IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ケーティー・アンド・ジー・コーポレーションの特許一覧

特許7315283一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置
<>
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図1
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図2
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図3
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図4
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図5
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図6
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図7
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図8
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図9
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図10
  • 特許-一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/50 20200101AFI20230719BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20230719BHJP
【FI】
A24F40/50
A24F40/46
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020543934
(86)(22)【出願日】2019-10-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-10
(86)【国際出願番号】 KR2019013998
(87)【国際公開番号】W WO2020105874
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-08-18
【審判番号】
【審判請求日】2022-06-06
(31)【優先権主張番号】10-2018-0142655
(32)【優先日】2018-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】イ、チェ ミン
【合議体】
【審判長】鈴木 充
【審判官】白土 博之
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/001910(WO,A1)
【文献】特開2017-192198(JP,A)
【文献】特開2017-118018(JP,A)
【文献】中国実用新案第203873009(CN,U)
【文献】特開2007-20320(JP,A)
【文献】国際公開第2018/198152(WO,A1)
【文献】英国特許出願公開第2543906(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置において、
エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成するヒータと、
前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、
前記制御部は、
前記ヒータに供給される電力信号の周波数が20kHz以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に加減されるように制御し、
前記電力信号の周波数は単位時間別に加減され、前記単位時間は固定又は変更され
前記制御部は、前記電力信号の周波数が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御することを特徴とする
エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記電力信号は、パルス幅変調信号である、ことを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
既設定の前記周波数は、20KHzである、ことを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-10%ないし+10%である、ことを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-5%ないし+5%である、ことを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到逹するように制御する、ことを特徴とする
請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法であって、
前記ヒータに供給される電力信号の周波数が20kHz以下であるか否かを把握する電力周波数把握段階と、
前記電力信号の周波数が20kHz以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に加減されるように制御する周波数変更制御段階と、を含み、
前記電力信号の周波数は単位時間別に加減され、前記単位時間は固定又は変更され
前記周波数変更制御段階は、前記電力信号の周波数が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御する、エアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項8】
前記電力信号は、パルス幅変調信号である、ことを特徴とする
請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項9】
既設定の前記周波数は、20KHzである、ことを特徴とする
請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項10】
前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-10%ないし+10%である、ことを特徴とする
請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項11】
前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-5%ないし+5%である、ことを特徴とする
請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項12】
前記周波数変更制御段階は、前記電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到逹するように制御する、ことを特徴とする
請求項に記載のエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法。
【請求項13】
請求項から請求項12のうちのいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラムを保存しているコンピュータで読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータの電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置に係り、さらに具体的には、一定周波数以下の信号を通じてエアロゾル生成装置のヒータに電力を供給する場合にも、共振が発生しないようにエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法及びそのエアロゾル生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に係わる需要が増加している。これにより、加熱式シガレットまたは加熱式エアロゾル生成装置に係わる研究が活発に進められている。
【0003】
既知のエアロゾル生成装置によれば、エアロゾル生成装置のヒータに電力を供給し、ヒータを加熱させるとき、その電力を伝達する信号の周波数を20KHzを超過する周波数として採択することが一般的である。上記のように、20KHz以上の周波数による電力信号でヒータに電力を供給する場合、共振が発生しても可聴周波数範囲を超過して、ユーザが音を認知することができない長所はあるが、エネルギー伝達において損失が発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする技術的課題は、一定周波数以下の周波数でエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御しても、共振が発生しないように制御する方法及びその方法によって具現されるエアロゾル生成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例による装置は、エアロゾル生成装置において、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成するヒータと、前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータに供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御することを特徴とする。
【0006】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例による方法は、エアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法であって、前記ヒータに供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であるか否かを把握する電力周波数把握段階と、前記電力信号の周波数が既設定の周波数以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御する周波数変更制御段階と、を含む。
【0007】
本発明の一実施例は、前記方法を具現するためのプログラムを保存しているコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、エアロゾル生成装置のヒータに電力を供給するとき、特定周波数以下の周波数による電力信号を用いても、ユーザが認知可能な共振音が発生せず、かつ電力損失率を最小化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
図4】シガレットの一例を示す図面である。
図5】シガレットの一例を示す図面である。
図6】本発明によるエアロゾル生成装置の一例を図式的に示すブロック図である。
図7】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための一例を示すグラフである。
図8】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための他の一例を示すグラフである。
図9】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するためのさらに他の一例を示すグラフである。
図10】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための、前述した例とはさらに他の一例を示すグラフである。
図11】本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
前記技術的課題を解決するための本発明の一実施例による装置は、エアロゾル生成装置において、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成するヒータと、前記ヒータに供給される電力を制御する制御部と、を含み、前記制御部は、前記ヒータに供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御することを特徴とする。
【0011】
前記装置において、前記電力信号は、パルス幅変調信号であることを特徴とする。
【0012】
前記装置において、前記既設定の周波数は、20KHzであることを特徴とする。
【0013】
前記装置において、前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-10%ないし+10%であることを特徴とする。
【0014】
前記装置において、前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-5%ないし+5%であることを特徴とする。
【0015】
前記装置において、前記制御部は、前記電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到逹するように制御することを特徴とする。
【0016】
前記装置において、前記制御部は、前記電力信号の周波数が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御することを特徴とする。
【0017】
前記技術的課題を解決するための本発明の他の一実施例による方法は、一定周波数以下の信号によってエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力を制御する方法であって、前記ヒータに供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であるか否かを把握する電力周波数把握段階と、前記電力信号の周波数が既設定の周波数以下であれば、前記電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御する周波数変更制御段階と、を含む。
【0018】
前記方法において、前記電力信号は、パルス幅変調信号であることを特徴とする。
【0019】
前記方法において、前記既設定の周波数は、20KHzであることを特徴とする。
【0020】
前記方法において、前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-10%ないし+10%であることを特徴とする。
【0021】
前記方法において、前記一定範囲は、前記電力信号の周波数を基準に-5%ないし+5%であることを特徴とする。
【0022】
前記方法において、前記周波数変更制御段階は、前記電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到逹するように制御することを特徴とする。
【0023】
前記方法において、前記周波数変更制御段階は、前記電力信号の周波数が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御することを特徴とする。
【0024】
本発明の一実施例は、前記方法を実行させるためのプログラムを保存しているコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【0025】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明に詳細に説明する。本発明の効果及び特徴、そして、それらを達成する方法は、図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すれば、明確になるであろう。しかし、本発明は、以下で開示される実施例に限定されるものではなく、多様な形態に具現される。
【0026】
以下、添付された図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明し、図面を参照して説明するとき、同一または対応する構成要素は、同じ図面番号を与え、これに係わる重複説明は、省略する。
【0027】
以下の実施例において、第1、第2などの用語は、限定的な意味ではなく、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的として使用された。
【0028】
以下の実施例において、単数表現は、文脈上、明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。
【0029】
以下の実施例において、「含む。」または「有する。」などの用語は、明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、1つ以上の他の特徴、または構成要素が付け加えられる可能性を予め排除するものではない。
【0030】
ある実施例が他に具現可能な場合、特定の工程順序は、説明される順序とは逆順にも行われる。例えば、連続して説明される2つの工程が実質的に同時に行われ、説明される順序と逆順にも進められる。
【0031】
以下では、図面に基づいて、本発明の実施例を詳細に説明する。
【0032】
図1ないし図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0033】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12及びヒータ13を含む。図2及び図3を参照すれば、エアロゾル生成装置1は、蒸気化器14をさらに含む。また、エアロゾル生成装置1の内部空間には、シガレット2が挿入される。
【0034】
図1ないし図3に示されたエアロゾル生成装置1には、本実施例と係わる構成要素が示されている。したがって、図1ないし図3に示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置1にさらに含まれることを、本実施例と係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができるであろう。
【0035】
また、図2及び図3には、エアロゾル生成装置1にヒータ13が含まれていると示されているが、必要に応じて、ヒータ13は、省略されてもよい。
【0036】
図1には、バッテリ11、制御部12及びヒータ13が一列に配置されていると示されている。また、図2には、バッテリ11、制御部12、蒸気化器14及びヒータ13が一列に配置されていると示されている。また、図3には、蒸気化器14及びヒータ13が並列に配置されていると示されている。しかし、エアロゾル生成装置1の内部構造は、図1ないし図3に示されていることに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置1の設計によって、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14の配置は、変更される。
【0037】
シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されれば、エアロゾル生成装置1は、ヒータ13及び/または蒸気化器14を作動させ、エアロゾルを発生させることができる。ヒータ13及び/または蒸気化器14によって発生したエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。
【0038】
必要に応じて、シガレット2がエアロゾル生成装置1に挿入されない場合にもエアロゾル生成装置1は、ヒータ13を加熱することができる。
【0039】
バッテリ11は、エアロゾル生成装置1の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11は、ヒータ13または蒸気化器14が加熱されるように電力を供給し、制御部12の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11は、エアロゾル生成装置1に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0040】
制御部12は、エアロゾル生成装置1の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12は、バッテリ11、ヒータ13及び蒸気化器14だけではなく、エアロゾル生成装置1に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12は、エアロゾル生成装置1の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置1が動作可能な状態であるか否かを判断してもよい。
【0041】
制御部12は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現されもし、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組み合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアとして具現されてもよいということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解することができるであろう。
【0042】
ヒータ13は、バッテリ11から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置1に挿入されれば、ヒータ13は、シガレットの外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ13は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0043】
ヒータ13は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13が加熱される。しかし、ヒータ13は、前記例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置1に既に設定されていてもよく、ユーザによって所望温度に設定されてもよい。
【0044】
一方、他の例で、ヒータ13は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含み、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0045】
例えば、ヒータ13は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素または棒状加熱要素を含み、加熱要素の形状によってシガレット2の内部または外部を加熱することができる。
【0046】
また、エアロゾル生成装置1には、ヒータ13が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、シガレット2の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13のうち、一部は、シガレット2の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット2の外部に配置される。また、ヒータ13の形状は、図1ないし図3に示された形状に限定されず、多様な形状に作製される。
【0047】
蒸気化器14は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット2を通過してユーザに伝達される。すなわち、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置1の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0048】
例えば、蒸気化器14は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置1に含まれてもよい。
【0049】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14から脱/付着されるように作製され、蒸気化器14と一体として作製されてもよい。
【0050】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含むが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0051】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達することができる。例えば、液体伝達手段は、綿繊維、セラミック繊維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それに限定されない。
【0052】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成される。
【0053】
例えば、蒸気化器14は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されない。
【0054】
一方、エアロゾル生成装置1は、バッテリ11、制御部12、ヒータ13及び蒸気化器14外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置1は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、少なくとも1つのセンサ(パフ感知センサ、温度感知センサ、シガレット挿入感知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置1は、シガレット2が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が類推可能な構造によっても作製される。
【0055】
図1ないし図3には、示されていないが、エアロゾル生成装置1は、別途のクレードルと共にシステムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置1のバッテリ11の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置1とが結合された状態でヒータ13が加熱されてもよい。
【0056】
シガレット2は、一般的な燃焼型シガレットと類似してもいる。例えば、シガレット2は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分される。または、シガレット2の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0057】
エアロゾル生成装置1の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。または、エアロゾル生成装置1の内部に第1部分の一部だけ挿入され、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0058】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置1に形成された少なくとも1つの空気通路を介して流入される。例えば、エアロゾル生成装置1に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット2の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を介してシガレット2の内部に流入されてもよい。
【0059】
以下、図4及び図5を参照し、シガレット2の例を説明する。
【0060】
図4及び図5は、シガレットの例を示す図面である。
【0061】
図4を参照すれば、シガレット2は、タバコロッド21及びフィルタロッド22を含む。図1ないし図3を参照して上述した第1部分21は、タバコロッド21を含み、第2部分22は、フィルタロッド22を含む。
【0062】
図4には、フィルタロッド22が単一セグメントとして示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド22は、複数のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22は、エアロゾルを冷却するセグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングするセグメントを含んでもよい。また、必要に応じて、フィルタロッド22には、他の機能を行う少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0063】
シガレット2は、少なくとも1枚のラッパ24によって包装される。ラッパ24には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット2は、1枚のラッパ24によって包装される。他の例として、シガレット2は、2以上のラッパ24によって重畳的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパ241によってタバコロッド21が包装され、ラッパ242、243、244によってフィルタロッド22が包装される。そして、単一ラッパ245によってシガレット2全体が再包装される。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成されているならば、それぞれのセグメントがラッパ242、243、244によって包装される。
【0064】
タバコロッド21は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含むが、それらに限定されない。また、タバコロッド21は、風味剤、湿潤剤及び/または、有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21に噴射されることによって添加される。
【0065】
タバコロッド21は、多様に作製される。例えば、タバコロッド21は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても作製される。また、タバコロッド21は、熱伝導物質によっても覆い包まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21を覆い包む熱伝導物質は、タバコロッド21に伝達される熱を押し並べて分散させ、タバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させ、これにより、タバコ風味を向上させうる。また、タバコロッド21を覆い包む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が行える。この際、図面に示されていないが、タバコロッド21は、外部を覆い包む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0066】
フィルタロッド22は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22が複数のセグメントで構成された場合、複数のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状にも作製される。
【0067】
また、フィルタロッド22には、少なくとも1つのカプセル23が含まれる。ここで、カプセル23は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル23は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル23は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0068】
図5を参照すれば、シガレット3は、前端プラグ33をさらに含んでもよい。前端プラグ33は、タバコロッド31において、フィルタロッド32に対向する一側に位置する。前端プラグ33は、タバコロッド31の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド31から液状化されたエアロゾルがエアロゾル発生装置(図1ないし図3の1)に流れて行くことを防止することができる。
【0069】
フィルタロッド32は、第1セグメント321及び第2セグメント322を含んでもよい。ここで、第1セグメント321は、図4のフィルタロッド22の第1セグメントに対応し、第2セグメント322は、図4のフィルタロッド22の第3セグメントに対応する。
【0070】
シガレット3の直径及び全長は、図4のシガレット2の直径及び全長に対応する。例えば、前端プラグ33の長さは、約7mm、タバコロッド31の長さは、約15mm、第1セグメント321の長さは、約12mm、第2セグメント322の長さは、約14mmでもあるが、それに限定されない。
【0071】
シガレット3は、少なくとも1枚のラッパ35によって包装される。ラッパ35には、外部空気が流入されるか、内部気体が流出される少なくとも1つの孔(hole)が形成される。例えば、第1ラッパ351によって前端プラグ33が包装され、第2ラッパ352によってタバコロッド31が包装され、第3ラッパ353によって第1セグメント321が包装され、第4ラッパ354によって第2セグメント322が包装される。そして、第5ラッパ355によってシガレット3全体が再包装される。
【0072】
また、第5ラッパ355には、少なくとも1つの穿孔36が形成される。例えば、穿孔36は、タバコロッド31を覆い包む領域に形成されるが、それに制限されない。穿孔36は、図2及び図3に示されたヒータ13によって形成された熱をタバコロッド31の内部に伝達する役割を行うことができる。
【0073】
また、第2セグメント322には、少なくとも1つのカプセル34が含まれる。ここで、カプセル34は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル34は、香料を含む液体を被膜で覆い包む構造でもある。カプセル34は、球状または円筒状を有するが、それに制限されない。
【0074】
図6は、本発明によるエアロゾル生成装置の一例を図式的に示すブロック図である。
【0075】
図6を参照すれば、本発明によるエアロゾル生成装置は、制御部110、バッテリ120、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、記憶装置170を含む。以下において、図6の制御部110、バッテリ120、ヒータ130、蒸気化器180は、図2及び図3で説明した制御部12、バッテリ11、ヒータ13、蒸気化器18と互いに同一である構成である。
【0076】
制御部110は、エアロゾル生成装置に含まれているバッテリ120、ヒータ130、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、モータ160、記憶装置170を総括的に制御する。図6に示されていないが、実施例によって、制御部110は、ユーザのボタン入力やタッチ入力を受信する入力受信部(図示せず)及びユーザ端末のような外部通信装置と通信可能な通信部(図示せず)をさらに含んでもよい。図6に示されていないが、制御部110は、ヒータ130に対して比例積分微分制御(PID)を行うためのモジュールをさらに含んでもよい。
【0077】
バッテリ120は、ヒータ130に電力を供給し、ヒータ130に供給される電力の大きさは、制御部110によって調節される。
【0078】
ヒータ130は、電流を印加すれば、固有抵抗によって発熱を行い、エアロゾル生成基質が加熱されたヒータに接触(結合)されれば、エアロゾルが生成される。
【0079】
パルス幅変調処理部140は、ヒータ130にPWM(pulse width modulation)信号を伝達する方式を通じて、制御部110がヒータ130に供給される電力を制御することができるようにする。実施例によって、パルス幅変調処理部140は、制御部110に含まれる方式によって具現されてもよい。
【0080】
ディスプレイ部150は、エアロゾル生成装置で発生する各種アラームメッセージ(alarm message)を視覚的に出力し、エアロゾル生成装置を使用するユーザをして確認可能にする。ユーザは、ディスプレイ部150に出力されるバッテリ電力不足メッセージやヒータの過熱警告メッセージなどを確認し、エアロゾル生成装置の動作が止まるか、エアロゾル生成装置が破損される前に適切な措置を取ることができる。
【0081】
モータ160は、制御部110によって駆動されてエアロゾル生成装置の使用準備が完了されているという事実をユーザが触覚を通じて認知可能にする。
【0082】
記憶装置170は、制御部110がヒータ130に供給される電力を適切に制御し、エアロゾル生成装置を使用するユーザに多様な風味を提供するための各種情報を保存している。例えば、記憶装置170に保存される情報には、制御部110がヒータの温度を経時的に適切に加減制御するために参照する温度プロファイル(temperature profile)を予め保存しており、制御部110の要請によって、制御部110に当該情報を送信することができる。記憶装置170は、フラッシュメモリ(flash memory)のように不揮発性メモリで構成されるだけではなく、さらに速いデータ入出力(I/O)速度を確保するために、通電時にのみ制限的にデータを保存する揮発性メモリで構成されてもよい。
【0083】
本発明の一実施例による制御部110、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、記憶装置170及び蒸気化器180は、少なくとも1つ以上のプロセッサ(processor)に該当するか、少なくとも1つ以上のプロセッサを含んでもよい。これにより、制御部110、パルス幅変調処理部140、ディスプレイ部150、記憶装置170及び蒸気化器180は、マイクロプロセッサや汎用コンピュータシステムのような他のハードウェア装置に含まれた形態によっても駆動される。
【0084】
本発明によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成基質を加熱してエアロゾルを生成するヒータ130及びヒータ130に供給される電力を制御する制御部110を含み、制御部110は、ヒータ130に供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であれば、電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御する。
【0085】
本発明による制御部110がヒータ130に供給される電力を制御する具体的な方式は、以下の図7ないし図10を通じて後述する。
【0086】
図7は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための一例を示すグラフである。
【0087】
図7において、横軸は、時間を意味し、縦軸は、制御部110が電力信号の基準周波数に追加する周波数パーセント(以下、「加算周波率」と称する)を意味する。図7において横軸の単位は、秒(second)単位であるが、実施例によって、ミリ秒(milisecond)またはマイクロ秒(milisecond)にもなる。図7において、加算周波率として、基準周波数がいくらかによって絶対値は、異なり、図7においては、比率値であるパーセントのみで示されている。
【0088】
本発明によれば、制御部110は、ヒータ130に供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であるか否かを把握し、把握された周波数が既設定の周波数以下であれば、ヒータ130に供給される電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御する。ここで、一定範囲は、図7の縦軸に示されたように、-5%ないし+5%でもあるが、実施例によって、-10%ないし+10%にもなり、-5%ないし+10%にもなる。
【0089】
また、制御部110は、電力信号の周波数が一定範囲で経時的に変更されるように制御するためには、電力信号の周波数が既設定の周波数以下であることが要求され、一例として、既設定の周波数は、20KHzにもなる。
【0090】
図7を参照すれば、制御部110は、単位時間別に電力信号の加算周波率が変更されるように制御する。例えば、図7によれば、制御部110は、電力信号の基準周波数が既設定の周波数以下である10KHzと把握される場合、電力信号の基準周波数に-5%を加えることで、算出される9.5KHzをヒータ130に電力を供給する電力信号の周波数として決定する。他の例として、図7によれば、制御部110は、電力信号の基準周波数が既設定の周波数以下である10KHzと把握された後、19秒が経過した時点では、電力信号の基準周波数に+5%を加えることで、算出される10.5KHzをヒータ130の電力信号の周波数として決定する。
【0091】
図7に示されたように、制御部110が電力信号の加算周波率の範囲は、一定範囲に限定される。また、制御部110は、単位時間別に加算周波率を変更する。図7によれば、19秒を周期として、ヒータ130に伝達する電力信号の周波数が最小周波数または最大周波数に到逹することが分かる。図7において、制御部110は、電力信号の加算周波率を19秒単位で初期化(reset)し、実施例によって、加算周波率が初期化される周期は、19秒ではなく、他の値にもなる。
【0092】
図8は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための他の一例を示すグラフである。
【0093】
説明の便宜上、図8は、図7を参照して説明する。
【0094】
図8に示された、この選択的一実施例によれば、制御部110は、ヒータ130に供給される電力信号の周波数が既設定の周波数以下であるか否かを把握し、把握された周波数が既設定の周波数以下であれば、電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到逹するように制御する。ここで、一定範囲は、図8の縦軸に示されたように-5%ないし+5%でもあるが、実施例によって、-10%ないし+10%にもなり、-5%ないし+10%にもなる。
【0095】
図8を、図7と比較して説明すれば、図8は、図7とは異なって、加算周波率のグラフの周期が19秒ではなく、38秒であることが分かる。さらに具体的に、制御部110は、19秒が経過して加算周波率が最大値である5%になれば、それを初期化せず、再び-5%まで経時的に順次に減少するように制御する。
【0096】
一例として、制御部110は、ヒータの電力信号の基準周波数が10KHzと把握され、電力信号がヒータ130に伝達されてから15秒または23秒が経過した時点の加算周波率が+3%であれば、電力信号がヒータ130に伝達されてから15秒が経過した時点の周波数及び23秒が経過した時点の周波数をいずれも10.3KHzと決定する。図8において、制御部110は、加算周波率を38秒単位で初期化(reset)し、実施例によって、加算周波率が初期化される周期は、38秒ではなく、他の値にもなる。
【0097】
図8による実施例は、制御部110が電力信号の周波数が固定周期ごとに最小周波数及び最大周波数に到達するように制御する点では、図7による実施例と共通するが、ヒータ130の電力信号の周波数を最大に高めた以後に加算周波率を初期化しないことで、時間当たり加算周波率のグラフの周期が図7による実施例のグラフの周期の2倍になるという点で互いに区別される。
【0098】
図9は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するためのさらに他の一例を示すグラフである。
【0099】
説明の便宜上、図9は、図7を参照して説明する。
【0100】
図9において、制御部110は、加算周波率が変更される単位時間が変更されるように制御する。図9を、図7と比較して説明すれば、図7における制御部110は、単位時間別に加算周波率を変更したが、図9での制御部110は、加算周波率が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御する。
【0101】
例えば、図9において、加算周波率は、-5%、-4%、-4%、-3%、-3%、-3%のように経時的に変更され、加算周波率が変更される単位時間が1秒、2秒、3秒の順に変更される。ここで、1秒、2秒、3秒は、1つの時間パターンを構成する。
【0102】
次いで、加算周波率は、-2%、-1%、-1%、0%、0%、0%の順に変更され、制御部110は、図9による加算周波率を参照して、ヒータ130の電力信号の周波数を算出することができる。図9において、加算周波率が既定の一定範囲の限界値である5%に到逹すれば、その次の時点では、図7のように-5%に初期化される。
【0103】
図10は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに供給される電力信号の周波数を説明するための前述した例とはさらに他の一例を示すグラフである。
【0104】
説明の便宜上、図10は、図8を参照して説明する。
【0105】
図10において、制御部110は、加算周波率が変更される単位時間が変更されるように制御する。図10を、図8と比較して説明すれば、図8での制御部110は、単位時間別に加算周波率が変更されるように制御したが、図10での制御部110は、加算周波率が変更される単位時間が既設定のパターンによって増減するように制御する。
【0106】
例えば、図10において、加算周波率は、-5%、-4%、-4%、-3%、-3%、-3%のように変更され、加算周波率が変更される単位時間は、それぞれ1秒、2秒、3秒の順である。ここで、加算周波率が変更されるパターンである1秒、2秒、3秒は、1つの時間パターンを構成する。次いで、加算周波率は、-2%、-1%、-1%、0%、0%、0%の順に変更され、制御部110は、図10による加算周波率を参照し、ヒータ130の電力信号の周波数を算出することができる。図10において、加算周波率が既定の一定範囲の限界値である5%に到逹すれば、加算周波率は、既設定の時間パターンによって-5%まで順次に減少する。
【0107】
図7ないし図10による実施例によれば、本発明によるエアロゾル生成装置の制御部110は、ヒータ130に電力を供給する電力信号の周波数が既設定の周波数以下であると把握したとき、電力の周波数を一定範囲内で経時的に増減させることで、低周波信号を使用することによって発生するエアロゾル生成装置の共振ノイズを防止することができる。また、電力信号としてパルス幅変調(PWM)信号を使用する場合、矩形波の上昇(rising)、下降(falling)による電力損失を最小化し、かつ外部ノイズ信号に影響を受ける傾向性を大幅に低めることができる。
【0108】
図11は、本発明によるエアロゾル生成装置のヒータに電力を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【0109】
図11は、図6によるエアロゾル生成装置によって具現されるので、図6を参照して説明し、以下において、図6ないし図10で説明した内容と重複する説明は、省略する。
【0110】
まず、制御部110は、ヒータ130に電力を供給するPWM信号の周波数を確認する(S1110)。
【0111】
制御部110は、ヒータ130に電力を供給するPWM信号の周波数が20KHz以下であれば(S1120)、PWM信号の周波数が既定の範囲内で所定の規則によって変更されるように制御する(S1130)。
【0112】
段階S1130において、PWM信号の周波数は、PWM信号の基準周波数に加算周波率が加えられる方式を通じて変更され、経時的に単位時間別に変更される加算周波率または加算周波率が変更される単位時間のパターンが変更される方式を通じて各時点別加算周波率が決定されるということは、既に図7ないし図10を通じて説明した。
【0113】
以上、説明された本発明による実施例は、コンピュータ上で多様な構成要素を通じて実行されるコンピュータプログラムの形態として具現され、そのようなコンピュータプログラムは、コンピュータで読取り可能な媒体に記録される。この際、媒体は、ハードディスク、フロッピィーディスク及び磁気テープのような磁気媒体、CD-ROM及びDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気光媒体(magneto-optical medium)、及びROM、RAM、フラッシュメモリのようなプログラム命令語を保存し、実行するように特別に構成されたハードウェア装置を含んでもよい。
【0114】
一方、前記コンピュータプログラムは、本発明のために特別に設計され、構成されたものであるか、コンピュータソフトウェア分野の当業者に公知されて使用可能なものである。コンピュータプログラムの例には、コンパイラによって作製される機械語コードだけではなく、インタープリタなどを使用してコンピュータによって実行される高級言語コードも含まれる。
【0115】
本発明で説明する特定の実行は、一実施例であって、如何なる方法によっても、本発明の範囲を限定するものではない。明細書の簡潔さのために、従来の電子的な構成、制御システム、ソフトウェア、前記システムの他の機能的な側面の記載は、省略される。また、図面に示された構成要素間の線の連結または連結部材は、機能的な連結及び/または物理的または回路的連結を例示的に示したものであって、実際装置では、代替可能であるか、追加される多様な機能的な連結、物理的な連結、または回路連結として示される。また、「必須の」、「重要に」のように具体的な言及がなければ、本発明の適用において、必ずしも必要な構成要素ではない。
【0116】
本発明の明細書(特に、特許請求の範囲において)において、「前記」という用語及びそれと類似した指示用語の使用は、単数及び複数にいずれも該当する。また、本発明において範囲(range)を記載した場合、前記範囲に属する個別的な値を適用した発明を含むものであって(これに反する記載がなければ)、発明の詳細な説明に前記範囲を構成する各個別的な値を記載したところと同一である。最後に、本発明による方法を構成する段階について明白に順序を記載するか、反する記載がなければ、前記段階は、適当な順序によって行われうる。必ずしも前記段階の記載順序によって、本発明が限定されるものではない。本発明において全ての例または例示的な用語(例えば、など)の使用は、単に本発明を詳細に説明するためのものであって、特許請求の範囲によって限定されない限り、前記例または例示的な用語によって、本発明の範囲が限定されるものではない。また、当業者は、多様な修正、組合わせ及び変更が付け加えられた特許請求の範囲またはその均等物の範疇内で設計条件及びファクタによって構成されることが分かるであろう。
【産業上の利用可能性】
【0117】
本発明の一実施例は、従来よりさらに改善された性能を有している次世代電子タバコの製造に用いられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11