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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21V 19/00 20060101AFI20230720BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230720BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230720BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20230720BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20230720BHJP
【FI】
F21V19/00 500
F21S2/00 230
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y103:10
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019180883
(22)【出願日】2019-09-30
(65)【公開番号】P2021057258
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2022-05-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 則雅
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 勝也
(72)【発明者】
【氏名】高野 はるか
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】韓国登録実用新案第20-0471833(KR,Y1)
【文献】特開2019-149380(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 19/00
F21S 2/00
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線部、およびこの線部の両端に設けられた屈曲部を有する金属製の吊金具と;
前記吊金具の一端側の前記屈曲部が取り付けられる光源側取付部を有する光源ユニットと;
前記吊金具の前記線部がその長手方向に交差する方向から挿通される溝部と、この溝部に連通するとともに前記溝部に対して交差状に設けられ前記吊金具の他端側の屈曲部が上方から嵌り込む長孔部と、前記溝部上に斜めに突出し、前記溝部に対する前記線部の挿通姿勢を斜め姿勢に規制する規制部とを有する本体側取付部を備え、前記光源ユニットが取り付けられる器具本体と;
を備えることを特徴とする照明装置
【請求項2】
前記吊金具は、前記線部の一端側が前記光源側取付部に挿通され、前記光源ユニットの対角方向に沿って挿入された状態で収納される
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、器具本体に対して光源ユニットの仮吊りが可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置では、設置面に設置された器具本体に光源ユニットを着脱する場合などに、器具本体から離れた位置で光源ユニットを仮吊り状態とすることにより、器具本体側と光源ユニット側との電気的な接続または接続解除や部品の交換などが行え、作業性の向上が図れている。
【0003】
仮吊りには紐を用いていることが多いが、紐の場合には劣化して切れるおそれがあり、仮吊りが確実でない。また、仮吊りするための作業性もよいことが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-58266号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、器具本体に対する光源ユニットの仮吊りが確実にでき、仮吊りの作業性もよい照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の照明装置は、線部、および線部の両端に設けられた屈曲部を有する金属製の吊金具を用いる。光源ユニットは、吊金具の一端側の屈曲部が取り付けられる光源側取付部を有する。器具本体は、吊金具の線部がその長手方向に交差する方向から挿通される溝部と、溝部に連通するとともに溝部に対して交差状に設けられ吊金具の他端側の屈曲部が上方から嵌り込む長孔部と、溝部上に斜めに突出し、溝部に対する線部の挿通姿勢を斜め姿勢に規制する規制部とを有する本体側取付部を備える。器具本体に、光源ユニットが取り付けられる。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の照明装置によれば、器具本体に対する光源ユニットの仮吊りが確実にでき、作業性もよいことが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態を示す照明装置の斜視図である。
図2】同上照明装置の器具本体と光源ユニットの分離状態の斜視図である。
図3】同上器具本体および光源ユニットの端部構造を省略した端面図である。
図4】同上器具本体の斜視図である。
図5】同上器具本体の本体側取付部の拡大斜視図である。
図6】同上光源ユニットの分解状態の斜視図である。
図7】同上光源ユニットのキャップの分解状態の斜視図である。
図8】同上キャップの組立状態の斜視図である。
図9】同上キャップから吊金具を引き出した状態の斜視図である。
図10】同上キャップに吊金具を収納した状態の斜視図である。
図11】同上吊金具の正面図である。
図12】同上器具本体の本体側取付部に吊金具を取り付ける過程の斜視図である。
図13】同上器具本体の本体側取付部に吊金具を取り付けた状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3に示すように、照明装置10は、天井直付形照明装置である。さらに、照明装置10は、防水構造を備えた屋外形照明装置である。なお、以下、照明装置10は、例えば天井面などの設置面に設置されるものとして、光照射方向の前面側を下側、光照射方向に対して反対の背面側を上側として説明する。
【0011】
照明装置10は、設置面に設置される器具本体11、およびこの器具本体11の下部側に着脱可能に取り付けられる光源ユニット12を備えている。照明装置10は、器具本体11および光源ユニット12とも長尺に形成されている。
【0012】
そして、図1ないし図4に示すように、器具本体11は、長尺な本体部15、この本体部15の長手方向両端に設けられた端板16、およびこれら本体部15と端板16との間に設けられた下方に開口する開口部17を有している。
【0013】
本体部15は、天板部18、およびこの天板部18の長手方向に交差する両側に設けられた側板部19を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天板部18には、設置面に取り付けるための図示しない取付孔や、電源ケーブルを引き込むための図示しない配線孔などが設けられている。
【0014】
本体部15は、側板部19の下部側から開口部17内に向けて斜め下方に折曲された反射面部20、およびこの反射面部20の先端側から側板部19の内面側に向けて上方に折り返された折返し部21を有している。側板部19に対する反射面部20の曲げ角度は90°よりも小さく、側板部19と反射面部20の内面側のなす角度は90°よりも大きい関係にある。反射面部20の外面側である表面は、下方であって開口部17側とは反対の斜め外側方に向けて設けられている。また、反射面部20に対する折返し部21の曲げ角度は90°よりも大きく、反射面部20と折返し部21の内面側のなす角度は90°よりも小さい関係にある。
【0015】
本体部15の両端側において、反射面部20および折返し部21の端部側から所定距離だけ中央側に離れた位置に、光源ユニット12の一部が入り込む切欠部22が設けられている。
【0016】
端板16は、本体部15の端面を覆う端板部23、および光源ユニット12を取り付けるための取付板部24を有している。端板部23は、本体部15の端部に取り付けられている。取付板部24は、端板部23と一体に形成され、端板部23の下部側から本体部15側に向けて折曲され、開口部17の端部側に配置されている。取付板部24には、光源ユニット12をねじ止めするための取付孔25、および光源ユニット12を仮吊りするための本体側取付部26が設けられている。
【0017】
図4および図5に示すように、本体側取付部26は、取付板部24の縁部に連通開口する溝部27、この溝部27に連通するとともに溝部27に対して交差する方向に長く設けられた長孔部28、および溝部27の一側縁から溝部27上に斜めに突出された規制部29を有している。規制部29は切り起こし加工によって設けられ、この規制部29を切り起こし加工することで溝部27が形成されている。規制部29の傾斜角度は、例えば60°程度とされている。
【0018】
次に、図1ないし図3図6に示すように、光源ユニット12は、防水構造を備えている。光源ユニット12は、長手方向に交差する一方側である上部側が器具本体11の開口部17に挿入される挿入領域12a、他方側である下部側が器具本体11の外部に配置される突出領域12bとして構成されている。
【0019】
光源ユニット12は、筒状のカバー30、このカバー30内に挿通配置される支持部材であるシャーシ31、このシャーシ31の両端に取り付けられる連結部材32、シャーシ31に取り付けられる光源モジュール33および電源部34、カバー30の両端に取り付けられるパッキング35およびキャップ36などを備えている。
【0020】
カバー30は、長尺で、長手方向に同一形状とする筒状に形成されている。カバー30は、挿入領域12aに対応した上部側に光が透過しない不透過部である不透光部30aが設けられ、突出領域12bに対応した下部側に光が透過する透過部である透光部30bが設けられている。
【0021】
不透光部30aは、光が透過しない樹脂材料にて形成されている。不透光部30aは、天面部40、この天面部40の両側から下方に突出する側面部41、および側面部41と透光部30bとの間でカバー30の内部側に突出する屈曲部42を有している。屈曲部42は、透光部30bの背面側で透光部30bの両側から屈曲され、シャーシ31の両側に当接される。屈曲部42は、側面部41の下部側からカバー30の内部側に突出する上側段部43、透光部30bからカバー30の内側に突出する下側段部44、これら上側段部43と下側段部44の間にカバー30の内側に突出する内側突出面部45を有している。この屈曲部42によって、カバー30の両側に凹部46が長手方向に沿って形成されている。そして、不透光部30aの内部にシャーシ31および電源部34が配置される。不透光部30aの内側に配置されたシャーシ31の一部に屈曲部42が当接される。
【0022】
透光部30bは、光が透過する樹脂材料にて形成されている。透光部30bは、中央が下方に突出する凸湾曲状に形成され、両側が屈曲部42の下側段部44に連続されている。透光部30bの長手方向に交差する方向の幅は、不透光部30aの長手方向に交差する方向の幅よりも広い関係にある。そして、透光部30bの内側には、光源モジュール33が配置される。
【0023】
カバー30は、不透光部30aおよび透光部30bの二色成形によって一体に形成されている。すなわち、カバー30は、不透光部30aの溶融樹脂材料と透光部30bの溶融樹脂材料を押し出して成形する押出成形によって一体に形成されている。
【0024】
なお、不透光部30aと透光部30bの境は、不透光部30aの下側段部44の直接部分の端部側と、この下側段部44の直接部分の端部側に連続する透光部30bの湾曲部分との間とされている。不透光部30aと透光部30bの境の部分、もしくは不透光部30aと透光部30bの境の部分から不透光部30a側に少し入った部分に、器具本体11の反射面部20の先端側(反射面部20と折返し部21との折曲部分)が接触される。
【0025】
また、シャーシ31は、金属製で、長尺に形成されている。シャーシ31は、上方に開口する断面略コ字形に形成されている。シャーシ31は、取付面部50、およびこの取付面部50の両側から上方に折曲して設けられた側面部51を有している。取付面部50の前面側に光源モジュール33が取り付けられている。
【0026】
側面部51は、取付面部50の両側から上方に折曲された側面下部51a、両側の側面下部51aから互いに離反するように上方に拡開傾斜された傾斜面部51b、および両側の傾斜面部51bから上方に折曲された側面上部51cを有している。両側の側面部51間に電源部34が配置される。傾斜面部51bは、電源部34の外形状に沿って傾斜されており、電源部34と接触してもよい。
【0027】
取付面部50および側面下部51aなどによって、両側の側面部51の間から下方へ向けて突出する凸部52が構成されている。凸部52は、カバー30の両側の屈曲部42の間に、透光部30b側へ向けて突出するように配置されている。凸部52(取付面部50)の背面側と両側の側面部51間に配置される電源部34との間には、配線スペースでもある空間部53が設けられている。凸部52(取付面部50)の背面側と電源部34との間の空間部53の間隔は、ケーブルなどが配線可能な寸法を有している。
【0028】
また、連結部材32は、金属製で、シャーシ31の端面を覆って、シャーシ31の端部に取り付けられている。シャーシ31の端部に対する連結部材32の取付構造は、爪構造による係止や、ねじ止めなどのいずれを用いてもよい。連結部材32は、カバー30の内側に挿通可能な形状および寸法に形成されている。
【0029】
連結部材32には、キャップ36をねじ止めするための複数の取付孔60、および電源部34に接続される引出ケーブルが挿通される配線孔61が設けられている。
【0030】
また、光源モジュール33は、長尺な基板70、およびこの基板70に長手方向に沿って実装された複数の発光素子71を備えている。発光素子71は、LEDや有機ELなどのいずれを用いてもよい。光源モジュール33は、シャーシ31の取付面部50の前面側に取り付けられ、同じシャーシ31に取り付けられる電源部34の出力側に図示しない接続配線によって電気的に接続されている。
【0031】
また、電源部34は、長尺な電源ケース73、およびこの電源ケース73内に配置された図示しない電源回路を備えている。電源ケース73は、前面部73aの両側角部に傾斜面73bを有する断面略台形状に形成されている。電源回路は、外部から供給される交流電源などの外部電源を直流電源などの所定の点灯電源に変換して光源モジュール33に供給し、発光素子71を点灯させる。
【0032】
電源部34は、取付部材74によってシャーシ31に取り付けられている。取付部材74は、天面部75、およびこの天面部75の両側に設けられた側面部76を有し、下方に開口する断面略コ字形に形成されている。天面部75の下面側に電源部34がねじ止めなどによって取り付けられ、両側の側面部76がシャーシ31の両側の側面部51(側面上部51c)に取り付けられている。シャーシ31に対する取付部材74の取付構造は、爪構造による係止や、ねじ止めなどのいずれを用いてもよい。取付部材74をシャーシ31に取り付けた状態において、電源部34がシャーシ31の長手方向に沿って両側の側面部51間に配置されるとともに、電源部34(電源ケース73)の傾斜面73bがシャーシ31の傾斜面部51bに接触または対向される。さらに、電源部34の前面部73aが、シャーシ31の凸部52(取付面部50)の背面側との間に空間部53を介して対向される。
【0033】
取付部材74の天面部75には、複数の球面状の突出部77が突出されている。そして、シャーシ31とともに取付部材74などがカバー30内に挿通配置された状態で、取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0034】
また、パッキング35は、例えばシリコーンゴムなどで一体に形成されている。パッキング35は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。パッキング35の周辺部には、カバー30の内側に挿入されて密着する環状の挿入部80、およびこの挿入部80の端部側にカバー30の端部に接触して密着するフランジ部81が形成されている。パッキング35の内側には隔壁部82が形成されている。この隔壁部82には、複数のねじ用挿通部83が形成されているとともに、配線用挿通部84が形成されている。これら複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部84は、連結部材32の複数の取付孔60および配線孔61の各位置に対応して形成されている。
【0035】
また、図6ないし図10に示すように、キャップ36は、例えば樹脂材料で形成されている。キャップ36は、カバー30の端部外周にパッキング35を介して取り付けられるキャップ部90、およびこのキャップ部90の端部側に設けられるキャップカバー部91を有している。
【0036】
キャップ部90は、カバー30の端部形状と相似した形状に形成されている。すなわち、キャップ部90は、上部側がカバー30の上部側の不透光部30aに対応して形状に形成され、下部側がカバー30の下部側の透光部30bに対応して形状に形成され、これら上部側と下部側との間の両側にカバー30の両側の凹部46に対応した凹部92が形成されている。
【0037】
キャップ部90は、キャップ面部93、およびこのキャップ面部93の周囲からカバー30の方向に突出してカバー30の端部外周に嵌合する嵌合部94を有している。キャップ部90とカバー30の端部との間にパッキング35が介在され、パッキング35によってカバー30の端部開口が密閉される。
【0038】
キャップ部90のキャップ面部93には、パッキング35の複数のねじ用挿通部83および配線用挿通部84の位置に対応して複数のねじ挿通孔95aおよび配線孔95bが設けられている。
【0039】
キャップ部90は、カバー30の端部外周に嵌合するため、カバー30の外周に対して突出する段差部である。この段差部によって、キャップ部90(キャップ36)の両側間の間隔は器具本体11の両側の側板部19の下部間の間隔よりも広く形成されている。そして、器具本体11に光源ユニット12が取り付けられた際、キャップ部90の両側の凹部92の下縁側の段差部が器具本体11の切欠部22に入り込むように構成されている。
【0040】
キャップカバー部91は、突出領域12bにおいて、キャップ部90の端部側から突出され、キャップ部90の表面形状に連続する形状に形成されている。キャップカバー部91の内側には器具本体11に対向するように上方に向けて開口する凹部96が形成されている。キャップカバー部91の下面には、操作孔97が設けられている。操作孔97には、この操作孔97を閉塞するブッシュ98が着脱可能に取り付けられる。キャップカバー部91の端面の下部側には水抜き孔99が形成されている。なお、凹部96は、取付部品などを配置するスペースとして利用される。
【0041】
キャップカバー部91の凹部96内には、キャップ36に配置される取付板110を取り付けるための取付台部100が設けられている。取付台部100は、キャップカバー部91の凹部96の底面から操作孔97の周囲を囲むように枠状に突設されており、キャップカバー部91の側面や端面側およびキャップ面部93とは離反されている。取付台部100とキャップカバー部91の端面との間には、取付板挿入溝部101が設けられている。
【0042】
キャップカバー部91の凹部96内には、キャップ36に配置される吊金具130の一端側が配置されるガイド部102が設けられている。ガイド部102は、吊金具130が挿入される所定の幅のガイド溝103を介して対向配置される一対のガイド板部104を有している。ガイド部102は、凹部96内で、の幅方向の一側に寄った位置に設けられている。ガイド溝103およびガイド板部104は、光源ユニット12の長手方向に対して交差する幅方向に沿って設けられている。
【0043】
また、キャップ36には、取付板110が取り付けられている。取付板110は、例えば金属板によって一体に形成されている。取付板110は、キャップ面部93の外端面側に配置される第1取付板部111と、キャップカバー部91に配置される第2取付板部112とを有している。これら第1取付板部111と第2取付板部112が略直角に折曲されている。
【0044】
第1取付板部111には、キャップ面部93の複数の挿通孔95aの位置に対応して複数の挿通孔113が設けられている。第1取付板部111の複数の挿通孔113に連結用の複数のねじ114が挿通され、これらねじ114がキャップ部90の挿通孔95aおよびパッキング35のねじ用挿通部83を通じて連結部材32の取付孔60に螺着される。
【0045】
第2取付板部112は、キャップカバー部91の凹部96に設けられた取付台部100上に配置される保持板部115、この保持板部115から折曲されて取付板挿入溝部101に挿入配置される挿入板部116を有している。
【0046】
保持板部115には、光源ユニット取付用の取付部品であるねじ117が回動可能に取り付けられるねじ保持部118が設けられている。ねじ保持部118は、ねじが挿通する間隔をあけて互いに対向される一対の保持片部119を有している。ねじ117には頭部との間に隙間をあけてリング120が係止されており、ねじ117の頭部とリング120との間の隙間が一対の保持片部119に差し込まれ、ねじ117がねじ保持部118に回動可能に保持されている。そして、ねじ117は、キャップカバー部91の操作孔97から差し込まれる工具によって回動操作可能とする。ねじ117は、器具本体11の取付板部24の取付孔25に螺着され、光源ユニット12を器具本体11に固定する。
【0047】
保持板部115には、吊金具130の一端側が取り付けられる光源側取付部121が設けられている。光源側取付部121は、吊金具130の一端側が挿通される長孔122を有している。長孔122は、光源ユニット12の長手方向に沿って長く、キャップ36のガイド溝103と交差する方向に長く設けられている。
【0048】
さらに、キャップ36には、光源ユニット12を器具本体11に仮吊りするための取付部品である吊金具130が取り付けられている。吊金具130は、例えば錆に強いステンレスなど金属製の線材によって形成されている。吊金具130は、直線状の線部131、この線部131の両端に円弧状に屈曲した円形部である屈曲部132を有している。両端の屈曲部132は、形状、寸法、および向き(屈曲面または屈曲方向の向き)が同じに設けられている。
【0049】
吊金具130の一端側の屈曲部132は、取付板110の長孔122に挿通され、その挿通時の向きに対して略90°向きを変えてキャップ36のガイド溝103に挿入され、取付板110によってキャップ36に取り付けられている。吊金具130の一端側は、屈曲部132が一対のガイド板部104間のガイド溝103に挿入されていて回り止め規制されており、屈曲部132が取付板110の下面とキャップカバー部91の凹部96の内面との間の範囲内で長孔122に対して軸方向に移動可能とするとともに、光源ユニット12の長手方向に対して交差する方向に揺動可能とする。また、吊金具130の他端側は、器具本体11の取付板部24に設けられた本体側取付部26に着脱可能に引っ掛けられる。
【0050】
ここで、図5図7図9ないし図11を参照して、吊金具130と本体側取付部26および光源側取付部121との寸法関係について説明する。吊金具130の線部131の直径d1に対して、本体側取付部26の溝部27の幅であって溝部27に臨む規制部29の面に垂直な方向において最短距離となる幅Aが大きく、取付板部24の面に沿った水平方向において最短距離となる幅Bが小さい関係にある。さらに、吊金具130の線部131の直径d1に対して、本体側取付部26の長孔部28の長手方向に交差する短手方向の幅が大きいとともに、光源側取付部121の長孔122の長手方向に交差する短手方向の幅が大きい関係にある。また、屈曲部132の直径d2に対して、本体側取付部26の長孔部28の長手方向の幅Cは小さく、光源側取付部121の長孔122の長手方向の幅Dは大きい関係にある。また、吊金具130の長さLは、図9に示すように、吊金具130をキャップ36側から引き出し、吊金具130の一端側の屈曲部132が長孔122の縁部である保持板部115に引っ掛かった状態で、吊金具130の他端側の屈曲部132がキャップ36の上方に突出する関係にあり、また、図10に示すように、吊金具130の一端側をキャップカバー部91の凹部96内に挿入するとともにキャップ36の端面視で対角線上に沿って配置された際に、キャップ36の外形範囲内に収まる寸法であることが好ましい。なお、吊金具130の長さLは、キャップ36の外形範囲内に収まらなくても、キャップ36の外形範囲から大きく突出しない寸法であってもよい。
【0051】
そして、このように構成された照明装置10において、光源ユニット12を組み立てるには、光源モジュール33、電源部34、連結部材32がそれぞれ取り付けられたシャーシ31をカバー30内(不透光部30a内)に挿入する。このとき、電源部34をシャーシ31に取り付けている取付部材74の突出部77がカバー30の天面部40に接触されるとともに、シャーシ31の傾斜面部51bがカバー30の屈曲部42に接触され、シャーシ31側とカバー30側とが互いに位置決めされる。
【0052】
パッキング35の挿入部80をカバー30の端部開口に挿入する。キャップ36のキャップ部90を、パッキング35を介してカバー30の端部外周に嵌合する。取付板110、ねじ117、吊金具130をキャップ36に組み込み、複数のねじ114を取付板110、キャップ部90、パッキング35を通じて連結部材32に螺着し、カバー30とキャップ部90との間にパッキング35を挟み込んで締め付け固定し、カバー30の端部開口をパッキング35で密閉する。なお、電源部34からの引出ケーブルは、連結部材32、パッキング35、キャップ36を組み立てる際に、パッキング35の配線用挿通部84に挿通され、キャップ36のキャップ部90から引き出される。
【0053】
なお、光源ユニット12を組み立てる場合の順序は、このような順序に限られるものではなく、例えば、シャーシ31をカバー30内に挿入した後に、シャーシ31の端部に連結部材32を連結してもよい。また、シャーシ31の一端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を予め取り付けておき、シャーシ31の他端側をカバー30に挿入し、一端側のパッキング35をカバー30の一端側に密着させるとともに、シャーシ31の他端側に連結部材32、パッキング35およびキャップ36を取り付けるようにしてもよい。
【0054】
そして、光源ユニット12は、カバー30の両端開口がパッキング35によって密閉され、防水構造が確保される。
【0055】
次に、照明装置10を設置するには、器具本体11を例えば天井面などの設置面に設置する。このとき、電源ケーブルを器具本体11内に引き込んでおく。
【0056】
光源ユニット12の両端のキャップ36に取り付けられている吊金具130を器具本体11の両端の取付板部24に設けられている本体側取付部26に引っ掛け、光源ユニット12を器具本体11の下方に仮吊りする。
【0057】
このとき、図12に示すように、吊金具130の線部131を規制部29の傾斜に沿って傾斜姿勢とし、吊金具130の他端側である上端側の屈曲部132の下側の線部131を溝部27に挿入し、さらに長孔部28に移動させる。なお、規制部29が溝部27の上方に傾斜状に突出していて水平方向における溝部27の幅Bが線部131の直径d1よりも小さいため、例えば吊金具130の線部131が上下方向に沿った垂直姿勢では、線部131を溝部27に挿入することはできない。そのため、吊金具130の線部131を規制部29の傾斜に沿って傾斜姿勢とすることにより、線部131を溝部27に挿入することができる。
【0058】
図13に示すように、線部131を長孔部28に移動させたら、吊金具130を下降させることにより、吊金具130の屈曲部132が長孔部28に嵌り込んで引っ掛かり、光源ユニット12を器具本体11の下方に仮吊りする。
【0059】
そして、仮吊りされた光源ユニット12と器具本体11との間の間隙を通じ、光源ユニット12から引き出されている引出ケーブルを器具本体11内に引き込まれている電源ケーブルと電気的に接続する。これらケーブルの電気的な接続には、器具本体11内に配置される端子台を用いてもよい。
【0060】
光源ユニット12の上部側の挿入領域12aを器具本体11の開口部17に挿入し、光源ユニット12のキャップ36の操作孔97から工具を差し込んでねじ117を器具本体11の取付板部24に螺着し、光源ユニット12を器具本体11に取り付ける。操作孔97にブッシュ98を嵌め込み、設置完了となる。
【0061】
そして、光源ユニット12を器具本体11に取り付ける際、キャップ36のキャップ部90が光源ユニット12のカバー30の端部外周に嵌り込み、キャップ部90がカバー30の表面か出っ張るように段差があるが、このキャップ部90の段差の部分が器具本体11に設けられている切欠部22に入り込むことにより、光源ユニット12が器具本体11に近付き、光源ユニット12と器具本体11との隙間が低減される。これにより、光が器具本体11の内部に入り込むのが低減される。
【0062】
また、外部電源が電源部34に供給されると、電源部34によって外部電源を変換した点灯電源が光源モジュール33に供給され、光源モジュール33の発光素子71が点灯し、発光素子71が発する光がカバー30を透過して外部に出射される。
【0063】
カバー30は、不透光部30aと透光部30bを有し、不透光部30aが器具本体11の内側に配置され、透光部30bが器具本体11の外部に配置されるため、発光素子71の光の一部がカバー30の透光部30bの内面で反射して不透光部30aの方向に向かっても、不透光部30aから器具本体11内に漏れることがなく、光が不透光部30aの内面で反射して透光部30bに向い、透光部30bから外部に出射されやすい。
【0064】
カバー30の不透光部30aとの境である透光部30bの湾曲した両側部の表面から上方へ向けて出射される光は、器具本体11の反射面部20で透光部30bの側方域へ向けて反射されるため、光が器具本体11内に入り込んだり透光部30bに向かうのを低減でき、光の取出効率を向上できる。なお、器具本体11の反射面部20の先端側に折返し部21を設けているため、器具本体11の取扱い時に、例えば金属板の切断部分となる折返し部21の先端側に作業者の指などが触れにくくできる。
【0065】
また、点灯時において、発光素子71が発生する熱は、主にシャーシ31に伝達され、シャーシ31から例えば連結部材、複数のねじ114および取付板110などを通じて外部に放熱される。さらに、電源部34が発生する熱は、主に取付部材74およびシャーシ31に伝わり、シャーシ31から例えば連結部材、複数のねじ114および取付板110などを通じて外部に放熱される。
【0066】
シャーシ31に両側の側面部51間から突出する凸部52が設けられ、この凸部52の突出方向の前面側に光源モジュール33が取り付けられるとともに、凸部52の背面側と電源部34との間に空間部53が設けられるため、筒状のカバー30内に光源モジュール33および電源部34が収容される場合でも、電源部34の熱が光源モジュール33に伝わりにくく、光源モジュール33の温度上昇を抑制し、光源モジュール33の光出力の低下や寿命などへの影響を低減できる。
【0067】
さらに、カバー30内の限られたスペース内にシャーシ31および電源部34が配置されるため、光源モジュール33および電源部34の配線のための配線スペースなども限られるが、凸部52の背面側と電源部34との間に設けられる空間部53を配線スペースとして有効に利用することができる。
【0068】
しかも、シャーシ31の凸部52の突出方向の前面側に光源モジュール33を取り付けているため、光源モジュール33をカバー30の透光部30bの内側に容易に配置することが可能となり、光源モジュール33の発光素子71の光がカバー30の透光部30bの内側で広がり、カバー30の透光部30bを透過して外部に出射される光が増加し、光の取出効率を向上できる。
【0069】
また、例えば、照明装置10のメンテナンスや交換の際には、光源ユニット12のキャップ36からブッシュ98を外し、操作孔97から工具を差し込んでねじ117を緩める。ねじ117が器具本体11の取付板部24から外れると、光源ユニット12が下降し、吊金具130の上部側の屈曲部132が本体側取付部26に引っ掛かり、吊金具130によって光源ユニット12が器具本体11に仮吊りされる。
【0070】
さらに、光源ユニット12を器具本体11から取り外す場合には、図13において、吊金具130を上方に移動させて、屈曲部132を長孔部28から上方に外すとともに、屈曲部132を規制部29よりも高い位置に移動させる。続いて、図12に示すように、吊金具130の線部131を規制部29の傾斜に沿って傾斜姿勢としながら、屈曲部132の下側の線部131を長孔部28から溝部27に移動させ、溝部27から抜き外す。なお、規制部29が溝部27の上方に傾斜状に突出していて水平方向における溝部27の幅Bが線部131の直径d1よりも小さいため、例えば吊金具130の線部131が上下方向に沿った垂直姿勢では、線部131を溝部27に移動させて外すことはできない。そのため、吊金具130の線部131を規制部29の傾斜に沿って傾斜姿勢とすることにより、線部131を溝部27に移動させて外すことができる。
【0071】
そして、本実施形態の照明装置10では、器具本体11に光源ユニット12を仮吊りするのに金属製の吊金具130を用いているため、例えば紐のように劣化して切れるようなおそれが少なく、器具本体11に対する光源ユニット12の仮吊りを確実にできる。
【0072】
吊金具130は線部131の両端に屈曲部132を有する構成であるため、吊金具130の一端側の屈曲部132を光源ユニット12に取り付け、吊金具130の他端側の屈曲部132を器具本体11の本体側取付部26に引っ掛けることにより、仮吊り作業を容易に行うことができる。
【0073】
本体側取付部26は、溝部27、およびこの溝部27に連通するとともに溝部27に対して交差状に設けられた長孔部28を有するため、吊金具130の線部131をその長手方向に交差する方向から溝部27に挿入し、吊金具130の屈曲部132を長孔部28に上方から嵌め込むことにより、吊金具130を本体側取付部26に引っ掛けて取り付けることができ、仮吊り作業を容易に行うことができる。
【0074】
しかも、吊金具130の屈曲部132が長孔部28に嵌り込むことにより、吊金具130が器具本体11から外れるのを防止することができる。
【0075】
さらに、吊金具130の屈曲部132が円弧状に設けられている場合、円弧状の屈曲部132が長孔部28に嵌り込んだ状態で、屈曲部132が長孔部28の長手方向に沿って回動可能とするため、配線作業の際などに、吊金具130によって仮吊りしている光源ユニット12を長手方向に対して交差する方向に動かし、例えば器具本体11の下面側を開くことが可能となり、配線作業を容易に行うことができる。
【0076】
また、本体側取付部26は、溝部27上に斜めに突出する規制部29を有し、溝部27に対する吊金具130の線部131の挿通姿勢を斜め姿勢に規制するため、吊金具130の線部131が上下方向に沿った姿勢では吊金具130が外れることがなく、配線作業など際に、吊金具130が不用意に外れるのを防止することができる。
【0077】
また、吊金具130は、光源ユニット12の対角方向に沿って挿入された状態で収納されるため、例えば、図10に示すように、吊金具130の一端側がキャップカバー部91の凹部96内に挿入されるとともにキャップ36の端面視で対角線上に沿って配置された際に、キャップ36の外形範囲内に収まるため、光源ユニット12を梱包して輸送する流通時、吊金具130を光源ユニット12に対して収納状態とすることにより、吊金具130が出っ張らず、梱包寸法を小形にでき、梱包材を削減し、輸送容積および保管容積を小さくすることができる。
【0078】
なお、金属製の吊金具130は燃えることがないため、この吊金具130やその取付構造などの構成は、例えば非常用照明装置にも適用できる。
【0079】
また、吊金具130は、金属製の線材に限らず、金属製の棒材や板材などを用いてもよい。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0081】
10 照明装置
11 器具本体
12 光源ユニット
26 本体側取付部
27 溝部
28 長孔部
29 規制部
121 光源側取付部
130 吊金具
131 線部
132 屈曲部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13