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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】残留コンクリート回収車両
(51)【国際特許分類】
   B60P 3/00 20060101AFI20230719BHJP
   B60P 1/46 20060101ALI20230719BHJP
   B60P 1/04 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B60P3/00 Q
B60P1/46 B
B60P1/04 H
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022122757
(22)【出願日】2022-08-01
【審査請求日】2022-08-01
(31)【優先権主張番号】10-2022-0040624
(32)【優先日】2022-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2022-0087414
(32)【優先日】2022-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522306882
【氏名又は名称】エルエスイーアイディー(リーサン エンバイロンメンタル インダストリー デベロップメント)カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォル ヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ,サン ジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,テ ジン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヨン ホ
【審査官】林 政道
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録特許第10-2350560(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0124038(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60P 3/00- 9/00
B60P 1/46
B60P 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に回収箱が備えられて残留コンクリートを回収する回収部と、
前記回収部から前記残留コンクリートの伝達を受けて積載する積載部と、
前記積載部と前記回収部との間に設けられ、前記回収部の位置移動及び角度調節を可能にする回収動作部と、
前記回収部に設けられ、前記回収部の水平及び回転角度を検知する検知部と、
前記検知部で検知する水平及び回転角度に基づいて前記回収動作部の動作を制御する制御部と、を含み、
前記回収部の下端が前記積載部の上端を覆うように配置され
前記積載部は、
車両に設けられる積載フレームと、
前記積載フレームに設けられ、内部に前記残留コンクリートを積載する積載箱と、
前記積載箱の後面に配置され、前記積載箱の後面を開閉するテールゲートと、
前記積載箱と前記回収部とが当接する面に設けられ、前記残留コンクリートの漏れを防止するガスケットと、
前記積載フレームの一面にそれぞれ設けられ、前記積載フレームの前側を上下方向に移動するように伸長又は収縮することができるリフトシリンダーと、を含み、
前記リフトシリンダーの動作に応じて前記テールゲートを開閉することを特徴とする、残留コンクリート回収車両。
【請求項2】
前記回収部は、
前記残留コンクリートが回収空間に貯蔵される回収箱と、
前記回収箱の一面に設けられ、前記残留コンクリートを前記積載部に排出することができる排出口と、
前記回収箱を地面から支持するように設けられる支持部材と、含むことを特徴とする、請求項1に記載の残留コンクリート回収車両。
【請求項3】
前記回収動作部は、
前記積載部の両側にそれぞれ設けられ、伸長又は収縮して前記積載部と前記回収部との距離を調節する折り畳みシリンダーと、
前記折り畳みシリンダーの一面に設けられ、伸長又は収縮して前記折り畳みシリンダーを支持する補助シリンダーと、
前記折り畳みシリンダーの一端に連結され、前記回収部に回転可能に設けられる回転支持部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の残留コンクリート回収車両。
【請求項4】
前記検知部は、前記回収部の水平状態及び回転角度を検知するジャイロセンサーであることを特徴とする、請求項1に記載の残留コンクリート回収車両。
【請求項5】
前記検知部は、
前記回収部の水平を検知する水平センサーと、
前記回収動作部の回転角度を検知するエンコーダセンサーと、含むことを特徴とする、請求項1に記載の残留コンクリート回収車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、残留コンクリート回収車両に係り、より詳細には、建設現場で発生する残留コンクリートを回収することができる車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、工事現場でコンクリートを打設する際に、コンクリートを供給する供給装置が必要であり、供給装置から供給されたコンクリートを打設しようとする位置へ移送させるために別途の移送装置が用いられる。
【0003】
このとき、供給装置として生コン車が用いられ、移送装置としては、生コン車から供給される生コンクリートを打設することができるポンプ付きコンクリートポンプ車が用いられる。
【0004】
一般に、コンクリート打設の終了後に、コンクリートポンプ車内のコンクリートをそのまま排出している。
【0005】
このように残留コンクリートを工事現場に排出すると、環境汚染や他の工事の進行妨害要素などが発生する。
【0006】
このため、様々な方式で廃コンクリートを回収することができる回収車両が開発されている。
【0007】
例えば、韓国特許第10-2300120号公報などに開示されているコンクリート回転シュートカーがあった。
【0008】
しかし、コンクリート回転シュートカーは、生コン車の後面に回収部が別途設けられて使用されるので、大型車両である生コン車が作業することが可能な大型建設現場での使用は容易であるものの、狭い建設現場での使用は困難であるという欠点があった。
【0009】
上述した理由から、当該分野では、コンクリート打設後に発生する残留コンクリートを回収することができる装置の開発を試みているが、現在まで、様々な現場条件に応じて満足のいく結果を得ていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】韓国特許第10-2300120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解消するために提案されたもので、その目的は、コンクリート打設後に発生する残留コンクリートを、大きさを減らし且つ構造を簡素化した回収車両を介して回収することができる残留コンクリート回収車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、本発明は、内部に回収箱が備えられて残留コンクリートを回収する回収部と、前記回収部から前記残留コンクリートの伝達を受けて積載する積載部と、前記積載部と前記回収部との間に設けられ、前記回収部の位置移動及び角度調節を可能にする回収動作部と、前記回収部に設けられ、前記回収部の水平及び回転角度を検知する検知部と、前記検知部で検知する水平及び回転角度に基づいて前記回収動作部の動作を制御する制御部と、を含み、前記回収部の下端が前記積載部の上端を覆うように配置されることを特徴とする、残留コンクリート回収車両を提案する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、残留コンクリートを回収部に受け取り、車両に備えられた積載部に積載することができ、回収動作部を介して積載部と回収部との距離を調節可能であり、回収動作部を制御する制御部を備える残留コンクリート回収車両を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明による残留コンクリート回収車両の全体構成を示す概略図である。
図2】本発明による残留コンクリート回収車両の回収部の詳細図である。
図3】本発明による残留コンクリート回収車両の積載部の詳細図である。
図4】本発明による残留コンクリート回収車両の回収動作部の詳細図である。
図5】本発明による残留コンクリート回収車両のセンサー部の実施例を示す例示図である。
図6】本発明による残留コンクリート回収車両に残留コンクリートの伝達を受けるときを示す詳細図である。
図7】本発明による残留コンクリート回収車両の積載箱に残留コンクリートを積載するときを示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明による残留コンクリート回収車両1は、回収部100、積載部200、回収動作部300、及び制御部500を含む。
【0017】
本発明の回収部100は、図2に示すように、残留コンクリート10が回収空間に貯蔵される回収箱110を含むことができる。
【0018】
このとき、回収箱110は、積載部200の上端を覆うように配置されることができる。
【0019】
ここで、回収箱110には、残留コンクリート10を排出することが可能な排出口120が備えられてもよい。
【0020】
このとき、排出口120は、一実施例として、プレート(図示せず)を備えてもよい。
【0021】
ここで、プレート(図示せず)は、減速機が結合されるか、或いは複数のギアにより回転する構造など、多様な方式で構成されてもよく、排出口120を開放又は閉鎖させることができる構造であれば、通常の如何なる構造及び方式のものであっても構わないので、開放又は閉鎖することが可能な構造についての詳細な説明は省略する。
【0022】
さらに具体的には、回収箱110は、第1区域130と第2区域140に分けられる。
【0023】
ここで、第1区域130は、傾斜面135を複数備え、これらの傾斜面135を介して残留コンクリート10の排出を容易にすることができる。
【0024】
このとき、傾斜面135は、一実施例として、回収箱110内の底面と両側面に設けられ、両側面の傾斜面135は、残留コンクリート10を排出口120側に集め、底面の傾斜面135は、排出口120の方向に所定の角度内で傾斜して設けられ、集められた残留コンクリート10の排出をより円滑にすることができる。
【0025】
ここで、第2区域140は、回収箱カバー145を備え、残留コンクリート10の伝達を受けるときの振動又は衝撃により回収箱110の外に離脱しうるホッパー30の離脱を防止することができる。
【0026】
このとき、回収箱110を地面から支持するように設けられる支持部材160が備えられてもよい。
【0027】
ここで、支持部材160は、一実施例として、回収箱110の底面に備えられてもよい。
【0028】
また、支持部材160は、図4に示すように車輪であってもよく、他の実施例として円筒形のローラ(図示せず)であってもよい。
【0029】
このとき、支持部材160の位置は、回収箱110が、積載部200の上端に結合可能な位置であればよいので、設計に応じて様々な実施例が適用できる。
【0030】
本発明の積載部200は、図3に示すように、車両50に設置される積載フレーム205を備えることができる。
【0031】
このとき、積載フレーム205には、残留コンクリート10を積載することが可能な積載箱210が備えられてもよい。
【0032】
ここで、積載箱210の後面には、積載された残留コンクリート10を排出することができるテールゲート220が備えられてもよい。
【0033】
このとき、テールゲート220は、積載箱210の後面を開閉することにより、積載された残留コンクリート10を排出したり、積載の際に残留コンクリート10の漏れを防止したりすることができる。
【0034】
また、積載箱210は、図4に示すように、回収部100が当接する面に、残留コンクリート10の漏れを防止するガスケット215が備えられてもよい。
【0035】
このとき、積載箱210の上端に回収部100が位置して覆われたとき、ガスケット215に回収部100が当接して残留コンクリート10の漏れを防止することができる。
【0036】
ここで、積載フレーム205の一面に、積載フレーム205の前側を上下方向に移動するように伸長又は収縮することが可能なリフトシリンダー230がそれぞれ備えられ、積載フレーム205を所定の角度内で傾けることにより、積載された残留コンクリート10の排出を円滑にすることができる。
【0037】
このとき、リフトシリンダー230は、後述する制御部500によって制御できる。
【0038】
ここで、一実施例としてリフトシリンダー230が最大限伸長したとき、テールゲート220が開閉されることにより、積載箱210に積載された残留コンクリート10の排出をさらに円滑にすることができる。
【0039】
本発明の回収動作部300は、図4に示すように、積載部200の両側にそれぞれ備えられ、伸長又は収縮して積載部200と回収部100との距離を調節する折り畳みシリンダー310を含むことができる。
【0040】
このとき、折り畳みシリンダー310が備えられる積載フレーム205は、関連法規上、車両50の幅を超えて突出することができないため、折り畳みシリンダー310が突出しないように、設計に応じて様々な形状に変形可能である。
【0041】
このとき、折り畳みシリンダー310の一面には、伸長又は収縮する補助シリンダー320が備えられてもよい。
【0042】
ここで、補助シリンダー320は、一端が折り畳みシリンダー310に結合され、他端が積載フレーム205に結合されて折り畳みシリンダー310が伸びたとき、折り畳みシリンダー310を支持することができる。
【0043】
このとき、折り畳みシリンダー310と補助シリンダー320は、好ましくは、油圧シリンダーで駆動するようになっているが、これは油圧シリンダーに限定されるものではなく、動力手段としてモーターなどの他の手段を用いて折り畳みシリンダー310と補助シリンダー320を動作させることができる。
【0044】
ここで、折り畳みシリンダー310の一端に連結されて回転可能な回転支持部材330が回収箱110に備えられてもよい。
【0045】
このとき、回転支持部材330は、回収箱110の内部を横切るように備えられ、回収箱110が折り畳みシリンダー310によって伸長して動くときに回動して回収箱110の水平を一定に保つことができる。
【0046】
本発明の検知部400は、回収部100に設けられ、回収部100の水平及び回転角度を検知することができる。
【0047】
このとき、検知部400は、一実施例として、図5(a)に示すように、回収部100の水平状態及び回転角度を検知することが可能なジャイロセンサー405からなることができる。
【0048】
別の実施例として、図5(b)に示すように、回収部100の水平を検知する水平センサー410が備えられ、回収動作部300の回転角度を検知するエンコーダセンサー420が備えられてもよい。
【0049】
本発明の制御部500は、検知部400で検知する水平及び回転角度に基づいて回収動作部300の動作を制御することができる。
【0050】
ここで、回収動作部300を制御する際に、一実施例として、検知部400で検知された水平及び回転角度値に基づいて折り畳みシリンダー310及び回転支持部材330の回転角度を調節して、回収箱110に収容された残留コンクリート10を積載部200に注がれるようにすることができる。
【0051】
他の一実施例として、回収部100と回収動作部300とは、作業者が制御部500を介して手動で操作することができる。
【0052】
このとき、手動による作業の際に安全のために、回収部100の上端には、地面に対して平行して外方に赤外線を発散する赤外線センサー(図示せず)が備えられ、検知される物体の有無に応じて警報音を出す構成が追加されることができる。
【0053】
ここで、別個の位置測定センサーによって高さを設定したり、複数の検知される物体の有無に応じて警報音を出したりする構成は、通常の如何なる構造及び方式のものであっても構わないが、これについての詳細な説明は省略する。
【0054】
次に、本発明による残留コンクリート回収車両1で作業する場合を説明する。
【0055】
本発明による残留コンクリート回収車両1は、図1に示すように、回収部100と、残留コンクリート10の伝達を受けて積載する積載部200と、積載部200と回収部100との間に設けられ、回収部100の位置移動及び角度調節を可能にする回収動作部300と、を含む。
【0056】
ここで、回収動作部300は、回収部100の水平及び回転角度を検知する検知部400で検知する水平及び回転角度に基づいて、制御部500が回収動作部300を制御することができる。
【0057】
このとき、残留コンクリート10の回収のために装置を作動させたとき、図4に示すように、折り畳みシリンダー310によって回収箱110が積載箱210の上端で動くことができる。
【0058】
ここで、回転支持部材330によって回収箱100が水平を保ちながら地面近くに位置することができる。
【0059】
このとき、図6に示すように、折り畳みシリンダー310が最大限に伸長したとき、補助シリンダー320は、伸長した折り畳みシリンダー310を支持し、回収箱110は、ポンプ車20を介して伝達された残留コンクリート10をホッパー30を介して回収箱110に受け取ることができる。
【0060】
ここで、回収箱カバー145は、残留コンクリート10の伝達を受けるときに用いられるホッパー30の離脱を防止することができる。
【0061】
このとき、回収箱110に残留コンクリート10が一定量集まったとき、図7に示すように、折り畳みシリンダー310が収縮して回収箱110を積載箱210の上端に位置させた後、回転支持部材330によって回収箱110を所定の角度で傾けることにより、残留コンクリート10を排出口120を介して積載箱210に注ぐことができる。
【0062】
ここで、積載箱210に残留コンクリート10が集まったとき、図1に示すように、回収箱110は、積載箱210を覆うように配置され、残留コンクリート10の外部流出を遮断することができる。
【0063】
以上説明した本発明は、上記の実施例に限定されるものではないので、請求の範囲で請求する本発明の要旨から外れない範囲内で変更可能であり、それらの変更も、請求の範囲の記載によって定義される本発明の保護範囲内にある。
【符号の説明】
【0064】
10 残留コンクリート
20 ポンプ車
30 ホッパー
50 車両
100 回収部
110 回収箱
120 排出口
130 第1区域
135 傾斜面
140 第2区域
145 回収箱カバー
160 支持部材
200 積載部
205 積載フレーム
210 積載箱
215 ガスケット
220 テールゲート
230 リフトシリンダー
300 回収動作部
310 折り畳みシリンダー
320 補助シリンダー
330 回転支持部材
400 検知部
405 ジャイロセンサー
410 水平センサー
420 エンコーダセンサー
500 制御部
【要約】      (修正有)
【課題】コンクリート打設後に発生する残留コンクリートを、大きさを減らし且つ構造を簡素化した回収車両を介して回収することができる残留コンクリート回収車両を提供する。
【解決手段】本発明は、内部に回収箱110が備えられて残留コンクリートを回収する回収部100と、前記回収部100から前記残留コンクリートの伝達を受けて積載する積載部200と、前記積載部200と前記回収部100との間に設けられ、前記回収部100の位置移動及び角度調節を可能にする回収動作部300と、前記回収部100に設けられ、前記回収部100の水平及び回転角度を検知する検知部と、前記検知部で検知する水平及び回転角度に基づいて前記回収動作部300の動作を制御する制御部500と、を含み、前記回収部100の下端が前記積載部200の上端を覆うように配置されることを特徴とする、残留コンクリート回収車両1を提供する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7