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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】鉄塔主柱の金車支持具
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20230719BHJP
【FI】
H02G1/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019133314
(22)【出願日】2019-07-19
(65)【公開番号】P2021019412
(43)【公開日】2021-02-15
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】505272618
【氏名又は名称】株式会社タワーライン・ソリューション
(73)【特許権者】
【識別番号】000139702
【氏名又は名称】株式会社安田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100075410
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 則昭
(74)【代理人】
【識別番号】100135541
【弁理士】
【氏名又は名称】藤沢 昭太郎
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 賢治
(72)【発明者】
【氏名】木村 良成
(72)【発明者】
【氏名】木佐貫 雄太
【審査官】岩井 一央
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-212652(JP,A)
【文献】特開平09-065531(JP,A)
【文献】特開2008-125208(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄塔の主柱に支持し、ワイヤやロープを掛ける金車を支持する金車支持具において、
前記主柱の外側に当接する、直角に折れ曲がった固定金具と、前記主柱の内側に当接する、直角に折れ曲がった押え金具とで前記主柱を挟持し、これらの固定金具と押え金具の両端でボルト、ナットで固定し、
前記固定金具の折れ曲がった各外側辺から少なくとも1個の軸受けを突設し、当該各軸受けに、前記主柱の長手方向に沿って軸を支持させ、当該軸に垂直片を略水平方向に回転自在に支持させ、当該垂直片の上部にUクレビスの一端を上下方向に回転自在に支持させ、当該各Uクレビスに金車の一端のフックを掛ける構成とし、
前記Uクレビスにフックを掛けた金車を下から受け止める、金車受け金具の一端を、前記垂直片の下部に回転自在に軸支し、当該金車受け金具は一定角度より下方に回転しない回転ストッパを設け、
前記金車を前記Uクレビスに係止した際、当該金車と前記金車受け金具とを一体に係止する手段を設けたことを特徴とする、鉄塔主柱の金車支持具。
【請求項2】
前記固定金具と押え金具の内側にそれぞれスペーサを設け、当該スペーサの前記固定金具及び押え金具の内面から突出する長さが鉄塔の主柱から突設するボルト、ナットの長さと同じ長さとし、前記各スペーサは前記ボルト、ナットの突設位置を避けて設けたことを特徴とする、請求項1に記載の鉄塔主柱の金車支持具。
【請求項3】
前記軸受けは固定金具の角部の両側にそれぞれ1個設け、当該各軸受けの軸に軸支した前記各垂直片は軸に対して少なくとも180°回転自在であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の鉄塔主柱の金車支持具。
【請求項4】
前記金車と前記金車受け金具とを一体に係止する手段はこれらに巻き回すベルトであることを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の鉄塔主柱の金車支持具。
【請求項5】
前記金車受け金具の回転ストッパは、前記垂直片の下部に複数の穴を設け、当該複数の穴の一つに挿入した折れピンの突出部下面に、前記金車受け金具の軸支部より先の先端部を当てる構成としたことを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の鉄塔主柱の金車支持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は鉄塔の架線工事に使用するため鉄塔の主柱の下部に取付けて、鉄塔間に渡した電線の鉄塔との接続や、塔上で使用する工具類、金物類などを吊り上げる際にワイヤやロープを掛ける金車の支持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の金車は、鉄塔の主柱に巻き付けたロープに、金車の一端に設けたフックを引っ掛けて取り付けている。又は鉄塔の支柱に基板を取り付け、当該基板に設けた係止部に金車の一端のフックを引っ掛けて取り付けている。
【0003】
特許文献1のものは、飛び金車として用いられている滑車の一端に設けたクレビスを、鉄塔の支柱等に巻き回したワイヤに引っ掛けて取り付けている。また、特許文献2のものは、吊り金車の上端に環部を設け、鉄塔部材に巻き回したスリングの両端の架け輪を前記環部に取付けて、吊り金車を鉄塔に支持している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平9-65531号公報
【文献】特開2011-259550号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の滑車は掛けたワイヤやロープの張力がなくなると、滑車は支持点からだらりと下がり、付近の他物に滑車がぶつかり破損する恐れがある。
そのため、従来は、当該滑車の外側に別途ロープを張って設け、そのロープに滑車の先端部を係止したりしている。また、鉄塔の支柱の下部では種々の用途に使用する複数の滑車を設ける必要がある場合が多く、その場合、当該箇所の支柱にロープやワイヤを多数巻き付けなければならないが、その巻き付け場所が無くなり、金車を取付けることができない。このことは前記特許文献2においても同様である。
【0006】
そこで、この発明は上述の課題を解決するため、鉄塔の主柱に支持し、ワイヤやロープを掛ける金車を支持する金車支持具において、金車を複数支持できるとともに任意の方向に各金車を向けることが出来、さらに、金車に張力が掛かっていない時も金車が無闇に垂れ下がらない金車支持具を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、鉄塔の主柱に支持し、ワイヤやロープを掛ける金車を支持する金車支持具において、前記主柱の外側に当接する、直角に折れ曲がった固定金具と、前記主柱の内側に当接する、直角に折れ曲がった押え金具とで前記主柱を挟持し、これらの固定金具と押え金具の両端でボルト、ナットで固定し、前記固定金具の折れ曲がった各外側辺から少なくとも1個の軸受けを突設し、当該各軸受けに、前記主柱の長手方向に沿って軸を支持させ、当該軸に垂直片を略水平方向に回転自在に支持させ、当該垂直片の上部にUクレビスの一端を上下方向に回転自在に支持させ、当該各Uクレビスに金車の一端のフックを掛ける構成とし、前記Uクレビスにフックを掛けた金車を下から受け止める、金車受け金具の一端を、前記垂直片の下部に回転自在に軸支し、当該金車受け金具は一定角度より下方に回転しない回転ストッパを設け、前記金車を前記Uクレビスに係止した際、当該金車と前記金車受け金具とを一体に係止する手段を設けた、鉄塔主柱の金車支持具とした。
【0008】
請求項2の発明は、前記固定金具と押え金具の内側にそれぞれスペーサを設け、当該スペーサの前記固定金具及び押え金具の内面から突出する長さが鉄塔の主柱から突設するボルト、ナットの長さと同じ長さとし、前記各スペーサは前記ボルト、ナットの突設位置を避けて設けた、請求項1に記載の鉄塔主柱の金車支持具とした。
【0009】
また、請求項3の発明は、前記軸受けは固定金具の角部の両側にそれぞれ1個設け、当該各軸受けの軸に軸支した前記各垂直片は軸に対して少なくとも180°回転自在である、請求項1又は2に記載の鉄塔主柱の金車支持具とした。
【0010】
また、請求項4の発明は、前記金車と前記金車受け金具とを一体に係止する手段はこれらに巻き回すベルトである、請求項1~3のいずれかに記載の鉄塔主柱の金車支持具とした。
【0011】
また、請求項5の発明は、前記金車受け金具の回転ストッパは、前記垂直片の下部に複数の穴を設け、当該複数の穴の一つに挿入した折れピンの突出部下面に、前記金車受け金具の軸支部より先端の支持腕を当てる構成とした、請求項1~4のいずれかに記載の鉄塔主柱の金車支持具とした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1~5の各発明によれば、鉄塔の主柱に固定した固定金具の直角に折れ曲がった各外側辺から少なくとも1個の軸受けを設けて、これらの各軸受けに水平方向に回転自在な垂直片を軸支し、当該垂直片に設けたUクレビスに金車を引っ掛けて支持する構成としたため、少なくとも2個の金車を同一方向又は異なる方向に支持することが出来、一個の支持具で多様に金車を支持することが出来る。
【0013】
また、各金車を下から受け止める金車受け金具を設け、金車と金車受け金具を係止手段で一体にし、当該金車受け金具を一定角度より下方に回転しない回転ストッパを設けているため、金車に巻き付けているワイヤやロープが張力を失った場合に、金車が支持点から垂れ下がるのを金車受け金具が阻止する。従って、上記のような張力が無くなった場合の金車先端の落下による他物との衝突の損傷を防ぐことが出来る。
【0014】
また、請求項2の発明によれば、固定金具と押え金具の内側にそれぞれスペーサを設けているため、鉄塔の主柱の下部の継目箇所のボルトやナットの突出箇所でも、これらのボルトやナットの突出箇所を回避したスペーサにより、前記固定金具と押え金具を当該箇所の主柱に取付けることが出来、汎用性がある。
【0015】
また、請求項3の発明によれば、少なくとも2個の金車を同一方向、反対方向、に突出させることが出来、金車をあらゆる方向に引っ張ることが出来、種々の目的の金車を1個の支持具で支持することが出来る。
【0016】
また、請求項4の発明によれば、各金車と金車受け金をベルトで巻き回して一体に係止するため、金車と金車受け金の脱着作業が極めて容易にできる。
【0017】
また、請求項5の発明によれば、ワイヤやロープを掛けた際の金車の支持方向により、垂直片の複数の穴を選択して当該穴に折れピンを差し込むことにより、金車受け金具の回転ストッパの位置を選ぶことが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】この発明の実施の形態例1の金車支持具の平面図である。
図2】この発明の実施の形態例1の金車支持具の正面図である。
図3】この発明の実施の形態例1の金車支持具の固定金具の平面図である。
図4】この発明の実施の形態例1の金車支持具の固定金具の正面図である。
図5】この発明の実施の形態例1の金車支持具の押さえ金具の平面図である。
図6】この発明の実施の形態例1の金車支持具の押さえ金具の正面図である。
図7】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片及び金車受け金具の正面図である。
図8】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片及び金車受け金具の側面図である。
図9】この発明の実施の形態例1の金車支持具の金車受け金具の正面図である。
図10】この発明の実施の形態例1の金車支持具の金車受け金具の側面図である。
図11】この発明の実施の形態例1の金車支持具の金車受け金具の、図9のA-A断面図である。
図12】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片及び回転ストッパ枠体の正面図である。
図13】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片及び回転ストッパ枠体の側面図である。
図14】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片及び回転ストッパ枠体の縦断面図である。
図15】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片に対して金車受け金具を斜め上方に傾けた状態を示す正面図である。
図16】この発明の実施の形態例1の金車支持具の垂直片に対して金車受け金具をやや斜め下方に傾けた状態を示す正面図である。
図17】この発明の実施の形態例2の金車支持具の正面図である。
図18】この発明の実施の形態例2の金車支持具の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(実施の形態例1)
まず、この発明の実施の形態例1の金車支持具を図1図6に基づいて説明する。
【0020】
当該金車支持具Aは、鉄塔のアングル材から成る主柱1に取付ける固定金具2と押え金具3とから成る。前記固定金具2は、図3及び4に示すように、前記主柱1の外側に押し当てるため、細幅の板体を直角に折れ曲げて成り、その内側に、スペーサ4が複数設けられている。
【0021】
当該スペーサ4は断面L字型又は、断面コの字型であり、鉄塔の下部の主柱1が2枚重なった継目箇所の外側に突出したボルト又はナッを囲むか又は避けた箇所に突出している。そして、各スペーサ4の高さは前記ボルト又はナットの突出長とほぼ同じ長さとなっている。これにより固定金具2は前記主柱1に外側に、スペーサ4を介して当接自在となっている。
【0022】
また、固定金具2の直角に折り曲げられた各端部にはやや細長のボルト用孔5が縦横に夫々2つ並べて合計4個設けられている。また、当該固定金具2の直角に折り曲げられた各辺の外側面角部に近接して水平な軸受け6が突出している。また、これらの各軸受け6は上下を貫通する軸孔7が設けられている。
【0023】
また、これらの軸受け6の両側の各辺の外側面に水平リブ8が設けられている。さらに、これらの水平リブ8及び前記軸受けの上下面には縦リブ9が適宜数設けられている。
【0024】
また、前記押え金具3は、図5及び6に示すように、前記主柱1の内側に押し当てるため、細幅の板体を直角に折れ曲げて成り、その内側面に、スペーサ10が夫々設けられている。当該スペーサ10は四辺形の板体からなり、上述のように、鉄塔の主柱1の内側面から突出するボルト頭の高とほぼ同じ厚さになっている。
【0025】
また、この押え金具3は直角に折曲がった各辺の内側に渡した補強板11が設けられ、また、前記各辺の端部には、前記固定金具2の4個のボルト用孔5に対応して、上下に二つのボルト用長孔12が設けられている。
【0026】
そして、前記固定金具2と押え金具3を夫々主柱1の外側及び内側に、ボルト又はナットをスペーサ4及び10で囲むか回避して当接し、前記固定金具2のボルト用孔5からボルト13を挿入し、これと対向する押え金具3のボルト用長孔12に通してナット14で夫々締付け、固定金具2と押え金具3を主柱1に固定する。
【0027】
また、図7及び図8に示すように、前記固定金具2の軸受け6の上下幅の間隔を空けて上下突部15a、15bを一側に有する垂直片15を設けている。
【0028】
これらの上下突部15a、15bにも夫々上下を貫通する軸孔を設けており、これらの上下突部15a及び15bの軸孔と前記軸受6の軸孔7を合わせてこれらの軸孔にボルト軸16を通して当該ボルト軸16の端部にナット17を螺着して締め付け、垂直片15を軸受け6に、水平方向に回転自在に支持させている。また、この垂直片15の回転幅は、図1に示すように、前記ボルト軸16に対して少なくとも180°回転自在となっている。
【0029】
前記垂直片15には前記上下突部15a、15bと反対側の上部に孔18を設けている。この孔18には、図1及び図2に示すように、Uクレビス30のボルト30aを通して、Uクレビス30が垂直片15に対して上下方向に回転自在に軸支されている。
【0030】
また、前記垂直片15の前記孔18の下方に、金車受け金具19の支持腕19aを軸支している支軸20が設けられている。この金車受け金具19は、図8図10及び図11に示すように、金車を受けるよう断面が略V字に形成されている。また、前記金車受け金具19の支持腕19aは、間に間隔を空けた2枚の板状片となっており、2枚の支持腕19aは前記垂直片15の両外側面に突出し、前記支軸20を中心に回転自在となっている。
【0031】
また、前記垂直片15の下部の両側を包むように平面視コの字型の回転ストッパ枠体21が設けられている。この回転ストッパ枠体21は、その両側板21aを前記垂直片15の両側の外側面からやや離れて設けられ、これらの両側板21aと垂直片15の両外側面との間隙に前記支持腕19aの各板状片が入っている。
【0032】
そして、当該回転ストッパ枠体21の下部で2個の固定ボルト22により前記垂直片15に固定されている。また、この回転ストッパ枠体21の両側板21a及び垂直片15には、前記支軸20の側方であって、回転ストッパ枠体21の両側板21の外側面上に於いて、上下に位置がずれるようにほぼ一つの曲線上に3個のストッパ孔23、24、25がそれぞれ相応する位置に設けられている。
【0033】
そしてこれらのストッパ孔23、24、25のいずれかに挿入される折れピン26が設けられており、当該折れピン26が前記ストッパ孔23、24、25のいずれかに挿入固定され、前記金車受け金具19の支持腕19aの先端部を当該折れピン26の下面に位置させると、前記折れピン26により金車受け金具19の、図7における、反時計方向の回転が規制される。
【0034】
従って、前記回転ストッパ枠体21の下部に位置する前記ストッパ孔23に前記折れピン26を挿入し、金車受け金具19の支持腕19aを折れピン26の下面に当てると、図15に示すように、金車受け金具19は垂直片15に略45°で支持される。また、回転ストッパ枠体21の中部に位置する前記ストッパ孔24に前記折れピン26を挿入し、金車受け金具19の支持腕19aを折れピン26の下面に当てると、図2の実線で示すように、金車受け金具19は垂直片15に略水平に支持される。
【0035】
また、回転ストッパ枠体21の上部に位置する前記ストッパ孔25に前記折れピン26を挿入し、金車受け金具19の支持腕19aを折れピン26の下面に当てると、図16に示すように、金車受け金具19は垂直片15にやや下方に傾いた、略-15°で支持される。また、前記折れピン26は前記固定ボルト22の一方にチェーン27で繋がれている。
【0036】
また、前記金車受け金具19には、金車と当該金車受け金具19を一体に巻き付けるベルト28の通し孔29が設けられている。この通し孔29にベルト28を通して金車Cにベルト28を巻き付けると、ベルト28が金車受け金具19に係止され、ベルト28が金車Cから外れる恐れがない。また、金車Cからベルト28を外しても、ベルト28が落下しない。
【0037】
そして、前記Uクレビス30に金車Cの一端のフック31を掛ける構成となっており、当該金車Cを係止した際、前記ベルト28を金車Cと金車受け金具19とに巻き付けて一体にする。
【0038】
この様に当該金車支持具Aに金車Cを取付けて金車Cにワイヤ又はロープを掛けて使用する際、垂直片15やUクレビス30の上下左右への回転自在な軸支により、金車Cはワイヤ又はロープの引っ張り方向に追従して動くことができる。また、複数の金車Cを当該金車支持具Aに支持することが出来、多様な作業に使用できる。
【0039】
また、当該作業中において、ワイヤやロープの張力が無くなった場合でも、金車Cは金車受け金具19により一定角度に支持され、金車Cが支持部から垂れ下がったりしない。
【0040】
(実施の形態例2)
次にこの発明の実施の形態例2の金車支持具Bを図17図18を基づいて説明する。
【0041】
この金車支持具Bは、前記金車支持具Aとほぼ同じ構造であるが、固定金具2及び押え金具3に夫々スペーサ4及び10が設けられていない。また、金車受け金具19の回転を規制するストッパ枠体21及び折れピン26が設けられていない。他の構成は前記金車支持具Aと同じであるため説明を省略する。
【0042】
この金車支持具Bは鉄塔の主柱1の継目箇所のボルトやナットが突出していない箇所の主柱1に取付ける。従って、固定金具2及び押え金具3は主柱1の内外面に直接当接させる構成である。
【0043】
また、金車受け金具19の回転規制は垂直片15の下端部に設けたストッパ片32に金車受け金具19の支持腕19aが当たることによりそれ以上の金車受け金具19の下方への回転が阻止される。即ち、図17に示すように、金車受け金具19は水平位置より下方には回転しない構成となっている。
【0044】
なお、上記実施の形態例では、固定金具2の直角に折れ曲がった各外側辺から1個の軸受け6を夫々設けているが、軸受け6は1個に限らず、複数個設けてもよい。また、金車受け金具19の回転ストッパは上記実施の形態例1及び2のものに限るものではない。
【0045】
さらに、金車Cと金車受け金具19を一体に係止するベルト28を設けたが、当該ベルト28に限らず、他の係止手段を用いても良い。
【符号の説明】
【0046】
A、B 金車支持具
C 金車
1 主柱 2 固定金具
3 押え金具 4 スペーサ
5 ボルト用孔 6 軸受け
7 軸孔 8 水平リブ
9 縦リブ 10 スペーサ
11 補強板 12 ボルト用長孔
13 ボルト 14 ナット
15 垂直片 15a 上下突部
15b 上下突部 16 ボルト軸
17 ナット 18 孔
19 金車受け金具 19a 支持腕
20 支軸 21 回転ストッパ枠体
21a 両側板 22 固定ボルト
23 ストッパ孔 24 ストッパ孔
25 ストッパ孔 26 折れピン
27 チェーン 28 ベルト
29 通し孔 30 Uクレビス
30a ボルト 31 フック
32 ストッパ片
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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