(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-18
(45)【発行日】2023-07-26
(54)【発明の名称】基地局、通信方法及び集積回路
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20230719BHJP
H04W 16/26 20090101ALI20230719BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20230719BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W16/26
H04W28/06 110
(21)【出願番号】P 2022162385
(22)【出願日】2022-10-07
(62)【分割の表示】P 2021115551の分割
【原出願日】2017-04-20
【審査請求日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2016101453
(32)【優先日】2016-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】514136668
【氏名又は名称】パナソニック インテレクチュアル プロパティ コーポレーション オブ アメリカ
【氏名又は名称原語表記】Panasonic Intellectual Property Corporation of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲矢
(72)【発明者】
【氏名】堀内 綾子
(72)【発明者】
【氏名】岩井 敬
【審査官】伊東 和重
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/170435(WO,A1)
【文献】NTT DOCOMO, INC.,Discussion on frame structure for NR[online],3GPP TSG-RAN WG1#85,R1-165176,3GPP,2016年05月14日,[検索日 2022.06.24],インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_1283/Docs/R1-165176.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時間ユニットにおける上りリンク時間リソースの量に関する制御情報を送信し、前記時間ユニットは下りリンク送信用の下りリンク時間リソースと応答信号送信用の上りリンク時間リソースを含む、送信機と、
複数の前記時間ユニットの各々において応答信号を受信する受信機と、を具備し、
前記応答信号が前記複数の時間ユニットにおいて繰り返し送信される場合、前記複数の時間ユニットの各々における前記上りリンク時間リソースの量は前記制御情報によって通知され、前記上りリンク時間リソースの量は前記複数の前記時間ユニットの各々において同じである、
基地局。
【請求項2】
前記受信機は、前記応答信号を前記複数の時間ユニットにおいて一定の時間間隔で繰り返し受信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項3】
前記送信機は、セル固有の通知によって前記時間ユニットの長さに関する別の制御情報を送信する、
請求項1に記載の基地局。
【請求項4】
前記時間ユニットの長さが長いほど、前記上りリンク時間リソースの量は多い、
請求項1に記載の基地局。
【請求項5】
前記複数の時間ユニットにおける前記応答信号の繰り返しの数は端末固有の通知によって指示される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項6】
前記応答信号の繰り返しの数は前記応答信号のビット数に基づいて決定される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項7】
前記繰り返しの数は下り制御チャネルによって決定される、
請求項1に記載の基地局。
【請求項8】
時間ユニットにおける上りリンク時間リソースの量に関する制御情報を送信し、前記時間ユニットは下りリンク送信用の下りリンク時間リソースと応答信号送信用の上りリンク時間リソースを含み、
複数の前記時間ユニットの各々において応答信号を受信し、
前記応答信号が前記複数の時間ユニットにおいて繰り返し送信される場合、前記複数の時間ユニットの各々における前記上りリンク時間リソースの量は前記制御情報によって通知され、前記上りリンク時間リソースの量は前記複数の前記時間ユニットの各々において同じである、
通信方法。
【請求項9】
前記応答信号を前記複数の時間ユニットにおいて一定の時間間隔で繰り返し受信する、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項10】
セル固有の通知によって前記時間ユニットの長さに関する別の制御情報を送信する、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項11】
前記時間ユニットの長さが長いほど、前記上りリンク時間リソースの量は多い、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項12】
前記複数の時間ユニットにおける前記応答信号の繰り返しの数は端末固有の通知によって指示される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項13】
前記応答信号の繰り返しの数は前記応答信号のビット数に基づいて決定される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項14】
前記繰り返しの数は下り制御チャネルによって決定される、
請求項8に記載の通信方法。
【請求項15】
時間ユニットにおける上りリンク時間リソースの量に関する制御情報を送信し、前記時間ユニットは下りリンク送信用の下りリンク時間リソースと応答信号送信用の上りリンク時間リソースを含む、処理と、
複数の前記時間ユニットの各々において応答信号を受信する処理、とを制御し、
前記応答信号が前記複数の時間ユニットにおいて繰り返し送信される場合、前記複数の時間ユニットの各々における前記上りリンク時間リソースの量は前記制御情報によって通知され、前記上りリンク時間リソースの量は前記複数の前記時間ユニットの各々において同じである、
集積回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、基地局、端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モバイル通信における下りリンク通信では、一般的に、基地局(「eNB」と呼ぶこともある)が端末(「UE(User Equipment)」と呼ぶこともある)に対して、データを受信するための制御信号を送信する。端末は、受信した制御信号によって自端末に送信された制御情報を復号し、データの受信に必要な周波数割当又は適応制御などに関する情報を得る。
【0003】
また、モバイル通信では、一般的に、下りリンクデータに対してHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)が適用される。つまり、端末は、下りリンクデータの誤り検出結果を示す応答信号を基地局へフィードバックする。
【0004】
以下では、従来技術として、3GPP(3rd Generation Partnership Project)により標準化されたLTE(Long Term Evolution)における下りリンクデータに対するHARQの動作について説明する(例えば、非特許文献1-3を参照)。
【0005】
LTEでは、基地局は、システム帯域内のリソースブロック(RB: Resource Block)をサブフレームと呼ばれる時間単位毎に端末に対して割り当てることにより通信を行う。また、基地局は、下りリンク制御チャネル(PDCCH: Physical Downlink Control Channel)を用いて、端末がデータを受信するための制御情報を送信する。端末は、受信したPDCCH信号によって自機に送信された制御情報を復号し、データの受信に必要な周波数割当又は適応制御などに関する情報を得る。
【0006】
また、LTEでは、下りリンクデータに対してHARQが適用される。つまり、端末は、下りリンクデータの誤り検出結果を示す応答信号を基地局へフィードバックする。端末は、下りリンクデータに対してCRC(Cyclic Redundancy Check)を行って、CRCの演算結果に誤りがなければ肯定応答(ACK: Acknowledgement)を、CRC演算結果に誤りがあれば否定応答(NACK: Negative Acknowledgement)を応答信号として基地局へフィードバックする。この応答信号(ACK又はNACK)のフィードバックには、上りリンク制御チャネル(PUCCH: Physical Uplink Control Channel)が用いられる。
【0007】
また、LTEにおいて、FDD(Frequency Division Duplex)システムでは、下りリンクデータに対する応答信号は、下りリンクデータが送信されたサブフレームより4サブフレーム後の対象サブフレーム内のPUCCHリソースで送信される。また、TDD(Time Division Duplex)システムでは、下りリンクデータに対する応答信号は、下りリンクデータが送信されたサブフレームより4サブフレーム以上後の対象サブフレーム内のPUCCHリソースで送信される。
【0008】
LTEにおける下りリンクデータに対する応答信号を送信するPUCCHリソースは、1リソースブロック及び1サブフレームで構成される。また、LTEでは、PUCCHで送信される応答信号(または応答信号以外の上りリンク制御情報)のビット数によって、符号化・変調方法に関する複数の場合分けが存在する。例えば、1ビットの応答信号とスケジューリングリクエスト以外に送信する制御情報が無ければ、PUCCH format 1aが用いられ、2ビットの応答信号とスケジューリングリクエスト以外に送信する制御情報が無ければ、PUCCH format 1bが用いられる。また、応答信号の送信が、周期的に上りリンクで送信されるCSI(Channel State Information)のフィードバックと重複した場合、PUCCH format2a/2bが用いられる。
【0009】
ところで、近年のモバイルブロードバンドを利用したサービスの普及に伴い、モバイル通信におけるデータトラフィックは指数関数的に増加を続けており、将来に向けてデータ伝送容量の拡大が急務となっている。また、今後はあらゆる「モノ」がインターネットを介してつながるIoT(Internet of Things)の飛躍的な発展が期待されている。IoTによるサービスの多様化を支えるには、データ伝送容量だけではなく、低遅延性及び通信エリア(カバレッジ)などのさまざまな要件について、飛躍的な高度化が求められる。こうした背景を受けて、第4世代移動通信システム(4G: 4th Generation mobile communication systems)と比較して性能及び機能を大幅に向上する第5世代移動通信システム(5G)の技術開発・標準化が進められている。
【0010】
4Gの無線アクセス技術(RAT: Radio Access Technology)の1つとして、3GPPにより標準化されたLTE-Advancedがある。3GPPでは、5Gの標準化において、LTE-Advancedとは必ずしも後方互換性を持たない新しい無線アクセス技術(NR: New RAT)の技術開発を進めている。
【0011】
NRでは、5Gの要求条件の1つである低遅延を実現する方法として、下りリンクデータを受信するために必要な下りリンク制御信号の受信、当該下りリンク制御信号によって割り当てられた下りリンクデータの受信、及び、当該下りリンクデータに対する応答信号の基地局へのフィードバックを或る一定時間間隔の時間ユニット(例えば1サブフレーム)で行う「Self-contained」と呼ばれる動作が検討されている(例えば、非特許文献4を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【文献】3GPP TS 36.211 V13.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical channels and modulation (Release 13),” March 2016.
【文献】3GPP TS 36.212 V13.1.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Multiplexing and channel coding (Release 13),” March 2016.
【文献】3GPP TS 36.213 V13.0.0, “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA); Physical layer procedures (Release 13),” March 2016.
【文献】R1-163112, NTT DOCOMO, “Initial views on frame structure for NR access technology,” April 2016
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、Self-contained動作におけるHARQに関しては十分に検討がなされていない。
【0014】
本開示の一態様は、Self-contained動作において効率良くHARQを行うことができる基地局、端末及び通信方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示の一態様に係る基地局は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、前記下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、前記下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末が前記応答信号の送信に使用する前記上りリンク時間リソースの量を、要求される通信エリア又は前記応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定する制御部と、前記決定された上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を前記端末へ送信する送信部と、を具備する構成を採る。
【0016】
本開示の一態様に係る端末は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、前記下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、前記下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末であって、前記応答信号の送信に使用する前記上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を基地局から受信する受信部と、前記時間ユニット情報に示される前記上りリンク時間リソースに前記応答信号を割り当てる信号割当部と、を具備し、前記上りリンク時間リソースの量は、要求される通信エリア又は前記応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定される構成を採る。
【0017】
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、方法、集積回路、コンピュータプログラム、または、記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムおよび記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本開示の一態様によれば、Self-contained動作において効率良くHARQを行うことができる。
【0019】
本開示の一態様における更なる利点および効果は、明細書および図面から明らかにされる。かかる利点および/または効果は、いくつかの実施形態並びに明細書および図面に記載された特徴によってそれぞれ提供されるが、1つまたはそれ以上の同一の特徴を得るために必ずしも全てが提供される必要はない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】TDDシステムにおけるSelf-contained動作例を示す図
【
図2】Self-contained time unit内のHARQ動作例を示す図
【
図3】Self-contained time unit内のHARQ動作例を示す図
【
図4】Self-contained time unit内のHARQ動作例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る基地局の要部構成を示すブロック図
【
図6】実施の形態1に係る端末の要部構成を示すブロック図
【
図7】実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
【
図8】実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
【
図9】実施の形態1に係る下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングを示す図
【
図10A】実施の形態1に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図10B】実施の形態1に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図10C】実施の形態1に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図11A】実施の形態2に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図11B】実施の形態2に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図12A】実施の形態3に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図12B】実施の形態3に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図13】実施の形態4に係る下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングを示す図
【
図14A】実施の形態4に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図14B】実施の形態4に係るSelf-contained動作例を示す図
【
図15】実施の形態5に係る下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングを示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
[本開示に至る経緯]
まず、本開示に至る経緯について説明する。
【0022】
図1は、TDDシステムにおけるSelf-contained動作の一例を示す。
図1に示すように、端末は、下りリンクデータを受信するために必要な下りリンク制御信号の受信、当該下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータの受信、及び、当該下りリンクデータに対する応答信号の基地局へのフィードバックを一定時間間隔の時間ユニット(以下、「Self-contained time unit」と呼ぶ)で行う。つまり、
図1に示すように、Self-contained time unitは、下りリンク制御信号(DL control)用の下りリンク時間リソースと、当該下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ(DL data)用の下りリンク時間リソースと、当該下りリンクデータに対する応答信号(ACK/NACK for DL data)用の上りリンク時間リソースとを含む構成を採る。
【0023】
また、TDDシステムでは、下りリンク通信から上りリンク通信への切り替えのためのガード時間(GP: Guard Period)が設けられる。
【0024】
Self-contained動作は、Self-contained time unitを短くすることで、より低遅延の通信が実現可能である。一方で、Self-contained time unitを短くすると、Self-contained time unit内で一度に送信できるデータ量が少なくなってしまう。例えば、大容量通信が要求されるユースケース(eMBB: enhanced Mobile Broadband)などでは、比較的大きなデータ量を一度に送信できる程度の時間間隔が必要になることが考えられる。
【0025】
また、TDDシステムの場合、Self-contained time unitを短くすると、下りリンク通信から上りリンク通信への切り替えが頻繁に発生し、切り替えの度にGPの挿入が必要になることから、GPのオーバヘッドが増加する恐れがある。
【0026】
そこで、システム内で、Self-contained time unitの長さを柔軟に変更できるような制御を導入することが考えられる。Self-contained time unitの長さを可変にする場合、当該Self-contained time unit内のHARQ動作には
図2~
図4に示すような複数の方法が考えられる。
【0027】
図2は、下りリンクデータに割り当てられる時間区間(時間リソース)を柔軟に変更できる方法を示す。
図2に示すように、Self-contained time unit内には、下りリンク制御チャネルによる下りリンクデータの割当(DL control)、及び、下りリンクデータに対する応答信号(ACK/NACK for DL data)の送信がそれぞれ1つ含まれる。
図2では、Self-contained time unitの長さによって、上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数は変わらない。ただし、マルチアンテナ多重(MIMO: Multiple Input Multiple Output)伝送又はキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)の導入による応答信号のビット数の増加はあり得る。
図2に示すHARQ動作では、大きなサイズのデータを一度に割り当てることができることによるオーバヘッドの低減、及び、符号化ブロックサイズの増加による符号化利得の向上が期待できる。一方で、符号化ブロックサイズが大きくなることによる復号処理遅延増加、及び、HARQの効率低下を招く恐れがある。
【0028】
図3は、下りリンクデータに割り当てられる時間区間を所定の長さに制限する方法を示す。
図3に示すように、Self-contained time unit内には、下りリンク制御チャネルによって割り当てられる下りリンクデータ(DL data)の区間が複数含まれる。また、複数の下りリンクデータに対する応答信号の送信が1つ含まれる。この場合、Self-contained time unitの長さによって、上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数が異なる。
図3に示すHARQ動作では、符号化ブロックサイズが分割されることによる復号処理遅延の低下、及び、HARQの効率向上が期待できる。一方で、データ割当(DL assignment)のオーバヘッドの増加を招く恐れがある。
【0029】
図4は、
図3と同様、下りリンクデータに割り当てられる時間区間を所定の長さに制限する方法を示す。ただし、
図4は、Self-contained time unit内で、1つの下りリンク制御チャネルが複数の下りリンクデータの割当を行う場合を示す。また、複数の下りリンクデータに対する応答信号の送信が1つ含まれる。
図4の場合も、
図3と同様、Self-contained time unitの長さによって、上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数が異なる。
図4に示すHARQ動作も、
図3と同様、符号化ブロックサイズが分割されることによる復号処理遅延の低下、及び、HARQの効率向上が期待できる。一方で、複数の下りリンクデータを1つの下りリンク制御信号内に割り当てる必要があるため、下りリンク制御信号のビット数が増加する恐れがある。
【0030】
上述したように、Self-contained time unitの長さを柔軟に変更する場合におけるHARQ動作の方法は様々であり、どのHARQ動作が適しているかは、送受信機の性能又はサービスの要求条件によっても異なる。このため、Self-contained time unitの長さを柔軟に変更できることに加え、HARQ動作の方法も柔軟に変更できるシステム設計が望ましい。しかしながら、この場合、Self-contained time unitの長さ又はHARQ動作の方法によって、上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数が変わる。
【0031】
LTEでは、PUCCHで送信される応答信号(又は、応答信号以外の上りリンク制御情報)のビット数によって、符号化・変調方法に関する複数の場合分け(PUCCHフォーマット)が存在する。また、LTEでは、TDDシステムなどにおいて、複数の下りリンクデータに対する応答信号をまとめてフィードバックする場合に、Bundling又はMultiplexingが用いられている。ただし、Bundling又はMultiplexingは、固定のPUCCHリソース(1リソースブロック及び1サブフレーム)で応答信号を送信することを想定していた。
【0032】
これに対して、5Gでは、サービスの多様化を支えるために、低遅延性又は通信エリアなどの様々な要求条件を満たすサービスをサポートする必要がある。例えば、Self-contained time unitの長さを短くすると、より低遅延の通信の実現が可能である一方で、通信のための時間リソースが少なくなるので、十分な通信エリア、特に上りリンク通信の通信エリア)を確保できなくなる。5Gの要求条件では、LTE-Advancedと比較して通信エリアを拡張することも考えられているため、Self-contained time unitの長さを変更するだけでなく、当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク時間リソースを柔軟に変更する必要もある。
【0033】
以上より、既存の固定のPUCCHリソース(1リソースブロック及び1サブフレーム)で応答信号を送信することを想定していたLTEの符号化・変調方法に関する複数の場合分け、及び、Bundling又はMultiplexingでは、Self-contained time unitの長さを柔軟に変更するとともにHARQ動作の方法も柔軟に変更し、かつ当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク時間リソースについても柔軟に変更する場合に、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク時間リソースの制御を適切に行えない恐れがある。
【0034】
そこで、本開示の一態様では、Self-contained動作においてSelf-contained time unitの長さを柔軟に変更する場合でも、当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク時間リソースを適切に制御することを目的とする。
【0035】
以下、本開示の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0036】
(実施の形態1)
[通信システムの概要]
本開示の各実施の形態に係る通信システムは、基地局100及び端末200を備える。
【0037】
図5は、本開示の各実施の形態に係る基地局100の要部構成を示すブロック図である。
図5に示す基地局100において、制御部101は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニット(Self-contained time unit)で通信を行う端末200が応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量を、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定し、送信部110は、決定された上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を端末200へ送信する。
【0038】
図6は、本開示の各実施の形態に係る端末200の要部構成を示すブロック図である。
図6に示す端末200は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う。端末200において、受信部202は、応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を基地局100から受信し、信号割当部210は、時間ユニット情報に基づいて上りリンク時間リソースに応答信号を割り当てる。ここで、上りリンク時間リソースの量は、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定される。
【0039】
[基地局の構成]
図7は、本開示の実施の形態1に係る基地局100の構成を示すブロック図である。
図7において、基地局100は、制御部101と、制御信号生成部102と、制御信号符号化部103と、制御信号変調部104と、データ符号化部105と、再送制御部106と、データ変調部107と、信号割当部108と、送信波形生成部109と、送信部110と、アンテナ111と、受信部112と、抽出部113と、復調・復号部114と、判定部115と、を有する。
【0040】
制御部101は、端末200に対するSelf-contained time unitの長さ、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、及び、当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を決定する。制御部101は、決定したパラメータを含むSelf-contained time unitに関する情報(時間ユニット情報に対応)を制御信号生成部102に出力する。また、制御部101は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を示す情報を抽出部113に出力する。なお、制御部101におけるSelf-contained time unitに関する情報の決定方法の詳細については後述する。
【0041】
また、制御部101は、端末200に対して下りリンクデータの割当を決定する。このとき、制御部101は、端末200に対して指示する周波数割当リソース及び変調・符号化方法などを決定し、決定したパラメータに関する情報(下りリンク割当情報)を制御信号生成部102に出力する。
【0042】
また、制御部101は、端末200が応答信号を送信するリソース(時間、周波数、符号系列等)を決定し、決定したパラメータに関する情報を制御信号生成部102に出力する。また、制御部101は、端末200が応答信号を送信するリソースを示す情報を抽出部113に出力する。なお、端末200が応答信号を送信するリソースに関する情報の全て又は一部は、基地局100から端末200に対してImplicitに通知されてもよく、端末固有の上位レイヤのシグナリングによって端末200(後述する制御部207)に通知されてもよい。
【0043】
また、制御部101は、制御信号に対する符号化レベルを決定し、決定した符号化レベルを制御信号符号化部103に出力する。また、制御部101は、制御信号をマッピングする無線リソース(下りリソース)を決定し、決定した無線リソースに関する情報を信号割当部108に出力する。また、制御部101は、送信データ(下りリンクデータ)に対する符号化レベルを決定し、決定した符号化レベルをデータ符号化部105に出力する。
【0044】
制御信号生成部102は、端末200向けの制御信号を生成する。制御信号には、セル固有の上位レイヤの信号、グループ又はRAT固有の上位レイヤの信号、端末固有の上位レイヤの信号、及び、下りリンクデータの割当を指示する下りリンク割当情報が含まれる。
【0045】
下りリンク割当情報は、複数のビットから構成されており、周波数割当リソース、変調・符号化方式などを指示する情報を含む。また、下りリンク割当情報には、上述したSelf-contained time unitの長さ、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量、端末200が応答信号を送信するリソース(時間、周波数、符号系列等)に関する情報が含まれてもよい。
【0046】
制御信号生成部102は、制御部101から入力される制御情報を用いて、制御情報ビット列を生成し、生成した制御情報ビット列(制御信号)を制御信号符号化部103へ出力する。なお、制御情報が複数の端末200向けに送信されることもあるため、制御信号生成部102は、各端末200向けの制御情報に、各端末200の端末IDなどの端末を識別できる情報を含めてビット列を生成してもよい。
【0047】
制御信号符号化部103は、制御部101から指示された符号化レベルに従って、制御信号生成部102から受け取る制御信号(制御情報ビット列)を符号化し、符号化後の制御信号を制御信号変調部104へ出力する。
【0048】
制御信号変調部104は、制御信号符号化部103から受け取る制御信号を変調し、変調後の制御信号(シンボル列)を信号割当部108へ出力する。
【0049】
データ符号化部105は、制御部101から受け取る符号化レベルに従って、送信データ(下りリンクデータ)に対して誤り訂正符号化を施し、符号化後のデータ信号を再送制御部106へ出力する。
【0050】
再送制御部106は、初回送信時にはデータ符号化部105から受け取る符号化後のデータ信号を、保持するとともにデータ変調部107へ出力する。また、再送制御部106は、後述する判定部115から、送信したデータ信号に対するNACKを受け取ると、対応する保持データをデータ変調部107へ出力する。また、再送制御部106は、送信データに対するACKを受け取ると、対応する保持データを削除する。
【0051】
データ変調部107は、再送制御部106から受け取るデータ信号を変調して、データ変調信号を信号割当部108へ出力する。
【0052】
信号割当部108は、制御信号変調部104から受け取る制御信号(シンボル列)及びデータ変調部107から受け取るデータ変調信号を、制御部101から指示される無線リソースにマッピングする。信号割当部108は、信号がマッピングされた下りリンクの信号を送信波形生成部109に出力する。
【0053】
送信波形生成部109は、信号割当部108から受け取る信号に対して、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)変調等の送信波形生成処理を施す。
【0054】
送信部110は、送信波形生成部109から受け取る信号に対してD/A(Digital-to-Analog)変換、アップコンバート等のRF(Radio Frequency)処理を行い、アンテナ111を介して端末200に無線信号を送信する。
【0055】
受信部112は、アンテナ111を介して受信された端末200からの上りリンク信号の応答信号波形に対して、ダウンコンバート又はA/D(Analog-to-Digital)変換などのRF処理を行い、得られる受信信号を抽出部113に出力する。
【0056】
抽出部113は、制御部101から受け取る、端末200が応答信号を送信するリソース(時間、周波数、符号系列等)および当該Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を示す情報に基づいて、受信信号から、上りリンクの応答信号が送信された無線リソース部分を抽出し、受信応答信号を復調・復号部114に出力する。
【0057】
復調・復号部114は、抽出部113から受け取る受信応答信号に対して、等化、復調及び復号を施し、復号後のビット系列を判定部115へ出力する。
【0058】
判定部115は、復調・復号部114から入力されるビット系列に基づいて、端末200から送信された応答信号が、送信された下りリンクデータに対してACK又はNACKの何れを示しているかを判定する。判定部115は、判定結果を再送制御部106に出力する。
【0059】
[端末の構成]
図8は、本開示の実施の形態1に係る端末200の構成を示すブロック図である。
図8において、端末200は、アンテナ201と、受信部202と、抽出部203と、データ復調部204と、データ復号部205と、誤り検出部206と、制御部207と、ACK/NACK生成部208と、符号化・変調部209と、信号割当部210と、送信波形生成部211と、送信部212と、を有する。
【0060】
受信部202は、基地局100から送信された制御信号及びデータ信号を、アンテナ201を介して受信し、無線受信信号に対してダウンコンバート又はAD変換などのRF処理を行い、ベースバンドの信号を得る。受信部202は、信号を抽出部203へ出力する。
【0061】
抽出部203は、受信部202から受け取る信号から制御信号を抽出する。そして、抽出部203は、制御信号に対してブラインド復号を行い、自機宛ての制御信号の復号を試みる。抽出部203は、ブラインド復号した結果、自機宛ての制御信号であると判定した場合、当該制御信号を制御部207へ出力する。また、抽出部203は、受信部202から受け取る信号から下りリンクデータを抽出し、データ復調部204へ出力する。
【0062】
データ復調部204は、抽出部203から受け取る下りリンクデータを復調し、復調後の下りリンクデータをデータ復号部205へ出力する。
【0063】
データ復号部205は、データ復調部204から受け取る下りリンクデータを復号し、復号後の下りリンクデータを誤り検出部206へ出力する。
【0064】
誤り検出部206は、データ復号部205から受け取る下りリンクデータに対して誤り検出を行い、誤り検出結果をACK/NACK生成部208へ出力する。また、誤り検出部206は、誤り検出の結果、誤り無しと判定した下りリンクデータを受信データとして出力する。
【0065】
制御部207は、抽出部203から入力される制御信号に基づいて、上りリンク制御信号(ここでは応答信号)の送信制御を行う。具体的には、制御部207は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量、及び、応答信号を送信するリソース(時間、周波数、符号系列など)に関する情報を用いて、応答信号を送信するリソース(時間、周波数、符号系列など)を特定し、特定したリソースに関する情報を信号割当部210へ出力する。
【0066】
また、制御部207は、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報をACK/NACK生成部208へ出力する。
【0067】
ACK/NACK生成部208は、制御部207から受け取る応答信号のビット数に関する情報に基づいて、誤り検出部207から受け取る誤り検出結果を用いて、受信した下りリンクデータに対する応答信号(ビット系列)を生成し、応答信号を符号化・変調部209へ出力する。
【0068】
符号化・変調部209は、ACK/NACK生成部208から受け取る応答信号(ビット系列)に対して誤り訂正符号化を行い、符号化後のビット系列を変調して、変調後のシンボル系列を信号割当部210へ出力する。
【0069】
信号割当部210は、符号化・変調部209から受け取る信号を、制御部207からの指示に従って割り当てられたSelf-contained time unit内の上りリンク時間リソースにマッピングする。
【0070】
送信波形生成部211は、信号割当部210から入力される信号に対してOFDM変調等の送信波形生成処理を施す。
【0071】
送信部212は、送信波形生成部211から受け取る信号に対してD/A変換、アップコンバート等のRF処理を行い、アンテナ201を介して基地局100に無線信号を送信する。
【0072】
[基地局100及び端末200の動作]
以上の構成を有する基地局100及び端末200における動作について詳細に説明する。
【0073】
なお、本実施の形態では、
図9に示すように、下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが単位バンド(コンポーネントキャリア:Component Carrier(s)と呼ばれることもある)内で同一であるTDDシステムについて説明する。
【0074】
基地局100は、Self-contained time unitの長さに関する情報を、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、Self-contained time unitの長さに関するセル固有(または端末共通)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unitの長さが決定される。
【0075】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報を、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、応答信号のビット数に関するセル固有(または端末共通)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号のビット数が決定される。
【0076】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関するセル固有(または端末共通)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量が決定される。
【0077】
なお、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を、応答信号のビット数又はセルがサポートすべき通信エリア(要求されるカバレッジ)の要求条件、もしくはそれら両方の情報に基づいて決定する。
【0078】
例えば、基地局100は、要求される通信エリアが広いほど、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を大きく設定し、要求される通信エリアが狭いほど(つまり、広い通信エリアが要求されていない場合)には、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を小さく設定する。
【0079】
又は、基地局100は、応答信号のビット数が多いほど、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を大きく設定し、応答信号のビット数が少ないほど、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を小さく設定する。
【0080】
一方、端末200は、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて通知される、Self-contained time unitの長さに関する情報、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報、及び、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量に関する情報を基地局100から受信し、受信した制御情報に基づいて、Self-contained time unitのリソースを特定する。
【0081】
そして、端末200は、Self-contained time unit内の下りリンクチャネルで通知された下りリンク割当情報に基づいて下りリンクデータ(DL data)を受信し、当該下りリンクデータに対する応答信号(ACK/NACK for DL data)を、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに割り当てて基地局100へ送信する。
【0082】
図10A~
図10Cは、本実施の形態におけるSelf-contained動作例を示す。
【0083】
まず、基地局100は、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて、端末200に対して、Self-contained time unit長、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、及び、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を通知する。
【0084】
例えば、Self-contained time unit長は、
図10Aでは1msとし、
図10Bでは1msとし、
図10Cでは2msとしている。
【0085】
【0086】
また、上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、
図10Aでは2OFDMシンボルとし、
図10Bでは4OFDMシンボルとし、
図10Cでは14OFDMとしている。
【0087】
つまり、
図10Bでは、
図10Aと比較して、Self-contained time unit長が同一である一方で、上りリンク制御チャネルの時間リソース量が大きい。また、
図10Cでは、
図10A及び
図10Bと比較して、Self-contained time unit長が長く、上りリンク制御チャネルの時間リソース量が大きい。
【0088】
なお、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、OFDMシンボル単位の粒度でもよく、複数OFDMシンボルからなるサブフレーム単位の粒度でもよい。また、Self-contained time unit長の粒度と、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の粒度とは異なっていてもよい。本実施の形態では、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネル内でそれぞれ個別に通知される。
【0089】
例えば、基地局100のセルにおいて、低遅延が要求され、かつ、通信エリア(カバレッジ)に関する要求が低い場合(広い通信エリアを必要としない場合)、
図10Aに示すように、基地局100は、端末200に対して、Self-contained time unit長を短くし、かつ、少ないOFDMシンボル数で構成される上りリンク制御チャネルの時間リソースを設定する。これにより、端末200は、必要とされる通信エリアを確保しつつ、低遅延で応答信号を送信することができる。
【0090】
一方、基地局100のセルにおいて、低遅延が要求され、かつ、通信エリア(カバレッジ)に関する要求が高い場合(比較的広い通信エリアをサポートする必要がある場合)、
図10Bに示すように、基地局100は、端末200に対して、Self-contained time unit長を短くし、Self-contained time unitにおける上りリンク制御チャネルの時間リソースの割合を増加させる。これにより、端末200は、
図10Aと同様の低遅延を実現しつつ、
図10Aよりも多くのOFDMシンボルで構成される上りリンク制御チャネルの時間リソース(つまり、十分な送信電力)で応答信号を送信することにより、広い通信エリアを確保することができる。
【0091】
また、基地局100のセルにおいて、低遅延よりも通信エリアの拡大が優先される場合、
図10Cに示すように、基地局100は、端末200に対して、Self-contained time unit長を長くし、かつ、上りリンク制御チャネルの時間リソース量も増加させる。これにより、端末200は、
図10A又は
図10Bと比較して、遅延は大きくなるものの、より多くのOFDMシンボルで構成される上りリンク制御チャネルの時間リソース(十分な送信電力)で応答信号を送信することで、広い通信エリアを確保することができる。
【0092】
このように、本実施の形態では、基地局100は、セルに要求される通信エリア(カバレッジ要件)に応じて、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を決定する。
【0093】
また、この際、基地局100は、上りリンク制御チャネルの時間リソース量を、設定されるSelf-contained time unit長に依らず独立して決定する。すなわち、基地局100は、セル固有(または端末共通)の通知によって、Self-contained time unit長に加えて、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を独立して制御可能となる。これにより、基地局100は、HARQ動作又はセルがサポートすべき通信エリアの要求条件に合わせて、上りリンク制御チャネルの時間リソース量を適切に制御することができる。
【0094】
以上により、本実施の形態では、Self-contained動作において効率良くHARQを行うことができる。
【0095】
なお、本実施の形態において、応答信号のビット数は、セル固有(またはユーザ共通)の通知により端末200へ明示的に通知されなくてもよい。この場合、端末200は、下りリンクデータを割り当てる下りリンク制御信号の復号結果又は下りリンクデータの復号結果から応答信号ビット数を決定すればよい。
【0096】
(実施の形態2)
実施の形態1では、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量がSelf-contained time unit長と独立して決定される場合について説明した。これに対して、本実施の形態では、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量がSelf-contained time unit長に応じて決定される場合について説明する。
【0097】
なお、本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0098】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様、
図9に示すように、下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが単位バンド内で同一であるTDDシステムについて説明する。
【0099】
基地局100は、実施の形態1と同様にして、Self-contained time unitの長さに関する情報、及び、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報を、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、Self-contained time unitの長さ及び応答信号のビット数に関するセル固有(または端末共通)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unitの長さ及び応答信号のビット数が決定される。
【0100】
また、本実施の形態では、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を、Self-contained time unit長と対応付けてImplicitに端末200に通知する。この際、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を、応答信号のビット数又はセルがサポートすべき通信エリアの要求条件、もしくは、それら両方の情報に基づいて決定する。また、基地局100は、Self-contained time unit長についても、応答信号のビット数又はセルがサポートすべき通信エリアの要求条件、もしくはそれら両方の情報に基づいて決定する。
【0101】
例えば、基地局100は、Self-contained time unitが長いほど、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を大きく設定する。
【0102】
また、本実施の形態では、Self-contained time unit長と、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量とが対応付けられ、当該対応付けは、基地局100と端末200との間で共有される。
【0103】
そして、基地局100は、Self-contained time unit長のみ(または、Self-contained time unit長と応答信号のビット数)に関する制御情報を、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200へ通知する。つまり、Self-contained time unitに関する情報(時間ユニット情報)として、Self-contained time unit長を示す情報が通知され、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量に関する制御情報は通知されない。
【0104】
一方、端末200は、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて通知される、Self-contained time unitの長さ(または、Self-contained time unit長と応答信号のビット数)に関する情報を基地局100から受信し、受信したSelf-contained time unit長に対応付けられた上りリンク制御チャネルの時間リソース量を特定する。そして、端末200は、Self-contained time unit長、応答信号のビット数、及び、上りリンク制御チャネルの時間リソース量に基づいて、Self-contained time unitのリソースを特定する。
【0105】
図11A及び
図11Bは、本実施の形態におけるSelf-contained動作例を示す。
【0106】
まず、基地局100は、セル固有(または端末共通)の通知のための下りリンクチャネルを用いて、端末200に対して、Self-contained time unit長、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数を通知する。
【0107】
例えば、Self-contained time unit長は、
図11Aでは1msとし、
図11Bでは2msとしている。
【0108】
【0109】
また、上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、Self-contained time unit長と対応付けられてImplicitに通知される。
【0110】
例えば、上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、
図11A(Self-contained time unit長:1ms)では、2OFDMシンボルとし、
図11B(Self-contained time unit長:2ms)では、4OFDMシンボルとしている。つまり、
図11A及び
図11Bでは、上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、Self-contained time unit長に比例して対応付けられている。
【0111】
なお、Self-contained time unit長と上りリンク制御チャネルの時間リソース量との対応付けは、
図11A及び
図11Bのように比例関係であってもよいし、テーブル等により予め決まった対応付けでもよい。
【0112】
また、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、OFDMシンボル単位の粒度でもよく、複数OFDMシンボルからなるサブフレーム単位の粒度でもよい。また、Self-contained time unit長の粒度と、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の粒度とは異なっていてもよい。
【0113】
ここで、
図11Bでは、
図11Aと比較して、Self-contained time unit長が長く、上りリンク制御チャネルの時間リソース量が大きい。
【0114】
例えば、基地局100のセルにおいて、低遅延が要求され、かつ、通信エリア(カバレッジ)に関する要求が低い場合(広い通信エリアを必要としない場合)、
図11Aに示すように、基地局100は、端末200に対して、Self-contained time unit長を短くし、かつ、少ないOFDMシンボルで構成される上りリンク制御チャネルの時間リソースを設定する。これにより、端末200は、必要とされる通信エリアを確保しつつ、低遅延で応答信号を送信することができる。
【0115】
一方、基地局100のセルにおいて、低遅延よりも通信エリアの拡大が優先される場合、
図11Bに示すように、基地局100は、端末200に対して、Self-contained time unit長を長くし、かつ、上りリンク制御チャネルの時間リソース量も増加させる。これにより、端末200は、
図10A又は
図10Bと比較して、遅延は大きくなるものの、より多くのOFDMシンボルで構成される上りリンク制御チャネルの時間リソース(つまり、十分な送信電力)で応答信号を送信することで、広い通信エリアを確保することができる。
【0116】
このように、本実施の形態では、基地局100は、セルにおける通信エリア(カバレッジ)の要求条件又は応答信号のビット数に応じて、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量を決定する。そして、基地局100は、設定されるSelf-contained time unit長を端末200へ通知し、上りリンク制御チャネルの時間リソース量を端末200へ通知しない。一方、端末200は、通知されたSelf-contained time unit長に対応付けられた、上りリンク制御チャネルの時間リソース量を特定する。
【0117】
すなわち、基地局100は、セル固有(または端末共通)の通知によって、Self-contained time unit長のみを通知することで、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を制御可能となる。これにより、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の通知が不要になる分、セル固有(またはセル共通)の通知のオーバヘッドを低減することができる。
【0118】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様、基地局100は、HARQ動作又はセルがサポートすべき通信エリアの要求条件に合わせて、上りリンク制御チャネルの時間リソース量を適切に制御することができる。
【0119】
なお、本実施の形態において、応答信号のビット数は、セル固有(またはユーザ共通)の通知により端末200へ明示的に通知されなくてもよい。この場合、端末200は、下りリンクデータを割り当てる下りリンク制御信号の復号結果又は下りリンクデータの復号結果から応答信号ビット数を決定すればよい。
【0120】
(実施の形態3)
実施の形態1及び2では、低遅延よりも通信エリアの拡大が優先されるセルでは、Self-contained time unitを長くし、かつ、上りリンク制御チャネルの時間リソース量も増加させることで、広い通信エリアを確保する場合について説明した(例えば、
図10C及び
図11Bを参照)。
【0121】
しかし、セル内には、基地局の近傍に位置し、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の増加を必要としない端末と、基地局から離れて位置し、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の増加を必要とする端末とが共存する可能性がある。換言すると、セル内には、通信エリア(カバレッジ)に関する要求条件が異なる端末が共存している可能性がある。上りリンク制御チャネルの時間リソース量の増加を必要としない端末に対しては、Self-contained time unitを短くすることが望ましい。
【0122】
そこで、本実施の形態では、通信エリアに関する要求条件が異なる端末の各々に対して、Self-contained動作において効率良くHARQを行う方法について述べる。
【0123】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0124】
また、本実施の形態では、実施の形態1と同様、
図9に示すように、下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが単位バンド内で同一であるTDDシステムについて説明する。
【0125】
基地局100は、実施の形態1又は2の方法により、Self-contained time unit長に関する情報、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報、及び、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を端末200に通知する。端末200は、基地局100からの通知に従って、Self-contained time unitのリソースを特定する。
【0126】
また、本実施の形態では、各Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量は固定の値である。本実施の形態では、端末200は、通信エリアの拡大のために、複数のSelf-contained time unitの上りリンク制御チャネルを用いて、応答信号をRepetition(レピティション)送信する。
【0127】
そこで、基地局100は、応答信号のビット数又はセルがサポートすべき通信エリアの要求条件、もしくは、それら両方の情報に基づいて、端末200において応答信号のRepetition送信に用いるSelf-contained time unitの数(つまり、上りリンク制御チャネルの数。Repetition回数)を決定する。これにより、応答信号の送信に用いられる上りリンク制御チャネルの時間リソース量が決定される。
【0128】
Repetition送信におけるRepetition回数(何個のSelf-contained time unitの上りリンク制御チャネルの時間リソースを用いるかを示す情報)は、下りリンク制御チャネルによりダイナミックに通知されてもよく、非特許文献4に記載のfixed DL subframeにおいてユーザ固有又はグループ(例えば異なるRAT)固有の通知により周期的に通知されてもよい。
【0129】
図12A及び
図12Bは、本実施の形態におけるSelf-contained動作例を示す。
【0130】
通信エリアに関する要求条件に関して、セルが設定したSelf-contained動作で要求条件を満たしている端末200は、実施の形態1又は2と同様にしてSelf-contained time unit内でHARQを動作させる(例えば、
図12Aを参照)。
【0131】
なお、セルが設定したSelf-contained動作で要求条件を満たしている端末200とは、例えば、基地局の近傍に位置する端末であって、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の増加を必要としない端末である。すなわち、
図12Aに示すように、1つのSelf-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース(2OFDMシンボル)を用いて応答信号を送信可能な端末である。
【0132】
一方、セルが設定したSelf-contained動作の通信エリアに関する要求条件よりも広い通信エリアが必要な端末200は、
図12Bに示すように、複数のSelf-contained time unitの上りリンク制御チャネルの時間リソースを用いてRepetition送信により応答信号を基地局100へフィードバックする。
【0133】
図12Bに示すように、広い通信エリアを必要とする端末200は、複数のSelf-contained time unitの上りリンク制御チャネルの時間リソースを用いて応答信号をRepetition送信することで、広い通信エリアを確保することができる。一方で、
図12Aに示すように、広い通信エリアを必要としない端末200は、短いSelf-contained time unitを用いて低遅延で応答信号を送信することができる。
【0134】
すなわち、本実施の形態によれば、Self-contained time unit長を短く維持したまま、Repetition送信によって、低遅延よりも通信エリアの拡大を優先する端末200の通信エリアを拡大することができる。このため、本実施の形態では、遅延又は通信エリアに関する要求条件が異なる端末同士を効率的に共存させることができる。
【0135】
(実施の形態4)
実施の形態1~3では、
図9に示すように、下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが単位バンド内で同一であるTDDシステムについて説明した。
【0136】
一方で、同一の単位バンド内での遅延又は通信エリアに関する要求条件が異なるサービス及び端末を効率的に共存させる方法として、単一バンド内で下りリンク通信と上りリンク通信とを周波数多重(FDM: Frequency division multiplexing)させるFlexible duplexシステムが検討されている。
【0137】
例えば、
図13に示すように、Flexible duplexシステムでは、単位バンド内に、要求条件の異なる複数のRAT(Sub RAT#1、Sub RAT#2)が共存する。Flexible duplexシステムにおいて、各RAT内では下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが同一であり、異なるRAT間では下りリンク通信及び上りリンク通信の各々のタイミングが異なる。
【0138】
そこで、本実施の形態では、
図13に示すようなFlexible duplexシステムにおけるSelf-contained動作について説明する。
【0139】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0140】
基地局100は、Self-contained time unitの長さに関する情報を、グループ固有(またはRAT固有)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、Self-contained time unitの長さに関するグループ固有(またはRAT固有)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unitの長さが決定される。
【0141】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報を、グループ固有(またはRAT固有)の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、応答信号のビット数に関するグループ固有(またはRAT固有)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号のビット数が決定される。
【0142】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を、グループ固有(またはRAT固有)の通知によって端末200に通知する。例えば、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関するグループ固有(またはRAT固有)の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量が決定される。
【0143】
なお、基地局100は、実施の形態1~3と同様、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を、応答信号のビット数又はRATがサポートすべき通信エリアの要求条件、もしくはそれら両方の情報に基づいて決定する。
【0144】
また、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、グループ固有(またはRAT固有)の通知のための下りリンクチャネルを用いてそれぞれ個別に通知されてもよく、実施の形態2のように上りリンク制御チャネルの時間リソース量がSelf-contained time unit長と対応付けられてImplicitに通知されてもよい。
【0145】
一方、端末200は、グループ固有(またはRAT固有)の通知のための下りリンクチャネルを用いて通知される、Self-contained time unitの長さに関する情報、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報、及び、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を基地局100から受信し、受信した制御情報に基づいて、Self-contained time unitのリソースを特定する。
【0146】
そして、端末200は、Self-contained time unit内の下りリンクチャネルで通知された下りリンク割当情報に基づいて下りリンクデータ(DL data)を受信し、当該下りリンクデータに対する応答信号(ACK/NACK for DL data)を、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに割り当てて基地局100へ送信する。
【0147】
図14A及び
図14Bは、本実施の形態におけるSelf-contained動作例を示す。
図14Aは、RAT#1に対するSelf-contained動作を示し、
図14Bは、RAT#2に対するSelf-contained動作を示す。
【0148】
まず、基地局100は、グループ固有(またはRAT固有)の通知のための下りリンクチャネルを用いて、端末200に対して、Self-contained time unit長、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、及び、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量を通知する。
【0149】
図14Aに示すように、RAT#1に対するSelf-contained time unit長を1msとし、RAT#1に対する上りリンク制御チャネルの時間リソース量を2OFDMシンボルとしている。また、
図14Bに示すように、RAT#2に対するSelf-contained time unit長を2msとし、RAT#2に対する上りリンク制御チャネルの時間リソース量を14OFDMシンボルとしている。
【0150】
なお、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、OFDMシンボル単位の粒度でもよく、複数OFDMシンボルからなるサブフレーム単位の粒度でもよい。また、Self-contained time unit長の粒度と、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の粒度とは異なっていてもよい。
【0151】
このように、本実施の形態では、基地局100は、Self-contained time unitに関する制御情報について、グループ固有(またはRAT固有)の通知を行うことで、各RATがサポートするサービス(要求条件)に合わせた適切な上りリンク制御チャネルの時間リソース量を制御できる。
【0152】
例えば、RAT#1において、低遅延が要求され、かつ、通信エリア(カバレッジ)に関する要求が低い場合(広い通信エリアを必要としない場合)、
図14Aに示すように、基地局100は、RAT#1のグループに対して、Self-contained time unit長を短くし、かつ、少ないOFDMシンボル数で構成される上りリンク制御チャネルの時間リソースを設定する。これにより、RAT#1に属する端末200は、必要とされる通信エリアを確保しつつ、低遅延で応答信号を送信することができる。
【0153】
また、RAT#2において、低遅延よりも通信エリアの拡大が優先される場合、
図14Bに示すように、基地局100は、RAT#2のグループに対して、Self-contained time unit長を長くし、かつ、上りリンク制御チャネルの時間リソース量も増加させる。これにより、RAT#2に属する端末200は、RAT#1と比較して遅延は大きくなるものの、RAT#1より多くのOFDMシンボルで構成される上りリンク制御チャネルの時間リソース(つまり、十分な送信電力)で応答信号を送信することにより、広い通信エリアを確保することができる。
【0154】
このように、本実施の形態では、基地局100は、Flexible duplexシステムにおいて、単位バンド内の複数のRATの各々で要求される条件(通信エリアなど)に応じて、Self-contained time unitのリソースをRAT毎に設定することができる。これにより、本実施の形態では、基地局100は、RAT毎に上りリンクリソース制御を適切に行うことで、リソース利用効率を向上させることができる。
【0155】
なお、本実施の形態において、応答信号のビット数は、グループ固有(またはRAT固有)の通知により端末200へ明示的に通知されなくてもよい。この場合、端末200は、下りリンクデータを割り当てる下りリンク制御信号の復号結果又は下りリンクデータの復号結果から応答信号ビット数を決定すればよい。
【0156】
また、本実施の形態において、Self-contained time unit長、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、及び、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量の一部をセル固有(またはグループ間共通、RAT間共通)の通知としてもよい。
【0157】
(実施の形態5)
本実施の形態では、
図15に示すように、単位バンド内に、1つ又は複数のRATが共存し、RAT内でも各端末(UE)間で上りリンク通信と下りリンク通信とのタイミングが異なるFlexible duplexシステムにおけるSelf-contained動作について説明する。
【0158】
本実施の形態に係る基地局及び端末は、実施の形態1に係る基地局100及び端末200と基本構成が共通するので、
図7及び
図8を援用して説明する。
【0159】
基地局100は、Self-contained time unitの長さに関する情報を、端末固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、Self-contained time unitの長さに関する端末固有の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unitの長さが決定される。
【0160】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報を、端末固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて端末200に通知する。例えば、応答信号のビット数に関する端末固有の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号のビット数が決定される。
【0161】
また、基地局100は、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を、端末固有の通知によって端末200に通知する。例えば、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する端末固有の通知は、非特許文献4に記載のfixed DL subframeで周期的に送信される。つまり、各fixed DL subframeでの通知によって、次のfixed DL subframeまでの無線リソースに対するSelf-contained time unit内の応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量が決定される。
【0162】
なお、基地局100は、実施の形態1~3と同様、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソース量を、応答信号のビット数又は端末200がサポートすべき通信エリアの要求条件、もしくはそれら両方の情報に基づいて決定する。
【0163】
また、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、端末固有の通知のための下りリンクチャネルを用いてそれぞれ個別に通知されてもよく、実施の形態2のように上りリンク制御チャネルの時間リソース量がSelf-contained time unit長と対応付けられてImplicitに通知されてもよい。
【0164】
また、Self-contained time unit長及び上りリンク制御チャネルの時間リソース量は、OFDMシンボル単位の粒度でもよく、複数OFDMシンボルからなるサブフレーム単位の粒度でもよい。また、Self-contained time unit長の粒度と、上りリンク制御チャネルの時間リソース量の粒度とは異なっていてもよい。
【0165】
一方、端末200は、端末固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて通知される、Self-contained time unitの長さに関する情報、Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数に関する情報、及び、Self-contained time unit内の下りリンクデータに対する応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに関する情報を基地局100から受信し、受信した制御情報に基づいて、Self-contained time unitのリソースを特定する。
【0166】
そして、端末200は、Self-contained time unit内の下りリンクチャネルで通知された下りリンク割当情報に基づいて下りリンクデータ(DL data)を受信し、当該下りリンクデータに対する応答信号(ACK/NACK for DL data)を、応答信号を送信するための上りリンク制御チャネルの時間リソースに割り当てて基地局100へ送信する。
【0167】
このように、本実施の形態では、基地局100は、Self-contained time unitに関する制御情報について、端末固有の通知を行うことで、各端末がサポートするサービス(要求条件)に合わせた適切な上りリンク制御チャネルの時間リソース量を制御できる。すなわち、本実施の形態では、基地局100は、Flexible duplexシステムにおいて、複数の端末200の各々で要求される条件(通信エリアなど)に応じて、Self-contained time unitのリソースを端末200毎に設定することができる。これにより、本実施の形態では、基地局100は、端末200毎に上りリンクリソース制御を適切に行うことで、リソース利用効率を向上させることができる。
【0168】
なお、本実施の形態において、応答信号のビット数は、端末固有の通知により端末200へ明示的に通知されなくてもよい。この場合、端末200は、下りリンクデータを割り当てる下りリンク制御信号の復号結果又は下りリンクデータの復号結果から応答信号ビット数を決定すればよい。
【0169】
また、本実施の形態において、Self-contained time unit長、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルで送信される応答信号のビット数、及び、当該Self-contained time unit内の上りリンク制御チャネルの時間リソース量の一部をセル固有(またはグループ間共通、RAT間共通)の通知、又は、グループ固有(またはRAT固有)の通知としてもよい。
【0170】
以上、本開示の各実施の形態について説明した。
【0171】
なお、上記実施の形態では、本開示の一態様をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本開示はハードウェアとの連携においてソフトウェアで実現することも可能である。
【0172】
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。集積回路は、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックを制御し、入力と出力を備えてもよい。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
【0173】
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
【0174】
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
【0175】
本開示の基地局は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末が応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量を、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定する制御部と、決定された上りリンク時間リソースの量を含む時間ユニット情報を端末へ送信する送信部と、を具備する構成を採る。
【0176】
本開示の基地局において、制御部は、要求される通信エリアが広いほど、上りリンク時間リソースの量を大きく設定する。
【0177】
本開示の基地局において、制御部は、応答信号の送信に必要なビット数が多いほど、上りリンク時間リソースの量を大きく設定する。
【0178】
本開示の基地局において、制御部は、上りリンク時間リソースの量を、時間ユニットの長さに依らず独立して決定する。
【0179】
本開示の基地局において、制御部は、時間ユニットが長いほど、上りリンク時間リソースの量を大きく設定する。
【0180】
本開示の基地局において、送信部は、時間ユニット情報として、時間ユニットの長さを示す情報を送信する。
【0181】
本開示の基地局において、各時間ユニット内の上りリンク時間リソースの量は固定の値であり、制御部は、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて、応答信号のレピティション送信に用いる時間ユニットの数を決定する。
【0182】
本開示の基地局において、送信部は、時間ユニット情報を、セル固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて送信する。
【0183】
本開示の基地局において、送信部は、時間ユニット情報を、RAT(Radio Access Technology)固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて送信する。
【0184】
本開示の基地局において、送信部は、時間ユニット情報を、端末固有の通知のための下りリンクチャネルを用いて送信する。
【0185】
本開示の端末は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末であって、応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を基地局から受信する受信部と、時間ユニット情報に示される上りリンク時間リソースに応答信号を割り当てる信号割当部と、を具備し、上りリンク時間リソースの量は、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定される。
【0186】
本開示の通信方法は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末が応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量を、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定し、決定された上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を端末へ送信する。
【0187】
本開示の通信方法は、下りリンク制御信号用の下りリンク時間リソースと、下りリンク制御信号によって割り当てられる下りリンクデータ用の下りリンク時間リソースと、下りリンクデータに対する応答信号用の上りリンク時間リソースとを含む時間ユニットで通信を行う端末における通信方法であって、応答信号の送信に使用する上りリンク時間リソースの量に関する時間ユニット情報を基地局から受信し、時間ユニット情報に示される上りリンク時間リソースに応答信号を割り当て、上りリンク時間リソースの量は、要求される通信エリア又は応答信号の送信に必要なビット数に応じて決定される。
【産業上の利用可能性】
【0188】
本開示の一態様は、移動通信システムに有用である。
【符号の説明】
【0189】
100 基地局
101,207 制御部
102 制御信号生成部
103 制御信号符号化部
104 制御信号変調部
105 データ符号化部
106 再送制御部
107 データ変調部
108,210 信号割当部
109,211 送信波形生成部
110,212 送信部
111,201 アンテナ
112,202 受信部
113,203 抽出部
114 復調・復号部
115 判定部
200 端末
204 データ復調部
205 データ復号部
206 誤り検出部
208 ACK/NACK生成部
209 符号化・変調部