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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】芳香システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/50 20210101AFI20230719BHJP
   B60H 3/00 20060101ALI20230719BHJP
   F24F 1/008 20190101ALI20230719BHJP
   F24F 11/56 20180101ALI20230719BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20230719BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20230719BHJP
【FI】
F24F8/50
B60H3/00 J
F24F1/008
F24F11/56
F24F11/63
F24F11/72
【請求項の数】 25
(21)【出願番号】P 2020544171
(86)(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-21
(86)【国際出願番号】 GB2018053215
(87)【国際公開番号】W WO2019086910
(87)【国際公開日】2019-05-09
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】1718324.5
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】62/598,510
(32)【優先日】2017-12-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520158791
【氏名又は名称】ゼナウラ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ZENAURA LIMITED
【住所又は居所原語表記】3 Vicarage Crescent London SW11 3LP Great Britain
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】メイン, ディビッド
(72)【発明者】
【氏名】ジャクソン, スティーブン
(72)【発明者】
【氏名】リディフォード, マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー, ベン
(72)【発明者】
【氏名】チャン, ジョナサン
【審査官】杉山 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-296980(JP,A)
【文献】国際公開第2017/053553(WO,A1)
【文献】特開2015-097695(JP,A)
【文献】特開2000-189503(JP,A)
【文献】特開平04-332322(JP,A)
【文献】国際公開第2016/205836(WO,A1)
【文献】特開2005-224504(JP,A)
【文献】特表2011-508621(JP,A)
【文献】特表2017-502793(JP,A)
【文献】特開2001-086918(JP,A)
【文献】実開平06-062919(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 8/50
B60H 3/00
F24F 1/008
F24F 11/56
F24F 11/63
F24F 11/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
部屋、建物または他の環境のための芳香システムであって、前記システムが、(a)上面を有するスタンドまたは他の形態のベースと、(b)1つ以上の携帯芳香物体とを含み、各携帯芳香物体が、芳香を提供し、ユーザが前記スタンドまたはベースの任意の部分を分解する必要なく前記スタンドまたはベースの前記上面に置かれるように構成され、前記スタンドまたはベースが、前記芳香物体のうちの1つ以上から芳香を放出するように配置される1つ以上のファンまたは他の空気移動システムを含み、前記携帯芳香物体が、芳香注入基板またはポリママトリックスと、1つ以上のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換して、前記ドックから上昇するように空気ノズルまたは開口部をトリガするIDチップまたはデバイスとを含み、前記物体が、前記空気ノズルまたは開口部と係合するように構成される、芳香システム。
【請求項2】
前記携帯芳香物体が、単一の前記芳香注入ポリママトリックスのみを含み、前記物体が、前記スタンドまたはベース内に配置される1つ以上のファンまたは他の空気移動システムから吹き付けられた空気が、前記単一の芳香注入ポリママトリックスの表面の上を通過して、部屋、建物または他の環境に出ることができるように構成される、請求項1に記載の芳香システム。
【請求項3】
前記携帯芳香物体が、単一の前記芳香注入ポリママトリックスを包含するかまたは覆う壁を有し、前記ポリママトリックスが、ファンからの流入空気にさらされる前記ポリママトリックスの表面積を増やすために、前記流入空気を前記ポリママトリックス内の流路、溝、アーチまたは他の特徴物に誘導するように形作られた、または曲線を付けて作られた表面を有する、請求項1または2に記載の芳香システム。
【請求項4】
前記携帯芳香物体が、前記スタンドまたはベースの前記上面に置かれるように形作られた下面を有する滑らかな丸みのある小石状または平坦な卵形のような形状であり、(a)前記芳香注入基板またはポリママトリックスを包含するかまたは覆う壁および/またはベースと、(b)前記基板またはポリママトリックスの外面と前記壁および/またはベースの内面との間に1つ以上の空気通路とを有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項5】
前記携帯芳香物体が、前記芳香注入基板またはポリママトリックスと、前記芳香物体を認証し、したがって、前記芳香物体を使用してファンの動作を可能にするために、1つ以上のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換する前記IDチップまたはデバイスとを含む、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項6】
前記携帯芳香物体が、前記芳香注入基板またはポリママトリックスと、前記携帯芳香物体が十分に近いときにドック内の光または照明をトリガするために、1つ以上のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類の前記ドックとデータを交換する前記IDチップまたはデバイスとを含む、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項7】
前記IDチップまたはデバイスは、ワイヤレスチップである、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項8】
前記携帯芳香物体が、前記物体からの芳香の実質的な漏出を防ぐために、前記スタンドまたはベースにしっかりと置かれ前記スタンドまたはベースに密着する重さを有する、請求項1乃至3及び5乃至7のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項9】
前記携帯芳香物体が、4cm~10cmの間の長さの最長寸法を有する略滑らかな表面の小石サイズの物体である、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項10】
前記携帯芳香物体が、30mm~100mmの間の高さであり、20mm~80mmの間の幅である、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項11】
前記携帯芳香物体が、芳香を含浸させたEVA(エチレンビニルアセテート)などの前記ポリママトリックスを囲む透明または半透明の殻を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項12】
前記携帯芳香物体が、10mL~50mLの間の実体積のポリママトリックスを有する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項13】
前記ポリママトリックスが、20mm×10mm×5mmと80mm×60mm×40mmとの間であり、約20mLまたは20cmの実体積を有する、請求項1乃至12のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項14】
新品時の前記ポリママトリックスの表面積が、2000mm~20000mmの範囲内にある、請求項1乃至13のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項15】
前記芳香物体用の前記ファンまたは空気移動システムを作動させるために、ユーザが、前記芳香物体を手に取って前記スタンドに戻す、請求項1乃至14のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項16】
ユーザが、前記スタンドから前記芳香物体を手に取ると、特定の前記芳香物体用の前記スタンド内の空気ノズルが持ち上げられる、または持ち上げられたままとなって、前記ユーザが前記持ち上げられた空気ノズルの上に前記芳香物体を置くように前記芳香物体を前記スタンドに戻すとそれが作動することを示す、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項17】
空気が前記芳香物体の表面の上または前記芳香物体の中を通過し、前記芳香物体から芳香を吸い上げて周囲に放出することができるように、芳香が前記芳香物体から放出されるとき、前記携帯芳香物体が前記スタンドまたはベースから機械的に持ち上げられる、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項18】
前記スタンドまたはベース内の前記空気ノズルが、空気が前記携帯芳香物体を通して吹き付けられると、前記空気ノズルを持ち上げて前記携帯芳香物体と係合させる支持物または部材に固定され、前記空気ノズルまたは他のカムはまた、前記携帯芳香物体または前記携帯芳香物体の一部を持ち上げて、芳香性空気を前記携帯芳香物体から逃がすことを可能にする、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項19】
前記スタンドまたはベース内の前記空気ノズルが、支持物または部材に固定され、前記支持物または部材は、前記携帯芳香物体を通してまたはその周りに空気が吹き付けられる場合に、前記空気ノズルを持ち上げて前記携帯芳香物体と係合させ、前記携帯芳香物体を通してまたはその周りに空気がもはや吹き付けられない場合に、前記空気ノズルを係合から外す、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項20】
前記スタンドまたはベース内の前記空気ノズルが、前記携帯芳香物体と係合していないとき、前記スタンドまたはベースの前記上面と同一平面に配置される、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項21】
前記スタンドまたはベース内の前記空気ノズルまたは開口部の周りの領域が、携帯芳香物体が前記空気ノズルまたは開口部に十分に近づくと自動的に点灯する、請求項1乃至20のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項22】
前記スタンドまたはベースが、各芳香物体の下に光源を含み、特定の芳香物体用の前記ファンまたは空気移動システムが作動すると、前記光源が作動し、透明または半透明の殻を照らす、請求項1乃至21のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項23】
ユーザのスマートフォンで実行されているアプリが、特定の芳香物体からの芳香の放出をプログラムするために使用される、請求項1乃至22のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項24】
前記スタンドが、前記IDチップに関連付けられた使用範囲の記録を作成または記憶し、芳香物体の予想される前記使用範囲または寿命を大幅に超えた前記IDチップを有する芳香物体では動作しない、請求項1乃至23のいずれか1項に記載の芳香システム。
【請求項25】
ユーザが芳香システムスタンドまたはベースの任意の部分を分解する必要なく前記スタンドまたはベースの上面に置かれるように形作られた又は構成された携帯芳香物体であって、前記携帯芳香物体が、単一の芳香注入ポリママトリックスを含み、前記物体が、前記スタンドまたはベース内に配置される1つ以上のファンまたは他の空気移動システムから吹き付けられた空気が、前記芳香注入ポリママトリックスの上を通過して、部屋、建物または他の環境に出ることができるように構成され、前記携帯芳香物体が、1つ以上のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換して、前記ドックから上昇するように空気ノズルまたは開口部をトリガするIDチップまたはデバイスを含み、前記物体が、前記空気ノズルまたは開口部と係合するように構成される、携帯芳香物体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンアシスト式の芳香システムに関するものであり、このシステムは、部屋、家庭、車、オフィス、または他の環境内で芳香を提供することができる。
【背景技術】
【0002】
家庭及び他の環境のための芳香システムは、典型的には、芳香性空気を運ぶために、その環境の空気の流れに依存しており、例えば、精油の瓶に入れられた多孔質のリードまたはスティック及び香料入りのろうそくは、部屋の芳香付けの一般的な方法である。しかし、それらは制御することが困難である非常に局所的な芳香のみを生成する。精油ディフューザも普及しており、これらは、ユーザが水で充填し、数滴の精油を水に加える水タンクを含み、小型の超音波噴霧器が、芳香性空気の細かい霧を生成する。これらのデバイスはオンとオフを切り替えることができるが、これらのディフューザに水及び精油を定期的に補充することは、やや面倒で不便なことがある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、部屋、建物または他の環境のための芳香システムであり、このシステムは、(a)スタンドまたは他の形態のベース及び(b)1つまたは複数の携帯芳香物体を含み、各携帯芳香物体は芳香を提供し、スタンドまたはベース上に置かれるように構成され、スタンドまたはベースは、1つまたは複数の芳香物体から芳香を放出するように配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムを含む。
【0004】
付録1では、主な機能のより包括的な概要を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
以下の図を参照しながら、本発明の実施様態について説明する。
【0006】
図1】3つの携帯芳香物体がスタンド上に置かれた、本発明の実施態様の画像である。
図2】携帯芳香物体の上面図、底面図、及び分解図である。
図3】スタンド上に置かれた携帯芳香物体の断面図であり、空気経路を示す。
図4】携帯芳香物体の断面図及び底面図である。
図5】スタンドの図である。
図6】ファンユニットを示し、図1に示すスタンドには3つある。
図7】スタンドの分解図である。
図8】スタンド上に置かれた携帯芳香物体の断面図である。
図9】スタンドから持ち上げられた気流経路を示す携帯芳香物体の断面図である。
図10】スタンドに戻し置かれた携帯芳香物体の断面図である。
図11】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図12】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図13】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図14】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図15】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図16】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図17】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図18】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図19】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図20】コンパニオンスマートフォンアプリのスクリーンショットである。
図21】スタンドまたはディフューザの内側の図で、3つのファンユニットを示す。
図22】スタンド/ディフューザの電子機器のシステムレベルの図である。
図23】スタンド/ディフューザ内のコントローラPCBの回路図である。
図24】スタンド/ディフューザ内のモータ制御及びセンサマルチプレクサの回路図である。
図25】携帯芳香物体のLED制御の概略図である。
図26】電源アーキテクチャの回路図である。
図27】RFIDアンテナマルチプレクサの回路図である。
図28】PCBの形状及びスタンドへの配置の例である。
図29】モータ、ファン、気流ディレクタ、及び芳香物体を持ち上げるためのカムを含むファンユニットを示す。
図30】分解されたスタンドと組み立て済みの3つのファンユニットを示す。
図31】3つのファンユニットの分解図を示す。
図32】システムのIOTアーキテクチャを示す。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の一実施態様は、(a)スタンドまたは他の形態のベース及び(b)1つまたは複数の携帯芳香物体を含む芳香システムであり、各携帯芳香物体は所望の芳香を提供し、スタンドまたはベース上に置かれるように構成され、スタンドまたはベースは、1つまたは複数の芳香物体から芳香を放出するように配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムを含む。
【0008】
図1は、ZenAura芳香システムと呼ばれる芳香システムの実施態様を示す。システムは、ベースの上に置かれた小石状または卵形の形をした3つの携帯芳香物体を有する。これらの物体は、本明細書では「パール」と呼ばれることがある。ベースは「ディフューザ」と呼ばれることもある。ベース内には、小石状の形をした芳香物体の下に1つずつ、3つの非常に静かな軸流ファンが配置されている。各ファンを作動させて、ファンの上に配置される芳香物体の上に空気を吹き付けることができ、各芳香物体内には、芳香が注入された基板、この場合は、芳香または芳香の混合物が注入されたEVA(エチレンビニルアセテート)マトリックスがある。3つの「パール」システムの異なる変形、例えば、単一の「パール」を通って空気を供給する単一のファンを有するスタンドなどが可能である。このシステムはZenAuraシステムと呼ばれる。
【0009】
ZenAura芳香システムは美的なデザインを有しており、人目につかないようにする必要はなく、部屋の目立つ場所に置くことができ、これは効果的な芳香が可能であることを意味しており、あまり魅力的でないデバイスは、人目につかないようにされる傾向があり、その効果が低下してしまう。接続型デバイスでありながら、堅牢であり製造は低コストである。液体は一切使用しておらず、スティックを芳香油に入れて使用する従来のディフューザとは異なり、液体がこぼれることはない。電動ファンを使用しているため、室内の気流に頼らずに芳香を分散することができ、したがって、強い局所的な香りを生成する傾向があるが、その香りを部屋の中により広く分散させることができない従来の芳香ディフューザと比較して、部屋の中を広範囲に芳香させるのにはるかに効果的である。また、ファンの速度を上げることができるので、従来のディフューザではできなかった、部屋を急速に芳香させることが可能である。同様に、ファンをオフにすると、芳香させることを急速に停止させられる。ファンは、スタンドから、またはスマートフォンもしくはスマートウォッチなどのデバイスで実行されているアプリケーションから制御することができる。したがって、ユーザは、従来の芳香ディフューザではできなかった部屋の中への芳香の制御された放出を、急速及び容易に開始及び停止することができる。芳香システムは、関連する芳香物体に対してファンがどのくらいの時間、及びどのくらいの速度で作動されているかを自動的に追跡することができ、それにより、芳香されたEVAマトリックスの交換が必要になる可能性が高いときにシステムを動作させることが可能になり、警告をコンパニオンアプリケーションに送信することができ、ユーザはコンパニオンアプリケーションを介して、郵便などの配達用の交換品を購入することが可能になる。
【0010】
図2は、より詳細に芳香物体またはパールを示す。各パールはガラス体1で作製され、ガラス体1の上部にロゴ2が装飾されている。各ガラス体1内には、1つまたは複数の芳香が注入されたEVAマトリックス4がある。EVAマトリックス4は、中央タワー22を有するポリプロピレンベース4上にあり、その中央タワー22は、EVAマトリックス4の円筒形の穴と係合する。パールの下側は21で示され、これは、軸流ファンによって空気が吹き付けられる中央のチャンバを示す。マトリックス4は、接着リング6を使用してベース3に固定される。RFIDタグ5は、マトリックス4の底部とベース4との間に挟まれ、ベースがパールを識別して認証できるようになり、本物以外のパールは認識され動作せず、パールが本物であることがRFIDタグとのハンドシェイクで示されない限り、ベースはパールのファンを作動させない。
【0011】
EVAマトリックスの表面は、関連するファンから吹き付けられる空気に向けられる表面積を最大化し、次いで、その芳香性空気をパールから部屋の中に誘導するように形作られている。図3は、これをより明確に示している。パール31のガラス殻は、EVAマトリックス32の上にある。EVAマトリックス32の下側は、深い流路、溝またはアーチを含む。これらは、ファンからの空気が通るEVAマトリックスの表面積を最大化するように設計されており、空気34はファンから高速でEVAマトリックス32の中心を通って流れる。次いで、空気35は、マトリックス32の曲線を付けて作られた表面の上を越えて流れ、次いで、パールのベースの穴を通ってパールの外へ出て、次いで、36で完全に芳香システムの外に出る。ファンが作動すると、パール31は取付部38によってスタンド39から持ち上げられ、これにより、スタンド39とパール31のベースとの間の隙間37が露出し、隙間37を通って芳香性空気36が流れることができる。
【0012】
図4は、ガラス体43がEVAマトリックス44を囲み、ポリプロピレンベース45が、ファンからの空気がパールの中へ通る中央穴、及びパールからの芳香性空気が通る流路42を含む、パールを示す。
【0013】
図5は、3つのパール(図示せず)用のスタンド50を示す。スタンドの上部には、パールごとに空気ノズル51、52、53がある。特定のパールに対してファンが作動しているとき、関連する空気ノズル51、52、53がわずかに上昇して、芳香性空気が通る隙間(図3の37)を提供する。各ノズル51、52、53は光の輪を含み、その光は、(RFIDベースの認証ハンドシェイクによって検出されるように)パールをノズルに近づけると(例えば、短い一連の光パルスが)作動し、これは、パールが認識されて、デバイスが作動中であり、そのパールを使用して動作することをユーザに示している。ファンが使用されている間、関連するノズルも点灯し、パールはガラス体を有しているため、ノズルからの照明がパールの本体を通過し、表面が光る。また、ノズルを自動的に上昇させ、パールのベースの中央開口部に係合させることができ、これにより、ユーザがノズル上のパールを正確かつ迅速に見つけることが可能になる。
【0014】
図6は、パールごとの空気移動システムを示す。これは、ポリカーボネート製の空気ボックス62内にある遠心送風ファン61を含む。空気ボックス62の上面63は、空気ノズル64を支持し、空気ノズル64は、ファンが作動すると、カム66の動作により持ち上げられる。次いで、空気ノズル64の上面65はパールをスタンドから持ち上げる。
【0015】
図7は、スタンドの断面を示す。スタンドは、図6に示す1つまたは複数の空気移動システムを含む。スタンドは、ベース72の上に置かれている上部プレート71を含む。製品ロゴ74を有するトリムパネル73は、ベース72とトッププレート71との間に配置される。電源ケーブル(図示せず)の給電開口部の隣にある開口部70内に、マスク77を有するオンオフ電源ボタン76が取り付けられている。製品ラベル78は、ベース72の下側に配置される。ベース72には4つの脚部79も設けられている。
【0016】
図8図9、及び図10は、スタンド上にパールを有するスタンドの断面図である。図8は、スタンド上に置かれたガラスのパール8を示す。遠心ファン81は作動していない。偏心駆動ピン82は、ノズルのスロット内で延びて、その最下点にあり、図9に示すように、小型の駆動モータは、ファン81が作動しているときに、パールをスタンドから持ち上げるために、ドライブピン82をこの位置から持ち上げることができる。気流経路が図10に示されており、遠心ファンによって吸い込まれた空気がスタンドのベースの穴を通って入る。ファンは、中央の空気ノズルを通して空気を吸い上げ、そこからパールの中心に吹き付ける。次いで、空気は、EVAマトリックス内の曲面を通過し、次いで、パールのベース及びスタンドの周囲の小さな隙間から、部屋の中へと流れる。
【0017】
システムは、スタンド上の各パールの特定の芳香を表示するコンパニオンアプリケーションを有する、接続型システムである。アプリケーションはまた、ファンの速度を制御することができ、したがって、各パールによって放出される芳香の強度を制御することができる。図11は、コンパニオンアプリケーションのスクリーンショットである。スクリーンショットは、リビングルーム、ベッドルーム、バスルームに接続された芳香システムがあることを示しており、図11では、リビングルームの芳香システムが選択されている(画面上部にある「リビングルーム」という語句に下線が引かれている)。この画面では、ユーザは利用可能な3つのパール「ローズマリー及びセージ」、「オーキッド及びスプリングモス」、「西洋ナシ及びピンクローズ」のそれぞれの所望する強度を選択することにより、リビングルーム用の芳香の特定の混合物を作成している。「ローズマリー及びセージ」の強度はレベル5に設定されている。「オーキッド及びスプリングモス」の場合、ゼロに設定されている(そのため、関連するファンはまったく動作しない)。「西洋ナシ及びピンクローズ」の場合、強度はレベル5に設定されている。ユーザはこれに「Wake up mix」という名前を付けている。図12は異なる選択を示し、今回は3つの芳香パールすべてがレベル5に設定されている。
【0018】
図13は、レベル5で10分間動作させる特定のパールを選択するユーザに関連する画面を示す。
【0019】
図14は、レベル5で10分間動作させる特定のパールの混合物を選択するユーザに関連する画面を示す。
【0020】
図15は、ユーザが作成したすべての芳香の混合物を(「Wake up」、「Spring Scents」などを含む「My Mixes」行の下に)一覧表示する画面を示す。アプリケーションは、以前にキュレートしたまたは作成した芳香の混合物も(「Minty」、「Winter」、「Mindful」を含むRecommended行の下に)表示する。(図12に示すように)ユーザはこれらのいずれかを選択して、事前に設定された期間にすぐに作動させるように設定することができる。
【0021】
さらに、ユーザはスケジュール、すなわち、事前に設定された芳香が発生する時間を作成、編集、選択することもできる。図16では、ユーザがリビングルームの「Lazy Week」スケジュールを選択している。このスケジュールは、月曜日から金曜日の週の間の午前9時から午前10時まで及び午後6時から午後8時までの芳香システムの自動動作を定義している。スライダボタン131は作動を示しているのに対して、週末のスライダボタン132は非作動になっている。図17は、異なるスケジュールを示す。図18は、特定の場所、及びその場所の芳香または混合物、ならびに芳香が作動するタイミングをユーザが手動で選択することを可能するメニュ画面を示す。図19は、これらのタイミングが日記アプリケーションまたはカレンダアプリケーションに自動入力できることを示す。図20は、芳香の強度をスケジュール画面からも設定できる方法を示している。
【0022】
付録1
コア機能A~Jは、次のように一般化することができる。
【0023】
芳香システム
A.部屋、建物または他の環境のための芳香システムであり、このシステムは、(a)スタンドまたは他の形態のベース及び(b)1つまたは複数の携帯芳香物体を含み、各携帯芳香物体は芳香を提供し、スタンドまたはベース上に置かれるように構成され、スタンドまたはベースは、1つまたは複数の芳香物体から芳香を放出するように配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムを含む。
【0024】
携帯芳香物体
B.携帯芳香物体は、芳香が注入された基板またはマトリックスを含み、物体は、スタンドまたはベース上に置かれるように、またはユーザによってスタンドまたはベース上に置かれるように構成され、スタンドまたはベース内に配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムから吹き付けられた空気が、芳香が注入された基板を通過して、部屋、建物または他の環境に出ることができるように構成される。
【0025】
C.携帯芳香物体は、滑らかな丸みのある小石または平坦な卵形のような形状であり、スタンドまたはベース上に置かれるように、またはユーザによってスタンドまたはベース上に置かれるように構成され、(a)芳香が注入された基板またはマトリックスを包含するかまたは覆う壁、及び(b)基板またはマトリックスの外面と壁の内面との間に1つまたは複数の空気通路を有する。
【0026】
D.(a)芳香が注入された基板またはマトリックスを包含するかまたは覆う壁を有する携帯芳香物体であり、マトリックスの基板は、流入空気にさらされる基板またはマトリックスの表面積を増やすために、ファンからの流入空気を基板またはマトリックス内の流路、溝、アーチまたは他の機能に誘導するように形作られた、または曲線を付けて作られた表面を有する。
【0027】
E.携帯芳香物体は、芳香が注入された基板またはマトリックス、及び芳香物体を認証し、したがって、その芳香物体を使用してファンの操作を可能にするために、1つまたは複数のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換するIDチップまたはデバイス(ワイヤレスチップ、例えば、RFIDチップなど)を含む。
【0028】
F.携帯芳香物体は、芳香が注入された基板またはマトリックス、及び携帯芳香物体が十分に近いときにドック内の光または照明をトリガするために、1つまたは複数のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換するIDチップまたはデバイス(ワイヤレスチップ、例えば、RFIDチップなど)を含む。
【0029】
G.携帯芳香物体は、芳香が注入された基板またはマトリックス、及びドックから上昇するようにノズルまたは開口部をトリガするために、1つまたは複数のファンを含むベース、スタンドまたは他の種類のドックとデータを交換するIDチップまたはデバイス(ワイヤレスチップ、例えば、RFIDチップなど)を含み、物体は、ノズルまたは開口部と係合するように構成される。
【0030】
H.(a)芳香が注入された基板またはマトリックスを包含するかまたは覆う壁、及び(b)基板またはマトリックスの外面と壁の内面との間に1つまたは複数の空気通路を有する携帯芳香物体であり、空気通路は、基板またはマトリックスに誘導されたファンから吹き付けられる流入空気を取り込み、基板またはマトリックスの上を通過させ、その空気に芳香を加え、次いで、空気を芳香物体からダクトで排出するように配置される。
【0031】
芳香方法
I.方法は、上記で定義されるように、1つまたは複数の芳香物体から芳香を放出するように配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムを含むスタンドまたはベース上に携帯芳香物体を配置するステップ、次いで、ファンまたは空気移動システムを作動させるステップを含む部屋、建物、または他の環境に芳香を加える。
【0032】
J.方法は、
(a)上記で定義されるように、1つまたは複数の芳香物体から芳香を放出するように配置される1つまたは複数のファンまたは他の空気移動システムを含むスタンドまたはベース上に携帯芳香物体を配置するステップ、次いで、ファンまたは空気移動システムを作動させるステップ、
(b)芳香物体の使用の程度を追跡することにより、芳香物体が耐用年数の終わりに近づいていることを自動的に判定するステップ、
(c)アプリ及び/またはリモートフルフィルメントサーバに、交換する芳香物体の供給を求める要求を自動的に送信するステップを含む部屋、建物、または他の環境に芳香を加える。
【0033】
任意選択機能。それぞれは、1つまたは複数の他の任意選択機能、及び上述のコア機能A~Jのいずれかと組み合わせることができる。
【0034】
芳香物体機能
● 携帯芳香物体は、通常の使用では、ファンまたは他の空気移動システムに接続された空気ノズルと係合するように、ユーザによってスタンドまたはベース上に置かれる。
【0035】
● 携帯芳香物体は、ファンまたは他の空気移動システムの出口に対して正確に位置決めするスタンドまたはベース内の空気ノズルまたは他の取付部と機械的に係合する。
【0036】
● 携帯芳香物体は、スタンドまたはベース上にしっかりと置かれ、スタンドまたはベースに密着するように重み付けされている。
【0037】
● 携帯芳香物体は、物体からの芳香の実質的な漏出を防ぐための十分な密着性により、物体がスタンドまたはベースに確実に接触するために十分な重さを有する。
【0038】
● 携帯芳香物体は、スタンドまたはベース内のファンまたは他の空気移動システムから出てくる空気が携帯芳香物体に流入し、通過することを可能にするように構成される1つまたは複数の空気孔を含む。
【0039】
● 携帯芳香物体は、スタンドまたはベースの中または上に置くように構成されるベースを有し、湾曲した上面を有する。
【0040】
● 携帯芳香物体は、一般に、4cm~10cmの長さの間の最長寸法を有する滑らかな表面の小石サイズの物体である。
【0041】
● 携帯芳香物体は、高さ30mm~100mmの間、幅20mm~80mmの間であり、一実施態様では、高さが約70mm及び幅が50mmである。
【0042】
● 携帯芳香物体は、硬質で滑らかな外殻を有する。
【0043】
● 携帯芳香物体は、硬質の外部ガラスもしくは透明または半透明の殻を有する。
【0044】
● 携帯芳香物体は、エンドユーザが物体内部の芳香貯蔵部に触れないように保護する外殻を有する。
【0045】
● 携帯芳香物体は、芳香を含浸させたEVA物体などの単一のポリママトリックス物体を含む。
【0046】
● 携帯芳香物体は、芳香を含浸させたEVA(エチレンビニルアセテート)などのポリママトリックスを囲む透明または半透明の殻を有する。
【0047】
● 携帯芳香物体は、芳香を含浸させた単一の物体を含む。
【0048】
● 携帯芳香物体は、芳香を含浸させた単一のEVAベースまたは他のマトリックスを含む。
【0049】
● 携帯芳香物体は、10mL~50mLの間の実際のEVAの体積を有する。
【0050】
● EVAまたはマトリックスは、20mm×10mm×5mmと80mm×60mm×40mmとの間であり、一実施態様では、約58mm×40mm×16mmであり、EVAの実際の体積は、約20mLまたは20cm3である。
【0051】
● 新品時のマトリックスの表面積は2000mm~20000mmの範囲である。
【0052】
● 携帯芳香物体は、物体内の出口開口部を密封するユーザの取り外し可能なシールを含み、製造時から、ならびに輸送中及び保管中に存在する。
【0053】
● 携帯芳香物体は、香りの混合で構成される単一の所望の芳香を提供する。
【0054】
● それぞれ異なる芳香を有する異なる携帯芳香物体を作動させ、芳香の異なる組み合わせを生成することができる。
【0055】
● それぞれ異なる芳香を有する異なる携帯芳香物体を異なる時間で作動させて、必要な時間に異なる組み合わせの芳香を生成することができる。
【0056】
スタンド内のファン機能
● 各携帯芳香物体のスタンドまたはベース内には、単一のファンまたは空気移動システムが設けられている。
【0057】
● 各携帯芳香物体のスタンドまたはベース内に設けられた単一のファンまたは空気の移動は、それぞれの芳香物体からの芳香が必要なときに作動する。
【0058】
● 各携帯芳香物体のスタンドまたはベース内に設けられた単一のファンまたは空気移動システムは、時系列的に作動する。
【0059】
● 各携帯芳香物体のスタンドまたはベース内にそれぞれ設けられた2つ以上のファンまたは空気移動システムが同時に作動する。
【0060】
● 1つまたは複数のファンまたは空気移動システムは、スマートフォンまたは他のデバイスで実行されているアプリを使用して作動される。
【0061】
● 軸流ファンまたは遠心分離機は、各携帯芳香物体の下に配置されている。
【0062】
● ケースを含む遠心ファンのファン直径サイズは、40mm~60mmの範囲内で、一実施様態では51mmである。
【0063】
● ファンまたは各ファンに対する空気移動システムのピーク風量は、0.02~0.12m3/minの間で、一実施様態では、0.06m3/minまたは2.1CFMである。
【0064】
● 各ファンまたは空気移動システムの騒音レベルは、自由大気中で平均26dBである。
【0065】
● 携帯芳香物体自体には、ファンまたは空気移動システムは含まれていない。
【0066】
● システムは、スタンド上に置かれた1つ、2つ、3つ、4つ、または5つの芳香物体を含む。
【0067】
● スタンドは、商用電源で電力供給される。
【0068】
● スタンドは、基本的に立方体の形である。
【0069】
● スタンドは、一般に1つまたは複数の携帯芳香物体を受け入れるように構成される平坦な上面を有する。
【0070】
● スタンドは、持ち運び可能である。
【0071】
● スタンドは、自動車のダッシュボードなどのデバイスに組み込まれる。
【0072】
芳香物体の作動
● ユーザは、芳香物体を手に取ってスタンドに戻し、その芳香物体用のファンまたは空気移動システムを作動させる。
【0073】
● ユーザがスタンドから芳香物体を手に取ると、その特定の芳香物体用のスタンド内の空気ノズルが持ち上げられる、または持ち上げられたままとなり、ユーザが持ち上げられたノズルの上に芳香物体を置くように芳香物体をスタンドに戻すと、その芳香物体が作動することを示す。
【0074】
● 携帯芳香物体は、芳香が芳香物体から放出されるとき、スタンドまたはベースから機械的に持ち上げられる。
【0075】
● 携帯芳香物体は、空気が芳香物体の上または中を通過し、芳香物体から芳香を吸い上げて周囲に放出することができるように、芳香が芳香物体から放出されるとき、スタンドまたはベースから機械的に持ち上げられる。
【0076】
● 携帯芳香物体は、スタンドまたはベース内の空気ノズルまたは開口部と係合し、ノズルまたは開口部は、ファンまたは他の空気移動システムから携帯芳香物体内に空気を誘導する。
【0077】
● スタンドまたはベース内の空気ノズルは、空気が携帯芳香物体を通してまたはその周りに吹き付けられると、ノズルを持ち上げて携帯芳香物体と係合させ、携帯芳香物体を通してまたはその周りに空気を吹き付けないようにすると、ノズルを係合から外す、支持物または部材に固定されている。
【0078】
● スタンドまたはベース内の空気ノズルは、空気が携帯芳香物体を通して空気を吹き付けられると、ノズルを持ち上げて携帯芳香物体と係合させる支持物または部材に固定され、空気ノズルまたは他のカムはまた、携帯芳香物体または携帯芳香物体の一部を持ち上げて、芳香性空気を携帯芳香物体から逃がすことを可能にする。
【0079】
● スタンドまたはベース内の空気ノズルは、携帯芳香物体と係合していないとき、スタンドまたはベースの上面と同一平面に配置される。
【0080】
● スタンドまたはベース内の空気ノズルまたは開口部の周りの領域は、携帯芳香物体がそのノズルまたは開口部に十分に近づくと自動的に点灯する。
【0081】
● スタンドまたはベースは、各芳香物体の下に光源を含み、特定の芳香物体用のファンまたは空気移動システムが作動すると、光源が作動して、透明または半透明の殻を照らす。
【0082】
接続機能
● ユーザのスマートフォンで実行されているアプリを使用して、特定の芳香物体からの芳香の放出をプログラムする。
【0083】
● アプリは、ユーザが定義した将来の時間に特定の芳香物体からの芳香の放出を制御するようにプログラムされる。
【0084】
● システムは芳香物体の消費または使用を追跡し、交換する物体が必要になったときに自動的にユーザに警告を出す。
【0085】
● システムは、芳香物体の消費または使用を追跡し、ユーザのスマートフォンで実行されているコンパニオンアプリにメッセージを送信することにより、交換する物体が必要になったときに自動的にユーザに警告を出す。
【0086】
● システムは、芳香物体の消費または使用を追跡し、交換する物体が必要になったときに、ユーザ及び/またはリモートフルフィルメントサーバに自動的に警告を出し、フルフィルメントに要求(例えば、使用されるファンの強度に応じて変化する係数と共に、使用された合計時間、または合計時間)を自動的に送信し、次いで、ユーザに交換する芳香物体が送られるか、または他の方法で供給される。
【0087】
● システムは、ユーザが特に選択していない新しい芳香を自動的に導入して、ユーザが特定の芳香に鈍感になるリスクを最小限に抑える。
【0088】
● システムは、ユーザが特に選択していない新しいコーヒーの芳香を自動的に導入して、ユーザが異なる芳香に鈍感になるリスクを最小限に抑える。
【0089】
● 異なる芳香物体は、作動させる芳香物体のみに特に関連するファンまたは空気移動システムを選択的に作動させることにより作動される。
【0090】
● 各携帯芳香物体は、スタンドによって認識されるRFIDタグまたは他の形態の識別チップを含み、タグは、許可された芳香物体のみがスタンドで動作するように、芳香情報、製造情報またはバッチ情報、及びセキュリティキーを含み得る。
【0091】
● スタンドは、特定のIDチップに関連付けられた使用範囲(例えば、時間)の記録を作成または記憶し、芳香物体の予想される使用範囲または寿命を大幅に超えたIDチップを有する芳香物体では動作しない。
【0092】
● 芳香システムは、部屋、オフィス、建物、車、バス、電車、飛行機、または任意の他の環境を芳香するように構成される。
【0093】
付録2 ZenAuraハードウェア仕様
【0094】
1 主なシステム構成要素
【0095】
ZenAuraシステムは、パールと呼ばれる芳香の容器の配置を支持するディフューザと呼ばれるプラットフォームまたはスタンドに基づいている。
【0096】
1.1 パール
パールは、以下で構成される。
● ガラス製化粧品容器
● 芳香が注入された基板であるパック
● 基板の周りに空気の流れを誘導する役割も果たす基板用のプラスチックホルダ
● 識別目的のためのISO14443A 13.56Mhz RFIDインレイタイプ2タグ
【0097】
1.2 ディフューザ
ディフューザは、見た目に美しい運び台であり、次の基本的な機能を実行する。
● スマートフォン及びウェブに接続するWiFiデバイスとして機能する。
● パールの存在を検出し、そのRFIDタグを読み取り、データをクラウドに転送する。
● パール(複数可)に空気の流れを作り、パールに含まれている芳香を拡散させる。
● パール(複数可)を上下させて、パールの周りに気流を作る。
● パール(複数可)に光を当てる。
【0098】
3種類のディフューザが利用可能である。
1.単一のパールディフューザ
2.3つのパールディフューザ
3.5つのパールディフューザ
【0099】
図21は、3つのパールディフューザの内部を示す。
【0100】
ディフューザの電子機器のシステムレベル図を図22に示す。WiFi、RFID、及びインターフェイスチップを有するメインPCB、スイッチ及びバレルコネクタを有する単純な電源入力PCB、及び各パールステーションに関連付けられた構成要素、すなわち、RFIDアンテナ、LED、モータ、及びファンで構成される。
【0101】
2 ディフューザまたはスタンド
【0102】
2.1 コントローラPCBA機能の説明
中央のパールステーションにはコントローラPCBが取り付けられている。図23に示すように、個々のパールステーション内のスイッチPCBA、及びモータ、ファン、及びLEDを除くシステムのすべての電子機器が含まれる。コントローラPCBAは以下の機能を果たす。
● WiFiインターフェイス
● WiFiプロビジョニング
● WiFiセキュリティ
● OTAソフトウェアアップグレードMQTTデコーダ
● スイッチ及びLED制御
● RFIDタグによるパールの情報収集
● 個々のパールステーション内のLED、モータ、ファンの動作を制御する
【0103】
2.1.1 WiFi
WiFiは、PCB上に直接配置されるチップとして実装され得る。アンテナもTIの推奨に従ってPCB上に配置される。WiFi回路は、RFが他の回路によって干渉されず、アンテナがディフューザの前面がはっきりと「見える」ように配置すべきである。WiFi信号を過度に減衰させないように、ケース及びベゼルで使用されている材料を考慮する必要がある。
【0104】
2.1.2 パールステーションへの接続
モータ及びファン信号用コネクタは、3つのステーションすべてのケーブルを短くして、すべて同じ長さになるように配置する必要がある。
【0105】
2.1.3 モータ信号
MCUは、ステッピングモータの位相信号を生成する。これらは、特定のHブリッジドライバによってバイポーラ信号に変換される。一度に1つのモータを駆動するだけでよく、これは、単一のドライバチップの出力が、システム内のすべてのモータを制御するために使用され得ることを意味する。信号は、アナログスイッチまたはFETを使用して個別に制御することができる。逆EMF及びこれが引き起こす可能性のある損傷を考慮すべきである。これには、プロセッサからのGPIOの使用が少なくなるという利点もある。
【0106】
各モータの位置は、カムの動きによって遮断されるIRスイッチによって決定される。図24に示すように、回路を節約するために、3つすべてのIRスイッチからの出力は、再びFETまたはアナログスイッチを使用して、プロセッサ上のA/D入力に多重化される。
【0107】
2.1.4 LED信号
LEDのバッファは、単純なトランジスタとすることができる。これは、1つのPWM信号を使用して、3つすべてのパールステーションのドライバ上のLEDの可変輝度を制御することを意図している。ただし、個別にそれぞれをオフにするためのスイッチが必要である。図25にこれを示す。
【0108】
2.1.5 ファン信号
各ファンは、速度を個別に制御する必要がある。この場合も、ファン自体を駆動するには、単純なトランジスタバッファで十分である。ファンはかなりの慣性及び逆起電力を有しており、すなわち、電源をPWM制御してファンの速度を正確に制御することが難しいということに留意されたい。個別のPWM信号を有する4線式ファンが必要な場合があるが、これらはより高価になる可能性がある。
【0109】
2.1.6 電源
電源入力は、外部幹線から電源PCBを介してDC電源に供給される。電力はデジタル回路用に下方調節する必要があり、ファン及びモータにも供給される。モータ及びファンによって生成される電気ノイズがRFIDリーダ及びRF、ならびにWiFiコントローラ及びRFなどのより敏感な電子部品に悪影響を及ぼさないように、レイアウト及びデカップリングは慎重に考慮する。可能な電源アーキテクチャを図26に示す。
【0110】
2.1.7 電池
18650または同様のリチウムイオン電池をディフューザに設置することができるようにすべきである。電池には、電池の充電ならびにその出力をファン及びモータを含む必要な様々な電源にアップコンバートする必要があるPMICが必要である。
【0111】
電池電圧は、電池の充電状態の概算を示すために、プロセッサへのA/D入力に供給されるべきである。システムには、RTCを維持するためのボタンセルも必要である。電流は、ディフューザが電源に接続されていない場合、または充電式電池が切れている場合にのみ、ボタンセルから引き出されるべきである。
【0112】
2.1.8 RFID
図27に示すように、各パールのRFIDアンテナは、3つのパールステーションをカバーするように拡張されたメインPCB上に配置される。
【0113】
単一のRFIDリーダチップが、各アンテナへのRF接続を多重化することにより、3つのパールステーションすべてを読み取ることができることが望まれる。使用される可能性のある特定のRFマルチプレクサがあるが、アナログスイッチも使用するために必要な帯域幅を有しているべきである。これらは、特定のRFチップよりもはるかに安価で、容易に入手することができる。PCB上のトラックのレイアウトは、優れた設計を実現するために重要である。RF信号は、制御されたインピーダンストラックとしてレイアウトし、同軸ケーブルをシミュレートすべきである。ノイズの多いデジタル信号は、RFルーティングから十分に離すべきである。RFIDアンテナは、接地面から十分に離すべきである。マルチプレクサは、回路に整合するもので、RFID周波数において最小の注入損失及び反射減衰量を有するべきである。
【0114】
2.1.9 Appleコプロセッサ
AppleコプロセッサはPCB上に配置されるが、現在の計画では取り付けられない。
【0115】
2.1.10 PCB
メインコントローラPCBは、ディフューザで水平に固定されるように配置すべきである。これにより、RFIDアンテナを組み込むことができる。PCBの形状と配置の実施例を図28に示す。
【0116】
レイアウトには4つの層が必要になると予想される。
● 仕上げは置換金めっきになる。
● 厚みは1.6mmになる。
● 銅は0.5オンスまたは1オンスの場合がある。
【0117】
2.2 コントローラPCBA主要構成要素
【0118】
2.3 マイクロコントローラI/O
【0119】
2.4 電源及びスイッチPCBAへの信号
【0120】
2.5 電源及びボタンPCBA
以下を含む小型PCBAがある。
● 主電源スイッチ
● 電源コネクタ
● LED(赤)
● コントローラPCBに電力を転送するコネクタ
【0121】
2.5.1 実施態様
電源PCBは、電源入力の近くのディフューザケース上に取り付けられる。電源スイッチからの出力は、MCU上のGPIOに供給される。
【0122】
電力スイッチは、以下の通りである。
● ボタンを短く押す ディフューザをスタンバイモードと作動モードとの間で切り替える。
● ボタンを長く押す プロビジョニングモード
輸送中、プロセッサはMCUシャットダウンモードになり、NWPはネットワーク無効モード(nRESET low)になることに留意されたい。この状態でボタンを押すと、ディフューザがプロビジョニングモードになる。
【0123】
3 パールファンステーション
図29にパールファンステーションの概略図を示す。正面にはモータとウォームギア、下にはファンが見える。図30は、3つのファンステーションがどのように結合されて、スタンド300及びベース301の上部の下にある内部シャーシアセンブリを形成するかを示す。図31は示す。
【0124】
3.1 パールステーション構成要素
図31は、各パールステーションが以下のものを有する様子を示す。
● モータ312
● LED PCBA
● 遠心ファン314
● ノズル310を上昇させるためのカムまたは偏心ドライブ311
● ファンからパールに気流を誘導するための機構である、一体型ファンダクト及びノズル走行溝を有するシャーシ成形313
【0125】
3.2 ステッピングモータ
ステッピングモータは、パールをコマンドで上下させる必要がある。これは、カムの慣性を克服するのに十分なトルクを提供するように調整される。
【0126】
3.3 ファン
● ファンは、25kHz以上のコントローラPCBからのPWM信号によって制御される。
● ファンは2線式、すなわち、タコメータなしになる。
● ファンは、大きな部屋に香りを分散させるのに十分静かで強力なものであるべきである。
【0127】
空気の流れを考慮するべきである。ファンは、パール及びパールステーションを通して空気を押し出す方が良いのか、吸い込む方が良いのか。空気が静かに効率的に吸い込まれるように、ディフューザのベースに十分な隙間があるか。
【0128】
3.4 RFIDアンテナ
RFIDアンテナは、メインコントローラPCB上に配線される。アンテナの配線はインピーダンス制御され、同軸ケーブルのように機能すべきである。
【0129】
3.5 モータ位置検出
コントローラは、定期的にモータと再同期するために、モータの位置を把握する必要がある。これは、モータによって駆動されるカムの動きによって遮断されるIR tx/rxペアの使用によって行われる。これにより、MCU上のA/D入力が供給される。
【0130】
付録3 ZenAura IoTシステム
この付録3は、ZenAura IoTシステムの最上位要件の説明及び、実際のRFQの一部であるプロジェクトの様々なフェーズの定義の両方として機能する。
【0131】
4 主なシステム構成要素
【0132】
4.1 製品
パールと呼ばれる、RFIDタグが取り付けられた芳香の容器である。パールは消耗品であり、一定の使用期間、例えば、一般的なユーザの場合は1か月が経過した後に交換する必要がある。
【0133】
パールには様々な種類がある。パールの製造中に、パールの種類はタグUIDと照合され、IoTクラウドデータベースにアップロードされる。
【0134】
4.2 デバイス
ディフューザと呼ばれ、1つ、3つ、または5つのパールを配置することができる。デバイスは以下を有する。
● 各アンテナが、アンテナの上に配置されるパールのタグのUID(一意のID)を読み取ることができる、1つ、3つ、または5つのRFIDアンテナ。
● 明るさが0~100で制御することができる、パールの位置ごとのLED。
● 速度が0~100で制御することができる、パールの位置ごとにファン。
● クラウドへのWiFi接続
● パールを登録し、LED及びファンを制御してパールを「作動」させるプロセッサ。ファンの速度で芳香の放出を制御する。
【0135】
デバイスは、パールの存在を検出し、UIDをIOTクラウドコントロールに送信する役割を果たす。
【0136】
4.3 アプリ
アプリは、ユーザとIoTクラウド及びユーザとデバイスを接続する。アプリは以下の機能を有する。
● ユーザをシステムにログオンさせる。
● ディフューザのWiFiプロビジョニングを開始する。
● ディフューザ上に配置されるパールの種類をユーザに示す。
● ディフューザ上に配置されるパールを制御する、すなわち、ユーザコマンドの下でパールを作動させる。
● ユーザがパールを「作動」させるスケジュールを設定することを可能にする。
● 編集部の情報をダウンロードできるようになっている。
● Shopifyなどのウェブベースの商用購入システムへのウェブページアクセスを介して、より多くのパール及びディフューザを購入することを可能にする。
【0137】
4.4 IoTシステム
● アプリとディフューザとの間のメッセージのパブリッシャとして機能する。
● 製造されたすべてのパール及びディフューザのデータベースを保持する。
● すべてのパール及びディフューザのリアルタイムの状態を保持する。
● パール及びディフューザに宛てられたすべてのコマンドのリストを保持する。
● ディフューザ上で行わせる動作を有効にする。
● パール及びディフューザ上でルールを実行できるようにする。
● システムの使用状況及びユーザの行動を調査して、マーケティング目的の分析を提供できるようにする。
● 顧客の詳細、クレジットカード、ログインなどを保持するCRMシステムへのインターフェイス。
● 必要に応じて、OTAダウンロードを開始するメッセージを発行する。
【0138】
4.5 ウェブページ
● クレジットカード、パスワードなどを含むユーザログイン及び詳細設定。
● ディフューザの制御が可能になるが、一般的にディフューザの制御に使用されることは想定されていない。
● 製品のマーケティング資料を保持し、Zenaura Ltdのビジネスプレゼンスを提供する。
【0139】
4.6 汎用サーバ
● サーバはアプリ及びウェブページにダウンロードされるマーケティング情報を保持する。
● OTAダウンロード用のディフューザソフトウェアアップデートを保持する。
【0140】
5 現在のIoTプラットフォーム
【0141】
5.1 物体
現在のプラットフォームは以下の物体の概念を有する。
● ディフューザ
● パール
● ユーザ
● アプリ/電話機
【0142】
5.2 ディフューザ及びパールデータベース
異なる種類のディフューザ及びパールがあることに留意されたい。ディフューザ及びパールの物体は、製造業者からシステムに何らかのデータベース、おそらくCSVファイルのみをインポートすることによって製造されるときに設定される。インポートされると、一意のIoT IDが割り当てられる。
【0143】
ディフューザのデータベースは、以下を含む。
● ディフューザのシリアル番号
● ディフューザのMACアドレス
● ディフューザの種類
● ハードウェアバージョン
● ソフトウェアバージョン
● 製造日
● 動作時間
● ユーザ名(ユーザによって割り当てられるまでは「Zenaura」である)
【0144】
パールのデータベースは、以下を含む。
● 一意のID
● パールの種類
● パール芳香の種類
● 製造日
● 芳香バッチ番号
● 使用量(強度x時間)
ユーザは、アプリまたはウェブサイトに初めてログインするときに設定される。
【0145】
5.3 コレクション
これらの物体は使用されると、一意のIoT IDによって論理的にリンクされたコレクションに入れられる。プロセスは次のようになる。
【0146】
1.ユーザがディフューザ(複数可)/パール(複数可)を購入し、アプリをダウンロードする。
2.ユーザは、最初にサインインしたとき、一意のIoT IDが割り当てられる。
3.ユーザはアプリを使用してディフューザをプロビジョニングする。IoTシステムは、ユーザだけがディフューザの設定を調整できるように、一意のIoT IDを介してディフューザ及びユーザをリンクする。
4.IOTデータベースは、ディフューザがプロビジョニングされ、そのユーザ/アプリに割り当てられていることをアプリに通知する。
5.ユーザは、ディフューザに名前、例えば、寝室または食堂などを割り当てることができる。この名前はIoTシステムによって取り込まれる必要がある。もちろん、1人のユーザ/1つのアプリは、購入した数だけディフューザを制御することができる。
6.次いで、ユーザはディフューザにパールを配置する。ディフューザは、RFIDを介してUIDを読み取り、IoTシステムにUIDを報告する。
7.IoTシステムは、ディフューザ及びその上のパールをリンクする。IoTシステムは、パールがディフューザに配置される(または取り外された)こと、及びそれがどのような種類のパールであるかをアプリに通知する。
【0147】
パールのMACアドレス及びUIDは、製造されたデータベースと照合して確認する必要があることに留意されたい。それらが存在しないか、またはすでに使用されているというフラグが立っている場合は、これをZenauraに強調表示する必要がある。ディフューザを、複数のアプリ/ユーザによって制御することを可能にする必要があることに留意されたい。これを行うための機構は、後の段階で決定することができる。
【0148】
5.4 動作
動作は、システムの品質を伝えるために、できるだけ少ない遅延で実施されるべきである。例えば、ユーザがアプリで作動を押した場合、ディフューザ上で結果として生じる動作は1秒以内に発生すべきである。例:作動/停止動作
1.アプリ/ユーザは、ファンの強度、オンになっている時間を設定し、作動を押すことによってパールを「作動」させる。
2.IoTシステムが、作動要求及び詳細をディフューザに通知することにより、ディフューザは作動する。
3.ユーザ/アプリの「停止」により、当然、パールのファン及びLEDの強度は0に設定される。
【0149】
またはディフューザソフトウェア更新動作
● Zenauraは更新の範囲を、例えば、ユーザ別、ディフューザ別、既存のディフューザソフトウェアバージョン別、またはすべてに定義する。
● Zenauraはドロップボックスサーバにソフトウェア更新を配置する。
● Zenauraは更新要求を発行し、特定の時間に更新を予約する。
● IoTシステムは、ソフトウェアの更新を行う必要があることを関連するディフューザに通知する。
● ディフューザにより、IoTシステムに対して更新されたソフトウェアが示される。
【0150】
すべての動作は、今後の分析のためにシステムに永続的に記録されるべきである。
【0151】
5.5 ダッシュボード
ディフューザ、ユーザ、パールの状態を簡単に表示するには、Zenauraが表示するために利用できるダッシュボードが必要である。ダッシュボードには、物体の一意のID及びその状態が示される。例えば、ディフューザは以下のものを示すべきである。
● ディフューザの一意のIoT ID(UIoTID)。
● ディフューザ上のパールのUIoTID。
● 現在の状態、例えば、各ファンの作動強度、各LEDの明るさ、各RFIDアンテナ上のパールの種類。
● ディフューザが現在IoTシステムに接続されているかどうか(これは、およそ1分間に1回のping機構を必要とする)。
● 所有者(アプリ/ユーザ)のUIoTID。
【0152】
6 AWS IoTプラットフォーム
RFQは、AWS IOTプラットフォームに基づく同様のシステムを実装することになる。
【0153】
6.1 AWSリソース名
AWSのすべてにARNが割り当てられる。アプリ及びディフューザは、通信先のアイテムのARNによって決定されるエンドポイントと通信する。例えば、ディフューザARNは次のようになり得る。
「arn:aws:iot:us-east-1:123456789012:thing/diffuser3A_123456789abc」
【0154】
6.2 デバイスデータベース
少なくとも2つのデータベースがクラウド内で維持され、1つはディフューザ用で、もう1つはパール用である。ディフューザまたはパールバッチが製造された後、関連するクラウドデータベースは、UID及びその後のモノの生成に関連する任意のその他の情報を含む、製造されたすべての製品の詳細を使用して更新される。プロビジョニング中に作成されたすべての既定属性は、データベースからロードされる。
【0155】
6.3 モノの作成
AWSプラットフォームは、属性及びシャドウを使用してモノを定義する。モノは物理的なデバイスであり、シャドウはその状態を保持する、またはオフラインの場合は、モノに要求され状態を保持するJSONドキュメントである。属性は、モノを説明する検索可能な方法である。
【0156】
6.3.1 ディフューザモノ
ディフューザモノは、ユーザがクラウドにプロビジョニング/接続した時点で作成される。その属性は、この時点でデバイスデータベースからモノにコピーされる。それぞれは、データベースに含まれている、そのUIDと一致する名前(ARN)で作成される。その属性はデータベースからコピーされる。
【0157】
6.3.2 ディフューザシャドウ
ディフューザシャドウはモノと同時に作成される。
【0158】
6.3.3 パールモノ
パールモノは、ディフューザで最初に使用された時点で作成される。それぞれは、製造中にプログラムされたRFID UIDと一致する名前(ARN)で作成される。パールは最初、未使用のグループに割り当てられる。
【0159】
6.3.4 ユーザモノ
ユーザモノは、ユーザの最初のアプリで、ユーザが最初にサインインしたときに生成される。したがって、ユーザがログインすると、これらは1つずつ生成される。各ユーザは、ARNに反映されるUIDを有する。
【0160】
6.3.5 アプリモノ
アプリモノは、ユーザが最初にアプリでサインインしたときに生成される。したがって、ユーザがログインすると、これらは1つずつ生成される。各アプリは、ARNに反映されるUIDを有する。
【0161】
6.4 グループ
各ユーザはグループを形成し、その中にアプリ、ディフューザ、及びパールが配置される。
【0162】
通常、1つのグループでは1人のユーザのみが許可され、そのユーザのみがそのグループ内のモノを制御することができる。例えば、1人のユーザに割り当てられたパールは、同じグループ内のディフューザのみが使用できる。ユーザは、別のユーザにグループ及びその中のすべてのモノを共有する許可を与えることができる。
【0163】
6.5 パール寿命
パールは商品生産物であり、寿命がある。寿命は、まだ決定されていないが、入力として以下を有するアルゴリズムに従ってクラウドによって計算される。
● 使用時間
● 使用中のファン強度
● 芳香の種類
● パールの種類
● ディフューザの種類
【0164】
寿命の期限が来ると、パールは動作停止としてマークされ(または単に削除され)、データベースはこれを反映して更新され、クラウドはログに記録するが、パールを使用するコマンドは拒否する。
【0165】
6.6 新しいユーザのログイン
AWSプラットフォームには、Cognitoと呼ばれるユーザ認証プロセスが組み込まれている。アプリはこれを使用してユーザを認証する。
【0166】
6.7 ディフューザのプロビジョニング及びAWSへの初期接続
【0167】
6.7.1 接続シナリオ
シナリオ-ユーザがディフューザを購入し、電源を入れ、ダウンロードしたアプリにログインした。
電話機の新しいディフューザを追加するボタンをタップする。
1.ユーザは、APモードでブロードキャストしているディフューザのSSIDに電話機のWiFiを接続するように求められる。
2.アプリは、ユーザにローカルWiFi APのSSID及びパスワードを入力するように求める。
3.次いで、アプリはSSID及びパスワード、ならびに独自のユーザUIDをディフューザに送信する。アプリはまた、ディフューザからそのUIDを読み取る。
4.次いで、ディフューザはAPとしてのブロードキャストを停止し、ステーションモードでローカルWiFiへの接続を試みる。成功した場合、そのUID及びユーザのUIDを含む情報と共に、AWS証明書を使用してAWS割り当てサービスを安全に呼び出す。
5.電話機がステーションモードになると、ディフューザのWiFiから切断され、ローカルAPに自動的に再接続される(または、これが自動的に行われない場合は、アプリから再接続を要求される)。次いで、ディフューザのUIDを使用して割り当てサービスに連絡し、プロビジョニングプロセスが要求されていることを通知する。
6.AWS割り当てサービスは、アプリ及びディフューザの両方が互いのUIDで連絡するまで待機する。両方が連絡すると、次いで、サービスは、ディフューザUIDが、デバイスデータベース内に含まれていること、及びユーザ/グループにまだ割り当てられていないことを確認する。
上記が確認されると、サービスは、新しいディフューザモノを作成し、ユーザグループに割り当てる。サービスはまた、プロビジョニングプロセスが成功し、グループに登録され、通信を続行できることを伝えるメッセージをアプリ及びディフューザの両方に送信する。
7.ディフューザはすぐにその状態を発行する。
【0168】
6.7.2 モノの故障
プロビジョニング/割り当てプロセス全体が正常に完了しない場合は、いくつかの動作を実行する必要がある。
● ディフューザUIDがデータベースで認識されていない。
● ディフューザUIDは、すでにユーザ/グループに割り当てられている。
● アプリUIDが認識されない。
● 一部のネットワークの問題については、プロセスが完了していない。
【0169】
6.8 モノの所有権
モノはユーザグループに割り当てられ、通常、別のユーザがそのモノにコマンドを送信することはできない。ただし、例外がある。
【0170】
6.8.1 他のユーザと共有されているディフューザ
別のユーザが既存の割り当てられたディフューザに接続することは可能だが、最初に元のユーザからの許可が必要になる。この許可は、第2のユーザが第1のユーザのグループ全体にアクセスできることを意味する。
【0171】
この場合、第2のユーザのプロビジョニングプロセスは不要である。
【0172】
6.8.2 ユーザによって削除されているディフューザ
ユーザは、グループからディフューザを削除することで、ディフューザの制御を放棄することができる。この場合、ディフューザは割り当てられていないグループに移動する。ディフューザを別のグループで使用できるようにする前に、ディフューザを再プロビジョニングしなければならない。
【0173】
6.9 通信
ディフューザは、IoTクラウドとの通信だけにMQTTを使用する。アプリはRESTfulコマンド、または潜在的にAWS SNSを使用する。アプリはモノシャドウと通信し、次いで、モノ及び物理ディフューザを更新する。
【0174】
6.10 OTA更新
AWS IoTプラットフォームは、複数のデバイス上でリモート動作を実行するサービスを提供する。これらはジョブとして参照される。OTA機構は、Zenauraが要求するジョブである。
【0175】
6.11 Zenauraデバイス管理
Zenauraは、ディフューザ及びパールの使用状況を監視し、いくつかのアルゴリズムを使って使用状況を分析できる必要がある。これを行う正確な方法はまだ決定されていないが、モノのレジストリが有用である。
【0176】
AWSデバイス管理サービスは、APIを提供する。
【0177】
7 CRMインタラクション
CRMシステムは、以下のIoTデータベースにアクセスできる。
● 顧客サポート
● ビジネスインテリジェンス
● デバイス管理
システムの最上位レベルの図を図32に示す。これは、ハードウェア、IoT管理システム及びデータベース、CRMシステム及び倉庫及びショップシステムなどの他のサードパーティアプリケーション間の情報及びセキュリティトークン管理の経路を示す。
【0178】
IoTシステムとCRMシステムとの間のAPIは次のようになる。
【0179】
7.1 情報記録
【0180】
7.2 状態
【0181】
7.3 追加/削除
【0182】
7.4 ビジネスインテリジェンス
【0183】
7.4.1 変数及びアルゴリズムの更新
【0184】
8 ダウンロード可能なコンテンツ
AWSには、編集部、ショップを含むアプリのダウンロード可能なコンテンツを保持する領域がある。
【0185】
9 アプリメッセージ
アプリへのメッセージ/アプリからのメッセージの例
【0186】
10 メッセージプロトコル
【0187】
10.1 コマンド
コマンドは、以下の3つのフェーズを使用する。
1.アプリは、_PlayコマンドをIoTを介してディフューザに発行する。
2.ディフューザは、配達を確実にするために、1のQoSを使用してIoTを介してアプリに状態更新を発行する。
3.IoTは、受信を確認するためにPUBACKメッセージを生成する。
【0188】
ディフューザがPUBACKを受信しない場合は、受信するまで状態メッセージを毎分、再送信する。
【0189】
10.2 状態の更新
パールのRFID状態の変更には、以下の2つのフェーズを使用する。
1.ディフューザは、配達を確実にするために、パールRFIDタグの更新をIoTに発行し、1のQoSを使用してIoTを介してアプリに、すなわち、_PearlAddedまたは../_PearlRemovedを発行する。
2.IoTは、受信を確認するためにPUBACKメッセージを生成する。
【0190】
ディフューザがPUBACKを受信しない場合は、受信するまで状態メッセージを毎分、再送信する。
【0191】
11 付録2 - MQTTメッセージ形式の例
【0192】
11.1 作動動作
_Playエンドポイントを介してディフューザに送信されるメッセージの例は以下の通りである。
[{“pearlindex”:0、“fanspeed”:100、“lightintensity”:50、“duration”:10}]
ディフューザは、その状態を/things/xxxx/attributesに発行することによって応答する。これは、異なる「timestamp」時間を有するメッセージの配列にすることができる。例:
[{“timestamp”:12345678、“key”:“fan0speed”、“value”:100}、{“timestamp”:12345678、“key”:“light0intensity”、“value”:90}、{“timestamp”:12345678、“key”:“fan1speed”、“value”:80}、{“timestamp”:12345678、“key”:“light1intensity”、“value”:70}
【0193】
11.2 パール追加動作
ディフューザは、パールID状態メッセージを/objects/xxxx/actions/_PearlAddedに発行する。これは、特性が更新されるのと同時に行われ得るか、またはパールが追加された場合にのみ行われ得る。例:
{“type”:“_PearlAdded”、“projectid”:“xxyyzz”、“timestamp”:12345678、“customFields”:{“pearlindex”:2、“pearlid”:“ABCDEFG”}}
【0194】
11.3 パール削除動作
パールが削除されると、ディフューザは/objects/xxxx/actions/_PearlRemovedにメッセージを発行する。例:
{“type”:“_PearlRemoved”、“projectid”:“xxyyzz”、“timestamp”:12345678、“customFields”:{“pearlindex”:2}}
IoTプラットフォームは、状態及びパールIDの更新にPUBACKメッセージで応答し、受信を確認する。
【0195】
(cronタイムスタンプ、コマンド)ペアの配列を_Scheduleに発行することによって、スケジュールを設定することができる。コマンドは上記と同じ形式である。例:
[{”time”:”******”、”command”:[{”pearlindex”:0、”fanspeed”:50、”ledintensity”:100、”duration”:30}]}、
【0196】
12 AWSモノの種類
【0197】
12.1 3つのパールディフューザの種類
【0198】
12.2 パールの種類
【0199】
12.3 アプリの種類
【0200】
13 AWSグループ
【0201】
13.1 ユーザグループ
● アプリ
● ディフューザ
● パール
● 他のユーザ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
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図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図29
図30
図31
図32