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特許7315314履歴化されたプロセスパラメータを有するディスプレイエリアを自動的に入力するシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】履歴化されたプロセスパラメータを有するディスプレイエリアを自動的に入力するシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/14 20060101AFI20230719BHJP
   G05B 23/02 20060101ALI20230719BHJP
   G06F 3/04847 20220101ALI20230719BHJP
【FI】
G06F3/14 320C
G05B23/02 301T
G06F3/04847
【請求項の数】 22
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018187552
(22)【出願日】2018-10-02
(65)【公開番号】P2019075107
(43)【公開日】2019-05-16
【審査請求日】2021-10-04
(31)【優先権主張番号】62/566,679
(32)【優先日】2017-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/117,572
(32)【優先日】2018-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512132022
【氏名又は名称】フィッシャー-ローズマウント システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113608
【弁理士】
【氏名又は名称】平川 明
(74)【代理人】
【識別番号】100138357
【弁理士】
【氏名又は名称】矢澤 広伸
(72)【発明者】
【氏名】ジュリアン ケー. ナイドー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル アール. ストリンデン
(72)【発明者】
【氏名】シンディ エー. スコット
(72)【発明者】
【氏名】マーク ジェイ. ニクソン
(72)【発明者】
【氏名】カミロ ファダル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ビー. ハーフェコスト
【審査官】滝谷 亮一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0303754(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0282630(US,A1)
【文献】特開2002-083311(JP,A)
【文献】特開2009-238219(JP,A)
【文献】特開2012-069026(JP,A)
【文献】特開2012-099063(JP,A)
【文献】特開2015-018422(JP,A)
【文献】特表2016-517582(JP,A)
【文献】特開2017-076391(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/14
G05B 23/02
G06F 3/04847
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセスプラント内の履歴化されたプロセスパラメータ値の表示を構成する方法であって、前記方法は、
プロセスプラントの構成環境内のグラフィカル構成アプリケーションを実行するコンピューティングデバイスのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウト及び前記プロセスプラントの操作環境において提示されることになる傾向ディスプレイビュー内に含まれる、第1のディスプレイ領域の表示を取得することと、
前記グラフィカル構成アプリケーションによって、前記プロセスプラントの前記操作環境において、前記傾向ディスプレイビューが、前記第2のディスプレイ領域で示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示するように、前記傾向ディスプレイビューにリンクする前記ディスプレイビューの前記レイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域を識別することと、
前記グラフィカル構成アプリケーションによって、前記第1のディスプレイ領域と前記第2のディスプレイ領域との間のリンクを生成することと、
前記プロセスプラントの前記操作環境での実行のために、前記構成環境から、ユーザインターフェースデバイスに、前記リンクを含む前記構成されたディスプレイビューをダウンロードし、それにより前記ユーザインターフェースデバイスで、前記第1のディスプレイ領域の前記傾向ディスプレイビューにおいて、前記ダウンロードされた構成されたディスプレイビューに含まれる前記リンクに基づき、前記第2のディスプレイ領域で示される前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータのそれぞれの傾向の表示をもたらすことであって、前記第2のディスプレイ領域で示された前記1つ以上のプロセス制御要素が、前記プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のうち少なくとも1つを含む、もたらすことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記ディスプレイビューの前記レイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域を識別し、前記傾向ディスプレイビューと関連付けることが、前記グラフィカル構成アプリケーションの前記ユーザインターフェースを介して、前記第2のディスプレイ領域の選択を受信して、前記傾向ディスプレイビューと関連付けることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記グラフィカル構成アプリケーションによって、前記傾向ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を決定することをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を決定することが、
前記グラフィカル構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、前記ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの前記最大数を選択するためのユーザコントロールを提示することと、
前記ユーザコントロールを介して、前記最大数の選択を受信することと、を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1つ以上のプロセス制御要素を示す前記第2のディスプレイ領域に対する詳細のレベルが増加するにつれて、前記傾向ディスプレイビューで提示するプロセスパラメータの前記最大数が増加する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記第2のディスプレイ領域に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータに優先レベルを割り当てることであって、前記第2のディスプレイ領域に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータが、優先レベルに従ってランク付けされ、前記第2のディスプレイ領域に対応し前記最大数より上にランク付けされたそれぞれのプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値のセットのそれぞれの表示前記傾向ディスプレイビューで提示される、割り当てることをさらに含む、請求項3から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記1つ以上のプロセスパラメータは、初期設定プロセスパラメータであるか、または前記グラフィカル構成アプリケーションもしくはオペレータアプリケーションで選択される、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記傾向ディスプレイビューが提示されることになる前記第1のディスプレイ領域の前記表示を取得することが、1つ以上のチャートを含む傾向ディスプレイビューが提示されることになる前記第1のディスプレイ領域の前記表示を取得することを含み、前記1つ以上のチャートの各々は、履歴化されたプロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットのうちの異なる1つのグラフィカル表示を提示する、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記プロセスプラントの前記操作環境において実行するときに、前記傾向ディスプレイビューを、
前記第2のディスプレイ領域から前記リンクに基づいて、前記第2のディスプレイ領域に示される各プロセス制御要素に対するそれぞれの識別子を取得し、
データヒストリアンデバイスを介して、前記取得された識別子に基づいて、前記第2のディスプレイ領域で示された1つ以上のプロセス制御要素の履歴化されたプロセスパラメータ値のうち1つ以上のセットを引き出し、
前記引き出された履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットのうち少なくとも1つのそれぞれのグラフィカル表示を前記傾向ディスプレイビュー上に提示するように構成することをさらに含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
プロセスプラント内で履歴化されたプロセスパラメータ値を提示する方法であって、前記方法は、
プロセスプラントの操作環境でオペレータアプリケーションを実行するコンピューティングデバイスのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第1のディスプレイ領域でプロセス制御要素の表示を提示することであって、前記プロセス制御要素の各々が1つ以上のプロセスパラメータに対応する、提示することと、
前記第1のディスプレイ領域と傾向ディスプレイビューを含む第2のディスプレイ領域との間のリンクを取得することであって、前記リンクが、前記傾向ディスプレイビューが前記リンクされた第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示することを示す、取得することと、
前記ユーザインターフェースを介して、前記ディスプレイビューの前記レイアウトに含まれる前記第2のディスプレイ領域で前記傾向ディスプレイビューを提示することであって、前記傾向ディスプレイビューが、前記取得されたリンクに基づいて前記第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットの前記表示を含む、提示することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を取得することと、
前記ユーザインターフェースを介して、最大でプロセスパラメータの前記最大数に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットの前記表示を含む前記傾向ディスプレイビューを提示することと、をさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のディスプレイ領域に対応する前記プロセスパラメータの各々に優先レベルを割り当てることと、
前記それぞれの優先レベルに従って前記プロセスパラメータをランク付けすることと、
前記ユーザインターフェースを介して、前記最大数より上にランク付けされた履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上の前記セットの表示を含む前記傾向ディスプレイビューを提示することと、をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のディスプレイ領域は、前記プロセスプラントの第1の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第1のプロセス制御要素の表示を提示し、
前記ユーザインターフェースを介して、前記第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することと、
前記ユーザインターフェースを介して、前記第1のディスプレイ領域で前記第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第2のプロセス制御要素の表示を提示することであって、前記第2のプロセス制御要素の各々が、1つ以上の第2のプロセスパラメータに対応する、提示することと、
前記ユーザインターフェースを介して、前記ディスプレイビューの前記レイアウト内で前記第2のディスプレイ領域で前記傾向ディスプレイビューを提示することであって、前記傾向ディスプレイビューが、前記第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上の第2のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上の第2のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、提示することと、をさらに含む、請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記オペレータアプリケーションによって前記第1のディスプレイ領域から前記リンクに基づいて、前記第1のディスプレイ領域に提示される前記プロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子を取得することと、
前記プロセス制御要素の各々に対する前記それぞれの識別子をデータヒストリアンデバイスに提供することと、
前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化プロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットを前記データヒストリアンデバイスから受信することと、をさらに含む、請求項10から13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のディスプレイ領域で提示される前記プロセス制御要素の各々に対する前記そ
れぞれの識別子が、前記第1のディスプレイ領域における新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することに応答して取得される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記データヒストリアンデバイスが、複数のデータヒストリアンデバイスに含まれ、前記プロセス制御要素の各々に対する前記それぞれの識別子を前記データヒストリアンデバイスに提供することが、前記プロセス制御要素の各々に対する前記それぞれの識別子を、各プロセス制御要素に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値のそれぞれの1つ以上のセットを前記コンピューティングデバイスに提供する、前記複数のデータヒストリアンデバイスの少なくとも1つに提供することを含む、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記プロセス制御要素の各々について、前記複数のデータヒストリアンデバイスが互いに通信して、前記それぞれのプロセス制御要素に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットを記憶する前記複数のデータヒストリアンデバイスのうちのデータヒストリアンデバイスを識別する、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
プロセスプラント内で履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するシステムであって、前記システムは、
前記プロセスプラント内に配設された1つ以上のデバイスであって、各々が物理的機能を実施して工業プロセスを制御する、デバイスと、
コンピューティングデバイスであって、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサに連結された非一時的コンピュータ可読媒体と、を含み、オペレータアプリケーションを前記非一時的コンピュータ可読媒体に記憶し、前記1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、前記コンピューティングデバイスに、
前記プロセスプラントの操作環境で実行する前記オペレータアプリケーションのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第1のディスプレイ領域でプロセス制御要素の表示を提示させ、前記プロセス制御要素の各々が前記プロセスプラント内に配設された前記1つ以上のデバイスに対応し、かつ1つ以上のプロセスパラメータに対応し、
前記第1のディスプレイ領域と傾向ディスプレイビューを含む第2のディスプレイ領域との間のリンクを取得させ、前記リンクが、前記傾向ディスプレイビューが前記リンクされた第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示することを示し、
前記ユーザインターフェースを介して、前記ディスプレイビューの前記レイアウトに含まれる前記第2のディスプレイ領域で前記傾向ディスプレイビューを提示させ、前記傾向ディスプレイビューが、前記取得されたリンクに基づいて前記第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットの前記表示を含む、コンピューティングデバイスと、を含む、システム。
【請求項19】
前記オペレータアプリケーションが、前記コンピューティングデバイスに、さらに
前記第1のディスプレイ領域から前記リンクに基づいて、前記第1のディスプレイ領域に提示される前記プロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子を取得させ、
前記プロセス制御要素の各々に対する前記それぞれの識別子をデータヒストリアンデバイスに提供させ、
前記1つ以上のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上のプロセスパラメータの履歴化プロセスパラメータ値の前記1つ以上のセットを前記データヒストリアンデバイスから受信させる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第1のディスプレイ領域で提示される前記プロセス制御要素に対する前記それぞれの識別子が、前記第1のディスプレイ領域における新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することに応答して取得される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1のディスプレイ領域が、前記プロセスプラントの第1の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第1のプロセス制御要素の表示を提示し、前記オペレータアプリケーションが、前記コンピューティングデバイスに、さらに
前記ユーザインターフェースを介して、前記第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信させ、
前記ユーザインターフェースを介して、前記第1のディスプレイ領域で前記第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第2のプロセス制御要素の表示を提示させ、前記第2のプロセス制御要素の各々が、1つ以上の第2のプロセスパラメータに対応し、
前記ユーザインターフェースを介して、前記ディスプレイビューの前記レイアウト内で前記第2のディスプレイ領域で前記傾向ディスプレイビューを提示させ、前記傾向ディスプレイビューが、前記第1のディスプレイ領域で提示される前記1つ以上の第2のプロセス制御要素に対応する前記1つ以上の第2のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、請求項18から20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1のディスプレイ領域が、前記プロセスプラントの前記操作環境内の前記1つ以上のデバイスに対応する前記1つ以上のプロセスパラメータを調整するためのユーザコントロールを含む、請求項18から21のいずれか1項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年10月2日に出願された「Systems And Methods For Graphical Display Configuration and Usage in Process Control Plants」と題された米国仮特許出願第62/566,679号の優先権及び出願日の利益を主張し、この全体の開示は、本明細書での参照によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、プロセス制御システム、より具体的には、オンラインの工業プロセスプラントのオペレーション内のリアルタイムの状況を閲覧し、かつそれに応答するためにオペレータによって利用されるグラフィックスを構成するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
分散型プロセス制御システムは、1つ以上の工業プロセスを制御して、それによって原材料及び/または他のタイプの原料から1つ以上の物理的製品を生成または生産するために、化学、製薬、石油、油及びガス、金属及び採鉱、パルプ及び紙、または他のタイプの工業プロセスプラント内で使用される。このように、分散型プロセス制御システムは、典型的には、1つ以上のプロセスコントローラと、アナログバス、デジタルバスもしくは混合アナログ/デジタルバスを介して、または無線通信リンクもしくはネットワークを介して、少なくとも1つのホストまたはオペレータインターフェースデバイス、及び1つ以上のフィールドデバイスに通信可能に連結された入力/出力(I/O)デバイスを含む。例えば、バルブ、バルブポジショナ、スイッチ、及び送信器(例えば、温度、圧力、レベル、及び流速センサ)であり得るフィールドデバイスは、プロセス環境内に配置され、概して、バルブの開放もしくは閉鎖、またはプロセスパラメータの測定等の物理的機能またはプロセス制御機能を実施して、プロセスプラントまたはシステム内で実行中の1つ以上の工業プロセスを制御する。周知のFieldbusプロトコルに準拠するフィールドデバイス等のスマートフィールドデバイスは、制御計算、アラーム機能、及びコントローラ内で一般に実装される他の制御機能も行い得る。プロセスコントローラも典型的にはプラント環境内に配置され、このプロセスコントローラは、センサもしくはフィールドデバイスによって行われるプロセス測定を示す信号及び/またはフィールドデバイスに関する他の情報を受信し、例えば、プロセス制御判断を行い、受信した情報に基づき制御信号を生成し、HART(登録商標)、Wireless HART(登録商標)、及びFOUNDATION(登録商標)Fieldbusフィールドデバイス等のフィールドデバイスで実施される制御モジュールまたはブロックと連携する、異なる制御モジュールを動かすコントローラアプリケーションを実行する。コントローラの制御モジュールは、通信線またはリンクを通じて、制御信号をフィールドデバイスに送り、それによって、プロセスプラントまたはシステムの少なくとも一部のオペレーションを制御する。
【0004】
フィールドデバイス及びコントローラからの情報は、制御室もしくはより厳しいプラント環境から離れた他の場所に典型的に、ただし常にではないが、配置される、オペレータインターフェース、パーソナルコンピュータもしくはコンピューティングデバイス、データヒストリアン、レポートジェネレータ、集中データベース、または他の集中管理コンピューティングデバイス等の1つ以上の他のハードウェアデバイスに対して、通常、データハイウェイを通じて利用可能にされる。これらのハードウェアデバイスの各々は、典型的に、ただし常にではないが、プロセスプラントにわたって、またはプロセスプラントの一
部分にわたって集中化される。これらのハードウェアデバイスは、例えば、オペレータが、プラント内で動いているプロセスの現在の状態及びオペレーションを閲覧し、プロセス制御ルーチンの設定の変更、コントローラもしくはフィールドデバイス内の制御モジュールのオペレーションの修正、フィールドデバイス及びコントローラによって生成されたアラームの閲覧、担当者の訓練もしくはプロセス制御ソフトウェアの試験を目的としたプロセスのオペレーションのシミュレーション、構成データベースの保守及び更新等の、プロセスの制御及び/またはプロセスプラントの操作に関する機能を行うことを可能にし得るアプリケーションを動かす。ハードウェアデバイス、コントローラ及びフィールドデバイスにより利用されるデータハイウェイは、有線通信パス、無線通信パス、または有線及び無線通信パスの組み合わせを含み得る。
【0005】
例として、Emersonによって販売されている、DeltaV(商標)制御システムは、プロセスプラント内、及びいくつかの事例において、プロセスプラントから遠隔の多様な場所に配置された異なるユーザインターフェースデバイス内に記憶され、それらの異なるデバイスによって実行される複数のアプリケーションを含む。これらのアプリケーションの各々は、ユーザインターフェース(UI)を提供して、ユーザが(例えば、構成エンジニア、オペレータ、保守技師等)がプロセスプラントオペレーションの態様及び構成を閲覧及び/または修正することを可能にする。本明細書全体を通して、「ユーザインターフェース」または「UI」の語句は、ユーザがプロセスプラントの構成、オペレーション、またはステータスを閲覧または修正することを可能にするアプリケーションまたは画面を意味するように使用される。同様に、「ユーザインターフェース」または「UI」の語句は、ユーザインターフェースが動作しているデバイスを意味するように本明細書で使用され、デバイスが据付(例えば、ワークステーション、壁掛ディスプレイ、プロセス制御デバイスディスプレイ等)であるかまたは可搬(例えば、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン等)であるかは問わない。
【0006】
プロセスプラントの構成環境内に含まれた1つ以上のユーザワークステーションまたはコンピューティングデバイス内に存在する構成アプリケーションは、構成エンジニア及び/または他のタイプのユーザが、プロセス制御モジュールを作成または変更し、かつデータハイウェイを介してこれらのプロセス制御モジュールを、プロセスプラントの操作環境(本明細書ではプロセスプラントの「オペレーション環境」としても互換的に呼ばれる)内で動作する専用の分散型コントローラにダウンロードして、ランタイムまたはリアルタイムオペレーション中に1つ以上のプロセスを制御することを可能にする。典型的には、これらの制御モジュールは、通信可能に相互接続された機能ブロックで構成され、これらの機能ブロックは、それに対する入力に基づき制御スキーム内で機能を行い、出力を制御スキーム内の他の機能ブロックに提供する。各専用コントローラ、及びいくつかの場合においては、1つ以上のフィールドデバイスは、実際のプロセス制御機能を実装するために、それらに割り当てられてダウンロードされた制御モジュールを実行するそれぞれのコントローラアプリケーションを記憶及び実行する。
【0007】
構成アプリケーションはまた、構成エンジニア及び/または他のユーザが、オペレータマンマシンインターフェース(HMI)またはディスプレイビューを作成または変更することを可能にし、オペレータマンマシンインターフェース(HMI)またはディスプレイビューは、オペレータ閲覧アプリケーションによってデータ(例えば、データがプロセスプラントのランタイムオペレーション中にリアルタイムで生成される際)をオペレータに表示し、かつオペレータがランタイムオペレーション中にプロセス制御ルーチン内の、設定点などの様々な設定を変更することを可能にするために使用される。オペレータHMIまたはディスプレイビューを提供するオペレータ閲覧アプリケーションは、プロセスプラントのオペレーション環境内(またはオペレータワークステーション及びデータハイウェイと通信可能に接続している1つ以上のコンピューティングデバイス上)に含まれた1つ
以上のユーザインターフェースデバイス(例えば、オペレータワークステーション、オペレータタブレット、オペレータモバイルデバイス等)上で実行される。オペレータHMIまたはディスプレイビューは、データハイウェイを介してコントローラアプリケーションからデータを受信し、このデータをユーザインターフェースでUIを使用してオペレータまたは他のユーザに表示する。同様に、オペレータHMIまたはディスプレイビューはまた、コントローラ、プロセスコントローラ、フィールドデバイス、I/Oカードまたはデバイス、他のタイプのハードウェアデバイス、ユニット、エリア等の制御モジュール以外のプロセスプラントの操作環境内に含まれる他の制御構成要素または要素からデータ(例えば、リアルタイムデータ)も受信し得る。データヒストリアンアプリケーションは、典型的には、データハイウェイにわたって提供されたデータの一部または全部を収集及び記憶するデータヒストリアンデバイス内に記憶され、かつそれによって実行されるが、一方で構成データベースアプリケーションは、データハイウェイに取り付けられたさらに別のコンピュータ内で動いて、現在のプロセス制御ルーチン構成、現在のオペレータディスプレイ構成、及びそれらと関連付けられたデータを記憶し得る。あるいは、構成データベースは、構成アプリケーションと同じワークステーションに配置されてもよい。
【0008】
上記のように、オペレータ閲覧アプリケーションは、典型的には、オペレータユーザインターフェースデバイスのうちの1つ以上内で実行し、例えば、プラントがリアルタイムまたはランタイムで動作して1つ以上の工業プロセスを制御している間に、プラント内の制御システム、制御構成要素、及び/またはデバイスの動作状態に関してオペレータまたは保守人員にオペレータHMIまたはディスプレイビューを提供する。一般的に言うと、オペレータHMIまたはディスプレイビューは、プロセス及び/またはプロセスプラント内のリアルタイム条件を閲覧し、かつそれに応答するために、プロセスプラント内で動いているプロセスの日々のオペレーション(例えば、24時間年中無休のオペレーションであり得る)でオペレータによって使用される。これらのオペレータHMIまたはディスプレイビューのうちの少なくともいくつかは、例えば、プロセスプラント内のコントローラまたはデバイスによって生成されたアラームを受信するアラームディスプレイ、プロセスプラント内のコントローラ及び他のデバイスの動作状態を表示する制御ディスプレイ、プロセスプラント内のデバイスの動作状態を表示する保守ディスプレイ等の形式をとり得る。ディスプレイビューは、典型的には、プロセスプラントのランタイムまたはリアルタイム操作環境内で実行し、プロセスプラントのランタイムまたはリアルタイム操作環境内で同様に動作しているプロセス制御モジュール、デバイス、及び/または他の制御オブジェクトから受信した情報またはデータを既知の様式で提示するように概して構成される。いくつかの既知のシステムにおいて、ディスプレイビューは、操作環境内に含まれる物理的または論理的要素と関連付けられ、かつ物理的または論理的要素に関するデータ及びそれに対する更新を経時的に、例えば、プロセスプラントのランタイムオペレーション中に受信するために物理的または論理的要素に通信可能に結び付けられるグラフィカル要素(例えば、グラフィカル表現またはグラフィック)を有する。グラフィカル要素は、例えば、タンクが半充填であることを例示する、及び流れセンサによって測定された流れを例示する等のために、受信したデータに基づいてディスプレイ画面上のその外観を動的に変化させるように構成されるかまたは定義され得る。このように、プロセスプラントの操作環境内の物理的または論理的要素によって提供されたデータが経時的に変化する(例えば、経時的に繰り返しまたは連続的に更新される)際、対応するグラフィカル要素の外観は、それに応じてディスプレイ画面上で変更される。
【0009】
工業プロセス制御システムについてのいくつかの現在既知のオペレータディスプレイ構成アーキテクチャにおいて、各オペレータワークステーションは、それ自体のアラームを独立的に管理し、プロセス制御モジュール、デバイス、及び/または他の制御オブジェクトによって生成されるリアルタイム制御データにアクセスする。このように、特定のオペレータワークステーションについてのオペレータHMIまたはディスプレイビューをカス
タマイズするために、ランタイムディスプレイビュー上で提示されることになる様々なディスプレイビュー要素(例えば、グラフィカル及び他のタイプの要素)のカスタムグラフィカルプロパティ、値、及び/または構成が定義され、かつグラフィカル構成環境内のディスプレイビューと関連付けられ、ディスプレイビューの定義または構成は、実行のために構成環境から操作環境の特定のオペレータワークステーション内にダウンロードされる。しばしば、カスタムスクリプトが、様々なディスプレイビュー要素及び/またはディスプレイビュー自体の所望の挙動及び/または外観が特定のワークステーションで実行されるように、ディスプレイビューの構成内にプログラムされる。加えて、ディスプレイビュー外観または挙動が特定のオペレータワークステーションのために修正または変更されることが所望される場合、典型的には、修正は、グラフィカル構成環境内のディスプレイビューの構成に適用されなければならず、その後、修正された構成は、特定のオペレータワークステーションでの実行のために構成環境からダウンロードされなければならない。ほとんどの場合、これは、修正されたディスプレイビュー構成が特定のオペレータワークステーションで受信されて実行されるために、特定のオペレータワークステーションが現在のディスプレイビューのその実行を終えることを必要とする。
【0010】
工業プロセス制御システムについての他の現在位置のオペレータディスプレイ構成アーキテクチャにおいて、ディスプレイビューについての共通構成は、グラフィカル構成環境から複数のオペレータワークステーションにダウンロードされる。ランタイム中であるとしても、特定のオペレータワークステーションでのディスプレイビューの特定のカスタマイズされた外観及び/または挙動を有効にするために、ディスプレイビューが実行している特定のオペレータワークステーションは、特定のオペレータワークステーションでディスプレイビューの所望されるカスタマイズされた外観及び/または挙動を有効化または実装すべく、必要な情報(様々なグラフィックスの特定の構成、ランタイム値、及び/または他の情報)を取得するために、グラフィカル構成環境に問合わせるかまたはそうでなければそれと通信しなければならない。現代のプロセスプラントは、数百のオペレータワークステーションを含み得るので、オペレータワークステーションとバックエンドディスプレイ構成サーバとの間で送られるかまたは受信されるメッセージは、プロセスプラント通信ネットワークに著しい負荷を加える。
【0011】
最近では、Center for Operator Performance(COP)、研究、共同研究、及び人間工学を通して工業プロセス制御操作環境内の人間の能力及び限界を克服する研究コンソーシアム、ならびにInternational Society of Automation(ISA)が、例えば、人間中心設計(HCD)の改善及びガイドラインを提案することによって、工業プロセス制御システムマンマシンインターフェース(HMI)及びその使い易さを進歩させることを助けるように研究を行ってきた。例えば、「Human Machine Interfaces for Process Automation Systems」と題され、2015年7月9日に承認された、American National Standard ANSI/ISA-101.01.-2015は、「マンマシンインターフェース(HMI)ライフサイクル全体を通して複数のワークプロセスを含むプロセス自動化システムについてのHMIの原理、設計、実装、オペレーション、及び保守...標準は、発展する用語法及びモデルならびにライフサイクル全体を通してHMIを効果的に保守するために推薦されるワークプロセス内のHMIを定義する」(ANSI/ISA-101.01-2015,page 9)ことに取り組む。
【発明の概要】
【0012】
上に説明されたように、一般的に言うと、オペレータマンマシンインターフェース(HMI)またはディスプレイビューは、プロセス及び/またはプロセスプラント内の条件を閲覧し、かつそれに応答するために、プロセスのランタイムオペレーション中にオペレー
タによって使用される。プロセスを安全かつ効果的に操作する際、ならびに様々なプロセス及びプロセスプラント条件を検出し、それに応答する際のプロセスプラントオペレータの有効性は、大部分において、オペレータHMIまたはディスプレイビューがどの程度良好に設計されているか(例えば、構成エンジニアまたは他のオペレータHMI設計者によって)に依存する。しかしながら、工業プロセスプラントがどのように操作されるかにおける最近の変化は、オペレータHMIの設計に大きな影響を与える。例えば、プロセス制御産業での継続的な競争圧力は、単一のオペレータが責任を持つプロセスの一部分の範囲の著しい拡大を招いている。この拡大と共に、単一のオペレータがプロセスを安全かつ効率的に動かすために監視及び利用しなければならないプロセスグラフィックスの数は、数倍に増加している。事実上、今日のプロセスプラントにおいて、オペレータは、数百のプロセスグラフィックスを介してナビゲートすることを一般的に期待される。加えて、プラント設備の情報の増加及びプロセス制御産業のより自動化かつ進歩した制御論理等の傾向は、単一のオペレータが責任を持つプロセスの一部分の複雑さのレベルの著しい増加をもたらした。
【0013】
さらに、単一のオペレータによって利用されるワークスペースは、様々なサイズの1つから多数のコンソールまたはモニタを含み得る。モニタ及び/またはコンソールの数及びサイズは、しばしば、オペレータによって監視されているプロセスの一部分のサイズ及び複雑さによって決定される。加えて、オペレータのワークスペースが複数のモニタを含むとき、各モニタは、典型的には、各モニタのそれぞれのモニタサイズ、位置、及び監視されているプロセスの一部分のために定義されたカスタムレイアウトを有する。例えば、カスタムレイアウトは、何のディスプレイをどのモニタ上で開き、互いに相互作用する異なるモニタ上でどのように表示するか等を定義する。
【0014】
またさらに、2つのプロセスプラントまたはプラント内の操作区分が同様ではないとき、実際には、各プロセスプラントは、しばしば、それ自体の、カスタム操作原理、グラフィックス、及び/または効果的なオペレーションのためのグラフィカル標準を開発及び設計する。したがって、オペレータHMIグラフィクス、戦略、設計、レイアウト、ナビゲーション、及び/またはオペレータ行動は、異なる操作区分及び/または異なるプロセスプラントについて、かなりのカスタム構成となり得る。
【0015】
これらの、及び他の要因が、操作HMIを設計する構成エンジニアの仕事を常に困難にしてきた。しばしば、構成エンジニアは、特定の操作区分及び/またはプラントについての様々な性能をカスタマイズまたは向上させるために、複雑なプログラムの拡張を作成しなければならない。一般的に、構成エンジニアは、所望されるオペレータHMIを作成するために、Visual BasicもしくはCのようなプログラミング言語、及び/または他のカスタムプログラムを利用しなければならない。これは、開発、拡張、修理、及び保守が困難であり、かつ時間がかかる複雑なオペレータHMIスイートを結果としてもたらす。
【0016】
本明細書に開示される新規なグラフィカルディスプレイ構成ならびに使用システム及び方法の態様の少なくともいくつかは、これらの及び他の現代のHMIの課題を解決すると共に、柔軟、使用が容易、かつ保守が容易であるのみならず、エンジニアが現在のプロセス自動化HMI標準及び最善の措置の観点からプロセスプラントの操作環境HMIを設計及び実装することを助ける、工業プロセス制御HMI設計及び使用のためのプラットフォームを提供する。
【0017】
一実施形態において、工業プロセスプラント用のグラフィカルディスプレイ構成及び使用システム(本明細書では「グラフィカル構成システム」または「グラフィカル構成及び使用システム」とも互換的に呼ばれる)は、プロセスプラントの構成環境内で実行するグ
ラフィカルディスプレイ構成アプリケーションを含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションは、ユーザインターフェースを含み、ユーザインターフェースを介して、様々なオペレータHMIまたはディスプレイビューが、例えば、構成エンジニアによって、作成、定義、設計、及び/または発行されることができる。構成または定義されたディスプレイビューは、プロセスプラントの操作またはオペレーション環境内にダウンロードされて実行するとき、オペレータまたは他のユーザにプロセスと関連付けられた様々な構成要素及びオペレーションのリアルタイム(例えば、連続的にまたは繰り返し更新される)の操作状態及びステータスを提供する。このように、ディスプレイビューは、典型的には、ディスプレイビュー上で提示される1つ以上のディスプレイビュー要素とプロセスプラントの操作環境内でプロセスを制御するために実行している1つ以上の制御モジュール、デバイス、または制御オブジェクトとの間のそれぞれのリンクを含み、このため、プロセスプラントの操作環境に通信可能に接続されるユーザインターフェースデバイス(例えば、オペレータワークステーション、遠隔コンピューティングデバイス、モバイルデバイス等)でディスプレイビューの発行された構成のダウンロード及び実行に際して、プロセスプラントの操作環境内での実行中に1つ以上の制御モジュール、デバイス、または制御オブジェクトによって提供または生成される1つ以上の値または他のデータのそれぞれの表示が、例えば、リンクされたディスプレイビュー要素を介して、実行中のディスプレイビュー上で提示され、かつ繰り返し更新される。
【0018】
グラフィカルディスプレイ構成システムはまた、ディスプレイビューの発行された構成または定義、及び様々なディスプレイビュー上に含められるかまたはそうでなければそれらと関連付けられるように利用可能であるディスプレイビュー要素の発行された構成または定義を記憶する集中構成データベースまたはライブラリも含む。いくつかの実施形態において、集中構成データベースまたはライブラリはまた、ディスプレイビュー及び/またはディスプレイビュー要素のドラフト構成または定義も記憶する。ディスプレイビュー要素の例としては、グラフィックス、プロパティ、制御モジュール、デバイス、オブジェクト及び/または操作環境内に配設される他の制御構成要素もしくは要素へのリンク、グローバル変数、パラメータ、ディスプレイビューのエリアまたは小区分、ならびに/あるいはディスプレイビューの他の要素及び/または部分が挙げられる。一例において、特定のディスプレイビューについて、集中構成データベースまたはライブラリは、特定のディスプレイビューの発行された構成、及び任意に特定のディスプレイビューの1つ以上の作業中の構成またはドラフト構成を記憶する。特定のディスプレイビューの発行された構成は、実行中のディスプレイビュー上に表示する様々なディスプレイビューの1つ以上の発行された構成を含み得、発行されたディスプレイビュー構成は、プロセスプラントの操作環境内でのダウンロード及び実行のために利用可能である。一方で、特定のディスプレイビューの1つ以上の作業中の構成またはドラフト構成は、プロセスプラントの操作環境内でのダウンロード及び実行から除外される。つまり、ディスプレイビュー及びディスプレイビュー要素の作業中の構成またはドラフト構成は、プロセスプラントの操作環境内でダウンロード及び実行されることを阻止され、代わりに、例えば、編集、修正、試験等のために、構成環境内に維持される。
【0019】
特定のディスプレイビューの発行された構成または定義は、1つ以上のユーザコントロールを含み、これを介して、プロセスプラントの操作環境内に含められたユーザインターフェースデバイスのオペレータまたはユーザは、ランタイムオペレーション中に自身のそれぞれのユーザインターフェースデバイスで、オンラインで実行中のディスプレイビューの外観を変更することができる。例えば、オペレータは、自身のそれぞれのユーザインターフェースデバイスでの1つ以上のユーザコントロールを介して、グラフィックの外観、グラフィックのプロパティ、ディスプレイビューのエリア、プロパティ及び/もしくはディスプレイビューのエリアの内容、ディスプレイビュー上のグラフィックの位置、表示されることになる制御モジュール、デバイスもしくは制御オブジェクトに由来する特定のデ
ータ、ならびに/または実行中のディスプレイビューの要素、エリア、もしくは部分の他の外観を変更することができる。注目すべきことに、グラフィックス構成システムは、操作環境内で実行中のディスプレイビューの外観に対する変更が、オペレーションワークステーションで実行中のディスプレイビューの発行された構成または定義の内容のみに基づいてオペレータワークステーションに実装されることを可能にする。つまり、ダウンロードされ発行されたディスプレイビューの構成は、ディスプレイビューが、ディスプレイビューの実行を停止することを必要とせず、ディスプレイビューの異なる構成をダウンロードすることを必要とせず、かつディスプレイビュー及び/またはオペレータワークステーションが所望される変更を実装するために構成環境からデータを取得することを必要とせず、操作環境内でオンラインで実行しながら、オペレータがオペレータのワークステーションでのディスプレイビューの外観をカスタマイズまたは変更することを可能にする。
【0020】
したがって、特定のディスプレイビューの発行された構成または定義が、プロセスプラントの操作環境内に含められる複数のユーザインターフェースデバイスまたはオペレータワークステーションにダウンロードされたとき、各オペレータまたはユーザは、他のオペレータまたはユーザから独立して、かつ自身のワークステーションがグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション及び構成ライブラリと通信せずに、自身のワークステーションで実行中のディスプレイビューのインスタンスのローカルの外観をカスタマイズまたは変更することができる。オペレータ主導の変更またはカスタマイズのうちのいくつかは、特定のワークステーションに相互排他的様式で実装され得、例えば、グラフィックの塗りつぶしプロパティが、灰色及び青色の両方ではなく、灰色または青色のいずれか一方であるようにオペレータによって選択される。変更のうちのいくつかは、オペレータが能動的に(かつ容易に)監視することを所望する特定の制御要素を示すグラフィックスを、オペレータがディスプレイ上に含められたアクティブモニタ(Active Monitor)またはウォッチ(Watch)ウインドウ内にドラッグアンドドロップするとき等の、特定のワークステーションで相互排他的ではない場合がある(例えば、変更が累積的または独立的に適用され得る)。
【0021】
一実施形態において、プロセスプラントのランタイムまたはリアルタイムオペレーションのグラフィカルディスプレイを構成するための方法は、プロセスプラントの構成環境内で実行中のグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューの定義を受信することを含む。ディスプレイビューは、典型的には、例えば、コントローラ、プロセスコントローラ、フィールドデバイス、I/Oカードまたはデバイス、他のタイプのハードウェアデバイス、ユニット、エリア等のような、プロセスの少なくとも一部分を制御するために、プロセスプラントの操作環境内で実行または動作するそれぞれの制御モジュール、デバイス、及び/または他の制御構成要素(本明細書では互換的に制御要素または制御オブジェクトとも呼ばれる)を表現する様々なグラフィカル要素を含む。したがって、ディスプレイビューの定義は、ディスプレイビュー上で提示されるグラフィカル要素と制御構成要素またはオブジェクトとの間のリンクを定義し、そのため、プロセスプラントの操作環境内のディスプレイビューのダウンロード及び実行に際して、プロセスを制御するためにプロセスプラントの操作環境内で実行している間に制御構成要素または制御オブジェクトによって生成される1つ以上の値または他のデータは、リンクされたグラフィカル要素を介して、実行中のディスプレイビュー上で提示され、かつ繰り返し更新される。グラフィカル要素は、例えば、特定の制御モジュール、デバイス、または他の制御構成要素もしくはオブジェクトを示すかまたは表現するグラフィックであり得る。
【0022】
加えて、典型的には、ディスプレイビューの定義は、グラフィックス、テキスト、グラフィックス及び/もしくはテキストのプロパティ(例えば、色、コントラスト、アニメーション等)、グローバル変数、パラメータ、ディスプレイビューの異なるエリア、ディス
プレイビューの異なるエリアのそれぞれのプロパティ及び/もしくは内容、ディスプレイビュー上の様々なグラフィックス、テキスト、及び/もしくはエリアの異なる位置、かつ/あるいは制御モジュール、デバイス、ならびに/または他の制御オブジェクト及びディスプレイビュー上のそれぞれのグラフィックスもしくは他の要素へのそれらの結合に由来する特定の操作データ等のような、ディスプレイビュー上に含められる、及び/またはそうでなければディスプレイビューと関連付けられる様々な他のグラフィカル部分、要素、もしくは構成要素(及び/またはそれらの組み合わせ)のそれぞれの定義を含む。ディスプレイビュー上に含められ得る、及び/またはそうでなければディスプレイビューと関連付けられ得る、他のかかるグラフィカル部分、要素、及び/または構成要素は、例えば、ディスプレイビュー階層、ディスプレイビューレイアウト、タイマ、埋め込みリンク、アニメーション変換機能、データ参照、プロジェクトもしくはプラント標準、ディスプレイテーマ、内容の言語及び/もしくはそれらの表示、アプリケーション言語及び/もしくはそれらの表示、ディスプレイビュー上のタブエリア、ツールチップ及び/もしくは他の注釈表示、履歴パラメータの傾向及び他の表現、注視または能動監視エリア、ならびに/または本明細書に説明される本グラフィカル構成及び使用システムならびに方法によって提供される他の特徴、態様、及び/もしくは機能を含み得る。ディスプレイビュー上に含められ得る、及び/またはそうでなければディスプレイビューと関連付けられ得る、さらに他のグラフィカル部分、要素、及び/または構成要素は、カスタム及び/もしくは初期設定のグラフィック要素モジュール(Graphic Element Module、GEM)構成(例えば、2017年8月31日に出願された「Derived and Linked Definitions with Override」と題された共同出願の米国特許出願第15/692,450号内で説明されるもの等)を含み得る、ならびに/またはそれらと関連付けられるオペレータディスプレイ切り換えプレビュー構成及び/もしくはオブジェクト(例えば、2016年8月22日に出願された「Operator Display Switching Preview」と題された共同出願の米国特許出願第15/243,176号内で説明されるもの等)を含み得る。
【0023】
少なくとも、本明細書を読み易くするために、ディスプレイビュー上に含められる、及び/またはそうでなければディスプレイビューと関連付けられる、かかるグラフィカル部分、要素、または構成要素(及びそれらの組み合わせ)は、本明細書では、概して、互換的に「グラフィカルディスプレイビュー要素」、「グラフィカル要素」、「グラフィカル構成要素」、「ディスプレイビュー要素」、「ディスプレイ要素」、または「ディスプレイビュー構成要素」と呼ばれる。典型的には、各ディスプレイビュー要素は、それ自体の別個のオブジェクトによって定義され得るかまたはそれを使用して構成され得、オブジェクトは、本明細書に説明されるグラフィカル構成及び使用システムならびに方法を介して、作成、修正、記憶、及び発行され得る。
【0024】
ディスプレイ要素の定義のうちのいくつかは、相互排他的選択肢を定義し得、例えば、ディスプレイビューのその全体の色テーマは、様々な定義された色テーマの間でオペレータによって選択的に変更され得、またはディスプレイビュー上で使用される言語は、アラビア語及びフランス語の間でオペレータによって切り換えられる。ディスプレイビュー要素の定義のうちのいくつかは、オペレータが能動的に(かつ容易に)監視することを所望する特定の制御要素を示すグラフィックスを、オペレータがディスプレイ上に含められたアクティブモニタまたはウォッチウインドウ内にドラッグアンドドロップするとき等、相互排他的ではない場合がある。
【0025】
実行中のディスプレイビューの特定の部分への適用のための相互排他的様式で、操作環境内で選択可能である複数のプロパティを定義するディスプレイビュー構成または定義に特に関連して、方法は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、プロセスプラントの操作環境内に含められ、かつディスプレイビュ
ー定義のそれぞれのインスタンスが実行のためにダウンロードされることになる複数のユーザインターフェースデバイス(例えば、オペレータワークステーション)のサブセットの選択の表示を受信することを含む。ユーザインターフェースデバイスの選択されたサブセットは、所望される場合、1つよりも多いユーザインターフェースデバイスを含み得る。方法は、ディスプレイビューの定義(発行された定義)を、プロセスプラントの操作環境内での実行のためのユーザインターフェースデバイスの選択されたサブセット内に含められる各ユーザインターフェースデバイス内にダウンロードして、それによって、複数のプロパティ間の相互排他的様式で、各ユーザインターフェースデバイスで独立して、実行中のディスプレイビューの特定の部分が選択的に変更されることを可能にする。したがって、各ユーザインターフェースデバイスは、ユーザインターフェースデバイスで実行中のディスプレイビューのダウンロードされた定義の内容のみに基づいて、かつ変更を有効化または実装するためにプロセスプラントの構成環境内に含められるいかなる他のデバイスと通信せずに、そのそれぞれの変更を実装する。したがって、第1のオペレータが、自身のワークステーションのディスプレイビュー上に含められる特定のグラフィックの特定のプロパティについて「点滅」を選択し得、一方で別のオペレータが、自身のワークステーションのディスプレイビュー上に含められる特定のグラフィックの特定のプロパティについて「点滅なし」を選択し得る。両方の選択は、ワークステーションのディスプレイビューの実行を停止することを必要とせず、ディスプレイビューの異なる構成をワークステーションにダウンロードすることを必要とせず、かつディスプレイビュー及び/またはオペレータワークステーションが所望される変更を実装するために構成環境からデータまたは他の情報を取得せずに、ワークステーションで実行するディスプレイビューのそれぞれのダウンロードされた定義によって完全にサポートされ、かつ単独で実装される。
【0026】
本明細書の開示がグラフィカルディスプレイビュー及びグラフィカルディスプレイビュー要素に言及するが、これは、例示的かつ論述の簡素化の目的のみであり、限定を意味するものではないことに留意されたい。実際に、グラフィカルディスプレイビューに関して本明細書に論じられる態様のうちのいずれか1つ以上は、例えば、グラフィカル要素モジュール(GEM)クラスに容易に適用され得る。同様に、グラフィカルディスプレイビュー要素に関して本明細書に論じられる態様のうちのいずれか1つ以上は、例えば、GEMに容易に適用され得る。一般的に知られるように、GEMは、再使用可能であり、かつ他の形状及び/または挙動と組み合わせられ得るリンク付きグラフィカル構成可能形状である。典型的には、GEMは、構成可能形状の1つ以上の視覚表現またはビューを提供し、GEMの定義または構成は、特定のディスプレイビュー及び他のオブジェクト内のGEMの使用/インスタンスの定義または構成とは別個に記憶される(例えば、GEM定義/構成を共有することを可能にするために)。このように、本明細書に記載されるグラフィカル構成システム及び方法ならびにそのいずれか1つ以上の態様は、GEM及びGEMクラスに容易に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1A】本開示のグラフィックス構成及び使用システムならびに方法を含むプロセスプラント内に位置する分散型プロセス制御ネットワークのブロック図である。
図1B図1Aに概略的に例示されたユーザインターフェースデバイスの一例のブロック図である。
図2A図1Aのプロセスプラント等の、プロセスプラントの構成環境内及び操作環境内のグラフィカルディスプレイ構成及び使用システムの実装の一例のブロック図である。
図2B図2Aのシステムのグラフィカル構成及び使用内に含められるグラフィカル構成ライブラリの実装の一例のブロック図である。
図2C図2Aのグラフィカル構成及び使用システムを使用するディスプレイビューの進行中構成時のスナップショットの一例のブロック図を図示する。
図3A】グラフィックスを定義するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションのビューの一例、及びグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションからの定義に従ってグラフィックスを提示するためのオペレータアプリケーションのビューの一例である。
図3B】グラフィックスを定義するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションの詳細ビューの一例である。
図4A】ディスプレイビューでプロセスパラメータに対応する履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するためのオペレータアプリケーションの図の一例である。
図4B】履歴化されたプロセスパラメータ値のディスプレイを構成する例示的な方法の一例の流れ図である。
図4C】オペレータワークステーションにおいて、履歴化されたプロセスパラメータ値を提示する方法の一例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1Aは、本明細書に説明される新規なグラフィカルディスプレイ構成及び使用システムの実施形態を含む、及び/またはそれが利用され得る、プロセス制御システムまたはプロセスプラント10内で動作する代表的なプロセス制御ネットワークまたはシステム2のブロック図である。プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、様々な他のデバイス間の直接的または間接的な接続性を提供するネットワークバックボーン5を含み得る。ネットワークバックボーン5に連結されたデバイスは、様々な実施形態において、1つ以上のアクセスポイント7a、他のプロセスプラントへの1つ以上のゲートウェイ7b(例えば、イントラネットまたは企業のワイドエリアネットワークを介した)、外部システムへの(例えば、インターネットへの)1つ以上のゲートウェイ7c、据付(例えば、従来のオペレータワークステーション)または可搬(例えば、モバイルデバイススマートフォン)のコンピューティングデバイスであり得る1つ以上のユーザインターフェース(UI)デバイス8、1つ以上のサーバ12(例えば、サーバのバンク、クラウドコンピューティングデバイス、または別の適切な構成として実装され得る)、コントローラ11、入力/出力(I/O)カード26及び28、有線フィールドデバイス15~22、無線ゲートウェイ35、及び無線通信ネットワーク70の組み合わせを含む。通信ネットワーク70は、無線フィールドデバイス40~46、無線アダプタ52a及び52b、アクセスポイント55a及び55b、ならびにルータ58を含む、無線デバイス40~58を含み得る。無線アダプタ52a及び52bは、非無線フィールドデバイス48及び50にそれぞれ接続され得る。コントローラ11は、プロセッサ30、メモリ32、及び1つ以上の制御ルーチン38を含み得る。図1Aは、ネットワークバックボーン5に直接的及び/または通信可能に接続されるデバイスのいくつかのうちの単一の1つのみを図示するが、デバイスの各々が、ネットワークバックボーン5上の複数のインスタンスを有してもよく、実際に、プロセスプラント10が複数のネットワークバックボーン5を含み得ることが理解されるであろう。
【0029】
UIデバイス8は、ネットワークバックボーン5を介してコントローラ11及び無線ゲートウェイ35に通信可能に接続され得る。コントローラ11は、入力/出力(I/O)カード26及び28を介して有線フィールドデバイス15~22に通信可能に接続され得、かつネットワークバックボーン5及び無線ゲートウェイ35を介して無線フィールドデバイス40~46に通信可能に接続され得る。コントローラ11は、フィールドデバイス15~22及び40~50のうちの少なくともいくつかを使用するバッチプロセスまたは連続プロセスを実装するように動作し得る。例として、Emersonによって販売されているDeltaV(商標)コントローラであり得るコントローラ11は、プロセス制御ネットワークバックボーン5に通信可能に接続される。コントローラ11はまた、例えば、標準4~20mAデバイス、I/Oカード26、28、及び/またはFOUNDATION(登録商標)Fieldbusプロトコル、HART(登録商標)プロトコル、Wi
reless HART(登録商標)プロトコル等の任意のスマート通信プロトコルと関連付けられた任意の所望されるハードウェア及びソフトウェアを使用してフィールドデバイス15~22及び40~50に通信可能に接続され得る。図1Aに例証される実施形態において、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、48、50及びI/Oカード26、28は、有線デバイスであり、及びフィールドデバイス40~46は、無線フィールドデバイスである。
【0030】
UIデバイス8のオペレーションにおいて、UIデバイス8は、いくつかの実施形態において、ユーザインターフェース(「UI」)を実行し得、UIデバイス8が入力インターフェースを介して入力を受け取り、かつディスプレイに出力を提供することを可能にする。UIデバイス8は、データ(例えば、プロセスパラメータ、ログデータ、センサデータ、及び/または捕捉され記憶され得る任意の他のデータ等のプロセス関連データ)をサーバ12から受信し得る。他の実施形態において、UIは、サーバ12で全体的または部分的に実行され得、サーバ12は、ディスプレイデータをUIデバイス8に送信し得る。UIデバイス8は、バックボーン5を介して、コントローラ11、無線ゲートウェイ35、及び/またはサーバ12等の、プロセス制御ネットワークまたはシステム2内の他のノードからUIデータ(ディスプレイデータ及びプロセスパラメータデータを含み得る)を受信し得る。UIデバイス8で受信されたUIデータに基づいて、UIデバイス8は、ユーザがプロセスを監視することを可能にする、プロセス制御ネットワークまたはシステム2と関連付けられたプロセスの態様を表す出力(即ち、視覚表現またはグラフィックスであり、そのうちのいくつかは、ランタイム中に更新され得る)を提供する。ユーザはまた、UIデバイス8に入力を提供することによってプロセスの制御に影響を及ぼし得る。例示のために、UIデバイス8は、例えば、タンク充填プロセスを表すグラフィックスを提供し得る。かかるシナリオにおいて、ユーザは、タンクレベル測定値を読み取り、タンクが充填される必要があることを決定し得る。ユーザは、UIデバイス8に表示された入口バルブグラフィックと対話して入口バルブを開かせるコマンドを入力し得る。
【0031】
一定の実施形態において、UIデバイス8は、シンクライアント、ウェブクライアント、またはシッククライアント等の任意のタイプのクライアントを実装し得る。例えば、UIデバイス8は、UIデバイスがメモリ、バッテリ電力等で制限される場合(例えば、装着可能デバイスにおいて)、他のノード、コンピュータ、UIデバイス、またはUIデバイス8のオペレーションのために必要な大量の処理のためのサーバに依存し得る。かかる例において、UIデバイス8は、サーバ12または別のUIデバイスと通信し得、サーバ12または他のUIデバイスは、プロセス制御ネットワークまたはシステム2上の1つ以上の他のノード(例えば、サーバ)と通信し得、かつUIデバイス8に送信するディスプレイデータ及び/またはプロセスデータを決定し得る。さらに、UIデバイス8は、サーバ12がユーザ入力に関連するデータを処理し、それに従って動作し得るように、受信されたユーザ入力に関連する任意のデータをサーバ12に通過させ得る。言い換えると、UIデバイス8は、グラフィックスを描画するよりも少し多くのことを行い、データを記憶し、かつUIデバイス8のオペレーションのために必要なルーチンを実行する1つ以上のノードまたはサーバへのポータルとして作用し得る。シンクライアントUIデバイスは、UIデバイス8に対する最小ハードウェア要件の利点を提供する。
【0032】
他の実施形態において、UIデバイス8は、ウェブクライアントであり得る。かかる実施形態において、UIデバイス8のユーザは、UIデバイス8のブラウザを介してプロセス制御システムと対話し得る。ブラウザは、ユーザがバックボーン5を介して別のノードまたはサーバ12(サーバ12等)のデータ及びリソースにアクセスすることを可能にする。例えば、ブラウザは、ディスプレイデータまたはプロセスパラメータデータ等のUIデータをサーバ12から受信し得、ブラウザがプロセスのうちの一部または全部を制御及び/または監視するためのグラフィックスを描画することを可能にする。ブラウザはまた
、ユーザ入力(グラフィック上でのマウスクリック等)も受信し得る。ユーザ入力は、ブラウザに、サーバ12上に記憶された情報リソースを引き出すかまたはそれにアクセスさせ得る。例えば、マウスクリックは、ブラウザに、クリックされたグラフィックに属する情報を引き出させ(サーバ12から)、表示させ得る。
【0033】
さらに他の実施形態において、UIデバイス8に対する大量の処理は、UIデバイス8で実行され得る。例えば、UIデバイス8は、前述されたUIを実行し得る。UIデバイス8はまた、ローカルにデータを記憶、アクセス、及び分析し得る。
【0034】
オペレーションにおいて、ユーザは、フィールドデバイス15~22またはデバイス40~50のうちのいずれか等の、プロセス制御ネットワークまたはシステム2内の1つ以上のデバイスを監視または制御するためにUIデバイス8と対話し得る。ユーザは、例えば、コントローラ11内に記憶された制御ルーチンと関連付けられたパラメータを修正または変更するためにUIデバイス8と対話し得る。コントローラ11のプロセッサ30は、制御ループを含み得る、1つ以上のプロセス制御ルーチン(メモリ32内に記憶される)を実装または監督する。プロセッサ30は、フィールドデバイス15~22及び40~50、ならびにバックボーン5に通信可能に接続される他のノードと通信し得る。本明細書に説明される任意の制御ルーチンまたはモジュール(品質予測及び故障検出のモジュールまたは機能ブロックを含む)が、所望される場合、異なるコントローラまたは他のデバイスによって実装されるかまたは実行されるその部分を有し得ることが留意されるべきである。同様に、プロセス制御システム内に実装されることになる本明細書に説明される制御ルーチンまたはモジュールは、ソフトウェア、ファームウェア等を含む任意の形式をとり得る。制御ルーチンは、オブジェクト指向プログラミング、ラダーロジック、シーケンシャルファンクションチャート、機能ブロック図を使用する、または任意の他のソフトウェアプログラミング言語もしくは設計パラダイムを使用する等の、任意の所望されるソフトウェアフォーマット内に実装され得る。具体的には、制御ルーチンは、UIデバイス8を通してユーザによって定義及び実装され得る。制御ルーチンは、コントローラ11のランダムアクセスメモリ(RAM)、または読み取り専用メモリ(ROM)等の任意の所望されるタイプのメモリ内に記憶され得る。同様に、制御ルーチンは、例えば、1つ以上のEPROM、EEPROM、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはコントローラ11の任意の他のハードウェアもしくはファームウェア要素にハードコードされ得る。したがって、コントローラ11は、制御戦略または制御ルーチンを任意の所望される様式で実装する(例えば、受信、記憶、及び/または実行)ように構成され得る(一定の実施形態においてUIデバイス8を使用してユーザによって)。
【0035】
UIデバイス8のいくつかの実施形態において、ユーザは、機能ブロックと一般に呼ばれるものを使用してコントローラ11で制御戦略を定義及び実装するためにUIデバイス8と対話し得、各機能ブロックは、制御ルーチン全体のオブジェクトまたは他の部分(例えば、サブルーチン)であり、プロセス制御システム内にプロセス制御ループを実装するために他の機能ブロックと併せて(リンクと呼ばれる通信を介して)動作する。制御ベースの機能ブロックは、典型的には、送信器、センサ、もしくは他のプロセスパラメータ測定デバイスと関連付けられるもの等の入力機能、PID、ファジー論理等の制御を実施する制御ルーチンと関連付けられるもの等の制御機能、またはバルブ等の何らかのデバイスのオペレーションを制御して、プロセス制御システム内で何らかの物理的機能を実施する出力機能のうちの1つを実施する。当然ながら、ハイブリッド及び他のタイプの機能ブロックが存在する。機能ブロックは、UIデバイス8で提供されるグラフィカル表現を有し得、ユーザが、機能ブロック、機能ブロック間の接続、及びプロセス制御システム内に実装された機能ブロックの各々と関連付けられた入力/出力を容易に修正することを可能にする。機能ブロックは、コントローラ11にダウンロードされ、そこに記憶され、かつそれによって実行され得、これは、典型的には、これらの機能ブロックが標準4~20mA
デバイス及びHARTデバイス等の何らかのタイプのスマートフィールドデバイスのために使用されるか、もしくはそれらと関連付けられる場合であるか、またはフィールドデバイス自体に記憶され、かつそれによって実装され得、これは、Fieldbusデバイスを用いる場合であり得る。コントローラ11は、1つ以上の制御ループを実装し得る1つ以上の制御ルーチン38を含み得る。各制御ループは、典型的には、制御モジュールと呼ばれ、機能ブロックのうちの1つ以上を実行することによって実施され得る。
【0036】
続けてFIG.1Aを参照すると、無線フィールドデバイス40~46は、WirelessHARTプロトコル等の無線プロトコルを使用して無線ネットワーク70内で通信する。一定の実施形態において、UIデバイス8は、無線ネットワーク70を使用して無線フィールドデバイス40~46と通信することができ得る。かかる無線フィールドデバイス40~46は、プロセス制御ネットワークまたはシステム2の1つ以上の他のノードと直接的に通信し得、1つ以上の他のノードもまた、無線で通信する(例えば、無線プロトコルを使用して)ように構成される。無線で通信するように構成されていない1つ以上のノードと通信するために、無線フィールドデバイス40~46は、バックボーン5に接続された無線ゲートウェイ35を利用し得る。当然ながら、フィールドデバイス15~22及び40~46は、将来開発される任意の標準またはプロトコルを含む、任意の有線または無線プロトコル等の、任意の他の所望される標準またはプロトコルに順応し得る。
【0037】
無線ゲートウェイ35は、無線通信ネットワーク70の様々な無線デバイスまたはノード40~46、52~58へのアクセスを提供し得る。具体的には、無線ゲートウェイ35は、無線デバイス40~46、52~58とプロセス制御ネットワークまたはシステム2の他のノード(図1Aのコントローラを含む)との間の通信可能な連結を提供する。無線ゲートウェイ35は、実装の一例において、有線及び無線プロトコルスタックの共有層をトンネリングしながら、いくつかの場合において、有線及び無線プロトコルスタックの下位層へのルーティング、バッファリング、及びタイミングサービスによって(例えば、アドレス変換、ルーティングパケット区分化、優先順位付け等)通信可能な連結を提供する。他の場合において、無線ゲートウェイ35は、いかなるプロトコル層を共有しない有線及び無線プロトコル間のコマンドを翻訳し得る。
【0038】
有線フィールドデバイス15~22と同様、無線ネットワーク70の無線フィールドデバイス40~46は、プロセスプラント10内の物理的制御機能、例えば、バルブの開閉またはプロセスパラメータの測定値の取得を実施し得る。しかしながら、無線フィールドデバイス40~46は、ネットワーク70の無線プロトコルを使用して通信するように構成される。このように、無線フィールドデバイス40~46、無線ゲートウェイ35、及び無線ネットワーク70の他の無線ノード52~58は、無線通信パケットの生成者であり消費者である。
【0039】
いくつかのシナリオにおいて、無線ネットワーク70は、有線デバイスであり得る非無線デバイス48、50を含み得る。例えば、図1Aのフィールドデバイス48は、古い4~20mAデバイスであり得、フィールドデバイス50は、従来の有線HARTデバイスであり得る。ネットワーク70と通信するために、フィールドデバイス48及び50は、それぞれの無線アダプタ(WA)52a、52bを介して無線通信ネットワーク70に接続し得る。加えて、無線アダプタ52a、52bは、Foundation(登録商標)Fieldbus、PROFIBUS、DeviceNet等の他の通信プロトコルをサポートし得る。さらに、無線ネットワーク70は、1つ以上のネットワークアクセスポイント55a、55bを含み得、これらは、無線ゲートウェイ35を含む有線通信内の別個の物理的デバイスであり得るか、または統合デバイスとして無線ゲートウェイ35と共に提供され得る。無線ネットワーク70はまた、無線通信ネットワーク70内の1つの無線デバイスから別の無線デバイスにパケットを送るために1つ以上のルータ58も含み得る
。無線デバイス40~46及び52~58は、無線通信ネットワーク70の無線リンク60を介して、互いに及び無線ゲートウェイ35と通信し得る。
【0040】
一定の実施形態において、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、他の無線プロトコルを使用して通信するネットワークバックボーン5に接続された他のノードを含み得る。例えば、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、WiFiまたは他のIEEE802.11適合無線ローカルエリアネットワークプロトコル、WiMAX(ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス)、LTE(ロングタームエボリューション)もしくは他のITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)準拠プロトコル等のモバイル通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)及びBluetooth等の短波長無線通信、及び/または他の無線通信プロトコル等の、他の無線プロトコルを利用する1つ以上の無線アクセスポイント7aを含み得る。典型的には、かかる無線アクセスポイント7aは、手持ちまたは他の携帯用コンピューティングデバイスが、無線ネットワーク70とは異なり、かつ無線ネットワーク70とは異なる無線プロトコルをサポートする、それぞれの無線ネットワークを介して通信することを可能にする。いくつかの実施形態において、UIデバイス8は、無線アクセスポイント7aを使用してプロセス制御ネットワークまたはシステム2を介して通信する。いくつかのシナリオにおいて、携帯用コンピューティングデバイスに加えて、1つ以上のプロセス制御デバイス(例えば、コントローラ11、フィールドデバイス15~22、または無線デバイス35、40~46、52~58)はまた、アクセスポイント7aによってサポートされる無線ネットワークを使用して通信し得る。
【0041】
加えてまたはあるいは、プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、直属のプロセス制御システムの外部にあるシステムへの1つ以上のゲートウェイ7b、7cを含み得る。かかる実施形態において、UIデバイス8は、外部システムを制御、監視、またはそうでなければそれらと通信するために使用され得る。典型的には、かかるシステムは、プロセス制御システムによって生成されるかまたは操作される情報の利用者及び/または提供者である。例えば、プラントゲートウェイノード7bは、直属のプロセスプラント10(それ自体のそれぞれのプロセス制御データネットワークバックボーン5を有する)を別のプロセスプラントと通信可能に接続し得、別のプロセスプラントは、それ自体のそれぞれのネットワークバックボーンを有する。一実施形態において、単一のネットワークバックボーン5は、複数のプロセスプラントまたはプロセス制御環境をサービスする。
【0042】
別の例において、プラントゲートウェイノード7bは、直属のプロセスプラントを、プロセス制御ネットワークもしくはシステム2またはバックボーン5を含まない、古いまたは先行技術のプロセスプラントに通信可能に接続し得る。この例において、プラントゲートウェイノード7bは、プラント10のプロセス制御ビッグデータバックボーン5によって利用されるプロトコルと、古いシステムによって利用される異なるプロトコル(例えば、Ethernet、Profibus、Fieldbus、DeviceNet等)との間でメッセージを変換または翻訳し得る。かかる例において、UIデバイス8は、古いまたは先行技術のプロセスプラント内のシステムまたはネットワークを制御、監視、またはそうでなければそれと通信するために使用され得る。
【0043】
プロセス制御ネットワークまたはシステム2は、プロセス制御ネットワークまたはシステム2を、実験室システム(例えば、実験室情報管理システムまたはLIMS)、人員巡回データベース、運搬管理システム、保守管理システム、製品在庫制御システム、生産計画システム、天候データシステム、発送及び運搬システム、包装システム、インターネット、別の提供者のプロセス制御システム、及び/または他の外部システム等の外部の公衆または私用システムのネットワークと通信可能に接続するために1つ以上の外部システムゲートウェイノード7cを含み得る。外部システムゲートウェイノード7cは、例えば、
プロセス制御システムとプロセスプラントの外側の人員(例えば、家にいる人員)と間の通信を容易にし得る。
【0044】
図1Aは、単一のコントローラ11であって、有限数のフィールドデバイス15~22、40~46、及び48~50がそれに通信可能に接続された、単一のコントローラ11を例示するが、これは、単に例示的かつ非限定的実施形態である。任意の数のコントローラ11が、プロセス制御ネットワークまたはシステム2内に含められてもよく、コントローラ11のうちのいずれかが、プラント10内のプロセスを制御するために任意の数の有線または無線フィールドデバイス15~22、40~50と通信してもよい。さらに、プロセスプラント10はまた、任意の数の無線ゲートウェイ35、ルータ58、アクセスポイント55、無線プロセス制御通信ネットワーク70、アクセスポイント7a、及び/またはゲートウェイ7b、7cも含んでもよい。
【0045】
図1Bは、本明細書に説明される新規なグラフィカルディスプレイ構成及び使用システムの実施形態と併せて利用され得るUIデバイス8の一例のブロック図を例示する。UIデバイス8は、従来のオペレータワークステーション等のデスクトップコンピュータ、制御室ディスプレイ、またはラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、モバイルデバイススマートフォン、携帯情報端末(PDA)、ウェアラブルコンピューティングデバイス、もしくは任意の他の適切なクライアントコンピューティングデバイス等のモバイルコンピューティングデバイスであり得る。UIデバイス8は、構成環境内の構成エンジニアによって利用されるグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションを実行して、様々なディスプレイビュー定義または構成を作成、生成、及び/または編集すると共に、様々なディスプレイビュー要素定義または構成を作成、生成、及び/または編集し得る。UIデバイス8はまた、オペレータによって利用されるオペレータアプリケーションを実行して、操作環境内のプロセスの様々なステータス及び状況を監視、観察し、それらに反応し得る。UIデバイス8は、ディスプレイ72を含み得る。さらに、UIデバイス8は、有線及び/または無線であり得る、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、及び/または任意の他の適切なネットワークを介してデータを送信及び受信するために、1つ以上のプロセッサまたはCPU75、メモリ78、ランダムアクセスメモリ(RAM)80、入力/出力(I/O)回路82、及び通信ユニット85を含む。UIデバイス8は、コントローラ11、サーバ12、及び/または任意の他の適切なコンピューティングデバイスと通信し得る。
【0046】
メモリ78は、オペレーティングシステム88、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション及びオペレータアプリケーション等のオペレーティングシステム88上で動くアプリケーション、ならびにディスプレイ72を制御し、かつコントローラ11と通信してプロセスプラントのオンラインオペレーションを制御する制御ユニット90を含んでもよい。いくつかの実施形態において、サーバ12は、プロセスプラントの一部分のグラフィカル表現をUIデバイス8に送信し得、次に、制御ユニット90は、プロセスプラントの一部分のグラフィカル表現をディスプレイ72上に提示させ得る。加えて、制御ユニット90は、オペレータまたは構成エンジニア(本明細書ではユーザとも呼ばれる)からのユーザ入力等の、I/O回路82からのユーザ入力を取得し、特定の言語でグラフィカルディスプレイビューを提示する要求、ディスプレイビュー上に含められるアクティブモニタまたはウォッチウインドウ内の特定の制御要素を示すグラフィックスを含める要求、プロセス区分のうちの1つ内に含められるプロセスパラメータへの調節を表示する要求等にユーザ入力を翻訳し得る。
【0047】
いくつかの実施形態において、制御ユニット90は、翻訳されたユーザ入力をサーバ12に通信し得、サーバ12は、要求されたUIを生成し、表示のためにUIデバイス8に送信し得る。他の実施形態において、制御ユニット90は、翻訳されたユーザ入力に基づ
いて新しいUIを生成し、新しいUIをUIデバイス8のディスプレイ72上で提示し得る。翻訳されたユーザ入力がプロセス区分の1つ内に含められるプロセスパラメータへの調節を表示する要求であるとき、制御ユニット90は、オペレータからのユーザ入力に従ってディスプレイ72上のプロセスパラメータ値を調節し得、プロセスプラント内のプロセスパラメータを調節するためにコントローラ11に命令を提供し得る。他の実施形態において、制御ユニット90は、翻訳されたユーザ入力をサーバ12に通信し得、サーバ12は、調節されたプロセスパラメータ値を生成し、表示のためにUIデバイス8に送信し、プロセスプラント内のプロセスパラメータを調節するためにコントローラ11に命令を提供し得る。
【0048】
図2Aは、例えば、図1Aのプロセスプラント10のプロセスプラントまたはプロセス制御システムの構成環境102及び操作または操作環境105内の本明細書に説明されるグラフィカルディスプレイ構成及び使用システム100の実施形態及び/または態様を実装する1つの考えられる様式を例示する高レベルブロック図を図示する。プロセス制御システムの構成環境102は、本明細書では、プロセス制御システムの「オフライン」環境102または「バックエンド」環境102と互換的に呼ばれ、プロセス制御システムの操作環境105は、本明細書では、プロセス制御システムの「オペレーション」、「オンライン」、「フロントエンド」、または「フィールド」環境105と互換的に呼ばれる。
【0049】
図2Aに例示されるように、構成環境102は、ユーザインターフェースを含むグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を含み、ユーザインターフェースを介して、構成エンジニアまたはユーザは、様々なディスプレイビュー定義または構成112を作成、生成、及び/または編集すると共に、様々なディスプレイビュー要素定義または構成115を作成、生成、及び/または編集し得る。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、図1A及び/または1Bのユーザデバイス8のインスタンス上で実行し得る。各ディスプレイビュー構成112及び各ディスプレイ要素構成115は、例えば、それぞれのオブジェクトとして実装され得る。一般的に言うと、ディスプレイビュー定義112は、1つ以上のディスプレイ要素定義115を含む(他の構成要素の中でも)ように構成され得る。典型的には、ディスプレイビュー定義112は、操作環境105において、特定の制御モジュール、デバイス、または制御オブジェクトと関連付けられたランタイムデータは、例えば、連続的または繰り返しの更新様式で、実行中のディスプレイビュー上のリンクされたディスプレイ要素を介して表され得るために、特定の制御モジュール、デバイス、または他のタイプの制御オブジェクトにリンクされる少なくとも1つのディスプレイ要素(例えば、グラフィカル要素)を含むように構成される。特定の制御モジュール、デバイス、または制御オブジェクトは、典型的には、制御構成データベース118内で定義され(例えば、その構成が制御構成データベース118内に記憶される)、例えば、指定されたコントロールタグまたは他の適切な表示器によってディスプレイビュー定義112内で表され得る。図2Aに示されるように、ディスプレイビュー関連定義または構成112、115は、グラフィカルディスプレイ関連構成112、115が、操作環境105内でのダウンロード及び実行のために利用可能であり、それによって、オペレータまたはユーザが操作環境105内のプロセスの様々なステータス及び状況を監視、観察、かつそれらに反応することを可能にするために、集中グラフィカル構成データベースまたはライブラリ120内に記憶される。グラフィカル構成データベース120及び制御構成データベース118が、プロセス制御システム10の構成環境102内の別個のデータベースであるように図2Aに例示されるが、いくつかの実装において、構成データベース120、118の少なくとも一部分または全体が、一元のデータベースまたはライブラリとして一体的に実装されてもよいことに留意されたい。
【0050】
少なくとも、図2Aにおいて、ディスプレイビュー構成112は、ディスプレイビュー112上に含められるそれぞれのディスプレイビュー要素115と関連付けられるかまた
は結合される1つ以上の制御オブジェクト118を指定するように定義され得、その後、ディスプレイビュー要素115及びそれぞれそれらに結合された制御オブジェクト118の定義は、インスタンス化され、プロセスプラント10の操作環境105内に含められる1つ以上の異なるオペレータワークステーションまたはユーザインターフェースデバイス122に提供される(例えば、ダウンロードされる)。一例において、ユーザインターフェースデバイスまたはワークステーション122は、図1Bのユーザインターフェースデバイス8の形態をとる。ユーザインターフェースデバイス122で実行中のインスタンス化されたディスプレイビュー112は、プロセスと関連付けられたコントローラ及びフィールドデバイス内で実行され得る制御モジュールランタイム環境125と通信して、データまたは他の情報を、制御モジュールランタイム環境125から、例えば、ディスプレイビュー112の結合された制御オブジェクト118によって定義される際に、アクセスまたはそうでなければ取得する。ユーザインターフェースデバイス122は、図1Aのデータハイウェイ5及び/または無線通信ネットワーク70等の、所望されるかまたは予備構成された任意の通信ネットワークを使用して制御モジュールランタイム環境125と通信し得る。
【0051】
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェースデバイス122は、ダウンロードスクリプトパーサ128を使用して、ダウンロードされたディスプレイビュー構成112の少なくともいくつかをその実行中(例えば、オブジェクトコード変換を実施しているそのとき)に構文解析するが、ユーザインターフェースデバイス122によるダウンロードスクリプトパーサ128の使用は、例えば、ダウンロードされたディスプレイビュー構成112が任意のスクリプトを含まないとき、必要ではないかまたは要求されない。
【0052】
いくつかの実施形態において、ユーザインターフェースデバイス122は、ルールベースの実行エンジン130を使用して、ディスプレイビュー要素オブジェクト115のうちの1つ以上がスマートプロセスオブジェクトであるとき等に、ディスプレイビュー要素オブジェクト115及び/またはディスプレイビューオブジェクト112によって示されるかまたはそれらに結合される、プロセスフローアルゴリズムまたは他のルールベースの手順(例えば、プロセスフローランタイム環境132によって提供される)を実行する。一般的に言うと、スマートプロセスオブジェクトは、プロセスプラント10内の他の実体に属し、かつそれらから受信されるデータを記憶するためのデータストレージと、例えば、プラントまたはデバイス状況を検出するために、記憶及び受信されたデータに対して実行され得る他のスマートプロセスオブジェクト及び方法と通信するための入力及び出力と、を含むように定義または構成される。いくつかの構成において、スマートプロセスオブジェクトは、エリア、デバイス、要素、モジュール等のプラント実体のためのディスプレイビューを提供し、かつプラント実体のためのルールのセットを実装するプロセスフローモジュールを作成するために共に通信可能に接続され、プロセスフローモジュールは、例えば、実行エンジン130を使用することによって、プロセスフローランタイム環境132によってランタイム内で実行される。ユーザインターフェース122による実行エンジン130の使用が、例えば、ダウンロードされたディスプレイビュー構成112がいかなるスマートプロセスオブジェクトを含まないとき、必要ではないかまたは要求されないことに留意されたい。本明細書に論じられたもの以外の操作環境105内でディスプレイビュー及びディスプレイビュー要素をランタイム制御オブジェクトと統合する他の方法が、加えてまたはあるいは考えられ、グラフィカルディスプレイ構成及び使用システム100によって利用され得ることにさらに留意されたい。論述の簡素化のために、操作環境105のユーザインターフェースデバイス122を実行するかまたはそれに対して提供されるインスタンス化されたディスプレイビューは、本明細書では、オペレータまたはオペレーションアプリケーション135と概して呼ばれる。
【0053】
図2Bは、図2Aのグラフィカルディスプレイ構成及び使用システム100内に含めら
れるグラフィカル構成ライブラリ120の一実施形態の詳細ブロック図を図示する。図2Bに例示されるように、グラフィカル構成ライブラリ120は、ディスプレイビュー定義または構成112及びディスプレイビュー要素定義または構成115の両方を記憶する。各定義または構成112、115は、それらと関連付けられた、ライブラリ120内に記憶される発行されたバージョン及び任意に1つ以上のドラフトバージョン(本明細書では、「進行中」または「作業中」バージョンと互換的に呼ばれる)を有し得る。図2Bに示されるように、ビュー1は、グラフィカル構成データベース120内に記憶された2つの対応するドラフト構成及び1つの対応する発行された構成を有する。加えて、グラフィカル構成データベース120は、ビュー2について1つのドラフト構成及び2つの発行された構成を記憶し、ビュー3について1つの発行された構成を記憶し、かつドラフト構成を記憶せず、ビューNについてm個のドラフト構成及び1つの発行された構成を記憶するように示される。一般的に言うと、発行された構成または定義のみがグラフィカル構成ライブラリ120または構成環境102内の他の場所から操作環境105内にダウンロードされることを可能にされるかまたは許容される。ドラフト構成または定義は、いくつかの実施形態において、構成環境102内に単独で維持、記憶、及び編集され得る。ドラフト構成または定義が構成環境102内に記憶された場合、ドラフトは、操作環境105内にダウンロードされることを阻止される。構成エンジニアがドラフトディスプレイ関連構成または定義112、115に満足したとき、エンジニアは、それがランタイムプロセスプラント10内でのダウンロード及び実行のために利用可能になるために、ディスプレイ関連構成または定義112、115を明示的に発行し得る(例えば、その状態を「発行済み」に変更する)。いくつかの実施形態において、単一のユーザコントロールが、発行及び発行後に続くダウンロードの両方を実装し得る。他の実施形態において、発行ユーザコントロールまたはコマンド及びダウンロードユーザコントロールまたはコマンドは、構成アプリケーション110によって提供される、異なるかつ別個のユーザコントロールである。
【0054】
このように、複数の構成エンジニアは、例えば、ビューNのm個のドラフト構成及びビューNの発行された構成によって例示されるように、対象の構成のランタイム操作に影響を与えずにグラフィカル構成及び定義を作成、修正、及び試験することができる(いくつかのシナリオにおいて同時に)。加えて、同一ディスプレイビューの異なるバージョンが、例えば、同一ディスプレイビューが、例えば、ビュー2の2つの発行によって例示されるように、プラントの異なるエリアにダウンロードされるオペレータカスタマイズの異なる組み合わせを有するように構成されるとき、ランタイム操作のために発行され、かつ利用可能になり得る。(当然ながら、グラフィカル構成システム100は、構成エンジニアが、同一ビューの異なる発行の代わりに別個のビューとしてビュー2の異なる発行を名称変更することを、そのように所望される場合に、可能にする。)いくつかの実施形態において、発行されたディスプレイビュー及び発行されたディスプレイビュー要素の少なくともいくつかは、そのまま利用可能であり、つまり、少なくともいくつかの発行されたディスプレイビュー及び発行されたディスプレイビュー要素は、ライブラリ120内の初期設定として提供される。かかる初期設定ビュー及び要素は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション10を使用して構成エンジニアによって編集または修正され得、修正されたビューまたは要素は、初期設定オブジェクト112、115の追加または代替の発行されたバージョンとして発行され得る。
【0055】
特定のディスプレイビュー構成が、他の構成要素の中でも、1つ以上のディスプレイビュー要素構成を含む(例えば、引用する、指定する、または参照する)ように、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介して構成エンジニアまたはユーザによって、定義され得る。同様に、いくつかの事例において、特定のディスプレイビュー要素構成は、1つ以上の他のディスプレイビュー要素を含む(例えば、引用する、指定する、または参照する)ように定義され得る。注目すべきことに、様々なディスプレイ関連構成または定義(ディスプレイビュー及び/またはディスプレイビュー要素にかかわ
らず)は、改訂構成を作成及び/またはダウンロードする必要なく、かつディスプレイビューが実行中のユーザインターフェースデバイスが別のコンピューティングデバイスから(例えば、構成環境102内に含められるコンピューティングデバイスもしくはデータベースから、または構成データもしくはそのコピーをローカルに記憶する操作環境102内に含められるコンピューティングデバイスもしくはデータベースから)修正を示す追加の構成データを取得する必要なく、オペレータが所望するようにランタイム中に対応するディスプレイビューまたはディスプレイビュー要素の外観を修正するために、オペレータのために利用可能にされるオペレータが選択可能なカスタマイズ化のセットをそれぞれ定義し得る。加えて、いくつかの実施形態において、特定のディスプレイビュー構成はまた、そこに参照される他のディスプレイビュー要素に加えて1つ以上のグローバル変数またはスクリプトも含み得る。
【0056】
例示のために、図2Cは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって提供されるキャンバス上でユーザによって構成されているディスプレイビュー150の一例のスナップショットを図示する。この点において、その構成中に、ディスプレイビュー150は、数個のディスプレイビュー要素152a~168aを含むものとして定義されている。具体的には、ディスプレイビュー150は、4つのタブ152a-1、152a-2、152a-3、及び152a-4を含むタブ付きディスプレイ要素を含み、タブ152a-1は、入力フロー接続158a及び出力フロー接続160aを含むタンク155aのグラフィックを含む。加えて、タンクグラフィック155aは、タンク内の液体レベルが表される塗りつぶしアニメーションを含む。ディスプレイビュー150の提示は、そこに含められる1つ以上のユーザコントロール、例えば、オペレータによって自身のワークステーションまたはユーザインターフェース8でのカスタマイズ化のために操作されることができる、言語ユーザコントロール165a及びテーマユーザコントロール168aによって少なくとも部分的に影響され得る。加えてまたはあるいは、1つ以上の同様のユーザコントロール165a、168aは、ワークステーション8(図2Cに図示せず)でディスプレイビュー150を実行しているオペレータアプリケーション135を介してワークステーションまたはユーザインターフェース8に提供され得る。
【0057】
ディスプレイビュー150の一例の構成は、図2Cにおいてドラフト、作業中、または進行中の構成オブジェクト172a(またはそうでなければ発行されていない)である、対応するディスプレイビューオブジェクト172a内で捕捉または定義される。同様に、ディスプレイビュー152a~168aの各々の構成は、1つ以上のそれぞれのディスプレイビュー要素オブジェクト152b~170b内で捕捉または定義される(これらの各々は、図2Cによって例示される時点において、個々に、またはディスプレイビュー150を含む全体としてのいずれか一方で、それぞれ発行されてもよく、発行されなくてもよい)。例えば、タブ152a-1、152a-2、152a-3、及び152a-4は、グラフィカルタブディスプレイ要素152aによって定義され、それ自体がタブオブジェクト152bのインスタンスによって定義され、各タブオブジェクトインスタンスは、例えば、そのそれぞれのタブ152a-1、152a-2、152a-3、及び152a-4上に異なる文字列を表示し、かつ他のディスプレイ特性及びプロパティをそこに含むように具体的に構成されている(図示せず)。いくつかの実施形態において、各タブ152a-1、152a-2、152a-3、及び152a-4は、ライブデータに応答してその外観(例えば、表示器、背景色、テキスト色、アニメーション等)を変更するようにそれぞれ構成され得、それによって、プロセスプラント10の操作環境105内の1つ以上の制御要素にリンクされ得る。タンクグラフィック155aは、タンクオブジェクト155bのインスタンスによって定義され、タンクオブジェクトインスタンスは、特定のコントロールタグLT123と関連付けられるように具体的に構成されている。加えて、塗りつぶしアニメーション162aは、塗りつぶしアニメーションが底から頂部までの塗りつぶしであることを指定する塗りつぶしアニメーションオブジェクト162bのインスタン
スによって定義されている。さらに、塗りつぶしアニメーション162aの色は、青、赤、白、及び緑の色の間でオペレータが選択可能であるように塗りつぶし色オブジェクト170bのインスタンスによって定義される。例えば、塗りつぶし色は、個々に選択可能であってもよく、または塗りつぶし色を定義する特定のテーマをオペレータが選択することによって選択可能であってもよい。
【0058】
さらに、図2Cに示されるように、グラフィカルオブジェクトインスタンスの構成は、他のグラフィカルオブジェクト及び/またはオブジェクトインスタンスを使用して定義され得る。例えば、タブ152a-1を定義するタブオブジェクト152bのインスタンスは、そこにタンクグラフィック155a(特に、コントロールタグLT123のその中の説明を含む)を定義するタンクグラフィックオブジェクト155bのインスタンスを含むように定義される。同様に、タンクグラフィック155aを定義するタンクグラフィックオブジェクト155bのインスタンスは、塗りつぶしアニメーション162aのための塗りつぶしアニメーションオブジェクト162bのインスタンスを含むようにそれ自体が定義され、塗りつぶしアニメーションオブジェクト162bのインスタンスは、本例において底から頂部までの塗りつぶしアニメーションであるように具体的に構成されている。さらに、塗りつぶしアニメーション162aを定義する塗りつぶしアニメーションオブジェクト162bのインスタンスは、塗りつぶし色オブジェクト170bのインスタンスを含むようにそれ自体が定義され、塗りつぶし色オブジェクト170bは、その中でオペレータが選択可能な塗りつぶし色(例えば、青、赤、白、及び緑)の選択を定義し、その相互排他的な選択及び適用を追加的に定義する。
【0059】
一般的に言うと、第1のグラフィカル要素オブジェクトは、第2のグラフィカル要素オブジェクトを引用する(例えば、指定する、参照する等)ように定義または構成され得、第2のグラフィカル要素オブジェクトの構成は、第1のグラフィカル要素オブジェクトの外観及び/または挙動を定義する。いくつかの実施形態において、第1のグラフィカル要素オブジェクトの構成または定義は、所望される場合、1つ以上のオブジェクトプロパティ値及び/またはスクリプトを追加的に含み得る。第1のグラフィカル要素オブジェクト及び第2のグラフィカル要素オブジェクトは、独立かつ別個のオブジェクトである。つまり、第1のグラフィカル要素オブジェクト及び第2のグラフィカル要素オブジェクトは、同一オブジェクトクラス内に含まれず、互いから派生するものではなく、親/子オブジェクト関係によって関連されるもの等ではない。実際に、第2のグラフィカル要素オブジェクトは、別のグラフィカル要素オブジェクトによって参照され、かつ適切に構成されて、それによって、別のグラフィカル要素オブジェクトの外観及び/または挙動を定義し得る。
【0060】
いくつかのシナリオにおいて、第2のグラフィカル要素オブジェクト自体は、第3のグラフィカル要素オブジェクトを参照し得、第3のグラフィカル要素オブジェクトの構成は、第2のグラフィカル要素オブジェクトの外観及び/または挙動を定義する。所望される場合、第2のグラフィカル要素オブジェクトの構成は、1つ以上のオブジェクトプロパティ値及び/またはスクリプトを追加的に含み得る。
【0061】
少なくとも、図2Cに戻ると、ビュー150を定義するディスプレイビューオブジェクト172aのインスタンスは、そこに1つ以上のユーザコントロール165a、168aを表示するように構成され得る。(上記のように、いくつかの実施形態において、ユーザコントロール165a、168aのうちの1つ以上は、操作環境105内のユーザインターフェース8で、構成されたディスプレイビューオブジェクト172aを実行するオペレータアプリケーション135によって提供され得、これは、図2Cに図示されない。)少なくとも、ディスプレイビューオブジェクト172aによって及び/またはオペレータアプリケーション135によって提供されたかどうかにかかわらず、ユーザコントロール1
65a、168aの各々は、そのそれぞれのオブジェクト165b、168bによって、少なくとも部分的に、定義され得る。特に、図2Cに例示されるように、言語ユーザコントロール165aは、本例において、テキストが英語、アラビア語、またはフランス語のいずれか1つで表されることを可能にするように構成されている、マルチ言語オブジェクト165bのインスタンスによって定義される。このように、ランタイム中、オペレータは、英語、アラビア語、またはフランス語に/からディスプレイビュー150内に現れる言語を選択的に変更するために言語ユーザコンロトロール165aを操作し得る。同様に、テーマユーザコントロール168aは、テーマオブジェクト168bのインスタンスによって定義され、テーマ168bのインスタンスは、本例において、オペレータが、ランタイム中に、テーマ1、テーマ2、及びテーマ3の中からディスプレイビュー150のテーマを選択的に変更することを可能にするように定義されている。このように、ランタイム中、オペレータは、テーマ1、テーマ2、及びテーマ3の中からディスプレイビュー150内に現れるテーマを変更するためにオペレータアプリケーション135上のテーマユーザコントロール168aを操作し得る。言語及びテーマの各々は、例えば、本開示のいずれかの場所に説明された様式で、グラフィカル構成データベース120内のいずれかの場所で定義され得る。
【0062】
さらに、ディスプレイビュー150は、様々な他のディスプレイビュー要素115内に含められることができてもよい。例えば、特定のレイアウト1(例えば、これは、レイアウトオブジェクトの特定のインスタンスとして構成され得る)は、例えば、ディスプレイビュー150の構成172aをレイアウト1の第1のエリアを定義するグラフィカルオブジェクトにリンクすることによって、第1のエリア内にディスプレイビュー150を提示するように定義され得る。別の特定のレイアウト2(例えば、これは、レイアウトオブジェクトの別の特定のインスタンスとして構成され得る)は、例えば、ディスプレイビュー構成170をレイアウト2の第2のエリアを定義するグラフィカルオブジェクトにリンクすることによって、第2のエリア内にディスプレイビュー150を提示するように定義され得る。追加的または代替的実装において、ディスプレイビューオブジェクト172aのインスタンスは、ディスプレイビュー150を含む1つまたは数個のレイアウト(例えば、これは、レイアウトオブジェクトの特定のインスタンスとして構成され得る)を参照し得る。ディスプレイビュー150を含むレイアウトの各々は、ランタイム環境内での実行中にディスプレイビュー150を提示するとき、オペレータに提示されるかまたは提示されないように具体的に構成され得る。言い換えると、ランタイム環境内での実行中に、オペレータアプリケーション135は、ディスプレイビューオブジェクト172aの構成に基づいてレイアウトのうちの1つに従ってディスプレイビュー150を提示し得る。グラフィカルディスプレイ構成システム100によって提供されることができるレイアウトの追加の論述は、本開示のいずれかの場所に提供される。同様に、ディスプレイビュー150は、様々なディスプレイ階層とリンクされ得るかまたはそうでなければ関連付けられ得、グラフィカルディスプレイ構成システム100によって提供されるディスプレイ階層の追加の論述もまた、本開示のいずれかの場所に提供される。
【0063】
FIG.2Cに戻ると、構成エンジニアが、ランタイム環境105内のディスプレイビュー150の内容、外観、及び挙動を定義するディスプレイビューオブジェクト172aに満足したとき、構成エンジニアは、符号172bによって図2Cに表されるようにディスプレイビューオブジェクトを発行し得る。
【0064】
ディスプレイビュー要素オブジェクトが個々に発行されることができる実施形態において、ディスプレイビューオブジェクト172bの発行の際、まだ発行された状態にない任意のディスプレイビュー要素オブジェクト152b~170bが自動的に発行され得る、及び/またはユーザが、まだドラフトまたは進行中状態にあるディスプレイビュー要素オブジェクトを手動で発行するように指示され得る。つまり、かかる実施形態において、発
行されることになるディスプレイビューオブジェクト172aのために、そこに含められるかまたはそれとリンクされる任意のディスプレイ要素もまた、発行された状態でなければならない。
【0065】
ディスプレイビュー要素オブジェクトが個々に発行可能ではない別の実施形態において、ディスプレイビューオブジェクト172bの発行の際、ディスプレイビュー150の発行された構成172bは、グラフィカル構成データベース120内に記憶され、それによって、発行された構成172bを、図2Cに示される等のプロセスプラント10の操作環境105内にダウンロードするために利用可能にする。いくつかの実施形態において、ディスプレイビューオブジェクト172の発行の際、発行された構成172bは、操作環境内に自動的にダウンロードされる。
【0066】
ディスプレイビューオブジェクト172bの発行された構成は、図2CにユーザインターフェースデバイスUI-1、UI-2、UI-3で表されるように、実行のための操作環境内に含められる1つ以上のユーザインターフェースデバイスにダウンロードされ得る。ユーザインターフェースデバイスUI-1、UI-2、UI-3の各々は、例えば、ユーザインターフェースデバイス8またはユーザインターフェースデバイス122の形態をとり、発行されたディスプレイビュー構成172bがダウンロード(及び実行)されることになるユーザインターフェースデバイスの特定のセットは、ユーザによって、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110または構成環境120の別のユーザインターフェースを介して、指定され得る。このように、発行されたディスプレイビュー構成172bの各ダウンロードされたインスタンスは、そのそれぞれのホストユーザインターフェースデバイスUI-1、UI-2、UI-3で、ランタイム環境105内で独立して実行し得る。
【0067】
重要なことに、発行されたディスプレイビュー構成172bは、そのホストデバイスUI-1、UI-2、UI-3で実行しているとき、オペレータまたはユーザがそれぞれの実行中のディスプレイビュー150の外観及び挙動を所望されるようにランタイム環境105内で、かつ他のユーザのランタイムカスタマイズ化から独立してカスタマイズすることを可能にする。図2Cに示されるように、UI-1において、UI-1のユーザは、ディスプレイビュー150上のタンクグラフィック155の塗りつぶしアニメーション162aの色が青になるように変更しており、ディスプレイビュー150上で表示されるテキストがフランス語で提示されるように選択しており、ディスプレイビュー150がテーマ3を使用して提示されることを選択している。UI-2において、ユーザは、塗りつぶしアニメーション162aの色を白になるように変更しており、テキストがアラビア語で提示されるように選択しており、テーマ1を選択している。UI-3において、ユーザは、塗りつぶしアニメーション162aの色を赤になるように変更しており、テキストが英語で表示されるように選択しており、テーマ2を選択している。ユーザインターフェースデバイスUI-1、UI-2、及びUI-3で実装されたユーザ選択及びカスタマイズ化は、それぞれホストデバイスUI-1、UI-2、及びUI-3で実行中のそれぞれの発行されたディスプレイビュー構成172bを使用して単独で有効化される。つまり、オペレータが所望する変更を実装するために、UI-1、UI-2、またはUI-3はどれも、構成環境またはいかなる他のコンピューティングデバイスから追加の構成データを取得することを必要としない。さらに、オペレータが所望する変更を実装するために、ディスプレイビュー150の更新された構成が、ダウンロード及び実行されることを要求されない。むしろ、各オペレータは、自身のそれぞれのユーザインターフェースデバイスUI-1、UI-2、UI-3で、例えば、ディスプレイビュー150を停止及び再起動することを必要とせず、ディスプレイビュー150のランタイム実行に則して所望される変更を実装する。例えば、UI-1のユーザが表示されるテーマをテーマ3からテーマ2に変更することをその後に望む場合、ユーザは、UI-1で実行中のテーマユーザコントロール1
68aを介して選択を単に行うことによってそのようにすることができ(これは、上述されたように、オペレータアプリケーション135またはディスプレイビュー150によって提供され得る)、その実行に応答して、ディスプレイビュー150は、その変更を、例えば、構成環境102内に含められるいかなる他のコンピューティングデバイス及び/または構成データ120またはそのコピーにアクセスすることができるいかなる他のコンピューティングデバイスと通信することを必要とせず、実装することになる。
【0068】
当然ながら、図2Cに図示されたシナリオの一例は、例示であり限定を意図するものではなく、ディスプレイ構成及び使用システム100の多くの考えられる使用シナリオのうちの1つにすぎない。実際に、本開示内で示されるように、グラフィカルディスプレイ構成及び使用システム100は、保守が柔軟、直感的、かつ容易である構成環境102を提供し、一方でディスプレイビュー及び/またはそこに含められるディスプレイ要素の独立のオンラインオペレータカスタマイズ化をサポートする操作体験を同時に提供する。これらの及び他の利益を提供するグラフィカルディスプレイ構成及び使用システム100の様々な特徴及び態様(単独または組み合わせのいずれかにおいて)は、以下により詳細に説明される。
【0069】
ディスプレイナビゲーションの階層
【0070】
ここで図3Aを参照すると、本明細書に説明されるグラフィカルディスプレイ構成及び使用システムならびに方法によって提供されるタイプのディスプレイビュー要素の例は、階層ディスプレイビュー要素及びレイアウトディスプレイビュー要素である。上述のように、プロセス制御システム内のグラフィックスを生成するために、構成環境102内のグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、階層及びレイアウトを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含み、それによって、構成エンジニアが階層及びレイアウトをグラフィカルに定義することを可能にする。各ディスプレイビューは、ディスプレイビューを定義するディスプレイビュー要素からなり得る。例えば、「主タンク」ディスプレイビューは、各々異なるタンクを表す数個のディスプレイビュー要素を含み得る。1つのディスプレイビュー内のディスプレイビュー要素はまた、より高い詳細レベルでの別のディスプレイビューの対象であり得、別のディスプレイビューは、それ自体のディスプレイビュー要素を有する。この様式において、プラントオペレータは、最下位の詳細レベルでプロセスプラントの概観を描写するディスプレイビューから、最高位の詳細レベルのうちの1つでプロセスプラント内の単一のアラームまたはデバイスを描写するディスプレイビューにナビゲートし得る。
【0071】
いくつかの実施形態において、ディスプレイビューは、プロセスプラントの区分を描写し、ディスプレイビュー要素は、タンク、ミキサ、バルブ、ポンプ、及び/またはプロセスプラント内の任意の他の適切な設備等のプロセスプラント実体のグラフィカル表現を含む。ディスプレイビューはまた、設備の1つを別の1つに接続する、パイプ、電気配線、コンベヤベルト等のプロセスプラント接続実体のグラフィカル表現も含み得る。
【0072】
いくつかの実施形態において、構成エンジニアは、特定の詳細レベルのディスプレイビュー内にアラーム、傾向、及び/またはプロセスパラメータ値を定義し得る。いくつかの他の実施形態において、構成エンジニアは、特定の詳細レベルのディスプレイビュー内にアラーム、傾向、及び/またはプロセスパラメータ値の数を定義し得る。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110またはオペレータユーザインターフェースデバイス122上で実行中のオペレータもしくはオペレーションアプリケーション135は、その後、それぞれのアラーム、傾向、及び/またはプロセスパラメータ値の優先レベルに基づいてディスプレイビュー上に含めるアラーム、傾向、及び/またはプロセスパラメータ値を自動的に決定し得る。例えば、構成エンジニアは、5つのプロセスパラメータ値がデ
ィスプレイビュー内の特定の位置で提示されることになることを示し得る。ディスプレイビューに対応するプロセスパラメータ値の各々は、優先レベルに従ってランク付けされ得、上位5つのランク付けプロセスパラメータ値が、ディスプレイビュー内に提示され得る。優先レベルは、構成エンジニア、オペレータによって決定され得るか、または特定のプロセスパラメータ値がアラームをトリガーするか否か等の、ルールのセットに基づいて自動的に決定され得る。
【0073】
プロセスプラントの概観を描写するディスプレイビューからより高い詳細レベルでプロセスプラントの区分を描写するディスプレイビューにナビゲートするためのディスプレイビューの階層を作成するために、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ディスプレイビュー間の関係またはリンクを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、階層を作成するためのユーザインターフェースまたはその一部分を提示し得る。階層UIは、構成環境内で定義されるディスプレイビューの各々の表示を含む。構成エンジニアは、その後、ディスプレイビュー間の関係またはリンクを定義するためにディスプレイビューを階層区画にドラッグアンドドロップし得る(または任意の他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用し得る)。例えば、「タンク1」ディスプレイビューの表示(例えば、名前「タンク1」、アイコン等)を「主タンク」ディスプレイビューの表示上にドラッグアンドドロップすることによって、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、タンク1が「主タンク」ディスプレイビューよりも高い詳細レベルのサブビューであることを決定し得る。別の例において、「タンク供給」ディスプレイビューの表示を階層区画内の「主タンク」ディスプレイビューの表示の上または下にドラッグアンドドロップすることによって、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、「タンク供給」及び「主タンク」ディスプレイビューが、階層内の同一詳細レベルにあることを決定し得る。
【0074】
ディスプレイビュー階層はまた、履歴化されたプロセスパラメータ値を表す傾向ディスプレイビューのために作成され得る。例えば、バルブを通る流量のようなプロセスパラメータは、バルブの入口圧力及びバルブの出口圧力等の、1つまたは数個の入力または出力プロセスパラメータに依存し得る。レベル1の傾向ディスプレイビューは、経時的にバルブを通る流量を描写し得るが、一方でレベル1の傾向ディスプレイビューのレベル2の傾向ディスプレイサブビューは、経時的にバルブでの入口及び出口圧力を描写し得る。構成エンジニアは、構成環境102内の傾向ディスプレイビュー階層を作成し得、オペレータは、詳細レベルを増加または減少させて、操作環境105内の結果として生じる傾向ディスプレイビューとサブビューとの間で操作し得る(例えば、ナビゲーションボタンを介して)。
【0075】
いくつかの実施形態において、ディスプレイビュー階層は、最下位の詳細レベル(例えば、レベル1)でのディスプレイビューがツリー構造のルートノードであるツリー構造に類似し得る。2番目に下位の詳細レベル(例えば、レベル2)でのディスプレイビューは、ルートノードに対する子ノードであり得、各々が、それ自体の子ノードを3番目に下位の詳細レベル(例えば、レベル3)に有し、3番目に下位の詳細レベルは、ルートノードに対する孫ノードであり得る。構成エンジニアは、数個のディスプレイビュー階層を作成し得、数個のディスプレイビュー階層は、プロセスプラント内の異なるエリアまたは異なるプロセスプラントに各々対応し得る。この様式において、各オペレータは、自身が担当するエリアを表すディスプレイビュー階層を閲覧し得る。
【0076】
ディスプレイビュー階層の定義に加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、レイアウトを定義するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。本明細書で使用される際、「レイアウト」は、オペレータワークステーション用のディスプ
レイ画面または複数のディスプレイ画面上で数個のディスプレイビューを提示するためにオペレータワークステーションのディスプレイ画面エリアを分割する様式を示し得る。例えば、オペレータワークステーションは、複数のモニタまたはディスプレイ画面を含み得、レイアウトは、オペレータワークステーションに、ディスプレイ画面の各々に異なるディスプレイビューを提示させ、そのため、オペレータは、数個のディスプレイビューを一度に視認することができる。別の例において、オペレータワークステーションは、単一のモニタまたはディスプレイ画面を含み得、レイアウトは、オペレータワークステーションに、ディスプレイ画面を数個の領域(例えば、フレーム、サブエリア、または部分)に分割させ、ディスプレイ画面の各領域に異なるディスプレイビューを提示させ得る。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、ディスプレイ画面の数及びレイアウトに対する各ディスプレイ画面内のディスプレイ領域を選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含み得る。例えば、構成エンジニアは、2つのディスプレイ画面を有する第1のレイアウトを生成し得、各ディスプレイ画面は、2つのディスプレイ領域に分割される。その後、構成エンジニアは、分割されたディスプレイ領域の各々に対する、視認領域、アラーム領域、履歴化パラメータ、銘板、階層レベル(例えば、レベル1、レベル2、レベル3)等のディスプレイビュータイプを定義し得る。
【0077】
さらに、レイアウトは、レイアウト内のディスプレイ領域間の関係またはリンクを含み得る。例えば、レイアウト内の第1のディスプレイ領域は、階層レベル1のタイプのディスプレイビューを提示し得、レイアウト内の第2のディスプレイ領域は、階層レベル2のタイプのディスプレイビューを提示し得る。第2のディスプレイ領域は、オペレータが第1のディスプレイ領域内の階層レベル1からナビゲートするとき、階層レベル2のディスプレイビューを提示するように構成され得る。第2のディスプレイ領域のディスプレイビューは、第1のディスプレイ領域に対するオペレータの行動に依存し、第1のディスプレイ領域は、階層レベル1のタイプのディスプレイビューを提示することを継続する。別の例において、アラームリストまたは履歴化パラメータディスプレイビューを描写するレイアウト内のディスプレイ領域は、制御モジュールを描写するレイアウト内のディスプレイ領域に依存し得、そのため、アラームリストまたは履歴化パラメータディスプレイビューは、制御モジュール内で表示されているアラームまたはパラメータを含む。
【0078】
図3Aは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302(これは、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110のインスタンスであり得る)の並んだビュー300の一例及びグラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302によって定義されたようにランタイム中にディスプレイビュー要素を描写するオペレータアプリケーションUI304(これは、例えば、オペレータアプリケーション135のインスタンスであり得る)を例示する。より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302は、ディスプレイビューのセットの階層を示す階層区画310を含む。例えば、「タンクOvw」ディスプレイビューは、ディスプレイビュー階層のレベル1にあり得、「タンク供給」及び「主タンク」ディスプレイビューは、レベル2にあり得る。「供給Ht X」及び「供給Mixr」ディスプレイビューは、「タンク供給」ディスプレイビューのサブビューであり得、「タンク1」、「タンク2」、及び「サージ」ディスプレイビューは、レベル3の「主タンク」ディスプレイビューのサブビューであり得る。加えて、「T2SOP」ディスプレイビューは、レベル4の「タンク2」ディスプレイビューのサブビューであり得る。上述のように、構成エンジニアは、ディスプレイビューの表示をグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって提示された階層区画310にドラッグアンドドロップすることによって、または任意の他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用して、ディスプレイビュー階層を定義し得る。新しいディスプレイビューの表示はまた、対応するディスプレイビューが作成される前にディスプレイビュー階層内に定義され得る。構成エンジニアは、新しいディスプレイビューがディスプレイビュー階層内に位置する場所を定義し、その後、新しいディスプレイ
ビューを作成し得る。
【0079】
階層区画310を描写することに加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302は、ディスプレイを4つのディスプレイ画面及び4つのディスプレイ領域314a~d(本明細書では、「ディスプレイサブエリア」または「ディスプレイ部分」とも互換的に呼ばれる)に分割するレイアウト312を描写し、各ディスプレイ領域314a~dは、対応するディスプレイビュータイプを有する。例えば、左上の角のディスプレイ領域314aは、階層レベル1のディスプレイビューを提示するように定義される。左下及び右上の角のディスプレイ領域314b~cは、階層レベル2及びレベル3のディスプレイビューを提示するように定義され、右上の角のディスプレイビュー314dは、アラームリストディスプレイビューを提示するように定義される。レイアウト312はまた、ディスプレイ領域間の関係またはリンクを定義する。例えば、左下の角のディスプレイ領域314bは、オペレータが階層レベル1のディスプレイビューから階層レベル2のディスプレイビューにナビゲートすることに応答して、オペレータ階層レベル2のディスプレイビューを左上の角のディスプレイ領域314aに自動的に提示する。別の例において、右上の角のディスプレイ領域314dは、他のディスプレイ領域314a~c内のディスプレイビューの1つ以上内に含められるアラームのアラームリストを自動的に表示し得る。
【0080】
オペレータアプリケーションUI304は、オペレータワークステーションのディスプレイを4つのディスプレイ画面及び4つのディスプレイ領域318a~dに分割するグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義されたレイアウト312を含む。左上の角のディスプレイ領域318aは、階層レベル1のディスプレイビューを提示する。左下及び右上の角のディスプレイ領域318b~cは、階層レベル2及びレベル3のディスプレイビューを提示し、右上の角のディスプレイビュー318dは、アラームリストディスプレイビューを提示する。オペレータアプリケーションUI304は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義された階層、レイアウト、及び/または他のディスプレイビュー要素に従ってディスプレイビューを提示し得る。
【0081】
グラフィカルディスプレイ構成アプリケーションUI302はまた、階層、レイアウト、及び/またはテーマを特定のオペレータワークステーションまたはオペレータワークステーションのセットに割り当てるための管理区分316(これは、例えば、オペレーションアプリケーション/環境304の管理に関連し得る)も含む。この様式において、プロセスプラントの1つの区分を監視するオペレータ用のオペレータワークステーションは、その区分に関連する階層を提示し得、プロセスプラントの他の区分に関する階層へのアクセスを制限し得る。いくつかの実施形態において、構成エンジニアは、管理区分316を介して全ての階層及びレイアウトを各オペレータワークステーションに割り当て得、オペレータは、自身のそれぞれのオペレータワークステーション上に提示するレイアウト及び階層を選択し得る。
【0082】
図3Bは、オペレータワークステーション上で実行されることになるディスプレイビューを生成するためのグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110のホームタブ350を例示する。ホームタブ350は、ディスプレイビューを作成するための新規ディスプレイボタン352、レイアウトを作成するための新規レイアウトボタン354、及びディスプレイビューの階層を作成するための新規ディスプレイ階層ボタン356を含む。ホームタブ350はまた、ディスプレイビュー内にディスプレイビュー要素を構成するための構成キャンバス366も含む。ディスプレイビュー要素は、構成ボタン(図示せず)の選択に際して構成モード内で、及び/またはプレビューボタン364の選択に際してプレビューモード内で閲覧され得る。代替的実施形態において、ディスプレイビュー要素の
ドラフトまたは作業中構成は、構成アプリケーション110によって提供されたキャンバス上に提示され得(例えば、初期設定で、または連続的に提示される)、プレビューボタン364のみが提示され得(例えば、FIG.3Bによって例示されるように)、これの有効化は、ディスプレイビューのプレビューを、構成アプリケーション110によって提供されたユーザインターフェースの別のエリアまたはウインドウ内に表示させる。プレビューモードまたはプレビューの別個のディスプレイは、それがランタイム中に出現することになる際のディスプレイビューのプレビューを提示し、そのため、構成エンジニアは、ディスプレイビュー及びディスプレイビュー要素がどのようにオペレータに見えることになるかを確認することができる。例えば、ディスプレイビュー要素は、構成モードで選択されたテーマ、色等で提示され得る。構成エンジニアは、ナビゲーションバー、タブバー等のグラフィカルユーザコントロールを、プレビューモードのディスプレイビュー上でトグルによって切り換えて、ディスプレイビューがユーザ対話に応答してどのように変化するかを確認する。
【0083】
ディスプレイビューを作成するために、ホームタブ350は、長方形、正方形、円形等の形状、矢印、コネクタ、テキストボックス、チャート、または任意の他の適切な基本ディスプレイ要素を含む基本ディスプレイ要素ボタン360等の、ディスプレイビュー要素を選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含む。ディスプレイビュー要素選択区画またはパレット370もまた、銘板要素、タブ要素、棒グラフ要素、データ要素、データリンク要素、書き込み要素、ボタンスライダ、アラーム要素、アラーム詳細要素、機能ブロック要素、ナビゲーションバー要素、GEM要素(例えば、開示全体が参照によって本明細書に組み込まれる、2017年8月31日に出願された「Derived and Linked Definitions with Override」と題された共同出願の米国特許出願第15/692,450号に記載されるもの等)、または任意の他の適切なディスプレイビュー要素等のディスプレイビュー要素を選択するために含められ得る。構成エンジニアは、ディスプレイビュー要素を構成キャンバス366内にドラッグアンドドロップすることによって、または任意の他の適切なグラフィカルユーザコントロールを使用することによって、ディスプレイビュー要素を選択し得る。例えば、図3Bにおいて構成エンジニアは、ディスプレイ1(参照番号368)用のディスプレイビューを作成するために新規ディスプレイボタン352を選択し得、基本ディスプレイ要素ボタン360から長方形374を構成キャンバス366内にドラッグアンドドロップし得る。
【0084】
長方形374が選択されたとき、長方形374のプロパティが編集区画380内に提示される。編集区画380は、長方形の名前(長方形1)、塗りつぶし色(白)、塗りつぶしパーセンテージ(100%)、線色(黒)、線太さ(1pt)、線種(実線)等の、長方形の数個のプロパティを示し得る。プロパティの各々は、ドロップダウンメニューまたは自由形式テキストフィールド等のグラフィカルユーザコントロールを介して、編集区画380内で調節され得る。例えば、線太さのプロパティは、0.5pt、1pt、1.5pt等の数個の線太さ値のうちの1つを選択するためのドロップダウンメニューを含み得る。塗りつぶし色のプロパティは、数個の色のうちの1つを選択するための色パレットまたはRGB色値を入力するための自由形式テキストフィールドを含み得る。いくつかの実施形態において、プロパティはまた、長方形374上の右クリックまたはダブルクリックに応答するポップアップメニュー等の、長方形374のグラフィカルユーザコントロールを介して調節されてもよい。編集区画380内に含められるプロパティは、単に長方形374のプロパティの数例である。追加的または代替的な調節可能なプロパティもまた、提示され得る。
【0085】
さらに、ディスプレイビュー要素間の関係またはリンクは、例えば、線または他のコネクタを介してディスプレイビュー要素を接続することによって確立され得る。関係またはリンクはまた、ディスプレイビュー要素のプロパティ内で他のディスプレイビュー要素を
参照することによっても確立され得る。例えば、第1のディスプレイビュー要素は、プロセスプラント内のタンクを表し得る。第2のディスプレイビュー要素は、塗りつぶしパーセンテージ等のタンクのプロセスパラメータ値を表し得る。いくつかのシナリオにおいて、構成エンジニアは、第1及び第2のディスプレイビュー要素が1つまたは数個のディスプレイビュー内に共に関連付けられ、かつ含められるために、第2のディスプレイビュー要素のプロパティ内で第1のディスプレイビュー要素を参照し得る。いくつかの実施形態において、プロセスプラント実体またはプロセス制御要素と関連付けられた、リンクされたディスプレイビュー要素の各々は、制御モジュール、ノード、デバイス(例えば、フィールドデバイス)、ならびに/またはプロセスプラント実体に対応するデバイス、制御モジュール、もしくはノードによって受信及び/もしくは送信される信号を引用するコントロールタグを参照し得る。
【0086】
任意のイベントにおいて、ホームタブ350はまた、グラフィック(ディスプレイビュー、レイアウト、またはディスプレイビュー階層)をグラフィカル構成データベース120に発行する発行ボタン358も含む。発行されたグラフィックスは、その後、オペレータワークステーションのセットに提供され、ランタイム中に対応するオペレータに提示され得る。
【0087】
履歴化されたパラメータを使用したディスプレイ領域の自動入力
【0088】
現在既知のプロセス制御システムでは、プロセスプラント10の操作環境105内で、履歴化されたプロセスパラメータの傾向を閲覧するために、例えば操作環境105のオペレータワークステーションまたはユーザインターフェースデバイス8などで、例えば経時的な特定のプロセスパラメータの値を閲覧するために、銘板は、典型的に、オペレータが、銘板に対応するプロセスパラメータの傾向ディスプレイビューを開くことを可能にする傾向ボタンを含む。しかしながら、傾向ディスプレイビューは、銘板に対応するプロセスパラメータによって制限され得て、オペレータは追加のディスプレイビューを閲覧しながら傾向ディスプレイビューを閲覧することができないことがある。
【0089】
したがって、本明細書で記載するグラフィカルディスプレイ構成及び使用システムならびに方法、より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、レイアウトのディスプレイ領域内のディスプレイビュータイプであり得る傾向ディスプレイビューを含む。いくつかの実施形態では、傾向ディスプレイビューは、1つまたはいくつかのチャートまたはチャートディスプレイビュー要素を含むことができ、所定の期間にわたる異なるプロセスパラメータについての履歴化されたプロセスパラメータ値のグラフィカルビューを各々提示する。
【0090】
図3Aを参照して上述したように、構成環境102内のグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、1つまたはいくつかの分割されたディスプレイ領域の各々に対してディスプレイビュータイプを有するレイアウトを定義するグラフィカルユーザコントロールを含む。さらに、レイアウトは、レイアウト内のディスプレイ領域間の関係またはリンクを含み得る。したがって、構成エンジニアは、傾向ディスプレイビューを提示するためにレイアウト内のディスプレイ領域を定義することができる。さらに、構成エンジニアは、傾向ディスプレイビュー内に履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するプロセスパラメータを予め構成するのではなく、傾向ディスプレイビューと別のディスプレイ領域、例えば関連ディスプレイ領域との間の関係またはリンクを定義することができる。したがって、傾向ディスプレイビューの定義は、傾向ディスプレイビューと関連するディスプレイ領域との間のリンクを、例えば傾向ディスプレイビューオブジェクトのパラメータとして定義する。より具体的には、傾向ディスプレイビューオブジェクトは、関係またはリンクパラメータを含むことができる。構成エンジニアが、構成環境102内のグラフ
ィカルディスプレイ構成アプリケーション110のグラフィカルユーザコントロールを介して傾向ディスプレイビューにリンクするディスプレイ領域を選択するとき、傾向ディスプレイビューオブジェクトは、関連ディスプレイ領域に関係またはリンクパラメータを設定する。
【0091】
このように、操作環境105を実行するとき、対応するオペレータアプリケーション135は、その後、関連ディスプレイ領域のディスプレイビュー内のプロセスパラメータを自動的に識別し得て、傾向ディスプレイビューは、自動的に識別されたプロセスパラメータについての履歴化されたプロセスパラメータ値を提示することができる。オペレータが関連ディスプレイ領域内のディスプレイビューを切り替えるとき(例えば、プロセスプラントの異なる区分にナビゲートするか、またはディスプレイビュー階層内をナビゲートして詳細のより高いまたはより低いレベルを有するビューを表示することによって)、オペレータアプリケーション135は、関連ディスプレイ領域の新しいディスプレイビュー内でプロセスパラメータを自動的に識別し、傾向ディスプレイビューは、自動的に識別されたプロセスパラメータについての履歴化されたプロセスパラメータ値を提示することができる。
【0092】
構成中、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、傾向ディスプレイビューに含まれるプロセスパラメータの閾値または最大数、履歴化されたプロセスパラメータ値の期間(例えば、30秒前、1分前、前日、前月など)、それぞれの傾向ラインを含むかどうかなどを定義するグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。他の実施形態では、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、「オートチャート」を選択するチェックボックスなどのグラフィカルユーザコントロールを含み、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、傾向ディスプレイビューに含まれるプロセスパラメータの数、履歴化されたプロセスパラメータ値の期間、それぞれの傾向ラインを含めるかどうかなどを、初期設定に従って自動的に設定する。初期設定の閾値または最大数は、関連ディスプレイ領域に提示されるディスプレイビューに対する詳細レベルに基づくことができる。例えば、詳細のレベルが増加するにつれて初期設定の閾値数が増加することができ、それにより傾向ディスプレイビューに、詳細のより高いレベルで提示されるプロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、またはプロセスプラントの区分に対するより多くのプロセスパラメータを提示させる。初期設定の閾値または最大数は、オペレータアプリケーション135を実行するユーザインターフェースデバイス8のユーザインターフェースのサイズに基づくこともできる。
【0093】
いずれにしても、傾向ディスプレイビューに対するパラメータが、例えば関連ディスプレイ領域、傾向ディスプレイビューに含まれるプロセスパラメータの閾値または最大数、履歴化されたプロセスパラメータ値に対する期間、それぞれの傾向ラインを含むかどうか、プロセスパラメータに対する優先レベル、優先レベルが調整され得るかどうか、などの操作環境でオペレータアプリケーション135を実行するユーザインターフェースデバイス8にダウンロードされる。その後、ランタイム中に、オペレータアプリケーション135は、関連ディスプレイ領域のディスプレイビュー内でプロセスパラメータを識別し、傾向ディスプレイビュー内で、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義されたプロセスパラメータの数を提示することができる。関連ディスプレイ領域のディスプレイビューは、プロセスパラメータの特定のセットに関連付けられてもよく、かつ/またはディスプレイビュー内の各ディスプレイビュー要素は、1つ以上のプロセスパラメータに関連付けられてもよい。例えば、関連ディスプレイ領域のバルブディスプレイビュー要素は、バルブを通る流量、バルブの入口圧力、バルブの出口圧力などに関連付けられ得る。バルブディスプレイビュー要素は、これらのプロセスパラメータの各々を参照し得て、オペレータアプリケーション135は、バルブディスプレイビュー要素によって参照されるプロセスパラメータを識別することができる。
【0094】
関連ディスプレイ領域のディスプレイビューが、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって定義された閾値または最大数よりも少ないプロセスパラメータを含む場合、傾向ディスプレイビューの一部分を空白のままにしてもよく、または他の履歴化されたプロセスパラメータ値を表示するチャートを、傾向ディスプレイビューを埋めるように展開することができる。関連ディスプレイ領域のディスプレイビューが閾値数より多いプロセスパラメータを含む場合、プロセスパラメータはランク付けされてもよい。最大数に対応する閾値ランキングより上にランク付けされたプロセスパラメータは、傾向ディスプレイビューに含まれてもよい。プロセスパラメータは、任意の好適な方法でランク付けすることができる。例えば、オペレータはプロセスパラメータをランク付けしてもよく、プロセスパラメータがアラームに関連付けられるかどうか、プロセスパラメータが制御モジュールもしくは機能ブロックの入力であるかまたは出力であるかどうかなどに基づいて自動的にランク付けされてもよい。
【0095】
より具体的には、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、構成エンジニアがプロセスパラメータをランク付けするか、構成環境102内のプロセスパラメータの優先レベルを設定するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、構成エンジニアがオペレータが操作環境105におけるプロセスパラメータのランキングまたは優先レベルを調整できるかどうかを選択するグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。オペレータが(グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって決定され、オペレータアプリケーション135に提供される)プロセスパラメータランキングまたは優先レベルを調整できない場合、プロセスパラメータは、自動的にランク付けされたもしくは割り当てられた優先レベルであるか、または、構成エンジニアによってグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110で選択される方法で、ランク付けされたもしくは割り当てられた優先レベルである。オペレータが(グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって決定され、オペレータアプリケーション135に提供される)プロセスパラメータのランキングまたは優先レベルを調整できる場合、オペレータアプリケーション135は、オペレータが操作環境105でプロセスパラメータを再ランク付けするため、または優先レベルを再割り当てするためのグラフィカルユーザコントロールを提示する。プロセスパラメータは、最初に、自動的に、または構成エンジニアの選択に従って決定された初期設定のランキングまたは優先レベルを有することができる。
【0096】
さらに他の実施形態では、傾向ディスプレイビューは、オペレータが傾向ディスプレイビューを入力するためのプロセスパラメータを識別する特定のディスプレイビューまたは制御モジュールを選択するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。
【0097】
したがって、傾向ディスプレイビューを入力するためのプロセスパラメータは、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110及び/またはプロセスパラメータのそれぞれの初期設定優先レベルによって定義された閾値または最大数によって決定される初期設定プロセスパラメータであってもよい。傾向ディスプレイビューを入力するためのプロセスパラメータは、(例えば、プロセスパラメータをランク付けすることによって、または構成環境102内のプロセスパラメータの優先レベルを設定することによって)グラフィカル構成アプリケーション110で構成エンジニアによって選択されてもよい。さらに、傾向ディスプレイビューを入力するためのプロセスパラメータは、(例えば、プロセスパラメータをランク付けすることによって、または操作環境105内のプロセスパラメータの優先レベルを設定することによって)オペレータアプリケーション135でオペレータによって選択されることができる。
【0098】
図4Aは、操作環境105で実行するディスプレイビュー内のプロセスパラメータに対
応する履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するために、オペレータアプリケーション135によって提供されるビュー400の一例を例示する。例示的なビュー400は、オペレータワークステーションの4つのモニタに対応し得る4つのディスプレイ画面上に4つのディスプレイ領域402、404、406、及び408を有するレイアウトを含む。第1のディスプレイ領域402は、異なる階層レベルでプロセスプラントの区分のディスプレイビューを提示する階層レベル1~4のディスプレイビュータイプを有することができる。いくつかの実施形態では、第1のディスプレイ領域402は、ディスプレイビュー階層内をナビゲートするためのナビゲーションバーを含む。第2のディスプレイ領域404は、アラーム、プロセスパラメータ値などの構成可能な視認領域を提示する視認領域ディスプレイビュータイプを有することができる。第3のディスプレイ領域406は、1つまたはいくつかのチャートディスプレイビュー要素を有する傾向ディスプレイビューを提示する履歴化されたパラメータディスプレイビュータイプを有することができる。いくつかの実施形態では、構成エンジニアは、例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介して構成環境102内で、第3のディスプレイ領域406と第1のディスプレイ領域402との間の関係またはリンクをグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110で定義している場合がある。このように、操作環境105内で、第3のディスプレイ領域406内の傾向ディスプレイビューは、その後、第1のディスプレイ領域402内のプロセス区分ディスプレイビューに対応するプロセスパラメータのための履歴化されたプロセスパラメータ値を表すことができる。
【0099】
第3のディスプレイ領域406内の傾向ディスプレイビューは、例えば最大4つのプロセスパラメータのチャートを提示するように定義されることができる。各チャートは、以前に予め定義された分数(例えば、1分、5分、10分など)及びそれぞれの傾向ラインについての履歴化されたプロセスパラメータ値を提示することができる。各チャートは、履歴化されたプロセスパラメータ値に基づいて自動的にスケーリングされ得て、傾向ディスプレイビュー内にチャート用に指定されたディスプレイ領域に適合させることができる。シナリオの一例では、オペレータアプリケーション135は、第1のディスプレイ領域402内のプロセス区分ディスプレイビューに対応するプロセスパラメータの各々を自動的に識別する。いくつかの実施形態では、オペレータアプリケーション135は、履歴データが取得されるプロセスパラメータのサブセットを識別する。いずれにしても、この例では、オペレータアプリケーション135は、タンクVE-100(参照番号410)に対応する1つのパラメータを識別する。プロセスパラメータは、タンクVE-100(参照番号410)の充填率である。その後、オペレータアプリケーション135は、例えば、データヒストリアンデバイスからの閾値時間(例えば、5分)にわたる履歴化された充填率の値を引き出し、履歴化された充填率の値を第3のディスプレイ領域406の傾向ディスプレイビュー内のチャート412で提示する。このチャートは、タンクVE-100(参照番号410)の充填率が5分前に約30%であり、最初の約3分間は一定のままであり、その後、最後の2分間にわたって約70%に増加したことを示している。傾向ディスプレイビューは、閾値時間にわたって最も最近の履歴化されたプロセスパラメータ値を含むように、履歴化されたプロセスパラメータ値を連続的にまたは定期的に(例えば、毎ミリ秒、毎秒、毎分など)更新してもよい。
【0100】
しかしながら、これは、例示を簡素化するための傾向ディスプレイビューの一例に過ぎない。他の実施形態では、オペレータアプリケーション135は、第1のディスプレイ領域402内のディスプレイビュー要素によって表されるプロセス制御要素であるタンクVE-100(参照番号410)及びポンプPU-110に対応するいくつかのプロセスパラメータを識別することができる。第3のディスプレイ領域406内の傾向ディスプレイビューは、識別されたプロセスパラメータの各々について履歴化されたプロセスパラメータ値のチャートを含むことができる。また、いくつかの実施形態では、オペレータは、第1のディスプレイ領域402と対話することによって、プロセスプラントの操作環境にお
けるプロセスパラメータ値を調整することができる。例えば、第1のディスプレイ領域402は、オペレータがランタイム中にタンクVE-100(参照番号410)の充填率を増加または低減するためのユーザコントロールを含むことができる。このようにして、オペレータは、傾向ディスプレイビュー内の履歴化された充填率の値を示すチャート412を監視することができる。オペレータが例えばチャート412に従って急速に充填しているタンクを見たとき、オペレータアプリケーション135でユーザコントロールを介してタンク充填率を減少させることができる。
【0101】
オペレータが(例えば、ナビゲーションバーを介して)第1のディスプレイ領域内の異なるディスプレイビューにナビゲートすると、オペレータアプリケーション135は、新しいディスプレイビューに対応するプロセスパラメータを識別することができる。第3のディスプレイ領域406内の傾向ディスプレイビューは、新しいディスプレイビューに対応するプロセスパラメータのための、履歴化されたプロセスパラメータ値のチャートを提示することができる。
【0102】
いくつかの実施形態では、オペレータアプリケーション135は、制御モジュールディスプレイビュー内の機能ブロックディスプレイビュー要素またはプロセス区分ディスプレイビュー内のプロセスプラント実態のディスプレイビュー要素などの(例えば、ディスプレイビュー要素に対するそれぞれのディスプレイビュー関連定義または構成112、115からの)関連ディスプレイ領域のディスプレイビュー内でプロセス制御要素を表す特定のディスプレイビュー要素に対するプロセスパラメータを自動的に識別する。対応する履歴化されたプロセスパラメータ値がディスプレイビュー内に提示されることになる特定のプロセス制御要素は、操作環境105内でオペレータアプリケーション135によって提供されるグラフィカルユーザコントロールを介して、オペレータによって選択されてもよく、または、構成環境102内でグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110を介して、ディスプレイビューと関連付けられるように予め構成されてもよい。例えば、構成エンジニアは、対応する履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するために、ディスプレイビュー内にプロセス制御要素を定義することができる。
【0103】
図4Aの傾向ディスプレイビューがレイアウトのディスプレイ領域406内に例示される一方、傾向ディスプレイビューは、別のディスプレイビュー内のディスプレイビュー要素であってもよい。例えば、傾向ディスプレイビューは、第1のディスプレイ領域402内のプロセス区分ディスプレイビュー内に含まれてもよい。さらに、レイアウトは、異なるディスプレイ領域で複数の傾向ディスプレイビュー及び/または傾向ディスプレイビューの任意の好適な組み合わせを含むことができ、傾向ディスプレイビュー要素は、レイアウトで他のディスプレイビュー内に含まれ得る。
【0104】
図4Bは、履歴化されたプロセスパラメータ値のディスプレイを構成する方法430の一例の流れ図を例示する。方法430は、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110、オペレータアプリケーション135、または1つ以上のUIデバイス8上で動作するものの任意の適切な組み合わせによって実施され得る。
【0105】
ブロック432において、プロセス制御システム内に傾向ディスプレイビューを提示するために、ディスプレイビューのレイアウト内の第1のディスプレイ領域の選択が受信され得る。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、1つまたはいくつかの分割されたディスプレイ領域の各々に対してディスプレイビュータイプを有するレイアウトを定義するグラフィカルユーザコントロールを含み得る。さらに、レイアウトは、レイアウト内のディスプレイ領域間の関係またはリンクを含み得る。構成エンジニアは、傾向ディスプレイビューを提示するためにレイアウト内のディスプレイ領域を定義することができる。
【0106】
その後、ブロック434において、構成エンジニアは、レイアウト内の第2のディスプレイ領域を選択することができ、第2のディスプレイ領域は、傾向ディスプレイビューと関連するプロセスパラメータを有するディスプレイビューを含む。より具体的には、第2のディスプレイ領域は、物理的または論理的要素などのプロセス制御要素を表すディスプレイビュー要素を含むプロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、またはプロセスプラントの区分のグラフィカル表現を提示する。例えば、構成エンジニアは、傾向ディスプレイビュー内に履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するプロセスパラメータを予め構成するのではなく、傾向ディスプレイビューとプロセスパラメータを含むディスプレイビューを有する別のディスプレイ領域との間の関係またはリンクを定義することができる。他の実施形態では、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、傾向ディスプレイビューに関連する初期設定の第2ディスプレイ領域を自動的に選択する。例えば、初期設定の第2のディスプレイ領域は、プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、または区分のグラフィカル表現を提示する任意のディスプレイ領域を含むことができる。
【0107】
したがって、いくつかの実施形態では、その構成で定義されている他のディスプレイ領域(複数可)への関係またはリンクに基づいて、対応するオペレータアプリケーション135は、操作環境105で実行している間、制御タグなどのリンクされたディスプレイ領域(第2のディスプレイ領域)で提示されるプロセス制御要素の各々に対する識別子を取得する。傾向ディスプレイビューは、その後、制御タグを識別子としてデータヒストリアンデバイスに提供することができ、データヒストリアンデバイスは、次に、各制御タグに対応する履歴化されたプロセスパラメータ値のセットを引き出す。リンクされたディスプレイ領域内のディスプレイビューが変化するとき、オペレータアプリケーション135は、リンクされたディスプレイ領域内の新しいディスプレイビューに提示されているプロセス制御要素の各々に対する識別子を取得する。また、いくつかの実施形態では、構成エンジニアは、履歴化されたプロセスパラメータ値のセットに対する期間(例えば、30秒前、一分前、一時間前、前日、前月、など)を選択することができ、選択された期間または初期設定の期間が、選択されたまたは初期設定の期間の間、履歴化されたプロセスパラメータ値を引き出すためにデータヒストリアンデバイスに提供される。
【0108】
ブロック436で、構成エンジニアは、傾向ディスプレイビューに含まれるプロセスパラメータの閾値または最大数を選択することができる。例えば、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、デフォルトの閾値数(例えば、2)と、異なる閾値数を選択するためのユーザコントロールとを含むことができる。いくつかの実施形態では、デフォルトの閾値数は、オペレータアプリケーション135を実行するユーザインターフェースデバイス8のユーザインターフェースのサイズに基づいてもよく、または構成エンジニアは、グラフィカルユーザコントロールを介して、ユーザインターフェースのサイズに基づいているプロセスパラメータの閾値または最大数を選択することができる。したがって、デフォルトの閾値数は、必ずしも一定ではなく、ユーザインターフェースデバイス8の画面サイズに基づいて変化し得る。またはいくつかの実施形態では、初期設定の閾値数は、リンクされたディスプレイ領域に提示されるディスプレイビューに対する詳細レベルに基づくことができる。例えば、詳細のレベルが増加するにつれて初期設定の閾値数が増加することができ、それにより傾向ディスプレイビューに、詳細のより高いレベルで提示されるプロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、またはプロセスプラントの区分に対するより多くのプロセスパラメータを提示させる。いずれにしても、例えば構成エンジニアが閾値数4を選択した場合、傾向ディスプレイビューは、第2のディスプレイ領域に含まれる最大4つのプロセスパラメータに対する履歴化されたプロセスパラメータ値の表示を提示することができる。より具体的には、指標は、各プロセスパラメータの傾向ラインを有するチャートのような、履歴化されたプロセスパラメータ値のグラフィカル
表示であってもよい。この例では、傾向ディスプレイビューは、最大4つのプロセスパラメータについて経時的に履歴化されたプロセスパラメータ値を提示する最大4つのチャートを含み得る。他の実施形態では、閾値数が存在しなくてもよいし、初期設定の閾値数が、第2のディスプレイ領域に提示されるプロセスパラメータの各々について、履歴化されたプロセスパラメータ値の表示が含まれることを確実にするように十分に大きくてもよい。
【0109】
いずれにしても、リンクされた第1及び第2のディスプレイ領域を含む結果として得られるディスプレイビューは、その後、例えば、プロセスプラントの操作環境105内のオペレーティングアプリケーション135のインスタンスとして、実行のためにユーザインターフェースデバイスにダウンロードされる(ブロック438)。第1のディスプレイ領域は、傾向ディスプレイビューを含み、第2のディスプレイ領域は、プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、または区分のグラフィカル表現を提示する。このようにして、オペレータは、ランタイム及び同じディスプレイ内の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の間に、異なる制御モジュール、機能ブロック、またはプロセスプラントの区分を閲覧することができる。いくつかの実施形態では、オペレータがリアルタイムで傾向を閲覧できるように、傾向ディスプレイビューは、連続的または定期的に(例えば、毎ミリ秒、毎秒、毎分など)更新された履歴化されたパラメータ値を引き出して表示する。
【0110】
傾向ディスプレイビューを生成することに加えて、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、プロセスパラメータに優先レベルを割り当てることができる。その後、特定のディスプレイ領域のプロセスパラメータは、優先レベルに従ってランク付けされ、最大数より上にランク付けされたプロセスパラメータが傾向ディスプレイビューに含まれる。優先レベルは、任意の好適な方法で割り当てられ得る。例えば、構成エンジニアまたはオペレータが、プロセスプラントで各プロセスパラメータに、または特定の制御モジュール、またはプロセスプラントの区分で各プロセスパラメータに対して、レベルに優先度を割り当てることができる。上記のように、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、構成エンジニアがプロセスパラメータをランク付けするか、構成環境102内のプロセスパラメータの優先レベルを設定するためのグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110はまた、構成エンジニアがオペレータが操作環境105におけるプロセスパラメータのランキングまたは優先レベルを調整できるかどうかを選択するグラフィカルユーザコントロールを含むことができる。オペレータが(グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって決定され、オペレータアプリケーション135に提供される)プロセスパラメータランキングまたは優先レベルを調整できない場合、プロセスパラメータは、自動的にランク付けされたもしくは割り当てられた優先レベルであるか、または、構成エンジニアによってグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110で選択される方法で、ランク付けされたもしくは割り当てられた優先レベルである。オペレータが(グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110によって決定され、オペレータアプリケーション135に提供される)プロセスパラメータのランキングまたは優先レベルを調整できる場合、オペレータアプリケーション135は、オペレータが操作環境105でプロセスパラメータを再ランク付けするため、または優先レベルを再割り当てするためのグラフィカルユーザコントロールを提示する。プロセスパラメータは、また、プロセスパラメータがアラームに関連付けられるかどうか、プロセスパラメータが制御モジュールもしくは機能ブロックの入力であるかまたは出力であるかどうかなどに基づいて割り当てられる初期設定の優先レベルを有してもよい。
【0111】
図4Cは、オペレータワークステーションにおいて、履歴化されたプロセスパラメータ値を提示する方法460の一例の流れ図を例示する。方法460は、グラフィカルディス
プレイ構成アプリケーション110、オペレータアプリケーション135、または1つ以上のUIデバイス8上で動作するものの任意の適切な組み合わせによって実施され得る。
【0112】
ブロック461において、プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、または区分のグラフィカル表現が、ディスプレイビューのレイアウト内の第1のディスプレイ領域で提示される。制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分は、プロセス制御要素のセット(例えば、バルブ、タンク、ポンプなど)を含む。例えば、第1のディスプレイ領域は、図4Aに示すように、プロセスプラントの区分のディスプレイビューを提示するディスプレイ領域402と同様であってもよい。
【0113】
ブロック462において、傾向ディスプレイビューは、図4Aに示される傾向ディスプレイビュー406と同様に、ディスプレイビューのレイアウトの第2ディスプレイ領域で提示される。傾向ディスプレイビューは、最大のプロセスパラメータの閾値または最大数に対する履歴化されたプロセスパラメータ値の表示を提示する。より具体的には、指標は、各プロセスパラメータの傾向ラインを有するチャートのような、履歴化されたプロセスパラメータ値のグラフィカル表示であってもよい。いくつかの実施形態において、プロセスパラメータの閾値または最大数は、オペレータアプリケーション135を実行するユーザインターフェースデバイス8のユーザインターフェースのサイズに基づいて決定され得る。他の実施形態では、プロセスパラメータの閾値または最大数は、構成環境102のグラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110で設定される定数である。さらに、オペレータアプリケーション135が第1のディスプレイ領域内のプロセスパラメータを自動的に識別し、傾向ディスプレイビューは自動的に識別されたプロセスパラメータに対する履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するように、傾向ディスプレイビューは第1のディスプレイ領域にリンクされる。
【0114】
いくつかの実施形態では、傾向ディスプレイビューまたはオペレータアプリケーション135は、プロセス制御要素を表現するディスプレイビュー要素のそれぞれのディスプレイビュー関連定義または構成112、115から、第1のディスプレイ領域でディスプレイビュー要素によって表されるプロセス制御要素の各々に対する識別子(例えば、制御タグ)を取得する。オペレータアプリケーション135は、その後、制御タグを識別子としてデータヒストリアンデバイスに提供し、データヒストリアンデバイスは、次に、各制御タグに対応する履歴化されたプロセスパラメータ値のセットを引き出す。また、いくつかの実施形態では、オペレータアプリケーション135は、履歴化されたプロセスパラメータ値のセットに対する期間(例えば、30秒前、一分前、一時間前、前日、前月など)を、提供された期間の間、履歴化されたプロセスパラメータ値を引き出すために、データヒストリアンデバイスに提供する。
【0115】
例えば、第1のディスプレイ領域のディスプレイビューは、プロセスパラメータの特定のセットに関連付けられてもよく、かつ/またはディスプレイビュー内の各ディスプレイビュー要素は、1つ以上のプロセスパラメータに関連付けられてもよい。例えば、第1のディスプレイ領域のバルブディスプレイビュー要素は、バルブを通る流量、バルブの入口圧力、バルブの出口圧力などに対応するプロセスパラメータに関連付けられ得る。バルブディスプレイビュー要素は、これらのプロセスパラメータの各々を参照し得て、オペレータアプリケーション135は、第1のディスプレイ領域への定義された関係またはリンクを介して、バルブディスプレイビュー要素及び/またはプロセスパラメータがバルブディスプレイビュー要素によって参照された。例えば、オペレータアプリケーション135は、第1のディスプレイ領域に含まれるバルブディスプレイビュー要素に基づいてバルブの制御タグを決定し得て、バルブに対する制御タグをデータヒストリアンデバイスに提供し、次に、バルブを通る流量、バルブの入口圧力、バルブの出口圧力などに対する履歴化されたプロセスパラメータ値を、30秒前にわたって提供する。
【0116】
いくつかの実施形態では、グラフィカルディスプレイ構成アプリケーション110は、各ディスプレイビューに対応するプロセスパラメータのセットを識別し、オペレータアプリケーション135は、ランタイム中の特定のディスプレイビューに対応するプロセスパラメータの識別されたセットを引き出す。他の実施形態では、オペレータアプリケーション135は、ディスプレイビュー内のディスプレイビュー要素によって参照される各プロセス制御要素を識別し、各プロセス制御要素の識別子をデータヒストリアンデバイスに提供することによって、ランタイム中のディスプレイビューに対応するプロセスパラメータを取得する。その後、履歴化されたプロセスパラメータ値の各セットは、チャートディスプレイビュー要素などにおける傾向ラインと共に傾向ディスプレイビューに提示されてもよい。
【0117】
上述したように、データヒストリアンデバイスは、データハイウェイを介して提供されるデータの一部または全部を収集して記憶する。いくつかの実施形態において、各デバイスがデータの異なるセットを記憶するいくつかのデータヒストリアンデバイスが含まれる。特定のプロセスパラメータに対する履歴化されたプロセスパラメータ値のセットは、データヒストリアンデバイスのうちの1つに記憶されてもよい。オペレータアプリケーション135は、例えば、対応するプロセス制御要素に対する制御タグを、制御タグと関連付けられるデータを記憶する特定のデータヒストリアンデバイスに提供することによって、履歴化されたプロセスパラメータ値を引き出すことができる。したがって、各制御タグについて、オペレータアプリケーション135は、制御タグに関連付けられたデータを記憶する対応するデータヒストリアンデバイスに対する識別情報をハードコードすることができる。
【0118】
他の実施形態では、データの重複セットが複数のデータヒストリアンデバイスに記憶される。さらに他の実施形態では、データヒストリアンデバイスは、データの異なるセットを記憶し、互いと通信して、特定の制御タグと関連する履歴化されたプロセスパラメータ値を引き出して提供し、かつ/または「ホスト」データヒストリアンデバイスが、データを認識して、特定の制御タグに関連付けられた履歴化されたプロセスパラメータ値を記憶するデータヒストリアンデバイスから引き出す。このようにして、オペレータアプリケーション135は、例えば、対応するプロセス制御要素に関連付けられた制御タグをデータヒストリアンデバイスのいずれかに提供することによって、履歴化されたプロセスパラメータ値を引き出すことができる。オペレータアプリケーション135は、データヒストリアンデバイスを対応する制御タグと関連付ける識別情報をハードコードする必要がない。さらに、データは、オペレーションアプリケーションに対するいずれの変更も必要なく、あるデータヒストリアンデバイスから次のデータヒストリアンデバイスに移行され得るか、または、あるデータヒストリアンデバイスに障害が発生している場合、データが別のデータヒストリアンデバイスから引き出され得る。
【0119】
いずれにしても、ブロック464で、第1のディスプレイ領域で新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求が受信される。例えば、オペレータが(例えば、ナビゲーションバーを介して)第1のディスプレイ領域内の異なるディスプレイビューにナビゲートすることに応答して、要求が受信される。新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分は、第1の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に含まれるプロセス制御要素とは異なり得るプロセス制御要素の新しいセットを含む。オペレータアプリケーション135は、要求の受信に応答して、前述した方法で、新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に含まれるプロセス制御要素の各々に対する識別子を取得する(ブロック466)。プロセス制御要素識別子は、各プロセス制御要素識別子に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値のセットを引き出すために(ブロック470)、データヒストリアンデバイスに提供
される(ブロック468)。その後、傾向ディスプレイビューは、新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応するプロセスパラメータのための、履歴化されたプロセスパラメータ値のチャートを提示する(ブロック472)。
【0120】
いくつかの実施形態では、傾向ディスプレイビューは、プロセスパラメータの閾値または最大数に対応するチャートの最大の閾値または最大数を提示するように構成されてもよい。したがって、識別されたプロセスパラメータはランク付けされてもよく、最大数に対応する閾値ランキングより上にランク付けされたプロセスパラメータは、傾向ディスプレイビューに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、オペレータは、傾向ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータを選択してもよく、かつ/または対応する履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するために第1ディスプレイ領域内のディスプレイビュー要素を選択してもよい。
【0121】
本開示に説明された技術の実施形態は、以下の態様のうちの任意の番号を、単独または組み合わせのいずれかにおいて含み得る。
【0122】
1.プロセスプラント内の履歴化されたプロセスパラメータ値の表示を構成する方法であって、方法は、プロセスプラントの構成環境内のグラフィカル構成アプリケーションを実行するコンピューティングデバイスのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウト及びプロセスプラントの操作環境において提示されることになる傾向ディスプレイビュー内に含まれる、第1のディスプレイ領域の表示を取得することと、グラフィカル構成アプリケーションによって、プロセスプラントの操作環境において、傾向ディスプレイビューが、第2のディスプレイ領域で示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示するように、傾向ディスプレイビューにリンクするディスプレイビューのレイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域を識別することと、グラフィカル構成アプリケーションによって、第1のディスプレイ領域と第2のディスプレイ領域との間のリンクを生成することと、プロセスプラントの操作環境での実行のために、構成環境から、ユーザインターフェースデバイスに、リンクを含む前記構成されたディスプレイビューをダウンロードし、それによりユーザインターフェースデバイスで、第1のディスプレイ領域の傾向ディスプレイビューにおいて、ダウンロードされた構成されたディスプレイビューに含まれるリンクに基づき、第2のディスプレイ領域で示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータのそれぞれの傾向の表示をもたらすことであって、第2のディスプレイ領域で示された1つ以上のプロセス制御要素が、プロセスプラントの制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のうち少なくとも1つを含む、もたらすことと、を含む、方法。
【0123】
2.ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域を識別し、傾向ディスプレイビューと関連付けることが、グラフィカル構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、第2のディスプレイ領域の選択を受信して、傾向ディスプレイビューと関連付けることを含む、態様1による方法。
【0124】
3.グラフィカル構成アプリケーションによって、傾向ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を決定することをさらに含む、態様1または2のいずれか一つによる方法。
【0125】
4.ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を決定することが、グラフィカル構成アプリケーションのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を選択するためのユーザコントロールを提示することと、ユーザコントロールを介して、最大数の選択を受信することと、を含む、態様
1~3のいずれか一つによる方法。
【0126】
5.第2のディスプレイ領域に対応する1つ以上のプロセスパラメータに優先レベルを割り当てることであって、第2のディスプレイ領域に対応する1つ以上のプロセスパラメータが、優先レベル、及び第2のディスプレイ領域に対応するそれぞれのプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値のセットのそれぞれの表示に従ってランク付けされ、最大数より上にランク付けされたものが傾向ディスプレイビューで提示される、割り当てることをさらに含む、態様1~4のいずれか一つによる方法。
【0127】
6.1つ以上のプロセス制御要素を示す第2のディスプレイ領域に対する詳細のレベルが増加するにつれて、傾向ディスプレイビューで提示するプロセスパラメータの最大数が増加する、態様1~5のいずれか一つによる方法。
【0128】
7.1つ以上のプロセスパラメータは、初期設定プロセスパラメータであるか、またはグラフィカル構成アプリケーションもしくはオペレータアプリケーションで選択される、態様1~6のいずれか一つによる方法。
【0129】
8.傾向ディスプレイビューが提示されることになる第1のディスプレイ領域の表示を取得することが、1つ以上のチャートを含む傾向ディスプレイビューが提示されることになる第1のディスプレイ領域の表示を取得することを含み、1つ以上のチャートの各々は、履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットのうちの異なる1つのグラフィカル表示を提示する、態様1~7のいずれか一つによる方法。
【0130】
9.プロセスプラントの操作環境において実行するときに、傾向ディスプレイビューを、第2のディスプレイ領域からリンクに基づいて、第2のディスプレイ領域に示される各プロセス制御要素に対するそれぞれの識別子を取得し、データヒストリアンデバイスを介して、取得された識別子に基づいて、第2のディスプレイ領域で示された1つ以上のプロセス制御要素の履歴化されたプロセスパラメータ値のうち1つ以上のセットを引き出し、引き出された履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットのうち少なくとも1つのそれぞれのグラフィカル表示を傾向ディスプレイビュー上に提示するように構成する、態様1~8のいずれか一つによる方法。
【0131】
10.プロセスプラント内で履歴化されたプロセスパラメータ値を提示する方法であって、方法は、プロセスプラントの操作環境でオペレータアプリケーションを実行するコンピューティングデバイスのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第1のディスプレイ領域でプロセス制御要素の表示を提示することであって、プロセス制御要素の各々が1つ以上のプロセスパラメータに対応する、提示することと、第1のディスプレイ領域と傾向ディスプレイビューを含む第2のディスプレイ領域との間のリンクを取得することであって、リンクが傾向ディスプレイビューがリンクされた第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示することを示す、取得することと、ユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域で傾向ディスプレイビューを提示することであって、傾向ディスプレイビューが、取得されたリンクに基づいて第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、提示することと、を含む、方法。
【0132】
11.第1のディスプレイ領域は、プロセスプラントの第1の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第1のプロセス制御要素の表示を提示し、ユーザ
インターフェースを介して、第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することと、ユーザインターフェースを介して、第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第2のプロセス制御要素の表示を提示することであって、第2のプロセス制御要素の各々が、1つ以上の第2のプロセスパラメータに対応する、提示することと、ユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウト内で第2のディスプレイ領域で傾向ディスプレイビューを提示することであって、傾向ディスプレイビューが、第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上の第2のプロセス制御要素に対応する1つ以上の第2のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、提示することと、をさらに含む、態様10による方法。
【0133】
12.オペレータアプリケーションによって第1のディスプレイ領域からリンクに基づいて、第1のディスプレイ領域に提示されるプロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子を取得することと、プロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子をデータヒストリアンデバイスに提供することと、1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化プロセスパラメータ値の1つ以上のセットをデータヒストリアンデバイスから受信することと、をさらに含む、態様10または態様11のいずれか一つによる方法。
【0134】
13.第1のディスプレイ領域で提示されるプロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子が、第1のディスプレイ領域における新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することに応答して取得される、態様10~12のいずれか一つによる方法。
【0135】
14.ディスプレイビューに提示するプロセスパラメータの最大数を取得することと、ユーザインターフェースを介して、最大でプロセスパラメータの最大数に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む傾向ディスプレイビューを提示することと、をさらに含む、態様10~13のいずれか一つによる方法。
【0136】
15.第1のディスプレイ領域に対応するプロセスパラメータの各々に優先レベルを割り当てることと、それぞれの優先レベルに従ってプロセスパラメータをランク付けすることと、ユーザインターフェースを介して、最大数より上にランク付けされた履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む傾向ディスプレイビューを提示することと、をさらに含む、態様10~14のいずれか一つによる方法。
【0137】
16.データヒストリアンデバイスが、複数のデータヒストリアンデバイスを含み、プロセス制御要素の各々に対する識別子をデータヒストリアンデバイスに提供することが、プロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子を、各プロセス制御要素に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットをコンピューティングデバイスに提供する、複数のデータヒストリアンデバイスの少なくとも1つに提供することを含む、態様10~15のいずれか一つによる方法。
【0138】
17.プロセス制御要素の各々について、複数のデータヒストリアンデバイスが互いに通信して、それぞれのプロセス制御要素に対応する履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットを記憶する複数のデータヒストリアンデバイスのうちのデータヒストリアンデバイスを識別する、態様10~16のいずれか一つによる方法。
【0139】
18.プロセスプラント内で履歴化されたプロセスパラメータ値を提示するシステムであって、システムは、プロセスプラント内に配設された1つ以上のデバイスであって、各
々が物理的機能を実施して工業プロセスを制御する、デバイスと、コンピューティングデバイスであって、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサに連結された非一時的コンピュータ可読媒体と、を含み、オペレータアプリケーションをそこに記憶し、1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、コンピューティングデバイスに、プロセスプラントの操作環境で実行するオペレータアプリケーションのユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第1のディスプレイ領域でプロセス制御要素の表示を提示させ、プロセス制御要素の各々がプロセスプラント内に配設された1つ以上のデバイスに対応し、かつ1つ以上のプロセスパラメータに対応し、第1のディスプレイ領域と傾向ディスプレイビューを含む第2のディスプレイ領域との間のリンクを取得させ、リンクが傾向ディスプレイビューがリンクされた第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を提示することを示し、ユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウトに含まれる第2のディスプレイ領域で傾向ディスプレイビューを提示させ、傾向ディスプレイビューが、取得されたリンクに基づいて第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、コンピューティングデバイスと、を含む、システム。
【0140】
19.オペレータアプリケーションが、コンピューティングデバイスに、さらに、第1のディスプレイ領域からリンクに基づいて、第1のディスプレイ領域に提示されるプロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子を取得させ、プロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子をデータヒストリアンデバイスに提供させ、1つ以上のプロセス制御要素に対応する1つ以上のプロセスパラメータの履歴化プロセスパラメータ値の1つ以上のセットをデータヒストリアンデバイスから受信させる、態様18によるシステム。
【0141】
20.第1のディスプレイ領域で提示されるプロセス制御要素の各々に対するそれぞれの識別子が、第1のディスプレイ領域における新しい制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信することに応答して取得される、態様18または態様19のいずれか一つによるシステム。
【0142】
21.第1のディスプレイ領域が、プロセスプラントの第1の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第1のプロセス制御要素の表示を提示し、オペレータアプリケーションが、コンピューティングデバイスに、さらに、ユーザインターフェースを介して、第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分のグラフィカル表現を提示する要求を受信させ、ユーザインターフェースを介して、第1のディスプレイ領域で第2の制御モジュール、機能ブロック、またはプロセス区分に対応する第2のプロセス制御要素の表示を提示させ、第2のプロセス制御要素の各々が、1つ以上の第2のプロセスパラメータに対応し、ユーザインターフェースを介して、ディスプレイビューのレイアウト内で第2のディスプレイ領域で傾向ディスプレイビューを提示させ、傾向ディスプレイビューが、第1のディスプレイ領域で提示される1つ以上の第2のプロセス制御要素に対応する1つ以上の第2のプロセスパラメータの履歴化されたプロセスパラメータ値の1つ以上のセットの表示を含む、態様18~20のいずれか一つによるシステム。
【0143】
22.第1のディスプレイ領域が、プロセスプラントの操作環境内の1つ以上のデバイスに対応する1つ以上のプロセスパラメータを調整するためのユーザコントロールを含む、態様18~21のいずれか一つによるシステム。
【0144】
加えて、本開示の上記の態様は、単に代表的なものであり、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0145】
以下の追加の検討が、上記の論述に適用される。本明細書全体を通して、任意のデバイスまたはルーチンによって実施されるように説明された作用は、一般的に、機械可読命令に従ってテータを操作または変形するプロセッサの作用またはプロセスを意味する。機械可読命令は、プロセッサに通信可能に連結されたメモリデバイス上に記憶され、かつそこから引き出され得る。つまり、本明細書に説明された方法は、図1Bに例示されたもの等の、コンピュータ可読媒体上(即ち、メモリデバイス上)に記憶された機械可読命令のセットによって具現化され得る。命令は、対応するデバイス(例えば、サーバ、ユーザインターフェースデバイス等)の1つ以上のプロセッサによって実行されたとき、プロセッサに方法を実行させる。命令、ルーチン、モジュール、プロセス、サービス、プログラム、及び/またはアプリケーションがコンピュータ可読メモリまたはコンピュータ可読媒体上で記憶または保存されるように本明細書で言及される場合、「記憶」及び「保存」の単語は、一時的な信号を除外することを意図する。
【0146】
さらに、「オペレータ」、「人員」、「人」、「ユーザ」、「技術者」の用語、及び同様の他の用語は、本明細書に説明されたシステム、装置、及び方法を使用するかそれらと対話し得るプロセスプラント環境内の人を説明するために使用され、これらの用語は、限定であることを意図しない。特定の用語が説明に使用される場合、用語は、プラント人員が従事する従来の活動のために、部分的に、使用されるが、特定の活動に従事し得る人員を限定することを意図しない。
【0147】
加えて、本明細書全体を通して、複数の事例が、構成要素、オペレーション、または単一のインスタンスとして説明された構造を実装し得る。1つ以上の方法の個々のオペレーションが別個のオペレーションとして例示及び説明されるが、個々のオペレーションのうちの1つ以上は、同時に実施されてもよく、オペレーションが例示された順番で実施される必要はない。構成の一例で別個の構成要素として提示された構造及び機能は、組み合わせられた構造または構成要素として実装されてもよい。同様に、単一の構成要素として提示された構造及び機能は、別個の構成要素として実装されてもよい。これら及び他の変形、修正、追加、及び改善は、本明細書の主題の範囲内に収まる。
【0148】
具体的に別途、記述されない限り、「処理する」、「演算する」、「計算する」、「決定する」、「識別する」、「提示する」、「提示させる」、「表示させる」、「表示する」等のような単語を使用する本明細書の論述は、1つ以上のメモリ(例えば、揮発性メモリ、不揮発性メモリ、またはそれらの組み合わせ)、レジスタ、または情報を受信、記憶、送信、または表示する他の機械構成要素内の物理的(例えば、電気的、磁気的、生態的、または光学的)量として表されるデータを操作または変形する機械(例えば、コンピュータ)の作用またはプロセスを意味し得る。
【0149】
ソフトウェア内に実装されるとき、本明細書に説明されたアプリケーション、サービス、及びエンジンのうちのいずれかは、コンピュータまたはプロセッサのRAMまたはROM内の磁気ディスク、レーザディスク、固体メモリデバイス、分子メモリ記憶デバイス、または他の記憶媒体等の、任意の有形の非一時的コンピュータ可読メモリ内に記憶され得る。本明細書に開示されたシステムの一例は、他の構成要素の中でも、ハードウェア上で実行されるソフトウェア及び/またはファームウェアを含むように開示されたが、かかるシステムは、単に例示的なものであり、限定として考慮されるべきではないことが留意されるべきである。例えば、これらのハードウェア、ソフトウェア、及びファームウェア構成要素のいずれかまたは全てが、排他的にハードウェア内に、排他的にソフトウェア内に、またはハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせに具現化され得ることが考えられる。したがって、当業者は、提供された例がかかるシステムを実装するための唯一の方式ではないことを即座に認めるであろう。
【0150】
したがって、本発明が特定の例を参照して説明されたが、これらは、単に例示的なものであり、本発明の限定であることを意図せず、当業者にとって、変更、追加または削除が、本発明の概念及び範囲を逸脱することなく開示された実施形態になされ得ることが明らかであろう。
【0151】
用語が、「本明細書に使用される、「______」という用語は、本明細書では...を意味するように定義される」という文または同様の文を使用して本特許内で明白に定義されない限り、明示的または暗示的のいずれかにおいて、その明白または通常の意味を越えて、その用語の意味を限定する意図は存在せず、かかる用語が本特許のいずれの節(特許請求の範囲の言葉以外)でなされたいずれの記述に基づいた範囲内に限定されるように解釈されるべきではないこともまた理解されるべきである。本特許の最後の特許請求の範囲に記載された任意の用語が本特許において単一の意味と矛盾しない様式で引用される点で、これは、読者を混乱させないために明瞭性のみのためになされ、かかる特許請求の範囲の用語が暗示的またはそうでなければその単一の意味に限定されることを意図しない。最後に、特許請求の範囲の要素が「手段」の単語及び任意の構造の詳述なしの機能を記載することによって定義されない限り、いずれの特許請求の範囲の要素の範囲も、35U.S.C.§112(f)及び/またはpre-AIA35U.S.C.§112、第6節に基づいて解釈されることを意図しない。
【0152】
さらに、上記の文章が多くの異なる実施形態の詳細な説明を明らかにするが、本特許の範囲が、本特許の最後に明らかにされる特許請求の範囲の語によって定義されることが理解されるべきである。詳細な説明は、単に代表的なものとして解釈されるべきであり、全ての考えられる実施形態を説明することは、不可能でないにしても、非現実的であるため、全ての考えられる実施形態を説明するものではない。多くの代替的実施形態が、現在の技術または本特許の出願日の後に開発された技術のいずれかを使用して実装され得るが、これらは、依然として特許請求の範囲の範囲内に収まることになる。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C