(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】ヘテロアリールアゾール化合物および有害生物防除剤
(51)【国際特許分類】
C07D 401/04 20060101AFI20230719BHJP
C07D 401/14 20060101ALI20230719BHJP
A01N 43/50 20060101ALI20230719BHJP
A01N 43/54 20060101ALI20230719BHJP
A01N 43/653 20060101ALI20230719BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20230719BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20230719BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20230719BHJP
A61K 31/506 20060101ALI20230719BHJP
A61P 33/00 20060101ALI20230719BHJP
A61P 33/14 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
C07D401/04 CSP
C07D401/14
A01N43/50 L
A01N43/54 B
A01N43/653 G
A01N43/653 L
A01P7/04
A61K31/4439
A61K31/444
A61K31/506
A61P33/00
A61P33/14
(21)【出願番号】P 2020541207
(86)(22)【出願日】2019-09-02
(86)【国際出願番号】 JP2019034410
(87)【国際公開番号】W WO2020050212
(87)【国際公開日】2020-03-12
【審査請求日】2022-02-18
(31)【優先権主張番号】P 2018164656
(32)【優先日】2018-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018223136
(32)【優先日】2018-11-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018240045
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2019061850
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004307
【氏名又は名称】日本曹達株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】阪西 慶太
(72)【発明者】
【氏名】青山 光
(72)【発明者】
【氏名】牛島 大佑
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 孝男
(72)【発明者】
【氏名】崎山 訓史
(72)【発明者】
【氏名】松井 麻記
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第97/046530(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/012395(WO,A1)
【文献】国際公開第02/090335(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A01N
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)で表される化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【化1】
式(II)中、
R
1は、
C1~6アルキルチオ基、
C1~6アルキルスルフィニル基または
C1~6アルキルスルホニル基である。
B
1は、
窒素原子または
CR
2である。
R
2は、
水素原子、
C1~6アルキル基、
C2~6アルケニル基、
C2~6アルキニル基、
アミノ基、
シアノ基または
ハロゲノ基である。
R
3は、
水素原子、
C1~6アルキル基または
ハロゲノ基である。
Rは、
ハロゲノ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されたC1~6アルキル基、
ハロゲノ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されたC2~6アルケニル基、
ハロゲノ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されたC2~6アルキニル基、
ハロゲノ基、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシ基若しくはC1~6ハロアルキルチオ基で置換
されたC6~10アリール基または
ハロゲノ基、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシ基若しくはC1~6ハロアルキルチオ基で置換
された5~6員ヘテロアリール基である。
Aは、
炭素原子または
窒素原子である。
Xは、
C2~6アルケニル基、
C2~6アルキニル基、
水酸基、
C1~6アルコキシ基、
C1~6アルキルチオ基、
C1~6アルキルスルフィニル基、
C1~6アルキルスルホニル基、
C3~8シクロアルキル基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリールオキシ基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリールオキシ基、
-NR
a
R
b
(式中、R
a
およびR
b
は、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基、C1~6アルキルカルボニル基、アミノカルボニル基若しくはC(=NH)NR
f
R
g
(式中、R
f
およびR
g
は、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基若しくはC1~6アルキルカルボニル基である))であるアミノ基、
ヒドラジニル基、
ニトロ基または
シアノ基
である。
nは、化学的に許容されるXの個数を示し、かつ0~2のいずれかの整数である。
nが2のときXは互いに同じでも異なってもよい。
【請求項2】
式(II)中、Rが、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシC1~6ハロアルキル基、C2~6ハロアルケニル基またはC1~6ハロアルコキシC2~6ハロアルケニル基である、請求項1に記載の化合物そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【請求項3】
式(II)が式(IV)である、請求項1に記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【化2】
式(IV)中、
R
1’は、
C1~6アルキルスルホニル基である。
B
1’は、
窒素原子または
CR
2’である。
R
2’は、
水素原子、
C1~6アルキル基、
C2~6アルケニル基、
C2~6アルキニル基、
アミノ基、
シアノ基または
ハロゲノ基である。
R
3’は、
水素原子、
C1~6アルキル基または
ハロゲノ基である。
R
’は、
ハロゲノ基、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシ基若しくはC1~6ハロアルキルチオ基で置換
されたC6~10アリール基または
ハロゲノ基、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシ基若しくはC1~6ハロアルキルチオ基で置換
された5~6員ヘテロアリール基である。
B
2’は、窒素原子またはCX
1’である。
X
1’は、
水素原子、
C2~6アルケニル基、
C2~6アルキニル基、
水酸基、
C1~6アルコキシ基、
C1~6アルキルチオ基、
C1~6アルキルスルフィニル基、
C1~6アルキルスルホニル基、
C3~8シクロアルキル基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリールオキシ基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリールオキシ基、
-NR
a
R
b
(式中、R
a
およびR
b
は、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基、C1~6アルキルカルボニル基若しくはアミノカルボニル基である)であるアミノ基、
ヒドラジニル基、
ニトロ基または
シアノ基である。
X
2’は、
水素原子、
C2~6アルケニル基、
C2~6アルキニル基、
水酸基、
C1~6アルコキシ基、
C1~6アルキルチオ基、
C1~6アルキルスルフィニル基、
C1~6アルキルスルホニル基、
C3~8シクロアルキル基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリール基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよいC6~10アリールオキシ基、
ハロゲノ基、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基若しくはC1~6ハロアルコキシ基で置換
されていてもよい5~6員ヘテロアリールオキシ基、
-NR
a
R
b
(式中、R
a
およびR
b
は、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基、C1~6アルキルカルボニル基若しくはアミノカルボニル基である)であるアミノ基、
ヒドラジニル基、
ニトロ基、または
シアノ基
である。
但し、X
1’とX
2’が同時に水素原子になることはない。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫若しくは殺ダニ剤。
【請求項6】
請求項1~3のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。
【請求項7】
請求項1~3のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する内部寄生虫防除剤または駆除剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヘテロアリールアゾール化合物および有害生物防除剤に関する。より詳細に、本発明は、優れた殺虫活性および/または殺ダニ活性を有し、安全性に優れ、且つ工業的に有利に合成できるヘテロアリールアゾール化合物、ならびにこれを有効成分として含有する有害生物防除剤に関する。本願は、2018年9月3日に出願された日本国特許出願第2018-164656号、2018年11月29日に出願された日本国特許出願第2018-223136号、2018年12月21日に出願された日本国特許出願第2018-240045号、2019年3月27日に出願された日本国特許出願第2019-061850号に対し優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
殺虫・殺ダニ活性を有する化合物が種々提案されている。そのような化合物を農薬として実用するためには、効力が十分に高いだけでなく、薬剤抵抗性が生じ難いこと、植物に対する薬害や土壌汚染を生じさせないこと、家畜や魚類などに対する毒性が低いことなどが要求される。
【0003】
ところで、特許文献1には、式(A)、式(B)で表される化合物などが開示されている。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、有害生物防除活性、その中でも特に殺虫活性および/または殺ダニ活性に優れ、安全性に優れ、かつ工業的に有利に合成できるヘテロアリールアゾール化合物を提供することである。本発明の別の課題は、上記ヘテロアリールアゾール化合物を有効成分として含有する有害生物防除剤、殺虫もしくは殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤、または内部寄生虫防除もしくは駆除剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の形態を包含する本発明を完成するに至った。
【0007】
〔1〕 式(II)で表される化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【化2】
式(II)中、
R
1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基または置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基である。
B
1は、窒素原子またはCR
2である。
R
2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、シアノ基またはハロゲノ基である。
R
3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基またはハロゲノ基である。
Rは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基である。
Aは、炭素原子または窒素原子である。
Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲノ基である。
nは、化学的に許容されるXの個数を示し、かつ0~2のいずれかの整数である。
nが2のときXは互いに同じでも異なってもよい。
【0008】
〔2〕 式(II)中、Rが、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシC1~6ハロアルキル基、C2~6ハロアルケニル基またはC1~6ハロアルコキシC2~6ハロアルケニル基である、〔1〕に記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【0009】
〔3〕 式(II)が式(IV)である、〔1〕に記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物またはそれらの塩。
【化3】
式(IV)中、
R
1’は、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基である。
B
1’は、窒素原子またはCR
2’である。
R
2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、シアノ基またはハロゲノ基である。
R
3’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基またはハロゲノ基である。
R
’は、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基である。
B
2’は、窒素原子またはCX
1’である。
X
1’は、水素原子、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基またはシアノ基である。
X
2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲノ基である。
但し、X
1’とX
2’が同時に水素原子になることはない。
【0010】
〔4〕 前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する有害生物防除剤。
【0011】
〔5〕 前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する殺虫若しくは殺ダニ剤。
【0012】
〔6〕 前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する外部寄生虫防除剤。
【0013】
〔7〕 前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の化合物、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、互変異性体、水和物およびそれらの塩からなる群から選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する内部寄生虫防除剤または駆除剤。
【発明の効果】
【0014】
本発明のヘテロアリールアゾール化合物またはそれらの塩は、農作物や衛生面で問題となる有害生物を防除することができる。特に農業害虫およびダニ類をより低濃度で効果的に防除することができる。さらに、人畜を害する外部寄生虫および内部寄生虫を効果的に防除することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
〔ヘテロアリールアゾール化合物〕
本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と表記することがある。)、そのN-オキサイド化合物、立体異性体、その互変異性体、その水和物またはそれらの塩である。式(II)で表される化合物は、鏡像異性体またはジアステレオマーであるすべての立体異性体を包含する。
【化4】
【0016】
本発明において、「無置換(unsubstituted)」の用語は、母核となる基のみであることを意味する。「置換」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換」の意味である。
一方、「置換(substituted)」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と同一または異なる構造の基(置換基)で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に結合した他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。
「C1~6」などの用語は、母核となる基の炭素原子数が1~6個などであることを表している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0017】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。以下に「置換基」となり得る基を例示する。
メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基;
ビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基(アリル基)、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基などのC2~6アルケニル基;
エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基などのC2~6アルキニル基;
【0018】
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などのC3~8シクロアルキル基;
フェニル基、ナフチル基などのC6~10アリール基;
ベンジル基、フェネチル基などのC6~10アリールC1~6アルキル基;
3~6員ヘテロシクリル基;
3~6員へテロシクリルC1~6アルキル基;
【0019】
水酸基;
メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基;
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基などのC2~6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基などのC2~6アルキニルオキシ基;
フェノキシ基、ナフトキシ基などのC6~10アリールオキシ基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC6~10アリールC1~6アルコキシ基;
チアゾリルオキシ基、ピリジルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールオキシ基;
チアゾリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基などの5~6員ヘテロアリールC1~6アルキルオキシ基;
【0020】
ホルミル基;
アセチル基、プロピオニル基などのC1~6アルキルカルボニル基;
ホルミルオキシ基;
アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基などのC1~6アルキルカルボニルオキシ基;
ベンゾイル基などのC6~10アリールカルボニル基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などのC1~6アルコキシカルボニル基;
メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n-プロポキシカルボニルオキシ基、i-プロポキシカルボニルオキシ基、n-ブトキシカルボニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキシ基などのC1~6アルコキシカルボニルオキシ基;
カルボキシ基;
【0021】
フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基;
フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; 2-クロロ-1-プロペニル基、2-フルオロ-1-ブテニル基などのC2~6ハロアルケニル基;
4,4-ジクロロ-1-ブチニル基、4-フルオロ-1-ペンチニル基、5-ブロモ-2-ペンチニル基などのC2~6ハロアルキニル基;
トリフルオロメトキシ基、2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基;
2-クロロプロペニルオキシ基、3-ブロモブテニルオキシ基などのC2~6ハロアルケニルオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基などのC1~6ハロアルキルカルボニル基;
【0022】
アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基などのC1~6アルキル置換アミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基などのC6~10アリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェネチルアミノ基などのC6~10アリールC1~6アルキルアミノ基;
ホルミルアミノ基;
アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、i-プロピルカルボニルアミノ基などのC1~6アルキルカルボニルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n-プロポキシカルボニルアミノ基、i-プロポキシカルボニルアミノ基などのC1~6アルコキシカルボニルアミノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N-フェニル-N-メチルアミノカルボニル基などの無置換もしくは置換基を有するアミノカルボニル基;
イミノメチル基、(1-イミノ)エチル基、(1-イミノ)-n-プロピル基などのイミノC1~6アルキル基;
N-ヒドロキシ-イミノメチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)エチル基、(1-(N-ヒドロキシ)-イミノ)プロピル基、N-メトキシ-イミノメチル基、(1-(N-メトキシ)-イミノ)エチル基などの置換もしくは無置換のN-ヒドロキシイミノC1~6アルキル基;
メトキシイミノ基、エトキシイミノ基、n-プロポキシイミノ基、i-プロポキシイミノ基、n-ブトキシイミノ基などのC1~6アルコキシイミノ基;
アミノカルボニルオキシ基;
エチルアミノカルボニルオキシ基、ジメチルアミノカルボニルオキシ基などのC1~6アルキル置換アミノカルボニルオキシ基;
【0023】
メルカプト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、i-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、i-ブチルチオ基、s-ブチルチオ基、t-ブチルチオ基などのC1~6アルキルチオ基;
トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などのC1~6ハロアルキルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基などのC6~10アリールチオ基;
チアゾリルチオ基、ピリジルチオ基などの5~6員ヘテロアリールチオ基;
【0024】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などのC1~6アルキルスルフィニル基;
トリフルオロメチルスルフィニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルフィニル基などのC1~6ハロアルキルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基などのC6~10アリールスルフィニル基;
チアゾリルスルフィニル基、ピリジルスルフィニル基などの5~6員ヘテロアリールスルフィニル基;
【0025】
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などのC1~6アルキルスルホニル基;
トリフルオロメチルスルホニル基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニル基などのC1~6ハロアルキルスルホニル基;
フェニルスルホニル基などのC6~10アリールスルホニル基;
チアゾリルスルホニル基、ピリジルスルホニル基などの5~6員ヘテロアリールスルホニル基;
メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、t-ブチルスルホニルオキシ基などのC1~6アルキルスルホニルオキシ基;
トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2,2,2-トリフルオロエチルスルホニルオキシ基などのC1~6ハロアルキルスルホニルオキシ基;
【0026】
トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t-ブチルジメチルシリル基などのトリC1~6アルキル置換シリル基;
トリフェニルシリル基などのトリC6~10アリール置換シリル基;
シアノ基;
ニトロ基
【0027】
また、これらの「置換基」は、当該置換基中のいずれかの水素原子が、異なる構造の基で置換されていてもよい。その場合の「置換基」としては、C1~6アルキル基、C1~6ハロアルキル基、C1~6アルコキシ基、C1~6ハロアルコキシ基、ハロゲノ基、シアノ基、ニトロ基などを挙げることができる。
【0028】
また、上記の「3~6員ヘテロシクリル基」とは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子からなる群から選ばれる1~4個のヘテロ原子を環の構成原子として含むものである。ヘテロシクリル基は、単環および多環のいずれであってもよい。多環ヘテロシクリル基は、少なくとも一つの環がヘテロ環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「3~6員ヘテロシクリル基」としては、3~6員飽和ヘテロシクリル基、5~6員ヘテロアリール基、5~6員部分不飽和ヘテロシクリル基などを挙げることができる。
【0029】
3~6員飽和ヘテロシクリル基としては、アジリジニル基、エポキシ基、ピロリジニル基、テトラヒドロフラニル基、チアゾリジニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、モルホリニル基、ジオキソラニル基、ジオキサニル基などを挙げることができる。
【0030】
5員ヘテロアリール基としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などを挙げることができる。
6員ヘテロアリール基としては、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などを挙げることができる。
【0031】
〔B1〕
式(II)中、B1は、窒素原子またはCR2である。
すなわち、式(II)で表される化合物は、式(I)または式(III)で表される化合物である。
【0032】
【化5】
式(I)中、R
1、R
2、R
3、R、A、X、およびnは、式(II)中のそれらと同様の意味を示す。式(III)中、R
1、R
3、R、A、X、およびnは、式(II)中のそれと同様の意味を示す。
【0033】
〔A〕
式(II)中、Aは炭素原子または窒素原子である。
すなわち、式(II)で表される化合物は、以下の式(II-1)または式(II-2)で表される化合物である。
【0034】
【化6】
式(II-1)および式(II-2)中、R
1、R
3、R、B
1、X、およびnは、式(II)中のそれらと同様の意味を示す。
式(II)で表される化合物は、式(II-1)で表される化合物であることが好ましい。
【0035】
すなわち、式(II)で表される化合物は、以下の式(I-1)、式(I-2)、式(III-1)または式(III-2)で表される化合物である。
【0036】
【0037】
式(I-1)および式(I-2)中、R1、R2、R3、R、Xおよびnは、式(II)中のそれらと同じ意味を示す。式(III-1)および式(III-2)中、R1、R3、R、Xおよびnは、式(II)中のそれらと同じ意味を示す。
【0038】
式(II)で表される化合物は、式(I-1)、式(III-1)または式(III-2)で表される化合物であることが好ましく、式(I-1)または式(III-1)で表される化合物であることがより好ましい。
【0039】
〔R1〕
式(II)中、R1は、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基または置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基である。
【0040】
R1における「C1~6アルキルチオ基」は、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、i-プロピルチオ基、i-ブチルチオ基などを挙げることができる。
【0041】
R1における「C1~6アルキルスルフィニル基」としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などを挙げることができる。
【0042】
R1における「C1~6アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などを挙げることができる。
【0043】
R1における「C1~6アルキルチオ基」、「C1~6アルキルスルフィニル基」および「C1~6アルキルスルホニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基を挙げることができる。
【0044】
R1は、C1~6アルキルスルホニル基であることが好ましい。
【0045】
〔R2〕
式(II)中、R2は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、シアノ基またはハロゲノ基である。
【0046】
R2における「C1~6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。「C1~6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、i-ヘキシル基などを挙げることができる。
【0047】
R2における「C2~6アルケニル基」としては、ビニル基、1-メチルビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基などを挙げることができる。
【0048】
R2における「C2~6アルキニル基」としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-メチル-3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、2-メチル-3-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、1,1-ジメチル-2-ブチニル基などを挙げることができる
【0049】
R2における「C1~6アルキル基」、「C2~6アルケニル基」および「C2~6アルキニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基を挙げることができる。
【0050】
R2における「置換若しくは無置換のアミノ基」は、「-NRaRb」で表される基である。式中、RaおよびRbとしては、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基、C1~6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、「-C(=NH)NRf Rg」で表される基などを挙げることができる。
【0051】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキル基」としては、前記R2において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0052】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
【0053】
RaおよびRbにおける「置換若しくは無置換のアミノカルボニル基」としては、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0054】
RaおよびRbにおける「-C(=NH)NRf Rg」で表される基中のRfおよびRgは、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基またはC1~6アルキルカルボニル基である。
RfおよびRgにおける「C1~6アルキル基」としては、前記R2において例示したそれらと同じものが挙げられる。
RfおよびRgにおける「C1~6アルキルカルボニル基」としては、前記RaおよびRbにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0055】
R2における「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などを挙げることができる。
【0056】
R2は、水素原子、C1~6アルキル基、またはハロゲノ基であることが好ましい。
【0057】
〔R3〕
式(II)中、R3は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、またはハロゲノ基である。
【0058】
R3における「置換若しくは無置換のC1~6アルキル基」および「ハロゲノ基」としては、前記R2において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0059】
R3は、水素原子であることが好ましい。
【0060】
〔R〕
式(II)中、Rは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基である。
【0061】
Rにおける「C1~6アルキル基」、「C2~6アルケニル基」および「C2~6アルキニル基」としては、前記R2において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0062】
Rにおける「置換C1~6アルキル基」としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,4,4,4-ヘキサフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,5,5-オクタフルオロペンチル基、2,2,3,3,4,4,5,5,5-ノナフルオロペンチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; 1,1,2-トリフルオロ-2-(トリフルオロメトキシ)エチル基、1,1,2-トリフルオロ-2-(パーフルオロプロポキシ)エチル基などのC1~6ハロアルコキシC1~6ハロアルキル基; ベンジル基; を挙げることができる。
【0063】
Rにおける「置換C2~6アルケニル基」としては、2-フルオロ-2-ブロモビニル基、2,2-ジクロロビニル基、2-クロロ-2-ヨードビニル基、2-クロロ-1-プロペニル基、2,3,3,3-テトラフルオロ-1-プロペニル基、3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル基、2-クロロ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペニル基、3,3,3-トリフルオロ-2-トリフルオロメチル-1-プロペニル基、2-フルオロ-1-ブテニル基、3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテニル基、2,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテニル基、2,3,3,4,4,4-ヘキサフルオロ-1-ブテニル基、2-クロロ-3,3,4,4,4-ペンタフルオロ-1-ブテニル基、2,3,3,4,4,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテニル基、3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテニル基、2-クロロ-3,3,4,4,5,5,5-ヘプタフルオロ-1-ペンテニル基、2,3,3,4,4,5,5,5-オクタフルオロ-1-ペンテニル基、3,3,4,4,5,5,6,6,6-ノナフルオロ-1-ヘキセニル基などのC2~6ハロアルケニル基; 1,2-ジフルオロ-2-(パーフルオロプロポキシ)ビニル基などのC1~6ハロアルコキシC2~6ハロアルケニル基; を挙げることができる。
【0064】
Rにおける「C1~6アルキル基」および、「C2~6アルケニル基」および「C2~6アルキニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などハロゲノ基; トリフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、2-クロロ-n-プロポキシ基、パーフルオロプロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基;を挙げることができる。
【0065】
Rにおける「C6~10アリール基」は、単環および多環のいずれであってもよい。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「C6~10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基などが挙げられる。
【0066】
Rにおける「5~6員ヘテロアリール基」としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基(詳しくは、[1,2,3]トリアゾリル基、または[1,2,4]トリアゾリル基)、オキサジアゾリル基(詳しくは、[1,2,3]オキサジアゾリル基、[1,2,4]オキサジアゾリル基、[1,2,5]オキサジアゾリル基、または[1,3,4]オキサジアゾリル基)、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員ヘテロアリール基; ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員ヘテロアリール基を挙げることができる。
【0067】
Rにおける「C6~10アリール基」および「5~6員ヘテロアリール基」上の置換基として、好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などのC1~6ハロアルキルチオ基; を挙げることができる。
【0068】
式(II)中のRは、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシC1~6ハロアルキル基、C2~6ハロアルケニル基またはC1~6ハロアルコキシC2~6ハロアルケニル基であることが好ましい。
【0069】
〔X〕
式(II)中、Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲノ基である。
【0070】
Xにおける「置換若しくは無置換のC1~6アルキル基」、「置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基」、「置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」および「ハロゲノ基」としては、前記R2において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0071】
Xにおける「置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基」、「置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基」および「置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基」としては、前記R1において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0072】
「置換若しくは無置換のC6~10アリール基」および「置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基」としては、前記Rにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0073】
Xにおける「C1~6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などを挙げることができる。
【0074】
Xにおける「C1~6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
【0075】
Xにおける「C1~6アルキル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; メトキシイミノ基、エトキシイミノ基、n-プロポキシイミノ基、i-プロポキシイミノ基、n-ブトキシイミノ基などのC1~6アルコキシイミノ基;を挙げることができる。
【0076】
Xにおける「C2~6アルケニル基」、「C2~6アルキニル基」、「C1~6アルコキシ基」、「C1~6アルキルチオ基」、「C1~6アルキルスルフィニル基」および「C1~6アルキルスルホニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基;を挙げることができる。
【0077】
Xにおける「C3~8シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などを挙げることができる。
【0078】
Xにおける「C6~10アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などを挙げることができる。
【0079】
Xにおける「5~6員ヘテロアリールオキシ基」としては、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ基などを挙げることができる。
【0080】
Xにおける「C3~8シクロアルキル基」、「C6~10アリール基」、「5~6員ヘテロアリール基」、「C6~10アリールオキシ基」、「5~6員ヘテロアリールオキシ基」上の置換基として、好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基を挙げることができ、より好ましくは、ハロゲノ基またはC1~6アルキル基である。
【0081】
Xにおける「置換若しくは無置換のアミノカルボニル基」としては、前記RaおよびRbにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0082】
Xにおける「置換若しくは無置換のヒドラジニル基」としては、式(a)で表される基である。
【化8】
式(a)中、*は結合位置であり、R
c、R
dおよびR
eは、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、または置換若しくは無置換のフェニルスルホニル基などである。
【0083】
Rc、RdおよびReにおける「C1~6アルキル基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0084】
Rc、RdおよびReにおける「置換フェニルスルホニル基」としては、パラトルエンスルホニル基などを挙げることができる。
【0085】
Xは、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基であることが好ましく、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基であることがより好ましい。
【0086】
〔n〕
式(II)中、nは、化学的に許容されるXの個数を示し、かつ0~2のいずれかの整数である。nが2のときXは互いに同じでも異なってもよい。
【0087】
nは、0~1であることが好ましい。
【0088】
〔塩〕
化合物(II)の塩は、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。化合物(II)の塩としては、例えば、塩酸、硫酸などの無機酸の塩; 酢酸、乳酸などの有機酸の塩; リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の塩; カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属の塩;鉄、銅などの遷移金属の塩; トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジンなどの有機塩基の塩;アンモニアなどを挙げることができる。
【0089】
〔製法〕
化合物(II)または化合物(II)の塩の製造方法は特に限定されない。例えば、本発明の化合物(II)または化合物(II)の塩は、実施例等に記載した公知の製造方法によって得ることができる。また、化合物(II)の塩は、化合物(II)から公知の手法によって得ることができる。
【0090】
〔式(IV)で表される化合物〕
式(II)で表される化合物は、式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
【化9】
式(IV)中、
R
1’は、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基である。
B
1’は、窒素原子またはCR
2’である。
R
2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、シアノ基またはハロゲノ基である。
R
3’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基またはハロゲノ基である。
R
’は、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基である。
B
2’は、窒素原子またはCX
1’である。
X
1’は、水素原子、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基またはシアノ基である。
X
2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲノ基である。
但し、X
1’とX
2’が同時に水素原子になることはない。
【0091】
〔B1’〕
式(IV)中、B1’は、窒素原子またはCR2’である。
すなわち、式(IV)で表される化合物は、式(IV-1)または式(IV-2)で表される化合物である。
【0092】
【化10】
式(IV-1)中、R
1’、R
2’、R
3’、R
’、B
2’、X
1’およびX
2’は、式(IV)中のそれらと同様の意味を示す。式(IV-2)中、R
1’、R
3’、R
’、B
2’、X
1’およびX
2’は、式(IV)中のそれと同様の意味を示す。
【0093】
〔R1’〕
式(IV)中、R1’は、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基である。
【0094】
R1’における「C1~6アルキルスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t-ブチルスルホニル基などを挙げることができる。
【0095】
R1’における「C1~6アルキルスルホニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基を挙げることができる。
【0096】
R1’は、C1~6アルキルスルホニル基であることが好ましい。
【0097】
〔R2’〕
式(IV)中、R2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、置換若しくは無置換のアミノ基、シアノ基またはハロゲノ基である。
【0098】
R2’における「C1~6アルキル基」は、直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。「C1~6アルキル基」としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、i-プロピル基、i-ブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、i-ペンチル基、ネオペンチル基、2-メチルブチル基、i-ヘキシル基などを挙げることができる。
【0099】
R2’における「C2~6アルケニル基」としては、ビニル基、1-メチルビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-メチル-2-プロペニル基、2-メチル-2-プロペニル基、1-ペンテニル基、2-ペンテニル基、3-ペンテニル基、4-ペンテニル基、1-メチル-2-ブテニル基、2-メチル-2-ブテニル基、1-ヘキセニル基、2-ヘキセニル基、3-ヘキセニル基、4-ヘキセニル基、5-ヘキセニル基などを挙げることができる。
【0100】
R2’における「C2~6アルキニル基」としては、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基、1-ブチニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、1-メチル-2-プロピニル基、2-メチル-3-ブチニル基、1-ペンチニル基、2-ペンチニル基、3-ペンチニル基、4-ペンチニル基、1-メチル-2-ブチニル基、2-メチル-3-ペンチニル基、1-ヘキシニル基、1,1-ジメチル-2-ブチニル基などを挙げることができる
【0101】
R2’における「C1~6アルキル基」、「C2~6アルケニル基」および「C2~6アルキニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基を挙げることができる。
【0102】
R2’における「置換若しくは無置換のアミノ基」は、「-NRaRb」で表される基である。式中、RaおよびRbとしては、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、ホルミル基、C1~6アルキルカルボニル基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0103】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキル基」としては、前記R2’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0104】
RaおよびRbにおける「C1~6アルキルカルボニル基」としては、アセチル基、プロピオニル基などを挙げることができる。
【0105】
RaおよびRbにおける「置換若しくは無置換のアミノカルボニル基」としては、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、エチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基などを挙げることができる。
【0106】
R2’における「ハロゲノ基」としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などを挙げることができる。
【0107】
R2’は、水素原子、C1~6アルキル基またはハロゲノ基であることが好ましい。
【0108】
〔R3’〕
式(IV)中、R3’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、またはハロゲノ基である。
【0109】
R3’における「置換若しくは無置換のC1~6アルキル基」および「ハロゲノ基」としては、前記R2’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0110】
R3’は、水素原子であることが好ましい。
【0111】
〔R’〕
式(IV)中、R’は、置換若しくは無置換のC6~10アリール基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基である。
【0112】
R’における「C6~10アリール基」は、単環および多環のいずれであってもよい。多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。「C6~10アリール基」としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基などが挙げられる。
【0113】
R’における「5~6員ヘテロアリール基」としては、ピロリル基、フリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、トリアゾリル基(詳しくは、[1,2,3]トリアゾリル基、または[1,2,4]トリアゾリル基)、オキサジアゾリル基(詳しくは、[1,2,3]オキサジアゾリル基、[1,2,4]オキサジアゾリル基、[1,2,5]オキサジアゾリル基、または[1,3,4]オキサジアゾリル基)、チアジアゾリル基、テトラゾリル基などの5員ヘテロアリール基; ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基などの6員ヘテロアリール基を挙げることができる。
【0114】
R’における「C6~10アリール基」および「5~6員ヘテロアリール基」上の置換基として、好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基; トリフルオロメチルチオ基、2,2,2-トリフルオロエチルチオ基などのC1~6ハロアルキルチオ基; を挙げることができ、より好ましくは、C1~6ハロアルキル基、C1~6ハロアルコキシ基を挙げることができ。
【0115】
R’は、置換若しくは無置換のフェニル基または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基であることが好ましく、置換若しくは無置換のフェニル基または置換若しくは無置換のピリジル基であることがより好ましい。
【0116】
〔B2’〕
式(IV)中、B2’は、窒素原子またはCX1’である
すなわち、式(IV)で表される化合物は、式(IV-3)または式(IV-4)で表される化合物である。
【0117】
【化11】
式(IV-3)中、R
1’、R
3’、R
’、B
1’、X
1’およびX
2’は、式(IV)中のそれらと同様の意味を示す。式(IV-4)中、R
1’、R
3’、R
’、B
1’およびX
2’は、式(IV)中のそれと同様の意味を示す。
【0118】
すなわち、式(IV)で表される化合物は、式(IV-5)、式(IV-6)、式(IV-7)または式(IV-8)で表される化合物である。
【0119】
【0120】
式(IV-5)中、R1’、R2’、R3’、R’、X1’およびX2’は、式(IV)中のそれらと同様の意味を示す。式(IV-6)中、R1’、R3’、R’、X1’およびX2’は、式(IV)中のそれと同様の意味を示す。式(IV-7)中、R1’、R2’、R3’、R’およびX2’は、式(IV)中のそれらと同様の意味を示す。式(IV-8)中、R1’、R3’、R’およびX2’は、式(IV)中のそれと同様の意味を示す。
【0121】
式(IV)で表される化合物は、式(IV-5)または式(IV-6)であることが好ましい。
式(IV)で表される化合物は、式(IV-8)であることが好ましい。
【0122】
〔X1’〕
式(IV)中、X1’は、水素原子、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基またはシアノ基である。
【0123】
X1’における「置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基」としては、前記R1’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0124】
X1’における「置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基」、「置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基」および「置換若しくは無置換のアミノ基」としては、前記R2’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0125】
X1’における「置換若しくは無置換のC6~10アリール基」および「置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基」としては、前記R’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0126】
X1’における「C1~6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などを挙げることができる。
【0127】
X1’における「C1~6アルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n-プロポキシカルボニル基、i-プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、t-ブトキシカルボニル基などを挙げることができる。
【0128】
X1’における「C1~6アルキルチオ基」は、メチルチオ基、エチルチオ基、n-プロピルチオ基、n-ブチルチオ基、n-ペンチルチオ基、n-ヘキシルチオ基、i-プロピルチオ基、i-ブチルチオ基などを挙げることができる。
【0129】
X1’における「C1~6アルキルスルフィニル基」としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t-ブチルスルフィニル基などを挙げることができる。
【0130】
X1’における「C1~6アルコキシ基」、「C1~6アルコキシカルボニル基」、「C1~6アルキルチオ基」、「C1~6アルキルスルフィニル基」および「C1~6アルキルスルホニル基」上の置換基として好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基;を挙げることができる。
【0131】
X1’における「C3~8シクロアルキル基」としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、キュバニル基などを挙げることができる。
【0132】
X1’における「C6~10アリールオキシ基」としては、フェノキシ基、ナフチルオキシ基などを挙げることができる。
【0133】
X1’における「5~6員ヘテロアリールオキシ基」としては、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ基などを挙げることができる。
【0134】
X1’における「C3~8シクロアルキル基」、「C6~10アリール基」、「5~6員ヘテロアリール基」、「C6~10アリールオキシ基」、「5~6員ヘテロアリールオキシ基」上の置換基として、好ましくは、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、イオド基などのハロゲノ基; メチル基、エチル基、n-プロピル基、i-プロピル基、n-ブチル基、s-ブチル基、i-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基などのC1~6アルキル基; フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、3,3,3-トリフルオロプロピル基、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、2,2,2-トリフルオロ-1-トリフルオロメチルエチル基、パーフルオロイソプロピル基、4-フルオロブチル基、2,2,3,3,4,4,4-ヘプタフルオロブチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、1-クロロエチル基、2,2,2-トリクロロエチル基、4-クロロブチル基、パークロロヘキシル基、2,4,6-トリクロロヘキシル基などのC1~6ハロアルキル基; メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、i-プロポキシ基、n-ブトキシ基、s-ブトキシ基、i-ブトキシ基、t-ブトキシ基などのC1~6アルコキシ基; 2-クロロ-n-プロポキシ基、2,3-ジクロロブトキシ基、トリフルオロメトキシ基などのC1~6ハロアルコキシ基を挙げることができ、より好ましくは、C1~6アルキル基である。
【0135】
X1’における「置換若しくは無置換のアミノカルボニル基」としては、前記RaおよびRbにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0136】
X
1’における「置換若しくは無置換のヒドラジニル基」としては、式(a)で表される基である。
【化13】
式(a)中、*は結合位置であり、R
c、R
dおよびR
eは、それぞれ独立して、水素原子、C1~6アルキル基、または置換若しくは無置換のフェニルスルホニル基などである。
【0137】
Rc、RdおよびReにおける「C1~6アルキル基」としては、前記Xにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0138】
Rc、RdおよびReにおける「置換フェニルスルホニル基」としては、パラトルエンスルホニル基などを挙げることができる。
【0139】
X1’は、水素原子、C2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のフェニル基、または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基であることが好ましい。
【0140】
〔X2’〕
式(II)中、X2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルキル基、置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基、置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基、水酸基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基、置換若しくは無置換のC6~10アリール基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基、置換若しくは無置換のアミノ基、置換若しくは無置換のアミノカルボニル基、置換若しくは無置換のヒドラジニル基、ニトロ基、シアノ基、またはハロゲノ基である。
【0141】
X2’における「置換若しくは無置換のC1~6アルキル基」および「ハロゲノ基」としては、前記R2’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0142】
X2’における「置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基」としては、前記R1’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0143】
X2’における「置換若しくは無置換のC6~10アリール基」および「置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基」としては、前記R’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0144】
X2’における「置換若しくは無置換のアミノカルボニル基」としては、前記RaおよびRbにおいて例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0145】
X2’における「置換若しくは無置換のC2~6アルケニル基」、「置換若しくは無置換のC2~6アルキニル基」、「置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基」、「置換若しくは無置換のC1~6アルコキシカルボニル基」、「置換若しくは無置換のC1~6アルキルチオ基」、「置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルフィニル基」、「置換若しくは無置換のC3~8シクロアルキル基」、「置換若しくは無置換のC6~10アリールオキシ基」、「置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリールオキシ基」、「置換若しくは無置換のアミノ基」、「置換若しくは無置換のヒドラジニル基」としては、前記X1’において例示したそれらと同じものが挙げられる。
【0146】
X2’は、水素原子、置換若しくは無置換のC1~6アルコキシ基、置換若しくは無置換のC1~6アルキルスルホニル基、置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基、置換若しくは無置換のアミノ基またはハロゲノ基であることが好ましく、水素原子または置換若しくは無置換の5~6員ヘテロアリール基であることがより好ましい。
【0147】
但し、X1’とX2’が同時に水素原子になることはない。
【0148】
本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、植物の生育に影響する各種の農業害虫およびダニ類などの有害生物の防除効果に優れている。
また、本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、作物に対する薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い物質である。そのため、殺虫剤または殺ダニ剤の有効成分として有用である。
さらに、近年、コナガ、ウンカ、ヨコバイ、アブラムシなど多くの害虫において各種既存薬剤に対する抵抗性が発達し、それら薬剤の効力不足問題を生じており、抵抗性系統の害虫にも有効な薬剤が望まれている。本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、感受性系統のみならず、各種抵抗性系統の害虫や、さらに殺ダニ剤抵抗性系統のダニ類にも優れた防除効果を示す。
【0149】
本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、人獣に害を及ぼす外部寄生虫および内部寄生虫の防除効果に優れている。また、魚類や温血動物への毒性が低いため、安全性の高い物質である。そのため、外部寄生虫および内部寄生虫の防除剤の有効成分として有用である。
【0150】
また、本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、防除の対象となる生物のすべての発育ステージにおいて効力を示し、例えば、ダニ、昆虫などの卵、若虫、幼虫、蛹、成虫に対して優れた防除効果を示す。
【0151】
〔有害生物防除剤〕
本発明の有害生物防除剤は、本発明のヘテロアリールアゾール化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する。本発明の有害生物防除剤に含まれるヘテロアリールアゾール化合物の量は有害生物の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。有害生物防除剤は、有害生物を防除する剤であり、殺虫もしくは殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤、または内部寄生虫防除もしくは駆除剤などを包含するものである。
【0152】
〔殺虫もしくは殺ダニ剤〕
本発明の殺虫もしくは殺ダニ剤は、本発明のヘテロアリールアゾール化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有する。本発明の殺虫もしくは殺ダニ剤に含まれるヘテロアリールアゾール化合物の量は殺虫もしくは殺ダニ効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0153】
本発明の有害生物防除剤、または殺虫もしくは殺ダニ剤は、穀物類;野菜類;根菜類;イモ類;花卉類;果樹類;観葉植物、茶、コーヒー、カカオなどの樹木類;牧草類;芝類;ワタなどの植物に対して用いることが好ましい。
植物への施用において、本発明の有害生物防除剤、または殺虫もしくは殺ダニ剤は、葉、茎、柄、花、蕾、果実、種子、スプラウト、根、塊茎、塊根、苗条、挿し木などのいずれの部位に用いてもよい。
また、本発明の有害生物防除剤、または殺虫もしくは殺ダニ剤は、施用される植物の種によって特に制限されない。植物の種としては、例えば、原種、変種、改良品種、栽培品種、突然変異体、ハイブリッド体、遺伝子組み換え体(GMO)などを挙げることができる。
【0154】
本発明の有害生物防除剤は、各種の農業害虫およびダニ類を防除するために、種子処理、茎葉散布、土壌施用、水面施用などに使用することができる。
【0155】
本発明の有害生物防除剤によって防除可能な各種の農業害虫およびダニ類の具体例を以下に示す。
【0156】
(1)鱗翅目(Lepidoptera)のチョウまたは蛾
(a)ヒトリガ科(Arctiidae)のガ、例えば、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)、クワゴマダラヒトリ(Lemyra imparilis);
(b)チビガ科(Bucculatricidae)のガ、例えば、ナシチビガ(Bucculatrix pyrivorella);
(c)シンクイガ科(Carposinidae)、例えば、モモシンクイガ(Carposina sasakii);
(d)ツトガ科(Crambidae)のガ、例えば、ジアファニア属種(Diaphania spp.)の、ワタヘリクロノメイガ(Diaphania indica)、アメリカウリノメイガ (Diaphania nitidalis);例えば、オストリニア属種(Ostrinia spp.)の、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ヨーロピアンコーンボーラー(Ostrinia nubilalis)、アズキノメイガ(Ostrinia scapulalis);その他、ニカメイガ(Chilo suppressalis)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、モモノゴマダラノメイガ(Conogethes punctiferalis)、サウスウエスタンコンボーラー(Diatraea grandiosella)、クワノメイガ(Glyphodes pyloalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Parapediasia teterrella);
(e)キバガ科(Gelechiidae)のガ、例えば、イモキバガ(Helcystogramma triannulella)、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモキバガ(Phthorimaea operculella)、バクガ(Sitotroga cerealella);
(f)シャクガ科(Geometridae)のガ、例えば、ヨモギエダシャク(Ascotis selenaria);
(g)ホソガ科(Gracillariidae)のガ、例えば、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、ミカンハモグリガ(Phyllocnistis citrella)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoniella);
(h)セセリチョウ科(Hesperiidae)のチョウ、例えば、イチモンジセセリ(Parnara guttata);
(i)カレハガ科(Lasiocampidae)のガ、例えば、オビカレハ(Malacosoma neustria);
(j)ドクガ科(Lymantriidae)のガ、例えば、リマントリア属種(Lymantria spp.)の、マイマイガ(Lymantria dispar)、ノンネマイマイ(Lymantria monacha);その他の、チャドクガ(Euproctis pseudoconspersa)、ヒメシロモンドクガ(Orgyia thyellina);
【0157】
(k)モグリガ科(Lyonetiidae )のガ、例えば、リオネチア属種(Lyonetia spp.)の、モモハモグリガ(Lyonetia clerkella)、ギンモンハモグリガ(Lyonetia prunifoliella malinella);
(l)ヤガ科(Noctuidae)のガ、例えば、スポドプテラ属種(Spodoptera spp.)の、スジキリヨトウ(Spodoptera depravata)、サザンアーミーワーム(Spodoptera eridania)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、ツマジロクサヨトウ(Spodoptera frugiperda)、アフリカヨトウ(Spodoptera littoralis)、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura);例えば、オートグラファ属種(Autographa spp.)の、ガマキンウワバ (Autographa gamma)、タマナギンウワバ(Autographa nigrisigna);例えば、アグロチス属種(Agrotis spp.)の、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、カブラヤガ(Agrotis segetum);例えば、ヘリコベルパ属種(Helicoverpa spp.)の、オオタバコガ(Helicoverpa armigera)、タバコガ(Helicoverpa assulta)、コットンボールワーム(Helicoverpa zea);例えば、ヘリオチス属種(Heliothis spp.)の、ワタキバガ (Heliothis armigera)、ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens);その他の、ナカジロシタバ(Aedia leucomelas)、ミツモンキンウワバ(Ctenoplusia agnata)、アケビコノハ(Eudocima tyrannus)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、アワヨトウ(Mythimna separata)、フタオビコヤガ(Naranga aenescens)、マツキリガ(Panolis japonica)、ニセタマナヤガ(Peridroma saucia)、ソイビーンルーパー(Pseudoplusia includens)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni);
(m)コブガ科(Nolidae) のガ、例えば、ミスジアオリンガ (Earias insulana);
(n)シロチョウ科(Pieridae)のチョウ、例えば、モンシロチョウ属種(Pieris spp.)のオオモンシロチョウ(Pieris brassicae)、モンシロチョウ(Pieris rapae crucivora);
(o)コナガ科(Plutellidae)のガ、例えば、アクロレピオプシス属種(Acrolepiopsisspp.)の、ネギコガ(Acrolepiopsis sapporensis)、ヤマノイモコガ(Acrolepiopsis suzukiella);その他、コナガ(Plutella xylostella);
(p)メイガ科(Pyralidae)のガ、例えば、スジマダラメイガ(Cadra cautella)、モロコシマダラメイガ(Elasmopalpus lignosellus)、シロイチモジマダラメイガ(Etiella zinckenella)、ハチノスツヅリガ (Galleria mellonella);
(q)スズメガ科(Sphingidae)のガ、例えば、マンジュカ属種(Manduca spp.)の、トマトホーンワーム(Manduca quinquemaculata)、タバコホーンワーム(Manduca sexta);
【0158】
(r)ニセマイコガ科(Stathmopodidae)のガ、例えば、カキノヘタムシガ(Stathmopoda masinissa);
(s)ヒロズコガ科(Tineidae)のガ、例えば、イガ(Tinea translucens);
(t)ハマキガ科(Tortricidae)のガ、例えば、アドキソフィエス属種(Adoxophyes spp.)の、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana);例えば、アルチプス属種(Archips spp.)の、リンゴモンハマキ(Archips breviplicanus)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus);その他の、トウヒノシントメハマキ (Choristoneura fumiferana)、コドリンガ(Cydia pomonella)、ブドウホソハマキ (Eupoecilia ambiguella)、ナシヒメシンクイ(Grapholitha molesta)、チャハマキ(Homona magnanima)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、ホソバヒメハマキ(Lobesia botrana)、マメヒメサヤムシガ(Matsumuraeses phaseoli)、トビハマキ(Pandemis heparana)、テングハマキ(Sparganothis pilleriana);
(u)スガ科(Yponomeutidae)のガ、例えば、リンゴヒメシンクイ(Argyresthia conjugella)。
【0159】
(2)アザミウマ目(Thysanoptera)害虫
(a)クダアザミウマ科(Phlaeothripidae)の、例えば、カキクダアザミウマ(Ponticulothrips diospyrosi);
(b)アザミウマ科(Thripidae)の、例えば、フランクリニェラ属種(Frankliniella spp.)の、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis);例えば、トリプス属種(Thrips spp.)の、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci);その他の、クロトンアザミウマ(Heliothrips haemorrhoidalis)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)。
【0160】
(3)カメムシ目(Hemiptera)の害虫
(A)頸吻亜目(Archaeorrhyncha)
(a)ウンカ科(Delphacidae)の、例えば、ヒメトビウンカ(Laodelphax striatella)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、クロフツノウンカ(Perkinsiella saccharicida)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)。
【0161】
(B)頸吻亜目(Clypeorrhyncha)
(a)ヨコバイ科(Cicadellidae)の、例えば、エンポアスカ属種(Empoasca spp.)の、ジャガイモヒメヨコバイ(Empoasca fabae)、カキノヒメヨコバイ(Empoasca nipponica)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)、マメノミドリヒメヨコバイ(Empoasca sakaii)、;その他の、フタテンヒメヨコバイ(Arboridia apicalis)、ミドリナガヨコバイ(Balclutha saltuella)、フタテンオオヨコバイ(Epiacanthus stramineus)、ヒメフタテンヨコバイ(Macrosteles striifrons)、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cinctinceps)。
【0162】
(C)カメムシ亜目(Heteroptera)
(a)ホソヘリカメムシ科(Alydidae)の、例えば、ホソヘリカメムシ(Riptortus clavatus);
(b)ヘリカメムシ科(Coreidae)の、例えば、ホソハリカメムシ(Cletus punctiger)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis);
(c)ナガカメムシ科(Lygaeidae)の、例えば、アメリカコバネナガカメムシ (Blissus leucopterus)、カンシャコバネナガカメムシ(Cavelerius saccharivorus)、コバネヒョウタンナガカメムシ(Togo hemipterus);
(d)カスミカメムシ科(Miridae)の、例えば、クロトビカスミカメ(Halticus insularis)、サビイロカスミカメ (Lygus lineolaris)、コットンフリーホッパー(Psuedatomoscelis seriatus)、ナガムギカスミカメ(Stenodema sibiricum)、アカスジカスミカメ(Stenotus rubrovittatus)、イネホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium);
【0163】
(e)カメムシ科(Pentatomidae)の、例えば、ネザラ属種(Nezara spp.)の、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula);例えば、シラホシカメムシ属種(Eysarcoris spp.)の、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris aeneus)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、シラホシカメムシ(Eysarcoris ventralis)、その他の、ブチヒゲカメムシ(Dolycoris baccarum)、ナガメ(Eurydema rugosum)、ツヤアオカメムシ(Glaucias subpunctatus)、サギカメムシ(Halyomorpha halys)、クイチモンジカメムシ(Piezodorus hybneri)、チャバネアオカメムシ(Plautia crossota)、イネクロカメムシ(Scotinophora lurida);
(f)ホシカメムシ科(Pyrrhocoridae)の、例えば、アカホシカメムシ(Dysdercus cingulatus);
(g)ヒメヘリカメムシ科(Rhopalidae)の、例えば、アカヒメヘリカメムシ(Rhopalusmsculatus);
(h)キンカメムシ科(Scutelleridae)の、例えば、ムギチャイロカメムシ(Eurygaster integriceps);
(i)グンバイムシ科(Tingidae)の、例えば、ナシグンバイ(Stephanitis nashi)。
【0164】
(D)腹吻亜目(Sternorrhyncha)
(a)カサアブラムシ科(Adelgidae)の、例えば、カラマツカサアブラムシ(Adelges laricis);
(b)コナジラミ科(Aleyrodidae)例えば、ベミシア属種(Bemisia spp.)の、シルバーリーフコナジラミ(Bemisia argentifolii)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci);その他の、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum);
(c)アブラムシ科(Aphididae)、例えば、アフィス属種(Aphis spp.)の、マメアブラムシ(Aphis craccivora)、マメクロアブラムシ(Aphis fabae)、イチゴネアブラムシ(Aphis forbesi)、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(Aphis pomi)、ニワトコアブラムシ(Aphis sambuci)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola);例えば、ロパロシフム属種(Rhopalosiphum spp.)の、トウモロコシアブラムシ(Rhopalosiphum maidis)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi);例えば、ジサフィス属種(Dysaphis spp.)の、オオバコアブラムシ(Dysaphis plantaginea)、ギシギシネアブラムシ(Dysaphis radicola);例えば、マクロシフム属種(Macrosiphum spp.)の、ムギヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum avenae)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae);例えば、ミズス属種(Myzus spp.)の、ニワウメクロコブアブラムシ (Myzus cerasi)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、カワリコブアブラムシ(Myzus varians);その他の、エンドウヒゲナガアブラムシ(Acyrthosiphon pisum)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギワラギクオマルアブラムシ(Brachycaudus helichrysi)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、イチゴケナガアブラムシ(Chaetosiphon fragaefolii)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、チシャミドリアブラムシ(Hyperomyzus lactucae)、ニセダイコンアブラムシ(Lipaphis erysimi)、ソラマメヒゲナガアブラムシ(Megoura viciae)、ムギウスイロアブラムシ(Metopolophium dirhodum)、レタスアブラムシ(Nasonovia ribis-nigri)、ホップイボアブラムシ(Phorodon humuli)、ムギミドリアブラムシ(Schizaphis graminum)、ムギヒゲナガアブラムシ(Sitobion avenae)、コミカンアブラムシ(Toxoptera aurantii);
【0165】
(d)カタカイガラムシ科(Coccidae)の、例えば、セロプラスター属種(Ceroplastes spp.)の、ツノロウムシ(Ceroplastes ceriferus)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens);
(e)マルカイガラムシ科(Diaspididae)の、シューダウラカスピス属種(Pseudaulacaspis spp.)の、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)、ウメシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis prunicola);例えば、ウナスピス属種(Unaspis spp.)の、マサキナガカイガラムシ(Unaspis euonymi)、ヤノネカイガラムシ(Unaspis yanonensis);その他の、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、ナシマルカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、チャコノハカイガラムシ(Fiorinia theae)、チャノマルカイガラムシ(Pseudaonidia paeoniae);
(f)ワタフキカイガラムシ科(Margarodidae)の、例えば、オオワラジカイガラムシ(Drosicha corpulenta)、イセリアカイガラムシ(Icerya purchasi);
(g)ネアブラムシ科(Phylloxeridae)の、例えば、ブドウネアブラムシ(Viteus vitifolii);
(h)コナカイガラムシ科(Pseudococcidae )の、例えば、プラノコッカス属種(Planococcus spp.)の、ミカンコナカイガラムシ(Planococcus citri)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kuraunhiae);その他の、ナスコナカイガラムシ(Phenacoccus solani)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus comstocki);
(i)キジラミ科(Psyllidae)の、例えば、プスルラ属種(Psylla spp.)の、リンゴキジラミ(Psylla mali)、ナシキジラミ(Psylla pyrisuga);その他の、ミカンキジラミ(Diaphorina citri)。
【0166】
(4)カブトムシ亜目(Polyphaga)の害虫
(a)シバンムシ科(Anobiidae)の、例えば、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne);
(b)オトシブミ科(Attelabidae)の、例えば、ドロハマキチョッキリ(Byctiscus betulae)、モモチョッキリゾウムシ(Rhynchites heros);
(c)ナガシンクイムシ科(Bostrichidae)の、例えば、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus);
(d)ミツギリゾウムシ科(Brentidae)の、例えば、アリモドキゾウムシ(Cylas formicarius);
(e)タマムシ科(Buprestidae )の、例えば、アカバナガタマムシ (Agrilus sinuatus);
(f)カミキリムシ科(Cerambycidae)の、例えば、ゴマダラカミキリ(Anoplophora malasiaca)、マツノマダラカミキリ(Monochamus alternatus)、キボシカミキリ(Psacothea hilaris)、ブドウトラカミキリ(Xylotrechus pyrrhoderus);
(g)ハムシ科(Chrysomelidae)の、例えば、ブルクス属種(Bruchus spp.)の、エンドウマメゾウムシ (Bruchus pisorum)、ソラマメゾウムシ (Bruchus rufimanus);例えば、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)の、ノーザンコーンルートワーム(Diabrotica barberi)、サザンコーンルートワーム(Diabrotica undecimpunctata)、ウエスタンコーンルートワーム(Diabrotica virgifera);例えば、フィロトレタ属種(Phyllotreta spp.)の、ノミトビヨロイムシ(Phyllotreta nemorum)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata);その他の、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、カメノコハムシ(Cassida nebulosa)、テンサイトビハムシ(Chaetocnema concinna)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネクビホソハムシ(Oulema oryzae)、ナスナガスネトビハムシ(Psylliodes angusticollis);
【0167】
(h)テントウムシ科(Coccinellidae)の、例えば、エピラクナ属種(Epilachna spp.)の、インゲンテントウ(Epilachna varivestis)、ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata);
(i)ゾウムシ科(Curculionidae)の、例えば、アントノムス属種(Anthonomus spp.)の、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、ナシハナゾウムシ (Anthonomus pomorum);例えば、シトフィルスコクゾウムシ属種(Sitophilus spp.)の、グラナリーウィービル(Sitophilus granarius)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais);その他の、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イモゾウムシ(Euscepes postfasciatus)、マツアナアキゾウムシ(Hylobius abietis)、アルファルファタコゾウムシ(Hypera postica)、イネミズゾウムシ(Lissohoptrus oryzophilus)、キンケクチブトゾウムシ(Otiorhynchus sulcatus)、アカアシチビコフキゾウムシ (Sitona lineatus)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus);
(j)コメツキムシ科(Elateridae)の、例えば、メラノツス属種(Melanotus spp.)の、マルクビクシコメツキ(Melanotus fortnumi)、カンシャクシコメツキ(Melanotus tamsuyensis);
(k)ケシキスイ科(Nitidulidae)の、例えば、ヒメヒラタケシキスイ(Epuraea domina);
(l)コガネムシ科(Scarabaeidae)の、例えば、アノマラ属種(Anomala spp.)の、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、ヒメコガネ(Anomala rufocuprea);その他の、キンイロハナムグリ(Cetonia aurata)、コアオハナムグリ(Gametis jucunda)、ナガチャコガネ(Heptophylla picea)、ヨーロッパコフキコガネ (Melolontha melolontha)、マメコガネ(Popillia japonica);
(m)キクイムシ科(Scolytidae)の、例えば、ヤツバキクイ (Ips typographus);
(n)ハネカクシ科(Staphylinidae)の、例えば、アオバアリガタハネカクシ(Paederus fuscipes);
(o)ゴミムシダマシ科(Tenebrionidae)の、例えば、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、コクヌストモドキ(Tribolium castaneum);
(p)コクヌスト科(Trogossitidae)の、例えば、コクヌスト(Tenebroides mauritanicus)。
【0168】
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
(A)ハエ亜目(Brachycera)
(a)ハモグリバエ科(Agromyzidae)の、例えば、リリオマイザ属種(Liriomyza spp.)の、ナスハモグリバエ(Liriomyza bryoniae)、ネギハモグリバエ(Liriomyza chinensis)、トマトハモグリバエ(Liriomyza sativae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii);その他の、ナモグリバエ(Chromatomyia horticola)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae);
(b)ハナバエ科(Anthomyiidae)の、例えば、デリア属種(Delia spp.)の、タネバエ(Delia platura)、キャベツハナバエ (Delia radicum);その他の、テンサイモグリハナバエ(Pegomya cunicularia);
(c)ショウジョウバエ科(Drosophilidae)の、例えば、ショウジョウバエ属種(Drosophila spp.)の、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)、オウトウショウジョウバエ(Drosophila suzukii);
(d)ミギワバエ科(Ephydridae)の、例えば、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola);
(e)ハネオレバエ科(Psilidae)の、例えば、ニンジンサビバエ (Psila rosae);
(f)ミバエ科(Tephritidae)の、例えば、バクトロセラ属種(Bactrocera spp.)の、ウリミバエ(Bactrocera cucurbitae)、ミカンコミバエ(Bactrocera dorsalis);例えば、ラゴレチス属種(Rhagoletis spp.)の、ヨーロッパオウトウミバエ (Rhagoletis cerasi)、リンゴミバエ (Rhagoletis pomonella);その他の、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、オリーブミバエ(Dacus oleae)。
【0169】
(B)カ亜目(Nematocera)
(a)タマバエ科(Cecidomyiidae)の、例えば、ダイズサヤタマバエ(Asphondylia yushimai)、ソルガムタマバエ(Contarinia sorghicola)、ヘシアンバエ(Mayetiola destructor)、ムギアカタマバエ(Sitodiplosis mosellana)。
【0170】
(6)バッタ目(Orthoptera)の害虫
(a)バッタ科(Acrididae)の、例えば、スキストセルカ属種(Schistocerca spp.)の、アメリカイナゴ (Schistocerca americana)、サバクトビバッタ (Schistocerca gregaria);その他の、オーストラリアトビバッタ(Chortoicetes terminifera)、モロッコイナゴ (Dociostaurus maroccanus)、トノサマバッタ(Locusta migratoria)、ブラウンイナゴ(Locustana pardalina)、アカトビバッタ (Nomadacris septemfasciata)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis);
(b)コオロギ科(Gryllidae)の、例えば、ヨーロッパイエコオロギ (Acheta domestica)、エンマコオロギ(Teleogryllus emma);
(c)ケラ科(Gryllotalpidae)の、例えば、ケラ(Gryllotalpa orientalis);
(d)キリギリス科(Tettigoniidae)の、例えば、クラズミウマ (Tachycines asynamorus)。
【0171】
(7)ダニ類(Acari)
(A)無気門目(Astigmata)のコナダニ類(Acaridida)
(a)コナダニ科(Acaridae)のダニ、例えば、リゾギルホス属種(Rhizoglyphus spp.)の、ネダニ(Rhizoglyphus echinopus)、ロビンネダニ(Rhizoglyphus robini);例えば、ケナガコナダニ属種(Tyrophagus spp.)の、オンシツケナガコナダニ(Tyrophagus neiswanderi)、オオケナガコナダニ(Tyrophagus perniciosus)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)、ホウレンソウケナガコナダニ(Tyrophagus similis);その他、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ムギコナダニ(Aleuroglyphus ovatus)、ニセケナガコナダニ(Mycetoglyphus fungivorus);
【0172】
(B)前気門目(Prostigmata)のケダニ類(Actinedida)
(a)ハダニ科(Tetranychidae)のダニ、例えば、ブリオビア属種(Bryobia spp.)の、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、ニセクローバーハダニ(Bryobia rubrioculus);例えば、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)の、コウノシロハダニ(Eotetranychus asiaticus)、アンズハダニ(Eotetranychus boreus)、エノキハダニ(Eotetranychus celtis)、ミチノクハダニ(Eotetranychus geniculatus)、ミヤケハダニ(Eotetranychus kankitus)、クリハダニ(Eotetranychus pruni)、シイノキハダニ(Eotetranychus shii)、スミスハダニ(Eotetranychus smithi)、スギナミハダニ(Eotetranychus suginamensis)、クルミハダニ(Eotetranychus uncatus);例えば、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)の、スギノハダニ(Oligonychus hondoensis)、チビコブハダニ(Oligonychus ilicis)、カラマツハダニ(Oligonychus karamatus)、マンゴーハダニ(Oligonychus mangiferus)、サトウキビハダニ(Oligonychus orthius)、アボガドハダニ(Oligonychus perseae)、エゾスギハダニ(Oligonychus pustulosus)、イネハダニ(Oligonychus shinkajii)、トドマツハダニ(Oligonychus ununguis);例えば、パノニクス属種(Panonychus spp.)の、ミカンハダニ(Panonychus citri)、クワオオハダニ(Panonychus mori)、リンゴハダニ(Panonychus ulmi);例えば、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)の、ニセナミハダニ(Tetranychus cinnabarinus)、カンザワハダニ(Tetranychus kanzawai)、アシノワハダニ(Tetranychus ludeni)、ミズナラハダニ(Tetranychus quercivorus)、サガミハダニ(Tetranychus phaselus)、ナミハダニ(Tetranychus urticae)、オウトウハダニ(Tetranychus viennensis)ミツユビナミハダニ (Tetranychus evansi);例えば、アポニクス属(Aponychus spp.)の、イトマキハダニ(Aponychus corpuzae)、タイリクハダニ(Aponychus firmianae);例えば、ミドリハダニ属(Sasanychus spp.)の、ミドリハダニ(Sasanychus akitanus)、ヒメミドリハダニ(Sasanychus pusillus);例えば、シゾテトラニクス属(Shizotetranychus spp.)の、タケスゴモリハダニ(Shizotetranychus celarius)、ケナガスゴモリハダニ(Shizotetranychus longus)、ススキスゴモリハダニ(Shizotetranychus miscanthi)、ヒメササハダニ(Shizotetranychus recki)、ヤナギハダニ(Shizotetranychus schizopus);その他、カタバミハダニ(Tetranychina harti)、ナミケナガハダニ(Tuckerella pavoniformis)、ケウスハダニ(Yezonychus sapporensis);
【0173】
(b)ヒメハダニ科(Tenuipalpidae)のダニ、例えば、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)の、ブドウヒメハダニ(Brevipalpus lewisi)、チャノヒメハダニ(Brevipalpus obovatus)、ミナミヒメハダニ(Brevipalpus phoenicis)、サボテンヒメハダニ(Brevipalpus russulus)、オンシツヒメハダニ(brevipalpus californicus);例えば、テニパルプス属種(Tenuipalpus spp.)の、ランヒメハダニ(Tenuipalpus pacificus)、カキヒメハダニ(Tenuipalpus zhizhilashviliae);その他、パイナップルヒメハダニ(Dolichotetranychus floridanus);
(c)フシダニ科(Eriophyidae)のダニ、例えば、アセリア属種(Aceria spp.)の、カキサビダニ(Aceria diospyri)、イチジクモンサビダニ(Aceria ficus)、クリフシダニ(Aceria japonica)、クコフシダニ(Aceria kuko)、カーネーションサビダニ(Aceria paradianthi)、クコハモグリダニ(Aceria tiyingi)、チューリップサビダニ(Aceria tulipae)、シバハマキフシダニ(Aceria zoysiea);例えば、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)の、ニセナシサビダニ(Eriophyes chibaensis)、ウメフシダニ(Eriophyes emarginatae);例えばアクロプス属種(Aculops spp.)の、トマトサビダニ(Aculops lycopersici)、ミカンサビダニ(Aculops pelekassi);例えば、アクルス属種(Aculus spp.)の、モモサビダニ(Aculus fockeui)、リンゴサビダニ(Aculus schlechtendali);その他、チャノナガサビダニ(Acaphylla theavagrans)、チャノサビダニ(Calacarus carinatus)、ブドウハモグリダニ(Colomerus vitis)、ブドウサビダニ(Calepitrimerus vitis)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、キンモクサビダニ(Paraphytoptus kikus)、マキサビダニ(Paracalacarus podocarpi)、リュウキュウミカンサビダニ(Phyllocotruta citri);
(d)ホコリダニ科(Transonemidae)のダニ、例えば、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)の、スジブトホコリダニ(Tarsonemus bilobatus)、アシボソホコリダニ(Tarsonemus waitei);その他、シクラメンホコリダニ(Phytonemus pallidus)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus);
(e)ハシリダニ科(Penthaleidae)のダニ、例えば、ペンタレウス属種(Penthaleus spp.)の、ハクサイダニ(Penthaleus erythrocephalus)、ムギダニ(Penthaleus major)。
【0174】
本発明の有害生物防除剤は、殺菌剤、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤などの他の有効成分; 植物調節剤、共力剤、肥料、土壌改良剤、動物用飼料などと混用または併用してもよい。
本発明のヘテロアリールアゾール化合物と他の有効成分との組合せは、殺虫・殺ダニ・殺線虫活性に関して相乗効果が期待できる。相乗効果は、定法に従ってコルビーの式(Colby.S.R. ; Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations ; Weeds 15, 20-22頁, 1967)により確認することができる。
【0175】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺虫・殺ダニ剤、殺線虫剤、殺土壌害虫剤、駆虫剤などの具体例を以下に示す。
【0176】
(1)アセチルコリンエステラーゼ阻害剤:
(a)カーバメート系: アラニカルブ(alanycarb)、アルジカルブ(aldicarb)、ベンジオカルブ(bendiocarb)、ベンフラカルブ(benfuracarb)、ブトカルボキシム(butocarboxim)、ブトキシカルボキシム(butoxycarboxim)、カルバリル(carbaryl)、カルボフラン(carbofuran)、カルボスルファン(carbosulfan)、エチオフェンカルブ(ethiofencarb)、フェノブカルブ(fenobucarb)、ホルメタネート(formetanate)、フラチオカルブ(furathiocarb)、イソプロカルブ(isoprocarb)、メチオカルブ(methiocarb)、メソミル(methomyl)、オキサミル(oxamyl)、ピリミカルブ(pirimicarb)、プロポキスル(propoxur)、チオジカルブ(thiodicarb)、チオファノックス(thiofanox)、トリアザメート(triazamate)、トリメタカルブ(trimethacarb)、XMC、キシリルカルブ(xylylcarb)、フェノチオカルブ(fenothiocarb)、MIPC、MPMC、MTMC、アルドキシカルブ(aldoxycarb)、アリキシカルブ(allyxycarb)、アミノカルブ(aminocarb)、ブフェンカルブ(bufencarb)、クロエトカルブ(cloethocarb)、メタム・ナトリウム(metam-sodium)、プロメカルブ(promecarb);
【0177】
(b)有機リン系: アセフェート(acephate)、アザメチホス(azamethiphos)、アジンホス-エチル(azinphos-ethyl)、アジンホス-メチル(azinphos-methyl)、カズサホス(cadusafos)、クロルエトキシホス(chlorethoxyfos)、クロルフェンビンホス(chlorfenvinphos)、クロルメホス(chlormephos)、クロルピリホス(chlorpyrifos)、クロルピリホス-メチル(chlorpyrifos-methyl)、クマホス(coumaphos)、シアノホス(cyanophos)、デメトン-S-メチル(demeton-S-methyl)、ダイアジノン(diazinon)、ジクロルボス(dichlorvos)/DDVP、ジクロトホス(dicrotophos)、ジメトエート(dimethoate)、ジメチルビンホス(dimethylvinphos)、ジスルホトン(disulfoton)、EPN、エチオン(ethion)、エトプロホス(ethoprophos)、ファムフール(famphur)、フェナミホス(fenamiphos)、フェニトロチオン(fenitrothion)、フェンチオン(fenthion)、ホスチアゼート(fosthiazate)、ヘプテノホス(heptenophos)、イミシアホス(imicyafos)、イソフェンホス(isofenphos)、イソカルボホス(isocarbophos)、イソキサチオン(isoxathion)、マラチオン(malathion)、メカルバム(mecarbam)、メタミドホス(methamidophos)、メチダチオン(methidathion)、メビンホス(mevinphos)、モノクロトホス(monocrotophos)、ナレド(naled)、オメトエート(omethoate)、オキシジメトン-メチル(oxydemeton-methyl)、パラチオン(parathion)、パラチオン-メチル(parathion-methyl)、フェントエート(phenthoate)、ホレート(phorate)、ホサロン(phosalone)、ホスメット(phosmet)、ホスファミドン(phosphamidon)、ホキシム(phoxim)、ピリミホス-メチル(pirimiphos-methyl)、プロフェノホス(profenofos)、プロペタムホス(propetamphos)、プロチオホス(prothiofos)、ピラクロホス(pyraclofos)、ピリダフェンチオン(pyridaphenthion)、キナルホス(quinalphos)、スルホテップ(sulfotep)、テブピリンホス(tebupirimfos)、テメホス(temephos)、テルブホス(terbufos)、テトラクロルビンホス(tetrachlorvinphos)、チオメトン(thiometon)、トリアゾホス(triazophos)、トリクロルホン(trichlorfon)、バミドチオン(vamidothion)、ブロモホス・エチル(bromophos-ethyl)、BRP、カルボフェノチオン(carbophenothion)、シアノフェンホス(cyanofenphos)、CYAP、デメトン-S-メチルスルホン(demeton-S-methyl sulfone)、ジアリホス(dialifos)、ジクロフェンチオン(dichlofenthion)、ジオキサベンゾホス(dioxabenzofos)、エトリムホス(etrimfos)、フェンスルホチオン(fensulfothion)、フルピラゾホス(flupyrazofos)、ホノホス(fonofos)、ホルモチオン(formothion)、ホスメチラン(fosmethilan)、イサゾホス(isazofos)、ヨードフェンホス(jodfenphos)、メタクリホス(methacrifos)、ピリミホス-エチル(pirimiphos-ethyl)、ホスホカルブ(phosphocarb)、プロパホス(propaphos)、プロトエート(prothoate)、スルプロホス(sulprofos)。
【0178】
(2)GABA-作動性塩素イオンチャネルアンタゴニスト: アセトプロール(acetoprole)、クロルデン(chlordane)、エンドスルファン(endosulfan)、エチプロール(ethiprole)、フィプロニル(fipronil)、ピラフルプロール(pyrafluprole)、ピリプロール(pyriprole)、カンフェクロル(camphechlor)、ヘプタクロル(heptachlor)、ジエノクロル(dienochlor)。
(3)ナトリウムチャンネルモジュレーター: アクリナトリン(acrinathrin)、d-シス-トランス アレスリン(d-cis-trans allethrin)、d-トランスアレスリン(d-trans allethrin)、ビフェントリン(bifenthrin)、ビオアレスリン(bioallethrin)、ビオアレスリンs-シクロペンチル異性体(bioallethrin s-cyclopentyl isomer)、ビオレスメトリン(bioresmethrin)、シクロプロトリン(cycloprothrin)、シフルトリン(cyfluthrin)、ベータ-シフルトリン(β-cyfluthrin)、シハロトリン(cyhalothrin)、ラムダ-シハロトリン(λ-cyhalothrin)、ガンマ-シハロトリン(γ-cyhalothrin)、シペルメトリン(cypermethrin)、アルファ-シペルメトリン(α-cypermethrin)、ベータ-シペルメトリン(β-cypermethrin)、シータ-シペルメトリン(θ-cypermethrin)、ゼータ-シペルメトリン(ζ-cypermethrin)、シフェノトリン[(1R)-トランス異性体](cyphenothrin [(1R)-trans isomer])、デルタメトリン(deltamethrin)、エンペントリン[(EZ)-(1R)-異性体](Empenthrin[(EZ)-(1R)-Isomer])、エスフェンバレレート(esfenvalerate)、エトフェンプロックス(etofenprox)、フェンプロパトリン(fenpropathrin)、フェンバレレート(fenvalerate)、フルシトリネート(flucythrinate)、フルメトリン(flumethrin)、タウ-フルバリネート(τ-fluvalinate)、ハルフェンプロックス(halfenprox)、イミプロトリン(imiprothrin)、カデスリン(kadethrin)、ペルメトリン(permethrin)、フェノトリン[(1R)-トランス異性体](phenothrin [(1R)-trans isomer])、プラレトリン(prallethrin)、ピレスラム(pyrethrum)、レスメトリン(resmethrin)、シラフルオフェン(silafluofen)、テフルスリン(tefluthrin)、テトラメトリン[(1R)-異性体](tetramethrin [(1R)-isomer])、トラロメトリン(tralomethrin)、トランスフルトリン(transfluthrin)、アレスリン(allethrin)、ピレトリン(pyrethrins)、ピレトリンI(pyrethrin I)、ピレトリンII(pyrethrin II)、プロフルトリン(profluthrin)、ジメフルトリン(dimefluthrin)、ビオエタノメトリン(bioethanomethrin)、ビオペルメトリン(biopermethrin)、トランスペルメトリン(transpermethrin)、フェンフルトリン(fenfluthrin)、フェンピリトリン(fenpirithrin)、フルブロシトリネート(flubrocythrinate)、フルフェンプロックス(flufenprox)、メトフルトリン(metofluthrin)、プロトリフェンブト(protrifenbute)、ピレスメトリン(pyresmethrin)、テラレトリン(terallethrin)。
【0179】
(4)ニコチン性アセチルコリン受容体アゴニスト: アセタミプリド(acetamiprid)、クロチアニジン(clothianidin)、ジノテフラン(dinotefuran)、イミダクロプリド(imidacloprid)、ニテンピラム(nitenpyram)、ニチアジン(nithiazine)、チアクロプリド(thiacloprid)、チアメトキサム(thiamethoxam)、スルホキサフロール(sulfoxaflor)、ニコチン(nicotine)、フルピラジフロン(flupyradifurone)、フルピリミン(flupyrimine)。
(5)ニコチン性アセチルコリン受容体アロステリックモジュレーター: スピネトラム(spinetoram)、スピノサド(spinosad)。
(6)クロライドチャンネル活性化剤: アバメクチン(abamectin)、エマメクチン安息香酸塩(emamectin -benzoate)、レピメクチン(lepimectin)、ミルベメクチン(milbemectin)、イベルメクチン(ivermectin)、セラメクチン(selamectin)、ドラメクチン(doramectin)、エプリノメクチン(eprinomectin)、モキシデクチン(moxidectin)、ミルベマイシン(milbemycin)、ミルベマイシンオキシム(milbemycin oxime)、ネマデクチン(nemadectin)。
(7)幼若ホルモン様物質: ヒドロプレン(hydroprene)、キノプレン(kinoprene)、メトプレン(methoprene)、フェノキシカルブ(fenoxycarb)、ピリプロキシフェン(pyriproxyfen)、ジオフェノラン(diofenolan)、エポフェノナン(epofenonane)、トリプレン(triprene)。
(8)その他非特異的阻害剤: 臭化メチル(methyl bromide)、クロルピクリン(chloropicrin)、フッ化スルフリル(sulfuryl fluoride)、ホウ砂(borax)、吐酒石(tartar emetic)。
(9)同翅目選択的摂食阻害剤: フロニカミド(flonicamid)、ピメトロジン(pymetrozine)、ピリフルキナゾン(pyrifluquinazon)。
【0180】
(10)ダニ類生育阻害剤: クロフェンテジン(clofentezine)、ジフロビダジン(diflovidazin)、ヘキシチアゾクス(hexythiazox)、エトキサゾール(etoxazole)。
(11)微生物由来昆虫中腸内膜破壊剤: バチルス・チューリンゲンシス亜種イスラエレンシ(bacillus thuringiensis subsp. Israelensis)、バチルス・スファエリクス(bacillus sphaericus)、バチルス・チューリンゲンシス亜種アイザワイ(bacillus thuringiensis subsp. aizawai)、バチルス・チューリンゲンシス亜種クルスタキ(bacillus thuringiensis subsp. kurstaki)、バチルス・チューリンゲンシス亜種テネブリオニス(bacillus thuringiensis subsp. tenebrionis)、Bt作物タンパク質:Cry1Ab、Cry1Ac、Cry1Fa、Cry1A.105、Cry2Ab、Vip3A、mCry3A、Cry3Ab、Cry3Bb、Cry34Ab1/Cry35Ab1。
(12)ミトコンドリアATP生合成酵素阻害剤: ジアフェンチウロン(diafenthiuron)、アゾシクロチン(azocyclotin)、シヘキサチン(cyhexatin)、酸化フェンブタスズ(fenbutatin oxide)、プロパルギット(propargite)、テトラジホン(tetradifon)。
(13)酸化的リン酸化脱共役剤: クロルフェナピル(chlorfenapyr)、スルフルラミド(sulfluramid)、DNOC、ビナパクリル(binapacryl)、ジノブトン(dinobuton)、ジノカップ(dinocap)。
(14)ニコチン性アセチルコリン受容体チャンネルブロッカー: ベンスルタップ(bensultap)、カルタップ塩酸塩(cartap hydrochloride)、ネライストキシン(nereistoxin)、チオスルタップ-ナトリウム塩(thiosultap-sodium)、チオシクラム(thiocyclam)。
(15)キチン合成阻害剤: ビストリフルロン(bistrifluron)、クロルフルアズロン(chlorfluazuron)、ジフルベンズロン(diflubenzuron)、フルシクロクスロン(flucycloxuron)、フルフェノクスロン(flufenoxuron)、ヘキサフルムロン(hexaflumuron)、ルフェヌロン(lufenuron)、ノバルロン(novaluron)、ノビフルムロン(noviflumuron)、テフルベンズロン(teflubenzuron)、トリフルムロン(triflumuron)、ブプロフェジン(buprofezin)、フルアズロン(fluazuron)。
(16)双翅目脱皮かく乱剤: シロマジン(cyromazine)。
(17)脱皮ホルモン受容体アゴニスト: クロマフェノジド(chromafenozide)、ハロフェノジド(halofenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)。
(18)オクトパミン受容体アゴニスト: アミトラズ(amitraz)、デミジトラズ(demiditraz)、クロルジメホルム(chlordimeform)。
(19)ミトコンドリア電子伝達系複合体III阻害剤: アセキノシル(acequinocyl)、フルアクリピリム(fluacrypyrim)、ヒドラメチルノン(hydramethylnon)。
(20)ミトコンドリア電子伝達系複合体I阻害剤: フェナザキン(fenazaquin)、フェンピロキシメート(fenpyroximate)、ピリミジフェン(pyrimidifen)、ピリダベン(pyridaben)、テブフェンピラド(tebufenpyrad)、トルフェンピラド(tolfenpyrad)、ロテノン(rotenone)。
【0181】
(21)電位依存性ナトリウムチャネルブロッカー: インドキサカルブ(indoxacarb)、メタフルミゾン(metaflumizone)。
(22)アセチルCoAカルボキシラーゼ阻害剤: スピロジクロフェン(spirodiclofen)、スピロメシフェン(spiromesifen)、スピロテトラマト(spirotetramat)。
(23)ミトコンドリア電子伝達系複合体IV阻害剤: リン化アルミニウム(aluminium phosphide)、リン化カルシウム(calcium phosphide)、ホスフィン(phosphine)、リン化亜鉛(zinc phosphide)、シアニド(cyanide)。
(24)ミトコンドリア電子伝達系複合体II阻害剤: シエノピラフェン(cyenopyrafen)、シフルメトフェン(cyflumetofen)、ピフルブミド(pyflubumide)。
(25)リアノジン受容体モジュレーター: クロラントラニリプロール( chlorantraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、フルベンジアミド(flubendiamide)、シクラニリプロール(cyclaniliprole)、テトラニリプロール(tetraniliprole)。
(26)混合機能オキシダーゼ阻害剤化合物: ピペロニルブトキシド(piperonyl butoxide)。
(27)ラトロフィリン受容体作用薬: デプシペプチド(depsipeptide)、環状デプシペプチド(cyclodepsipeptide)、24員環状デプシペプチド(24 membered cyclodepsipeptide)、エモデプシド(emodepside)。
(28)その他の剤(作用機構が未知): アザジラクチン(azadirachtin)、ベンゾキシメート(benzoximate)、ビフェナゼート(bifenazate)、ブロモプロピレート(bromopropylate)、キノメチオネート(quinomethionate)、クリオライト(cryolite)、ジコホル(dicofol)、ピリダリル(pyridalyl)、ベンクロチアズ(benclothiaz)、硫黄(sulfur)、アミドフルメット(amidoflumet)、1,3-ジクロロプロペン(1,3-dichloropropene)、DCIP、フェニソブロモレート(phenisobromolate)、ベンゾメート(benzomate)、メタアルデヒド(metaldehyde)、クロルベンジレート(chlorobenzilate)、クロチアゾベン(clothiazoben)、ジシクラニル(dicyclanil)、フェノキサクリム(fenoxacrim)、フェントリファニル(fentrifanil)、フルベンジミン(flubenzimine)、フルフェナジン(fluphenazine)、ゴシップルア(gossyplure)、ジャポニルア(japonilure)、メトキサジアゾン(metoxadiazone)、石油(oil)、オレイン酸カリウム(potassium oleate)、テトラスル(tetrasul)、トリアラセン(triarathene)、アフィドピロペン(afidopyropen)、フロメトキン(flometoquin)、フルフィプロル(flufiprole)、フルエンスルホン(fluensulfone)、メペルフルスリン(meperfluthrin)、テトラメチルフルスリン(tetramethylfluthrin)、トラロピリル(tralopyril)、ジメフルスリン(dimefluthrin)、メチルネオデカンアミド(methylneodecanamide)、フルララネル(fluralaner)、アフォキソラネル(afoxolaner)、フルキサメタミド(fluxametamide)、5-[5-(3,5-ジクロロフェニル)-5-トリフルオロメチル-4,5-ジヒドロイソオキサゾール-3-イル]-2-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)ベンゾニトリル(CAS:943137-49-3)(5-[5-(3,5-dichlorophenyl)-5-trifluoromethyl-4,5-dihydroisoxazole-3-yl]-2-(1H-1,2,4-triazole-1-yl)benzonitrile (CAS:943137-49-3))、ブロフラニリド(broflanilide)、その他のメタジアミド類、スタイナーネマ カーポカプサエ(steinernema carpocapsae)、スタイナーネマ グラセライ(steinernema glaseri)、パスツーリア ペネトランス(pasteuria penetrans)、ペキロマイセス テヌイペス(paecilomyces tenuipes)、ペキロマイセス フモソロセウス(paecilomyces fumosoroseus)、ボーベリア バシアーナ(beauveria bassiana)、ボーベリア ブロンニアティ(beauveria brongniartii)、メタリジウム アニソプリエ(metarhizium anisopliae)、バーティシリウム レカニ(verticillium lecanii)、アシノナピル(acynonapyr)ベンズピリモキサン(benzpyrimoxan)、オキサゾスルフィル(oxazosulfyl)チクロピラゾフロル(tyclopyrazoflor)フルヘキサホン(fluhexafon)。
【0182】
(29)駆虫剤:
(a)ベンズイミダゾール系: フェンベンダゾール(fenbendazole)、アルベンダゾール(albendazole)、トリクラベンダゾール(triclabendazole)、オキシベンダゾール(oxibendazole)、メベンダゾール(mebendazole)、オクスフェンダゾール(oxfendazole)、パーベンダゾール(parbendazole)、フルベンダゾール(flubendazole)、フェバンテル(febantel)、ネトビミン(netobimin)、チオファネート(thiophanate)、チアベンダゾール(thiabendazole)、カンベンダゾール(cambendazole);
(b)サリチルアニリド系: クロサンテル(closantel)、オキシクロザニド(oxyclozanide)、ラフォキサニド(rafoxanide)、ニクロサミド(niclosamide);
(c)置換フェノール系: ニトロキシニル(nitroxinil)、ニトロスカネート(nitroscanate);
(d)ピリミジン系: ピランテル(pyrantel)、モランテル(morantel);
(e)イミダゾチアゾール系: レバミソール(levamisole)、テトラミソール(tetramisole);
(f)テトラヒドロピリミジン系: プラジカンテル(praziquantel)、エプシプランテル(epsiprantel);
(g)その他の駆虫薬: シクロジエン(cyclodiene)、リアニア(ryania)、クロルスロン(clorsulon)、メトロニダゾール(metronidazole)、デミジトラズ(demiditraz)、ピペラジン(piperazine)、ジエチルカルバマジン(diethylcarbamazine)、ジクロロフェン(dichlorophen)、モネパンテル(monepantel)、トリベンジミジン(tribendimidine)、アミダンテル(amidantel)、チアセタルサミド(thiacetarsamide)、メラルソミン(melarsomine)、アルセナマイド(arsenamide)。
【0183】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、殺菌剤の具体例を以下に示す。
(1)核酸生合成阻害剤:
(a)RNAポリメラーゼI阻害剤: ベナラキシル(benalaxyl)、ベナラキシル-M(benalaxyl-M)、フララキシル(furalaxyl)、メタラキシル(metalaxyl)、メタラキシル-M(metalaxyl-M)、オキサジキシル(oxadixyl)、クロジラコン(clozylacon)、オフレース(ofurace);
(b)アデノシンデアミナーゼ阻害剤: ブピリメート(bupirimate)、ジメチリモール(dimethirimol)、エチリモール(ethirimol);
(c)DNA/RNA合成阻害剤: ヒメキサゾール(hymexazol)、オクチリノン(octhilinone);
(d)DNAトポイソメラーゼII阻害剤: オキソリン酸(oxolinic acid)。
【0184】
(2)有糸核分裂阻害剤および細胞分裂阻害剤:
(a)β-チューブリン重合阻害剤: ベノミル(benomyl)、カルベンダジム(carbendazim)、クロルフェナゾール(chlorfenazole)、フベリダゾール(fuberidazole)、チアベンダゾール(thiabendazole)、チオファネート(thiophanate)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、ジエトフェンカルブ(diethofencarb)、ゾキサミド(zoxamide)、エタボキサム(ethaboxam);
(b)細胞分裂阻害剤: ペンシクロン(pencycuron);
(c)スペクトリン様タンパク質の非局在化阻害剤: フルオピコリド(fluopicolide)。
【0185】
(3)呼吸阻害剤:
(a)複合体I NADH酸化還元酵素阻害剤: ジフルメトリム(diflumetorim)、トルフェンピラド(tolfenpyrad);
(b)複合体IIコハク酸脱水素酵素阻害剤: ベノダニル(benodanil)、フルトラニル(flutolanil)、メプロニル(mepronil)、イソフェタミド(isofetamid)、フルオピラム(fluopyram)、フェンフラム(fenfuram)、フルメシクロックス(furmecyclox)、カルボキシン(carboxin)、オキシカルボキシン(oxycarboxin)、チフルザミド(thifluzamide)、ベンゾビンジフルピル(benzovindiflupyr)、ビキサフェン(bixafen)、フルキサピロキサド(fluxapyroxad)、フラメトピル(furametpyr)、イソピラザム(isopyrazam)、ペンフルフェン(penflufen)、ペンチオピラド(penthiopyrad)、セダキサン(sedaxane)、ボスカリド(boscalid)、ピラジフルミド(pyraziflumid)、ピジフルメトフェン(pydiflumetofen)、イソフルシプラム(isoflucypram)、インピルフルキサム(inpyrfluxam);
(c)複合体IIIユビキノールオキシダーゼQo阻害剤: アゾキシストロビン(azoxystrobin)、クモキシストロビン(coumoxystrobin)、クメトキシストロビン(coumethoxystrobin)、エノキサストロビン(enoxastrobin)、フルフェノキシストロビン(flufenoxystrobin)、ピコキシストロビン(picoxystrobin)、ピラオキシストロビン(pyraoxystrobin)、ピラクロストロビン(pyraclostrobin)、ピラメトストロビン(pyrametostrobin)、トリクロピリカルブ(triclopyricarb)、クレソキシム-メチル(kresoxim-methyl)、トリフロキシストロビン(trifloxystrobin)、ジモキシストロビン(dimoxystrobin)、フェナミンストロビン(fenaminstrobin)、メトミノストロビン(metominostrobin)、オリサストロビン(orysastrobin)、ファモキサドン(famoxadone)、フルオキサストロビン(fluoxastrobin)、フェンアミドン(fenamidone)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、マンデストロビン(mandestrobin)、メチルテトラプロール(metyltetraprole);
(d)複合体IIIユビキノール還元酵素Qi阻害剤: シアゾファミド(cyazofamid)、アミスルブロム(amisulbrom)、フェンピコキサミド(fenpicoxamid);
(e)酸化的リン酸化の脱共役剤: ビナパクリル(binapacryl)、メプチルジノカップ(meptyldinocap)、ジノカップ(dinocap)、フルアジナム(fluazinam)、フェリムゾン(ferimzone);
(f)酸化的リン酸化阻害剤(ATP 合成酵素の阻害剤): フェンチンアセテート(fentin acetate)、塩化フェンチン(fentin chloride)、水酸化フェンチン(fentin hydroxide);
(g)ATP生産阻害剤: シルチオファム(silthiofam);
(h)複合体III:シトクローム bc1(ユビキノン還元酵素)のQx(未知)阻害剤: アメトクトラジン(ametoctradin)。
【0186】
(4)アミノ酸およびタンパク質合成阻害剤
(a)メチオニン生合成阻害剤: アンドプリム(andoprim)、シプロジニル(cyprodinil)、メパニピリム(mepanipyrim)、ピリメタニル(pyrimethanil);
(b)タンパク質合成阻害剤: ブラストサイジン-S(blasticidin-S)、カスガマイシン(kasugamycin)、カスガマイシン塩酸塩(kasugamycin hydrochloride)、ストレプトマイシン(streptomycin)、オキシテトラサイクリン(oxytetracycline)。
【0187】
(5)シグナル伝達阻害剤:
(a)シグナル伝達阻害剤: キノキシフェン(quinoxyfen)、プロキナジド(proquinazid);
(b)浸透圧シグナル伝達におけるMAP・ヒスチジンキナーゼ阻害剤: フェンピクロニル(fenpiclonil)、フルジオキソニル(fludioxonil)、クロゾリネート(chlozolinate)、イプロジオン(iprodione)、プロシミドン(procymidone)、ビンクロゾリン(vinclozolin)。
【0188】
(6)脂質および細胞膜合成阻害剤:
(a)りん脂質生合成、メチルトランスフェラーゼ阻害剤: エジフェンホス(edifenphos)、イプロベンホス(iprobenfos)、ピラゾホス(pyrazophos)、イソプロチオラン(isoprothiolane);
(b)脂質の過酸化剤: ビフェニル(biphenyl)、クロロネブ(chloroneb)、ジクロラン(dichloran)、キントゼン(quintozene)、テクナゼン(tecnazene)、トルクロホスメチル(tolclofos-methyl)、エトリジアゾール(etridiazole);
(c)細胞膜に作用する剤: ヨードカルブ(iodocarb)、プロパモカルブ(propamocarb)、プロパモカルブ塩酸塩(propamocarb-hydrochloride)、プロパモカルブホセチレート(propamocarb-fosetylate)、プロチオカルブ(prothiocarb);
(d)病原菌細胞膜を撹乱する微生物: バチルス ズブチリス菌(bacillus subtilis)、バチルス ズブチリスQST713株(bacillus subtilis strain QST713)、バチルス ズブチリスFZB24株(bacillus subtilis strain FZB24)、バチルス ズブチリスMBI600株(bacillus subtilis strain MBI600)、バチルス ズブチリスD747株(bacillus subtilis strain D747)、バチルス アミロリクエファシエンス(bacillus amyloliquefaciens);
(e)細胞膜を撹乱する剤: ゴセイカユプテ(ティーツリー)の抽出物(melaleuca alternifolia (tea tree) extract)。
【0189】
(7)細胞膜のステロール生合成阻害剤:
(a)ステロール生合成におけるC14位の脱メチル化阻害剤: トリホリン(triforine)、ピリフェノックス(pyrifenox)、ピリソキサゾール(pyrisoxazole)、フェナリモル(fenarimol)、フルルプリミドール(flurprimidol)、ヌアリモル(nuarimol)、イマザリル(imazalil)、イマザリル硫酸塩(imazalil-sulphate)、オキスポコナゾールフマル酸塩(oxpoconazole fumarate)、ペフラゾエート(pefurazoate)、プロクロラズ(prochloraz)、トリフルミゾール(triflumizole)、ビニコナゾール(viniconazole)、アザコナゾール(azaconazole)、ビテルタノール(bitertanol)、ブロムコナゾール(bromuconazole)、シプロコナゾール(cyproconazole)、ジクロブトラゾール(diclobutrazol)、ジフェノコナゾール(difenoconazole)、ジニコナゾール(diniconazole)、ジニコナゾール-M(diniconazole-M)、エポキシコナゾール(epoxiconazole)、エタコナゾール(etaconazole)、フェンブコナゾール(fenbuconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、フルシラゾール(flusilazole)、フルトリアホール(flutriafol)、フルコナゾール(furconazole)、フルコナゾール-シス(furconazole-cis)、ヘキサコナゾール(hexaconazole)、イミベンコナゾール(imibenconazole)、イプコナゾール(ipconazole)、メトコナゾール(metconazole)、ミクロブタニル(myclobutanil)、ペンコナゾール(penconazole)、プロピコナゾール(propiconazole)、フルキンコナゾール(fluquinconazole)、シメコナゾール(simeconazole)、テブコナゾール(tebuconazole)、テトラコナゾール(tetraconazole)、トリアジメホン(triadimefon)、トリアジメノール(triadimenol)、トリチコナゾール(triticonazole)、プロチオコナゾール(prothioconazole)、ボリコナゾール(voriconazole)、メフェントリフルコナゾール(mefentrifluconazole);
(b)ステロール生合成におけるΔ14還元酵素およびΔ8→Δ7-イソメラーゼの阻害剤:
アルジモルフ(aldimorph)、ドデモルフ(dodemorph)、ドデモルフ酢酸塩(dodemorph acetate)、フェンプロピモルフ(fenpropimorph)、トリデモルフ(tridemorph)、フェンプロピジン(fenpropidin)、ピペラリン(piperalin)、スピロキサミン(spiroxamine);
(c)ステロール生合成系のC4位脱メチル化における3-ケト還元酵素阻害剤: フェンヘキサミド(fenhexamid)、フェンピラザミン(fenpyrazamine);
(d)ステロール生合成系のスクワレンエポキシダーゼ阻害剤: ピリブチカルブ(pyributicarb)、ナフチフィン(naftifine)、テルビナフィン(terbinafine)。
【0190】
(8)細胞壁合成阻害
(a)トレハラーゼ阻害剤: バリダマイシン(validamycin);
(b)キチン合成酵素阻害剤: ポリオキシン(polyoxins)、ポリオクソリム(polyoxorim);
(c)セルロース合成酵素阻害剤: ジメトモルフ(dimethomorph)、フルモルフ(flumorph)、ピリモルフ(pyrimorph)、ベンチアバリカルブイソプロピル(benthiavalicarb-isopropyl)、イプロバリカルブ(iprovalicarb)、バリフェナレート(valifenalate)、マンジプロパミド(mandipropamid)。
【0191】
(9)メラニン生合成阻害剤
(a)メラニン生合成の還元酵素阻害剤: フサライド(fthalide)、ピロキロン(pyroquilon)、トリシクラゾール(tricyclazole);
(b)メラニン生合成の脱水酵素阻害剤: カルプロパミド(carpropamid)、ジクロシメット(diclocymet)、フェノキサニル(fenoxanil);
(c)メラニン生合成のポリケタイド合成阻害剤:トルプロカルブ(tolprocarb)。
【0192】
(10)宿主植物の抵抗性誘導剤:
(a)サリチル酸合成経路に作用する剤: アシベンゾラル-S-メチル(acibenzolar-S-methyl);
(b)その他: プロベナゾール(probenazole)、チアジニル(tiadinil)、イソチアニル(isotianil)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、ラミナリン(laminarin)、オオイタドリ抽出液(reynoutria sachalinensis extract)。
【0193】
(11)作用性が不明な剤: シモキサニル(cymoxanil)、ホセチルアルミニウム(fosetyl-aluminium)、リン酸(リン酸塩)(phosphoric acid (phosphate))、テクロフタラム(tecloftalam)、トリアゾキシド(triazoxide)、フルスルファミド(flusulfamide)、ジクロメジン(diclomezine)、メタスルホカルブ(methasulfocarb)、シフルフェナミド(cyflufenamid)、メトラフェノン(metrafenone)、ピリオフェノン(pyriofenone)、ドジン(dodine)、ドジン遊離塩基(dodine free base)、フルチアニル(flutianil)。
【0194】
(12)多作用点を有する剤: 銅 (銅塩)(copper(copper salt))、ボルドー液(bordeaux mixture)、水酸化銅(copper hydroxide)、銅ナフタレート(copper naphthalate)、酸化銅(copper oxide)、オキシ塩化銅(copper oxychloride)、硫酸銅(copper sulfate)、硫黄(sulfur)、硫黄製品(sulfur product)、多硫化カルシウム(calcium polysulfide)、ファーバム(ferbam)、マンコゼブ(mancozeb)、マネブ(maneb)、マンカッパー(mancopper)、メチラム(metiram)、ポリカーバメート(polycarbamate)、プロピネブ(propineb)、チラム(thiram)、ジネブ(zineb)、ジラム(ziram)、キャプタン(captan)、カプタホール(captafol)、フォルペット(folpet)、クロロタロニル(chlorothalonil)、ジクロフルアニド(dichlofluanid)、トリルフルアニド(tolylfluanid)、グアザチン(guazatine)、イミノクタジン酢酸塩(iminoctadine triacetate)、イミノクタジンアルベシル酸塩(iminoctadine trialbesilate)、アニラジン(anilazine)、ジチアノン(dithianon)、キノメチオネート(quinomethionate)、フルオルイミド(fluoroimide)。
【0195】
(13)その他の剤: DBEDC、フルオロフォルペット(fluorofolpet)、グアザチンアセテート(guazatine acetate)、ビス(8-キノリノラト)銅(II)(bis (8-quinolinolato) copper(II))、プロパミジン(propamidine)、クロロピクリン(chloropicrin)、シプロフラム(cyprofuram)、アグロバクテリウム(agrobacterium)、ベトキサジン(bethoxazin)、ジフェニルアミン(diphenylamine)、メチルイソチアネート(MITC)(methyl isothiocyanate)、ミルデオマイシン(mildiomycin)、カプサイシン(capsaicin)、クフラネブ(cufraneb)、シプロスルファミド(cyprosulfamide)、ダゾメット(dazomet)、デバカルブ(debacarb)、ジクロロフェン(dichlorophen)、フルメトベル(flumetover)、ホセチルカルシウム(fosetyl-calcium)、ホセチルナトリウム(fosetyl-sodium)、イルママイシン(irumamycin)、ナタマイシン(natamycin)、ニトロタールイソプロピル(nitrothal isopropyl)、オキサモカルブ(oxamocarb)、ピロールニトリン(pyrrolnitrin)、テブフロキン(tebufloquin)、トルニファニド(tolnifanide)、ザリラミド(zarilamide)、アルゴフェーズ(algophase)、アミカルチアゾール(amicarthiazol)、オキサチアピプロリン(oxathiapiprolin)、メチラム亜鉛(metiram zinc)、ベンチアゾール(benthiazole)、トリクラミド(trichlamide)、ユニコナゾール(uniconazole)、オキシフェンチイン(oxyfenthiin)、ピカルブトラゾクス(picarbutrazox)、ジクロベンチアゾクス(dichlobentiazox)、キノフメリン(quinofumelin)チウラム(thiuram)、アンバム(ambam)、アグロバクテリウム ラジオバクター(agrobacterium radiobacter)、コニオチリウム ミニタンス(coniothyrium minitans)、シュードモナス フルオレッセンス(pseudomonas fluorescens)、シュードモナス ロデシア(pseudomonas rhodesiae)、タラロマイセス フラバス(talaromyces flavus)、トリコデルマ アトロビリデ(trichoderma atroviride)、非病原性エルビニア カロトボーラ(erwinia carotovora subsp. carotovora)、バチルス シンプレクス(bacillus simplex)、バリオボラックス パラドクス(variovorax paradoxus)、ラクトバチルス プランタラム(lactobacillus plantarum)、フロリルピコキサミド(florylpicoxamid)、ピラプロポイン(pyrapropoyne)、フルインダピル(fluindapyr)、アミノピリフェン(aminopyrifen)、ピリダクロメチル(pyridachlometyl)、イプフルフェノキン(ipflufenoquin)。
【0196】
本発明の有害生物防除剤と混用または併用することができる、植物調節剤の具体例を以下に示す。
アブシジン酸(abscisic acid)、カイネチン(kinetin)、ベンジルアミノプリン(Benzylaminopurine)、1,3-ジフェニルウレア(1,3-diphenylurea)、ホルクロルフェニュロン(forchlorfenuron)、チジアズロン(thidiazuron)、クロルフェヌロン(chlorfenuron)、ジヒドロゼアチン(dihydrozeatin)、ジベレリンA(gibberellin A)、ジベレリンA4(gibberellin A4)、ジベレリンA7(gibberellin A7)、ジベレリンA3(gibberellin A3)、1-メチルシクロプロパン(1-methylcyclopropane)、N-アセチルアミノエトキシビニルグリシン(別名:アビグリシン)(N-acetyl aminoethoxyvinyl glycine (aviglycine))、アミノオキシ酢酸(aminooxyacetate)、硝酸銀(silver nitrate)、塩化コバルト(cobalt chloride)、IAA、4-CPA、クロプロップ(cloprop)、2,4-D、MCPB、インドール-3-酪酸(indole-3-butyrate)、ジクロルプロップ(dichlorprop)、フェノチオール(phenothiol)、1-ナフチルアセトアミド(1-naphthyl acetamide)、エチクロゼート(ethychlozate)、クロキシホナック(cloxyfonac)、マレイン酸ヒドラジド(maleic acid hydrazide)、2,3,5-トリヨード安息香酸(2,3,5-triiodobenzoic acid)、サリチル酸(salicylic acid)、サリチル酸メチル(methyl salicylate)、(-)-ジャスモン酸((-)-jasmonic acid)、ジャスモン酸メチル(methyl jasmonate)、(+)-ストリゴール((+)-strigol)、(+)-デオキシストリゴール((+)-deoxystrigol)、(+)-オロバンコール((+)-orobanchol)、(+)-ソルゴラクトン((+)-sorgolactone)、4-オキソ-4-(2-フェニルエチル)アミノ酪酸(4-oxo-4-(2-phenylethyl)aminobutyric acid)、エテホン(ethephon)、クロルメコート(chlormequat)、メピコートクロリド(mepiquat chloride)、ベンジルアデニン(benzyladenine)、5-アミノレブリン酸(5-amino levulinic acid)、ダミノジッド(daminozide)。
【0197】
〔外部寄生虫防除剤〕
本発明の外部寄生虫防除剤は、本発明のヘテロアリールアゾール化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。本発明の外部寄生虫防除剤に含まれるヘテロアリールアゾール化合物の量は外部寄生虫の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0198】
本発明の外部寄生虫防除剤の処理の対象となる宿主動物としては、ヒト、家畜哺乳動物(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(例えば、マウス、ラット、スナネズミなど)、愛玩動物(例えば、ハムスター、モルモット、イヌ、ネコ、リス、ウサギ、フェレットなど)、野生および動物園の哺乳動物(サル、キツネ、シカ、バッファローなど)、家禽(シチメンチョウ、アヒル、ニワトリ、ウズラ、ガチョウなど)、愛玩鳥(ハト、オウム、九官鳥、文鳥、インコ、ジュウシマツ、カナリアなど)などの温血動物; または、サケ、マス、ニシキゴイなどの魚類を挙げることができる。その他にも、ミツバチ、クワガタムシ、カブトムシを挙げることができる。
【0199】
本発明の外部寄生虫防除剤は、公知の獣医学的な手法(局所、経口、非経口または皮下投与)で施用することができる。その方法として、錠剤、カプセル、飼料混入などにより動物に経口的に投与する方法; 浸漬液、坐薬、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内など)などにより動物に投与する方法; 油性または水性液剤を噴霧、ポアオン、スポットオンなどにより局所的に投与する方法; 樹脂に外部寄生虫防除剤を練り込み、前記混練物を首輪、耳札などの適当な形状に成形し、それを動物に装着し局所的に投与する方法; などを挙げることができる。
【0200】
外部寄生虫は、宿主動物、特には温血動物の中および上に寄生する。詳しくは、宿主動物の背、脇下、下腹部、内股部などに寄生して動物から血液やフケなどの栄養源を得て生息する。外部寄生虫としては、ダニ類、シラミ類、ノミ類、カ、サシバエ、ニクバエなどを挙げることができる。本発明の外部寄生虫防除剤によって防除可能な外部寄生虫の具体例を以下に示す。
【0201】
(1)ダニ類(Acari)
ワクモ科(Dermanyssidae)のダニ、オオサシダニ科(Macronyssidae)のダニ、トゲダニ科(Laelapidae)のダニ、ヘギダニ科(Varroidae)のダニ、ヒメダニ科(Argasidae)のダニ、マダニ科(Ixodidae)のダニ、キュウセンヒゼンダニ科(Psoroptidae)のダニ、ヒゼンダニ科(Sarcoptidae)のダニ、トリヒゼンダニ科(Knemidokoptidae)のダニ、ニキビダニ科(Demodixidae)のダニ、ツツガムシ科(Trombiculidae)のダニ、クワガタナカセ類等の昆虫寄生性のダニ。
(2)シラミ目(Phthiraptera)
ケモノジラミ科(Haematopinidae)のシラミ、ケモノホソジラミ科(Linognathidae)のシラミ、タンカクハジラミ科(Menoponidae)のハジラミ、チョウカクハジラミ科(Philopteridae)のハジラミ、ケモノハジラミ科(Trichodectidae)のハジラミ。
(3)ノミ目(Siphonaptera)
ヒトノミ科(Pulicidae)のノミ、例えば、イヌノミ属種(Ctenocephalides spp.)の、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis);
スナノミ科(Tungidae)のノミ、ナガノミ科(Ceratophyllidae)のノミ、ホソノミ科(Leptopsyllidae)のノミ。
(4)カメムシ目(Hemiptera)。
(5)ハエ目(Diptera)の害虫
カ科(Culicidae)のカ、ブユ科(Simuliidae)のブユ、ヌカカ科(Ceratopogonidae)のヌカカ、アブ科(Tabanidae)のアブ、イエバエ科(Muscidae)のハエ、ツエツエバエ科(Glossinidae)のシェシェバエ、ニクバエ科のニクバエ、シラミバエ科(Hippoboscidae)のハエ、クロバエ科(Calliphoridae)のハエ、ヒツジバエ科(Oestridae)のハエ。
【0202】
〔内部寄生虫防除もしくは駆除剤〕
本発明の内部寄生虫防除もしくは駆除剤は、本発明のヘテロアリールアゾール化合物から選ばれる少なくともひとつを有効成分として含有するものである。本発明の内部寄生虫防除もしくは駆除剤に含まれるヘテロアリールアゾール化合物の量は内部寄生虫の防除効果を示す限りにおいて特に制限されない。
【0203】
本発明の内部寄生虫防除もしくは駆除剤の対象となる寄生虫は、宿主動物、特には温血動物や魚類の中に寄生する(内部寄生虫)。本発明の内部寄生虫防除もしくは駆除剤が有効な宿主動物としては、ヒト、家畜哺乳動物(例えば、ウシ、ウマ、ブタ、ヒツジ、ヤギなど)、実験動物(例えば、マウス、ラット、スナネズミなど)、愛玩動物(例えば、ハムスター、モルモット、イヌ、ネコ、リス、ウサギ、フェレットなど)、野生および動物園の哺乳動物(サル、キツネ、シカ、バッファローなど)、家禽(シチメンチョウ、アヒル、ニワトリ、ウズラ、ガチョウなど)、愛玩鳥(ハト、オウム、九官鳥、文鳥、インコ、ジュウシマツ、カナリアなど)などの温血動物;または、サケ、マス、ニシキゴイなどの魚類を挙げることができる。寄生虫を防除および駆除することで、寄生虫が媒介する寄生虫疾患を予防または治療することができる。
【0204】
防除または駆除対象の寄生虫としては、以下のものを挙げることができる。
(1)腎虫目(Dioctophymatida)の線虫類
(a)腎虫科(Dioctophymatidae)の腎虫、例えば、ディオクトフィーマ属種(Dioctophyma spp.)の、腎虫(Dioctophyma renale);
(b)ソブリフィメ科(Soboliphymatidae)の腎虫、例えば、ソブリフィメ属種(Soboliphyme spp.)の、ソブリフィメ・アベイ(Soboliphyme abei)、ソブリフィメ・ブツリニ(Soboliphyme baturini)。
【0205】
(2)毛頭虫目(Trichocephalida)の線虫類
(a)旋毛虫科(Trichinellidae)の旋毛虫、例えば、旋毛虫属種(Trichinella spp.)の、旋毛虫(Trichinella spiralis);
(b)鞭虫科(Trichuridae)の鞭虫、例えば、キャピラリア属種(Capillaria spp.)の、有環毛細線虫(Capillaria annulata)、捻転毛細線虫(Capillaria contorta)、肝毛細線虫(Capillaria hepatica)、穿通毛細線虫(Capillaria perforans)、キャピラリア・プリカ(Capillaria plica)、豚毛細線虫(Capillaria suis);トリキュリス属種(Trichuris spp.)の、犬鞭虫(Trichuris vulpis)、牛鞭虫(Trichuris discolor)、羊鞭虫(Trichuris ovis)、トリキュリス・スクリジャビニー(Trichuris skrjabini)、豚鞭虫(Trichuris suis)。
【0206】
(3)桿線虫目(Rhabditida)の線虫類
糞線虫科(Strongyloididae)の糞線虫、例えば、糞線虫属種(Strongyloides spp.)の、乳頭糞線虫(Strongyloides papillosus)、猫糞線虫(Strongyloides planiceps)、豚糞線虫(Strongyloides ransomi)、豚糞線虫(Strongyloides suis)、糞線虫(Strongyloides stercoralis )、アメリカ猫糞線虫(Strongyloides tumefaciens)、ネズミ糞線虫(Strongyloides ratti)。
【0207】
(4)円虫目(Strongylida)の線虫類
鈎虫科(Ancylostomatidae)の鉤虫、例えば、鉤虫属種(Ancylostoma spp.)の、ブラジル鉤虫(Ancylostoma braziliense)、犬鉤虫(Ancylostoma caninum)、ズビニ鉤虫(Ancylostoma duodenale)、ネコ鈎虫(Ancylostoma tubaeforme);ウンシナリア属種(Uncinaria stenocephala)の、狭頭鉤虫(Uncinaria stenocephala);ブノストマム属種(Bunostomum spp.)の、牛鉤虫(Bunostomum phlebotomum)、羊鉤虫(Bunostomum trigonocephalum)。
【0208】
(5)円虫目(Strongylida)の線虫類
(a)住血線虫科(Angiostrongylidae)の線虫、例えば、ネコ肺虫属種(Aelurostrongylus spp.)の、猫肺虫(Aelurostrongylus abstrusus);住血線虫属種(Angiostrongylus spp.)の、住血線虫(Angiostrongylus vasorum)、広東住血線虫(Angiostrongylus cantonesis);
(b)クレノゾーマ科(Crenosomatidae)の線虫、例えば、クレノゾーマ属種(Crenosoma spp.)の、肺毛細線虫(Crenosoma aerophila)、キツネ肺虫(Crenosoma vulpis);
(c)フィラロイデス科(Filaroididae)の線虫、例えば、フィラロイデス属種(Filaroides spp.)の、犬肺虫(Filaroides hirthi)、フィラロイデス・オスレリ(Filaroidesosleri);
(d)肺虫科(Metastrongylidae)の肺虫、例えば、豚肺虫属種(Metastrongylus spp.)の、豚肺虫(Metastrongylus apri)、メタストロンギルス・アシムメトリクス(Metastrongylus asymmetricus)、メタストロンギルス・プデンドテクタス(Metastrongylus pudendotectus)、メタストロンギルス・サルミィ(Metastrongylus salmi);
(e)開嘴虫科(Syngamidae)の開嘴虫、例えば、シアトストーマ属種(Cyathostoma spp.)の、水鳥肺虫(Cyathostoma bronchialis);シンガムス属種(Syngamus spp.)の、スクリジャビン開嘴虫(Syngamus skrjabinomorpha)、鶏開嘴虫(Syngamus trachea)。
【0209】
(6)円虫目(Strongylida)の線虫類
(a)モリネウス科(Molineidae)の線虫、例えば、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)の、細頸毛円虫(Nematodirus filicollis)、ネマトジルス・スパティガー(Nematodirus spathiger);
(b)ディクチオカウルス科(Dictyocaulidae)の線虫、例えば、ディクチオカウルス属種(Dictyocaulus spp.)の、糸状肺虫(Dictyocaulus filaria)、牛肺虫(Dictyocaulus viviparus );
(c)捻転胃虫科(Haemonchidae )の線虫、例えば、ヘモンクス属種(Haemonchus spp.)の、捻転胃虫(Haemonchus contortus);メキストシリウス属種(Mecistocirrus spp.)の、牛捻転胃虫(Mecistocirrus digitatus);
(d)捻転胃虫科(Haemonchidae)の線虫、例えば、胃虫属種(Ostertagia spp.)の、オステルターグ胃虫(Ostertagia ostertagi );
(e)ヘリグモネラ科(Heligmonellidae )の線虫、例えば、ニッポストロンジルス属種(Nippostrongylus spp.)の、ネズミ円虫(Nippostrongylus braziliensis);
(f)毛様線虫科(Trichostrongylidae)の線虫、例えば、毛様線虫属種(Trichostrongylus spp.)の、皺胃毛様線虫(Trichostrongylus axei )、蛇状毛様線虫(Trichostrongylus colubriformis )、毛様線虫科(Trichostrongylus tenuis);ヒオストロンギルス属種(Hyostrongylus spp.)の、紅色毛様線虫(Hyostrongylus rubidus);オベリスコイデス属種(Obeliscoides spp.)の、オベリスコイデス・クニクリ(Obeliscoides cuniculi)。
【0210】
(7)円虫目(Strongylida)の線虫類
(a)シャベルティア科(Chabertiidae)の線虫、例えば、シャベルティア属種(Chabertia spp.)の、羊縮小線虫(Chabertia ovina);腸結節虫属種(Oesophagostomum spp.)の、腸結節虫(豚)(Oesophagostomum brevicaudatum)、コロンビア腸結節虫(Oesophagostomum columbianum)、豚腸結節虫(Oesophagostomum dentatum)、腸結節虫(豚)(Oesophagostomum georgianum)、腸結節虫(Oesophagostomum maplestonei)、腸結節虫(豚)(Oesophagostomum quadrispinulatum)、牛腸結節虫(Oesophagostomum radiatum)、山羊腸結節虫(Oesophagostomum venulosum)、腸結節虫(イノシシ)(Oesophagostomum watanabei);
(b)豚腎虫科(Stephanuridae)の線虫、例えば、ステファヌラス属種(Stephanurus spp.)の、豚腎虫(Stephanurus dentatus );
(c)円虫科(Strongylidae)の線虫、例えば、円虫属種(Strongylus spp.)の、ロバ円虫(Strongylus asini )、無歯円虫(Strongylus edentatus)、馬円虫(Strongylus equinus)、普通円虫(Strongylus vulgaris)。
【0211】
(8)蟯虫目(Oxyurida)の線虫類
蟯虫科(Oxyuridae)の線虫、例えば、エンテロビウス属種(Enterobius spp.)の、チンパンジー蟯虫(Enterobius anthropopitheci)、蟯虫(Enterobius vermicularis); オキシルス属(Oxyuris spp.)の、馬蟯虫(Oxyuris equi);パサルルス属種(Passalurus spp.)の、ウサギ蟯虫(Passalurus ambiguus)。
【0212】
(9)回虫目(Ascaridida)の線虫類
(a)ニワトリ回虫科(Ascaridiidae)の線虫、例えば、ニワトリ回虫属種(Ascaridia spp.)の、ニワトリ回虫(Ascaridia galli);
(b)盲腸虫科(Heterakidae)の線虫、例えば、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)の、ヘテラキス・ベラムポリア(Heterakis beramporia)、ヘテラキス・ブレビスピクルム(Heterakis brevispiculum)、鶏盲腸虫(Heterakis gallinarum)、ヘテラキス・プシーラ(Heterakis pusilla)、ヘテラキス・プトオーストラリス(Heterakis putaustralis);
(c)アニサキス科(Anisakidae)の線虫、例えば、アニサキス属種(Anisakis spp.)の、アニサキス線虫(Anisakis simplex);
(d)回虫科(Ascarididae)の線虫、例えば、回虫属種(Ascaris spp.)の、ヒト回虫(Ascaris lumbricoides)、豚回虫(Ascaris suum);パラスカリア属種(Parascaris spp.)の、馬回虫(Parascaris equorum);
(e)トキソカーラ科(Toxocaridae)の線虫、例えば、トキソカーラ属種(Toxocara spp.)の、犬回虫(Toxocara canis)、犬小回虫(Toxocara leonina)、豚回虫(Toxocarasuum)、牛回虫(Toxocara vitulorum)、猫回虫(Toxocara cati)。
【0213】
(10)旋尾線虫目(Spirurida)の線虫類
(a)オンコセルカ科(Onchocercidae)の線虫、例えば、ブルギア属種(Brugia spp.)の、マレー糸状虫(Brugia malayi)、ブルギア・パハンギィ(Brugia pahangi)、ブルギア・パティ(Brugia patei);ディペタロネーマ属種(Dipetalonema spp.)の、ディペタロネーマ・リコンディトゥム(Dipetalonema reconditum);イヌ糸状虫属種(Dirofilaria spp.)の、イヌ糸状虫(Dirofilaria immitis);フィラリア属種(Filaria spp.)の、フィラリア・オクリィ(Filaria oculi);オンコセルカ属種(Onchocerca spp.)の、頸部糸状虫(Onchocerca cervicalis)、ギブソン糸状虫(Onchocerca gibsoni)、咽頭糸状虫(Onchocerca gutturosa);
(b)セタリア科(Setariidae)の線虫、例えば、セタリア属種(Setaria spp.)の、指状糸状虫(Setaria digitata)、馬糸条虫(Setaria equina)、唇乳頭糸状虫(Setaria labiatopapillosa)、マーシャル糸状虫(Setaria marshalli);ブケレリア属種(Wuchereria spp.)の、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti);
(c)糸状虫科(Filariidae)の線虫、例えば、パラフィラリア属種(Parafilaria spp.)の、多乳頭糸状虫(Parafilaria multipapillosa);ステファノフィラリア属種(Stephanofilaria spp.)の、ステファノフィラリア・アッサムエンシス(Stephanofilaria assamensis)、ステファノフィラリア・デドエシー(Stephanofilaria dedoesi)、ステファノフィラリア・カエリー(Stephanofilaria kaeli)、沖縄糸状虫(Stephanofilaria okinawaensis)、ステファノフィラリア・スティレシー(Stephanofilaria stilesi)。
【0214】
(11)旋尾線虫目(Spirurida)の線虫類
(a)顎口虫科(Gnathostomatidae)の線虫、例えば、顎口虫属種(Gnathostoma spp.)の、顎口虫(Gnathostoma doloresi)、有棘顎口虫(Gnathostoma spinigerum);
(b)ハブロネーマ科(Habronematidae)の線虫、例えば、ハブロネーマ属種(Habronema spp.)の、小口胃虫(Habronema majus)、小口胃虫(Habronema microstoma)、蠅馬胃虫(Habronema muscae);ドラスキア属種(Draschia spp.)の、大口馬胃虫(Draschia megastoma);
(c)フィザロプテラ科(Physalopteridae)の線虫、例えば、フィサロプテラ属種(Physaloptera spp.)の、犬胃虫(Physaloptera canis)、キツネ胃虫(Physaloptera cesticillata)、フィサロプテラ・エルドシオーナ(Physaloptera erdocyona)、フィサロプテラ・フェリディス(Physaloptera felidis)、エジプト猫胃虫(Physaloptera gemina)、フィサロプテラ・パピロラディラータ(Physaloptera papilloradiata)、猫胃虫(Physaloptera praeputialis)、フィサロプテラ・シュードプラエルティアリス(Physaloptera pseudopraerutialis)、ラーラ胃虫(Physaloptera rara)、フィサロプテラ・シビリカ(Physaloptera sibirica)、フィサロプテラ・ブルピニウス(Physaloptera vulpineus);
(d)ゴンギロネマ科(Gongylonematidae)の線虫、例えば、ゴンギロネマ属種(Gongylonema spp.)の、美麗食道虫(Gongylonema pulchrum);
(e)スピロセルカ科(Spirocercidae)の線虫、例えば、アスカロプス属種(Ascarops spp.)の、類円豚胃虫(Ascarops strongylina);
(f)テラジア科(Thelaziidae)の線虫、例えば、テラジア属種(Thelazia spp.)の、東洋眼虫(Thelazia callipaeda)、テラジア・グローサ(Thelazia gulosa)、涙眼虫(Thelazia lacrymalis)、ロデシア眼虫(Thelazia rhodesi)、スクリャービン眼虫(Thelazia skrjabini)。
【0215】
〔その他の有害生物についての防除剤〕
本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、その他にも、毒針や毒液を持ち、人獣に被害を加える害虫、各種の病原体・病原菌を媒介する害虫、人に不快感を与える害虫(有毒害虫・衛生害虫・不快害虫など)の防除効果に優れている。
【0216】
以下に、その具体例を示す。
(1)ハチ目(Hymenoptera)の害虫
ミフシババチ科(Argidae)のハチ、タマバチ科(Cynipidae)のハチ、マツハバチ科(Diprionidae)のハチ、アリ科(Formicidae)のアリ、アリバチ科(Mutillidae )のハチ、スズメバチ科(Vespidae)のハチ。
【0217】
(2)その他の害虫
ゴキブリ類(Blattodea)、シロアリ類(termite)、クモ類(Araneae)、ムカデ類(cetipede)、ヤスデ類(millipede)、甲殻類(crustacea)、南京虫(Cimex lectularius)。
【0218】
〔製剤処方〕
本発明の有害生物防除剤、殺虫もしくは殺ダニ剤、外部寄生虫防除剤または内部寄生虫防除もしくは駆除剤の製剤処方を若干示すが、添加物および添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。製剤処方中の部は重量部を示す。
【0219】
以下に農園芸用および水稲用の製剤処方を示す。
【0220】
(製剤1:水和剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物40部、珪藻土53部、高級アルコール硫酸エステル4部、およびアルキルナフタレンスルホン酸塩3部を均一に混合して微細に粉砕して、有効成分40%の水和剤を得る。
【0221】
(製剤2:乳剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物30部、キシレン33部、ジメチルホルムアミド30部、およびポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル7部を混合溶解して、有効成分30%の乳剤を得る。
【0222】
(製剤3:粒剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物5部、タルク40部、クレー38部、ベントナイト10部、およびアルキル硫酸ソーダ7部を均一に混合して微細に粉砕後、直径0.5~1.0mmの粒状に造粒して有効成分5%の粒剤を得る。
【0223】
(製剤4:粒剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物5部、クレー73部、ベントナイト20部、ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩1部、およびリン酸カリウム1部をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0224】
(製剤5:懸濁剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物10部、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル4部、ポリカルボン酸ナトリウム塩2部、グリセリン10部、キサンタンガム0.2部、および水73.8部を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0225】
以下に外部寄生虫防除剤、または内部寄生虫防除もしくは駆除剤の製剤処方を示す。
【0226】
(製剤6:顆粒剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物5部を有機溶媒中で溶解させて溶液を得、該溶液をカオリン94部およびホワイトカーボン1部の上に噴霧し、次いで溶媒を減圧下蒸発させる。この種の顆粒は動物の餌と混合できる。
【0227】
(製剤7:注入剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物0.1~1部とラッカセイ油99~99.9部を均一に混合し、次いで滅菌フィルターによりろ過滅菌する。
【0228】
(製剤8:ポアオン剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物5部、ミリスチン酸エステル10部、およびイソプロパノール85部を均一に混合してポアオン剤を得る。
【0229】
(製剤9:スポットオン剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物10~15部、パルミチン酸エステル10部、およびイソプロパノール75~80部を均一に混合してスポットオン剤を得る。
【0230】
(製剤10:スプレー剤)
本発明のヘテロアリールアゾール化合物1部、プロピレングリコール10部、およびイソプロパノール89部を均一に混合してスプレー剤を得る。
【0231】
次に、実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
【0232】
〔実施例1〕
5’-(エチルスルホニル)-6’-(5-メチル-1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)-2,3’-ビピリジン〔5'-(ethylsulfonyl)-6'-(5-methyl-1-(2,2,3,3,3-pentafluoropropyl)-1H-imidazol-4-yl)-2,3'-bipyridine〕(化合物番号c-1)の合成
【0233】
(工程1)1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン〔1-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)propan-1-one〕の合成
【化14】
5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピコリノニトリル(1.0g)をジエチルエーテル(8.2ml)に溶解させ、反応系内を窒素で置換した後、-10℃に冷却した。これにエチルマグネシウムブロミド(1.0M,テトラヒドロフラン溶液,4.9ml)を滴下し、-10℃で30分間撹拌した後、室温まで昇温し、室温で1時間撹拌した。これに2M塩酸(10ml)を加え、室温で15分間撹拌した。得られた液を2M水酸化ナトリウム水溶液でpH=8に調整し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮することによって目的物1.2g(収率quant.)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.38 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 3.15 (q, 2H), 2.88 (q, 2H), 1.38 (t, 3H), 1.18 (t, 3H).
【0234】
(工程2)1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン オキシム〔1-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)propan-1-one oxime〕の合成
【化15】
1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン(0.50g)をエタノール(9.1ml)に溶解させ、室温で撹拌した。これにヒドロキシルアミン塩酸塩(0.15g)と酢酸ナトリウム(0.22g)を加え、60℃で7時間撹拌した。得られた液を水に注ぎ、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣(0.53g)を精製せずに次工程へ用いた。
【0235】
(工程3)1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン O-トシル オキシム〔1-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)propan-1-one O-tosyl oxime〕の合成
【化16】
工程2で得られた濃縮物(1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン オキシム含有)をピリジン(5.5ml)に溶解させ、室温で撹拌した。これに塩化パラトルエンスルホニル(0.52g)を加え、室温で18時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.27g(収率34%,2工程)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.42 (d, 1H), 7.82 (d, 2H), 7.77 (d, 1H), 7.31 (d, 2H), 2.92 (q, 2H), 2.59 (q, 2H), 2.44 (s, 3H), 1.29 (t, 3H), 1.07 (t, 3H).
【0236】
(工程4)2-アミノ-1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン〔2-amino-1-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)propan-1-one〕の合成
【化17】
ナトリウムエトキシド(20%,エタノール溶液,0.084g)をエタノール(1.1ml)に溶解させ、0℃で撹拌した。これに1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン O-トシル オキシム(0.10g)のエタノール溶液(1.2ml)を滴下し、室温で3時間撹拌した。得られた液をセライトろ過した。得られたろ液に2M塩酸(2.0ml)を加え、室温で30分間撹拌した。得られた液を水に注ぎ、1M塩酸と水で抽出した。得られた水層を減圧濃縮することによって目的物0.060g(収率92%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 8.60 (d, 1H), 8.13 (d, 1H), 5.06 (m, 1H), 3.04 (q, 2H), 1.39 (d, 3H), 1.24 (t, 3H).
【0237】
(工程5)4-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)-5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-チオン〔4-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)-5-methyl-1,3-dihydro-2H-imidazole-2-thione〕の合成
【化18】
2-アミノ-1-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)プロパン-1-オン(0.10g)をトルエン(3.5ml)に溶解させ、室温で撹拌した。これにチオシアン酸カリウム(0.17g)と塩化アンモニウム(0.092g)を加え、110℃で4時間撹拌した。室温まで放冷後、得られた液を水に注ぎ、析出固体をろ過した。得られた固体を減圧乾燥することによって目的物0.057g(収率50%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 12.08 (brs, 1H), 11.99 (brs, 1H), 8.46 (d, 1H), 7.97 (d, 1H), 3.00 (q, 2H), 1.90 (s, 3H), 1.17 (t, 3H).
【0238】
(工程6)5-ブロモ-3-(エチルチオ)-2-(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylthio)-2-(5-methyl-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化19】
4-(5-ブロモ-3-(エチルチオ)ピリジン-2-イル)-5-メチル-1,3-ジヒドロ-2H-イミダゾール-2-チオン(0.050g)を水(1.4ml)に懸濁させ、室温で撹拌した。これに硝酸(0.15ml)を加え、110℃で1.5時間撹拌した。室温まで放冷後、得られた液を30%水酸化ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られた液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.030g(収率66%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 12.43 (brs, 1H), 8.70 (d, 1H), 8.26 (d, 1H), 7.69 (s, 1H), 3.29 (q, 2H), 2.52 (s, 3H), 1.08 (t, 3H).
【0239】
(工程7)5-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-2-(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)-2-(5-methyl-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化20】
5-ブロモ-3-(エチルチオ)-2-(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン(0.10g)をジクロロメタン(6.7ml)とメタノール(0.34ml)の混合溶媒に溶解させ、0℃で撹拌した。これにメタクロロ過安息香酸(70%,0.18g)を加え、室温で2時間撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られた液を減圧濃縮することによって目的物0.11g(収率99%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, DMSO-d
6): δ 12.28 (brs, 1H), 8.93 (d, 1H), 8.38 (d, 1H), 7.62 (s, 1H), 4.15 (q, 2H), 2.32 (s, 3H), 1.17 (t, 3H).
【0240】
(工程8)5-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-2-(5-メチル-1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)-2-(5-methyl-1-(2,2,3,3,3-pentafluoropropyl)-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化21】
5-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-2-(5-メチル-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン(1.0g)をN,N-ジメチルホルムアミド(30ml)に溶解させ、0℃で撹拌した。これに2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピルトリフルオロメタンスルホナート(1.3g)と炭酸セシウム(1.5g)を加え、室温で18時間撹拌した。得られた液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られた液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物1.1g(収率81%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 8.85 (d, 1H), 8.57 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.48 (t, 2H), 3.95 (q, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.33 (t, 3H).
【0241】
(工程9)5’-(エチルスルホニル)-6’-(5-メチル-1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)-2,3’-ビピリジン〔5'-(ethylsulfonyl)-6'-(5-methyl-1-(2,2,3,3,3-pentafluoropropyl)-1H-imidazol-4-yl)-2,3'-bipyridine〕の合成
【化22】
5-ブロモ-3-(エチルスルホニル)-2-(5-メチル-1-(2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル)-1H-イミダゾール-4-イル)ピリジン(0.20g)をジオキサン(4.3ml)に溶解させ、反応系内を窒素で置換した後、室温で撹拌した。これにトリブチル(2-ピリジル)スズ(0.22g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.030g)、ヨウ化銅(I)(0.016g)を加え、加熱還流下で18時間撹拌した。得られた液を飽和フッ化カリウム水溶液に注ぎ、セライトろ過した。得られた液を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。得られた液を減圧濃縮し、得られた濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.16g(収率78%)を得た。
得られた目的物の
1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400 MHz, CDCl
3): δ 9.47 (d, 1H), 9.01 (d, 1H), 8.77-8.75 (m, 1H), 7.85-7.84 (m, 2H), 7.57 (s, 1H), 7.36-7.32 (m, 1H), 4.50 (t, 2H), 3.96 (q, 2H), 2.41 (s, 3H), 1.35 (t, 3H).
【0242】
〔実施例2〕
(Z)‐5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(2,3,3,4,4,5,5,5‐オクタフルオロペンタ‐1‐エン‐1‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔(Z)-5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(2,3,3,4,4,5,5,5-octafluoropent-1-en-1-yl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕(化合物番号b-1)の合成
【0243】
(工程1)5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピコリノニトリル〔5‐bromo‐3‐(ethylthio)picolinonitrile〕の合成
【化23】
5‐ブロモ‐3‐ニトロピコリノニトリル(1g)をテトラヒドロフラン(22ml)へ溶解させ、反応容器を窒素で置換した後、-5℃に冷却し撹拌した。これにca.60%水素化ナトリウム(0.2g)を加え5分間撹拌した後に、エチルメルカプタン(0.27g)を滴下し-5℃で30分間撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.90g(収率84%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.50 (1H, d), 7.83 (1H, d), 3.07 (2H, q), 1.41 (3H, t).
【0244】
(工程2)5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)ピコリノニトリル〔5‐bromo‐3‐(ethylsulfonyl)picolinonitrile〕の合成
【化24】
5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピコリノニトリル(149g)をジクロロメタン(1800ml)へ溶解させ、0℃に冷却し撹拌した。これに70%メタクロロ過安息香酸(333g)を加え、室温で一晩撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物167g(収率99%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 9.26 (1H, d), 8.72 (1H, d), 3.60 (2H, q), 1.23 (3H, t).
【0245】
(工程3)5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)ピコリノニトリル〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)picolinonitrile〕の合成
【化25】
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)ピコリノニトリル(1.0g)をキシレン(16ml)へ溶解させ、反応容器をアルゴンで置換した後、室温で撹拌した。これにカリウムシクロプロピルトリフルオロボラート(1.3g)、酢酸パラジウム(II)(0.16g)、20%トリシクロヘキシルホスフィントルエン溶液(2.0g)、リン酸三カリウム(4.1g)、水(2ml)を加え、110℃で一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.75g(収率89%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.68 (1H, d), 7.94 (1H, d), 3.45 (2H, q), 2.10‐2.03 (1H, m), 1.37 (3H, t), 1.35-1.30 (2H, m), 0.98‐0.94 (2H, m).
【0246】
(工程4)5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)ピコリンアミド〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)picolinamide〕の合成
【化26】
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)ピコリノニトリル(0.75g)をアセトン(45ml)へ溶解させ、0℃に冷却した。これに2M水酸化ナトリウム水溶液(6.5ml)と30%過酸化水素水(5ml)を滴下し、室温で一晩撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.69g(収率85%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.51 (1H, d), 8.09 (1H, d), 5.73 (2H, br s), 3.88 (2H, q),2.09‐2.02 (1H, m), 1.33 (3H, t), 1.24‐1.19 (2H, m), 0.92‐0.88 (2H, m).
【0247】
(工程5)5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成
【化27】
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)ピコリンアミド(0.69g)へN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(11ml)を加え、加熱還流下で1時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、得られた残渣へ酢酸(14ml)とヒドラジン一水和物(0.16g)を加え、90℃で1時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後に、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.69g(収率85%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 12.21 (1H, br s), 8.65 (1H, d), 8.19 (1H, s), 8.12 (1H, d), 3.96 (2H, q), 2.11‐2.03 (1H, m), 1.33 (3H, t), 1.25‐1.20 (2H, m), 0.94‐0.90(2H, m).
【0248】
(工程6)5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロペンチル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(2,2,3,3,4,4,5,5,5-nonafluoropentyl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕(化合物番号b-2)の合成
【化28】
ca.55%水素化ナトリウム(0.05g)をN,N-ジメチルホルムアミド(10ml)へ懸濁させ、0℃で撹拌した。これに5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン(0.27g)を添加し、0℃で30分間撹拌した。これにWO2005/063694記載の方法で調製したトリフルオロメタンスルホン酸2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロペンチル(0.44g)を滴下し、室温で一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.27g(収率56%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRおよび
19F‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.72 (1H, d), 8.31 (1H, s), 8.05 (1H, d), 4.95 (2H, t), 3.83 (2H, q), 2.10‐2.04 (1H, m), 1.35 (3H, t), 1.23‐1.18 (2H, m), 0.92‐0.88 (2H, m);
19F‐NMR(376 MHz, CDCl
3‐C
6F
6): δ -81.30 (3F, tt), -117.42‐-117.60 (2F, m), -124.24‐-124.40 (2F, m), -126.34‐-136.49 (2F, m).
【0249】
(工程7)(Z)‐5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(2,3,3,4,4,5,5,5‐オクタフルオロペンタ‐1‐エン‐1‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔(Z)-5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(2,3,3,4,4,5,5,5-octafluoropent-1-en-1-yl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成
【化29】
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(2,2,3,3,4,4,5,5,5‐ノナフルオロペンチル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン(0.24g)をテトラヒドロフラン(9ml)へ溶解させ、室温で撹拌した。これに2M水酸化ナトリウム水溶液(1.2ml)を滴下し、60℃で一晩撹拌した。得られた液を飽和塩化アンモニウム水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.14g(収率62%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRおよび
19F‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.73 (1H, d), 8.72 (1H, d), 8.05 (1H, d), 7.41 (1H, d), 3.87 (2H, q), 2.12‐2.05 (1H, m), 1.37 (3H, t), 1.25‐1.20 (2H, m), 0.94‐0.90 (2H, m);
19F‐NMR(376 MHz, CDCl
3‐C
6F
6): δ -81.01 (3F, t), -119.28‐-119.39 (2F, m), -127.35‐-127.40 (2F, m), -133.46‐-133.70 (1F, m).
【0250】
〔実施例3〕
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(5‐(トリフルオロメチル)ピリジン‐2‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(5-(trifluoromethyl)pyridin-2-yl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成(化合物番号d-4)の合成
【0251】
(工程1)5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)ピコリンアミド〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)picolinamide〕の合成
【化30】
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)ピコリノニトリル(1.0g)をアセトン(50ml)へ溶解させ、0℃に冷却した。これに2M水酸化ナトリウム水溶液(8.0ml)と30%過酸化水素水(6.0ml)を滴下し、室温で一晩撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.93g(収率88%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.82 (1H, d), 8.68 (1H, d), 7.16 (1H, br s), 5.78 (1H, br s), 3.90 (2H, q), 1.36 (3H, t).
【0252】
(工程2)5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)-2-(1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成
【化31】
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)ピコリンアミド(0.93g)へN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(13ml)を加え、加熱還流下で1時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、得られた残渣へ酢酸(16ml)とヒドラジン一水和物(0.19g)を加え、90℃で1時間撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後に、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.53g(収率52%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 11.72 (1H, br s), 8.95 (1H, d), 8.72 (1H, d), 8.24 (1H, s), 4.03 (2H, q), 1.37 (3H, t).
【0253】
(工程3)5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(5‐(トリフルオロメチル)ピリジン‐2‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(5-(trifluoromethyl)pyridin-2-yl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成
【化32】
ca.55%水素化ナトリウム(0.084g)をN,N-ジメチルホルムアミド(16ml)へ懸濁させ、0℃で撹拌した。これに5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン(0.50g)を添加し、0℃で30分間撹拌した。これに2‐クロロ‐5‐(トリフルオロメチル)ピリジン(0.34g)を添加し、100℃で4時間撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.22g(収率29%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 9.32 (1H, s), 9.05 (1H, d), 8.78 (1H, s), 8.67 (1H, d), 8.18-8.10 (2H, m), 3.98 (2H, q), 1.43 (3H, t).
【0254】
(工程4)5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(5‐(トリフルオロメチル)ピリジン‐2‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(5-(trifluoromethyl)pyridin-2-yl)-1H-1,2,4-triazol-3-yl)pyridine〕の合成
【化33】
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(5‐(トリフルオロメチル)ピリジン‐2‐イル)‐1H‐1,2,4‐トリアゾール‐3‐イル)ピリジン(0.11g)をキシレン(2.2ml)へ溶解させ、反応容器をアルゴンで置換した後、室温で撹拌した。これにカリウムシクロプロピルトリフルオロボラート(0.089g)、酢酸パラジウム(II)(0.011g)、20%トリシクロヘキシルホスフィントルエン溶液(0.13g)、リン酸三カリウム(0.27g)、水(0.22ml)を加え、110℃で一晩撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.075g(収率74%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 9.30 (1H, s), 8.76 (1H, s), 8.75 (1H, d), 8.16-8.11 (2H, m),8.08 (1H, d), 3.93 (2H, q), 2.13‐2.06 (1H, m), 1.39 (3H, t), 1.28-1.20 (2H, m), 0.95-0.90 (2H, m).
【0255】
〔実施例4〕
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(4-(trifluoromethoxy)phenyl)-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成(化合物番号d-19)の合成
【0256】
(工程1)
2‐ブロモ‐1‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)エタン‐1‐オン〔2‐bromo‐1‐(5‐bromo‐3‐(ethylthio)pyridin‐2‐yl)ethan‐1‐one〕の合成
【化34】
1‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)エタン‐1‐オン(1.95g)をテトラヒドロフラン(40ml)へ溶解させた後、フェニルトリメチルアンモニウムトリブロミドを加え、50℃で一晩撹拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物1.02g(収率40%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.41 (1H, d), 7.80 (1H, d), 4.77 (2H, s), 2.93 (2H, q), 1.42 (3H, t).
【0257】
(工程2)
1‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)‐2‐((4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)エタン‐1‐オン〔1-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)-2-((4-(trifluoromethoxy)phenyl)amino)ethan-1-one〕の合成
【化35】
2‐ブロモ‐1‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)エタン‐1‐オン(1.36g)をN,N-ジメチルホルムアミド(20ml)へ溶解させ、0℃に冷却し撹拌した。これに4‐(トリフルオロメトキシ)アニリン(0.78g)、炭酸カリウム(0.66g)を加え、室温で3時間撹拌した。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をヘキサンで洗浄することによって目的物1.46g(収率83%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.44 (1H, d), 7.82 (1H, d), 7.06 (2H, d), 6.67 (2H, d), 4.94-4.87 (1H, brs), 4.75 (2H, d), 2.95 (2H, q), 1.43 (3H, t).
【0258】
(工程3)
4‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)‐1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3‐ジヒドロ‐2H‐イミダゾール‐2‐チオン〔4-(5-bromo-3-(ethylthio)pyridin-2-yl)-1-(4-(trifluoromethoxy)phenyl)-1,3-dihydro-2H-imidazole-2-thione〕の合成
【化36】
1‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)‐2‐((4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)アミノ)エタン‐1‐オン(1.46g)を酢酸(10ml)へ溶解させた。これにチオシアン酸カリウム(0.65g)を加え、100℃で30分撹拌した。得られた液を減圧濃縮し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で中和した後に、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をジエチルエーテルで洗浄することによって目的物0.66g(収率41%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 10.30-10.19 (1H, br), 8.45 (1H, d), 7.83 (1H, d), 7.79-7.74 (3H, m), 7.40-7.35 (2H, m), 3.07 (2H, q), 1.40 (3H, t).
【0259】
(工程4)
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルフィニル)‐2‐(1(4‐トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfinyl)-2-(1-(4-(trifluoromethoxy)phenyl)-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化37】
4‐(5‐ブロモ‐3‐(エチルチオ)ピリジン‐2‐イル)‐1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)-1,3‐ジヒドロ‐2H‐イミダゾール‐2‐チオン(0.66g)を水(9ml)に懸濁させた。これに発煙硝酸(1ml)を加え、加熱還流下で1時間撹拌した。得られた液を25%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣を精製せずに次工程へ用いた。
【0260】
(工程5)
5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジン〔5-bromo-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(4-(trifluoromethoxy)phenyl)-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化38】
工程4で得られた5‐ブロモ‐3‐(エチルスルフィニル)‐2‐(1(4‐トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジンをジクロロメタンに溶解させ、0℃で攪拌した。これにメタクロロ過安息香酸(70%,0.37g)を加え室温で1時間攪拌した。得られた液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液の混合溶液へ注加し、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.56g(収率35%,2工程)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.85 (1H, d), 8.64 (1H, d), 8.00 (1H, d), 7.91 (1H, d), 7.54-7.48 (2H, m), 7.42-7.35 (2H, m), 4.00 (2H, q), 1.35 (3H, t).
【0261】
(工程6)
5‐シクロプロピル‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジン〔5-cyclopropyl-3-(ethylsulfonyl)-2-(1-(4-(trifluoromethoxy)phenyl)-1H-imidazol-4-yl)pyridine〕の合成
【化39】
マイクロウェーブ合成用反応容器に5‐ブロモ‐3‐(エチルスルホニル)‐2‐(1‐(4‐(トリフルオロメトキシ)フェニル)‐1H‐イミダゾール‐4‐イル)ピリジン(0.13g)とトルエン(4ml)を加えた。これにシクロプロピルボロン酸(0.070g)、酢酸パラジウム(II)(0.0070g)、トリ(o‐トリル)ホスフィン(0.018g)、炭酸カリウム(0.11g)、水(0.5ml)を加え、マイクロウェーブ合成装置にて120℃で1時間反応させた。得られた液を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過した。ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することによって目的物0.080g(収率67%)を得た。
得られた目的物の
1H‐NMRを以下に示す。
1H‐NMR (CDCl
3) δ: 8.62 (1H, d), 8.08 (1H, d), 7.93 (1H, d), 7.90 (1H, d), 7.54-7.48 (2H, m), 7.40-7.34 (2H, m), 3.84 (2H, q), 2.07-1.99 (1H, m), 1.30 (3H, t), 1.19-1.12 (2H, m), 0.90-0.83 (2H, m).
【0262】
前記の実施例と同様の方法で製造した本発明のヘテロアリールアゾール化合物の例を表1~表4に示す。表1は式(I-1)で表される化合物の置換基を示す。表2は式(III-1)で表される化合物の置換基を示す。化合物の物性データを「物性」の欄に記入した。物性データとしては、性状、融点(m.p.)を記載した。Rが置換若しくは無置換のC1~6アルケニル基である場合にその二重結合の配置を「立体配置」の欄に記入した。「E」はE配置であることを示し、「Z」はZ配置であることを示し、「E/Z」は化合物が両配置の化合物の混合物であることを示す。
尚、表中のMeはメチル基を、Etはエチル基を、CPrはシクロプロピル基を示す。
【0263】
【0264】
【0265】
【0266】
【0267】
【0268】
【0269】
表1~3に示した化合物のうち、粘性オイルまたはアモルファスの物性化合物については、1H-NMRデータを以下に示す。
化合物番号(a-18):1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.06 (1H, s), 8.71 (1H, s), 7.59 (1H, s), 4.05 (2H, q), 2.49 (3H, s), 1.38 (3H, t).
化合物番号(a-19):1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 9.09 (1H, s), 8.71 (1H, s), 7.74 (1H, s), 6.40 (1H, d), 3.97 (2H, q), 2.50 (3H, s), 1.36 (3H, t).
化合物番号(b-21):1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.72 (2H, dd), 8.05 (1H, d), 7.38 (1H, d), 6.10 (1H, tt), 3.88 (2H, q), 2.12-2.04 (1H, m), 1.37 (3H, t), 1.30-1.16 (2H, m), 0.96-0.87 (2H, m).
化合物番号(b-23):1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.73 (1H, d), 8.62 (1H, s), 8.06 (1H, d), 6.65 (1H, ddd), 3.76 (2H, q), 2.12-2.05 (1H, m), 1.36 (3H, t), 1.26-1.21 (2H, m), 0.93-0.89 (2H, m).
化合物番号(c-4):1H-NMR(400MHz,CDCl3):δ 8.85 (d, 1H), 8.57 (d, 1H), 7.54 (s, 1H), 4.48 (t, 2H), 3.95 (q, 2H), 2.37 (s, 3H), 1.33 (t, 3H).
【0270】
〔生物試験〕
本発明のヘテロアリールアゾール化合物が、有害生物防除剤および外部寄生虫防除剤の有効成分として有用であることを以下の試験例で示す。なお「部」は重量基準である。
【0271】
(試験用乳剤の調製)
本発明ヘテロアリールアゾール化合物5部、ジメチルホルムアミド93.6部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.4部を混合溶解し、有効成分5%の乳剤(I)を調製した。
対照のために、ジメチルホルムアミド98.5部、およびポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル1.5部を混合溶解して乳剤(II)を調製した。
【0272】
殺虫率は、下記の式により計算した。
殺虫率(%)=(死亡虫数/供試虫数)×100
【0273】
(試験例1)アワヨトウに対する効力試験
市販の人工飼料(インセクタLFS、日本農産工業社製)0.8gと乳剤(I)1μlをよく混和して試験用飼料を得た。
プラスチック製試験容器(1.4ml容)に、各処理区当り0.2gの試験用飼料を詰めた。次いでアワヨトウ2齢幼虫を各処理区当り2頭接種した。プラスチック製の蓋を、アワヨトウ2齢幼虫が逃げ出さないように試験容器に載せた。それを25℃の恒温室内に置き、第5日目に殺虫率と摂食量を調べた。試験は2反復で行った。
【0274】
対照区として、乳剤(I)を乳剤(II)に変えた以外は試験例1と同じ方法で、殺虫率と摂食量を調べた。
【0275】
化合物番号a-4、a-5、a-14、a-15、a-16、a-17、b-3、b-10、b-12、b-20、b-22、c-1、c-2、c-5、c-6、d-3、d-4、d-5、d-6、d-9、d-10、d-11、d-13、d-14、d-15、d-16d-19、d-20、d-24、d-25、d-26およびd-27の化合物について、アワヨトウに対する効力試験を行った。いずれの化合物もアワヨトウに対する殺虫率が100%または摂食量が対照区比で10%以下であった。本発明ヘテロアリールアゾール化合物はアワヨトウに対して有効であることがわかる。
【0276】
(試験例2)コナガに対する効力試験
乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。キャベツ葉を前記希釈液中に30秒間浸漬した。このキャベツ葉をシャーレに入れた。これにコナガ2齢幼虫5頭を放した。シャーレを温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。放虫から3日間経過したときに生死判定を行い、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。
【0277】
化合物番号a-3、a-4、a-13、a-14、a-15、a-16、a-17、b-3、b-10、b-12、b-21、b-22、b-25、c-5、c-8、c-9、d-1、d-4、d-5、d-6、d-7、d-15、d-16、d-19、d-20、d-22、d-23、d-24、d-25、d-26およびd-27の化合物について、コナガに対する効力試験を行った。いずれの化合物もコナガに対して80%以上の殺虫率を示した。
【0278】
(試験例3)マメアブラムシに対する効力試験
3寸鉢でササゲを育苗し、初生葉上にマメアブラムシ若虫を接種した。乳剤(I)を本発明化合物が125ppmになるように水で希釈し、マメアブラムシ若虫が寄生するササゲに前記希釈液を散布した。該ササゲを温度25℃、湿度60%の恒温室内に置いた。散布から4日間経過したときにマメアブラムシの生死判定を行い、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。
【0279】
化合物番号a-4、a-5、a-6、a-7、a-8、a-9、a-10、a-14、a-15、a-16、a-17、b-3、b-4、b-5、b-8、b-10、b-12、b-13、b-14、b-20、b-22、b-23、b-24、b-25、c-1、c-2、c-3、c-4、c-5、c-6、c-7、d-3、d-4、d-6、d-10、d-11、d-14、d-16、d-18、d-19、d-20、d-21、d-22、d-24、d-25、d-26およびd-27の化合物について、マメアブラムシに対する効力試験を行った。いずれの化合物もマメアブラムシに対して80%以上の殺虫率を示した。
【0280】
(試験例4)キスジノミハムシに対する効力試験
乳剤(I)を本発明化合物が125ppmとなるように水で希釈し、試験用薬液を調製した。3寸鉢に植えたチンゲンサイ苗(第7本葉展開期)に前記試験用薬液を散布した。チンゲンサイ苗を風乾させ、次いでプラスチックカップに入れた。これに、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)成虫10頭を放した。温度25℃、湿度65%の恒温室内で保管し、放虫から7日後に生死判定を行い、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。
【0281】
化合物番号a-3、a-13、a-14、b-3、b-8、b-10、b-12、b-13、c-5、c-8、c-9、d-1、d-6、d-7、d-19、d-20およびd-22の化合物について、キスジノミハムシ成虫に対する効力試験を行った。いずれの化合物もキスジノミハムシ成虫に対して80%以上の殺虫率を示した。
【0282】
(試験例5)トビイロウンカに対する効力試験
乳剤(I)を、本発明化合物の濃度が125ppmになるように水で希釈した。該希釈液にイネ幼苗を30秒間浸漬した。イネ幼苗を風乾させ、次いでプラスチックケースに入れた。これに、トビイロウンカ2齢幼虫5頭を放した。温度25℃、湿度65%の恒温室内で保管し、接種から7日後に生死判定を行い、殺虫率を算出した。試験は2反復で行った。
【0283】
化合物番号a-3、a-4、a-13、a-17、c-8、c-9およびd-25の化合物について、トビイロウンカに対する効力試験を行った。いずれの化合物もトビイロウンカに対して80%以上の殺虫率を示した。
【0284】
本発明のヘテロアリールアゾール化合物の中から無作為に選択したものが、いずれも上記のような効果を奏することから、本発明のヘテロアリールアゾール化合物は、例示しきれなかった化合物を含め、有害生物防除、特に殺ダニ、殺虫などの効果を有する化合物であることが理解できる。また、外部寄生虫などの人畜に害のある寄生虫にも効果を有する化合物であることが理解できる。