(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】自動倉庫システム
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
B65G1/04 521
B65G1/04 541
(21)【出願番号】P 2019030360
(22)【出願日】2019-02-22
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】河野 龍太
【審査官】大塚 多佳子
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-112614(JP,A)
【文献】特表2014-526426(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保管物およびパレットを含む荷を収容可能な自動倉庫システムであって、
起点部から順に第1方向に前記荷を複数並べて収容可能な保管列が、前記第1方向と交差する第2方向に複数連設される保管棚部と、
前記第1方向の寸法に関する情報を検知可能なセンサを有し、荷を搭載して前記保管列を前記第1方向に走行可能な第1台車と、
前記保管棚部において前記荷の移送を
するように前記第1台車を制御する制御部と、
を備え、
前記保管列は、互いにパレットサイズの異なる複数の前記荷を並べて収容
可能であり、
前記制御部は、前記センサを用いて取得された寸法情報に基づいて、当該入庫対象の荷を収容する保管列を決定することを特徴とする自動倉庫システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記センサを用いて取得された一の保管列の起点部に収容された荷のパレットサイズに基づいて、当該一の保管列に収容する他の荷のパレットサイズを決定することを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項3】
前記制御部は、入庫対象の荷のパレットサイズと
、前記センサを用いて取得された前記複数の保管列の各未収容領域の大きさと
、に基づいて、当該入庫対象の荷を収容する保管列を決定することを特徴とする請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記センサを用いて取得された入庫対象の荷のパレットサイズに基づいて、当該入庫対象の荷を収容する保管列を決定することを特徴とする
請求項1に記載の自動倉庫システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の保管列に収容されている荷のパレットサイズに基づいて、前記複数の保管列の間で荷を入れ替える配替えを行うように制御することを特徴とする請求項4に記載の自動倉庫システム。
【請求項6】
前記配替えは、前記複数の保管列のいずれかに同じパレットサイズの荷を集約するように実行されることを特徴とする請求項5に記載の自動倉庫システム。
【請求項7】
前記配替えは、本自動倉庫システムにおける入庫及び出庫が行われていない期間に実行されることを特徴とする請求項5または6に記載の自動倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
少ないスペースで多数の荷を効率的に入庫・出庫可能な自動倉庫システムが知られている。本出願人は、特許文献1によって複数の物品を収容可能な複数の収容棚を備えた自動倉庫システムを開示している。この自動倉庫システムは、保管棚の間で列方向に移動可能な搬送台車と行方向に移動可能な台車とを用いて物品を搬入・搬出するように構成されている。この自動倉庫システムでは、物品をパレットに載置して搬送および収容が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者は、自動倉庫システムについて以下の認識を得た。
自動倉庫に収容する荷には、様々な大きさのものが存在する。パレットに対して小さな荷の場合では、パレット上の無駄な空間が多くなり、自動倉庫システム全体での収容効率が低下する。パレットに対して大きな荷の場合では、荷がパレットからはみ出し、荷の落下や荷の棚部品への接触等を起こす可能性がある。つまり、自動倉庫システムには、大きさの異なる荷に対応しながら、収容効率を向上させる観点で改善すべき余地がある。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、収容効率を向上させることが可能な自動倉庫システムを提供することを目的の一つとしている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある態様の自動倉庫システムは、被保管物およびパレットを含む荷を収容可能な自動倉庫システムであって、起点部から順に第1方向に荷を複数並べて収容可能な保管列が、第1方向と交差する第2方向に複数連設される保管棚部と、保管棚部において荷の移送を制御する制御部と、を備える。保管列は、互いにパレットサイズの異なる複数の荷を並べて収容できる。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや、本発明の構成要素や表現を方法、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、収容効率を向上させることが可能な自動倉庫システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態に係る自動倉庫システムの一例を概略的に示す平面図である。
【
図2】
図1の自動倉庫システムの保管棚部の配置を示す平面図である。
【
図3】
図1の自動倉庫システムを概略的に示す側面図である。
【
図4】
図1の自動倉庫システムの保管棚部の配置を示す側面図である。
【
図5】
図1の自動倉庫システムの第1台車の一例を概略的に示す平面図である。
【
図7】
図1の自動倉庫システムの第2台車の一例を概略的に示す平面図である。
【
図9】
図1の自動倉庫システムの入庫動作の一例を説明する状態図である。
【
図10】
図9の動作を説明するフローチャートである。
【
図11】
図1の自動倉庫システムの入庫動作の一例を説明する別の状態図である。
【
図13】
図1の自動倉庫システムの配替え動作の一例を説明する第1の状態図である。
【
図15】
図1の自動倉庫システムの配替え動作の一例を説明する第2の状態図である。
【
図16】
図1の自動倉庫システムの配替え動作の一例を説明する第3の状態図である。
【
図17】
図1の自動倉庫システムの配替え動作の一例を説明する第4の状態図である。
【
図18】
図1の自動倉庫システムの配替え動作の一例を説明する第5の状態図である。
【
図19】第1変形例に係る自動倉庫システムの荷の収容状態を説明する第1の状態図である。
【
図20】
図19の自動倉庫システムの荷の収容状態を説明する第2の状態図である。
【
図21】
図19の自動倉庫システムの荷の収容状態を説明する第3の状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに各図面を参照しながら説明する。実施の形態および変形例では、同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。
【0011】
また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
【0012】
[実施の形態]
図面を参照して実施の形態に係る自動倉庫システム100の構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る自動倉庫システム100の一例を概略的に示す平面図である。
図2は、自動倉庫システム100の保管棚部22の配置を示す平面図である。
図3は、自動倉庫システム100を概略的に示す側面図である。
図4は、自動倉庫システム100の保管棚部22の配置を示す側面図である。これらの図では、柱や梁などの記載を省略している。
【0013】
説明の便宜上、図示のように、水平なある方向をX軸方向、X軸方向に直交する水平な方向をY軸方向、両者に直交する方向すなわち鉛直方向をZ軸方向とするXYZ直交座標系を定める。X軸、Y軸、Z軸のそれぞれの正の方向は、各図における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。また、X軸方向を「行方向」ということもある。また、Y軸方向を「列方向」ということもある。また、Z軸方向を「上下方向」ということもある。このような方向の表記は自動倉庫システム100の構成を制限するものではなく、自動倉庫システム100は、用途に応じて任意の構成で使用されうる。なお、以降の説明ではXYZ直交座標系を用いて説明するが、必ずしもX軸方向、Y軸方向、Z軸方向は互いに直交していなくとも、略90度で交差していればよい。
【0014】
先に、自動倉庫システム100の全体構成を説明する。自動倉庫システム100は、多数の荷12を収容可能な保管棚部22を含むシステムである。なお、本明細書では、被収容物は、複数種類のパレットに搭載された状態で扱われるものとする。したがって、荷12は被収容物とこれを搭載したパレットとを含む。また、被収容物をパレットに載せた状態で移送することを、単に荷12を移送するという。また、荷12の平面視のサイズは異なる記載をしない限り平面視のパレットサイズである。また、複数種類のパレットは、X軸方向の寸法はそれぞれ同じで、Y軸方向の寸法(以下、単に「パレットサイズ」という)が異なる。
【0015】
自動倉庫システム100は、保管棚部22、32と、第1台車14と、第2台車16と、第1レール40と、第2レール44と、給電部34と、制御部18と、を含む。実施の形態では、第1方向としてY軸方向を、第2方向としてX軸方向を例示している。保管棚部22、32において、第1レール40はY軸方向に延在する。移動通路47は、第2台車16の走行路であって保管棚部22の端部近傍にX軸方向に延設される。第2レール44と給電部34とは移動通路47においてX軸方向に延在する。なお、本明細書では、保管棚部22の移動通路47側の端部を、「保管棚部22の間口」という。
【0016】
制御部18は、MPU(Micro Processing Unit)などを含んで構成され、ユーザからの操作結果に基づき、入庫、出庫、配替え等のために荷12の移送を制御する。一例として、制御部18は、所定の収容部と入庫部28、出庫部30との間や複数の収容部間で荷12を移送するように第1台車14および第2台車16を制御する。
【0017】
(保管棚部)
保管棚部22、32は、床部Lg上に複数設置され、多数の荷12を保管可能ないわば高密度保管型の保管スペースである。本実施形態では、移動通路47を挟んでY軸方向の両側に保管棚部22と、保管棚部32が設けられている。保管棚部22、32の構成は、複数の荷12を収容・保管可能であれば、特に限定されない。自動倉庫システム100は、上下方向に層状に重ねられたN(N≧2)段の保管棚部22、32を有する。本実施形態は3段の保管棚部22、32を有する。
【0018】
各段の保管棚部22は、X軸方向に連設された複数の保管列24を含む。各保管列24は、起点部24mから順にY軸方向に荷12を複数並べて収容可能である。起点部24mは、保管列24の収容領域の起点であり、保管列24の末端領域であってもよいし、末端領域とは別に予め設定された領域であってもよい。この例では、起点部24mは末端領域である。
【0019】
各段の保管棚部32は、X軸方向に連設された複数の収容部36を含む。各収容部36は、単一の荷12を収容可能である。
【0020】
保管列24において、1つの荷12を保管する単位を便宜的に収容部26と表記する。各保管列24は、Y軸方向に連設された複数の収容部26を有する。各収容部26のY軸方向の寸法は、
図2、
図4では同寸法で示しているが、収容対象の荷12のパレットサイズに応じてフレキシブルに変更されてもよく、個々に異なっていてもよい。各保管列24の第2レール44側の間口部24nは、保管棚部22の間口に沿っており、第1台車14が出入りする出入口として機能する。間口部24nは保管列24の収容領域の終点であってもよい。
【0021】
第1レール40は、第1台車14が走行するための走行路である。第1レール40は、各保管列24において、Y軸方向に延在する。第2レール44は、第2台車16が走行するためのレールである。第2レール44は、各保管列24を横断するようにX軸方向に延在する。本実施形態の第2レール44は、保管列24の間口部24nに接近した位置に設けられている。第1レール40および第2レール44を総称するときは単にレールという。第1レール40は、X軸方向に延在する第1支持部材42上に支持される。第2レール44は、Y軸方向に延在する横梁46上に支持される。なお、第1支持部材は横梁46上に支持されてもよい。
【0022】
(第1台車)
次に、
図5、
図6も参照して第1台車14について説明する。
図5は、第1台車14の一例を概略的に示す平面図である。
図6は、第1台車14の正面図である。第1台車14は、荷12を移送するために、保管列24の中で第1レール40をY軸方向に走行する。第1台車14は、収容部26に対して荷12を出し入れする。第1台車14は、第2台車16に乗降するために、第2台車16上をY軸方向に走行する。
【0023】
第1台車14は、車体14bと、載置台部14cと、リフト機構14dと、複数(例えば4個)の車輪14fと、を主に含む。車体14bは、上下方向に偏平な略直方体形状の輪郭を有する。車体14bの内部には、複数の車輪14fを駆動するモータ(不図示)と、このモータを制御する制御回路(不図示)と、バッテリ(不図示)と、を搭載している。第1台車14は、バッテリの電力によってモータを駆動するように構成されている。バッテリは繰り返し充電可能なリチウムイオンバッテリなどの二次電池である。
【0024】
載置台部14cは、荷12を持上げて保持する部分である。リフト機構14dは、載置台部14cを昇降させる機構である。
図6において、上昇状態の載置台部14cを破線で示し、下降状態の載置台部14cを実線で示す。リフト機構14dは、載置台部14cを上昇させ、荷12を収容部26の載置面から持上げることができる。リフト機構14dは、載置台部14cを降下させて荷12を収容部26の載置面に降ろすことができる。複数の車輪14fは第1レール40上および第2台車16上を転動することができる。
【0025】
(第2台車)
次に、
図7、
図8も参照して第2台車16について説明する。
図7は、第2台車16の一例を概略的に示す平面図である。
図8は、第2台車16の正面図であり、第1台車14を搭載した状態を示している。第2台車16は、第2レール44をX軸方向に走行する。第2台車16は、空荷の状態または荷12を搭載した状態の第1台車14を移送する。
【0026】
第2台車16は、台車搭載部16cと、複数(例えば、4個)の車輪16fと、集電ユニット38と、を主に含む。台車搭載部16cは、第2台車16のX軸方向の中央部に設けられる。台車搭載部16cは、第1台車14を搭載するための部分で、第1台車14をガイドする一対のガイド部16jを有する。各ガイド部16jの正面視の断面は、角張った横向きU字形状を有する。第2台車16は、正面視で台車搭載部16cが左右から凹んだ略凹形状を呈する。
【0027】
第2台車16は、集電ユニット38を介して給電部34から電力を受け取る。第2台車16は、受け取った電力によってモータ(不図示)を回転させ車輪16fを駆動可能に構成される。第2台車16は、受け取った電力によって、第1台車14のバッテリを充電可能に構成される。
【0028】
(入庫部・出庫部)
次に、
図1、
図2を参照して、入庫部28および出庫部30について説明する。自動倉庫システム100には、倉庫外部からの荷12を搬入するための入庫部28と、倉庫外部へ荷12を搬出するための出庫部30とを有する。
図1において、入庫部28および出庫部30は、保管棚部22のX軸負方向側において、移動通路47の近傍に配置されている。入庫動作において、倉庫外部からの荷12はフォークリフトなどによって入庫部28に搬入される。入庫部28に搬入された荷12は、第1台車14および第2台車16によって所定の収容部26に移送されて収容される。出庫動作において、所定の収容部26に収容されていた荷12は、第1台車14および第2台車16によって出庫部30に移送される。出庫部30に移送された荷12は、フォークリフトなどによって倉庫外部に搬出される。
以上が、自動倉庫システム100の全体構成の説明である。
【0029】
次に、
図9~
図18を参照して、自動倉庫システム100の動作の一例を説明する。
図9、
図11、
図13、
図15~
図18は、自動倉庫システム100の動作を説明する状態図である。これらの状態図では、平面視の保管棚部22の各保管列24を模式的に示している。これらの図において、各保管列24を入庫部28に近い側から、保管列24A、保管列24B、保管列24C、保管列24D、保管列24E、保管列24Fと表記する。
【0030】
本実施形態では、荷12は、被収容物の大きさや数により複数のパレットサイズを有する。この例では、パレットサイズが大きい荷12Aと、荷12Aよりパレットサイズが小さい荷12Bとを扱う例を示す。一例として、荷12Aのパレットサイズは1.5mであり、荷12Bのパレットサイズは1.0mとする。
【0031】
上述したように、各保管列24は、起点部24mから順にY軸方向に荷12を複数並べて収容可能である。この例の起点部24mは保管列24の末端領域である。収容された複数の荷12は所定の隙間を介して並べられるが、ここでは隙間をゼロとして説明する。保管列24A~24FのY軸寸法は6mであり、パレットサイズが大きい荷12Aだけであれば4つ収容可能であり、パレットサイズが小さい荷12Bだけであれば6つ収容可能である。
【0032】
保管列24において、既に荷12が収容された領域を既収容領域24jといい、荷12が収容されていない領域を未収容領域24kという。既収容領域24jおよび未収容領域24kのY軸寸法をそれぞれの領域の「大きさ」と表記する。
【0033】
(入庫動作)
入庫部28の入庫対象の荷12を収容部26に移送する入庫動作の一例を説明する。入庫動作は、様々な制御方法によって制御されてもよい。以下、入庫対象の荷12を荷12Xと表記する。
【0034】
図9、
図10を参照して、
図9の状態において、入庫対象の荷12Xを収容部26に移送する場合の第1のプロセスS110を説明する。
図10は、プロセスS110を説明するフローチャートである。このプロセスS110において、制御部18は、一の保管列24の起点部24mに収容された荷12のパレットサイズに基づいて、当該一の保管列24に収容する他の荷12のパレットサイズを決定する。
【0035】
図9の例では、保管列24Aと保管列24Cとには、1つの荷12Aが収容される。保管列24Bと保管列24Dとには、1つの荷12Bが収容される。保管列24Eと24Fとには荷12は収容されていない。
【0036】
プロセスS110が開始されると、制御部18は、入庫対象の荷12Xのパレットサイズを取得する(ステップS111)。一例として、入庫部28の近傍に透過型または反射型のレーザセンサ(不図示)を設け、制御部18は、パレットがレーザ光を遮断または反射している時間と、移送速度とに基づいてパレットサイズを取得してもよい。
【0037】
別の一例として、第1台車14に荷12のパレットサイズを検知可能なセンサ(不図示)を設け、制御部18は、第1台車14の当該センサの検知結果に基づきパレットサイズを取得してもよい。このようなセンサとしては、レーザ光を用いてパレットサイズを計測可能なレーザセンサであってもよい。
【0038】
また、別の一例として、事前に入庫対象の荷12Xのパレットサイズをデータベース(不図示)に記憶しておき、制御部18は、当該データベースからパレットサイズを取得してもよい。
【0039】
パレットサイズを取得したら、制御部18は、保管列24A~24Fの起点部24mに収容された荷12のパレットサイズを取得する(ステップS112)。一例として、各起点部24mの近傍にパレットサイズを検知可能なレーザセンサ(不図示)を設け、制御部18は、当該レーザセンサの検知結果に基づいてパレットサイズを取得してもよい。
【0040】
別の一例として、パレットサイズを検知可能なセンサ(不図示)を有する第1台車14を、起点部24mで走行させ、制御部18は、当該レーザセンサの検知結果に基づいてパレットサイズを取得してもよい。
【0041】
また、別の一例として、各保管列24における荷12の入出庫履歴をデータベース(不図示)に記憶しておき、制御部18は、当該データベースの入出庫履歴に基づいて起点部24mに収容された荷12のパレットサイズを取得してもよい。
【0042】
パレットサイズを取得したら、制御部18は、保管列24A~24Fについて、この保管列の起点部24m以外に収容する他の荷12のパレットサイズ(以下、「収容サイズ」という)を決定する(ステップS113)。収容サイズは、起点部24mの荷12のパレットサイズに基づいて決定される。
【0043】
このステップにおける決定は、所定の判定規則に従って実行されてもよい。一例として、制御部18は、起点部24mの荷12のパレットサイズを収容サイズとして決定してもよい。この場合、一の保管列24は、同一のパレットサイズの荷12が収容される。
図9の例では、制御部18は、保管列24Aと保管列24Cとには荷12Aを収容し、保管列24Bと保管列24Dとには、荷12Bを収容すると決定する。なお、保管列24E、24Fの収容サイズは決定されなくてもよい。
【0044】
収容サイズを決定したら、制御部18は、入庫対象が荷12Aの場合は、その荷を保管列24Aまたは保管列24Cに移送し、入庫対象が荷12Bの場合は、その荷を保管列24Bまたは保管列24Dに移送して収容するように第1台車14と第2台車16とを制御する(ステップS114)。
【0045】
入庫対象の荷12Xを保管列24に移送したら、制御部18は、プロセスS110を終了する。プロセスS110のこれらのステップはあくまでも一例であり、目的の趣旨を逸脱しない範囲で、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0046】
図11、
図12を参照して、
図11の状態において、入庫対象の荷12Xを収容部26に移送する第2のプロセスS120を説明する。
図12は、プロセスS120を説明するフローチャートである。プロセスS120において、制御部18は、入庫した荷のパレットサイズと複数の保管列24の各未収容領域24kの大きさとに基づいて、当該入庫した荷12を収容する保管列(以下、「収容保管列」という)を決定する。
【0047】
図11の例では、保管列24Aには、4つの荷12Aが収容され、未収容領域24kの大きさはゼロである。保管列24Bには、6つの荷12Bが収容され、未収容領域24kの大きさはゼロである。保管列24Cには、3つの荷12Aと1つの荷12Bとが収容され、未収容領域24kの大きさは0.5mである。保管列24Dには、1つの荷12Aと3つの荷12Bとが収容され、未収容領域24kの大きさは1.5mである。保管列24Eには、2つの荷12Aと2つの荷12Bとが収容され、未収容領域24kの大きさは1.0mである。保管列24Fには、1つの荷12Aと3つの荷12Bとが収容され、未収容領域24kの大きさは1.5mである。このように、保管列24は、互いにパレットサイズの異なる複数の荷12を並べて収容できる。
【0048】
プロセスS120が開始されると、制御部18は、入庫対象の荷12Xのパレットサイズを取得する(ステップS121)。このステップは、ステップS111と同様である。
【0049】
パレットサイズを取得したら、制御部18は、保管列24A~24Fの未収容領域24kの大きさを取得する(ステップS122)。例えば、荷12の有無を検知可能なセンサを有する第1台車14を、保管列24内を走行させ、制御部18は、荷12を検知していなかった時間(または、検知していた時間)に基づいて未収容領域24kの大きさを取得してもよい。また、別の一例として、各保管列24における荷12の入出庫履歴をデータベース(不図示)に記憶しておき、制御部18は、当該データベースの入出庫履歴に基づいて未収容領域24kの大きさを取得してもよい。
【0050】
未収容領域24kの大きさを取得したら、制御部18は、各未収容領域24kの大きさが入庫対象の荷12Xのパレットサイズ以上で収容可能か否かを判定する(ステップS123)。この判定動作は、保管列24A~24Fをこの順番で実行されてもよいし、別の順で実行されてもよい。
【0051】
収容可能か否かを判定したら、制御部18は、その判定結果を記憶する(ステップS124)。なお、
図12には図示していないが、各保管列24の何れも収容できない場合、制御部18は、何らかの警報を発し、このプロセスを停止してもよい。
【0052】
判定結果を記憶したら、制御部18は、判定結果に基づき、所定の判定規則に従って収容保管列を決定する(ステップS125)。以下、判定規則の一例を説明する。
【0053】
第1の判定規則を説明する。この判定規則では、制御部18は、最初に収容可能と判定された保管列24を収容保管列と決定する。上述の例では、最初に収容可能と判定された保管列24Dを収容保管列と決定する。
【0054】
第2の判定規則を説明する。この判定規則では、制御部18は、最後に収容可能と判定された保管列24を収容保管列と決定する。上述の例では、最後に収容可能と判定された保管列24Fを収容保管列と決定する。
【0055】
第3の判定規則を説明する。この判定規則では、制御部18は、収容可能であって未収容領域24kの大きさが最も大きい保管列24を収容保管列と決定する。上述の例では、最も大きな1.5mの未収容領域24kを有する保管列24Dを収容保管列と決定する。
【0056】
第4の判定規則を説明する。この判定規則では、制御部18は、収容可能であって未収容領域24kの大きさが最も小さい保管列24を収容保管列と決定する。上述の例では、保管列24Eを収容保管列と決定する。
【0057】
第5の判定規則を説明する。この判定規則では、制御部18は、収容可能であって未収容領域24kの大きさと入庫対象の荷12Xのパレットサイズとの差分が最も小さい保管列24を収容保管列と決定する。上述の例では、差分がゼロである保管列24Eを収容保管列と決定する。
【0058】
第1~第5の判定規則はあくまでも一例であり、制御部18は、別の判定規則に基づいて収容保管列を決定してもよい。
【0059】
収容保管列を決定したら、制御部18は、その収容保管列に入庫対象の荷12Xを移送して収容するように第1台車14と第2台車16とを制御する(ステップS126)。
【0060】
入庫対象の荷12Xを保管列24に移送したら、制御部18は、プロセスS120を終了する。プロセスS120のこれらのステップはあくまでも一例であり、目的の趣旨を逸脱しない範囲で、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0061】
プロセスS120のように、未収容領域24kの大きさを取得し、その結果に基づいて収容保管列を決定することにより、本実施形態は、入庫対象の荷12Xを収容可能な大きさの未収容領域24kを有する保管列24に当該荷12を移送して収容することができる。
【0062】
(配替え動作)
次に、
図13も参照して、自動倉庫システム100の配替え動作の一例を説明する。
図13に示すように、複数種類のパレットサイズの荷12を一の保管列24に収容すると、パレットサイズの組み合わせによっては、各未収容領域24kが無駄になり、収容効率が低下する場合がある。そこで、本実施形態では、未収容領域の大きさに基づいて、複数の保管列24の一方から他方に未収容領域24kを移すことで、収容効率を高めるように配替え動作が実行される。
【0063】
配替え動作を実行するタイミングに制限はないが、本実施形態では入出庫動作が行われない空き時間に配替え動作が行われる。
【0064】
配替え動作は、オペレータの操作に応じて実行されてもよいし、自動的に実行されてもよい。例えば、配替え動作は、タイマーにより所定時刻以降に実行されるようにしてもよいし、データベースに記憶された入出庫計画や、過去の入出庫動作の履歴に基づいて予測された入出庫動作が行われない空き時間に実行されてもよい。この予測には人工知能による学習結果が用いられてもよい。
【0065】
図13に示す配替え前の状態の未収容領域24kの大きさを説明する。保管列24A、24C、24Eには、3つの荷12Aと1つの荷12Bが収容され、未収容領域24kの大きさは0.5mである。保管列24B、24D、24Fには、1つの荷12Aと4つの荷12Bが収容され、未収容領域24kの大きさは0.5mである。大きさが0.5mの未収容領域24kは、パレットサイズが小さい荷12Bであっても追加収容できない無駄な領域である。しかし、各未収容領域24kを集約すると3.0mとなり、荷12A、12Bを1~3つ追加収容できる。
【0066】
一例として、複数の保管列24における未収容領域24kを集約することによって、追加で収容できる荷12の数(以下、「追加収容可能数」という)が増えると判定されたときに未収容領域24kを集約する配替え動作が行われてもよい。以下、配替えプロセスの一例を説明する。
【0067】
図14を参照して、1つの保管列24に同じパレットサイズの荷12を集約するプロセスS130を説明する。
図14は、プロセスS130を説明するフローチャートである。
【0068】
プロセスS130が開始されると、制御部18は、各保管列24における収納数の最も多いパレットサイズ(以下、「最多サイズ」という)を特定する(ステップS131)。最多サイズは、データベースに記憶された入出庫履歴に基づいて特定できる。あるいは、パレットサイズを検知可能なセンサを有する第1台車14を保管列24内で走行させ、当該センサの検知結果に基づいて最多サイズを特定できる。このステップでは、保管列24A、24C、24Eの最多サイズは1.5mであり、保管列24B、24D、24Fの最多サイズは1.0mであると特定できる。
【0069】
最多サイズを特定したら、制御部18は、各保管列24における最多サイズ以外のパレットサイズ(以下、「非最多サイズ」という)の荷12を一時収容領域に収容する(ステップS132)。一時収容領域は、他の保管列24であってもよいし、一時収容のために別に設けられた領域であってもよい。この例では、移動通路47を挟んで向い合う保管棚部32の収容部36を一時収容領域として用いる。このステップで、非最多サイズの荷12の間口部24n側に最多サイズの荷12がある場合は、一旦、この荷12を別の一時収容領域に移送し、後に戻すようにしてもよい。
【0070】
このステップでは、
図15に示すように、保管列24A、24C、24Eから荷12Bが一時収容領域に収容され、保管列24B、24D、24Fから荷12Aが一時収容領域に収容される。
【0071】
荷12を一時収容したら、制御部18は、その荷12を同じパレットサイズを最多サイズとする保管列24に移送する(ステップS133)。このステップでは、
図16に示すように、保管列24A、24C、24Eに荷12Aが収容され、保管列24B、24D、24Fに荷12Bが収容される。この結果、保管列24A、24C、24Eには、すべてパレットサイズが大きい荷12Aが収容され、保管列24B、24D、24Fには、すべてパレットサイズが小さい荷12Bが収容される。また、保管列24B、24D、24Fの未収容領域24kは1.0mとなり、荷12Bを追加収容できる大きさになった。
【0072】
一時収容した荷12を保管列24に移送したら、制御部18は、プロセスS130を終了する。プロセスS130のこれらのステップはあくまでも一例であり、目的の趣旨を逸脱しない範囲で、他のステップを追加したり、一部のステップを変更または削除したり、ステップの順序を入れ替えてもよい。
【0073】
プロセスS130で説明したように、複数の保管列24A、24Bの間で、互いにパレットサイズが異なる荷12Aと荷12Bとを入れ替えることにより、追加収容可能数を増やし、保管棚部22の収容効率を高めることができる。
【0074】
また、複数の保管列24A~24Fのうち少なくとも1つの保管列24Aの未収容領域24kの大きさを実質的にゼロにするように配替えすることにより、追加収容可能数を増やし、保管棚部22の収容効率を高めることができる。
【0075】
また、複数の保管列24A~24Fのうち少なくとも1つの未収容領域24kの大きさを所定の最大パレットサイズの荷12Aを収容可能にすることもできる。例えば、
図16の状態から、保管列24Dの荷12Bを1つ保管列24Bに移送し、
図17に示すように保管列24Bの未収容領域24kを保管列24Dに集約することによって、保管列24Dはパレットサイズの大きい荷12Aを1つ追加収容できるようになる。
【0076】
また、
図17の状態から、保管列24Dの荷12Bを1つ保管列24Fに移送し、
図18に示すように保管列24Fの未収容領域24kを保管列24Dに集約することによって、保管列24Dはパレットサイズの大きい荷12Aを2つ追加収容できるようになる。
【0077】
また、プロセスS130で説明したように、パレットサイズおよび未収容領域24kの大きさに基づいて複数の保管列24A~24Fの間で、パレットサイズの異なる荷12同士を入れ替えることにより、追加収容可能数を増やし、保管棚部22の収容効率を高めることができる。
【0078】
本発明の一態様の概要について説明する。本発明のある態様の自動倉庫システムは、被保管物およびパレットを含む荷12を収容可能な自動倉庫システムであって、起点部24mから順に第1方向に荷12を複数並べて収容可能な保管列24が、第1方向と交差する第2方向に複数連設される保管棚部22と、保管棚部22において荷12の移送を制御する制御部18と、を備える。保管列24は、互いにパレットサイズの異なる複数の荷12を並べて収容できる。
【0079】
この態様によれば、入庫対象の荷12Xを、そのパレットサイズに関わらず任意の保管列24へ収容できる。小さな荷12には小さいパレットを使用できるので、無駄なスペースの発生を抑え、収容効率を高めうる。また、大きな荷12には大きなパレットを使用できるので、荷12の落下や衝突などの防止を図れる。
【0080】
制御部18は、一の保管列24の起点部24mに収容された荷12のパレットサイズに基づいて、当該一の保管列24に収容する他の荷12のパレットサイズを決定するように構成されてもよい。この場合、その保管列24に収容する荷12のパレットサイズを統一できる。
【0081】
制御部18は、入庫対象の荷12Xのパレットサイズと複数の保管列24の各未収容領域24kの大きさとに基づいて、当該入庫対象の荷12Xを収容する保管列24を決定するように構成されてもよい。この場合、空いているスペースへ荷12を適宜収容できるので、無駄なスペースの発生を抑制して収容効率を向上させることができる。
【0082】
本発明の別の態様の自動倉庫システムは、被保管物およびパレットを含む荷12を収容可能な自動倉庫システムであって、起点部24mから順に第1方向に荷12を複数並べて収容可能な保管列24が、第1方向と交差する第2方向に複数連設される保管棚部22と、保管棚部22において荷12の移送を制御する制御部18と、を備える。保管列24は、互いにパレットサイズの異なる複数の荷12を並べて収容可能であり、制御部18は、入庫対象の荷12Xのパレットサイズに基づいて、この入庫対象の荷12Xを収容する保管列24を決定するように構成される。
【0083】
この態様によれば、入庫対象の荷12Xを、そのパレットサイズに基づいて、この荷12を収容する保管列24を決定するので、収容時の制約を減らして収容効率の向上を図れる。
【0084】
制御部18は、複数の保管列24に収容されている荷12のパレットサイズに基づいて、複数の保管列24の間で荷12を入れ替える配替えを行うように制御してもよい。この場合、一の保管列24に異なるパレットサイズの荷12を収容すると、パレットサイズの組み合わせによっては収容効率が低下するおそれがあるところ、荷12を入れ替えることにより、無駄なスペースを減らし収容効率を向上させることができる。
【0085】
上述の配替えは、複数の保管列24のいずれかに同じパレットサイズの荷12を集約する動作であってもよい。この場合、その保管列24に収容する荷12のパレットサイズを統一して、収容効率を向上させることができる。
【0086】
上述の配替えは、自動倉庫システム100における入庫及び出庫が行われていない期間に実行されてもよい。この場合、入出庫動作への影響を少なくして、自動倉庫システムのスループット低下の防止を図りうる。
【0087】
以上、本発明の実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、いろいろな変形および変更が本発明の特許請求の範囲内で可能なこと、またそうした変形例および変更も本発明の特許請求の範囲にあることは当業者に理解されるところである。従って、本明細書での記述および図面は限定的ではなく例証的に扱われるべきものである。
【0088】
(変形例)
以下、変形例について説明する。変形例の図面および説明では、実施の形態と同一または同等の構成要素、部材には、同一の符号を付する。実施の形態と重複する説明を適宜省略し、実施の形態と相違する構成について重点的に説明する。
【0089】
[第1変形例]
図19~
図21を参照して第1変形例に係る自動倉庫システム100を説明する。
図19~
図21は、自動倉庫システム100の荷12の収容状態を説明する状態図である。本変形例は、各保管列24の起点部24mの位置が保管棚部22を収容する建物の形状等に対応して異なる点と、3種類のパレットサイズの荷12を収容する点とで実施形態と相違し、他の構成は同様である。したがって、主に相違点について説明する。
【0090】
本変形例では、Y軸方向の寸法において、保管列24Dは保管列24Eより短く、保管列24Cは保管列24Dより短く、保管列24Bは保管列24Cより短く、保管列24Aは保管列24Bより短い。また、本変形例では、それぞれパレットサイズの異なる荷12Aと荷12Bと荷12Cとを収容可能に構成される。荷12Cのパレットサイズは1.25mである。
【0091】
本変形例では、
図19に示すように、各保管列24において、パレットサイズを限定せずに荷12を収容する(以下、「非限定収容モード」という)ことができる。非限定収容モードモードでは、どの保管列であるかに関わらず空いている未収容領域に入庫対象の荷を収容できるので、荷の収容可能数を増やせる場合がある。また、保管列24A、24Bのように空の保管列を形成することも可能で、この空の保管列は配替えの際の一時収容領域としても使用できる。
【0092】
本変形例では、
図20に示すように、各保管列24において、パレットサイズを限定して荷12を収容する(以下、「限定収容モード」という)ことができる。限定収容モードでは、各保管列24において、パレットサイズを設定し、この設定パレットサイズの荷に限定して収容する。保管列24が空になったら、空になった保管列24の設定パレットサイズは動的に変更されてもよい。
図21の例は、
図20の状態から、保管列24Eの荷12Cをすべて出庫して空になった後に、保管列24Eの設定パレットサイズを変更して、荷12Bを収容した状態を示す。このように、設定パレットサイズを動的に変更することにより、保管棚部22の使い方の幅が広がり、収容効率の向上を図れる。
【0093】
[その他の変形例]
実施の形態および第1変形例の説明では、2または3種類のパレットサイズの荷12を収容する例を示したが、本発明はこれに限られない。自動倉庫システムは、4種類以上のパレットサイズの荷12を収容するようにしてもよい。また、荷12のパレットサイズが予め設定されていることは必須ではない。例えば、上限と下限を定め、その間で自由なパレットサイズの荷12を収容および入出庫可能にしてもよい。
【0094】
実施の形態の説明では、荷12の出入口部が保管列24の一端に設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。荷12の出入口部は保管列24の両端それぞれに設けられてもよい。
【0095】
実施の形態の説明では、起点部24mが固定される例を示したが、本発明はこれに限られない。起点部24mは所定の場合に変更されてもよい。
【0096】
実施の形態の説明では、一の保管列24の起点部24mに収容された荷12と同じパレットサイズの荷12を当該保管列24に収容する例を示したが、本発明はこれに限られない。例えば、未収容領域24kの大きさを整数で除した値に基づく大きさのパレットサイズの荷12を当該保管列24に収容するようにしてもよい。
【0097】
複数の段の保管棚部22の間で荷12を昇降するための昇降機構が設けられてもよい。この場合、配替えは昇降機構も用いて行われてもよい。
【0098】
実施の形態の説明では、台車がレールを有する走行路を走行する例を示したが、本発明はこれに限られない。台車はレールを有しない走行路を走行するものであってもよい。
【0099】
第1台車14を備えることは必須ではない。第1台車14に代えて、荷12を移送可能な別の構成を有する移送手段が備えられてもよい。
【0100】
第2台車16を備えることは必須ではない。第1台車14を搭載して第2方向に移動可能な移動機構であればよく、例えば第2台車16の代わりにスタッカークレーンが備えられてもよい。
【0101】
フォークリフトに代えて、クレーンを備えた移載装置など、別の種類の移載装置によって、荷12を搬入、搬出するようにしてもよい。
【0102】
これらの各変形例は、実施の形態と同様の作用効果を奏する。
【0103】
上述した実施の形態と変形例の任意の組み合わせもまた本発明の実施形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
【符号の説明】
【0104】
12・・・荷、14・・・第1台車、16・・・第2台車、18・・・制御部、22・・・保管棚部、24・・・保管列、24j・・・既収容領域、24k・・・未収容領域、24m・・・起点部、24n・・・間口部、26・・・収容部、100・・・自動倉庫システム。