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特許7315361医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20230719BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20230719BHJP
   G01T 1/161 20060101ALI20230719BHJP
   G06T 15/08 20110101ALI20230719BHJP
【FI】
A61B6/03 360Q
A61B6/03 360G
A61B6/03 360D
A61B6/03 360H
A61B5/055 380
G01T1/161 D
G06T15/08
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2019072301
(22)【出願日】2019-04-04
(65)【公開番号】P2020168234
(43)【公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】500109320
【氏名又は名称】ザイオソフト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】茅野 秀介
(72)【発明者】
【氏名】長田 剛
(72)【発明者】
【氏名】清水 聡
(72)【発明者】
【氏名】近藤 康洋
(72)【発明者】
【氏名】唐澤 隆
(72)【発明者】
【氏名】瀬尾 信一郎
【審査官】松岡 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-200625(JP,A)
【文献】特開2005-169070(JP,A)
【文献】特開2005-182831(JP,A)
【文献】特開2009-022476(JP,A)
【文献】特開2006-075216(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0181475(US,A1)
【文献】特開2012-110443(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055、6/00-6/14
G06T 1/00、11/60-13/80、17/05、19/00-19/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織を可視化する医用画像処理装置であって、
取得部と、処理部と、操作部と、表示部と、を備え、
前記取得部は、前記組織を含むボリュームデータを取得する機能を有し、
前記処理部は、
前記ボリュームデータに含まれる複数のボクセルのうちレンダリング対象のボクセルを含む第1のマスク領域及び第2のマスク領域を設定し、
前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第1の平面を設定し、
前記第1のマスク領域を前記第1の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第1部分である第1の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第1部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第1の画像を、前記表示部を介して表示し、
前記第1の平面に平行であり、前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第2の平面を設定するための第1の移動操作を、前記操作部を介して受け、
前記第1のマスク領域を前記第2の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第2部分である第2の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第2部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第2の画像を表示する、機能を有する、
医用画像処理装置。
【請求項2】
前記処理部は、
前記第1の平面に平行であり、少なくとも前記第1のマスク領域が交差する第3の平面を設定し、
前記第1の領域は、前記第1の平面と前記第3の平面に挟まれた領域であり、
前記第2の平面に平行であり、少なくとも前記第1のマスク領域が交差する第4の平面を設定し、
前記第1の平面と前記第3の平面との間の距離と、前記第2の平面と前記第4の平面との間の距離と、が同一であり、
前記第2の領域は、前記第2の平面と前記第4の平面に挟まれた領域である、
請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記処理部は、
関心点を設定し、
前記第1の平面を回転するための第2の操作を、前記操作部を介して受け、
前記第2の操作に基づいて前記関心点を中心に前記第1の平面を回転させた平面であり、前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第5の平面を取得し、
前記第1のマスク領域を前記第5の平面で切断して形成された第3の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリングした第3の画像を、前記表示部に表示させ、
前記第1の平面と前記関心点との第1の距離と、前記第5の平面と前記関心点との第2の距離とは、同一である、
請求項1または2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記第2の操作は、レンダリングの視線方向を回転させる操作を兼ね、
前記視線方向を、前記関心点を中心に、前記第2の操作において操作した角度に応じて回転させて、前記第1のマスク領域を前記第5の平面で切断して形成された前記第3の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリングした前記第3の画像を、前記表示部に表示させる、
請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記第2のマスク領域は、管状組織の領域である、
請求項1~4のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記操作部は、少なくとも1つのマスク領域の切断の有無を設定するための第1のユーザインタフェースを有する、
請求項1~5のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記操作部は、複数のマスク領域を同時に切断の有無を設定するための第2のユーザインタフェースを有する、
請求項1~6のいずれか1項に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
組織を可視化する医用画像処理方法であって、
前記組織を含むボリュームデータを取得するステップと、
前記ボリュームデータに含まれる複数のボクセルのうちレンダリング対象のボクセルを含む第1のマスク領域及び第2のマスク領域を設定するステップと、
前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第1の平面を設定するステップと、
前記第1のマスク領域を前記第1の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第1部分である第1の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第1部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第1の画像を、表示部を介して表示するステップと、
前記第1の平面に平行であり、前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第2の平面を設定するための第1の移動操作を、操作部を介して受けるステップと、
前記第1のマスク領域を前記第2の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第2部分である第2の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第2部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第2の画像を、前記表示部を介して表示するステップと、
を有する医用画像処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の医用画像処理方法をコンピュータに実行させるための医用画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボリュームデータからスラブ領域の画像を生成する医用画像処理装置が知られている(特許文献1参照)。この医用画像処理装置は、血管の中心軸線上に始点と終点を指定して血管の関心部位の範囲を特定する。そして、始点から終点の間にある中心軸線であって、投影方向から見て、最も手前のフロントポイントと最も奥のリアポイントを求める。続いて、フロントポイントと交差する面であって投影方向と垂直な平面に対して所定の距離だけ手前方向にある面をフロント指定平面とする。また、リアポイントと交差する面であって投影方向と垂直な平面に対して所定の距離だけ奥方向にある面をリア指定平面とする。そして、フロント指定平面とリア指定平面の間を、関心部位が欠けることなく内包される関心領域とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2009/0003668号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
スラブでは、ボリュームデータにおいて所望の平面で切断した領域を作成できる。また、スラブによる領域作成とともに、マスクによる領域抽出も知られている。マスクでは、ボリュームデータにおける所望の形状で所望のボクセルを含むように領域抽出できる。例えば、ボリュームデータから複数の組織をそれぞれ抽出し、複数のマスクによって抽出し、抽出された組織についてスラブに含まれる領域のみを可視化する場合、スラブによって複数のマスク領域が一律に削除されることになる。この場合、ユーザが観察したい組織の視認性が不十分であることがある。例えば、一の組織(例えば血管)の少なくとも一部が他の組織(例えば臓器)に内包される場合、一の組織も他の組織も同一箇所で平面的に切断されたように可視化されることになり、内方された一の組織を観察し難い。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてされたものであって、観察対象の組織の視認性を向上できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様は、組織を可視化する医用画像処理装置であって、取得部と、処理部と、操作部と、表示部と、を備え、前記取得部は、前記組織を含むボリュームデータを取得する機能を有し、前記処理部は、前記ボリュームデータに含まれる複数のボクセルのうちレンダリング対象のボクセルを含む第1のマスク領域及び第2のマスク領域を設定し、前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第1の平面を設定し、前記第1のマスク領域を前記第1の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第1部分である第1の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第1部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第1の画像を、前記表示部を介して表示し、前記第1の平面に平行であり、前記第1のマスク領域及び前記第2のマスク領域がいずれも交差する第2の平面を設定するための第1の移動操作を、前記操作部を介して受け、前記第1のマスク領域を前記第2の平面で切断して形成された前記第1のマスク領域の第2部分である第2の領域と、前記第2のマスク領域と、をレンダリング対象とし、前記第1のマスク領域の前記第2部分以外の部分をレンダリング対象外として、レンダリングした第2の画像を表示する、機能を有する、医用画像処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、観察対象の組織の視認性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態における医用画像処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図
図2】医用画像処理装置の機能構成例を示すブロック図
図3】比較例における肺の領域のレンダリング画像を示す図
図4】第1の実施形態における肺の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図5】スラブ面の側方から見た肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す側面図
図6】スラブ面の正面から見た肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す正面図
図7A】肝臓の領域のMPR画像の一例を示す図(スラブ面無し)
図7B図7Aに対応する肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図8A】スラブ面の移動に係る肝臓の領域のMPR画像の第1例を示す図
図8B図8Aに対応する肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図9A】スラブ面の移動に係る肝臓の領域のMPR画像の第2例を示す図
図9B図9Aに対応する肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図10A】スラブ面の回転に係る肝臓の領域のMPR画像の第1例を示す図(オフセット無し)
図10B図10Aに対応する肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図11A】スラブ面の回転に係る肝臓の領域のMPR画像の第2例を示す図(オフセット無し)
図11B図11Aに対応する肝臓の領域のレンダリング画像の一例を示す図
図12】スラブ面の回転に係る肝臓の領域のMPR画像の第3例を示す図(オフセット有り)
図13】スラブ面の回転に係る肝臓の領域のMPR画像の第4例を示す図(オフセット有り)
図14】スラブ設定画面の一例を示す図
図15】医用画像処理装置の動作例を示すフローチャート
図16】レンダリング処理の詳細例を示すフローチャート
図17】2つのスラブ面を有するスラブ領域の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における医用画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。医用画像処理装置100は、ポート110、UI120、ディスプレイ130、プロセッサ140、及びメモリ150を備える。
【0011】
医用画像処理装置100には、CT装置200が接続される。医用画像処理装置100は、CT装置200からボリュームデータを取得し、取得されたボリュームデータに対して処理を行う。医用画像処理装置100は、PCとPCに搭載されたソフトウェアにより構成されてもよい。
【0012】
CT装置200は、被検体へX線を照射し、体内の組織によるX線の吸収の違いを利用して、画像(CT画像)を撮像する。被検体は、生体、人体、動物、等を含んでよい。CT装置200は、被検体内部の任意の箇所の情報を含むボリュームデータを生成する。CT装置200は、CT画像としてのボリュームデータを医用画像処理装置100へ、有線回線又は無線回線を介して送信する。CT画像の撮像には、CT撮像に関する撮像条件や造影剤の投与に関する造影条件が考慮されてよい。
【0013】
医用画像処理装置100内のポート110は、通信ポートや外部装置接続ポート、組み込みデバイスへの接続ポートを含み、CT装置200で得られたボリュームデータを取得する。取得されたボリュームデータは、直ぐにプロセッサ140に送られて各種処理されてもよいし、メモリ150において保管された後、必要時にプロセッサ140へ送られて各種処理されてもよい。また、ボリュームデータは、記録媒体や記録メディアを介して取得されてもよい。また、ボリュームデータは中間データ、圧縮データやシノグラムの形で取得されてもよい。また、ボリュームデータは医用画像処理装置100に取り付けられたセンサーデバイスからの情報から取得されてもよい。ポート110は、ボリュームデータ等の各種データを取得する取得部として機能する。
【0014】
UI120は、タッチパネル、ポインティングデバイス、キーボード、又はマイクロホンを含んでよい。UI120は、医用画像処理装置100のユーザから、任意の入力操作を受け付ける。ユーザは、医師、放射線技師、学生、又はその他医療従事者(Paramedic Staff)を含んでよい。
【0015】
UI120は、各種操作を受け付ける。例えば、ボリュームデータやボリュームデータに基づく画像(例えば後述する3次元画像、2次元画像)における、関心領域(ROI)の指定や輝度条件の設定等の操作を受け付ける。関心領域は、各種組織(例えば、血管、気管支、臓器、器官、骨、脳)の領域を含んでよい。組織は、病変組織、正常組織、腫瘍組織、等を含んでよい。UI120は、ユーザが観察を希望する関心点や関心部の指定を受け付けてよい。UI120は、レンダリング画像に対する視線方向やスラブ面の向きや位置の変更の操作を受け付けてよい。
【0016】
ディスプレイ130は、例えばLCDを含んでよく、各種情報を表示する。各種情報は、ボリュームデータから得られる3次元画像や2次元画像を含んでよい。3次元画像は、ボリュームレンダリング画像、サーフェスレンダリング画像、仮想内視鏡画像、仮想超音波画像、CPR画像、等を含んでもよい。ボリュームレンダリング画像は、レイサム(RaySum)画像、MIP画像、MinIP画像、平均値画像、又はレイキャスト画像を含んでもよい。2次元画像は、アキシャル画像、サジタル画像、コロナル画像、MPR画像、等を含んでよい。
【0017】
メモリ150は、各種ROMやRAMの一次記憶装置を含む。メモリ150は、HDDやSSDの二次記憶装置を含んでもよい。メモリ150は、USBメモリやSDカードの三次記憶装置を含んでもよい。メモリ150は、各種情報やプログラムを記憶する。各種情報は、ポート110により取得されたボリュームデータ、プロセッサ140により生成された画像、プロセッサ140により設定された設定情報、各種プログラムを含んでもよい。メモリ150は、プログラムが記録される非一過性の記録媒体の一例である。
【0018】
プロセッサ140は、CPU、DSP、又はGPUを含んでもよい。プロセッサ140は、メモリ150に記憶された医用画像処理プログラムを実行することにより、各種処理や制御を行う処理部160として機能する。
【0019】
図2は、処理部160の機能構成例を示すブロック図である。
処理部160は、領域処理部161、画像生成部162、スラブ制御部164、及び表示制御部163を備える。なお、処理部160に含まれる各部は、1つのハードウェアにより異なる機能として実現されてもよいし、複数のハードウェアにより異なる機能として実現されてもよい。また、処理部160に含まれる各部は、専用のハードウェア部品により実現されてもよい。
【0020】
領域処理部161は、例えばポート110を介して、被検体のボリュームデータを取得する。領域処理部161は、ボリュームデータに含まれる任意の領域をマスク領域として抽出する。領域処理部161は、例えばボリュームデータのボクセル値に基づいて、自動で関心領域を指定し、関心領域としてマスク領域を抽出してよい。領域処理部161は、例えばUI120を介して、手動で関心領域を指定し、関心領域を抽出してよい。関心領域は、肺、肝臓、気管支、肺動脈、肺静脈、肝動脈、門脈、肝静脈、等の領域を含んでよい。関心領域は、被検体から切除する臓器の少なくとも一部であってよいし、病変や腫瘍であってもよい。
【0021】
スラブ制御部164は、UI120を介したユーザ操作によりスラブ領域やスラブ面を設定してよい。スラブ制御では、ボリュームデータスラブ面に従って切断し、スラブ領域を設定する。領域処理部161は、ボリューム空間にスラブ面を設定してよい。スラブ面は、ボリュームデータを切断するための切断面に相当する。スラブ面として1つの平面が設定されてよい。スラブ面で切断された所定の領域における一方がレンダリング対象とされ、所定の領域における他方がレンダリング対象外とされてよい。また、スラブ面として2つの平行な平面が設定されてよい。所定の領域における2つのスラブ面に挟まれた領域がレンダリング対象とされ、所定の領域における2つのスラブ面に挟まれていない領域がレンダリング対象外とされてよい。
【0022】
領域処理部161は、UI120を介した直接のユーザ操作によりマスク領域を作成してよい。マスク領域は、ボリュームデータのボクセルに1対1対応するビットの集合で表現されてよい。領域処理部161は、マスク領域を設定してよい。マスク領域は、3次元において輪郭が任意の形状となるように設定される。マスク領域は、複数存在してよい。マスク領域の内部は、レンダリング対象とされ、マスク領域の外部は、レンダリング対象外とされる。マスク領域毎に異なる色彩やボクセル値に対応した不透明度の設定をしてもよい。マスク処理を利用した画像生成については、例えば参考特許文献1に開示されている。
(参考特許文献1:特許第4188900号公報)
【0023】
マスク処理は、スラブ処理と比較すると、3次元の各位置を細かく指定可能であるので、レンダリング対象を複雑な形状とすることができる。スラブ処理は、マスク処理と比較すると、3次元空間における面の位置情報のみを保持することで実現できるので、操作が容易で、また計算量を削減できる。
【0024】
スラブ制御部164は、スラブ面を移動可能である。例えば、スラブ面に垂直な方向に、スラブ面を平行移動させてよい。スラブ制御部164は、UI120を介してユーザ操作を受け、スラブ面の移動をさせてよい。
【0025】
スラブ制御部164は、スラブ面を、このスラブ面に平行な面に沿って回転可能である。例えば、ボリュームデータにおけるスラブ面を回転させるための回転中心を中心に、スラブ面を回転させてよい。回転中心は、ボリュームデータにおける所定の領域の中心点、中心点以外の基準点、関心点、等でよい。回転中心は、スラブ面上に位置しても、スラブ面からオフセットしていてもよい。
【0026】
画像生成部162は、マスク領域とスラブ領域を組み合わせて可視化してよい。この場合、マスク領域が複数あってよく、それぞれのマスク領域内ではスラブ処理を行っても行わなくてもよい。スラブ処理が行われるマスク領域と、スラブ処理が行われないマスク領域とが混在してよい。画像生成部162は、各マスク領域におけるスラブ処理の実施/不実施を指定してよい。
【0027】
画像生成部162は、各種画像を生成する。画像生成部162は、取得されたボリュームデータの少なくとも一部(例えばボリュームデータにおいて抽出された領域、スラブ処理やマスク処理が行われたボリュームデータにおける領域)に基づいて、3次元画像や2次元画像を生成する。画像生成部162は、光線減衰を伴うレンダリング(例えばレイキャスティング、サーフィスレンダリング)を行って、画像を生成してよい。3次元画像は、マスク領域とスラブ領域の重複領域を描画対象としてよい。
【0028】
表示制御部163は、各種データ、情報、画像をディスプレイ130に表示させる。画像は、画像生成部162で生成された画像を含む。2次元画像においてマスク領域やスラブ領域の輪郭や範囲を可視化してよい。
【0029】
なお、1つのスラブ面を用いてスラブ処理されてレンダリングされた画像の表示を、プレーンカットとも呼ぶ。2つのスラブ面を用いてスラブ処理されて2つのスラブ面の間がレンダリングされた画像の表示を、特にスラブ表示と呼ぶことがある。スラブ表示は、プレーンカットを含んでもよい。
【0030】
スラブ処理では、ユーザは、UI120を介してスラブ面を設定することで済み、マスク領域の設定が不要であるので、細かくマスク領域を設定せずにレンダリング範囲を限定できる。また、スラブ処理は、平面に限定した専用機能であるので、スラブ処理に係る操作も描画も高速化できる。なお、スラブ処理の代わりに、マスク処理の組み合わせでも、同等の機能は実現できるが、つまり1つ以上の平面で包囲した領域を抽出できるが、スラブ処理と比較すると処理が複雑化する。複数のマスク領域はその和領域を描画し、マスク領域とスラブ領域はその積空間を描画すると、ユーザに理解しやすい。
【0031】
次に、スラブ処理とマスク処理について補足する。
【0032】
スラブ処理では、2つの平面(スラブ面)で挟まれた領域、又は、平面で区切られた一方のみがレンダリング対象とされ、描画される。平面の操作は、空間に対する操作と比較すると容易である。また、スラブ処理では、面を用いた処理を行うことで、面を加味しない3次元上の各ボクセルに対する処理と比較すると、処理負荷が少なく、レンダリングが高速となる。これは、例えば、スラブ面から光線投影を開始できるためである。また、スラブ面を移動や回転をさせた場合の再描画も高速なので、細かくスラブ面を移動や回転させ易い。また、特に描画のための仮想光線に平行な視線方向を固定して、スラブ面を動かした場合、前回のレンダリング結果を再利用して、描画できる。
【0033】
マスク処理では、ボリュームデータのボクセル毎に描画するかしないかの情報が割り当てられて、描画される。そのため、複雑な形状を表現できるが、操作には手間がかかる。ボリュームデータにおいて異なるマスク領域に対して複数のマスク処理が行われてよい。また、ボクセル毎の描画となるので、レンダリングは低速となる。これは、マスク領域を変更した際に、一部のみ再描画することが困難であるためである。また、サーフィスレンダリングの場合は、例えばMarchingCube法を再適用しサーフィスを再計算する必要があり、計算時間を要するためである。
【0034】
また、UI120として、平面を操作するUIを用いて、スラブ領域をマスク処理によって作成してよい。この場合、スラブ処理を専用に行うレンダリングエンジンを有さない場合でもスラブを利用することが出来る。また、スラブ処理とマスク処理は、同時に実行可能であり、使い分けできる。なお、レイキャスト法においてスラブ処理により得られる画像と、同じ対象に対してマスク処理により得られる画像とでは、微妙に異なる結果の画像になることがある。
【0035】
次に、関心部及び関心点について補足する。
【0036】
関心部は、ユーザが患者を観察するに当たって関心を持っている部位、つまり観察対象の領域でよい。関心部は、腫瘍などの病変部、結紮切離箇所、等でよい。関心部は、観察対象の点でもよく、この場合、関心部と関心点が同じである。関心部は、UI120を介してユーザにより指定されてよい。関心部は関心領域であってもよい。関心部が領域である場合に関心点は、その領域の重心であってよい。また、関心部が領域である場合に関心点は、その領域の外にあってもよい。例えば、左冠動脈の領域が与えられたときに、関心点を左室内腔、大動脈弁の中心点、心尖部におくことが考えられる。
【0037】
関心点は、スラブ面を回転する場合の回転中心となってよい。関心点は、通常、関心部が領域であれば、この領域の内側に位置する。関心点は、UI120を介してユーザにより指定されてよい。領域処理部161は、指定された関心点をシード点とし、領域抽出して得られた領域を関心部としてよい。この場合、仮に領域処理部161が関心部の領域抽出に失敗した場合でも、関心点が残って利用可能であるので、ユーザの利便性が向上する。また、関心点は、関心部の外側に位置してもよい。例えば、関心点を含む領域抽出を行い関心部を得た後に、関心部の領域からボリュームデータの閾値th以下のボクセル値のボクセルを除外した場合、関心部の領域に関心点が含まれないことがある。また、UI120を介して最後に操作した点や、自動抽出した病変部の中心点、等が関心点とされてもよい。
【0038】
図3は、比較例における肺の領域10のレンダリング画像G1Xを示す図である。図4は、本実施形態における肺の領域10のレンダリング画像G1の一例を示す図である。図3及び図4では、肺の領域10は、肺葉11(臓器の一例)と、血管等12(管状組織の一例)と、を含む。肺葉11の内部及び外部において、血管等12が走行している。血管等12は、血管(例えば肺動脈及び肺静脈)、気管支、その他の管状組織を含んでよい。図3及び図4では、肺葉11の領域を示すマスク領域MR1が抽出されており、血管等12の領域を示すマスク領域MR2が抽出されている。レンダリング画像G1,GX1は、肺葉がサーフィスレンダリングされ、血管等がレイキャスト法によってボリュームレンダリングされている。
【0039】
比較例では、スラブ処理実施のマスク領域とスラブ処理非実施のマスク領域とが混在しない。したがって、いずれもスラブ処理実施のマスク領域であるか、いずれもスラブ処理非実施のマスク領域であるか、のいずれかである。図3では、肺葉11の描画がスラブの範囲内に限定され、血管等12の描画もスラブの範囲内に限定されている。そのため、スラブ面(不図示)よりも手前側において肺葉11とともに血管等12が削除されているように描画されている。よって、図3ではスラブ面よりも手前側の肺葉11及び血管等12の双方が削除されており、図4と比較すると、血管等の描画が少ないことが理解できる。
【0040】
一方、本実施形態では、スラブ処理実施のマスク領域とスラブ処理非実施のマスク領域とが混在する。図4では、肺葉11の描画がスラブの範囲内に限定され、血管等12の描画はスラブの範囲の内外にかかわらない。そのため、マスク領域MR1においてスラブ面(不図示)よりも手前側がレンダリング対象外となり、肺葉11の手前側が削除されている。一方、マスク領域MR2ではスラブ処理が行われず、スラブ面の手前側及び奥側のいずれもレンダリング対象となり、血管等12の手前側が削除されない。よって、図4では、スラブ面よりも手前側の肺葉11は削除されるが、血管は削除されないので、図3と比較すると、血管の描画が多いことが理解できる。
【0041】
図5及び図6は、肝臓の領域20のレンダリング画像の一例を示す図である。図5は、スラブ面SF1を側面から見た図である。図6は、スラブ面SF1を正面から見た図である。図5及び図6では、肝臓の領域20は、肝臓実質21(臓器の一例)と、血管等22(管状組織の一例)と、を含む。肝臓実質21の内部及び外部において、血管等22が走行している。血管等22は、肝動脈、門脈、肝静脈、その他の管状組織を含んでよい。レンダリング画像G2は、肝臓実質21及び血管等22の双方がレイキャストされている。
【0042】
図5及び図6では、肝臓実質21の領域を抽出したマスク領域MR1の描画がスラブの範囲内に限定され、血管等22の領域を抽出したマスク領域MR2がスラブの範囲の内外にかかわらず描画されている。そのため、マスク領域MR1においてスラブ面よりも手前側がレンダリング対象外となり、肝臓実質21の手前側が削除されている。一方、マスク領域MR2ではスラブ処理が行われず、スラブ面の手前側及び奥側のいずれもレンダリング対象となり、血管等22の手前側が削除されない。よって、図5及び図6では、肝臓の領域20の手前側において血管等22を見易くなっている。また、後述のようにスラブ面を視線方向に移動させると、更に血管等22の様子が見易くなる。
【0043】
次に、スラブ面の移動例について説明する。
図7A図8A、及び図9Aは、肝臓の領域30のMPR画像の一例を示す図である。図7B図8B、及び図9Bは、図7A図8A、及び図9Aのそれぞれに対応する肝臓の領域30のレンダリング画像の一例を示す図である。
【0044】
肝臓の領域30は、静脈31及び門脈32を含む。静脈31を抽出したマスク領域MR1がスラブ処理の対象となる。門脈32を抽出したマスク領域MR2はスラブ処理の対象とならない。
【0045】
図7Aでは、肝臓の領域30に対してスラブ面が設定されていない。図8Aでは、肝臓の領域30に対してスラブ面SF11が設定されている。スラブ面SF11は、肝臓の領域30の中央付近を通過し、図8Aの奥行き方向に平行な面である。図9Aでは、肝臓の領域30に対してスラブ面SF12が設定されている。スラブ面SF12は、図9Aに示す断面において肝臓の領域30のやや上部を通過し、図9Aの奥行き方向に平行な面である。
【0046】
図7Bは、図7Aに示した肝臓の領域30を視線方向(図7Aの下側から上側)に見た図である。図7Bでは、静脈31がスラブ処理されないので、図7Bの手前側から奥側に向けて(視線方向において)全域で、静脈31と門脈32とが入り組んだ状態で混在している。よって、ユーザは、静脈31と門脈32の走行関係を把握しにくい。
【0047】
図8Bは、図8Aに示した肝臓の領域30を視線方向VD(図8Aの下側から上側)に見た図である。図8Bでは、静脈31がスラブ面SF11で切断され、スラブ面SF11の手前側(視点側、視線方向VDの根本側)がレンダリング対象外となり、スラブ面SF11の奥側(視点と反対側、視線方向VDの先端側)(スラブ領域A1)がレンダリング対象となる。また、門脈32は、スラブ面SF11で切断されず、スラブ面SF11の手前側及び奥側(視点と反対側、視線方向VDの先端側)においてレンダリング対象となる。よって、図8Bでは、静脈31と門脈32の走行関係を把握しやすくなり、また、両者の位置関係を認識し易くなる。
【0048】
図9Bは、図9Aに示した肝臓の領域30を視線方向VD(図8Aの下側から上側)に見た図である。図9Bでは、静脈31は、スラブ面SF12で切断され、スラブ面SF12の手前側がレンダリング対象外となり、スラブ面SF12の奥側(スラブ領域A2)がレンダリング対象となる。また、門脈32は、スラブ面SF12で切断されず、スラブ面SF12の手前側及び奥側においてレンダリング対象となる。よって、図9Bでは、図8Bと比較すると静脈31の領域のレンダリング対象が少なくなり、静脈31と門脈32の位置関係を一層認識し易くなる。また、図7B図8B図9Bを順に見比べることによって、さらに静脈31と門脈32の走行関係を把握しやすくなる。なお、スラブ面SF11,SF12は、マスク領域MR1,MR2のいずれとも交差してよい。
【0049】
次に、スラブ面の回転例について説明する。
図10A及び図11Aは、スラブ面の回転例に係る肝臓の領域30のMPR画像の一例を示す図である。図10B及び図11Bは、図10A及び図11Aのそれぞれに対応する肝臓の領域30のレンダリング画像の一例を示す図である。
【0050】
図10Bは、図10Aに示した肝臓の領域30を視線方向VD1(図10Aの上側から下側)に見た図である。図10Bでは、静脈31がスラブ面SF21で切断され、スラブ面SF21の手前側(視点側、視線方向VD1の根本側)がレンダリング対象外となり、スラブ面SF21の奥側(視点と反対側、視線方向VD2の先端側)(スラブ領域A1)がレンダリング対象となる。門脈32は、スラブ面SF21で切断されず、スラブ面SF21の手前側及び奥側においてレンダリング対象となる。よって、図10Bでは、静脈31と門脈32との走行関係を把握しやすくなり、また、両者の位置関係を認識し易くなる。
【0051】
図11Bは、図9Aに示した肝臓の領域30を視線方向VD2(図11Aの右上側から左下側)に見た図である。図11Bでは、視線方向VD2が、視線方向VD1から所定の角度回転している。視線方向の回転に応じて、回転中心を中心に、スラブ面SF21も回転する。回転中心は、関心点IPでよい。図11Bでは、関心点IPは、スラブ面SF上に位置する。図11Bでは、静脈31が回転後のスラブ面SF22で切断され、回転後のスラブ面SF22の手前側(視点側、視線方向VD2の根本側)がレンダリング対象外となり、回転後のスラブ面SF22の奥側(視点と反対側、視線方向VD2の先端側)(スラブ領域A3)がレンダリング対象となる。また、門脈32は、回転後のスラブ面SF22で切断されず、スラブ面SF22の手前側及び奥側においてレンダリング対象となる。よって、図11Bでは、図10Bと同じ観察対象を、異なる角度から確認でき、静脈31と門脈32との走行関係を把握しやすくなり、また、両者の位置関係を認識し易くなる。また、図10B図11Bを順に見比べることによって、さらに静脈31と門脈32の走行関係を把握しやすくなる。なお、スラブ面SF21,SF22には、マスク領域MR1,MR2のいずれも交差してよい。
【0052】
図12及び図13は、回転中心からのオフセットを加味したスラブ面の回転例に係る肝臓の領域30のMPR画像の一例を示す図である。
【0053】
図12及び図13では、静脈31がスラブ面SF31で切断され、スラブ面SF31の手前側がレンダリング対象外となり、門脈32がスラブ面SF31で切断されず、スラブ面SF31の手前側及び奥側においてレンダリング対象となる。また、関心点IPとスラブ面SF31とが一致しておらず、スラブ面SF31に垂直な方向に、関心点IPの位置からスラブ面SF31がオフセットしている。スラブ面SF31に垂直な方向は、視線方向VD3に平行な方向である。
【0054】
回転中心からのオフセットを加味した回転では、関心点IPからオフセット距離OD(OD1,OD2)を維持したまま、視線方向VD3及びスラブ面SF31を回転させる。図13では、視線方向VD3が回転すると、視線方向VD4となる。また、視線方向VD3の回転に応じてスラブ面SF31が回転すると、スラブ面SF32となる。関心点IPとスラブ面SF31との距離は、オフセット距離OD1である。関心点IPとスラブ面SF32との距離は、オフセット距離OD2である。なお、領域処理部166は、オフセット距離ODを任意の距離に調整してよい。オフセット距離ODを確保することで、ユーザは、関心点IPをオフセット距離OD分離れた位置から、関心点IPの方向を、回転に応じて様々な角度から観察できる。なお、スラブ面SF31,SF32には、マスク領域MR1,MR2のいずれも交差してよい。
【0055】
次に、スラブ処理に係る設定のためのユーザインタフェースについて説明する。
図14は、スラブ設定画面の一例を示す図である。スラブ設定画面は、スラブ処理に係る設定するための画面である。この設定は、各領域(各マスク領域)に対する個別設定と全領域(全マスク領域)に対する一括設定を含んでよい。
【0056】
スラブ設定画面G4では、ボリュームデータにおける各領域の名称MN(識別情報の一例)、領域毎の表示内容を示すサムネイル画像GS、ボタンB1,B2,B3が表示されている。ボタンB1は、領域毎にスラブ処理の対象とするかしないか(Slab/No Slab)を設定するためのボタンである。ボタンB2は、領域毎に表示するかしないか(Show/Hide)を設定するためのボタンである。ボタンB3は、領域毎のレンダリング色を設定するためのボタンである。ボタンB1~B3を用いた各設定では、UI120を介してユーザが任意に選択可能である。ボタンB1~B3を用いた各設定により、領域毎のスラブ処理の実施又は非実施、表示又は非表示、レンダリング色を、ユーザ所望の状態とすることができる。
【0057】
また、ボタンB4は、複数の領域をスラブ処理の対象とするかしないか(Slab/No Slab)を一括して設定するためのボタンである。例えば、Slabが選択されると、全ての血管領域でスラブ処理を実施することとなり、No Slabが選択されると、全ての血管領域でスラブ処理を実施しないこととなる。よって、ボタンB4を用いることで、スラブ処理の実施、非実施を一括して簡単に設定できる。例えば、肝臓の領域では、動脈、静脈、及び門脈をスラブの対象とするか否かを同時に切り替えできる。また、例えば、肝臓の領域では、左葉、及び右葉をスラブの対象とするか否かを同時に切り替えできる。また、例えば、肺の領域では、それぞれ独立した領域となっている五葉の領域をスラブの対象とするか否かを同時に切り替えできる。なお、ボタンB4は、ボタンB1が示されるスラブ設定画面とは異なるスラブ設定画面で操作可能に示されてもよい。観察対象によっては、ボタンB1を表示しないで、ボタンB4のみをユーザに操作できるようにすることによって、操作を簡略化できる。
【0058】
次に、医用画像処理装置の動作例について説明する。
図15は、医用画像処理装置の動作例を示すフローチャートである。図15では、例えば、S11は、ポート110により、S12~S16は、領域処理部161又はスラブ制御部164により、S17は、画像生成部162により、S18は、表示制御部163により、実施されてよい。
【0059】
まず、肝臓を含むボリュームデータを取得する(S11)。ボリュームデータから、肝臓領域ML、肝動脈領域MA,門脈領域MP、及び静脈領域MVを抽出する(S12)。ボリュームデータから腫瘍領域MTを抽出し、腫瘍領域MTの中心点を関心点Iとする(S13)。レンダリングの視線方向Vを初期化し、視線方向V0とする(S14)。スラブオフセットOSを初期化し、値0とする(S14)。IP+OS*Vを通り、つまり、関心点Iから視線方向Vに沿ってスラブオフセットOS分の距離離れた位置を通り、視線方向Vを法線とするスラブ面Sを設定する(S15)。スラブオフセットOSは、オフセット距離ODに対応する。
【0060】
ここでは、肝臓領域ML及び腫瘍領域MTがスラブ処理実施のマスク領域であり、肝動脈領域MA,門脈領域MP、及び静脈領域MVがスラブ処理非実施のマスク領域であることを想定する。よって、肝臓領域ML及び腫瘍領域MTに対してスラブ処理を行う。この場合、肝臓領域ML及び腫瘍領域MTをスラブ面Sで切断する(S16)。スラブ処理により得られたレンダリング対象と、スラブ処理せずに得られたレンダリング対象と、を基にレンダリング処理する。このレンダリング処理では、切断により得られたレンダリング対象としての肝臓領域ML及び腫瘍領域MTにおける一部と、肝動脈領域MA,門脈領域MP、及び静脈領域MVの全体と、をレンダリングする(S17)。レンダリング処理により得られたレンダリング画像を表示する(S18)。
【0061】
そして、UI120は、視線方向V及びスラブオフセットOSの変更操作を受け付ける(S19)。領域処理部161又はスラブ制御部164は、変更操作に応じて、視線方向V及びスラブオフセットOSの値を変更する。そして、S15に進む。
【0062】
図16は、レンダリング処理の詳細の一例を示すフローチャートである。このレンダリング処理は、主に画像生成部162により行われてよい。なお、ここでは、スラブ処理実施のマスク領域では、スラブ面Sより手前側がレンダリング対象外となり、スラブ面Sより奥側がレンダリング対象となることを想定する。
【0063】
まず、各パラメータを初期化する(S31)。例えば、反射光Rを、RGB(0,0,0)で初期化し、投影光Wを値1で初期化し、仮想光線の現在位置XをX0で初期化する。現在位置Xが、肝動脈領域MA,門脈領域MP、又は静脈領域MVの内部であるか否かを判定する(S32)。現在位置Xが、肝動脈領域MA,門脈領域MP、又は静脈領域MVの内部にない場合、現在位置Xが、スラブ面Sより奥側(視点と反対側、視線方向の先端側)、且つ、現在位置Xが肝臓領域ML又は腫瘍領域MTの内部であるか否かを判定する(S33)。
【0064】
S32において現在位置Xが、肝動脈領域MA,門脈領域MP、又は静脈領域MVの内部である場合(S32のYes)、又は、S33においてスラブ面Sより奥側、且つ、現在位置Xが肝臓領域ML又は腫瘍領域MTの内部である場合(S33のYes)、仮想光線の現在位置Xの不透明度を導出し、反射光Rの値及び投影光Wの値を更新する(S34)。この場合、画像生成部162は、メモリ150に保持されたLUT(Look Up Table)を参照し、現在位置Xでのボクセル値と不透明度とを取得する。LUTには、ボクセル毎の不透明度の情報が保持されていてよい。例えば、反射光Rは、不透明度に応じた値が加算されてよい。投影光Wは、不透明度に応じた値が減算されてよい。
【0065】
S34の処理後、又は、S33において、現在位置Xがスラブ面Sより手前側、又は、現在位置Xが肝臓領域ML及び腫瘍領域MTの内部でない場合(S33のNo)、視線方向Vに沿って仮想光線を微小距離進める(S35)。つまり、X←X+ΔVとする。
【0066】
現在位置Xがボリュームデータの範囲外であるか、又は、投影光Wが値0であるかを判定する(S36)。現在位置Xがボリュームデータの範囲外であるか、又は、投影光Wが値0である場合(S36のYes)、反射光Rの値を、レンダリング画像における仮想光線に対応する画素での画素値とする(S37)。一方、現在位置Xがボリュームデータの範囲内であり、且つ、投影光Wが値0でない場合(S36のNo)、S32に進む。そして、ボリュームデータにおける仮想光線の位置を、仮想光線と垂直な方向に平行移動させて、S31~S37の処理を行うことで、レンダリング画像における各画素の画素値を算出し、各画素の画素値を決定し、レンダリング画像を生成する。
【0067】
このように、医用画像処理装置100は、複数のマスク領域を同時に可視化する際に、少なくとも一つのマスク領域についてスラブ処理を適用し、例えば管状組織を含む少なくとも一つのマスク領域についてスラブ処理を適用しないで可視化できる。例えば、ユーザは、スラブ処理されるマスク領域に含まれる病変部周辺の組織と、スラブ処理されないマスク領域に含まれる血管走行と、の関係を容易に把握できる。
【0068】
また、医用画像処理装置100は、腫瘍などの切除対象を観察するときに便利なUIを提供できる。例えば、臓器に対してはスラブ表示を行って不要な部分をレンダリング対象外とし、血管等に対してはスラブ表示せずにレンダリング対象として常に表示できる。また、病変部のマスク領域に含まれる箇所は常に全部表示し、病変部のマスク領域に含まれない箇所は、スラブを適用して不要な部分を表示対象外としてよい。また、病変部の存在する臓器にはスラブを適用して不要な部分を表示対象外とし、臓器内の血管にはスラブを適用せずに全部表示してよい。
【0069】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0070】
例えば、1つのスラブ面を用いてスラブ処理することを主に例示したが、2つのスラブ面を用いてスラブ処理し、スラブ領域を生成してもよい。図17は、2つのスラブ面を用いたスラブ領域の一例を示す図である。スラブ制御部164は、2つのスラブ面SF11,SF41を設定し、2つのスラブ面SF11,SF41で挟まれた領域(スラブ領域A4)の各ボクセルを、レンダリング対象とし、2つのスラブ面SF11,SF41で挟まれた領域の外側の各ボクセルを、レンダリング対象外としてよい。図17では、矢印αの方向にスラブ面SF11,SF41を移動可能であり、矢印βの方向又はその反対方向に、関心点IPを中心に、スラブ面SF11,SF41を回転可能である。なお、スラブ面SF11,SF41の間の長さであるスラブ厚は、UI120を介して任意に調整可能である。
【0071】
また、スラブ制御部164は、例えばUI120を介して移動操作を受け、スラブ面SF11,SF41を矢印αの方向(ここでは上方向)に移動させ、スラブ面SF12,SF42を設定してよい。スラブ面SF11が平行移動してスラブ面SF12となり、スラブ面SF41が平行移動してスラブ面SF42となる。スラブ面SF12,42で挟まれた領域が、スラブ領域A5となる。スラブ面SF42は、少なくともマスク領域MR1(例えば図17において左右に分かれた一方の臓器)が交差する。また、移動前後のスラブ領域A2,A5の幅は変わらないので、スラブ面SF11とスラブ面SF41との間の距離と、スラブ面SF12とスラブ面SF42との間の距離と、は同一である。
【0072】
例えば、レンダリング画像は、例えば、平行投影法や透視投影法に従って表示されてよい。また、レンダリング画像は、ボリュームレンダリングされた画像でもサーフィスレンダリング画像でもよい。また、領域毎にボリュームレンダリングとサーフィスレンダリングとを切り替えて生成されたレンダリング画像でもよい。
【0073】
また、スラブ処理は、マスク処理によって実現されてもよい。スラブ処理の代わりにマスク処理が行われる場合でも、図14に例示したスラブ設定画面(スラブ設定UI)を用いて、ユーザは簡単に操作できる。この場合、領域処理部161は、輪郭が任意の形状を有する領域(マスク領域)を表現するマスク処理と、輪郭が平面で形成される領域(スラブ領域)を表現するマスク処理と、のAND(論理積)を算出し、画像生成部162が、レンダリングしてよい。これにより、マスク領域内のスラブ領域が描画され得る。また、スラブ処理の代わりにマスク処理が行われる場合でも、UI120を介してスラブ面を操作するUIが提供される。
【0074】
また、UI120を介してスラブ面を操作するUIには、例えば以下が考えられる。スラブ面の位置を可視化した断面画像自体を、スラブ面を操作するUIとしてよい。マウスホイール、スクロールバー、断面画像を、スラブ面を操作するUIとして、マウスホイール、スクロールバー、断面画像におけるスラブ面のドラッグ操作によるスラブ面の奥行き方向に対する移動、スラブ面の回転及び関心点からのオフセット距離の操作を行ってよい。レンダリング画像を回転させるUIを、スラブ面を操作するUIとして、レンダリング画像の回転に連動してスラブ面を回転させてよい。スラブ面を操作するUIをUIオブジェクトとしてディスプレイ130に表示させ、UIオブジェクトを通じてスラブ面を回転させてよい。レンダリング画像及び断面画像を、スラブ面を操作するUIとして、レンダリング画像及び断面画像における点指定を通じて関心点を設定してよく、関心点の移動に連動してスラブ面を移動させてよい。
【0075】
また、各領域は、マスク(マスク領域)で表現されてもよいし、サーフィスの集合で表現されてもよい。この場合、サーフィスは、マスクによって表現された領域から、Marching Cube法によって作成されてよい。また、関心点や関心部は複数存在してよく、領域処理部161は、複数の関心点や関心部のうち1つの関心点や関心部を設定してよい。この場合、領域処理部161は、UI120を介して関心点や関心部を切り替えてもよい。
【0076】
また、医用画像処理装置100は、少なくともプロセッサ140及びメモリ150を備えてよい。ポート110、UI120、及びディスプレイ130は、医用画像処理装置100に対して外付けであってもよい。
【0077】
また、撮像されたCT画像としてのボリュームデータは、CT装置200から医用画像処理装置100へ送信されることを例示した。この代わりに、ボリュームデータが一旦蓄積されるように、ネットワーク上のサーバ(例えば画像データサーバ(PACS)(不図示))等へ送信され、保管されてもよい。この場合、必要時に医用画像処理装置100のポート110が、ボリュームデータを、有線回線又は無線回線を介してサーバ等から取得してもよいし、任意の記憶媒体(不図示)を介して取得してもよい。
【0078】
また、撮像されたCT画像としてのボリュームデータは、CT装置200から医用画像処理装置100へポート110を経由して送信されることを例示した。これは、実質的にCT装置200と医用画像処理装置100とを併せて一製品として成立している場合も含まれるものとする。また、医用画像処理装置100がCT装置200のコンソールとして扱われている場合も含む。
【0079】
また、CT装置200により画像を撮像し、被検体内部の情報を含むボリュームデータを生成することを例示したが、他の装置により画像を撮像し、ボリュームデータを生成してもよい。他の装置は、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、血管造影装置(Angiography装置)、又はその他のモダリティ装置を含む。また、PET装置は、他のモダリティ装置と組み合わせて用いられてもよい。
【0080】
また、医用画像処理装置100における動作が規定された医用画像処理方法として表現可能である。また、コンピュータに医用画像処理方法の各ステップを実行させるためのプログラムとして表現可能である。
【0081】
(上記実施形態の概要)
上記実施形態の一態様は、組織を可視化する医用画像処理装置100であって、取得部(例えばポート110)と、処理部160と、操作部(例えばUI120)と、表示部(例えばディスプレイ130)と、を備えてよい。取得部は、組織を含むボリュームデータを取得する機能を有してよい。処理部160は、ボリュームデータに含まれる複数のボクセルのうちレンダリング対象のボクセルを含むマスク領域MR1(第1のマスク領域の一例)及びマスク領域MR2(第2のマスク領域の一例)を設定する機能を有してよい。処理部160は、マスク領域MR1及び前記マスク領域MR2がいずれも交差するスラブ面SF11(第1の平面の一例)を設定する機能を有してよい。処理部160は、マスク領域MR1をスラブ面SF11で切断して形成されたスラブ領域A1(第1の領域の一例)と、マスク領域MR2と、をレンダリングしたレンダリング画像G11(第1の画像の一例)を、表示部を介して表示する機能を有してよい。処理部160は、スラブ面SF11に平行であり、マスク領域MR1及び前記マスク領域MR2がいずれも交差するスラブ面SF12(第2の平面の一例)を設定するための第1の操作を、操作部を介して受けてよい。処理部160は、マスク領域MR1をスラブ面SF12で切断して形成されたスラブ領域A2(第2の領域の一例)と、マスク領域MR2と、をレンダリングしたレンダリング画像G12(第2のレンダリング画像の一例)を表示する機能を有してよい。
【0082】
これにより、医用画像処理装置100は、複数の組織の少なくとも1つの一部を表示対象から除外でき、互いに入り組んでいる組織の位置関係を容易に把握できる。例えば、病変部周辺の組織と血管走行の関係とを容易に把握できる。例えば、臓器と臓器に関わる血管走行の関係とを容易に把握できる。例えば、複数の血管の走行関係を容易に把握できる。例えば、病変部周辺の組織と気管支走行、及び血管走行の関係を容易に把握できる。
【0083】
また、処理部160は、スラブ面SF11に平行であり、少なくともマスク領域MR1が交差するスラブ面SF41(第3の平面の一例)を設定する機能を有してよい。スラブ領域A4(第1の領域の一例)は、スラブ面SF11とスラブ面SF41に挟まれた領域でよい。処理部160は、スラブ面SF12に平行であり、少なくともマスク領域MR1が交差するスラブ面SF42(第4の面の一例)を設定してよい。スラブ面SF11とスラブ面SF41との間の距離と、スラブ面SF12とスラブ面SF42との間の距離と、が同一でよい。スラブ領域A2は、スラブ面SF12とスラブ面SF41とに挟まれたスラブ領域A5でよい。
【0084】
これにより、医用画像処理装置100は、スラブ領域A1において、不要な情報が含まれる部分を非表示にできる。よって、ユーザは、スラブ領域A1について最小限の情報を得ることができ、他のマスク領域との関係性を一層認識し易くできる。
【0085】
また、処理部160は、関心点IPを設定してよい。スラブ面SF21,SF31を回転するための第2の操作を、操作部を介して受けてよい。処理部160は、第2の操作に基づいて関心点IPを中心にスラブ面SF21,SF31(第1の平面の一例)を回転させた平面であり、マスク領域MR1及びマスク領域MR2がいずれも交差するスラブ面SF22,SF32(第5の平面の一例)を取得してよい。処理部160は、マスク領域MR1をスラブ面SF22,SF32で切断して形成されたスラブ領域A3(第3の領域の一例)と、マスク領域MR2と、をレンダリングしたレンダリング画像G22(第3の画像の一例)を、表示部を介して表示してよい。スラブ面SF21,SF31と関心点IPとの距離であるオフセット距離OD1(第1の距離の一例)と、スラブ面SF22,SF32と関心点IPとの距離であるオフセット距離OD2(第2の距離の一例)とは、同一でよい。オフセット距離OD1,OD2は、値0でも0より大きくてもよい。
【0086】
また、第2の操作は、レンダリングの視線方向VD1,VD2を回転させる操作を兼ねてよい。処理部160は、視線方向VD1,VD2を、関心点を中心に、第2の操作において操作した角度に応じて回転させて、マスク領域MR1をスラブ平面SF22,SF32で切断して形成されたスラブ領域A3と、マスク領域MR2と、をレンダリングした画像G22を表示部に表示させてよい。
【0087】
これにより、医用画像処理装置100は、スラブ面を、関心点IPを基準に操作でき、回転させることができる。また、関心点IPとスラブ面SFとの距離を保ったままスラブ面SFを回転できる。よって、例えばオフセット距離が0である場合、ユーザは、関心点IPを視点として関心点IPの周囲の様子を確認できる。また、オフセット距離が0より大きい場合、ユーザは、関心点IPの周囲から関心点IPの方向を確認できる。
【0088】
また、操作部は、少なくとも1つのマスク領域の切断の有無を個別に設定するためのボタンB1(第1のユーザインタフェースの一例)を有してよい。
また、操作部は、複数のマスク領域の切断の有無を同時に設定するためのボタンB4(例えば第2のユーザインタフェース)を有してよい。
【0089】
これにより、医用画像処理装置100は、各マスク領域の描画をスラブの範囲内に限定するか否かを個別の設定できる。また、各マスク領域描画をスラブの範囲内に限定するか否かを一括して設定でき、この場合、設定に要する時間を短縮でき、操作を簡略化できる。
【0090】
上記実施形態の一態様は、組織を可視化する医用画像処理方法であって、組織を含むボリュームデータを取得するステップと、ボリュームデータに含まれる複数のボクセルのうちレンダリング対象のボクセルを含む第1のマスク領域及び第2のマスク領域を設定するステップと、第1のマスク領域及び第2のマスク領域がいずれも交差する第1の平面を設定するステップと、第1のマスク領域を第1の平面で切断して形成された第1の領域と、第2のマスク領域と、をレンダリングした第1の画像を、表示部を介して表示するステップと、第1の平面に平行であり、第1のマスク領域及び第2のマスク領域がいずれも交差する第2の平面を設定するための第1の操作を、操作部を介して受けるステップと、第1のマスク領域を第2の平面で切断して形成された第2の領域と、第2のマスク領域と、をレンダリングした第2の画像を、表示部を介して表示するステップと、を有する医用画像処理方法でよい。
【0091】
本実施形態の一態様は、上記の医用画像処理方法をコンピュータに実行させるための医用画像処理プログラムでよい。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本開示は、観察対象の組織の視認性を向上できる医用画像処理装置、医用画像処理方法、及び医用画像処理プログラム等に有用である。
【符号の説明】
【0093】
10 肺の領域
11 肺葉
12 血管等
20,30 肝臓の領域
21 肝臓実質
22 血管等
31 静脈
32 門脈
100 医用画像処理装置
110 ポート
120 ユーザインタフェース(UI)
130 ディスプレイ
140 プロセッサ
150 メモリ
160 処理部
161 領域処理部
162 画像生成部
163 表示制御部
200 CT装置
MR1、MR2 マスク領域
SF11,SF12,SF21,SF22,SF31,SF32,SF41 スラブ面
G11,G12,G21,G22 レンダリング画像
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9A
図9B
図10A
図10B
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
図17