(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】媒体排出装置、及び、印刷システム
(51)【国際特許分類】
B65H 33/08 20060101AFI20230719BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20230719BHJP
B65H 29/60 20060101ALI20230719BHJP
B65H 31/24 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
B65H33/08
B41J29/38 201
B65H29/60 B
B65H31/24
(21)【出願番号】P 2018243951
(22)【出願日】2018-12-27
【審査請求日】2021-11-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】高田 淳
【審査官】久米 伸一
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-228401(JP,A)
【文献】特開平05-077999(JP,A)
【文献】特開2000-007210(JP,A)
【文献】特開2015-178254(JP,A)
【文献】特開2002-293472(JP,A)
【文献】特開昭62-191368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 33/08
B65H 31/24
B41J 29/38
B41J 29/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々に媒体が積載される第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、
前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部に仕分け単位の前記媒体が積載された後、前記排出経路を前記第2の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第2の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせ、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段の前記仕切り動作が終了すると、前記第2の媒体積載部に前記仕分け単位の前記媒体の積載が終了するか否かにかかわらず、前記排出経路を前記第1の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御する
ことを特徴とする媒体排出装置。
【請求項2】
媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部において印刷が行われた前記媒体が排出される媒体排出装置と、
前記印刷部及び前記媒体排出装置を制御する制御部と
を備える印刷システムであって、
前記媒体排出装置は、
各々に媒体が積載される第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部に仕分け単位の前記媒体が積載された後、前記排出経路を前記第2の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第2の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせ、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段の前記仕切り動作が終了すると、前記第2の媒体積載部に前記仕分け単位の前記媒体の積載が終了するか否かにかかわらず、前記排出経路を前記第1の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第1の媒体積載部及び前記第2の媒体積載部の各々に積載された複数の前記仕分け単位の前記媒体が所定の順に並ぶように、前記印刷部に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、用紙等の媒体が積載される媒体排出装置、及びこの媒体排出装置を備える印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の排紙装置を備える画像形成装置において、複数の排紙装置のうち連続排紙を行っている排紙装置において積載量が最大積載量に達する前に、排紙を行っていない排紙装置に稼動する準備を開始させる画像形成装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、例えば多数枚の用紙(媒体)を積載可能な用紙排出装置では、用紙が順次積載される用紙積載部が1つしかない場合に用紙積載部が満タンになると、用紙が取り除かれるまで、用紙の排出を行うことができなくなる。そのため、用紙の排出効率が悪いばかりか、用紙を取り出すユーザの負担にもなる。そこで、上述の画像形成装置のように、用紙積載部を複数配置することが考えられる。但し、複数の用紙積載部の各々に積載された用紙は、ユーザの管理上、例えばジョブごとにオフセット動作などの仕切り動作を行うことが望ましい。
【0005】
しかしながら、例えばオフセット動作によって仕切り動作を行う場合、エンドフェンスやオフセットガイドなどを用紙排出方向の前後に移動させる動作が必要となり、この動作中は、用紙の排出を行うことができず、用紙の排出効率が悪化する。
【0006】
本発明の目的は、媒体の排出効率を高めることができるとともに、排出された媒体の管理を容易に行うことができる媒体排出装置及び印刷システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、媒体排出装置は、各々に媒体が積載される第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部と、前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備え、前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、前記制御部は、前記第1の媒体積載部に仕分け単位の前記媒体が積載された後、前記排出経路を前記第2の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第2の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる。
【発明の効果】
【0008】
前記態様によれば、媒体の排出効率を高めることができるとともに、排出された媒体の管理を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】第1実施形態に係る印刷システムを示す構成図である。
【
図2】第1実施形態に係る印刷システムの主要な制御構成を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る印刷システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】第1実施形態に係る用紙排出装置における用紙の積載状態を説明するための図である。
【
図5】第2実施形態に係る印刷システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図6】第2実施形態における残ジョブ解析処理を説明するためのフローチャートである。
【
図7】第2実施形態に係る用紙排出装置における用紙の積載状態を説明するための図である。
【
図8】第3実施形態に係る印刷システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図9】第3実施形態に係る用紙排出装置における用紙の積載状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の第1~第3実施形態に係る用紙排出装置(媒体排出装置の一例)及び印刷システムについて、図面を参照しながら説明する。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1形態に係る印刷システム100を示す構成図である。
【0012】
図2は、印刷システム100の主要な制御構成を示す図である。
図1に示すように、印刷システム100は、給紙装置110と、第1の印刷装置120と、反転装置130と、第2の印刷装置140と、用紙排出装置1とを備える。
【0013】
なお、
図1には、媒体の一例である用紙Pの直進搬送経路R1,R4-1,R5-1、第1の排出経路R6、及び第2の排出経路R7を実線で、循環搬送経路R2を2点鎖線で、反転搬送経路R3,R4-2,R5-2を破線で示す。
【0014】
給紙装置110は、印刷前の用紙Pが積載される給紙台111を有する。図示はしないが、給紙装置110には、給紙台111に積載された複数枚の用紙Pのうち最上位に位置する用紙Pを繰り出して搬送する給紙ローラや、この給紙ローラを駆動するモータ等の供給駆動手段(アクチュエータ)が配置されている。なお、給紙装置110は、第1の印刷装置120と一体に配置されていてもよい。
【0015】
図1に示すように、第1の印刷装置120は、複数の搬送ローラ対121と、印刷部122と、吸着搬送部123と、搬送経路切り替え部124,125と、排紙台126とを有する。また、
図2に示すように、第1の印刷装置120は、制御部127と、記憶部128と、インターフェース部129とを更に有する。
【0016】
搬送ローラ対121は、印刷装置110内に複数対配置され、用紙Pをニップしながら搬送する。
【0017】
印刷部122は、例えば、印刷に用いられる各色分の図示しないラインヘッド型インクジェットヘッドを有し、用紙Pに印刷を行う。なお、印刷部122の印刷方式は、インクジェット印刷方式以外の印刷方式であってもよい。
【0018】
吸着搬送部123は、印刷部122に対向するように配置されている。吸着搬送部123は、用紙Pを吸着しながらベルトによって用紙Pを搬送する。吸着搬送部123は、搬送手段の一例である。
【0019】
一方の搬送経路切り替え部124は、印刷部122によって印刷が行われた用紙Pの搬送経路を、反転装置130へ続く直進搬送経路R1と、排紙台126や反転搬送経路R3へ続く循環搬送経路R2とに切り替える。
【0020】
他方の搬送経路切り替え部125は、用紙Pの循環搬送経路R2を、排紙台126へ続く搬送経路と、反転搬送経路R3へ続く搬送経路とに切り替える。なお、用紙Pは、反転搬送経路R3において表裏が逆転し、再び印刷部122へ搬送される。
【0021】
排紙台126には、用紙排出装置1側へ排出されない用紙Pが積載される。
図2に示す制御部127は、第1の印刷装置120全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit)を有し、印刷部122、吸着搬送部123等の第1の印刷装置120の各部の動作を制御する。なお、後述する第2の印刷装置140の制御部144、用紙排出装置1の制御部51などのうちの少なくとも1つと、制御部127とを兼ねる制御部が配置されていてもよい。
【0022】
記憶部128は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM(Read Only Memory)、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAM(Random Access Memory)などである。
【0023】
インターフェース部129は、印刷システム100の用紙排出装置1、給紙装置110、反転装置130、第2の印刷装置140などや、印刷データを印刷システム100に送信するコンピュータなどとの間で各種情報の授受を行う。
【0024】
図1に示すように、反転装置130は、複数の搬送ローラ対131と、スイッチバックローラ対132とを有する。搬送ローラ対131は、第1の印刷装置120から排出された用紙Pをニップしながら搬送する。反転装置130の図示しない搬送経路切り替え機構は、第1の印刷装置120から排出された用紙Pをそのまま第2の印刷装置140に搬送する直進搬送経路R4-1と、スイッチバックローラ対132によって用紙Pの表裏を逆転させる反転搬送経路R4-2とに搬送経路を切り替える。
【0025】
第2の印刷装置140の構成は、第1の印刷装置120の構成と同様にすることができる。例えば、第2の印刷装置140は、第1の印刷装置120と同様に、複数の搬送ローラ対141と、印刷部142と、吸着搬送部143とを有する。また、
図2に示すように、第2の印刷装置140は、制御部144と、記憶部145と、インターフェース部146とを有する。なお、第2の印刷装置140は、第1の印刷装置120とは異なり、循環搬送経路(搬送経路切り替え部124,125)及び排紙台126を有さないが、第1の印刷装置120と同様に循環搬送経路及び排紙台を有していてもよい。
【0026】
また、印刷システム100は、第1の印刷装置120の印刷部122及び第2の印刷装置140の印刷部142の計2つの印刷部を備えるが、単一の印刷部のみを有していてもよいし、或いは、3つ以上の印刷部を有していてもよい。
【0027】
図1に示すように、用紙排出装置1は、第1の用紙積載部10と、第2の用紙積載部20と、第1の中間装置30と、第2の中間装置40とを備える。また、
図2に示すように、用紙排出装置1は、制御部51と、記憶部52と、インターフェース部53とを備える。
【0028】
なお、用紙排出装置1は、第1の中間装置30及び第2の中間装置40のうち少なくとも一方が省略され、第2の印刷装置140から第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20のうち少なくとも一方に直接的に用紙Pが搬送されてもよい。また、用紙排出装置1は、第1の用紙積載部10、第2の用紙積載部20、第1の中間装置30、及び第2の中間装置40のうち少なくとも2つが一体となっている用紙排出装置であってもよい。
【0029】
図1に示すように、第1の用紙積載部10は、排紙台11と、可動エンドフェンス12と、オフセットガイド13と、上面検知センサ14とを有する。また、
図2に示すように、第1の用紙積載部10は、排紙台昇降駆動部15と、オフセット駆動部16とを更に有する。第1の用紙積載部10は、用紙Pが積載される第1の媒体積載部の一例である。
【0030】
排紙台11には、第1の中間装置30から排出される用紙P、すなわち第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140のうち少なくとも一方において印刷が行われた用紙Pが順次積載される。排紙台11は、排紙台昇降駆動部15の駆動によって昇降する。
【0031】
なお、排紙台11は、用紙Pが積載されるベルトコンベアやローラコンベアなど、すなわち、搬送手段を有する排紙台であってもよい。また、排紙台11は、台車に用紙Pを受け渡すことができるように、台車と同じ高さに下降しても台車と干渉しないための溝などが設けられていてもよい。
【0032】
可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、排紙台11に積載される用紙Pを仕切る仕切り動作を行う仕切り手段の一例である。可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、仕切り動作の一例として、排紙台11における用紙Pの積載位置をオフセットするオフセット動作を行う。但し、仕切り動作は、例えば、用紙Pの間にテープや白紙などの挿入物を挿入したり、用紙Pを折り曲げたり、用紙Pに目印をつけたり、或いは複数枚の用紙Pをステープルによって束ねたりする動作などであってもよく、オフセット動作に限られない。
【0033】
可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13は、オフセット駆動部16の駆動によって、用紙Pの積載位置を排出方向(
図1における左右方向)に移動させる。可動エンドフェンス12には、第1の中間装置30から排出される用紙Pの先端が突き当てられる。オフセットガイド13は、用紙Pの後端をガイドする。
【0034】
上面検知センサ14は、排紙台11における積載面の高さ、すなわち、最上位の用紙Pの高さ(用紙Pが積載されていない状態では排紙台11の上面の高さ)を検知するためのセンサである。上面検知センサ14は、例えば、所望の積載面となる高さに水平に光(
図1に点線で図示)を照射する発光部と、この光を受光する受光部とを有する。後述する制御部51は、上面検知センサ14の発光部によって照射された光が用紙Pによって遮られて上面検知センサ14の受光部が受光しない場合に、排紙台11を例えば用紙P数枚分の高さだけ下降させるように排紙台昇降駆動部15を制御する。
【0035】
排紙台昇降駆動部15は、排紙台11を昇降させる。排紙台昇降駆動部15は、例えばモータ等のアクチュエータである。
【0036】
オフセット駆動部16は、可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13を排出方向(
図1における左右方向)に移動させることによって、用紙Pの積載位置を排出方向の前後に変化させる。オフセット駆動部16は、例えばモータ等のアクチュエータである。
【0037】
第2の用紙積載部20は、第1の用紙積載部10と同様に、排紙台21と、可動エンドフェンス22と、オフセットガイド23と、上面検知センサ24と、排紙台昇降駆動部25と、オフセット駆動部26とを有する。第2の用紙積載部20は、用紙Pが積載される第2の媒体積載部の一例である。
【0038】
第2の用紙積載部20の構成は、第1の用紙積載部10の構成と同様にすることができるため、詳細な説明は省略するが、排紙台21には、第1の中間装置30ではなく第2の中間装置40から排出される用紙Pが積載される。
【0039】
なお、用紙排出装置1は、複数の媒体積載部の一例として、第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20を有するが、第3の用紙積載部(第3の媒体積載部の一例)などを含む3つ以上の媒体積載部を有していてもよい。
【0040】
図1に示すように、第1の中間装置30は、複数の搬送ローラ対31と、スイッチバックローラ対32と、排出経路切り替え部33とを有する。
【0041】
搬送ローラ対31は、第2の印刷装置140から排出された用紙Pをニップしながら搬送する。第1の中間装置30の図示しない搬送経路切り替え機構は、第2の印刷装置140から排出された用紙Pをそのまま排出経路切り替え部33に搬送する直進搬送経路R5-1と、スイッチバックローラ対32によって用紙Pの表裏を逆転させる反転搬送経路R5-2とに搬送経路を切り替える。
【0042】
排出経路切り替え部33は、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)と、第2の用紙積載部20へ続く第2の中間装置40(第2の排出経路R7)とに切り替える。排出経路切り替え部31は、例えばフリッパーである。なお、上述のように、用紙排出装置1が3つ以上の媒体積載部(用紙積載部)を有する場合には、1つ又は複数の排出経路切り替え部が、用紙Pの排出経路を3つ以上の媒体積載部のいずれかに切り替えることになる。
【0043】
第2の中間装置40は、第1の中間装置30の第2の排出経路R7から排出された用紙Pを第2の用紙積載部20へ搬送する。第2の中間装置40は、複数の搬送ローラ対41を有する。搬送ローラ対41は、用紙Pをニップしながら第2の用紙積載部20へ搬送する。
【0044】
なお、第2の中間装置40も第1の中間装置30と同様に用紙Pの表裏を逆転させる反転搬送経路を有していてもよい。或いは、第1の中間装置30の反転搬送経路R5-2が省略されてもよい。
【0045】
図2に示す用紙排出装置1の制御部51は、用紙排出装置1全体の動作を制御する演算処理装置として機能するプロセッサ(例えばCPU)を有し、第1の用紙積載部10、第2の用紙積載部20等の各部の動作を制御する。なお、制御部51は、単一の制御部に限られず、例えば、第1の用紙積載部10を制御する制御部と、第2の用紙積載部20を制御する制御部と、第1の中間装置30(排出経路切り替え部33)を制御する制御部と、第2の中間装置40を制御する制御部とが分離して配置されたものであってもよい。また、第1の印刷装置120の制御部127、第2の印刷装置140の制御部144などのうちの少なくとも1つと、用紙排出装置1の制御部51とを兼ねる制御部が配置されていてもよい。
【0046】
記憶部52は、例えば、所定の制御プログラムが予め記録されている読み出し専用半導体メモリであるROM、プロセッサが各種の制御プログラムを実行する際に必要に応じて作業用記憶領域として使用される随時書き込み読み出し可能な半導体メモリであるRAMなどである。
【0047】
インターフェース部53は、印刷システム100の第1の印刷装置120、第2の印刷装置140などや、印刷データを印刷システム100に送信するコンピュータなどとの間で各種情報の授受を行う。
【0048】
なお、用紙排出装置1は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140のうち少なくとも一方において印刷された用紙Pが積載されるのではなく、用紙Pに印刷以外の処理を行う処理装置や、用紙Pを搬送する搬送装置から排出される用紙Pが積載されてもよい。
【0049】
以下、
図3及び
図4を参照しながら印刷システム100の動作及び用紙排出装置1における用紙Pの積載状態について説明する。
【0050】
図3は、印刷システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
図4は、用紙排出装置1における用紙Pの積載状態を説明するための図である。
【0051】
図3に示すフローチャートの各処理は、
図2に示す用紙排出装置1の制御部51によって行われる。但し、各処理は、印刷システム100の他の制御部(例えば、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140の制御部127,144)によって行われ、その処理に基づき、制御部51が用紙排出装置1の動作を制御してもよい。なお、用紙Pの仕分け単位がジョブ(印刷ジョブ)である場合を例に説明するが、仕分け単位は、1ページ以上の印刷を複数セット行う場合の1セットなどであってもよく、ジョブに限られない。
【0052】
まず、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷が開始し、第1の用紙積載部10に用紙Pが順次積載されると、用紙排出装置1の制御部51は、例えば第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、ジョブの印刷が終了したかの判定を、ジョブの印刷が終了するまで繰り返す(ステップS11)。
【0053】
制御部51は、ジョブの印刷が終了すると(ステップS11:YES)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、次のジョブがあるかを判定する(ステップS12)。次のジョブがなければ(ステップS12:NO)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷は行われないため、
図3に示す処理は終了する。なお、制御部51は、次の印刷に備えて、後述するステップS13,S14の処理と同様に、排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)から第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)に切り替える処理、及び、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する処理のうち少なくとも一方を行ってもよい。
【0054】
制御部51は、次のジョブがあると(ステップS12:YES)、第1の中間装置30の排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)から第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)に切り替える(ステップS13)。
【0055】
次に、制御部51は、第2の用紙積載部20に用紙Pが積載されている間に、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS14)。
【0056】
次に、制御部51は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、ジョブの印刷が終了したかの判定を、ジョブの印刷が終了するまで繰り返す(ステップS15)。
【0057】
制御部51は、ジョブの印刷が終了すると(ステップS15:YES)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、次のジョブがあるかを判定する(ステップS16)。次のジョブがなければ(ステップS16:NO)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷は行われないため、
図3に示す処理は終了する。
【0058】
制御部51は、次のジョブがあると(ステップS16:YES)、第1の中間装置30の排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)から第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)に切り替える(ステップS17)。なお、この排出経路の切り替えは、切り替え先である第1の用紙積載部10の上述のオフセット動作(ステップS14)が完了していなければ、完了を待って行われるとよい。
【0059】
次に、制御部51は、第2の用紙積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS18)。その後、制御部51は、上述のステップS11から処理を繰り返す。
【0060】
上述のように、排出経路切り替え部33によって排出経路をジョブごとに第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに順に切り替えることによって、
図4に示すように、順に印刷が行われた仕分け単位のジョブであるJob1~10が交互に第1の用紙積載部10の排紙台11と第2の用紙積載部20の排紙台21とに積載されていく。なお、排出経路切り替え部33による排出経路の切り替えは、例えば、ユーザAに対応するジョブの用紙Pについては第1の用紙積載部10に積載され、ユーザBに対応するジョブの用紙Pについては第2の用紙積載部20に積載されるようにしてもよく、任意のタイミングで行うことができる。この場合、ジョブごとの排出経路の切り替えは行われないが、排出経路の切り替えが行われる際には、切り替え先の用紙積載部(媒体積載部)に用紙Pが積載されている間に切り替え前の用紙積載部のオフセット動作を行うことができるため、用紙Pの排出や印刷を停止させないようにすることができる。
【0061】
以上説明した本第1実施形態では、用紙排出装置1(媒体排出装置の一例)は、各々に用紙P(媒体の一例)が積載される第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20(第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部の一例)と、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20のいずれかに切り替える排出経路切り替え部33と、第1の用紙積載部10、第2の用紙積載部20、及び排出経路切り替え部33を制御する制御部51とを備える。第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20は、積載される用紙Pを仕切るオフセット動作(仕切り動作の一例)を行う可動エンドフェンス12,22及びオフセットガイド13,23(仕切り手段の一例)を有する。制御部51は、第1の用紙積載部10に仕分け単位(例えばジョブ)の用紙Pが積載された後、排出経路を20(第2の排出経路R7)に切り替えるように排出経路切り替え部33を制御し(ステップS13)、第2の用紙積載部20に用紙Pが積載されている間に第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13にオフセット動作を行わせる(ステップS14)。また、印刷システム100は、用紙排出装置1と、用紙Pに印刷を行う印刷部の一例である、第1の印刷装置120の印刷部122及び第2の印刷装置140の印刷部142とを備える。
【0062】
これにより、排出された用紙Pの管理を容易にするために可動エンドフェンス12,22及びオフセットガイド13,23がオフセット動作を行っている間に、他の用紙積載部(他の媒体積載部)に用紙Pが排出される。そのため、オフセット動作を行う間に用紙Pの排出や印刷が停止するのを回避することができる。したがって、用紙Pの排出効率を高めることができる。よって、本第1実施形態によれば、用紙Pの排出効率を高めることができるとともに、排出された用紙Pの管理を容易に行うことができる。
【0063】
また、本第1実施形態では、制御部51は、排出経路を仕分け単位(例えばジョブ)の用紙Pごとに第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20に順に切り替えるように排出経路切り替え部33を制御する。これにより、仕分け単位ごとに、用紙Pの排出や印刷を停止させずにオフセット動作を行うことができるため、用紙Pの排出効率をより一層高めることができる。
【0064】
<第2実施形態>
本第2実施形態では、印刷システム100の構成は、上述の第1実施形態の構成と同様にすることができるため、印刷システム100についての説明は省略し、
図5~
図7を参照しながら印刷システム100の動作及び用紙排出装置1における用紙Pの積載状態について説明する。
【0065】
詳しくは後述するが、本第2実施形態においても上述の第1実施形態と同様にジョブ(仕分け単位の一例)ごとに第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに順に排出経路が切り替えられるが、
図7に示すように、第1の用紙積載部10にはジョブ順(所定の順の一例)にJob1~5が積載され、第2の用紙積載部20にはジョブ順にJob6~10が積載される。すなわち、Job1,6,2,7,3,8,4,9,5,10の順に印刷が行われる。
【0066】
図5は、第2実施形態に係る印刷システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0067】
図6は、残ジョブ解析処理を説明するためのフローチャートである。
図7は、用紙排出装置1における用紙Pの積載状態を説明するための図である。
【0068】
図5及び
図6に示すフローチャートの各処理は、
図2に示す用紙排出装置1の制御部51によって行われる。但し、各処理は、印刷システム100の他の制御部(例えば、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140の制御部127,144)によって行われ、その処理に基づき、制御部51が用紙排出装置1の動作を制御してもよい。なお、用紙Pの仕分け単位がジョブ(印刷ジョブ)である場合を例に説明するが、仕分け単位は、1ページ以上の印刷を複数セット行う場合の1セットなどであってもよく、ジョブに限られない。
【0069】
まず、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷が開始し、第1の用紙積載部10に用紙Pが順次積載されると、用紙排出装置1の制御部51は、例えば第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、ジョブの印刷が終了したかの判定を、ジョブの印刷が終了するまで繰り返す(ステップS21)。
【0070】
制御部51は、ジョブの印刷が終了すると(ステップS21:YES)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、次のジョブがあるかを判定する(ステップS22)。次のジョブがなければ(ステップS22:NO)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷は行われないため、
図5に示す処理は終了する。なお、制御部51は、次の印刷に備えて、後述するステップS24の処理と同様に、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する処理を行ってもよい。
【0071】
制御部51は、次のジョブがあると(ステップS22:YES)、切り替えJobNがあるかを判定する(ステップS23)。この切り替えJobNに関しては、
図6を参照しながら説明する。
【0072】
図6に示すように、制御部51は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、キューイングされている1つ以上のジョブの総ページ数が、第1の用紙積載部10に積載可能な残りの枚数(或いは設定される積載枚数までの残りの枚数)よりも多いかの判定を、多くなるまで繰り返し(ステップS231)、多くなると(ステップS231:YES)、第1の用紙積載部10に積載できなくなる最初のジョブ番号を切り替えJobNとして記憶部52に記憶させる(ステップS232)。ここで、Job1~Job5までが第1の用紙積載部10に積載可能な場合、制御部51は、切り替えJobNをJob6として記憶部52に記憶させる。
【0073】
図5のフローチャートに戻り、制御部51は、切り替えJobNがないと判定すると(ステップS23:NO)、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS24)。その後、制御部51は、上述のステップS21から処理を繰り返す。すなわち、本第2実施形態では、切り替えJobNがない場合、排出経路切り替え部33は、排出経路を第1の用紙積載部10としたたま切り替えず、第1の用紙積載部10のオフセット動作を待って印刷及び排出が行われる。
【0074】
一方、制御部51は、切り替えJobNがあると判定すると(ステップS23:YES)、第1の中間装置30の排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)から第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)に切り替える(ステップS25)。
【0075】
また、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140の制御部127,144は、印刷部122,142における印刷の順を入れ替え、切り替えJobNの印刷を繰り上げて行わせる(ステップS26)。なお、印刷部122,142から排出経路切り替え部33までは搬送距離があるため、上述のステップS25の第1の用紙積載部10から第2の用紙積載部20への排出経路の切り替えより先に、繰り上げ印刷(ステップS26)を開始するとよい。
【0076】
また、制御部51は、第2の用紙積載部20に用紙Pが積載されている間に、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS27)。
【0077】
次に、制御部51は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、切り替えJobNの印刷が終了したかの判定を、切り替えJobNの印刷が終了するまで繰り返す(ステップS28)。
【0078】
制御部51は、切り替えJobNの印刷が終了すると(ステップS28:YES)、JobNのNをN+1に変更する(ステップS29)。例えば、切り替えJobNがJob6であった場合、制御部51は、切り替えJobNをJob7(切り替えJobN+1)に変更する。
【0079】
また、制御部51は、排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)から第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)に切り替える(ステップS30)。なお、排出経路の切り替えは、切り替え先である第1の用紙積載部10の上述のオフセット動作(ステップS27)が完了していなければ、完了を待って行われるとよい。
【0080】
次に、制御部51は、第2の用紙積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS31)。その後、制御部51は、上述のステップS21から処理を繰り返す。
【0081】
上述のように、第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号を切り替えJobNとして繰り上げて印刷を行うことによって(例えば、
図7に示すように、Job1,6,2,7,3,8,4,9,5,10の順に印刷を行うことによって)、第1の用紙積載部10にはジョブ順(所定の順の一例)にJob1~5が積載され、第2の用紙積載部20にはジョブ順にJob6~10が積載される。
【0082】
なお、本第2実施形態では、第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号を切り替えJobNとして繰り上げて印刷を行う例について説明しているが、切り替えJobNは、ユーザの設定などによって決定されるジョブ番号であってもよい。また、切り替えJobNは、第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号がなくとも、第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに交互にジョブごとの用紙Pが積載されるように設定されてもよい。一例ではあるが、ジョブ数が9又は10であれば、第1の用紙積載部10に5つのジョブの用紙Pを積載させるために、切り替えJobNは6とするとよい。
【0083】
このように、切り替えJobNは、任意に設定することができる。また、例えば、上述の
図5に示すフローチャートのように第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号を切り替えJobNとする設定や、上述のように第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに交互にジョブごとの用紙Pが積載されるように切り替えJobNを決定する設定などの複数の設定の中からユーザが選択可能であってもよい。また、例えば、第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号がない場合に、ジョブごとにオフセットしながら用紙Pを第1の用紙積載部10のみに積載していき、第1の用紙積載部10における複数のジョブの積載が完了する前に(例えば、所定の積載面高さや積載枚数を超えるジョブから)、第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに交互にジョブごとの用紙Pが積載されるように、第1の用紙積載部10の積載途中で切り替えJobNが設定されてもよい。
【0084】
以上説明した本第2実施形態では、上述の第1実施形態と同様の事項については同様の効果、すなわち、用紙Pの排出効率を高めることができるとともに、排出された用紙Pの管理を容易に行うことができるという効果を得ることができる。
【0085】
また、本第2実施形態では、用紙排出装置1の制御部51は、排出経路を仕分け単位(例えばジョブ)の用紙Pごとに第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20(複数の媒体積載部の一例)に順に切り替えるように排出経路切り替え部33を制御し、第1の印刷装置120の制御部127及び第2の印刷装置140の制御部144は、第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20の各々に積載された複数の仕分け単位の用紙Pがジョブ順(所定の順の一例)に並ぶように、印刷部122,142に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる。これにより、仕分け単位ごとに、用紙Pの排出や印刷を停止させずにオフセット動作を行うことができるため、用紙Pの排出効率をより一層高めることができる。更には、第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20の各々に積載された複数の仕分け単位の用紙Pをジョブ順(所定の順の一例)に並べることができる。したがって、排出された用紙Pの管理をより一層容易に行うこともできる。
【0086】
<第3実施形態>
本第3実施形態では、印刷システム100については、上述の第1実施形態と同様の構成にすることができるため、印刷システム100についての説明は省略し、
図8及び
図9を参照しながら印刷システム100の動作及び用紙排出装置1における用紙Pの積載状態について説明する。
【0087】
詳しくは後述するが、本第3実施形態においては、第1の用紙積載部10と第2の用紙積載部20とに順に排出経路が切り替えられるが、
図9に示すように、第2の用紙積載部20におけるジョブ(Job6)の用紙Pの積載が終了するか否かにかかわらず、第1の用紙積載部10におけるオフセット動作が完了した後に排出経路を第2の用紙積載部20から第1の用紙積載部10に戻す。すなわち、第1の用紙積載部10への用紙Pの排出が優先される。また、第1の用紙積載部10には、ジョブ順(所定の順の一例)にJob1~5が積載される。
【0088】
図8は、第3実施形態に係る印刷システム100の動作を説明するためのフローチャートである。
【0089】
図9は、用紙排出装置1における用紙Pの積載状態を説明するための図である。
図8及び
図9に示すフローチャートの各処理は、
図2に示す用紙排出装置1の制御部51によって行われる。但し、各処理は、印刷システム100の他の制御部(例えば、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140の制御部127,144)によって行われ、その処理に基づき、制御部51が用紙排出装置1の動作を制御してもよい。なお、用紙Pの仕分け単位がジョブ(印刷ジョブ)である場合を例に説明するが、仕分け単位は、1ページ以上の印刷を複数セット行う場合の1セットなどであってもよく、ジョブに限られない。
【0090】
まず、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷が開始し、第1の用紙積載部10に用紙Pが順次積載されると、用紙排出装置1の制御部51は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、ジョブの印刷が終了したかの判定を、ジョブの印刷が終了するまで繰り返す(ステップS41)。
【0091】
制御部51は、ジョブの印刷が終了すると(ステップS41:YES)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、次のジョブがあるかを判定する(ステップS42)。次のジョブがなければ(ステップS42:NO)、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140における印刷は行われないため、
図8に示す処理は終了する。なお、制御部51は、次の印刷に備えて、後述するステップS44の処理と同様に、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する処理を行ってもよい。
【0092】
制御部51は、次のジョブがあると(ステップS42:YES)、切り替えJobNがあるかを判定する(ステップS43)。この切り替えJobNに関しては、上述の第2実施形態において
図6を参照しながら述べたとおりであるため、説明は省略する。
【0093】
制御部51は、切り替えJobNがないと判定すると(ステップS43:NO)、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS44)。その後、制御部51は、上述のステップS41から処理を繰り返す。すなわち、本第3実施形態においても、上述の第2実施形態と同様に、切り替えJobNがない場合、排出経路切り替え部33は、排出経路を第1の用紙積載部10としたたま切り替えず、第1の用紙積載部10のオフセット動作を待って印刷及び排出が行われる。
【0094】
一方、制御部51は、切り替えJobNがあると判定すると(ステップS43:YES)、第1の中間装置30の排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)から第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)に切り替える(ステップS45)。
【0095】
また、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140の制御部127,144は、印刷部122,142における印刷の順を入れ替え、切り替えJobNの再開ページであるNpページ(初期値は1ページ)から印刷を繰り上げて行わせる(ステップS46)。なお、印刷部122,142から排出経路切り替え部33までは搬送距離があるため、上述のステップS45の第1の用紙積載部10から第2の用紙積載部20への排出経路の切り替えより先に、繰り上げ印刷(ステップS46)を開始するとよい。
【0096】
また、制御部51は、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部16を制御する(ステップS47)。
【0097】
次に、制御部51は、第1の印刷装置120及び第2の印刷装置140から受ける情報に基づき、切り替えJobNの印刷が終了したかの判定を行う(ステップS48)。
【0098】
制御部51は、切り替えJobNの印刷が終了すると(ステップS48:YES)、JobNのNをN+1に変更するとともに、再開ページNpを1ページに設定する(ステップS49)。
【0099】
また、制御部51は、排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)から第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)に切り替える(ステップS50)。なお、排出経路の切り替えは、後述するステップS52の判定処理と同様に、切り替え先である第1の用紙積載部10の上述のオフセット動作(ステップS47)が完了していなければ、完了を待って行われるとよい。
【0100】
次に、制御部51は、第2の用紙積載部20の可動エンドフェンス22及びオフセットガイド23の排出方向における位置を移動させる上述のオフセット動作を行わせるようにオフセット駆動部26を制御する(ステップS51)。その後、制御部51は、上述のステップS41から処理を繰り返す。
【0101】
制御部51は、上述のステップS48の判定において、切り替えJobNの印刷が終了していない場合(ステップS48:YES)、第1の用紙積載部10の上述のオフセット動作(ステップS47)が完了しているかを判定する(ステップS52)。
【0102】
制御部51は、第1の用紙積載部10のオフセット動作が完了していなければ(ステップS52:NO)、上述のステップS48から処理を繰り返す。
【0103】
一方、制御部51は、第1の用紙積載部10のオフセット動作が完了していれば(ステップS52:YES)、第2の用紙積載部20におけるジョブの用紙Pの積載が終了するか否かにかかわらず、排出経路切り替え部33によって、用紙Pの排出経路を第2の用紙積載部20(第2の排出経路R7)から第1の用紙積載部10(第1の排出経路R6)に切り替える(ステップS53)。
【0104】
次に、制御部51は、JobNの再開ページNpを、第2の用紙積載部20に最後に積載された用紙Pのページの次のページとして記憶部52に記憶させる(ステップS54)。その後、制御部51は、上述のステップS41から処理を繰り返す。なお、切り替えJobNの印刷は終了していないため(ステップS47:NO)、第2の用紙積載部20のオフセット動作は、この段階では行われない。
【0105】
上述のように、本第3実施形態では、第1の用紙積載部10への用紙Pの排出を優先するため、第2の用紙積載部20におけるジョブの用紙Pの積載が終了するか否かにかかわらず、第1の用紙積載部10におけるオフセット動作が完了した後に、排出経路切り替え部33は、排出経路を第2の用紙積載部20から第1の用紙積載部10に戻す。そのため、例えば、
図9に示すように、Job1の印刷が終了した後に、Job6の1ページから印刷が行われ、Job2の印刷が終了した後に、Job6の再開ページNp-1から印刷が行われ、Job3の印刷が終了した後に、Job6の再開ページNp-2から印刷が行われ、Job4の印刷が終了した後に、Job6の再開ページNp-3から印刷が行われ、Job5の印刷が終了した後に、Job6の再開ページNp-4から印刷が行われる。その後、第1の用紙積載部10に積載された用紙Pが例えばユーザによって取り除かれるまでは、Job6以降の用紙Pが、ジョブごとに第2の用紙積載部20のオフセット動作によって仕切られながら第2の用紙積載部20に積載されていくとよい。
【0106】
なお、第2実施形態において述べたとおり、切り替えJobNは、任意に設定することができる。例えば、切り替えJobNは、第1の用紙積載部10に積載できなくなるジョブ番号がなくとも、第1の用紙積載部10においてオフセット動作が行われている間に用紙Pを第2の用紙積載部20に積載させるために、少なくとも1つのジョブを第2の用紙積載部20に積載させてもよい。例えば、ジョブ数が10個である場合、第1の用紙積載部10においてジョブごとにオフセット動作が行われている間に、少なくとも最後のJob10が第2の用紙積載部20に積載されるとよい。このように第2の用紙積載部20に積載されるジョブの数は、第1の用紙積載部10においてジョブごとにオフセット動作が行われている間に第2の用紙積載部10における用紙Pの積載が行われるように決定されるとよい。以上のように、切り替えJobNは、第1の用紙積載部10におけるオフセット動作の時間に基づいて決定されてもよい。
【0107】
以上説明した本第3実施形態では、上述の第1及び第2実施形態と同様の事項については同様の効果、すなわち、用紙Pの排出効率を高めることができるとともに、排出された用紙Pの管理を容易に行うことができるという効果を得ることができる。
【0108】
また、本第3実施形態では、用紙排出装置1の制御部51は、第1の用紙積載部10の可動エンドフェンス12及びオフセットガイド13のオフセット動作が終了すると、第2の用紙積載部20に仕分け単位(例えばジョブ)の用紙Pの積載が終了するか否かにかかわらず、排出経路を第1の用紙積載部10に切り替えるように排出経路切り替え部33を制御し、第1の用紙積載部10及び第2の用紙積載部20の各々に積載された複数の仕分け単位の用紙Pがジョブ順(所定の順の一例)に並ぶように、印刷部122,142に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる。このように、第1の用紙積載部10のオフセット動作が終了すると、第2の用紙積載部20に仕分け単位(例えばジョブ)の用紙Pの積載が終了するか否かにかかわらず、排出経路を第1の用紙積載部10に切り替えるため、第1の用紙積載部10への用紙Pの排出を優先させることができる。したがって、第1の用紙積載部10において所定量の用紙Pが積載されるまでの時間を、排出経路を第1の用紙積載部10のまま切り替えずにオフセット動作を行う場合と同様の時間に短縮することができる。
【0109】
なお、本発明は、上述の第1~第3実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上述の第1~第3実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、第1~第3実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能であることはもちろんである。以下に、本願の出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
【0110】
[付記1]
各々に媒体が積載される第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部と、
前記複数の媒体積載部及び前記排出経路切り替え部を制御する制御部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部に仕分け単位の前記媒体が積載された後、前記排出経路を前記第2の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第2の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする媒体排出装置。
【0111】
[付記2]
前記制御部は、前記排出経路を前記仕分け単位の前記媒体ごとに前記複数の媒体積載部に順に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御する
ことを特徴とする付記1記載の媒体排出装置。
【0112】
[付記3]
媒体に印刷を行う印刷部と、
前記印刷部において印刷が行われた前記媒体が排出される媒体排出装置と、
前記印刷部及び前記媒体排出装置を制御する制御部と
を備える印刷システムであって、
前記媒体排出装置は、
各々に媒体が積載される第1の媒体積載部及び第2の媒体積載部を含む複数の媒体積載部と、
前記媒体の排出経路を前記複数の媒体積載部のいずれかに切り替える排出経路切り替え部とを備え、
前記複数の媒体積載部は、積載される前記媒体を仕切る仕切り動作を行う仕切り手段を有し、
前記制御部は、前記第1の媒体積載部に仕分け単位の前記媒体が積載された後、前記排出経路を前記第2の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第2の媒体積載部に前記媒体が積載されている間に前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段に前記仕切り動作を行わせる
ことを特徴とする印刷システム。
【0113】
[付記4]
前記制御部は、前記排出経路を前記仕分け単位の前記媒体ごとに前記複数の媒体積載部に順に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記複数の媒体積載部の各々に積載された複数の前記仕分け単位の前記媒体が所定の順に並ぶように、前記印刷部に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる
ことを特徴とする付記3記載の印刷システム。
【0114】
[付記5]
前記制御部は、前記第1の媒体積載部の前記仕切り手段の前記仕切り動作が終了すると、前記第2の媒体積載部に前記仕分け単位の前記媒体の積載が終了するか否かにかかわらず、前記排出経路を前記第1の媒体積載部に切り替えるように前記排出経路切り替え部を制御し、前記第1の媒体積載部及び前記第2の媒体積載部の各々に積載された複数の前記仕分け単位の前記媒体が所定の順に並ぶように、前記印刷部に印刷の順を入れ替えて印刷を行わせる
ことを特徴とする付記3記載の印刷システム。
【符号の説明】
【0115】
1 用紙排出装置
10 第1の用紙積載部
20 第2の用紙積載部
11,21 排紙台
12,22 可動エンドフェンス
13,23 オフセットガイド
14,24 上面検知センサ
15,25 排紙台昇降駆動部
16,26 オフセット駆動部
30 第1の中間装置
31 搬送ローラ対
32 スイッチバックローラ対
33 排出経路切り替え部
40 第2の中間装置
41 搬送ローラ対
51 制御部
52 記憶部
53 インターフェース部
100 印刷システム
110 給紙装置
111 給紙台
120 第1の印刷装置
121 搬送ローラ対
122 印刷部
123 吸着搬送部
124,125 搬送経路切り替え部
126 排出ローラ対
126 排紙台
127 制御部
128 記憶部
129 インターフェース部
130 反転装置
131 搬送ローラ対
132 スイッチバックローラ対
140 第2の印刷装置
141 搬送ローラ対
142 印刷部
143 吸着搬送部
144 制御部
145 記憶部
146 インターフェース部
P 用紙
R1 直進搬送経路
R2 循環搬送経路
R3 反転搬送経路
R4-1 直進搬送経路
R4-2 反転搬送経路
R5-1 直進搬送経路
R5-2 反転搬送経路
R6 第1の排出経路
R7 第2の排出経路