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特許7315937ペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】ペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 10/00 20180101AFI20230720BHJP
【FI】
G16H10/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2023017209
(22)【出願日】2023-02-07
【審査請求日】2023-02-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522007853
【氏名又は名称】株式会社Emyu
(74)【代理人】
【識別番号】100194342
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 哲也
(72)【発明者】
【氏名】安藤 美恵
【審査官】吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特許第7152822(JP,B1)
【文献】特開2020-205126(JP,A)
【文献】特開2007-058824(JP,A)
【文献】特開2022-067544(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムであって、
前記相談支援サーバは、
少なくとも前記相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報と前記相談対象ペットの経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付ける相談支援情報更新受付部と、
前記相談対象ペットに関する飼主情報、前記相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と前記相談支援情報とを関連付けて記憶する第1の記憶部と、
前記相談支援情報更新受付部前記相談依頼情報に関連付けられた前記相談支援情報の更新依頼を受けると更新前の前記相談支援情報を前記飼主の端末装置に表示させ、前記相談支援情報の更新入力を促す制御手段とを有し、
前記制御手段は、
前記相談支援情報の内の経過情報の種別を含む更新項目に対応する更新情報が前記飼主の端末装置を介して入力された場合に当該入力後の更新情報を含む相談支援情報を前記第1の記憶部に記憶させるとともに、前記相談支援情報が更新された更新後の相談支援情報を前記第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも前記飼主の端末装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とするペット診療相談支援システム。
【請求項2】
前記制御手段は、相談支援情報の更新入力の前後に前記飼主の端末装置に前記更新後の相談支援情報の登録済および追加登録予定の複数の病院への開示/非開示の選択を促し、選択された病院の病院端末の表示部にのみ前記更新後の相談支援情報を表示させ、その開示/非開示情報を第2の記憶部に記憶させ、開示/非開示の選択のたびに前記開示/非開示情報を更新する、
ことを特徴とする請求項1に記載のペット診療相談支援システム。
【請求項3】
前記相談対象ペットの更新後の経過情報に含まれる現在または過去の症状と、前記現在または前記過去の症状に対応する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果とを識別情報を付与して関連付けて更新カルテ情報を生成する相談支援情報生成部と、
前記相談支援情報生成部で生成された前記更新カルテ情報を記憶する第3の記憶部とを有し、
前記制御手段は、前記相談支援情報受付部で前記相談支援情報の更新依頼が受け付けられた場合に、前記現在または前記過去の症状と、前記現在または前記過去の症状に対応する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果とが関連付けられた更新カルテ情報を前記第3の記憶部から抽出して前記飼主の端末装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項2に記載のペット診療相談支援システム。
【請求項4】
前記ネットワークを介して前記相談支援サーバに接続された病院端末を有し、
前記制御手段は、相談支援情報更新受付部で前記相談支援情報の更新が受け付けられた場合に、前記病院端末に対して前記更新後の相談支援情報に基づいて助言者コメントを促すための通知を行い、助言者コメントの有無を判定し助言者コメントがある場合には、前記飼主の端末装置の表示部に前記助言者コメントを表示させる、
ことを特徴とする請求項1に記載のペット診療相談支援システム。
【請求項5】
前記相談支援情報は、前記相談対象ペットのワクチン接種に関するワクチン接種情報を含み、
前記制御手段は、前記ワクチン接種情報と前記ワクチン接種情報が提供された機関の情報を互いに関連付けて記憶部17に記憶し、
前記制御手段は、前記相談支援情報の更新依頼の受け付けが確認されると、前記相談対象ペットについて前記第1の記憶部に記憶されている前記ワクチン接種情報に基づいてワクチン接種証明書が発行されているか否かを判定し、ワクチン接種証明書が発行されていると判定された場合にワクチン接種証明書の写しを前記飼主の端末装置の表示部へ表示させ、ワクチン接種証明書が発行されていないと判定された場合にワクチン接種証明書の発行をワクチン接種を実施した病院の病院端末に促し、ワクチン接種証明書の発行が確認された場合に前記ワクチン接種情報を更新し、ワクチン接種情報の写しを前記飼主の端末装置の表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のペット診療相談支援システム。
【請求項6】
ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムにおけるペット診療相談支援方法であって、
前記相談支援サーバを構成する相談支援情報更新受付部が、少なくとも前記相談対象ペットに関する飼主情報、前記相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と、前記相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報および前記相談対象ペットの症状の経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付けるステップと、
前記相談支援サーバを構成する第1の記憶部が前記相談依頼情報と前記相談支援情報を関連付けて記憶するステップと、
前記相談支援サーバを構成する制御手段が、前記相談支援情報更新受付部前記相談依頼情報に関連付けられた前記相談支援情報の更新依頼を受けると更新前の前記相談支援情報を前記飼主の端末装置に表示させ、前記相談支援情報の更新入力を促し、前記相談支援情報の内の経過情報の種別を含む更新項目に対応する更新情報が前記飼主の端末装置を介して入力された場合に当該入力後の更新情報を含む相談支援情報を前記第1の記憶部に記憶させるとともに、前記相談支援情報が更新された更新後の相談支援情報を前記第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも前記飼主の端末装置の表示部に表示させるステップを有する、
ことを特徴とするペット診療相談支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムにおける処理を実行させるプログラムであって、
前記相談支援サーバを構成する相談支援情報更新受付部が、少なくとも前記相談対象ペットに関する飼主情報、前記相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と、前記相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報および前記相談対象ペットの症状の経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付けるステップと、
前記相談支援サーバを構成する第1の記憶部が前記相談依頼情報と前記相談支援情報を関連付けて記憶するステップと、
前記相談支援サーバを構成する制御手段が、前記相談支援情報更新受付部前記相談依頼情報に関連付けられた前記相談支援情報の更新依頼を受けると更新前の前記相談支援情報を前記飼主の端末装置に表示させ、前記相談支援情報の更新入力を促し、前記相談支援情報の内の経過情報の種別を含む更新項目に対応する更新情報が前記飼主の端末装置を介して入力された場合に当該入力後の更新情報を含む相談支援情報を前記第1の記憶部に記憶させるとともに、前記相談支援情報が更新された更新後の相談支援情報を前記第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも前記飼主の端末装置の表示部に表示させるステップと、
を含む処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
治療相談対象(人、ペット)に対して相談を実施する側である病院において、コンピュータを用いた様々な診療支援が行われている。例えば、治療相談対象がペットである場合を例とすると、施術内容、所見といったコメントを獣医師が入力する機能をもち、当該コメントをペットのカルテ情報と併せて表示する診療支援装置が以下の特許文献1に記載されている。
【0003】
医療分野においては、動物医療分野を例にすると以下の特許文献2に、獣医師の専門分野によってペットの飼主が獣医師を検索して選択し、動物の類や年齢、性別、体重、病歴、動画等の情報を送信することで、遠隔相談を行うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-24406号公報
【文献】特開2006-215967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、相談者が相談する際に相談対象(相談者が人である場合には相談者と同一であり、相談者が相談対象の付き添いである場合には付き添われた人もしくはペットである)の過去の経過情報、例えば相談する前の症状等が正確に把握できれば相談を円滑に行うことができ、ひいては診療時間の短縮を図ることができる。しかしながら、上記した従来技術では、病院等の相談実施者は治療相談対象の過去の経過情報を相談時に口頭でしか把握することができず、しかも口頭がゆえにその経過情報も正確でない場合もある。そのような状況下においては円滑な相談を図ることはできない。
【0006】
そこで本発明の課題は、円滑な相談を図ることができるペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本実施の形態に係るペット診療相談支援システムの一側面は、ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムであって、相談支援サーバは、少なくとも相談対象ペットに関する飼主情報、相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と、相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報および相談対象ペットの経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付ける相談支援情報更新受付部と、相談依頼情報と相談支援情報を関連付けて記憶する第1の記憶部と、相談情報更新受付部で前記相談情報の更新依頼を受けると相談支援情報更新画面を飼主の端末装置に表示させ、相談情報の更新入力を促す制御手段とを有し、制御手段は、相談支援情報の内の所定の更新項目に対応する更新情報が飼主の端末装置から入力された場合に当該入力後の更新情報が上書きされた相談支援情報を第1の記憶部に記憶させ、当該更新後の相談支援情報の表示依頼を受けた場合に、更新後の相談支援情報を第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも前記飼主の端末装置の表示部に表示させることを特徴とする。
【0008】
また、本本実施の形態に係るペット診療相談支援システムの他の側面は、制御手段が、相談支援情報の更新入力の前後に飼主の端末装置に更新後の相談支援情報の登録済および追加登録予定の複数の病院への開示/非開示の選択を促し、選択された病院の病院端末の表示部にのみ前記更新後の相談支援情報を表示させ、その開示/非開示情報を第2の記憶部に記憶させ、開示/非開示の選択のたびに開示/非開示情報を更新することを特徴とする。
【0009】
また、本実施の形態に係るペット診療相談支援システムの他の側面は、相談対象ペットの更新後の経過情報と、更新後の経過情報に基づく治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果とを関連付けて更新カルテ情報を生成する相談支援情報生成部と、相談支援情報生成部で生成された更新カルテ情報を記憶する第3の記憶部とを有し、制御手段は、相談支援情報受付部で相談支援情報の更新依頼が受け付けられた場合に、更新カルテ情報を第3の記憶部から抽出して飼主の端末装置の表示部に表示させることを特徴とする。
【0010】
また、本実施の形態に係るペット診療相談支援システムの他の側面は、制御手段が、相談支援情報更新受付部で相談支援情報が受け付けられた場合に、病院端末に対して更新後の相談支援情報に基づいて助言者コメントをするか否かを促し、助言者コメントの情報が確認された場合に、飼主の端末装置の表示部に助言者コメントを表示させることを特徴とする。
【0011】
また、本実施の形態に係るペット診療相談支援システムの他の側面は、相談支援情報は、相談対象ペットのワクチン接種情報を含み、制御手段は、相談支援情報の更新依頼の受け付けが確認されると、相談対象ペットについてワクチン接種証明書が発行されているか否かを判定し、ワクチン接種証明書が発行されていると判定された場合にワクチン接種証明書の写しを飼主の端末装置の表示部へ表示させ、ワクチン接種証明書が発行されていないと判定された場合にワクチン接種証明書の発行をワクチン接種を実施した病院の病院端末に促し、ワクチン接種証明書の発行が確認された場合にワクチン接種情報を更新し、ワクチン接種情報の写しを飼主の端末装置の表示部に表示させることを特徴とする。
【0012】
また、本実施の形態に係るペット診療相談支援方法の一側面は、ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムにおけるペット診療相談支援方法であって、相談支援サーバを構成する相談支援情報更新受付部が、少なくとも相談対象ペットに関する飼主情報、前記相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と、相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報および相談対象ペットの症状の経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付けるステップと、相談支援サーバを構成する第1の記憶部が相談依頼情報と相談支援情報を関連付けて記憶するステップと、相談支援サーバを構成する制御手段が、相談情報更新受付部で相談情報の更新依頼を受けると相談支援情報更新画面を飼主の端末装置に表示させ、相談情報の更新入力を促し、相談支援情報の内の所定の更新項目に対応する更新情報が飼主の端末装置から入力された場合に当該入力後の更新情報が上書きされた相談支援情報を第1の記憶部に記憶させ、当該更新後の相談支援情報の表示依頼を受けた場合に、更新後の相談支援情報を第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも飼主の端末装置の表示部に表示させるステップを有することを特徴とする。
【0013】
また、本実施の形態に係るプログラムの一側面は、コンピュータに、ネットワークを介して相談支援サーバに接続された飼主の端末装置からの相談対象ペットに対しての相談を支援するためのペット診療相談支援システムにおけるペット診療相談支援方法であって、相談支援サーバを構成する相談支援情報更新受付部が、少なくとも相談対象ペットに関する飼主情報、前記相談対象ペットに関するペット情報および相談を受ける病院情報を含む相談依頼情報と、相談対象ペットの診療情報であるカルテ情報および相談対象ペットの症状の経過情報とが関連付けされた相談支援情報の更新依頼を受け付けるステップと、相談支援サーバを構成する第1の記憶部が相談依頼情報と相談支援情報を関連付けて記憶するステップと、相談支援サーバを構成する制御手段が、相談情報更新受付部で相談情報の更新依頼を受けると相談支援情報更新画面を飼主の端末装置に表示させ、相談情報の更新入力を促し、相談支援情報の内の所定の更新項目に対応する更新情報が飼主の端末装置から入力された場合に当該入力後の更新情報が上書きされた相談支援情報を第1の記憶部に記憶させ、当該更新後の相談支援情報の表示依頼を受けた場合に、更新後の相談支援情報を第1の記憶部から抽出して当該更新後の相談支援情報の画面を少なくとも飼主の端末装置の表示部に表示させるステップとを含む処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、円滑な相談を図ることができるペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態におけるペット診療相談支援システムの全体構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態における飼主端末の構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態における病院端末の構成を示す図である。
図4】本発明の実施形態における相談支援サーバの構成を示す図である。
図5】本発明の実施形態における相談支援サーバを構成する制御手段の構成を示す図である。
図6】本発明の実施形態における更新経過情報の例を示す図である。
図7】本発明の実施形態において第1の例に係るペット相談支援システムにおける処理の概略を示したフローチャートである。
図8】本発明の実施形態において第2の例に係るペット相談支援システムにおける処理の概略を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を用いて、本発明に係る診療相談支援システムの一実施の形態について説明する。なお、以下に示す実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の実施形態に限定するものではなく、様々な構成を採用することもできる。
【0017】
例えば、本実施形態では(ペット)診療相談支援システムの構成、動作等について説明するが、同様の構成の方法、コンピュータプログラム等も、同様の作用効果を奏することができる。また、プログラムは、記録媒体に記憶させてもよい。この記録媒体を用いれば、例えばコンピュータにプログラムをインストールすることができる。ここで、プログラムを記憶した記録媒体は、例えばCD-ROM等の非一過性の記録媒体であっても良い。また、本実施の形態では、治療相談対象がペットである場合を例として説明するが、治療相談対象が人であっても治療相談対象がペットである場合と同様の効果が得られる。
【0018】
本実施の形態において、ペットとは、飼主により飼育される動物等、相談の対象となる動物を指し、飼育の形態や動物の種類は問わない。例えば屋外で放し飼いしている動物や、一般的に愛玩用の動物として認識されない動物であっても、本発明のペットに該当する。また、野生の動物の健康や検査等についての相談をする場合も想定され、このような場合には相談主が本発明の飼主に該当し、当該野生の動物がペットに該当する。
【0019】
また、本発明における相談は、ペットに関するあらゆる相談や診察、診療を含む。例えば本実施形態では、ペットのしつけ等に関する相談や、健康状態の簡易的な確認、対面で診察を受けたことのある症状についての経過相談及び、処方、投薬等を想定する。また、法律やその他の規定において許容される場合には、初診を含む遠隔診療において本発明が用いられてもよい。
【0020】
また本発明において助言者とは、ペットに関する相談を受ける相談相手のことを指す。本実施形態では、動物病院の獣医師を想定するが、これに限られず、例えば個人の有資格者あるいは無資格者であってもよい。具体的には、ペットシッターやトリマー、訓練士、ペットマッサージ師等が想定される。
【0021】
[ペット診療相談支援システムの構成]
図1は、本実施形態に係るペット診療相談支援システムの全体構成を示す図である。図2は、本実施形態における飼主端末の構成を示す図である。図3は、本実施形態における病院端末の構成を示す図である。図4は、本実施形態における相談支援サーバの構成を示す図である。図5は、本実施形態における相談支援サーバを構成する制御手段の構成を示す図である。図6は本実施形態における更新経過情報の例を示す図である。図7は、本実施形態において第1の例に係るペット相談支援システムにおける処理の概略を示したフローチャートである。図8は、本実施形態において第2の例に係るペット相談支援システムにおける処理の概略を示したフローチャートである。
【0022】
ペット診療相談支援システム1は、少なくとも相談支援サーバ10および飼主端末20を有して構成されている。相談支援サーバ10は、飼主端末20にネットワーク40を介して通信可能に構成されている。なお、相談支援サーバ10は、後述するペット情報等を記憶する記憶部17を有しているが、ペット情報等を記憶する外部のデータベース(図示せず)と有線又は無線で接続されるようにしてもよい。なお、ペット診療相談支援システム1は、相談支援サーバ10、飼主端末20および病院端末30-1~30-nを備えて構成するようにしてもよい。
【0023】
相談支援サーバ10は、例えばサーバコンピュータであり、CPU(CentralProcessingUnit)やGPU(GraphicsProcessingUnit)等の演算装置、RAM(RandomAccessMemory)等の主記憶装置、HDD(HardDiskDrive)やSSD(SolidStateDrive)、フラッシュメモリ等の補助記憶装置、ネットワーク40への接続手段を含む種々の入出力装置等を備えて構成されている。
【0024】
相談支援サーバ10は、相談依頼/相談支援情報更新受付部11と、通信部12と、相談支援情報生成部13と、制御手段14と、表示部15と、権限付与部16、記憶部17とを備える。相談依頼/相談支援情報更新受付部11、相談支援情報生成部13、制御手段14、表示部15、権限付与部16、記憶部17はシステムバス(図示せず)を介して電気的に接続されている。
【0025】
相談依頼/相談支援情報更新受付部11は、飼主端末20を介して、相談者であるペットの飼主の氏名、住所、連絡先を含む飼主情報と、ペットの名前、性別、生年月日の他、犬や猫等の動物の種類、犬種等の更に細かい詳細種類を含むペット情報と、ペットの現在の症状に関する相談情報とを有する相談依頼情報170と、更新カルテ情報172および更新経過情報173を含む相談支援情報171とを受け付け(取得)する。後述する記憶制御部143は、相談依頼情報170を記憶部17に記憶するとともに更新カルテ情報172および更新経過情報173を関連付けて相談支援情報171として記憶部17に記憶させる。
【0026】
更新カルテ情報172は直近で診療した際の診療情報からそれ以前のすべての診療情報を含むカルテ情報である。更新経過情報173は、ペットの体温、体重、各種検査結果(尿検査、血液検査、レントゲン(X線)検査等による検査結果、ワクチン接種情報、後述するウェラブルデバイス等を含めた各種測定装置から取得される日常健康ログ情報(ペットの位置情報、日常行動データ(心拍数、体温、活動量(消費エネルギー量、消費カロリー等)、睡眠量、排尿時刻、食事時刻等))や飼主等の入力により取得された日常ログ情報を含む。すなわち、更新経過情報173は、日々の症状を含めた過去から現在までの経過情報である。
【0027】
これら情報(ワクチン接種情報を除く)は、ペットの体に直接埋め込んだり、アクセサリーに装着したりできるウェラブルデバイス(GPS、RFID、高性能センサーなどを搭載したデバイス)から収集して飼主端末20に送信される情報が制御手段14を構成する記憶制御部143によって記憶部17に記憶される。例えば、首輪型ペット見守りデバイスは、取得した振動データに基づいてペットの行動を推測(例えばAIによる判定)し、その動作の情報に基づいてペットの日常生活を監視するという機能を有しているが、当該技術は公知であるので詳細な説明は省略する。
【0028】
上記したウェラブルデバイスを用いて自動的に飼主端末20に送信された情報が記憶部17に記憶される以外にも、飼主が測定デバイス(ウェラブルデバイス等)を用いて取得したデータを飼主端末20の入力部24を介して手動で入力された情報が記憶部17に記憶されるようにしてもよい。なお、更新経過情報173は、更新後の最新の経過情報としての最新経過情報と、更新前の過去の経過情報としての過去経過情報の両方を含む。また、ワクチン接種情報は更新経過情報173に含ませてもよいし、後述するように更新経過情報173に含ませずに独立した情報として扱ってもよいし、更新カルテ情報に含ませてもよい。
【0029】
記憶部17には、相談依頼情報、更新カルテ情報および更新経過情報以外にも例えばワクチン接種証明提出先行政機関やワクチン接種証明提出が必要な宿泊施設等のワクチン接種関連情報が記憶されている。なお、繰り返しとなるが、ワクチン接種関連情報は更新カルテ情報または更新経過情報に含ませるようにしてもよい。また、記憶部17は請求項に記載の第1の記憶部、第2の記憶部、第3の記憶部に相当する。
【0030】
なお、以下の説明では、用語を区別する必要がない場合には、説明の便宜上飼主情報、ペット情報および相談情報をまとめて相談依頼情報と呼ぶことがあり、更新カルテ情報および更新経過情報をまとめて相談支援情報と呼ぶことがある。
【0031】
制御手段14を構成する編集部142は、少なくとも飼主からの更新経過情報を受けて当該更新経過情報に基づくペットの現在の健康状態(最新の症状)に関する最新情報を更新カルテ情報に反映(上書き)させる。その反映された更新カルテ情報は記憶制御部143によって更新経過情報に関連付けて記憶部17に記憶される。例えば、相談依頼/相談支援情報更新受付部11を介して飼主からの更新経過情報を受けて当該更新経過情報に基づくペットの現在の健康状態に対する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果の情報に変更がある場合には、その都度その変更情報と最新の症状とを関連付けて記憶部17に記憶され更新される。
【0032】
なお、診療時において提示されたペットの種別ごとの種々の症状に対する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果の情報は、診療が終了するごとに病院端末30-n(nは1以上の整数)を介して入力され、その情報は記憶部17に記憶され更新される。
【0033】
また、飼主からの更新経過情報を受けて当該更新経過情報に基づくペットの現在の健康状態(最新の症状)に対する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果の情報も変更がある場合には、その都度その変更された治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果の情報と最新の経過情報(最新の症状等の情報)とを関連付けて記憶部17に記憶され更新される。
【0034】
ここで、更新カルテ情報172を構成する、飼主、ペット、そのペットの現在または過去の症状、治療方法および処方、ワクチン接種情報ならびに、当該治療方法および当該処方による効果を含む情報は、相談支援情報生成部13によって識別情報(ID情報)を付与して生成され、さらに更新カルテ情報172の開示が許可された病院やワクチン接種情報(ワクチン接種証明が必要である旨の情報を含む)が提供等された行政機関、宿泊施設、交通機関等の情報も相談支援情報生成部13によって識別情報(ID情報)を付与して生成される。なお、それらの識別情報は記憶制御部143によって互いに関連付けされて記憶部17に記憶される。
【0035】
また、現在の症状を含む最新の経過情報、最新のワクチン接種情報、現在の症状に対する最新の治療方法および処方、当該治療方法および当該処方による効果に更新された場合にはその更新された情報にも相談支援情報生成部13によって識別情報(ID情報)を付与して生成される。なお、それらの識別情報は記憶制御部143によって互いに関連付けされて記憶部17に記憶される。
【0036】
制御手段14は、図5に示すように表示制御部141、編集部142および記憶制御部143とを有して構成されている。編集部142は、現在の相談支援情報を編集(更新)する機能を有する。例えば、飼主が病院や電話等で相談した際に取得した相談内容を現在の相談支援情報に追加できる機能である。この機能によりリアルタイムでペット健康情報を漏れなくカルテ情報に盛り込むことができる。編集後の相談支援情報は更新カルテ情報として記憶制御部143に送信される。記憶制御部143は、記憶部17への各種情報の記憶、および記憶部17内の各種情報の読み出しを制御するとともに、相談依頼情報170と相談支援情報171(編集後の更新カルテ情報や更新経過情報)とを関連付け、相談支援情報171を構成するて記憶部17に記憶させる。
【0037】
記憶制御部143は、相談依頼/相談支援情報更新受付部11からの依頼に対応した相談依頼情報170および相談支援情報171を記憶部17から読み出し、読み出した相談依頼情報170および相談支援情報171を表示制御部141に出力する。この配信要求は、後述する飼主端末20から入力部24に相談依頼情報170および相談支援情報171が入力されたタイミングで相談支援サーバ10を構成する記憶制御部143に送信される。
【0038】
表示制御部141は、相談依頼情報170および相談支援情報171に基づいて相談支援情報画像(更新カルテ画像および更新経過画像(図6参照))を生成し、生成された相談支援情報画像を通信部12を介して飼主端末20に出力する。更新経過画像の内、更新経過情報の選択画面を図6に示す。更新経過情報は、例えば、体温(符号A)、体重(符号B)、検査結果(符号C)、症状(符号D)、ワクチン接種情報(符号E)、日常ログ情報(符号F)、その他の情報(符号Z)が画面内に選択ボタンとして表示されている。この相談支援情報画像において、更新カルテ画像はペットのカルテ情報(健康状態に関する情報)を健康チェック項目別に時系列で表示された画像であり、更新経過画像は更新経過情報を時系列で表示された画像である。なお、表示制御部141は、飼主端末20において相談支援情報画像をウェブブラウザ上で閲覧することを可能にするためにウェブ配信用の画面データの形式で出力する。ウェブ配信用の画面データの形式については公知であるのでここではその説明は省略する。
【0039】
表示制御部141は、飼主端末20の表示部22に表示された相談支援情報171の中の例えば現在の経過情報が飼主端末20の入力部24を介して選択された場合に、上述の現在の経過情報が反映された現在のカルテ情報を飼主端末20の表示部22に表示させる。また、表示制御部141は、飼主が実際に病院に相談に行った際に表示部22に表示された相談支援情報171の中の例えば現在までの経過情報が飼主端末20の入力部24を介して選択された場合に、上述の現在の経過情報および現在のカルテ情報を相談先の病院の病院端末30-nのそれぞれの表示部32-nに表示させる。これにより、飼主は病院の担当医への説明を容易に行えるようになり、病院の担当医も適切な対応を行うことができる。なお、ここでは、現在の経過情報および現在のカルテ情報を別々の表示画面としているが、現在のカルテ情報の中に現在の経過情報を反映させた表示画面であってもよい。
【0040】
なお、飼主が病院に行った際その病院の病院端末30-n側から、現在までの(最新の)経過情報もしくは当該最新の経過情報を反映させた現在のカルテ情報の閲覧申請がされた場合に、飼主は権限付与部16を介して病院側に対してそれらの情報の閲覧許可/拒否を行うことができる。
【0041】
以下に、飼主端末20の構成について説明する。飼主端末20は、飼主の端末であり、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワーク40への接続手段や、ディスプレイ、入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置や携帯端末を利用することができる。本実施形態では、スマートフォンやタブレット端末等を利用する場合を想定するが、この他にも例えばPC(PersonalComputer)等のような任意のコンピュータ装置を利用することができる。なお、飼主端末は飼主の所有する端末であり、飼主が一人の場合には端末は1台であり、以下の説明では、単一の飼主端末を例として説明する。また、飼主端末は、例えば飼主が家族全員であるような場合には、家族を構成する世帯主、配偶者、子どもが所有する複数の端末のそれぞれをいい、この場合、複数の端末すべてに同様の機能を持たせるようにしてもよいし、特定の端末のみ例えば閲覧のみ可能というような機能制限を持たせるようにしてもよい。。
【0042】
飼主端末20は、表示部22と、制御部23と、入力部24と、記憶部25と、通信部26とを有して構成されている。表示部22、制御部23、入力部24、記憶部25および通信部26はシステムバス27を介して電気的に接続されている。入力部24に相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方が飼主によって入力されると、制御部23は相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方を通信部26を介して相談支援サーバ10の通信部12に送信する。当該相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方は通信部12を介して相談依頼/相談支援情報更新受付部11に入力される。相談支援サーバ10において、飼い主から入力された更新情報に基づいて相談支援情報生成部13により最新の相談支援情報171が生成され、生成された最新の相談支援情報171に基づく相談支援画像(更新された最新のカルテ情報画像および更新された最新の経過情報画像:図示せず)が制御手段14の表示制御部141の表示制御機能により、飼主端末20の通信部26を介して制御部23に送信され、最新の相談支援画像(最新のカルテ情報画像および最新の経過情報画像:図示せず)を表示部22に表示させる。なお、制御部23の表示制御機能により通信部12,26を介して受信した最新の相談支援画像を表示部22に表示させるようにしてもよい。すなわち、表示制御機能は制御手段14の表示制御部141、飼主端末20の制御部23のいずれにも持たせ、実際の表示制御はどちらでやってもよい。
【0043】
以下に、病院端末30(30-1~30-n)の構成について説明する。病院端末30は、病院の端末であり、演算装置、主記憶装置、補助記憶装置、ネットワーク40への接続手段や、ディスプレイ、入出力装置等を備えた、一般的なコンピュータ装置や携帯端末を利用することができる。本実施形態では、PC等のような任意のコンピュータ装置等を利用する場合を想定するが、この他にも例えばスマートフォンやタブレット端末等を利用することができる。
【0044】
病院端末30(30-1~30-n)は、表示部32(32-1~32-n)と、制御部33(33-1~33-n)と、入力部34(34-1~34-n)と、記憶部35(35-1~35-n)と、通信部36(36-1~36-n)とを有して構成されている。表示部32、制御部33、入力部34、記憶部35および通信部36はシステムバス37を介して電気的に接続されている。飼主端末20の入力部24に相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方が飼主によって入力されると、制御部23は相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方を通信部26を介して相談支援サーバ10の通信部12に送信する。当該相談依頼情報および相談支援情報の少なくとも一方は通信部12を介して相談依頼/相談支援情報更新受付部11に入力され、飼い主から入力された更新情報に基づいて相談支援情報生成部13により最新の相談支援情報171が生成され、生成された最新の相談支援情報171に基づく相談支援画像(更新された最新のカルテ情報画像および更新された最新の経過情報画像:図示せず)が制御手段14の権限付与部16で権限付与されることを条件として表示制御部141の表示制御機能により、病院端末30を構成する通信部36を介して制御部33に送信され、最新の相談支援画像(最新のカルテ情報画像および最新の経過情報画像:図示せず)を表示部32に表示させる。なお、制御部33の表示制御機能により通信部12,36を介して受信した最新の相談支援画像を表示部32に表示させるようにしてもよい。すなわち、表示制御機能は制御手段14の表示制御部141、病院端末30の制御部33のいずれにも持たせ、実際の表示制御はどちらでやってもよい。
【0045】
[ペット診療相談支援システム1における処理の第1の例]
以下に、図7を参照して、ペット診療相談支援システム1における処理の第1の例の概要を説明する。図7はペット診療相談支援システム1における処理の第1の例の概要を示したフローチャートである。
【0046】
ステップS101において、相談依頼/相談支援情報更新受付部11が飼主からの相談支援情報の更新依頼を受け付ける。ステップS102において、制御手段14が通信部12を介して過去(更新前)の更新カルテ情報(以下、「更新前カルテ情報」と呼ぶ)および過去(更新前)の更新経過情報(以下、「更新前経過情報」と呼ぶ。)を含む更新前相談支援情報画像を飼主端末20に送信して表示部22に更新前カルテ画像および更新前経過情報画像を表示させる。なお、以下では更新後の最新のカルテ情報は「最新カルテ情報」と呼び、更新後の最新の経過情報は「最新経過情報」と呼ぶ。また、更新前の相談支援情報がなく新規の場合には、制御手段14が、新規登録用の相談支援情報を入力(作成)するよう促し、その後に新規相談支援情報の入力がされた場合には新規相談支援情報画像を飼主端末20に送信して表示部22に表示させる。
【0047】
ステップS103において、制御手段14は相談支援情報の種別の選択を促す。ここで、種別とは例えばカルテ情報、経過情報の種別をいう。ステップS104において、制御手段14は相談支援情報の種別が選択されたか否かを判定し、相談支援情報の種別が選択されたと判定された場合にはステップS105で、制御手段14は選択された種別に対応する相談支援情報の入力を促す。一方、ステップS104において相談支援情報の種別が選択されなかったと判定された場合にはステップS103に戻る。ここで、種別が経過情報の種別であった場合、さらに経過情報を構成する細分類項目(図6参照)の選択を促す。この細分類項目は、例えば、図6に示すように、体温、体重、検査結果、症状、ワクチン接種情報、日常ログ情報、その他の情報等である。
【0048】
その後ステップS106において、制御手段14は選択された種別に対応する相談支援情報の入力の有無を確認する。ステップS107において、選択された種別に対応する相談支援情報の入力の有無が確認された場合には、制御手段14は選択された種別に対応する入力後の相談支援情報を更新する。なお、更新された相談支援情報は以下では更新相談支援情報と呼ぶ。その後、ステップS108において、制御手段14は更新後の相談支援情報画面を飼主端末20の表示部22に表示させ、ステップS109において、更新後の相談支援情報の病院端末への開示の許可/不許可の選択を促す。病院端末への開示許可が選択された場合、ステップS110において、制御手段14は、飼主が現在または過去に利用している又は利用希望の病院(利用病院等)が複数あるか否かを確認する。一方、病院端末への開示が許可されない場合、本処理は終了する。
【0049】
利用病院等が複数あると確認された場合に、ステップS111において制御手段14は複数の病院すべてに対して開示させるか否かを判定する。一方、利用病院等が複数ないと確認された場合には、ステップS112において、制御手段14は確認された利用病院等にのみ更新後の相談支援情報を開示させる。ここで、開示させる方法とは、更新後の相談支援情報を利用病院等の病院端末30-nの記憶部35-nに記憶させてその記憶された更新後の相談支援情報を病院端末30-nの表示部32-nに表示させるか、相談支援サーバ10の記憶部17に記憶されている更新後の相談支援情報のダウンロード許可通知を利用病院等の病院端末30-nに送り、表示部32-nに更新後の相談支援情報を表示させて閲覧できるようにする。以下に説明する情報表示の処理はすべて上記と同様の方法で行われる。
【0050】
複数の病院すべてに対して開示させる選択がされた場合には、ステップS113において、制御手段14はすべての病院端末の記憶部35-nに更新後の相談支援情報を送信させる(記憶させる)。複数の病院すべてに対して開示させる選択がされない場合には、ステップS114において、制御手段14は開示許可した病院の病院端末の記憶部35-nにのみ更新後の相談支援情報を送信させる(記憶させる)。なお、制御手段14は、開示/非開示情報(開示/非開示の病院情報)を記憶部17(請求項の第2の記憶部に対応)に記憶させ、開示/非開示の選択のたびに前記開示/非開示情報を更新する。
【0051】
なお、相談支援情報生成部13は、更新後の相談支援情報を構成する更新後の経過情報に基づいて、相談対象ペットの現在の症状、当該症状に対する治療方法および処方、ならびに、当該治療方法および当該処方による効果を関連付けて相談支援情報を生成する。ここで例えば相談を受ける側(獣医師等の助言者)が更新後の最新の相談支援情報に基づいてコメント情報(助言、アドバイス)を相談支援サーバ10にアップロードして飼主端末20側でコメント情報をダウンロードして閲覧可能状態にするようにしてもよい。具体的には、最新の相談支援情報に更新された場合には、病院端末30-nに対して最新の相談支援情報に基づいたコメントを入力するよう促す。助言者コメントの入力があると判定された場合には、制御手段14によってその助言者コメントが相談支援サーバ10を介して飼主端末20に送信される。なお、助言者コメントを促す方法は、病院端末30-nの表示部32-nにポップアップさせて通知する方法でもよいし、助言者のメールアドレス宛にメールで通知するようにしてもよい。
【0052】
制御手段14は、病院端末30-nからの助言者コメント情報(コメントのアップロード情報)を監視し、助言者コメントが確認されたか否か(助言者コメントの有無)判定し、助言者からの助言コメントがある場合には、制御手段14はその助言者コメントを飼主端末20の表示部22に表示させる。
【0053】
記憶制御部143は、相談支援情報生成部13で生成された相談支援情報を記憶部17に記憶させる。これによって飼主および閲覧権限を付与された病院等の関係者(助言者)は後からいつでもこれら情報を読み出して表示させることができる。なお、請求項に記載の第3の記憶部は記憶部17に対応する。相談依頼/相談支援情報更新受付部11で相談支援情報の更新依頼が受け付けられた場合に、制御手段14は、その更新内容に関連する相談支援情報を記憶部17から抽出して飼主端末20の表示部22に表示させる。
【0054】
[効果]
したがって、本実施の形態に係るペット診療相談支援システムによれば、飼主は、病院に相談したいときに、ペットの現在の症状について最新の経過情報等を端末に即時に表示させることができ、相談を受ける病院側でも同様の情報が閲覧できるので、緊急の場合には即時対応ができ、相談する際にも最新の経過情報に基づいて相談を円滑に実施することができる。また、飼主の更新された最新の相談支援情報を受けて助言者からのコメントがある場合に飼主はそのコメントを参照して相談する内容を一歩進んだ状態で吟味でき助言者との相談をさらに円滑に行うことが可能となる。これは、助言者との相談の円滑な実施によって最終的に相談時間の短縮を図ることができ、より多くの飼主との相談や診療を実施することが可能となる。
【0055】
<変形例1>
ステップS111における、複数の病院すべてに対して更新後の相談支援情報等を開示させるか否かの確認については以下のようにあらかじめ開示優先順位付けをしておくようにしてもよい。例えば、あらかじめ複数の病院に対して、かかりつけ病院を優先度大(優先順位:第1番目)、セカンドオピニオンを優先度中(優先順位:第2番目)、サードオピニオンを優先度小(優先順位:第3番目)、フォースオピニオンを優先度なしというような優先順位付けをしてもよい。
このように優先順位をあらかじめ記憶部17に登録(記憶)させておき、更新後の相談支援情報を送信する際、記憶部17に登録された優先順位情報に基づいて制御手段14が優先順位の高い病院の病院端末のみに更新後の相談支援情報を送信させる。具体的には、メインのかかりつけの病院の優先度を第1番目、セカンドオピニオンとすべき病院を第2番目、サードオピニオンとすべき病院を第3番目とするようあらかじめ順位付けをしておき、例えば優先順位が3番より上の順位の病院にのみ開示させるようにする。また、この優先順位の情報は制御手段14により随時変更できるものとする。
【0056】
[ペット診療相談支援システム1における処理の第2の例]
以下に、図8を参照して、ペット診療相談支援システム1における処理の第2の例の概要を説明する。図8はペット診療相談支援システム1における処理の第2の例の概要を示したフローチャートである。ここで、ペットが例えば犬である場合、飼主には、狂犬病予防注射を済ませた犬に市等が交付する「狂犬病予防注射済票」を着用する義務がある。動物病院で注射を済ませた飼主は、獣医師が発行する注射済証を市役所等に持参の上、ワクチン接種証明書としての「狂犬病予防注射済票」の交付申請をする必要がある。
【0057】
また、宿泊施設や交通機関等で上述のような「狂犬病予防注射済票」が必要な場合があり、その場合にも市役所等の行政機関でワクチン接種済の登録申請をする必要がある。申請の際には注射を実施した動物病院等で注射に関する情報を記載した文書を提示等する必要があるが申請するには動物病院等に行って注射してもらい市役所等に申請の際に情報提示する必要があるため例えば申請の際に動物病院等で発行された注射済を確認できる文書を忘れてしまった場合にはその場で「狂犬病予防注射済票」発行の手続きができない。しかし、本第2の例に係るペット診療相談支援システムによれば、上記課題を解決できる。以下に本第2の例に係るペット診療相談支援システムの処理について説明する。
【0058】
ステップS201において、相談依頼/相談支援情報更新受付部11が飼主端末20からの相談支援情報の更新依頼を受け付ける。ステップS202において、制御手段14が通信部12を介して更新前カルテ情報(過去のカルテ情報)および更新前経過情報(過去の経過情報)を含む更新前相談支援情報画像を飼主端末20に送信して表示部22に更新前カルテ画像および更新前相談支援情報画像を表示させる。ステップS203において、制御手段14は、相談支援情報の種別の選択を促す。ステップS204において、制御手段14は、選択された種別がワクチン接種情報であるか否かを判定し、選択された種別がワクチン接種情報である場合には、ステップS205において、制御手段14は、ワクチン接種情報の開示(ex:行政機関(ex市役所、区役所等)、ホテル、交通機関等において必要な開示)の要求の有無を判定する。一方、ステップS204において選択された種別がワクチン接種情報でないと判定された場合には、制御手段14は上述した上記した第1の例におけるステップS103以降の処理を実行する。
【0059】
ステップS205においてワクチン接種情報の開示の要求があると判定された場合には、ステップS206において、ワクチン接種証明書が発行されているか否かを判定する。一方、ステップS205においてワクチン接種情報の開示の要求がないと判定された場合にはステップS203に戻る。ステップS206においてワクチン接種証明書が発行されていると判定された場合には、ステップS207において、制御手段14は、ワクチン接種証明書の写し(ワクチン接種した病院からの認証データ(病院側からID、パスワードが発行され、そのID、パスワードの入力によりダウンロードできるデータを含む)やワクチン接種済を証明できるデータ等)を飼主端末20の表示部22に表示させる。
【0060】
ステップS206においてワクチン接種証明書が発行されていないと判定された場合には、ステップS208においてワクチン接種証明書の写しの発行を病院端末30-nに促す。その後ワクチン接種証明書の発行が確認された場合には、ステップS209において制御手段14は、ワクチン接種情報を更新し、更新後のワクチン接種情報画面を飼主端末20の表示部22に表示させる。
【0061】
[効果]
本第2の例に係るペット診療相談支援システムによれば、対象ペットに関連付けたワクチン接種証明書を電子データで迅速に取得、提示等ができるので、動物病院に行って注射してもらい市役所等に申請の際に情報提示しなければいけない場合に、文書を持参する必要がなく、ワクチン接種証明書の提出を必要とする行政機関、交通機関、宿泊施設等に対するワクチン接種証明書の提示を容易に行うことができる。例えば飼主端末の表示部に表示されたワクチン接種証明書(写し)を印刷もしくは提示して申請する窓口で『狂犬病予防注射済票』発行の手続きをすることができる。したがって、行政機関、交通機関、宿泊施設等に対するワクチン接種証明書の申請を紙媒体を用いずに円滑に行うことができ、最終的に申請手続き時間の短縮を図ることができる。
【0062】
次に、ペット診療相談支援システム1における表示制御処理を説明する。相談依頼/相談支援情報更新受付部11が飼主からの相談支援情報の更新依頼を受け付けた場合に、表示制御部141は、対象ペットの最新の診療支援情報を構成する最新カルテ情報を表示部41の第1表示領域に表示させ、最新経過情報を表示部41の第2表示領域に表示させる。また、表示制御部141は、例えば最新カルテ情報の中のワクチン接種情報が選択されると最新のワクチン接種情報の画面に遷移させ、その他の情報項目が選択されるとその他の項目の詳細画面に遷移させる。上記表示方法は一例であってこれに限定されない。
【0063】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 ペット診療相談支援システム
10 相談支援サーバ
11 相談依頼/相談支援情報更新受付部
12 通信部
13 相談支援情報生成部
14 制御手段
15 表示部
17 記憶部(第1の記憶部、第2の記憶部、第3の記憶部)
18 権限付与部
20 飼主端末
22 表示部
23 制御部
24 入力部
25 記憶部
26 通信部
27 システムバス
30(30-1~30-n) 病院端末
32-n 表示部
33-n 制御部
34-n 入力部
35-n 記憶部
36-n 通信部
37 システムバス
40 ネットワーク
141 表示制御部
142 編集部
143 記憶制御部
170 相談依頼情報
171 相談支援情報
172 更新カルテ情報
173 更新経過情報

【要約】      (修正有)
【課題】円滑な相談を図るペット診療相談支援システム、ペット診療相談支援方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】相談支援サーバと、飼主端末と、病院端末複数とが、ネットワークを介して通信可能なペット診療相談支援システムにおいて、相談支援サーバ10は、相談支援情報の更新依頼を受け付ける相談支援情報更新受付部と、相談依頼情報と相談支援情報とを関連付けて記憶する記憶部17と、相談情報の更新依頼を受けると相談支援情報更新画面を飼主端末に表示させ、相談情報の更新入力を促す制御手段と、を有する。制御手段は、相談支援情報の内の所定の更新項目に対応する更新情報が飼主端末から入力された場合に入力後の更新情報が上書きされた相談支援情報を記憶部に記憶させ、更新後の相談支援情報の表示依頼を受けた場合に、更新後の相談支援情報を記憶部から抽出して更新後の相談支援情報の画面を少なくとも飼主端末の表示部に表示させる。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8