(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】遠隔診療システム
(51)【国際特許分類】
G16H 80/00 20180101AFI20230719BHJP
【FI】
G16H80/00
(21)【出願番号】P 2022571144
(86)(22)【出願日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2022027499
(87)【国際公開番号】W WO2023013373
(87)【国際公開日】2023-02-09
【審査請求日】2022-11-21
(31)【優先権主張番号】P 2021126674
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】391028328
【氏名又は名称】株式会社辰巳菱機
(74)【代理人】
【識別番号】100127306
【氏名又は名称】野中 剛
(72)【発明者】
【氏名】近藤 豊嗣
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-064284(JP,A)
【文献】特開2012-008931(JP,A)
【文献】特開2020-095652(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受診者の体に装着し、前記受診者の生体情報、及び周囲情報の少なくとも
1つを検知する検知端末と、
ネットワークを介して、前記検知端末で検知した情報を受信する診療端末と、を備え、
前記診療端末は、前記検知端末で検知した情報に、前記受診者による所定の動作に対応して変化した数値が含まれているか否かの判断を行う、遠隔診療システム。
【請求項2】
前記検知端末で検知した情報を受信し、前記ネットワークを介して、前記診療端末に送信する集計端末を更に備え、
前記診療端末は、本人確認のために前記所定の動作を行う旨、及び前記所定の動作の内容を含む動作指示メッセージを含む本人確認指示情報を、前記集計端末に送信し、
前記集計端末と前記検知端末の少なくとも一方は、前記動作指示メッセージを出力し、
前記検知端末が前記動作指示メッセージを出力する場合には、前記検知端末は前記集計端末から前記動作指示メッセージを受信するものであり、
前記判断は、前記検知端末で検知した情報のうち、前記本人確認指示情報を前記集計端末が受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものに基づいて、行われる、請求項1に記載の遠隔診療システム。
【請求項3】
前記集計端末は、撮像部を有し、
前記ネットワークを介して、前記集計端末から前記診療端末へ、前記撮像部で得られた画像情報が送信され、
前記診療端末は、前記所定の動作が行われているか否かを、前記撮像部で得られた画像情報から判断し、
前記集計端末は、前記撮像部で得られた画像情報の上に、前記動作指示メッセージを出力し、
前記判断は、前記検知端末で検知した情報のうち、前記所定の動作が行われている時間帯のものに基づいて、行われる、請求項2に記載の遠隔診療システム。
【請求項4】
前記集計端末は、前記画像情報の上で、且つ前記画像情報に含まれる人の顔がある領域及び前記検知端末がある領域と異なる領域に、前記動作指示メッセージを出力する、請求項3に記載の遠隔診療システム。
【請求項5】
前記判断は、前記検知端末で検知した過去の情報と、前記検知端末で検知した情報のうち、前記本人確認指示情報を受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものと、に基づいて、行われる、請求項2または請求項3に記載の遠隔診療システム。
【請求項6】
前記診療端末は、本人確認のために前記所定の動作を行う旨、及び前記所定の動作の内容を含む動作指示メッセージを含む本人確認指示情報を、前記検知端末に送信し、
前記集計端末と前記検知端末の少なくとも一方は、前記動作指示メッセージを出力し、
前記検知端末が前記動作指示メッセージを出力する場合には、前記検知端末は前記集計端末から前記動作指示メッセージを受信するものであり、
前記判断は、前記検知端末で検知した情報のうち、前記本人確認指示情報を受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものに基づいて、行われる、請求項
2に記載の遠隔診療システム。
【請求項7】
前記診療端末が受信する、前記検知端末で検知した情報は、表計算ソフトで各セルのデータが読み込み可能で且つ書き込み不能なファイル形式で構成される、請求項1~請求項6のいずれかに記載の遠隔診療システム。
【請求項8】
前記診療端末による、前記検知端末で検知した情報の受信は、クラウドストレージサービスのサーバーを用いたファイル供給を介して行われる、請求項7に記載の遠隔診療システム。
【請求項9】
前記所定の動作は、前記受診者の腕に装着した前記検知端末を手で覆う動作であり、
前記検知端末は、少なくとも前記周囲情報として、前記検知端末で受信する信号の電波強度を検知するものであり、
前記判断は、前記検知端末で検知した情報のうち、少なくとも前記電波強度に関する情報に基づいて行われる、請求項1~請求項8のいずれかに記載の遠隔診療システム。
【請求項10】
前記所定の動作は、前記受診者の腕に装着した前記検知端末をタップする動作と、前記検知端末を装着した前記受診者の腕を上げる動作の少なくとも一方であり、
前記検知端末は、少なくとも前記周囲情報として、前記検知端末の加速度を検知するものであり、
前記判断は、前記検知端末で検知した情報のうち、少なくとも前記加速度に関する情報に基づいて行われる、請求項1~請求項8のいずれかに記載の遠隔診療システム。
【請求項11】
受診者の体に装着された検知端末で検知した、前記受診者の生体情報、及び周囲情報の少なくとも1つを、ネットワークを介して、受信する工程と、
前記検知端末で検知した情報に、前記受診者による所定の動作に対応して変化した数値が含まれているか否かを判断する工程と、を実行する診療端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遠隔診療システムなどに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1のように、生体情報を取得し、他の機器に送信する情報機器などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、遠隔診療で用いる場合には、真の受診者が正確に生体情報を取得する検知端末を装着していることを、診療端末側で確認する必要がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、受診者の本人確認が容易に行える遠隔診療システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る遠隔診療システムは、受診者の体に装着し、受診者の生体情報、及び周囲情報の少なくとも1つを検知する検知端末と、ネットワークを介して、検知端末で検知した情報を受信する診療端末と、を備える。
診療端末は、検知端末で検知した情報のうち、受診者による所定の動作に対応して数値が変化するものに基づいて、検知端末を装着している者が受診者であるか否かの判断を行う。
【0007】
遠隔診療システムにおいて、所定の動作に対応して変化する数値を含む、生体情報と周囲情報の少なくとも一方を使って、検知端末を装着した者が受診者であるか否かの本人確認が容易に行える。
【0008】
好ましくは、遠隔診療システムは、検知端末で検知した情報を受信し、ネットワークを介して、診療端末に送信する集計端末を更に備える。
診療端末は、本人確認のために所定の動作を行う旨、及び当該所定の動作の内容を含む動作指示メッセージを含む本人確認指示情報を、集計端末に送信する。
集計端末と検知端末の少なくとも一方は、動作指示メッセージを出力する。
当該判断は、検知端末で検知した情報のうち、本人確認指示情報を受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものに基づいて、行われる。
【0009】
遠隔診療システムで使用される受診者の画像情報を用いて、動作指示メッセージに含まれる所定の動作が実際に行われる状態(若しくは、行われない状態)を、診療端末の使用者(診察者)が視認することが可能になる。
【0010】
さらに好ましくは、集計端末は、撮像部を有する。
診療端末は、所定の動作が行われているか否かを、撮像部で得られた画像情報から判断する。
集計端末は、撮像部で得られた画像情報の上に、動作指示メッセージを出力する。
当該判断は、検知端末で検知した情報のうち、当該所定の動作が行われている時間帯のものに基づいて、行われる。
【0011】
さらに好ましくは、集計端末は、画像情報の上で、且つ当該画像情報に含まれる人の顔がある領域及び検知端末がある領域と異なる領域に、動作指示メッセージを出力する。
【0012】
これにより、動作指示メッセージを表示させた状態で、画像情報に含まれる人の顔、及び検知端末の表示を維持させることが可能になる。
【0013】
また、好ましくは、当該判断は、検知端末で検知した過去の情報と、検知端末で検知した情報のうち、本人確認指示情報を受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものと、に基づいて、行われる。
【0014】
これにより、より正確に本人確認を行うことが可能になる。
【0015】
また、好ましくは、診療端末は、本人確認のために当該所定の動作を行う旨、及び当該所定の動作の内容を含む動作指示メッセージを含む本人確認指示情報を、検知端末に送信する。
検知端末の少なくとも一方は、動作指示メッセージを出力する。
当該判断は、検知端末で検知した情報のうち、本人確認指示情報を受信した時から所定の時間が経過するまでの間のものに基づいて、行われる。
【0016】
また、好ましくは、診療端末が受信する、検知端末で検知した情報は、表計算ソフトで各セルのデータが読み込み可能で且つ書き込み不能なファイル形式で構成される。
【0017】
画像データのファイル形式での受信を行う場合によりもファイルサイズを小さくすることが出来、通信負荷の増大を抑制することが可能になる。
また、診療端末が、検知端末が検知した情報に含まれるデータを容易に読み込むことが出来、データの加工などを容易に行える。
また、書き込み不能な状態のファイルを受信するので、受信した内容の改ざんを防止出来る。
【0018】
さらに好ましくは、診療端末による、検知端末で検知した情報の受信は、クラウドストレージサービスのサーバーを用いたファイル供給を介して行われる。
【0019】
この場合、集計端末の通信が不能な状態でも、クラウドストレージサービスのサーバーと集計端末の間の通信が可能な状態であれば、検知端末が検知した情報をクラウドストレージサービスのサーバーに記録させることが出来る。その後に、集計端末の通信が可能な状態になった時に、集計端末は、クラウドストレージサービスのサーバーから当該情報を得ることが可能になる。
【0020】
また、好ましくは、当該所定の動作は、受診者の腕に装着した検知端末を手で覆う動作である。
検知端末は、少なくとも周囲情報として、検知端末で受信する信号の電波強度を検知する。
当該判断は、検知端末で検知した情報のうち、少なくとも電波強度に関する情報に基づいて行われる。
【0021】
また、好ましくは、当該所定の動作は、受診者の腕に装着した検知端末をタップする動作と、検知端末を装着した受診者の腕を上げる動作の少なくとも一方である。
検知端末は、少なくとも周囲情報として、検知端末の加速度を検知する。
当該判断は、検知端末で検知した情報のうち、少なくとも加速度に関する情報に基づいて行われる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように本発明によれば、受診者の本人確認が容易に行える遠隔診療システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】第1実施形態~第3実施形態における遠隔診療システムの構成図である。
【
図2】第1実施形態~第3実施形態における受診者情報データベースのコンテンツの例を示す図である。
【
図3】第1実施形態の動作指示メッセージを表示した集計端末側出力部を示す図である。
【
図4】第1実施形態の確認完了メッセージを表示した集計端末側出力部を示す図である。
【
図5】第3実施形態の画像情報と動作指示メッセージを表示した集計端末側出力部を示す図である。
【
図6】第3実施形態の画像情報と確認完了メッセージを表示した集計端末側出力部を示す図である。
【
図7】第3実施形態の画像情報と警告メッセージを表示した集計端末側出力部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、第1実施形態について、図を用いて説明する。
なお、実施形態は、以下の実施形態に限られるものではない。また、一つの実施形態に記載した内容は、原則として他の実施形態にも同様に適用される。また、各実施形態及び各変形例は、適宜組み合わせることが出来る。
【0025】
(遠隔診療システム1)
第1実施形態における遠隔診療システム1は、検知端末(第1検知端末A1~第5検知端末A5)、集計端末(第1集計端末B1~第3集計端末B3)、診療端末(第1診療端末C1~第4診療端末C4)を備える。
【0026】
なお、第1実施形態では、5つの検知端末、3つの集計端末、4つの診療端末を使って、遠隔診療システム1を構成する例を示すが、それぞれの端末の数は一例であり、検知端末の数は5つに限るものではなく、集計端末の数は3つに限るものではなく、診療端末の数は4つに限るものではない。
【0027】
(検知端末)
第1検知端末A1~第5検知端末A5のぞれぞれは、検知端末側制御部11、検知装置13、検知端末側通信部15、検知端末側入力部18、検知端末側出力部19を有する。
図1では、第1検知端末A1について、検知装置13などの詳細の構造を示すが、第2検知端末A2~第5検知端末A5も同様の構造を有する。
【0028】
(検知端末の筐体)
検知端末の筐体は、使用者(受診者)の体につける装身具の筐体で構成され、検知端末側制御部11、検知装置13、検知端末側通信部15、検知端末側記録部17、検知端末側入力部18、検知端末側出力部19を保持する。
第1実施形態では、第1検知端末A1の筐体が、腕時計の筐体で構成される例を示す。しかしながら、検知端末の筐体は、腕時計の筐体に限るものではない。例えば、第1検知端末A1~第5検知端末A5の少なくとも1つの筐体は、ブレスレット、腕時計、ネックレス、アンクレット、指輪、数珠など、腕時計以外の使用者の体につける装身具の筐体で構成されてもよい。
図1は、第1検知端末A1と第2検知端末A2と第4検知端末A4の筐体が、腕時計の筐体で構成され、第3検知端末A3と第5検知端末A5の筐体が、アンクレットの筐体で構成される例を示す。
【0029】
(検知端末側制御部11)
検知端末側制御部11は、検知端末の各部を制御する。
検知端末側制御部11は、検知端末側記録部17にインストールされた検知端末側プログラムP10を動作させる。
検知端末側プログラムP10は、後述する生体情報取得工程S11、生体情報送信工程S12、第2動作指示メッセージ出力工程S13などを実行する。
【0030】
(検知装置13)
検知装置13は、使用者(受診者)の生体情報と周囲情報を取得する。
生体情報は、検知装置13を装着した使用者(受診者)の体温、脈拍、脈動、血圧などを含む。
周囲情報は、気温、湿度、気圧、特定の気体の濃度、騒音、電波強度、圧力、加速度などを含む。
加速度は、水平方向の1つ(x方向)と、x方向に垂直な水平方向(y方向)と、x方向とy方向に垂直な鉛直方向(z方向)の加速度を含む。
加速度情報などから、歩数情報、消費カロリーなどが算出される。
検知装置13は、第1時間T1(例えば、T1=30秒)ごとに、生体情報と周囲情報を取得する。
第1実施形態では、検知装置13が、第1時間T1ごとに、生体情報と周囲情報のすべての項目を取得する例を説明する。しかしながら、項目ごとに、情報を取得する間隔を異なるものにしてもよい。
また、第1時間T1は、固定されたものに限らず、時間帯、使用者によって変動するものであってもよい。例えば、昼間(6時から22時まで)は短い数値に設定され、夜間(22時から翌日6時まで)は長い数値が設定される。
【0031】
第1実施形態では、検知装置13が、生体情報として、使用者(受診者)の最低血圧、最高血圧、脈拍を検知し、周囲情報として、気温、湿度、電波強度、加速度(x方向、y方向、z方向)を検知する例を説明する。
【0032】
(検知端末側通信部15)
検知端末側通信部15は、第1通信(近距離無線通信)で、第1集計端末B1~第3集計端末B3の第1集計端末側通信部35であって、ペアリング設定がされているものと通信する。
検知端末側通信部15は、検知装置13で得られた情報(生体情報、周囲情報)を、時間情報、及び検知端末の識別情報と共に、ペアリング設定されている第1集計端末側通信部35に送信する。
【0033】
第1実施形態では、第1検知端末A1と第2検知端末A2の検知端末側通信部15が、第1集計端末B1の第1集計端末側通信部35と通信し、第3検知端末A3の検知端末側通信部15が、第2集計端末B2の第1集計端末側通信部35と通信し、第4検知端末A4と第5検知端末A5の検知端末側通信部15が、第3集計端末B3の第1集計端末側通信部35と通信する例を示す。
【0034】
第1通信の通信手段は、電話回線、RFタグの通信方式の他、当該通信手段をオン状態にしている間、外部に自身の識別情報を発信するもので、IEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))や、IEEE802.11(無線LAN)などが考えられる。
【0035】
(生体情報などの送信タイミング)
検知端末側通信部15から第1集計端末側通信部35への生体情報などの送信は、検知装置13が情報を取得した直後に行われる。すなわち、当該送信は、第1時間T1ごとに行われる。
ただし、検知端末側通信部15と第1集計端末側通信部35が通信出来ない時間帯は、生体情報などの送信が出来ない。このため、当該時間帯に検知装置13が取得した情報は、検知端末側記録部17に記録される。そして、検知端末側通信部15と第1集計端末側通信部35の通信が可能になった時に、当該時間帯に検知装置13が取得した情報であって、検知端末側記録部17に記録しておいたものの送信が行われる。
【0036】
(検知端末側記録部17)
検知端末側記録部17は、検知装置13で得られた情報(生体情報、周囲情報)を、時間情報、及び検知端末の識別情報と共に記録する。
検知端末側記録部17には、検知端末側プログラムP10がインストールされる。
【0037】
(検知端末側入力部18)
検知端末側入力部18は、タッチパネル、ボタン、マイクなどで構成され、検知端末における入力操作のために使用される。
【0038】
(検知端末側出力部19)
検知端末側出力部19は、スピーカー(音声出力装置)、表示装置(画像出力装置)などで構成され、検知端末における出力操作のために使用される。
【0039】
(集計端末)
第1集計端末B1~第3集計端末B3のそれぞれは、集計端末側制御部31、集計端末側撮像部32、第1集計端末側通信部35、第2集計端末側通信部36、集計端末側記録部37、集計端末側入力部38、集計端末側出力部39を有する。
【0040】
(集計端末側制御部31)
集計端末側制御部31は、集計端末の各部を制御する。
集計端末側制御部31は、集計端末側記録部37にインストールされた集計端末側プログラムP30を動作させる。
集計端末側プログラムP30は、後述するデータベース生成工程S31、データベース記録工程S32、第1動作指示メッセージ出力工程S33、動作指示メッセージ転送工程S34、本人確認用データ送信工程S35、第1確認完了メッセージ出力工程S36、診察用データ送信工程S37、第2診察用データ出力工程S38などを実行する。
【0041】
(集計端末側撮像部32)
集計端末側撮像部32は、集計端末の周囲の画像情報を取得する。
第1実施形態では、本人確認動作の際に、及び診療端末を介した診察の際に、集計端末側撮像部32が検知端末及び当該検知端末を装着した使用者(受診者)を撮像する。
【0042】
(第1集計端末側通信部35)
第1集計端末側通信部35は、第1通信で、第1検知端末A1~第5検知端末A5の検知端末側通信部15であって、ペアリング設定されているものと通信する。
【0043】
(第2集計端末側通信部36)
第2集計端末側通信部36は、ネットワークを介して、第1診療端末C1~第4診療端末C4のうち、第2集計端末側通信部36の使用者(受診者)が指定したものの診療端末側通信部56と通信する。
例えば、第3検知端末A3の使用者(受診者)が、第2診療端末C2を含む医療機関での診察を受ける場合には、第3検知端末A3の検知端末側通信部15と第2集計端末B2の第1集計端末側通信部35とが、第1通信での通信を行い、第2集計端末B2の第2集計端末側通信部36と第2診療端末C2の診療端末側通信部56とが、ネットワークを介した通信を行う。
【0044】
第2集計端末側通信部36は、集計端末側撮像部32で得られた画像データ、及び受診者情報データベースD1のうち、集計端末の使用者(受診者)、すなわち検知端末を装着している者のデータを、当該使用者(受診者)が指定した診療端末の診療端末側通信部56に送信する。
【0045】
本人確認の場合は、受診者情報データベースD1のうち、集計端末の使用者(受診者)、すなわち検知端末を装着している者の、本人確認指示情報が送信された後の第2時間T2(例えば、T2=60秒)の間のデータが送信される。
なお、後述する第3実施形態では、本人確認の場合も、集計端末側撮像部32で得られた画像データも送信される。
【0046】
診察の場合は、集計端末側撮像部32で得られた画像データ、及び受診者情報データベースD1のうち、集計端末の使用者(受診者)、すなわち検知端末を装着している者の、診療端末側の使用者(医療従事者)が指定した時間(第3時間T3)だけ過去のデータが送信される。ただし、過去のデータに代えて、若しくは加えて、現在のデータが随時送信される形態であってもよい。
【0047】
(送信するデータのファイル形式)
診療端末が受信する、検知端末で検知した情報(受診者情報データベースD1など)は、一覧表を示す画像データのファイル形式で構成される形態であってもよいが、表計算ソフトで各セルのデータが読み込み可能で且つ書き込み不能なファイル形式で構成される形態であってもよい。
【0048】
画像データのファイル形式での受信を行う場合によりもファイルサイズを小さくすることが出来、通信負荷の増大を抑制することが可能になる。
また、診療端末が、検知端末が検知した情報(受診者情報データベースD1など)に含まれるデータを容易に読み込むことが出来、データの加工などを容易に行える。
また、書き込み不能な状態のファイルを受信するので、受信した受診者情報データベースD1の内容の改ざんを防止出来る。
【0049】
(受診者情報データベースD1の送信形態)
集計端末の第2集計端末側通信部36から診療端末の診療端末側通信部56への検知端末で検知した情報(受診者情報データベースD1など)の送信、診療端末の診療端末通信部56による、検知端末で検知した情報の受信は、クラウドストレージサービスのサーバーを用いたファイル共有を介して行われてもよい。
【0050】
この場合、集計端末の通信が不能な状態でも、クラウドストレージサービスのサーバーと集計端末の間の通信が可能な状態であれば、検知端末が検知した情報(受診者情報データベースD1など)をクラウドストレージサービスのサーバーに記録させることが出来る。その後に、集計端末の通信が可能な状態になった時に、集計端末は、クラウドストレージサービスのサーバーから受診者情報データベースD1の情報を得ることが可能になる。
【0051】
集計端末側プログラムP30は、第1集計端末側通信部35で受信した情報(生体情報、周囲情報、検知端末の識別情報)に基づいて、使用者(受診者)ごとの受診者情報データベースD1を生成する(
図2参照)。
受診者情報データベースD1は、使用者(受診者)が装着している検知端末の識別情報、情報取得時間、生体情報(最低血圧、最高血圧、脈拍)、周囲情報(気温、湿度、電波強度、加速度)を含む。
【0052】
(集計端末側記録部37)
集計端末側記録部37は、受診者情報データベースD1を記録する。
集計端末側記録部37には、集計端末側プログラムP30がインストールされる。
【0053】
(受診者情報データベースD1の記録例)
第1実施形態では、第1集計端末B1の集計端末側記録部37は、受診者情報データベースD1として、第1検知端末A1の識別情報(0001)に対応するものと、第2検知端末A2の識別情報に対応するものを記録する。
また、第2集計端末B2の集計端末側記録部37は、受診者情報データベースD1として、第3検知端末A3の識別情報に対応するものを記録する。
まだ、第3集計端末B3の集計端末側記録部37は、受診者情報データベースD1として、第4検知端末A4の識別情報に対応するものと、第5検知端末A5の識別情報に対応するものを記録する。
【0054】
(集計端末側入力部38)
集計端末側入力部38は、タッチパネル、ボタン、マイクなどで構成され、集計端末における入力操作のために使用される。
集計端末側プログラムP30を使って、診察を受ける場合には、集計端末側入力部38を介して、集計端末側プログラムP30上で、診察を受ける医療機関に含まれる診療端末の選択、診察を受ける時間の予約設定などが行われる。
【0055】
(集計端末側出力部39)
集計端末側出力部39は、スピーカー(音声出力装置)、表示装置(画像出力装置)などで構成され、集計端末における出力操作のために使用される。
【0056】
(検知端末と集計端末が一体化した応用例)
第1実施形態では、検知端末と集計端末とが別体で構成され、第1通信で通信により、情報の送受信が行われる例を説明した。
しかしながら、検知端末と集計端末が一体的に構成されてもよい。この場合には、検知端末に、集計端末側撮像部32に相当するもの、及び、第2集計端末側通信部36に相当するもの、すなわち、ネットワークを介して診療端末と通信する通信部が含まれる。
【0057】
(診療端末)
第1診療端末C1~第4診療端末C4のそれぞれは、診療端末側制御部51、診療端末側撮像部52、診療端末側通信部56、診療端末側記録部57、診療端末側入力部58、診療端末側出力部59を有する。
診療端末は、医療機関に設けられる。
診療端末は、1つの医療機関に1台だけ設けられる形態であってもよいし、1つの医療機関に複数台設けられてもよい。
【0058】
(診療端末側制御部51)
診療端末側制御部51は、診療端末の各部を制御する。
診療端末側制御部51は、診療端末側記録部57にインストールされた診療端末側プログラムP50を動作させる。
診療端末側プログラムP50は、後述する動作指示メッセージ送信工程S51、所定の動作の内容設定工程S52、本人確認工程S53、確認完了メッセージ出力指示工程S54、診察用データ記録工程S55、第1診察用データ出力工程S56などを実行する。
【0059】
(診療端末側撮像部52)
診療端末側撮像部52は、診療端末の周囲の画像情報を取得する。
第1実施形態では、診療端末を介した診察の際に、診療端末側撮像部52が診療端末の使用者(診察者)を撮像する。
【0060】
(診療端末側通信部56)
診療端末側通信部56は、ネットワークを介して、第1集計端末B1~第3診療端末B3の第2集計端末側通信部36と通信する。
【0061】
(診療端末側記録部57)
診療端末側記録部57は、診察用データDbなど、集計端末の第2集計端末側通信部36から送信されたデータを記録する。
診療端末側記録部57には、診療端末側プログラムP50がインストールされる。
【0062】
(診療端末側入力部58)
診療端末側入力部58は、タッチパネル、ボタン、マイクなどで構成され、集計端末における入力操作のために使用される。
後述する本人確認の際に、本人確認を行うための所定の動作の内容を、診療端末の使用者(診察者)が手動で設定する場合には、診療端末側入力部58を介して、当該所定の動作の内容の入力が行われる。
【0063】
(診療端末側出力部59)
診療端末側出力部59は、スピーカー(音声出力装置)、表示装置(画像出力装置)などで構成され、診療端末における出力操作のために使用される。
【0064】
(動作手順)
第1検知端末A1の使用者が、第1集計端末B1を介して、第1診療端末C1の使用者(診察者)による遠隔診療を受ける手順、すなわち、第1検知端末A1における検知端末側プログラムP10と、第1集計端末B1における集計端末側プログラムP30と、第1診療端末C1における診療端末側プログラムP50の動作手順を説明する。
なお、他の検知端末、他の集計端末、他の診療端末を使った場合も同様である。
【0065】
(受診者側の端末起動)
第1検知端末A1の使用者(受診者)は、第1検知端末A1を自身に装着する。
第1検知端末A1の使用者(受診者)は、第1検知端末A1の検知端末側プログラムP10を起動し、第2集計端末B1の集計端末側プログラムP30を起動する。
【0066】
なお、検知端末側プログラムP10の起動は、使用者(受診者)の手動によるものに限らず、診察予定時刻など所定の時刻に自動的に行われる形態であってもよいし、検知端末の電源がオン状態にされている間、常時起動した状態にされてもよい。
同様に、集計端末側プログラムP30の起動は、使用者(受診者)の手動によるものに限らず、診察予定時刻など所定の時刻に自動的に行われる形態であってもよいし、集計端末の電源がオン状態にされている間、常時起動した状態にされてもよい。
【0067】
(情報取得、送信)
第1検知端末A1の検知装置13は、第1時間T1ごとに、生体情報と周囲情報を取得する(生体情報取得工程S11)。
第1検知端末A1の使用者(受診者)は、第1検知端末A1と第2集計端末B1とを近づけて、第1通信での通信が可能な状態にする。
【0068】
第1検知端末A1の検知端末側通信部15は、第1集計端末B1の第1集計端末側通信部35と通信し、検知装置13で得られた情報(生体情報、周囲情報)を、時間情報、及び検知端末の識別情報と共に、第1集計端末B1の第1集計端末側通信部35に送信する(生体情報送信工程S12)。
第1集計端末B1の集計端末側プログラムP30は、第1集計端末側通信部35で受信した情報に基づいて、第1検知端末A1の使用者(受診者)の識別情報に対応した受診者情報データベースD1を生成し、第1集計端末B1の集計端末側記録部37に記録する(データベース生成工程S31、データベース記録工程S32)。
【0069】
(診察者側の起動)
第1診療側端末C1の使用者(診察者)は、診療端末側プログラムP50を起動する。
なお、診療端末側プログラムP50の起動は、使用者(診察者)の手動によるものに限らず、診察予定時刻など所定の時刻に自動的に行われる形態であってもよいし、診療端末の電源がオン状態にされている間、常時起動した状態にされてもよい。
【0070】
(本人確認)
第1診療側端末C1の診療端末側通信部56は、「本人確認を行うための所定の動作を行う旨、及び当該所定の動作の内容」を含む動作指示メッセージM1を含む本人確認指示情報を、第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36に送信する(動作指示メッセージ送信工程S51)。
第1集計端末B1の集計端末側出力部39は、動作指示メッセージM1を出力する(第1動作指示メッセージ出力工程S33)。
図3は、当該所定の動作が「第1検知端末A1を手で覆う動作」であり、「第1検知端末A1を手で覆う動作」を促す動作指示メッセージM1が、第1集計端末B1の集計端末側出力部39に表示された例を示す。
【0071】
(所定の動作)
所定の動作は、当該所定の動作を行ったことによって、検知端末で検知する項目の少なくとも一つの情報(数値)が大きく変化する動作が設定される。
例えば、「検知端末を手で覆う動作」で、検知端末の検知端末側通信部15で受信する信号の電波強度が弱くなる。
また、「検知端末を数回指でタップする(叩く)動作」、「検知端末を装着した腕を上げる動作」で、検知端末の検知装置13で検知する加速度の値が大きくなる。
当該所定の動作の内容は、第1診療端末C1の診療端末側制御部51が、診療端末側プログラムP50上で、自動的に設定する形態(所定の動作の内容設定工程S52)であってもよいし、第1診療端末C1の使用者(診察者)が、診療端末側入力部58を介して、文字入力若しくは音声入力を行って、設定する形態であってもよい。
【0072】
(動作指示メッセージM1の出力の応用例)
第1集計端末B1の第1集計端末側通信部35は、動作指示メッセージM1を、第1集計端末B1の第1集計端末側通信部35から第1検知端末A1の検知端末側通信部15に送信(転送)してもよい(動作指示メッセージ転送工程S34)。
この場合、第1検知端末A1の検知端末側出力部19は、動作指示メッセージM1を出力する(第2動作指示メッセージ出力工程S13)。
この場合、第1集計端末B1の集計端末側出力部39は、動作指示メッセージM1の出力(第1動作指示メッセージ出力工程S33)を省略してもよい。
すなわち、動作指示メッセージM1の出力は、検知端末と集計端末の少なくとも一方で行われる。
【0073】
(本人確認用データDa送信)
第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36は、受診者情報データベースD1のうち、第1検知端末A1の識別情報に対応し、動作指示メッセージM1を含む本人確認指示情報を第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36が受信した時から、第2時間T2が経過するまでの間のもの(本人確認用データDa)を、第1診療端末C1の診療端末側通信部56に送信する(本人確認用データ送信工程S35)。
【0074】
(本人確認判断)
第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、第1診療端末C1の診療端末側通信部56が受信した本人確認用データDaに基づいて、本人確認を行う(本人確認工程S53)。
具体的には、第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、第1診療端末C1の診療端末側通信部56が受信した本人確認用データDaの生体情報若しくは周辺情報に、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作に対応して変化した数値が含まれているか否かを判断する。
【0075】
(本人確認判断のための閾値)
本人確認を行うために、本人確認用データDaに、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作に対応して変化した数値が含まれているか否かを判断するための閾値は、当該所定の動作の内容に応じて設定される。
当該閾値の設定は、第1診療端末C1の診療端末側制御部51が、診療端末側プログラムP50上で、自動的に設定する形態であってもよいし、第1診療端末C1の使用者(診察者)が、診療端末側入力部58を介して、文字入力若しくは音声入力を行って、設定する形態であってもよい。
【0076】
例えば、当該所定の動作が、「検知端末を手で覆う動作」である場合には、当該閾値として、電波強度閾値が設定される。
そして、本人確認用データDaに含まれる電波強度の数値の幾つかが、当該電波強度閾値以下のものである場合には、当該所定の動作に対応して変化した数値が含まれていると判断される。
また、当該所定の動作が、「検知端末を数回指でタップする(叩く)動作」若しくは「検知端末を装着した腕を上げる動作」である場合には、当該閾値として、加速度閾値が設定される。
そして、本人確認用データDaに含まれる加速度の絶対値の幾つかが、当該加速度閾値以上のものである場合には、当該所定の動作に対応して変化した数値が含まれていると判断される。
【0077】
(本人確認後の診察)
当該所定の動作に対応して変化した数値が含まれている場合には、第1検知端末A1を装着した者が診察対象の受診者であると判断される。
この場合、第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、「本人確認が出来、診察を開始する」旨の確認完了メッセージM2を、第1集計端末B1の集計端末側出力部39に出力させる(
図4参照、確認完了メッセージ出力指示工程S54、第1確認完了メッセージ出力工程S36)。
第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36は、受診者情報データベースD1のうち、第1検知端末A1の識別情報に対応し、確認完了メッセージM2を含む本人確認完了情報を第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36が受信した時から、第3時間T3だけ過去に遡った時間帯のもの(診察用データDb)を、第1診療端末C1の診療端末側通信部56に送信する(診察用データ送信工程S37)。
【0078】
第1診療端末C1の診療端末側記録部57は、診察用データDb、若しくは診察用データDbを加工した情報を記録する(診察用データ記録工程S55)。
【0079】
第1診療端末C1の診療端末側出力部59は、診察用データDb、若しくは診察用データDbを加工した情報、及び第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で撮像された画像を出力する(第1診察用データ出力工程S56)。
なお、第1検知端末A1を装着した使用者(受診者)の顔が、第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で撮像出来るように、当該使用者(受診者)と第1集計端末B1の位置関係が調整される。
第1診療端末C1の使用者(診察者)は、第1診療端末C1の診療端末側出力部59に出力された、診察用データDb、若しくは診察用データDbを加工した情報、及び第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で撮像された画像を見ながら、遠隔診療の診察を行う。
【0080】
第1集計端末B1の集計端末側出力部39は、診察用データDb、若しくは診察用データDbを加工した情報、及び第1診療端末C1の診療端末側撮像部52で撮像された画像を出力する(第2診察用データ出力工程S38)。
第1検知端末A1を装着した者、すなわち、第1集計端末B1の使用者(受診者)は、第1集計端末B1の集計端末側出力部39に出力された、診察用データDb、若しくは診察用データDbを加工した情報、及び第1診療端末C1の診療端末側撮像部52で撮像された画像を見ながら、遠隔診療の受診を行う。
【0081】
(生体情報などを用いて、本人確認を行うことの効果)
遠隔診療システム1において、所定の動作に対応して変化する数値を含む、生体情報と周囲情報の少なくとも一方を使って、検知端末を装着した者が受診者であるか否かの本人確認が容易に行える。
【0082】
(画像情報と動作指示メッセージM1を出力することの効果)
遠隔診療システム1で使用される受診者の画像情報を用いて、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作が実際に行われる状態(若しくは、行われない状態)を、診療端末の使用者(診察者)が視認することが可能になる。
【0083】
(本人確認判断の応用例1、過去の情報活用)
第1実施形態では、本人確認用データDaに基づいて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断する、すなわち、本人確認工程S53を実行する例を説明した。
しかしながら、本人確認用データDaと、過去の診察用データDbとに基づいて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断してもよい(第2実施形態)。
具体的には、本人確認データDaと、過去の診察用データDbとに含まれるデータで、脈拍、脈動、加速度など、数値の時間変化が、使用者ごとに固有のパターンを形成しやすいものが用いられる。
【0084】
例えば、x方向の加速度の時間変化のパターンについて、本人確認データDaに含まれるものと、過去の診察用データDbに含まれるものが似通っている場合であって、本人確認用データDaに、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作に対応して変化した数値が含まれている場合に、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であると判断される。
これにより、より正確に本人確認を行うことが可能になる。
【0085】
(本人確認判断の応用例2、画像情報活用)
第1実施形態では、本人確認用データDaを用いて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断する、すなわち、本人確認工程S53を実行する例を説明した。
第2実施形態では、本人確認用データDaと、過去の診察用データDbとを用いて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断する、すなわち、本人確認工程S53を実行する例を説明した。
しかしながら、本人確認用データDaと、集計端末の集計端末側撮像部32で得られた画像データとを用いて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断してもよい(第3実施形態、
図5~
図7参照)。
【0086】
第3実施形態では、集計端末側プログラムP30は、データベース生成工程S31、データベース記録工程S32、動作指示メッセージ転送工程S34、本人確認用データ送信工程S35、診察用データ送信工程S37、第2診察用データ出力工程S38、第3動作指示メッセージ出力工程S39、動作指示メッセージ表示位置調整工程S40、第2確認完了メッセージ出力工程S41、警告出力工程S42などを実行する。
第3実施形態では、診療端末側プログラムP50は、動作指示メッセージ送信工程S51、所定の動作の内容設定工程S52、本人確認工程S53、確認完了メッセージ出力指示工程S54、診察用データ記録工程S55、第1診察用データ出力工程S56、人検知工程S57、警告指示工程S58、顔確認工程S59などを実行する。
【0087】
以下は、本人確認用データDaと、集計端末の集計端末側撮像部32で得られた画像データとを用いて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断する形態を説明する。
ただし、本人確認用データDaと、過去の診察用データDbと、集計端末の集計端末側撮像部32で得られた画像データとを用いて、検知端末を装着した者が診察対象の受診者であるか否かを判断してもよい。
【0088】
具体例を、第1検知端末A1の使用者が、第1集計端末B1を介して、第1診療端末C1の使用者(診察者)による遠隔診療を受ける手順、すなわち、第1検知端末A1における検知端末側プログラムP10と、第1集計端末B1における集計端末側プログラムP30と、第1診療端末C1における診療端末側プログラムP50の動作手順で説明する。
【0089】
第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で得られた画像情報に、検知端末を装着した人が含まれているか否かを判断する(人検知工程S57)。
【0090】
第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で得られた画像情報に、検知端末を装着した人が含まれる場合に、第1診療端末C1の診療端末側通信部56は、動作指示メッセージM1を含む本人確認指示情報を、第1集計端末B1の第2集計端末側通信部36に送信する(動作指示メッセージ送信工程S51)。
【0091】
第1集計端末B1の集計端末側出力部39は、動作指示メッセージM1を、集計端末側撮像部32で得られた画像情報の上に出力する(
図5参照、第3動作指示メッセージ出力工程S39)。
【0092】
このとき、動作指示メッセージM1は、画像情報に含まれる人の顔がある領域及び検知端末がある領域と重ならないように、当該人の顔がある領域と検知端末がある領域と異なる領域(例えば、人の顔と、検知端末の間の領域)に動作指示メッセージM1が表示されるのが望ましい(動作指示メッセージ表示位置調整工程S40)。
これにより、動作指示メッセージM1を表示させた状態で、画像情報に含まれる人の顔、及び検知端末の表示を維持させることが可能になる。
【0093】
診療端末側プログラムP50は、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作が行われているか否かを集計端末側撮像部32で得られた画像情報から判断し、当該所定の動作が行われている時間帯に、第1診療端末C1の診療端末側通信部56が受信した本人確認用データDaの生体情報若しくは周辺情報に、動作指示メッセージM1に含まれる所定の動作に対応して変化した数値が含まれているか否かを判断する(本人確認工程S53)。
【0094】
本人確認用データDaの生体情報若しくは周辺情報であって、当該時間帯に対応するものに、当該所定の動作に対応して変化した数値が含まれている場合には、第1検知端末A1を装着した者が診察対象の受診者であると判断される。
この場合、第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、確認完了メッセージM2を、第1集計端末B1の集計端末側出力部39に出力させる(
図6参照、確認完了メッセージ出力指示工程S54、第2確認完了メッセージ出力工程S41)。
第2確認完了メッセージ出力工程S41では、確認完了メッセージM2が、集計端末側撮像部32で得られた画像情報の上に出力される。
【0095】
集計端末側撮像部32で得られた画像情報に、当該検知端末を装着した人が含まれていない(人の顔と検知端末の少なくとも一方が含まれていない)と判断された場合には、第1診療端末C1の診療端末側制御部51は、第1集計端末B1の集計端末側出力部39若しくは第1検知端末A1の検知端末側出力部19を介して、第1検知端末A1を正しく装着するよう、若しくは、第1集計端末A1と使用者の相対位置を修正するように促す警告メッセージM3を出力させる(
図7参照、警告指示工程S58、警告出力工程S42)。
【0096】
また、第1検知端末A1を装着する使用者(受診者)の顔に関する情報を第1診療端末C1の診療端末側記録部57が予め記録しておき、第1診療端末C1の診療端末側制御部51が、診療端末側記録部57に記録した顔に関する情報と、第1集計端末B1の集計端末側撮像部32で得られた画像情報の顔とが一致するか否かを判断する顔確認工程S59を実行し、一致する場合に、本人確認工程S53が実行されてもよい。
【0097】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0098】
1 遠隔診療システム
11 検知端末側制御部
13 検知装置
15 検知端末側通信部
17 検知端末側記録部
18 検知端末側入力部
19 検知端末側出力部
31 集計端末側制御部
32 集計端末側撮像部
35 第1集計端末側通信部
36 第2集計端末側通信部
37 集計端末側記録部
38 集計端末側入力部
39 集計端末側出力部
51 診療端末側制御部
52 診療端末側撮像部
56 診療端末側通信部
57 診療端末側記録部
58 診療端末側入力部
59 診療端末側出力部
A1~A5 第1検知端末~第5検知端末
B1~B3 第1集計端末~第3集計端末
C1~C4 第1診療端末~第5診療端末
D1 受診者情報データベース
Da 本人確認用データ
Db 診察用データ
M1 動作指示メッセージ
M2 確認完了メッセージ
M3 警告メッセージ
T1 第1時間(生体情報と周囲情報の取得間隔)
T2 第2時間(本人確認用データDaの時間幅)
T3 第3時間(診察用データDbの時間幅)