(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】カーボンナノチューブデバイス及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
H01J 37/09 20060101AFI20230720BHJP
B82Y 30/00 20110101ALI20230720BHJP
C01B 32/158 20170101ALI20230720BHJP
H01J 37/28 20060101ALN20230720BHJP
【FI】
H01J37/09 Z
B82Y30/00
C01B32/158
H01J37/28 B
(21)【出願番号】P 2022009025
(22)【出願日】2022-01-25
【審査請求日】2022-01-25
(31)【優先権主張番号】202110639098.5
(32)【優先日】2021-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598098331
【氏名又は名称】ツィンファ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】HON HAI PRECISION INDUSTRY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】66,Chung Shan Road,Tu-Cheng New Taipei,236(TW)
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 新雨
(72)【発明者】
【氏名】陳 果
(72)【発明者】
【氏名】張 科
(72)【発明者】
【氏名】叢 琳
(72)【発明者】
【氏名】姜 開利
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 守善
【審査官】大門 清
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-146417(JP,A)
【文献】特開2014-048165(JP,A)
【文献】特開2009-193668(JP,A)
【文献】特開2018-022620(JP,A)
【文献】特開2015-181122(JP,A)
【文献】特開2011-074887(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/00-37/36
B82Y 30/00
C01B 32/158
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブデバイスは、
一端側と他端側との幅が均一な長条構造の導電性基板及びカーボンナノチューブアレイを含み、
前記導電性基板は、ヘッド及びロングハンドルを含み、前記ヘッドは、スルーホールを有し、
前記ヘッドは前記導電性基板の
前記一端側に形成され、前記ロングハンドルは前記導電性基板の
前記他端側に形成されることにより、前記ヘッド及び前記ロングハンドルが
単一の部材により構成される一体構造を有し、
前記カーボンナノチューブアレイは、前記スルーホールの周りの前記ヘッドの表面に設置され、前記ヘッドの表面に基本的に垂直な複数のカーボンナノチューブを含むことを特徴とするカーボンナノチューブデバイス。
【請求項2】
前記ヘッド及び前記ロングハンドルの材料が同じ導電材料であることを特徴とする、請求項1に記載のカーボンナノチューブデバイス。
【請求項3】
走査型電子顕微鏡に応用されるカーボンナノチューブデバイスは、
一端側と他端側との幅が均一な長条構造の導電性基板及びカーボンナノチューブアレイを含み、
前記導電性基板は、ヘッド及びロングハンドルを含み、前記ヘッドは、スルーホールを有し、
前記ヘッドは前記導電性基板の
前記一端側に形成され、前記ロングハンドルは前記導電性基板の
前記他端側に形成されることにより、前記ヘッド及び前記ロングハンドルが
単一の部材により構成される一体構造を有し、
前記カーボンナノチューブアレイは、前記スルーホールの周りの前記ヘッドの表面に設置され、前記ヘッドの表面に基本的に垂直な複数のカーボンナノチューブを含み、
前記スルーホールは、前記走査型電子顕微鏡から放出された電子ビームを通させることに用いられ、前記カーボンナノチューブアレイは、前記走査型電子顕微鏡のサンプルの表面と接触することを特徴とする走査型電子顕微鏡に応用されるカーボンナノチューブデバイス。
【請求項4】
カーボンナノチューブデバイスの使用方法は、
前記カーボンナノチューブデバイスを提供するステップであって、前記カーボンナノチューブデバイスは、カーボンナノチューブアレイ及び
一端側と他端側との幅が均一な長条構造の導電性基板を含み、
前記導電性基板は、ヘッド及びロングハンドルを含み、前記ヘッドは、スルーホールを有し、前記ヘッドは前記導電性基板の
前記一端側に形成され、前記ロングハンドルは前記導電性基板の
前記他端側に形成されることにより、前記ヘッド及び前記ロングハンドルが
単一の部材により構成される一体構造を有するステップと、
観察される走査型電子顕微鏡のサンプルを提供し、前記サンプルを前記走査型電子顕微鏡の観察領域に配置するステップと、
前記カーボンナノチューブデバイスをメカニカルアームに固定し、前記カーボンナノチューブデバイスにおけるカーボンナノチューブアレイを前記サンプルと接触させるように、前記メカニカルアームの位置を移動するステップと、
前記走査型電子顕微鏡の電源を入れ、前記走査型電子顕微鏡の電子ビームを、前記スルーホールを通し、且つ前記サンプルに当たらせ、前記サンプルを撮るステップと、
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブデバイスの使用方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブデバイス及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走査型電子顕微鏡(SEM)は、主に二次電子信号イメージングを利用してサンプルの表面形態を観察する電子光学機器である。つまり、非常に狭い電子ビームを使用してサンプルをスキャンし、電子ビームとサンプルとの相互作用のさまざまな効果、その中で主にサンプルの二次電子放出を用いることによって、サンプルの表面形態を観察する。二次電子は、サンプルの表面の拡大画像を生成することができ、この画像は、サンプルがスキャンされるタイミングで確立されるものである。つまり、拡大画像は、ポイントバイポイントイメージングを使用して取得されるものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、絶縁サンプルや導電率の悪いサンプルにとって、高い加速電圧で発生した電子が地面に導かれることできないため、サンプルの表面に帯電効果が生じ、走査型電子顕微鏡のイメージング観察に影響を及ぼす。従来技術では、金、白金、炭素などの導電層をサンプルの表面に吹き付け又は蒸着し、或いは導電性接着剤を使用してサンプルの表面をコーティングして、帯電効果を減少させる。導電層/導電性接着剤がサンプルの表面に形成された後、それをサンプルから完全に除去することができないので、サンプルを再び使用することができない。
【0004】
上記技術問題を解決するために、カーボンナノチューブデバイス及びその使用方法を提供することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
カーボンナノチューブデバイスは、導電性基板及びカーボンナノチューブアレイを含む。前記導電性基板は、ヘッド及びロングハンドルを含み、前記ヘッドは、スルーホールを有する。前記カーボンナノチューブアレイは、前記スルーホールの周りの前記ヘッドの表面に設置され、前記ヘッドの表面に基本的に垂直な複数のカーボンナノチューブを含む。
【0006】
前記ヘッド及び前記ロングハンドルは材料が同じ導電材料である。
【0007】
走査型電子顕微鏡に応用されるカーボンナノチューブデバイスは、導電性基板及びカーボンナノチューブアレイを含む。前記導電性基板は、ヘッド及びロングハンドルを含み、前記ヘッドは、スルーホールを有する。前記カーボンナノチューブアレイは、前記スルーホールの周りの前記ヘッドの表面に設置され、前記ヘッドの表面に基本的に垂直な複数のカーボンナノチューブを含む。前記スルーホールは、前記走査型電子顕微鏡から放出された電子ビームを通させることに用いられ、前記カーボンナノチューブアレイは、前記走査型電子顕微鏡のサンプルの表面と接触する。
【0008】
カーボンナノチューブデバイスの使用方法は、前記カーボンナノチューブデバイスを提供し、前記カーボンナノチューブデバイスは、カーボンナノチューブアレイ及びスルーホールを含むステップと、観察される走査型電子顕微鏡のサンプルを提供し、前記サンプルを前記走査型電子顕微鏡の観察領域に配置するステップと、前記カーボンナノチューブデバイスをメカニカルアームに固定し、前記カーボンナノチューブデバイスにおけるカーボンナノチューブアレイを前記サンプルと接触させるように、前記メカニカルアームの位置を移動するステップと、前記走査型電子顕微鏡の電源を入れ、前記走査型電子顕微鏡の電子ビームを、前記スルーホールを通して前記サンプルに当たらせ、前記サンプルを撮るステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
従来技術と比べて、本発明から提供されるカーボンナノチューブデバイスは、垂直に配置されたカーボンナノチューブアレイを含む。カーボンナノチューブアレイの一端は、導電性基板と電気的に接触され、他端は、走査型電子顕微鏡のサンプルと接触する。走査型電子顕微鏡でサンプルを観察する時、サンプルの表面の電子はカーボンナノチューブによって導かれ、それによってサンプルの表面の帯電効果を防ぎ、サンプルの形貌を明確に観察することができる。同時に、サンプルが走査型電子顕微鏡に撮られた後、カーボンナノチューブデバイスとサンプルが容易に分離されることができるので、サンプルの損傷を引き起こすことはない。カーボンナノチューブデバイスが再利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第一実施形態によって提供されるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【
図2】本発明の
図1おけるカーボンナノチューブデバイスの側面を示す図である。
【
図3】本発明の実施形態によって提供されるカーボンナノチューブデバイスが応用される時、観察されるサンプルと接触する構造を示す図である。
【
図4】本発明の一つの実施形態におけるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【
図5】本発明のもう一つの実施形態におけるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【
図6】本発明の第二実施形態によって提供されるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【
図7】本発明の第三実施形態によって提供されるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【
図8】本発明の第四実施形態によって提供されるカーボンナノチューブデバイスの構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付の図面及び具体的な実施例を参照して、本発明の一態様によるカーボンナノチューブデバイス及びその使用方法をさらに詳細に説明する。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、本発明の実施例は、カーボンナノチューブデバイス10を提供する。カーボンナノチューブデバイス10は、導電性基板(図示せず)及びカーボンナノチューブアレイ106を含む。導電性基板は、ヘッド102及びロングハンドル104を含む。ヘッド102は、スルーホール108を有する。カーボンナノチューブアレイ106は、スルーホール108の周りのヘッド102の表面に設置される。カーボンナノチューブアレイ106は、ヘッド102の表面に基本的に垂直な複数のカーボンナノチューブを含む(図示せず)。
【0013】
導電性基板の材料は、金属、合金又は導電性ポリマーである。本実施例では、導電性基板の材料は銅である。ヘッド102及びロングハンドル104の材料は、同じ導電性材料でも異なる導電性材料でもよく、実際の応用に応じて選択することができる。ヘッド102は、一つの表面(図示せず)を含む。表面の形状は、
図1に示されるように円形であってもよく、
図3に示されるように正方形であってもよい。表面は平面でも曲面でもよく、観察されるサンプルに応じて調整できる。
【0014】
カーボンナノチューブアレイ106は、導電性接着剤によってヘッド102の表面に固定される。従って、カーボンナノチューブは、ヘッド102の表面にしっかりと固定され、容易に脱落しない。カーボンナノチューブアレイ106は、互いに基本的に平行な複数のカーボンナノチューブを含む。複数のカーボンナノチューブは、ヘッド102の表面に基本的に垂直である。「基本的に平行」及び「基本的に垂直」に関して、巨視的には、カーボンナノチューブは、互いに平行であり、ヘッド102の表面に垂直である。しかしながら、カーボンナノチューブは微視的な材料であるため、微視的には、カーボンナノチューブ自体がわずかに曲がる又はわずかに傾斜する。従って、カーボンナノチューブは互いに完全に平行ではなく、またはヘッド102の表面に完全に垂直ではない。カーボンナノチューブアレイ106は、ヘッド102の表面全体を覆うことができる。
【0015】
カーボンナノチューブアレイ106におけるカーボンナノチューブは、観察されるサンプルと接触するために使用され、走査型電子顕微鏡でサンプルを観察するときに、サンプルの表面の電子を伝導する。それによって、サンプルの表面の帯電効果が防止され、サンプルの形態がはっきりと観察される。カーボンナノチューブの一端はサンプルと接触し、他端はヘッド102に電気的に接続される。カーボンナノチューブ自体は長手方向に良好な導電性を有するので、サンプルの表面の電子は、カーボンナノチューブによって導かれる。
【0016】
スルーホール108は、ヘッド102及びカーボンナノチューブアレイ106を貫通する。スルーホール108の数量は1つである。スルーホール108の形状は限定されず、
図1に示されるように円形であってもよく、
図4に示されるように正方形であってもよい。スルーホール108の形状は、実際の必要に応じて選択することができる。スルーホール108は、走査型電子顕微鏡によって放出された電子ビームを通させ、且つ電子ビームをサンプルに当たらせるために使用され、スルーホール108の孔径は実際の必要に応じて選択することができる。スルーホール108の孔径は、100マイクロメートル以下である。好ましくは、スルーホール108の孔径は、10マイクロメートル~20マイクロメートルである。
【0017】
ロングハンドル104の一端はヘッド102に電気的に接続され、他端は、カーボンナノチューブデバイス10の位置を正確に制御するために、カーボンナノチューブデバイス10を把持することに使用され、カーボンナノチューブアレイ106の一端を、観察されるサンプルの表面と都合よく接触させる。カーボンナノチューブアレイ106の一端が観察されるサンプルの表面と都合よく接触することは、カーボンナノチューブデバイス10のヘッド102が観察されるサンプルの表面を押さえつけず、カーボンナノチューブアレイ106を変形させたり、サンプルを損傷させたりしない。ロングハンドル104の材料は導電性材料である。
【0018】
図5に示されるように、カーボンナノチューブデバイス10が使用されるとき、マニピュレータは、カーボンナノチューブデバイス10におけるカーボンナノチューブアレイ106の一端を観察されるサンプルの表面と接触させるように、ロングハンドル104を把持する。走査型電子顕微鏡から放出された電子束ビームは、ヘッド102のスルーホール108を通してサンプルに当たり、サンプル表面の写真を撮ることができる。サンプルの表面はカーボンナノチューブと接触し、電気的に接続されるので、サンプル表面の電子がカーボンナノチューブデバイス10によって導かれ、それによってサンプルの表面の帯電効果を防ぐことができる。サンプルが撮られた後、カーボンナノチューブデバイス10をサンプルから取り出し、保管して、次の使用を待つ。
【0019】
本発明により提供されるカーボンナノチューブデバイスは、垂直に配置されたカーボンナノチューブアレイを含む。カーボンナノチューブアレイの一端は、導電性基板と電気的に接触され、他端は、走査型電子顕微鏡のサンプルと接触される。走査型電子顕微鏡でサンプルを観察する時、サンプルの表面の電子はカーボンナノチューブによって導かれ、それによってサンプルの表面の帯電効果を防ぎ、サンプルの形貌を明確に観察することができる。同時に、サンプルが走査型電子顕微鏡に撮られた後、カーボンナノチューブデバイスとサンプルが容易に分離されることができるので、サンプルの損傷を引き起こすことはない。カーボンナノチューブデバイスが再利用できる。
【0020】
図6を参照して、本発明の第二実施形態は、カーボンナノチューブデバイス20を提供する。カーボンナノチューブデバイス20は、導電性基板(図示せず)及びカーボンナノチューブアレイ206を含む。導電性基板は、ヘッド202及びロングハンドル204を含む。ヘッド202は、スルーホール208を有する。カーボンナノチューブアレイ206は、スルーホール208の周りのヘッド202の表面に設置される。本実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス20の構造は、第一実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス10の構造と基本的に同じである。異なるのは、カーボンナノチューブアレイ206がヘッド202の表面を完全に覆わないことである。カーボンナノチューブアレイ206の断面積は、実際のニーズに応じて選択できる。
【0021】
図7を参照して、本発明の第三実施形態は、カーボンナノチューブデバイス30を提供する。カーボンナノチューブデバイス30は、導電性基板(図示せず)及びカーボンナノチューブアレイ306を含む。導電性基板は、ヘッド302及びロングハンドル304を含む。ヘッド302は、スルーホール308を有する。カーボンナノチューブアレイ306は、スルーホール308の周りのヘッド302の表面に設置される。本実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス30の構造は、第一実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス10の構造と基本的に同じである。異なるのは、導電性基板が長条構造であり、導電性基板の一端がカーボンナノチューブデバイス30のヘッドであり、他端がカーボンナノチューブデバイス30のロングハンドル304であることである。導電性基板は、一体構造であり、その一端がカーボンナノチューブアレイを支持するための表面を含み、他端が把持できる一定の長さを有するだけでよい。
【0022】
図8を参照して、本発明の第三実施形態は、カーボンナノチューブデバイス40を提供する。カーボンナノチューブデバイス40は、導電性基板(図示せず)及びカーボンナノチューブアレイ406を含む。導電性基板は、ヘッド(図示せず)及びロングハンドル404を含む。ヘッドは、複数のスルーホール408を有する。カーボンナノチューブアレイ406は、複数のスルーホール408の周りのヘッドの表面に設置される。本実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス40の構造は、第一実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス10の構造と基本的に同じである。異なるのは、スルーホール408の数量が2個以上であり、各々のスルーホール408が間隔をあけて設置され、各々のスルーホール408の孔径が同じでならず、各々のスルーホール408の形状も同じでなくてもよい。本実施形態において、スルーホール408の数量が2個であり、スルーホール408の形状が円形であり、二つのスルーホール408の孔径が同じでない。本実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス40が応用される時、走査型電子顕微鏡の電子ビームを通させるように、観察されるサンプルのサイズに応じて、異なるサイズのスルーホールを採用できる。観察されるサンプルのサイズが小さい時、孔径が小さいスルーホール408を採用でき、観察されるサンプルのサイズが大きい時、孔径が大きいスルーホール408を採用できる。
【0023】
本発明の実施形態は、カーボンナノチューブデバイスの使用方法をさらに提供する。カーボンナノチューブデバイスの使用方法は、以下のステップを含む。
【0024】
カーボンナノチューブデバイスを提供し、カーボンナノチューブデバイスは、カーボンナノチューブアレイ及びスルーホールを含む。
【0025】
観察される走査型電子顕微鏡のサンプルを提供し、サンプルを走査型電子顕微鏡の観察領域に配置する。
【0026】
カーボンナノチューブデバイスをメカニカルアームに固定し、カーボンナノチューブデバイスにおけるカーボンナノチューブアレイをサンプルと接触させるように、メカニカルアームの位置を移動する。
【0027】
走査型電子顕微鏡の電源を入れ、走査型電子顕微鏡の電子ビームを、スルーホールを通し、且つサンプルに当たらせ、サンプルを撮る。
【0028】
カーボンナノチューブデバイスは、上記の実施形態から提供されるカーボンナノチューブデバイス10、20又は30のいずれか1つである。
【0029】
観察される走査型電子顕微鏡のサンプルの材料は、絶縁材料又は導電率の悪い材料である。
【0030】
コンピューターでメカニカルアームの位置を正確に制御できるので、カーボンナノチューブデバイスにおけるカーボンナノチューブアレイの一端を観察されるサンプルの表面と都合よく接触させることができる。そして、カーボンナノチューブデバイスのヘッドが観察されるサンプルの表面を押さえつけず、カーボンナノチューブアレイを変形させたり、サンプルを損傷させたりしない。
【0031】
また、当業者であれば、本発明の精神の範囲内で他の変更を行うことができる。もちろん、本発明の精神に従ってなされたこれらの変更は、いずれも本発明の保護請求する範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0032】
10、20、30、40 カーボンナノチューブデバイス
106、206、306、406 カーボンナノチューブアレイ
102、202、302 ヘッド
104、204、304、404 ロングハンドル
108、208、308、408 スルーホール