IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ぐるなびの特許一覧

特許7315819決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム
<>
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図1
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図2
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図3
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図4
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図5
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図6
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図7
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図8
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図9
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図10
  • 特許-決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/12 20120101AFI20230720BHJP
【FI】
G06Q50/12
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019058226
(22)【出願日】2019-03-26
(65)【公開番号】P2020160689
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2022-01-14
(73)【特許権者】
【識別番号】500175565
【氏名又は名称】株式会社ぐるなび
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100181869
【弁理士】
【氏名又は名称】大久保 雄一
(72)【発明者】
【氏名】山田 篤史
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-022221(JP,A)
【文献】特開2006-004404(JP,A)
【文献】特開2019-003634(JP,A)
【文献】特開2014-048677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、時間の計測を開始し、前記利用者端末の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続したか否かを判定する時間判定処理を行うことが可能な時間判定処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されていないと判定された場合に、前記利用者端末が前記施設を退出したか否かを判定する退出判定処理部と、
を備え
前記決済処理部は、前記利用者端末の通信が遮断された場合には、前記遮断状態が前記所定時間継続した場合に前記決済に関する処理を行い、前記利用者端末の通信が遮断されていない場合には、前記利用者端末が前記施設を退出した場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援システム。
【請求項2】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済処理部と、
前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知処理部と、
を備え、
前記通信状態判定処理部は、前記利用者端末に対する前記利用者の操作内容を示す操作情報を取得し、前記利用者端末に対する前記利用者の操作により前記利用者端末の通信が遮断されたか否かを判定し、
前記決済処理部は、前記通信状態判定処理部により前記利用者の操作により前記通信が遮断されたと判定された場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援システム。
【請求項3】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、時間の計測を開始し、前記利用者端末の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続したか否かを判定する時間判定処理を行うことが可能な時間判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されていないと判定された場合に、前記利用者端末が前記施設を退出したか否かを判定する退出判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサー実行する決済支援方法であって、
前記決済ステップにおいて、前記利用者端末の通信が遮断された場合には、前記遮断状態が前記所定時間継続した場合に前記決済に関する処理を行い、前記利用者端末の通信が遮断されていない場合には、前記利用者端末が前記施設を退出した場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援方法
【請求項4】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、
を一又は複数のプロセッサーが実行する決済支援方法であって、
前記通信状態判定ステップにおいて、前記利用者端末に対する前記利用者の操作内容を示す操作情報を取得し、前記利用者端末に対する前記利用者の操作により前記利用者端末の通信が遮断されたか否かを判定し、
前記決済ステップにおいて、前記通信状態判定ステップにより前記利用者の操作により前記通信が遮断されたと判定された場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援方法。
【請求項5】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、時間の計測を開始し、前記利用者端末の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続したか否かを判定する時間判定処理を行うことが可能な時間判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されていないと判定された場合に、前記利用者端末が前記施設を退出したか否かを判定する退出判定ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための決済支援プログラムであって、
前記決済ステップにおいて、前記利用者端末の通信が遮断された場合には、前記遮断状態が前記所定時間継続した場合に前記決済に関する処理を行い、前記利用者端末の通信が遮断されていない場合には、前記利用者端末が前記施設を退出した場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援プログラム
【請求項6】
施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、
前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、
を一又は複数のプロセッサーに実行させるための決済支援プログラムであって、
前記通信状態判定ステップにおいて、前記利用者端末に対する前記利用者の操作内容を示す操作情報を取得し、前記利用者端末に対する前記利用者の操作により前記利用者端末の通信が遮断されたか否かを判定し、
前記決済ステップにおいて、前記通信状態判定ステップにより前記利用者の操作により前記通信が遮断されたと判定された場合に前記決済に関する処理を行う、決済支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
飲食店において、利用者が自身の携帯端末(利用者端末)を用いて飲食物の注文を行ったり、飲食代金の決済を行ったりすることが可能なシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。また近年、店舗において、携帯端末を所持する利用者が購入を希望する商品を店外に持ち出した場合に、商品代金を自動決済するシステムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-90563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者の携帯端末を用いて利用代金の決済を行うシステムでは、以下の問題が生じる場合がある。例えば利用者が意図的に携帯端末の通信を遮断することにより、利用代金の支払いを免れる不正行為(無銭飲食等)が行われる可能性がある。また、利用代金を決済済みであるか否かを店舗側が判断することが難しいため、前記不正行為を防止することが困難である。
【0005】
本発明の目的は、施設において利用者の利用者端末により決済を行う際の不正行為を防止することが可能な決済支援システム、決済支援方法、及び決済支援プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の形態は、施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定処理部と、前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済処理部と、前記通信状態判定処理部により前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知処理部と、を備える決済支援システムである。
【0007】
本発明の他の形態は、施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、を一又は複数のプロセッサーにより実行する決済支援方法である。
【0008】
本発明の他の形態は、施設を利用する利用者の利用者端末の通信状態を判定する通信状態判定ステップと、前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記施設の利用代金の決済に関する処理を行うことが可能な決済ステップと、前記通信状態判定ステップにより前記利用者端末の通信が遮断されたと判定された場合に、前記利用者端末及び前記施設に配置される施設端末の少なくともいずれか一方において報知させる報知ステップと、を一又は複数のプロセッサーに実行させるための決済支援プログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、施設において利用者の利用者端末により決済を行う際の不正行為を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の実施形態に係る決済支援システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで利用される利用者情報の一例を示す図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで利用される端末情報の一例を示す図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係る決済支援システムで表示される表示画面の一例を示す図である。
図8図8は、本発明の実施形態に係る決済支援システムにおいて実行される決済支援処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図9図9は、本発明の実施形態に係る決済支援システムにおいて実行される決済支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図10図10は、本発明の実施形態に係る決済支援システムにおいて実行される決済支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
図11図11は、本発明の実施形態に係る決済支援システムにおいて実行される決済支援処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0012】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る決済支援システム100は、決済支援装置1と施設端末2と利用者端末3とを含む。決済支援装置1と施設端末2と利用者端末3とは、インターネット、LAN、WAN、又は公衆電話回線などの通信網N1を介して通信可能である。なお、決済支援装置1、施設端末2、及び利用者端末3はそれぞれ、複数設けられてもよい。
【0013】
本発明に係る決済支援システムは、例えば、飲食店、小売店、美容院、ホテル、遊技場等、利用者にサービスを提供する業態の施設に適用することができる。以下に示す実施形態では、本発明に係る施設の一例として、「飲食店」を例に挙げて説明する。施設端末2は、例えば飲食店の各テーブルに設置される。施設端末2は、例えば飲食店の利用者が操作して所望の商品(例えば飲食物)の注文を行うことが可能な操作端末(セルフオーダー端末)であってもよい。また、施設端末2は、飲食店の従業員が所持し利用者から受け付けた注文を入力する操作端末(オーダー端末)であってもよい。なお、前記注文は、利用者端末3において利用者の操作に基づいて行われてもよい。例えば、利用者は利用者端末3においてアプリケーション(飲食店アプリケーション)を起動させて注文を入力する。決済支援装置1は、施設端末2が設置される飲食店に設置されてもよいし、飲食店の外部に設置され、通信網N1を介して施設端末2及び利用者端末3とデータ通信を行ってもよい。
【0014】
本実施形態では、決済支援装置1単体が本発明に係る決済支援システムに相当するが、本発明に係る決済支援システムは、決済支援装置1、施設端末2、及び利用者端末3のうち一又は複数の構成要素を含むものであってもよい。例えば、決済支援装置1、施設端末2、及び利用者端末3のうち複数の構成要素が協働して後述する決済支援処理(図8等参照)を分担して実行する場合には、その処理を実行する複数の構成要素を含むシステムを本発明に係る決済支援システムとして捉えることが可能である。例えば、決済支援装置1及び利用者端末3が本発明に係る決済支援システムを構成することが考えられる。利用者端末3は、本発明の利用者端末の一例である。
【0015】
ここで、本実施形態に係る決済支援システム100の適用シーンの一例を示す。例えば飲食店には、複数のテーブルが配置されており、各テーブルには施設端末2(セルフオーダー端末)が配置されている。飲食店の利用者は、自身が所有する利用者端末3(例えばスマートフォン)を持参して飲食店に入店する。ここで、決済支援システム100は、利用者端末3が飲食店を退店した場合に、飲食店の利用代金(飲食代)を利用者の決済情報(クレジットカード情報)に基づいて自動的に決済する機能を有している。
【0016】
例えば、利用者は、飲食店に入店してテーブルに着席すると、利用者端末3と施設端末2とをデータ通信させてチェックイン処理(後述)を行う。その後、利用者は、施設端末2を操作して所望の飲食物を注文する。決済支援装置1は、施設端末2から利用者が施設端末2を操作して注文した飲食物の情報を取得し、合計の利用代金を算出して利用者端末3の識別情報に関連付ける。
【0017】
その後、利用者が食事を終えて退店すると、決済支援システム100は、利用者端末3が退店したことを検出して前記利用代金の決済処理を行う。これにより、利用者はレジで会計操作をすることなく退店することができる。ここで、例えば利用者端末3の電源がオフ状態である場合には、外部との通信が遮断されるため利用者端末3の退店を検出できず、決済処理が正常に行われない場合がある。このため、利用者が食事を終えて退店する際に意図的に利用者端末3の電源をオフするなどして利用代金の支払いを免れる不正行為が行われる可能性がある。そこで、決済支援システム100は、例えば、利用者端末3の通信が遮断されたと判定した場合に、前記利用代金の決済処理を行うとともに、決済支援装置1、施設端末2、及び利用者端末3の少なくともいずれか一方において、利用者端末3の通信が遮断されたこと、決済処理が完了していないことなどを示す情報を報知させる構成を備える。本実施形態に係る決済支援システム100は、前記構成を備えることにより前記不正行為を防止するものである。
【0018】
以下、決済支援システム100の具体的な構成について説明する。
【0019】
[決済支援装置1]
図1に示されるように、決済支援装置1は、制御部11、記憶部12、操作表示部13、及び通信I/F14などを備える。決済支援装置1は、例えばサーバー、タブレット端末、又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。また、決済支援装置1で実行される各種の処理は、一又は複数のプロセッサーによって分散して実行されてもよい。
【0020】
通信I/F14は、決済支援装置1を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して施設端末2、利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0021】
操作表示部13は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0022】
記憶部12は、各種の情報を記憶するHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。記憶部12には、利用者情報D1及び端末情報D2などのデータが記憶される。図2は利用者情報D1の一例を示す図であり、図3は端末情報D2の一例を示す図である。
【0023】
図2に示されるように、利用者情報D1には、飲食店を利用する利用者に関する各種情報が含まれる。利用者は、例えば、事前に飲食店が運営するWEBサイトにおいて利用者登録を行う。具体的には、利用者は、利用者端末3を利用して飲食店のWEBサイトにアクセスし、利用者登録画面において、氏名、住所、メールアドレス、支払情報(クレジットカード情報)などを登録する。決済支援装置1は、これらの情報を取得すると、利用者情報D1に登録する。図2に示す利用者情報D1では、「端末ID」、「利用者ID」、「利用者名」、「支払情報」の情報が含まれる。「端末ID」は、利用者端末3の識別情報である。決済支援装置1は、利用者端末3が前記WEBサイトにアクセスすることにより、利用者端末3の識別情報を取得する。「利用者ID」は、利用者を識別する識別情報である。利用者IDは、利用者自身が入力した情報であってもよいし、決済支援装置1が任意に設定した情報であってもよい。「利用者名」は、利用者が登録した氏名である。「支払情報」は、利用者が登録した支払方法に関する情報である。支払情報には、例えば、クレジットカード会社、クレジットカード番号、有効期限などの情報が含まれる。
【0024】
なお、飲食店の利用者は、飲食店に来店する前に利用者情報D1を登録してもよいし、飲食店に来店したときに店内において利用者情報D1を登録してもよい。利用者情報D1を登録した利用者は、飲食店の利用代金を退店後に自動決済する事後決済処理を利用することが可能となる。利用者情報D1を登録していない利用者は、飲食店を退店する際にレジ(会計端末)において現金、クレジットカード、電子マネーなどにより利用代金を決済する通常決済処理を利用する。
【0025】
図3に示されるように、端末情報D2には、飲食店に来店した利用者の利用者端末3に関する情報が含まれる。図3に示す端末情報D2では、「テーブル番号」、「端末ID」、「利用代金」、「通信状態」の情報が含まれる。「テーブル番号」は、飲食店に配置されているテーブル(席、個室など)の番号(識別情報)である。「端末ID」は、利用者端末3の識別情報である。例えば、利用者Aが飲食店に来店してテーブル番号「T3」のテーブルに着席し、当該テーブルに配置された施設端末2において利用者端末3を用いてチェックイン操作を行った場合、決済支援装置1は、利用者端末3の端末ID「0001」を取得し、取得した端末ID「0001」をテーブル番号「T3」に関連付けて端末情報D2に登録する。「利用代金」は、利用者が飲食店で利用した代金(飲食代)である。例えば決済支援装置1は、利用者が施設端末2を操作して注文した飲食物の情報を取得し、合計の利用代金を算出して端末IDに関連付けて端末情報D2に登録する。「利用代金」には、利用者ごとに利用した代金が登録される。なお、決済支援装置1は、複数の利用者を含むグループが1つのテーブルを利用する場合、複数の利用者が注文した全ての飲食物の合計代金を、当該テーブルに関連付けて端末情報D2に登録してもよい。例えば、決済支援装置1は、テーブル番号「T6」に利用者D,E,Fの合計の利用代金(「M4」+「M5」+「M6」)を、テーブル番号「T6」に関連付けて端末情報D2に登録してもよい。
【0026】
「通信状態」は、利用者端末3の通信状態を表す情報である。「通信状態」には、例えば、利用者端末3の通信が遮断された状態を表す「0」、通信は可能であるが通信状態が最も悪い状態を表す「1」から通信状態が最も良い状態を表す「5」まで、通信状態に応じた通信レベル「0」~「5」が登録される。なお図3では、「通信状態」を、便宜上、端末IDごとに記号P1~P6で表している。利用者端末3の通信状態は、周知の方法により判定可能である。例えば、決済支援装置1は、利用者端末3と飲食店の店内に構築される無線LANのアクセスポイント(不図示)との間の接続状態、電波強度、通信速度などに基づいて通信状態を判定することが可能である。決済支援装置1の制御部11は、利用者端末3と前記アクセスポイントとの接続状態が遮断状態である場合、オフラインの状態である場合、又は、利用者端末3の位置情報を取得できない状態である場合に、「通信状態」に「0」を登録する。また制御部11は、利用者端末3と前記アクセスポイントとの接続状態がオンラインの状態である場合には、「通信状態」に、電波強度、通信速度などの指標に応じた通信レベル(「1」~「5」)を登録する。
【0027】
端末情報D2に登録された各情報は、例えば利用代金の決済が完了した時点で削除されてもよい。
【0028】
なお、他の実施形態として、利用者情報D1及び端末情報D2などの情報の一部又は全部が、施設端末2に記録されてもよいし、決済支援装置1からアクセス可能なサーバーに記憶されてもよい。この場合、決済支援装置1の制御部11は、施設端末2又は前記サーバーから前記情報を取得して、後述の決済支援処理(図8等参照)などの各処理を実行してもよい。
【0029】
また、記憶部12には、制御部11に後述の決済支援処理(図8等参照)を実行させるための決済支援プログラムなどの制御プログラムが記憶されている。例えば、前記決済支援プログラムは、USB、CD又はDVDなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に非一時的に記録されており、決済支援装置1に電気的に接続されるUSBドライブ、CDドライブ又はDVDドライブなどの読取装置(不図示)で読み取られて記憶部12に記憶される。また、前記決済支援プログラムは、決済支援装置1からアクセス可能なサーバーからダウンロードされて、記憶部12に記憶されてもよい。
【0030】
制御部11は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の演算処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶される不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部11は、前記ROM又は記憶部12に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより決済支援装置1を制御する。
【0031】
具体的に、制御部11は、図1に示されるように、取得処理部111、通信状態判定処理部112、時間判定処理部113、決済処理部114、報知処理部115などの各種の処理部を含む。なお、制御部11は、前記CPUで前記決済支援プログラムに従った各種の処理を実行することによって、取得処理部111、通信状態判定処理部112、時間判定処理部113、決済処理部114、報知処理部115として機能する。また、制御部11に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。なお、前記決済支援プログラムは、複数のプロセッサーを前記各種の処理部として機能させるためのプログラムであってもよい。
【0032】
取得処理部111は、飲食店に入店した利用者の利用者端末3の識別情報(端末ID)を取得する。取得処理部111は、本発明の取得処理部の一例である。例えば、利用者が飲食店に入店して所望のテーブル番号のテーブルに着席し、当該テーブルに配置された施設端末2において利用者端末3を用いてチェックイン操作を行った場合、取得処理部111は、施設端末2から利用者端末3の端末IDを取得する。取得処理部111は、取得した端末IDを前記テーブルの識別情報(テーブル番号)に関連付けて端末情報D2(図3参照)に登録する。なお、利用者端末3は、飲食店に入店すると飲食店の無線LANのアクセスポイントとの間で接続を確立して、決済支援装置1及び施設端末2とデータ通信が可能となる。
【0033】
通信状態判定処理部112は、利用者端末3の通信状態を判定する。通信状態判定処理部112は、本発明の通信状態判定処理部の一例である。例えば、通信状態判定処理部112は、利用者端末3と前記アクセスポイントとの間の接続状態を監視して、利用者端末3との通信が不可能な遮断状態又はオフライン状態であるか否かを判定する。通信状態判定処理部112は、前記アクセスポイントとデータ通信を行うことにより前記接続状態を監視して、利用者端末3の通信状態を判定する。例えば、利用者端末3の電源がオフ状態又は通信がオフライン状態になると、利用者端末3と前記アクセスポイントとの間の通信が不可能になるため、通信状態判定処理部112は、利用者端末3の通信が遮断されたと判定する。
【0034】
また、通信状態判定処理部112は、利用者端末3と前記アクセスポイントとの接続状態がオンラインの状態である場合、電波強度、通信速度などの指標に応じた通信状態(通信レベル「1」~「5」)を判定する。通信状態判定処理部112は、通信状態に関する判定結果を端末情報D2(図3参照)に登録する。例えば、通信状態判定処理部112は、端末IDごとに通信レベル「0」~「5」のいずれかを登録する。また通信状態判定処理部112は、店内に存在する各利用者端末3と前記アクセスポイントとの間の接続状態を常時監視し、各利用者端末3の通信状態を判定して端末情報D2を逐次更新する。
【0035】
時間判定処理部113は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、利用者端末3の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続したか否かを判定する時間判定処理S10(図8参照)を実行可能に構成される。時間判定処理部113は、本発明の時間判定処理部の一例である。例えば、利用者端末3の電源がオフ状態になり、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定されると、時間判定処理部113は、時間の計測を開始する。時間判定処理部113は、利用者端末3の通信が遮断状態である間、計測し続ける。時間判定処理部113は、計測時間を端末情報D2(図3参照)において端末IDに関連付けて登録する。また時間判定処理部113は、計測時間が所定時間に達したか否かを判定する。前記所定時間は、例えば数分から数十分に設定される。
【0036】
ここで、時間判定処理部113が時間の計測を開始した後に、通信状態判定処理部112により利用者端末3が通信不能状態(遮断状態)から通信可能状態(オンライン)に回復(復帰)したと判定された場合には、時間判定処理部113は時間の計測を停止して計測時間をリセットする。
【0037】
決済処理部114は、施設の利用代金の決済に関する処理を行う。決済処理部114は、前記利用代金の決済を完了させる決済処理を行ってもよいし、前記利用代金の決済要求を決済事業者サーバー(決済装置)に送信する決済要求処理を行ってもよい。以下では、決済処理部114が決済処理を行う場合を例に挙げる。決済処理部114が決済要求処理を行う場合の例については後述する。ここで、決済処理部114の通常の決済処理の一例を説明する。例えば利用者端末3(端末ID「0001」)を所持する利用者Aは、テーブル「T3」において注文した飲食物の飲食を終えると、通信可能な状態の利用者端末3を所持したまま飲食店を退店する。利用者が退店すると、制御部11は、決済支援装置1又は施設端末2と利用者端末3とのデータ通信により利用者端末3が店外に出たことを検出する。決済処理部114は、制御部11から利用者端末3が退店したことを示す検出結果を取得すると、利用者情報D1(図2参照)の支払情報「C1」に基づいて、端末情報D2(図3参照)の端末ID「0001」に関連付けられた利用代金「M1」の決済処理を実行する。決済処理部114は、決済が完了すると決済完了情報を施設端末2及び利用者端末3に通知する。このように、決済処理部114は、利用者端末3の通信状態が正常(通信可能状態)である場合には、利用者端末3が店外に出たことを検出したことを条件として決済処理を実行する。なお、決済処理部114は、利用者端末3が退店したことを示す検出結果を取得するとともに、決済を依頼する情報を利用者端末3から受信した場合に、決済処理を実行する構成としてもよい。この構成では、例えば、利用者が施設端末2又は利用者端末3において会計ボタンを押下するなどして利用代金を確定させた場合に、利用者端末3にインストールされたアプリケーション(飲食店アプリケーション)が起動して決済を依頼する情報を無線通信(Bluetooth(登録商標)等)により決済支援装置1に送信する。この構成によれば、前記検出結果に加えて、利用者が退店する際に決済を依頼する情報を利用者端末3から取得することができるため、決済処理に対する信頼性が向上する。なお、決済を依頼する情報には、利用者が指定した決済方法(クレジットカード、電子マネー、ポイントなど)に関する情報が含まれてもよい。
【0038】
これに対して、利用者端末3の通信状態が通信不能状態(遮断状態)である場合、例えば電源がオフ状態、通信がオフライン状態、位置検出機能がオフ状態である場合には、利用者端末3が店外に出たことを検出することができない。そこで、決済処理部114は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定されたことを条件として、決済処理を実行してもよい。決済処理部114は、本発明の決済処理部の一例である。また決済処理部114は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された時点で決済処理を実行してもよいし、通信が遮断されたと判定されてから通信遮断状態が所定時間継続した時点で決済処理を実行してもよい。
【0039】
例えば、利用者が意図的に利用者端末3の電源をオフ状態にしたり、通信状態をオフラインに設定した場合には、利用代金の支払いについて不正行為が行われる可能性がある。そこで、通信状態判定処理部112は、利用者端末3に対する利用者の操作内容を示す操作情報を取得し、利用者端末3に対する利用者の操作により利用者端末3の通信が遮断されたか否かを判定してもよい。そして、通信状態判定処理部112により利用者の操作により通信が遮断されたと判定された場合には、決済処理部114は、当該判定した時点で決済処理を実行する。
【0040】
これに対して、利用者の操作によらず利用者端末3の通信が遮断された場合には、利用者が意図的に利用者端末3を遮断状態にしたものとは言えないため、決済処理部114は、所定時間の経過を待って決済処理を実行する。
【0041】
例えば、決済処理部114は、時間判定処理部113により前記遮断状態が所定時間継続したと判定された場合に決済処理を実行する。すなわち、決済処理部114は、利用者端末3の通信が遮断されてから所定時間の間は決済処理を行わず、利用者端末3の通信が遮断されてから所定時間が経過した場合に決済処理を行う。このため、例えば利用者端末3が通信不能状態から通信可能状態に回復した場合には、決済処理部114は決済処理を停止して実行しない。
【0042】
このように、利用者端末3の通信が遮断された場合には、決済処理部114は、利用者端末3が所定エリア(施設)から退出したとみなして、決済処理を実行する。決済処理部114は、利用者端末3が遮断状態のときに決済処理を行った場合、決済完了情報を施設端末2に通知する。また、決済処理部114は、決済完了情報を利用者端末3のメールアドレス宛に送信してもよい。
【0043】
報知処理部115は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、施設端末2において報知処理を行わせる。報知処理部115は、本発明の報知処理部の一例である。例えば、利用者端末3の電源がオフ状態になり、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定されると、報知処理部115は、従業員が所持する施設端末2において、利用者端末3の通信が遮断されたことを表す情報を報知させる。例えば、図4に示すように、報知処理部115は、警告情報K1を施設端末2の操作表示部23に表示させる。警告情報K1には、通信が遮断されたことを表すメッセージ、利用者端末3の端末ID、利用者ID、テーブル番号、利用代金などが含まれる。
【0044】
また、時間判定処理部113が時間判定処理S10(図8参照)を行う場合、報知処理部115は、例えば図5に示す警告情報K1を操作表示部23に表示させる。図5に示す警告情報K1には、決済を実行することを示すメッセージ、計測時間(経過時間)、決済を実行する予定時刻などの情報が含まれる。また報知処理部115は、警告情報K1に、現時点から決済予定時刻までの時間をカウントダウン表示させてもよい。
【0045】
これにより、例えば施設端末2を所持する従業員は、警告情報K1を確認して、利用者端末3が通信不能な状態であることを認識することができる。例えば、利用者が飲食を終えて退店する前に意図的に利用者端末3の電源をオフ状態にする操作を行った場合に、従業員は、当該利用者端末3が遮断状態になったことを認識することができる。なお、報知処理部115は、警告情報K1を利用者端末3のメールアドレス宛に送信してもよい。例えば、報知処理部115は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に警告情報K1を利用者端末3のメールアドレス宛に送信してもよい。また例えば、通信状態判定処理部112が、通信強度、電波強度、通信速度、利用者端末3に対する利用者の操作内容などに基づいて、利用者端末3の通信が遮断されると予想した場合に、報知処理部115が、警告情報K1を利用者端末3のメールアドレス宛に送信してもよい。
【0046】
[施設端末2]
図1に示されるように、施設端末2は、制御部21、記憶部22、操作表示部23、及び通信I/F24などを備える。施設端末2は、例えばタブレット端末又はパーソナルコンピュータのような情報処理装置であってもよい。施設端末2は、飲食店の利用者に操作されるセルフオーダー端末であってもよいし、飲食店の従業員に操作されるオーダー端末であってもよい。
【0047】
通信I/F24は、施設端末2を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して決済支援装置1及び利用者端末3などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0048】
操作表示部23は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。操作表示部23は、チェックイン画面、飲食物のメニュー画面、会計画面などを表示する。また操作表示部23は、メニュー画面などにおいて利用者のメニュー選択の操作を受け付ける。
【0049】
記憶部22は、各種の情報を記憶するHDD、SSD、又はフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部22には、ブラウザプログラム等の制御プログラムが記憶される。具体的に、前記ブラウザプログラムは、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)等の通信プロトコルに従って決済支援装置1及び利用者端末3などの外部装置との間で通信処理を制御部21に実行させるための制御プログラムである。
【0050】
また、記憶部22には、操作表示部23に表示されるチェックイン画面、メニュー画面、会計画面などのデータも記憶される。
【0051】
制御部21は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部21は、前記ROM又は記憶部22に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより施設端末2を制御する。
【0052】
具体的に、制御部21は、記憶部22に記憶されている前記ブラウザプログラムに従って各種の処理を実行することによりブラウザ処理部211として機能する。ブラウザ処理部211は、決済支援装置1から通信網N1を介して提供される各種情報を操作表示部23に表示させ、操作表示部23に対する操作を決済支援装置1に入力するブラウザ処理を実行することが可能である。なお、制御部21に含まれる一部又は全部の処理部は電子回路で構成されていてもよい。
【0053】
例えば、制御部21は、テーブルに着席した利用者からチェックイン操作を受け付ける。利用者は、例えば施設端末2のQRコード(登録商標)の読取部に、利用者端末3に表示されたQRコード(端末ID、利用者IDを含む)を翳す。制御部21は、読み取ったQRコードから端末ID及び利用者IDを取得し、取得した端末ID及び利用者IDの情報を決済支援装置1に送信する。
【0054】
また例えば、制御部21は、メニュー画面において利用者により選択された飲食物の情報(注文情報)を前記テーブルの識別情報(テーブル番号)とともに決済支援装置1に送信する。また制御部21は、前記注文情報を厨房端末(不図示)に送信してもよい。
【0055】
[利用者端末3]
図1に示されるように、利用者端末3は、制御部31、記憶部32、操作表示部33、及び通信I/F34などを備える。利用者端末3は、飲食店の利用者が所持する携帯端末であり、例えばスマートフォン、携帯電話、又はタブレット端末のような携帯型の情報処理装置である。
【0056】
通信I/F34は、利用者端末3を有線又は無線で通信網N1に接続し、通信網N1を介して決済支援装置1及び施設端末2などの外部機器との間で所定の通信プロトコルに従ったデータ通信を実行するための通信インターフェースである。
【0057】
操作表示部33は、各種の情報を表示する液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイのような表示部と、操作を受け付けるマウス、キーボード、又はタッチパネルなどの操作部とを備えるユーザーインターフェースである。
【0058】
記憶部32は、各種の情報を記憶するフラッシュメモリーなどの不揮発性の記憶部である。例えば、記憶部32には、制御部31に各種の処理を実行させるための各種の制御プログラムが記憶されている。
【0059】
制御部31は、CPU、ROM、及びRAMなどの制御機器を有する。前記CPUは、各種の演算処理を実行するプロセッサーである。前記ROMは、前記CPUに各種の処理を実行させるためのBIOS及びOSなどの制御プログラムが予め記憶された不揮発性の記憶部である。前記RAMは、各種の情報を記憶する揮発性又は不揮発性の記憶部であり、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリー(作業領域)として使用される。そして、制御部31は、前記ROM又は記憶部32に予め記憶された各種の制御プログラムを前記CPUで実行することにより利用者端末3を制御する。
【0060】
具体的に、制御部31は、受付処理部311、表示処理部312などの各種の処理部を含む。なお、制御部31は、前記CPUで前記制御プログラムに従った各種の処理を実行することによって前記各種の処理部として機能する。また、制御部31に含まれる一部又は全部の処理部が電子回路で構成されていてもよい。
【0061】
受付処理部311は、飲食店の利用者が利用者端末3の操作表示部33において操作した操作情報を取得する。例えば、受付処理部311は、飲食店が運営するWEBサイトにおいて利用者登録の操作に応じた操作情報を取得する。また受付処理部311は、飲食店のテーブルにおいて利用者がチェックインする際の操作に応じた操作情報を取得する。例えば、受付処理部311は、利用者から端末ID及び利用者IDを含むQRコードの読み出し操作を受け付ける。
【0062】
また例えば、受付処理部311は、利用者端末3の電源をオン状態及びオフ状態を相互に切り替える操作、通信状態をオンライン及びオフラインに相互に切り替える操作、位置検出機能をオン状態及びオフ状態を相互に切り替える操作に応じた操作情報を取得する。
【0063】
表示処理部312は、各種の情報を操作表示部33に表示させる。例えば、表示処理部312は、前記WEBサイトの情報(利用者登録画面など)を操作表示部33に表示させる。また例えば、表示処理部312は、前記QRコードを操作表示部33に表示させる。また例えば、表示処理部312は、決済支援装置1から送信される各種メッセージなどの情報を操作表示部33に表示させる。
【0064】
また制御部31は、位置検出機能がオン状態である場合に、GPS(Global Positioning System)(登録商標)、ビーコンなどの通信機能を利用して利用者端末3の位置情報を取得する。制御部31は、取得した位置情報を端末IDとともに決済支援装置1に送信する。
【0065】
他の実施形態として、利用者端末3の制御部31は、報知処理部(本発明の報知処理部の一例)を備えてもよい。例えば決済支援装置1の通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に決済支援装置1から警告情報K1が送信される構成では、前記報知処理部は、利用者端末3の通信が回復した場合に警告情報K1に応じた情報を利用者端末3の操作表示部33に表示させる。例えば図6に示すように、前記報知処理部は、決済処理が実行されたことを示す決済実行情報K2を操作表示部33に表示させる。決済実行情報K2には、決済が実行されたことを示すメッセージ、決済が完了した日時などの情報が含まれる。また例えば通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されると予想された場合に決済支援装置1から警告情報K1が送信される構成では、前記報知処理部は、警告情報K1を受信した場合に警告情報K1に応じた情報を利用者端末3の操作表示部33に表示させる。例えば図7に示すように、前記報知処理部は、決済予告情報K3を操作表示部33に表示させる。決済予告情報K3には、決済を実行することを示すメッセージ、通信が回復した場合には決済が停止されることを示すメッセージ、決済を実行する予定時刻などの情報が含まれる。この場合、利用者は、例えば利用者端末3の通信が遮断された状態(オフライン状態)で、操作表示部33に表示された決済予告情報K3を確認する。このように、利用者端末3の通信が遮断された場合であっても利用者端末3の電源がオン状態であれば、決済予告情報K3を利用者に通知することが可能となる。
【0066】
[決済支援処理]
以下、図8を参照しつつ、決済支援装置1の制御部11によって実行される決済支援処理の一例について説明する。制御部11は、利用者の操作、例えば利用者が利用者端末3を用いて施設端末2においてチェックイン操作を行うことにより前記決済支援プログラムの実行を開始することによって、前記決済支援処理の実行を開始する。なお、前記決済支援処理は、決済支援装置1における所定の操作に応じて途中で終了されることがある。
【0067】
なお、本発明は、前記決済支援処理に含まれる一又は複数のステップを実行する決済支援方法の発明として捉えることができる。
【0068】
また、ここで説明する前記決済支援処理に含まれる一又は複数のステップが適宜省略されてもよい。また、前記決済支援処理における各ステップは、同様の作用効果を生じる範囲で実行順序が異なってもよい。さらに、ここでは制御部11によって前記決済支援処理における各ステップが実行される場合を例に挙げて説明するが、他の実施形態では、複数のプロセッサーによって前記決済支援処理における各ステップが分散して実行されてもよい。
【0069】
先ず、ステップS11において、制御部11は、飲食店に入店した利用者の利用者端末3の端末IDを取得する。例えば、制御部11は、利用者がテーブルに配置された施設端末2において利用者端末3を用いてチェックイン操作(前記QRコードを翳す操作など)を行った場合に、施設端末2から利用者端末3の端末ID及び利用者IDを取得する。取得処理部111は、取得した端末IDを前記テーブルの識別情報(テーブル番号)に関連付けて端末情報D2(図3参照)に登録する。ステップS11は、本発明の取得ステップの一例である。
【0070】
次にステップS12において、制御部11は、利用者端末3の通信状態の監視を開始する。具体的には、制御部11は、利用者端末3と飲食店の無線LANのアクセスポイントとの間の接続状態を監視する。制御部11は、端末IDを取得した各利用者端末3の通信状態を取得し、取得した通信状態を端末IDに関連付けて端末情報D2(図3参照)に登録する。例えば、制御部11は、利用者端末3における通信強度に応じて「0」~「5」の通信レベルを登録する。制御部11は、前記接続状態を常時監視し、各利用者端末3の通信レベルを逐次更新する。
【0071】
ステップS13において、制御部11は、利用者端末3の通信が遮断されたか否かを判定する。利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合(S13:YES)、処理はステップS17に移行する。利用者端末3の通信が遮断されたと判定されない場合(S13:NO)、すなわち利用者端末3の通信が可能な状態である場合、処理はステップS14に移行する。ステップS12、S13は、本発明の通信状態判定ステップの一例である。
【0072】
ステップS14において、制御部11は、利用者端末3が飲食店から退出したか否かを判定する。例えば、利用者が飲食店において飲食を終えると、通信可能な状態の利用者端末3を所持したまま飲食店を退店する。利用者が退店すると、制御部11は、利用者端末3とのデータ通信により利用者端末3が飲食店から退出したことを検出する。なお、制御部11は、GPS、ビーコンなどの通信機能を利用して利用者端末3から位置情報を取得することにより、利用者端末3が飲食店から退出したか否かを判定してもよい。利用者端末3が飲食店から退出したと判定された場合(S14:YES)、処理はステップS15に移行する。一方、利用者端末3が飲食店から退出したと判定されない場合(S14:NO)、処理はステップS13に戻り上述の判定処理を実行する。すなわち、利用者端末3が通信可能な状態で利用者が店内に滞在している間は、ステップS13、S14の処理が繰り返される。
【0073】
ステップS15において、制御部11は、利用者の利用代金を取得する。例えば、制御部11は、端末情報D2(図3参照)の端末IDに関連付けられた利用代金を取得する。
【0074】
次にステップS16において、制御部11は、取得した利用代金の決済処理を実行する。例えば、制御部11は、利用者情報D1(図2参照)の支払情報に基づいて、前記利用代金の決済処理を実行する。決済処理部114は、決済が完了すると決済完了情報を施設端末2及び利用者端末3に通知する。このように、制御部11は、利用者端末3の通信状態が正常(通信可能状態)である場合には、利用者端末3が店外に出たことを条件として決済処理を実行する。例えば、制御部11は、通信状態が正常である利用者端末3(端末ID「0001」)の利用者Aの利用代金「M1」の決済処理を実行する。
【0075】
これに対して、利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合(S13:YES)、ステップS17において、制御部11は、施設端末2において、利用者端末3の通信が遮断されたことを表す情報を報知させる。これにより、例えば施設端末2は、図4又は図5に示す警告情報K1を操作表示部23に表示させる。ステップS17は、本発明の報知ステップの一例である。
【0076】
次にステップS18において、制御部11は、時間の計測を開始する。制御部11は、計測時間を端末情報D2において端末IDに関連付けて登録し適宜更新する。
【0077】
次にステップS19において、制御部11は、計測時間が所定時間に達したか否かを判定する。すなわち、制御部11は、利用者端末3の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続したか否かを判定する。計測時間が所定時間に達したと判定された場合(S19:YES)、処理はステップS15に移行する。一方、計測時間が所定時間に達していないと判定された場合(S19:NO)、処理はステップS20に移行する。
【0078】
ステップS20において、制御部11は、利用者端末3の通信が可能な状態に回復したか否かを判定する。利用者端末3が通信不能状態(遮断状態)から通信可能状態(オンライン)に回復したと判定された場合(S20:YES)、処理はステップS21に移行する。一方、利用者端末3が遮断状態から通信可能状態に回復したと判定されない場合(S20:NO)、処理はステップS19に戻る。このように、利用者端末3の通信が遮断された状態で所定時間経過するまでの間に通信が可能な状態に回復しなかった場合には、処理はステップS15に移行し、利用者端末3の通信が遮断された状態で所定時間経過するまでの間に通信が可能な状態に回復した場合には、処理はステップS21に移行する。
【0079】
ステップS21において、制御部11は、時間の計測を停止して計測時間をリセットする。その後、処理はステップS13に戻る。ステップS13に戻ると、制御部11は、上述の処理を繰り返す。
【0080】
利用者端末3の通信が遮断された状態で所定時間経過した場合(S19:YES)、ステップS15において、制御部11は、利用代金を取得する。例えば、制御部11は、端末情報D2(図3参照)の端末IDに関連付けられた利用代金を取得する。
【0081】
次にステップS16において、制御部11は、取得した利用代金の決済処理を実行する。例えば、制御部11は、利用者情報D1(図2参照)の支払情報に基づいて、前記利用代金の決済処理を実行する。決済処理部114は、決済が完了すると決済完了情報を施設端末2及び利用者端末3に通知する。このように、決済処理部114は、利用者端末3の通信が遮断状態である場合には、遮断状態が所定時間継続したことを条件として決済処理を実行する。例えば、制御部11は、通信状態が遮断状態である利用者端末3(端末ID「0002」)の利用者Bの利用代金「M2」の決済処理を実行する。ステップS15、S16は、本発明の決済ステップの一例である。
【0082】
また制御部11は、任意のタイミング、例えばステップS16又はS17において警告情報K1を利用者端末3のメールアドレス宛てに送信してもよい。利用者端末3は、ステップS16の処理に対応して警告情報K1を受信すると決済実行情報K2(図6参照)を操作表示部33に表示させ、ステップS17の処理に対応して警告情報K1を受信すると決済予告情報K3(図7参照)を操作表示部33に表示させる。
【0083】
制御部11は、以上のようにして決済支援処理を実行する。他の実施形態として、制御部11は、利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に(S13:YES)、ステップS17の報知処理を経てステップS15に移行して決済処理を実行してもよい。すなわち、上述の決済支援処理において、ステップS18~S21に示す時間判定処理S10が省略されてもよい。
【0084】
以上に示した決済支援システム100によれば、施設の利用者の利用者端末3の通信が遮断されると、施設の利用代金の決済処理を行い、かつ通信が遮断されたことを施設端末2及び利用者端末3の少なくともいずれか一方において報知させる。これにより、例えば利用者が利用代金の支払いを免れるために意図的に利用者端末3の通信を遮断させた場合であっても、利用代金の決済を完了させることができる。また施設の従業員は利用者端末3の通信が遮断されたことを認識することができるため、利用者の不正行為を未然に防ぐことができる。また決済支援システム100は、利用者端末3の通信が遮断された遮断状態が所定時間継続した場合に利用代金の決済処理を行ってもよい。さらに、決済支援システム100は、前記遮断状態が前記所定時間継続する前に利用者端末3の通信が回復した場合には、前記時間の計測を停止して計測時間をリセットし、決済処理を停止する構成としてもよい。これにより、利用者端末3の通信が一時的に遮断されるなど通信環境に起因して通信が遮断された場合などに決済処理が実行されてしまうことを防ぐことができる。また、不要な決済処理を減らすことができるため、決済処理に伴う決済支援装置1、施設端末2、利用者端末3、及び決済事業者(不図示)との通信回数が抑制され、通信トラフィックの低減、及びコンピュータリソースの有効利用が可能となる。
【0085】
本発明は上述の実施形態に限定されない。以下では、決済支援システム100の他の実施形態(変形例)について説明する。
【0086】
変形例1に係る決済支援システム100では、時間判定処理部113は、利用者端末3の電波強度を取得し、取得した前記電波強度が閾値以下の場合であって、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、時間判定処理S10を行う。図9は、変形例1に対応する決済支援処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す決済支援処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。図9に示す決済支援処理では、ステップS31において、制御部11は、利用者端末3の電波強度を取得し、取得した前記電波強度が閾値以下であるか否かを判定する。制御部11は、前記電波強度が閾値以下であると判定された場合(S31:YES)、処理はステップS13に移行し、時間判定処理S10を含む決済支援処理を実行する。一方、前記電波強度が閾値を超えると判定された場合(S31:NO)、処理はステップS32(図10参照)に移行する。なお、前記電波強度及び前記閾値は、通信状態に応じた前記通信レベル(「0」~「5」)で規定されてもよい。この場合、例えば前記閾値は、「2」に設定される。
【0087】
ステップS32において、制御部11は、利用者端末3の通信が遮断されたか否かを判定する。利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合(S32:YES)、処理はステップS34に移行する。利用者端末3の通信が遮断されたと判定されない場合(S32:NO)、すなわち利用者端末3の通信が可能な状態である場合、処理はステップS33に移行する。ステップS33~S35はそれぞれ、図8に示すステップS14~S16と同一である。
【0088】
ここで、例えば電波強度が弱い状態で利用者端末3の通信が遮断された場合には、通信環境に起因して利用者端末3の通信が遮断されたと考えられ、利用者の不正行為の可能性は低いと考えられる。これに対して、例えば電波強度が強い状態で利用者端末3の通信が遮断された場合には、利用者が意図的に利用者端末3の通信を遮断したと考えられ、利用者の不正行為の可能性があると考えられる。変形例1の構成によれば、電波強度が弱い場合には時間判定処理S10を行った上で決済処理を実行し(図9参照)、電波強度が強い場合には時間判定処理S10を実行しないで決済処理を実行する(図10参照)。これにより、利用者端末3の電波強度及び通信状態に応じて適切に決済処理を実行することができる。
【0089】
変形例2に係る決済支援システム100では、時間判定処理部113は、利用者端末3の電池残量(充電残量)を取得し、取得した前記電池残量が閾値以下の場合であって、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、時間判定処理S10を行う。すなわち、変形例2に係る決済支援システム100では、変形例1に対応する図9に示す決済支援処理において、「電波強度」を「電池残量」に置き換えてもよい。変形例2では、例えば図9に示すステップS31において、制御部11は、利用者端末3の電池残量を取得し、取得した前記電池残量が閾値以下であるか否かを判定する。制御部11は、前記電池残量が閾値以下であると判定された場合(S31:YES)、処理はステップS13に移行し、時間判定処理S10を含む決済支援処理を実行する。一方、前記電池残量が閾値を超えると判定された場合(S31:NO)、処理はステップS32(図10参照)に移行する。
【0090】
例えば電池残量が少ない状態で利用者端末3の通信が遮断された場合には、電池残量不足に起因して利用者端末3の通信が遮断されたと考えられ、利用者の不正行為の可能性は低いと考えられる。これに対して、例えば電池残量が多い状態で利用者端末3の通信が遮断された場合には、利用者が意図的に利用者端末3の通信を遮断したと考えられ、利用者の不正行為の可能性があると考えられる。変形例2の構成によれば、電池残量が少ない場合には時間判定処理S10を行った上で決済処理を実行し(図9参照)、電池残量が多い場合には時間判定処理S10を実行しないで決済処理を実行する(図10参照)。これにより、利用者端末3の電池残量及び通信状態に応じて適切に決済処理を実行することができる。
【0091】
変形例3に係る決済支援システム100では、時間判定処理部113は、利用者端末3の現在位置を取得し、利用者端末3が飲食店の店内に所定時間以上滞在した場合であって、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、時間判定処理S10を行う。図11は、変形例3に対応する決済支援処理の一例を示すフローチャートである。図8に示す決済支援処理と同一の処理については同一のステップ番号を付している。図11に示す決済支援処理では、ステップS41において、制御部11は、利用者端末3の現在位置を取得し、利用者端末3が店内に所定時間以上滞在したか否かを判定する。制御部11は、利用者端末3が店内に所定時間以上滞在したと判定された場合(S41:YES)、処理はステップS17に移行し、時間判定処理S10を含む決済支援処理を実行する。一方、利用者端末3が店内に所定時間以上滞在したと判定されない場合(S41:NO)、処理はステップS15に移行する。
【0092】
これにより、飲食店に長時間滞在する利用者に対しては、時間判定処理S10を行うことで、利用者が意図しない通信遮断による決済処理の実行を防ぐことができる。一方で、例えば飲食店に短時間しか滞在しない利用者に対しては、利用者端末3の通信が遮断された時点で決済処理を実行することにより、短時間の間に行われる可能性のある無銭飲食などの不正行為を防ぐことができる。
【0093】
変形例4に係る決済支援システム100では、時間判定処理部113は、利用者の利用代金又は利用者により注文された注文数(本発明の商品の量に相当)を取得し、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超える場合であって、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、時間判定処理S10を行う。すなわち、変形例4に係る決済支援システム100では、変形例3に対応する図11に示す決済支援処理において、「所定時間滞在したか?」を「利用代金又は注文数が閾値を超えたか?」に置き換えてもよい。変形例4では、例えば図11に示すステップS41において、制御部11は、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超えたか否かを判定する。制御部11は、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超えたと判定された場合(S41:YES)、処理はステップS17に移行し、時間判定処理S10を含む決済支援処理を実行する。一方、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超えないと判定された場合(S41:NO)、処理はステップS15に移行する。
【0094】
これにより、例えば利用代金が高い利用者に対しては、時間判定処理S10を行うことで、利用者が意図しない通信遮断による決済処理の実行を防ぐことができる。一方で、例えば利用代金が低い利用者に対しては、利用者端末3の通信が遮断された時点で決済処理を実行することにより、少額で気付かれ難い無銭飲食などの不正行為を防ぐことができる。なお、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超えたと判定された場合に(S41:YES)、処理がステップS15に移行し、前記利用代金又は前記注文数が閾値を超えないと判定された場合に、処理がステップS17に移行する構成としてもよい。
【0095】
変形例5に係る決済支援システム100では、時間判定処理部113は、利用者の飲食店の利用回数(又は利用頻度)を取得し、前記利用回数が閾値を超える場合であって、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合に、時間判定処理S10を行う。すなわち、変形例5に係る決済支援システム100では、変形例3に対応する図11に示す決済支援処理において、「所定時間滞在したか?」を「利用回数が閾値を超えたか?」に置き換えてもよい。変形例5では、例えば図11に示すステップS41において、制御部11は、前記利用回数が閾値を超えたと判定された場合(S41:YES)、処理はステップS17に移行し、時間判定処理S10を含む決済支援処理を実行する。一方、前記利用回数が閾値を超えないと判定された場合(S41:NO)、処理はステップS15に移行する。
【0096】
これにより、例えば利用回数が多い利用者に対しては、時間判定処理S10を行うことで、利用者が意図しない通信遮断による決済処理の実行を防ぐことができる。一方で、例えば利用回数が少ない利用者に対しては、利用者端末3の通信が遮断された時点で決済処理を実行することにより、無銭飲食などの不正行為を防ぐことができる。
【0097】
以上のように、各変形例に係る決済支援システム100は、利用者端末3の通信が遮断されたと判定された場合であっても所定の条件を満たす場合には時間判定処理S10を行うことにより、例えば通信状態が回復した場合には決済処理が停止される。また、決済支援システム100は、時間判定処理S10を行わない場合には、所定時間が経過する前、例えば通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された時点で決済処理を行う。このため、不正の意図がない利用者に対して不要に決済処理が行われることを防ぐことができ、また不正の意図が推認される利用者に対して迅速に決済処理を行うことができる。
【0098】
本発明では、決済処理部114は、施設の利用代金の決済要求を決済事業者サーバー(決済装置)に送信する決済要求処理を行ってもよい。前記決済要求には、利用者ID、飲食店の店舗ID、利用代金に応じた請求金額の情報などが含まれる。例えば、決済処理部114は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定されたことを条件として、前記決済要求を決済事業者サーバーに送信してもよい。また決済処理部114は、通信状態判定処理部112により利用者端末3の通信が遮断されたと判定された時点で前記決済要求を決済事業者サーバーに送信してもよいし、通信が遮断されたと判定されてから通信遮断状態が所定時間継続した時点で前記決済要求を決済事業者サーバーに送信してもよい。決済事業者サーバーにおいて前記決済要求に対応する決済が完了すると、決済処理部114は、決済事業者サーバーから決済完了通知(認証通知)を取得する。以上のように、本発明に係る決済支援システム100は、前記利用代金の決済を完了させる決済処理を含む構成であってもよいし、当該決済処理を含まず、当該決済処理を実行する決済事業者サーバーに決済要求を送信する構成であってもよい。
【0099】
本発明は、上述したように、飲食店で利用者が飲食物を注文する場合に限定されず、例えば小売店(コンビニエンスストア、スーパーマーケット等)で利用者が商品を購入する場合にも適用可能である。例えば、小売店において、利用者端末3(携帯端末)を所持する利用者が購入を希望する商品の情報コード(バーコードなど)を自身の利用者端末3で読み取ることで、退店時に商品代金を自動決済するシステムに適用可能である。また例えば小売店において、利用者が利用者端末3(携帯端末)を入店ゲートに翳して入店(チェックイン)し、利用者が購入を希望する商品を手に取った場合に店内のカメラが当該商品を認識して利用者端末3に関連付けることにより、利用者端末3を退店ゲートに翳して退店(チェックアウト)するときに商品代金を自動決済するシステムに適用可能である。
【符号の説明】
【0100】
1 :決済支援装置
2 :施設端末
3 :利用者端末
11 :制御部
12 :記憶部
13 :操作表示部
14 :通信I/F
21 :制御部
22 :記憶部
23 :操作表示部
24 :通信I/F
31 :制御部
32 :記憶部
33 :操作表示部
34 :通信I/F
100 :決済支援システム
111 :取得処理部
112 :通信状態判定処理部
113 :時間判定処理部
114 :決済処理部
115 :報知処理部
211 :ブラウザ処理部
311 :受付処理部
312 :表示処理部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11