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特許7315325仮想マネー管理システム、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】仮想マネー管理システム、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/792 20140101AFI20230719BHJP
   A63F 13/35 20140101ALI20230719BHJP
   A63F 13/61 20140101ALI20230719BHJP
   A63F 13/80 20140101ALI20230719BHJP
【FI】
A63F13/792
A63F13/35
A63F13/61
A63F13/80 C
A63F13/80 F
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018520863
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(86)【国際出願番号】 JP2017019674
(87)【国際公開番号】W WO2017208989
(87)【国際公開日】2017-12-07
【審査請求日】2019-06-18
【審判番号】
【審判請求日】2021-11-24
(31)【優先権主張番号】P 2016110162
(32)【優先日】2016-06-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】512294021
【氏名又は名称】株式会社アカツキ
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100136744
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 佳正
(72)【発明者】
【氏名】小川 智也
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】古屋野 浩志
【審判官】佐藤 海
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-30515(JP,A)
【文献】特開2012-113445(JP,A)
【文献】特開2009-540423(JP,A)
【文献】特開2002-245321(JP,A)
【文献】[遊び方]カジノゲームのルール,アメーバピグ スタッフブログ[online],2010年8月17日,インターネット<URL:http://ameblo.jp/pigg-staff/entry-10617685605.html>,[2020年12月23日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザ端末からのアクセスが可能であり、前記アクセスのあった複数のユーザ端末によるマルチプレイゲームを制御するゲーミングサーバと、前記マルチプレイゲームにてBETされる仮想マネーを管理する管理サーバとを備える仮想マネー管理システムであって、
前記ゲーミングサーバは、複数種類のマルチプレイゲームを運用し、
前記管理サーバは、
(A)前記複数種類のマルチプレイゲームの個々の種類のゲームごとに使用される異なる種類の仮想マネーを管理するとともに、
(B)前記異なる種類の仮想マネー同士を交換する交換処理を行い、
(C)前記複数種類のマルチプレイゲームのうちの少なくとも1種類のマルチプレイゲームにおいて、そのゲームの順位に応じて定められた対価額に従って対価をプレイヤーに付与するものであり、
前記複数種類のマルチプレイゲームは、特定の種類のカードゲームと、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントとで構成され、
前記異なる種類の仮想マネーは、前記特定の種類のカードゲームにて使用されるゲーム用仮想マネーPと、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントにて使用されるゲーム用仮想マネーCとが区別されており、
前記特定の種類のカードゲームのトーナメントにて使用される仮想マネーCは、前記カードゲームにて使用される前記仮想マネーPからの不可逆な交換処理によってプレイヤーに付与され、かつ、前記仮想マネーCは、前記トーナメントにて専用に使用される仮想マネーであり、
前記不可逆な交換処理の実行前には、前記仮想マネーCから前記仮想マネーPへの再交換はできないことを確認するためのポップアップが前記ユーザ端末に表示されるように制御される
ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記特定の種類のカードゲームは常時開催され、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントは期間限定で開催されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、広告コンテンツ表示機能を備えるとともに、前記広告コンテンツの閲覧回数をカウントし、
前記管理サーバは、前記ゲームの順位に応じて定められる対価額であって、前記プレイヤーに対して付与される対価額を前記広告コンテンツの閲覧回数に応じて決定する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
複数のユーザ端末からのアクセスが可能であり、前記アクセスのあった複数のユーザ端末によるマルチプレイゲームを制御するゲーミングサーバと、前記マルチプレイゲームにてBETされる仮想マネーを管理する管理サーバとを備える仮想マネー管理システムで実行されるコンピュータプログラムあって、前記仮想マネー管理システム上で実行されたとき、
前記ゲーミングサーバに、複数種類のマルチプレイゲームを運用させるステップと、
前記管理サーバに、
(A)前記複数種類のマルチプレイゲームの個々の種類のゲームごとに使用される異なる種類の仮想マネーを管理させるステップと、
(B)前記異なる種類の仮想マネー同士を交換する交換処理を行わせるステップと、
(C)前記複数種類のマルチプレイゲームのうちの少なくとも1種類のマルチプレイゲームにおいて、そのゲームの順位に応じて定められた対価額に従って対価をプレイヤーに付与させるステップと
を実行するものであり、
前記複数種類のマルチプレイゲームは、特定の種類のカードゲームと、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントとで構成され、
前記異なる種類の仮想マネーは、前記特定の種類のカードゲームにて使用されるゲーム用仮想マネーPと、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントにて使用されるゲーム用仮想マネーCとが区別されており、
前記特定の種類のカードゲームのトーナメントにて使用される仮想マネーCは、前記カードゲームにて使用される前記仮想マネーPからの不可逆な交換処理によってプレイヤーに付与され、かつ、前記仮想マネーCは、前記トーナメントにて専用に使用される仮想マネーであり、
前記不可逆な交換処理の実行前には、前記仮想マネーCから前記仮想マネーPへの再交換はできないことを確認するためのポップアップが前記ユーザ端末に表示されるように制御される
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
前記特定の種類のカードゲームは常時開催され、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントは期間限定で開催されることを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
広告コンテンツ表示機能を備えるとともに、前記広告コンテンツの閲覧回数をカウントさせるステップと、
前記管理サーバに、前記ゲームの順位に応じて定められる対価額であって、前記プレイヤーに対して付与される対価額を前記広告コンテンツの閲覧回数に応じて決定させるステップと
を実行することを特徴とする請求項4または5に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、広くネットワークを介して仮想マネーを管理するシステム、方法、プログラム等に関し、より具体的には、ネットワークを介してゲーム等を進行させるとともに仮想マネーを管理するシステム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ネットワークを介していわゆるマルチプレイが可能なゲームが運用されてきた。その際、ゲーム進行に際してベット(BET)することが可能なものも存在し、ベットする対象としてネット上で流通する仮想マネー(仮想貨幣)が採用されてきた。
【0003】
また、近年、ネット上で流通する貨幣やクレジットには多くの種類のものが採用されており、これに伴うシステム運営上の工夫もなされてきた。
【0004】
まず、ネットワーク上のゲームに限られないゲーム機で使用できる、あらゆる種類の貨幣、代用貨幣、クレジット等に対処でき、ゲーム機の正確な会計データを提供できるシステムが提案されている(特許文献1)。
【0005】
すわなち、特許文献1には、1つ又はそれ以上の形式の貨幣価値のあるものを使用する遊戯者からのゲームクレジットの買い受け及び賭金を受入れ、それに応答してゲーム勝利金又は損失を発生し、1つ又はそれ以上の形式の貨幣価値のあるものの形式で遊戯者によって受け取られた利用できるゲームクレジットを分与するように適合されたゲーム機に対する会計及びデータ収集システムにおいて、買い受けられたがまだ遊戯者によって賭けられていないクレジットに対応する買い受けられた残ゲームクレジットの額を記憶するための手段と、前記ゲーム機内の、受け入れられた合計の賭金及び前記ゲーム機の遊戯者に支払われる合計の勝利金を含む、ゲーム活動状態を追跡するための手段と、ゲームクレジットの買い受けの額及び形式並びに遊戯者による賭金の額を含むゲーム機事象を感知するための事象処理手段であって、ゲームクレジットが買い受けられたときに、賭金が投じられたときに、及びクレジットが遊戯者によって受け取られたときに前記残クレジット記憶手段を更新し、遊戯者が利用できる残クレジットの額を越えて受け取られたクレジットの額だけ前記ゲーム活動状態追跡手段をインクリメントするための手段を有する事象処理手段と、を具備することを特徴とする会計及びデータ収集システムが開示されている。
【0006】
また、ネットワーク上の仮想空間(タウン)全体で利用できる仮想通貨(第1通貨ないしタウン通貨)と、この仮想空間内の所定の遊技店舗(ゲームアプリケーションが提供される)だけで利用できる仮想通貨(第2通貨ないしゲーム通貨)とを使い分けることができる仮想店舗システムも提案されている(特許文献2)。
【0007】
すなわち、特許文献2には、端末、課金手段、および、サービス提供手段がネットワークに接続されて構成され、利用者が前記端末から仮想空間にアクセスして、前記仮想空間に設けられた仮想店舗においてサービスを利用する仮想店舗システムであって、前記課金手段が、前記仮想空間で利用可能な第1通貨を管理する課金データベースを有し、前記サービス提供手段が、前記サービス提供手段が提供する前記仮想店舗においてのみ利用可能な第2通貨を管理するサービスデータベースを有して構成されたことを特徴とする仮想店舗システム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開平8-180115号公報
【文献】特開2006-293474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のマネー管理方法では、ゲームに使用される複数種類の通貨等に対処したり、ゲームやサービスごとに通貨を使い分けたりすることにより、システム運用の柔軟性を向上させることができるものの、多くのユーザが所持する複数種類のマネー管理を通じて複数種類のゲームにおけるこれらユーザの興趣を向上させるためには、改善の余地があった。
【0010】
また、対戦形式で実施される同一種類のゲームであっても、例えば、複数のイベントをシステム上で管理運用することによる興趣の向上といった観点からも、更なる改善が期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、複数のユーザ端末からのアクセスが可能であり、前記アクセスのあった複数のユーザ端末によるマルチプレイゲームを制御するゲーミングサーバと、前記マルチプレイゲームにてBETされる仮想マネーを管理する管理サーバとを備える仮想マネー管理システムであって、前記ゲーミングサーバは、複数種類のマルチプレイゲームを運用し、前記管理サーバは、(A)前記複数種類のマルチプレイゲームの個々の種類のゲームごとに使用される異なる種類の仮想マネーを管理するとともに、(B)前記異なる種類の仮想マネー同士を交換する交換処理を行い、(C)前記複数種類のマルチプレイゲームのうちの少なくとも1種類のマルチプレイゲームにおいて、そのゲームの順位に応じて定められた対価額に従って対価をプレイヤーに付与することを特徴とする。
【0012】
また、前記複数種類のマルチプレイゲームは、少なくとも特定の種類のカードゲームと、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントとで構成されることを特徴とする。
【0013】
また、前記特定の種類のカードゲームは常時開催され、前記特定の種類のカードゲームのトーナメントは期間限定で開催されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システム等によれば、複数のユーザが所持する複数種類のマネー管理を通じて複数種類のゲームにおけるこれらユーザの興趣を向上させ、複数のイベントをシステム上で管理運用することによる興趣の向上を実現できるという特段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムの全体構成例を説明する説明図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムをより詳細に説明する説明図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の外観構成を説明する説明図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の機能ブロックを説明する説明図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システム等の動作例を説明する説明図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける管理処理の例を説明する説明図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおけるゲーム運用処理の例を説明する説明図である。
図8】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の表示例を説明する説明図である。
図9】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の他の表示例を説明する説明図である。
図10】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の他の表示例を説明する説明図である。
図11】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の他の表示例を説明する説明図である。
図12】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置の他の表示例を説明する説明図である。
図13】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システム等の動作を説明するフローチャートである。
図14】本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システム等の他の動作を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システム、方法、及びプログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
図1に、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムの全体構成例を示す。本発明の特徴的な処理動作は、主として情報処理サーバ群における管理サーバ(仮想マネーを管理する)とゲームサーバ(ゲームの管理運営を行う)との連動によって実施されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理サーバ及びゲームサーバを1台のサーバで実施することもできる(この場合、1台のサーバ上で管理サーバ機能及びゲームサーバ機能がソフトウェアとして実装される)し、あるいは、実行可能な処理ルーチンのうちの少なくとも一部が、他の情報処理サーバや情報処理装置等においても実施されることがある。以下、図1を参照して、仮想マネー管理システム全体として本発明の一実施形態を実施する場合の態様を説明する。
【0018】
図1に示されるように、仮想マネー管理システム10は、その最小限の構成として、情報処理サーバ群11(仮想マネーを管理する管理サーバやゲームの管理運営を行うゲームサーバが含まれる)と、プレイヤーが使用する各種情報処理装置(図において、例示的に、PC12及び13、携帯電話14、携帯情報端末ないしタブレット端末15が示されている。以下、総称して「ユーザ端末」とも言う)とで構成され、サーバ群及び各種端末間は、図1に示されるように専用回線やインターネット等の公衆回線(有線の回線として、16~18)により相互に通信可能に接続されている。また、回線は有線であっても無線であってもよく、無線の場合、携帯電話14及び携帯情報端末ないしタブレット端末15は、無線で図示しない基地局や無線ルータ等を介してインターネット19に乗り入れ、更に回線18を介して情報処理サーバ群11と相互に通信可能に接続される。
【0019】
なお、本願の出願時点での携帯電話や携帯情報端末ないしタブレットは、パーソナルコンピュータ(PC)に比肩する処理能力(通信処理速度や画像処理能力等)を備えているものも多く、小型のコンピュータとも言うべきものである。
【0020】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、情報処理サーバ群における記憶部、さらには必要に応じてPCや携帯情報端末の記憶部におけるHDDないしSSD等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPUにおいて演算実行される。
【0021】
なお、演算実行は必ずCPU等の中央処理部で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0022】
さらに、情報処理サーバ群11のハードウェア構成も、基本的にはPCを採用することができる。なお、本発明はこれに限定されるものではないが、情報処理サーバ群11は、必要に応じてそのハードウェアスペックを上げるにあたり、複数のPC(一例として、数十台~数万台)を並列的に作動させることによって大規模データの処理に適した構成をとることもできる。
【0023】
図2に、本発明の一実施形態にかかる情報処理サーバ群11のより詳細なシステム構成を示す。情報処理サーバ群11の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0024】
図2において、ユーザ端末の一例としてのタブレット端末15a~15cからアクセスされる情報処理サーバ群11は、大別すると、ゲーム運用サーバ群111と、管理サーバサーバ(群)23a~23cとを有する。更に詳細には、ゲーム運用サーバ群111は、マッチングサーバ群21a~21cとゲーミングクラスタ22a~22dとを含む。
なお、「ユーザ端末15a~15c」や「マッチングサーバ群21a~21c」などとアルファベットを添えて複数の構成としたのは、多数の端末やサーバ群(クラスタ)で構成されうることを意図するものであって、その数(a~cまでの3台とか、a~dまでの4台とか、1台のみなど)を制限するものではない。
【0025】
ここで、マッチングサーバ(群)は、リアルタイムマルチプレイゲームを成立させるためのロビーでのユーザマッチング処理等を担当するサーバ(群)であり、ゲーミングサーバ(群)は、リアルタイムでマルチプレイヤーゲームを進行させる上でのリアルタイム通信処理等を担当するサーバ(群)である。
【0026】
図2におけるサーバ群11とユーザ端末15とのデータのやり取りや、クラスタ間のデータのやり取りについて、双方向又は単方向の矢印a~d、並びに、矢印Aが示されているが、それぞれの概要は下表のとおりである(詳細は、図5等を参照して後述する)。
【表1】
【0027】
図3に、本発明の一実施形態にかかる情報処理システムにおける情報処理装置としてのタブレット端末の外観構成を示す。図3において、情報処理装置(タブレット端末)15は、筐体部151とディスプレイ152と筐体151の下部中央部に設けられたハードウェアボタン153とからなる。ディスプレイ152は典型的には液晶ディスプレイ(LCD)等で構成され、文字や静止画像や動画など様々な情報を表示することができる。また、ディスプレイ152にメニューボタンやソフトウェアキーボードを表示させ、これを指ないしタッチペン(不図示)等で触れることによりタブレット端末15への指示(コマンド)とすることができる。この点で上記ハードウェアボタン153は必須の構成要素ではないが、本発明の説明の便宜上、一定の機能を担うボタンとして実装されている。もちろん、これらハードウェアボタン153を、ディスプレイ152の一部に表示させたメニューボタンで代替させることも可能である。
【0028】
また、ディスプレイ152には、マルチタッチ入力パネルが含まれており、タッチ入力パネル上でのタッチ入力位置座標が入力デバイスインタフェース(不図示)を介してタブレット端末15の処理系(CPU)へ送信され処理される。そして、このマルチタッチ入力パネルは、パネルに対する複数の接触点を同時に感知することができるよう構成されている。この検出(センサ)については様々な方法で実現することができ、必ずしも接触センサに限られず、例えば、光学式のセンサを利用してパネルに対する指示点を抽出することも可能である。さらに、センサには、接触式のセンサや光学式のセンサのほか、人の肌の接触を感知する静電容量方式のセンサを用いることも可能である。
【0029】
また、図3には現れていないが、タブレット端末15は、マイクやスピーカを備えることもできる。この場合にはマイクより拾ったユーザの声などを判別して入力コマンドとすることも可能である。さらに、図3には現れていないが、タブレット端末15の背面等には、CMOS等のカメラデバイスが実装されている。
【0030】
図4に、本発明の一実施形態にかかるタブレット端末15を構成するハードウェアの機能ブロック図を例示する。タブレット端末15の動作は、以下に説明するハードウェアの個々の動作、及びソフトウェアとこれらハードウェアとの連携動作によって実現されている。
【0031】
図4において、ハードウェアブロック全体としてのタブレット端末400は、大別すると、図3におけるハードウェアボタン153、ディスプレイ152に設けられたマルチタッチ入力パネル、マイク等で構成される入力部401と、プログラムやデータ等を記憶するためのハードディスク、RAM及び/又はROM等で構成される記憶部402と、プログラムによって様々な数値計算や論理演算を行うCPUによって構成される中央処理部403と、ディスプレイ152等で構成される表示部404と、チップや電気系統等の制御を行うための制御部405と、インターネットにアクセスするためのスロットや光通信を行うためのポート、及び通信インタフェースから構成される通信インタフェース部406と、スピーカやバイブレーション等の出力部407と、時刻等を計時するための計時部408と、CMOS等のイメージセンサからなるセンサ部409と、装置内の各モジュールに電源を供給するための電源部410とからなり、これらのモジュールは必要に応じて適宜通信バスや給電線(図4においては、便宜上各線が適宜区分された結線411としてひとまとめに表す)によって接続されている。
【0032】
なお、センサ部409には、タブレット端末400(15)の位置を特定するためのGPSセンサモジュールを含めることとしても良い。また、センサ部409を構成するCMOS等のイメージセンサによって検知された信号は、入力部401において入力情報として処理することができる。
【0033】
また、本発明の実施に必要なプログラムないしソフトウェアは、通常、記憶部402を構成するハードディスクディスク等にインストールないし記憶され、プログラムないしソフトウェアの実行時には、必要に応じて記憶部402内のメモリにその全部又は一部のソフトウェアモジュールとして読み出され、CPU403において演算実行される。
【0034】
なお、演算実行は必ずしもCPU等の中央処理部403で行われる必要はなく、図示しないディジタルシグナルプロセッサ(DSP)等の補助演算装置を用いることもできる。
【0035】
次に、図5の動作フローを用いて、本発明にかかる一実施形態における仮想マネー管理システムないし仮想マネー管理プログラムの動作を説明する。
既に述べたように、本発明の特徴的な動作は、主として情報処理サーバ群において実施可能であるとともに、少なくともその一部を情報処理装置等に実施させることもできる。
【0036】
図5において、「ユーザ端末」は情報処理装置であり、図1におけるタブレット端末15のほか、同図のPC12、13、携帯電話14などがこれに対応し、図5における「マッチングサーバ」、「ゲーミングサーバ」、「管理サーバ」は、図1における情報処理サーバ群11がこれらに対応する。より詳細には、図5における「マッチングサーバ」、「ゲーミングサーバ」、「管理サーバ」は、図2におけるマッチングサーバ21a~21cのうちの1以上のサーバ、ゲーミングサーバ22a~22dのうちの1以上のサーバ、管理サーバ23a~23cの1以上のサーバにそれぞれ対応する。
また、図5中、t1~t8は時系列の流れを示し、経時的に後述する動作や処理が行われるものである。
【0037】
(時刻t1までの処理)
まず、時刻t1までの処理(図5において、不図示)を簡単に説明しておく。時刻t1までに、ユーザ(プレイヤー)は、ユーザ端末を介して情報処理サーバ群のうちのいずれかのサーバから自身のユーザ端末を本発明にかかる情報処理システムにおける情報処理装置として動作させるためのアプリケーションソフトウェアをダウンロードする。このアプリケーションソフトウェアは、本発明にかかるプログラムの少なくとも一部を処理するためのクライアントソフトウェアないしアプリケーションソフトウェアである。そして、ダウンロードしたアプリケーションソフトウェアをユーザ端末にインストールする。
【0038】
なお、アプリケーションソフトウェアは、情報処理装置に予めインストールされているウェブブラウザの機能で代替することも可能であり、この場合は、アプリケーションソフトウェアのインストールが省略される場合もある。
【0039】
また、ユーザ端末からは、必要に応じてユーザ登録としてユーザ自身のメールアドレスのほか、一例として、次表のようなプロフィール情報をサーバへアップロードして登録管理させることができる。
【表2】
【0040】
以上のデータ項目は、ユーザデータとして情報処理サーバ群のうちのいずれかのサーバ上で保存される。そして、ユーザ(プレイヤー)が情報処理装置を操作することによりゲームを開始させることができる。
【0041】
ゲーム開始時には、一例として、ユーザ(プレイヤー)は、ログイン動作と、コマンド送信という2つの典型的なユーザ端末操作を行い、情報処理サーバから必要なデータ送信を受け、あるいは、サービス提供を受けることとなる。
【0042】
より具体的には、ユーザが自身の情報処理装置を介してサーバへのログイン処理を行うと、情報処理サーバでは必要な認証処理が適宜行われ、ユーザがサービス提供を受けられるためのデータを送信する。例えば、端末からのコマンドを受信可能に構成されたトップメニュー画面や、アプリケーションの起動画面等である。
そして、ユーザは情報処理装置を介して何らかのコマンドを送信する。このコマンドは、メニュー画面に表示されたメニューの選択かもしれないし、アプリケーション起動画面であれば、アプリケーションを開始するための開始コマンドの場合もある。サーバ側では、このコマンドを受けて、サービス処理を開始する。そして、サーバから端末の要求に応じたサービスが提供される。
【0043】
なお、端末からは随時コマンドを送信することができ(例えば、1人プレイでゲームアプリケーション実行中のオブジェクト操作やベット(BET)する操作コマンドなど)、都度、サーバでは端末からのコマンド受信を受けてサービスを提供することができる(例えば、ゲームアプリケーション実行中の操作コマンドを受けて操作対象となるカード等のオブジェクトを移動させたり、その他の演算処理をしたりするなど)。
【0044】
その他付加的に、ユーザ(プレイヤー)は、一例としてユーザ端末から特定の相手もしくは特定多数の相手に向けてメッセージを送信することもできる。このメッセージは、情報処理サーバにて中継され、特定の相手もしくは特定多数の相手に転送され相手方において受信される。また、送信したメッセージは自身の端末でも確認できる。このようなコミュニケーションツールはいわばオプションであり、必要に応じて実装することができる。
以上が、時刻t1までの動作例である。時刻t1以降は、主としてマルチプレイを行う場合の動作例を説明する。マルチプレイを行うために必要な動作処理には、プレイヤーのマッチング処理とマルチプレイヤーによるマルチプレイゲーム進行処理とがある。
【0045】
(時刻t1以降の処理)
図5の時刻t1において、ユーザ端末からマッチングサーバに対するLobbyノードの取得処理が行われる(ステップS501~ステップS503)。つまり、ユーザ端末からのLobbyノード取得要求(ステップS501)をトリガとして、当該ユーザ端末が使用するマッチングサーバ(あるいは、マッチングサーバ内のLobby)の割り当て処理が行われる。マッチングサーバでは、要求に応じた調整処理が行われ、時刻t2において、確保されたLobbyノードがユーザ端末へ返される(ステップS503)。
また、本実施例では、ステップS501におけるLobbyノード取得要求を「マルチプレイゲーム開始要求のためのトリガ」、ないしマルチプレイゲームに対する「アクセス要求」と位置付ける。
【0046】
次に、時刻t3において、ユーザ端末からマッチングサーバへLobbyノード接続が行われる(ステップS504)。接続先は、ステップS503において返送されたLobbyノードである。
【0047】
時刻t3~t4において、マッチングサーバにてユーザ同士の対戦マッチングのためのroom_idが決定され(ステップS505)、時刻t4において、マッチングサーバからユーザ端末へ決定されたroom_idが返送される(ステップS506)。
【0048】
次に、図5の時刻t5において、ユーザ端末からゲーミングサーバに対し、Gameノードの取得処理が行われる(ステップS507~ステップS509)。つまり、ユーザ端末からのGameノード取得要求(ステップS507)をトリガとして、当該ユーザ端末が使用するゲーミングサーバ(あるいは、1つのゲーミングサーバ内のGameノードを有するゲームインスタンス)の割り当て処理が行われる(ステップS508)。このとき、ゲーミングサーバは、必要に応じて、適宜マッチングサーバとのデータのやり取りを行うことができ(一例として、ステップS508b~ステップS508c)、ゲーミングサーバとマッチングサーバとの調整の結果、時刻t6において、取得されたGameノードがユーザ端末へ返される(ステップS509)。
【0049】
次に、時刻t7において、ユーザ端末からゲーミングサーバへGameノード接続が行われる(ステップS510)。接続先は、ステップS509において返送されたGameノードである。
Gameノード接続が成功すると、当該Gameノードに接続した各ユーザは、各自のユーザ端末を使ってマルチプレイゲームを開始することができる(ゲーム開始の様子は、図5において不図示)。典型的には、リアルタイムマルチプレイ可能なポーカーなどのカードゲームなどである。
【0050】
ゲーミングサーバ上でのゲーム進行中(ステップS511)は、必要に応じて、適宜管理サーバとの間でデータのやりとりがなされる。例えば、リアルタイムマルチプレイ可能なカードゲーム中におけるBET要求処理や、BETによるポイントやチップの増減管理処理などである(一例として、ステップS511b~ステップS511d)。
【0051】
[リアルタイムマルチプレイゲームの例]
本発明は、これらに限定されるものではないが、リアルタイムマルチプレイゲームとしては、ポーカー、ブラックジャック、バカラ、テキサスホールデムなどのカードゲームが採用される。一般的なゲームのルールとしては、ポーカーは、一回だけカードを交換し、5枚のカードでできる限り強い役作りをめざし、一番強い役を作った人が賭けられたチップを獲得するというカードゲームである。ブラックジャックは、カードの合計点数を21点にするか、ディーラーよりも21点に近い点数を揃えることができれば勝ちとなる有名なカードゲームである(ただし、21点を超えると負けとなる)。バカラは、2枚もしくは3枚のカードの合計点数の下一桁の数字が9に近い方が勝ちとなるカードゲームである。一般的には、カードを使って直接勝負するわけではなく、プレイヤーが勝つかバンカーが勝つかを予想してBETすることにより楽しむこともできる。テキサスホールデムは、自分の手札は2枚だけで、全てのプレイヤーが共通で使用することができるコミュニティーカードと呼ばれる5枚のカードと組み合わせて互いに強い役作りを競うカードゲームである。
以下、一例として、ゲーミングサーバを含むシステム上で「テキサスホールデム」を進行させる場合の動作を説明する。
【0052】
(S1)ディーラー(カードを配る親となる役)となる管理者またはNPC(Non Player
Character)の左隣にあたるプレイヤー(各プレイヤーの席次は、システム上で割り当てられ、各プレイヤーのユーザ端末上にレイアウトが示されることで識別することができる)が、スモールブラインド(ゲーム開始時に必ず行わなければならない)をする。次に、その左隣のプレイヤー(席次はシステム上で管理されている)がビッグブラインド(スモールブラインドをした人の左隣の人がするスモールブラインドの2倍のBETである。ゲーム開始時に必ず行わなければならない)をする。
【0053】
(S2)ディーラーは、各プレイヤーにカードを2枚ずつ、絵柄ないし図柄が分からないように配布する(図示しないが、各プレイヤーのユーザ端末の画面上に配布されたことが分かるように表現される)。残りのカードは、それらの絵柄ないし図柄が分からないように積み札とされる(図示しないが、積み札として画面上に表現される)。
【0054】
(S3)ビッグブラインドをした人の左隣の人から順番(反時計回り)にBET等の操作をしていく。一例として、「BET(チップを賭けること)」、「CHECK(チップを賭けないこと)」、「CALL(前の人と同じ枚数のチップを賭けること)」、「RAISE(前の人よりも多い枚数のチップを賭けること)」、「FOLD(ゲームから降りること)」のいずれかを行う。これらの操作及び処理は、従前の対戦型ネットワークカードゲーム上で実現されているので、詳細処理については説明を割愛する。
【0055】
(S4)FOLDをしなかった人が2人以上いた場合は、次のラウンド(S5)へ進む。
【0056】
(S5)ディーラーは、コミュニティーカードを3枚、中央に表向きに置く(「フロップ」という)。各プレイヤーは、コミュニティーカードと自分の2枚の手札を合わせて役を作ることを考えていく。
【0057】
(S6)ビッグブラインドをしたプレイヤーの左隣の人から順番(反時計回り)にBET等の操作をしていく。一例として、「BET」、「CHECK」、「CALL」、「RAISE」、「FOLD」のいずれかを行う。1人を除いて全員FOLDした場合は、唯一FOLDしなかったプレイヤーの勝ちとなる。フォールドをしなかったプレイヤーが2人以上いたら、次のラウンド(S7)へ進む。
【0058】
(S7)ディーラーは、コミュニティーカードを1枚追加する(「ターン」という)。コミュニティーカードが3枚のときと同様にBET等の操作を行う。FOLDをしなかったプレイヤーが2人以上いたら、次のラウンド(S8)へ進む。
【0059】
(S8)ディーラーは、最後の5枚目のコミュニティーカードを場に置く(「リバー」という)。コミュニティーカードが3枚、4枚のときと同様にBET等の操作を行う。
【0060】
(S9)最後のラウンドが終了したときに、FOLDをしていないプレイヤーが2人以上いたら、残ったプレイヤーの手札は公開される(「ショーダウン」という)。これらの公開処理も各プレイヤーのユーザ端末の画面上に描画処理される。そして、全7枚中5枚で、より強いポーカーの役を作ったプレイヤーが勝者とされる。勝者はポット(各プレイヤーが賭けたチップの合計)をすべて獲得する。ただし、勝者が2人以上いた場合は、ポットを等分してそれぞれ勝者に与えられる。本発明の一実施形態において、これら分配されたチップは、管理サーバ上でユーザ(プレイヤー)ごとに更新管理される。
【0061】
(S10)以上のようにゲーム処理を継続し、チップが無くなった人はゲームから抜けていき、最後まで残った人を勝利とすることができる。本発明の一実施形態において、これらの結果は、ゲームの進行経過情報を含め管理サーバにおいて記録管理される。
【0062】
そして、ユーザ(プレイヤー)がいくつかのカードゲームを楽しんだ後、プレイそれ自体の終了を希望して、ゲーミングサーバからのサービス提供を終了させる場合には、ユーザ端末からゲーミングサーバへ終了要求が送信される(時刻t8におけるステップS512)。
【0063】
(仮想マネー管理処理)
本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、上述のとおりゲーム割り当てやゲーム進行処理をも実行するが、本発明のより大きな特徴は、ゲームとゲームとの間(つまり、ゲーム開始前と、ゲーム終了後次のゲームが開始されるまで等)やゲーム中における仮想マネーの管理処理にある。その具体的な特徴は次のとおりである。
(1)複数種類の仮想マネーをユーザごとに管理することができる。
(2)複数種類の仮想マネーのうち少なくとも1種類については、購入あるいは何らかの報酬によって獲得させることができる。
(3)複数のゲームが運用されており、ゲームごとにBETさせる仮想マネーが異なる。
(4)複数種類の仮想マネー間での一方向ないし双方向の交換処理及び管理がなされる。
(5)複数種類の仮想マネーの中には、(5A)ゲームにおけるルールに基づいて分配されるものと、(5B)ゲームのルールとは無関係にゲームの結果順位(あるいは、トーナメントないし大会成績の順位)に基づいて与えられるものとがある。
(6)上記(5B)で与えられる仮想マネーについては、必要に応じて別途精算処理を行わせることができる。
【0064】
本発明の一実施形態かかるシステムにおいては、複数種類の仮想マネーとして次表のとおりの仮想マネーを管理させるものとする。
【表3】
【0065】
また、本発明の一実施形態かかるシステムにおいて、上表の仮想マネーのユーザ(プレイヤー)ごとの管理(各ユーザが、現時点でどの仮想マネーをどれほど所持しているか)は、次表のようなテーブルによって管理サーバ等に管理させることができる。
【表4】
そして、上表に示されたテーブルは、必要に応じて既に説明したユーザのプロフィール情報等と適宜リンクされて使用される。
【0066】
次に、図6を参照して、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける管理処理を説明する。
【0067】
図6に示されるとおり、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、プレイヤー(ユーザ)601に着目して彼/彼女がやり取りする仮想マネーの流れを追跡した場合、次の第1~第4までの4つの管理フェーズに分けることができる。
【0068】
[第1管理フェーズ]
第1管理フェーズは、プレイヤー601が仮想マネーP(ポイント)を獲得し、この仮想マネーPを使って(つまり、BETして)第1のゲーム(通常ゲーム)を遊戯するフェーズである。本フェーズにおいて、プレイヤー601は、自身のユーザ端末を使用して本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムに限定されないシステムサービスを通じて種々の報償602aによるポイント(例えば、システムにログインするとか、簡単なアンケートに返信することなどによって与えられるポイント)、ミッション602bによるポイント(例えば、システムによって与えられたクイズを解いたり、クエストを解決したりすることによって与えられるポイント)、友達紹介603cによるポイント(例えば、SNS上の友人を仮想マネー管理システムが運用するゲームサービスに勧誘するなどして与えられるポイント)を獲得し、それら獲得したポイント603をBETして本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムが運営する第1ゲーム605(典型的には、通常運用されるカードゲームなどがあり、詳細は後述する)に参加する。
【0069】
一方で、本フェーズにおいて、プレイヤー601と同様にして、プレイヤー606も自身のユーザ端末を使用し、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムに限定されないシステムサービスを通じてポイントを購入ないし獲得しており、この獲得したポイント604をBETして第1ゲーム605に参加する。
【0070】
図には示されてはいないが、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、プレイヤー601、606以外の他のプレイヤーも、購入ないし獲得したポイントをBETさせて第1ゲーム605に参加させることができる。複数プレイヤーのシステム(例えば、マッチングサーバやゲーミングサーバ)へのアクセス、マッチング、及びリアルタイムマルチゲームの進行については、図5を参照して既に説明したとおりである。
【0071】
図6において、第1ゲーム605でプレイに興じて他のプレイヤーとポイントをやり取りしたプレイヤー601は、所持しているポイントのうちの一部又は全部のポイント609を持ち出して(具体的には、ユーザ端末の画面上で操作することにより)、第2管理フェーズに移行する。
【0072】
[第2管理フェーズ]
第2管理フェーズは、ユーザ端末の図示しない画面に遷移するなどしてその画面上での操作により、複数の仮想マネー間の交換処理が行われるフェーズである。本フェーズにおいて、プレイヤー601は、管理システム上で管理されている所持ポイントのうちの一部又は全部(図6において、ポイント611)を管理システム上の処理610を介してチップ612に交換する。
【0073】
このとき、ポイントとチップとの間で任意の交換レート(固定レートまたは変動レートのいずれでも構わない)を設定することができる。第2管理フェーズでの仮想マネーの交換操作によりチップ612を取得したプレイヤー601は、所持しているチップのうちの一部又は全部のチップ619を持ち出して(具体的には、ユーザ端末の画面上で操作することにより)、第3管理フェーズに移行する。
【0074】
[第3管理フェーズ]
第3管理フェーズは、プレイヤー601が仮想マネーC(チップ)をBETして第2のゲーム(
トーナメントゲーム)を遊戯するフェーズである。本フェーズにおいて、プレイヤー601は、自身のユーザ端末を使用し、所持しているチップ621をBETして本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムが運営する第2ゲーム620(典型的には、トーナメントとして運用される複数回のカードゲームなどがあり、詳細は後述する)に参加する。
【0075】
一方で、本フェーズにおいて、プレイヤー601と同様にして、プレイヤー626も自身のユーザ端末を使用し、所持しているチップ622をBETして第2ゲーム620に参加する。
【0076】
図には示されてはいないが、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、プレイヤー601、626以外の他のプレイヤーも、所持しているチップをBETして第2ゲーム620に参加させることができる。複数プレイヤーのシステム(例えば、マッチングサーバやゲーミングサーバ)へのアクセス、マッチング、及びリアルタイムマルチゲームの進行については、図5を参照して既に説明したとおりである。
【0077】
図6において、第2ゲーム620でプレイに興じて他のプレイヤーとチップをやり取りしたプレイヤー601は、第2ゲーム620における順位(この順位は、個々のゲームにおける順位であっても、複数のゲームを通じた通算成績によるトーナメントないし大会成績順位であってもよい)に応じて付与される仮想マネーG(ゴールド)のうちの一部又は全部のチップ629を持ち出して(具体的には、ユーザ端末の画面上で操作することにより)、第4管理フェーズに移行する。
【0078】
[第4管理フェーズ]
第4管理フェーズは、ユーザ端末の図示しない画面に遷移するなどしてその画面上での操作により、仮想マネーの精算が行われるフェーズである。本フェーズにおいて、プレイヤー601は、管理システム上で管理されている所持チップのうちの一部又は全部(図6において、チップ631)を管理システム又は当該管理システムと連携する他のシステム上の処理630を介して精算する処理が行われる。この精算処理には、他の仮想マネー等への精算処理や他のプレイヤー等への譲渡処理が挙げられる。なお、精算時の譲渡時のレートは適宜決定される。
【0079】
図7に、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおけるゲーム運用処理例を示す。図7に示されるとおり、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムは、大別して、第1ゲームとしての「通常ポーカー」と、第2ゲームとしての「レギュラートーナメント」と、第3ゲームとしての「ビッグトーナメント」が運営される。図6では、第1のゲームとして「通常ポーカー」、第2のゲームとして「トーナメントゲーム」としたが、図7では、トーナメントゲームが更に細分化されている。
【0080】
図7における第1ゲーム~第3ゲームにおいて実施される個々のゲームとしては、例示的に上述した「テキサスホールデム」形式のカードゲームを採用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。他の形式のカードゲームやカードゲーム以外の他のゲームを採用してもよい。
【0081】
図7では、例示的に、常時開催されている「通常ポーカー(個々のゲームは、例示的に「テキサスホールデム」形式のカードゲームである)」と、比較的短期間ごとに期間限定で開催されている「レギュラートーナメント(個々のゲームは、例示的に「テキサスホールデム」形式のカードゲームである)」と、相対的に少ない頻度で期間限定にて開催される「ビッグトーナメント(個々のゲームは、例示的に「テキサスホールデム」形式のカードゲームである)」とが並行して運営されている。
【0082】
より具体的には、図7において、第1ゲームとして通常ポーカー701及び702が常時開催されており、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにアクセスないしログインした各プレイヤーは、図示しないメニュー画面や紹介画面にてこれら常時開催のゲームへの参加機会を得る。マッチングに適合した複数のプレイヤーが集まれば、システムの運用に基づき、各プレイヤーのBETを伴った個々のゲームが進行する(具体的には、図5及び図6を参照して既に説明したとおりである)。
【0083】
このように、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムでは、例えば、参加資格が異なる複数種類の第1ゲームを同時に運営することができる(参加資格が異なる個々のゲーム運営形態の具体例については、後述する)。
【0084】
また、図7において、第2ゲームとして2種類のレギュラートーナメント711及び712が定期/不定期に開催されており(例示的に、レギュラートーナメント711は、相対的に短い間隔で711a~711fが開催され、レギュラートーナメント712は、相対的に長い間隔で712a~712cが開催される)、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにアクセスないしログインした各プレイヤーは、図示しない告知画面や案内画面にてこれらトーナメントゲームへの参加機会を得る。マッチングに適合した複数のプレイヤーが集まれば、システムの運用に基づき、各プレイヤーのBETを伴った個々のゲームが進行する(具体的には、図5及び図6を参照して既に説明したとおりである)。
【0085】
このように、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムでは、例えば、参加資格が異なる複数種類の第2ゲームを同時に運営することができる(参加資格が異なる個々のゲーム運営形態の具体例については、後述する)。
【0086】
さらに、図7において、第3ゲームとして1種類のビッグトーナメント721a~721bが定期/不定期に開催されており、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにアクセスないしログインした各プレイヤーは、図示しない告知画面や案内画面にてこれらトーナメントゲームへの参加機会を得る。もちろん、本発明はこれに限定されるものではなく、上述のレギュラートーナメントと同様に複数のビッグトーナメントを運用することもできる。
【0087】
次に、図8図12を参照して、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにおける情報処理装置(ユーザ端末)の表示例を説明する。
【0088】
図8は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムにアクセスないしログインしたユーザ端末のホーム画面例である。図において、ホーム画面800の上段には、獲得したチップ等や戦績によって決定されたプレイヤーのレベルを表示させるレベル表示欄801と、プレイヤーの所持ポイントを表示させる所持マネー表示欄802及び所持ゴールドを表示させる所持マネー表示欄803と(図示されていないが、所持チップを表示させる所持マネー欄を設けることもできる)、トーナメント等の告知や広告を表示させるためのローテーションバナーないし表示領域804とが表示されている。
【0089】
また、ホーム画面800の中段には、典型なゲーム参加機会となる通常ポーカーへのエントリ操作領域805が設けられており、参加ボタン805bを押下することによって通常ポーカーへの参加が可能となる。但し、参加するためのポイントを所持していなければならないので、所持ポイントが無いか不足している場合には、プレイヤーはポイント購入ボタン805cを押下して図示されない購入画面に遷移し、必要なだけポイントを購入することができる。
【0090】
また、ホーム画面800の下段には、購入によらないポイント獲得手段となるミッション達成等によるポイントプレゼント表示欄806が表示されている。表示欄806の最上段には、例示的に、日々のログインのよるプレゼントが10ポイント分入手可能であることが示されており、プレイヤーは入手ボタン806bを押下することでこれを獲得することができる。
【0091】
ホーム画面800の最下段には、各種メニューボタンが例示的に表示されている。ボタン811は、ホーム画面に戻るためのホームボタンであり、ボタン812は、開催中ないし開催予定のトーナメントの状況を閲覧するための別画面(図9を参照して後述)へ遷移するための遷移ボタンであり、ボタン813は、獲得した仮想マネー(例えば、ゴールド)を精算する画面へ遷移するための遷移ボタンであり、ボタン814は、仮想マネー(例えば、ポイント)を購入及び/又は購入以外を含めた方法で獲得する画面(不図示)へ遷移するための遷移ボタンであり、ボタン815は、図示されないプレイヤーの友人を招待する画面へ遷移するための遷移ボタンである。
【0092】
図9は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムからサービスを受けているユーザ端末の他の画面例であり、システムで運用されているトーナメントについての情報を閲覧する画面例である。本発明は、これに限定されるものではないが、同図に示されている画面は、例えば、図8に示されているボタン812を押下することによって遷移させることができる。
【0093】
図9において、画面900は、開催中(ないし開催予定)のトーナメントないし大会をスカイプ式に切り換えることができる表領領域を備え、同図においては例示的にトーナメント案内表示901a~903cが表示されている。開催中(ないし開催予定)のトーナメントないし大会が1つのみの場合は、案内表示は、固定表示(例えば、901aのみ)となる。
【0094】
また、図9において、ボタン902は、正面に表示されている案内表示901aの大会ルールを参照するための画面(不図示)へ遷移させるためのボタンであり、ボタン903は、トーナメントないし大会において必要となるチップを入手するための画面(図12を参照して後述)へ遷移させるための遷移ボタンであり、ボタン904は、正面に表示されている案内表示901aの大会における暫定ランキングを参照するための画面(不図時)へ遷移させるためのボタンである。
【0095】
図10は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムからサービスを受けているユーザ端末の他の画面例であり、システムで運用されているトーナメントのエントリ画面例である。本発明は、これに限定されるものではないが、同図に示されている画面1000は、例えば、図9に示されている案内表示901aを押下することによって遷移させることができる。
【0096】
図10の画面1000において、告知表示1001は、このトーナメントにおける優勝の対価額が10000000ゴールドであることが告知されており、ボタン1002を押下することによって図示しないルール説明画面へ遷移しルールを確認することできる。
【0097】
このトーナメントに参加するためにはBETするためのチップが必要であるので、必要なチップを入手するためには、ボタン1003をしてチップを入手するための画面(図12を参照して後述)へ遷移させる。また、このトーナメントの暫定ランキングを参照するためには、ボタン1004を押下してランキングを参照するための画面(不図示)へ遷移させる。
【0098】
そして、このトーナメントに参加するためには、ボタン1005を押下して図示しないプレイ画面へと遷移させる。案内領域1006には、プレイヤーの現在の獲得チップ(ないしポイント)及び順位を1つ上げるために必要な獲得チップ(ないしポイント)が表示されている。
【0099】
図11は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムからサービスを受けているユーザ端末の他の画面例であり、トーナメント参加にあたっての確認ポップアップ例である。本発明は、これに限定されるものではないが、同図に示されているポップアップ1100は、例えば、図10に示されているボタン1005を押下することによってポップアップされる。
【0100】
図11のポップアップ1100には、この大会(トーナメント)は参加条件が課されておりこれをクリアしなければ参加できない旨の告知1101と、参加条件1102が提示されている。
【0101】
プレイヤーは、参加条件を確認し、承諾すればOKボタン1103を押下して大会に参加することとなる。
【0102】
図12は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムからサービスを受けているユーザ端末の他の画面例であり、同図(A)は、所持しているポイントによってチップを入手するための画面例である。これに限定されるものではないが、同図(A)に示されている画面1200は、例えば、図9に示されているボタン903を押下することによって遷移させることができる。
【0103】
図12(A)の画面1200の上段には、所望するチップの額によって支払うべきポイントが表示されており、1段目の表示は、50ポイントの支払いで(同図において「-50P」と表示されている)1000チップが獲得できることが示されている。レートは、1チップにつき20ポイントである。プレイヤーがこの交換を実施したい場合には、ボタン1211が押下される。
【0104】
2段目の表示は、250ポイントの支払いで(同図において「-250P」と表示されている)5000チップが獲得できることが示されている。プレイヤーがこの交換を実施したい場合には、ボタン1212が押下される。同様に、3段目の表示は、500ポイントの支払いで(同図において「-500P」と表示されている)10000チップが獲得できることが示されている。プレイヤーがこの交換を実施したい場合には、ボタン1213が押下される。
【0105】
交換レートは、交換枚数の多さに応じて可変にしてもよい。例えば、図12(A)において、チップを獲得するときのレートは、共通して1チップ20ポイントであるが、5000チップ獲得するときのレートを1チップ23ポイントとし(端数は適宜切り捨て等の処理がなされる)、10000チップ獲得するときのレートを25ポイントとするなどの任意の設定が可能である。
【0106】
また、図12(A)の下段には、プレイヤーの現在の所持チップ数(同図において、999C)が表示されており、交換によってチップが増加すればリアルタイムに増額表示されるように端末及び/又はシステム制御される。
【0107】
図12(B)は、本発明の一実施形態にかかる仮想マネー管理システムからサービスを受けているユーザ端末の他の画面例であり、図12(A)においてチップ獲得をしようとする場合(つまり、ボタン1211~1213のいずれかのボタンを押下した場合)のオプションとしての確認ポップアップ例である。本発明の一実施形態においては、ポイントからチップへの交換はできても、チップからポイントへの再交換はできないように制御管理されているため、これをプレイヤーに確認するためのポップアップ例を図12(B)に示した。
【0108】
図12(B)において、ポップアップ1250は、一度交換したチップはポイントには再交換できない旨を告知する案内1251が表示されており、承諾したプレイヤーは、OKボタン1252を押下することによって、交換を実行させることができる。
【0109】
[応用例1:様々な参加資格]
ここまでの説明において、ゲームないしトーナメントに参加するための「参加資格」の存在について幾度か言及したが、本発明の一実施形態においては、下表のような様々な参加資格や大会条件を設定することができる。
【0110】
【表5】
【0111】
[応用例2:広告とゲーム順位に応じた対価額との連動]
本発明の一実施形態では、例えば、図8の表示領域804に広告を表示させることとしているが、本発明の他の実施形態では、この広告の閲覧回数(システムないし管理サーバで閲覧回数をカウントすることそれ自体は従来技術を流用できる)と、ゲームないしトーナメントの順位に基づいた対価額(この対価額は、一般的なプロフェッショナルの競技等で採用される優勝賞金等に対応付けられるものであって、本発明の一実施形態においては、GOLD、CHIP、POINTが対応付けられる)とを関連付けて、ゲームないしトーナメントに対する提供広告に対する閲覧回数が多くなればなるほど、対価額を高くなるように順次更新していくように運用していくことも可能である。一例として、その更新管理は次表に示されるようなテーブルに基づいて、例えば、管理サーバにおいて更新管理される。
【表6】
上表では、優勝した場合の対価額(最高額)のみ例示したが、本発明の他の実施形態では、2位以下の順位に対する対価額も適宜調整される。
【0112】
また、本発明の他の実施形態においては、表示させる広告のサイズ(画面上の表示領域の大きさ)に応じて対価額を変更させるように管理制御することもできる。例えば、その管理制御は次表に示されるようなテーブルに基づいて、管理サーバ等において管理される。
【表7】
なお、上表の「シングルユニット」とは、画面上の規定の表示領域(任意の解像度を採用可能である)であり、「ダブルユニット」「トリプルユニット」は、「シングルユニット」のそれぞれ2倍、3倍の表示領域である。さらに、「マックスユニット」は、例示的に「シングルユニット」の5倍の表示領域であるものとする。
【0113】
また、本発明の更に他の実施形態においては、画面上に表示させる広告(典型的には、動画広告)の閲覧時間の累積に応じて対価額を増額していくという運営制御も可能である。例えば、動画広告が閲覧された場合の閲覧時間を管理サーバ等にて都度管理しておき、動画広告に対する複数のユーザによる閲覧総時間を更新監視して、閲覧総時間に任意の係数を乗じた値を優勝した場合の対価額とすることができる。
【0114】
さらに、本発明の更に他の実施形態においては、広告閲覧に関する閲覧カウントや閲覧時間計測は、大会開始までで終了するのではなく、大会開始後も継続して管理運営することもできる。このように大会開始後も広告閲覧のカウント等を継続することにより、大会開始後の盛り上がり(広告閲覧も増加することが期待される)に応じた対価額の上乗せを実現することができ、大会運営を一層興趣あるものにすることができる。
【0115】
[応用例3:不正防止目的のためのサーバ側での仮想マネー管理]
これまでの説明では、本発明の特徴的な処理動作は、主として情報処理サーバ群における管理サーバ(仮想マネーを管理する)とゲームサーバ(ゲームの管理運営を行う)との連動によって実施されるが、他の情報処理サーバや情報処理装置等においても実行可能な処理ルーチンのうちの少なくとも一部が実施される場合があることを説明したが、悪意のあるプレイヤーによる不正アクセスや不正なデータ改ざん等の不正行為を防止するために、プレイヤーに関するデータ(各種仮想マネーの所持高等)を一括して管理サーバにて管理することで、本発明にかかるシステムの堅牢性は一層向上する。
【0116】
[応用例4:ゲーム進行における仮想マネー管理の詳細フロー例(1)]
これまでの説明では、ゲーム進行には複数の種類(通常ゲーム、トーナメントないし大会)があることを述べたが、ここでは「通常ゲーム」における仮想マネー管理の観点からの詳細動作フロー例について、図13を参照して説明する。なお、図13に示されるフローでは、プレイヤーのマッチング処理は完了しているものとする。
【0117】
図13のステップS1301において、ゲームが開始されると、ステップS1302に進み、ゲーミングサーバにおいてゲームの進行に際してプレイヤーによるBETの必要があるかどうかが判断され(ステップS1302)、必要がある(Yes)場合には、ステップS1303へ進み、(必要に応じて、ゲーミングサーバからユーザ端末に対してBETをうながしながら)BETされた仮想マネーAの増減処理を行って、各プレイヤーの仮想マネーの所持額等の更新管理を行う。
【0118】
ステップS1302においてNoの場合には、ゲームの進行処理(一例として、「テキサスホールデム」を進行させる場合には、(S1)~(S10)に例示されるような各ステップである)を行って、ステップS1305へ進む。
【0119】
ステップS1305では、そのゲームが終了したかどうかが判断され、Noの場合には、ステップS1302へ復帰する場、Yesの場合には、ステップS1306へ進み、管理サーバにおいて、ゲーム終了にあたってそのゲームでBETされた仮想マネーの各プレイヤーへの配分処理を行って、各プレイヤーの仮想マネーの所持額等の更新管理を行う(ステップS1306)。そして、ステップS1307へ進み、ゲームを終了する。
【0120】
[応用例5:ゲーム進行における仮想マネー管理の詳細フロー例(2)]
ここでは、複数の種類のゲーム(通常ゲーム、トーナメントないし大会)のうち、「トーナメントないしゲーム」における仮想マネー管理の観点からの詳細動作フロー例について、図14を参照して説明する。
【0121】
図14のステップS1401において、トーナメントの運用が開始されると、ステップS1402に進み、当該トーナメントに対して提供されている広告(一例として、図8のローテーションバナーないし表示領域804に表示される広告コンテンツである)に対するユーザによる閲覧回数に応じて、ゲームないしトーナメント順位に基づいた対価額を決定する。
【0122】
ステップS1403では、トーナメントが終了したかどうかがゲーミングサーバ等で判断され、Noの場合は、ステップS1404へ進み、個々のゲーム進行処理(マッチング処理や図13を参照して説明したゲーム進行である)が行われる。そして、ステップS1405へ進み、管理サーバにて、個々のゲーム終了時点での仮想マネー(ここでは、仮想マネーAとする)の所持高に応じたランキング集計処理が行われ、エントリープレイヤーのトーナメント順位(ランキング)が算出されるとともに更新管理が行われる
【0123】
ステップS1403でYesの場合は、トーナメントは終了であるので、ステップS1406へ進み、管理サーバにて、トーナメント終了時点での仮想マネーAの所持高あるいは個々のゲームの通算戦績に基づいてトーナメント順位(ランキング)が算出されるとともに更新処理が行われる。
【0124】
そして、ステップS1407に進み、管理サーバにて、更新されたトーナメント順位(ランキング)に基づいた対価額の付与(典型的には、仮想マネーAとは異なる仮想マネーBが付与される)処理がなされ、各プレイヤーの所持高等の更新管理がなされる。
【0125】
なお、ステップS1402では、いったんトーナメントが開始されるとそれまでの広告閲覧回数等によって対価額を決定したが、本発明はこれに限定されるものではなく、トーナメントが終了するまで、広告閲覧回数ないし広告閲覧頻度をカウントし続けて、カウント回数の増加に伴い対価額を増加させ、トーナメント終了時にその時点での対価額に従って順位に応じた対価が付与されるように運用することもできる。このような運用にすれば、トーナメントの進行に応じた盛り上がり(広告閲覧回数に比例すると考えられる)にふさわしい動的な対価額を採用することができ、一層好適である。
【0126】
以上、具体例に基づき、仮想マネー管理システム、方法及びプログラム等の実施形態を説明したが、本発明の実施形態としては、システム又は装置を実施するための方法又はプログラムの他、プログラムが記録された記憶媒体(一例として、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、ハードディスク、メモリカード)等としての実施態様をとることも可能である。
【0127】
また、プログラムの実装形態としては、コンパイラによってコンパイルされるオブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード等のアプリケーションプログラムに限定されることはなく、オペレーティングシステムに組み込まれるプログラムモジュール等の形態であっても良い。
【0128】
さらに、プログラムは、必ずしも制御基板上のCPUにおいてのみ、全ての処理が実施される必要はなく、必要に応じて基板に付加された拡張ボードや拡張ユニットに実装された別の処理ユニット(DSP等)によってその一部又は全部が実施される構成とすることもできる。
【0129】
本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された構成要件の全て及び/又は開示された全ての方法又は処理の全てのステップについては、これらの特徴が相互に排他的である組合せを除き、任意の組合せで組み合わせることができる。
【0130】
また、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された特徴の各々は、明示的に否定されない限り、同一の目的、同等の目的、または類似する目的のために働く代替の特徴に置換することができる。したがって、明示的に否定されない限り、開示された特徴の各々は、包括的な一連の同一又は均等となる特徴の一例にすぎない。
【0131】
さらに、本発明は、上述した実施形態のいずれの具体的構成にも制限されるものではない。本発明は、本明細書(特許請求の範囲、要約、及び図面を含む)に記載された全ての新規な特徴又はそれらの組合せ、あるいは記載された全ての新規な方法又は処理のステップ、又はそれらの組合せに拡張することができる。
【符号の説明】
【0132】
10 仮想マネー管理システム
11 情報処理サーバ群
111 ゲーム運用サーバ群
15 タブレット端末(情報処理装置の一形態)
12、13 PC(情報処理装置の一形態)
14 携帯電話(情報処理装置の一形態)
19 公衆回線(専用線、インターネット等)
21 マッチングサーバ(群)
22 ゲーミングサーバ(群)
23 管理サーバ(群)
図1
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