(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】給湯器
(51)【国際特許分類】
F24H 9/00 20220101AFI20230719BHJP
F23N 5/24 20060101ALI20230719BHJP
F24H 1/14 20220101ALI20230719BHJP
F24H 8/00 20220101ALI20230719BHJP
F24H 9/16 20220101ALI20230719BHJP
【FI】
F24H9/00 B
F23N5/24 104
F24H1/14 C
F24H8/00
F24H9/16 A
(21)【出願番号】P 2019156423
(22)【出願日】2019-08-29
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000112015
【氏名又は名称】株式会社パロマ
(74)【代理人】
【識別番号】100166017
【氏名又は名称】鈴木 和政
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱口 真伍
【審査官】礒部 賢
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-138992(JP,A)
【文献】特開2015-105814(JP,A)
【文献】特開2013-011409(JP,A)
【文献】特開2017-009232(JP,A)
【文献】特開2001-176601(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 1/00 - 9/45
F23L 17/14
F23N 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
仕切部により内部が左右に仕切られた缶体、及び前記缶体内に前記仕切部を挟んで左右方向に隣接して配置された2つの一次熱交換器を有し、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換装置と、
前記一次熱交換装置の上方に配置され、前記燃焼排気の潜熱を回収するとともに潜熱の回収に伴って生じるドレンを排出するドレン排出口が形成された二次熱交換装置と、
前記ドレン排出口に接続されるとともに前記ドレン排出口から排出される前記ドレンを導くドレンホースと、
を備えた給湯器であって、
前記二次熱交換装置は、前端部が前記缶体の前面よりも前方に突出する形態で配置されており、
前記ドレン排出口は、前記前端部の下側であって左右方向における前記仕切部に対応する位置に形成されて
おり、
各前記一次熱交換器は、前記仕切部に近い側から遠い側に向けて順次配列された前後方向に延びる複数の伝熱管と、前記複数の伝熱管の端部同士を接続する複数の接続管とによって、前記複数の伝熱管のうちの前記仕切部に最も近接する伝熱管の前端部から前記仕切部から最も離れた伝熱管の後端部まで一連に繋がるように蛇行状にそれぞれ構成されており、
前記2つの一次熱交換器の少なくとも一方は、前記仕切部に最も近接する伝熱管の前端部に湯水を導入するための導入管が接続されている
給湯器。
【請求項2】
導電体が設けられた樹脂フィルムを備え、
前記樹脂フィルムは、前記一次熱交換装置を囲む構成で前記一次熱交換装置の前後両側及び左右両側に配置されており、
前記ドレンホースは、前記樹脂フィルムの外側を通る構成で前記ドレン排出口側から下側へと延びている
請求項1に記載の給湯器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、給湯器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、顕熱を回収する一次熱交換器の上位に潜熱を回収する二次熱交換器を設けた給湯器が知られている。二次熱交換器の前部底面には、ゴム製のドレンホースが接続されるドレン排出口が下向きに突設され、潜熱回収に伴い発生するドレンを中和器に向けて導出する。昨今では、軽量化、コストダウン等を目的として、給湯用及び循環加熱用(例えば風呂用)の二個の一次熱交換器を共用の缶体内に仕切りを介して横並びに配設した一次熱交換装置と、二個の二次熱交換器を共用の缶体内に配設した二次熱交換装置とを備えた技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ドレンホースは、取り付け性という観点では、下向きに突設されたドレン排出口から、そのまま下方向に延ばして配設するのが好ましい。しかし、特許文献1のような潜熱回収型給湯器において、ドレンホースをドレン排出口からそのまま下方向に配設すると、ドレンホースは二次熱交換器下方の一次熱交換器や燃焼室の缶体の前側を通過する構成となる。このため、ドレンホースが高温の缶体に接触して破損してしまうおそれがある。缶体との接触を避けるためには、ドレンホースをドレン排出口付近で側方に屈曲させることが考えられるが、この場合には、取り付け性が犠牲になることが懸念される。
【0005】
そこで、上述した課題の少なくとも一つを解決するために、ドレンホースの良好な取り付け性と破損の抑制との両立を図ることができる給湯器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の給湯器は、
仕切部により内部が左右に仕切られた缶体、及び前記缶体内に前記仕切部を挟んで左右方向に隣接して配置された2つの一次熱交換器を有し、燃焼排気の顕熱を回収する一次熱交換装置と、
前記一次熱交換装置の上方に配置され、前記燃焼排気の潜熱を回収するとともに潜熱の回収に伴って生じるドレンを排出するドレン排出口が形成された二次熱交換装置と、
前記ドレン排出口に接続されるとともに前記ドレン排出口から排出される前記ドレンを導くドレンホースと、
を備えた給湯器であって、
前記二次熱交換装置は、前端部が前記缶体の前面よりも前方に突出する形態で配置されており、
前記ドレン排出口は、前記前端部の下側であって左右方向における前記仕切部に対応する位置に形成されている。
【発明の効果】
【0007】
上記一態様の給湯器によれば、ドレンホースの良好な取り付け性と破損の抑制との両立を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る給湯器の内部構造を概略的に例示した正面図である。
【
図2】
図2は、給湯器の構成を概念的に例示した説明図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る給湯器の内部構造を概略的に例示した部分拡大斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る給湯器の内部構造を概略的に例示した部分拡大斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1のA-A線(A-A切断位置)における部分拡大断面図である。
【
図6】
図6は、
図1のB-B線(B-B切断位置)における部分拡大断面図である。
【
図7】
図7は、
図6のC-C線(C-C切断位置)における要部を示す部分拡大断面図である。
【
図8】
図8は、
図5のD-D線(D-D切断位置)における部分拡大断面図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係る給湯器における樹脂フィルムの巻回形態を模式的に示した部分拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を列記して例示する。
【0010】
本開示の給湯器において、二次熱交換装置のドレン排出口が一次熱交換装置の仕切部に対応する位置に形成されていれば、ドレンホースをドレン排出口から下方にそのまま延ばして配設するような構成を採用しやすくなる。このような構成を採用すれば、ドレンホースを一次熱交換装置の仕切部に沿って延伸させることができる。仕切部は、燃焼排気が通過する左右の熱交換器の間に位置しており、一次熱交換装置における比較的温度の低い部分である。このため、ドレンホースに撓み等が生じて缶体に接触、近接したとしても、缶体の熱交換器に対応する部分に接触、近接する場合と比較してドレンホースの破損を抑制することができる。また、ドレンホースを真っ直ぐ下方に延ばして配設する場合には、ドレンホースのドレン排出口への取り付け性も良好となる。更に、ドレンホースを下方に延ばして配設した場合には、一次熱交換装置におけるドレンホース両脇の空間を有効活用することができる。
【0011】
本開示の給湯器は、導電体が設けられた樹脂フィルムを備えていてもよい。そして、樹脂フィルムは、一次熱交換装置を囲む構成で一次熱交換装置の前後両側及び左右両側に配置されていてもよい。そして、ドレンホースは、樹脂フィルムの外側を通る構成でドレン排出口側から下側へと延びていてもよい。この給湯器は、ドレンホースにおいて缶体に近接する方向への撓みや変位が生じた場合でも、ドレンホースの内側に配置された樹脂フィルムによってドレンホースが缶体と接触することを抑制又は防止することができる。
【0012】
各一次熱交換器は、仕切部に近い側から遠い側に向けて順次配列された前後方向に延びる複数の伝熱管と、複数の伝熱管の端部同士を接続する複数の接続管とによって、複数の伝熱管のうちの仕切部に最も近接する伝熱管の前端部から仕切部から最も離れた伝熱管の後端部まで一連に繋がるように蛇行状にそれぞれ構成されており、2つの一次熱交換器の少なくとも一方は、仕切部に最も近接する伝熱管の前端部に湯水を導入するための導入管が接続され得る。この場合、ドレンホースに左右方向の撓み等が生じた場合でも、加熱前の湯水が流通する導入管との接触、即ち、より温度の低い導入管との接触となる。このため、缶体に直接接触する場合や加熱後の湯水が流通する配管に接触する場合と比較して、ドレンホースの熱による破損を抑制することができる。
【0013】
<第1実施形態>
以下、第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1~
図5に示すように、給湯器1は、一次熱交換装置100、二次熱交換装置200、バーナ装置300、及び排気フード400を備えている。一次熱交換装置100は、給湯用一次熱交換器110、及び風呂用一次熱交換器120、の2つの熱交換器を備えている。二次熱交換装置200は一次熱交換装置100の上方に配置されている。二次熱交換装置200は、給湯用一次熱交換器110の上流側に連なる給湯用二次熱交換器210と、風呂用一次熱交換器120の上流側に連なる風呂用二次熱交換器220と、の2つの熱交換器を備えている。バーナ装置300は一次熱交換装置100の下部に接続されている。バーナ装置300は、給湯用バーナ群310及び風呂用バーナ群320の2つのバーナ群と、バーナケース330とを備えている。給湯用一次熱交換器110及び給湯用二次熱交換器210に送る燃焼排気を発生させる給湯用バーナ群310と、風呂用一次熱交換器120及び風呂用二次熱交換器220に送る燃焼排気を発生させる風呂用バーナ群320と、の2つのバーナ群を備えている。排気フード400は、下端部が一次熱交換装置100に接続され、上端部が二次熱交換装置200に接続されている。排気フード400は、下端部が下方に向かって開口して一次熱交換装置100内の空間に連通している。また、排気フード400は、上端部が前方に向かって開口して二次熱交換装置200内の空間に連通している。
【0014】
給湯器1は、バーナ装置300の各バーナ群310,320で発生させた燃焼排気をバーナ装置300の上方の一次熱交換装置100に流通させる。一次熱交換装置100では、給湯用一次熱交換器110及び風呂用一次熱交換器120内の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、一次熱交換装置100によって燃焼排気の顕熱を回収するように機能する。
図5に示すように、給湯器1は、バーナ装置300の燃焼排気が一次熱交換装置100から排気フード400を経て二次熱交換装置200に導かれる。一次熱交換装置100を通過した燃焼排気は、排気フード400を経て二次熱交換装置200に後方から進入する。二次熱交換装置200では、給湯用二次熱交換器210及び風呂用二次熱交換器220の通水と燃焼排気とを熱交換させる。給湯器1は、二次熱交換装置200によって燃焼排気の潜熱を回収するように機能する。
【0015】
図2に示すように、給湯器1は、回路構成的には、給湯回路10及び風呂回路20の2つの回路を備えて構成されている。給湯回路10は、水道等からの水を加熱して湯として流出させる回路である。
図1及び
図2に示すように、給湯回路10は、水道等の給水源に接続された入水口11から入水管12に水を流入し、給湯用二次熱交換器210、給湯用一次熱交換器110の順に通水させつつ給湯用バーナ群310の燃焼排気と熱交換して水を加熱し、出湯管13(本発明に係る接続管として例示する)を流通させて出湯口14から湯を流出する。風呂回路20は、浴槽B(本発明に係る外部装置として例示する)内の湯を循環加熱する回路である。風呂回路20は、浴槽B内の開口に連通する湯入口21から循環ポンプPによって浴槽B内の湯を戻り管22に吸い込み、風呂用二次熱交換器220、風呂用一次熱交換器120の順に通水させつつ風呂用バーナ群320の燃焼排気と熱交換して湯を再加熱し、より高温となった湯を、往き管23を経由して湯出口24から浴槽Bに吐出する。
【0016】
また、
図1及び
図2に示すように、給湯器1はドレンホース31及び中和器32を備える。ドレンホース31は、例えば、耐熱ゴム等の耐熱性及び可撓性を有した材料を所定形状に成形したものが採用され得る。ドレンホース31は、上流側が二次熱交換装置200の後述するドレン排出口238(
図5参照)に接続されており、下流側が中和器32に接続されている。二次熱交換装置200において潜熱の回収によって生じたドレンは、ドレン排出口238を介して二次熱交換装置200の外部に排出され、ドレンホース31を通じて中和器32に送られる。中和器32は炭酸カルシウム等の中和剤が充填されており、酸性を示すドレンを流通させることによって中和する。
【0017】
また、
図1に示すように、給湯器1は、制御装置としてのコントローラ33を備える。コントローラ33は、例えば、公知のマイクロコンピュータ等として構成されており、給湯器1に設けられた様々なセンサからの信号を取得可能に構成されており、給湯器1に設けられた様々なアクチュエータを制御し得る構成となっている。例えば、給湯器1は、図示しない通水センサによって入水管12内の通水を検知した場合に、給湯用バーナ群310を動作させて湯を生成することを行う。別の例として、給湯器1は、図示しない通水センサによって戻り管22内の通水を検知した場合に、風呂用バーナ群320を動作させて風呂の追い炊き等を行う。
【0018】
次に、一次熱交換装置100の構成について説明する。
一次熱交換装置100は顕熱回収型熱交換装置である。一次熱交換装置100は、
図3~
図8に示すように、缶体130と、給湯用一次熱交換器110と、風呂用一次熱交換器120とを有して構成されている。これら缶体130、給湯用一次熱交換器110、風呂用一次熱交換器120は、例えば、熱伝導性に優れた銅製が採用され得る。
図6に示すように、缶体130は、左右方向に長い平面視略矩形状をなすとともに、上下に貫通した角筒状に形成されている。
図6及び
図8に示すように、缶体130は、仕切部131によって内部が左右に仕切られている。給湯用一次熱交換器110及び風呂用一次熱交換器120は、この仕切部131を介して、缶体130内に左右方向に横並びに配列されている。換言すると、給湯用一次熱交換器110は、缶体130内の仕切部131により仕切られた右側の空間に収納されており、風呂用一次熱交換器120は、缶体130内の仕切部131により仕切られた左側の空間に収納されている。
【0019】
図6に示すように、缶体130は、前壁部132、後壁部133、左壁部134、及び右壁部135を有している。
図7及び
図8に示すように、缶体130の上下の開口端には、外方に鍔状に延びて形成された鍔部136が設けられている。
図7に示すように、一次熱交換装置100は、上下の鍔部136が排気フード400及びバーナケース330に設けられたカシメ部334,404によってカシメられて上下方向で固定されている。
図6に示すように、缶体130は、左右方向の中心よりも左寄りの位置において、前壁部132と後壁部133の間に仕切部131が架け渡され、仕切部131の前後方向の両端が前壁部132及び後壁部133にそれぞれ連結されている。すなわち、仕切部131によって仕切られた左右の空間は、左側のほうが大きく、右側のほうが小さい。
【0020】
図5~
図8に示すように、給湯用一次熱交換器110は、複数の伝熱管111と、これらを接続する複数の接続管112とを備えている。伝熱管111は断面円形状のストレート管である。伝熱管111は、複数(本実施形態の場合、奇数本であり、7本)備えられている。各伝熱管111は、両端が缶体130の前壁部132及び後壁部133を貫通する形態で、前後に延びて配置されている。各伝熱管111は、缶体130の貫通部位にロウ付け等によって固定される。各伝熱管111は缶体130の上下方向の中心部に配置されている。伝熱管111は、仕切部131から右壁部135に向かって、左右方向に沿って単段に配列されている。複数の伝熱管111は、仕切部131に最も近い伝熱管111の後端とその右側に隣接する伝熱管111の後端とが接続管112によって接続され、仕切部131に最も近い伝熱管111の右側に隣接する伝熱管111の前端とその右側に隣接する伝熱管111の前端とが接続管112によって接続され、…という形態で、仕切部131に最も遠い伝熱管111まで、蛇行状に一連に繋げられている。
図6に示すように、各伝熱管111の内周面には金属線111Aがらせん状に長手方向に延びて配索されている。また、
図2に示すように、各伝熱管111の外周面には伝熱フィン113が取り付けられている。
【0021】
図6に示すように、給湯用一次熱交換器110は、仕切部131に最も遠い伝熱管111の後端の開口が、給湯用二次熱交換器210からの水が流入する給湯用入口開口114であり、仕切部131に最も近い伝熱管111の前端の開口が、加熱された水が流出する給湯用出口開口115である。すなわち、給湯用一次熱交換器110は、後面側から流入した水が蛇行しつつ仕切部131に近づく方向に流通し、前面側に流出する。給湯用入口開口114には給湯用中継管15の一端が接続されている。給湯用中継管15の他端は、後述する給湯用二次熱交換器210の出口と連通している。
【0022】
図6に示すように、風呂用一次熱交換器120は、給湯用一次熱交換器110の伝熱管111及び接続管112と同様の複数の伝熱管121及び複数の接続管122を備えている。風呂用一次熱交換器120は、給湯用一次熱交換器110の伝熱管111よりも少ない本数の伝熱管121で構成されている。すなわち、風呂用一次熱交換器120は、給湯用一次熱交換器110よりもの熱交換経路の長さが短い。風呂用一次熱交換器120は、伝熱管121の本数が複数(本実施形態の場合、奇数本であり、3本)である点は給湯用一次熱交換器110と同じである。複数の伝熱管121は、前後方向に沿って配置され、両端が缶体130の前壁部132及び後壁部133にそれぞれ固定されている。各伝熱管121は、缶体130の上下方向の略中心に、仕切部131の左側から左壁部134に向かって、左右方向に沿って単段に配列されている。複数の伝熱管121は、仕切部131に最も近い伝熱管121の後端とその左側に隣接する伝熱管121の後端とが接続管122によって接続され、仕切部131に最も近い伝熱管121の左側に隣接する伝熱管121の前端とその右側に隣接する伝熱管121の前端とが接続管122によって接続され、…という形態で、仕切部131に最も遠い伝熱管121まで、蛇行状に一連に繋げられている。
図6及び
図7に示すように、各伝熱管121の内周面には金属線121Aがらせん状に長手方向に延びて配索されている。また、
図2に示すように、各伝熱管121の外周面には複数の伝熱フィン123が取り付けられている。
【0023】
図6に示すように、風呂用一次熱交換器120は、仕切部131に最も近い伝熱管121の前端の開口が、風呂用二次熱交換器220からの水が流入する風呂用入口開口124であり、仕切部131に最も遠い伝熱管121の後端の開口が、加熱された水が流出する風呂用出口開口125である。すなわち、風呂用一次熱交換器120は、前面側から流入した水が蛇行しつつ仕切部131から離れる方向に流通し、後面側に流出する。風呂用入口開口124には風呂用中継管40の一端が接続されている。風呂用中継管40の他端は、後述する風呂用二次熱交換器220の出口と連通している。風呂用出口開口125には往き管23が接続されている。往き管23は、風呂用出口開口125から左方に屈曲したのち、下向きに無理なく延びている。
【0024】
また、
図9に示すように、一次熱交換装置100の外周には樹脂フィルム140が巻回されている。樹脂フィルム140は、バーナ装置300から炎や熱の漏出が生じているか否かを検知する。具体的には、樹脂フィルム140は、表面又は裏面に導電体の図示しない配線パターンが印刷されている。樹脂フィルム140は、バーナ装置300からの炎や熱の漏出が生じた際にその熱によって導電体が破断されることで、炎や熱の漏出を検知する。
【0025】
次に、二次熱交換装置200の構成について説明する。
二次熱交換装置200は潜熱回収型熱交換装置である。
図3~
図5、及び
図8に示すように、二次熱交換装置200は一次熱交換装置100の上方に配置されている。二次熱交換装置200と一次熱交換装置100とは、一次熱交換装置100を通過した燃焼排気を二次熱交換装置200に導入するための後述する排気フード400によって連結されている。
図8に示すように、二次熱交換装置200は、左右方向及び上下方向において、一次熱交換装置100よりも大きく設けられている。また、
図5に示すように、二次熱交換装置200は、底面が前方に向かって下り傾斜する形態で配置されている。更に、二次熱交換装置200の前端部は、一次熱交換装置100の缶体130の前面よりも前方にオーバーハングして設けられている。このオーバーハング部分の下面にはドレン排出口238が設けられており、ドレン排出口238にはドレンホース31が接続されている。
【0026】
二次熱交換装置200は、
図5及び
図8に示すように、筐体230と、給湯用二次熱交換器210と、風呂用二次熱交換器220とを有して構成されている。これら筐体230、給湯用二次熱交換器210及び風呂用二次熱交換器220は、耐食性に優れたステンレス製が採用され得る。筐体230は、左右方向に長い箱状に形成されている。筐体230は、仕切部231によって内部が左右に仕切られている。給湯用二次熱交換器210及び風呂用二次熱交換器220は、この仕切部231を介して、筐体230内に左右方向に横並びに配列されている。詳細には、給湯用二次熱交換器210は筐体230内の仕切部231により仕切られた右側の空間に収納されており、風呂用二次熱交換器220は筐体230内の仕切部231により仕切られた左側の空間に収納されている。また、
図8に示すように、仕切部231は、一次熱交換装置100の仕切部131と比較して、給湯器1の中心よりも、より左寄りの位置に配置されている。
【0027】
図3~
図5に示すように、筐体230には、流入口232、流出口233、給湯用入口部234、給湯用出口部235、風呂用入口部236、風呂用出口部237、及びドレン排出口238が形成されている。流入口232及び流出口233は、二次熱交換装置200に燃焼排気を出入りさせるための開口である。具体的には、
図5に示すように、流入口232は筐体230の後壁に開口して形成されており、流出口233は筐体230の前壁に開口して形成されている。すなわち、二次熱交換装置200は、燃焼排気が筐体230内を後方から前方に流通する。
【0028】
給湯用入口部234及び給湯用出口部235は、給湯用二次熱交換器210に水を出入りさせるための開口である。
図4に示すように、給湯用入口部234及び給湯用出口部235は筐体230の右側の側面にそれぞれ形成されている。給湯用入口部234は、筐体230の右側面の前側下寄りの位置に右方向に開口する形態で形成されている。給湯用入口部234は給湯用二次熱交換器210の入口に連通している。給湯用入口部234には、入水管12の下流端が着脱自在に接続される。給湯用出口部235は、筐体230の右側面の後側上寄りの位置に右方向に開口する形態で形成されている。給湯用出口部235は給湯用二次熱交換器210の出口に連通している。給湯用出口部235には、給湯用中継管15の上流端が着脱自在に接続される。給湯用中継管15の下流端は、一次熱交換装置100の給湯用一次熱交換器110の後端部開口である給湯用入口開口114に連通している。
【0029】
図8に示すように、給湯用二次熱交換器210は複数の蛇行管211を有して構成されている。複数の蛇行管211は上下方向に重ねられて筐体230内に収納されている。各蛇行管211は、両端が給湯用入口部234及び給湯用出口部235にそれぞれ連通する形態で配置されている。給湯用二次熱交換器210は、各蛇行管211に並列に通水されて熱交換を行う。
【0030】
風呂用入口部236及び風呂用出口部237は、風呂用二次熱交換器220に水を出入りさせるための開口である。
図3に示すように、風呂用入口部236及び風呂用出口部237は、筐体230の左側の側面にそれぞれ形成されている。風呂用入口部236は、筐体230の左側面の前側下寄りの位置に左方向に開口する形態で形成されている。風呂用入口部236は風呂用二次熱交換器220の入口に連通している。風呂用入口部236には、戻り管22の下流端が着脱自在に接続される。風呂用出口部237は、筐体230の左側面の後側上寄りの位置に左方向に開口する形態で形成されている。風呂用出口部237は風呂用二次熱交換器220の出口に連通している。風呂用出口部237には、風呂用中継管40の上流端が着脱自在に接続される。風呂用中継管40の下流端は、一次熱交換装置100の風呂用一次熱交換器120の前端部開口である風呂用入口開口124に連通している。
【0031】
図8に示すように、風呂用二次熱交換器220は複数の蛇行管221を有して構成されている。複数の蛇行管221は上下方向に重ねられて筐体230内に収納されている。各蛇行管221は、両端が風呂用入口部236及び風呂用出口部237にそれぞれ連通する形態で配置されている。風呂用二次熱交換器220は、各蛇行管221に並列に通水されて熱交換を行う。
【0032】
風呂用中継管40は、上述のように、二次熱交換装置200の風呂用出口部237と、風呂用一次熱交換器120の風呂用入口開口124とを接続し、風呂用二次熱交換器220からの湯水を風呂用入口開口124から風呂用一次熱交換器120内に導入する。
図3に示すように、風呂用中継管40は、下流側管部41及び上流側管部42を有している。
【0033】
図3に示すように、下流側管部41は、下流端が風呂用入口開口124に連通して固定されている。下流側管部41の上流端は上流側管部42と着脱自在に連結される連結部41Aとされている。連結部41Aは、風呂用出口部237の開口方向と同じ方向である右方向に開口して形成されている。下流側管部41は、斜行部41B及び水平部41Cを有して構成されている。斜行部41Bは、下流端が風呂用入口開口124に接続されて前方に延び、風呂用入口開口124の前方で屈曲して左斜め上方向に延びて形成されている。水平部41Cは、下流端が斜行部41Bの上流端に連続しており、缶体130の上端を越えてから略水平に左方向に延びる形態で設けられている。水平部41Cの上流端は連結部41Aである。
【0034】
上流側管部42は、上流端が二次熱交換装置200の風呂用出口部237に着脱自在に接続され、下流端が下流側管部41の上流端である連結部41Aに着脱自在に接続される。上流側管部42は、その両端が同じ方向を向いて開口する形態で形成されている。
図3に示すように、上流側管部42は、接続部42A、斜行部42B、下降部42C、及び連結部42Dを有している。接続部42Aは上流側管部42の上流端であり、風呂用出口部237と接続される部分である。斜行部42Bは、接続部42Aが風呂用出口部237に接続された状態において、上流端から左方に延びて風呂用出口部237の左方で屈曲して前方斜め下方に延びて形成されている。下降部42Cは、斜行部42Bの下流端に連続しており、風呂用入口部236を越えた位置で下方に延びるとともに、その下端が右方向に屈曲している。連結部42Dは下降部42Cの下流端に設けられており、下流側管部41の上流端である連結部41Aに着脱自在に接続されている。
【0035】
図5及び
図6に示すように、ドレン排出口238は、筐体230の前端部下側に形成されている。
図5に示すように、ドレン排出口238は、筐体230下面に形成した開口周縁に筒状の部材を溶接等により接合して設けられており、具体的には、上下方向に沿って延びる筒状形態(より詳しくは円筒状形態)をなしている。上述のように、筐体230は前傾して配置されるため、潜熱回収された燃焼排気から発生するドレンは筐体230の前方に向かって流れ、ドレン排出口238から好適に排出される。また、
図6及び
図8に示すように、ドレン排出口238は、左右方向における一次熱交換装置100の仕切部131に対応する位置に形成されている。
【0036】
ドレンホース31は、筒状をなすドレン排出口238を内側に差し込み、ホースバンド31Zによってドレン排出口238に固定されている。ドレンホース31は、例えば樹脂材料などによって構成されており、外側から押圧力が加わらない自然状態で所定形状が保持される構成且つ撓み変形可能な構成をなしている。ドレン排出口238に接続されたドレンホース31は、仕切部131の前方を下方に延びる形態で配置されている。具体的には、ドレンホース31は、第1下方延出部31Aと第1屈曲部31Bと横方向延出部31Cと第2屈曲部31Dと第2下方延出部31Eとを備える。第1下方延出部31Aは、一端部(上端部)がドレン排出口238に接続され、ドレン排出口238から仕切部131の前端に沿うように上下方向に沿って下方に延びる管路である。第1下方延出部31Aの上端部には、上下方向に沿って延びるドレン排出口238が嵌め込まれているため、第1下方延出部31Aはドレン排出口238に続く形で上下方向に沿って配置される。本構成では、仕切部131の左右方向の領域が第1下方延出部31Aの左右方向の領域内に位置する関係となっている。第1屈曲部31Bは、第1下方延出部31Aの下端部に続く管路であり、第1下方延出部31Aから前側に向かうように且つ左右方向一方側に向かうように屈曲した管路である。本構成では、また、第1下方延出部31Aは、下端側の一部が缶体130と前後に重なっており、第1屈曲部31Bは第1下方延出部31Aよりも缶体130から前側に遠ざかっている。横方向延出部31Cは、第1屈曲部31Bに続くとともに第1屈曲部31Bから左右方向一方側に延びる管路であり、左右方向に沿うように左右方向と平行な方向又は左右方向に対して僅かに傾斜した方向で延びる管路である。本構成では、第1下方延出部31Aよりも横方向延出部31Cのほうが前位置に配置され、横方向延出部31Cは缶体130などに接触しにくい位置関係となっている。第2屈曲部31Dは、横方向延出部31Cに続く管路であり、横方向延出部31Cから下方に向かって折れ曲がるように屈曲した管路である。第2下方延出部31Eは、第2屈曲部31Dに続く管路であり、上下方向に沿って延びるとともに第2屈曲部31D側とは反対側の端部が中和器32に接続されるように構成された管路である。
【0037】
上述のように、仕切部131の左右の伝熱管111,121には、出湯管13及び風呂用中継管40の下流側管部41がそれぞれ接続されている。ドレンホース31は、これら出湯管13及び風呂用中継管40の間を下方に延びている。詳細には、ドレンホース31は、ドレン排出口238に接続された状態において、ドレン排出口238から缶体130の上端の鍔部136の高さを越えて下方に真っ直ぐ延びてから、缶体130から離れるように下方斜め前方に傾斜して延びる形態で形成されている。その後、ドレンホース31は、左方に屈曲してから緩やかに下り傾斜しつつ缶体130の側面よりも左方まで延びて後方斜め下方に屈曲し、左側面下部に配置されている中和器32まで延びて接続されている。また、ドレンホース31は、一次熱交換装置100の外周に巻回された樹脂フィルム140の外側を通過する形態で配索される。
【0038】
バーナ装置300は、燃焼ガスを燃焼させて燃焼排気を発生させる。
図8に示すように、バーナ装置300は、バーナケース330、給湯用バーナ群310、及び風呂用バーナ群320を備えている。バーナケース330は一次熱交換装置100の缶体130の下方に設けられている。バーナケース330は、左右方向に長い平面視略矩形状をなすとともに上端部が開口して設けられている。バーナケース330は缶体130と同様の角筒状をなしている。バーナケース330は、仕切部331によって内部が左右に仕切られている。
【0039】
図8に示すように、給湯用バーナ群310及び風呂用バーナ群320は、仕切部331を介して、バーナケース330内に左右方向に横並びに配列されている。換言すると、給湯用バーナ群310は、バーナケース330内の仕切部331により仕切られた右側の空間に収納されており、風呂用バーナ群320は、バーナケース330内の仕切部331により仕切られた左側の空間に収納されている。これにより、給湯用バーナ群310は給湯用一次熱交換器110の下方に配置されて給湯回路10に燃焼排気を供給する。風呂用バーナ群320は風呂用一次熱交換器120の下方に配置されて風呂回路20に燃焼排気を供給する。
図8に示すように、仕切部331は、一次熱交換装置100の仕切部131の下端に連結されている。これにより、バーナケース330内の左右の空間は一次熱交換装置100の缶体130内の左右の空間にそれぞれ連なる形態で仕切られている。
【0040】
図1及び
図2に示すように、給湯用バーナ群310の上方の空間には点火プラグ311及びフレームロッド312が配置されている。同様に、風呂用バーナ群320の上方には、点火プラグ321及びフレームロッド322が配置されている。これら点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322は、バーナケース330の前面からバーナケース330内に差し込まれている。点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322の後端は、バーナケース330の前面から前方にそれぞれ突出している。点火プラグ311,321、及びフレームロッド312,322の後端には図示しない配線がそれぞれ接続されている。
【0041】
バーナ装置300と一次熱交換装置100とはカシメによって接続固定されている。具体的には、
図7に示すように、バーナケース330の上端部には、缶体130の鍔部136を下方からパッキン50を介して受けるフランジ部332が形成されている。フランジ部332はバーナケース330の上端から外側方向にフランジ状に延びて形成されている。また、フランジ部332の先端には上方に立ち上がる形態の立壁部333が設けられている。立壁部333の上端には周方向に沿って複数のカシメ部334が設けられている。これら複数のカシメ部334が内側に折り曲げられることにより鍔部136がカシメ固定され、バーナ装置300と一次熱交換装置100とが接続されている。
【0042】
図5及び
図8に示すように、排気フード400は、一次熱交換装置100と二次熱交換装置200の間に配置されている。排気フード400は、一次熱交換装置100の缶体130の上端開口と、二次熱交換装置200の筐体230の後壁の流入口232とを連通して燃焼排気の通路を形成している。排気フード400は、仕切部401によって内部が左右に仕切られている。仕切部401は、一次熱交換装置100の仕切部131の上端と、二次熱交換装置200の仕切部231の後端とを接続する形態で、給湯回路10及び風呂回路20のそれぞれに対応した空間を形成している。
【0043】
また、
図7に示すように、排気フード400の下端部には、フランジ部402、立壁部403、及び複数のカシメ部404が設けられており、一次熱交換装置100の上端部とカシメによって接続固定されている。具体的には、フランジ部402は、排気フード400の下端から外側方向にフランジ状に延びて形成されており、缶体130上端部の鍔部136を上方からパッキン50を介して受ける。立壁部403は、フランジ部402の先端から下方に立ち下がる形態で設けられている。複数のカシメ部404は、立壁部403の下端に周方向に沿って設けられている。これら複数のカシメ部404が内側に折り曲げられることにより一次熱交換装置100の鍔部136がカシメ固定され、排気フード400と一次熱交換装置100とが接続されている。
【0044】
次に、本実施形態に係る給湯器1の作用効果について説明する。
第1実施形態の給湯器1では、二次熱交換装置200のドレン排出口238は、一次熱交換装置100の仕切部131に対応する位置に形成されている。このため、ドレンホース31をドレン排出口238から下方にそのまま延ばして配設することによって、ドレンホース31を一次熱交換装置100の仕切部131に沿って延伸させることができる。この仕切部131は、燃焼排気が通過する左右の一次熱交換器110,120の間に位置しており、一次熱交換装置100における比較的温度の低い部分である。このため、ドレンホース31に撓み等が生じて缶体130に接触、近接したとしても、缶体130の一次熱交換器110,120に対応する部分に接触、近接する場合と比較してドレンホース31の破損を抑制することができる。また、ドレンホース31は、ドレン排出口238から真っ直ぐ下方に延ばして配設されるので、ドレンホース31のドレン排出口238への取り付け性も良好となる。更に、ドレンホース31を下方に延ばして配設しているので、一次熱交換装置100におけるドレンホース31両脇の空間を有効活用することができる。
【0045】
したがって、第1実施形態の給湯器1は、ドレンホースの良好な取り付け性と破損の抑制との両立を図ることができる。
【0046】
給湯器1は、導電体が設けられた樹脂フィルム140を備えていてもよい。そして、樹脂フィルム140は、一次熱交換装置100を囲む構成で一次熱交換装置100の前後両側及び左右両側に配置されている。ドレンホース31は、樹脂フィルム140の外側を通る構成でドレン排出口238側から下側へと延びている。具体的には、樹脂フィルム140は、燃焼排気の漏出を検出するための導電体が印刷された構成をなし、一次熱交換装置100の外周に巻かれており、ドレンホース31は、この樹脂フィルム140の外側に配設されている。この給湯器1は、ドレンホース31において缶体130に近接する方向への撓みや変位が生じた場合でも、ドレンホース31の内側に配置された樹脂フィルム140によってドレンホース31が缶体130と接触することを抑制又は防止することができる。
【0047】
また、風呂用一次熱交換器120は、仕切部131に近い側から遠い側に向けて順次配列された前後方向に延びる複数の伝熱管121と、複数の伝熱管121の端部同士を接続する複数の接続管122とによって、複数の伝熱管121のうちの仕切部131に最も近接する伝熱管121の前端部から仕切部131から最も離れた伝熱管121の後端部まで一連に繋がるように蛇行状にそれぞれ構成されており、仕切部131に最も近接する伝熱管121の前端部には、導入管として、風呂用二次熱交換器220で加熱された湯を風呂用一次熱交換器120に導入するための風呂用中継管40が接続されている。このため、ドレンホース31に左右方向の撓み等が生じた場合でも、加熱前の湯水が流通するより温度の低い風呂用中継管40との接触となる。このため、缶体に直接接触する場合や加熱後の湯水が流通する配管に接触する場合と比較して、ドレンホースの熱による破損を抑制することができる。
【0048】
<他の実施形態>
本発明は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態を、次のように変更してもよい。
【0049】
第1実施形態では、導入管として、風呂用二次熱交換器で加熱された湯を風呂用一次熱交換器に導入するための風呂用中継管を例示したが、給湯用二次熱交換器で加熱された湯を給湯用一次熱交換器に導入するための給湯用中継管等、他の導入管が接続された形態であってもよい。
【0050】
第1実施形態では、缶体の外周に樹脂フィルムを巻回し、ドレンホースをこの樹脂フィルムの外側に配置する形態を例示したが、給湯器において樹脂フィルムが設けられない構成も採用し得る。
【0051】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、今回開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示された範囲内又は特許請求の範囲と均等の範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0052】
1…給湯器
31…ドレンホース
32…中和器
100…一次熱交換装置
110,120…一次熱交換器
111,121…伝熱管
112,122…接続管
130…缶体
131…仕切部
140…樹脂フィルム
200…二次熱交換装置
238…ドレン排出口