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特許7315533到達時間差を使用した正確な無線周波数位置特定のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】到達時間差を使用した正確な無線周波数位置特定のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/06 20060101AFI20230719BHJP
   H04W 64/00 20090101ALN20230719BHJP
【FI】
G01S5/06
H04W64/00 140
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2020510542
(86)(22)【出願日】2018-08-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-05
(86)【国際出願番号】 US2018047422
(87)【国際公開番号】W WO2019040558
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-08-13
(31)【優先権主張番号】15/684,893
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518200503
【氏名又は名称】ザイナー, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Zainar, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】セス,マヌ
(72)【発明者】
【氏名】バヒーシェヴ,ティムール
(72)【発明者】
【氏名】コン,リンカイ
【審査官】九鬼 一慶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/003722(WO,A1)
【文献】特開2007-248362(JP,A)
【文献】特開2001-298769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00 - 5/14
H04W 64/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線ネットワークアーキテクチャ内の複数のノードの位置特定用の非同期システムであって、
各々が前記無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1又はそれ以上の処理ユニット及び無線周波数回路を備えた無線デバイスを有する第1の無線ノード及び第2の無線ノードと、
未知の位置と、前記無線ネットワークアーキテクチャ内の前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードとの通信を可能にする送信機及び受信機を備えた無線デバイスと、を有する無線センサノードと、
を具備し、
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第2の無線ノード及び前記未知の位置を有する前記無線センサノードに第1の通信を送信し、
前記無線センサノードからの確認応答パケットを有する第2の通信を受信し、
前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードの各々の間における前記第2の通信の受信の到達時間差情報を決定する、
ように構成される非同期システム。
【請求項2】
前記無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1又はそれ以上の処理ユニット及び無線周波数回路を備えた無線デバイスを有する第3の無線ノードをさらに具備し、
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、マルチラテレーションアルゴリズム用の命令を実行して、
前記第1の無線ノードと前記第2の無線ノードとの間、及び、前記第1の無線ノードと前記第3の無線ノードと間における到達時間差情報を使用して、前記未知の位置を有する前記無線センサノードの位置を決定する、
ように構成される、請求項1に記載の非同期システム。
【請求項3】
前記第1の無線ノードが第1の基準クロック信号を有し、前記第2の無線ノードが第2の基準クロック信号を有する、請求項1に記載の非同期システム。
【請求項4】
未知の位置を有する無線センサノードの1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1の無線ノードからの転送パケットを有する前記第1の通信を受信することに応答して、前記第1の無線ノード、前記第2の無線ノード及び前記第3の無線ノードに確認応答パケットを含む前記第2の通信を送信する、
ように構成される、請求項2に記載の非同期システム。
【請求項5】
前記第2の無線ノード及び前記第3の無線ノードの1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1の無線ノードからの転送パケット及び4の無線ノードからの確認応答パケットを含む通信を受信し、
前記受信した転送パケット及び確認応答パケットの各々に対するタイムスタンプ及びチャネル検知情報を記録する、
ように構成される、請求項4に記載の非同期システム。
【請求項6】
前記第1の無線ノードから前記無線センサノードに送信される前記第1の通信の転送パケットの送信時間が、前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードの各々に対する時間基準として使用される、請求項1に記載の非同期システム。
【請求項7】
前記第1の無線ノードと前記第2の無線ノードとの間における到達時間差情報は、前記第1の無線ノードが4の無線ノードから確認応答パケットを受信する第1の時刻と、前記第2の無線ノードが前記第4の無線ノードから確認応答パケットを受信する第2の時刻と、前記時間基準と、に基づいて決定される、請求項6に記載の非同期システム。
【請求項8】
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1の時刻と前記時間基準との差を決定し、
前記第2の時刻と前記時間基準との差を決定する、
ように構成される、請求項7に記載の非同期システム。
【請求項9】
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1の無線ノードと前記第2の無線ノードとの間における通信及び前記第1の無線ノードと3の無線ノードとの間における通信の往復通信時間の時間推定値に基づく位置特定のための飛行時間推定値を決定することに基づいて、到達時間差情報を決定する、
ように構成される、請求項7に記載の非同期システム。
【請求項10】
装置であって、
命令を記憶するためのメモリと、
無線ネットワークアーキテクチャ内で複数のセンサノードを制御し、該複数のセンサノードの位置を決定するための命令を実行する1又はそれ以上の処理ユニットと、
前記複数のセンサノードに対して通信を送信しかつ該複数のセンサノードからの通信を受信する無線周波数(RF)回路であって、該複数のセンサノードの各々が、送信機及び受信機を備えた無線デバイスを有して、前記無線ネットワークアーキテクチャ内の当該装置の前記無線周波数回路との双方向通信を可能にする、無線周波数回路と、
を具備し、
当該装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
各々が既知の位置を有する第1の無線ノード及び第2の無線ノードと、未知の位置を有する第3の無線ノードと、に対して、第1の通信を送信し、
未知の位置を有する前記第3の無線ノードから確認応答パケットを有する第2の通信を受信し、
当該装置と前記第1の無線ノードとの間における到達時間差情報を、当該装置及び前記第1の無線ノードの各々が前記第3の無線ードから確認応答パケットをいつ受信するかに基づいて決定し、
当該装置及び前記第2の無線ノードの各々の間における前記第2の通信の受信の到達時間差情報を決定する、
ように構成され、
当該装置から送信される前記第1の通信の送信時間が、当該装置及び前記第1の無線ノードの各々に対する時間基準として使用される、装置。
【請求項11】
当該装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、マルチラテレーションアルゴリズムのための命令を実行して、前記到達時間差情報を使用して前記第3の無線ノードの位置を決定する、ように構成される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
当該装置が第1の基準クロック信号を有し、前記第1の無線ノードが第2の基準クロック信号を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記送信された第1の通信が、前記第1の無線ノード、前記第2の無線ノード、及び、前記第3の無線ノードに送信される転送パケットの送信時間を含み、該送信時間が、当該装置、前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードのための時間基準として使用される、請求項10に記載の装置。
【請求項14】
当該装置と前記第1の無線ノードとの間における前記到達時間差情報は、当該装置が前記第3の無線ノードから確認応答パケットを受信する第1の時刻と、前記第1の無線ノードが前記第3の無線ノードから確認応答パケットを受信する第2の時刻と、前記時間基準と、に基づいて決定される、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
当該装置の前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第1の時刻と前記時間基準との差を決定し、
前記第2の時刻と前記時間基準との差を決定する、
ように構成される、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定システムであって、
各々が前記無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1又はそれ以上の処理ユニット及び無線周波数回路を備えた無線デバイスを有する、第1の無線ノード、第2の無線ノード及び第3の無線ノードと、
未知の位置と、前記無線ネットワークアーキテクチャ内の前記第1の無線ノード、前記第2の無線ノード及び前記第3の無線ノードとの通信を可能にする送信機及び受信機を備えた無線デバイスと、を有する第4の無線ノードと、
を具備し、
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第4の無線ノードからの転送パケットを有する第1の通信を受信し、
前記転送パケットに応答して、前記第2の無線ノード、前記第3の無線ノード及び前記第4の無線ノードに、第2の通信を送信し、
前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードの各々の間における前記第1の通信の受信の到達時間差情報を決定する、ように構成され、
前記第1の無線ノードから送信される前記第2の通信の送信時間が、前記第1の無線ノード及び前記第2の無線ノードの各々に対する時間基準として使用される、システム。
【請求項17】
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、マルチラテレーションアルゴリズムのための命令を実行して、到達時間差情報を使用して前記第4の無線ノードの位置を決定するする、ように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1の無線ノードが第1の基準クロック信号を有し、前記第2の無線ノードが第2の基準クロック信号を有する、請求項16に記載のシステム。
【請求項19】
前記第4の無線ノードの1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、転送パケットを含む通信を、前記第1の無線ノード、前記第2の無線ノード及び前記第3の無線ノードに送信する、ように構成される、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記第2の無線ノード及び第3の無線ノードの1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第4の無線ノードからの転送パケット及び前記第1の無線ノードからの確認応答パケットを含む通信を受信し、
前記受信した転送パケット及び確認応答パケットの各々に対するタイムスタンプ及びチャネル検知情報を記録する、
ように構成される、請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記第1の無線ノードと前記第2の無線ノードとの間における到達時間差情報は、前記第1の無線ノードが前記第4の無線ノードから転送パケットを受信する第1の時刻と、前記第2の無線ノードが前記第4の無線ノードから転送パケットを受信する第2の時刻と、前記第1の基準クロック信号と前記第2の基準クロック信号との間の時間オフセットと、に基づいて決定される、請求項20に記載のシステム。
【請求項22】
前記第1の無線ノードの前記1又はそれ以上の処理ユニットが、命令を実行して、
前記第2の無線ノードが前記第1の無線ノードから確認応答パケットを受信する第3の時刻と、前記第1の無線ノードが前記第2の無線ノードに確認応答パケットを送信する第4の時刻と、前記第1の無線ノードと前記第2の無線ノードとの間の通信の飛行時間推定値と、に基づいて、前記第1の基準クロック信号と前記第2の基準クロック信号との間の時間オフセットを決定する、
ように構成される、請求項21に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2017年8月23日に出願された米国特許出願第15/684,893号の利益を主張し、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、2015年8月19日に出願され「メッシュベースの機能を備えたツリーネットワークアーキテクチャで無線センサノードの位置を特定するためのシステムと方法」と題された米国特許出願第14/830,668号および2016年6月3日に出願され「複数の通信経路の存在下での正確な無線周波数位置特定のためのシステムと方法」と題された米国特許出願第15/173,531号に関連し、これらは両方とも参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
本発明の実施形態は、到達時間差情報を使用した正確な無線周波数位置特定のためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0004】
家庭用電化製品およびコンピュータ業界では、無線センサネットワークが長年にわたって研究されてきた。典型的な無線センサネットワークでは、1つ以上のセンサが無線と組み合わせて実装され、ネットワーク内に配備された1つ以上のセンサノードからのデータの無線収集を可能にする。各センサノードは1つ以上のセンサを含むことができ、センサノードの動作に電力を供給するための無線機と電源を含む。屋内無線ネットワーク内のノードの位置検出は、多くのアプリケーションで有用かつ重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マルチラテレーションの到達時間差(TDoA)技術に基づく位置特定は、3次元空間内の無線装備オブジェクトの位置を特定するための無線周波数測定を使用して実行される。RFベースの位置特定は、様々な方法で実行され得る。例示的な実装には、ハブと複数のセンサノードが含まれる。なお、ハブがノードに置き換えられる可能性があり、実際、1つ以上のノードがハブに置き換えられる場合がある。距離は、RF通信を介したすべての個々のペア間の無線周波数技術を使用して推定される。TDoAでは、1つのノードが信号を送信する。複数の他のノードが信号を受信し、各受信ノードでの受信間の時間差が計算される。TDoAでは、受信時間の差を正確に測定するために、受信機の同期が必要である。これは、共有クロックですべての受信機を操作し、絶対タイムスタンプを比較することでなされ得る。共有クロックが利用できないシステムでは、受信機は別の方法で同期する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態について、ネットワークアーキテクチャ内における無線センサノードの位置を特定するためのシステムおよび装置が本明細書で開示される。一例では、非同期システムは、各々が無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを有する第1および第2の無線ノードを含む。システムはまた、未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1および第2第3の無線ノードとの通信を可能にする送信機および受信機を備えた無線デバイスとを有する無線ノードとを含む。第1の無線ノードは、第2の無線ノードおよび未知の位置を有する無線ノードに通信を送信し、無線ノードからの確認応答パケットとの通信を受信し、第1および第2の無線ノード間の到達時間差情報を特定する。別の一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定システムは、各々が無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを有する第1、第2、および第3の無線ノードを含む。システムはまた、未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1、第2、および第3の無線ノードとの通信を可能にする送信機および受信機とを備えた無線デバイスとを有する第4の無線ノードを含む。第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第4のノードからの転送パケットとの通信を受信し、転送パケットに応答して第2、第3、および第4の無線ノードに通信を送信し、第1と第2の無線ノード間と、第1と第3の無線ノード間の到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0007】
本発明の実施形態の他の構成および利点は、添付の図面および以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0008】
本発明の実施形態は、添付図面の図に限定ではなく例として示されており、同様の参照番号は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A】一実施形態に係る無線ノードの例示的なシステムを示す。
図1B】一実施形態に従って通信するための複数のハブを有する無線ノードの例示的なシステムを示す。
図2A】一実施形態に係る到達時間差を利用するノードの位置特定のためのシステムを示す。
図2B】別の一実施形態に係る飛行時間推定に使用される非同期システムを示す。
図2C】一実施形態において、2層報告方向ToF測定システム1000を示す。
図3】一実施形態に係るシステム200の通信のタイミング図を示す。
図4】代替実施形態に係る到達時間差を利用するノードの位置特定のためのシステムを示す。
図5】一実施形態に係るシステム400の通信のタイミング図を示す。
図6】一実施形態に係る到達時間差技術を使用してノードの位置推定値を特定する方法を示す。
図7A】一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイ1500として実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。
図7B】一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイとして実装されるハブのブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。
図8A】一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。
図8B】一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブ964のブロック図の例示的な一実施形態を示す。
図8C】一実施形態に係る機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブの例示的な一実施形態を示す。
図8D】一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されるハブ1684のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。
図9】一実施形態に係るセンサノードのブロック図を示す。
図10】一実施形態に係るハブを有するシステムまたは機器1800のブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書では、到達時間差情報を使用した正確な無線周波数位置特定のためのシステムおよび方法を開示する。一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定のための非同期システムは、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを各々が有する第1、第2、および第3の無線ノードを含む。システムはまた、未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1、第2、および第3の無線ノードとの通信を可能にする送信機および受信機とを備えた無線デバイスとを有する第4の無線ノードを含む。第1の無線ノードは、第2、第3、および第4の無線ノードに通信を送信し、第4の無線ノードから確認応答パケットとの通信を受信し、第1と第2の無線ノード間および第1と第3の無線ノード間の到達時間差情報を特定する。
【0011】
一例では、第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、マルチラテレーションアルゴリズム用の命令を実行して、到達時間差情報を使用して第4の無線ノードの位置を特定するように構成される。
【0012】
無線センサネットワークの様々なアプリケーションでは、ネットワーク内のセンサノードの位置を特定することが望ましい場合がある。例えば、そのような情報は、セキュリティカメラ、運動センサ、温度センサ、および当業者には明らかな他のそのようなセンサなどのセンサの相対位置を推定するために使用され得る。そして、この情報を使用して、温度のマップ、運動経路、マルチビュー画像キャプチャなどの拡張情報を生成できる。したがって、特に屋内環境において、無線ネットワーク内のノードの正確で、低電力で、コンテキストを意識した位置特定を可能にする位置特定システムおよび方法が望まれる。この目的のために、屋内環境には、同様の問題(例えば、近くの壁の存在など)が存在する可能性のある建物やその他の構造物の周辺地域など、屋内に近い環境も含まれると想定される。
【0013】
無線センサネットワークは、家、アパート、オフィス、商業ビルを含む屋内環境、および駐車場、歩道、庭園などの近くの外部の位置で使用するために説明されている。無線センサネットワークはまた、電源を備えたあらゆるタイプの建物、構造物、エンクロージャ、乗り物、ボートなどでも使用できる。センサシステムは、長い通信距離を維持しながら、センサノードの良好な電池寿命を提供する。
【0014】
本発明の実施形態は、屋内環境内における位置検出のためのシステム、装置、および方法を提供する。参照により本明細書に組み込まれる、2015年8月19日に出願された米国特許出願第14/830,668号は、RFベースの位置特定の技術を開示する。具体的には、システム、装置、および方法は、位置特定が必要な場合の経路長推定のための周期的なメッシュベースの構成との通信にツリーネットワーク構造を主に使用する無線センサネットワーク内で位置特定を実行する。無線センサネットワークは、位置特定の精度を向上させると同時に、位置特定に高周波を使用し、通信により低い周波数を使用することで、屋内通信の良好な質を提供する。
【0015】
ツリー状の無線センサネットワークは、無線信号受信機能に関連する電力要件の低減により、多くのアプリケーションにとって魅力的である。例示的なツリー状のネットワークアーキテクチャは、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,045号、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,047号、2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,048号、および2015年1月29日に出願された米国特許出願第14/607,050号に記載されており、これらは参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0016】
よく使用される別の種類の無線ネットワークは、メッシュネットワークである。このネットワークでは、1つ以上のネイバー間で通信が行われ、その後、マルチホップアーキテクチャを使用してネットワークに沿って情報が渡される。これは、情報がより短い距離で送信されるため、送信電力要件を低減するために使用できる。一方、マルチホップ通信方式を有効にするには受信無線機を頻繁にオンにする必要があるため、受信無線機の電力要件が増加する可能性がある。
【0017】
図1Aは、一実施形態に係る無線ノードの例示的なシステムを示す。この例示的なシステム100は、無線ノード110~116を含む。ノードは、通信120-130と双方向に通信する(例えば、ノード識別情報、センサデータ、ノードステータス情報、同期情報、位置特定情報、無線センサネットワークに関するその他の情報、飛行時間(TOF)通信など)。飛行時間測定の使用に基づいて、ノードの個々のペア間の経路長を推定できる。例えば、ノード110と111の間の個々の飛行時間の測定は、ノード110からノード111へ既知の時間に信号を送信することにより達成され得る。ノード111は、信号を受信し、通信120の信号の受信のタイムスタンプを記録し、そして例えば、リターン信号の送信のタイムスタンプと共に、リターン信号をAに送り返すことができる。ノード110は信号を受信し、受信のタイムスタンプを記録する。これらの2つの送信および受信のタイムスタンプに基づいて、ノード110と111間の平均飛行時間を推定できる。このプロセスを複数回、複数の周波数で繰り返して、精度を改善し、特定の周波数での劣悪なチャネル品質による劣化を排除または低減できる。一連の経路長は、様々なノードペアに対してこのプロセスを繰り返すことで推定できる。例えば、図1では、経路長は、TOF 150~160である。次に、幾何モデルを使用して、三角測量のようなプロセスに基づいて個々のノードの相対位置を推定できる。
【0018】
この三角測量プロセスは、ノードとハブ間の経路長のみを測定できるため、ツリー状のネットワークでは実行できない。そのため、これによって、ツリーネットワークの位置特定機能が制限される。位置特定を可能にしながらツリーネットワークのエネルギーの利点を維持するために、本発明の一実施形態では、通信のためのツリーネットワークは、位置特定のためのメッシュ状ネットワーク機能と組み合わされる。メッシュ状のネットワーク機能で位置特定が完了すると、ネットワークはツリー状の通信に戻り、ノードとハブ間の飛行時間のみが定期的に測定される。これらの飛行時間が比較的一定に保たれていれば、ネットワークはノードが移動せず、メッシュベースの位置特定を再実行しようとしているエネルギーを無駄にしないと推測する。一方、ツリーネットワークで経路長の変化が検出されると、ネットワークはメッシュベースのシステムに切り替わり、ネットワーク内の各ノードの位置を特定するために再度三角測量を行う。
【0019】
別の一例では、複数のノードの到達時間差情報を使用して、未知の位置を有する無線ノードの位置を特定するために、マルチラテレーションアルゴリズムが実行される。
【0020】
図1Bは、一実施形態に従って通信するための複数のハブを有する無線ノードの例示的なシステムを示す。システム700は、無線制御デバイス711を有する中央ハブ710、無線制御デバイス721を有するハブ720、無線制御デバイス783を有するハブ782、および無線制御デバイスnを有するハブnを含む追加のハブを含む。図示されていない追加のハブは、中央ハブ710、他のハブと通信することができるか、または追加の中央ハブとすることができる。各ハブは、他のハブおよび1つ以上のセンサノードと双方向に通信する。ハブはまた、デバイス780(クライアントデバイス、モバイルデバイス、タブレットデバイス、コンピューティングデバイス、スマート機器、スマートテレビなど)を含む他のデバイスと双方向に通信するように設計されている。
【0021】
センサノード730、740、750、760、770、788、792、n、およびn+1(または終端ノード)はそれぞれ、無線デバイス731、741、751、761、771、789、793、758、および753を含む。センサノードは、上位レベルのハブまたはノードとのアップストリーム通信のみがあり、別のハブまたはノードとのダウンストリーム通信がない場合、終端ノードである。各無線デバイスには、ハブまたは他のセンサノードとの双方向通信を可能にするための送信機と受信機(またはトランシーバ)を備えたRF回路が含まれる。
【0022】
一実施形態では、中央ハブ710は、ハブ720、782、ハブn、デバイス780、およびノード760および770と通信する。これらの通信には、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の通信722、724、774、772、764、762、781、784、786、714、および712が含まれる。無線制御デバイス711を有する中央ハブは、ノードのグループおよび各グループに対して保証された時間信号を割り当てることを含む無線非対称ネットワークアーキテクチャを制御および監視するために、他のハブに通信を送信し、他のハブから通信を受信するように構成される。
【0023】
ハブ720は、中央ハブ710と通信し、センサノード730、740、および750とも通信する。これらのセンサノードとの通信には、通信732、734、742、744、752、および754が含まれる。例えば、ハブ720の観点から、通信732はハブによって受信され、通信734はセンサノードに送信される。センサノード730の観点から、通信732はハブ720に送信され、通信734はハブから受信される。
【0024】
一実施形態では、中央ハブ(または他のハブ)は、ノード760および770をグループ716に、ノード730、740、および750をグループ715に、ノード788および792をグループ717に、ノードnおよびn+1をグループnに割り当てる。別の一例では、グループ716および715は単一のグループに結合される。
【0025】
図1に示すアーキテクチャを使用することにより、長い電池寿命を必要とするノードは通信に費やされるエネルギーを最小限に抑え、ツリー階層内のより高いレベルのノードは利用可能なエネルギー源を使用して実装されるか、またはその代わりにより高容量を提供するか、またはより電池寿命の短い電池を使用可能である。電池で動作する終端ノードでの長い電池寿命の達成を促進するために、それらのノードとそれらの上位レベルの相当物(以下、最下位レベルハブと呼ぶ)間の通信は、最下位レベルのハブと終端ノードとの間で最小限の送受信トラフィックが発生するように確立され得る。
【0026】
一実施形態では、ノードは、ほとんどの時間(例えば、時間の90%超、時間の95%超、時間の約98%または99%超)を低エネルギーの非通信状態で費やす。ノードが起動して通信状態に入ると、ノードはデータを最低レベルのハブに送信するように動作可能になる。このデータには、ノード識別情報、センサデータ、ノードステータス情報、同期情報、位置特定情報、および無線センサネットワークに関するその他のそのような情報が含まれる。
【0027】
RFに基づいて2つのオブジェクト間の距離を特定するには、測距測定を実行する(つまり、RF通信を使用してオブジェクトのペア間の距離を推定する)。これを実現するために、1つのデバイスから別のデバイスにRF信号が送信される。米国特許出願第15/173,531号の図3図8Cは、飛行時間測定システムの実施形態を示す。
【0028】
飛行時間測定は、ネットワーク内の動作のタイミングに本質的に敏感であるため、測定を実行するデバイスのクロッキングが重要である。一実施形態では、未知の位置にあるノードは、共有クロックなしでTDoAを介して見つけることができる。受信ノードは、既知のノード間の追加のトランザクションを用いて同期される。なお、既知のノードの位置は、米国特許出願第15/173,531号に記載されているような位置特定を使用して特定できる。
【0029】
図2Aは、一実施形態に係る到達時間差を利用するノードの位置特定のためのシステムを示す。システム200は、1つのマスターノード210(M210)、1つの未知の位置(N240)にあるノード240、および探知ノード(例えば、S220、230など)を有するように構成される。マスターノード210はまず、各探知ノードに対して(米国特許出願第15/173,531号に記載されているような)RTTおよび部分距離による2方向の飛行時間を実行する。例えば、図2Bは、一実施形態に係る飛行時間推定値に使用される非同期システムを示す。デバイス810は、最初に、パケットを有するRF信号812を時刻T1にデバイス820に送信する。パケットは、時刻T2にデバイス820に到達し、デバイス820のパケット検出アルゴリズムをトリガーして、この時刻を登録する。次に、デバイス820は、時刻T3にパケットを有する信号822を送り返し、これは、時刻T4にデバイス810に到達し、時刻を登録して波形を処理するためにデバイス810をトリガーする。完全同期システムの場合とは異なり、T1とT4はデバイス810に記録された時刻であるため、その基準クロックを基準としていることに注意されたい。T2およびT3は、デバイス820の時間基準に基づいて記録される。粗い時間推定は次のように行われる。
【0030】
2xToF=(T4-T1)-(T3-T2)
T4とT1は同じクロックでサンプリングされるため、T4とT1の間に任意の位相はない。したがって、T4-T1は時間的に正確であり、同じ原則がT3-T2にも適用される。したがって、この測定は、このシステムの非同期性に起因する2つのデバイス間の位相ウォークの影響を受けない。前の実施形態と同様に、この測定は、T1/T2/T3/T4のサンプリングクロック周期の分解能によって制限される。この精度を向上させるために、両方のデバイスで周波数応答測定を実行できる。デバイス820は、デバイス810からのパケットを使用してチャネル応答を測定し、デバイス810は、デバイス820からのパケットを使用してチャネル応答を測定する。2つのデバイスは同期していないため、2つのクロック間の位相には不確実性があり、ここではTオフセットとして注釈が付けられている。クロックのこの位相オフセットは、各側のチャネル応答測定の余分な位相として現れるが、両側からのチャネル応答を乗算することで除去できる。チャネル応答が以前と同じであると仮定すると、デバイス820からの測定値は、以下のようになる。
【0031】
820(f)=H(f)e-j2πfTオフセット
デバイス810からの測定値は、以下のようになる。H810(f)=H(f)e+j2πfTオフセット
したがって、結合されたチャネル応答は、
810(f)H820(f)=H(f)=(ΣA-j2πfΔTk
これにより、2つのクロック間の位相差が相殺される。前の実施形態と同様に、例えば、マトリクスペンシル、MUSICなどのアルゴリズムを使用して、2min{ΔT}を生成するH810(f)H820(f)からの遅延を推定することができ、距離測定は、
距離=[(T4-T1)/2-(T3-T2)/2-S{H810(f)H820(f)}/2]×Cで与えらえる。
【0032】
あるいはまた、Tオフセットは以下から推定され得る。H810(f)/H820(f)=e+2j2πfTオフセット
オフセットは、分割されたチャネル応答の位相勾配の半分である。どちらの方向のチャネル応答も、計算されたオフセットによって修正できる。距離推定値は、次のように計算できる。
【0033】
距離=[(T4-T1)/2-(T3-T2)/2-S{H810(f)}-Tオフセット]×C
または
距離=[(T4-T1)/2-(T3-T2)/2-S{H820(f)}+Tオフセット]×C
この方法には、乗算法よりも利点がある。H(f)チャネル応答には、各経路の振幅と距離の2倍の項と、2経路並べ替えごとのクロス項が含まれる。これは、A810 j2πf2ΔT1、A820 j2πf2ΔT2、およびA810820j2πf(ΔT1+ΔT2)の2経路の場合である。精密な推定方法は、単方向チャネル応答H(f)に適用した場合、区別する経路が少なくなり、ダイナミックレンジが低くなるため、ノイズに対してより効果的で堅牢になります。
【0034】
前述のショートパス除去アルゴリズムは、上記で開示したような非同期システムでも使用できる。
【0035】
上で示したように、非同期システムでは、2つのデバイスからの情報を計算のために組み合わせる必要がある。それを行うために、一実施形態では、デバイスのうちの1つは、前述の同じRF信号(例えば、812、822、1022、1023)を使用するか、または2方向ToF測定システム1000の一実施形態の図2Cに示されるように、独立したRF信号経路1024を使用して、情報を他デバイスに送信できる。
【0036】
図3は、一実施形態に係るシステム200の通信のタイミング図を示す。N240は、マスターノード210からの通信212(例えば、ユニキャストパケット)に応答して、パケット241~243(例えば、確認応答パケット)として受信される通信(例えば、送信されたパケット)を送信するように構成される。このシステムは、マスターノードをアクセスポイント(AP)として利用し、未知のノード(例えば、センサノード、モバイルデバイス、スマートデバイス、スマートウォッチなど)をそれに関連付けるか、または他の手段によってセットアップされる。探知ノード220および230は、マスターノードまたはN240によって送信されたパケットを受信するように構成される。マスターノードは、時刻TでN240に通信212(例えば、転送パケット)を送信する。N240は、時刻Tでこの通信212を受信する。各探知ノードは、受信した通信の検出タイムスタンプとチャネル検知情報(CSI)を記録する(例えば、ノード220は時刻Tに転送パケット202を受信し、ノード230は時刻Tに転送パケット204を受信する)。パケット202、204、および212は、M210からの同じ通信から発信される。未知のノードN240は、通信212の受信に応答して、パケット241~243として受信される通信(例えば、時刻Tにおける確認応答パケット)を送信する。探知ノードとマスターノードはすべて、受信した通信241~243(例えば、時刻T、T、Tで受信した確認応答パケット)のタイムスタンプとCSIを記録する。
【0037】
次に、マスターから探知のToFと、マスターノードおよび探知ノードでのタイムスタンプおよびCSI情報とを組み合わせて、ノード240の位置を特定できる。マスターノードと各探知ノードとの間のTDoAは、以下の式1に従って計算される。次に、これらのTDoA値を標準のTDoAマルチラテレーションアルゴリズムで使用して、N240の位置を特定できる。
【0038】
各探知ノードとマスターノードとの間のTDoAは、次のように特定される。理想的な場合、TDoAは、マスターノードがノード240から確認応答パケットを受信する第1の時刻Tと、探知ノードがノード240から確認応答パケットを受信する第2の時刻Tの間の単なるデルタである。
【0039】
ただし、マスターノードと探知ノードには、相互に位相オフセットと周波数オフセットだけでなくカウンタオフセットを有する独立したクロック基準がある。これを解決するために、一例では、マスターノードでの通信212のパケット送信時間(例えば、時刻Tでの転送パケット212)が、マスターノードと探知ノードの両方の時間基準として使用される。
【0040】
式1
DoA M210-S220=T-T
=(T-T)-(T-T
=(T-T)-(T-(T3-oF M210-S220)
=(RTTM210-N240 サンプリング+Tfrac M210-N240)-(TS220 Ack Rx サンプリング+TS220 Ack Rx frac-(TS220 forw Rx サンプリング+TS220 forw Rx frac-ToF M210-S220))
通信242および243を受信する探知ノード(例えば、探知確認応答受信)の時刻は、通信242および243を受信するための確認応答転送受信のタイムスタンプと、マスターノードと探知ノードの間で計算された前に測定されたToFとの差を取ることにより、マスター転送パケット送信に揃えることができる。
【0041】
TDoAの時間分解能は、各パケット受信の部分サンプル推定にチャネル検知情報(CSI)を使用することにより、サンプリングクロックのレートよりも細かくすることができる。CSIは、(単一の見通し線経路内で)位相の勾配を使用するか、またはマトリクスペンシル、MUSIC、またはIFFTなどの手法を使用することによって、部分サンプル推定値を計算するために使用することができる。図2および図3、および式1は、システムの一例とTDoAの計算方法を示している。式2は、基準クロックの違いから生じる遅延がどのように相殺されるかを示している。
【0042】
式2
=T6+tdM210-N240+tdN240-M210
=T+tdS220-N240+tdN240-M210
=T+tdS220-M210
DoA =T -T
=TDoA+tdM210-N240+tdN240-M210-tdS220-N240-tdN240-M210+tdS220-M210
注:tdS220-M210-tdS220-N240+tdN240-M210=0
=tdS220-N240-tdM210-N240
dS220-M210-tdS220-N240+tdM210-N240=0
DoA =TDoA
信号対雑音比(SNR)を改善するには、複数のパケットを用いてプロセスを繰り返すことができる。TDoAはパケットごとに計算してから平均化できる。あるいはまた、結合する前にタイムスタンプおよびCSIを平均することができる。CSIを平均するには、大きさと位相を独立して平均してから結合する必要がある。別の未知のノードを用いてシステムを再構成することにより、複数のノードの位置を見つけることができる。
【0043】
図4は、代替実施形態に係る到達時間差を利用するノードの位置特定のためのシステムを示す。システム400は、1つのマスターノード410(M410)、1つの未知の位置にある1つのノード440(N440)、および探知ノード(例えば、S420、S430など)を有するように構成される。図5は、一実施形態に係るシステム400の通信のタイミング図を示す。未知のノードN440は、パケットトランザクションを開始できる。N440は、時刻Tにおいて、通信441(例えば、転送パケット441)をマスター(M)ノード410に送信する。マスターノード410は、時刻Tで通信441を受信する。マスターノード410は、時刻Tで通信412(例えば、確認応答パケット412)で応答する。探知ノード420および430は、N440からの時刻TおよびT(例えば、転送パケット442~443)およびマスターノード410からの通信402および404(例えば、確認応答パケット402および404)で通信442~443をリッスンする。探知ノード420は、時刻Tで通信443を受信し、時刻Tで通信402を受信する。探知ノード430は、時刻Tで通信442を受信し、時刻Tで通信404を受信する。受信されたパケット441~443は、N440からの同じ通信から発信される。
【0044】
ここで、TDoAは、N440からのマスターノードおよび探知ノードへの転送パケットの到達に基づいて計算される。ここで、マスターノードからの確認応答パケットのパケット送信時間は、ノード間のタイミングを調整するために式3に従ってデルタオフセットをT-T-ToF M410-S420に等しくして使用される。
【0045】
DoA M410-S420=T-T M410
=T-T-M410とS420のクロック間のデルタオフセット
=(T-T)+T-T-ToF M410-S420
=(T2 サンプリングT2frac-3サンプリング-T3 frac)+T6 サンプリング+T6 frac-T5 サンプリング-T5 frac-ToF M410-S420
図6は、一実施形態に係る到達時間差技術を使用してノードの位置推定値を特定する方法を示す。方法600の動作は、処理回路または処理ロジックを含む、無線デバイス、ハブの無線制御デバイス(例えば、装置)、またはシステムによって実行され得る。処理ロジックには、ハードウェア(回路、専用ロジックなど)、ソフトウェア(汎用コンピュータシステムまたは専用マシンまたはデバイス上で実行されるものなど)、または両方の組み合わせが含まれ得る。一実施形態では、ハブは方法600の動作を実行する。
【0046】
無線ネットワークアーキテクチャの初期化時に、動作601では、システムの処理ロジックは、第1のノード(例えば、マスターノード)、第2および第3の無線ノード(例えば、探知ノード)、および不明な位置にある第4のノード(例えば、センサノード、モバイルデバイス、スマートデバイス、スマートウォッチなど)を有するように構成される。第1のノード(例えば、マスターノード)は、動作602で、第2および第3のノード(例えば、探知ノード)の(米国特許出願第15/173,531号に記載されるような)RTTおよび部分距離を使用して、2方向の飛行時間を実行する。
【0047】
動作604では、第1のノードは、第1の時刻に、第2、第3、および第4のノードへ転送パケットとの通信を送信する。動作606では、第4のノードは、第2の時刻に、この通信を受信する。動作608では、第2および第3のノードはそれぞれ、第3および第4の時刻に、これらの通信を受信する。動作610では、第4のノードは、第1のノードからの通信(例えば、転送パケット)に応じて、第5の時刻に、第1、第2、および第3のノードに確認応答パケットを伴う通信を送信するように構成される。一例では、このシステムは、マスターノードをアクセスポイント(AP)として利用し、未知の第4のノードがそれに関連付けられているか、または他の手段によってセットアップされる。探知ノードは、マスターノードまたは未知の第4のノードによって送信されたパケットを受信するように構成される。各探知ノードは、受信した通信の検出タイムスタンプおよびチャネル検知情報(CSI)を記録する。探知ノードおよびマスターノードはすべて、動作612で、受信した通信(例えば、第6、第7、第8の時刻で受信した確認応答パケット)のタイムスタンプおよびCSIを記録する。
【0048】
次に、マスターから探知のToF、およびマスターノードおよび探知ノードのタイムスタンプおよびCSI情報を組み合わせて、動作614で未知の第4のノードの位置を特定することができる。マスターノードと各探知ノード間のTDoAは、式1に従って計算される。次に、これらのTDoA値を標準のTDoAマルチラテレーションアルゴリズムで使用して、N240の位置を特定できる。
【0049】
一例では、本明細書で説明するTDoAアルゴリズムを使用して、未知の位置にある第4のノード(例えば、センサノード、モバイルデバイス、スマートデバイス、スマートウォッチ、ロボットなど)を見つける。したがって、第4のノードのユーザーは、ノードを検索する必要なしにこのノードを見つけることができる。
【0050】
本明細書で説明するハブとノード間の通信は、無線周波数を使用した直接無線通信、家、アパート、商業ビルなどの中での電気配線に信号を変調することで達成される電力線通信、802.11a、802.11b、802.11n、802.11acなどの標準WiFi通信プロトコルおよび当業者には明らかな他のそのようなWifi通信プロトコルを使用したWiFi通信、GPRS、EDGE、3G、HSPDA、LTEなどのセルラー通信および当業者には明らかな他のセルラー通信プロトコル、Bluetooth通信、Zigbeeなどの周知の無線センサネットワークプロトコルを使用した通信、および当業者には明らかな他の有線ベースまたは無線通信スキームを含むが、これらに限定されない様々な手段を使用して達成できる。
【0051】
端末ノードとハブ間の無線周波数通信の実装は、狭帯域、チャネル重複、チャネルステッピング、マルチチャネル広帯域、およびウルトラワイドバンド通信を含む多様な方法で実装できる。
【0052】
ハブは、本発明の実施形態に係る多くの方法で物理的に実装されてもよい。図7Aは、一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイ1500として実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。オーバーレイ1500(例えば、フェースプレート)は、ハブ1510と、ハブをコンセント1502に結合する接続1512(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を含む。代替的に(または追加的に)、ハブはコンセント1504に結合される。オーバーレイ1500は、安全性および美観を目的として、コンセント1502および1504を覆うかまたは囲む。
【0053】
図7Bは、一実施形態に係る、電力コンセント用のオーバーレイとして実装されるハブ1520のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。ハブ1520は、周期的に方向を反転させる交流(AC)を一方向のみに流れる直流(DC)に変換する電源整流器1530を含む。電源整流器1530は、接続1512(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコンセント1502からACを受け取り、ACをDCに変換して、接続1532(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1540に電力を供給し、接続1534(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1550に電力を供給する。コントローラ回路1540は、メモリ1542を含むか、または、本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1540の処理ロジック1544(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1550は、(1または複数の)アンテナ1552を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1554および受信機1556機能を含むことができる。RF回路1550は、接続1534(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1540と双方向に通信する。ハブ1520は、無線制御デバイス1520とすることができるか、またはコントローラ回路1540、RF回路1550、および(1または複数の)アンテナ1552の組み合わせは、本明細書で説明されるような無線制御デバイスを形成することができる。
【0054】
図8Aは、一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブの例示的な一実施形態を示す。カード1662は、矢印1663で示されるように、システム1660(例えば、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ)に挿入することができる。
【0055】
図8Bは、一実施形態に係る、コンピュータシステム、機器、または通信ハブ内に配備するためのカードとして実装されるハブ1664のブロック図の例示的な一実施形態を示す。ハブ1664は、接続1674(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1668に電力(例えば、DC電源)を供給し、接続1676(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1670に電力を供給する電源1666を含む。コントローラ回路1668は、メモリ1661を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1668の処理ロジック1663(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1670は、(1または複数の)アンテナ1678を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1675および受信機1677機能を含むことができる。RF回路1670は、接続1672(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1668と双方向に通信する。ハブ1664は、無線制御デバイス1664とすることができるか、またはコントローラ回路1668、RF回路1670、および(1または複数の)アンテナ1678は組み合わせて、本明細書で説明されるような無線制御装置を形成することができる。
【0056】
図8Cは、一実施形態に係る機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されたハブの例示的な一実施形態を示す。機器1680(例えば、スマート洗濯機)は、ハブ1682を含む。
【0057】
図8Dは、一実施形態に係る、機器(例えば、スマート洗濯機、スマート冷蔵庫、スマートサーモスタット、他のスマート機器など)内に実装されるハブ1684のブロック図の分解図の例示的な一実施形態を示す。ハブは、接続1696(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1690に電力(例えば、DC電源)を供給し、接続1698(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1692に電力を供給する電源1686を含む。コントローラ回路1690は、メモリ1691を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークの位置特定を形成、監視、および実行するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1690の処理ロジック1688(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1692は、(1または複数の)アンテナ1699を介して無線センサノードと双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1694および受信機1695機能を含むことができる。RF回路1692は、接続1689(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1690と双方向に通信する。ハブ1684は、無線制御装置1684とすることができるか、またはコントローラ回路1690、RF回路1692、および(1または複数の)アンテナ1699を組み合わせて、本明細書で説明されるような無線制御デバイスを形成することができる。
【0058】
一実施形態では、無線非対称ネットワークアーキテクチャを提供するための装置(例えば、ハブ)は、命令を格納するメモリと、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内で通信を確立および制御するための命令を実行するハブの処理ロジック(例えば、1つ以上の処理ユニット、処理ロジック1544、処理ロジック1663、処理ロジック1688、処理ロジック1763、処理ロジック1888)と、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための複数のアンテナ(例えば、(1または複数の)アンテナ1552、(1または複数の)アンテナ1678、(1または複数の)アンテナ1699、アンテナ1311、1312、1313など)を含む無線周波数(RF)回路(例えば、RF回路1550、RF回路1670、RF回路1692、RF回路1890)とを含む。RF回路と複数のアンテナは、無線非対称ネットワークアーキテクチャ内の装置のRF回路との双方向通信を可能にする送信機と受信機(またはトランシーバの送信機と受信機の機能)を備えた無線デバイスをそれぞれ有する複数のセンサノード(例えば、ノード1、ノード2)に通信を送信する。
【0059】
一例では、命令を格納するためのメモリは、無線ネットワークアーキテクチャ内の複数のセンサノードを制御し、複数のセンサノードと、各々が送信機および受信機を備えた無線デバイスを有する複数のセンサノードとの間で通信を送受信するための無線周波数(RF)回路との位置を特定して、無線ネットワークアーキテクチャ内の装置のRF回路との双方向通信を可能にするための命令を実行する1つ以上の処理ユニットを含む。装置の1つ以上の処理ユニットは、第1、第2、および第3の無線ノードに通信を送信し、未知の位置を有する第3のノードから確認応答パケットとの通信を受信し、装置と第1の無線ノードとの間および装置と第2の無線ノードとの間の到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0060】
一例では、装置は主電源によって電力を供給され、複数のセンサノードはそれぞれ電池源によって電力を供給されて無線ネットワークアーキテクチャを形成する。
【0061】
リチウムイオン、リチウムポリマー、リン酸リチウムなどのリチウムベースの化学物質、および当業者には明らかな他のそのような化学物質を含む、様々な電池を無線センサノード内で使用できる。使用できる追加の化学物質には、ニッケル水素、標準アルカリ電池の化学物質、銀亜鉛および亜鉛空気電池の化学物質、標準炭素亜鉛電池の化学物質、鉛酸電池の化学物質、または当業者に明らかであるような他の化学物質が含まれる。
【0062】
本発明はまた、本明細書に記載の動作を実行するための装置に関する。この装置は、必要な目的のために特別に構築されてもよいし、またはコンピュータ内に保存されたコンピュータプログラムによって選択的に起動または再構成される汎用コンピュータを備えてもよい。そのようなコンピュータプログラムは、フロッピーディスク、光ディスク、CD-ROM、および光磁気ディスク、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カードまたは光カード、または電子命令の保存に適したあらゆるタイプの媒体を含む任意のタイプのディスクなどが挙げられるが、それらに限定されないコンピュータ可読記憶媒体に格納されてもよい。
【0063】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよびディスプレイは、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。本明細書の教示に従って、様々な汎用システムをプログラムと共に使用することができるか、または必要な方法操作を実行するためにより特化した装置を構築することが便利であることが判明する場合がある。
【0064】
図15は、一実施形態に係るセンサノードのブロック図を示す。センサノード1700は、接続1774(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1720に電力(例えば、DC電源)を供給する電源1710(例えば、エネルギー源、電池源、一次セル、充電式セルなど)を含み、接続1776(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してRF回路1770に電力を供給し、接続1746(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介して検知回路1740に電力を供給する。コントローラ回路1720は、メモリ1761を含むか、または本明細書で説明されているような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのセンサノードの動作を制御するためのコントローラ回路1720の処理ロジック1763(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1770(例えば、通信回路)は、(1または複数の)ハブおよびオプションの無線センサノードとの(1または複数の)アンテナ1778を介した双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機1775および受信機1777機能を含むことができる。RF回路1770は、接続1772(例えば、電気接続)を介してコントローラ回路1720と双方向に通信する。検知回路1740は、(1または複数の)画像センサと回路1742、(1または複数の)水分センサと回路1743、(1または複数の)温度センサと回路、(1または複数の)湿度センサと回路、(1または複数の)空気質センサと回路、(1または複数の)光センサと回路、(1または複数の)運動センサと回路1744、(1または複数の)音声センサと回路1745、(1または複数の)磁気センサと回路1746、および(1または複数の)センサと回路nなどを含む様々なタイプの検知回路および(1または複数の)センサを含む。
【0065】
本明細書で開示される無線位置特定技術は、他の感知された情報と組み合わされて、ネットワーク全体の位置特定精度を改善し得る。例えば、1つ以上のノードにカメラが含まれる無線センサでは、キャプチャされた画像を画像処理および機械学習の手法で使用して、監視されているセンサノードが同じシーンを見ているかどうか、したがって同じ部屋にある可能性があるかどうかを判定できる。周期的な照明と光検出器を使用することで、同様の利点を実現できる。照明をストロボし、光検出器を使用して検出することにより、光路の存在を検出でき、ストロボと検出器の間に不透明な壁がないことを示す可能性がある。他の実施形態では、磁気センサをセンサノードに統合し、監視されているセンサノードの向きを検出するためのコンパスとして使用することができる。次に、この情報を位置特定情報と共に使用して、センサが壁、床、天井、またはその他の位置にあるかどうかを判定できる。
【0066】
一例では、各センサノードは画像センサを含むことができ、家の各周囲壁は1つ以上のセンサノードを含む。ハブは、位置特定情報と共に画像データおよび任意で方向データを含むセンサデータを分析して、各センサノードの絶対位置を特定する。次に、ハブは、ユーザーの建物の各部屋の3次元画像を構築できる。壁、窓、ドアなどの位置を有するフロアプランを生成できる。イメージセンサは、家の保全性の問題(例えば、水、屋根の漏れなど)を示し得る反射の変化を示す画像をキャプチャする場合がある。
【0067】
図10は、一実施形態に係るハブを有するシステム1800のブロック図を示す。システム1800は、無線非対称ネットワークアーキテクチャのハブ1882または中央ハブを含むか、またはそれと統合される。システム1800(例えば、コンピューティングデバイス、スマートTV、スマート機器、通信システムなど)は、あらゆるタイプの無線デバイス(例えば、携帯電話、無線電話、タブレット、コンピューティングデバイス、スマートTV、スマート機器など)と無線通信の送受信用に通信することができる。システム1800は、コントローラ1820および処理ユニット1814を含む処理システム1810を含む。処理システム1810は、ハブ1882、入力/出力(I/O)ユニット1830、無線周波数(RF)回路1870、オーディオ回路1860、1つ以上の画像またはビデオをキャプチャするための光学デバイス1880、システム1800用の運動データ(例えば、三次元の)を特定するためのオプションの運動ユニット1844(例えば、加速度計、ジャイロスコープなど)、電力管理システム1840、および機械アクセス可能な非一時的媒体1850と、1つ以上の双方向通信リンクまたは信号線1898、1818、1815、1816、1817、1813、1819、1811を介してそれぞれ通信する。
【0068】
ハブ1882は、接続1885(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1884に電力(例えば、DC電源)を提供し、RF回路1890に接続1887(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介して電力を提供する電源1891を含む。コントローラ回路1884は、メモリ1886を含むか、または本明細書で説明されるような無線非対称ネットワークを形成および監視するためのハブの動作を制御するためのコントローラ回路1884の処理ロジック1888(例えば、1つ以上の処理ユニット)によって実行される命令を格納するメモリに結合される。RF回路1890は、無線センサノードまたは他のハブとの(1または複数の)アンテナ1896を介した双方向通信を送受信するためのトランシーバまたは別個の送信機(TX)1892および受信機(RX)1894機能を含み得る。RF回路1890は、接続1889(例えば、通信リンク、信号線、電気接続など)を介してコントローラ回路1884と双方向に通信する。ハブ1882は、無線制御デバイス1884またはコントローラ回路1884、RF回路1890、および(1または複数の)アンテナ1896とすることができ、組み合わせて、本明細書で説明するような無線制御デバイスを形成することができる。
【0069】
システムのRF回路1870および(1または複数の)アンテナ1871またはハブ1882のRF回路1890および(1または複数の)アンテナ1896は、無線リンクまたはネットワークを介して本明細書で説明するハブまたはセンサノードの1つ以上の他の無線デバイスに情報を送受信するために使用される。オーディオ回路1860は、オーディオスピーカー1862およびマイクロフォン1064に結合され、音声信号を処理するための既知の回路を含む。1つ以上の処理ユニット1814は、コントローラ1820を介して1つ以上の機械アクセス可能な非一時的媒体1850(例えば、コンピュータ可読媒体)と通信する。媒体1850は、1つ以上の処理ユニット1814によって使用されるコードおよび/またはデータを格納できる任意のデバイスまたは媒体(例えば、記憶装置、記憶媒体)とすることができる。媒体1850には、キャッシュ、メインメモリ、および2次メモリを含むがこれらに限定されないメモリ階層を含めることができる。
【0070】
媒体1850またはメモリ1886は、本明細書で説明される方法論または機能のいずれか1つ以上を実施する1つ以上の命令セット(またはソフトウェア)を格納する。ソフトウェアは、オペレーティングシステム1852と、無線非対称ネットワークアーキテクチャを確立、監視、および制御するためのネットワークサービスソフトウェア1856と、通信モジュール1854と、アプリケーション1858(例えば、家または建物のセキュリティアプリケーション、家または建物の完全性アプリケーション、開発者アプリケーション等)とを含み得る。ソフトウェアはまた、デバイス1800によるその実行中に、媒体1850、メモリ1886、処理ロジック1888内、または処理ユニット1814内に、完全にまたは少なくとも部分的に存在してもよい。図18に示すコンポーネントは、1つ以上の信号処理および/または特定用途向け集積回路を含む、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの任意の組み合わせ内に実装されてもよい。
【0071】
通信モジュール1854は、他のデバイスとの通信を可能にする。I/Oユニット1830は、異なるタイプの入出力(I/O)デバイス1834(例えば、ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、陰極線管(CRT)、ユーザー入力を受信して出力を表示するためのタッチディスプレイデバイスまたはタッチスクリーン、オプションの英数字入力デバイス)と通信する。
【0072】
以下の例はいずれも単一の実施形態に組み合わせることができるか、またはこれらの例は別個の実施形態とすることができる。一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定用の非同期システムは、各々が無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを有する第1および第2の無線ノードと、未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1および第2の無線ノードとの通信を可能にする送信機および受信機を備えた無線デバイスとを有する無線ノードとを含む。第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第2の無線ノードおよび未知の位置を有する無線ノードに通信を送信し、無線ノードからの確認応答パケットとの通信を受信し、第1および第2の無線ノード間の到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0073】
別の一例では、システムは、無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを有する第3の無線ノードをさらに含む。第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2の無線ノード間および第1および第3の無線ノード間の到達時間差情報を使用して、未知の位置を有する無線ノードの位置を特定するためのマルチラテレーションアルゴリズム用の命令を実行するように構成される。
【0074】
別の一例では、第1の無線ノードは第1の基準クロック信号を有し、第2の無線ノードは第2の基準クロック信号を有する。
【0075】
別の一例では、未知の位置を有する無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1のノードからの転送パケットとの通信の受信に応答して、第1、第2、および第3の無線ノードに確認応答パケットを含む通信を送信する命令を実行するように構成される。
【0076】
別の一例では、第2および第3の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1の無線ノードからの転送パケットおよび第4の無線ノードからの確認応答パケットを含む通信を受信し、受信した転送パケットおよび確認応答パケットの各々に対するタイムスタンプおよびチャネル検知情報を記録する命令を実行するように構成される。
【0077】
別の一例では、第1の無線ノードからの転送パケットの送信時間が、第1、第2、および第3の無線ノードの時間基準として使用される。
【0078】
別の一例では、第1および第2の無線ノード間の到達時間差情報は、第1の無線ノードが第4の無線ノードから確認応答パケットを受信する第1の時刻、第2の無線ノードが第4の無線ノードから確認応答パケットを受信する第2の時刻、および時間基準に基づいて特定される。
【0079】
別の一例では、第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1の時刻と時間基準との差を特定し、また第2の時刻と時間基準との差を特定する命令を実行するように構成される。
【0080】
別の一例では、第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第1および第2の無線ノード間の往復通信時間および第1および第3の無線ノード間の通信の時間推定値に基づく位置特定のための飛行時間推定値の特定に基づいて、到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0081】
一例では、装置は、命令を保存するためのメモリと、無線ネットワークアーキテクチャ内で複数のセンサノードを制御し、複数のセンサノードの位置を特定するための命令を実行する1つ以上の処理ユニットと、送信機と受信機を備えた無線デバイスをそれぞれ有する複数のセンサノードと通信を送受信する無線周波数(RF)回路であって、無線ネットワークアーキテクチャ内の装置のRF回路との双方向通信を可能にするRF回路とを含む。装置の1つ以上の処理ユニットは、第1、第2、および第3の無線ノードに通信を送信し、未知の位置を有する第3のノードから確認応答パケットとの通信を受信し、装置と第1の無線ノードとの間および装置と第2の無線ノードとの間の到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0082】
別の一例では、装置の1つ以上の処理ユニットは、到達時間差情報を使用して第3の無線ノードの位置を特定するためにマルチラテレーションアルゴリズムのための命令を実行するように構成される。
【0083】
別の一例では、装置は第1の基準クロック信号を有し、第1の無線ノードは第2の基準クロック信号を有する。
【0084】
別の一例では、送信された通信は、第1、第2、および第3の無線ノードに送信される転送パケットの送信時間を含み、送信時間は装置、第1の無線ノード、および第2の無線ノードのための間基準として使用される。
【0085】
別の一例では、装置と第1の無線ノードとの間の到達時間差情報は、装置が第3の無線ノードから確認応答パケットを受信する第1の時刻と、第1の無線ノードが第3の無線ノードから確認応答パケットを受信する第2の時刻と、時間基準とに基づいて特定される。
【0086】
別の一例では、装置の1つ以上の処理ユニットは、第1の時刻と時間基準との差を特定し、また第2の時刻と時間基準との差を特定するための命令を実行するように構成される。
【0087】
一例では、無線ネットワークアーキテクチャ内のノードの位置特定システムは、各々が無線ネットワークアーキテクチャ内で通信を送受信するための1つ以上の処理ユニットおよびRF回路を備えた無線デバイスを有する第1、第2、および第3の無線ノードと、未知の位置と、無線ネットワークアーキテクチャ内の第1、第2、および第3の無線ノードとの通信を可能にする送信機および受信機とを備えた無線デバイスとを有する第4の無線ノードとを含む。第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第4のノードからの転送パケットとの通信を受信し、転送パケットに応答して第2、第3、および第4の無線ノードに通信を送信し、第1と第2の無線ノード間と、第1と第3の無線ノード間の到達時間差情報を特定するための命令を実行するように構成される。
【0088】
別の一例では、第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、マルチラテレーションアルゴリズム用の命令を実行して、到達時間差情報を使用して第4の無線ノードの位置を特定するように構成される。
【0089】
別の一例では、第1の無線ノードは第1の基準クロック信号を有し、第2の無線ノードは第2の基準クロック信号を有する。
【0090】
別の一例では、第4の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、転送パケットを含む通信を第1、第2、および第3の無線ノードに送信する命令を実行するように構成される。
【0091】
別の一例では、第2および第3の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第4の無線ノードからの転送パケットおよび第1の無線ノードからの確認応答パケットを含む通信を受信し、受信した転送パケットおよび確認応答パケットの各々に対するタイムスタンプおよびチャネル検知情報を記録する命令を実行するように構成される。
【0092】
別の一例では、第1および第2の無線ノード間の到達時間差情報は、第1の無線ノードが第4の無線ノードから転送パケットを受信する第1の時刻、第2の無線ノードが第4の無線ノードから転送パケットを受信する第2の時刻、および第1および第2の基準クロック信号間の時間オフセットに基づいて特定される。
【0093】
別の一例では、第1の無線ノードの1つ以上の処理ユニットは、第2の無線ノードが第1の無線ノードからの確認応答パケットを受信する第3の時刻、第1の無線ノードが第2の無線ノードに確認応答パケットを送信する第4の時刻、および第1および第2の無線ノード間の通信の飛行時間推定値に基づいて第1および第2の基準クロック信号間の時間オフセットを特定するための命令を実行するように構成される。
【0094】
前述の明細書では、本発明をその特定の例示的な実施形態を参照して説明した。しかしながら、本発明のより広い主旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および変更がそれになされ得ることは明らかであろう。したがって、明細書および図面は、制限的な意味ではなく、例示的な意味で見なされるべきである。
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10