図2に示すように、昇降装置50Aの幅W5は、運転席4の幅W2よりも狭く、本実施形態においては、前カバー21の幅W1よりも狭い。
図1、
図2、
図5A~
図7に示すように、昇降装置50Aは、取付ブラケット51Aと、昇降フレーム55Aと、電動昇降機構70と、有している。取付ブラケット51Aは、走行車両2に取り付けられる構造体であり、本実施形態においては、走行車両2の前部に取り付けられる。具体的には、取付ブラケット51Aは、前フレーム11Bの前部に形成された前方装着部11bに取り付けられる。
【0037】
図5A、
図5Bに示すように、取付ブラケット51Aは、被装着部52Aと、接続部53Aと、第1支持体54と、を有している。被装着部52Aは、前方装着部11bに取り付けられる部分であり、板面が前後方向を向いて配置された板状の部材である。被装着部52Aには、貫通孔等が形成されており、ボルト及びナット等の締結部材によって前方装着部11bと着脱可能に接続されている。
【0038】
図5A、
図5Bに示すように、接続部53Aは、被装着部52Aと、第1支持体54と、を接続する部分である。接続部53Aは、被装着部52Aの上部から前方に延設されている。本実施形態において、接続部53Aは、幅方向に離反した一対の板状部材から構成されている。接続部53Aの前部には、第1支持体54が取り付けられる。
図5A、
図5Bに示すように、第1支持体54は、昇降フレーム55Aを上下方向に揺動自在に支持する部分であり、接続部53Aの前部に取り付けられている。第1支持体54は、第1縦壁54aと、第1支持壁54bと、第2支持壁54cと、支持柱54dと、を有している。第1縦壁54aは、板面が前後方向を向くように配置された板状の部材である。第1縦壁54aの後面には、接続部53Aの前部が取り付けられる。
【0039】
図5Bに示すように、第1支持壁54b及び第2支持壁54cは、幅方向において対応しており、幅方向に離反して配置されている。第1支持壁54bは、第1縦壁54aの幅方向の一方側(左側)から前方に延設された部分である。
図5Aに示すように、第1支持壁54bは、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
【0040】
図5Bに示すように、第2支持壁54cは、第1縦壁54aの幅方向の他方側(右側)から前方に延設された部分である。即ち、第1縦壁54a、第1支持壁54b、及び第2支持壁54cは、平面視において略門形状を形成する。
図5Aに示すように、第2支持壁54cは、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
【0041】
図5Bに示すように、支持柱54dは、第1縦壁54aの幅方向の中央部に位置しており、当該第1縦壁54aの下側から上方に延設され、第1縦壁54aの上端から上方に突出している柱状の部分である。
図1に示すように、支持柱54dの高さT1は、走行車両2の高さT2よりも低く、詳しくは、前カバー21の上端よりも低い。
図5A、
図5Bに示すように、支持柱54dの上部には、前方に延設された保持部54d1が形成されている。
図5Bに示すように、保持部54d1は、支持柱54dから二股状に突出して形成されており、保持部54d1には、幅方向に貫通された貫通孔が形成されている。貫通孔は、第1支持壁54bに形成された支持孔及び第2支持壁54cに形成された支持孔よりも上方に位置している。
【0042】
図1、
図2、
図5A~
図7に示すように、昇降フレーム55Aは、取付ブラケット51Aに上下方向に揺動自在に支持され且つフレーム部31に連結される部材である。昇降フレーム55Aは、第2支持体56と、一対の上部リンク60Aと、一対の下部リンク61Aと、連結軸62と、を有している。
図5A、
図5Bに示すように、第2支持体56は、フレーム部31を支持する部分であり、取付ブラケット51Aの前方に配置されている。
図5Bに示すように、第2支持体56は、第2縦壁56aと、第3支持壁56bと、第4支持壁56cと、を有している。第2縦壁56aは、板面が前後方向を向くように配置された板状の部材である。第2縦壁56aの前面には、フレーム部31が取り付けられる。具体的には、第2縦壁56aの前面には、横部材32の幅方向の中央部が取り付けられている。
【0043】
図5Bに示すように、第3支持壁56b及び第4支持壁56cは、幅方向において対応しており、幅方向に離反して配置されている。第3支持壁56bは、第2縦壁56aの幅方向の一方側(左側)から後方に延設された部分である。
図5Aに示すように、第3支持壁56bは、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
【0044】
図5Bに示すように、第4支持壁56cは、第2縦壁56aの幅方向の他方側(右側)から後方に延設された部分である。即ち、第2縦壁56a、第3支持壁56b、及び第4支持壁56cは、平面視において略門形状を形成する。
図5Aに示すように、第4支持壁56cは、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
【0045】
図5A、
図5Bに示すように、一対の上部リンク60A及び一対の下部リンク61Aは、前後方向に延び且つ第1支持体54と第2支持体56とを上下方向に揺動自在に連結するリンクである。一対の上部リンク60Aは、幅方向に離反して配置され、幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とで、それぞれ第1支持体54の上側と第2支持体56の上側とを上下方向に揺動自在に連結する。具体的には、左側の上部リンク60ALの後側は、第1支持壁54bの上側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。一方、左側の上部リンク60ALの前側は、第3支持壁56bの上側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。また、右側の上部リンク60ARの後側は、第2支持壁54cの上側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。一方、右側の上部リンク60ARの前側は、第4支持壁56cの上側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。
【0046】
一対の下部リンク61Aは、幅方向に離反して配置され、幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とで、それぞれ第1支持体54の下側と第2支持体56の下側とを上下方向に揺動自在に連結する。具体的には、左側の下部リンク61ALの後側は、第1支持壁54bの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。一方、左側の下部リンク61ALの前側は、第3支持壁56bの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。また、右側の下部リンク61ARの後側は、第2支持壁54cの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。一方、右側の下部リンク61ARの前側は、第4支持壁56cの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。
【0047】
図5Bに示すように、連結軸62は、一対の下部リンク61Aの中途部を連結する軸状部材である。連結軸62の幅方向の一方側(左側)は、左側の下部リンク61Aの前後方向の中央部と連結されている。また、連結軸62の幅方向の他方側(右側)は、右側の下部リンク61Aの前後方向の中央部と連結されている。
電動昇降機構70は、作業機1Aに設けられた操作具75の操作によって操作され且つ電力によって昇降フレーム55Aを上下方向に揺動する機構である。本実施形態において、電動昇降機構70は、供給された電力によって伸縮駆動を行う電動シリンダ70Aである。
図5Bに示すように、電動シリンダ70Aは、支持柱54dの上部と連結軸62とを上下方向に揺動自在に連結しており、当該支持柱54dの上部と連結軸62との間の距離を伸縮させることで、昇降フレーム55Aを上下方向に揺動させる。
図5A、
図5Bに示すように、電動シリンダ70Aは、筒体(シリンダチューブ)71と、電動モータ73と、伝達機構(図示略)と、筒体71内に収容され且つ軸心廻りに回転駆動するボールねじ(図示略)と、ボールねじの回転駆動により軸方向移動されるロッド72と、有している。筒体71は、長尺の筒状の部材であり、ボールねじを収容している。
【0048】
電動モータ73は、供給された電力によって駆動力を発生させる機器である。本実施形態において、電動モータ73は、ステッピングモータであり、走行車両2に設けられたバッテリ(図示略)から供給された電力によって駆動軸(図示略)を回転させる。また、
図5A、
図5Bに示すように、電動モータ73は、筒体71の外周面に取り付け固定されている。伝達機構は、電動モータ73が発生させた駆動力をボールねじに伝達する。伝達機構は、例えば複数のギヤ等を含んでおり、駆動軸の回転駆動力の変速等を行う。ボールねじは、長尺の軸状部材であり、一端側には伝達機構が連結されており、他端側には螺子溝が形成されている。ロッド72は、長尺の軸状部材であり、一端側にはボールねじの螺子溝が対応する螺子孔が形成されており、他端側は連結軸62に上下方向に揺動自在に連結されている。また、ロッド72は、軸心廻りに回転不動に筒体71に支持されており、ボールねじの回転駆動によりロッド72が摺動して、電動シリンダ70Aが伸縮する。
【0049】
即ち、例えば、電動モータ73が正回転する場合、電動モータ73の駆動力が伝達機構を介してボールねじに伝達され、ボールねじの回転駆動によりロッド72が他端側に移動することで、電動シリンダ70Aが伸長する。一方、電動モータ73が逆回転する場合、電動モータ73の駆動力が伝達機構を介してボールねじに伝達され、ボールねじの回転駆動によりロッド72が一端側に移動することで、電動シリンダ70Aが収縮する。
【0050】
操作具75は、電動昇降機構70を操作する機器であり、
図5Aに示すように運転席4の前方に配置されている。操作具75は、電動モータ73に入力するパルス信号を変更操作することで電動モータ73の回転角度を任意に操作する。詳しくは、操作具75は、前カバー21の後上部に取り付けられており、操縦台10aの上方に配置されている。
操作具75は、制御装置76を介して電動モータ73と接続されている。制御装置76は、電気・電子回路、CPU等に格納されたプログラム等から構成された装置である。制御装置76は、操作具75から入力された信号に基づいて、電動モータ73に入力するパルス信号を変更する。
【0051】
なお、電動昇降機構70は、電力によって駆動してフレーム部31を昇降することができればよく、その構成は上記構成に限定されない。
以下、主に
図6を用いて、昇降装置50Aによるフレーム部31の昇降、即ち電動昇降機構70による昇降フレーム55Aの揺動について説明する。まず、昇降装置50Aがフレーム部31を下降させて、作業状態に切り換える場合について説明すると、運転席4に着座した作業者OPが操作具75を操作し、制御装置76が電動モータ73に入力するパルス信号を変更する。電動モータ73は、制御装置76から入力されたパルス信号によって回転駆動(正回転)し、伝達機構がボールねじを軸心廻りに回転駆動させる。ボールねじが回転駆動すると、ボールねじに形成された螺子溝と螺子孔とによってロッド72が他端側に移動することで、
図6の上図に示すように電動シリンダ70Aが伸長する。電動シリンダ70Aが伸長すると、支持柱54dの上部と連結軸62との間の距離を伸長され、連結軸62が下方に移動される。
【0052】
これにより、一対の下部リンク61Aが第1支持体54の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図6の上図に示すように反時計回り)に下方へ押し下げられ、一対の下部リンク61Aの下方移動に応じて、第2支持体56が下方に移動する。また、第2支持体56の下方移動により、一対の上部リンク60Aが一対の下部リンク61Aと平行を保ちつつ、第1支持体54の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図6の上図に示すように反時計回り)に下方へ押し下げられる。このため、第2支持体56は、第1支持体54と平行を保ちつつ下方へ移動して、フレーム部31及び複数の枝フォークが下方へ移動され、昇降装置50Aは作業状態に切り換わる。
【0053】
つぎに、昇降装置50Aがフレーム部31を上昇させて、非作業状態に切り換える場合について説明すると、運転席4に着座した作業者OPが操作具75を操作し、制御装置76が電動モータ73に入力するパルス信号を変更する。電動モータ73は、制御装置76から入力されたパルス信号によって回転駆動(逆回転)し、ボールねじが回転駆動してロッド72が一端側に移動することで、
図6の下図に示すように電動シリンダ70Aが収縮する。電動シリンダ70Aが収縮すると、支持柱54dの上部と連結軸62との間の距離を収縮され、連結軸62が上方に移動される。
【0054】
これにより、一対の下部リンク61Aが第1支持体54の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図6の下図に示すように時計回り)に上方へ押し上げられ、一対の下部リンク61Aの上方移動に応じて、第2支持体56が上方に移動する。また、第2支持体56の上方移動により、一対の上部リンク60Aが一対の下部リンク61Aと平行を保ちつつ、第1支持体54の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図6の下図に示すように時計回り)に上方へ押し上げられる。このため、第2支持体56は、第1支持体54と平行を保ちつつ上方へ移動して、フレーム部31及び複数の枝フォークが上方へ移動され、昇降装置50Aは非作業状態に切り換わる。
【0055】
図7に破線矢印で示すように、作業者OPは、運転席4に着座した状態で、複数の枝フォーク部40を視認することができる。特に、作業者OPは、運転席4に着座した状態で、アクセルペダル10cの前方及びブレーキペダル10dの前方の開放された部分から複数の枝フォーク部40の上側を視認することができる。これにより、作業者OPは、複数の枝フォーク部40がかき集めた枝葉Eの量を視認することができ、作業状況を容易に把握することができる。さらに、
図1に示すように、昇降装置50Aの幅は、運転席4の幅よりも狭く、本実施形態においては、前カバー21の幅よりも狭いため、昇降装置50Aが複数の枝フォーク部40の視認性を妨げることを抑制できる。
【0056】
上述した作業機1Aは、走行車両2と、走行車両2に設けられた運転席4と、運転席4の周辺に配置され走行車両2を操作する操作装置10と、枝葉Eを収集する枝収集装置30Aと、を備え、枝収集装置30Aは、フレーム部31と、それぞれ幅方向に離反して配置され且つフレーム部31から下方に延設された複数の枝フォーク部40と、走行車両2に取付けられる取付ブラケット51Aを含み且つフレーム部31を昇降可能に支持する昇降装置50Aと、を有している。上記構成によれば、走行車両2は、枝収集装置30Aを取り付けることで枝葉Eをかき集め、比較的多くの枝葉Eの収集作業を行うことができ、昇降装置50Aがフレーム部31を下降させ、枝フォーク部40が収集作業を行う作業状態と、昇降装置50Aがフレーム部31を上昇させ、枝フォーク部40が収集作業を行わない非作業状態と、に切り換えることができる。
【0057】
また、取付ブラケット51Aは、走行車両2の前部に取付けられ、複数の枝フォーク部40は、フレーム部31から走行車両2に向かって傾斜している。上記構成によれば、走行車両2が前進することで、枝収集装置30Aは、枝フォーク部40の下方に枝葉Eを集め、枝フォーク部40と地面との間で枝葉Eを圧縮することでより多くの枝葉Eを収集できる。
【0058】
また、フレーム部31は、複数の枝フォーク部40を幅方向に離反して支持する第1支持部材34と、複数の枝フォーク部40のうち、第1支持部材34とは別の複数の枝フォーク部40を幅方向に離反して支持し且つ第1支持部材34と走行車両2の前後方向に離反して配置される第2支持部材35と、を有している。上記構成によれば、枝収集装置30Aは、第1支持部材34が支持する複数の枝フォーク部40と、第2支持部材35が支持する複数の枝フォーク部40と、でより確実に枝葉Eを収集することができる。
【0059】
また、走行車両2は、運転席4の下側且つ走行車両2の前輪5FL,5FRの上方に足置き部12,13が配置され、足置き部12,13の前方は開放されている。上記構成によれば、作業者OPは、足置き部12,13の前方(走行車両2の前下方)を視認することができ、走行車両2の前部に設けた枝収集装置30Aがかき集めた枝葉Eの状態を確認することができる。
【0060】
また、作業機1Aは、走行車両2の後部に設けられた原動機8を備え、運転席4は、走行車両2の原動機8の前方に設けられ且つ走行車両2の高さ方向において原動機8とオーバラップする座部4aを有している。上記構成によれば、運転席4に着座する作業者OPは、原動機8によって視界を遮られることを回避できる。
また、枝収集装置30Aの幅方向の長さは、走行車両2の幅方向の長さと略一致している。上記構成によれば、走行車両2に枝収集装置30Aを取り付けた状態であっても、枝収集装置30Aが走行車両2の旋回を妨げることを抑止し、良好な旋回性能を維持できる。
【0061】
また、枝収集装置30Aの高さT1は、走行車両2の高さT2よりも低い。上記構成によれば、走行車両2に搭乗する作業者OPは、枝収集装置30Aによって視界を遮られることなく、当該走行車両2を操作することができる。
また、作業機1Aは、操作可能な操作具75を備え、昇降装置50Aは、取付ブラケット51Aに上下方向に揺動自在に支持され且つフレーム部31に連結される昇降フレーム55Aと、操作具75の操作によって操作され、且つ電力によって昇降フレーム55Aを上下方向に揺動させる電動昇降機構70と、を有し、操作具75は、運転席4の前方に配置されている。上記構成によれば、作業者OPは、運転席4に着座して、枝収集装置30Aが収集する枝葉Eを確認しながら操作具75を操作し、当該枝収集装置30Aを操作できる。これにより、枝収集装置30Aの操作性を向上させることができる。
【0062】
また、枝収集装置30Aは、フレーム部31と、それぞれ幅方向に離反して配置され且つフレーム部31から下方に延設された複数の枝フォーク部40と、走行車両2に取り付けられる取付ブラケット51Aを含み且つフレーム部31を昇降可能に支持する昇降装置50Aと、を備え、複数の枝フォーク部40は、フレーム部31から取付ブラケット51Aに向かって傾斜し、フレーム部31は、複数の枝フォーク部40を幅方向に離反して支持する第1支持部材34と、複数の枝フォーク部40のうち、第1支持部材34とは別の複数の枝フォーク部40を幅方向に離反して支持し且つ第1支持部材34と走行車両2の前後方向に離反して配置される第2支持部材35と、を有している。上記構成によれば、枝収集装置30Aは、走行車両2に枝収集装置30Aを昇降させる機能がない場合であっても、昇降装置50Aがフレーム部31を下降させ、枝フォーク部40が収集作業を行う作業状態と、昇降装置50Aがフレーム部31を上昇させ、枝フォーク部40が収集作業を行わない非作業状態と、に切り換えることができる。また、枝収集装置30Aは、第1支持部材34が支持する複数の枝フォーク部40と、第2支持部材35が支持する複数の枝フォーク部40と、でより確実に枝葉Eを収集することができる。
[第2実施形態]
図8~
図11は、作業機1の別の実施形態(第2実施形態)を示す。本実施形態において、枝収集装置30は、走行車両2の後部に装着されている。以下、第2実施形態の作業機1(以下、「作業機1B)と記す)について、上述した実施形態(第1実施形態)と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態と共通する構成については同じ符号を付して詳しい説明を省略する。
【0063】
図8~
図11に示すように、作業機1Bが備える枝収集装置30(以下、「枝収集装置30B」と記す)は、フレーム部31と、複数の枝フォーク部40と、昇降装置50Bと、を有している。フレーム部31は、枝収集装置30Bが有する構造体を支持するフレームであり、昇降装置50Bに対して複数の枝フォーク部40を支持する。本実施形態においてフレーム部31は、横部材32と、一対の縦部材33と、第1支持部材34と、第2支持部材35と、を含んでいる。
【0064】
図9、
図10Bに示すように、横部材32は、フレーム部31の基端側(前側)を構成し、幅方向に延びる長尺の部材である。横部材32の一端(左端)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、横部材32の他端(右端)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
図8~
図11に示すように、一対の縦部材33は、フレーム部31の基端側(前側)から先端側(後側)を構成し、前後方向に延びる部材である。一対の縦部材33は、幅方向に間隔をあけて離反して配置されている。
図9、
図10Bに示すように、一対の縦部材33のうち、幅方向の一方側(左側)の縦部材33Lは、横部材32の左側に配置され、一対の縦部材33のうち、幅方向の他方側(右側)の縦部材33Rは、横部材32の右側に配置されている。一対の縦部材33の前端は、横部材32と、ボルト等の締結部材により連結されており、横部材32の下側から後方に延設されている。
【0065】
図8~
図11に示すように、第1支持部材34及び第2支持部材35は、複数の枝フォーク部40が取り付けられる部分であり、前後方向に離反して配置されている。第1支持部材34及び第2支持部材35は、幅方向に延びている長尺の板状部材である。第1支持部材34及び第2支持部材35の一端(左端)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、第1支持部材34及び第2支持部材35の他端(右端)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。第1支持部材34及び第2支持部材35は、取付部36を介して一対の縦部材33に取り付けられる。
【0066】
図8~
図11に示すように、取付部36は、第1支持部材34及び第2支持部材35が前後方向に離反して、第1支持部材34が第2支持部材35よりも前方に位置するよう当該第1支持部材34及び第2支持部材35を一対の縦部材33に取り付ける。詳しくは、取付部36は、幅方向の一方側(左側)の縦部材33の前後方向の中央部及び後側と、幅方向の他方側(右側)の縦部材33の前後方向の中央部及び後側と、にそれぞれ取り付けられている。
【0067】
図10Bに示すように、左側の縦部材33Lの前後方向の中央部に取り付けられた取付部36(第5ブラケット36E)と、右側の縦部材33Rの前後方向の中央部に取り付けられた取付部36(第6ブラケット36F)と、は対応しており、第5ブラケット36Eは、第1支持部材34の左側を支持し、第6ブラケット36Fは、第1支持部材34の右側を支持している。
【0068】
図10Bに示すように、左側の縦部材33Lの後側に取り付けられた取付部36(第7ブラケット36G)と、右側の縦部材33Rの後側に取り付けられた取付部36(第8ブラケット36H)と、は対応しており、第7ブラケット36Gは、第2支持部材35の左側を支持し、第8ブラケット36Hは、第2支持部材35の右側を支持している。
図10Aに示すように、前後方向の中央部の取付部36(第5ブラケット36E及び第6ブラケット36F)は、第1支持部材34の板面が前下方を向くように当該第1支持部材34を支持する。後側の取付部36(第7ブラケット36G及び第8ブラケット36H)は、第2支持部材35の板面が前下方を向くように当該第2支持部材35を支持する。
【0069】
図10Aに示すように、複数の枝フォーク部40は、第1支持部材34又は第2支持部材35に支持され、フレーム部31(第1支持部材34又は第2支持部材35)から走行車両2から離れる方向に傾斜している。以下の説明において第1支持部材34に支持される枝フォーク部40を前側フォーク40Fとして説明し、第2支持部材35に支持される枝フォーク部40を後側フォーク40Rとして説明する。
【0070】
図10A、
図10Bに示すように、前側フォーク40Fは、基端側(上側)が第1支持部材34に取り付けられており、それぞれ幅方向に離反し且つ第1支持部材34の幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。また、
図10Bに示すように、前側フォーク40Fの幅方向の一方側(左側)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、前側フォーク40Fの幅方向の他方側(右側)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
【0071】
図10A、
図10Bに示すように、前側フォーク40Fの基端側(上側)は、第1支持部材34に取り付け固定されており、当該第1支持部材34の板面に沿って下方に延設されている。即ち、
図10Aに示すように、前側フォーク40Fは、第1支持部材34から後方に移行するにつれて当該縦部材33から離れる方向、つまり下後方に向かって傾斜している。前側フォーク40Fの先端側(下側)は、下方に向かって屈曲しており、圃場Gの上面と略直交する。
【0072】
図10A、
図10Bに示すように、後側フォーク40Rは、基端側(上側)が第2支持部材35に取り付けられており、それぞれ幅方向に離反し且つ第2支持部材35の幅方向の一方側(左側)から他方側(右側)に亘って配置されている。また、
図9に示すように、後側フォーク40Rの幅方向の一方側(左側)は、走行車両2の幅方向の一方側(左側)と略一致している。一方、後側フォーク40Rの幅方向の他方側(右側)は、走行車両2の幅方向の他方側(右側)と略一致している。
【0073】
図10A、
図10Bに示すように、後側フォーク40Rの基端側(上側)は、第2支持部材35に取り付け固定されており、当該第2支持部材35の板面に沿って下方に延設されている。即ち、後側フォーク40Rは、第2支持部材35から後方に移行するにつれて当該縦部材33から離れる方向、つまり下後方に向かって傾斜している。後側フォーク40Rの先端側(下側)は、下方に向かって屈曲しており、圃場Gの上面と略直交する。
【0074】
昇降装置50Bは、走行車両2に対してフレーム部31を昇降自在に支持する装置である。昇降装置50Bは、フレーム部31を下降させて枝フォーク部40が収集作業を行う作業状態と、フレーム部31を上昇させて枝フォーク部40が収集作業を行わない非作業状態と、に切り換えることができる。
図8に示すように、昇降装置50Bの幅W6は、運転席4の幅W2よりも狭く、本実施形態においては、前カバー21の幅W1よりも狭い。
図8~
図11に示すように、昇降装置50Bは、取付ブラケット51Bと、昇降フレーム55Bと、電動昇降機構70と、有している。取付ブラケット51Bは、走行車両2に取り付けられる構造体であり、本実施形態においては、走行車両2の後部に取り付けられる。具体的には、取付ブラケット51Bは、後フレーム11Cの後部に形成された後方装着部11cに取り付けられる。
【0075】
図10A、
図10Bに示すように、取付ブラケット51Bは、被装着部52Bと、接続部53Bと、第3支持体81と、を有している。被装着部52Bは、後方装着部11cに取り付けられる部分であり、板面が前後方向を向いて配置された板状の部材である。被装着部52Bには、貫通孔等が形成されており、ボルト及びナット等の締結部材によって後方装着部11cと着脱可能に接続されている。
【0076】
図10A、
図10Bに示すように、接続部53Bは、被装着部52Bと、第3支持体81と、を接続する部分である。接続部53Bは、被装着部52Bから後方に延設されている。本実施形態において、接続部53Bは、幅方向に離反した一対の板状部材から構成されている。接続部53Bの中央部には、幅方向に延びる架設軸80が取り付けられている。
【0077】
図10A、
図10Bに示すように、第3支持体81は、昇降フレーム55Bを上下方向に揺動自在に支持する部分であり、接続部53Bの後端から上方に延設されている。
図8に示すように、第3支持体81の高さT4は、走行車両2の高さT2よりも低い。本実施形態においては、第3支持体81の高さT4は、原動機カバー20の高さT3よりも低い。第3支持体81は、幅方向の一方側(左側)の板状部材から延設された第5支持壁81aと、幅方向の他方側(右側)の板状部材から延設された第6支持壁81bと、を含んでいる。
【0078】
図10A、
図10Bに示すように、第5支持壁81a及び第6支持壁81bは、幅方向において対応しており、幅方向に離反して配置されている。
図10Aに示すように、第5支持壁81aは、第3支持体81の左側から上方に延設され、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
【0079】
図10A、
図10Bに示すように、第6支持壁81bは、第3支持体81の右側から上方に延設され、板面が幅方向を向いた上下方向に長尺の板状部分であり、上側と下側とにそれぞれ貫通された孔(支持孔)が形成されている。支持孔は、幅方向に貫通された孔である。
図8~
図11に示すように、昇降フレーム55Bは、取付ブラケット51Bに上下方向に揺動自在に支持され且つフレーム部31に連結される部材である。
図10A、
図10Bに示すように、昇降フレーム55Bは、一対の上部リンク60Bと、一対の下部リンク61Bと、一対の連結リンク83と、伝達リンク84と、を有している。
【0080】
一対の上部リンク60B及び一対の下部リンク61Bは、前後方向に延び且つ第3支持体81と上下方向に揺動自在に連結されているリンクである。一対の上部リンク60Bは、幅方向に離反して配置され、幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とで、それぞれ幅方向に延びる回動軸82により第3支持体81の上側と連結されている。回動軸82は、第5支持壁81aの上側の支持孔と第6支持壁81bの上側の支持孔とに貫通して取り付けられている。このため、左側の上部リンク60BLの基端側(前側)は、第5支持壁81aの上側の支持孔に回動軸82廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。一方、右側の上部リンク60BRの基端側(前側)は、第6支持壁81bの上側の支持孔に回動軸82廻りに揺動自在に取り付けられている。
【0081】
一対の下部リンク61Bは、幅方向に離反して配置され、幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とで、それぞれ第3支持体81の下側と上下方向に揺動自在に連結されている。具体的には、左側の下部リンク61BLの基端側(前側)は、第5支持壁81aの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。また、右側の下部リンク61BRの基端側(前側)は、第6支持壁81bの下側の支持孔に幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに上下方向に揺動自在に取り付けられている。また、一対の下部リンク61Bは、フレーム部31が取り付けられる部分であり、具体的には、一対の下部リンク61Bの先端側(後側)の下部には、横部材32の幅方向の中央部が取り付けられている。
【0082】
一対の連結リンク83は、一対の上部リンク60B及び一対の下部リンク61Bを連結するリンクである。一対の連結リンク83は、幅方向に離反して配置され、幅方向の一方側(左側)と他方側(右側)とで、それぞれ一対の上部リンク60Bの先端側(後側)と一対の下部リンク61Bの先端側(後側)と上下方向に揺動自在に連結されている。
具体的には、左側の連結リンク83Lの一端側(上側)は、幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに左側の上部リンク60BLの後側に上下方向に揺動自在に取り付けられ、他端側(下側)は、幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに左側の下部リンク61BLの後側に上下方向に揺動自在に取り付けられている。また、右側の連結リンク83Rの一端側(上側)は、幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに右側の上部リンク60BRの後側に上下方向に揺動自在に取り付けられ、他端側(下側)は、幅方向に延びる揺動軸の軸心廻りに右側の下部リンク61BRの後側に上下方向に揺動自在に取り付けられている。
【0083】
伝達リンク84は、一対の上部リンク60Bと連結され、外部から付与された力によって当該一対の上部リンク60Bを上下方向に揺動させるリンクである。伝達リンク84は、一端側が回動軸82に取り付け固定されており、当該回動軸82から前方に延び、中途部が走行車両2の方向に屈曲している。伝達リンク84の一端側は、一対の上部リンク60Bの基端側と回動軸82を介して固定されており、一対の上部リンク60Bと回動軸82の軸心廻りに一体として上下方向に揺動する。伝達リンク84の他端側は、幅方向には貫通される支持孔が形成されている。
【0084】
本実施形態において、電動昇降機構70は、伝達リンク84の他端側と架設軸80とを連結しており、当該伝達リンク84の他端側と架設軸80との間の距離を伸縮させることで、昇降フレーム55Bを上下方向に揺動させる。
以下、昇降装置50Bによるフレーム部31の昇降、即ち電動昇降機構70による昇降フレーム55Bの揺動について説明する。まず、昇降装置50Bがフレーム部31を下降させて、作業状態に切り換える場合について説明すると、運転席4に着座した作業者OPが操作具75を操作して、電動シリンダ70Bが伸長すると、伝達リンク84の他端側と架設軸80との間の距離を伸長され、伝達リンク84の他端側が上方に移動される。
【0085】
これにより、一対の上部リンク60Bが第3支持体81の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図11の上図に示すように時計回り)に下方へ押し下げられ、一対の上部リンク60Bの下方移動に応じて、連結リンク83が下方に移動する。また、連結リンク83の下方移動により、一対の下部リンク61Bが一対の下部リンク61Bと平行を保ちつつ、第3支持体81の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図11の上図に示すように時計回り)に下方へ押し下げられる。このため、下部リンク61Bに取り付けられたフレーム部31及び複数の枝フォークが下方へ移動され、昇降装置50Bは作業状態に切り換わる。
【0086】
つぎに、昇降装置50Bがフレーム部31を上昇させて、非作業状態に切り換える場合について説明すると、運転席4に着座した作業者OPが操作具75を操作し、制御装置76が電動モータ73に入力するパルス信号を変更する。電動モータ73は、制御装置76から入力されたパルス信号によって回転駆動(逆回転)し、ボールねじが回転駆動してロッド72が一端側に移動することで、
図11の下図に示すように電動シリンダ70Bが収縮する。電動シリンダ70Bが収縮すると、支持柱54dの上部と架設軸80との間の距離を収縮され、架設軸80が上方に移動される。
【0087】
これにより、一対の下部リンク61Bが第3支持体81の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図11の下図に示すように反時計回り)に上方へ押し上げられ、一対の下部リンク61Bの上方移動に応じて、第4支持部が上方に移動する。また、第4支持部の上方移動により、一対の上部リンク60Bが一対の下部リンク61Bと平行を保ちつつ、第3支持体81の揺動軸の軸心廻り(左側面視においては、
図11の下図に示すように反時計回り)に上方へ押し上げられる。このため、第4支持部は、第3支持体81と平行を保ちつつ上方へ移動して、フレーム部31及び複数の枝フォークが上方へ移動され、昇降装置50Bは非作業状態に切り換わる。
【0088】
以上、本発明について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0089】
1A 作業機
2 走行車両
4 運転席
4a 座部
5FL 前輪
5FR 前輪
8 原動機
10 操作装置
12 ステップ(第1足置き部)
13 ステップ(第2足置き部)
30A 枝収集装置
31 フレーム部
34 第1支持部材
35 第2支持部材
40 枝フォーク部
50A 昇降装置
51A 取付ブラケット
55A 昇降フレーム
70 電動昇降機構
75 操作具
E 枝葉
OP 作業者