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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】方法、表示デバイス、及び、システム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20230719BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20230719BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20230719BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20230719BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20230719BHJP
   H04N 21/431 20110101ALI20230719BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 633D
G09G3/20 633P
G09G3/20 612U
G09G3/34 J
G09G3/20 612L
G09G3/20 632B
G09G3/20 611E
G09G3/20 680B
G02F1/133 535
G02F1/133 575
G02B27/02 Z
H04N21/431
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020560475
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-24
(86)【国際出願番号】 US2019027547
(87)【国際公開番号】W WO2019231570
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2022-04-04
(31)【優先権主張番号】62/677,524
(32)【優先日】2018-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/119,930
(32)【優先日】2018-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502161508
【氏名又は名称】シナプティクス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205350
【弁理士】
【氏名又は名称】狩野 芳正
(74)【代理人】
【識別番号】100117617
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭策
(72)【発明者】
【氏名】モリン、スティーブン・エル
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特表2010-517488(JP,A)
【文献】特開2004-287420(JP,A)
【文献】特開2008-051850(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0066715(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0291153(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
G02F 1/133
G02B 27/02
H04N 21/431
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示デバイスによって実行される方法であり、
前記表示デバイスの表示面上に全視野(FFOV)画像と中心視画像とを含むフレームバッファ画像を表示するためのピクセルデータと、前記フレームバッファ画像を表示するときに前記表示面を照らすために用いられる前記表示デバイスのバックライトを調節するためのバックライト設定データと、を含み、前記バックライト設定データが前記ピクセルデータの部分として符号化された表示データ受信し、
前記ピクセルデータを用いて、前記表示面の複数のピクセル要素を更新し、
前記フレームバッファ画像のアスペクト比に少なくとも部分的に基づいて、前記バックライト設定データに対応する前記ピクセルデータの前記部分を同定し、
前記バックライト設定データを用いて前記バックライトの強さを更新する、
ことを含み、
受信した前記表示データついて、前記バックライト及び前記表示面の更新が同時に実行される、
方法。
【請求項2】
前記ピクセルデータの前記部分が、前記フレームバッファ画像の非表示領域に対応する、
請求項の方法。
【請求項3】
前記バックライト設定データが、ピクセル毎2ビットのスパース符号化技術に従って符号化され、
ビットの各パターンが異なるピクセルの色で表される、
請求項の方法。
【請求項4】
前記同定することが、
前記フレームバッファ画像のアスペクト比に基づいて、前記中心視画像に関する前記FFOV画像の位置を決定し、
前記FFOV画像の前記位置に基づいて、前記バックライト設定データと対応する前記ピクセルデータの部分を同定する、
ことを含む、
請求項の方法。
【請求項5】
前記バックライト設定データが、前記FFOV画像の角において符号化される、
請求項の方法。
【請求項6】
前記フレームバッファ画像のアスペクト比が前記表示面のアスペクト比と一致するときに、前記中心視画像が前記FFOV画像と統合される、
請求項の方法。
【請求項7】
前記フレームバッファ画像のアスペクト比が前記表示面のアスペクト比と異なるときに、前記中心視画像が前記FFOV画像から分離される、
請求項の方法。
【請求項8】
複数のピクセル要素を備える表示面と、
前記表示面を照らすように構成されたバックライトと、
ディスプレイドライバと、
を備え、
前記ディスプレイドライバは、
前記表示面上に全視野(FFOV)画像と中心視画像とを含むフレームバッファ画像を表示するためのピクセルデータと、前記フレームバッファ画像を表示するときに前記バックライトを調節するためのバックライト設定データと、を含み、前記バックライト設定データが前記ピクセルデータの部分として符号化された表示データ受信し、
前記ピクセルデータを用いて、前記複数のピクセル要素を更新し、
前記フレームバッファ画像のアスペクト比に少なくとも部分的に基づいて、前記バックライト設定データに対応する前記ピクセルデータの前記部分を同定し、
前記バックライト設定データを用いて前記バックライトの強さを更新する、
ように構成され、
受信した前記表示データついて、前記バックライト及び前記複数のピクセル要素の更新が同時に実行される、
表示デバイス。
【請求項9】
前記ピクセルデータの前記部分が、前記フレームバッファ画像の非表示領域に対応する
請求項の表示デバイス。
【請求項10】
前記バックライト設定データが、ピクセル毎2ビットのスパース符号化技術に従って符号化され、
ビットの各パターンが異なるピクセルの色で表される、
請求項の表示デバイス。
【請求項11】
前記ディスプレイドライバが、
前記フレームバッファ画像の前記アスペクト比に基づいて、前記中心視画像に関する前記FFOV画像の位置を決定し、
前記FFOV画像の前記位置に基づいて、前記バックライト設定データと対応する前記ピクセルデータの前記部分を同定する、
ことにより、前記バックライト設定データに対応する前記ピクセルデータの前記部分を同定するように構成され、
前記バックライト設定データが、前記FFOV画像の角において符号化される、
請求項の表示デバイス。
【請求項12】
画像ソースから画像データを受信するホストデバイスと、
表示面とバックライトとを備える表示デバイスと、
を備え、
前記ホストデバイスが、
受信した前記画像データに基づいて全視野(FFOV)画像と中心視画像とを含むフレームバッファ画像を表示するためのピクセルデータを描写し、
受信した前記画像データに基づいて前記フレームバッファ画像の明るさを調節するためのバックライト設定データを描写し、
前記ピクセルデータと、前記ピクセルデータの部分として符号化された前記バックライト設定データとを含む表示データを生成し、
通信リンクを介して前記表示データを伝達する、
ように構成され、
前記表示デバイスが、
前記表示データを、前記通信リンクを介して受信し、
受信した前記表示データにおける前記ピクセルデータを用いて、前記表示面の複数のピクセル要素を更新し、
前記フレームバッファ画像のアスペクト比に少なくとも部分的に基づいて、前記バックライト設定データに対応する前記ピクセルデータの前記部分を同定し、
受信した前記表示データにおける前記バックライト設定データを用いて前記バックライトの強度を更新する、
ように構成された、
システム。
【請求項13】
記ピクセルデータの前記部分が、前記フレームバッファ画像の非表示領域に対応する、
請求項12のシステム。
【請求項14】
前記バックライトが個別の光源のアレーを備え、
前記ホストデバイスが、
前記個別の光源のそれぞれの強さをそれぞれに示すバックライト画像を生成し、
圧縮技術を用いて前記バックライト画像を圧縮し、
展開技術を用いて前記バックライト画像を展開し、
展開された前記バックライト画像に少なくとも部分的に基づいて、1以上のピクセル調節値を生成する、
ように更に構成され、
前記バックライト設定データが、展開された前記バックライト画像と1以上の前記ピクセル調節値とを含む、
請求項12のシステム。
【請求項15】
前記表示デバイスが、
前記1以上のピクセル調節値に少なくとも部分的に基づいて、1以上の前記ピクセル要素に印加される電圧を調節する、
ことにより前記複数のピクセル要素を更新するように構成された、
請求項14のシステム。
【請求項16】
前記ホストデバイスが、
前記圧縮技術を用いて前記フレームバッファ画像を圧縮し、
前記通信リンクを介して圧縮された前記フレームバッファ画像を伝達する、
ことにより前記フレームバッファ画像を伝達するように構成された、
請求項14システム
【請求項17】
前記表示デバイスが、
前記通信リンクを介して圧縮された前記フレームバッファ画像を受信し、
前記展開技術を用いて受信した前記フレームバッファ画像を展開する、
ことにより前記フレームバッファ画像を受信するように構成された、
請求項16システム
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施形態は、一般には表示技術に関し、詳細には表示デバイスのためのコンテンツ適応型バックライト制御(CABC)及びローカル調光に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘッドマウントディスプレイ(Head-mounted display)(HMD)デバイスは、ユーザの頭に着用又は取り付けるように構成されている。HMDデバイスは、ユーザの目の一方又は両方の前方に配置される1以上のディスプレイを備える。HMDは、ユーザの周辺環境(例えば、カメラでキャプチャされた)からの情報及び/又は画像を重ねられた、画像ソースからの画像(例えば、静止画像、連続した画像、及び/又は、動画)を表示し、例えば、ユーザを仮想世界に没頭させ得る。HMDデバイスは、医療、軍事、ゲーミング、航空、工学、及び、様々な他のプロフェッショナル及び/又はエンターテイメント産業において応用される。
【0003】
HMDデバイスは、そのディスプレイにおいて液晶ディスプレイ(liquid-crystal display)(LCD)の技術を用いる場合がある。それらは発光しないため、LCDは、光をディスプレイの前方へ、及び/又は、後方から発する別の光源に依存する。いくつかのHMDデバイスは、バックライト付きのLCDを用いる。バックライト付きのLCDアセンブリは、表示スクリーンの表面の後ろに配置された、LCD層に向けて光を発して表示用のピクセルを照らす光源(例えば、バックライト)を含む。光源の例は、冷陰極蛍光灯(cold cathode fluorescent lamp)(CCFL)、外部電極型蛍光灯(external electrode fluorescent lamp)(EEFL)、熱陰極蛍光灯(hot-cathode fluorescent lamp)(HCFL)、フラット型蛍光灯(flat fluorescent lamp)(FFL)、発光ダイオード(light-emitting diode)(LED)、又は、これらの任意の組合せ、を含む場合がある。
【0004】
コンテンツ適応型バックライト制御(Content adaptive backlight control)(CABC)は、LCDアセンブリのバックライトによって発される光の量を制御する技術であり、例えば、画像のクオリティを強化し、及び/又は、電力を節約する。例えば、LCDアセンブリは、調光信号によってバックライトの明るさを制御するインバータを備える場合がある。調光信号はパルス幅変調(pulse-width modulated)(PWM)波形である場合があり、インバータは、調光信号のデューティ比に基づいてバックライトのオンとオフを繰り返し切り替える場合がある。調光の量は、表示されている画像の明るさ(例えば、ピクセル強度)に基づく場合がある。例えば、より暗い画像は、相対的に薄暗いバックライトを用いて正確に再生される場合がある。しかしながら、バックライトからの明かりの量が不十分である場合に、より明るい画像は「クリップ」された結果として色が褪せる場合がある。
【0005】
従来のCABC技術は、(例えば、HMDドライバに設けられた)LCDアセンブリのディスプレイドライバによって実装されていた。例えば、ディスプレイドライバはLCDに表示される画像を解析する場合があり、対応する画像を表示するときに用いられるバックライト強度を決定する場合がある。バックライト強度は表示時に算出されるため、バックライトに供給される調光信号は、LCDに供給されるピクセル更新に対して少なくとも1フレーム遅延する。言い換えると、現在のフレームについて実施されているバックライトの調光信号は、以前のフレームからの画像データに基づいて算出されている場合がある。この遅延は、HMDデバイスのユーザにとって他のLCDの活用例(例えば、テレビ、コンピュータのモニタ、モバイル機器のスクリーン、等)より気が付きやすいアーティファクトを生じ得る。
【発明の概要】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される、概念の選択を単純化された形態で紹介するために提供される。本概要は、特許請求の範囲の鍵となる構成や必須の構成を特定することを意図せず、請求された主題の範囲を限定することを意図していない。
【0007】
本開示の主題の革新的な一態様は、複数のピクセル要素を含む表示面と、表示面を照らすように構成されたバックライトと、を備える表示デバイスとして実装可能である。表示デバイスのディスプレイドライバは、表示面上に画像を表示するためのピクセルデータと、画像を表示するときにバックライトを調節するためのバックライト設定データと、を含む表示データのフレームを受信するように構成される。表示デバイスは、ピクセルデータを用いて、複数のピクセル要素を更新し、バックライト設定データを用いてバックライト強度を更新する、ように更に構成される。より詳細には、受信した表示データのフレームについて、バックライト及び複数のピクセル要素の更新が同時に実行される。
【0008】
いくつかの実施形態では、バックライト設定データが、画像の非表示領域に対応するピクセルデータの部分として符号化され得る。いくつかの態様では、ピクセルデータの一部が、画像の非表示領域に対応し得る。その上更に、いくつかの態様では、バックライト設定データが、ピクセル毎2ビットのスパース符号化技術に従って符号化され、ビットの各パターンが異なるピクセルの色で表され得る。
【0009】
表示データのフレームが、全視野(full field-of-view)(FFOV)画像と、中心視画像と、を含むフレームバッファ画像に対応する場合がある。いくつかの実施形態では、表示デバイスが、フレームバッファ画像のアスペクト比に少なくとも部分的に基づいて、バックライト設定データに対応するピクセルデータの部分を同定する、ように更に構成され得る。いくつかの態様では、表示デバイスは、フレームバッファ画像のアスペクト比に基づいて、中心視画像に関するFFOV画像の位置を決定し、FFOV画像の位置に基づいて、バックライト設定データと対応するピクセルデータの部分を同定する場合がある。
【0010】
いくつかの実施形態では、バックライト設定データが、FFOV画像の角において符号化される場合がある。いくつかの態様では、フレームバッファ画像のアスペクト比が表示面のアスペクト比と一致するときに、中心視画像がFFOV画像と統合される場合がある。いくつかの他の態様では、フレームバッファ画像のアスペクト比が表示面のアスペクト比と異なるときに、中心視画像がFFOV画像から分離される場合がある。
【0011】
本開示の主題の革新的な他の態様は、ホストデバイスと表示デバイスとを備えるシステムとして実装可能である。ホストデバイスは、画像ソースから画像データを受信するように構成される。いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、受信した画像データに基づいて画像を表示するためのピクセルデータを描写する場合がある。ホストデバイスは、受信した画像データに基づいて画像の明るさを調節するためのバックライト設定データを更に描写する場合がある。ホストデバイスは、ピクセルデータとバックライト設定データとを含むフレームバッファ画像を生成し、通信リンクを介してフレームバッファ画像を伝達する場合がある。表示デバイスは表示面とバックライトとを備える。いくつかの実施形態では、表示デバイスは、フレームバッファ画像を、通信リンクを介して受信するように構成される場合がある。表示デバイスは、更に、受信したフレームバッファ画像におけるピクセルデータを用いて、表示面の複数のピクセル要素を更新し、受信したフレームバッファ画像におけるバックライト設定データを用いてバックライトの強度を更新する。
【0012】
いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、バックライト設定データを、フレームバッファ画像の非表示領域におけるピクセルデータの部分として符号化する、ことによりフレームバッファ画像を生成する場合がある。
【0013】
いくつかの態様では、バックライトが個別の光源のアレーを備える場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、個別の光源のそれぞれの強度をそれぞれに示すバックライト画像を生成することで、バックライト設定データを描写する場合がある。ホストデバイスは、更に、圧縮技術を用いてバックライト画像を圧縮し、展開技術を用いてバックライト画像を展開する場合がある。バックライト設定データが、展開されたバックライト画像に対応する場合がある。
【0014】
いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、圧縮技術を用いてフレームバッファ画像を圧縮し、通信リンクを介して圧縮されたフレームバッファ画像を伝達する、ことによりフレームバッファ画像を伝達する場合がある。いくつかの実施形態では、表示デバイスは、通信リンクを介して圧縮されたフレームバッファ画像を受信し、展開技術を用いて受信したフレームバッファ画像を展開する、ことによりフレームバッファ画像を受信する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
示された実施形態は、例として図示されており、添付の図面の図によって限定されることを意図されたものでは無い。
【0016】
図1図1は、本実施形態を実装し得る表示システムの例を示す。
【0017】
図2図2は、いくつかの実施形態に係る、例示的なバックライト制御器のブロック図を示す。
【0018】
図3図3は、いくつかの実施形態に係る、表示デバイスのバックライト制御を提供するホストデバイスを含む表示システムの例を示す。
【0019】
図4図4は、いくつかの実施形態に係る、表示デバイス上に表示され得る画像の例を示す。
【0020】
図5図5は、いくつかの実施形態に係る、埋め込まれたバックライト設定を有するフレームバッファ画像の例を示す。
【0021】
図6図6は、いくつかの実施形態に係る、埋め込まれた中心の座標及びバックライト設定を有するフレームバッファ画像の例を示す。
【0022】
図7図7は、いくつかの実施形態に係る、ローカル調光アレーのための例示的なバックライト制御器のブロック図を示す。
【0023】
図8図8は、いくつかの実施形態に係る、ローカル調光アレーを有する例示的な表示システムのブロック図を示す。
【0024】
図9A図9Aは、いくつかの実施形態に係る、表示デバイスにおける、ディスプレイドライバ、ディスプレイ、及び、バックライトの間の例示的なタイミングの関係を示すタイミング図を示す。
図9B図9Bは、いくつかの実施形態に係る、表示デバイスにおける、ディスプレイドライバ、ディスプレイ、及び、バックライトの間の例示的なタイミングの関係を示すタイミング図を示す。
【0025】
図10図10は、ホストデバイス上での、バックライト設定データを有するフレームバッファ画像を生成する例示的な演算を示す例示的なフローチャートである。
【0026】
図11図11は、ホストデバイスから受信したフレームバッファ画像を用いた、表示面及びバックライトを同時に更新する例示的な演算を示す例示的なフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下の説明では、本開示の十分な理解を提供するために、具体的なコンポーネント、回路、及び、処理の例のような、多くの具体的な詳細が示される。ここで使われる「接続された」という言葉は、直接に接続されている、又は、仲介する1以上のコンポーネント又は回路を介して接続されていることを意味する。「電子システム」や「電子デバイス」という言葉は、情報を電子的に処理可能な任意のシステムを示すために、互換可能に用いられる場合がある。更に、以下の説明において、及び、説明を目的として、本開示の態様の十分な理解を提供するために、特定の命名法が用いられる。しかし、例示的な実施形態を実施するためには、これらの具体的な詳細が必要でない場合があることが当業者には明らかであろう。他の例では、本開示が不明確になることを避けるために、周知の回路及びデバイスがブロック図の形式で示される。以下の詳細な説明のいくつかの部分は、過程、論理ブロック、処理、及び、コンピュータのメモリ内のデータービットへの操作を他の記号で表現したもの、という形で提示されている。
【0028】
これらの説明及び表現は、データ処理技術の当業者によって、彼らの仕事の実質をもっとも効果的に他の当業者に伝えるために用いられる手段である。本開示においては、過程、論理ブロック、又は、処理等は、所望の結果を導くステップ又は命令の自己無撞着なシークエンスとなるように考案された。当該ステップは、物理量の物理的な操作を必要とするステップである。通常、必須ではないものの、これらの量はコンピュータシステムにおいて、記憶、送信、合成、比較、及び他の操作が可能な電子的又は磁気的な信号の形態を取る。しかしながら、これら及び同様の文言の全てが、適切な物理量と関連付けられるべきであり、かつ、これらの量に適用される便利なラベルに過ぎないということが留意されるべきである。
【0029】
後述の議論から明らかなように、特にそうでないと述べられていない場合には、本出願を通して、「アクセスする」、「受信する」、「送信する」、「用いる」、「選択する」、「決定する」、「正規化する」、「乗算する」、「平均する」、「モニタする」、「比較する」、「適用する」、「更新する」、「計測する」、「導出する」、等のような表現を用いて行われる議論は、コンピュータシステム(又は同様の電子計算デバイス)によるアクション及び処理を参照していると認められる。これらのアクション及び処理は、コンピュータシステムのレジスタ及びメモリ内の物理(電気)量として示されるデータを、コンピュータシステムのメモリ又はレジスタ、又は他のそのような情報ストレージ、伝送器、又は表示装置内の物理量として同様に示される他のデータに操作及び変換する。
【0030】
図において、単一のブロックが一又は複数の機能を実行するように説明される場合がある。しかし、実際の実施においては、そのブロックによって実行される一又は複数の機能は、単一のコンポーネントによって、あるいは複数のコンポーネントにまたがって実行される場合があり、及び/又は、ハードウェアを用いて、ソフトウェアを用いて、又は、ハードウェア及びソフトウェアの組合せを用いて実行される場合がある。このハードウェアとソフトウェアの互換可能性を明確に示すために、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び、ステップが、それらの機能性の観点から、以下で一般に説明される。そのような機能性がハードウェア又はソフトウェアのいずれとして実装されるかは、特有の用途と、システム全体に課せられる設計上の制約と、に依存する。熟練した技術者は、説明された機能性を各特有の用途に応じた多様な方法で実装し得るが、そのような実装の決定が、本発明の範囲からの逸脱を起こすと解釈されてはならない。さらに、例示的な入力デバイスは、プロセッサ、及び、メモリ等といった周知のコンポーネントを含む、示されたものとは異なるコンポーネントを含む場合がある。
【0031】
ここで説明される技術は、特定の態様で実装されると特に記述されない場合は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの組み合わせとして実装し得る。モジュール又はコンポーネントとして説明された任意の構成は、集積ロジックデバイスに一緒に実装されることがあり、又は、別々だが相互に情報交換可能な論理デバイス、として別々に実装されることがある。ソフトウェアとして実装された場合、この技術は、少なくとも部分的に、実行されたときに後述される方法のうち1以上を実施する命令を保存する非一時的なプロセッサ読取り可能な記憶媒体によって実現され得る。この非一時的なプロセッサ読取り可能なデータ記憶媒体は、コンピュータプログラム製品の部分を形成する場合がある。コンピュータプログラム製品は、パッケージされた商品を含み得る。
【0032】
非一時的なプロセッサ読取り可能な記憶媒体は、同期ダイナミックランダムアクセスメモリ(synchronous dynamic random access memory)(SDRAM)のようなランダムアクセスメモリ(random access memory)(RAM)、リードオンリーメモリ(read only memory)(ROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(non-volatile random access memory)(NVRAM)、電子的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(electrically erasable programmable read-only memory)(EEPROM)、フラッシュメモリ、他の既知の記憶媒体、等、を備える場合がある。本技術は追加的に、あるいは代替的に、少なくとも一部が、コードを命令又はデータ構造の形で伝達または通信し、かつ、コンピュータ又は他のプロセッサによってアクセス、読取り、及び/又は、実行可能な、プロセッサ読取り可能な通信媒体によって実現され得る。
【0033】
本明細書で開示される実施形態に関して説明される様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及び、命令は、1以上のプロセッサによって実行され得る。本明細書で用いられる「プロセッサ」という言葉は、任意の汎用プロセッサ、従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、及び/又は、メモリに記憶された1以上のソフトウェアプログラムのスクリプト又は命令を実行可能な状態機械、を示す場合がある。本明細書で用いられる「電圧源」という言葉は、直流(direct-current)(DC)の電圧源、交流(alternating-current)(AC)の電圧源、又は、(接地のような)電位を生成する他の手段を示す場合がある。
【0034】
図1は、本実施形態が実装され得る例示的な表示システム100を示す。表示システム100は、ホストデバイス110と、表示デバイス120と、を備える。表示デバイス120は、画像、又は、一連の画像(例えば、ビデオ)をユーザに表示するように構成された任意のデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、表示デバイス120は、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスである場合がある。いくつかの態様では、ホストデバイス110は、表示デバイス120の物理的な一部として実装され得る。あるいは、ホストデバイス110は、バスやネットワークのような様々な有線及び/又は無線の相互接続及び通信技術を用いて、表示デバイス120の構成要素に対して接続される(及び構成要素と通信する)場合がある。例示的な技術は、集積回路間(Inter-Integrated Circuit)(IC),シリアル・ペリフェラル・インターフェース(Serial Peripheral Interface)(SPI)、PS/2、ユニバーサルシリアルバス(Universal Serial bus)(USB)、ブルートゥース(登録商標)、赤外線データ通信(Infrared Data Association)(IrDA)、及び、IEEE802.11基準で定義された様々な無線周波数(radio frequency)(RF)通信プロトコルを含み得る。図1の例では、ホストデバイス110とHMDデバイス120とは、別々の機器として示されている。しかしながら、実際の実装では、ホストデバイス110とHMDデバイス120とは、同じ物理装置筐体内の分離されたコンポーネントである場合がある。
【0035】
ホストデバイス110は、画像ソースデータ101を画像ソース(シンプルにするために図示せず)から受信し、表示デバイス120において表示するために(例えば、表示データ102として)画像ソースデータ101を描写する。いくつかの態様では、ホストデバイス110は、画像ソースデータ101を表示デバイス120の1以上の能力に従って処理するように構成された描写エンジン112を備える場合がある。例えば、いくつかの態様では、表示デバイス120はユーザの目の位置に基づいて動的に更新された画像をユーザに表示する場合がある。より詳細には、表示デバイス120は、ユーザの目の動きを追跡する場合があり、画像のうちユーザが凝視する点と一致する部分(例えば、中心視領域)を、画像の他の領域(例えば、フルフレーム画像)よりも高い解像度で表示する場合がある。そのため、いくつかの実施形態では、描写エンジン112は、フルフレーム画像の中心視領域に重ねる高解像度の中心視画像を生成する場合がある。いくつかの実施形態では、描写エンジン112は、フルフレーム画像を表示デバイス120において(例えば、中心視画像よりも低解像度で)表示するためにスケーリングする場合がある。
【0036】
表示デバイス120は、表示データ102をホストデバイス110から受信し、受信した表示データ102に基づいて、対応する画像をユーザに表示する。いくつかの実施形態では、表示デバイス120はディスプレイ122と、バックライト124と、を備える場合がある。ディスプレイ122は、画像又は画像のシークエンスをユーザに表示可能な任意の種類の動的なディスプレイであってもよい。表示スクリーン技術の適切な技術の例は、発光ダイオード(LED)、有機LED(organic LED)(OLED)、ブラウン管(cathode ray tube)(CRT)、液晶ディスプレイ(liquid crystal display)(LCD)、プラズマ、及び、エレクトロルミネッセンス(electroluminescence)(EL)を含み得るが、これに限られない。
【0037】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ122は、表示パネルの一方の表面から他方へと通過する光の量を(例えば、各ピクセル要素に印加される電圧又は電場に応じて)変化可能にするように構成されたピクセル要素(例えば、液晶セル)のアレーから形成された液晶ディスプレイ(LCD)パネルである場合がある。例えば、表示デバイス120は、各ピクセル要素に適切な電圧を印加して、フルフレーム画像に重ねられた中心視画像を含む合成された画像をディスプレイ122上で描写する場合がある。上述したように、LCDは発光しないため、画像がユーザに視認可能になるように、ピクセル素子を照らす別個の光源に依存する。
【0038】
バックライト124は、背後からピクセル要素を照らすために、ディスプレイ122に近接して配置される場合がある。バックライト124は、冷陰極蛍光灯(CCFL)、外部電極型蛍光灯(EEFL)、熱陰極蛍光灯(HCFL)、フラット型蛍光灯(FFL)、発光ダイオード(LED)、又は、これらの任意の組合せ(しかしこれに限定されない)を含む1以上の光源を備える場合がある。いくつかの態様では、バックライト124は、ディスプレイ122の異なる領域に異なるレベルの照明を供給可能な(LEDのような)個別の光源のアレーを備える場合がある。いくつかの実施形態では、表示デバイス120は、例えば、画像の品質向上又は消費電力の節約のために、バックライト124の強度又は明るさを動的に変更可能なインバータ(シンプルにするために図示せず)を備える場合がある。
【0039】
上記で説明したように、バックライト124の強度は、ディスプレイ122で再生される画像又はビデオの品質に影響し得る。例えば、ある閾値を超えてバックライト124を調光すると、ディスプレイ122の1以上のピクセルがクリップされ、色あせが生じ得る。一方、バックライト124の強度をフレーム毎に顕著な量で変動させると、強くユーザの気をそらし得るフリッカー効果を生じる場合がある。そのため、いくつかの実施形態では、表示システム100は、そのようなアーティファクトの発生を低減し、及び/又は、それらがユーザの視聴体験を阻害することを防ぐために、バックライト124の強度を動的に設定可能なバックライト制御器(シンプルにするために図示せず)を備える場合がある。
【0040】
図2は、いくつかの実施形態に係る、例示的なバックライト制御器のブロック図を示す。いくつかの実施形態では、バックライト制御器200は、特定の画像又はフレームを表示するときに望ましい(例えば、最適な)バックライト強度を決定するために、図1の表示システム100に含まれるか、表示システム100によって実装され得る。より詳細には、バックライト制御器200は、ディスプレイ122において描写される画像又はフレームに関するピクセル情報に少なくとも部分的に基づいて、バックライト124の強度又は照明量を決定する場合がある。バックライト制御器200は、画像解析モジュール210、色制御モジュール220、フリッカー制御モジュール230、及び、ピクセル修正モジュール240を備える場合がある。
【0041】
画像解析モジュール210は、対応する表示デバイス(例えば、ディスプレイ122)によって表示される画像に関する画像データ201を受信する場合があり、受信した画像データ201に基づいて、画像についてのピクセル強度情報202を決定する場合がある。上記で説明したように、ディスプレイ122は、ピクセル要素(例えば、液晶セル)のアレーを備えるLCD表示パネルである場合がある。各ピクセル要素は、赤色(R)、緑色(G)、及び、青色(B)のサブピクセルを含む(しかしこれに限定されない)複数のサブピクセルをさらに備える場合がある。画像データ201は、表示される画像のサブピクセルについてのR、G、及び、Bの値を含む場合がある。より詳細には、R、G、及び、Bの値は、各ピクセルの明るさのレベル(又は濃度のレベル)を示す場合がある。そのため、いくつかの態様では、画像解析モジュール210は、受信した画像データ201のR、G、及び、Bの値についての加重和値(又は平均値)に基づいて、各ピクセルの明るさ(又は濃度)のレベルを示すピクセル強度情報202を生成する場合がある。
【0042】
色制御モジュール220は、画像解析モジュール210からピクセル強度情報202を受信する場合がある。また、色制御モジュール220は、ピクセル強度情報202に基づいて、閾値バックライト強度203を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、色制御モジュール220は、(例えば、ピクセル強度情報202から取得した)各ピクセルの明るさのレベルのヒストグラムをベースとした解析を実行して、閾値バックライト強度203を決定する場合がある。より具体的には、ヒストグラムは、表示される画像のピクセルの明るさの分布を表す場合がある。より詳細には、ヒストグラムは、画像における明るさのレベルそれぞれの頻度(例えば、関連するピクセルの数)を示す場合がある。色制御モジュール220は、画像のピクセルの明るさの分布を解析し、表示される画像全体の明るさの指標を決定する場合がある。そして、色制御モジュール220は、画像の明るさの指標に基づいて、閾値バックライト強度203を決定する場合がある。例えば、閾値バックライト強度203は、バックライト強度の画像の明るさの指標を達成あるいは維持可能な最低値に対応する場合がある。
【0043】
上記で説明したように、特定の閾値を超えてバックライトを調光すると、ディスプレイの1以上のピクセルがクリップされる原因になり、色褪せが生じる場合がある。言い換えると、バックライト強度は、液晶セルにより高い(あるいは、より低い)電圧を印加することによってピクセルの明るさを更に強めることができないときには、(ピクセルの強度にとって)制限要素となる。そのため、いくつかの態様では、色制御モジュール220は画像の明るさの指標を、ピクセルの明るさの分布において観測される最も明るいピクセル強度に従って設定することにより、色褪せを防ぐ場合がある。例えば、画像内の最も明るいピクセルが最大明るさレベルの80%であったときに、画像全体の明るさの指標は80%として特徴づけられる場合がある。このとき、閾値バックライト強度203は、バックライトに達成可能な最大明るさの80%に設定され得る。
【0044】
しかしながら、ある程度の色褪せは人間の目にとって視覚的に目立たない場合がある。そのため、いくつかの態様では、色制御モジュール220は、バックライト強度を更に低減するために、いくつかのピクセルがクリップされることを許容する場合がある。例えば、色制御モジュール220は、画像全体の明るさの指標を、画像内の各ピクセルの明るさの平均値(又は、加重平均値)に基づいて算出する場合がある。例えば、ピクセルの明るさの平均が最大明るさレベルの60%であることをピクセルの明るさの分布が示すときに、画像全体の明るさの指標は60%として特徴づけられる場合がある。このとき、閾値バックライト強度203は、バックライトが達成可能な最大明るさの60%に設定され得る。
【0045】
フリッカー制御モジュール230は、色制御モジュール220から閾値バックライト強度情報203を受信する場合がある。また、フリッカー制御モジュール230は、現在の画像又はフレームに関する最終的なバックライト強度204を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、フリッカー制御モジュール230は、シークエンスにおける以前の一以上の画像又はフレームに関するバックライト強度の履歴分析を行い、現在の画像又はフレームについてのバックライト強度204を決定する場合がある。上記で説明したように、バックライト強度をフレーム毎に顕著な量で変動させると、強くユーザの気をそらし得るフリッカー効果を生じる場合がある。そのため、いくつかの実施形態では、フリッカー制御モジュール230は、表示される画像のフリッカーを低減するために、バックライト強度の如何なるの変化も“平滑化する”場合がある。
【0046】
いくつかの態様では、フリッカー制御モジュール230は、バックライトの強度の変化が漸進的に生じることを保証する。例えば、フリッカー制御モジュール230は、バックライト強度の閾値203と、1以上の以前のフレームに関するバックライト強度と、の平均値(又は加重平均値)に基づいて、現在のフレームについてのバックライト強度204を算出する場合がある。このため、直前のバックライト強度がバックライトの最大明るさの100%に設定され、現在のフレームについてのバックライト強度の閾値203が60%に設定されているとき、フリッカー制御モジュール230は、現在のフレームについての最終的なバックライト強度204を、バックライトの最大明るさの80%に設定する場合がある。
【0047】
いくつかの他の態様では、フリッカー制御モジュール230は、バックライト強度が閾値量を超えて変化しないことを保証する場合がある。例えば、バックライト強度の閾値203が1以上の以前のフレームのバックライト強度から閾値量(例えば、±10%)を超えて相違している場合、フリッカー制御モジュール230は、バックライト強度の変動を該閾値量で制限する場合がある。そのため、直前のフレームに関するバックライト強度がバックライトの最大明るさの100%に設定され、現在のフレームについての閾値バックライト強度203が60%に設定されているとき、フリッカー制御モジュール230は、現在のフレームについての最終的なバックライト強度204を(例えば、バックライト強度における閾値変動が±10%に制限されていると仮定すると)90%に設定する場合がある。
【0048】
ピクセル修正モジュール240は、バックライト強度情報204をフリッカー制御モジュール230から、ピクセル強度情報202を画像解析モジュール210から受信する場合がある。また、ピクセル修正モジュール240は、現在の画像又はフレームに関する1以上のピクセル調節値205を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、ピクセル調節値205は、ディスプレイのピクセル要素を制御する電圧を、バックライトに適用される調光量に比例して調節するために用いられる場合がある。上記で説明したように、ピクセル要素に印加される電圧は、その特定のピクセル要素がディスプレイの表面へ向けて(たとえば、バックライトからの)光を透過する量を決定する。バックライト強度を低減することは、当然、ピクセルの明るさを低減することにつながる。低減されたバックライトの明るさを補償するために、1以上のピクセルの電圧を増加(又は低減)して、ピクセルをより多くの光に透過させることが望まれ得る。
【0049】
そのため、特定のピクセルの所望の明るさ(例えば、ピクセル強度情報202に由来するような)に依存して、ピクセル修正モジュール240は、例えば、表示される画像に関連する(例えば、バックライト強度情報204に由来するような)バックライトの明るさを保証するために、そうでなければその特定のピクセルに印加される電圧を選択的に調節する場合がある。例えばバックライト強度204が(その最大明るさと比較して)10%低減されるときに、ピクセル修正モジュール240は、1以上のピクセル要素に印加される電圧が(例えば、さらに10%の光を透過するように)比例的に増加されるべきであると決定する場合がある。
【0050】
バックライト強度情報204及びピクセル調節値205は、総合すると、ディスプレイのピクセル要素とディスプレイに関するバックライトを制御するために用いられ得るバックライト設定に対応する。例えば、バックライト強度情報204は、(例えば、PWM制御信号を用いて)バックライト124を動的に調光するために、表示デバイス120のインバータに供給される場合がある。同様に、ピクセル調節値205は、調節された電圧を(例えば、それぞれのゲートラインとソースラインを介して)対応するピクセル要素に印加するために、表示デバイス120のゲートラインドライバ又はソースラインドライバに供給される場合がある。
【0051】
従来の表示システムでは、バックライト制御器200は、表示デバイス(例えば、表示デバイス120)内に存在するディスプレイドライバ上に設けられる(又は、ディスプレイドライバによって実現される)。そのため、ディスプレイドライバは、ホストから受信した表示データの各フレームを同時に描写しながら、(例えば、バックライト強度情報204とピクセル調節値205を含む)バックライト設定を生成する場合がある。しかしながら、バックライト設定はすでに表示されているフレームに基づいて決定されるため、バックライト強度情報204及びピクセル調節値は、ピクセルアレーに供給される制御情報に対して少なくとも1フレーム遅延し得る。言い換えると、特定のフレームから生成されたバックライト強度情報204及びピクセル調節値205は、実際には、シークエンスにおける次のフレームを表示するときに履行される。この遅延は、他の表示装置(例えば、テレビ、コンピュータモニタ、携帯デバイスのスクリーン、等)よりも、HMDデバイスのユーザにとってはるかに目立つアーティファクトを生じ得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、バックライト制御器200は、ホストデバイス110上に設けられる(または、ホストデバイス110によって実現される)場合がある。例えば、ホストデバイス110は、表示デバイス120において表示するための画像ソースデータ101を処理する間に、バックライト強度情報204及びピクセル調節値205を同時に生成する場合がある。そして、ホストデバイス110は、バックライト強度情報204及びピクセル調節値205を、表示データ102と共に、表示デバイス120に送信する場合がある。いくつかの実施形態では、バックライト強度情報204及びピクセル調節値205を(下記でさらに詳細に説明するように)表示データ102の中に記録する場合がある。そのため、ホストデバイス110から表示データ102を受信したときに、表示デバイス120は、その特定のフレームについて、正しいピクセル調節値205と、バックライト124を制御するためのバックライト強度情報204と、を用いてディスプレイ122上で対応する画像を描写し得る。
【0053】
図3は、いくつかの実施形態に係る、表示デバイス320のバックライト制御を提供するホストデバイス310を含む表示システム300の例を示す。表示システム300は、図1の表示システム100の例示的な実施形態である場合がある。従って、表示デバイス320は、画像、又は、画像のシークエンス(例えば、ビデオ)をユーザに表示するように構成された任意のデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、表示デバイス320はヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスである場合がある。さらに、いくつかの態様では、ホストデバイス310は、表示デバイス320の物理的な一部として実装され得る。あるいは、ホストデバイス310は、バスやネットワークのような様々な有線及び/又は無線の相互接続及び通信技術を用いて、表示デバイス320の構成要素に対して接続される(及び構成要素と通信する)場合がある。
【0054】
ホストデバイス310は、画像ソースデータ301を画像ソース(シンプルにするために図示せず)から受信し、表示デバイス320において表示するために(例えば、表示データ305として)画像ソースデータ301を描写する。いくつかの実施形態では、ホストデバイス310は、ユーザの目の位置及び/又は運動に基づいて、表示デバイス320作動中に、画像ソースデータ301を動的に描写する場合がある。例えば、ホストデバイス310は、画像のうちユーザが凝視する点と一致する部分(例えば、中心視領域)を、画像の他の領域(例えば、フルフレーム画像)よりも高い解像度で表示する場合がある。画像全体の解像度は、事前の描写、記憶装置の要求、及び/又は、表示デバイス320のディスプレイの解像度に依存し得る。例えば、図4は、いくつかの実施形態に係る、表示デバイス320上に表示され得る合成画像400の例を示す。合成画像400は、全視野(FFOV)画像402に統合された中心視画像404を含むように示されている。いくつかの態様では、合成画像400は(例えば、表示デバイス320の、単一の表示パネル又は表示面において)ユーザの両方の目に表示され得る。他の態様では、合成画像400のバリエーションが異なる目に(例えば、表示デバイス320の複数の表示パネル又は表示面を用いて)表示される場合がある。
【0055】
FFOV画像402は、ユーザの視線408の周辺に広がる。そのため、FFOV画像402は、表示デバイス320の表示領域の(全体で無い場合は)大半にわたって表示されるフルフレーム画像に対応し得る。例えば、仮想現実環境においては、FFOV画像402が、任意の所与の瞬間にユーザの目によって視認される、観測可能な仮想又は現実の世界の範囲を示し得る。一方、中心視画像404は、ユーザの視線の中心視領域にのみ広がる。中心視領域は合成画像400のうち、ユーザの目406のうち中心窩の部分(例えば、任意の所与の瞬間にユーザが最大の視力を持つと判断される領域)によって視認可能な部分に対応し得る。いくつかの実施形態では、中心視画像404は、中心視画像404は、エラー及び/又はアイトラッキングの遅延を埋め合わるために、ユーザの視線408のうち実際の中心視領域よりも大きい領域に広がる場合がある。
【0056】
図4に示すように、中心視画像404は、合成画像400のうち、FFOV画像402と比べて相対的に小さい領域を内包する場合がある。より詳細には、合成画像400を生成する時、中心視画像404はFFOV画像402の(例えば、ユーザの視線408のうち中心視領域に一致する)一部に重ねられる場合がある。中心視画像404がユーザの視力が最大となる領域に広がるため、中心視画像404はFFOV402よりも高い解像度で描写される場合がある。このため、中心視画像404は、合成画像400においてFFOV画像402よりも鮮明に表示され得る。いくつかの実施形態では、中心視画像404は全体に均一な解像度を有し得る。他の実施形態では、中心視画像404は端部でスケーリングされた解像度を有する。例えば、中心視画像404の中心部は、中心視画像404のうち中心部より外側の領域(例えば、端部)よりも高い解像度で描写され得る。さらに、中心視画像404の端部、及び/又は、境界部は、合成画像400を生成するときにFFOV画像402に融合され得る。例えば、この融合は、中心視画像404とFFOV画像402の間の境界をよりスムーズあるいはナチュラルにし得る。
【0057】
図3に戻って、ホストデバイス310は、全視野(FFOV)描写エンジン312、中心視描写エンジン314、バックライト制御器316、及び、画像転送モジュール318を備える場合がある。FFOV描写エンジン312は、画像ソースデータ301に基づいて、FFOV画像302(例えば、図4のFFOV画像402のような)を生成するように構成される。例えば、FFOV画像302は、表示デバイス320の表示領域の(全体で無い場合は)大半にわたって表示されるフルフレーム画像に対応し得る。FFOV画像302はユーザの視線の周辺に広がり得るため、FFOV描写エンジン312は、帯域幅を節約するために、FFOV画像302を相対的に低い解像度(例えば、画像ソースデータ301及び/又は表示デバイス320の最大解像度の半分)で描写する場合がある。
【0058】
中心視描写エンジン314は、画像ソースデータ301に基づいて(図4の中心視画像404のような)中心視画像303を生成するように構成される。例えば、中心視画像303はユーザの視線の中心視領域にのみ広がる場合がある。中心視領域はユーザが最大の視力を持つと判断される領域に対応し得るため、中心視描写エンジン314は中心視画像303を相対的に高い解像度(例えば、画像ソースデータ301及び/又は表示デバイス320の最大解像度)で描写する場合がある。いくつかの実施形態では、中心視画像303は、エラー及び/又はアイトラッキングの遅延を補償するために、ユーザの視線の実際の中心視領域よりも大きい領域に広がる場合がある。いくつかの実施形態では、中心視画像303は全体に均一な解像度を有し得る。他の実施形態では、中心視画像303は端部でスケーリングされた解像度を有する。
【0059】
バックライト制御器316は、画像ソースデータ301に基づいてバックライト設定304を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、図2のバックライト制御器200がバックライト制御器316の例示的な実装であり得る。そのため、バックライト制御器316は、画像ソースデータ301に関連する画像を表示するときに用いられるバックライト強度を決定する場合がある。例えば、バックライト制御器316は、(例えば、画像ソースデータ301に基づいて)対応する画像が表示デバイス320に表示されるときに、(バックライト強度情報204のような)表示デバイス320のバックライトに適用される調光の量と、(ピクセル調節値205のような)表示デバイス320のディスプレイのピクセル要素に適用される電圧調節の量と、を決定する場合がある。そのため、いくつかの態様では、バックライト設定304はバックライト強度情報204及び/又はピクセル調節値205を含む場合がある。
【0060】
画像転送モジュール318は、FFOV描写エンジン312の出力と、中心視描写エンジン314の出力と、バックライト制御器316の出力と、を表示デバイス320に伝達される表示データ305の単一フレームに合成するように構成される。例えば、画像転送モジュール318は、有線又は無線の通信媒体を介して通信するために、FFOV画像302、中心視画像303、及び、バックライト設定304を符号化及び又は圧縮する場合がある。より詳細には、画像転送モジュール318は、バックライト設定304をFFOV画像302と中心視画像303と共に、同じチャンネルを介して(例えば、表示データ305として)伝達する。いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、バックライト設定304をFFOV画像302に記憶されたピクセルデータとして符号化する場合がある。これは、ホストデバイス310と表示デバイス320間の帯域及び又は通信の頻度を低減し得ると共に、バックライト設定304が受信された後に表示デバイス320によって関連する画像データ(例えば、FFOV画像302及び中心視画像303)と同時に処理されることを保証し得る。
【0061】
図4を参照して、FFOV画像402(及び合成画像400)はいくつかの非表示領域410を含み得る。いくつかの態様では、非表示領域410は、ピクセルデータが欠落した、FFOV画像402の使用されないピクセルに対応し得る。例えば、非表示領域410は、FFOV画像402をキャプチャするために用いられたカメラのレンズの光学的制限によって、ピクセルデータが欠落している場合がある。他のいくつかの態様では、非表示領域410は、ユーザによって視認され得ないFFOV画像の領域に対応する場合がある。例えば、非表示領域410は、ディスプレイの湾曲、及び/又は、FFOV画像のうちユーザの視線408の周辺部を超えた領域と一致し得る。本開示の態様は、非表示領域410は表示デバイス320によって表示し得ない、及び/又は、ユーザによって視認され得ないため、ユーザの視聴体験に干渉せずにその中に付加的なピクセルデータを符号化し得ると認識している。そのため、画像転送モジュール318は、バックライト設定304をFFOV画像302のうち1以上の非表示領域410において符号化する場合がある。
【0062】
いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、FFOV画像302と中心視画像303とを(図4の合成画像400のような)合成画像に統合し、合成画像を単一のフレームとして表示のために表示デバイス320へと伝達する場合がある。例えば、図5は、FFOV画像302と中心視画像303とを統合するときに画像転送モジュール318によって生成され得るフレームバッファ画像500の例を示す。フレームバッファ画像500を生成するときに、画像転送モジュール318は最初にFFOV画像302をそれが表示(例えば、FFOV画像504)されるべき解像度にアップスケールする場合がある。その後、画像転送モジュール318は、中心視画像303をFFOV画像302に、重ね合わせ(例えば、中心視画像502)として統合する場合がある。いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、バックライト設定304をフレームバッファ画像500のうちFFOV画像504の非表示領域に一致する部分において更に符号化する場合がある。図5の例では、バックライト設定506は、フレームバッファ画像500の左上の角において符号化されている。
【0063】
いくつかの実施形態では、バックライト設定506がピクセルデータとして符号化される場合がある。例えば、バックライト設定506は、フレームバッファ画像500の最初の2ラインのうちの最初の32ピクセルを用いて符号化される場合がある。いくつかの実装では、画像転送モジュール318は、ピクセル毎2ビットのスパース符号化技術を用いてバックライト設定506を符号化する場合がある。例えば、「00」のビットは黒のピクセルとして符号化される場合があり、「01」のビットは赤のピクセルとして符号化される場合があり、「10」のビットは緑のピクセルとして符号化される場合があり、そして、「11」のビットは白のピクセルとして符号化される場合がある。スパース符号化は、圧縮、及び/又は、データパスにある他の処理に対してより大きい堅牢性を提供する場合がある。そのため、スパース符号化は、バックライト設定506が、表示ストリーム圧縮(display stream compression)(DSC)及び/又は他の圧縮アルゴリズムあるいは技術に耐えるようにする場合がある。いくつかの実装では、バックライト設定506は、バックライトのバースト(例えば、12ビット)が持続する時間の長さ、及び/又は、バックライトのバースト(例えば、12ビット)を制御するPWM電流を指定する場合がある。例えば、該長さ又はPWM値は、バックライトの明るさ又は強度を設定するために調節され得る。
【0064】
他のいくつかの実施形態では画像転送モジュール318は、FFOV画像302と中心視画像303を別々に、しかし同じフレームにおいて伝達する場合がある(例えば、FFOV画像302及び中心視画像303は同一のフレームバッファ画像の一部として連続して伝達される)。例えば、図6は、FFOV画像302を中心視画像303とは別個に転送する場合に、画像転送モジュール318によって生成され得るフレームバッファ画像600の例を示す。フレームバッファ画像600を生成するときに、画像転送モジュール318はFFOV画像302をそれが表示(例えば、FFOV画像604)されるべき解像度にアップスケールしない場合がある。むしろ、FFOV画像302と中心視画像303は共に「ネイティブ」の解像度で伝達される。その結果、フレームバッファ画像600を伝達するための帯域は、図5のフレームバッファ画像500を伝達するために要する帯域より実質的に狭い場合がある。図6の例では、中心視画像303はフレームバッファ画像600のうち第1部分(例えば、中心視画像602)において符号化される場合があり、FFOV画像302はフレームバッファ画像600の第2部分(例えば、FFOV画像604)において符号化される場合がある。したがって、中心視画像602とFFOV画像604は、画像転送モジュール318によって順次に(例えば、符号化の順に)伝達される場合がある。
【0065】
いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、FFOV画像604の中心視領域を指定する中心視座標608をフレームバッファ画像600において更に符号化する場合がある。例えば、中心視座標608は表示デバイス320に対して、(図4の合成画像400といった)合成画像がディスプレイ上に描写されているときに、中心視画像602をFFOV画像604に関して何処に重ねるかを示す。いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、フレームバッファ画像600のうちFFOV画像604の非表示領域に一致する部分において中心視座標608を符号化する場合がある。画像転送モジュール318は、フレームバッファ画像600の同じ(又は異なる)部分においてバックライト設定304を更に符号化する場合がある。図6の例では、中心視座標608及びバックライト設定606はフレームバッファ画像600の左上の角において符号化される。
【0066】
いくつかの実施形態では、中心視座標608及び/又はバックライト設定606は、ピクセルデータとして符号化され得る。例えば、中心視座標608及び/又はバックライト設定606は、フレームバッファ画像600の最初の2ラインの最初の32ピクセルを用いて符号化される場合がある。図6の例では、中心視座標608はフレームバッファ画像600の最初のライン上で符号化され、バックライト設定606はフレームバッファ画像600の2番目のライン上で符号化されている。いくつかの実施形態では、画像転送モジュール318は、中心視座標608及び/又はバックライト設定606をピクセル毎2ビットのスパース符号化技術を用いて符号化する場合がある。例えば、「00」のビットは黒のピクセルとして符号化される場合があり、「01」のビットは赤のピクセルとして符号化される場合があり、「10」のビットは緑のピクセルとして符号化される場合があり、そして、「11」のビットは白のピクセルとして符号化される場合がある。スパース符号化は、圧縮、及び/又は、データパスにある他の処理に対してより大きい堅牢性を提供する場合がある。そのため、スパース符号化は、中心視座標608及び/又はバックライト設定606が、表示ストリーム圧縮(DSC)及び/又は他の圧縮アルゴリズムあるいは技術に耐えるようにする場合がある。
【0067】
いくつかの実装では、中心視座標608は、FFOV画像604の中心視領域に関するピクセルの位置を少なくとも1つ同定し得る。例えば、いくつかの態様では、中心視座標608は中心視領域の特定の角又は中心のピクセルを同定する場合がある。他のいくつかの態様では、中心視座標608は中心視領域の境界を定義する一組のピクセルを同定し得る。いくつかの実装では、バックライト設定606は、バックライトのバースト(例えば、12ビット)が持続する時間の長さ、及び/又は、バックライトのバースト(例えば、12ビット)を制御するためのPWM電流を指定する場合がある。例えば、該長さ又はPWM値はバックライトの明るさ又は強度を設定するために調節され得る。
【0068】
表示デバイス320は、表示データ305をホストデバイス310から受信し、対応する画像をユーザに表示する。いくつかの実施形態では、表示デバイス320はディスプレイドライバ322を備える場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイ324は、表示パネルの一方の表面から他方へと通過する光の量を(例えば、各ピクセル要素に印加される電圧又は電場に応じて)変化可能にするように構成されたピクセル要素(例えば、液晶セル)のアレーから形成された液晶ディスプレイ(LCD)パネルである場合がある。バックライト326は、冷陰極蛍光灯(CCFL)、外部電極型蛍光灯(EEFL)、熱陰極蛍光灯(HCFL)、フラット型蛍光灯(FFL)、発光ダイオード(LED)、又は、これらの任意の組合せ(しかしこれに限定されない)を含む1以上の光源を備える場合がある。いくつかの態様では、バックライト326は、ディスプレイ324の異なる領域に異なるレベルの照明を供給可能な(LEDのような)個別の光源のアレーを備える場合がある。
【0069】
ディスプレイドライバ322は、受信した表示データ305に基づいて1以上のピクセル制御信号306を生成し、ディスプレイ324のピクセル要素を更新する場合がある。ディスプレイドライバ322は、受信した表示データ305に基づいて1以上のバックライト制御信号307を生成して、バックライト326の明るさを調節する場合がある。例えば、表示データ305は、その中でFFOV画像302が中心視画像303と既に統合されている(図5のフレームバッファ画像500のような)フレームバッファ画像、又は、その中でFFOV画像302が中心視画像303とは別に符号化されているフレームバッファ画像(例えば、図6のフレームバッファ画像600)に対応する場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイドライバ322は、受信した表示データ305をフレームバッファ画像のアスペクト比(又は表示フォーマット)に少なくとも部分的に基づいて、どのように処理するかを決定する場合がある。
【0070】
例えば、フレームバッファ画像のアスペクト比がディスプレイ324のアスペクト比と一致している場合、ディスプレイドライバ322はFFOV画像302と中心視画像303が既に(例えば、図5で示したような)合成画像に統合されていると決定する場合がある。そのため、ディスプレイドライバ322は、フレームバッファ画像をそのまま(例えば、ピクセル制御信号306を用いて)ディスプレイ324において描写する場合がある。ディスプレイドライバ322は更に、FFOV画像302の非表示領域に一致するフレームバッファ画像の部分(例えば、フレームバッファ画像の左上の角)において符号化されたバックライト制御データを探す場合がある。ディスプレイドライバは、バックライト設定データに含まれるバックライト強度情報に基づいて、適切な量の調光を(例えば、バックライト制御信号307を用いて)バックライト326に適用する場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイドライバ322は、バックライト設定データに含まれるピクセル調節値に基づいて、ピクセル制御信号306の調節を更に実行する場合がある。
【0071】
しかしながら、フレームバッファ画像のアスペクト比がディスプレイ324のアスペクト比と一致しない場合、ディスプレイドライバ322は、(例えば、図6に示したように)FFOV画像302及び中心視画像303が別個に符号化されていると決定する場合がある。そして、ディスプレイドライバ322は、フレームバッファ画像におけるそれらの相対的な位置に基づいて、フレームバッファ画像からのFFOV画像302及び中心視画像303を解析する場合がある。ディスプレイドライバ322は、その後、FFOV画像302を、それがディスプレイ324において描写される解像度にアップスケールする場合がある。中心視画像303がディスプレイ324で描写される解像度で受信されるため、ディスプレイドライバ322は(例えば、ピクセル制御信号306を用いて)中心視画像303をFFOV画像302に重ね合わせとし統合する場合がある。ディスプレイドライバ322は更に、FFOV画像302の非表示領域に一致するフレームバッファ画像の部分(例えば、フレームバッファ画像の中央上の部分)において符号化されたバックライト制御データを探す場合がある。その後、ディスプレイドライバは、バックライト設定データに含まれるバックライト強度情報に基づいて、適切な量の調光を(例えば、バックライト制御信号307を用いて)バックライト326に適用する場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイドライバ322は、バックライト設定データに含まれるピクセル調節値に基づいて、ピクセル制御信号306の調節を更に実行する場合がある。
【0072】
バックライト設定304が、ホストデバイス310において生成され、他の画像データ(例えば、FFOV画像302及び中心視画像303)と同時に同じチャンネルを介して(例えば、表示データ305として)表示デバイス320に伝達されるため、バックライト設定304は、表示デバイス320に受信された対応するFFOV画像302及び中心視画像303との同期を保つ。このようにして、表示デバイス320は、バックライト設定304が取得された画像を表示するときに、そのバックライト設定304を適用する場合がある。このことは、表示デバイス320において表示される画像内のアーティファクトの頻度及び/又は重大度を低減し得る。更に、バックライト設定304をフレームバッファ画像において符号化することで、ホストデバイス310は表示デバイス320との通信の帯域及び又は通信の頻度を低減し得ると共に、バックライト設定304が、受信された後に表示デバイス320によって関連する画像データ(例えば、FFOV画像302及び中心視画像303)と同時に処理されることを保証し得る。
【0073】
なお、いくつかの実装では、バックライト326は、ディスプレイ324の異なる領域に異なるレベルの照明を供給可能な(LEDのような)個別の光源のアレーを備える場合がある。例えば、光源はそれぞれ独立に制御されて、ピクセル要素のうち特定のサブセットに特定レベルの照明を供給する場合がある。それに応じて、バックライト設定304は、アレーにおける各光源に提供される照明のレベルを記述するバックライト「画像」を含む場合がある。本開示の態様は、(例えば、画像転送モジュール318を介する)バックライト設定304の圧縮がバックライト画像においてアーティファクトを生じ得ると認識している。そのため、表示デバイス320によって受信されたバックライト画像はホストデバイス310によって生成されたバックライト画像と異なる場合がある。そのため、いくつかの実施形態において、バックライト制御器316は(例えば、圧縮によって生じるバックライト画像内のアーティファクトを補償するために)、バックライト画像に関するピクセル調節値を予め歪めて、表示デバイス320による画像の明るさの正確な再現を保証する場合がある。
【0074】
図7は、いくつかの実施形態に係る、ローカル調光アレーのための例示的なバックライト制御器700のブロック図を示す。バックライト制御器700は、図3のバックライト制御器316の例示的な実施形態である場合がある。例えば、バックライト制御器700は、ディスプレイ324において描写される画像又はフレームに関するピクセル情報に少なくとも部分的に基づいて、バックライト326における別個の光源(例えば、ローカル調光アレー)それぞれについての強度又は照明の量を決定する場合がある。バックライト制御器700は、画像解析モジュール710、色制御モジュール720、プリディストーションモジュール730、及び、ピクセル修正モジュール740を備える場合がある。
【0075】
画像解析モジュール710は、対応する表示デバイス(例えば、ディスプレイ324)によって表示される画像に関する画像データ701を受信する場合があり、受信した画像データ701に基づいて、画像についてのピクセル強度情報702を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイ724は、ピクセル要素(例えば、液晶セル)のアレーを備えるLCD表示パネルである場合がある。各ピクセル要素は、赤色(R)、緑色(G)、及び、青色(B)のサブピクセルを含む(しかしこれに限定されない)複数のサブピクセルをさらに備える場合がある。画像データ701は、表示される画像のサブピクセルについてのR、G、及び、Bの値を含む場合がある。より詳細には、R、G、及び、Bの値は、各ピクセルの明るさのレベル(又は濃度のレベル)を示す場合がある。そのため、いくつかの態様では、画像解析モジュール710は、受信した画像データ701のR、G、及び、Bの値についての加重和(又は平均値)に基づいて、各ピクセルの明るさ(又は濃度)のレベルを示すピクセル強度情報702を生成する場合がある。
【0076】
色制御モジュール720は、画像解析モジュール710からピクセル強度情報702を受信する場合がある。また、色制御モジュール720は、ピクセル強度情報702に基づいて、バックライト画像703を生成する場合がある。いくつかの実施形態では、色制御モジュール720は、(例えば、ピクセル強度情報702から取得した)各ピクセルの明るさのレベルのヒストグラムをベースとした解析を実行して、ローカル調光アレーにおける個別の光源それぞれに適したバックライト強度を決定する場合がある。例えば、ヒストグラムは、画像における明るさのレベルそれぞれの頻度(例えば、関連するピクセルの数)を示す場合がある。色制御モジュール720は、画像のピクセルの明るさの分布を解析して、画像のうちの照明可能領域のそれぞれ(例えば、個別の光源と一致するピクセルグループそれぞれ)の全体の明るさの指標を決定する場合がある。その後、色制御モジュール720は、画像の様々な明るさの指標に基づいて、バックライト画像703を生成する場合がある。例えば、バックライト画像703は、個別の光源それぞれについて、関連するピクセルのグループの明るさの指標を達成あるいは維持可能な最低のバックライト強度を示す場合がある。
【0077】
上記で説明したように、特定の閾値を超えて特定の光源を調光すると、ディスプレイの1以上のピクセルがクリップされる原因になり、色褪せが生じる場合がある。言い換えると、光源の強度は、液晶セルにより高い(あるいは、より低い)電圧を印加することによってピクセルの明るさを更に増加することができないときには、(ピクセルの強度にとって)制限要素となる。そのため、いくつかの態様では、色制御モジュール720は、画像のうち照明可能領域の明るさの指標を、その領域に関するピクセルの明るさの分布において観測される最も明るいピクセル強度に従って設定することにより、色褪せを防ぐ場合がある。例えば、特定の領域内の最も明るいピクセルが最大明るさレベルの80%であったときに、その領域全体の明るさの指標は80%として特徴づけられる場合がある。それに応じて、その領域に一致する光源の強度は、(例えば、バックライト画像703において示されるように)その光源に達成可能な最大明るさの80%に設定され得る。
【0078】
しかしながら、ある程度の色褪せは人間の目にとって視覚的に目立たない場合がある。そのため、いくつかの態様では、色制御モジュール720は、バックライトの強度を更に低減するために、いくつかのピクセルがクリップされることを許容する場合がある。例えば、色制御モジュール720は、画像内の各照明可能領域全体の明るさの指標を、その領域内の各ピクセルの明るさの平均値(又は、加重平均値)に基づいて算出する場合がある。例えば、特定の領域についてピクセルの明るさの平均が最大明るさレベルの60%であることをピクセルの明るさの分布が示すときに、その領域全体の明るさの指標は60%として特徴づけられる場合がある。それに応じて、その領域に一致する光源の強度は、(例えば、バックライト画像703において示されるように)その光源が達成可能な最大明るさの60%に設定され得る。
【0079】
ピクセル修正モジュール740は、バックライト画像703を色制御モジュール720から、ピクセル強度情報702を画像解析モジュール710から受信する場合がある。また、ピクセル修正モジュール740は、現在の画像又はフレームに関する1以上のピクセル調節値704を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、ピクセル調節値704は、ディスプレイのピクセル要素を制御する電圧を、バックライト内のそれぞれの光源に適用される調光量に比例して調節するために用いられる場合がある。上記で説明したように、ピクセル要素に印加される電圧は、その特定のピクセル要素がディスプレイの表面へ向けて光を透過する量(たとえば、光源からの)を決定する。バックライト強度を低減することは、当然、ピクセルの明るさを低減することにつながる。低減されたバックライトの明るさを補償するために、1以上のピクセルの電圧を増加(又は低減)して、ピクセルをより多くの光に透過させることが期待され得る。
【0080】
そのため、特定のピクセルの所望の明るさ(例えば、ピクセル強度情報702から導き出されるような)に依存して、ピクセル修正モジュール740は、例えば表示されるピクセルに関連する(例えば、バックライト画像703から導き出されるような)光源の明るさを補償するために、そうでなければその特定のピクセルに印加される電圧を選択的に調節する場合がある。例えば特定の光源の強度が(その最大明るさと比較して)10%低減されるときに、ピクセル修正モジュール740は、1以上のピクセル要素に印加される電圧が(例えば、さらに10%の光を透過するように)比例的に増加されるべきであると決定する場合がある。
【0081】
上記で説明したように、データの圧縮は(例えば、ホストデバイス310と表示デバイス320との間で伝達するときに)バックライト画像703においてアーティファクトを生じ得る。その結果、表示デバイス320によって受信されたバックライト画像はホストデバイス310によって生成されたバックライト画像と異なる場合がある。言い換えると、そのようなアーティファクトを補償しないと、バックライト画像703がピクセル調節値704と合成されるときには、ディスプレイ324において描写されるピクセルが正確な色及び/又は明るさを有しない場合がある。そのため、いくつかの実施形態ではプリディストーションモジュール730は、例えばデータの圧縮の結果バックライト画像703に生じたアーティファクトを補償するために、ピクセル修正モジュール740に供給されるバックライト画像703を予め歪ませる場合がある。
【0082】
より詳細には、プリディストーションモジュール730は、バックライト画像703を(例えば、画像転送モジュール318、及び/又は、データパスにある他のソースによって実装された任意の圧縮アルゴリズム又は技術を用いて)圧縮する場合がある。また、プリディストーションモジュール730は、表示デバイス320によって認識され得るアーティファクトを含むバックライト画像703をプリロードするために、バックライト画像703を(例えば、ディスプレイドライバ322、及び/又は、データパスにある他のソースによって実装された任意の展開アルゴリズム又は技術を用いて)ただちに展開する場合がある。それに応じて、ピクセル修正モジュール740は、予め歪められたバックライト画像703に基づいて、ピクセル調節値704を生成する場合がある。このことが、ピクセル調節値704が、表示デバイス320に受信される(例えば圧縮/展開によって生じたアーティファクトを含む)バックライト画像703と同期する、あるいはそうでない場合はこのバックライト画像703と一致することを保証する場合がある。
【0083】
図8は、いくつかの実施形態に係る、ローカル調光アレーを有する例示的な表示システム800のブロック図を示す。表示システムは、バックライト制御器810と、表示デバイス820と、を備える。表示システム800は、図3の表示システム300の例示的な実施形態である場合がある。例えば、表示デバイス820は、画像、又は、画像のシークエンス(例えば、ビデオ)をユーザに表示するように構成された任意のデバイスであり得る。いくつかの実施形態では、表示デバイス820はヘッドマウントディスプレイ(HMD)デバイスである場合がある。さらに、バックライト制御器810は、通信リンク805を介して、表示デバイス820と接続された、あるいは、表示デバイス820と通信する、(図3のホストデバイス310のような)ホストデバイス上に設けられている場合がある。上記で説明したように、リンク805は、様々な通信技術を用いた(バスやネットワークのような)有線及び/又は無線の媒体であり得る。
【0084】
表示デバイス820は図3の表示デバイス320又は図1の表示デバイス120の例示的な実施形態である場合がある。図8の例では、表示デバイス820はディスプレイ824とローカル調光アレー826を備える。バックライト制御器810は、図3のバックライト制御器316、又は、図7のバックライト制御器700の例示的な実施形態である場合がある。例えば、バックライト制御器810は、ディスプレイ824において描写される画像又はフレームに関するピクセル情報に少なくとも部分的に基づいて、ローカル調光アレー826における別個の光源それぞれについての強度又は照明の量を決定する場合がある。バックライト制御器810は、画像解析モジュール812、色制御モジュール814、プリディストーションモジュール816、ピクセル修正モジュール818、及び、データ圧縮モジュール819を備える。
【0085】
画像解析モジュール812は、対応する表示デバイス820によって(例えば、ディスプレイ824上で)表示される画像に関する画像データ801を受信する場合があり、受信した画像データ801に基づいて、画像についてのピクセル強度情報802を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、ディスプレイ824は、ピクセル要素(例えば、液晶セル)のアレーを備えるLCD表示パネルである場合がある。各ピクセル要素は、赤色(R)、緑色(G)、及び、青色(B)のサブピクセルを含む(しかしこれに限定されない)複数のサブピクセルをさらに備える場合がある。画像データ801は、表示される画像のサブピクセルについてのR、G、及び、Bの値を含む場合がある。より詳細には、R、G、及び、Bの値は、各ピクセルの明るさのレベル(又は階調)を示す場合がある。そのため、いくつかの態様では、画像解析モジュール812は、受信した画像データ801のR、G、及び、Bの値についての加重和(又は平均値)に基づいて、各ピクセルの明るさのレベル(又は階調)を示すピクセル強度情報802を生成する場合がある。
【0086】
色制御モジュール814は、画像解析モジュール812からピクセル強度情報802を受信する場合がある。また、色制御モジュール814は、ピクセル強度情報802に基づいて、バックライト画像803を生成する場合がある。いくつかの実施形態では、色制御モジュール814は、(例えば、ピクセル強度情報802から取得した)各ピクセルの明るさのレベルのヒストグラムをベースとした解析を実行して、ローカル調光アレー826における個別の光源それぞれに適したバックライト強度を決定する場合がある。例えば、バックライト画像803は、個別の光源それぞれについて、関連するピクセルのグループの明るさの指標を達成あるいは維持可能な最低のバックライト強度を示す場合がある。
【0087】
いくつかの態様では、色制御モジュール814は更に、画像のうち照明可能領域の明るさの指標を、その領域に関するピクセルの明るさの分布において観測される最も明るいピクセル強度に従って設定することにより、色褪せを防ぐ場合がある。しかしながら、ある程度の色褪せは人間の目にとって視覚的に目立たない場合がある。そのため、いくつかの態様では、色制御モジュール814は、バックライトの強度を更に低減するために、いくつかのピクセルがクリップされることを許容する場合がある。
【0088】
ピクセル修正モジュール818は、バックライト画像803を色制御モジュール814から、ピクセル強度情報802を画像解析モジュール812から受信する場合がある。また、ピクセル修正モジュール818は、現在の画像又はフレームに関する1以上のピクセル調節値804を決定する場合がある。いくつかの実施形態では、ピクセル調節値804は、ディスプレイ824のピクセル要素を制御する電圧を、ローカル調光アレー826内のそれぞれの光源に適用される調光量に比例して調節するために用いられる場合がある。上記で説明したように、特定のピクセルの所望の明るさに応じて、ピクセル修正モジュール818は、(例えば、表示されるピクセルに関する光源の明るさを補償するために)そうでなければその特定のピクセルに印加される電圧を選択的に調節する場合がある。
【0089】
いくつかの実施形態では、プリディストーションモジュール816は、例えばデータの圧縮の結果バックライト画像803に生じたアーティファクトを補償するために、ピクセル修正モジュール818に供給されるバックライト画像803を予め歪ませる場合がある。上記で説明したように、プリディストーションモジュール816は、バックライト画像803を(例えば、データ圧縮モジュール819によって実装された任意の圧縮アルゴリズム又は技術を用いて)圧縮する場合がある。また、プリディストーションモジュール816は、表示デバイス820によって認識され得るアーティファクトを含むバックライト画像803をプリロードするために、バックライト画像803を(例えば、表示デバイス820に設けられた展開モジュール821によって実装された任意の展開アルゴリズム又は技術を用いて)ただちに展開する場合がある。それに応じて、ピクセル修正モジュール818は、予め歪められたバックライト画像803に基づいて、ピクセル調節値804を生成する場合がある。このことが、ピクセル調節値804が、表示デバイス820に受信されるバックライト画像803と同期する、あるいはそうでない場合はこのバックライト画像803と一致することを保証する場合がある。
【0090】
データ圧縮モジュール819は、表示デバイス820に伝達するために、バックライト画像803及びピクセル調節値804を圧縮する。例えば、データ圧縮モジュール819は、リンク805を介した伝達のために、表示ストリーム圧縮(DSC)及び/又は他の既知の圧縮アルゴリズムあるいは技術を用いて、バックライト画像803及びピクセル調節値804を圧縮する場合がある。いくつかの実施形態では圧縮されたデータは、(例えば、図5及び6に関して説明したように)ピクセルデータとして符号化される場合がある。そのため、圧縮されたデータは、表示デバイス820上で表示される、そのデータに対応する画像又はフレームにおいて符号化された(図5のバックライト設定506又は図6のバックライト設定606のような)バックライト設定に対応する場合がある。
【0091】
表示デバイス820は、バックライト制御器810からリンク805を介してバックライト設定データを受信し、受信したデータをディスプレイ824及びローカル調光アレー826を更新するために用いる。より詳細には、展開モジュール821は、データ圧縮モジュール819によって送信された、圧縮されたデータを受信する場合がある。また、展開モジュール821は、受信したデータを展開して、ピクセル調節値804及び展開されたバックライト画像806を回復する場合がある。例えば、展開モジュール821は、データ圧縮モジュール819によって実装された圧縮アルゴリズム又は技術と同じ(又は類似の)技術を用いて、リンク805を介して受信したデータからピクセル調節値804及びバックライト画像806を抽出する場合がある。
【0092】
上記で説明したように、データの圧縮は(例えば、バックライト制御器810から表示デバイス820に伝達するときに)バックライト画像803においてアーティファクトを生じ得る。その結果、展開されたバックライト画像806はバックライト制御器810によって生成されたバックライト画像803と異なる場合がある。しかしながら、ピクセル修正モジュール818に供給されるバックライト画像803を(例えば、ピクセル調節値804を生成するときに)予め歪ませることで、展開モジュール821によって抽出されたピクセル調節値804は、バックライト画像806は、展開されたバックライト画像806と合成されたときに、正確な色及び/又は明るさを有し得る。
【0093】
展開モジュール821は、その後、ピクセル調節値804及び展開されたバックライト画像806をディスプレイドライバ822に提供する場合がある。ディスプレイドライバ822は、(ピクセル調節値804に少なくとも部分的に基づいて)1以上のピクセル制御信号807を生成して、ディスプレイ824のピクセル要素を更新する場合がある。更に、ディスプレイドライバ822は、(展開されたバックライト画像806に少なくとも部分的に基づいて)1以上のバックライト制御信号808を生成して、ローカル調光アレー826における1以上の個別の光源の明るさを調節する場合がある。
【0094】
図9A及び9Bは、いくつかの実施形態に係る、表示デバイスのディスプレイドライバ、ディスプレイ、及び、バックライトの間の例示的なタイミングの関係を示すタイミング図900A及びタイミング図900Bを示す。詳細には、図9Aのタイミング図900Aは、ディスプレイドライバによってバックライト制御が設定される、ディスプレイドライバ、ディスプレイ、及び、バックライトの間でのやり取りの例を示している。一方、図9Bのタイミング図900Bは、ホストデバイスによってバックライト制御が設定される、ディスプレイドライバ、ディスプレイ、及び、バックライトの間でのやり取りの例を示す。
【0095】
図9Aの例では、時刻tにおいて(例えば、ホストデバイスから)受信した表示データのフレームに基づいて、ディスプレイドライバは、時刻tにおいてディスプレイを更新し、時刻tにおいてはバックライトを調節する。上記で説明したように、従来の表示システムでは、バックライトを制御する機能は、(HMDデバイスのような)表示デバイス内に設けられたディスプレイドライバによって実現される。そのため、ディスプレイドライバは、ホストから受信した表示データの各フレームを同時に描写しながら、バックライト設定(例えば、バックライト強度、バックライト画像、及び/又は、ピクセル値)を生成する場合がある。しかしながら、バックライト設定はすでに表示されているフレームに基づいて決定されるため、バックライトの調節は表示の更新に対して少なくとも1フレーム(例えば、Δt)遅延し得る。図9Aに示すように、表示データの第1のフレームに関するバックライトの調節は、ディスプレイドライバがシークエンス内の次のフレームをすでに表示している時(例えば、時刻t)に実行される。表示の更新とバックライト制御との間のこの遅延(Δt)は、表示デバイスのユーザにとって目につくアーティファクトを生じ得る。
【0096】
図9Bの例では、時刻t0において(例えば、ホストデバイスから)受信した表示及びバックライトのデータのフレームに基づいて、ディスプレイドライバは、時刻t1においてディスプレイの更新及びバックライトの調節を行う。本明細書で開示された実施形態において、ホストデバイスは、表示デバイスで表示するために画像ソースデータを同時に処理しながら、バックライト設定(例えば、バックライト強度、バックライト画像、及び/又は、ピクセル値)を生成する場合がある。それに応じて、ホストデバイスはバックライト設定を、表示データと一緒に、表示デバイスに設けられたディスプレイドライバに送る場合がある。これによって、ディスプレイドライバは、その特定の画像にとって正しいバックライト強度を用いて、各画像をディスプレイ上に描写することができる。図9Bに示すように、ディスプレイドライバは、ホストデバイスから受信したデータのフレームそれぞれについて、表示の更新とバックライトの調節とを(例えば、時刻tにおいて)同時に行い得る。その結果、図9Aに示した遅延(Δt)は事実上除去される。
【0097】
図10は、ホストデバイス上でバックライト設定データを有するフレームバッファ画像を生成する例示的な演算1000を示す例示的なフローチャートである。図1図3図8を参照して、例示的な演算1000は、本開示の任意のホストデバイス(例えば、ホストデバイス110、ホストデバイス310、及び/又は、バックライト制御器810)によって実行され得る。
【0098】
第1に、ホストデバイスは画像データを画像ソースから受信する(1010)。例えば、画像データは、表示デバイスによって表示される画像を記述している。表示デバイスは、ピクセル要素のアレーを備える表示パネル又は表示面を備える。各ピクセル要素は、赤色(R)、緑色(G)、及び、青色(B)のサブピクセルを含む(しかしこれに限定されない)複数のサブピクセルをさらに備える場合がある。いくつかの実施形態では、画像データは、表示される画像のサブピクセルについてのR、G、及び、Bの値を含む場合がある。
【0099】
ホストデバイスは、受信した画像データに基づいて画像を表示するために、ピクセルデータを描写する場合がある(1020)。例えば、ピクセルデータは表示デバイスの各ピクセル要素に印加される電圧を示す場合がある。より詳細には、電圧は、対応するピクセル要素の明るさのレベル(又は階調)を制御する場合がある。いくつかの実施形態ではホストデバイスは、受信した画像データに基づくFFOV画像及び中心視画像に対応するピクセルデータを描写する場合がある。例えば、FFOV画像は、表示デバイスの表示面の(全体で無い場合は)大半にわたって表示されるフルフレーム画像に対応し得る。一方、中心視画像は、ユーザの視線の中心視領域にのみ広がる。
【0100】
ホストデバイスは、更に、受信した画像データに基づいて、画像の明るさを調節するためにバックライト設定データを描写する場合がある(1030)。例えば、バックライト設定データは、受信した画像データに関連する画像を表示するときに用いられるバックライトの強度を示す場合がある。いくつかの実施形態では、バックライト設定データは、バックライト強度情報、及び/又は、ピクセル調節値を含む場合がある。バックライト強度情報は、画像を表示するときにバックライトに適用される調光の量を示す場合がある。ピクセル調節値は、(例えば選択されたバックライト強度で)画像を表示するときに表示デバイスのピクセル要素に適用される電圧調節を示す場合がある。
【0101】
いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、バックライト設定データを圧縮し(1032)、その後、圧縮されたバックライト設定データを展開する(1034)場合がある。例えば、いくつかの実装では、表示デバイスのバックライトは、ディスプレイの異なる領域に異なるレベルの照明を供給可能な個別の光源のアレー(例えば、ローカル調光アレー)を備える場合がある。そのため、いくつかの態様では、バックライト設定データは、アレーにおける各光源によって提供される照明のレベルを表すバックライト画像に対応する場合がある。しかしながら、(例えば、符号化及び/又は通信リンクを介したデータの伝達に用いられる)データの圧縮は、バックライト画像にアーティファクトを生じ得る。そこで、いくつかの実施形態では、ホストデバイスはバックライト画像を圧縮し、ただちに展開して、そうでなければ表示デバイスによって認識され得るアーティファクトを有するバックライト画像をプリロードする場合がある。
【0102】
いくつかの態様では、ホストデバイスは、ホストデバイスによって実施される任意の圧縮技術を用いてバックライト画像を圧縮して、表示デバイスにバックライト設定データを伝達する場合がある。いくつかの他の態様では、ホストデバイスは、表示デバイスによって実施される任意の展開技術を用いてバックライト画像を展開して、ホストデバイスによって伝達されたバックライト設定データを回復する場合がある。それに応じて、ホストデバイスは、予め歪ませたバックライト画像に基づいてピクセル調節値を生成する場合がある。このことが、ピクセル調節値が、表示デバイスに受信される(例えば圧縮/展開によって生じたアーティファクトを含む)バックライト画像と同期する、あるいはそうでない場合はこのバックライト画像と一致することを保証する場合がある。
【0103】
ホストデバイスは、更に、ピクセルデータとバックライト設定データとを含むフレームバッファ画像を生成する場合がある(1040)。例えば、ホストデバイスはピクセルデータとバックライト設定データとを表示デバイスに伝達すべき表示データの単一のフレームに合成する場合がある。いくつかの実施形態では、ホストデバイスはバックライト設定データをピクセルデータの(例えば、FFOV画像の非表示領域に対応する)部分として符号化する場合がある。このことが、ホストデバイスと表示デバイスとの間の通信の帯域及び/又は頻度を低減し得る。バックライト設定データをピクセルデータとして符号化することが、更に、バックライト設定データが受信された後に表示デバイスによって関連する画像データ(例えば、FFOV画像及び中心視画像に対応している)と同時に処理されることを保証し得る。いくつかの態様では、中心視画像はフレームバッファ画像内においてFFOV画像と統合される場合がある(例えば、図5に関連して説明したように)。いくつかの他の態様では、中心視画像は、フレームバッファ画像においてFFOV画像から分離されている場合がある(例えば、図6に関連して説明したように)。
【0104】
ホストデバイスは、通信リンクを介してフレームバッファ画像を伝達する場合がある(1050)。より詳細には、ホストデバイスは、ピクセルデータをバックライト設定データと共に同じチャンネルを介して(例えば、同じフレームバッファ画像の中で)伝達する場合がある。通信リンクは、有線又は無線の通信媒体であり得る。いくつかの実施形態では、ホストデバイスは、通信リンクを介して伝達するために、フレームバッファ画像を符号化及び/又は圧縮する場合がある。
【0105】
図11は、ホストデバイスから受信したフレームバッファ画像を用いて、表示面及びバックライトを同時に更新する例示的な演算1100を示す例示的なフローチャートである。図1図3図8を参照して、例示的な演算1100は、本開示の任意の表示デバイス(例えば、表示デバイス120、320、及び/又は、820)によって実行され得る。
【0106】
第1に、表示デバイスは、ピクセルデータとバックライト設定データを含む、表示データのフレームを受信する(1110)。ピクセルデータは表示デバイスの各表示要素について明るさのレベル(又は階調)を示す場合がある。バックライト設定データは、受信した画像データに関する画像を表示するときに用いられるバックライトの強度を示す場合がある。いくつかの実施形態では、バックライト設定データは、バックライト強度情報、及び/又は、ピクセル調節値を含む場合がある。バックライト強度情報は、画像を表示するときにバックライトに適用される調光の量を示す場合がある。ピクセル調節値は、画像を(例えば、選択されたバックライト強度で)表示するときに、表示デバイスのピクセル要素に適用される電圧調節を示す場合がある。いくつかの態様では、バックライト設定データは、個別の光源のアレー(例えば、ローカル調光アレー)における各光源によって提供される照明のレベルを示すバックライト画像に対応する場合がある。
【0107】
表示デバイスは、ピクセルデータを用いて、表示面の複数のピクセル要素を更新する場合がある(1120)。例えば、表示デバイスは、各ピクセル要素にそれぞれの電圧を印加して、対応するピクセル要素の明るさを所望のレベルに設定する場合がある。いくつかの実施形態では、表示データのフレームは、FFOV画像と中心視画像とを備えるフレームバッファ画像に対応する場合がある。いくつかの態様では、表示デバイスは、(たとえば、図5に示すように、フレームバッファ画像のアスペクト比が表示面のアスペクト比と一致する場合に)フレームバッファ画像をそのまま表示面に描写する場合がある。いくつかの他の態様では、表示デバイスは(たとえば、図6に示すように、フレームバッファ画像のアスペクト比が表示デバイスのアスペクト比と異なる場合に)、FFOV画像を、それが表示面において描写される解像度にアップスケールする場合がある。表示デバイスは、その後、中心視画像をFFOV画像に重ね合わせとして統合する場合がある。
【0108】
表示デバイスは、バックライト設定データを用いて、表示面を照らすために使用されるバックライトの強度を更新する場合がある(1130)。例えば、表示デバイスは、バックライト設定データに基づいて、1以上のバックライト制御信号を生成して、バックライトの明るさを調節する場合がある。いくつかの態様では、バックライト制御信号は、バックライトのバーストの長さ又は持続時間を制御するパルス幅変調(PWM)信号に対応する場合がある。より詳細には、バックライト設定情報は、(表示デバイスではなく)ホストデバイスによって決定されるので、表示デバイスは、受信した表示データのフレームについて(例えば、含まれているピクセルデータ及びバックライト設定データを用いて)バックライトと表示面を同時に更新する場合がある。
【0109】
当業者は、様々な異なる任意のテクノロジー及び技術を用いて、情報及び信号が表し得ることを理解するであろう。例えば、上述の説明を通して参照され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及び、チップは、電圧、電流、電磁波、磁界又は粒子、光場又は粒子、あるいは、これらの組合せによって表し得る。
【0110】
さらに、当業者は、本開示の態様に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、及び、アルゴリズムのステップが、電気的なハードウェア、コンピュータソフトウェア、及び両者の組合せとして実装し得ることを理解しよう。このハードウェアとソフトウェアの交換可能性を明確に図示するために、説明のための様々なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、及び、ステップが、一般に、その機能の観点で説明されてきた。このような機能がハードウェア又はソフトウェアの何れで実装されるかは、システム全体に要求される特定のアプリケーションとデザイン上の制約に依存する。当業者は説明された機能を特定のアプリケーション毎に様々な方法で実装し得るが、そのような実装上の決定が、本開示の範囲からの逸脱を生じさせると解釈されてはならない。
【0111】
本開示の態様に関連して説明された方法、手順、又はアルゴリズムは、ハードウェアにより、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールにより、あるいは、両者の組合せにより、直接的に具体化され得る。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROM、または当技術分野で既知の他の形式の記憶媒体に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに接続される。あるいは、記憶媒体はプロセッサに統合されてもよい。
【0112】
前述の明細書では、その具体的な例を参照して実施形態が説明されてきた。しかしながら、添付の特許請求の範囲に提示されているように、本開示のより広い範囲を逸脱することなく、それらに対して様々な変形や変更が成し得ることは明らかであろう。したがって、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく説明としての意味で解釈される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11