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特許7315525小粒子サイズセルロース粒子および組成物の製造、単離、精製、および使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】小粒子サイズセルロース粒子および組成物の製造、単離、精製、および使用
(51)【国際特許分類】
   C08L 1/00 20060101AFI20230719BHJP
   C08L 97/00 20060101ALI20230719BHJP
   C08K 7/16 20060101ALI20230719BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20230719BHJP
   C08L 101/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 9/10 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 11/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 1/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 1/08 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 1/10 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 17/04 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 15/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20230719BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230719BHJP
   A61K 47/26 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 47/10 20170101ALI20230719BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230719BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/60 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/34 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/365 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 8/9789 20170101ALI20230719BHJP
   A61K 47/02 20060101ALI20230719BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20230719BHJP
   A23L 2/00 20060101ALI20230719BHJP
   A23L 2/02 20060101ALI20230719BHJP
   A23L 2/66 20060101ALI20230719BHJP
   A23G 9/34 20060101ALI20230719BHJP
   A23G 9/52 20060101ALI20230719BHJP
   A23C 9/152 20060101ALI20230719BHJP
   C09D 7/43 20180101ALI20230719BHJP
   C09D 101/00 20060101ALI20230719BHJP
   A23L 29/30 20160101ALN20230719BHJP
【FI】
C08L1/00
C08L97/00
C08K7/16
C08L91/00
C08L101/00
A61K9/10
A61K47/38
A61Q11/00
A61K8/73
A61Q19/10
A61K45/00
A61Q1/00
A61Q1/08
A61Q1/10
A61Q17/04
A61Q15/00
A61Q1/04
A61Q19/00
A61K8/86
A61K47/34
A61K47/26
A61K47/10
A61K47/18
A61K47/36
A61K8/60
A61K8/34
A61K8/365
A61K8/19
A61K8/9789
A61K47/02
A61K47/46
A23L2/00 A
A23L2/00 Z
A23L2/02 Z
A23L2/66
A23G9/34
A23G9/52
A23C9/152
C09D7/43
C09D101/00
A23L29/30
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020500054
(86)(22)【出願日】2018-07-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-31
(86)【国際出願番号】 US2018040958
(87)【国際公開番号】W WO2019010336
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-07-02
(31)【優先権主張番号】62/528,838
(32)【優先日】2017-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/587,472
(32)【優先日】2017-11-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/628,443
(32)【優先日】2018-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/671,026
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513271287
【氏名又は名称】レンマティックス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Renmatix,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハリス,スティーブン,ハーバート
(72)【発明者】
【氏名】コサ,マチアス
(72)【発明者】
【氏名】サンダーソン,チャールズ,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】チョーリー,マリエ,ジェーン
(72)【発明者】
【氏名】カールソン,デレク,アレキサンダー
(72)【発明者】
【氏名】オースティン,ジェレミー,アール.
(72)【発明者】
【氏名】ラハナス,コンスタンチノス,エム.
(72)【発明者】
【氏名】モスラー,フレドリック,ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブリーデン,デイビッド,リー
(72)【発明者】
【氏名】デ’リア,オーランド,ジョセ
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第99/028350(WO,A1)
【文献】特開平07-268129(JP,A)
【文献】特開平03-163135(JP,A)
【文献】特開昭61-241337(JP,A)
【文献】特開昭63-099237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
A61K
A61Q
A23C
A23G
A23L
C09D 101/00-101/32
C09D 7/00-7/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳濁液または乳化可能組成物であって、セルロースおよび少なくとも5重量%のリグニンを含有する粒子を含み、当該粒子が、
(1)8ミクロン未満のd75
(2)0.5ミクロン~5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
1~1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
前記セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項2】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、
第1の液体および第2の液体を含み;
前記第1の液体が、前記第2の液体と少なくとも部分的に非混和性である、
請求項1に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項3】
前記第1の液体が油を含み、前記第2の液体が水を含む、請求項2に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項4】
前記第1の液体が水を含み、前記第2の液体が、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、もしくはフッ素ポリマー、またはワックスを含む、請求項2又は3に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項5】
前記セルロースを含有する粒子が、前記乳濁液の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、請求項1から4のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項6】
前記乳濁液または乳化可能組成物が、エッグフリーであるか、またはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーである、請求項1から5のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項7】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、マヨネーズ、サラダドレッシング、マリネード、アイオリ、サンドイッチスプレッド、ベジタブルスプレッド、ベジタブルショートニング、ビネグレット、調味料、トッピング、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、バター、マーガリン、クリーム、ミルク、グレイビー、果実バター、ナッツバター、コーヒー飲料、チョコレート飲料、模倣フレーバー飲料、シロップ、スープもしくはソースであるか、またはこれらの成分である、請求項1から6のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項8】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、洗浄剤、食器洗い機用液体、食器洗い機用ペースト、洗濯用洗剤、洗濯用ペースト、もしくはドライクリーニング配合物であるか、またはこれらの成分である、請求項1から7のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項9】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、少なくとも1つの活性医薬成分を含む薬学的に許容される乳濁液であるか、またはその成分である、請求項1から8のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項10】
前記少なくとも1つの活性医薬成分が、過酸化ベンゾイル、アルファヒドロキシ酸、サリチル酸もしくはグリコール酸またはこれらの組合せである、請求項9に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項11】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、塗料、コーティング剤、シーラント、コーキング剤、もしくはインク配合物であるか、またはこれらの成分である、請求項1から10のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項12】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、前記乳濁液が、パーソナルケア製品もしくは健康用および化粧用製品であるか、またはこれらの成分である、請求項1から11のいずれか1項に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項13】
前記パーソナルケア製品または健康用および化粧用製品が、ローション、クリーム、セラム、軟膏、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、液体石鹸、ファンデーション下地、bbクリーム、ccクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、またはクレイ、カオリンもしくは泥懸濁液、ハンドクリームもしくはローション、フェイスクリームもしくはローション、ボディクリームもしくはローション、口紅、またはリップバームである、美容製品、またはスキンケア製品、またはヘアケア製品、またはペットケア製品である、請求項12に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項14】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳化可能組成物であり、前記乳化可能組成物が、マヨネーズミックス、サラダドレッシングミックス、マリネードミックス、サンドイッチスプレッドミックス、ベジタブルスプレッドミックス、ビネグレットミックス、ミルクもしくはクリーマーミックス、グレイビーミックス、またはコーヒー飲料ミックス、チョコレート飲料ミックス、模倣フレーバー飲料ミックス、シロップミックス、またはソースミックスであるか、またはこれらの成分である、請求項1に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【請求項15】
前記乳濁液または乳化可能組成物が乳化可能組成物であり、前記乳化可能組成物が、ゲル形態、粉末形態、顆粒形態、ペースト、または濃縮物である請求項1または14に記載の乳濁液または乳化可能組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月5日に出願された米国仮特許出願第62/528,838号、2017年11月16日に出願された米国仮特許出願第62/587,472号、2018年2月9日に出願された米国仮特許出願第62/628,443号、および2018年5月14日に出願された米国仮特許出願第62/671,026号の利益を主張し、これらの全開示は、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
小粒子サイズを有するセルロース粒子の製造、単離、精製、および取扱いの方法が本明細書において開示される。濃化組成物中、または乳濁液もしくは乳化可能製品中、または懸濁液中、または美容もしくはパーソナルケア配合物中、または食品、例えば、発酵もしくは発酵可能食品、食肉もしくは食肉類似製品、パスタ、もしくはアイスクリーム中でのセルロース粒子の使用もまた開示される。地下処理用組成物(例えば、掘削液)中、または加工もしくはマシニング用組成物、例えば、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液中でのセルロース粒子の使用もまた開示される。セルロースを含む再懸濁可能粒子もまた本明細書において開示される。
【背景技術】
【0003】
セルロース材料は、再生可能であり、生分解性であり、かつ世界で最も豊富に存在する天然ポリマーであるので、環境および原材料に対する世界的な関心において特別な考慮に値する。織物、紙製品、プラスチック、食品および医薬品添加物、美容添加物、噴射剤を製造するため、ならびに入手可能な再生可能エネルギー供給源として産業用途で世界中で毎年約1010~約1011トンのセルロースが消費されていると推定されている。
【0004】
リグノセルロースバイオマスは、典型的に、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、および鉱物を含有し、一部の例では、微量のタンパク質および脂質(脂肪、ワックス、および油)を含有する。リグノセルロース材料の乾燥重量の約3分の2はセルロースおよびヘミセルロースとして存在し、リグニンが残りの乾燥重量の大部分を構成する。パルプおよび紙産業などにおいて、リグノセルロースバイオマスを様々な糖の液体ストリームに変換し、リグニンを抽出し、かつ/または未反応セルロースを回収するための多数の方法が存在する。しかしながら、リグノセルロース材料の広範な有用性にもかかわらず、利用可能な変換方法は複雑であり、多大な資本を必要とし、時間を消費し、刺激の強い毒性化学物質の使用を必要とする。したがって、セルロースを含有する組成物、それらを高純度かつ効率的に調製する環境に優しい方法、およびそれらを使用するための応用の必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態では、小粒子サイズセルロース粒子、該粒子を含む組成物、ならびにそれを製造および使用する方法が開示される。
【0006】
濃化組成物であって、濃化組成物が、粒子であって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子;および液体を含み;粒子が、組成物の粘度を粒子を含まないそれ以外は同一の組成物と比較して少なくとも10%増加させるために充分なレベルで存在し;かつ、配合物の粘度が、2rpmのせん断でスピンドル21を使用してブルックフィールドLVT粘度計を使用して室温で決定される、濃化組成物が開示される。
【0007】
懸濁液であって、懸濁液が、粒子を含むセルロース組成物であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、セルロース組成物;および組成物中に懸濁された第1の成分を含む、懸濁液もまた開示される。
【0008】
懸濁液であって、懸濁液が、a)液体;b)粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子;およびc)液体中に懸濁された第1の成分を含む、懸濁液もまた開示される。
【0009】
乳濁液または乳化可能組成物であって、乳濁液または乳化可能組成物が、セルロース含有粒子であって;粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つ;約1~約1.5のアスペクト比;および非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、乳濁液または乳化可能組成物もまた開示される。
【0010】
乳濁液または乳化可能組成物であって、乳濁液または乳化可能組成物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、乳濁液または乳化可能組成物もまた開示される。
【0011】
セルロース組成物であって、セルロース組成物が、粒子および再懸濁化剤を含み、粒子が、液体中に再懸濁された時に、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり;かつ、再懸濁化剤が、粒子の表面の少なくとも一部分に吸着または結合している、セルロース組成物もまた開示される。
【0012】
食品であって、食品が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75;(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、食品もまた開示される。
【0013】
発酵または発酵可能食品であって、発酵または発酵可能食品が、セルロース含有粒子であって;粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つ;約1~約1.5のアスペクト比;および非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、発酵または発酵可能食品もまた開示される。
【0014】
発酵または発酵可能食品であって、発酵または発酵可能食品が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、発酵または発酵可能食品もまた開示される。
【0015】
食肉または食肉類似組成物であって、食肉または食肉類似組成物が、セルロース含有粒子であって;粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、食肉または食肉類似組成物もまた開示される。
【0016】
食肉または食肉類似組成物であって、食肉または食肉類似組成物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、食肉または食肉類似組成物もまた開示される。
【0017】
地下処理用組成物、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液であって、地下処理用組成物、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液が、(a)液体;および(b)液体中に懸濁された粒子であって、粒子が、セルロースを含み、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し、約1~約1.5のアスペクト比を有し、かつ非球形を有し、かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、地下処理用組成物、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液もまた開示される。
【0018】
地下処理用組成物およびマシニングまたは加工用組成物、例えば、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液であって、地下処理用組成物およびマシニングまたは加工用組成物、例えば、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液が、(a)液体;および(b)液体中に懸濁された粒子であって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、地下処理用組成物およびマシニングまたは加工用組成物、例えば、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液もまた開示される。
【0019】
パーソナルケア配合物であって、パーソナルケア配合物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、パーソナルケア配合物もまた開示される。
【0020】
セルロース含有粒子を調製する方法であって、方法が、(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記混合物が、グルコオリゴ糖(gluco-oligosacharides)(GOS)およびセルロース含有粒子を含む、接触させること;(b)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物からリグニンを分離すること;(c)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSおよびセルロース含有粒子を含むより高固体の混合物を形成させること;および(d)GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物を有機溶媒と接触させて、固体GOSおよびセルロース含有粒子を形成させることを含む、方法もまた開示される。
【0021】
セルロース含有粒子の水性懸濁液の固体含有量を増加させる方法であって、方法が、(a)水性懸濁液を凍結して、凍結懸濁液を形成させること;(b)凍結懸濁液を解凍して、懸濁液の上部がより低い固体含有量を有し、かつ懸濁液の下部がより高い固体含有量を有するように、懸濁液中に固体含有量のグラデーションを形成させること;(c)下部の少なくとも一部分を単離すること;および(d)任意選択的に、下部に対してステップ(a)、(b)および(c)を1回または複数回繰り返すことを含み;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、方法もまた開示される。
【0022】
水溶性グルコオリゴ糖(GOS)の固体試料を調製する方法であって、方法が、(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記液体がGOSを含む、接触させること;(b)液体の少なくとも一部分を回収すること;(c)任意選択的に、GOSを含む液体から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSを含むより高固体の液体を形成させること;(d)GOSを含むより高固体の液体を有機溶媒と接触させて、固体GOSを形成させること;(e)液体から固体GOSを分離し、固体GOSを回収することを含む、方法もまた開示される。
【0023】
追加の利点は、部分的には以下の説明に記載され、部分的には説明から自明であり、または本発明の実施により理解することができる。利点は、添付の特許請求の範囲において特に指摘される構成要素および組合せにより実現および達成される。以上の概要および以下の詳細な説明の両方は例示的かつ説明的なものに過ぎず、特許請求の範囲に記載される本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本明細書に組み込まれ、その一部分を構成する添付の図面は、いくつもの態様を説明し、説明と共に、本発明の原理を説明するために働く。
【0025】
図1図1は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の製造方法の単純化した図解を示す。
【0026】
図2図2は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の製造方法の単純化した図解を示す。
【0027】
図3図3は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の代替的な製造方法の単純化した図解を示す。
【0028】
図4図4は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の代替的な製造方法の単純化した図解を示す。
【0029】
図5図5は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の試料の粒子サイズ分布を示す。
【0030】
図6図6は、-90℃の温度で取得した、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の試料の環境走査電子顕微鏡画像を示す。
【0031】
図7図7は、i)代表的な加水分解反応において製造された水溶性グルコオリゴ糖(GOS)、ならびにii)エタノール;およびiii)メタノールを用いた沈殿後のそれに由来する沈殿GOS(PGOS)についての分子量分布の比較を示す(実施例2を参照)。
【0032】
図8図8は、Blackburn Distributions、UKから得た、約35μmの粒子サイズd50(Beckman Coulter Particle Sizerによる測定)の、i)本明細書において記載されるセルロース含有粒子の安定な水性懸濁液;ii)HERBACEL(商標) AQ Plus(果実繊維);およびiii)微結晶セルロース(MCC)を示す(各場合において、40mlの水中の1.0gの固体セルロース材料、2連)(実施例6を参照)。
【0033】
図9図9は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の水性懸濁液のチキソトロピー挙動を示す(実施例6を参照)。
【0034】
図10図10は、本明細書において記載されるセルロース含有粒子により実証された水中での相乗的な濃化挙動を示す(実施例6を参照)。
【0035】
図11図11は、ココア粉末の水性懸濁液の安定化における安定補助剤として機能する本明細書において記載されるセルロース含有粒子を示す(実施例7を参照)。左から、i)対照試料(100gの水中に懸濁された5gのココア粉末);ii)対照+2%のセルロース粒子A;iii)対照+4%のセルロース粒子A;iv)対照+0.1%のキサンタン。
【0036】
図12図12は、炭酸カルシウムの水性懸濁液の安定化における安定補助剤として機能する本明細書において記載されるセルロース含有粒子を示す(実施例7を参照)。左から、i)対照試料(100gの水中に懸濁された10gのCaCO);ii)対照+0.1%のキサンタン;iii)対照+2%のセルロース粒子A;iv)対照+2%のセルロース粒子Aと0.1%のキサンタンとの組合せ。
【0037】
図13図13は、i)10:90、ii)20:80、iii)50:50およびiv)80:20の油:水の比について、総乳濁液重量に基づいて、2重量%の固体レベルで本明細書において記載されるセルロース含有粒子を使用して形成された乳濁液を示す(実施例8を参照)。
【0038】
図14図14は、グルテンフリーのパンに通常含まれる乳成分およびガムを置き換える5%のレベルの本明細書において開示されるセルロース含有粒子を用いて作られたグルテンフリーのパンを示す(実施例10を参照)。
【0039】
図15図15は、左を最低レベル(0%)として、順にそれぞれ0%、2%、4%および10%のレベルの本明細書において開示されるセルロース含有粒子を用いて作られたチキンソーセージを示す(実施例11を参照)。
【0040】
図16A-16B】図16Aおよび図16Bは、安定性などの、2%、4%、および8%の固体含有量で本明細書において開示されるようなセルロース含有粒子を使用して形成された泡の結果(図16A)を4日後の4%の試料の一部の脱気(図16B)と共に示す。。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、本発明の以下の詳細な説明およびそれに含まれる実施例を参照することにより、より容易に理解することができる。
【0042】
本発明の化合物、組成物、物品、システム、デバイス、および/または方法を開示および説明する前に、それらは、別段の規定がなければ特定の合成方法に限定されず、別段の規定がなければ特定の試薬に限定されず、方法および試薬は当然ながら変更され得ることが理解されるべきである。本明細書において使用される専門用語は特定の態様を記載する目的のものに過ぎず、限定を意図しないことも理解されるべきである。本明細書において記載されるものに類似のまたは相当する任意の方法および材料を本発明の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および材料をこれより記載する。
【0043】
見出しは便宜上提供されているに過ぎず、いかなる方式でも本発明を限定するものと解されるべきではない。任意の見出しの下でまたは本開示の任意の部分において説明される実施形態は、本開示の同じ見出しもしくは部分の下、または本開示の任意の他の見出しもしくは他の部分の下で説明される実施形態と組み合わせることができる。
【0044】
本発明の態様は、特定の法定上のクラス、例えば組成物の法定上のクラスにおいて記載および請求されることがあるが、これは便宜上のものに過ぎず、当業者は、本発明の各態様は任意の法定上のクラスにおいて記載および請求できることを理解する。
【0045】
それ以外に明示的な記載がない限り、本明細書において記載される任意の方法または態様は、そのステップが特定の順序で行われる必要があると解されることを決して意図しない。したがって、ステップが特定の順序に限定されるべきことを方法クレームが請求項中で具体的に記載しておらず、かつそのような説明がない場合、順序が推定されることをあらゆる点で決して意図しない。これは、ステップもしくは操作フローの構成に関する理屈、文法的構成もしくは句読法に由来する単純な意味、または本明細書において記載される実施形態の数もしくは種類などの、解釈上のあらゆる起こり得る非表現的な事項に該当する。
【0046】
本明細書に別に指し示さないか、またはそれ以外に文脈に明らかに矛盾しない限り、全ての可能な変形での本明細書において記載される要素の任意の組合せが本発明に包含される。
【0047】
本出願の全体を通じて、様々な刊行物が参照される。本出願が関連する技術分野の状況をより充分に記載するために、これらの刊行物の開示は、参照することにより全体が本出願に組み込まれる。開示される参考文献はまた、参照が依拠する文において議論されるそれらに含まれる材料について、参照することにより個々的かつ具体的に本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなる記載も、本発明が先行発明によりそのような文献より以前である資格がないと認めるものと解されるべきではない。さらに、本明細書において提供される公開日は実際の公開日とは異なることがあり、実際の公開日は、独立した確認を必要とし得る。
【0048】
A.定義
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明らかにそうでないことを規定しない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「官能基」(a functional group)、「アルキル」(an alkyl)または「残基」(a residue)への言及は、2つまたはそれより多くのそのような官能基、アルキル、または残基の混合を含むなどである。
【0049】
本明細書および特許請求の範囲における組成物中の特定の要素または成分の重量部への言及は、重量部が表現される組成物または物品中の要素または成分と任意の他の要素または成分との重量の関係性を表す。したがって、2重量部の成分Xおよび5重量部の成分Yを含有する化合物において、XおよびYは2:5の重量比で存在し、追加の成分が化合物中に含有されるかどうかにかかわらずそのような比で存在する。
【0050】
成分の重量パーセント(重量%)は、そうでないことが具体的に記載されていない限り、成分が含まれる配合物または組成物の総重量に基づく。
【0051】
本出願において指定される様々な定量的な値における数値の使用は、それ以外に明示的に指し示されない限り、代替的には、記載された範囲内の最小値および最大値の両方に「約」という語が先行しているようなおおよそのものとして追加的に記載される。この方式で、記載された値からのわずかな変更が、記載された値と実質的に同じ結果を達成するために使用され得る。また、範囲の開示は、記載された最小値と最大値との間のあらゆる値を含む連続的な範囲の他に、そのような値により形成され得る任意の範囲として意図される。例えば、成分は2%~10%の量で存在するという開示は、特には、2%~9%、2%~8%、3%~10%、3%~9%、4%~5%などを含む。記載された数値を割って任意の他の記載された数値とすることにより形成され得る任意および全ての比(および任意のそのような比の範囲)もまた本明細書において開示される。したがって、多くのそのような比、範囲、および比の範囲は、本明細書に提示される数値に明瞭に由来することができ、全ての場合において、そのような比、範囲、および比の範囲は、本発明の様々な態様を表すことを当業者は理解する。
【0052】
本明細書において数値、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10を開示する場合、以下の文がそのような数値に従い得る:「以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる」。この文は、上述の数のそれぞれを単独(例えば、4)で使用できること、「約」という語を先行させることができること(例えば、約8)、「少なくとも約」という語句を先行させることができること(例えば、少なくとも約2)、「約・・・未満」という語句を付すことができること(例えば、約7未満)、または任意の先行する語もしくは語句を伴ってもしくは伴わずに任意の組合せで使用されて範囲を定義すること(例えば、2~9、約1~4、8~約9、および約1~約10など)を意味する。さらに、「約Xまたはそれ未満」(Xは数である)として範囲が記載される場合、この語句は、代替的に、「約X」と「約X未満」との組合せの範囲と同じである。例えば、「約10またはそれ未満」は、「約10、または約10未満」と同じである。そのような交換可能な範囲の記載が本明細書において想定される。他の範囲の形式が本明細書において開示され得るが、形式の差異は、実体に差異があることを含意すると解されるべきではない。
【0053】
本明細書において使用される場合、「任意選択の」または「任意選択的に」という用語は、その後に記載された事象、条件、成分、または状況が起こってもよいし、起こらなくてもよいことを意味し、該記載は、前記事象、条件、成分、または状況が起こる事例およびそれが起こらない事例を含むことを意味する。
【0054】
本明細書において使用される場合、「・・・するために充分な」という語句(例えば、「・・・するために充分な条件」または「・・・のために充分な」)は、そのような値または条件が表現される機能または特性を行うことができるような値または条件を指す。以下に指摘されるように、必要とされる正確な値または特定の条件は、用いられる材料および/または加工条件などの認識される変動に応じて態様毎に異なり得る。
【0055】
成分と組み合わせて使用される場合、「重量で」(by weight)という用語は、そうでないことが具体的に記載されない限り、成分が含まれる配合物または組成物の総重量に基づく。例えば、組成物または物品中の特定の要素または成分が8重量%の量で存在すると記載される場合、このパーセンテージは100%の総組成パーセンテージに対するものと理解される。一部の例では、成分の重量パーセントは、「乾燥換算の」組成物の総重量に基づき、これは、水を含まない組成物(例えば、組成物の総重量に基づいて、重量で約1%未満、約0.5%未満、約0.1%未満、約0.05%未満、または約0%の水)の重量を指し示す。
【0056】
本明細書において使用される場合、「実質的に含まない」という用語は、組成物の総重量に基づいて、約1重量%未満、例えば、約0.5重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、または約0.01重量%未満の記載された材料を有する組成物を指す。
【0057】
本明細書において使用される場合、「実質的に」という用語(「実質的に含まない」という語句において使用されていない場合)は、組成物に関して使用される場合、組成物の総重量に基づいて、少なくとも約60重量%、例えば、重量で少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、または約100%の記載された特徴または成分を指す。
【0058】
本明細書において使用される場合、「バイオマス」という用語は、一般に、生きているまたは最近まで生きていた生物に由来する炭素ベースの生物学的材料を含む再生可能エネルギー供給源を意味する。様々な態様では、バイオマスは、「供給原料」として働くことができ、そのため、適切な文脈では、該用語(「バイオマス」および「供給原料」)は交換可能に使用され得る。好適な供給原料としては、リグノセルロース供給原料、セルロース供給原料、ヘミセルロース供給原料、およびデンプン含有供給原料などが挙げられる。リグノセルロース供給原料は、任意のリグノセルロースバイオマス、例えば、植物(例えば、ウキクサ属植物、一年生繊維など)、木(軟木、例えば、モミ、マツ、トウヒなど;南洋木、例えば、バルサ、イロコ、チークなど;または堅木、例えば、ニレ、オーク、ヤマナラシ、ポプラ、ヤナギ、ユーカリなど)、灌木、草(例えば、ススキ、スイッチグラス、ライ、リードカナリーグラス、ダンチク、またはモロコシ)、専用エネルギー作物、一般廃棄物(例えば、一般固体廃棄物)、および/または農産物の副生成物(例えば、トウモロコシ、サトウキビ、テンサイ、果物、パールミレット、ブドウ、コメ、麦藁、綿茎)に由来し得る。バイオマスは、未加工供給源(例えば、森林、林地、または農地)および/または加工供給源の副生成物(例えば、切断片、樹皮、および/または製紙工場もしくは製材所からのおがくず、サトウキビバガス、トウモロコシ茎葉、パーム油産業残留物、コットンリンター、枝、葉、根、および/またはアサ)に由来し得る。好適な供給原料としてはまた、上述の任意の供給原料の構成部分、例えば、以下に限定されないが、リグニン、セルロース、C6糖(例えば、C6ポリマー、C6オリゴ糖、およびC6単糖)、ヘミセルロース、C5糖(例えば、C5多糖、C5オリゴ糖、およびC5単糖)、およびこれらの混合物を挙げることができる。好適な供給原料としてはまた、元々の成分の少なくとも一部分が除去された分別バイオマスを挙げることができる(例えば、元々存在したヘミセルロースの少なくとも一部分、一部、ほとんど、または全てが除去された分別バイオマス、例えば、元々存在したヘミセルロースの30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99重量%が除去された分別バイオマス(以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」または「約・・・未満」という語が先行することができ、以上の任意の数は、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる))。好適な供給原料としてはまた、バイオマス中に存在するヘミセルロースの少なくとも一部分、一部、ほとんど、または全てが除去された未分別バイオマス、ならびにヘミセルロースおよびリグニンが除去された供給原料(すなわち、セルロース)を挙げることができる。
【0059】
加水分解反応用の供給材料はリグノセルロースバイオマスである必要はなく、全くバイオマスでなくてもよい。セルロースの比較的純粋な供給源、例えば、微結晶セルロース(MCC)、ナノ結晶セルロース(NCC)、ワタ、パルプ、木材パルプ、溶解木材パルプ、フレッシュおよびリサイクル紙、リグノセルロースバイオマスから単離されたセルロース画分などの任意のセルロース含有供給材料は、本明細書において開示されるセルロース含有粒子を製造するための加水分解プロセスのために好適であり得る。
【0060】
本明細書において使用される場合、「乾燥バイオマス」(またはそれと同等の「絶乾バイオマス」)は、実質的にいかなる水も含まないか(すなわち、約0%の水分含有量)、またはわずかな残留水のみが残っている(すなわち、約1%以下、約0.5%以下、約0.1%以下、約0.05%以下、または約0.01%以下の水分含有量)バイオマスを指す。乾燥バイオマスを指す場合、バイオマス自体は、必ずしも絶乾状態ではないが、乾燥バイオマスの重量は、全てまたは実質的に全ての水が除去されているかのように表現される。
【0061】
本明細書において使用される場合、「微結晶セルロース」および「MCC」という用語は交換可能に使用され、セルロース繊維の加水分解により調製される精製された、部分的に解重合したセルロースを指す。セルロース繊維は、典型的に、非晶性、準結晶性、および結晶性領域を含むセルロースマイクロファイバーを含む。加水分解プロセスは、非晶性部分を概ね除去して、セルロースの繊維様形態を破壊し、全体的にまたは大部分が結晶性の領域を含有するセルロース微結晶を形成させる。様々な態様では、微結晶セルロースは、無機不純物の実質的に低い含有量により特徴付けられ得る。市販のMCCとしては、FMC BioPolymer、Philadelphia、PA、USAから入手可能なAVICEL(登録商標)製品およびBlackburn Distributions、Nelson、Lancashire、UKから入手可能なMicrocrystalline Cellulose 102が挙げられるがこれらに限定されない。
【0062】
本明細書において使用される場合、「ナノセルロース」または「ナノ結晶セルロース」および「NCC」という用語は交換可能に使用され、ナノメートル範囲の少なくとも1つの寸法を有するセルロース材料を指す。NCCを含むナノ粒子は、一般に1~100nmのサイズ範囲内であると考えられる。セルロース原線維を含むナノセルロースは、高いアスペクト比を有し得る。ナノセルロースを含む液体は、擬塑性の特徴を呈し得る。ナノセルロースを含有する液体は、通常の条件下で粘性であり静置時に高い貯蔵弾性率を発生するある特定のゲルまたは液体の特性を呈し得る。ナノセルロース原線維は、大きい表面積および結合能力を呈し得る。
【0063】
本明細書において使用される場合、「アスペクト比」は、粒子の最小の寸法に対する最大の寸法の比を指す(例えば、円柱について長さ/直径;平板について長さ/厚さ;楕円体について最長の軸/最短の軸)。
【0064】
「非球形」という用語は、本明細書において使用される場合、1より大きいアスペクト比を有する形状(すなわち、球形でない形状)を意味する。例えば、非球形は、少なくとも1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、または9.0のアスペクト比を有し得る。
【0065】
本明細書において使用される場合、「未変換I型セルロース」という用語は、I型セルロースを有する本明細書において定義される供給原料が少なくとも一部のII型セルロースを形成させるために充分な条件に供される時にII型セルロースに変換されていないI型セルロースを指す。そのような条件としては、例えば、I型セルロースを含有する供給原料を、液体、例えば水を含む液体であって、液体(例えば、水)が亜臨界、近臨界、または超臨界である液体と接触させることが挙げられる。そのような条件としてはまた、マーセリゼーション(アルカリ処理)、再生(可溶化およびその後の再結晶化)、亜臨界および超臨界水、水の存在下でのセルロースのボールミル粉砕などが挙げられる。
【0066】
本明細書において使用される場合、「連続的」は、その期間にわたり停止されないか、またはプロセスの継続期間に対してわずかな時間だけ停止、中止または中断されるプロセスを指し示す。出発材料(例えば、バイオマスまたはバイオマススラリー)が停止なくもしくは大幅な停止なく装置に供給されるか、または出発材料の加工がバッチプロセスで行われない場合に、プロセスは「連続的」である。
【0067】
超臨界液体は、その臨界温度より高い温度およびその臨界圧力より高い圧力において液体である。超臨界液体は、液相および蒸気(気体)相が互いに平衡で存在できる最も高い温度および圧力の点である「臨界点」においてまたはそれより高くにおいて存在する。臨界圧力および臨界温度においてまたはこれらより高くにおいて、液相と気相の区別は消失する。超臨界液体は、液体の溶媒特性と同時に気体のおおよそ浸透性の特性を持つ。したがって、超臨界液体抽出は、高い浸透性および良好な溶媒和の利益を有する。
【0068】
報告された臨界温度および圧力としては、以下が挙げられる:純水について、約374.2℃の臨界温度、および約221barの臨界圧力;二酸化炭素について、約31℃の臨界温度および約72.9気圧(約1072psig)の臨界圧力。近臨界水は、約300℃またはそれより高いかつ水の臨界温度(374.2℃)より低い温度、および液体の少なくとも一部分(例えば、全て)が液相にあることを確実にするために充分に高い圧力を有する。亜臨界水は、約300℃未満の温度、および液体の少なくとも一部分(例えば、全て)が液相にあることを確実にするために充分に高い圧力を有する。亜臨界水の温度は、約250℃より高くかつ約300℃未満であってよく、多くの場合、亜臨界水は約250℃~約280℃の温度を有する。「圧縮温水」という用語は、近臨界水または亜臨界水、または少なくとも約100℃(好ましくは、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、少なくとも約250℃、少なくとも約300℃、もしくは少なくとも約350℃)であるが超臨界未満(例えば、約374℃未満)である任意の温度任意の温度、および水の少なくとも一部分(例えば、水の全て)が液体状態にあるような圧力にあることとして本明細書において定義される
【0069】
本明細書において使用される場合、「超臨界」の液体(例えば、超臨界水、超臨界CO2など)は、温度および圧力条件の所与のセット下において純粋な形態で存在する場合に超臨界となる液体を指し示す。例えば、「超臨界水」は、水が純水であるにせよ、または混合物(例えば、水およびエタノール、水およびCO2など)として存在するにせよ、少なくとも約374.2℃の温度および少なくとも約221barの圧力で存在する水を指し示す。したがって、例えば、「亜臨界水と超臨界二酸化炭素との混合物」は、任意の超臨界相が水を含有するかどうかにかかわらず、かつ水相が二酸化炭素を含有するかどうかにかかわらず、二酸化炭素の臨界点より高いが水の臨界点より低い温度および圧力にある水と二酸化炭素との混合物を指し示す。例えば、亜臨界水と超臨界CO2との混合物は、約250℃~約280℃の温度および少なくとも約225barの圧力を有し得る。
【0070】
「超臨界加水分解」という用語は、超臨界条件下の1つまたは複数の液体(すなわち、超臨界液体)によりもたらされる加水分解反応を指す。
【0071】
本明細書において開示される全ての圧力は、別に指し示さないか、または明らかに文脈に矛盾しない限り、ゲージ圧力である。
【0072】
本明細書において使用される場合、「重合度」(DP)という用語は、高分子またはポリマーまたはオリゴマー中のモノマー単位の数として定義される。例えば、以下に限定されないが、数平均重合度は、
【数1】
(式中、Mは数平均分子量であり、Mはモノマー単位の分子量である)。セルロースについて、モノマー単位はアンヒドログルコース単位(グルコースから当量の1水分子を引いたもの、162g/mol)である。
【0073】
本明細書において使用される場合、「オリゴ糖」は、一般式C(HO)を有するグリコシド結合により連結された同じまたは異なる単糖単位の直鎖状または分岐鎖状の炭水化物分子を指す。オリゴ糖は、より短鎖の多糖、すなわち、ポリマー鎖中により少数のモノマー残基を単純に有する多糖と考えることができる。オリゴ糖がC6単糖残基を含有する場合、一般式は、(C10(式中、nは約2~約15(すなわち、オリゴ糖中のヘキソースモノマーの数)である)として表現することができる。本明細書において使用される場合、オリゴマー(例えば、セロオリゴ糖)は2~約15の範囲内のDPを有する一方、ポリマー(例えば、セルロース)は少なくとも約16のDPを有する。本明細書において使用される場合、「グルコオリゴ糖」(「GOS」)または「沈殿グルコオリゴ糖」(「PGOS」)という用語は、微量成分として単糖を追加的に含み得る。
【0074】
本明細書において使用される場合、「単糖」は、加水分解されてより単純な糖を生じることができない任意のクラスの糖を指す。単糖は、典型的に、C5糖(例えば、キシロース)およびC6糖(例えば、グルコース)であるが、C3、C4、C7、およびC8のような他の数の炭素を有する単糖も含み得る。別の表現をすると、単糖は、オリゴ糖および多糖の最も単純な構成要素である。セルロースの単糖は主にC6糖(例えば、グルコース)である。
【0075】
本明細書において使用される場合、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)およびゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)は、本明細書において交換可能に使用され、溶液中の分子がサイズにより分離されるクロマトグラフィー分離方法を指す。分離は、分離カラムとして知られる多孔性粒子の土台を通過する時の試料分子の差次的な排除により達成される。SECは、ポリマー分子の実質的に正確なモル重量分布を決定するために使用され得る。例えば、カラムを通過する液体画分(溶出液)は、一定の体積で回収される。ポリマーがカラムを通って溶出する時に、カラム孔を通過するには大き過ぎる分子は、パッキング孔体積から排除され、より早い保持時間で溶出する一方、より小さい分子はカラム孔中に通過し、より遅い時間に溶出する。溶出したポリマーの濃度は、例えば、屈折率(RI)および紫外線(UV)のような分光技術により測定することができる。溶出液フローはまた、RI、低角レーザー光散乱(LALLS)、多角レーザー光散乱(MALLS)、UV、および/または粘度測定を用いて連続的に分析することができる。
【0076】
様々な態様では、セルロース含有セルロース粒子の大部分は、論文:Dupont, Polymer、「Cellulose in lithium chloride/N,N-dimethylacetamide, optimization of a dissolution method using paper substrates and stability of the solutions」、Vol.44、(2003)、4117-4126(参照することにより全体が本明細書に組み込まれる)から適合させた一連のステップに供した時に可溶化させることができる。本明細書において使用される場合、セルロース含有セルロース粒子の大部分の可溶化を可能とし、そしてまたGPCによる特徴付けを可能とする一連のステップを「第1の条件」と称する。第1の条件は、以下の逐次的なステップからなるまたは本質的になる:(i)室温で撹拌しながらDI水中で2回、各1時間にわたりセルロース含有粒子を膨潤させる(各膨潤後に新鮮なDI水中で固体を濾過および再懸濁する)、(ii)撹拌しながらメタノール中で2回、室温で各45分にわたり結果として得られた固体を活性化させる(各活性化後に新鮮なメタノール中で固体を濾過および再懸濁する)、(iii)撹拌しながらN,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)(LiClなし)中で終夜、室温で結果として得られた固体を活性化させる(その後に固体を濾過する)、(iv)DMAc中の8重量%のLiCl中で室温で24時間にわたり結果として得られた固体を撹拌した後、(v)同じLiCl/DMAc混合物(いかなる濾過もしない)を撹拌なしで最長3日間2~8℃に供する。第1の条件の全てのステップは周囲圧力で行われる。GPCにより決定される重量平均分子量は、典型的に、GPCを使用して分析する前にDMAc中の8重量%のLiCl中のセルロース粒子の最終溶液がDMAc中の0.8重量%のLiClまで希釈されることを除いて、第1の条件にしたがって可溶化されたセルロース粒子に対して行われる。別段の記載がなければ、全ての分子量および関連する測定(例えば、PDIなど)は、「第1の条件」にしたがって調製された試料を使用してGPCにより為される。
【0077】
本明細書において、液体は、文脈により指し示されるように、蒸気、液体、または超臨界形態、またはこれらの任意の組合せであり得る。超臨界形態と液体または蒸気形態との組合せは、典型的に、混合された液体、例えば、水および二酸化炭素を用いる場合に生じる。蒸気形態と液体形態との組合せは、典型的に、温度が液体の沸点より高いが、圧力が、液体の全てを液体形態に維持するためには充分に高くない場合に生じる。
【0078】
本明細書において、「スラリー」は、例えば、水中に懸濁された小片または粒子のような、液体との不溶性または部分的に可溶性の固体の流動性またはポンプ圧送可能な混合物を指す。
【0079】
本明細書において使用される場合、バイオマスの「爆発的減圧」(液体を使用)または「蒸気爆砕」(液体が水であるか、または水を含むような場合)という用語は、熱機械的プロセスを結果としてもたらす加圧された容器の圧力の急速な減少を指し、熱機械的プロセスは、蒸発した液体または蒸気の形態の熱(熱)および液体または蒸気の膨張に起因するせん断力(機械)により補助されたバイオマスの構造的完全性の破壊のために使用される。反応容器中で、高圧力下で蒸発した液体(または蒸気)は、差次的な圧力に起因して、または対流もしくは拡散によりバイオマス構造を透過する。水(または他の液体)に関して、蒸気(または蒸発した液体)はまた、バイオマスの空隙内に既に存在する(例えば、予め含浸されたか、または水についてバイオマスに内在性の)水または他の液体を加熱し、それによりバイオマス構造中に温水および/または蒸気(または他の液体)を形成させ得る。蒸気の場合、蒸気は高圧力下で凝縮し、それにより材料を「湿潤」させる(温水の場合、材料は既に「湿潤」している)。「湿潤」材料は、反応器内の圧力が解放された時に「爆発」する。この時点においていくつもの現象が起こる。第1に、構造内の凝縮した水分は、圧力の突然の突然の減少に起因して瞬時に蒸発する。水蒸気の膨張は、周囲の構造に対してせん断力を発揮する。このせん断力が充分に高い場合、蒸気は構造の機械的破壊を引き起こす。
【0080】
本明細書において使用される場合、「粉砕」は、圧砕、摩砕、および衝突粉砕などのような、固体のサイズ低減のための任意の機械的な技術を意味する。
【0081】
本明細書において使用される場合、「周囲温度」および「周囲圧力」という用語は、通常の(必ずしもその必要はないが、通常は未調整の)室温および室圧を指す。そのような条件は変動し得るので、該用語は、おおよその温度およびおおよその圧力を伝えるためにのみ使用される。本明細書において、周囲温度は、20℃+/-5℃の温度を意味するものと解釈され、周囲圧力は1bar(1気圧)+/-0.2bar(0.2気圧)の絶対圧力を意味するものと解釈される。
【0082】
本明細書において使用される場合、「近周囲温度」という用語は、10℃~30℃の範囲内の温度条件を指し、「近周囲圧力」という用語は、0.6bar~1.4bar(0.6気圧~1.4気圧)の範囲内の絶対圧力条件を指す。
【0083】
本明細書において使用される場合、「ガラス転移温度」という用語、またはTgは、それ以上の温度において、ガラス状ポリマーがポリマー鎖のセグメント運動(および「ガラス状」状態から溶融またはゴム様状態への転移)を起こすような温度を指し、本明細書において使用される場合、熱フロー対温度転移の中点をTg値として、10℃/分の加熱速度を使用して示差走査熱量測定(DSC)により決定される測定されたTgを指す。
【0084】
本明細書において使用される場合、「C1~C5アルコール」は、1~5個の炭素原子を含むアルコールを指し示す。C1~C5アルコールの例としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、s-ブタノール、t-ブタノール、i-ブタノール、n-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノール、2-メチル-2-ブタノール、3-メチル-1-ブタノール、3-メチル-2-ブタノール、および2,2-ジメチル-1-プロパノールが挙げられるがこれらに限定されない。これらのアルコールの1つまたは複数の混合物を使用することができる。
【0085】
本明細書において使用される場合、「発酵」という用語は、ベーキングの前または間に生地(dough)、バッターまたは他の食品配合物に気体を加えて、より軽い、よりふわふわした、かつ/またはより容易に咀嚼されるベークド製品(例えば、パン、ケーキ、マフィンなど)を製造するプロセスを指す。「発酵剤」は、気泡の形成を引き起こす添加物であり、この添加物は、天然(生物学的)または合成の添加物であり得る。発酵剤の例としては、例えば、化学物質(例えば、ベーキングパウダー、ベーキングソーダ、バターミルク、酸など)、酵母、蒸気、細菌、エアレーションなどが挙げられる。発酵食品は、したがって、発酵剤を使用して調製されたか、またはベーキングの前もしくは間に生地、バッターもしくは他の食品配合物に気体を加えて食料品を製造するプロセスを経た食品または配合物である。発酵可能食品は、まだ発酵されていないが、発酵プロセスを受けることができる食品配合物または食品調製物を指す。発酵可能食品の例としては、例えば、ケーキミックス、マフィンミックス、ロークッキー生地、穀粉などが挙げられる。そのような発酵可能食品は、そのような発酵可能食品の製造者によりパッケージ化され、家庭の個人的消費者であれ、または産業的パン製造所であれ、第三者により発酵食品へと調製されるものであると想定される。
【0086】
本明細書において、「油/水乳濁液」は、水乳濁液中の油または油乳濁液中の水を指すことができる。
【0087】
本明細書において、「エッグフリー」は、乾燥換算で約20ppm未満の卵を含有する配合物を意味する。例えば、配合物は、乾燥換算で約20ppm未満、約15ppm未満、約10ppm未満、約5ppm未満、約1ppm未満、または0ppmの卵を含有する。
【0088】
本明細書において、「卵代用品」または「エッグリプレーサー」は、食品中の卵の代用とするか、またはそれと置き換えるために設計され、市販され、または使用される天然または模倣製品(湿潤または乾燥)を意味する。したがって、様々な態様では、配合物へのそのような卵代用品またはエッグリプレーサーの組込みは、卵代用品またはエッグリプレーサーを欠いた同じ配合物中に存在する卵の全てまたは一部の置換として為され得る。
【0089】
本明細書において、「グルテンフリー」は、配合物、および結果として得られる食品が20ppm未満のグルテンを有することを意味する。このレベルは、グルテンフリーの米国FDA(および多くの他の国々)の定義と合致し、2013年8月5日に発行されたFederal Register Notice 78 FR 47154(参照することにより全体が本明細書に組み込まれる)に記載されるような表示義務を満たす。
【0090】
本明細書において、「グルテン代用品」または「グルテン置換」は、粒子を有する配合物、および結果として得られる食品が、粒子を欠いた同じ配合物、および結果として得られる食品より少ないグルテンを含有することを意味する。したがって、様々な態様では、配合物への粒子の組込みは、粒子を欠いた同じ配合物中に存在するグルテンの全てまたは一部の置換として為され得る。例えば、粒子を有する配合物は、粒子を欠いた同じ配合物より乾燥換算で少なくとも1ppm、5ppm、10ppm、15ppm、または20ppm少ないグルテンを含有する。
【0091】
本明細書において、「アレルゲンフリー」は、配合物が約20ppm未満のアレルゲンを含有することを意味する。例えば、配合物は、約20ppm、15ppm、10ppm、5ppm、1ppm未満、または0ppmのアレルゲンを含有する。アレルゲンの例としては、卵、卵、グルテン、ミルク、魚肉(例えば、バス、カレイ、タラ)、甲殻類(例えば、カニ、ロブスター、エビ)、ピーナッツ、小麦、および大豆が挙げられるがこれらに限定されない。
【0092】
本明細書において、「懸濁液」という語は、液体と少なくとも1つの固体との混合物を意味する。本明細書において、「X%安定な懸濁液」(「X」は個々の数または範囲である)という用語は、存在する場合には本明細書の他の箇所において記載されるような懸濁補助剤としてのある量のセルロース粒子と共に、遠心分離チューブ中の水の体積の全体にわたり固体を均一に分布させるために充分な遠心分離チューブ中での100gの水中の5~10gの固体、または50gもしくは水中の2.5~5gの固体のような類似の比(または見かけの体積を可視的にする液体対固体の任意の比)のせん断または振盪の24時間後の(懸濁液の総体積に対する)固体の見かけの体積レベルの点での懸濁液の安定性を定義するために使用される。当業者は、懸濁液の沈殿がある場合にはそれを観察するようにこの試験を行うための適切な遠心分離チューブを理解する。本明細書において使用される場合、「見かけの体積」は、固体が液体中に懸濁または少なくとも部分的に懸濁される結果として固体懸濁液が有しているらしい体積を意味する。沈殿が主な発生する機構である懸濁液、例えば、懸濁物がゆっくり沈殿する液体中に均一に懸濁された固体懸濁液を含有する遠心分離チューブについて、懸濁液は最初に、懸濁液の体積の100%(すなわち、「X%」は100%である)の見かけの体積を有する固体を含有する。シネレシスが起こるにつれて、または固体が液体から分離して沈殿するにつれて、固体の見かけの体積は減少し、遠心分離チューブの上部における液層の体積は増加し、それにより、この懸濁液についてのXの値は100%未満となる。「X」(%)の値は、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100であってよく、これらは遠心分離チューブ中の混合物の総体積に対するものである。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。したがって、X%安定な懸濁液は、個々の値または範囲を含むことができる以上の数のいずれかとして表現することができる。例えば、本発明において製造される懸濁液は、35~80%安定な懸濁液、約50%安定な懸濁液、および少なくとも約55%安定な懸濁液などであり得る。説明のために、35~80%安定な懸濁液は、この段落に記載される試験にそのような懸濁液を供した後に遠心分離チューブ内に懸濁される固体の見かけの体積レベルが、遠心分離チューブ中の懸濁液の総体積の35~80%の範囲内に入ることを意味する。一般に本明細書において、約20%未満の安定な懸濁液は不安定な懸濁液と考えられ、少なくとも約95%安定な懸濁液は安定な懸濁液と考えられ(または「安定な懸濁液」と称される)、約20%~約95%未満の安定な懸濁液は準安定な懸濁液と考えられる。しかしながら、所望の場合、懸濁液は、本明細書において単に、それらが安定、不安定、または準安定であるかどうかのいかなる言及もせずに、X%安定な懸濁液として特徴付けることができる。懸濁液中に用いられる固体は、セルロース含有粒子の補助ありまたはなしで懸濁されている固体と組み合わせて、存在する場合、(本明細書において記載される割合で)本明細書において記載されるセルロース含有粒子を構成する。
【0093】
主に沈殿性組成物についての上記のX%安定な懸濁液の定義はほとんどの懸濁液に適用可能であるが、懸濁を目的とする固体が沈殿ではなく主に浮遊するか、または大部分が浮遊し、一部が沈殿する一部の懸濁液が存在する。そのような状況において、およびX%安定な懸濁液の定義が明らかに適用不可能な場合(例えば、見かけの体積が容易に測定できない場合)、浮遊粒子を有するそのような懸濁液は、上記したように試料を含む遠心分離チューブの調製後(すなわち、ある量のセルロース粒子を含む100gの水中の5gの試料のせん断の24時間後)、すくい取り、乾燥させ、かつ秤量することができる浮遊固体の量が懸濁液の元々の固体含有量(試料+セルロース粒子)の10重量%またはそれより高い場合、不安定であると考えられる。浮遊固体の量が懸濁液の元々の固体含有量(試料+セルロース粒子)の10重量%未満であり、かつ先行する段落に記載される試験に適用するために見かけの体積を容易に測定できない場合、懸濁液は安定であると考えられる。
【0094】
本明細書において、物質(例えば、セルロース含有粒子)は、物質の懸濁液を少なくとも約95重量%の固体含有量まで乾燥させた時に、「混合方法A」にしたがって混合された時の乾燥した固体が以下の要件を満たす場合に、所与の液体(例えば、水)中に「再懸濁可能」であると考えられる:(1)混合方法Aの結果として得られる懸濁液を74μmのふるいを用いて篩にかけると、ふるいに残る固体が30重量%未満となることができる、(2)ふるいを通過した結果として得られる懸濁液を測定すると、乾燥前の元々の懸濁液のd50粒子サイズ分布の約200%以内のd50粒子サイズを有する、および(3)ふるいを通過した結果として得られる懸濁液を測定すると、乾燥前の元々の懸濁液のd75粒子サイズ分布の約100%以内のd75粒子サイズを有する。「混合方法A」は以下の通りに行われる:(i)所与の液体を乾燥固体に加えて、総懸濁液重量に基づいて約7重量%の固体含有量を有する懸濁液を得る;(ii)懸濁液を45+/-5℃で1時間加熱する;および(iii)懸濁液を60秒間約12,000rpmでブレンドする。
【0095】
本明細書において、「再懸濁化剤」は、物質が上記に定義されるような「再懸濁可能」なものとなることを可能とする添加物であり、該物質は、再懸濁化剤の添加がなければ「再懸濁可能」のそのような定義を満たさないものである。再懸濁化剤の例としては、ポリオール化合物、ポリオールオリゴマー、ポリオールポリマー、糖、例えば、「セロオリゴ糖」(例えば、セロヘキサオース、セロペンタオース、セロテトラオース、セロトリオース、およびセロビオース)および「グルコオリゴ糖」、オリゴ糖、単糖、スクロース、グリセロール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ソルビトール、マルトデキストリン、糖アルコール、キシロース、グルコース、およびソルビトールが挙げられるがこれらに限定されない。
【0096】
本明細書において、「消費可能」は、組成物、物品、または製造物などが摂取を目的とするものであり、かつヒト、動物、植物、または他の生物により実際に摂取可能であることを意味する。そのような「消費可能物」は、食品、薬剤、サプリメント、栄養組成物、または他の摂取可能製品の形態であり得る。
【0097】
本明細書において、「セルロース含有粒子」および「セルロース粒子」という用語は交換可能に使用され、同じ物、すなわち、セルロースを含む粒子を指す。これらの「セルロース粒子」(または「セルロース含有粒子」)は、本明細書において記載される様々な態様において言及され、本明細書における任意の態様または他の開示が「セルロース粒子」または「セルロース含有粒子」に言及する場合、特定の意味が意図され、すなわち、物理的および構造的特徴の他に、特性および製造方法が本明細書において非常に多く開示されている、本明細書において記載されるセルロース粒子が意図されることが理解されるべきである。
【0098】
本明細書において使用される場合、液体およびセルロース粒子を含む組成物(例えば、掘削泥)の状況における「熱的に安定」という用語は、組成物の性能的利点(例えば、粘度)が、pHを一定に保持した時に概ね保存されることを意味する。したがって、様々な態様では、熱的に安定な組成物の粘度は、高温(例えば300゜Fより高い)に供された時に概ね影響されないままである。そのような熱安定性は、組成物の他の特性、例えばpHが変化した場合であっても観察されている。例えば、以下の組成物は、本出願の目的のために「熱的に安定」であると考えられる:液体およびセルロース粒子を含む組成物であって、列記された温度(例えば、250゜F)において18時間熱間圧延され、そのpHが維持され、冷却され、低せん断レオロジー読取り値(3RPMおよび6RPMのデータ点)が収集された際に、粘度変化が、OFI Model 900 Viscometerを使用して出発粘度読取り値の約50%~約250%である組成物。熱安定性の測定は、実施例15により例示される。
【0099】
本明細書において使用される場合、「増量剤」という用語は、液体(例えば、地下処理液)の密度を調節、例えば増加させるために使用される、高比重の粒子および可溶性塩を指す。増量剤の例としては、バライト、ヘマタイト、炭酸カルシウム、シデライト、およびリモナイトが挙げられるがこれらに限定されない。様々な態様では、増量剤は、API/ISO規格に適合する。
【0100】
本明細書において使用される場合、「PV」の「塑性粘度」という用語は、液体(例えば、地下処理液)の流れに対する抵抗を指す。例えば、具体的に掘削液に関して、低い塑性粘度は、ビットに存在する液体の低い粘度のために、液体が迅速に掘削できることを指し示す。
【0101】
「石灰」という用語は、一般に当該技術分野において酸化カルシウムを指すが、油掘削の文脈において、水酸化カルシウムを追加的に含み得るか、または酸化物および水酸化物が主体をなすカルシウム含有無機鉱物を指すことができる。
【0102】
本明細書において使用される場合、「燃料スラリー」という用語は、例えば水のような液体担体中に懸濁された石炭または木炭の粒子を含む混合物を指す。したがって、様々な態様では、燃料スラリーは、約50%~約70%の石炭または木炭粒子および約29%~約49%の液体担体からなることができる。燃料スラリーは、化学物質、例えば、液体中に石炭もしくは木炭粒子を分散させるためまたは粒子の沈殿を防止するための化学物質をさらに含み得る。燃料スラリーは、例えば、発電ボイラー、ガスタービン、ディーゼルエンジン、ならびに加熱所および発電所において有用であり得る。
【0103】
本明細書において使用される場合、「鉱業スラリー」という用語は、例えば水のような液体担体中に懸濁された鉱石または鉱物(例えば、石炭、鉄、マンガン、鉛、銀、バリウム、アルミニウム、銅、スズ、水銀、カルシウム、モリブデン、白金、ウラン、および亜鉛)の粒子を含む混合物を指す。鉱業スラリーは、例えば、長距離にわたる鉱石の輸送を促進するために有用であり得る。
【0104】
本明細書において使用される場合、「洗浄スラリー」または「緩衝スラリー」という用語は、例えば洗浄液のような液体担体中に懸濁された研磨材粒子を含む混合物を指す。研磨材粒子の例としては、アルカリ金属塩およびアルカリ性金属塩が挙げられるがこれらに限定されない。洗浄液の例としては、水、ビルダー塩および/または界面活性剤または有機溶媒を含む水性洗剤系、ならびに有機溶媒が挙げられるがこれらに限定されない。洗浄または緩衝スラリーは、例えば、機械的および化学的な仕上げ工程を低減させるため、表面もしくは部分に付着した汚染物(例えば、グリース、切断液、延伸液、機械油、防錆油、炭素質の土、脂肪質の土、粒子状物質、ワックス、パラフィン、使用したモーターオイル、燃料)を除去するため、および/または固体表面もしくは部分(例えば、金属ワークピース、プリント回路基材)を洗浄するために有用であり得る。
【0105】
本明細書において使用される場合、「模倣物」という用語は、天然に存在する食品を模倣する可食食品を指す。したがって、様々な態様では、「模倣物」は、天然に存在しない、かつ/または模倣される食品中に本来備わっていない物質から製造された可食食品を指す。例えば、甲殻類模倣物、例えば、カニ模倣物およびロブスター模倣物は周知である。「模倣物」はまた、例えばベジバーガーのような、食肉製品に対するベジタリアン代替品を指すことができる。模倣食品の追加の例としては、牛肉模倣物、鶏肉模倣物、シチメンチョウ肉模倣物、豚肉模倣物、ラム肉模倣物、馬肉模倣物、水牛肉模倣物、鹿肉模倣物、子牛肉模倣物、猟鳥肉模倣物、家禽肉模倣物、植物タンパク質模倣物、発酵タンパク質模倣物、魚肉模倣物、ソーセージ模倣物、バーガ―模倣物、ケバブ模倣物、ジャイロ模倣物、シャワルマ(shwarma)模倣物、パティ模倣物、ケーキ模倣物、ローフ模倣物、ナゲット模倣物、ストリップ(strip)模倣物、ホットドッグ模倣物、デリ製品模倣物、ベーコン模倣物、ジャーキー模倣物、ペットフード模倣物、ペットトリーツ模倣物、加工肉模倣物、および乳化肉模倣物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0106】
本明細書において使用される場合、「石造物構築材料」という用語は、材料の個々のユニットまたはセクションを置くことによる構造物の構築において使用される任意の材料を指す。石造物構築材料の例としては、れんが、石、コンクリート、セメント、アスファルト、大理石、花崗岩、石灰岩、ガラス、およびクレイが挙げられるがこれらに限定されない。
【0107】
本明細書において使用される場合、美容およびパーソナルケア製品の文脈における「閉塞剤」という用語は、水が皮膚表面を離れることを防止しまたは遅延させる(または防止もしくは遅延に寄与する)配合成分を指す。閉塞剤は、クリーム、軟膏、ローション、またはゲルとして配合することができるが、他の配合物もまた想定される。多くの油は閉塞剤であると考えられる。閉塞剤の例としては、ワセリンまたは石油ゼリー、ラノリン、ヒマシ油、ホホバ油、鉱油、およびシリコーン、例えばジメチコンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0108】
本明細書において使用される場合、「増粘剤」という用語は、液体の粘度を増加させる任意の剤を指す。例えば、増粘剤は、液体の粘度を、増粘剤を含まない同じ液体の粘度と比較して少なくとも(%の増加で)5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000またはさらには8000%より大きく増加させることができる。増粘剤の例としては、クレイおよびクレイ誘導体、ポリマー添加物、珪藻土、および多糖、例えばデンプンが挙げられるがこれらに限定されない。増粘剤の組合せもまた使用することができる。使用される特定の増粘剤は、多数の要因に依存し、該要因としては、所望の粘度および特定の応用において使用される他の液体との化学的適合性が挙げられる。
【0109】
本明細書において使用される場合、「抗菌剤」という用語は、細菌を破壊し、かつ/またはそれらの増殖もしくは複製能力を抑制する剤を指す。抗菌剤の例としては、抗生物質、例えば、ネオマイシン、硫酸塩、ストレプトマイシン、ノボビオシン、テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリンおよびこれらの塩;ヨウ素、塩素、またはこれらを放出する剤;フェノール化合物;第四級アンモニウム塩;クロルヘキシジン(chlorhexidene);アクリデン(acridenes);ペニシリン類、例えば、アンピシリン、アンピシリン三水和物、タランピシリン、アモキシシリン、ナフシリン、カルベニシリン、ジクロキサシリン、クロキサシリン、ベンザチンクロキサシリン、フルクロキサシリン、メチシリン、チカルシリン、カレフェシリン(carefecillin);および2つのペンシリン類(pencillins)の混合物、例えば、アンピシリン/フルクロキサシリン、アモキシシリン/フルクロキサシリン、チカルシリン/フルクロキサシリン;ならびにこれらの塩および水和物、例えば、アンピシリン三水和物/ベンザチンクロキサシリンが挙げられるがこれらに限定されない。
【0110】
本明細書において使用される場合、パーソナルケア製品の文脈における「皮膚軟化剤」という用語は、皮膚を軟化および/または鎮静することができる配合成分を指す。皮膚軟化剤は、クリーム、軟膏、ローション、またはゲルとして配合することができるが、他の配合物もまた想定される。皮膚軟化剤の例としては、プロピレングリコール、プロピレングリコールエステル(例えば、ラウリン酸プロピレングリコール、ミリスチン酸プロピレングリコール、およびリノール酸プロピレングリコール)およびジメチコン(例えば、ジメチコンPEG-8ミツロウ、ジメチコンPEG-7イソステアレート、およびジメチコンPEG-8ホスフェート)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0111】
本明細書において使用される場合、「パーソナルケア製品」という用語は、個人衛生においてかつ/または美化のために使用される製品を指す。パーソナルケア製品の例としては、美容製品、化粧品、ヘアケア製品、および石鹸、ならびにそれが適用される人を洗浄し、美化し、魅力を促進し、または見た目、肌理、感触、もしくは匂いを変えるために毛、皮膚、または身体にこすって塗られ、注がれ、振り掛けられ、噴霧され、またはそれ以外に適用されることが意図される、男性、女性、および子供用の他の製品が挙げられるがこれらに限定されない。パーソナルケア製品はまた、特に愛玩動物への使用のために配合された以上のもののいずれか(例えば、ペット用シャンプー)を指すことができる。
【0112】
本明細書において開示されるある特定の材料、化合物、組成物、および成分は、商業的に得ることができるか、または当業者に一般に公知の技術を使用して容易に合成することができる。例えば、開示される化合物および組成物の調製において使用される出発材料および試薬は、Aldrich Chemical Co.、(Milwaukee、Wis.)、Acros Organics(Morris Plains、N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh、Pa.)、もしくはSigma(St. Louis、Mo.)のような商業的供給業者から入手可能であるか、またはFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis、Volumes 1-17(John Wiley and Sons、1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds、Volumes 1-5およびSupplemental volumes (Elsevier Science Publishers、1989);Organic Reactions、Volumes 1-40(John Wiley and Sons、1991);March’s Advanced Organic Chemistry、(John Wiley and Sons、4th Edition);およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations(VCH Publishers Inc.、1989)のような参考文献に記載される手順にしたがって当業者に公知の方法により調製される。
【0113】
B.粒子
一部の態様では、セルロース粒子は、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである。
【0114】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、バイオマスおよび他のセルロース含有材料の加水分解、特に、例えば、本明細書の他の箇所において記載されるような超臨界または近臨界水を使用するバイオマスの加水分解のような近臨界および超臨界液体を利用する方法により調製され得る。
【0115】
セルロース含有粒子は、遠心分離、サイクロン分離(例えば、液体サイクロン分離)、沈降、エルトリエーション、凝集、綿状沈殿、ふるい分け、浮選およびスキミングなどの1つもしくは複数、または1つもしくは複数のステップにおけるこれらの任意の組合せにより加水分解反応の結果としてもたらされる混合物から単離され得る。本明細書の他の箇所においてさらに議論されるように、異なる製造および単離方法にしたがって異なるセルロース粒子画分が製造される。
【0116】
様々な態様では、セルロース含有粒子を含む濃化組成物、セルロース含有粒子を含む懸濁液、セルロース含有粒子を含む乳濁液、セルロースを含む再懸濁可能粒子、セルロース含有粒子を含む食品、例えば、セルロース含有粒子を含む発酵または発酵可能食品、セルロース含有粒子を含む食肉または食肉類似製品、マヨネーズ、ドレッシング、ソース、スープ、バター、および飲料など、セルロース含有粒子を含むパーソナルケア製品、または液体およびセルロース含有粒子を含む組成物、例えば、地下処理用組成物、または金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液が開示される。
【0117】
様々な態様では、粒子は、乾燥換算での粒子の総重量に基づいて、44%、45%46%、48%、50%、52%、54%、56%、58%、60%、62%、64%、66%、68%、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、99%、または100%の量のセルロースを含む。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、以下に限定されないが、粒子中のセルロースの量は、乾燥換算での粒子の総重量に基づいて、少なくとも約45重量%、約45重量%~約100重量%、少なくとも約99重量%、または約100重量%未満であり得る。
【0118】
様々な態様では、当業者により容易に理解されるように、セルロース粒子は、多数の結晶構造を含み得る。I型セルロースとして公知の天然セルロースは、IαおよびIβ構造を含み得る。IαおよびIβ構造の量は、天然セルロースの種類に依存する。例えば、以下に限定されないが、細菌および藻により産生されるセルロースは、Iαに富んだものであり得るが、植物のセルロースは、主にIβからなる。I型セルロースは、II型セルロースとして公知のセルロースの安定な結晶型に変換され得る。II型セルロースへのI型セルロースの変換は、異なる経路により、例えば、以下に限定されないが、マーセリゼーション(アルカリ処理)、再生(可溶化およびその後の再結晶化)、亜臨界および超臨界水、ならびに水の存在下でのセルロースのボールミル粉砕などにより達成され得る。変換は非可逆的であり得、II型セルロースはI型セルロースより安定であることが示唆される。別の実施形態では、追加の種類のセルロースが含まれ得る。例えば、以下に限定されないが、III型セルロースおよびIV型セルロースは、様々な化学的処理、例えば、液体アンモニアまたはある特定のアミドもしくはアミン、例えば、エチレンジアミンでの処理、またはグリセロール中での高温処理により製造され得る。本明細書におけるセルロース含有粒子は、セルロースの100%までの範囲内の量でII型セルロースを含む。様々な態様では、本明細書におけるセルロース含有粒子は、I型セルロースを追加的に含み得る。
【0119】
様々な態様では、セルロース粒子は、I型セルロースおよびII型セルロースを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、II型セルロースおよび未変換I型セルロースを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、リグニンをさらに含む。セルロース粒子中に存在する各々の成分は、セルロース粒子の総重量パーセンテージに対して任意の量で存在し得ることが理解されるべきである。例えば、以下に限定されないが、セルロース粒子は、任意の量のI型セルロース(例えば、未変換I型セルロース)またはII型セルロースを含み得る。本明細書において記載される量は、文脈により明らかであるように、セルロース粒子中のI型セルロースの量、セルロース粒子中のII型セルロースの量、またはセルロース粒子中のI型セルロースおよびII型セルロースを合わせた量に適用することができる。例えば、セルロース粒子中のI型セルロース、II型セルロース、またはI型およびII型セルロースを合わせた量は、乾燥換算でのセルロース粒子の総重量に基づいて、重量で5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または100%であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、I型および/またはII型セルロースは、乾燥換算でのセルロース粒子の総重量に基づいて、少なくとも約35重量%、約15重量%~約70重量%、または約80重量%未満の量で存在し得る。
【0120】
様々な態様では、III型セルロース、IV型セルロース、非晶性セルロース、またはこれらの任意の組合せがセルロース粒子中に存在し得る。I型セルロースおよび/またはII型セルロースについて本明細書において開示される数値的な重量パーセント範囲は、これらの追加のセルロースの種類が存在する場合、文脈により明らかであるように単独でまたは互いに組み合わせて、これらの任意の種類の量を記載するために使用することができ、重量パーセント値はセルロース粒子の総重量に基づく(すなわち、存在する場合は非晶性のものを含めて、全てのセルロースの種類の総重量は、乾燥換算でのセルロース粒子を構成する)。
【0121】
当業者が容易に理解するように、セルロースの異なる結晶相は、X線回折(XRD)を使用して解析することができる。結晶性固体の特定のXRDパターンは結晶構造を反映する。Cu Kα放射線を使用して、I型セルロースのXRDスペクトルは、約22.5°の一次ピークおよび約15.5°の二次ピークの2つのピークを2θにおいて示す。II型セルロースのXRDスペクトルは、約19.9°の一次ピークおよび約12.1°の二次ピークを2θにおいて示す。
【0122】
様々な態様では、セルロース粒子の少なくとも一部分は、70%、72%、74%、76%、78%、80%、82%、84%、86%、88%、90%、92%、94%、96%、98%、99%、または100%の結晶化度を呈する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、結晶化度は、少なくとも約90%、約86%~約96%、または約88%未満であり得る。
【0123】
I型セルロース、II型セルロース、および非晶性セルロースの相対量は、固体状態13C CP-MAS NMR分光法またはXRDを使用して測定することができる。様々な態様では、セルロース粒子は、II型構造を単独でまたはI型構造、非晶性構造、もしくは両方と組み合わせて有するセルロースを含む、からなる、またはから本質的になる。換言すれば、粒子中のセルロースは、単独でまたはI型セルロース、非晶性セルロース、もしくは両方と組み合わせてII型セルロースであり得る。様々な態様では、セルロース粒子中のI型セルロース対II型セルロースの比は、乾燥換算で、おおよそ0.5:9.5、1:9、1.5:9.5、2:8、2.5:7.5、3:7、3.5:6.5、4:6、4.5:5.5、5:5、5.5:4.5、6:4、6.5:3.5、7:3、7.5:2.5、8:2、8.5:1.5、9:1、または9.5:0.5である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0124】
セルロース粒子中に存在するII型セルロースの量を表現するための別の方法は、I型セルロースの量に対して正規化したII型セルロースの量である。例えば、II型対I型セルロースの比(すなわち、II型をI型で割ったもの)は、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。したがって、例えば、一部の態様では、II型対I型セルロースの比は、約0.2~約0.8、約1~約2、または約3~約4である。
【0125】
II型セルロースの量を表現するためのさらなる方法は、当業者に公知であるように、XRDにより測定されるセルロース粒子中に存在する総結晶性セルロースに基づくパーセンテージである。例えば、II型セルロースの量(%)は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。様々な態様では、セルロース粒子はセルロースを含み、セルロースは、乾燥換算で少なくとも99重量%のII型セルロースである。
【0126】
様々な態様では、セルロース粒子は、本明細書における任意の比を有するI型およびII型セルロースを含むことができ、セルロース粒子は、非晶性セルロースをさらに含むことができる。I型およびII型セルロースの総量に対する非晶性セルロースの比は、乾燥重量に換算して、0.5:9.5、1:9、1.5:9.5、2:8、2.5:7.5、3:7、3.5:6.5、4:6、4.5:5.5、5:5、5.5:4.5、6:4、6.5:3.5、7:3、7.5:2.5、8:2、8.5:1.5、9:1、または9.5:0.5であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0127】
様々な態様では、セルロース粒子は、2200、2400、2600、2800、3000、3200、3400、3500、3600、3800、4000、4200、4400、4500、4600、4800、5000、5200、5400、5500、5600、5800、6000、6200、6400、6500、6600、6800、7000、7200、7400、7500、7600、7800、8000、8500、9000、9500、10000、10500、11000、11500、12000、12500、13000、13500、14000、14500、15000、15500、16000、16500、17000、17500、または18000の重量平均分子量(g/molでのMw)を有するセルロースを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、セルロース粒子のMwは、第1の条件にしたがってゲル浸透クロマトグラフィー分析のために調製されたセルロース粒子の試料に対する決定で、少なくとも約4000g/mol、約12000g/mol~約15500g/mol、約6000g/mol~約12000g/mol、約2200g/mol~約9500g/mol、または約13000g/mol未満であり得る。
【0128】
セルロース粒子は、任意の好適なMnを有し得る。例えば、Mn(g/mol)は、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、または8000であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、セルロース粒子のMnは、第1の条件にしたがってゲル浸透クロマトグラフィー分析のために調製されたセルロース粒子の試料に対する決定で、少なくとも約2000g/mol、約3000g/mol~約5500g/mol、約3000g/mol~約8000g/mol、または約7000g/mol未満であり得る。
【0129】
セルロース粒子は、任意の好適なMzを有し得る。例えば、Mz(g/mol)は、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500、10000、10500、11000、11500、12000、12500、13000、13500、14000、14500、15000、16000、17000、18000、19000、20000、21000、22000、23000、24000、25000、26000、27000、28000、29000、30000、または40000であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0130】
様々な態様では、セルロース粒子は、10、12、14、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、32、34、35、36、38、40、42、44、45、46、48、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100,105、110、115、120、125、130、135、140、145、150の重合度(DPW)を有するセルロースを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、以下に限定されないが、DPは、第1の条件にしたがってゲル浸透クロマトグラフィー分析のために調製されたセルロース粒子の試料に対する決定で、少なくとも約16、約20~約95、約40~約80、または約150未満であり得る。本明細書において使用されるDP(DPWと称されることもある)は、アンヒドログルコースのモル重量である162g/molを使用してMWから算出される。
【0131】
同様にDPnは、セルロース含有粒子のMnから算出することができる。様々な態様では、セルロース粒子は、15、16、18、20、22、24、25、26、28、30、32、34、35、36、38、40、42、44、45、46、48、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100,105、110、115、120、125、130、135、140、145、150の数平均重合度(DPn)を有するセルロースを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、以下に限定されないが、DPnは、第1の条件にしたがってゲル浸透クロマトグラフィー分析のために調製されたセルロース粒子の試料に対する決定で、少なくとも約16、約20~約95、約25~約40、または約150未満であり得る。DPnは、本明細書において使用される場合、アンヒドログルコースのモル重量である162g/molを使用してMnから算出される。
【0132】
セルロース粒子について本明細書において報告されるMw、Mn、Mz、およびDPは、第1の条件にしたがってGPC測定のために可溶化された時に、微結晶セルロース(MCC)について測定される同じパラメーターとは異なる。この比較において使用されるMCCは、Acros Organics、cellulose microcrystalline、extra pure、平均粒子サイズ90μm、製品#382310010であり、このMCCが入手可能な場合、これを比較目的のために使用するべきである。入手可能でない場合、同等のMCCを比較のために使用するべきである。したがって、様々な態様では、本明細書におけるセルロース粒子は、MCCのMnの0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、または0.7倍のMnを有する。様々な態様では、本明細書におけるセルロース粒子は、MCCのMwの0.04、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.22、0.24、0.26、0.28、0.3、0.32、0.34、0.36、0.38、0.4、0.42、0.44、0.46、0.48、または0.5倍のMwを有する。様々な態様では、本明細書におけるセルロース粒子は、MCCのMzの0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.12、0.14、0.15、0.16、0.18、0.2、0.22、0.24、0.26、0.28、0.3、0.32、0.34、または0.36倍のMzを有する。様々な態様では、本明細書におけるセルロース粒子は、MCCのDPの0.04、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.12、0.14、0.16、0.18、0.2、0.22、0.24、0.26、0.28、0.3、0.32、0.34、0.36、0.38、0.4、0.42、0.44、0.46、0.48、または0.5倍のDPを有する。MCCおよびセルロース粒子についてのMw、Mn、MzおよびDPの比較に関する以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、セルロース粒子は、MCCのMwの約0.5倍未満のMwを有する。
【0133】
セルロース含有粒子は、任意の好適なPDI(多分散性指数)を有し得る。例えば、PDIは、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、または2.8であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0134】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、リグニンを追加的に含む。様々な態様では、リグニンは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、3、14、15、6、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、または80の量(重量%、乾燥換算)で存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、リグニンは、少なくとも約4重量%、約10重量%~約26重量%、または約5重量%未満の量で存在し得る。様々な態様では、粒子は、乾燥換算での粒子の重量に基づいて、約1重量%未満のリグニン、または約0重量%のリグニンを含む。
【0135】
粒子サイズは、Universal Liquid Moduleを取り付けたBeckman Coulter LS 13 320 Laser Diffraction Particle Size Analyzer機器(本明細書においてBeckman Coulter Particle Sizerと称する)を使用して測定および本明細書において報告される。当業者は、Beckman Coulter Particle Sizerを用いる粒子サイズ分析のための試料の調製法を理解する。Beckman Coulter Particle Sizerは粒子サイズの測定のために好ましいが、そのような機器を利用できない場合、同等の測定結果を有する当業者に公知の異なる機器を用いるべきである。分析用の試料は、機器を用いた粒子の分析を可能とする方式で調製されるべきである。以下の試料調製が例示される:機器への注入前に試料中の固体懸濁液が均質な性質であることを確実にし、均質でない場合、機器への注入前にWaring Laboratory Variable Speed Blender中で10分間懸濁液をブレンドする。Beckman Coulter Particle Sizerに同梱された標準的なソフトウェアは、機器の使用および試料調製のための説明を提供する。
【0136】
光散乱は、液体中の粒子の懸濁液の粒子サイズ決定のために一般的に使用される技術であり、粒子サイズは、本明細書においてd(n)として一般に報告される。d(n)値は、体積により順位付けされた試料の(n)パーセンテージがより小さいような粒子サイズを表す。例えば、量d(100)は、試料の100%がより小さいような粒子サイズを表す。量d(90)は、試料の90%がより小さいような粒子サイズを表す。量d(50)は、試料の50%がより小さいような粒子サイズを表す。量d(25)は、試料の25%がより小さいような粒子サイズを表す。量d(10)は、試料の10%がより小さいような粒子サイズを表す。
【0137】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、任意の所望の粒子サイズ分布の特徴にしたがって特徴付けることができる。粒子サイズ分布は、典型的に、d(n)の値を含み、(n)は、体積の(n)パーセンテージがより小さいような体積パーセンテージ、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100を表す。
【0138】
例示的かつ非限定的な態様では、セルロース含有粒子は、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0のd10(μm)を有する粒子サイズ分布を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、d10は、少なくとも約0.3μm、約0.6μm、約0.4μm~約0.7μm、または約1.0μm未満であり得る。
【0139】
様々な態様では、セルロース含有粒子は、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、または1のd25(μm)を有する粒子サイズ分布を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、d25は、約0.55μm~約0.7μmであり得る。
【0140】
様々な態様では、セルロース含有粒子は、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0のd50(μm)を有する粒子サイズ分布を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、d50は、少なくとも約0.5μm、約1.4μm、約0.4μm~約5.0μm、約1.0μm~約1.6μm、約0.7~約1.2μm、または約2.0μm未満であり得る。
【0141】
様々な態様では、セルロース含有粒子は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8。、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、または8.0のd75(μm)を有する粒子サイズ分布を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、d75は、少なくとも約0.7μm、約3.0μm、約0.8μm~約3.0μm、約0.5μm~約6μm、約8.0μm未満、または約4.0μm未満であり得る。
【0142】
様々な態様では、セルロース含有粒子は、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8。1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.1、5.2、5.3、5.4、5.5、5.6、5.7、5.8、5.9、6.0、6.1、6.2、6.3、6.4、6.5、6.6、6.7、6.8、6.9、7.0、7.1、7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、7.8、7.9、8.0、8.5、9.0、9.5、または10のd90(μm)を有する粒子サイズ分布を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、d90は、少なくとも約0.8μm、約6.2μm、約1.0μm~約7.5μm、約0.5μm~約10μm、または約8.0μm未満であり得る。
【0143】
様々な態様では、セルロース含有粒子は、透過電子顕微鏡法または走査電子顕微鏡法により特徴付けられ(例えば、図6を参照)、これらの方法においては、粒子の形状およびアスペクト比を容易に可視化および算出することができる。様々な態様では、セルロース含有粒子のアスペクト比は、1.01、1.1、1.2、1.3、1.4、または1.5であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、アスペクト比は、約1.2、約1.1~約1.4、または約1.4またはそれ未満であり得る。様々な態様では、アスペクト比は、1.5より大きくない。様々な態様では、粒子の形状は、不定形、または球形などであり得る。様々な態様では、粒子の形状は、針状、または長方形などではない。様々な態様では、粒子の形状は、非球形である。
【0144】
セルロース粒子は、任意の好適なゼータ電位を有し得る。例えば、一部の態様では、セルロース粒子は、-50、-48、-46、-44、-42、-40、-38、-36、-34、-32、-30、-28、-26、-24、-22、-20、-18、-16、-14、-12、-10、-8、-6、または-2のゼータ電位(mV)を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0145】
様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース含有粒子の懸濁液(例えば、水性および/または有機溶媒)は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、15.5、16、16.5、17、17.5、18、18.5、19、19.5、20、21、22、23、24、25、26、27、28、28、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50の固体含有量(%)を有し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。様々な態様では、懸濁液は、少なくとも約15%、約16%~約20%、または約40%未満の固体含有量を有する。様々な態様では、懸濁液は、約20%~約40%の固体含有量を有する。
【0146】
ある特定の実施形態では、セルロース粒子および再懸濁化剤を含む組成物であって、セルロース粒子が、混合方法Aにしたがって液体中に再懸濁された時に、セルロースを含み;約8ミクロン未満のd75を有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり;かつ、再懸濁化剤が、セルロース粒子の表面の少なくとも一部分に吸着または結合している、組成物が提供される。
【0147】
様々な態様では、本明細書において開示されるようなセルロースを含むセルロース粒子を含み、かつ少なくとも1つの再懸濁化剤をさらに含む組成物が提供される。一部の態様では、少なくとも1つの再懸濁化剤は、セルロース粒子の表面の少なくとも一部分に吸着または結合している。様々な態様では、そのような組成物の懸濁液は乾燥していてもよく、かつ、乾燥組成物は、60、65、70、75、80、85、90、90.5、91、91.5、92、92.5、93、93.5、94、94.5、95、95.5、96、96.5、97、97.5、98、98.5、99、99.5、または100の固体含有量(%)を有し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。様々な態様では、セルロース粒子は、少なくとも約98.5%、約97%~約99%、または少なくとも約95%の固体含有量を有する。様々な態様では、セルロース粒子は、約92%~約93.5%の固体含有量を有する。本明細書において使用される場合、「吸着している」は、再懸濁化剤がセルロース粒子の表面の少なくとも一部分と接触していることを意味し、様々な態様では、水素結合、ファンデルワールス力、またはこれらの組合せのような非共有相互作用を通じて表面に保持されていてもよい(但し、その必要はない)。本明細書において使用される場合、「結合している」は、再懸濁化剤がセルロース粒子の表面の少なくとも一部分に共有結合していることを意味する。様々な態様では、再懸濁化剤は、表面に吸着かつ結合の両方をしていてもよく、例えば、剤の1つの部分(または複数の部分)が表面に吸着しており、かつ、別の部分(または複数の部分)が表面に結合している。
【0148】
本発明のセルロース材料は、ヒトまたは動物による消費のために使用され得る。米国食品医薬品局(FDA)および世界中の他の政府機関の規制に適合するように、本明細書において開示されるセルロース粒子は、有害な不純物を実質的に含まないものであり得る。様々な態様では、セルロース粒子および組成物は、0、0.02、0.04、0.06、0.08、0.1、0.15、0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.2、3.4、3.6、3.8、4.0、4.2、4.4、4.6、4.8、5.0、5.2、5.4、5.6、5.8、6.0、6.2、6.4、6.6、6.8、7.0、7.2、7.4、7.6、7.8、8.0、8.2、8.4、8.6、8.8、9.0、9.2、9.4、9.6、9.8、または10の量(ppm)の重金属を含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、重金属は、少なくとも約0.05ppm、約0.2ppm~約10ppm、または約4.8ppm未満の量で存在し得る。USP<231>による試験方法を重金属決定のために使用することができ、これは、参照することにより全体が本明細書に組み込まれる。
【0149】
本明細書において使用される場合、重金属は、毒性の金属を指す。金属を重金属として割り当てる標準的な定義はない。一部の軽金属および半金属は毒性であり、したがって重金属と称されるが、金のような一部の重金属は、典型的に、毒性でない。様々な態様では、本明細書において記載される重金属としては、遷移金属の群、一部の半金属、ランタニド、アクチニド、およびこれらの任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。他の態様では、重金属としては、鉛、カドミウム、バナジウム、ニッケル、コバルト、水銀、クロム、ヒ素、セレニウム、銅、マンガン、鉄、亜鉛、ベリリウム、アルミニウム、またはこれらの任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。先行する段落において記載される重金属の量を、文脈が規定するように、個々に、または組合せで、これらの任意の金属を指すために使用することができる。
【0150】
様々な態様では、セルロース粒子は、白色またはオフホワイト色を呈し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、茶色を呈し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、灰色を呈し得る。当業者が容易に理解するように、セルロース粒子は、任意の特定の色に限定されない。
【0151】
様々な態様では、セルロース粒子は、様々な食品応用において使用され得る。様々な態様では、食品応用は、テクスチャライザー、懸濁補助剤、乳化剤、水分保持補助剤、香味増進剤、卵置換用(全体的または部分的)添加物、グルテン置換用添加物、またはこれらの任意の組合せとしてのセルロース粒子の使用を含む。様々な態様では、セルロース粒子は、複数のそのような役割において作用することができる。
【0152】
様々な態様では、セルロース粒子は、スモーキー、バニラ、チポトレ、メープル、トーストマシュマロ、またはこれらの任意の組合せを含む匂いおよび/または味を呈し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、消費物中に存在するバニラの匂いおよび/または味を別々に増進させる。様々な態様では、セルロース粒子は、ある特定の消費物、例えば、ブラウニー、クッキー、バナナパン、デザート、チポトレマヨネーズ、サラダドレッシング、ソース(例えば、バーベキューソース)、メープルシロップ、チョコレートソースまたはシロップ、果実ソースまたはシロップ、バタースコッチソースまたはシロップ、スイートおよびサワーソースなどの匂いおよび/または味をよく補完する。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子がセルロースに加えてリグニンを含有する態様では、リグニン、リグニン加水分解生成物、リグニン分解生成物、またはこれらの任意の組合せの存在が、ある特定の望ましい匂いおよび/または味を結果としてもたらすと考えられる。様々な態様では、セルロース粒子は、認識可能な匂いおよび/または味を呈さず、例えば、セルロース粒子は、スモーキー、バニラ、チポトレ、またはこれらの任意の組合せのような匂いおよび/または味を呈さない。例えば、匂いまたは味は、ある特定の溶媒洗浄(例えば、水、エタノール、二酸化炭素、またはこれらの組合せなど)により除去することができ、またはセルロース粒子は、本明細書の他の箇所において記載されるように、加水分解プロセスにおいて比較的純粋なセルロースを用いた結果として匂いおよび味のいずれも内在的に有しない。
【0153】
本明細書において記載されるセルロースを含むセルロース粒子の特徴および/または特性は、本明細書において記載されるように変動し得ること、および粒子の特徴(例えば、粒子サイズのパラメーター、重合度など)におけるそのような変動はいくつもの態様を形成することが理解されるべきである。さらには、本明細書において開示される態様は、互いに排他的でなければ組み合わせることができる。したがって、本明細書において記載されるような変更可能事項における1つまたは複数の変更に対応して新たな実施形態が存在し得る。例えば、本明細書において開示されるようなセルロース粒子を含む濃化組成物は、本明細書において記載されるような粒子の特徴または特性の変動にしたがって異なる粒子を表す異なる態様により記載され得る。同様に、本明細書において開示されるようなセルロースを含むセルロース粒子を含む懸濁液について異なる態様が存在し;本明細書において開示されるようなセルロースを含むセルロース粒子を含む乳濁液または乳化可能組成物について異なる態様が存在し;本明細書において開示されるようなセルロースを含むセルロース粒子を含む再懸濁可能組成物について異なる態様が存在し;本明細書において開示されるようなセルロース粒子を含む発酵もしくは発酵可能食品のような食品について、または本明細書において開示されるようなセルロース粒子を含む食肉もしくは食肉類似製品について、または本明細書において開示されるようなセルロース粒子を含むマヨネーズ、ドレッシング、ソース、スープ、バター、もしくは飲料などのような食品について異なる態様が存在し;本明細書において開示されるようなセルロース粒子を含むパーソナルケア製品について異なる態様が存在し;液体およびセルロース粒子を含む組成物(例えば、地下処理用組成物、または金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液など)について異なる態様が存在する。一部の態様では、しかしながら、一態様のために好適な同じセルロース粒子が異なる態様のためにも好適であり得る。例えば、濃化組成物、懸濁液、乳濁液、再懸濁可能組成物、食品、例えば、発酵/発酵可能食品、もしくは食肉もしくは食肉類似物、もしくはマヨネーズ、ドレッシング、ソース、スープ、バター、もしくは飲料など、またはパーソナルケア製品、または液体を含む組成物(例えば、地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液など)のために好適なセルロース粒子は、濃化組成物、懸濁液、乳濁液、再懸濁可能組成物、食品、例えば、発酵/発酵可能食品もしくは食肉もしくは食肉類似物、もしくはマヨネーズ、ドレッシング、ソース、スープ、バター、もしくは飲料など、またはパーソナルケア製品、または液体を含む組成物の異なる態様の1つまたは複数のためにも好適であり得る。
【0154】
C.粒子を製造し、精製し、および操作する方法
様々な態様では、開示されるセルロース粒子を製造する方法が開示される。したがって、様々な態様では、セルロース粒子は、バイオマスおよび他のセルロース含有材料の加水分解、特に、例えば、超臨界水を使用するバイオマスの加水分解のような近臨界および超臨界液体を利用する方法により調製され得る。
【0155】
バイオマスの加水分解は、1ステッププロセスとしてまたは2ステッププロセスとして行われ得る。一部の態様では、より容易に加水分解可能なヘミセルロース成分を第1のステップにおいて別々に、セルロース成分を加水分解する第2のステップより穏やかな条件下で処理するために、2ステッププロセスが好ましいことがある。一部の態様では、2ステップアプローチを使用する利点は、セルロースを加水分解するために必要とされるより苛酷な条件の結果としてもたらされる分解生成物まで過剰反応させることなく、ヘミセルロースの加水分解生成物を別々に処理して単離できることである。本明細書において記載されるセルロース粒子は、2ステップ加水分解プロセスを使用して調製され得るが、それらはまた、1ステップ加水分解プロセスを介して調製され得る。例えば、典型的にサイズ低減バイオマスは、ヘミセルロースの少なくとも一部分(または全てもしくは実質的に全て)を除去する先行するステップなしに本明細書の他の箇所において記載される条件において近または超臨界液体と接触させられる。1ステップおよび2ステッププロセスのための温度、圧力、および滞留時間の様々なオプションは本明細書の他の箇所に開示される。
【0156】
様々な態様では、バイオマスまたはセルロース含有供給原料は、亜、近、または超臨界加水分解に供される。様々な態様では、所望の場合、バイオマスまたはセルロース含有供給原料は、典型的に75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、または600ミクロンの平均粒子サイズd(50)を生じさせるために、亜、近、または超臨界加水分解の前にサイズ低減に供され得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。典型的に、平均粒子サイズは、約500ミクロン未満である。粒子サイズは、本明細書の他の箇所において記載される技術(例えば、Beckman Coulter LS 13 320 Laser Diffraction Particle Size Analyzer)により測定することができる。サイズ低減は、所望の場合、蒸気爆砕のような爆発的減圧により、または粉砕、ボールミル粉砕もしくはこれらの任意の組合せなどの他の公知の技術により達成され得る。様々な態様では、サイズ低減は、アンモニアの存在下でセルロース含有供給原料を爆砕することを含む。様々な態様では、サイズ低減は、二酸化硫黄の存在下でセルロース含有供給原料を爆砕することを含む。サイズ低減は、しかしながら、例えば、供給原料が既に約600マイクロメートル未満の平均粒子サイズd(50)を有する場合、必要でないか、または所望されないことがある。爆発的減圧が用いられる場合、供給原料は、典型的に、チップの形態である(例えば、1/4インチ、1/2インチ、7/8インチなど、またはこれらの任意の組合せのサイズを有する)。2ステッププロセスにおいて、チップは、加水分解(例えば、自己加水分解または消化)されて、ヘミセルロースが除去された後、結果として得られたチップは、セルロース部分を加水分解するためのその後の近または超臨界加水分解のためにチップをサイズ低減させるために爆発的減圧プロセスに供され得る。1ステッププロセスにおいて、爆発的減圧プロセスを用いる場合、チップは単純に、ヘミセルロースを除去するための事前の加水分解プロセスなしで爆発的減圧に供されてよく、次にサイズ低減バイオマスは近または超臨界加水分解に供されてよい。
【0157】
様々な態様では、(1ステップまたは2ステッププロセスのために)亜、近、または超臨界加水分解、または本明細書において開示される任意の他の加水分解(例えば、酵素によるものなど)に供される供給原料は、約600μm未満、または約500μm未満の、光散乱により測定される粒子サイズd(50)を有し、例えば、粒子サイズd(50)(マイクロメートル単位、μm)は、5、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、粒子サイズd(50)は、約50μm~約600μm、約50μm~約500μm、約50μm~約450μm、約25μm~約250μm、または約100μm~約400μmであり得る。
【0158】
本明細書において開示されるセルロース粒子を含む多糖の他に、オリゴ糖および/または単糖を製造するための加水分解プロセス(例えば、近または超臨界加水分解)では、様々な態様では、(1)供給原料のI型セルロース成分の少なくとも一部分をII型セルロースに変換するため、(2)供給原料のセルロース成分の少なくとも一部分を加水分解するため、または(3)(1)と(2)との組合せのために、上昇させた温度および圧力の液体を用い得る。様々な態様では、供給原料、好ましくは、本明細書において上記されるようなサイズ低減された供給原料は、液体、例えば、水を含む、からなる、またはから本質的になる液体と混合され、それにより混合物が形成され、混合物は、本明細書の他の箇所において記載される条件において近または超臨界加水分解に供される。
【0159】
様々な態様では、(1ステップまたは2ステッププロセスにおける)加水分解のための混合物の固体含有量(%)は、混合物の総重量に基づいて、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、32、34、36、38、または40である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、混合物の固体含有量は、約10重量%~約29重量%、約15重量%~約29重量%、約10重量%~約18重量%、または約24重量%~約27重量%であり得る。
【0160】
1ステップまたは2ステッププロセスにおける液体は、任意の好適な液体であってよく、これには、単一成分の液体または複数成分の液体が含まれるがこれらに限定されない。一態様では、液体は、水、二酸化炭素、二酸化硫黄、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、およびこれらの任意の組合せからなる群から選択される。別の実施形態では、液体は、水を含む、からなる、またはから本質的になる。様々な態様では、液体は、水およびエタノール、水および二酸化炭素、または水および二酸化硫黄の組合せである。様々な態様では、供給原料ストリームは、液体と物理的接触をさせられ得る。様々な態様では、供給原料ストリームおよび液体は、指定された条件において所望の変換、加水分解、セルロース粒子の製造、またはこれらの任意の組合せを達成するように存在する混合物を形成する。これらの態様では、供給原料は、指定された条件において液体と接触させられる。様々な態様では、I型セルロースは、本明細書において記載されるような液体と接触させられた後、温度、圧力、もしくは両方が低減されるか、またはそれ以外に本明細書の他の箇所に定義されるように反応が停止させられる。理論により縛られることを望まないが、I型セルロースの少なくとも一部分は、液体との接触時により短鎖のセルロースポリマーとして可溶化される可能性がある。温度、圧力、または両方を低減させるか、またはそれ以外に停止させると、II型セルロースを含む粒子は、可溶化されたセルロースから晶出し得る。一部の態様では、結果として得られるセルロース粒子は、I型およびII型セルロースの両方を含む。
【0161】
1ステップまたは2ステッププロセスのいずれかを含む様々な態様では、液体は、供給原料との接触前に亜臨界状態、近臨界状態、または超臨界状態である。様々な態様では、加水分解反応は、(すなわち、接触後でさえも)亜臨界液体状態、近臨界液体状態、または超臨界液体状態を維持するために充分な条件下で実行される。他の態様では、「ために充分な条件下」という用語は、液体の状態を制御する条件を指し、圧力および温度が挙げられるがこれらに限定されない。様々な態様では、亜臨界液体、近臨界液体、または超臨界液体のための圧力および温度は、反応において使用される1つまたは複数の液体の選択と共に変動する。様々な態様では、亜臨界液体状態、近臨界液体状態、または超臨界液体状態を維持するために充分な条件の液体は、単相で存在し得るか、または複数相で存在し得る。一態様では、液体は、圧縮温水を含む。別の実施形態では、液体は、超臨界水を含む。さらなる実施形態では、反応は、水を亜臨界状態または近臨界状態に維持するために充分な条件下で実行される。またさらなる実施形態では、反応は、水を超臨界状態に維持するために充分な条件下で実行される。様々な態様では、亜臨界液体、近臨界液体、または超臨界液体は、外因性の酸を実質的に含まない(すなわち、接触させる液体に故意に加えられた酸を実質的に含まない)。様々な態様では、反応は、液体を使用して実行され、かつ、液体の全てを液体形態または超臨界形態に維持するために充分な圧力下で実行される。
【0162】
様々な態様では、本明細書の他の箇所において記載されるようなサイズ低減されたものであってもよく、スラリーの形態であってもよい、供給原料は、液体、例えば、水を含む、からなる、またはから本質的になる液体と混合され、それにより混合物が形成され、混合物は、少なくとも約100℃の温度において加水分解に供される。様々な態様では、混合物は、セルロースを含む供給原料の少なくとも一部分を加水分解するために充分な期間にわたり加水分解に供される。様々な態様では、混合物は、100、120、140、160、180、200、220、240、250、260、280、300、320、340、350、355、360、365、370、374、380、385、390、395、400、410、420、430、440、450、460、480、500、または575の温度(℃)を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、混合物は、250℃~374℃、例えば340℃~374℃などの温度において、少なくとも1つのC糖を製造するために充分な期間にわたり、加水分解に供されてよく、または混合物は、374℃~500℃、例えば375℃~430℃など、または500℃より高い温度において、供給原料セルロースの少なくとも一部分を溶解させるために充分な期間にわたり、加水分解に供されてよい。一部のそのような態様では、混合物は、外因性の酸を実質的に含まない。一部のそのような態様では、混合物は、C~Cアルコールを実質的に含まない。任意選択的に、各実施形態について、1つまたは複数の予備加熱ステップもまた用いることができる。1ステップおよび2ステッププロセスのための温度は、この段落において開示される任意の温度から形成されてよいが、典型的に、2ステッププロセスの第1のステップは100℃~約350℃の温度において行われ、かつ、第2のステップは、典型的に、約300℃~約500℃の温度において行われる。1ステップが用いられる場合、温度は、典型的に、約300℃~約500℃である。
【0163】
様々な態様では、供給原料と接触させられる液体は、100、120、140、160、180、200、220、240、250、260、280、300、320、340、350、355、360、365、374、380、385、390、395、400、410、420、430、440、450、460、470、480、490、500、550、または575の温度(℃)を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。典型的に、1ステップおよび2ステッププロセスのために使用される液体の温度は、この段落において開示される任意の温度から形成されてよいが、典型的に、2ステッププロセスの第1のステップにおける液体は約100℃~約350℃の温度を有し、かつ、第2のステップにおける液体は、典型的に、約350℃~約450℃の温度を有する。1ステップが用いられる場合、液体は、典型的に、約350℃~約500℃の温度を有する。
【0164】
混合物が、亜、近、または超臨界加水分解に供される態様では、加水分解は、1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、221、225、230、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、または800の圧力(bar)において実行される。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、圧力は、約221bar~約800bar、約230bar~約500bar、約325bar~約750bar、または約275bar~約350barであり得る。様々な態様では、圧力は、800barより高くてよい。様々な態様では、圧力は、液体の少なくとも一部分または全てを液体または超臨界形態に維持するために充分なものである。加水分解の液体または混合物が所望の形態(例えば、液体、液体/蒸気、または超臨界)である限り、圧力は特に限定されない。この段落における圧力は、1ステップもしくは2ステッププロセスの条件に、または混合物と接触させる液体の圧力に適用することができる。
【0165】
様々な態様では、混合物が近または超臨界加水分解に供される場合、加水分解の期間(秒)は、0.05、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。様々な態様では、混合物が亜臨界加水分解に供される場合、加水分解の期間(分)は、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、5、10、20、30、40、50、60、80、100、120、140、160、180、200、220、240、260、280、または300である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。この段落における滞留時間は、1ステップまたは2ステッププロセスの条件に適用することができる。近または超臨界加水分解のための滞留時間は、典型的に、2ステッププロセスの第2のステップのためであり、または1ステッププロセスのためである。亜臨界プロセスのための滞留時間は、典型的に、2ステッププロセスの第1のステップのためである。
【0166】
様々な態様では、加水分解に供されるセルロース含有供給原料を含む混合物は、C~Cアルコールを実質的に含まない。様々な態様では、混合物は、外因性の酸を実質的に含まない。任意選択的に、各実施形態について、1つまたは複数の予備加熱ステップもまた、加水分解の前に用いることができる。他の態様では、混合物は、(本明細書の他の箇所に開示されるような)任意のC~Cアルコール、外因性の酸、またはこれらの任意の組合せを含む。この段落における混合物は、2ステッププロセスのいずれかのステップのため、または1ステッププロセスのための混合物であり得る。
【0167】
様々な態様では、当業者に容易に理解されるように、本明細書において記載される方法は、方法の条件に耐えることができる当該技術分野において公知の任意の反応器中で行われ得る。例えば、以下に限定されないが、反応器は、1つの容器を含み得る。様々な態様では、反応器は、1つより多くの容器を含み得る。様々な態様では、容器は、反応物がそれが接触する液体の流れに反して流れること(すなわち、逆流)を可能とするように接続され得る。他の態様では、容器は、混合物がそれが接触する液体の流れと並行して流れること(すなわち、並流)を可能とするように接続され得る。反応器は、当該技術分野において公知の任意の可能な構成を含み、それはまた、固体および液体のインサイチュ分離を可能とし得る。様々な態様では、分離は、1つまたは複数のステップにおいて、フィルタープレス、遠心分離、重力分離、サイクロン、または類似のもの、またはこれらの任意の組合せを含む。
【0168】
様々な態様では、2ステッププロセスのいずれかのステップのため、または1ステッププロセスのための加水分解反応は、フラッシュ冷却、冷水急冷、熱交換、または類似のものの1つまたは複数を含む1つまたは複数のステップを介して停止され得る。そのような停止は、例えば、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、または300の温度(℃)まで冷却することを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、温度は、少なくとも約90℃、約30℃~約180℃、または約250℃未満であり得る。
【0169】
別の実施形態では、停止は、圧力を1、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100の圧力(bar)に変更(例えば、低減)させることを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、圧力は、少なくとも約10bar、約15bar~約60bar、または約40bar未満の圧力に変化させることができる。
【0170】
様々な態様では、本明細書において記載される方法(例えば、1ステップまたは2ステッププロセス)により製造される加水分解プロセス生成物は、リグニンをさらに含む。一態様では、方法は、1つまたは複数のステップにおいて、遠心分離、サイクロン分離(液体サイクロン分離など)、沈降、エルトリエーション、凝集、綿状沈殿、ふるい分け、浮選およびスキミングなど、またはこれらの任意の組合せの1つまたは複数を使用してセルロース粒子からリグニンの少なくとも一部分を分離することをさらに含む。別の実施形態では、方法は、液体サイクロンを使用してセルロース粒子からリグニンの少なくとも一部分を分離することを含む。別の実施形態では、リグニンの少なくとも一部分は、液体サイクロンのアンダーフロー中で除去される。さらに別の実施形態では、セルロース粒子の少なくとも一部分は、液体サイクロンのオーバーフロー中で除去される。
【0171】
理論により縛られることを望まないが、重力場または遠心力場における粒子の設定速度は、粒子密度と液体密度との差異に比例すると考えられる。したがって、より密な粒子は、一般に液体サイクロンのアンダーフロー中で除去され、より疎な粒子は、一般にオーバーフロー中で除去される。オーバーフローストリーム中でより密な粒子(例えば、セルロースオリゴマー)を除去するために、それらの粒子をより疎なリグニン型粒子よりはるかに小さくする必要がある。過飽和の溶解セルロースオリゴマーの溶液の急速なクエンチは、望ましく小さい粒子サイズを生じさせる。このようにして、より密な粒子をより疎な粒子より小さくすることができ、より密な粒子を液体サイクロンのオーバーフロー中で除去することができる。結果として、より微細なセルロースオリゴマー粒子を濾過(例えば、フィルタープレスを使用する)の前にリグニン粒子から分離して、微粒子を濾過しようとする時に遭遇する問題を回避することができる(例えば、遅い濾過、および小粒子がリグニンに富んだ濾過ケーク中に捕捉される傾向;これらにより収量損失を回避することができる)。
【0172】
一態様では、回収されるセルロース粒子の収量(重量%、乾燥換算)は、反応物中のセルロースの量に基づいて、5、7、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、または99であり得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。収量は、以上の端点により制限される任意の値であり得るか、またはオープンエンドの範囲であり得る。例えば、収量は、少なくとも約10%、約20%~約66%、または約82%未満であり得る。
【0173】
様々な態様では、セルロース粒子は、I型セルロース(例えば、未変換I型セルロース)およびII型セルロースを含み、様々な態様では、セルロース粒子は、II型セルロースを含み、かつI型セルロースを含まない。様々な態様では、セルロース粒子は、非晶性セルロースを含む。
【0174】
様々な態様では、セルロース供給原料の加水分解はまた、単糖およびオリゴ糖の少なくとも1つを生成する。様々な態様では、1ステッププロセスが用いられ、かつ、ヘミセルロースおよびセルロースの両方が加水分解されて、単糖およびオリゴ糖の少なくとも1つが生成される。ある特定のそのような態様では、単糖は、C単糖、C単糖、およびこれらの組合せからなる群から選択される糖を含む。ある特定のそのような態様では、オリゴ糖は、Cオリゴ糖、Cオリゴ糖、およびこれらの組合せからなる群から選択される糖を含む。C糖としては、キシロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシルロース、またはこれらの組合せが挙げられる。C糖としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、セロオリゴ糖、またはこれらの組合せが挙げられる。様々な態様では、C糖はC単糖であり、かつ、C単糖は、グルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、およびこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの糖である。様々な態様では、前記C糖はグルコースである。様々な態様では、C糖はC単糖であり、かつ、C単糖は、キシロース、アラビノース、リキソース、リボース、キシルロース、またはこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも1つの糖である。様々な態様では、前記C単糖はキシロースである。
【0175】
様々な態様では、C糖はCオリゴ糖であり、かつ、Cオリゴ糖は約2~約15の重合度を有する。例えば、Cオリゴ糖は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の重合度を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、Cオリゴ糖は、約3~約5、約10~約15、または約2~約7の重合度を有し得る。Cオリゴ糖は、多くの場合、セロオリゴ糖またはグルコオリゴ糖(GOS)と称される。より低い分子量のGOSは、水または水性溶媒中で可溶性であり得る。
【0176】
様々な態様では、加水分解(例えば、近または超臨界加水分解)およびC糖の回収を含む本明細書において開示される方法は、連続的に実行されるが、他の態様では、それらは、バッチまたは半バッチプロセスとして実行され得る。
【0177】
様々な態様では、本明細書において記載される加水分解方法により形成される液体画分は、可溶性グルコースモノマー、可溶性グルコースオリゴマー、可溶性キシロース、またはこれらの任意の組合せを含む。典型的に、この液体画分は、近または超臨界加水分解から形成される。様々な態様では、「溶解度」は、周囲条件における水または水性溶媒(場合により)に対するものである。例えば、様々な態様では、加水分解反応は、セロヘキサオース、セロペンタオース、セロテトラオース(celloteraose)、セロトリオース、セロビオース、およびこれらの任意の組合せの1つまたは複数からなる群から選択される少なくとも1つのセロ糖を生じさせる。様々な態様では、加水分解生成物は、グルコースを含む。これらのより低いDPのセロ糖は、一般に周囲条件において水に可溶性である。
【0178】
様々な態様では、方法は、CまたはC糖の少なくとも1つを精製することをさらに含む。好適な精製方法としては、クロマトグラフィーなどが挙げられる。様々な態様では、方法は、以下に議論されるように、Cオリゴ糖または混合のオリゴ糖および/もしくは低分子量多糖の一部の画分の少なくとも1つを精製または部分精製することをさらに含む。例えば、少なくとも部分的な精製の1つの方法は、水性GOS溶液を単離すること、および、任意選択的に、溶液の水性溶媒の少なくとも一部分を(例えば、蒸発により)除去して、約50~90%の固体含有量を生じさせた後、本明細書において沈殿GOSと称される(「PGOS」とも呼ばれる)溶媒不溶性オリゴマーを沈殿させるために、有機溶媒、好ましくはアルコール、例えば、エタノール(または、代替的または追加的に、メタノール、イソプロパノール、n-プロパノール、ブタノール、アセトン、またはアセトニトリル)などを追加することを含む。変性溶媒(例えば、約90%のエタノール、5%のメタノールおよび5%のイソプロパノールを含む商用グレードのエタノール)の使用など、溶媒の混合物は好適であり得る。PGOS固体は、例えば濾過のような任意の好適な固体/液体分離技術により容易に単離され得る。
【0179】
PGOS固体(またはPGOSの溶液、または本明細書において記載されるPGOSを製造するための沈殿前のGOSの溶液)は、本明細書におけるセルロース粒子用の再懸濁化剤として有用なことがあり、または任意の他の好適な粒子用の再懸濁化剤として有用なことがある。好適な粒子としては、シリカ、セルロース(例えば、MCC、NCCなど)、無機粒子、および有機粒子の他に、時に「ペイントインバッグ」(paint in bag)と称される「乾燥塗料配合物」および塊状化を起こし得る噴霧乾燥配合物のような再懸濁可能組成物を目的とする任意の成分が挙げられる。無機または有機粒子の例としては、顔料粒子が挙げられる。再懸濁可能な粒子を製造するために、PGOSを溶液中に溶解させ、セルロース粒子をこの溶液に加えることができる。次に、PGOSおよび粒子の溶液を所望の程度(例えば、少なくとも80、85、90、95、99、または100重量%の固体)まで乾燥させることができる。理論により縛られることを望まないが、溶解したPGOSは、粒子表面に吸着および/または結合して、他の粒子との間のバッファーとして作用し、それによりセルロース粒子が塊状化することなくかなりの程度まで乾燥することを可能とし得るか、または少なくとも溶解したPGOSは、セルロース粒子が再懸濁可能となるのを可能とする(すなわち、発生する任意の塊状化は実質的に可逆的である)。同様に、本明細書において記載される加水分解プロセス後に混合物から濾過されるGOS溶液(PGOSを製造するための沈殿前)は、そのまままたは濃縮して使用することができ、次に粒子をこのGOS溶液に加えることができる。次に、GOS溶液および粒子を(上述したような)所望の程度まで乾燥させて、再懸濁可能粒子を形成させることができる。
【0180】
PGOS固体はまた、GPC用の標準物質、およびプロバイオティクスなどの様々な他の応用において有用であり得る。
【0181】
PGOS固体は少量の残留色を有することがあり、これは、例えば、水または水溶液中に再溶解させ(先行する段落において列記される任意の溶媒またはこれらの組合せを使用する)、溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことにより(または代替的に、過酸化水素を用いる漂白、もしくはアセトンを用いる抽出により)、除去することができる。
【0182】
湿潤状態で単離されると、白色のPGOS固体は、空気中で乾燥しながら経時的に黒ずむことがある。PGOSが、リグノセルロースバイオマスの加水分解から形成されるGOSから単離された場合であっても、または市販の(白色の)MCCの加水分解から形成されるGOSから単離された場合でさえも、これは起こり得る。黒ずむことは、(1)上昇させた温度(例えば、50~105℃)において直ちに固体を乾燥させること、および/または(2)窒素のような不活性雰囲気下で材料を乾燥させることの1つまたは複数により回避され得る。いずれの場合でも、固体を広げて、より大きな表面積を与えることは有益である。乾燥すると、固体は室温において変色に対して安定であるが、より高い温度(例えば、70℃より高い温度)を回避するべきであり、これは、一旦乾燥すると、乾燥固体は、特に長期間の、より高い温度において黒ずむためである。さらなる精製は、溶媒(上記)中にPGOSを溶解させ、溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことにより達成され得る。
【0183】
一態様では、水溶性グルコオリゴ糖(GOS)の固体試料を調製する方法であって、方法が、(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体(例えば、水)と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記液体がGOSを含む、接触させること;(b)液体の少なくとも一部分を回収すること;(c)任意選択的に、GOSを含む液体から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSを含むより高固体の混合物を形成させること;(d)GOSを含むより高固体の混合物を有機溶媒と接触させて、固体GOSを形成させること;および(e)混合物から固体GOSを分離し、固体GOSを回収することを含む、方法が開示される。さらなる態様では、方法は、(f)50℃より高い温度において固体を乾燥させるか、または不活性雰囲気下で固体を乾燥させるか、または両方をさらに含む。
【0184】
様々な態様では、PGOSの収量は、理論的な収量の少なくとも30%である。様々な態様では、PGOSの収量(%)は、理論的な収量の30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99%である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、様々な態様では、PGOSの収量は、理論的な収量の少なくとも約70%、または理論的な収量の少なくとも約85%である。収量パーセントは、本明細書において使用される場合、全てのPGOSの総収量、または本明細書の他の箇所において開示されるPGOSの任意の特定のDP範囲の収量パーセント、またはPGOSのこれらの特定のDP範囲の任意の組合せを指すことができる。
【0185】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、以下のようにならびに(図1および図2)に概説される(および本明細書の他の箇所において記載される)ように1ステップまたは2ステップ加水分解プロセスにおいて形成および単離され得る:多くの場合に半加水分解と称される任意選択の第1のステップでは、サイズ低減バイオマスの水性スラリーが、約1~120分の期間にわたり、液体の全てを液体形態に保つために充分な圧力(一般に約50bar未満)下で約150~250℃の温度に供される。あるいは、任意選択の第1のステップは、本明細書の実施例および他の箇所において記載されるようにダイジェスター/蒸気爆砕プロセスとして行われ得る。いずれの場合も、固体と液体との結果として得られる混合物は(例えば、濾過により)分離され、固体は水を用いて再スラリー化され、スラリーは、例えば、約10秒未満の期間にわたり、液体を液体または超臨界形態に保つために充分な圧力(但し、いずれの場合も、一般に約250bar未満)下で約340~450℃の温度のような、亜臨界、近臨界または超臨界加水分解に供される。1ステッププロセスは、サイズ低減バイオマスまたはセルロース含有供給原料(ヘミセルロースの事前の除去なし)のスラリーを使用し、サイズ低減供給原料を近または超臨界加水分解に供することにより行われ得る。図1は、単純化された形態でこのプロセスを説明する:バイオマスまたはセルロース含有供給原料の加水分解が加水分解反応器中で行われ(101)、第1の液体画分および第1の固体画分を含む、加水分解反応からの結果として得られた混合物が、1つまたは複数の冷却ステップを介して冷却され、該ステップの1つまたは複数は、フラッシュ、水冷、熱交換または類似のものであり得、その後に、フィルタープレスまたは加圧フィルターのような固体/液体分離装置に通され(102)、そこで固体および液体は、例えば濾過により分離されて、第1の固体画分(主にリグニンおよびセルロース多糖固体)から第1の液体画分(主に、水溶液中のグルコオリゴ糖、GOS)が分離され得る。所望の場合、第1の固体画分からのリグニンおよびセルロース固体は、例えば、1つまたは複数の液体サイクロンおよび/または遠心分離機のような任意の好適な分離技術を使用して、分離装置中で分離され得る(103)。GOSが唯一の意図する製造物である場合、固体/固体分離ステップ(103)は必要ない。セルロース粒子は、スラリーまたは懸濁液の形態で液体サイクロンオーバーとして回収され、それを遠心分離によりさらに脱水して、典型的に約16~25%の固体含有量および約0.5~2μmのd50(本明細書の他の箇所において記載されるBeckman Coulter Particle Sizerによる測定)を有するセルロース粒子の安定な懸濁液を製造することができる。
【0186】
加熱または回転蒸発または噴霧乾燥または凍結乾燥による水の除去は、セルロース粒子の塊状化およびはるかにより大きい平均粒子サイズ(例えば、少なくとも20μmのd50)を結果としてもたらす。塊状化した乾燥固体は、容易に水中に再懸濁されない。しかしながら、より高固体含有量の懸濁液は、懸濁液を1つまたは複数の凍結解凍サイクルに供することにより、セルロース粒子の塊状化なしで達成され得る。凍結解凍サイクルの最初の凍結は、固体を緩やかに会合させる効果を有し、それにより、対応する解凍は部分的に分離した懸濁液を結果としてもたらし、該懸濁液から上表面における過剰な水を(例えば、ピペット、またはデカンテーションにより)容易に除去することができる。結果として得られる懸濁液は、約25~30%の固体含有量を有する。繰返しの凍結解凍サイクルは、セルロース懸濁液の固体レベルが40%の固体またはそれより多くまで増加することを可能とする。
【0187】
したがって、一態様では、本明細書において記載されるようなセルロース含有粒子の水性懸濁液の固体含有量を増加させる方法であって、方法が、a)水性懸濁液を凍結して、凍結懸濁液を形成させること;b)凍結懸濁液を解凍して、懸濁液の上部がより低い固体含有量を有し、かつ懸濁液の下部がより高い固体含有量を有するように、懸濁液中に固体含有量のグラデーションを形成させること;c)下部の少なくとも一部分を単離すること;ならびにd)任意選択的に、下部に対してステップ(a)、(b)および(c)を1回または複数回繰り返すことを含み;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、方法が開示される。
【0188】
上記の方法(図1)において、加水分解反応からの結果として得られた混合物の濾過からの濾液(第1の液体画分)は、主に水性GOS溶液を含有し、任意選択的に、本明細書の他の箇所に議論されるようにそれを精製または少なくとも部分的に精製することができる。図2は、図1に示されるステップを含む方法を説明し、追加的に液体画分の成分の精製を説明する。例えば、濾液(主に、水溶液中のグルコオリゴ糖、GOS)を蒸発器(104)中で例えば50~90%の固体まで濃縮した後、PGOSを沈殿させるために、洗浄タンク(105)中でエタノール(または別の好適な溶媒)を用いて洗浄/再懸濁させることができ、次にそれを、濾過装置のような好適な固体/液体分離装置(106)中で分離し、任意選択的に洗浄することができる。エタノールを乾燥チャンバー(107)中でPGOS固体から除去し、高純度のエタノールを回収することができ、それもまた回収用の沈殿グルコオリゴ糖(PGOS)固体を残す。様々な不純物および生成物はエタノールの添加時に沈殿せず、所望の場合、これらを濾液から単離し、回収することができる。例えば、濾液を蒸留カラム(108)に通すことができ、エタノールを留去および回収することができ、所望の場合、例えば、水性濾液を蒸発させるか、または例えば、クロマトグラフィーカラムもしくは膜のような分離システム(109)に水性濾液を流すことにより単糖および二糖を単離および回収することができる。
【0189】
一態様では、本明細書において記載される方法により形成されるセルロース含有粒子は、任意の好適な技術または技術の組合せにより、第1の液体画分、第1の固体画分、またはこれらの組合せから分離され、該技術は、本明細書の他の箇所において記載されるような、1つまたは複数のステップにおける例えば、フィルタープレス、遠心分離、重力分離、サイクロン、または類似のものを含み得る。様々な態様では、任意選択的に、方法は、回収したセルロース含有粒子を溶媒を用いて洗浄して、液体洗浄画分および洗浄固体画分を形成させることをさらに含む。様々な態様では、溶媒は、水、C1~C5アルコール、ジオキサン、水性ジオキサン、水性アルカリ性溶液、水性アルカリ性ジオキサン、およびこれらの任意の組合せから選択される。一態様では、水性ジオキサン溶液は、任意の比のジオキサン対水を含み得る。例えば、水性ジオキサン溶液は、溶液の総体積に基づいて、ジオキサン中の約4体積%の水を含む。一態様では、水性アルカリ性溶液は、水中の水酸化ナトリウム(NaOH)の溶液、水中の水酸化カリウム(KOH)の溶液、水中の水酸化リチウム(LiOH)の溶液、またはこれらの任意の組合せを含む。水性アルカリ性溶液中のアルカリ化合物の量は特に限定されないが、典型的に約1重量%であり得る。様々な態様では、水性アルカリ性ジオキサン溶液は、溶液の総体積に基づいてジオキサン中の約4体積%の水、および溶液の総重量に基づいて約1重量%の水酸化物(例えば、NaOH、LiOH、および/またはKOH)を含む。様々な態様では、水性アルカリ性溶液は、セルロース粒子の化学的および物理的性質を著しく変化させることなく回収したセルロース含有粒子を洗浄するために充分な任意の濃度である。
【0190】
別の実施形態(図3および図4を参照)では、バイオマスまたはセルロース含有供給原料の加水分解は、加水分解反応器(201)中で行われ、第1の液体画分および第1の固体画分を含む加水分解反応(1ステッププロセス、または2ステッププロセスのステップ2)からの結果として得られた混合物は、濾過による事前の分離ステップを行うことなく、分離容器(または複数の容器)(202)中、例えば、1つもしくは複数の液体サイクロンまたは1つもしくは複数の遠心分離機、またはこれらの組合せ中で直接的に処理される。液体サイクロンおよび/または遠心分離機を使用する分離は、別のストリーム中の合わさったGOSおよびセルロース粒子から1つのストリーム中のリグニンを分離することができる(図3)。図4は、図3において示されるステップを含む方法を説明し、追加的に、GOSおよびセルロース含有粒子の他に、他の生成物の精製を説明する。一態様では、GOSおよびセルロース粒子の合わさった水性混合物は、蒸発器(203)中で乾燥状態まで単純に蒸発または加熱することにより一緒に単離される。セルロース含有粒子の乾燥試料(GOSは濾過により除去されている)は水中に再懸濁可能でないが、予想外なことに、GOSとセルロース含有粒子との組合せを乾燥させた後に、セルロース粒子の塊状化を起こすことなく水中に再懸濁させることができることが見出された。理論により縛られることを望まないが、GOSはセルロース粒子の表面に吸着し、セルロース粒子が乾燥時に塊状化することを防止する保護層または部分的な層を提供すると考えられる。しかしながら、合わさったGOSおよびセルロース粒子ストリームは、小粒子サイズリグニンおよび他の不純物を追加的に含有することがあり、特に、以下(および本明細書の他の箇所)に記載されるように、このストリームでは1つの簡便なステップにおいて精製を行うことができるので、不純物を除去することが好ましいことがある。特に、合わさったGOS/セルロース含有粒子/不純物ストリームは、最初に蒸発器(203)中で濃縮され、濃縮は、例えば、例えば50~90%の固体となるまで、一部の液体を蒸発させるか、または乾燥させて液体の部分を除去することにより行われ、その後に、洗浄タンク(204)中で洗浄/エタノールを用いて再懸濁して、セルロース粒子と共にPGOSを沈殿させ、次にそれを、濾過装置のような好適な固体/液体分離装置(205)中でエタノールを用いて分離、および任意選択的に洗浄することができる。濾液は、一部の単糖(および二糖)、一部の残留不純物、ならびに水およびエタノール(または他の好適な溶媒)と共に、溶液中のリグニンを含有する。これらの成分の全てを回収することができる。例えば、エタノールを蒸留カラム(208)中で留去して、高純度のエタノールを回収するのと同時に、小粒子サイズリグニンを沈殿させることができ、次にこのリグニンを固体/液体分離装置(209)において容易に回収することができ、例えば、リグニンを濾過して、フィルター上の固体として高純度のリグニンを回収することができる。水性濾液を、例えば、クロマトグラフィーカラムまたは膜のような分離システム(210)に流すことにより、単糖(および二糖)を単離および回収することができる。セルロース含有粒子と共にPGOSを、本明細書において以下に議論される合わさった固体製造物として固体/液体分離装置(205)から回収することができる。あるいは、これらの2つの成分を別々に回収することができ、周囲条件において水不溶性のセルロース含有粒子を分離装置(206)中で水溶解により表面吸着した水溶性PGOS成分から単離することができ、これにより、溶解したPGOSを水溶液として回収することが可能となる。例としては、限外濾過、ならびに希釈および遠心分離などが挙げられる。水および残留エタノールを乾燥チャンバー(207)中で水性PGOS溶液から除去(例えば、蒸留または蒸発除去)して固体PGOS試料を残すことができる。固体セルロース粒子を安定な懸濁液として、または再懸濁して安定な懸濁液を形成させることができる濾過ケークとして回収することができ、そのような懸濁液は、0.5~2μmのd50(Beckman Coulter Particle Sizerによる測定)を有する粒子を有する。この方法は、加水分解からの結果として得られた混合物の困難な濾過ステップを回避し、残留エタノール可溶性リグニン、低分子量の糖(DP 1~2)および他の不純物からエタノール不溶性のオリゴ糖および多糖を効果的に分離するエタノール洗浄ステップを組み込み、かつより高純度のリグニン製造物およびより高純度のPGOSの他に、精製されたセルロース粒子を提供する。所望の場合、吸着したPGOSを含有するセルロース組成物を水洗浄なしで回収することができる(それにより、PGOSはセルロースに吸着したままである)。この合わさった製造物では、エタノールを用いた洗浄/再懸濁のより以前のステップにより、小さいリグニン粒子および他の不純物が洗浄されている。
【0191】
一態様では、本明細書において開示されるセルロース含有粒子を調製する方法であって、方法が、(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記混合物が、グルコオリゴ糖(GOS)およびセルロース含有粒子を含む、接触させること;(b)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物からリグニンを分離すること;(c)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSおよびセルロース含有粒子を含むより高固体の混合物を形成させること;ならびに(d)GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物を有機溶媒と接触させて、固体GOSおよびセルロース含有粒子を形成させることを含む、方法が開示される。
【0192】
さらなる態様では、方法は、固体GOSおよびセルロース含有粒子を固体として液体から単離することをさらに含む。またさらなる態様では、方法は、固体GOSおよびセルロース含有粒子を水と接触させて、GOSを溶解させることをさらに含む。いっそうさらなる態様では、方法は、セルロース含有固体粒子を液体から分離すること、およびセルロース含有粒子を回収することをさらに含み;粒子は、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつ、セルロースの少なくとも一部分はII型セルロースである。
【0193】
D.再懸濁可能粒子
上記に議論されるように、セルロース含有粒子の乾燥試料(GOSは濾過により除去されている)は、典型的に、極めて高いせん断力なしでは水中に再懸濁可能でないが、セルロース粒子に吸着したGOSの組合せは、乾燥させた後に容易に水中に再懸濁することができる。水中の再懸濁性はほとんどのエンドユーザーにとって魅力的な特徴であり、かつ乾燥粒子は懸濁粒子より輸送が容易かつ安価であるので、これは図4において示される代替的な方法をよりいっそう有利なものとし、その理由は、合わさった生成物は同じエタノール沈殿ステップにおいて容易に単離されるからである。
【0194】
したがって、一態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子の乾燥固体試料を調製する方法であって、乾燥固体が(例えば、水または水溶液中に)再懸濁可能であり、方法が、a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記混合物が、グルコオリゴ糖(GOS)およびセルロース含有粒子を含む、接触させること;b)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物からリグニンを分離すること、(c)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSおよびセルロース含有粒子を含むより高固体の混合物を形成させること;d)GOSおよびセルロース含有粒子を含むより高固体の混合物を有機溶媒と接触させて、固体GOSおよびセルロース含有粒子を形成させること;(e)固体GOSおよびセルロース含有粒子を固体として液体から単離し、かつ一緒に乾燥させることを含み;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、方法が開示される。
【0195】
一態様では、セルロース粒子および再懸濁化剤を含む再懸濁可能なセルロース組成物であって、セルロース粒子が、混合方法Aにしたがって液体中に再懸濁された時に、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり;かつ、再懸濁化剤が、セルロース粒子の表面の少なくとも一部分に吸着または結合している、組成物が開示される。
【0196】
様々な態様では、再懸濁化剤は、1つもしくは複数のポリオール化合物、1つもしくは複数のポリオールオリゴマーまたは1つもしくは複数のポリオールポリマー、またはこれらの任意の組合せである。
【0197】
様々な態様では、再懸濁化剤は、少なくとも1つの糖を含む。様々な態様では、少なくとも1つの糖は、「セロオリゴ糖」または「グルコオリゴ糖」である。「セロオリゴ糖」および「グルコオリゴ糖」という用語は、本明細書において交換可能に使用される。様々な態様では、少なくとも1つのセロオリゴ糖は、セロヘキサオース、セロペンタオース、セロテトラオース、セロトリオース、セロビオース、またはこれらの任意の組合せからなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含む。様々な態様では、組成物は、少なくとも2、3、4、5、6、または7つのセロオリゴ糖を含む。1つより多くのセロオリゴ糖が存在する様々な態様では、各々のセロオリゴ糖は、セロオリゴ糖の総重量パーセンテージに対して任意の所望の量で存在し得ることが理解されるべきである(すなわち、以下の議論において記載される量は、文脈が規定するように、各糖、例えばセロオリゴ糖に個々にまたは組合せで適用可能である)。
【0198】
様々な態様では、再懸濁化剤は、1つもしくは複数のオリゴ糖、1つもしくは複数の単糖、スクロース、グリセロール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ソルビトール、マルトデキストリン、糖アルコール、キシロース、またはこれらの任意の組合せを含む。様々な態様では、再懸濁化剤は、グルコースまたはスクロースを含む。様々な態様では、再懸濁化剤は、ソルビトールを含む。
【0199】
様々な態様では、再懸濁化剤は、1つまたは複数のグルコオリゴ糖(GOSまたはPGOS)を含む。様々な態様では、再懸濁化剤は、単糖およびオリゴ糖から本質的になる。
【0200】
一態様では、セルロース含有粒子の再懸濁可能組成物は、懸濁粒子(有意な量の液体を含む)より輸送が容易かつ安価であり、かつ、乾燥粒子は、後の時点で再懸濁することができる。様々な態様では、組成物は、少なくとも約80、85、90、95、または99重量%の固体の固体含有量を有する乾燥形態である。反対に、様々な態様では、組成物は、約20、15、10、5、または1重量%未満の水を含む乾燥形態である。
【0201】
任意の好適な量の再懸濁化剤を用いることができる。様々な態様では、再懸濁化剤の量は、再懸濁化剤およびセルロース含有粒子の固体の総量に基づく乾燥換算で、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、72、74、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、96、98、100、105、110、120、125、130、135、140、145、150、160、170、180、190、または200重量%である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。再懸濁化剤の最大量は特に限定されない。例えば、一部の応用では、再懸濁化剤が該応用において望ましい実施形態において、比較的多量の再懸濁化剤が望ましいことがある。例えば、再懸濁化剤がスクロースであり、かつ応用が食品である場合、比較的多量(例えば、少なくとも約50重量%)のスクロースが用いられ得るが、その理由は、スクロースはセルロース粒子の再懸濁を補助するだけでなく、食品に望ましい甘味を付与するからである。このようにして、再懸濁化剤の存在が所望されかつ有益である様々なエンドユースの応用を目的とする粒子と再懸濁化剤との様々な組合せを調製することができる。そのような組合せは、例えば、外的な供給源から加える必要があるスクロースの量を低減させるために有用であり、その理由は、ある量の例えばスクロースは、セルロースを含む再懸濁可能粒子に既に存在するからである。
【0202】
有利には、セルロース含有粒子の乾燥した再懸濁可能組成物は、約8ミクロン未満のd75および約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50のようなその特徴を保持しながら、水中に再懸濁可能である。セルロース含有粒子の乾燥した再懸濁可能組成物は、組成物が、水を含む懸濁液の形態となるように、水中に再懸濁可能である。一実施形態では、懸濁液は、少なくとも約5重量%、例えば、15~25重量%、または40~50重量%の固体含有量を有する。本明細書において記載されるような再懸濁後のセルロース含有粒子の乾燥組成物は、本明細書において記載される応用および実用(例えば、パン、マフィンおよびマヨネーズ)の多くにおいてその有用性を維持することが見出されており、本明細書において記載される全ての応用および実用においてその応用および有用性を維持することが期待される。
【0203】
加水分解反応用の供給材料はリグノセルロースバイオマスである必要はなく、必ずしも全くバイオマスでなくてもよく、例えば、MCC、ナノ結晶セルロース(NCC)、綿、木材パルプ、および溶解木材パルプなどのような任意のセルロース含有供給材料は、本明細書において開示されるセルロース含有粒子を製造するための加水分解プロセスのために好適であり得る。様々な態様では、供給材料は、35μmのd(50)を有する広範な粒子サイズ分布(Beckman Coulter Particle Size Analyzerにより測定される)を有する、例えばBlackburn Distributions、Nelson、Lancashire、UKから市販されている微結晶セルロース(MCC)である。主にセルロースを含むより高純度の供給原料のために、1ステップ加水分解(亜臨界、または近臨界、または超臨界加水分解)は、本明細書の他の箇所において記載されるようにより適切であり得る。例えば、MCCを水と混合してスラリーを形成させ、約10秒未満の期間にわたり、液体の全て、または少なくとも一部分を液体または超臨界形態に保つために充分な圧力(一般に約250bar未満)下で約350~450℃の温度に供することができる。結果として得られた混合物を、その1つまたは複数が、フラッシュ、水冷、熱交換または類似のものであり得る1つまたは複数の冷却ステップを介して約100℃未満の温度に冷却し、74μm(200メッシュ)のふるいに通してふるい分けした後、遠心分離して液体(主にグルコオリゴ糖、GOS)を固体(セルロース多糖固体)から分離する。本明細書の他の箇所において記載されるように、セルロース粒子を単離することができる。
【0204】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、2つの最も一般的な商用の種類のセルロース粒子であるナノ結晶セルロース(NCC)および微結晶セルロース(MCC)に対して粒子サイズが中間的である。NCCなどのナノ粒子は、一般に、1~100nmのサイズ範囲内であると考えられる。それ自体ではそれほど有害でない一部の材料は、ナノ粒子の形態で吸入された場合に毒性となり得るという懸念が高まっている。吸入されたナノ粒子は血流に達することができ、肝臓、心臓、脳、または血液細胞のような他の標的部位に達することがあることが報告されている。ナノサイズの都市粒子状物質の吸入の結果としてもたらされる肺損傷および炎症は、これらの粒子が細胞中で引き起こす酸化ストレスに起因するようである。したがって、多くの種類のナノ粒子は、ヒト身体中での吸入または吸収の可能性のため、一部の応用領域において注意を以って見られている。他方、MCCは、典型的に、約50μm、100μmまたは200μmを中心とする粒子サイズにおいて提供されることがあり、より小さい粒子サイズのセルロース粒子と同じ特性および利益を提供しない。典型的に約0.4~5.0μmのd50を有する本明細書において開示されるセルロース粒子および組成物は、1~100nmの材料の健康に対する負の効果を回避しながら小粒子サイズの利点を提供すると考えられる。
【0205】
E.濃化剤
本明細書において開示されるセルロース粒子は、水(または他の好適な液体もしくは液体混合物)中で安定な懸濁液として存在することができ、建築および産業用塗料のようなコーティング剤応用において望ましいと通常考えられるチキソトロピーのような好都合なレオロジー特性もまた提供することができる(それは、塗布される表面から塗料が流れたり滴り落ちたりすることなく、塗料の比較的容易なブラシ、ローラー、または噴霧塗布を可能とする)。さらには、セルロース粒子は、非凡な相乗的濃化挙動を呈し、これは、一部の配合物において全体的な濃化剤レベルを低減させるために有利に用いられ得る(例えば、実施例6を参照)。
【0206】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、または15.0の量(濃化組成物または配合物の総重量に基づくセルロース含有粒子の乾燥固体の重量%)で濃化組成物または配合物中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約5重量%未満の量で濃化組成物または配合物中に存在することができる。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%(または本明細書の他の箇所において記載されるような他の範囲)の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0207】
一態様では、セルロース粒子を含む濃化組成物であって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり;かつ液体であり;セルロース粒子が、組成物の粘度を、セルロース粒子を含まないそれ以外は同一の組成物と比較して少なくとも10%増加させるために充分なレベルで存在し;かつ、配合物の粘度が、2rpmのせん断でスピンドル21を使用してブルックフィールドLVT粘度計を使用して室温で決定される、濃化組成物が開示される。
【0208】
様々な態様では、セルロース粒子は、組成物の粘度(%)を、セルロース粒子を含まないそれ以外は同一の組成物の粘度と比較して少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、475、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1700、1900、2000、2200、2400、2600、2800、3000、3250、3500、3750、4000、4250、4500、4750、5000、5250、5500、5750、6000、6250、6500、6750、7000、7500、または8000%増加させるために充分なレベルで存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0209】
様々な態様では、組成物は、1つまたは複数の追加の濃化剤をさらに含み、それにより、結果として得られる粘度は、セルロース組成物を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および1つまたは複数の追加の濃化剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より大きい。好適な追加の濃化剤としては、デンプン(例えば、クズウコン、コーンスターチ、片栗粉、ジャガイモデンプン、サゴ、タピオカ、およびこれらの誘導体)、植物ガム(例えば、アルギニン(alginin)、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、およびこれらの誘導体、例えばヒドロキシプロピルグアー)、タンパク質(例えば、コラーゲン、卵白、ゼラチン、カゼイン(cassein)、およびこれらの誘導体)、変性ヒマシ油、オルガノシリコーン(シリコーン樹脂、ジメチコン)、糖および多糖(ペクチン、寒天、カラギーナン、プルラン、コンニャク、およびアルギネート)、ポリウレタン(例えば、HEUR濃化剤:疎水性変性エチレンオキシド系ウレタン濃化剤)、アクリルポリマー(例えば、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、およびアルキルアクリレート、アルキルアルキルアクリレート、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレートなど(「アルキル」は任意のC1~C5基である)のようなアクリルモノマーとのアクリル酸またはメタクリル酸のコポリマー)、ラテックスポリマー、スチレン/ブタジエン、ポリビニルアルコール、クレイ(例えば、アタパルジャイト、ベントナイト、モンモリロナイト)、変性セルロース(メチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース)、ポリエチレングリコール、石油ゼリー、ワックス、シリカ(例えば、フュームドシリカ、コロイダルシリカ、含水シリカ)、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。
【0210】
様々な態様では、濃化組成物は、濃化組成物の用途に応じて、他の配合物成分、または成分の組合せをさらに含む。例えば、様々な態様では、濃化組成物は、顔料粒子、充填剤もしくは増量剤粒子、ポリマー粒子、またはこれらの組合せ、および/または他の配合物成分をさらに含む。様々な態様では、濃化組成物は、塗料、コーティング剤、インク、粘着剤またはシーラントである。様々な態様では、濃化組成物は、パーソナルケア製品、例えば、健康用および化粧用製品または美容製品、例えば、ローション、クリーム、軟膏、セラム、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、石鹸、ファンデーション下地、BBクリーム、CCクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、口紅もしくはリップバーム、またはクレイ、カオリンもしくは泥懸濁液であり得る。
【0211】
様々な態様では、濃化組成物は、光吸収化合物、光散乱化合物、またはこれらの組合せを含有するサンスクリーン剤である。光吸収または光散乱化合物は、例えば、酸化物粒子(例えば、酸化亜鉛、酸化チタン)、ポリマー粒子(例えば、ポリスチレン、またはアクリルもしくはスチレン-アクリルコポリマーを含む中空球顔料)、有機化合物(p-アミノ安息香酸、オクチルジメチルp-アミノ安息香酸、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、シノキセート、ジオキシベンゾン、オキシベンゾン、ホモサレート、アントラニル酸メンチル、オクトクリレン、オクチルメトキシシナメート、オクチルサリチレート、スリソベンゾン、サリチル酸トロラミン、アボベンゾン、エカムスル、4-メチルベンジリデン、ビスオクトリゾール、ベモトリジノール、トリス-ビフェニルトリアジン、ビスイミダジレート、ドロメトリゾールトリシロキサン、ナトリウムジヒドロキシルジメトキシジスルホベンゾフェノン(sodium dihydroxyl dimethoxy disulfobenzopenone)、オクチルトリアゾン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイルヘキシルベンゾエート、イスコトリジノール、ジメチコ-ジエチルベンズアルマロネート、アミロキセート)、またはこれらの任意の組合せであり得る。一部の使用のために、表面への製造物の塗布の間にまたは塗布された表面から製造物が流れることを回避するために、より高い粘度の濃化組成物が望ましい。様々な態様では、サンスクリーン剤は、サンスクリーン剤が無機粒子もしくはポリマー粒子のような懸濁粒子を含有する場合は懸濁液として、または乳濁液として特徴付けることがより適切なことがある。
【0212】
様々な態様では、濃化組成物は、洗浄液、例えば、食器用洗剤、洗濯用洗剤、液体生地コンディショナー、ノースプラッシュ漂白剤(no-splash bleach)、便器クリーナー、またはドレンクリーナー、または産業用洗剤もしくは洗浄液などであり得る。これらの濃化洗浄組成物においてはより高い粘度が望ましく、それにより、例えば、洗浄用製品は、(例えば、便器中の)表面からそのまま流れ落ちずに、ある程度の吸着および洗浄効果が起こるために充分に長く付着する。一部の場合には、特に、皮膚または目または呼吸器刺激物であり得る刺激性の化学物質(例えば、家庭用漂白剤中の次亜塩素酸ナトリウムなど)を含む洗浄液の種類について、液体組成物のスプラッシュを最小化するためにもより高い粘度を有することは役立つ。ドレンクリーナーなどにおける様々な態様では、濃化組成物が凝集したまま(すなわち、一緒のまま)となることおよび水を加えた時に沈み、組成物が排水詰まりに達してそれに作用することを可能とするために、より高い粘度は望ましい。
【0213】
様々な態様では、濃化組成物は、食用組成物、例えば、飲料、スムージー、シェイク、シロップ、スープ、ブロス、ソース、マリネード、ドレッシング、グレイビー、パイフィリング、調味料、プディング、ペットフードまたはペットトリーツなどであり得る。一部の食品についてより高い粘度は、多くの場合、肌理および食感に関するが、取扱いの簡便性が別の要因である。
【0214】
F.懸濁液
一態様では、懸濁液であって、懸濁液が、粒子を含むセルロース組成物であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、組成物;および組成物中に懸濁された第1の成分を含む、懸濁液が開示される。
【0215】
一態様では、懸濁液であって、懸濁液が、a)液体;b)粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子;およびc)液体中に懸濁された第1の成分を含む、懸濁液が開示される。
【0216】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、懸濁状態の固体粒子に安定化を提供する(例えば、水性懸濁液;例えば、実施例7を参照)。様々な態様では、懸濁液は、安定な懸濁液である。溶液(例えば、水溶液)中に溶解せず、かつ安定または準安定な懸濁液(または本明細書の他の箇所に議論されるようにX%安定な懸濁液)を形成しないが、代わりに、より短いもしくはより長い期間にわたり、容器の底に沈殿しているか(例えば、炭酸カルシウム)、または表面に浮遊する(例えば、ココア粉末およびシナモンの両方は、沈降し、一部分が表面に上がる)固体粒子について、本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、懸濁補助剤として機能し、均質な安定または準安定な懸濁液の形成を可能とする。ある特定の最終用途では、懸濁液中での固体粒子の一時的な安定化であっても有益なことがある。例えば、固体は、例えば、ポンプ圧送を可能とするために、(例えば、分のオーダーで)一時的にのみ懸濁される必要がある場合がある。様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、懸濁補助剤として機能し、例えば50~95%安定な懸濁液のような準安定な懸濁液の形成を可能とする。安定化の機序は知られていないが、理論により縛られることを望まないが、一部の場合に、セルロース含有粒子は、懸濁状態の第1の成分固体の安定化に寄与し得る向上したレオロジー(例えば、より高い粘度)を提供し得る。様々な態様では、粒子を含むセルロース組成物を含む懸濁液は、第1の成分が組成物中の安定な懸濁液中にあることを可能とするように充分に濃化されている。一部の態様では、乳濁液の形成は、固体の懸濁を促進する。
【0217】
本明細書において開示されるセルロース含有粒子は、組成物中の第1の成分の安定化を提供する。第1の成分は、組成物内の固体であり得る。第1の成分は、典型的に、第1の成分が組成物中で用いられることが意図される濃度において、周囲条件において組成物中で不溶性、または少なくとも部分的に不溶性である。例えば、第1の成分は、複数の顔料粒子(例えば、二酸化チタン、赤色酸化鉄、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、アンバー、コバルトバイオレット、ウルトラマリン、カドミウムグリーン、クロムグリーン、カドミウムオレンジ、赤色オーカー、黄色オーカー、カーボンブラック、および硫酸バリウムなど、またはこれらの任意の組合せ)、充填剤/増量剤粒子(例えば、炭酸カルシウム、雲母、ケイ灰石、および非晶性シリカなど、またはこれらの任意の組合せ)、ポリマー粒子(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、およびKevlar(商標)など、またはこれらの任意の組合せ)、無機粒子(例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化鉄、酸化亜鉛、ケイ酸マグネシウム、クレイ、または炭酸カルシウムなど、またはこれらの任意の組合せ)、鉱石または鉱物粒子(例えば、鉄鉱石、ボーキサイト、ヘマタイト、リン酸カルシウム)、炭塵または木炭粒子、ダート粒子、岩石切断物、ココア粒子、活性医薬成分、賦形剤、エクスフォリアント、繊維、またはこれらの任意の組合せであり得る。第1の成分およびそれらを含有する組成物の特定の非限定的な例としては、塗料、コーティング剤、コーキング剤、シーラントまたは粘着剤における顔料粒子、充填剤/増量剤粒子またはポリマー粒子;セメントまたはコンクリートにおける無機粒子;掘削泥または掘削液におけるダート粒子または岩石切断物;鉱業スラリーにおける鉱石または鉱物粒子;燃料スラリーにおける炭塵または木炭粒子;固体滑沢剤またはグリースにおける固体粒子(例えば、二硫化モリブデンまたはフッ素ポリマー);および洗浄またはバフ研磨用スラリーまたは艶出し剤(例えば、カーディテイリングクリーナー、または化学機械的平坦化スラリー)における酸化物粒子のような固体の安定化などの様々な産業用途における使用が挙げられる。第1の成分およびそれらを含有する組成物の特定の非限定的な例としては、薬剤またはサプリメントにおける賦形剤または活性医薬成分;ローション、サンスクリーン剤、BBクリーム、CCクリームにおけるポリマー粒子または無機粒子または酸化物粒子(例えば、中空球顔料、二酸化チタンまたは酸化亜鉛);メークアップファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、フェイシャルもしくはボディマスク、またはクレイ/カオリン/泥懸濁液における顔料粒子または無機粒子;スキンケア製品またはスクラブにおけるエクスフォリアント粒子(例えば、本明細書において開示されるようなポリマー粒子または無機粒子、またはこれらの任意の組合せ);石鹸における無機またはポリマー粒子;および練り歯磨き剤における無機またはポリマー粒子のような固体の安定化などの様々な医薬品、またはパーソナルケア製品または化粧品、および健康用製品における使用が挙げられる。第1の成分およびそれらを含有する組成物の特定の非限定的な例としては、ミルク、ホットまたはコールド飲料、シロップ、ドレッシング、マリネード、スープ、またはソースにおけるココア、麦芽、または人工もしくは天然フレーバー粒子(ハーブおよびスパイスなど);飲料、スムージー、またはシェイク、およびペットフードまたはペットトリーツにおける果実、野菜、繊維またはタンパク質粒子のような固体の安定化などの様々な食品または飲料製品における使用が挙げられる。
【0218】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、または15.0の量(懸濁液の総重量に基づくセルロース含有粒子の乾燥固体の重量%)で少なくとも部分的に不溶性の粒子の液体懸濁液中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約5重量%未満の量で懸濁液中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0219】
様々な態様では、懸濁液は、例えば、飲料、スムージー、シェイク、シロップ、スープ、ブロス、ソース、マリネード、ドレッシング、グレイビー、パイフィリング、調味料、プディング、ペットフードまたはペットトリーツのような食用組成物であり得る。一部の食品についてより高い粘度は、多くの場合、肌理および食感に関するが、取扱いの簡便性が別の要因である。
【0220】
G.乳濁液
本明細書において開示されるセルロース粒子は、油/水乳濁液、例えばピッカリングエマルションを安定化させることができる。様々な態様が実施例において議論される(例えば、実施例8を参照)。
【0221】
したがって、一態様では、乳濁液または乳化可能組成物であって、乳濁液または乳化可能組成物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、乳濁液または乳化可能組成物が開示される。
【0222】
様々な態様では、乳濁液または乳化可能組成物は乳濁液であり、かつ、乳濁液は、第1の液体および第2の液体を含み;第1の液体は、第2の液体と少なくとも部分的に非混和性である。
【0223】
さらなる態様では、第1の液体は油を含み、かつ、第2の液体は水を含む。水と非混和性の好適な液体としては、オリーブ油、キャノーラ油、植物油、ココナッツ油、ピーナッツ油、コーン油、パーム油、パーム核油、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。様々な態様では、乳濁液または乳化可能組成物は、エッグフリーの組成物である。
【0224】
さらなる態様では、乳濁液は、非食品関連乳濁液である。例えば、乳濁液を使用してパーソナルケア製品(例えば、アクネジェル)を配合することができる。さらなる例では、乳濁液を産業用配合物(例えば、塗料)として使用することができる。
【0225】
さらなる態様では、第2の液体は油を含み、かつ、第2の液体は酢を含む。
【0226】
したがって、セルロース粒子および組成物は、特に油/水乳濁液といった2つの少なくとも部分的に非混和性の液体(例えば、疎水性液および親水性液)を含む配合物が有用な任意の応用において用途を有し得る。したがって、様々な態様では、乳濁液は、マヨネーズ、サラダドレッシング、サンドイッチスプレッド、ベジタブルスプレッド、ベジタブルショートニング、ビネグレット、調味料、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、ソース、バター、ナッツバター、マーガリン、クリーム、ミルク、グレイビー、コーヒー飲料、チョコレート、または油/水乳濁液を含むソース(例えば、パスタソース、BBQソース、ホットソース、オランデーズ、ベアルネーズなど)の他に、プリベーク配合物中に油/水乳濁液を利用する焼成食品であるか、またはこれらの成分である。様々な態様では、乳濁液は、果実バター、果実ソース、果実ゼリー、果実ジャム、果実チャツネ、果実カスタード、果実マリネード、または果実スープであるか、またはこれらの成分である。一部の実施形態では、セルロース粒子を含む乳濁液は、ペットフードまたはペットトリーツであるか、またはこれらの成分である。
【0227】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、または15.0の量(乳濁液配合物の総重量に基づくセルロース含有粒子の重量%)で乳濁液中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約10重量%未満の量で乳濁液配合物中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0228】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、乳化可能組成物または配合物が、マヨネーズミックス、サラダドレッシングミックス、サンドイッチスプレッドミックス、ベジタブルスプレッドミックス、ビネグレットミックス、ミルクミックス、グレイビーミックス、またはコーヒー飲料ミックス、またはソースミックス(例えば、パスタソース、BBQソース、およびホットソースなど)であるか、またはこれらの成分である乳化可能組成物、例えばプリミックス配合物中に存在する。様々な態様では、乳化可能組成物は、粉末形態、顆粒形態、ペースト、または濃縮物である。そのようなミックスは、ミックスの製造者によりパッケージ化され、そのようなビネグレット、マヨネーズ、ペットフード(例えば、乾燥食品に水を注いた時に形成される「グレイビー」)などの家庭の個々の消費者、産業製造者、またはレストラン、給食業者、もしくは他の食品配給者といった第三者によりビネグレット、マヨネーズ、ドレッシングなどに調製されるものであることが想定される。
【0229】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40の量(乳化可能組成物または配合物の総重量に基づくセルロース含有粒子の重量%)で乳化可能組成物中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約10重量%未満の量で乳化可能組成物または配合物中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0230】
さらには、本明細書において開示されるセルロース粒子は、特に油/水乳濁液といった少なくとも部分的に非混和性の液体が組成物中で一緒に使用される任意の応用における乳濁液、または乳濁液の成分の安定化において用途を有することがあり、2つの非混和性の液体を含む組成物および配合物に関して上記に開示されるものと同じ量で使用することができる。そのような応用としては、例えば、医薬品(活性成分は、水に非混和性であるが、より好都合には水性担体配合物中で送達される液体であり得る);パーソナルケア製品または健康用および化粧用製品、例えば、美容製品(例えば、ファンデーション下地、口紅またはリップバーム、マスカラ、頬紅、アイシャドウ)、スキンケア製品、例えば、クリーム(例えば、ハンド、フェイス、および/またはボディクリームならびにモイスチャライザー/皮膚軟化剤、bbクリーム、ccクリーム、アイクリーム、アンチアクネセラムまたはクリーム、セルラーセラムまたはクリーム)、ローションまたは軟膏(例えば、皮膚用ローションまたは軟膏、例えば、アンチアクネローションまたはセルローションなど)、サンスクリーン剤製品、またはヘアケア製品(例えば、ヘアコンディショナー、シャンプー、ヘアジェル、ヘアスプレー、またはヘアダイ)、または練り歯磨き剤、歯ホワイトニング剤、またはフッ化物組成物;農業用製品、例えば、農薬、殺虫剤、殺傷剤、殺真菌剤、除草剤および肥料のための送達ビヒクルなど;疎水性ポリマーが乳濁形態(例えば、樹脂への水の添加による転化を介して形成されている)で安定化されている水性コーティング剤、例えば、水性アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、フッ素ポリマー、ワックスエマルションなど);産業用化学的添加物、例えば、塗料、コーティング剤、シーラント、コーキング剤およびインクのような配合物において使用されるシリコーン消泡剤、殺傷剤および着色剤など;例えば油井において使用されるような掘削液が挙げられる。様々な態様では、乳濁液は、地下処理用組成物(例えば、掘削液)であるか、もしくはこれらの成分であるか、もしくはそのような組成物もしくは掘削液が処理もしくは掘削において使用される時に現場で作製され;または金属加工液であるか、もしくは金属加工液の成分であるか、もしくは金属加工液が金属加工において使用される時に現場で作製され;または切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液であるか、もしくはこれらの成分であるか、もしくはそのような液体が、切断、プレス加工、研磨、減摩、冷却、もしくは潤滑においてそれぞれ使用される時に現場で作製される。様々な態様では、乳濁液は、レザーケア製品または靴用艶出し剤であるか、またはこれらの成分である。本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、一時的にせよ、少なくとも部分的に担体液中の非混和性の液体を安定化させることにより機能する任意の配合物、例えば、洗濯用洗剤、食器洗い機用の液体または固体、ドライクリーニング用配合物、産業用洗剤などにおいて(および上記に開示されるものと同じ量において)用途を有し得る。したがって、様々な態様では、乳濁液は、洗浄剤、食器洗い機用液体、食器洗い機用ペースト、洗濯用洗剤、洗濯用ペースト、液体生地コンディショナー、ノースプラッシュ漂白剤、便器クリーナーまたはドレンクリーナー、ドライクリーニング用洗浄配合物、または産業用洗浄液および洗剤であるか、またはこれらの成分である。
【0231】
様々な態様では、乳濁液は、例えば、飲料、スムージー、シェイク、シロップ、スープ、ブロス、ソース、マリネード、ドレッシング、グレイビー、パイフィリング、調味料、プディング、ペットフードまたはペットトリーツのような食用組成物であり得る。一部の食品についてより高い粘度は、多くの場合、肌理および食感に関するが、取扱いの簡便性が別の要因である。
【0232】
H.食品
様々な態様では、食品であって、食品が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、食品が開示される。
【0233】
プリベーク配合物中に油/水乳濁液を利用する調理済みまたは焼成食品としては、発酵または発酵可能食品、例えば、パン、ケーキ、スポンジプディングおよび様々な焼成食品などが挙げられ、焼成食品としては、例えば、マフィン、ブラウニー、パスタなどを挙げることができる。
【0234】
多くの調理済みまたは焼成食品は、配合物中に卵を含み、卵黄は、乳化剤として作用するレシチンを提供する。本明細書において記載されるように、セルロース含有粒子およびその組成物はまた、油/水乳濁液を安定化させることができ(実施例8)、我々の研究は、セルロース粒子が、油/水乳濁液が使用される多くの場合に卵置換添加物として機能できることを示す(例えば、実施例9~11を参照)。調理の際に卵白は凝固し、焼成食品に構造を提供する。セルロース粒子は、ケーキ、パン、および他の焼成食品にこの構造的完全性、凝集強度および弾性を提供するのを助ける。
【0235】
したがって、一態様では、発酵または発酵可能食品であって、発酵または発酵可能食品が、セルロース含有粒子であって;セルロース粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つ;約1~約1.5のアスペクト比;および非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、発酵または発酵可能食品が開示される。
【0236】
一態様では、発酵または発酵可能食品であって、発酵または発酵可能食品が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、発酵または発酵可能食品が開示される。
【0237】
様々な態様では、発酵または発酵可能食品は発酵食品であり、かつ、発酵食品は、ベーグル、マフィン、スコーン、パン、ピザ生地、クラッカー、ペストリー、パイ、ケーキ、ショートケーキ、カップケーキ、パンケーキ、ワッフル、スポンジプディング、ヨークシャープディング、ドーナツ、丸パン、ブラウニー、ブロンディ、ビスケット、クッキー、パスタ、麺、ペットフード、またはペットトリーツである。
【0238】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、または15.0の量(乾燥換算で調理済みまたは焼成食品の総重量に基づく粒子の乾燥固体の重量%)で、ベーグル、マフィン、スコーン、パン、ピザ生地、クラッカー、ペストリー、パイ、ケーキ、ショートケーキ、カップケーキ、パンケーキ、ワッフル、スポンジプディング、ヨークシャープディング、ドーナツ、丸パン、ブラウニー、ブロンディ、ビスケット、クッキー、パスタ、麺、ペットフードまたはペットトリーツなどの調理済みまたは焼成食品、例えば発酵食品中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、乾燥換算での調理済みまたは焼成食品の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約5重量%未満の量で調理済みまたは焼成食品中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0239】
様々な態様では、発酵または発酵可能食品は発酵可能食品であり、かつ、発酵可能食品は、ベーグルミックス、マフィンミックス、スコーンミックス、パンミックス、ピザ生地ミックス、クラッカーミックス、ペストリーミックス、パイミックス、ケーキミックス、ショートケーキミックス、カップケーキミックス、パンケーキミックス、ワッフルミックス、スポンジプディングミックス、ヨークシャープディングミックス、ドーナツミックス、丸パンミックス、ブラウニーミックス、ブロンディミックス、ビスケットミックス、クッキーミックス、パスタミックス、麺ミックス、穀粉組成物、またはこれらの生地(dough)である。
【0240】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、または40の量(乾燥換算で調理済みまたは未調理配合物の総重量に基づくセルロース含有粒子の乾燥固体の重量%)の、発酵可能食品、クッキー生地、パン生地、ピザ生地、丸パン生地、ドーナツ生地、パスタ生地、またはバッター、またはベーグル、マフィン、スコーン、パン、ピザ生地、クラッカー、ペストリー、パイ、ケーキ、ショートケーキ、カップケーキ、パンケーキ、ワッフル、スポンジプディング、ヨークシャープディング、ドーナツ、丸パン、ブラウニー、ブロンディ、ビスケット、クッキー、パスタ、もしくは麺などの乾燥もしくは部分乾燥ミックスのような未調理食品配合物中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、乾燥換算での調理済みまたは未調理食品配合物の総重量に基づいて、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約10重量%未満の量で調理済みまたは未調理食品配合物中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0241】
さらには、セルロース粒子はまた、組成物中の気体泡沫を安定化させ、発酵パン、焼成食品、およびパスタにおいて構造、凝集強度および弾性を提供する。そのような特性は、多くの場合、これらの焼成食品中の穀粉からのグルテンにより提供され、したがって、本明細書において示されるように(例えば、実施例10~11を参照)、セルロース粒子および組成物はまた、グルテンフリーの組成物中の構造発生を支持することができ、したがって、これらの系中のグルテンを置換し(必ずしも直接的な1:1の重量の置換ではない)、それによりグルテンフリーの焼成食品の配合物を可能とすることにおいて有用性を有し得る。集団の一部分は卵へのアレルギーを有し、集団の別の部分(重なり合うまたは重なり合わない)はグルテンへのアレルギーを有するので、エッグフリーかつグルテンフリーの焼成食品は、アレルゲンフリーと称されることがある。有利なことに、このように眺めた場合、セルロース粒子および組成物は、エッグフリー、グルテンフリー、またはアレルゲンフリーのパン、マフィン、ケーキ、ブラウニー、パスタなどのようなエッグフリー、グルテンフリー、またはアレルゲンフリーの食料品の配合および製造において有用性を有し得る。加えて、セルロース粒子を利用することにより満たすことができる、「グルテンフリー」および/または「ビーガン」を食する強くかつ成長している市場動向がある。
【0242】
様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース粒子を含む発酵または発酵可能食品は、エッグフリーである。様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース粒子を含む発酵または発酵可能食品は、グルテンフリーである。様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース粒子を含む発酵または発酵可能食品は、エッグフリーかつグルテンフリーである。様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース粒子を含む発酵または発酵可能食品は、アレルゲンフリーである。
【0243】
様々な態様では、セルロース粒子を含有する食品は、2000、1750、1500、1250、1000、900、800、700、600、500、400、300、200、150、100、50、20、または10の量(ppm)のアレルゲンを含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。アレルゲンは、卵、グルテン、大豆、またはナッツ、またはこれらの組合せなどの任意のアレルゲンであり得る。本明細書におけるアレルゲンの量はまた、製造物中のそのようなアレルゲンの総レベルを指すことができる。例えば、製造物は、20ppm未満の量の卵のようなアレルゲンを含んでよく;かつ/または、20ppm未満の量のグルテンのようなアレルゲンを含んでよい。製造物は、20ppm未満の量のアレルゲンの総レベルを含んでよい。
【0244】
本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、アイスクリーム中の成分としての用途を有する。アイスクリームは、水性糖溶液と共に、氷結晶、気泡およびクリームからの脂質小滴の共安定化を必要とする。アイスクリームは、したがって、同時に3つ全ての物質状態を含有し、泡および水乳濁液中の油の両方である。本明細書において開示されるように、セルロース粒子は、気泡を安定化させること、そしてまた水乳濁液中の油を安定化させることができる。本明細書において開示されるセルロース粒子を使用して調製されるアイスクリームは、商業的なアイスクリーム中に多くの場合に見出されるいかなる非天然の乳化剤も、一部のカスタードベースのアイスクリーム中に見出されるような卵成分も必要としない。セルロースにより安定化されたアイスクリームは従来のアイスクリームよりゆっくり溶けることがセルロース粒子を有しない同等のアイスクリームとの比較により見出された。これは例えば、アイスクリームを棒から食べている時にアイスクリームが服に落ちないので、エンドユーザーにとって重要性を有する。それはまた、製造から貯蔵までの時点、または貯蔵から消費者の家庭までの時点のいずれかにおける冷凍トラックからの輸送の間の重要性を有する。それらの時点において起こるあらゆる融解は氷結晶サイズに影響し、好ましい(小さい)氷結晶サイズは、単純に目的地において再冷凍することにより回復することはできない。アイスクリームのクリーミーな品質は非可逆的であり、そのような融解により負の影響を受ける。別の例/実施形態では、セルロース粒子を加えた時に多くの発酵および発酵可能製品中の脂肪(油またはバターの形態)の量を低減させることができ、次いでそれが、ベークド製品のカロリー含有量を低減させる。そのような脂肪は、部分的に、ベークド製品に水分を提供するためならびにベーキングの間および後に乾燥し過ぎることを防止するために加えられる。本明細書において記載されるセルロース粒子は高い水分含有量を有し、それは一般にベーキングの間に維持され、この目的のための脂肪の必要性を取り除く。
【0245】
したがって、粒子を含むアイスクリームであって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、アイスクリームもまた提供される。
【0246】
上記および他の研究において記載されるように、セルロース粒子を含有する組成物は、安定な水中気泡を支持することが見出されている。典型的に、安定な泡を形成させるために、レシチン、モノグリセリドまたはタンパク質のような界面活性剤が存在して、空気相と水性相との間の界面張力を低減させなければならない。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子は、これらの組成物中の界面張力を低減させ、気泡および泡を安定化させるための界面活性剤を提供するようである。この特性は、本明細書において開示されるような食品(例えば、パン、マフィンなど)中の気泡を安定化させることにより発酵および発酵可能食品において、ならびに本明細書において開示されるようなアイスクリーム中の気泡の安定化において有益であることが証明されている。そのような気泡安定化特性はまた、マシュマロ、ホイップクリーム、およびメレンゲなどのような他の食品の他に、以上のものを組み込んだ、またはより軽やかな肌理および/もしくは異なる食感を作るために「ホイップ」された(例えば、ムース、ホイップゼリーもしくはプディングデザートおよびヨーグルト)食品において、ならびにヘアケア、ローション、石鹸およびメークアップ「ムース」または「ホイップ」製品のようなパーソナルケア製品のような他の非食品において、有用性を有することがある。
【0247】
食品の文脈における本明細書において開示されるセルロース粒子の別の使用は、より低いカロリー含有量の食品を提供することである。本明細書において記載されるセルロース粒子を用いて製造された場合、類似の粘度、肌理および味であるがより低いカロリー摂取のヘーゼルナッツスプレッド(またはピーナッツバター、または一般にナッツバター)を提供することができる。ナッツバターは一般に高カロリー(高い脂肪/油含有量)であるが、高カロリー食品の文脈において比較的健康的である。本明細書において開示されるセルロース粒子は、油/水乳濁液を支持することができ、したがって、レシピへの水の添加を可能とすることができる。水の添加に起因する全体的な希釈にもかかわらず、セルロース粒子は追加的に濃化効果を有し、かつ混合物内の空間構造を支持するので、肌理、食感および味を維持することができる。さらに、油および脂肪中で揚げられるセルロース粒子を含む生地(例えば、ディープフライドーナツ)は、類似の様式で調理されたセルロース粒子を有しない類似の製造物と比較してより低いカロリー含有量を有する。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子の高い水分含有量およびセルロース粒子の水分保持特性は、脂肪を吸収するセルロース粒子を有しない他の生地と対照的に脂肪を寄せつけないと考えられる。したがって、カロリー摂取を低減させる(脂肪/油を含むナッツバター含有量を水に置換する)と同時に、コストを低減させる(同じ理由による)ことが可能である。
【0248】
したがって、粒子を含むナッツバター(例えば、ピーナッツバターまたはヘーゼルナッツスプレッドなど)であって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、ナッツバターもまた提供される。
【0249】
I.食肉製品
本明細書において開示されるセルロース粒子は、食肉製品中の添加物として使用することができる。様々な態様では、セルロース粒子は、脂肪置換剤、水分保持補助剤、肌理増進剤、食感増進剤、またはこれらの任意の組合せとして食肉製品中で使用することができる。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子は、消費者がこれらの製品において期待する期待される肌理および食感の維持を補助する食肉製品における水分保持機能を提供するようであるので、脂肪置換剤として使用することができる(例えば、実施例12Dを参照)。したがって、これらのセルロース粒子は、任意の公知の種類の肉、例えば、家禽肉(鶏肉、シチメンチョウ肉、コーニッシュゲームヘンなど)、牛肉、豚肉、ラム肉、ウサギ肉、鹿肉、水牛肉など、またはこれらの任意の組合せおよび伝統的な食肉製品に対するベジタリアン代替物(例えば、「べジ」バーガ―、ソーセージ、ナゲットなど)を含有し得る、ファットフリー、低脂肪、および/または低水分の食肉製品、例えば、ソーセージ、バーガ―、ホットドッグ、ジャーキー、ペットフードおよびペットトリーツなどの製造物において用途を有する。
【0250】
一態様では、食肉または食肉類似組成物であって、食肉または食肉類似組成物が、セルロース含有粒子であって;セルロース粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つ;約1~約1.5のアスペクト比;および非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、組成物が開示される。
【0251】
一態様では、食肉または食肉類似組成物であって、食肉または食肉類似組成物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、食肉または食肉類似組成物が開示される。
【0252】
様々な態様では、食肉または食肉類似物組成物は、牛肉、鶏肉、シチメンチョウ肉、豚肉、ラム肉、ウサギ肉、鹿肉、猟鳥肉、水牛肉、馬肉、植物タンパク質、発酵タンパク質、甲殻類(例えば、ホタテガイ、カニ、ロブスターなど)、魚肉、以上の模倣物、またはこれらの組合せをさらに含む。食肉または食肉類似物組成物は、植物タンパク質、例えば、エンドウ豆、ヒヨコ豆、ビーンズ、レンズ豆、豆果、マッシュルーム、大豆、ピーナッツ、菜種粕、穀類(例えば、キノア)などおよびこれらの組合せをさらに含み得る。食肉または食肉類似物組成物は、発酵タンパク質、例えば、豆腐またはクォーンなどをさらに含み得る。
【0253】
様々な態様では、食肉または食肉類似物組成物は、ソーセージ、バーガ―、ケバブ、ジャイロ、シャワルマ、パティ、ケーキ、ローフ、ナゲット、ストリップ、ホットドッグ、デリ製品、ジャーキー、ペットフード、ペットトリーツ、加工肉、乳化肉、またはこれらの組合せ、またはこれらの模倣物の形態であり、かつ、食肉または食肉類似物組成物は、牛肉、鶏肉、シチメンチョウ肉、豚肉、ラム肉、馬肉、水牛肉、鹿肉、子牛肉、猟鳥肉、家禽肉、植物タンパク質、発酵タンパク質、甲殻類、魚肉、またはこれらの組合せ、またはこれらの模倣物を用いて作られている。
【0254】
多数の食肉製品は、特異的により高い脂肪含有量を組み込む(または単純に脂肪を加える)ためにより低グレードのまたは切断された食肉成分を意図的に含む。これはより低コストの成分を提供するが、別の主な理由は、加湿成分、および味わいを与えることができる肌理、良好な食感、および/または味を増進させる香味を実際に加えることである。例えば、一部の鶏肉製品では、100%の鶏胸肉と比較して向上した肌理および食感を与えるために鶏胸肉とブレンドしたリブ肉が使用される。しかしながら、多くの消費者は、脂肪含有量を除去しまたは置換するより健康的な代替物を求めており、したがって、幾分よりジューシーでありかつ咀嚼がより容易なものとすることができれば、100%の胸肉または類似の白身肉部分を好む。したがって、本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、それらは例えば(理論により縛られることを望まないが)、消費者がこれらの製品において期待する期待される肌理および食感の維持を補助する食肉製品における水分保持機能を提供するので、脂肪置換用添加物、水分保持用添加物、肌理増進用添加物、食感増進用添加物、またはこれらの任意の組合せとしてこの種類の食肉製品における用途を有し得る。そのような食肉製品は、例えば、ナゲット、バーガ―、ローフ、デリ製品、ケーキ、ジャイロ、シャワルマ、ストリップ、パティ、ベーコン、ジャーキー、ホットドッグ、ペットフード、ペットトリーツ、および他の食肉加工品または模倣物の形態をとり得る。
【0255】
様々な態様では、本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、他の種類の食肉製品(すなわち、食肉の他の切断片から作られた食肉製品)において用途を有し得る。そのような食肉の切断片としては、食肉の切断片が、「より健康的」または「より安価」の利益をなおも有しながら、食肉の他の切断片の肌理、水分、および食感を提供する脂肪含有量(または霜降り)を有しない牛肉および豚肉切断片(例えば、豚切り身、リブアイ、ロースト)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0256】
様々な態様では、本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10.0、10.5、11.0、11.5、12.0、12.5、13.0、13.5、14.0、14.5、または15.0の量(その未調理形態の食肉製品の総重量に基づく粒子の重量%)で食肉製品(上記)、食肉模倣物または食肉類似物(例えば、バーガ―、ホットドッグ、ナゲットなどの形態の豆腐、テンペ、セイタン、ビーンズ、豆果、穀類、またはこれらの組合せを含むベジタリアンまたはビーガン製品)中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約5重量%未満の量で食肉製品または食肉類似物中に存在し得る。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。様々な態様では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。
【0257】
J.油および掘削への応用
さらなる態様では、組成物であって、(a)液体;および(b)液体中に懸濁されたセルロース粒子を含み、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し、約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、組成物が開示される。そのような組成物は、例えば、地下処理用組成物、例えば、掘削液(または「掘削泥」)、フラクチャリング液、ウェルコントロール液、ウェルキル液(well kill fluids)、ウェルセメンティング液、酸フラクチャリング液、酸ダイバーティング液、刺激液、砂コントロール液、仕上げ液、坑内地固め液、レメディエーション処理液、スペーサー液、フラクチャリングパッキング液(frac-packing fluids)、水適合液(water conformance fluids)、砂利パッキング液、およびこれらの混合物として有用である。そのような組成物の他の非限定的な用途としては、マシニングまたは加工用組成物、例えば、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液、またはこれらの成分などが挙げられる。
【0258】
様々な態様では、液体およびセルロース粒子を含む組成物は、熱的に安定である。例えば、組成物は、280、285、290、295、300、305、310、315、320、325、330、335、340、345、350、355、360、365、370、375、380、385、390、395、400、405、410、415、420、425、430、435、440、445、450、455、460、465、470、または475の温度(°F)において安定である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。したがって、理論により縛られることを望まないが、様々な態様では、組成物の性能的利点(例えば、レオロジーおよび粘度)は、温度の増加により概ね影響されないままである。
【0259】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む組成物は、様々な生理食塩水環境中で安定である。例えば、約100g/L、150g/L、200g/L、250g/L、300g/L、350g/L、400g/Lまたは450g/Lより大きい塩分を有する環境中の組成物の粘度は、約90g/L、80g/L、70g/L、60g/L、50g/L、40g/L、30g/L、20g/L、または10g/Lの塩分を有する環境中の組成物の粘度におおよそ等しい。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0260】
地下処理における酸の有効性を向上させるために炭化水素を用いて酸を乳化させることが時に必要である。そのような液体、または液体およびセルロース粒子を含む組成物は、-1、-0.5、0、0.5、1、1.5、2、2.5、または3のpHを有し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0261】
あるいは、液体、または液体およびセルロース粒子を含む組成物は、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、または12のpHを有し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0262】
さらなる態様では、液体およびセルロース粒子を含む組成物は、増粘剤をさらに含む。またさらなる態様では、増粘剤は、無機増粘剤である。無機増粘剤の例としては、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト、混合金属水酸化物、混合金属酸化物、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。いっそうさらなる態様では、増粘剤は、有機増粘剤である。有機増粘剤の例としては、キサンタンガム(xantham gum)、デュータン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カルボキシメチルデンプン、ウェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、多糖オリゴマーおよびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。増粘剤は、0.001、0.01、0.1、0.5、1.0、5、または10の量(重量%)で存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0263】
様々な態様では、組成物は、セルロース粒子を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および増粘剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より少なくとも10%大きい粘度を有する。
【0264】
さらなる態様では、組成物は、熱安定化剤をさらに含む。熱安定化剤の例としては、酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、クエン酸、ジエタノールアミン、グリオキサール、ギ酸塩溶液、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。熱安定化剤は、0.1、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、または10の量(組成物の総重量に基づく重量%)で存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0265】
様々な態様では、組成物は、添加物をさらに含む。添加物の例としては、フライアッシュ、火山灰、シリカ化合物、液体損失制御用添加物、乳化剤、ラテックス、分散剤、促進剤、抑制剤、クレイ、潤滑剤、石灰、塩、雲母、砂、繊維、形成含有剤(formation containing agents)、フュームドシリカ、ベントナイト、マイクロスフェア、炭酸塩、バライト、ヘマタイト、エポキシ樹脂、硬化剤、クロスリンカー、殺傷剤、界面活性剤、活性化剤、安定化剤、破壊剤、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。添加物の追加の例としては、腐食阻害剤、極圧添加物、抗霧剤、乳化剤、アルカノアミン、殺傷剤、安定化剤、分散剤、消泡剤、着色剤、染料、付臭剤、塩素化化合物、硫化化合物、フレグランス、増量剤、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。添加物は、0.1、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、25、30、35、40、45、50、55、または60の量(組成物の総重量に基づく重量%)で存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0266】
さらなる態様では、組成物は、抗菌剤を実質的に含まない。したがって、様々な態様では、組成物は、(組成物の総重量に基づく重量%で)1、0.5、0.25、0.1、0.05、0.01、または0.00の抗菌剤を含む。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0267】
様々な態様では、組成物は、地下処理用組成物である。地下処理用組成物の例としては、掘削液(または「掘削泥」)、フラクチャリング液、ウェルコントロール液、ウェルキル液、ウェルセメンティング液、酸フラクチャリング液、酸ダイバーティング液、刺激液、砂コントロール液、仕上げ液、坑内地固め液、レメディエーション処理液、スペーサー液、フラクチャリングパッキング液、水適合液、砂利パッキング液、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。さらなる態様では、組成物は、掘削液である。さらなる態様では、組成物は、金属加工液である。さらなる態様では、組成物は、切断液である。さらなる態様では、組成物は、プレス加工液である。さらなる態様では、組成物は、研磨液である。さらなる態様では、組成物は、減摩液である。さらなる態様では、組成物は、冷却液である。さらなる態様では、組成物は、潤滑液である。
【0268】
いくつもの例示的な組成物の非排他的なリストを以下の表iに示す。

【0269】
様々な態様では、開示される組成物は、(セルロース粒子に加えて)液体を含む。液体の例としては、水、油、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0270】
さらなる態様では、液体は、増量剤を含む。増量剤の例としては、バライト、ヘマタイト、炭酸カルシウム、イルメナイト、四酸化マンガン、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0271】
掘削液のために使用される組成物は、典型的に、掘削されている井戸の特性に応じて特定の密度を有する。典型的に、密度は、純水の密度より高い(すなわち、1atmおよび4℃において1000g/Lより高い)。所望の密度を得るために、不溶性のより重質の固体を加えることにより組成物を「スラリー」に変えることができる。しかしながら、不溶性固体を液体に加えるにつれて、スラリーの掘削特性、最も著しくは塑性粘度(PV)は、劣化し得る。不溶性の重み固体を加える代わりに、安価な、可溶性の成分を加えて、塑性粘度のより望ましい値を維持しながらある程度の利益を得ることができる。しかしながら、一部の態様では、不溶性の重み固体を用いることが望ましいことがある。一部の態様では、可溶性および不溶性の両方の重み成分を用いることが望ましいことがある。例示的な密度を以下の表iiに示す。他の塩水は、1atmにおいて2500g/Lに迫り得る。

【0272】
典型的に、溶質のコストと可能な掘削速度との間で均衡が図られる。所望の液体密度が増加するにつれて、より一般的でない溶解塩を加える代わりに増量剤の粒子を加えることがより容易となる。しかしながら、不溶性固体を使用できない(または使用するべきではない)場合に重質の塩水もまた使用することができ、そのような場合としては、例えば、実際の石油形成への掘削の直前であり、その理由は、穴が小さい重み粒子により塞がれる場合、形成が負に影響され得るためである。
【0273】
したがって、様々な態様では、液体は、720、740、760、780、800、820、840、860、880、900、920、940、960、980、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、または2000の密度(g/L)を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0274】
さらなる態様では、液体は、約1atmの圧力および4℃における水の密度(すなわち、約1000g/L)とおおよそ等しい密度を有する。またさらなる態様では、液体は、水の密度より高い密度を有する。例えば、液体は、水の密度より10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100%高い密度(%)を有する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。いっそうさらなる態様では、液体は、水の密度より80%を超えて高い密度を有する。顕著なことに、セルロース粒子を含む組成物は、密度剤などの使用により影響されず、むしろ、そのような組成物は、これらの添加物と共に予想されるように機能する。
【0275】
さらなる態様では、液体は、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または99の量(組成物の総重量に基づく重量%)で存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0276】
さらなる態様では、液体は、水を含む、からなる、またはから本質的になる。一部の態様では、液体は、水である。水系の液体は、非水性液より一般に安価であるが、水系の液体は、非水性液より高い固有の流動性を有するので、典型的に、掘削の間のモニターがより必要とされる。真の「水」の液体は、純水に近いことを必要とする。掘削場所への水の輸送は課題であり得るか、または高価であり得るので、多くの場合に井戸または海水からの地域の供給水を使用することが一般的である。これは、多くの場合、塩および/または鉱物含有溶液を結果としてもたらすが、真水を利用可能な場合、それもまた使用することができる。
【0277】
したがって、様々な態様では、液体(例えば、水)は、塩をさらに含む。例えば、液体は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48、50、52、54、56、58、60、62、64、66、68、70、75、または80重量%の量(液体の総重量に基づく重量%)の塩をさらに含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。一部の態様では、水は、80重量%より多くの塩をさらに含む。
【0278】
塩は、例えば、第I族、第II族、または第XVII族元素、またはこれらの任意の組合せを含有し得る。さらなる態様では、塩は、ナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、マグネシウム塩、酢酸塩、およびギ酸塩およびこれらの混合物から選択される。塩の例としては、NaCl、CaCl2、CaBr2、ZnCl2、ZnBr2、KCl、KBr、NaBr Na(OC(O)CH)、Na(OC(O)H)、K(OC(O)CH)、K(OC(O)H)、およびCs(OC(O)H)、およびこれらの混合物が挙げられる。
【0279】
またさらなる態様では、液体(例えば、水)は、塩で飽和している(すなわち、液体は塩水である)。塩水と関連付けられる高い浸透圧に起因して、それらは、掘削を行う時に水を岩石に「手放す」可能性が低い。簡潔に述べれば、岩石は、掘削液から水を吸収できる場合、膨張する。掘削液中に適切な(高い)浸透圧を維持することにより、ドリルパイプへの岩石形成の膨張およびパイプの詰まりを引き起こす可能性がより低くなる。さらに、塩水は内在的に水の凝固点を低下させ、したがって、塩水は、表面上にある間に凍結しないので、凍結温度付近での掘削をより容易にする使用例がある。
【0280】
さらなる態様では、液体は、油を含む、からなる、またはから本質的になる。一部の態様では、液体は、油である。油の例としては、炭化水素油、シリコーン、およびハイドロシリコーンオイルが挙げられるがこれらに限定されない。非水性液は、より高価であり、かつ環境に対してより大きな負の影響力を潜在的に有し得るが、固有の使用上の問題がより小さく(「設置し、忘れる」という心的状態で使用できる)、掘削中により許容性である。例えば、非水性液は、高い熱安定性、向上した潤滑特性を有し(水性液と比較して)、井戸が掘削されている時に岩石を「湿らせ」ない。これは、異なる機序を介するが上記の塩水を用いる状況と類似して操作を安定化させるので、ある特定の種類の岩石(例えば、シェール)において有利であり得る。理論により縛られることを望まないが、油は岩石を物理的にコーティングして水がそれに達するのを防止することが想定される。残念なことに、非水性液は、より低い温度では、「ゲル化」して、注いで流れさせることが困難なことがあるので(冷環境中でのディーゼルと類似した問題)、問題を有し得る。
【0281】
様々な態様では、液体(例えば、油)は、石灰をさらに含む。例えば、液体(例えば、油)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15の量(液体および石灰の総重量に基づく重量%)の石灰をさらに含み得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。石灰は、pHを高いpHに生来的に推進する。一部の例では、石灰は、非水性液中で一般的な乳化剤として働くカルシウム石鹸の作製を助けるために加えることができる。
【0282】
さらなる態様では、液体は、水と油との混合物である。またさらなる態様では、水は、塩(本明細書において上記に開示される任意の量)をさらに含む。いっそうさらなる態様では、水は、塩で飽和している(すなわち、塩水)。いっそうさらなる態様では、水は、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、25、30、35、40、または45の量(液体の総重量に基づく重量%)で存在し、かつ、油は、55、60、65、70、75、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、または99の量(液体の総重量に基づく重量%)で存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、一部の態様では、水は、1重量%~45重量%の任意の量で存在し、かつ、油は、55重量%~95重量%の任意の量で存在し、これらの全ては液体の総重量に基づく。
【0283】
いっそうさらなる態様では、水は、1、2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、または25の量(組成物の総重量に基づく重量%)で存在し、かつ、油は、75、76、78、80、82、84、86、88、90、92、94、95、96、97、98、または99の量(組成物の総重量に基づく重量%)で存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、一部の態様では、水は、1重量%~25重量%の任意の量で存在し、かつ、油は、75重量%~95重量%の任意の量で存在し、これらの全ては組成物の総重量に基づく。
【0284】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む開示される組成物(例えば、掘削液、プレス加工液など)中のセルロース粒子は、本明細書の他の箇所において記載されるものと同じセルロース粒子である。
【0285】
セルロース粒子および液体を含む組成物において、セルロース粒子は、典型的に、0.5、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30の量(組成物の総重量に基づく重量%)で組成物中に存在する。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0286】
様々な態様では、セルロース粒子は、セルロース粒子を含まないそれ以外は同一の組成物と比較して組成物の様々な特性を向上させるために充分なレベルで組成物(液体も含む)中に存在する。例えば、セルロース粒子は、塩/塩水、増量剤、およびアルカリ性および酸性pH調整のような、そのような液体において使用される典型的な成分の存在下で粘度、熱安定性、乳化特性、またはこれらの任意の組合せを向上させるために充分なレベルで存在し得る。
【0287】
例えば、様々な態様では、セルロース粒子は、組成物の粘度を、セルロース粒子を含まないそれ以外は同一の組成物の粘度と比較してX%増加させるために充分なレベルで存在し、Xは、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、120、150、200、250、300、350、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、3000、4000、5000、6000、7000、または8000である。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。
【0288】
一態様では、液体およびセルロース含有粒子を含む組成物を製造する方法が開示される。一態様では、組成物を製造する方法であって、方法が、(a)液体;および(b)セルロース含有粒子を合わせることであって、粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し、約1~約1.5のアスペクト比を有し、かつ非球形を有し、かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、合わせることにより組成物を形成させることを含む、方法が開示される。
【0289】
一態様では、液体およびセルロース含有粒子を含む組成物を製造する方法が開示される。一態様では、組成物を製造する方法であって、方法が、(a)液体;および(b)粒子を合わせることであって、粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、合わせることにより組成物を形成させることを含む、方法が開示される。
【0290】
さらなる態様では、液体およびセルロース粒子を含む組成物は、例えば、掘削液が掘削において使用される時に現場で調製される。例えば、セルロース粒子(乾燥または液体中のいずれか)は、現場で液体と混合され、特定の応用(例えば、掘削泥または液体)において直ちに使用され、これは、液体およびセルロース粒子を含む組成物が現場外で調製された後、現場に輸送されることとは対照的である。そのような現場での混合は、本明細書において記載されるセルロース粒子を既存の組成物(そのような既存の組成物は、井戸の掘削において使用される掘削液のようなその意図する目的のために既に使用されているものであるか、またはそのようなものではない)への添加物として使用することを含み、それにより、液体および本明細書において記載されるセルロース粒子を含む組成物が作製される。一部の態様では、しかしながら、液体およびセルロース粒子を含む組成物は、現場外で調製され、現場に輸送される。
【0291】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む開示される組成物は、地下処理用組成物として有用である。地下処理用組成物は、様々な方法での地下形成物において使用され得る。例えば、地下処理用組成物は、地下形成物においてボアホールを掘削するため、地下形成物において井戸ボアを刺激するため、または地下形成物において井戸ボアをクリーンアップするための他に、多数の他の目的のために使用され得る。
【0292】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む組成物は、掘削液、フラクチャリング液、ウェルコントロール液、ウェルキル液、ウェルセメンティング液、酸フラクチャリング液、酸ダイバーティング液、刺激液、砂コントロール液、仕上げ液、坑内地固め液、レメディエーション処理液、スペーサー液、フラクチャリングパッキング液、水適合液、および砂利パッキング液、またはこれらの組合せから選択される。
【0293】
様々な態様では、地下処理用組成物は、掘削液である。掘削液は、一般的に、地下形成物において井戸ボアの掘削との関連で使用される。掘削液は、特に、ドリルビットを冷却するため、回転ドリルパイプを潤滑して、それが井戸ボアの壁に付着するのを防止するため、静水頭として機能して高圧力形成液体の井戸ボアへの突然の流入に対抗することにより噴出を防止するため、および井戸ボアからドリル切断片を除去するために使用することができる。
【0294】
様々な態様では、地下処理用組成物は、フラクチャリング液である。フラクチャリング液は、典型的に、油およびガス回収を増進させるように割れ目を作製しかつリザーバーの表面積を広げるために井戸に注入される。これらの誘導された割れ目は、地下形成物から油または天然ガスを回収するために操作者により使用される経路を作製する。
【0295】
セルロース粒子のスラリー(本明細書の他の箇所において記載される)は、典型的に、温度の増加につれて増加した粘度を示す粘性のずり減粘材料である。理論により縛られることを望まないが、理想的な掘削液は、休止(すなわち、低またはゼロせん断)時に比較的高い粘度を、流れ(すなわち、高せん断)下で低い粘度を提供する。低せん断領域における高い粘度は、ドリル切断片を懸濁状態に維持し、かつそれらを掘削場所において井戸の底から固体制御機器へと送達する能力を掘削液に提供する。高せん断領域における低い粘度は、ドリルビットを通じて液体をポンプできる速度を支配し、より高い流速はより高い掘削速度に繋がり、これは、掘削のための時間を低減させ、そして掘削のためのコストを低減させ、経済的な向上に繋がる。セルロース粒子は、理想的な掘削液において所望される低い塑性粘度を実証する。
【0296】
掘削液レオロジーについてのさらなる課題は、ゼロせん断(すなわち、流れなし)において濃化してゲル化するが、液体がポンプされる必要があると容易にゲルから分解して再び流れる液体となる液体の能力である。理論により縛られることを望まないが、理想的な掘削液は、ポンピングが停止されると迅速にゲル化し、掘削された固体を懸濁状態に保持するが、大き過ぎる必要とされる超過圧力は掘削されている穴を割ってしまうことがあるので、ポンピングが再開された時に、理想的な液体は、ポンピングを再開するために必要とされる非常にわずかな超過圧力を有する。この挙動は、「低い、平坦なゲル」と称され、これは、克服するために低いエネルギー、および挙動が時間と共に変化しない(すなわち、ビルドアップ挙動は「平坦」である)ことを指し示す。掘削液のレオロジーは、典型的に、ビンガム塑性モデルを使用して表され、理想的な掘削液は、低い塑性粘度および扱いやすい降伏点を有する。本明細書において記載されるようなセルロース粒子および液体を含む組成物は、この望ましいレオロジープロファイルを提供することができる。
【0297】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む組成物は、増粘剤をさらに含み得る。そのようなセルロース粒子は、増粘剤と合わせた後、本明細書において記載される様々な使用のための液体と合わせることができる。さらなる態様では、そのような組合せは、本明細書において上記に議論されるような相乗的な濃化性のような相乗効果を結果としてもたらすことができる。例えば、相乗効果は、セルロース粒子を無機増粘剤と合わせることにより達成することができ、無機増粘剤としては、ベントナイト、ラポナイト、合成ヘクトライト、天然ヘクトライト、混合金属水酸化物、および混合金属酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。あるいは、相乗効果は、小粒子サイズセルロース粒子を有機増粘剤と合わせることにより達成することができ、有機増粘剤としては、キサンタンガム、デュータン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、および多糖オリゴマーが挙げられるがこれらに限定されない。この特有の特性は、掘削の位置に基づいて組成物の粘度プロファイルを調整することを可能とする。
【0298】
水ベースの掘削液は、生物由来材料のホストと共に配合されており、生物由来材料としては、グアーガム、キサンタンガム、およびデュータンの他に、デンプン、セルロース、およびこれらの改変物が挙げられるがこれらに限定されない。これらの生物由来材料は、300°Fより高い温度において掘削液中で熱的に分解するという共通の欠点を共有する。典型的に、井戸の掘削は、285°F~350°Fおよびそれより高い範囲内の温度である場合に「高温」を有すると考えられる。一部の場合、井戸の掘削は、450°Fの高さまで達することがあるが、より高い温度を聞かないこともない。温度限界をわずかに増加させるために熱拡張剤を適用することができる。したがって、約300°Fより高い固有の熱安定性を有する掘削液が望ましく、その理由は、典型的に水ベースの掘削液より熱的に安定であるが、より高価かつ環境に対してより大きな負の影響力を有し得る非水性(または「逆乳濁液」)掘削液を使用する必要性を防止し得るためである。
【0299】
本明細書において記載されるセルロース粒子は、設計により超臨界水中での浸漬を生き延びた。さらに、そのような粒子は、高度に結晶性の構造を有する。したがって、様々な態様では、セルロース粒子を含む組成物は、本明細書の他の箇所に定義されるように熱的に安定である。例えば、小粒子サイズセルロース粒子を含む組成物は、少なくとも約375°F(例えば、375°F、400°F、425°F、450°F、475°F、または500°Fより高い)の温度において熱的に安定であり得る。様々な態様では、セルロース粒子を含む組成物は、代替的なバイオポリマーを含む組成物より熱的に安定である。さらに、開示される組成物の熱安定性は、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、モノエタノールアミン(MEA)、クエン酸、ギ酸塩溶液(Na、K、Cs)、およびこれらの組合せのような熱安定化剤の添加によりさらに向上させることができる。
【0300】
一般的に利用可能な増粘剤は、環境中に天然に存在する微生物により負の影響を受けるが、セルロース粒子中に存在するβ(1->4)-グリコシド結合は、はるかにより安定である。一部の微生物はセルロース結合を破壊することができるが、これらの微生物は、セルロースの有効性に影響する天然環境中の適切な条件において遭遇する頻度は低く、したがって、セルロースの消化の時間的長さは、他の一般的な増粘剤よりはるかに長い。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子に曝された時に細菌は成長も死亡もしないという点でセルロース粒子は静菌性である。さらに、材料中の小量のリグニンの存在は、微生物汚染があっても液体がその有用な特徴を保持するので抗菌処理が必要とされないことがある点で、微結晶セルロースのようなセルロースのみの材料に対する追加の利益を付与し得る。したがって、理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子ベースの液体は、材料の長期安定性に起因して非水性または水系の液体について再使用/リサイクルの機会(本開示までは、主に非水性液が保有していた機械)を可能とすることができる。
【0301】
生理食塩水環境は、油およびガスを探査するプロセスにおいて異なる時点および場所において遭遇される。水ベースの掘削液は、典型的に、液体の基礎として掘削位置を局地的に供給源とする水を利用する。局地的に利用可能な水を使用することにより、掘削液の作製に関する供給用の輸送コストを低減させることが可能である。この水は溶解鉱物が低いことがあるが、典型的に、ppmから飽和近くまでの範囲内の濃度で1つまたは別の種類の塩により汚染されている。一部の場合には、井戸掘削作業の必要条件に起因して掘削液の重量を増加させるための安価な方法として塩が加えられる。可変的水化学組成は、掘削液中の添加物に深遠な影響力を有し得る。セルロース粒子ベースの組成物は、様々な一価および二価の塩水溶液を使用する代替的な技術と比較して向上したレオロジー性能を実証する。したがって、様々な態様では、セルロース粒子ベースの組成物は、溶解鉱物の存在により実質的に影響されないままである。様々な溶解塩、塩堆積物、および塩水層に掘削中に遭遇し得るので、これは極めて有益な特性である。
【0302】
油およびガス作業において、特定の目標を達成するために一時的または永久的に液体特性を改変するために液体のpH調整を伴う一般的な行為があり、酸性化およびアルカリ化の処理は充分に確立されている。例えば、製造のために井戸を準備する時にこれに遭遇し、掘削要員は、典型的に、HClを用いて炭酸カルシウム汚染物を溶解させて、井戸ボアから「スケール」を除去し、それにより、炭化水素が地下チャンバーを出て表面に向かうことがより容易となる。別の例は、掘削中に遭遇する酸性流入物に対して緩衝液を維持するための掘削液への連続的なアルカリ添加である。最も一般的に利用可能な増粘剤について、単純にpHを変更することにより粘度または増粘剤を改変することはできない。さらに、ベントナイトのような多くの安価な無機増粘剤は、「ペイゾーン」の掘削のために使用された場合、(穴を塞ぐことを介して)製造物形成を非可逆的に損傷し、またpH変化は、穴を解放しかつベントナイトを除去するために使用することができない。これは、炭化水素含有区画を含まない井戸の部分を除いて、それらの使用を不可能にする。対照的に、小粒子サイズセルロース粒子を使用する場合、単純に混合物のpHを変化させることにより粒子の増粘特性を改変することができ、かつさらなるpH操作により粒子を溶解させることができる。したがって、様々な態様では、小粒子サイズセルロース粒子は、非損傷性の増粘剤である。さらには、掘削組成物中の液体を有する小粒子サイズセルロース粒子の使用に加えて、小粒子サイズセルロース粒子のより濃縮した「ピル」または厚いスラリーを、特定の井戸作業のために井戸中にポンプした後、作業後のpH調整を使用して溶解させることができる。
【0303】
有益なレオロジー特性に加えて、セルロース粒子はまた、有用な乳化剤として機能する。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子の塩分寛容性および熱抵抗性は、非水性/逆乳濁液の掘削液用の乳化剤としてのその使用を可能とする。セルロース粒子は、伝統的な界面活性剤、ミセル状、または層状乳化剤としてよりむしろピッカリングエマルション安定化剤として機能するので、開示される粒子を用いて形成される乳濁液は、様々な応用(例えば、苛酷な熱環境、特有の化学組成など)において多くの利点を与えることができる。非水性液の乳化に加えて、本明細書において詳述される他の特徴もまた、非水性液中で全的に期待される。したがって、セルロース粒子のピッカリング乳化特性は、油およびガス井戸の炭化水素含有ゾーンにおいて岩石を溶解させるための油およびガス作業において使用される酸処理のための特有の乳化剤および/または濃化剤としてのその使用を可能とする。セルロース粒子はまた、懸濁補助剤および/または濃化剤として作用し得る。
【0304】
様々な態様では、液体およびセルロース粒子を含む開示される組成物は、井戸ボア強化材料(WSM)として有用である。掘削処理の間、区別的な壊れやすさを有する様々な地質学的形成物に遭遇することが一般的である。これらの形成物を掘削する時に、液体の選択および作製に関して注意して、掘削作業が影響される程度まで井戸ボアが損傷しないことを確実にしなければならない。これらの状況において掘削機会を向上させるための一般的な方法は、いわゆる井戸ボア強化材料(WSM)の添加である。これらの添加物は、名前の通り、井戸ボアとの数多くの異なる相互作用(主に物理的、化学的、熱的、および機械的)を介して井戸ボアを強化することができる。様々な態様では、セルロース粒子のサイズに起因して、セルロース粒子は、典型的なWSMでは不可能なことがある位置まで移動することができる。この特有のサイズ形成により、ユーザーは、現行の材料が適さない追加の強度を提供することができる。さらに、井戸ボア強化についての試験は、法外に高価であるが、小粒子サイズセルロース粒子についての粒子サイズデータおよび電子顕微鏡法データは、ユーザーが、WSMとして材料を加えることの結果を正確に予測することを可能とし得る。
【0305】
理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子についての他の油およびガス関連の使用もまた想定され、これには、フラクチャリングのために使用される配合物(セルロース粒子を含む組成物の固体運搬能力はグアーガムと相乗作用することが示されている)、仕上げ液(セルロース粒子の非リザーバー損傷特徴を利用することができる)、およびセメント形成作業(セルロース粒子は、コンクリートおよび/またはアスファルト混合物に、向上した特性、例えば、硬化、強度、ポンプ可能性、および許容性を付与する)におけるものが含まれるがこれらに限定されない。
【0306】
様々な態様では、液体およびセルロース粒子を含む開示される組成物は、金属加工用組成物として有用である。金属加工用組成物は、一般的に、例えば、調理台、フローリング、彫刻、道路、および歩道におけるような、例えば、金属ワークピース、岩石、石、コンクリート、道路、およびアスファルトを冷却および/または潤滑するための摩砕、ミーリング、マシニング、研磨および切断において使用される。具体的には、金属加工用組成物は、切断ツールとワークピースとの間の熱および摩擦を低減させ、かつ燃焼および発煙の防止を助ける。理論により縛られることを望まないが、金属加工用組成物はまた、使用されているツールおよびワークピースの表面から微細物、チップ、および削り屑(すなわち、切断ツールによりワークピースから除去される金属の小片)を連続的に除去することによりワークピースの品質を向上させるのを助けることができる。開示される金属加工用組成物の有益な特性としては、特に、地下処理用組成物に関して開示される特性が挙げられることが理解される。
【0307】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む開示される組成物は、切断用組成物として有用である。切断用組成物は、特に、ツール寿命を向上させるため、ワークピースの熱変形を低減させるため、表面仕上げを向上させるため、および切断ゾーンからチップをフラッシュ除去するためなどの様々な理由により金属マシニングにおいて使用される。具体的には、切断用組成物は、境界面を冷却および潤滑することによりツールの刃先と金属との境界面における摩擦を防止する。開示される切断用組成物の有益な特性としては、特に、地下処理用組成物に関して開示される特性が挙げられることが理解される。
【0308】
様々な態様では、セルロース粒子および液体を含む開示される組成物は、プレス加工用組成物として有用である。プレス加工用組成物は、典型的に、金属の切断(生地に対するクッキーカッター、または紙に対する穴開けパンチと同様の方法にて)、曲げ、ストレッチ、および成形操作において潤滑および冷却を提供するために使用される。開示されるプレス加工用組成物の有益な特性としては、特に、地下処理用組成物に関して開示される特性が挙げられることが理解される。
【0309】
一態様では、地下形成物を処理する方法であって、方法が、開示される組成物を地下形成物に導入することを含む、方法が開示される。一態様では、地下形成物を処理する方法であって、方法が、セルロース含有粒子を地下形成物に導入することを含み、粒子が、本明細書の他の箇所において開示される粒子の特徴のいずれかを有し、例えば、粒子が、(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、方法が開示される。
【0310】
様々な態様では、方法は、液体を地下形成物に導入することをさらに含む。したがって、液体およびセルロース粒子は、地下形成物への導入の前に予備混合される必要はない。
【0311】
様々な態様では、方法は、さらなる液体を地下形成物にその後に導入することをさらに含む。したがって、追加の液体は、セルロース粒子を含む開示される組成物が形成物に既に導入された後に形成物に加えられ得る。これは、例えば、本明細書において上記に詳述されるような組成物の特性を調整するために、望ましいことがある。
【0312】
さらなる態様では、セルロース粒子および液体は、同時に導入される。またさらなる態様では、セルロース粒子および液体は、逐次的に導入される。
【0313】
極圧、高温、連続的な高速度、および/または汚染の環境は、金属加工作業、プラスチック作業、または石造物作業のいずれの間であれ、システムに激しい要求を生じることがあるが、他の同様の作業環境もまた想定される。そのような状況下、システムの成分の潤滑が多くの場合に必要とされ、または、システムの成分の冷却が多くの場合に必要とされる。したがって、様々な態様では、開示される組成物は、システムの成分、例えば、金属、プラスチック、または石造物構築材料を潤滑または冷却するために使用することができる。
【0314】
一態様では、基材を潤滑する方法であって、方法が、基材に液体およびセルロース粒子を含む本明細書において開示される組成物を塗布することを含み、基材が、金属、プラスチック、および石造物構築材料から選択される、方法が開示される。
【0315】
さらなる態様では、基材は、プラスチックである。
【0316】
さらなる態様では、基材は、石造物構築材料である。石造物構築材料の例としては、コンクリート、セメント、アスファルト、れんが、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0317】
さらなる態様では、基材は、金属である。
【0318】
さらなる態様では、金属は、前もって製作された物品として形成されている。
【0319】
前もって製作された物品の例としては、ツール、機械部品、パイプ、管、梁、コイン、バッジ、ピン、宝飾品、シート、ブラケット、ねじ、釘、ピストン、および棒が挙げられるがこれらに限定されない。
【0320】
様々な態様では、方法は、基材の研磨、基材のホーニング、基材の切断、基材の穴あけ、基材の摩砕、基材のミーリング、または基材への旋盤の使用の1つまたは複数をさらに含む。
【0321】
一態様では、基材を冷却する方法であって、方法が、基材に液体およびセルロース粒子を含む開示される組成物を塗布することを含み、基材が、金属、プラスチック、および石造物構築材料から選択される、方法が開示される。
【0322】
さらなる態様では、基材は、プラスチックである。
【0323】
さらなる態様では、基材は、石造物構築材料である。石造物構築材料の例としては、コンクリート、セメント、アスファルト、れんが、およびこれらの混合物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0324】
さらなる態様では、基材は、金属である。
【0325】
さらなる態様では、金属は、前もって製作された物品として形成されている。
【0326】
前もって製作された物品の例としては、ツール、機械部品、パイプ、管、梁、コイン、バッジ、ピン、宝飾品、シート、ブラケット、ねじ、釘、ピストン、および棒が挙げられるがこれらに限定されない。
【0327】
様々な態様では、方法は、基材の研磨、基材のホーニング、基材の切断、基材の穴あけ、基材の摩砕、基材のミーリング、または基材への旋盤の使用の1つまたは複数をさらに含む。
【0328】
K.パーソナルケアおよび美容製品
さらに、様々な態様では、セルロース粒子は、パーソナルケアまたは美容製品として、単独でまたは他の成分と組み合わせて(例えば、濃化組成物、懸濁液、および乳濁液などのような本明細書において記載される様々な他の種類の組成物の形態)使用することができる。セルロース粒子自体は、そのような組成物が皮膚(例えば、ヒトまたは動物の顔、手、足、腕、脚、または身体上の任意の他の皮膚)に適用された時にそれらを含有する組成物(例えば、水中のセルロース粒子の懸濁液として、またはセルロース粒子を含む懸濁液として)に剥脱特性、軟化特性、または他の望ましい特性(例えば、若返りの感覚)を提供することができる。セルロース含有粒子がリグニンをさらに含むか、またはリグニンがセルロース含有粒子を含有する組成物中に存在する実施形態では、リグニンもまた、そのような成分を含有する組成物に剥脱特性、軟化特性、または他の望ましい特性(例えば、若返りの感覚)を(セルロース粒子との組合せで)提供し得る。
【0329】
一部の実施形態では、パーソナルケア配合物であって、パーソナルケア配合物が、粒子であって;粒子が、セルロースを含み;(1)約8ミクロン未満のd75および(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50の少なくとも1つを有し;約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ非球形を有し;かつセルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、粒子を含む、パーソナルケア配合物が開示される。
【0330】
一部の組成物は、本明細書において記載されるものの組合せであり得る。特に、組成物は、技術的に乳濁液であり得るが、それはまた、懸濁粒子(例えば、本明細書において記載されるセルロース粒子以外の粒子)を有し得る。同様に、濃化組成物はまた、乳濁液および/または懸濁液であり得る。当業者が理解するように、本明細書におけるセルロース粒子は、厳密に乳濁液、懸濁液、または濃化組成物などと考えられる組成物中でのみ使用される必要はなく、むしろセルロース粒子は、これらの種類の組成物の任意の組合せの特徴を有し得る組成物において使用することができる(例えば、組成物は、組成物の種類の1つより多くのカテゴリーのメンバーであると考えられるように重なり合ってよい)。
【0331】
セルロース含有粒子が上記のような1つまたは複数の能力において機能し得るそのような組成物の例は、パーソナルケア配合物(例えば、化粧配合物、美容配合物、スキンケア配合物など)である。セルロース粒子は、例えば、エクスフォリアント、テクスチャライザー、または両方として機能し得る。セルロース粒子は、エクスフォリアント、テクスチャライザー、または両方として機能する場合、乳濁液、懸濁液、濃化組成物、(または本明細書において記載される任意の他の組成物もしくは組成物の種類)、またはこれらの任意の組合せである組成物中に存在し得る。一部の実施形態では、セルロース粒子は、エクスフォリアントとして、直接的に(例えば、単独または最小の配合で)使用されてよく、または他の成分を含む配合物(すなわち、最小の配合の組成物より多くの成分を含有する)中で使用されてよい。セルロース粒子はまた、テクスチャライザーとして機能し得る(例えば、単独で、最小の配合で、または最小の配合より多くで)。したがって、単独で、最小の配合で、または最小の配合より多くで、セルロース粒子は、エクスフォリアントおよびテクスチャライザーの両方として機能し得る。そのような能力において、セルロース粒子は、100%の固体(配合物の総固体に基づく固体粒子の重量)などの任意の使用レベルで存在し得る。例えば、フェイシャルスクラブ配合物、ボディスクラブ配合物、またはローションのようなパーソナルケア配合物(例えば、化粧配合物、美容配合物、およびスキンケア配合物など)において、本明細書において記載されるセルロース粒子は、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、17、18、19、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、40、42、44、46、48または50の量でパーソナルケア配合物中に存在する(配合物の総重量に基づく粒子の乾燥固体の重量%)。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約10重量%未満の量で配合物中に存在し得る。最小の配合の配合物において、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約10重量%、約12重量%~約18重量%、または約20重量%未満の量で配合物中に存在し得る。剥脱性バー(exfoliating bar)または軽石代替物のような高固体パーソナルケア製品の場合、本明細書において記載されるセルロース粒子は、50、60、70、80、90、95、または97の量で高固体パーソナルケア製品中に存在する(製品の総重量に基づく粒子の乾燥固体の重量%)。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、本明細書において開示されるセルロース粒子は、少なくとも約50重量%、約50重量%~約90重量%、少なくとも95重量%、または約97重量%未満の量で高固体製品中に存在し得る。パーソナルケア配合物および高固体パーソナルケア製品の一部の実施形態では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、約15%~約25%の重量のリグニンを含む。一部の実施形態では、セルロース粒子は、乾燥換算でのセルロース粒子の重量に基づいて、1%未満、または約0%の重量のリグニンを含む。この文脈において使用される場合、「最小の配合」は、配合物が、セルロース粒子および最小量の、その意図する使用(例えば、ボディスクラブ、フェイシャルスクラブ、皮膚ローションなどとして)のために満足のいく配合物を製造するために必要な他の成分を含有することを意味する。最小の配合の配合物の例について実施例14も参照。
【0332】
パーソナルケア配合物は、特性の異なるバランスを提供するために追加の成分を含み得る。例えば、パーソナルケア配合物は、配合物の粘度または肌理を最適化するために1つまたは複数の追加の濃化剤を含み得る。そのような場合、セルロース含有粒子は、濃化剤およびセルロース含有粒子の効果の和に対しておよびそれより高い相乗効果を提供することにより相乗的な濃化剤として機能し得る。そのような配合物において、セルロース含有粒子は、本明細書の他の箇所において記載されるレベルで存在してよく、かつ、1つまたは複数の追加の濃化剤は、特定の濃化剤と通常関連付けられるレベルで存在してよい(好適な濃化剤は本明細書の他の箇所において記載されており、パーソナルケア配合物のために使用され得る)。例えば、キサンタンガムは、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.5、3、3.5、4、または5の量(配合物の総重量に基づく重量%)で存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、キサンタンガムは、少なくとも約0.05重量%、約0.1重量%~約0.5重量%、または約1重量%未満の量で配合物中に存在し得る。パーソナルケア製品において使用される他の濃化剤の例としては、ポリアクリレート、ポリアクリルアミド、およびアンモニウムアクリロイルジメチルタウレート/ビニルピロリドンコポリマーが挙げられるがこれらに限定されない。
【0333】
パーソナルケア配合物(例えば、化粧配合物、美容配合物、ボディスクラブ配合物、フェイシャルスクラブ配合物、スキンケア配合物、ヘアケア配合物など)は、例えば、モイスチャライザー、水を引き付けて結合し、皮膚または毛表面における水分補給を向上させることができる湿潤剤、水が皮膚または毛表面を離れることを防止または遅延させ得る閉塞剤(例えば、油)、割れ目または皮膚中の空間を充填することにより滑らかな皮膚の見た目または感触を作り得る皮膚軟化剤、化学的剥離剤(例えば、若返った皮膚のために新たな皮膚細胞の成長を促進し、皮膚を化学的に剥脱しかつ穴の詰まりを除去し、かつ、ざ瘡を引き起こす細菌の成長を阻害するのを助け得る免疫応答を生成すると考えられるグリコール酸、アルファヒドロキシ酸(alpha hydroxyl acid)、またはサリチル酸など)、酸化防止剤、および配合物殺傷剤(例えば、カプリリルグリコール、フェノキシエタノール、ヘキシレングリコール、または食品グレード殺傷剤、例えば、安息香酸ナトリウム/ソルビン酸カリウム/グリセリンの組合せの1つまたは複数)などの他の成分を追加的に含み得る。顕著なことに、一部の成分は、上記される役割の1つまたは複数において機能することができ(例えば、成分は、閉塞剤および皮膚軟化剤の両方であり得る)、したがって、成分を分類しようとする試みは、任意の成分を特定の機能に限定すると解されるべきでなく、そのような分類は、単に当業者が本開示を理解するのを補助するために為される。油は、ある特定の機能または目的のために非常に効果的なことがあるが、一部の状況では、ボディスクラブおよびフェイシャルスクラブなどのスキンケアまたはヘアケア配合物において望ましくないことがあり、その理由は、標的配合物は水ベースまたは「油フリー」であることが意図され、または配合物は、水性配合物中に油を全的に分散させるために追加の乳化剤を必要とし得るためである。一部の状況において乳化剤は、配合物に脂っぽい感触を付与することがあるが、これは一部の最終用途のために望ましくないことがある。さらに、配合物乳化剤を潜在的な皮膚刺激物質と考える者もいる(一つの見解では、配合物乳化剤は、水ですすいだ時に皮膚および毛の天然の脂質の除去を補助すると考えられている)。パーソナルケア配合物において典型的に使用されている乳化剤の例としては、脂肪酸、例えば、ステアリン酸およびパルミチン酸、脂肪族アルコール、例えば、ステアリルアルコールおよびセチルアルコール、脂肪酸エステル、例えば、モノステアリン酸グリセリルおよびグリコールモノまたはジステアレートの他に、ステアリルグルタミン酸ナトリウム、セチルリン酸カリウムおよび水添ヤシグリセリドが挙げられる。そのような種は、5~10%程度の高さのレベル(配合物の総重量に基づく重量%)で伝統的なパーソナルケア配合物中に存在し得る。本明細書において記載されるセルロース含有粒子は、油のための乳化剤として作用することができ、それにより、乳化剤の添加が不必要または望ましくないものとなる。簡便性およびコストの利点に加えて、乳化剤の除去はまた、より軽やかで、脂っぽさがより少ない感触を組成物に提供することがあり、また、乳化剤フリーの配合物は、より環境に優しくかつ皮膚に対してより穏やかであり得る。いずれの場合も、上記の他の成分は、単独または任意の組合せのいずれかにおいて、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、5.0、5.5、6、6.5、7.0、7.5、8、8.5、9、9.5、10、10.5、11、11.5、12、12.5、13、13.5、14、14.5、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、64、66、68、70、72、74、76、76、78、または80の量(配合物の総重量に基づく、個々のまたは組合せでの他の成分の重量%)でパーソナルケア配合物中に存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。これらの数は、単独の任意の成分、または2つもしくはそれより多くの成分の任意の組合せを記載するために使用することができる。例えば、油は、少なくとも約5重量%、約10重量%~約20重量%、または約30重量%未満の量で配合物中に存在し得る。
【0334】
パーソナルケア配合物は、好適な閉塞剤、湿潤剤、皮膚軟化剤、またはこれらの任意の組合せを含み得る。好適な閉塞剤としては、例えば、ワセリン、ラノリン、鉱油、シリコーン、ジメチコン、アルガン油、カプリル酸カプリン酸トリグリセリド、スクアラン、ココナッツ油、シアバター、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。好適な湿潤剤としては、例えば、プロピレングリコール、トレハロース、グリセリン、尿素、ヒアルロン酸塩、ヒアルロン酸、ピロリドンカルボン酸塩、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。好適な皮膚軟化剤としては、例えば、脂肪酸エステル(オクタノエート、例えばオクチルオクタノエート;ラウレート、例えばイソアミルラウレート;アジペート、例えばジイソプロピルアジペート;パルミテート、例えばエチルヘキシルパルミテート)、油、スクアラン、ゴマ油、アルガン油、藻抽出物、ブドウ種子油、カプリル酸カプリン酸トリグリセリド、セチルステアレート、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、またはこれらの任意の組合せが挙げられる。上記のように、一部の成分は、上記される役割の1つまたは複数において機能することができる(例えば、成分は、閉塞剤および皮膚軟化剤の両方であり得る)。上記に列記される他の成分の文脈において使用される場合、「モイスチャライザー」という用語は、皮膚軟化剤、閉塞剤、湿潤剤、またはこれらの任意の組合せを含むカテゴリーである。
【0335】
パーソナルケア配合物のための好適な酸化防止剤としては、アスコルビン酸のような、当該技術分野において公知の任意のものが挙げられる。セルロース含有粒子は、本明細書の他の箇所において記載されるようにリグニンを追加的に含み得る。このリグニンはまた、酸化防止剤として機能することがあり、それにより、別々の酸化防止剤の添加が不必要となり得るか、またはそれは、添加された酸化防止剤と相乗的に働き得る。
【0336】
パーソナルケア配合物、例えば、スクラブ配合物またはスキンケア配合物は、他のエクスフォリアント材料を追加的に含み得る。セルロース粒子は、Beckman Coulter Particle Sizerにより測定される約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50を有して小さいので、微細な研磨材エクスフォリアント(艶出し剤としても公知)を提供する。類似のd50粒子サイズ、より小さいd50粒子サイズ、より大きいd50粒子サイズ、またはこれらの任意の組合せを有するもののような追加のエクスフォリアントを追加的に含むことが有利であり得る。好適な追加のエクスフォリアントは、マイクロビーズ(例えば、ポリマー性)、ナノビーズ、微結晶セルロース、ナノセルロース;圧砕された貝殻、堅果の殻、および他の硬質有機物質;適切なサイズの砂糖もしくは塩結晶;または任意の公知のエクスフォリアントであり得る。追加のエクスフォリアントは、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.1、4.2、4.3、4.4、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9、または5.0の量(配合物の総重量に基づく重量%)で存在し得る。以上の数のそれぞれには、「約」、「少なくとも約」、または「約・・・未満」という用語が先行することができ、かつ以上の数のいずれも、オープンエンドの範囲を記載するために単独で、またはクローズエンドの範囲を記載するために組合せで使用することができる。例えば、追加のエクスフォリアントは、少なくとも約0.5重量%、約1重量%~約4重量%、または約5重量%未満の量で配合物中に存在し得る。追加のエクスフォリアント、または実際に、配合物に加えられた任意の固体粒子を含む配合物について、セルロース含有粒子は、そのような懸濁された固体粒子の安定化を助けるように追加的に機能し得る。
【0337】
一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子および閉塞剤を含む。一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子およびスクアランを含む。一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子、スクアラン、および殺傷剤を含む。一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子、スクアラン、および濃化剤を含む。一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子、スクアラン、およびキサンタンガムを含む。一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子、スクアラン、キサンタンガム、および殺傷剤を含む。これらの成分の量は、本明細書の他の箇所において記載されるような任意の好適な量であり得る。例えば、一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、指し示される量のセルロース粒子(約90重量%~約98重量%、15~30%の固体懸濁物として添加される)およびスクアラン(約0.5重量%~約5重量%)を含む。例えば、一部の実施形態では、パーソナルケア配合物は、セルロース粒子(約90重量%~約98重量%、15~30%の固体懸濁物として添加される)、スクアラン(約0.5重量%~約5重量%)、およびキサンタンガム(約0.05重量%~約0.6重量%)を含む。
【0338】
本明細書において開示されるセルロース粒子は、多くのパーソナルケア製品、例えば、健康用および化粧用製品または美容製品、例えば、ローション、クリーム、軟膏、セラム、シャンプー、コンディショナー、ヘアモイスチャライザー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、石鹸、ファンデーション下地、BBクリーム、CCクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、口紅もしくはリップバーム、またはクレイ、カオリンもしくは泥懸濁液において有用性を有し得る。製品の種類に応じて、パーソナルケア製品中の本明細書において開示されるセルロース粒子の使用は、以下の非限定的な有益な特性の1つまたは複数を示し得る:配合物から乳化剤のような望ましくない化学物質を除去する能力(これは、より環境に優しくかつより穏やかな製品(より少ない刺激性化学物質)を結果としてもたらす);乳化剤の除去ならびに油および他の閉塞剤の良好な組込みの結果としてもたらされる、製品のより低い油性または脂っぽい感触(「より軽やか」または「空気のような」(airy)組成物として記載される);増粘剤の量の低減(セルロース粒子は濃化剤として作用し、かつ他の濃化剤と相乗的な濃化効果を追加的に示すため);皮膚のてかりを抑えかつ/またはしわを充填する効果(小粒子サイズは、平らでない皮膚およびしわへの接近および充填を促進するため);および皮膚の若返りの感覚(小粒子は非刺激性のエクスフォリアントとして作用するため)。さらに、セルロース粒子は、非混和性の液体を含む懸濁液および乳濁液において固体を安定化させることができるので、皮膚への懸濁固体のまたは非混和性の液体のいずれかの活性成分の送達を促進し得る。
【0339】
L.例示的な態様
本明細書において上記に議論されるように、粒子の特徴(例えば、粒子サイズパラメーター、重合度など)の変動性によりいくつもの態様が形成される。
【0340】
開示されるセルロース粒子の例示的な使用としては、再懸濁可能なセルロース組成物、濃化組成物、懸濁液、および乳化可能組成物におけるものが挙げられるがこれらに限定されない。開示されるセルロース粒子の追加の例示的な使用としては、発酵可能食品および食肉または食肉類似組成物が挙げられるがこれらに限定されない。開示されるセルロース粒子のまた他の例示的な使用としては、地下処理用組成物、金属加工用組成物、切断用組成物、およびプレス加工用組成物が挙げられるがこれらに限定されない。
【0341】
態様1:濃化組成物であって、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子;および
液体
を含み、
粒子が、組成物の粘度を粒子を含まないそれ以外は同一の組成物と比較して少なくとも10%増加させるために充分なレベルで存在し;かつ
配合物の粘度が、2rpmのせん断でスピンドル21を使用してブルックフィールドLVT粘度計を使用して室温で決定される、
濃化組成物。
【0342】
態様2:セルロース含有粒子が、濃化組成物の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様1に記載の濃化組成物。
【0343】
態様3:セルロース含有粒子が、濃化組成物の総重量に基づいて0.5~15.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様1または2の濃化組成物。
【0344】
態様4:1つまたは複数の追加の濃化剤をさらに含み、かつ、結果として得られる粘度が、セルロース組成物を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および1つまたは複数の追加の濃化剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より少なくとも10%大きい、態様1~3のいずれか1つの濃化組成物。
【0345】
態様5:顔料粒子、充填剤もしくは増量剤粒子、ポリマー粒子、またはこれらの組合せをさらに含む、態様1~4のいずれか1つの濃化組成物。
【0346】
態様6:塗料、コーティング剤、インク、粘着剤またはシーラントである、態様1~5のいずれか1つの濃化組成物。
【0347】
態様7:食用組成物である、態様1~6のいずれか1つの濃化組成物。
【0348】
態様8:飲料、シェイク、スープ、ブロス、ソース、ドレッシング、グレイビー、パイフィリング、調味料、アイスクリーム、ヨーグルトまたはプディングである、態様1~7のいずれか1つの濃化組成物。
【0349】
態様9:健康用および化粧用製品または美容製品である、態様1~8のいずれか1つの濃化組成物。
【0350】
態様10:健康用および化粧用製品または美容製品が、ローション、クリーム、軟膏、セラム、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、液体石鹸、ファンデーション下地、bbクリーム、ccクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、口紅もしくはリップバーム、またはクレイ、カオリンもしくは泥懸濁液である、態様1~9のいずれか1つの濃化組成物。
【0351】
態様11:光吸収化合物、光散乱化合物、またはこれらの組合せを含有するサンスクリーン剤である、態様1~10のいずれか1つの濃化組成物。
【0352】
態様12:洗浄液である、態様1~11のいずれか1つの濃化組成物。
【0353】
態様13:洗浄液が、食器用洗剤、洗濯用洗剤、液体生地コンディショナー、ノースプラッシュ漂白剤、便器クリーナー、ドレンクリーナー、または産業用洗剤もしくは洗浄液である、態様1~12のいずれか1つの濃化組成物。
【0354】
態様14:態様1に記載の濃化組成物を製造する方法であって、方法が、
(a)液体または液体ベースの組成物;および
(b)粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を合わせ、それにより組成物を形成させることを含む、
方法。
【0355】
態様15:懸濁液であって、懸濁液が、
(a)液体;
(b)粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子;および
(c)液体中に懸濁された第1の成分
を含む、
懸濁液。
【0356】
態様16:安定な懸濁液である、態様15に記載の懸濁液。
【0357】
態様17:準安定な懸濁液である、態様15または16の懸濁液。
【0358】
態様18:50~95%安定な懸濁液である、態様15~17のいずれか1つの懸濁液。
【0359】
態様19:第1の成分が組成物中の安定な懸濁液中にあることを可能とするように粒子により充分に濃化されている、態様15~18のいずれか1つの懸濁液。
【0360】
態様20:第1の成分が、周囲条件において組成物中に少なくとも部分的に不溶性である、態様15~19のいずれか1つの懸濁液。
【0361】
態様21:粒子が、懸濁液の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様15~20のいずれか1つの懸濁液。
【0362】
態様22:粒子が、懸濁液の総重量に基づいて0.5~35.0重量%の粒子のレベルで存在するか、または、粒子が、懸濁液の総重量に基づいて0.5~15.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様15~21のいずれか1つの懸濁液。
【0363】
態様23:第1の成分が、複数の、顔料粒子、充填剤もしくは増量剤粒子、またはポリマー粒子の1つまたは複数であり、かつ、懸濁液が、塗料、コーティング剤、インク、コーキング剤、シーラントまたは粘着剤である、態様15~22のいずれか1つの懸濁液。
【0364】
態様24:第1の成分が複数の無機粒子であり、かつ、懸濁液がセメントまたはコンクリートである、態様15~23のいずれか1つの懸濁液。
【0365】
態様25:第1の成分が複数のダート粒子または岩石切断物であり、かつ、懸濁液が掘削泥または掘削液である、態様15~24のいずれか1つの懸濁液。
【0366】
態様26:第1の成分が複数の鉱石または鉱物粒子であり、かつ、懸濁液が鉱業スラリーであるか、または、第1の成分が、複数の金属微細物、チップ、および/または削り屑であり、かつ、懸濁液が金属加工組成物である、態様15~25のいずれか1つの懸濁液。
【0367】
態様27:第1の成分が複数の木炭粒子または炭塵であり、かつ、懸濁液が燃料スラリーである、態様15~26のいずれか1つの懸濁液。
【0368】
態様28:第1の成分が、固体滑沢剤またはグリース中の複数の固体粒子である、態様15~27のいずれか1つの懸濁液。
【0369】
態様29:第1の成分が複数の無機粒子またはポリマー粒子であり、かつ、懸濁液が練り歯磨き剤である、態様15~28のいずれか1つの懸濁液。
【0370】
態様30:第1の成分が複数の無機粒子またはポリマー粒子であり、かつ、懸濁液が石鹸である、態様15~29のいずれか1つの懸濁液。
【0371】
態様31:第1の成分が賦形剤または活性医薬成分であり、かつ、懸濁液が、液体薬剤、丸剤中にカプセル化された液体薬剤、外用送達される薬剤、注入される薬剤、またはサプリメントである、態様15~30のいずれか1つの懸濁液。
【0372】
態様32:第1の成分が、複数の果実、野菜、繊維、またはタンパク質粒子、またはこれらの組合せもしくは模倣物であるか、またはこれらを含み、かつ、懸濁液が、飲料、スムージー、またはシェイクである、態様15~31のいずれか1つの懸濁液。
【0373】
態様33:第1の成分が、複数のココア粒子、麦芽粒子、または人工もしくは天然フレーバー粒子、ハーブまたはスパイスまたはこれらの組合せもしくは模倣物であり、かつ、懸濁液が、ミルク、ホット飲料、コールド飲料、シロップ、ドレッシング、マリネード、スープまたはソースである、態様15~32のいずれか1つの懸濁液。
【0374】
態様34:第1の成分が複数の顔料粒子または無機粒子であり、かつ、懸濁液が、メークアップファンデーション、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、BBクリーム、CCクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、フェイシャルもしくはボディマスク、口紅もしくはリップバーム、クレイ懸濁液、カオリン懸濁液、または泥懸濁液である、態様15~33のいずれか1つの懸濁液。
【0375】
態様35:第1の成分が複数のエクスフォリアント粒子であり、かつ、懸濁液がスキンケア製品またはスクラブである、態様15~34のいずれか1つの懸濁液。
【0376】
態様36:第1の成分が、複数の無機粒子、酸化物粒子、またはポリマー粒子であり、かつ、懸濁液がローションまたはサンスクリーン剤である、態様15~35のいずれか1つの懸濁液。
【0377】
態様37:第1の成分が複数の酸化物粒子であり、かつ、懸濁液が洗浄もしくはバフ研磨用スラリーまたは艶出し剤である、態様15~36のいずれか1つの懸濁液。
【0378】
態様38:洗浄スラリーが化学機械的平坦化スラリーである、態様15~37のいずれか1つの懸濁液。
【0379】
態様39:態様15の懸濁液を製造する方法であって、方法が、
(a)液体;
(b)粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子;および
(c)液体中に懸濁された第1の成分
を、任意選択的に撹拌またはそれ以外に混合することと共に、合わせ、それにより組成物を形成させること
を含む、
方法。
【0380】
態様40:乳濁液または乳化可能組成物であって、乳濁液または乳化可能組成物が、
セルロース含有粒子であって、粒子が、
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含む、
乳濁液または乳化可能組成物。
【0381】
態様41:乳濁液または乳化可能組成物が乳濁液であり、かつ、乳濁液が、
第1の液体および第2の液体を含み;
第1の液体が、第2の液体と少なくとも部分的に非混和性である、
態様40の乳濁液または乳化可能組成物。
【0382】
態様42:第1の液体が油を含み、かつ、第2の液体が水を含む、態様40または41の乳濁液。
【0383】
態様43:セルロース含有粒子が、乳濁液の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様40~42のいずれか1つの乳濁液または乳化可能組成物。
【0384】
態様44:セルロース含有粒子が、乳濁液の総重量に基づいて0.5~15.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様40~43のいずれか1つの乳濁液または乳化可能組成物。
【0385】
態様45:乳濁液が、マヨネーズ、サラダドレッシング、マリネード、アイオリ、サンドイッチスプレッド、ベジタブルスプレッド、ベジタブルショートニング、ビネグレット、調味料、トッピング、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、バター、マーガリン、クリーム、ミルク、グレイビー、果実バター、ナッツバター、コーヒー飲料、チョコレート飲料、模倣フレーバー飲料、シロップ、スープまたはソースであるか、またはこれらの成分である、態様40~44のいずれか1つの乳濁液。
【0386】
態様46:乳濁液または乳化可能組成物が乳化可能組成物であり、かつ、乳化可能組成物が、マヨネーズミックス、サラダドレッシングミックス、マリネードミックス、サンドイッチスプレッドミックス、ベジタブルスプレッドミックス、ビネグレットミックス、ミルクもしくはクリーマーミックス、グレイビーミックス、またはコーヒー飲料ミックス、チョコレート飲料ミックス、模倣フレーバー飲料ミックス、シロップミックス、またはソースミックスであるか、またはこれらの成分である、態様40~45のいずれか1つの乳濁液または乳化可能組成物。
【0387】
態様47:粉末形態、顆粒形態、ペースト、または濃縮物である態様40~46のいずれか1つの乳化可能組成物。
【0388】
態様48:エッグフリーであるか、またはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーである、態様40~47のいずれか1つの乳濁液または乳化可能組成物。
【0389】
態様49:果実バター、果実ソース、果実ゼリー、果実ジャム、果実チャツネ、果実カスタード、果実マリネード、または果実スープであるか、またはこれらの成分である、態様40~48のいずれか1つの乳濁液。
【0390】
態様50:洗浄剤、食器洗い機用液体、食器洗い機用ペースト、洗濯用洗剤、洗濯用ペースト、またはドライクリーニング配合物であるか、またはこれらの成分である、態様40~49のいずれか1つの乳濁液。
【0391】
態様51:少なくとも1つの活性医薬成分を含む薬学的に許容される乳濁液であるか、またはその成分である、態様40~50のいずれか1つの乳濁液。
【0392】
態様52:薬学的に許容される乳濁液が、過酸化ベンゾイル外用乳濁液であるか、またはその成分である、態様40~51のいずれか1つの乳濁液。
【0393】
態様53:少なくとも1つの活性医薬成分が、過酸化ベンゾイル、アルファヒドロキシ酸、サリチル酸またはグリコール酸またはこれらの組合せである、態様40~52のいずれか1つの乳濁液。
【0394】
態様54:乳濁液または乳化可能組成物が、乳化可能組成物であるか、またはその成分であり、かつ、乳化可能組成物が、薬学的に許容される乳化可能組成物である、態様40~53のいずれか1つの乳濁液または乳化可能組成物。
【0395】
態様55:少なくとも1つの活性医薬成分をさらに含む、態様40~54のいずれか1つの薬学的に許容される乳化可能組成物。
【0396】
態様56:粉末形態、顆粒形態、ペースト、または濃縮物である、態様40~55のいずれか1つの薬学的に許容される乳化可能組成物。
【0397】
態様57:塗料、コーティング剤、シーラント、コーキング剤、またはインク配合物であるか、またはこれらの成分である、態様40~56のいずれか1つの乳濁液。
【0398】
態様58:塗料、コーティング剤、シーラント、コーキング剤、またはインク配合物中の消泡剤または殺傷剤または着色剤である、態様40~57のいずれか1つの乳濁液。
【0399】
態様59:第1の液体が水を含み、かつ、第2の液体が、アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン、またはフッ素ポリマー、またはワックスを含む、態様40~58のいずれか1つの乳濁液。
【0400】
態様60:パーソナルケア製品または健康用および化粧用製品であるか、またはこれらの成分である、態様40~59のいずれか1つの乳濁液。
【0401】
態様61:パーソナルケア製品または健康用および化粧用製品が、美容製品、またはスキンケア製品、またはヘアケア製品、またはペットケア製品である、態様40~60のいずれか1つの乳濁液。
【0402】
態様62:美容製品、またはスキンケア製品、またはヘアケア製品が、ローション、クリーム、セラム、軟膏、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、液体石鹸、ファンデーション下地、bbクリーム、ccクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、またはクレイ、カオリンもしくは泥懸濁液、ハンドクリームもしくはローション、フェイスクリームもしくはローション、ボディクリームもしくはローション、口紅、またはリップバームである、態様40~61のいずれか1つの乳濁液。
【0403】
態様63:肥料、または農薬、殺虫剤、殺傷剤、または除草剤であるか、またはこれらの成分である、態様40~62のいずれか1つの乳濁液。
【0404】
態様64:乳濁液が、掘削液、もしくは掘削液の成分であるか、もしくは掘削液が掘削において使用される時に現場で作製され;または金属加工液、もしくは金属加工液の成分であるか、もしくは金属加工液が金属加工において使用される時に現場で作製される、態様40~63のいずれか1つの乳濁液。
【0405】
態様65:レザーケア製品または靴用艶出し剤であるか、またはこれらの成分である、態様40~64のいずれか1つの乳濁液。
【0406】
態様66:態様40の乳濁液を製造する方法であって、方法が、
(a)第1の液体成分;
(b)第1の液体成分中に少なくとも部分的に非混和性の第2の液体成分;
(c)粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を、任意選択的に撹拌またはそれ以外に混合することと共に、合わせ、それにより組成物を形成させること
を含む、
方法。
【0407】
態様67:食品であって、食品が、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含む、
食品。
【0408】
態様67:発酵または発酵可能食品であって、発酵または発酵可能食品が、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含む、
発酵または発酵可能食品。
【0409】
態様68:発酵または発酵可能食品である、態様67の食品。
【0410】
態様69.粒子が、乾燥換算での食品の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様67の食品。
【0411】
態様70:粒子が、乾燥換算での食品の総重量に基づいて0.5~15.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様67または68の食品。
【0412】
態様71:ベーグル、マフィン、スコーン、パン、ピザ生地、クラッカー、ペストリー、パイ、ケーキ、ショートケーキ、カップケーキ、パンケーキ、ワッフル、スポンジプディング、ヨークシャープディング、ドーナツ、丸パン、ブラウニー、ブロンディ、ビスケット、クッキー、パスタ、および麺から選択される発酵食品である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0413】
態様72:ベーグルミックス、マフィンミックス、スコーンミックス、パンミックス、ピザ生地ミックス、クラッカーミックス、ペストリーミックス、パイミックス、ケーキミックス、ショートケーキミックス、カップケーキミックス、パンケーキミックス、ワッフルミックス、スポンジプディングミックス、ヨークシャープディングミックス、ドーナツミックス、丸パンミックス、ブラウニーミックス、ブロンディミックス、ビスケットミックス、クッキーミックス、パスタミックス、麺ミックス、および穀粉組成物、またはこれらの生地から選択される発酵可能食品である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0414】
態様73:エッグフリーであるか、またはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーである、態様67~72のいずれか1つの食品。
【0415】
態様74:グルテンフリーである、態様67~73のいずれか1つの発酵または発酵可能食品。
【0416】
態様75:エッグフリーかつグルテンフリーである、態様67~74のいずれか1つの食品。
【0417】
態様76:アレルゲンフリーである、態様67~75のいずれか1つの食品。
【0418】
態様77:食肉または食肉類似物組成物である、態様67の食品。
【0419】
態様78:食肉または食肉類似物組成物であって、食肉または食肉類似物組成物が、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含む、
食肉または食肉類似物組成物。
【0420】
態様79:粒子が、食肉または食肉類似物組成物の総重量に基づいて少なくとも0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様78の食肉または食肉類似物組成物。
【0421】
態様80:粒子が、食肉または食肉類似物組成物の総重量に基づいて0.5~15.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様78または79の食肉または食肉類似物組成物。
【0422】
態様81:牛肉、鶏肉、シチメンチョウ肉、豚肉、ラム肉、馬肉、水牛肉、鹿肉、子牛肉、猟鳥肉、家禽肉、植物タンパク質、発酵タンパク質、甲殻類、魚肉、またはこれらの組合せ、またはこれらの模倣物をさらに含む、態様77~79のいずれか1つの食肉または食肉類似物組成物。
【0423】
態様81:ソーセージ、バーガ―、ケバブ、ジャイロ、シャワルマ、パティ、ケーキ、ローフ、ナゲット、ストリップ、ホットドッグ、デリ製品、ジャーキー、ペットフード、ペットトリーツ、加工肉、乳化肉、またはこれらの組合せ、またはこれらの模倣物の形態であり、かつ、牛肉、鶏肉、シチメンチョウ肉、豚肉、ラム肉、馬肉、水牛肉、鹿肉、子牛肉、猟鳥肉、家禽肉、植物タンパク質、発酵タンパク質、甲殻類、魚肉、またはこれらの組合せ、またはこれらの模倣物と共に作られている、態様77~81のいずれか1つの食肉または食肉類似物組成物。
【0424】
態様82:粒子および再懸濁化剤を含むセルロース組成物であって、
粒子が、液体中に再懸濁された時に、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり;かつ
再懸濁化剤が、粒子の表面の少なくとも一部分に吸着または結合している、
セルロース組成物。
【0425】
態様83:再懸濁化剤が、1つもしくは複数のポリオール化合物、1つもしくは複数のポリオールオリゴマーまたは1つもしくは複数のポリオールポリマー、またはこれらの任意の組合せである、態様82のセルロース組成物。
【0426】
態様84:再懸濁化剤が、1つもしくは複数のオリゴ糖、1つもしくは複数の単糖、スクロース、グリセロール、クエン酸、ソルビトール、マルトデキストリン、糖アルコール、またはこれらの任意の組合せを含む、態様82または83のセルロース組成物。
【0427】
態様85:再懸濁化剤が、グルコオリゴ糖を含む、態様82~84のいずれか1つのセルロース組成物。
【0428】
態様86:再懸濁化剤が、沈殿グルコオリゴ糖を含む、態様82~85のいずれか1つのセルロース組成物。
【0429】
態様87:再懸濁化剤が、グルコースまたはスクロースを含む、態様82~86のいずれか1つのセルロース組成物。
【0430】
態様88:再懸濁化剤が、ソルビトールを含む、態様82~87のいずれか1つのセルロース組成物。
【0431】
態様89:約20重量%未満の水を含む乾燥形態である、態様82~88のいずれか1つのセルロース組成物。
【0432】
態様90:乾燥形態の組成物が、約8ミクロン未満のd75および約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50を保持しながら水中に再懸濁可能である、態様82~89のいずれか1つのセルロース組成物。
【0433】
態様91:水を含む懸濁液の形態である、態様82~90のいずれか1つのセルロース組成物。
【0434】
態様92:懸濁液が、少なくとも約5重量%の固体含有量を有する、態様82~91のいずれか1つのセルロース組成物。
【0435】
態様93:再懸濁化剤が、単糖およびオリゴ糖から本質的になる、態様82~92のいずれか1つのセルロース組成物。
【0436】
態様94、少なくとも約90重量%の固体の固体含有量を有する乾燥形態である、態様82~93のいずれか1つのセルロース組成物。
【0437】
態様95:地下処理用組成物、または金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液であって、地下処理用組成物、または金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液が、
(a)液体;および
(b)液体中に懸濁された粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含む、
地下処理用組成物、または金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、または潤滑液。
【0438】
態様96:液体が、増量剤を含む、態様95の組成物。
【0439】
態様97:増量剤が、バライト、ヘマタイト、炭酸カルシウム、イルメナイト、および四酸化マンガンおよびこれらの混合物から選択される、態様96の組成物。
【0440】
態様98:液体が、約1atmの圧力において少なくとも約720g/Lの密度を有する、態様95~97のいずれか1つの組成物。
【0441】
態様99:液体が、約1000g/Lより高い密度を有する、態様95~98のいずれか1つの組成物。
【0442】
態様100:液体が、水、1つまたは複数の油、およびこれらの混合物から選択される、態様95~99のいずれか1つの組成物。
【0443】
態様101:液体が水である、態様95~100のいずれか1つの組成物。
【0444】
態様102:水が塩をさらに含む、態様95~101のいずれか1つの組成物。
【0445】
態様103:塩が、ナトリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、カリウム塩、マグネシウム塩、セシウム塩、酢酸塩、およびギ酸塩およびこれらの混合物から選択される、態様95~102のいずれか1つの組成物。
【0446】
態様104:塩が、NaCl、CaCl、CaBr、ZnCl、ZnBr、KCl、Na(OC(O)CH)、Na(OC(O)H)、K(OC(O)CH)、K(OC(O)H)、およびCs(OC(O)H)およびこれらの混合物から選択される、態様95~102のいずれか1つの組成物。
【0447】
態様105:液体が油である、態様95~100のいずれか1つの組成物。
【0448】
態様106:油が、炭化水素油またはハイドロシリコーンオイルである、態様95~100および105のいずれか1つの組成物。
【0449】
態様107:油が石灰をさらに含む、態様95~100、105、および106のいずれか1つの組成物。
【0450】
態様108:液体が水と油との混合物である、態様95~100のいずれか1つの組成物。
【0451】
態様109:水が塩を含む、態様108の組成物。
【0452】
態様110:水が約5重量%~約25重量%の量で液体中に存在し、かつ、油が約75重量%~約95重量%の量で液体中に存在する、態様108および109のいずれか1つの組成物。
【0453】
態様111:水が約10重量%~約20重量%の量で液体中に存在し、油が約80重量%~約90重量%の量で液体中に存在し、かつ、水が塩を含む、態様108~110のいずれか1つの組成物。
【0454】
態様112:液体が、組成物の総重量に基づいて約25重量%~約99重量%の量で存在する、態様95~111のいずれか1つの組成物。
【0455】
態様113:粒子が、組成物の総重量に基づいて少なくとも約0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様95~112のいずれか1つの組成物。
【0456】
態様114:粒子が、組成物の総重量に基づいて約0.5重量%~約35重量%の粒子のレベルで存在する、態様95~113のいずれか1つの組成物。
【0457】
態様115:粒子が、組成物の粘度を粒子を含まないそれ以外は同一の組成物と比較して少なくとも10%増加させるために充分なレベルで存在する、態様95~114のいずれか1つの組成物。
【0458】
態様116:少なくとも約300°Fの温度において熱的に安定である、態様95~115のいずれか1つの組成物。
【0459】
態様117:300°Fより高い温度において熱的に安定である、態様95~116のいずれか1つの組成物。
【0460】
態様118:330°Fより高い温度において熱的に安定である、態様95~117のいずれか1つの組成物。
【0461】
態様119:350°Fより高い温度において熱的に安定である、態様95~118のいずれか1つの組成物。
【0462】
態様120:組成物が粘度を有し、かつ、約0.5g/Lより多い塩分を有する環境中の粘度が、約0.5g/Lまたはそれ未満の塩分を有する環境中の粘度とおおよそ等しい、態様95~119のいずれか1つの組成物。
【0463】
態様121:約1.5またはそれ未満のpHを有する、態様95~120のいずれか1つの組成物。
【0464】
態様122:約8.5~約11のpHを有する、態様95~121のいずれか1つの組成物。
【0465】
態様123:約8.5~約10のpHを有する、態様95~122のいずれか1つの組成物。
【0466】
態様124:掘削液が掘削において使用される時に現場で調製される、態様95~123のいずれか1つの組成物。
【0467】
態様125:増粘剤をさらに含む、態様95~124のいずれか1つの組成物。
【0468】
態様126:粒子を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および増粘剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より少なくとも10%大きい粘度を有する態様125の組成物。
【0469】
態様127:増粘剤が無機増粘剤である、態様125または126の組成物。
【0470】
態様128:無機増粘剤が、ベントナイト、ラポナイト、ヘクトライト、混合金属水酸化物、および混合金属酸化物、およびこれらの混合物から選択される、態様127の組成物。
【0471】
態様129:増粘剤が有機増粘剤である、態様125または126の組成物。
【0472】
態様130:有機増粘剤が、キサンタンガム、デュータン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、カルボキシメチルデンプン、ウェランガム、ヒドロキシエチルセルロース、および多糖オリゴマーおよびこれらの混合物から選択される、態様129の組成物。
【0473】
態様131:熱安定化剤をさらに含む、態様95~130のいずれか1つの組成物。
【0474】
態様132:熱安定化剤が、酸化マグネシウム、モノエタノールアミン、クエン酸、ジエタノールアミン、グリオキサール、およびギ酸塩溶液、およびこれらの混合物から選択される、態様131の組成物。
【0475】
態様133:フライアッシュ、シリカ化合物、液体損失制御用添加物、乳化剤、ラテックス、分散剤、促進剤、抑制剤、クレイ、滑沢剤、石灰、塩、雲母、砂、繊維、形成含有剤、フュームドシリカ、ベントナイト、マイクロスフェア、炭酸塩、バライト、ヘマタイト、エポキシ樹脂、硬化剤、クロスリンカー、殺傷剤、界面活性剤、活性化剤、安定化剤、または破壊剤、またはこれらの組合せをさらに含む、態様95~132のいずれか1つの組成物。
【0476】
態様134:抗菌剤を実質的に含まない、態様95~133のいずれか1つの組成物。
【0477】
態様135:腐食阻害剤、極圧添加物、抗霧剤、乳化剤、アルカノアミン、殺傷剤、安定化剤、分散剤、消泡剤、着色剤、染料、付臭剤、塩素化化合物、硫化化合物、またはフレグランス、またはこれらの組合せをさらに含む、態様95~134のいずれか1つの組成物。
【0478】
態様136:地下処理用組成物である、態様95~135のいずれか1つの組成物。
【0479】
態様137:地下処理用組成物が、掘削液、フラクチャリング液、ウェルコントロール液、ウェルキル液、ウェルセメンティング液、酸フラクチャリング液、酸ダイバーティング液、刺激液、砂コントロール液、仕上げ液、坑内地固め液、レメディエーション処理液、スペーサー液、フラクチャリングパッキング液、水適合液、および砂利パッキング液およびこれらの混合物から選択される、態様136の組成物。
【0480】
態様138:マシニング/加工用組成物である、態様95~135のいずれか1つの組成物。
【0481】
態様139:マシニング/加工用組成物が、金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、および潤滑液、またはこれらの混合物から選択される、態様138の組成物。
【0482】
態様140:組成物が切断液であるか、または、組成物が掘削液であるか、または、組成物が金属加工液である、態様95~137のいずれか1つの組成物。
【0483】
態様141:プレス加工液である、態様95~137のいずれか1つの組成物。
【0484】
態様142:研磨液である、態様95~137のいずれか1つの組成物。
【0485】
態様143:減摩液である、態様94の組成物。
【0486】
態様144:冷却液である、態様95~137のいずれか1つの組成物。
【0487】
態様145:潤滑液である、態様95~137のいずれか1つの組成物。
【0488】
態様146:態様95~145のいずれか1つの組成物を製造する方法であって、方法が、
(a)液体;および
(b)粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を合わせ、それにより組成物を形成させること
を含む、
方法。
【0489】
態様147:地下形成物を処理する方法であって、方法が、態様95~137のいずれか1つの組成物を地下形成物に導入することを含む、方法。
【0490】
態様148:さらなる液体を地下形成物にその後に導入することをさらに含む、態様147の方法。
【0491】
態様149:組成物が、掘削液、フラクチャリング液、ウェルコントロール液、ウェルキル液、ウェルセメンティング液、酸フラクチャリング液、酸ダイバーティング液、刺激液、砂コントロール液、仕上げ液、坑内地固め液、レメディエーション処理液、スペーサー液、フラクチャリングパッキング液、水適合液、および砂利パッキング液、またはこれらの組合せから選択される、態様147または148の方法。
【0492】
態様150:基材を潤滑する方法であって、方法が、態様95~135のいずれか1つの組成物を基材に塗布することを含み、基材が、天然岩石、金属、プラスチック、および石造物構築材料から選択される、方法。
【0493】
態様151:基材がプラスチックである、態様150の方法。
【0494】
態様152:基材が石造物構築材料である、態様150の方法。
【0495】
態様153:石造物構築材料が、コンクリート、セメント、アスファルト、れんが、およびこれらの混合物から選択される、態様150または152の方法。
【0496】
態様154:基材が金属である、態様150の方法。
【0497】
態様155:金属が、前もって製作された物品として形成されている、態様150または154の方法。
【0498】
態様156:前もって製作された物品が、ツール、機械部品、パイプ、管、梁、コイン、シート、ブラケット、ねじ、釘、ピストン、および棒から選択される、態様155の方法。
【0499】
態様157:基材の研磨、基材のホーニング、基材の切断、基材のプレス加工、基材の穴あけ、基材の摩砕もしくは研磨、基材のミーリング、または基材への旋盤の使用の1つまたは複数をさらに含む、態様150~156のいずれか1つの方法。
【0500】
態様158:基材を冷却する方法であって、方法が、態様95~135のいずれか1つの組成物を基材に塗布することを含み、基材が、天然岩石、金属、プラスチック、および石造物構築材料から選択される、方法。
【0501】
態様159:基材がプラスチックである、態様158の方法。
【0502】
態様160:基材が石造物構築材料である、態様158の方法。
【0503】
態様161:石造物構築材料が、コンクリート、セメント、アスファルト、れんが、およびこれらの混合物から選択される、態様158または160の方法。
【0504】
態様162:基材が金属である、態様158の方法。
【0505】
態様163:金属が、前もって製作された物品として形成されている、態様158または162の方法。
【0506】
態様164:前もって製作された物品が、ツール、機械部品、パイプ、管、梁、コイン、シート、ブラケット、ねじ、釘、ピストン、および棒から選択される、態様163の方法。
【0507】
態様165:基材の研磨、基材のホーニング、基材の切断、基材のプレス加工、基材の穴あけ、基材の摩砕もしくは研磨、基材のミーリング、または基材への旋盤の使用の1つまたは複数をさらに含む、態様158~164のいずれか1つの方法。
【0508】
態様166:地下形成物を処理する方法であって、方法が、粒子を地下形成物に導入することを含み、
粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
方法。
【0509】
態様167:液体を地下形成物に導入することをさらに含む、態様166の方法。
【0510】
態様168:粒子および液体が同時に導入される、態様167の方法。
【0511】
態様169:粒子および液体が逐次的に導入される、態様167の方法。
【0512】
態様170:さらなる液体を地下形成物にその後に導入することをさらに含む、態様167~169のいずれか1つの方法。
【0513】
態様171:パーソナルケア配合物であって、パーソナルケア配合物が、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含み、かつ
パーソナルケア配合物が、下地の見た目または感触を改変する、
パーソナルケア配合物。
【0514】
態様172:粒子が、パーソナルケア配合物の総重量に基づいて少なくとも約0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様171のパーソナルケア配合物。
【0515】
態様173:セルロース粒子が、パーソナルケア配合物の総重量に基づいて約0.5~約40.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様171または172のパーソナルケア配合物。
【0516】
態様174:1つまたは複数の追加の濃化剤をさらに含み、かつ、結果として得られる粘度が、セルロース組成物を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および1つまたは複数の追加の濃化剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より少なくとも10%大きい、態様171~173のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0517】
態様175:組成物が固体粒子をさらに含む、態様171~174のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0518】
態様176:顔料粒子、充填剤もしくは増量剤粒子、ポリマー粒子、ビーズまたはこれらの組合せをさらに含む、態様171~175のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0519】
態様177:1つまたは複数の閉塞剤をさらに含む、態様171~176のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0520】
態様178:1つまたは複数の閉塞剤が1つまたは複数の油を含む、態様177のパーソナルケア配合物。
【0521】
態様179:1つまたは複数の閉塞剤がスクアランを含む、態様177のパーソナルケア配合物。
【0522】
態様180:皮膚軟化剤をさらに含む、態様171~179のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0523】
態様181:皮膚軟化剤がスクアランを含む、態様180のパーソナルケア配合物。
【0524】
態様182:ローション、クリーム、セラム、軟膏、シャンプー、コンディショナー、ヘアスプレー、ヘアジェル、デオドラント、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、フェイシャルもしくはボディスクラブ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、液体石鹸、固形石鹸、ファンデーション下地、BBクリーム、CCクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムもしくはクリームもしくはローション、セルラーセラムもしくはクリームもしくはローション、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、口紅、リップバーム、またはクレイ懸濁液、カオリン懸濁液、もしくは泥懸濁液である、態様171~181のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0525】
態様183:スキンケア配合物である、態様171~182のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0526】
態様184:ボディスクラブまたはフェイシャルスクラブ配合物である、態様171~183のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0527】
態様185:サンスクリーン剤配合物である、態様171~183のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0528】
態様186:bbクリーム、ccクリーム、またはアイクリーム配合物である、態様171~185のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0529】
態様187:アンチアクネセラムまたはセルラーセラム配合物である、態様171~186のいずれか1つのパーソナルケア配合物。
【0530】
態様188:粒子が約6ミクロン未満のd75を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0531】
態様189:粒子が約0.5ミクロン~約6ミクロンのd75を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0532】
態様190:粒子が約0.6ミクロン~約2.0ミクロンのd50を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0533】
態様191:粒子が約0.4ミクロン~約0.8ミクロンのd10を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0534】
態様192:粒子が約1ミクロン~約12ミクロンのd90を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0535】
態様193:粒子が約1ミクロン~約8ミクロンのd90を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0536】
態様194:粒子がリグニンをさらに含む、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0537】
態様195:粒子が、
少なくとも約70重量%のセルロース、および
少なくとも約5重量%のリグニン
を含む、
先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0538】
態様196:粒子が1%未満のリグニンをさらに含む、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0539】
態様197:粒子が球形を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0540】
態様198:セルロースの少なくとも一部分がI型セルロースである、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0541】
態様199:I型セルロースに対するII型セルロースの比が少なくとも約0.2である、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0542】
態様200:セルロースが約16~約120の重合度DPを有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0543】
態様201:セルロースが約35~約60の重合度DPを有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0544】
態様202:粒子が約-2~約-50mVのゼータ電位を有する、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0545】
態様203:再懸濁化剤をさらに含む、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0546】
態様204:再懸濁化剤が、オリゴ糖、単糖、スクロース、グリセロール、クエン酸、ソルビトール、マルトデキストリン、ポリオール、糖アルコール、またはこれらの任意の組合せを含む、先行する態様のいずれか1つの濃化組成物、または懸濁液、または乳濁液もしくは乳化可能組成物、または発酵もしくは発酵可能食品、または食肉、食肉類似物もしくは食肉模倣物製品、または再懸濁可能なセルロース組成物、またはパーソナルケア製品、または地下処理用組成物、もしくは金属加工液、切断液、プレス加工液、研磨液、減摩液、冷却液、もしくは潤滑液。
【0547】
態様205:先行する態様のいずれか1つの組成物を含む、食品グレードの卵代替物。
【0548】
態様206:セルロース含有粒子を調製する方法であって、方法が、
(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記混合物が、グルコオリゴ糖(GOS)およびセルロース含有粒子を含む、接触させること;
(b)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物からリグニンを分離すること;
(c)任意選択的に、GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSおよびセルロース含有粒子を含むより高固体の混合物を形成させること;ならびに
(d)GOSおよびセルロース含有粒子を含む混合物を有機溶媒と接触させて、固体GOSおよびセルロース含有粒子を形成させること
を含む、
方法。
【0549】
態様207:固体GOSおよびセルロース含有粒子を固体として液体から単離することをさらに含む、態様206の方法。
【0550】
態様208:固体GOSおよびセルロース含有粒子を水と接触させて、GOSを溶解させることをさらに含む、態様207の方法。
【0551】
態様209:セルロース含有固体粒子を液体から分離すること、およびセルロース含有粒子を回収することをさらに含み、
粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
態様208の方法。
【0552】
態様210:有機溶媒がアルコールである、態様206~209のいずれか1つの方法。
【0553】
態様211:有機溶媒がエタノールである、態様206~210のいずれか1つの方法。
【0554】
態様212:セルロース含有粒子の水性懸濁液の固体含有量を増加させる方法であって、方法が、
(a)水性懸濁液を凍結して、凍結懸濁液を形成させること;
(b)凍結懸濁液を解凍して、懸濁液の上部がより低い固体含有量を有し、かつ懸濁液の下部がより高い固体含有量を有するように、懸濁液中に固体含有量のグラデーションを形成させること;
(c)下部の少なくとも一部分を単離すること;ならびに
(d)任意選択的に、下部に対してステップ(a)、(b)および(c)を1回または複数回繰り返すこと
を含み;
粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
方法。
【0555】
態様213:水溶性グルコオリゴ糖(GOS)の固体試料を調製する方法であって、方法が、
(a)充分な期間にわたりセルロース基質を亜臨界、近臨界または超臨界液体と接触させて液体と固体との混合物を形成させることであって、前記液体がGOSを含む、接触させること;
(b)液体の少なくとも一部分を回収すること;
(c)任意選択的に、GOSを含む液体から液体の少なくとも一部分を除去して、GOSを含むより高固体の液体を形成させること;
(d)GOSを含むより高固体の液体を有機溶媒と接触させて、固体GOSを形成させること;
(e)液体から固体GOSを分離し、固体GOSを回収すること
を含む、
方法。
【0556】
態様214:有機溶媒がアルコールである、態様213の方法。
【0557】
態様215:有機溶媒がエタノールである、態様213または214の方法。
【0558】
態様216:50℃より高い温度において固体を乾燥させることまたは不活性雰囲気下で固体を乾燥させることまたは両方をさらに含む、態様213~215のいずれか1つの方法。
【0559】
態様217:粒子が、先行する態様のいずれかにおいて定義されるものである、態様206、または態様212、または態様213の方法。
【0560】
態様218:先行する態様の任意の2つまたはそれより多くの組合せ。
【0561】
態様219:泡であって、泡が、
粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.5ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースである、
粒子
を含み;かつ
泡が、組成物に組み込まれて、そのような組成物に構造を提供する、
泡。
【0562】
態様220:粒子が、構造組成物の総重量に基づいて少なくとも約0.5重量%の粒子のレベルで存在する、態様219の泡。
【0563】
態様221:粒子が、構造組成物の総重量に基づいて約0.5~約40.0重量%の粒子のレベルで存在する、態様219または220の泡。
【0564】
態様222:1つまたは複数の追加の濃化剤をさらに含み、かつ、結果として得られる粘度が、構造組成物を含むそれ以外は同一の組成物の粘度および1つまたは複数の追加の濃化剤を含むそれ以外は同一の組成物の粘度の和より少なくとも10%大きい、態様219~221のいずれか1つの泡。
【0565】
態様223:組成物が固体粒子をさらに含む、態様219~222のいずれか1つの泡。
【0566】
態様224:構造組成物が、コンディショナー、モイスチャライザー、皮膚軟化剤、閉塞剤、石鹸、界面活性剤、エクスフォリアント、顔料粒子、充填剤もしくは増量剤粒子、ポリマー粒子、ビーズまたはこれらの組合せのようなパーソナルケア成分をさらに含む、態様219~223のいずれか1つの泡。
【0567】
態様225:構造化組成物が、クリーム、軟膏、シャンプー、コンディショナー、ヘアトリートメントムース、フェイシャルもしくはボディウォッシュ、エクスフォリアント、皮膚軟化剤、モイスチャライザー、液体石鹸、ファンデーション下地、BBクリーム、CCクリーム、アイクリーム、サンスクリーン剤、アンチアクネセラムクリーム、セルラークリーム、フェイシャルもしくはボディマスク、頬紅、アイシャドウ、口紅、リップバームである、態様219~224のいずれか1つの泡。
【0568】
態様226:構造化組成物が食品であり、食品が、ベーグル、マフィン、スコーン、パン、ピザ生地、クラッカー、ペストリー、パイ、ケーキ、ショートケーキ、カップケーキ、パンケーキ、ワッフル、スポンジプディング、ヨークシャープディング、ドーナツ、丸パン、ブラウニー、ブロンディ、ビスケット、クッキー、パスタ、および麺から選択される発酵食品である、態様219~223のいずれか1つの泡。
【0569】
態様227:構造化組成物が食品であり、食品が、ベーグルミックス、マフィンミックス、スコーンミックス、パンミックス、ピザ生地ミックス、クラッカーミックス、ペストリーミックス、パイミックス、ケーキミックス、ショートケーキミックス、カップケーキミックス、パンケーキミックス、ワッフルミックス、スポンジプディングミックス、ヨークシャープディングミックス、ドーナツミックス、丸パンミックス、ブラウニーミックス、ブロンディミックス、ビスケットミックス、クッキーミックス、パスタミックス、麺ミックス、および穀粉組成物、またはこれらの生地から選択される発酵可能食品である、態様219~223のいずれか1つの泡。
【0570】
態様228:構造化組成物が食品であり、食品が、エッグフリーであるか、またはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーである、態様219~223または226~227のいずれか1つの泡。
【0571】
態様229:構造化組成物が、グルテンフリーの食品である、態様219~223または226~228のいずれか1つの泡。
【0572】
態様230:構造化組成物が、エッグフリーかつグルテンフリーの食品である、態様219~223または226~229のいずれか1つの泡。
【0573】
態様231:構造化組成物がアレルゲンフリーの食品である、態様219~223または226~230のいずれか1つの泡。
【0574】
態様232:構造化組成物が、マシュマロ、アイスクリーム、シャーベット、冷凍ヨーグルト、ホイップクリーム、メレンゲ、ムース、ホイップゼラチン、ホイッププディング、ホイップヨーグルトである、態様219~223または226~231のいずれか1つの泡。
【0575】
態様233:構造化組成物が、小サイズのセルロースを含む粒子を用いて作られていないアイスクリームまたはシャーベットまたは冷凍ヨーグルトよりゆっくり溶けるアイスクリームまたはシャーベットまたは冷凍ヨーグルトである、態様219~223または226~232のいずれか1つの泡。
【0576】
態様234:粒子を含む食品であって、
粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.4ミクロン~約5ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり、かつ
食品が、マヨネーズ、アイオリ、サラダドレッシング、マリネード、サンドイッチスプレッド、ベジタブルスプレッド、ベジタブルショートニング、ビネグレット、調味料、トッピング、チーズ、ヨーグルト、アイスクリーム、プディング、カスタード、フィリング、ピューレ、バター、マーガリン、クリーム、ミルク、スープ、グレイビー、果実バター、ナッツバター、コーヒー飲料、チョコレート飲料、模倣フレーバー飲料、シロップ、スープ、およびソースから選択される乳濁液であるか、またはこれらを含む、
食品。
【0577】
態様235:基材を潤滑および/または冷却する方法であって、方法が、地下処理用組成物またはマシニング/加工用組成物を基材に塗布することを含み、組成物が、
(a)液体;および
(b)液体中に懸濁された粒子であって、粒子が、
セルロースを含み;
以下:
(1)約8ミクロン未満のd75
(2)約0.4ミクロン~約5.0ミクロンのd50
の少なくとも1つを有し;
約1~約1.5のアスペクト比を有し;かつ
非球形を有し;かつ
セルロースの少なくとも一部分がII型セルロースであり、かつ
基材が、天然岩石、金属、プラスチック、および石造物構築材料から選択される、
方法。
【0578】
態様236:基材の研磨、基材のホーニング、基材の切断、基材のプレス加工、基材の穴あけ、基材の摩砕もしくは研磨、基材のミーリング、または基材への旋盤の使用の1つまたは複数をさらに含む、態様235の方法。
【0579】
態様237:乳濁液が、バーベキューソースまたはトマトソースであるか、またはこれらの成分である、態様40~44のいずれか1つの乳濁液。
【0580】
態様238:パンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0581】
態様239:グルテンフリーのパンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0582】
態様240:エッグフリーまたはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーのパンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0583】
態様241:グルテンフリーかつエッグフリーのパンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0584】
態様242:ブラウニーである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0585】
態様243:グルテンフリーのブラウニーである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0586】
態様244:エッグフリーまたはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーのブラウニーである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0587】
態様245:グルテンフリーかつエッグフリーのブラウニーである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0588】
態様246:マフィンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0589】
態様247:グルテンフリーのマフィンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0590】
態様248:エッグフリーまたはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーのマフィンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0591】
態様249:グルテンフリーかつエッグフリーのマフィンである、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0592】
態様250:パスタまたは麺である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0593】
態様251:グルテンフリーのパスタまたは麺である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0594】
態様252:エッグフリーまたはエッグフリーかつ卵代用品およびエッグリプレーサーフリーのパスタまたは麺である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0595】
態様253:グルテンフリーかつエッグフリーのパスタまたは麺である、態様67~70のいずれか1つの食品。
【0596】
態様254:ソーセージである、態様77~81のいずれか1つの食肉または食肉類似物組成物。
【0597】
態様255:チキンソーセージである、態様77~81のいずれか1つの食肉または食肉類似物組成物。
【0598】
態様256:アイスクリーム、ジェラート、シャーベット、冷凍ヨーグルト、冷凍ミルクまたは冷凍カスタードである、態様1~4、14~22、39~44、66~67、219~223のいずれか1つの食品。
【0599】
態様256:アイスクリームである、態様1~4、14~22、39~44、66~67、219~223のいずれか1つの食品。
【0600】
本明細書において開示される組成物、方法、および製造物の様々な態様が請求項において記載され、これらの請求項(またはその部分)は任意に組み合わせられて実施形態を定義し得る。
【0601】
それぞれの開示される方法は、追加のステップ、操作、および/または成分をさらに含み得ることが想定される。任意の1つまたは複数のステップ、操作、および/または成分を本発明から任意選択的に省略できることもまた想定される。開示される方法を使用して開示される化合物を提供できることが理解される。開示される方法の製造物は、開示される使用方法において用いることができることも理解される。
【実施例
【0602】
M.実施例
以下の実施例は、本出願において請求される組成物および/または方法をどのように製造および評価するかの完全な開示および説明を当業者に提供するために記載され、本発明の純粋に例示的なものであることが意図され、本発明者らが自身の発明であると考えているものの範囲を限定することは意図されない。数(例えば、量、温度など)に関して正確性を確実にするように努力しているが、何らかの誤りおよび逸脱を考慮すべきである。別に指し示さない限り、部は重量部であり、温度は℃であるか、または周囲温度におけるものであり、圧力は大気圧または大気圧付近のものである。
【0603】
実施例は、例を以って本発明を説明するために本明細書において提供され、いかなる意味でも本発明を限定するものと解されるべきではない。実施例は、例を以って本発明を説明するために本明細書において提供され、いかなる意味でも本発明を限定するものと解されるべきではない。
【0604】
実施例1:セルロース粒子の調製
この実施例では、2ステッププロセスを使用してセルロース粒子をバイオマスから形成させた。第1のステップにより消化蒸気爆砕(digested steam exploded;DSE)バイオマスを製造した。サイズ低減バイオマスの水性スラリーを、水平スクリュー消化装置中で約180~205℃の温度で約20~30分の期間にわたり、液体の全てを液体形態に保つために充分な圧力(一般に約20bar未満)下での消化に供した。消化からの製造物を蒸気混合スクリューおよび水平スクリュー消化装置に流し、今回は、約190~240℃の温度および約35bar未満の圧力において約5~30分とした。ブローラインを通じてバイオマスを排出し、圧力を急速に低下させてバイオマスをより小さい粒子に爆砕させた(蒸気爆砕)。DSE材料を第2のステップでの超臨界加水分解反応器への供給原料として使用した。その反応器中、DSEバイオマスの水性スラリーを約350~420℃の温度において約10秒未満の期間にわたり、液体を液体または超臨界形態に保つために充分な圧力(一般に約250bar未満)下に供した。加水分解からの結果として得られた混合物を一連の冷却ステップを介して約60~100℃の温度に冷却した後、濾過して液体(主にグルコオリゴ糖、GOS)を固体(主にリグニンおよびセルロース多糖固体)から分離した。リグニンおよびセルロース多糖固体を分離し、セルロース含有粒子をスラリーまたは懸濁液として回収し、それをさらに脱水して、約16~25%の最大固体含有量および約1.0μmのメジアン平均粒子サイズ(Beckman Coulter Particle Sizerによる測定で約1μmのd(50))を有する安定な懸濁液を製造した。図1および図2は、セルロース粒子を調製する方法の概要を示す。以下の粒子サイズデータが4つの別々の調製から得られたセルロース粒子について得られ(表1)、図5は、代表的な試料(試料A)について粒子サイズ(μm)に対してプロットした粒子の体積%(および粒子の累積体積%)を示す。図6は、1重量%の希釈(左の画像)および0.1重量%)の希釈(右の画像)におけるセルロース粒子のAFM顕微鏡写真画像を示す。
【0605】
表1は、リグノセルロースバイオマスから得られたセルロース粒子の粒子サイズ分布を示す。


【0606】
例えば加熱または回転蒸発による、水の除去は、粒子の塊状化およびはるかにより大きい平均粒子サイズを結果としてもたらした。しかしながら、懸濁液を1つまたは複数の凍結解凍サイクルに供することにより粒子の塊状化なしでより高い固体含有量を達成できることが見出された。凍結解凍サイクルの最初の凍結は、固体を大まかに会合させ、それにより、対応する解凍が部分的に分離した懸濁液を結果としてもたらし、この懸濁液から上表面の過剰な水を(例えば、ピペット、またはデカンテーションにより)容易に除去できるという効果を有した。結果として得られた懸濁液は、約28%の固体を有した。繰返しの凍結解凍サイクルにより、懸濁液の固体レベルを40%程度の高さの固体まで増加させることが可能となった。
【0607】
実施例2:沈殿グルコオリゴ糖(PGOS)の調製
この実施例は、沈殿グルコオリゴ糖(PGOS)の試料の調製を詳述する。実施例1からのGOS画分を、所望の場合、別々のステップまたは一連のステップにおいてさらに精製または部分精製することができる。GOS溶液を部分的に蒸発させて、溶液を濃縮(50~90%の固体まで)させた後、エタノール(またはメタノール、またはイソプロパノール、またはブタノール、またはアセトン、またはこれらの任意の組合せ)を用いて洗浄/再懸濁し、これにより沈殿GOSオリゴマー(PGOS)の混合物を白色固体として沈殿させた。PGOS固体は、少量の残留色を有することがあり、それは例えば、水または他の好適な溶媒中に再溶解させ、溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことにより(または代替的には、過酸化水素を用いた漂白により、またはアセトンを用いた抽出により)、実質的に除去することができる。ダークブラウンの液体部分(例えば、単糖、可溶性リグニン、および他の不純物を含有する)を、所望の場合、例えば、液体をクロマトグラフィーカラムに通すことにより、別々に除去および精製することができる。
【0608】
湿潤状態で単離されると、白色のPGOS固体は、空気中で乾燥しながら経時的に黒ずんだ。単独または組合せでの以下の手順:(1)上昇させた温度(例えば、50~105℃)において直ちに固体を乾燥させること、および/または(2)窒素のような不活性雰囲気下で材料を乾燥させることは、白色PGOS固体が黒ずむことの回避を助けることが見出された。いずれの場合でも、固体を広げて、より大きな表面積を与えることもまた有益である。乾燥すると、固体は室温において変色に対して安定であるが、一旦乾燥したら、より高い温度を回避するべきであり、これは、乾燥固体は、より高い温度(例えば、70℃より高い温度)において黒ずむためである。さらなる精製は、PGOS固体の溶液をクロマトグラフィーカラムに通すことにより達成され得る。
【0609】
変色が起こる場合、固体を水または水性溶媒中に再懸濁(例えば、約50%の固体)した後、エタノール(および/またはメタノール-アセトン)を用いて再沈殿させることができ、それを濾過することにより白色固体PGOSが再生される。あるいは、白色固体PGOSのエタノールスラリー中に過酸化水素を添加することもまた、固体から色を除去する効果を有する。
【0610】
GOS中の様々なオリゴ糖の相対含有量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を使用して公知の方法により決定することができる。GOSオリゴマーの典型的な分布が図7において示され、エタノールを使用するGOSの沈殿により形成されたPGOSについて得られたものと比較している。
【0611】
実施例3:セルロース粒子の凝固調製
この実施例は、セルロース粒子を加工および単離するための代替的な方法の概要を述べる(図4を参照)。2ステップ加水分解プロセスを使用してセルロース粒子をバイオマスから形成させた。第1のステップにより消化蒸気爆砕(DSE)バイオマスを製造した。サイズ低減バイオマスの水性スラリーを、水平スクリュー消化装置中で約180~205℃の温度で約20~30分の期間にわたり、液体の全てを液体形態に保つために充分な圧力(一般に約20bar未満)下での消化に供した。消化からの製造物を蒸気混合スクリューおよび水平スクリュー消化装置に流し、今回は、約190~240℃の温度および約35bar未満の圧力において約5~30分とした。ブローラインを通じてバイオマスを排出し、圧力を急速に低下させてバイオマスをより小さい粒子に爆砕させた(蒸気爆砕)。DSE材料を第2のステップでの超臨界加水分解反応器への供給原料として使用した。その反応器中、DSEバイオマスの水性スラリーを約350~400℃の温度において約10秒未満の期間にわたり、液体を液体または超臨界形態に保つために充分な圧力(例えば、221~250bar)下に供した。結果として得られた混合物を一連の冷却ステップを介して60~100℃の温度に冷却し、リグニンを、グルコオリゴ糖(GOS)、セルロース多糖、および水を含む組成物から分離した。所望の場合、リグニンをさらに加工することができる。
【0612】
GOS、セルロース多糖、および水を含む組成物はまた、ある程度の小さいリグニン粒子および他の不純物を有することがあり、したがって、以下の一連のステップにおいて糖を一緒にさらに精製および単離した。懸濁液を穏やかな熱を用いて濃縮(例えば、60~90%の固体まで)した後、エタノールまたは水性エタノールを用いて洗浄/再懸濁し、固体リグニン粒子、単糖および二糖の全てまたは一部を溶解させながら(既に)固体のセルロース多糖と共により高分子量のGOSオリゴマーおよびより低分子量のGOSオリゴマーの部分(総称的にPGOS)を固体として沈殿させた。理論により縛られることを望まないが、PGOSオリゴマーは固体セルロース多糖の表面上に沈殿すると考えられる。液体部分(単糖および二糖、溶解したリグニンおよび他の不純物の部分を含む)をセルロース固体から濾過し、エタノールの大部分を除去(例えば、蒸留または留去)してリグニン成分を沈殿させ、それを残りの液体成分(大部分は水)から濾過してフィルター上に高純度のリグニン製造物を単離した。液体をクロマトグラフィーカラムに通すことにより単糖を精製することができる。
【0613】
PGOSがその中に含有されるセルロースの少なくとも一部分の表面に吸着した、結果として得られたセルロース組成物を乾燥させることができる(例えば、5重量%以下の水)。所望の場合、この乾燥組成物を次に液体中に再懸濁して、元々の粒子サイズ分布を実質的に再現することができる(実施例5を参照)。元々の粒子サイズ分布を実質的に再現するこの現象は、セルロース組成物をGOSまたは別の再懸濁化剤(本明細書の他の箇所において記載される)の存在下で乾燥させない場合には観察されず、むしろ、セルロース粒子は塊状化し、はるかにより大きい粒子サイズ分布が形成される。
【0614】
所望の場合、水不溶性のセルロース固体を水洗浄および濾過(PGOSの水溶液がフィルターを通過することを可能とする)により表面吸着した水溶性PGOS成分から単離することができる。水および残留エタノールをPGOS溶液から除去(例えば、蒸発、留去など)して、固体PGOS試料を残した。高純度のセルロース粒子を、Beckman Coulter Particle Sizerにより測定される約1μmのd(50)を有し、かつ実施例1に記載される16~20重量%)の懸濁液より低いリグニン含有量を有する安定な懸濁液としてフィルター上に単離した。
【0615】
実施例1と比較して、このエタノール沈殿法は、困難な濾過ステップ(例えば、超臨界加水分解から得られるセルロース/リグニン混合物からのGOSストリームの濾過)を回避し、残留エタノール可溶性リグニン、低分子量の糖(DP 1~2)および他の不純物からエタノール不溶性のオリゴ糖および多糖を効果的に分離するエタノール洗浄ステップを組み込み、かつ高純度のリグニン製造物およびより高純度のPGOSの他に、表面に吸着したPGOSと共にまたは伴わずに単離され得る精製されたセルロース粒子を提供する(所望の場合、組合せのPGOS/セルロース組成物を乾燥させて、再懸濁可能なセルロース組成物を形成させてもよい)。
【0616】
実施例4:セルロース粒子への代替的な経路
この実施例では、1ステッププロセスを使用してセルロース粒子を微結晶セルロース(MCC)から形成させた。広範な粒子サイズ分布および約35μmのd50(Beckman Coulter Particle Size Analyzerによる測定)を有するMCC(Blackburn Distributions、Nelson、Lancashire、UKより入手)を水と混合してスラリーを形成させ、それを約350~420℃の温度に約10秒未満の期間にわたり、液体を液体または超臨界形態に保つために充分な圧力(一般に約250bar未満)下に供した。結果として得られた混合物を冷却ステップを介して約100℃未満の温度に冷却し、74μm(200メッシュ)ふるいに通してふるい分けした後、遠心分離して液体(主にグルコオリゴ糖、GOS)を固体(セルロース多糖固体)から分離した。セルロース粒子を安定な懸濁液(16~25%の固体)として単離した。表2は、出発材料としてMCCを使用してこの種類のいくつもの調製物について得られた粒子サイズ分布を示す。

【0617】
あるいは、GOS溶液を最初に分離することなく、結果として得られた混合物を乾燥させ、それにより、セルロースの表面の少なくとも一部分に吸着したGOSを有するセルロース組成物を提供することができる。このセルロース(GOSと共に乾燥されている)は水中に再懸濁可能であり、また元々の粒子サイズ分布が実質的に再現される(実施例5を参照)。この実施例において記載される経路は、リグニンを含まないまたは実質的に含まないセルロース粒子および組成物を提供し、これはある特定の応用のために望ましいものであり得る。
【0618】
実施例5:セルロース粒子の再懸濁性
上記(実施例1、3および4)に概要を述べたように、セルロース粒子が安定な懸濁液の形態で単離され、セルロース懸濁液は、遠心分離すると、約16~25%の最大固体含有量および約0.8~1.0μmのd50粒子サイズを有する。水の除去(例えば、加熱または回転蒸発による)は粒子の塊状化を引き起こして、はるかにより大きいd50粒子サイズを結果としてもたらし、また水中で安定な懸濁液を形成しないセルロースの乾燥フレークを結果としてもたらす。したがって、輸送の観点から望ましい上記の方式でのセルロース粒子の乾燥は、技術的な観点から問題を抱えており、その理由は、レシピエントは、予備乾燥したセルロース粒子の同じ特性(例えば、粒子サイズ分布)を有する水性配合物に成分を配合できないためである。この実施例は、この現象をさらに探求し、この問題を回避するための方法を提供する。
【0619】
予想外なことに、実施例4の方法によるセルロース粒子の繰返しの調製において、濾過なしでMCCの近臨界または超臨界加水分解から製造された混合物をふるい分けして未反応MCC粒子(>74μm)を除去した後、混合物を乾燥状態まで蒸発させた場合、固体は実質的に再懸濁可能であり、乾燥前に存在する実質的に同じ粒子サイズ分布が達成されることが見出された(表3)。セルロース粒子の表面に吸着している可能性がある、この混合物中に存在する他の成分は水溶性グルコオリゴ糖(GOS)である。表3は、実施例4の方法(MCCの超臨界加水分解)から湿潤状態(すなわち、乾燥前)で得られたセルロース粒子についての粒子サイズ分布を、乾燥状態で得られた後に再懸濁したものと比較して示す。

【0620】
データは、セルロース懸濁液をMCCの加水分解の結果としてもたらされる反応混合物の存在下で乾燥させた後に水中に再懸濁した場合、実質的に同じ粒子サイズ分布が再生されたことを示す。
【0621】
この観察を確認するために、実施例1のセルロース粒子または実施例4のセルロース粒子のいずれかの湿潤スラリーへのグルコオリゴ糖(GOS)の添加またはPGOS(実施例2から)の添加は、それぞれの場合において、1時間の穏やかな加熱(45℃)後に30秒間撹拌(低せん断、12,000rpm)することにより水中に再懸濁できる粉末にオーブン乾燥できる混合物を生成した。対照実験により、GOSまたはPGOSの添加なしで、セルロース粒子は塊状化して、非常に急速に水に沈降する大きい粒子を形成することが確認された。
【0622】
同様に、実施例4における加水分解反応から得られるようなセルロース粒子とGOSとの混合物を水を用いて再懸濁した後、フィルタープレスにより濾過し、水により洗浄してGOS溶液を除去したところ、セルロース粒子がフィルター上に残存した。濾過ケークを水を用いて再懸濁し、依然として湿潤状態のまま再びGOS溶液を加えた後、乾燥状態まで加熱した。セルロース粒子およびGOSの粉末混合物は、上記されるような同じ穏やかな熱および撹拌を使用して容易に水中に再懸濁された。再びGOSを加えることなく、乾燥状態まで加熱した後のフィルターからのセルロース粒子は、再懸濁可能でなかった。
【0623】
表4に示される水溶性の添加物を別々に試験して、添加物がセルロース粒子の塊状化を防止したかどうか、および組成物を実質的に乾燥させた後に固体の再懸濁を可能としたかどうかを調べた。この実施例において用いたセルロース粒子は、MCCの超臨界加水分解の後に、濾過してGOSを除去し、水中の混合物を形成させて、任意の残留GOSを除去した後に、水を添加してセルロース粒子の7%の固体混合物の50.0gの試料を得ることにより単離された固体であった。セルロース混合物を最初に74μm(200メッシュ)ふるいに通してふるい分けした後、可溶性の添加物を加えた。次に、添加物を加え、混合物を終夜55℃でオーブン乾燥した。(再水和の前にサイズ低減のいかなる試みもなしに)再び水を加え、45℃で1時間加熱し、媒体速度(12,000rpm)において30秒間ブレンドした。新たな混合物を74μmふるいに通し、重量測定によりグリット画分を決定した。材料は乾燥前に74μmふるいを元々通過したので、水中での混合物の形成後に2回目に通した時に74μmふるいに捕捉された任意の材料は、再懸濁不可能な塊状化粒子(74μmより大きい)の結果としてもたらされる。再懸濁不可能な材料の量を、元々の7%の試料中の固体の量のパーセンテージとして表4に記録している。したがって、ふるいに捕捉された低いパーセンテージの出発材料は、セルロース組成物の再懸濁の成功に対応する。
【0624】
表4は、この方法によるセルロース粒子の再懸濁性を示す。


【0625】
様々なポリオール(例えば、糖および/または糖アルコール)は、セルロースが完全に乾燥した時に存在する場合、セルロース粒子の再懸濁を補助することができる。同じスクロースブレンド物をオーブン乾燥の代わりに凍結乾燥した場合、セルロース粒子を再懸濁するために熱または混合は必要なく、濾過後にふるい上にグリットは実質的に存在しなかった。同様に、表4におけるものと別々の実験において、グリセロール(総固体に対する50%の量)を用いる凍結乾燥は、これもまた水中に再懸濁して水性懸濁液中のセルロース粒子の再生を可能とするペーストを生成する。しかしながら、粒子を乾燥させた後のこれらの任意の添加物の添加は、再懸濁の補助のために効果的でない。
【0626】
さらなる実験では、モノマーグルコースもまた、セルロース粒子を実質的に乾燥させた後に再懸濁化剤として作用し得るかどうか、および、実質的に同じ粒子サイズ分布が再生され得るかどうかを試験した。この実施例において用いたセルロース粒子は、MCCの超臨界加水分解の後に、濾過してGOSを除去し、水中の混合物を形成させて、任意の残留GOSの固体をふるい分けし(74μmふるいに通すことによる)、任意の残留GOSの固体を洗浄した後、水を添加してセルロース粒子の7%の固体懸濁液の50.0gの試料を得ることにより単離された固体であった。グルコースを加える前に、この7%のセルロース組成物懸濁液について粒子サイズ分布(Beckman Coulter Particle Sizer)を記録した。撹拌と共にグルコースを加えた後(乾燥換算での粒子およびグルコースを合わせた重量に基づいて、1:1のグルコース対セルロース粒子の比)、混合物を55℃で終夜オーブン乾燥した。(再水和の前にサイズ低減のいかなる試みもなしに)再び水を加え、45℃で1時間加熱し、媒体速度(12,000rpm)において30秒間ブレンドした。再懸濁されたセルロース組成物の粒子サイズ分布(Beckman Coulter Particle Sizer)を再び記録して、実質的に同じ粒子サイズ分布が再生され得るかどうかを調べた。以下の表5は、グルコース添加前(および実質的に乾燥させる前)、およびグルコース添加後に乾燥、次いで水中への再懸濁後のセルロース粒子の粒子サイズパラメーターを示す。

【0627】
データは、セルロース懸濁液をグルコースの存在下で乾燥させた後に水中に再懸濁した場合、実質的に同じ粒子サイズ分布が再生されたことを示す。
【0628】
モデル系(上記)では、セルロース含有粒子を依然として湿潤状態(約15~20重量%の固体含有量)でフィルター上に単離した後、試料の乾燥前にグルコースを添加した。セルロース含有固体粒子の存在下で固体としてのPGOSの沈殿、およびその後の濾過もまた可能である。特に、リグノセルロースバイオマスを超臨界加水分解に供したところ、GOS、単糖(および二糖)、リグニン成分および他の微量の水溶性不純物と共にセルロース含有粒子がもたらされた。混合物を遠心分離してリグニン成分の大部分を除去した後、7%の固体混合物が結果として得られるまで、水を残りの混合物から蒸発させた。結果として得られたセルロース含有粒子について粒子サイズ分布を決定した。13%の固体混合物が結果として得られるまで、さらなる水を残りの混合物から蒸発させた。次に、エタノールを加え、これは、恐らくセルロース含有粒子上に、実施例2に記載されるように(PGOSとして)、水溶性GOSの大部分の沈殿を引き起こした。水/エタノール中の結果として得られた白色固体を撹拌した後、濾過して液体成分を除去し、エタノールを用いてフィルターに通して洗浄した。この洗浄は、水および可溶性の糖成分(単糖および一部の二糖)の他に、遠心分離を生き延びる任意の小粒子リグニン、および加水分解反応からの水溶性不純物を除去した。アルコール湿潤固体を回収し、乾燥まで55℃のオーブン中で終夜乾燥させた。次に、乾燥した固体を混合方法A(PGOSは水溶性である)を使用して水中に再懸濁させ、粒子サイズ分布決定のためにサンプリングした。結果を以下の表6に示す。

【0629】
データは、PGOSをセルロース含有粒子の存在下で沈殿させ、固体を濾過した後、乾燥させ、その後に水中に再懸濁させた時に、実質的に同じ粒子サイズ分布が再生されたことを示す。
【0630】
沈殿ステップが必須であるかどうかを決定するためにさらなる実験を行った。特に、リグノセルロースバイオマスを超臨界加水分解に供したところ、GOS、単糖、リグニン成分および他の微量の水溶性不純物と共にセルロース含有粒子がもたらされた。セルロース含有粒子について粒子サイズ分布を決定した。いかなる遠心分離ステップもなしで、固体が乾燥するまで水を混合物から蒸発させた。次に、混合方法Aを使用して乾燥した固体を水中に再懸濁させ、粒子サイズ分布決定のためにサンプリングした。結果を以下の表7に示す。

【0631】
元々の粒子サイズ分布は再生されなかった。セルロース粒子上へのグルコオリゴ糖(PGOSとして)の沈殿は、全インサイチュ反応混合物(粒子の単離なし)を乾燥しようと試みるより再懸濁化因子としてはるかに効果的である。
【0632】
再懸濁可能なセルロース含有粒子は、典型的に、約45℃の温度において30~60秒間、水中の粒子の4~8重量%の混合物を12,000rpmでブレンドすることにより再懸濁させることができる。具体的には、粒子をセルロース供給原料の超臨界加水分解を介して調製し(本明細書の他の箇所に議論されるように)、濾過し、水を用いて再スラリー化した後、約1μmのd50を有する粒子(依然として湿潤状態)を単離した。次に、セルロース粒子(約4.2重量%の固体含有量)を凍結解凍サイクルに供して、15重量%の固体懸濁液を得、この固体懸濁液中、一部のより大きい粒子は沈降した。次に、これらの固体を水を用いて4重量%まで希釈し、この段落に記載の条件における30秒のブレンドに供して、試料Aを結果として得た(以下の表8を参照)。表8に見られるように、試料Aのd50粒子サイズは、6.5μmで依然としてかなり大きい。30秒間の追加のブレンドは、d50を約1μmに戻すために充分であり、d10およびd90値もまた許容される限度内である(表8における試料B)。追加の30秒のブレンド(合計90秒)は、粒子サイズ分布をさらに低減させなかった(試料C)。凍結解凍サイクルの結果としてもたらされる弱い塊状化は、ブレンド時間を追加の30秒間延ばすことにより破壊することができる。このアプローチからの粒子サイズ低減は、弱い塊状化が起こる前に存在する一次粒子のものに限定される。

【0633】
実施例6:水性懸濁液の安定性および特性
水性懸濁液中のセルロース粒子の安定性を食品産業において広く使用されている市販のセルロース製品:(1)果実繊維であるHERBACEL(商標)、および(2)Blackburn Distributions、UKから得た約35μmの粒子サイズd50(Beckman Coulter Particle Sizerによる測定)の微結晶セルロース(MCC)と比較した。それぞれの場合(2連)において、1.0gの固体セルロース材料を遠心分離チューブに入れ、40mlの水を加えて5分間撹拌した後、1時間平衡化させた。本明細書において開示されるセルロース粒子の場合、1.0gの固体を6.25gの16%の固体懸濁液として導入し、40mlの水で希釈した。チューブを1,000rpm(低速)で10分間遠心分離した。遠心分離後、MCCは完全に沈降し、HERBACEL(商標)はわずかに膨張し、水の一部を保持したが、大部分は沈降した一方、本発明のセルロース粒子は懸濁状態に留まり、増加させた速度および期間での遠心分離後であっても、(少なくとも2週の期間にわたり)沈降しなかった(図8)。小粒子サイズセルロース粒子は、MCCおよびHERBACELとは著しく対照的に、水中で非常に安定な懸濁液を形成する。
【0634】
セルロース粒子の水性懸濁液は、非ニュートン粘性挙動を呈することが見出された(一般に、ニュートン液体は、流れの速度と共にその粘度が変化しない液体である)。具体的には、セルロース粒子の水性懸濁液はチキソトロピー性であり、すなわち、それらはずり減粘性である(チキソトロピーは時間依存的なずり減粘特性であり、静的条件下で濃密、または粘性のある特定のゲルまたは液体は、振盪、撹拌、せん断、またはそれ以外に応力を与えた時に経時的に流れる(または希薄、もしくはより低い粘度となる)。図9を参照。図9は、せん断を約10倍に増加させた時の粘度の約10倍の低下(すなわち、ずり減粘)を示す(2重量%、5重量%および6重量%の水中のセルロース粒子の濃度)。別々に、ポリマーラテックスへのセルロース粒子の添加(約30%の固体)は、所望のチキソトロピー挙動を付与することが観察され、これはラテックス塗料について有用な特性である(例えば、塗布される表面から塗料が流れたり滴り落ちることなく、塗料を比較的容易にブラシ塗布することが可能となる)。さらには、セルロース含有量の増加は、チキソトロピー比を増加させた(チキソトロピー比は、2rpmでの粘度を20rpmでの粘度で割ったものである)。pHの調整(これもまた塗料およびコーティング剤応用のために重要である)、例えば、pH=3からpH=11への増加は、粘度をわずかに変化させるが、チキソトロピー挙動に対して有意な効果を有しないことも観察された。
【0635】
セルロース粒子はまた、相乗的な濃化性を呈する。図10は、別々に、0.1%のキサンタンガム、0.2%)のメチルヒドロキシエチルセルロース、および0.1%のヒドロキシプロピルグアーとの水中のセルロース粒子(2重量%)のブレンド物を示す(パーセンテージは、総水含有量に基づく成分の固体である)。各成分は個々に、試験したレベルにおいて最小の粘度の増進を提供したが、ブレンド物は、同じレベルでの個々の材料と比較して粘度の4~10倍の増加を提供した。3重量%のセルロース粒子(同じレベル、すなわち、0.1%、0.2%および0.1%の他の3成分との組合せ)を使用して同じ比較を行ったところ、各ブレンド物の粘度が、対応する2重量%のブレンド物について観察された粘度よりさらに2倍高かったことを除いて、同じ傾向が観察された。
【0636】
実施例7:懸濁補助剤
水性懸濁液中で不溶性固体粒子を安定化させるセルロース粒子の能力をココア粉末および炭酸カルシウムという2つの異なる種類の固体について評価した。ココア粉末を懸濁させる試みでは、100gの総水性混合物中の5.0gのココア粉末を利用した。ココアは、典型的に、水中で均質な懸濁液を維持せず、疎水性成分は上部に浮かび、一部のより重い粉末要素は沈殿物として沈降する。試料を単純に120mlのプラスチック容器中で振盪して(添加の順序、水、次に懸濁補助剤、次にココア)、均質な混合物を製造し、冷却器(8℃)中で24時間沈降させた。表9(下記)は、ココア懸濁液の配合物成分を示す。

【0637】
セルロース粒子の16%の懸濁液12.5gの添加は、2.0gの固体および10.5gの水に対応する。
【0638】
セルロース粒子の16%の懸濁液25gの添加は、4.0gの固体および21gの水に対応する。
【0639】
結果を図11に示す。予想の通り、ココア粉末および水のみを含有する対照試料は、ココア固体を懸濁させず、表面に上昇する固体および底に沈殿する固体の両方であった。キサンタンは典型的に0.1%のレベルで使用され、対照より良好であったが、それもまた、24時間後に表面にココアの層を蓄積させたので、ココアを懸濁させなかった。本明細書において開示されるセルロース粒子は、2%のレベルにおいて懸濁液をほぼ安定化させるが(軽微な層が24時間後に表面に現れる)、4%のレベルのセルロース粒子Aは安定補助剤として成功したようであり、24時間の時間枠において均質な混合物を維持していた(実質的に沈殿物も浮遊層もなし)。ミルク、水およびココアのチョコレートミルクを安定化させる実験において類似の結果が得られた。
【0640】
塗料およびコーティング剤における一般的な鉱物充填剤である炭酸カルシウム(CaCC)の懸濁液の安定化におけるセルロース粒子Aの試験において、CaCOが100gの水中に10gで存在した以外は類似の実験を行った。i)対照試料(100gの水中に懸濁された10gのCaCO)と共に、見込まれる懸濁補助剤は、ii)0.1%のキサンタン、iii)2%のセルロース粒子A、およびiv)0.1%のキサンタンとの2%のセルロース粒子Aの組合せであった。結果を図12に示す。i)CaCOは、対照試料において10分以内に水から完全に沈殿した;ii)0.1%のキサンタンは、CaCOの分離を防止せず、CaCOは1時間以内に沈殿した;iii)2%のセルロース粒子Aの添加は準安定な懸濁液を生じさせ、この懸濁液は、24時間後に、試料チューブのおおよそ中間において分離を示し、すなわち、50%安定な懸濁液であった(チューブの底において含有量の20%未満の体積中に沈殿物を残す完全な分離との比較);およびiv)2%のセルロース粒子A+0.1%のキサンタンの組合せは、100%安定な懸濁液を結果としてもたらした(均質に混合された懸濁液は24時間後に維持され、この場合に無期限に安定なようであった)。その後、第2の対照試料、すなわち、0.1%のキサンタンとの2%の市販のMCCの組合せを加えた。有意に、第2の対照試料は3時間以内に完全に沈殿した。本明細書において開示されるセルロース粒子は、懸濁補助剤として機能することができ、この応用において市販のMCCよりはるかに優れている。
【0641】
実施例8:安定な乳濁液
乳濁液を安定化させるセルロース粒子の能力を以下の通りに評価した。それぞれ計100gの様々な油および水混合物を調製し、混合物中、セルロースは、油および水混合物の総重量に基づいて約2重量%の固体の量で存在した。具体的には、16重量%の懸濁液(「セルロース懸濁液」)12.5gは、2.0gの固体(セルロースおよび起こり得る固体不純物を含む)および10.5gの水(12.5g×0.16=2.0g)を含有する。計100gの乳濁液中、これは、油/水混合物の重量の2.0%のセルロース粒子のセルロース粒子含有量に対応する。以下の表10は、各試料において用いた油、セルロース懸濁液、および添加した水の量を示す。

【0642】
(表10におけるような)100gの試料を250mlのガラスビーカー中に調製し、6000rpmで5分間混合した。試料を2連で作製し、ガラス試料容器中に置いた。図13は、表10に示される割合を使用して形成された乳濁液を示す。50%の油乳濁液は最も安定であり、10%および20%の油試料はいずれもクリーム分離を起こした(小滴が浮力に起因して乳濁液の上部に上昇)。80%の乳濁液は不安定かつ分離し、沈殿物を形成した。これとは別に、落下試験により、全ての乳濁液は水乳濁液中の油であることが明らかになった(油は連続的な水相内に懸濁されている)。水乳濁液中の一般的な油としては、例えば、マヨネーズ、ビネグレット、およびエスプレッソクレマ(および本明細書の他の箇所において記載される他のもの)が挙げられる。概念の迅速な証明は、バルサミコ酢ドレッシング(油、バルサミコ酢および調味料を含む最小の配合のビネグレット)を調製することにより達成された。対照バルサミコ酢乳濁液調製物はわずか1時間後に分離した一方、セルロース粒子(計100gのバルサミコ酢乳濁液中に存在する乾燥固体換算で2.0gのセルロース粒子、すなわち、油/酢乳濁液の重量の2.0%のセルロース固体)を添加した同じ乳濁液配合物は、2週より後でもなお安定であることが見出された。セルロース、特にMCCは、典型的に、乳化剤として作用しないので、小粒子サイズセルロース粒子が乳濁液を安定化させることは驚くべきことである。
【0643】
実施例9:エッグフリーまたは卵低減マヨネーズ/ドレッシング
伝統的なマヨネーズは、卵の存在により乳濁形態で安定化される(卵黄中に存在するリン脂質レシチンは乳化剤として作用して、油および酢ベースの配合物の安定化を助ける)。マヨネーズなどの多くの配合物から卵を低減または除去して、一部のアレルゲンを含まない製品を提供し、コスト低減調整として、低コレステロール食のオプションを提供し、ビーガン食品を調製し、または動物福祉を促進するという要望が食品産業において存在する。
【0644】
4種類のセルロース組成物(以下の表11に要約される)を以下の通りに調製した標準的なマヨネーズ配合物において試験した:2つの全卵を割ってスティックブレンダー中に入れ、テーブルスプーン1のマスタードを加えた後、1つまみの塩およびテーブルスプーン2の白酢を加えた。約100mlの油(500mlの油の総量から)を混合物に直ちに加え、ブレンダーのスイッチを約10秒間入れた。ブレンダーを開け、別量の油(約100ml)を加え、さらに混合した。マヨネーズが必要な粘稠度を有するまで、残りの油を用いてこれをさらに2回または3回繰り返した。マヨネーズが回転には濃厚になり過ぎた場合、少量のレモン汁、または水または酢の添加により希薄化することができる)。
【0645】
エッグフリーマヨネーズ用の手順は、卵の重量を等グラムの重量含有量のセルロース粒子で単純に置換する以外は同じであった(各場合において、16%の固体懸濁液として添加される)。[1つの卵含有量を60.0gとし、2つの卵を使用したので、エッグフリーレシピ中16%の懸濁液120.0g=19.2gのセルロース固体およびそれと共に100.8gの水を添加した。テーブルスプーン2の酢は30.0gの酢に対応し、したがって、合計の水/酢/油=100.8の水+30.0gの酢+500.0gの油=630.8gの水/酢/油。630.8gの水/酢/油において19.2gのセルロース固体=19.2/630.8=3.0%のセルロース固体を乳濁液中の水/酢/油含有量の重量に基づいて加えた]。表11には示さないが、同様に配合したエッグフリーチポトレサンドイッチスプレッドもまた、以下に列記される同じセルロース組成物1(乳濁液中の水/酢/油含有量に基づいて3.0重量%のセルロース固体)を使用して調製した。エッグフリーマヨネーズおよびこのチポトレマヨネーズの両方は安定であった(目視検査による;乳濁液の破壊は2週より長きにわたり観察されない)。
【0646】
表11は、エッグフリーマヨネーズレシピにおいて配合したセルロース粒子の様々な試料の特徴を示す。

【0647】
表11において、セルロース粒子1は、実施例1にしたがって供給源材料の超臨界加水分解(SH)により調製した。セルロース粒子2は、実施例4にしたがって供給源材料の超臨界加水分解により調製した。比較用セルロース3は、加水分解からの結果として得られた混合物を74μmふるいに通さなかった以外は実施例4にしたがって供給源材料の超臨界加水分解により調製した。比較用セルロース4としては、16%の固体懸濁液として配合された市販のMCCを用いた。
【0648】
セルロース粒子は、卵代替物成分として機能することに成功し、エッグフリーマヨネーズ中で安定な乳濁液を生じさせた。セルロース粒子は、16%の固体懸濁液として直接的に添加することができ、直接的な等グラムの置換を可能とする(1つの非限定的な理論では、この直接的な置換は、添加される懸濁液の固体および水含有量は、置換される卵の固体および水含有量と類似していることから可能であり、卵はおおよそ23%の固体および77%の水である一方、懸濁液はおおよそ16%の固体および84%の水である)。
【0649】
より大きい粒子サイズ(例えば、D50および特にd75粒子サイズにより示される)の有意な割合を有するセルロース試料(比較用セルロース3、表11)は同じエッグフリーマヨネーズ配合物中で安定な乳濁液を生じさせないことに留意することは重要である。理論により縛られることを望まないが、小サイズのセルロースは、油-水(酢)境界面に吸着して境界を形成し、2つの相の懸濁を補助することができる可能性がある一方(いわゆる「ピッカリング」エマルション)、大粒子サイズ部分は乳濁液または安定なピッカリングエマルションを形成することができず、したがって、エッグフリーマヨネーズ配合物中の乳濁液を安定化させないと考えられる。
【0650】
脂肪または油成分を含むソース、例えば、バーベキューソースおよびパスタソースのような他の乳化製造物の調製にも成功した。そのようなソースは、伝統的に使用されるデンプン、ガムおよび/またはレシチンの代わりに試料A(表1)からのセルロース粒子を使用して調製した。パスタソースの場合、大豆レシチン(多くの場合に乳化剤として存在する)の代わりに試料Aからのセルロース粒子を使用してソースを調製し、BBQソースにおいては、試料Aからのセルロース粒子により、水分制御および濃化剤の二重の目的のために働く改良食品デンプンを、両方の特性に影響を与えない他に、安定性(例えば、シネレシスに対する安定性)および凍結解凍安定性を保存しながら置換した。
【0651】
実施例10:エッグフリー、ファットフリーおよび/またはグルテンフリーのマフィン、ブラウニー、ケーキ
乳濁液(例えば、マヨネーズ)について上記したように、多くの焼成食品製品ラインにわたり、より健康的な製品として認められるアレルゲンフリー製品を提供するために、または単純にコスト低減調整として、マフィン、ブラウニー、ケーキ、または他の発酵食品などの多くの配合物から卵またはグルテンまたは脂肪、または乳製品、またはこれらの組合せを低減または除去するという要望が存在する。しかしながら、これらの製品の全てにおいて、任意の潜在的な置換物が認められるために必要とされる最終特性の微妙な均衡が存在する。現在、これらの成分のいずれかまたは全てを単純に除去することによっては、肌理、味、食感、または他の特性の点で満足のいく製品は製造されない。上記の表11において言及した小粒子サイズセルロース粒子(セルロース粒子1およびセルロース粒子2)の他に比較用セルロース3を、以下の通りに(および以下の表12において概要を述べる量を使用して)調製した標準的なマフィン配合物において試験した:オーブンを200℃(またはファンと共に180℃)に加熱した。2つのマフィントレイに紙製マフィンベーキングカップを並べた。大きいボウル中で1分間、手持ち式の電気ミキサーを用いて卵を軽く溶いた。ちょうど合わさるまで追加の混合と共に油およびミルクを加えた後、糖を加え、滑らかなバッターが生じるまで泡立てた。穀粉および塩(および使用する場合はベーキングパウダー)をふるった後、マフィンが固くなってしまうのでバッターを混ぜ過ぎないように注意して、ちょうど滑らかとなるまで混合した。マフィンケースの3分の2まで満たし、上昇し、触感が固くなり、真ん中に挿入した串がきれいに出てくるようになるまで、20~25分間焼いた。マフィンを缶に入れて数分間冷却した後、金網台に移して完全に冷却した。

【0652】
レシピは元々、対照配合物中の置換される卵の量(おおよそ相当する量)に基づく量のセルロース粒子の湿潤状態の16%の固体懸濁液を使用して(セルロース懸濁液および卵は類似の固体%を有するため;実施例8を参照)配合した(本明細書においてそれに従った)。レシピ中のセルロース懸濁液の量を半分にすることがこれらのマフィンレシピにおいてより効果的であることが後に判明した。
【0653】
マフィンを上記に詳述されるレシピのそれぞれについて作り、別々のマフィンバッチを、成分としてのセルロースを指し示す各マフィン種についてセルロース粒子1、セルロース粒子2、および比較用セルロース3のそれぞれを使用して調製した。各マフィンレシピについて、セルロース粒子1は配合物に容易に組み込まれ、セルロース粒子2は組み込まれたが、セルロース粒子1ほど容易ではなく、比較用セルロース3は困難(より高せん断のミキサーを必要とした)を伴ってのみ組み込まれた。セルロース組成物1を含有するマフィンは、製品中のある程度のリグニンの存在に起因してわずかにより濃い茶色を有する。
【0654】
見た目、感触、食感、および味のような定性的評価の他に、Texture Analyzer(マフィンの上部への圧縮に対する抵抗力を時間の関数として測定する)、およびC-Cell(マフィンを切り開いた時のセル構造中の穴(セル)の面積および等深線を提供する)を使用したマフィンの評価も行った。
【0655】
マフィンのC-Cell解析により、セルロース粒子を含むグルテンフリーのマフィン(E)およびセルロース粒子を含むエッグフリーのマフィン(C)は、卵含有対照(A)と非常に類似したセル構造を有することが示された。セルロースを含有するファットフリーのマフィン(F)は、ベーキング中によく上がってきて、外部から視覚的に、対照マフィン(A)と同等であるように見えた。しかしながらまた、C-Cell解析により、セルロースを含むこのファットフリーのマフィン(F)について大きな深い穴を有するはるかにより開いたセル構造が強調された。ファットフリーのマフィンにおけるセルロース粒子の使用のための配合物を最適化するために何らかの微調整が必要とされる。(セルロース組成物を含有するファットフリーのブラウニーは成功裡に調製され、優れた上昇および表面構造の他に、市販のMCC製品を使用した対照ブラウニー配合物と同等のセルの肌理および味を有した)。
【0656】
Texture Analyzerにより、品質的に著明なことが確認された:失敗対照エッグフリーマフィン(セルロース粒子なし、B)は最も堅さのないマフィンであり、圧縮後に跳ね返りがなかった一方、失敗対照グルテンフリーマフィン(セルロース粒子なし、D)は、他の試料の全てとは異なる形状力曲線を示し、圧縮時にぼろぼろに崩れた。セルロース粒子含有マフィンの全て、特にセルロース粒子を含有するグルテンフリーのマフィンは、対照マフィンより堅かった。セルロース粒子の添加のレベルを変化させることにより堅さを容易に制御できることが見出された(より高いレベルはより堅い、より低いレベルはより低い堅さを結果としてもたらした)。
【0657】
セルロースを含むグルテンフリーのマフィンおよびセルロースを含むエッグフリーのマフィンの両方を含む、小粒子サイズセルロース粒子を含むマフィンは、許容されるマフィンレシピについて必須の特性の全てを提供するようであった。しかしながら、比較用セルロース3(実施例8、表11に記載される)を含む同一に配合されて焼かれたマフィンもまた調製したが、比較用セルロース3は困難を伴ってのみ配合物に組み込まれ、これらのマフィンはベーキング中に適切に上昇しなかった。比較用セルロース3のより大きい粒子サイズにより、配合物はベーキングの前および間に充分に安定化せず、不充分な膨張およびマフィンクラムにおける不良なセル構造を結果としてもたらすと考えられる。また、傾向(粒子の各々の懸濁液をバッターに組み込む困難)にしたがって、一般に、MCCから調製された「白色」セルロース粒子(セルロース粒子2)を使用して作られたマフィンは、リグノセルロース供給原料から調製された「茶色」セルロース粒子(約20%のリグニンを含有するセルロース粒子1)を使用して作られたマフィンほど良好なクラム構造および肌理を生じなかった。「茶色」セルロース粒子中に存在するリグニンの量に相当する量のリグニンを白色MCC由来粒子の懸濁液に「戻し加える」試みは、リグニンを含まない白色粒子と比較して結果として得られるマフィンのクラム構造および肌理の改善を結果としてもたらした。しかしながら、「茶色」セルロース粒子は、「再構成」粒子(戻し加えたリグニンを含むMCCから調製)およびMCCから調製した「白色」セルロース粒子の両方より良好であった。リグニンは、セルロースから独立して二次的な利益を与えるようである。
【0658】
配合物は、多数の異なる成分を組み込むために充分にロバストであり、セルロース組成物をチョコレートマフィン、全粒小麦、ブラン、糖蜜、ブラウンシュガー、バニラ、レーズン、ブルーベリー、およびグルテンフリーのチョコレートマフィンに組み込むことに成功した。予想外の利益として、熟練の味覚検査員パネルは、最小のバニラ香料をレシピに含めた時に、(リグニンを含有しないセルロース粒子を使用して調製した同一の配合のマフィンと比較して)リグニンを含むセルロース粒子を使用して調製したマフィンについて増進したバニラ香料を識別した。
【0659】
伝統的なマフィンにおいて、卵黄は、混合物の全体にわたる油の混合を助ける乳化剤として作用するレシチンを提供し、卵の白身は調理中に凝固し、ケーキに構造を提供する。結果は、小粒子サイズセルロース粒子がマフィンにおける乳化および構造的完全性の両方を助けることができることを指し示す。したがって、小粒子サイズセルロース粒子は、グルテン置換および/または卵置換成分の両方としての可能性を有する。実際、アレルゲンフリー(グルテンフリーかつエッグフリーの両方)のセルロース含有マフィンを、対照マフィンと(それぞれ)同等および同等に近い特性と共に小粒子サイズセルロース粒子1およびセルロース粒子2を用いて調製することに成功した。
【0660】
実施例11:グルテンフリーおよびアレルゲンフリーのパン
グルテンフリーの穀粉が存在するが、普遍的に認められるグルテンフリーのパンを提供するという目的は解決されないままであり、これは少なくとも部分的に、グルテン成分は、実際に、パン製造工程および仕上げ製品の両方において機能的役割を有しており、親しまれている肌理、噛み応え、水分、および弾性をパンに一般に加えるためである。
【0661】
表13における配合物を使用して以下の通りに、本明細書において開示されるセルロース粒子を含むグルテンフリーのパンを調製した。

【0662】
グルテンフリーのパンを調製するための手順は以下の通りであった:パドルを備えた5Qt. Hobart Mixer Bowlにステージ1の成分を加える。均質になるまで1分間混合する。ステージ2の成分をミキサーに加える。低速で3分間混合し、必要に応じてボウルおよびパドルをこそぐ。調理用スプレーを9インチ×5インチのローフパンに噴霧する。Hobartボウルからバッターを焼き型に注ぐ。90°F/75%の相対湿度でパンを約1時間、またはバッターが型の上1/4インチに達するまでねかせる。350°Fのオーブン中で55分間焼く。これによりある程度のオーブンスプリングおよび良い金色のパンの皮が生じるはずである。パンを冷却後にスライスする。グルテンフリーのパン配合物は、典型的に、穀粉調製におけるガムおよびデンプンに加えて、ミルクまたは乳清、(通常のパンより)高い卵含有量、およびローカストビーンまたはキサンタンのようなガムを有する。ガムの非存在下で、グルテンフリーのパンは、通常、気泡が安定せず、パンにはリフトが欠如する(オーブンスプリングなし)。本明細書において開示されるセルロース粒子を含むグルテンフリーのパン用の上記の配合物(表13)は、乳製品(ミルクも乳清もない)を有さず、大幅に少ない卵、およびごく少量のガム(予備混合されたグルテンフリーの穀粉からのもののみ)を有し、この配合物は、良好なオーブンスプリングおよび崩れることなく容易にスライスされるしっとりした肌理を有する非常に良好なグルテンフリーのパンを生じさせる(図14)。同一の配合であるがセルロース粒子を添加していない対照パンは、リフトの欠如(オーブンスプリングなし)を被った。さらなる実験では、グルテンフリーレシピから卵を除去し、したがって、セルロース粒子を卵置換添加物およびグルテン置換添加物の両方として使用して、(グルテンフリー、エッグフリー、および乳製品フリーの)アレルゲンフリーのビーガンパンを製造した。焼成食品、特にパンについて予期されるさらなる利点は、セルロース粒子は劣化防止剤として働くはずであるということであり、これに関して、水分保持特性は、焼成食品が経時的に乾燥するのを遅くする効果を追加的に有するはずである。
【0663】
一般に、多数の焼成食品が、本明細書において開示されるセルロース粒子と組み合わせて様々なグルテンフリーの穀粉ミックスを使用して作られており、類似の結果が得られている。
【0664】
実施例12A:エッグフリーかつアレルゲンフリーのパスタ
複雑なパスタレシピが存在するが、パスタレシピは、その最も単純な形態では、実にとても基本的なものであり、穀粉および卵から本質的になるものであり得る。ほとんどのレシピは、少量の通常の食卓塩、および、任意選択的に、単純にパスタ生地の粘稠度を調整するために少量の水を追加的に組み込んでいる。本明細書において記載されるセルロース粒子は、パスタレシピにおいても卵置換成分として使用できることが見出された。
【0665】
1カップの穀粉、1つの卵、および2/3カップの水からなる通常の基本的なパスタレシピと比較して、今回のパスタレシピでは、単純に、1カップのオールパーパスフラワーおよび1カップのセルロース粒子の冷却した水性懸濁液(水中のセルロース粒子の16%の固体)を使用した。
【0666】
パスタの調製は以下の通りであった:
1)1カップのオールパーパスフラワー(約120g)および1カップのセルロース粒子の冷却した水性ゲル(水中のセルロース粒子の16%の固体;約20gのセルロース粒子および105gの水)を平らな表面上で小さなスパチュラを用いて充分に組み込まれるまでブレンドした。セルロース粒子は、卵より完全に穀粉と結合するようであることに気付いた。結果として得られる生地ボールを手で3分間練り、穀粉中で回転させ、プラスチックに包み、3時間冷却した。卵の代わりにセルロース粒子を使用する以外、これは、パスタを作るために従業者により通常使用されているものと同じ手順である。
2)冷却後、生地ボールを手で約1/4インチの厚さの「パンケーキ」にプレスした。生地の両側に打ち粉をし、シートを2つの半分に分離した。KitchenAidのパスタシーターアタッチメントを使用して、2シートのパスタを約3/32インチの厚さ(8つのうち4つをセット)および8インチの長さのより薄くプレスしたシートに延ばした。生地を延ばし、折り畳み、再び延ばすことを3回行った。次に、カッターアタッチメントを使用し、1シートの生地を使用してスパゲッティを作り、他のシートをフェトチーネのために使用した。麺はうまく形成され、家庭でのパスタで多くの場合に起こるような互いにくっつく傾向はなかった。
3)パスタを30分間静置した後、麺をパスタ鍋中で7分間ゆでた。麺は「遊離」であり、凝集する傾向を有しなかった。塩(テーブルスプーン1、約17gに相当)を水に加えたが、オリーブ油は加えなかった。
4)調理後、パスタから水を除去してボウルに入れ、オリーブ油をかけ、混合した。
5)パスタは完璧にアルデンテであることが観察され、マイルドな味および優れた食感を有した。糊状でなく、ざらざらした残留物もなかった。パスタは美味しく、食欲をそそるものであった。
【0667】
伝統的なパスタについて、冷蔵したあらゆる残り物のパスタは、多くの場合、凝集を形成し、個々の麺は、冷蔵後に分離することが困難な傾向がある。しかしながら、セルロース粒子を含むパスタでは、これは問題でなかった。終夜の冷蔵後、個々の麺は、壊れることなく容易に残り物の容器から引き離された。残り物のパスタを何も加えずにボウル中で再加熱した。パスタは、2日目に1日目と同じ味および食感を有することが観察された。また、セルロース粒子は、調理、冷蔵、および再加熱後であってもパスタが水分および形状を保持するのを助けるようであった。
【0668】
グルテンフリーのパスタ(アレルゲンフリーのパスタ)を調製する試みは行わなかったが、オールパーパスフラワーをグルテンフリーの穀粉で単純に置換する同じ手順に従うことは、追加の困難を与えるはずはなく、エッグフリーかつグルテンフリー(アレルゲンフリー)のパスタが容易に製造されることが予想される。
【0669】
実施例12B:低カロリーナッツバター
この実施例は、本明細書において開示されるセルロース粒子の使用により、より低カロリーのナッツバターまたはスプレッド、例えばピーナッツバターまたはヘーゼルナッツスプレッドが製造されることを実証する。表14aは、ヘーゼルナッツスプレッドを作るために使用した配合物を示す。

【0670】
ローストヘーゼルナッツを手持ち式のHamilton Beachブレンダーを使用して均質化させた。ヘーゼルナッツペーストの跳ね返りを防止しながらブレンダーの接近性および可動性を可能とするように、プラスチックシートを使用して混合ボウルを覆った。ヘーゼルナッツはかなりの殻含有量を含有しており、またブレンドは均一な粒子サイズを生じさせなかったので、油性ペーストを140メッシュふるいに通過させた。滑らかな均一なヘーゼルナッツクリームが生じた。
【0671】
ココア、植物油および糖をヘーゼルナッツクリームに加え、充分に混合した。より良好な結果のために、糖およびココアを使用前に80メッシュふるいに通すべきである。ヘーゼルナッツと他の成分との混合物を、同じ手持ち式のブレンダーを用いてブレンドしながらセルロース粒子の水性懸濁液(16重量%の固体)にゆっくり加えた。最終生成物は、滑らかなヘーゼルナッツスプレッドであった。
【0672】
本明細書において開示されるセルロース粒子は、油/水乳濁液を支持することができ、したがって、レシピへの水の添加を可能とする。従来のレシピと比較して水の添加に起因する全体的な希釈にもかかわらず、粒子は、濃化効果を追加的に有し、かつ混合物内の空間構造を支持するので、肌理、食感および味を維持することができる。したがって、カロリー摂取を低減させる(脂肪/油を含むナッツバター含有量を水に置換する)と同時に、コストを低減させる(同じ理由による)ことが可能である。すなわち、従来のレシピはより多くの油含有量を必要とし、水を含有しない。
【0673】
実施例12C:遅延融解性アイスクリーム
この実施例は、格別にクリーミーかつ滑らか食感および遅延融解性プロファイルを有するアイスクリームを製造するための本明細書において開示されるセルロース粒子の使用を実証する。アイスクリームは、水性糖溶液と共に、氷結晶、気泡およびクリームからの脂質小滴の共安定化を必要とする。アイスクリームは、したがって、同時に3つ全ての物質状態を含有し、泡および水乳濁液中の油の両方である。本明細書において開示されるように、セルロース粒子は、気泡を安定化させること、そしてまた水乳濁液中の油を安定化させることができる。表14bは、アイスクリーム配合物の概要を示す。

【0674】
Kitchen Aid Artisanパワーブレンダーを低速で使用して成分をブレンドした。セルロース粒子の水性懸濁液(15重量%の固体)を最初にミキサーに入れ、他の成分を加えた。全混合物(ベース)を4℃の冷蔵庫に24時間入れた後、冷凍処理を行った。
【0675】
冷凍は、Cuisineart 2ガロンアイスクリームメーカーを使用して行った。連続的に撹拌しながら、ベースを15分の期間にわたりゆっくり加えた。セルロースにより安定化されたアイスクリームは(従来のアイスクリームより)ゆっくり溶けることがセルロース粒子を有しない同等のアイスクリームとの比較により見出され、溶けるために追加の20分を要した。
【0676】
実施例12D:食肉製品における脂肪置換剤および水分保持補助剤
多数の食肉製品は、特異的により高い脂肪含有量を組み込む(または単純に脂肪を加える)ためにより低グレードの(または切断された)食肉成分を意図的に含む。これはより低コストの成分を提供するが、別の主な理由は、実際に、加湿成分を加え、かつ好都合な肌理および食感を加えることである。加えられた香味剤はまた、味を増進させ得る。しかしながら、消費者は、食肉製品中の脂肪含有量を除去しまたは置換するなどの、より健康的な代替物(例えば、食品中のより低飽和脂肪)を求めている。本明細書において開示されるセルロース粒子は、それらは例えば(理論により縛られることを望まないが)、消費者がこれらの製品において期待する期待される肌理および食感の維持を補助する食肉製品における水分保持機能を提供するので、脂肪置換用添加物、水分保持用添加物、肌理増進用添加物、食感増進用添加物、または任意の組合せのような、食肉製品中の添加物として使用することができる。したがって、これらのセルロース粒子は、ファットフリーおよび/または脂肪低減チキンソーセージのような製品において用途を有する。脂肪低減チキンソーセージを以下の通りに調製した。
【0677】
調製したチキンソーセージは、玉ねぎ、りんごおよびスパイスおよび表1の試料Aからのセルロース粒子(調理済み配合物の総重量に基づいて0%、2%、4%および10%のレベル(重量%)の固体粒子)と共に鶏胸肉のみを使用したファットフリーソーセージであった。対照チキンソーセージ(すなわち、表1の試料Aからの0%のセルロース粒子)は乾燥してもろく、一般にあまり魅力的でなかった一方、セルロース含有粒子は、調理済み製品(2%、4%および10%のセルロース粒子を含有する)に向上したジューシーさ(水分保持)および色を付与し、これらのチキンソーセージ製品は、熟練の食品鑑定者の群により非常に好意的な見解が得られた(図15を参照、レベルは、左にセルロース粒子の最低レベル0%として順に示した)。
【0678】
他の鶏肉製品では、100%の鶏胸肉と比較して向上した肌理および食感を与えるために鶏胸肉とブレンドしたリブ肉が使用される。しかしながら、多くの消費者は、幾分よりジューシーでありかつ咀嚼がより容易なものとすることができれば、100%の胸肉を好む。本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、この種類の製品において水分保持補助剤としての用途を有し、リブ肉を置換することが予期される。
【0679】
本明細書において開示されるセルロース粒子はまた、ホットドッグ組成物に利益を提供し、先ず乳化剤および結合剤として作用し、そしてまた水分保持用添加物として作用した。セルロース粒子はまた、観察された水分保持特性は、脂肪含有量を低減させても触感およびジューシーさを維持するはずであるので、(部分的な)脂肪置換用添加物として機能することが予想される。
【0680】
実施例12E:泡
本明細書において開示されるセルロース粒子を含有する組成物は、安定な水中気泡を支持することが見出されている。典型的に、安定な泡を形成させるために、レシチン、モノグリセリドまたはタンパク質のような界面活性剤が存在して、空気相と水性相との間の界面張力を低減させなければならない。理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子は、界面張力を低減させるために必要な界面活性剤を提供するようである。この実施例では、試料を表14cに示される割合で作製した後、各試料の表面のすぐ下において1分間、手持ち式の泡立て器に供した。泡が、2%、4%および8%のセルロース粒子を有する試料中に形成された。4%のセルロース粒子を有する試料では、固体含有量は泡形成と共に2倍近いサイズとなり、4日後に安定であった(しかし、図16Bに示されるように一部の脱気があった)。図16Aを参照。図16Aは、泡の結果を説明し、各ビーカーに「1」とした黒色マークは、泡立て前の試料組成物のレベルを指し示し、各ビーカーに「2」とした黒色マークは、泡立ての直後の試料組成物のレベルを指し示す。2%の試料は、数時間以内に消失する泡を生じさせた。8%の試料は、体積のある程度の増加を達成し、これは非常に安定であった。

【0681】
実施例13:セルロース粒子および液体を含む組成物
実施例13A.レオロジー性能
セルロース粒子を21ポンド/バレル(PPBまたは#/bbl)の水中のセルロース粒子の濃度で水に加え、市販のミルクシェイクミキサーを用いて30分間ブレンドした。必要な場合、消泡剤を適用した。泡が目視検査で消散するまで試料を短時間静置した。API(American Petroleum Institute)レオロジー試験プロトコールに従い、OFI Model 900 Viscometerを介してデータを生成した。温度設定点を120°Fに設定し、充分な時間をかけて試料温度を平衡化した。以下の設定において読取りを収集し、読取りの間に充分な時間をおいて試料の平衡化を可能とした:600RPM、300RPM、6RPM、および3RPM(600RPMはスペクトルの非常に高せん断末端での測定であり、300RPMは高せん断であり、ドリルビットせん断をシミュレートしている;6RPMおよび3RPMは低せん断であり、例えば、井戸ボアからリフト排出されているドリルパイプの動きをシミュレートしている)。これらの読取り後、「ゲル」プログラムを実行し、自動化された逐次操作を10秒および10分のゲル読取りのために行った。後者は、ドリルを最初にスタートする時にどれほど多くのトルクが必要とされるかを調べるために、回転開始のための力の指標を与える。10秒および再び10分での測定は、掘削液が準備されている(粘性ゲルとなっている)かどうかの指標を与える。10秒および10分の読取りが類似する場合、これは少なくとも、液体が直ちに準備されていないことを指し示す。21ポンド/バレル(PPBまたは#/bbl)の水中のセルロース粒子の濃度についてのレオロジー性能を以下の表15に示す。

【0682】
実施例13B:増粘剤との併用
他の一般的に利用可能な増粘剤との相乗作用を測定するための試験を開始した。テストバッテリーにより、無機増粘剤(すなわち、ベントナイト、ラポナイト、合成ヘクトライト、天然ヘクトライト、混合金属水酸化物、および混合金属酸化物)および有機増粘剤(すなわち、キサンタンガム、デュータン、カルボキシメチルデンプン、カルボキシメチルセルロース、グアーガム、および多糖オリゴマーを用いての粘性性能向上が実証された。
【0683】
簡潔に述べれば、セルロース含有粒子を、以下の表見出しに示される様々な濃度の塩化ナトリウム塩水と混合した。レオロジープロファイルを以下の表16に列記し、これは低い塑性粘度および高い「低末端」レオロジーを実証する。

【0684】
「低フラット」(low-flat)ゲルについて上記の表15を参照。10秒および10分におけるゲルはほぼ同一であり、6および3RPM値とほぼ同じである。低せん断数は全て許容されると考えられる(好ましくは5より上であり、約10までが良好であるが、粘性であり過ぎる場合は液体を単純に希釈できるので、10およびより大きい数は問題ではない)。データは、セルロース粒子が広範なセルロース粒子濃度にわたりおよび高い塩分環境において適切なレオロジーを提供できることを示す。
【0685】
さらに、セルロース含有粒子を約24#/bblの負荷レベルで塩化ナトリウム塩水(26%のNaCl)に加え、300°Fで終夜のエージングを行った(表17)。左のレオロジーは代表的なものである(BHRは熱間圧延前であり、AHRは熱間圧延後である)。上記の試料を1#/bblのグアーガム(有機増粘剤)と混合し、第4列のレオロジーを得た。比較のために、1#/bblのグアーガムを単独で塩化ナトリウム塩水溶液に加え(第5列)、右側のレオロジーを得た。後者は、低せん断粘度が低すぎるので、グアーガムが単独ではこの適用においてレオロジー修飾剤として好適でない可能性を示す。セルロース粒子(24#/bbl)の添加は、レオロジーを有意に向上させることを示す(以下の表17の第4列)。

【0686】
加えて、2%および3%のセルロース含有粒子を他の有機ポリマーとの直接的な比較において測定し、また、小粒子サイズセルロース粒子溶液と共に加えた有機ポリマー濃化剤の組合せ効果を測定した。結果は、実施例6および図10において「濃化剤」の下で上記に示した。セルロース粒子は相乗的な濃化性を呈する。図10は、別々に、0.1%のキサンタンガム、0.2%)のメチルヒドロキシエチルセルロース、および0.1%のヒドロキシプロピルグアー(パーセンテージは総水含有量に基づく成分の固体である)を伴う水中のセルロース粒子(2重量%)のブレンド物を示す。各成分は個々に、試験したレベルにおいて最小の粘度増進を提供したが、ブレンド物は、同じレベルでの個々の材料と比較して粘度の4~10倍の増加を提供した。3重量%のセルロース粒子(同じレベル、すなわち、0.1%、0.2%および0.1%の他の3成分との組合せ)を使用して同じ比較を行ったところ、各ブレンド物の粘度が、対応する2重量%のブレンド物について観察された粘度よりさらに2倍高かったことを除いて、同じ傾向が観察された。
【0687】
以下の表18に示すように、小粒子サイズセルロース粒子をまた、無機増粘剤、および2つの組合せと直接的に比較した。

【0688】
7.8パーツパーバレルのセルロース粒子において、粘度は検出するには低すぎることが分かる(第2列)。しかしながら、予備水和ベントナイト(無機増粘剤)と組み合わせると、個々の2つの増粘剤(第2列および第3列)の和と比較して劇的に増加している(第4列)。
【0689】
実施例13C:熱安定性
上記に詳述されるようにセルロース含有粒子を配合し、試験した。次に、500mL OFI試験機器エージングセルを全体の約70%(350mL)まで試料で満たした。セルを閉じ、約200psigまで窒素で加圧した。次に、OFI 4 Roller Ovenを必要な温度まで予備加熱した。セルがローラー上で回転できるようにセルをローラーオーブンに取り付けた。開始時間を記録した。所定のエージング時間後、セルを取り出し、終了時間を記録した。周囲温度に達するまで試料を空冷した。試料セルを減圧し、試料内容物を市販のミルクシェイク混合カップに移した。次に、必要に応じてpHを出発点に戻すように調整した。顕著なことに、実験室試料のpH制御は正確な読取りのために必須である。最後に、上記に詳述されるステップを再び行い、周囲pHにおいてレオロジーを再測定した。これらのステップを行った試料は、3RPMおよび6RPMにおけるレオロジー読取り値が開始読取り値の50%~250%である場合に「安定」である。
【0690】
350°Fにおいて熱的に拡張されない実施例の有効性を以下の表19に示す。理論により縛られることを望まないが、データは、正の粘度は濃縮された塩水環境を結果としてもたらすことを実証する。データは、液体は高温条件(350F、18時間)下で破壊されないことを示す。

【0691】
材料の熱処理後にレオロジーの向上が観察され、これは、これらの条件における圧延後に増粘機能性を失う競合的なバイオポリマーと著しく対照的である。
【0692】
実施例13D:熱拡張剤との併用
ベース材料に加えて、セルロース含有粒子は、酸化マグネシウム(MgO)、モノエタノールアミン(MEA)、クエン酸、およびギ酸塩溶液(Na、K、Cs)などの一般的に利用可能な熱安定化剤を使用することにより、一般的な掘削添加物と非常に同じように向上させることができる。
【0693】
350°Fにおいて熱的に拡張されない実施例の有効性を以下の表20に示す。理論により縛られることを望まないが、データは、HTHP(高温、高圧力)液体損失低減剤が、粘性性能を保持しながら、塩化物イオン感受性を示すことを実証する。

【0694】
実施例13E:塩分
組成物に対する異なる塩分の効果を決定するために、所望のレオロジー挙動が観察されるまで、セルロース粒子を異なる塩溶液(上記に詳述される混合方法を介して)の他に新鮮な水に加えた。元々のレオロジー試験後、試料を350°Fで18時間熱エージングし、レオロジー挙動を再び観察した(上記の表19を参照)。有望なレオロジーの向上が、試験した各塩水試料において維持された。現在、データをNaCl、KCl、およびCaCl溶液について集めている。上述の塩水の一価および二価の性質を考慮すると、任意のイオン性塩溶液は類似の結果を生じさせるはずであることが予想される。したがって、理論により縛られることを望まないが、セルロース粒子は、任意の遭遇する溶解鉱物により影響されない。
【0695】
実施例13F:pHレベルの効果
上述の方法を使用して様々なpHレベル(8.2、10.5、および11.2のpH)において試料のセットを調製した(以下の表21を参照)。次に、試料を上記に詳述されるようにエージングし(350F、18時間)、粘度を測定した(120F)。熱エージングの間にpHは下に変動する。測定後、各試料のpHを(11.5に)修正し、粘度を再び測定した(120F)。これらの結果は、混合物のpHを単純に変更することにより、必要に応じてセルロース粒子の増粘特性を修正できることを指し示す。

【0696】
データは、熱エージング後のpH修正によりレオロジープロファイルを概ね再構築できることを示す。
【0697】
実施例13G:乳化
配合物中の氷解岩塩水(NaCl、CaCl、およびMgClの混合物)、セルロース粒子、ベントナイト、およびディーゼルを約30体積%の塩水および約70体積%のディーゼルで使用して簡易試験を行った。キッチン用浸漬ブレンダーを用いて混合物を乳化させ、終夜静置した。周囲温度での2週間近くの静置まで沈殿は見られなかった。これらの結果に基づいて、セルロース粒子は、非水性液(例えば、油ベースの液体)のための価値のある乳化剤となる可能性がある。
【0698】
乳化剤として添加される小粒子セルロースありおよびなしで、37%のHCl溶液および鉱油を使用して簡易酸乳濁液試験も行った。40mLの37%のHCl溶液に40mLの鉱油(およびセルロース粒子なし)を加えた。卓上実験室用撹拌器を使用して約1分間1800RPMで混合物を充分に撹拌した。試料を卓上で5分間静置した。5分後、試料を視覚的に検査したところ、鉱油層およびHCl溶液層に分離したことが観察され、これは迅速沈殿乳濁液を指し示す。40mLの37%のHCl溶液を用いて類似の試料を調製し、別の40mLの鉱油を再び加えた。この試料に7mLのセルロース粒子スラリー(粒子の15%の固体懸濁液も加えた。この試料を1800RPMで約1分間再び撹拌した後、撹拌機を除去した。1時間後および2.5時間後に試料を視覚的に検査したところ、層の目に見える分離はなく、その後連日検査したが4日目までは目に見える分離はなく、4日目に約5mLの層が容器の底に形成されているのが見られた。セルロース粒子は、3日にわたり酸乳濁液を安定化させることができ、セルロース粒子は、油およびガス作業において多くの場合に遭遇する酸環境における油/水乳濁液の安定化に効果的であることが予想される。
【0699】
さらに、240mLの25%のCaCl2塩水をミルクシェイクミキサー中で160mLのディーゼルとブレンドした後、ビーカーに注いだ。油および水の分離が容易に見られた。混合物を再びミルクシェイクミキサーに加え、50gの湿潤セルロース含有粒子(6PPB)を混合物に加えて激しく5分間撹拌した。混合物を再びビーカーに注ぎ、分離させた。1時間後、分離は観察されなかった。5時間後、目に見えるが定量できない分離が存在し、24時間後に20%の分離が観察された。理論により縛られることを望まないが、より高い濃度はほぼ「分離不可能」な乳濁液に繋がることが予想される。
【0700】
実施例13H:潤滑
潤滑性テスターを使用して油およびガスへの応用のためのデータを生成した(表22を参照)。記載した摩擦低減は水のベースラインに対するものである。最初の4つのデータ点では、様々な濃度のセルロース含有粒子を単独で使用している。最後の2つの試料では、一般的に使用される液体滑沢剤と組み合わせてセルロース含有粒子を使用している。潤滑性システムは、テフロン(登録商標)の静止した小片と回転するシャフトとの間で液体を循環させる。シャフトを力計に接続し、一定のRPMで回転させるために必要とされる力を逆算して、摩擦の係数を得る。異なる添加物は、摩擦係数を増加または減少させ得る。メーターとしては、OFITE Extreme PressureおよびLubricity Testerを60RPMおよび150in-lbのトルクで使用した。

【0701】
データは、セルロース粒子の水溶液は潤滑剤として効果的であり、セルロース粒子のレベルの増加と共に潤滑性が増加することを示す。
【0702】
実施例13I:静菌特性
組成物(セルロース粒子の水溶液、16%の固体懸濁液)の静菌特性を以下に詳述し、表23に示すように評価した。簡潔に述べれば、試料に既知量の各生物を接種した。次に、生物が適切に接種されたことを実証するためにt=0において試料を測定し、報告した。試料の測定を定期的な間隔で続け、時間の経過につれた各生物の量を報告した。


【0703】
細菌は最初に増殖するが、集団としては増加せず、事実、それらは実際に減少している(但し、殺傷剤として作用すると考えるには充分に迅速でない)。セルロース粒子は、細菌の増殖を支持もしないし、殺傷剤として作用すると考えるために充分に迅速に細菌を殺傷もしないので、静菌性であると考えられる。
【0704】
実施例14:パーソナルケアへの応用
セルロース含有粒子は、単独でまたは他の成分と組み合わせて(例えば、濃化組成物、懸濁液、および乳濁液などのような本明細書において記載される様々な他の種類の組成物の形態)、パーソナルケア製品、化粧品、または美容製品として使用することができる。セルロース粒子自体は、そのような組成物が皮膚(例えば、ヒトまたは動物の顔、手、足、腕、脚、または身体上の任意の他の皮膚)に塗布された時にそれらを含有する組成物(例えば、水中の懸濁液として)に剥脱特性、軟化特性、または他の望ましい特性(例えば、若返りの感覚)を提供することができる。セルロース含有粒子がリグニンをさらに含むか、またはリグニンがセルロース含有粒子を含有する組成物中に存在する実施形態では、リグニンもまた、そのような成分を含有する組成物に剥脱特性、軟化特性、または他の望ましい特性(例えば、若返りの感覚)を(セルロース粒子との組合せで)提供することができる。
【0705】
以下の配合物(表24)を美容配合物、特にボディスクラブまたはフェイシャルスクラブ配合物として評価した。

【0706】
配合物1~8は、皮膚用の美容配合物を表し、例えば、ボディスクラブまたはフェイシャルスクラブのようなスキンコンディショナー、保湿ローション/クリームおよび/またはエクスフォリアント配合物として使用され得る。配合物1および2は、水性懸濁液中のセルロース粒子(15%の固体)を含む最小の配合の美容配合物を表す。これらの配合物には、殺傷剤(1%のレベル)または殺傷剤(1%のレベル)および微量の濃化剤(0.15%のレベル)のみが添加されている。実際、セルロース粒子の懸濁液は、追加の構成成分なしでエクスフォリアントとして機能する。上記に示していないが、水性懸濁液中のセルロース粒子を含む最小の配合の美容配合物(配合物1および2と類似)を、追加のグリセリン(総組成物に対して10%w/wのグリセリン)ありおよびなしの両方で、上昇させたレベルの閉塞剤スクアラン(例えば、総組成物に対して25%w/wのスクアラン)と共に繰り返した。配合物3および4には、皮膚の若返りのために新たな皮膚細胞の成長の促進を助ける免疫応答を生成すると考えられる化学的剥離剤(グリコール酸)が添加されており、配合物4は、より粗いエクスフォリアントとして作用するある種のマイクロビーズを追加的に含む。配合物5~8は、皮膚用のより充分に配合された美容配合物を表し、セルロース粒子および追加の配合物成分、例えば、化学的剥離剤(配合物3および4におけるようなもの)、モイスチャライザー(例えば、湿潤剤)、閉塞剤(例えば、水が皮膚から離れるのを防止するように作用する油および皮膚軟化剤)、酸化防止剤、および微調整のための当該技術分野において公知の他の成分(例えば、テクスチャライザー/濃化剤、およびスキンファーミング剤)の1つまたは複数を含む。
【0707】
全ての配合物は、スキンケア配合物、特に、ボディウォッシュ、ボディスクラブまたはフェイシャルスクラブ配合物として好適である。配合物5~8(および高スクアラン含有量の配合物)は、乳化剤を加えることなく閉塞剤として油を組み込むことに成功し、セルロース含有粒子は乳化剤として機能した。検査員は、配合物は皮膚に対してより軽やかかつ脂っぽくないという感触を結論付けた。
【0708】
本明細書において上記に議論されるように、BBクリームおよびCCクリームは、効果的に軽やかに配合されたモイスチャライザーである。水性懸濁液中のセルロース粒子をそのような配合物において使用することができる。以下の表25は、約20の日焼け止め係数(SPF)を有するBBクリームの例を示す。

【0709】
試料2および3は、小量の分離を被った。理論により縛られることを望まないが、この特定の場合、固体顔料粒子とポリアクリレートとの組合せが、乳濁液を安定化させるセルロース粒子の能力を低下させると思われる。配合物1、4および5は、スキンケア配合物、特にBBクリーム配合物として好適である。有利なことに、これらのBBクリームは、伝統的に必要とされる通常の5~10%のレベルの代わりに、最小量の乳化剤/湿潤剤(0.4%w/wのステアロイルグルタミン酸ナトリウム)のみを必要とする。これらの配合物はまた、現行の配合としてまたはごく軽微な微調整(主に顔料含有量に関して)と共に、CCクリーム配合物(一般に色補正クリームとして意図される)として好適であり得る。
【0710】
上記されるBBクリーム(およびCCクリーム)はある程度の日焼け止め(SPF約20)を提供するが、それらは一般に有色であり、かつ日焼け止めのために最適であるためには薄すぎる層で塗布され得るので、サンスクリーンローションとしての使用は一般に意図されない。しかしながら、適切に配合されると、水性懸濁液中のセルロース粒子はまた、サンスクリーンローションまたはスプレーとして有利に使用することができる。表26は、SPF-30サンスクリーンローション用の配合物を示す。

【0711】
2つの別々の容器中での急速混合を用いて、水性相成分(脱イオン水、EDTA二ナトリウム、AAVPおよび/またはキサンタンガム濃化剤、グリセリン、ブチレングリコールおよびセルロース粒子の水性懸濁液)および油相成分(全てのサンスクリーン活性剤を60~80℃での穏やかな加熱と共に混合し、室温まで冷却した後、シリコーン、ジメチコンおよびジメチコノール、および殺傷剤以外の残りの油相成分を加えることによる)を調製することによりSPF-30サンスクリーン剤を配合した。室温で、油相成分を水性相成分に加え、均一となるまで直ちに均質化させた。最後に、シリコーンおよび殺傷剤を加えた。
【0712】
配合物4および4PTを配合し、これはスプレー塗布サンスクリーンローション(約4700mPa.sの粘度を有する;3rpmでのTE)として機能した一方、全ての他の配合物は、手で塗布するローション(約786000の粘度を有する;3rpmでのTE)として調製した
【0713】
配合物4PTおよび6PTは、配合物4および6とそれぞれ同一であったが、本明細書において記載されるセルロース粒子を、広範な粒子サイズ分布および約35μmのd50を有する市販の微結晶セルロースで置換した。これらの比較用配合物(4PTおよび6PT)の両方は安定性試験に不合格であり、4PTは、いかなる熱または凍結解凍安定性試験を行う前に1時間以内に破滅的に分離し、6PTは穏やかな熱での安定性試験の間に分離し、乳濁液はオーブン中での穏やかな熱(50℃)によりほぼ直ちに壊れた。本発明の試料の全ては安定性試験に合格した。明らかに、小粒子サイズセルロース粒子は乳濁液を安定化させるために作用する。
【0714】
表27は、SPF-50ミネラルサンスクリーンローション用の配合物を示す。

【0715】
2つの別々の容器中での急速混合を用いて、水性相成分および油相成分を調製した後、油相成分を水性相成分に加え、均一になるまで直ちに均質化させることにより、上記と類似の方式でSPF-50サンスクリーンローションを配合した。最後に、シリコーンおよび殺傷剤を加えた。
【0716】
より高SPFの配合物は、一般に、より高い有機含有量またはより高い顔料含有量、または両方を有し、これらの全ては配合の困難を提示する(より高レベルの乳化剤または分散剤が通常必要とされ、これらは、塗布される皮膚表面に脂っぽいまたは蝋のような感触を結果としてもたらす)。乳化剤としてのセルロース粒子の使用は従来の乳化剤の必要性をなくし、SPF-50ローションは、普通ではない程に軽やかで、皮膚への塗布後に脂っぽいまたは蝋のような感触を残さない。しかしながら、これらの配合物は安定性について最適化されておらず、熱エージング 安定性試験(50℃)の間に分離した。
【0717】
以下の表28は、SPF-50ミネラルサンスクリーンローション用の配合物を示す。


【0718】
SPF-50ミネラルサンスクリーン剤を一般に上記に議論されるように配合した。より高い含有量の不溶性固体は、伝統的な乳化剤を含まない安定な配合物の達成の点で課題を提示する。しかしながら、低いレベルの湿潤剤/乳化剤を本明細書において記載されるセルロースの粒子と合わせることにより安定な配合物が可能である。
【0719】
SPF-50ミネラルサンスクリーン剤を一般に上記に議論されるように配合した。より高い含有量の不溶性固体は、伝統的な乳化剤を含まない安定な配合物の達成の点で課題を示す。しかしながら、低いレベルの湿潤剤/乳化剤を本明細書において記載されるセルロースの粒子と合わせることにより安定な配合物が可能である。
【0720】
以下の表29は、リテクスチャライジングアイクリーム配合物用の配合物を示す。

【0721】
表29に示される全てのリテクスチャライジングアイクリーム配合物は安定であり、アイクリーム製品のために適切な肌理および感触を有するようであった。
【0722】
以下の表30は、若返り用セルラーセラム用の配合物を示す。

【0723】
表30に示される若返り用セルラーセラム配合物は安定であり、セルラーセラム製品のために適切な肌理および感触を有するようであった。これらの製品はいずれも、配合物の総重量に基づいて1重量%のサリチル酸(これは、アンチアクネ型配合物のために有用であると通常考えられる2重量%のレベルより低い)を含有した。しかしながら、配合物はまた、1.45%のレベル(したがって、組合せで2%のレベルより高い)のグリコール酸を含有し、組合せは、サリチル酸単独と同じまたはより良好な効果を提供し得る。
【0724】
表31は、アンチアクネセラム用の配合物を示す。

【0725】
表31において、5つの配合物のそれぞれは、配合物の総重量に基づいて2重量%のサリチル酸を含有し、これはアンチアクネセラムに特徴的である。配合物1は、熱エージング安定性試験(50℃)の間に分離した。配合物2および3は、熱エージング安定性試験を通じてさえも、分離に対して安定であり、アンチアクネ製品として好適なようであった。配合物2Bおよび2Cは、本発明のセルロース含有粒子(約1μmの粒子サイズ)が2Bにおいては伝統的な乳化剤(5重量%)、2Cにおいては配合物2において使用したものと同じ固体重量においてより大きい粒子サイズの微結晶セルロース(約35μm)で置換された以外は、配合物2と同一の配合であった。2Bおよび2Cの両方は乳濁液を形成せず、直ちに本質的に分離した。
【0726】
様々な改良および変更が本発明の範囲または精神から離れることなく本発明において為され得ることは当業者に明らかであろう。本発明の他の態様は、本明細書の検討および本明細書において開示される発明の実施から当業者に明らかとなる。本明細書および実施例は例示的なものに過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲および精神は以下の特許請求の範囲により指し示されることが意図される。
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