(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】実寸法トポグラフィーマーキングシステム
(51)【国際特許分類】
E04G 21/18 20060101AFI20230719BHJP
B25H 7/04 20060101ALI20230719BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20230719BHJP
【FI】
E04G21/18 B
B25H7/04 D
B25J5/00 B
(21)【出願番号】P 2021510863
(86)(22)【出願日】2019-07-12
(86)【国際出願番号】 IB2019055982
(87)【国際公開番号】W WO2020044138
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-06-29
(32)【優先日】2018-08-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】321012317
【氏名又は名称】ヴィアージュ・エスピーアールエル
(74)【代理人】
【識別番号】110000741
【氏名又は名称】弁理士法人小田島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アジー ドゥ セルサテン,ビンセント
(72)【発明者】
【氏名】アジー ドゥ セルサテン,オリバー
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-258078(JP,A)
【文献】特開2001-289638(JP,A)
【文献】特開平08-029174(JP,A)
【文献】特開2002-090148(JP,A)
【文献】米国特許第05755072(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第03176542(EP,A1)
【文献】米国特許第06007929(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/14-21/22
B25H 7/04
B25J 1/00-21/02
G01C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施工面上に少なくともいくつかの建築情報を実寸法でマーキングするためのトポグラフィーマーキングシステム(E)であって、前記システム(E)は、少なくとも
以下を備え:
(a)剛性の変形不能なフレームを形成するように適合されたフレーム(1)、
(b)フレーム(1)を施工面に対して移動させるための変位システム(2)、
(c)少なくとも1つのトポグラフィープリズムを有するマーキングシステム、
(d)マーキングシステムのための移動支持体(20)であって、前記移動支持体(20)は、フレーム(1)又はその要素上に取り付けられ、少なくとも2つの垂直方向(X,Y)において、フレームに対するマーキングシステムの移動を確実にするように適合されている、移動支持体(20)、
ここで、前記マーキングシステムは、少なくとも以下を備える:
(c1)前記施工面上に少なくとも1つの塗装バンドを塗装するために、
燃焼させるのに適した塗料組成物を、又は部分的に乾燥された塗料組成物、完全に乾燥された塗料組成物、部分的に硬化された塗料組成物及び完全に硬化された塗料組成物からなる群から選択される燃焼させるのに適した塗料組成物を、前記施工面上に噴霧するための噴霧装置(5)と、
(c2)前記少なくとも1つの塗装バンド上に、いくつかの建築情報をマーキングするために、前記少なくとも1つの塗装バンドを燃焼させるための彫刻レーザー(6)、を備える、トポグラフィーマーキングシステム。
【請求項2】
以下を特徴とする、請求項1に記載のトポグラフィーマーキングシステム:
- フレーム(1)を施工面上で少なくとも部分的に移動させるための変位システム(2)は、少なくとも1つの電気モーター(2A、2B、2C)を備え、一方、移動支持体(20)は、少なくとも1つの電気モーター(3A、3B)を備えた支持体(20)の少なくとも1つの変位手段を備え、
トポグラフィーマーキングシステム(E)は、変位システム(2)の前記少なくとも1つの電気モーター及び移動支持体(20)の前記少なくとも1つの電気モーターにエネルギーを供給するために、有利には再充電されるのに適した少なくとも1つの電気バッテリー(11)を備える。
【請求項3】
一連の様々なマーキング機能及び有利には移動機能を命令するための電子コマンドシステム(12)を含み、前記電子コマンドシステム(12)は、少なくとも前記施工面(S)上のシステム又はその一部の位置に関する情報を受信するためのワイヤレス通信手段に関連していることを特徴とする、請求項1又は2に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項4】
噴霧装置(5)は、5cm未満
の幅又は0.5~2cmからなる幅の塗装バンドを施工面上に噴霧するように適合された噴霧ヘッドを含み、一方、彫刻レーザ(6)は、塗装バンド上に、少なくとも、1mm未満の太さを有する点及び/又は線を彫刻するヘッドを含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項5】
電子コマンドシステム(12)は、施工面(S)上のフレーム(1)の変位中に彫刻レーザー(6)及び噴霧装置(5)が機能するのを防止し、また、噴霧装置(5)の機能中に彫刻レーザー(6)が機能するのを防止するようにプログラムされている事を特徴とする、請求項3に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項6】
トポグラフィーマーキングシステム(E)は、少なくとも彫刻レーザー(6)の機能を停止又は防止するために
電子コマンドシステム(12)に信号を送る一連のセキュリティ手段を含むか、
または少なくとも彫刻レーザー(6)の機能を停止又は防止し且つまた噴霧装置(5)の機能を停止又は防止するため
に電子コマンドシステム(12)に信号を送る一連のセキュリティ手段を含み、前記セキュリティ手段は
、以下の群から選択される事を特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム:
- 一方ではトポグラフィーマーキングシステム(E)又はその一部、特に彫刻レーザ(6)と、他方では施工面Sとの間の距離検出器(100);
- マーキングされるべき施工面のゾーン上の少なくとも物体の存在を検出するための1つ以上のカメラ又はセンサ(101);
- 煙感知器(103);
- 水平面に対するフレーム(1)の傾斜(inclination)検出器(104);
- 垂直軸に対する彫刻レーザ(6)の傾斜(inclination
)検出器(105);
- フレームの動き検出器(106);
- 赤外線検出器(107);
- フレーム(1)から少なくとも2m未満の距離内にある物体、人又は動物の存在又は動きを検出するための検出器(108);
- 電気回
路(12)及び/又はモーター(2A、2B、2C、3A、3B)の1つにおける少なくとも1つの故障を決定する故障検出器(109);
-
一連の電気ヒューズプロテクターを備えた漏電検出器(110)。
- 風検出器(111);並びに
-
保護カバー開放検出器112、並びに
- これらの組み合わせ。
【請求項7】
マーキングシステム(5、6)の移動支持体(20)は、少なくとも0.2m
または少なくとも1.5mの側部を有し、最小0.4m
2の
または最小1m
2の潜在的マーキング表面を覆う、実質的に矩形のマーキングゾーンをカバーするように、少なくとも2つの互いに垂直な方向(X、Y)においてフレーム(1)に対して移動可能に取り付けられている事を特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項8】
マーキングシステムの移動支持体(20)は、少なくとも1つの位置決めカメラ(101)を備える事を特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項9】
フレーム(1)を移動させる変位システム(2)は、少なくとも一連の車輪又はローラーを含み、そのうちの少なくとも3つは、各々、電気モーターによって駆動される事を特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項10】
マーキングシステムの移動支持体(20)は、レール(3)上の第1の方向(X)に平行移動するように取り付けられ、このレールは、第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)においてフレーム(1)に対して平行移動するように取り付けられている事を特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項11】
マーキングシステムの移動支持体(20)は、フレーム(1)が実質的に水平であるとき、垂直面(V1)(レールの対称面)を画定するレール(3)上に移動可能に取り付けられたキャリッジを含み、前記キャリッジは、レールによって画定されるこの垂直面(V1)に関連して、突き出たトポグラフィープリズム(7)を有する彫刻レーザー(6)を片側に有し、噴霧装置(5)の噴霧ヘッドは、レール(3)の下に配置され、彫刻レーザー(6)
のレーザービームに対して送り出される事を特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項12】
彫刻レーザー(6)は、彫刻レーザー(6)で発生したレーザー光を施工面(S)に向けて案内する案内用レーザー光管(60)を含む事を特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項13】
移動支持体(20)は、施工面のマーキングゾーン上又はその周りに存在する可能性のある障害物を検出するために、水平領域を走査することを可能にする少なくとも2つの距離レーザー検出器(102)を備える事を特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項14】
フレーム(1)は、その縁部の1つに沿って、
*燃焼されるのに適した塗料組成物のための少なくとも1つの塗料リザーバ(200)を備える構造
か、又は、
*燃焼されるのに適した塗料組成物のための少なくとも1つの塗料リザーバ(200)と、電気モーターに電力を供給する1つ以上のバッテリー(11)とを備える構造
が設けら
れ、
それにより、トポグラフィーマーキングシステム全体の重心を前記その縁部の1つに送り、後者は
、少なくとも第1の電気モーター(2A)によって駆動される第1の車輪又はキャタピラに関連付けられ、少なくとも第2の電気モーター(2B)によって駆動される第2の車輪又はキャタピラに関連付けられ、第1の車輪又はキャタピラは、第2の車輪又はキャタピラから離れている事を特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項15】
フレーム(1)は、保護フード又はカバー(113)によって保護されることを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項16】
支持体(20)のための変位レール(3)を含み、前記変位レール(3)は、少なくとも支持体がフレーム(1)の少なくとも一部の周りを移動することを可能にする回転システム(300)に取り付けられている事を特徴とする、請求項1~15のいずれか一項に
記載のトポグラフィーマーキングシステム。
【請求項17】
施工面上に少なくともいくつかの建築情報を実寸法でマーキングするためのプロセスであって、1つ以上の請求項1~16のいずれか一項に記載のトポグラフィーマーキングシステムは、前記施工面上に少なくとも1つの塗装バンドを塗装するために、前記施工面上で燃焼させるのに適した塗料組成物を噴霧し、その後、前記少なくとも1つの塗装バンド上にいくつかの建築情報をマーキングするために、前記少なくとも1つの塗装バンドを燃焼させるために使用される、プロセス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本PCT特許出願は、2018年8月29日に出願されたベルギー特許出願N° BE2018/0094号の優先権の利益を主張する。
【0002】
発明の概要
本発明は、マーキングシステムを搭載したロボット型のトポグラフィーマーキングシステムに関し、前記ロボットは、トポグラフィー情報をマーキングするために施工面上を移動可能である。
【背景技術】
【0003】
建物の建設設計が開始される時点で、例えば異なる回路の位置を示す等、多くの計画が実現される。
【0004】
コンピュータ3D図は、可能性のある多くの問題及び課題を明らかにすることができるが、現場の建設段階中に、1つ以上の特定の問題が生じるように思われる。
【0005】
このような問題の1つは、例えば、垂直コンクリート要素及び壁を含む、建設される建物を支持するためのコンクリート床スラブの鋳造中に発生する。コンクリートスラブの寸法に関連する誤差は、コンクリートスラブの施工開始後にのみ気付く課題のカスケードを生じる可能性がある。
【0006】
また、建設段階中、作業者は、水平コンクリートスラブを配置した後、垂直要素(壁、柱、スクリーン等)を配置する。
【0007】
これらの2つの重要な工程の間で、コンクリートスラブ上の主要な基準点をトレースするために、認定された地形測量士が現場で必要とされる。これは、トポグラフィーステーション(Electronic Theodolite)、トポグラフィープリズム、スプレーカラーボンベ、及びスクライバーの助けを借りて行われる。その後、マーキングされた主要な基準点を考慮して、数人の「マーキング」作業者が、平面図、測定テープ、及びロープの助けを借りてコンクリートスラブに床の建設計画詳細をマーキングする。この人間によるマーキング工程が完了した後、コンクリート床上の垂直スラブの施工又は配置を開始することができる。上記のサイクルは、建物の各階について繰り返される。
【0008】
上述の手順は、多くの時間を必要とし、特に、数人のマーキング作業者の介入及び人間の読み取り誤差に起因して、通常のマーキング誤差を伴う。
【0009】
コンピュータから直接アーキテクチャ情報を受け取るマーキング装置によって、建物スラブ上に設置位置をマーキングすることが試みられた。
【0010】
このようなマーキング装置は、例えば、特許文献1によって教示されている。このマーキング装置は、建設現場用の実寸法トレースシステムからなるマーキングロボットであり、このロボットは、
- トレース領域にまたがる剛性で変形不能な大型ポーチ構造。
- 色噴霧ヘッド
- 噴霧ヘッドを2つの垂直方向に沿って移動させるためのシステム
- 基準点に対するポーチロボットの位置を制御する電子装置
から構成されている。
【0011】
このようなマーキング装置は、前もって基準点を知る必要があり、高い精度のマークが可能ではなく、また風又は気流のような外部条件によってマークが影響を受ける。
【0012】
特許文献2は、キャタピラー上に取り付けられたプラットフォームを有するロボットを開示しており、この装置は、所与の位置への基本的なツールの移動を可能にしている。
【0013】
特許文献3は、所与の表面上に液体を噴霧するための液体噴霧ヘッドを備えたマーキング装置を開示しており、マーキング動作中に装置位置補正が操作される。
【0014】
精密さの欠如に起因する、コンクリートスラブ上のマーキング操作の問題を回避するために、特許文献4は、多くのロール上に計画を実際の寸法で印刷し、ロールをスラブに取り付けることを提案している。ロールの配置及び固定は容易ではなく、またロールは摩耗しやすく裂けやすいが、マークを見ることはできない。更に、ロールは、水硬性バインダーの良好な把持を妨げる層を形成する。現場での実寸法におけるこのマーキングの問題は、現在まで解決されていない。
【0015】
従って、特許文献5は、グラフィック情報をコンクリートスラブ上に投影することを提案している。使用されるシステムは、複雑であり、プロジェクターがカバーする表面を考慮に入れていない。このようなシステムは、垂直プロジェクターを備えた、平らで水平な表面に対してのみ信頼性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【文献】米国特許第5755072号明細書
【文献】特開2001-289638号明細書
【文献】米国特許第2002/005789号明細書
【文献】米国特許第2009/277031号明細書
【文献】国際公開第2017/093779号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、本願発明は、連続した領域のマーキングを行うことによって正確なマーキングを可能にする、現場施工面上の実寸法のトポグラフィーマーキングのためのトポグラフィーマーキングシステムに関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
発明の簡単な説明
本発明は、施工面上に少なくともいくつかの建築情報を実寸法でマーキングするためのトポグラフィーマーキングシステム(E)に関し、前記システム(E)は、少なくとも以下を備える:
(a)剛性で変形不能なフレームを形成するように適合されたフレーム(1)、
(b)フレーム(1)を施工面に対して移動させるための変位システム(2)、
(c)少なくともトポグラフィープリズムを有するマーキングシステム、
(d)マーキングシステムのための移動支持体(20)であって、前記移動支持体(20)は、フレーム(1)又はその要素上に取り付けられ、少なくとも2つの垂直方向(X,Y)において、フレームに対するマーキングシステムの移動を確実にするように適合されている、移動支持体(20)、
ここで、前記マーキングシステムは、少なくとも以下を含む:
(c1)前記施工面上に少なくとも1つの塗装バンドを塗装するために、おそらくは部分
的又は完全な乾燥又は硬化後に、燃焼させるのに適した塗料組成物を、前記施工面上に噴霧するための噴霧装置(5)と、
(c2)前記少なくとも1つの塗装バンド上に、いくつかの建築情報をマーキングするために、前記少なくとも1つの塗装バンドを燃焼させるための彫刻レーザー(6)。
【0019】
このシステムは、例えば、壁上の垂直中央平面、又は外壁上の垂直面等の正確なマーキングを可能にする。
【0020】
有利には、フレームの変位システムは、少なくとも1つの電気モーターを備え、一方、支持体を移動させるための手段も、1つの電気モーターを備え、一方、マーキングシステムは、変位システムの電気モーター又はフレーム及び支持体の移動手段に供給するための、有利には充電式の少なくとも1つの電気バッテリーを備える。
【0021】
本発明のシステムは、このようにして、有利には自律ロボット型である。
【0022】
本発明のシステムの態様の有利な詳細によれば、本発明のシステムは、以下の特徴のうちの1つ以上、特に、以下の特徴のうちの2つ以上の組み合わせを有する:
* フレーム(1)を施工面上で少なくとも部分的に移動させるための変位システム(2)は、少なくとも1つの電気モーター(2A、2B、2C)を備え、一方、移動支持体(20)は、少なくとも1つの電気モーター(3A、3B)を備えた支持体(20)の少なくとも1つの変位手段を備え、
* トポグラフィーマーキングシステム(E)は、変位システム(2)の前記少なくとも1つの電気モーター及び移動支持体(20)の前記少なくとも1つの電気モーターにエネルギーを供給するために、有利には再充電されるのに適した少なくとも1つの電気バッテリ(11)を備える。
* トポグラフィーマーキングシステムは、一連の様々なマーキング機能及び有利には移動機能を命令するための電子コマンドシステム(12)を含み、前記電子コマンドシステム(12)は、少なくとも前記施工面(S)上のシステム又はその一部の位置に関する情報を受信するためのワイヤレス通信手段に関連している。
* 噴霧装置(5)は、5cm未満、有利には0.5~2cmからなる幅の塗装バンドを施工面上に噴霧するように適合された噴霧ヘッドを含み、一方、彫刻レーザ(6)は、塗装バンド上に、少なくとも、1mm未満の太さを有する点及び/又は線を彫刻するヘッドを含む。
* 電子コマンドシステム(12)は、施工面(S)上のフレーム(1)の変位中に彫刻レーザー(6)及び噴霧装置(5)が機能するのを防止し、また、噴霧装置(5)の機能中に彫刻レーザー(6)が機能するのを防止するようにプログラムされている。
* トポグラフィーマーキングシステム(E)は、少なくとも彫刻レーザー(6)の機能を停止又は防止するために、また有利には、噴霧装置(5)の機能を停止又は防止するために、電子コマンドシステム(12)に信号を送る一連のセキュリティ手段を含み、前記セキュリティ手段は、有利には、以下の群から選択される:
- 一方ではトポグラフィーマーキングシステム(E)又はその一部、特に彫刻レーザ(6)と、他方では施工面Sとの間の距離検出器(100);
- マーキングされるべき施工面のゾーン上の少なくとも物体の存在を検出するための1つ以上のカメラ又はセンサ(101);
- 煙感知器(103);
- 水平面に対するフレーム(1)の傾斜(inclination)検出器(104);
- 垂直軸に対する彫刻レーザ(6)の傾斜(inclination)又は傾き(tilt)検出器(105);
- フレームの動き検出器(106);
- 赤外線検出器(107);
- フレーム(1)から少なくとも2m未満の距離内にある物体、人又は動物の存在又は動きを検出するための検出器(108);
- 電気回路及び/又は電子回路(12)及び/又はモーター(2A、2B、2C、3A、3B)の1つにおける少なくとも1つの故障を決定する故障検出器(109);
- 有利には一連の電気ヒューズプロテクターを備えた漏電検出器(110)。
- 風検出器(111);並びに
- 有利には安全カバー保護位置からの保護カバーの可能な旋回を決定する保護カバー開放検出器112、並びに
- これらの任意の組み合わせ。
* マーキングシステム(5、6)の移動支持体(20)は、少なくとも0.2m、有利には、少なくとも1.5mの側部を有し、最小0.4m2の、有利には少なくとも1m2の潜在的マーキング表面を覆う、実質的に矩形のマーキングゾーンをカバーするように、少なくとも2つの互いに垂直な方向(X、Y)においてフレーム(1)に対して移動可能に取り付けられている。
* マーキングシステムの移動支持体(20)は、少なくとも1つの位置決めカメラ(101)を備える。
* フレーム(1)を移動させる変位システム(2)は、少なくとも一連の車輪又はローラーを含み、そのうちの少なくとも3つは、各々、電気モーターによって駆動される。
* マーキングシステムの移動支持体(20)は、レール(3)上の第1の方向(X)に平行移動するように取り付けられ、このレールは、第1の方向(X)に垂直な第2の方向(Y)においてフレーム(1)に対して平行移動するように取り付けられている。
* マーキングシステムの移動支持体(20)は、フレーム(1)が実質的に水平であるとき、垂直面(V1)(レールの対称面)を画定するレール(3)上に移動可能に取り付けられたキャリッジを含み、前記キャリッジは、レールによって画定されるこの垂直面(V1)に関連して、突き出たトポグラフィープリズム(7)を有する彫刻レーザー(6)を片側に有し、噴霧装置(5)の噴霧ヘッドは、レール(3)の下に配置され、彫刻レーザー(6)に対して送り出される。
* 彫刻レーザー(6)は、彫刻レーザー(6)で発生したレーザー光を施工面(S)に向けて案内する案内用レーザービーム管(60)を含む。
* 移動支持体(20)は、施工面のマーキングゾーン上又はその周りに存在する可能性のある障害物を検出するために、水平領域を走査することを可能にする少なくとも2つの距離レーザー検出器(102)を備える。
* フレーム(1)は、その縁部の1つに沿って、燃焼されるのに適した塗料組成物のための少なくとも1つの塗料リザーバ(200)と、有利には、電気モーターに電力を供給する1つ以上のバッテリ(11)とを備える構造が設けられるか、又は関連付けられ、それにより、トポグラフィーマーキングシステム全体の重心を前記その縁部の1つに送り、後者は、有利には、少なくとも第1の電気モーター(2A)によって駆動される第1の車輪又はキャタピラに関連付けられ、少なくとも第2の電気モーター(2B)によって駆動される第2の車輪又はキャタピラに関連付けられ、第1の車輪又はキャタピラは、第2の車輪又はキャタピラから離れている。
* フレーム(1)は、保護フード又はカバー(113)によって保護されている。
* トポグラフィーマーキングシステムは、支持体(20)のための変位レール(3)を含み、前記変位レール(3)は、少なくとも支持体がフレーム(1)の少なくとも一部の周りを移動することを可能にする回転システム(300)に取り付けられている。
* これらの特徴の2つ以上の組み合わせのうちの1つ、又は特に上記の全ての特徴の総合。
【0023】
本発明はまた、施工面上に少なくともいくつかの建築情報を実寸法でマーキングするためのプロセスに関し、ここで、上記に開示されたような本発明の1つ以上のトポグラフィ
ーマーキングシステムは、前記施工面上に少なくとも1つの塗装バンドを塗装するために、前記施工面上で燃焼させるのに適した塗料組成物を噴霧し、その後、前記少なくとも1つの塗装バンド上にいくつかの建築情報をマーキングするために、前記少なくとも1つの塗装バンドを燃焼させるために使用される。
【0024】
本発明の詳細及び細部は、以下の詳細な説明において明確かつ明白であり、添付書類の設計に対する参照を有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明によるシステムの第1の態様の斜視図である;
【
図3】本発明によるシステムの別の態様の斜視図である;
【
図4】
図3の態様のマーキング支持体システムの詳細斜視図である;
【
図5】本発明のシステムの別の態様の斜視図である;
【
図6A】
図3による装置の機能を表す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1のトポグラフィープリンタ又はマーキングシステムは、軽合金で作製された剛性で変形不能なブレース付きフレーム(1)と、処理又はマーキングするするためにマーキングシステムの全表面にわたる移動を可能にする自律移動可能システム(2)(車輪又はローラー又はキャタピラー)と、プリンタヘッド(4)のための2方向(X及びY)の移動を可能にする内部変位装置(3)と、燃焼させることができる細い塗料又は液体バンドのための噴霧器(5)から構成されるプリンタヘッド(4)と、彫刻レーザ(6)とを備える、建物のための実寸法のトポグラフィープリンタ(
図1)である。プリンタヘッド(4)上には、プリズム支持体及びトポグラフィープリズム(7)が配置されている。
【0027】
フレームの前側には、ボックス(8)があり、これは、電子カード、バッテリー、通信システム、及び噴霧塗料ストックリザーブを含む。
【0028】
フレーム(1)の後部では、2つの電動ホバークラフトタービン(9)が、フレームの後部を持ち上げるのに役立つ。それらは、装置が前進する際に回転運動をしている。装置が印刷されるべき領域の上の適所に配置されると、それらは停止し、フレームはその脚(10)上に置かれる。
【0029】
印刷ヘッド(
図2)は、燃焼され得る細い塗料又は液体バンド用の噴霧器と、彫刻レーザ(6)とで構成されている。印刷ヘッド上には、プリズム支持体とトポグラフィープリズム(7)が取り付けられている。サーボモーター(11)は、噴霧システムをトリガーし又は停止させ、レーザ彫刻システムに取って代わることを可能にする。これはピボット(12)上の回転によって作動する。
【0030】
このシステムは、トポグラフィートータルステーションによって誘導される。これを行うために、装置は、実質的に正しく配置されたら、プリンタヘッドを矩形の印刷可能な領域の4つの角部に変位させる。ソフトウェアは、トポグラフィートータルステーションによって測定された読み取り値と、変位したプリンタヘッドから測定された座標X、Yを比較する。ソフトウェアは、Helmert変換法を使用して座標からの変化を計算する。次に、ソフトウェアはGコードファイル(トレースファイル)をプリンタに送信する。
【0031】
本発明のトポグラフィープリンタ(以後、「Robot Topo」と称する)は、スラブ上に1/1の実際のスケールで完全な計画を印刷することによって、地形測量士及び
「トレース」作業者のトレース工程を助け、改善することを意図している。本発明のトポグラフィープリンタは、BIM(建物情報モデル)のコンピュータ化された計画又はモデルを、鋳造されたスラブ上のそのレイアウトに直接リンクすることを可能にする。これを行うために、描画ソフトウェアは、矩形領域内のトレースゾーンを、プリンタの印刷寸法に対応する寸法に分解する。プリンタは、矩形ゾーン内のマークをトレースする。その後、プリンタは自動的に次へ移動する。
【0032】
トポグラフィーステーション全体が、ロボットのプリズムの3D位置をリアルタイムで測定及び計算する。コンピュータは位置を受信し、ロボットを現場で自律的な方法で誘導する。高精度レーザトレーサは、コンピュータ支援設計ソフトウェア(CAO)によって与えられた建設計画を、1/1のスケールで、新たに敷設されたコンクリートスラブ上に直接印刷するのを助ける。
【0033】
遠隔オペレータは、作業現場又はそのオフィスから「Robot Topo」を命令する。このオフィスは、どこに位置していてもよい。「Robot Topo」は、材料(塗料)及びエネルギー(電気)のための再負荷相(短時間、又はマーキング工程と連続して)を有して、24時間のうち24時間、7日間のうち7日間作業することができる。
【0034】
遠隔オペレータは、実際の最新計画をコンピュータ(DWGで、コンピュータ支援設計ソフトウェア(CAD)からのDNG形式)にロードするか、又は建設中のフロアのBIMサーバ(建物情報モデル)からのファイル形式IFCからロードする。1/1スケールの平面を抽出するために、見積り、テキスト、カスタマイズされた表記、パラメータへの調整が行われる。
【0035】
その階の床コンクリートスラブが現場の技術者によって配置されると、本発明のシステム「Robot Topo」が、新しく鋳造されたコンクリートスラブ(パーキング)上に配置された支持体上に置かれる。
【0036】
「Robot Topo」は、コンクリートが妨害のリスクなしで滑らかな変位を可能にするように固まる(コンクリートが鋳造コンクリート上の本発明のシステムの車輪又はキャタピラの移動を可能にするよう十分に硬化されている)まで使用されない。
【0037】
遠隔オペレーターが、精密レーザーの助けを借りてマーキング/トレース動作を開始するために、それ自体を現場の端の1つに位置決めするためのコマンド信号を「Robot
Topo」に送ると、本発明のシステムは静止し、トポグラフィーステーションは遠隔オペレーターに位置を与える。
【0038】
トレース/マーキングソフトウェアは、「Robot Topo」の可動部分の下に位置する矩形ゾーンの全ての情報を含む関連ファイルを抽出する。その後、ソフトウェアは、例えばGCODE形式(G-コード)の命令ファイルを生成し、これはマーキングシステムに送信される。
【0039】
「Robot Topo」は、色ジェットを堆積させることにより第1の動作を行い、レーザートレーサー/マーカーで第2の動作を行う。テキスト、メトリック情報、線、点、記号は全て、新しいスラブ(完全に硬化されていない)上で最高の精度でトレース/マークされる。
【0040】
このトレース/マーキングが効果的に行われた後、「Robot Topo」は次の位置に移動する。従って、このサイクルは、全表面が処理されるまで繰り返される。
【0041】
トポグラフィープリンタ制御ソフトウェアはまた、遠隔オペレータの仕事の一部を行うことができ、それにより遠隔オペレータは、他の建設現場で同時に遠隔作業を実行することができる。遠隔オペレータは、完全な訓練を受け、遠隔オフィスで働くことができ、それによりオペレータは、身体障害者であることができ、身体的に必要であると考えられる作業セクタへのより良好な一体化が可能となる。
【0042】
印刷装置が外部から支持される場合、印刷装置は、垂直要素上に、また水平要素(例えば、天井)下に印刷するために使用することができる。このような場合、オペレータは、プリンタ装置を手動で配置し、その配置を維持し、ゾーン間で移動させる必要がある。
【0043】
トポグラフィープリンタを外部で使用する場合、プリズムを、プリンタヘッド位置をリアルタイムで計算する一連の統合信号レセプタGNSS RTKに置き換えることができる。
【0044】
図3に示す本発明のプリンタは、建設現場の表面上に実寸法のトポグラフィー印刷を行うためのシステム(E)を含み、前記システム(E)は、(a)少なくとも1つの変形不能な可動フレーム(1)、(b)考慮される現場に対してフレームを移動させるための変位システム(2)、(c)トポグラフィープリズムを有するマーキングシステム、(d)フレームに対して少なくとも2つの垂直方向(X、Y)における移動可能なマーキングシステムのための支持体(20)を有し、このマーキングシステム(6)は、燃焼させることができる液体又は塗装バンドを噴霧するための少なくとも1つの噴霧装置(5)と、噴霧装置(5)によって噴霧されたバンドの一部(現場表面上)を燃焼工程にかけるための彫刻レーザ(6)とを含む。
【0045】
フレーム1の変位システム2は、少なくとも1つの電気モーターを備え、一方、支持体20を移動させるための手段も、少なくとも1つの電気モーター(例えば、前端の車輪用の2A、2B)を有する。このシステムは、有利には充電式の少なくとも1つの電気バッテリー(11)を有して、フレーム1の変位システム2及び支持体20の上述の電気モーター2A、2Bを供給し、後者は、レール3をY方向に移動させるためのモーター3Aと、支持体20をレール3に沿ってX方向に移動させるためのモーター3Bとによって移動される。
【0046】
システムEは、(自律ロボットとしての動作を容易にするために)無線通信手段と関連した電子システム(12)の異なる機能を命令し、考慮される建設現場上の少なくともシステム(E)の位置に関する情報を受信するために、電子コマンドシステム12(バッテリー11によって電気的に供給される)を備える。
【0047】
噴霧装置5は、建設現場表面に、5cm未満、有利には、0.5cm~2cmからなる幅の塗装バンドを噴霧するように適合された噴霧ヘッドを含み、一方、彫刻レーザーは、バンド上に、3mm未満、有利には、0.1mm~0.8mmの太さの寸法を有する点又は線を彫刻する彫刻ヘッドを有する。
【0048】
電子コマンドシステム12は、変形不能な可動フレーム1の変位中(従ってモーター2A及び2Bの駆動中)に彫刻レーザー6及び噴霧装置5が機能するのを防止し、噴霧装置5の機能中に彫刻レーザー6による彫刻/マーキングを防止するようにプログラムされ、それによって、噴霧工程とレーザー彫刻/マーキングとの間に一定の期間を確保し、それによって、レーザーによる塗料又は樹脂の燃焼の前に塗料又は樹脂の幾分かの乾燥/硬化を確実にする。
【0049】
噴霧された塗料又は樹脂バンドの幾分かの乾燥後のレーザーマーキング工程は、噴霧さ
れた塗装バンドの少なくとも一部に、増大した迅速な接着ゾーンを確実にすることが観察されている。このことは、コンクリートスラブが悪天候条件に晒される場合に有用である。
【0050】
フレーム1の後端の変位システムは、垂直軸Vの周りを旋回する1つの車輪21を有しているので、その向きは、モーター2Cによって制御される。これにより、マークされたゾーンから、マークされるべき隣接ゾーンに向かうフレームの移動方向をより良好に制御することができる。
【0051】
フレーム1の前端では、2つの車輪が変位システム2を形成し、前記車輪も垂直軸Vの周りを旋回する。これらの2つの車輪は、モーター駆動され、即ち、それらが各々、モーター2A及び2Bに関連していることを意味する。各車輪の向きは、モーター2Cによって制御される。各車輪は、他方と比較して異なる向きを有する場合がある。
【0052】
装置Eは、セキュリティ手段が潜在的な又は実際の危険を検出したときに、彫刻レーザー(6)及び有利には噴霧装置の機能を防止又は停止するための電子命令信号を送る一連のセキュリティ手段を含む。セキュリティー手段は、有利には、以下からなる群から選択される:
- 一方ではシステム又はこのシステムの一部(例えば、支持体20)、特に彫刻レーザー(6)と、他方ではシステムのフレームによって覆われる現場Sの表面との間の距離検出器100;
- (ケーブル損傷を防止するために)少なくとも物体の存在、又はシステムEのフレームによって覆われた現場表面上の予めマーキングされた領域の存在を検出するために、(噴霧ヘッド5及びレーザー6の付近において支持体20上に搭載された)1つ以上のカメラ101;
- 煙感知器103(火災リスクを検出するために、支持体20は、火災の開始を停止するためのミニ消火装置システムを備える場合がある)。
- 水平面に対するフレーム(1)の傾斜検出部104;
- 垂直軸に対する彫刻レーザー6の傾斜又は傾き検出器105;
- フレームの動き検出器106;
- 例えば、熱源又はレーザー光線を反射するのに危険な反射要素を検出する赤外線検出器107。
- フレーム1から2m未満の距離にある(物体、人又は動物の)存在又は動き検出器108;
- 電気回路及び/又は電子回路12及び/又はモーター2A、2B、2C、3A、3Bの1つの故障検出器109;
- 一連の電気ヒューズプロテクターを含む漏電検出器110;
- 風検出器111;並びに
- カバー/フード113(破線として描かれている)の開放検出器112、後者は、軸114の周りを枢動する。カバー/フード113は、有利には、透明又は半透明であるが、好ましくは、彫刻レーザー6によって放出された周波数光線でのレーザー光線の通過を阻止するように適合された材料で製造される。好ましくは、カバーは、1つ以上の有機吸収色材料が溶解された有機材料(透明又は半透明)で作製され、及び/又は、1つ以上の金属合金若しくは複合材料でドープされた無機材料で作製される。
【0053】
フレーム1は、フレーム1が所望の平面(例えば、水平面、又はコンクリートスラブの平面に平行する平面)において安定であることを確実にするために、位置決め手段(昇降シリンダのような)上に取り付けられることが有利である。
【0054】
マーキング支持体システム(20)は、少なくとも0.2m、有利には少なくとも1.
5mの1つ以上の側部を有する少なくとも長方形で、マーキングゾーンをカバーするように、少なくとも2つの垂直方向(X、Y)においてフレーム上を可動であるように搭載されており、マーキングゾーンは、少なくとも0.4m2、有利には少なくとも1m2、好ましくは、1~2m2からなる表面をカバーする。
【0055】
マーキング支持体(20)は、カメラ101であり得る位置決めカメラを含み、前記カメラは、支持体20の2つの方向X、Yにおける走査工程中に、レーザーによって以前にマーキングされた線によって形成された角度又は交差を検出することもできる。
【0056】
フレーム1の変位システムは、各々が電気モーターによって駆動される少なくとも一連の車輪又はキャタピラを含む。車輪は、例えば、噴霧される塗料を(1つ以上のチューブ又はパイプを介して)噴霧ヘッド5に供給するための塗料リザーバ200及びポンプ201を支持するように意図されたプラットフォーム1bisと同じ側に配置される。プラットフォーム1Bisは、異なる色のバンドを作製するために、いくつかの塗料リザーバを収容することができる。
【0057】
マーキング装置支持体20は、レール上の第1の方向Xに沿って平行移動するように取り付けられており、後者は、第1の方向Xに垂直な第2の方向Yに沿ってフレームに対して平行移動するように取り付けられている。
【0058】
マーキング装置支持体20は、フレーム1が実質的に水平であるときに垂直面V1(レールの対称面)を画定するレール3上に移動可能に取り付けられたキャリッジを備え、キャリッジ20は、レールによって画定されるこの垂直面に関連して、突き出たトポグラフィープリズム7を有する刻印レーザー6を片側に有する。レール3の下には、レーザー6に対して送り出された状態で、噴霧ヘッド5が配置されている。
【0059】
以前に塗装されたバンド上で彫刻レーザーを作動させるためには、レール3及び/又は支持体20を変位させて、レーザーヘッドを塗装バンドのちょうど上にもたらす必要がある。軸X及びYに関するオフセット値は、システムの構想中にほぼ知られている。プリズム位置、彫刻レーザー及び噴霧ヘッドの間の正確なオフセット値は、較正プロセス中に正確に再計算される。この較正工程は、フレーム1を垂直軸の周りに約180度回した後、同じゾーンに同じパターンを印刷することによって行われる。トポグラフィーステーションは、トレースパターンの正確な再位置決めを助け、較正は、X及びYに関して誤差を測定することによって行われる。行われる補正は、同じ位置でトレースされたパターンを分離するX及びYにおける距離の半分に対応する。
【0060】
彫刻レーザー6は、現場表面Sに向かった案内レーザービーム管60を含む。この管は、有利には、トレースされる表面での反射の場合にレーザー光線を吸収する材料で作製される。
【0061】
支持体20は、2つの距離レーザー検出器102(少なくとも1つの検出器)を備えており、これにより、トレースゾーンの周囲に存在する障害物に関して水平領域を走査することができる。この距離読み取り値は、プリズム位置を使用することによって一般座標系で再計算される。
【0062】
フレーム1は、その縁部の1つに沿って、少なくとも1つの液体又は塗料リザーバ(200)(燃焼させるのに適した液体又は塗料)に関連した構造(プラットフォーム1bis)、有利には、電気モーター及びポンプ(201)に電流を供給するための少なくともバッテリー(1つ又は複数)(11)を支持し、又はそれに関連し、それによりシステムの重心を前記縁部に向かって送り、前記縁部は、第1の電気モーターによって移動して駆
動される第1の車輪又はキャタピラ、及び第2の電気モーターによって移動して駆動される第2の車輪又はキャタピラに有利に関連し、第1の車輪又はキャタピラは、第2の車輪又はキャタピラから離れている。
【0063】
本発明はまた、建築現場の表面上に実寸法でトポグラフィー印刷するための本発明によるシステムの使用に関し、表面の連続部分(S1、S2、S3等)は各々、最初に1つ以上の塗装バンド又はマーキングバンドで印刷され、続いて1つ以上の前記塗装バンド又はマーキングバンド上にレーザーマーキングされる。表面の各部分について、その変位中のフレーム位置を単純化するために、トレース部分ごとに少なくとも2つのレーザー基準マーク(R1、R2等)をトレース/マークすることが有利である。次に、フレームは、支持体20及び位置決めカメラ101を移動させているフレームが、先行する基準マークを覆うように移動される。
【0064】
本発明はまた、最小の交差線を含む以前のトレース上にそれ自体を再位置決めすることができる(たとえ前記線が更なる再位置決めのためにトレースされなかったとしても)。これは、位置決めカメラが、以前にマーキングされた領域を、その正確な再位置決めのために認識できることを意味する。このケースは、以前のトレース又はマーキングを完了/修正する必要がある場合に有用である。実際、BIMは、プロジェクトと共に継続的に修正され、マーキングは、修正又は完了される必要がある。
【0065】
図5に示す本発明に関するトポグラフィープリンタは、現場表面上の実寸法トポグラフィープリンタのシステム(E)であり、システム(E)は、少なくとも(a)変形不能な可動フレーム(1)、(b)各現場に対するフレームの変位システム(2)、(c)トポグラフィープリズムを有するマーキングシステム、(d)フレームに対して少なくとも2つの垂直方向(X、Y)に移動可能なマーキングシステム用の支持体(20)を備え、マーキングシステムは、燃焼させるのに適した塗料又は液体のバンドの少なくとも噴霧装置(5)と、(噴霧装置によって現場で)噴霧されたバンドの一部を燃焼工程にかける彫刻レーザー(6)とを備える。
【0066】
回転システム(300)に固定された支持体(20)のための変位レール(3)は、支持体が変形不能なフレームの周りを全て移動することを可能にする利点を有し、困難な又は接近しにくいゾーン及びフレームの4つの側面でトレース又はマークすることを可能にする。