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特許7315985山養参を用いた石鹸組成物、及びそれを含む石鹸
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】山養参を用いた石鹸組成物、及びそれを含む石鹸
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/9789 20170101AFI20230720BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 8/67 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230720BHJP
   A61K 8/92 20060101ALI20230720BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20230720BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/36
A61K8/67
A61K8/73
A61K8/92
A61Q5/02
A61Q19/10
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2021566332
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-13
(86)【国際出願番号】 KR2020006050
(87)【国際公開番号】W WO2020226442
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0052990
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521487270
【氏名又は名称】ユリハン アグリカルチュラル コーポレーション カンパニー ヨンチュ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スク ヒョン
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0136926(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0070415(KR,A)
【文献】特開2009-179643(JP,A)
【文献】特開2014-162738(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1395218(KR,B1)
【文献】韓国登録特許第10-1633184(KR,B1)
【文献】特開2019-034899(JP,A)
【文献】特開2003-081808(JP,A)
【文献】特開2016-145252(JP,A)
【文献】特開2002-104967(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1135796(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0092229(KR,A)
【文献】中国特許出願公開第101596275(CN,A)
【文献】特開2014-133709(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0005926(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-0856790(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
山養参発酵抽出液を主要成分として含む山養参を用いた石鹸組成物であって、
前記山養参発酵抽出液、シアバター、トコフェロール(ビタミンE)、アカマツ葉油、ホホバ種子油、ソープヌードルパーム油、ヒアルロン酸、グルコン酸亜鉛(Zinc Gluconate)、グルコン酸マグネシウム(Magnesium Gluconate)、及び、玉粉を含む山養参を用いた石鹸組成物であって、
前記山養参発酵抽出液20乃至40重量部、シアバター5乃至10重量部、トコフェロール(ビタミンE)3乃至7重量部、アカマツ葉油40乃至80重量部、ホホバ種子油30乃至70重量部、ソープヌードルパーム油500乃至1000重量部、ヒアルロン酸1乃至3重量部、グルコン酸亜鉛2乃至4重量部、グルコン酸マグネシウム1乃至3重量部、及び玉粉5乃至10重量部の重量割合で含まれることを特徴とする山養参を用いた石鹸組成物。
【請求項2】
前記山養参発酵抽出液にドクダミ抽出液またはプーアル茶抽出液がさらに含まれることを特徴とする請求項1に記載の山養参を用いた石鹸組成物。
【請求項3】
前記山養参発酵抽出液100重量部に対して、ドクダミ抽出液は20乃至30重量部の重量割合で含まれ、プーアル茶抽出液は10乃至20重量部の重量割合で含まれることを特徴とする請求項に記載の山養参を用いた石鹸組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、山養参を用いた石鹸組成物、及びそれを含む石鹸に係り、さらに詳しくは、敏感な肌にも安全であり、肌、髪の毛等の人体部位の汚染、体臭等に対する洗浄力に優れ、皮膚角質の除去及び保湿効果に優れた山養参を用いた石鹸組成物、及びそれを含む石鹸に関する。
【背景技術】
【0002】
石鹸(soap)は、日常生活において洗面及び洗顔の際に広く使われる生活必需品の一つである。特に、最近は、皮膚の清潔に役立つとともに、保湿やその他の様々な効果が期待できるように、様々な有効成分を含む化粧石鹸が競って開発され、また発売されている。
【0003】
また、油脂特有の匂いをなくし、商品価値を高めるために、様々な色素及び香料が添加されることもある。広義では、飽和及び不飽和高級脂肪酸、トール油脂肪酸・樹脂酸、ナフテン酸等の金属塩の総称であり、狭義では、主に洗浄に使われる高級脂肪酸の水溶性アルカリ金属塩である。
【0004】
脂肪酸としては、カプロン酸からベヘン酸までを使用し、アルカリは、一般にナトリウムとカリウムであるが、アンモニア・エタノールアミンやグアニジンのような有機塩基もあり、アルカリ金属塩及びこれらの有機塩基のみが任意の割合で水に溶けるので、洗浄用として用いられる。上記以外の金属塩は、殆ど水中でも溶けにくく、金属石鹸として区別される。
【0005】
多く用いられる香は、組み合わせ香であり、天然植物系香を添加した製品も好まれている。特に、ずいぶん前から民間療法として皮膚美容に用いられている自然植物(例えば、人参、キュウリ、杏、アロエ、レモン、ゆず、及びヨモギ等)の抽出物を添加するか、またはこれらの植物の特異臭を組み合わせて表現している製品が開発されている。
【0006】
一方、高麗人参(Panax ginseng)は、ウコギ科(Araliaceae)に属する植物であって、生育環境により、自然状態で自生した人参である山参と、人工的に育てた人参である栽培人参に大別され、山参は、さらに、その種まきの起源により、天然山参と山養参に分けられるが、山養参は、天然山参の種子を山中に種まきして作るもの、天然山参の幼根を山奥で採取して適当な位置の山林中に再移植して作るもの、栽培人参の種子を山林中に種まきして作るもの等に分類することができ、長脳参とも呼ばれる。
【0007】
このような山養参は、人参よりも10倍、紅参よりも4~5倍多いサポニンが入っており、免疫力を高めるのに大きな効能があり、これとともに、血液循環、糖尿病の予防、消化力の増進、ストレス緩和、元気増進等の効能がある。
【0008】
よって、本発明者は、多くの活性化サポニン成分を含む山養参を用いて石鹸を製造することにより、品質及び消費者の嗜好性が向上した石鹸を製造することができることを見出し、本発明を完成した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2017-0136926号公報
【文献】韓国登録特許第10-1135796号公報
【文献】韓国登録特許第10-1395218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、敏感な肌にも安全であり、肌、髪の毛等の人体部位の汚染、体臭等に対する洗浄力に優れ、皮膚角質の除去及び保湿効果に優れた山養参を用いた石鹸組成物、及びそれを含む石鹸を提供することを目的とする。
【0011】
本発明が解決しようとする様々な課題は、上述した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明による山養参を用いた石鹸組成物は、山養参発酵抽出液を主要成分として含む。
【0013】
前記山養参発酵抽出液、シアバター、トコフェロール(ビタミンE)、アカマツ葉油、ホホバ種子油、ソープヌードルパーム油、ヒアルロン酸、グルコン酸亜鉛(Zinc Gluconate)、グルコン酸マグネシウム(Magnesium Gluconate)、及び玉粉を含んでもよい。
【0014】
前記山養参発酵抽出液にドクダミ抽出液またはプーアル茶抽出液がさらに含まれてもよい。
【0015】
前記山養参発酵抽出液20乃至40重量部、シアバター5乃至10重量部、トコフェロール(ビタミンE)3乃至7重量部、アカマツ葉油40乃至80重量部、ホホバ種子油30乃至70重量部、ソープヌードルパーム油500乃至1000重量部、ヒアルロン酸1乃至3重量部、グルコン酸亜鉛2乃至4重量部、グルコン酸マグネシウム1乃至3重量部、及び玉粉5乃至10重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0016】
前記山養参発酵抽出液100重量部に対して、ドクダミ抽出液は20乃至30重量部の重量割合で含まれ、前記プーアル茶抽出液は10乃至20重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0017】
前記山養参発酵抽出液は、山養参の根及び山養参の葉を分離して準備した後、洗浄し、前記山養参の根を水蒸気で加熱して蒸してから、硫黄で薫蒸するが、前記山養参の根を、130乃至140℃の温度及び1乃至3kgf/cmの圧力で、30乃至100分間水蒸気で加熱した後、前記水蒸気で加熱された山養参の根を1乃至3分間硫黄で薫蒸し、前記硫黄で薫蒸された山養参の根を乾燥するが、前記乾燥は、硫黄で薫蒸された山養参の根を、25乃至30℃の温度で1乃至3日間行われ、前記乾燥した山養参の根を0.1乃至1.0cmの長さ単位で切断し、前記切断した山養参の根に乳酸菌を混合した後、熟成させるが、前記熟成は、前記乳酸菌と混合した山養参の根を、20乃至25℃の温度で10乃至30時間の間維持して熟成させ、前記乳酸菌としては、乳酸菌(Lactobacillales)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、及びビフィドバクテリウムロングム(Bifidobacterium longum)からなる群より選ばれたいずれか一つの乳酸菌が用いられ、前記洗浄された山養参の生葉を水蒸気で加熱するが、前記加熱は、前記山養参の生葉を、110乃至120℃の温度及び1乃至3kgf/cmの圧力で10乃至30分間水蒸気で加熱することにより行われ、前記水蒸気で加熱された山養参の生葉を乾燥するが、前記山養参の生葉の乾燥は、温度25乃至30℃で5乃至10時間の間行われ、前記乾燥した山養参の生葉を加熱して煎炒するが、前記煎炒は、乾燥した山養参の生葉を加熱容器に投入した後、90乃至95℃の温度で3乃至5分間1次煎炒を行い、前記1次煎炒を経た山養参の生葉を、130乃至140℃の温度で30乃至60秒間2次煎炒を行うステップにより行われ、前記洗浄された山養参の生葉に枯草菌浸出水を噴霧し、前記山養参の生葉を発酵させ、前記熟成された山養参の根と前記発酵された山養参の生葉を混合した後、発酵させて発酵山養参混合物を製造するが、前記熟成された山養参の根100重量部に対して、前記発酵された山養参の生葉を200乃至400重量部の重量割合で混合した後、60乃至65℃の温度及び55乃至60%の湿度で3乃至5日間発酵させて、発酵山養参混合物を製造し、前記発酵山養参混合物に溶媒を混合し、超音波を加えることにより、山養参発酵液を製造するが、前記溶媒は、前記山養参混合液100重量部に対して300乃至500重量部の重量割合で含まれ、前記溶媒としては、水が用いられ、前記混合液に加えられる超音波は、60乃至80KHzの振動周波数で50乃至100分間100乃至200ワット(watt)の出力を用い、前記山養参発酵液から固形分を除去し、前記固形分が除去された山養参発酵液を遠心分離して、山養参の根と生葉の微細粒子が位置する下層液と、前記下層液の上部に位置する重層液及び上層液に、位置的に分けて分離し、前記重層液及び上層液に位置する山養参発酵液を抽出して山養参発酵抽出液を製造するが、前記山養参発酵抽出液は、山養参発酵液2000乃至3000gを、70%(v/v)エタノール水溶液10~15lにより、85乃至90℃で3~4時間の間1次抽出した後、70%(v/v)エタノール水溶液4~6lにより、85乃至90℃で2~3時間の間2次抽出を完了し、真空回転蒸発器で1000乃至1500mlとなるまで抽出液を製造するステップと、前記抽出液にエタノールを加えて2乃至3倍の重量に希釈し、18,000~20,000rpmで30乃至40分間遠心分離して、前記山養参発酵液に含まれる高分子繊維素及び固形分を除去した後、集められた上澄液を15~20倍重量の酢酸で2回抽出するステップと、により製造されてもよい。
【0018】
その他、実施例の具体的な事項は、詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0019】
本発明による石鹸は、敏感な肌にも安全であり、肌、髪の毛等の人体部位の汚染、体臭等に対する洗浄力に優れ、皮膚角質の除去及び保湿効果に優れる。
【0020】
本発明の技術的思想の実施例は、具体的に言及されていない様々な効果を提供することができることが十分に理解されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の利点及び特徴、またそれらを達成する方法は、詳細に後述される実施例を参照すれば、明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態で具体化され得る。かえって、ここに紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるように、また当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。
【0022】
この出願において用いられる用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有する場合を除き、複数の表現を含む。
【0023】
異なる定義が無い限り、技術用語及び科学用語を含めて、ここに用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に用いられる辞典に正義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味と解釈されてはならない。
【0024】
以下、本発明による山養参を用いた石鹸組成物について好適な実施例を挙げて詳しく説明する。
【0025】
本発明による山養参を用いた石鹸組成物は、山養参発酵抽出液、シアバター、トコフェロール(ビタミンE)、アカマツ葉油、ホホバ種子油、ソープヌードルパーム油、ヒアルロン酸、グルコン酸亜鉛、グルコン酸マグネシウム、及び玉粉を含む。
【0026】
また、本発明による山養参を用いた石鹸組成物は、山養参発酵抽出液20乃至40重量部、シアバター5乃至10重量部、トコフェロール(ビタミンE)3乃至7重量部、アカマツ葉油40乃至80重量部、ホホバ種子油30乃至70重量部、ソープヌードルパーム油500乃至1000重量部、ヒアルロン酸1乃至3重量部、グルコン酸亜鉛2乃至4重量部、グルコン酸マグネシウム1乃至3重量部、及び玉粉5乃至10重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0027】
また、本発明による山養参を用いた石鹸組成物は、ドクダミ抽出液またはプーアル茶抽出液をさらに含んでもよいが、前記ドクダミ抽出液は、前記山養参発酵抽出液100重量部に対して、20乃至30重量部の重量割合で含まれ、前記プーアル茶抽出液は、前記山養参発酵抽出液100重量部に対して、10乃至20重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0028】
前記山養参発酵抽出物は、山養参の根及び山養参の葉を用いて製造されてもよいが、前記山養参には、人参よりも10倍、紅参よりも4~5倍多いサポニンが入っており、免疫力を高めるのに大きな効能があり、これとともに、血液循環、糖尿病の予防、消化力の増進、ストレス緩和、元気増進等の効能がある。
【0029】
前記山養参発酵抽出液は、下記の製造方法で製造された山養参発酵抽出液が用いられてもよい。
【0030】
まず、山養参の根及び山養参の葉を分離して準備した後、洗浄してもよい。
【0031】
次に、前記山養参の根を水蒸気で加熱して蒸した後、硫黄で薫蒸してもよい。
【0032】
前記ステップでは、前記山養参の根を、130乃至140℃の温度及び1乃至3kgf/cmの圧力で、30乃至100分間水蒸気で加熱した後、前記水蒸気で加熱された山養参の根を1乃至3分間硫黄で薫蒸してもよい。
【0033】
前記ステップにおいて、前記硫黄を使用すれば、前記山養参に含まれたタンニン物質等のポリフェノールが乾燥中に酸化して黒変することを防止し、追って工程において微生物が繁殖することを防止することができる。
【0034】
次に、前記硫黄で薫蒸された山養参の根を乾燥してもよい。
【0035】
前記ステップでは、硫黄で薫蒸された山養参の根を25乃至30℃の温度で1乃至3日間乾燥してもよい。
【0036】
続いて、前記乾燥した山養参の根を一定の長さ単位で切断するが、例えば、前記乾燥した山養参の根を0.1乃至1.0cmの長さ単位で切断してもよい。
【0037】
次に、前記切断した山養参の根に乳酸菌を混合した後、熟成させてもよい。
【0038】
前記ステップにおいて、前記熟成は、前記乳酸菌と混合された山養参の根を、20乃至25℃の温度で10乃至30時間の間維持して熟成させてもよい。
【0039】
例えば、前記乳酸菌としては、乳酸菌(Lactobacillales)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、及びビフィドバクテリウムロングム(Bifidobacterium longum)からなる群より選ばれたいずれか一つの公知された乳酸菌が用いられてもよい。
【0040】
次に、前記洗浄された山養参の生葉を水蒸気で加熱してもよい。
【0041】
前記ステップでは、前記山養参の生葉を110乃至120℃の温度及び1乃至3kgf/cmの圧力で、10乃至30分間水蒸気で加熱することにより行われてもよい。
【0042】
続いて、前記水蒸気で加熱された山養参の生葉を乾燥してもよい。
【0043】
前記ステップでは、日光乾燥時、前記山養参の生葉の葉緑素が破壊され、有用成分が揮発されることを防止するために、前記山養参の生葉を温度25乃至30℃で5乃至10時間の間乾燥してもよい。
【0044】
次に、前記乾燥した山養参の生葉を加熱して煎炒してもよい。
【0045】
前記ステップは、前記乾燥した山養参の生葉を加熱容器(例えば、釜)に投入した後、90乃至95℃の温度で3乃至5分間1次煎炒を行い、前記1次煎炒された山養参の生葉を、130乃至140℃の温度で30乃至60秒間2次煎炒を行うステップにより行われてもよい。
【0046】
次に、前記洗浄された山養参の生葉に枯草菌浸出水を噴霧して、前記山養参の生葉を発酵させてもよい。
【0047】
前記枯草菌浸出水は、前記乾燥した山養参の生葉の発酵を促進させるものであって、前記乾燥した山養参の生葉100重量部に対して枯草菌培養液を30乃至50重量部の重量割合で噴霧し、55乃至60℃の温度及び60乃至65%の湿度が維持されるようにした後、2乃至4日間発酵させてもよい。
【0048】
前記枯草菌培養液は、枯草菌と水を混合して生成されるものであって、前記枯草菌は、声飯に黒糖を10乃至12重量%混合し、用意された培地上にエコ栽培籾殻を置き、布切れを覆った後、25℃の温度で1日2回の生育に水分を噴霧しながら、1週間培養させて枯草菌を生成させ、これを、米ぬかと黒糖が50:50の重量比で混合された培地にさらに接種し、25℃で1週間培養して、本発明に用いられる枯草菌浸出水として用いてもよい。
【0049】
本発明において、前記枯草菌は、バチルスサブチルス(Bacillus subtilis)、バチルスサブチルススピジゼピアイ(Bacillus subtilis)、バチルスメガテリウム(Bacillusmegaterium)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、及びバチルスプミルス(Bacillus pumilus)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上が用いられてもよい。
【0050】
次に、前記熟成された山養参の根と、前記発酵された山養参の生葉を混合した後、発酵させて、発酵山養参混合物を製造してもよい。
【0051】
前記ステップでは、前記熟成された山養参の根100重量部に対して前記発酵された山養参の生葉を200乃至400重量部の重量割合で混合した後、60乃至65℃の温度及び55乃至60%の湿度で3乃至5日間発酵させて、発酵山養参混合物を製造してもよい。
【0052】
次に、前記発酵山養参混合物に溶媒を混合し、超音波を加えることにより、山養参発酵液を製造してもよい。
【0053】
前記山養参発酵液を製造するために、前記発酵山養参混合物を溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入し、前記混合液に超音波を加えることにより、山養参発酵液を製造するが、前記溶媒は、前記山養参混合液100重量部に対して300乃至500重量部の重量割合で含まれ、前記溶媒としては水が用いられてもよい。
【0054】
また、前記山養参発酵液を製造するために、前記混合液に加えられる超音波は、60乃至80KHzの振動周波数で、50乃至100分間、100乃至200ワットの出力を用いて抽出してもよい。
【0055】
続いて、前記山養参発酵液から、山養参の根、山養参の生葉のような固形分を除去してもよい。
【0056】
前記ステップにおいて、山養参の根、山養参の生葉のような固形分の分離は、篩(sieve)等のような公知のフィルタネットを用いてもよい。
【0057】
次に、前記固形分が除去された山養参発酵液を遠心分離してもよい。
【0058】
前記ステップでは、固形分が除去された山養参発酵液を遠心分離することにより、山養参の根と生葉の微細粒子が位置する下層液、前記下層液の上部に位置する重層液及び上層液に、位置的に区分して分離してもよい。
【0059】
次に、前記重層液及び上層液に位置する山養参発酵液を抽出して、山養参の有用性分で、山養参発酵抽出液を製造してもよい。
【0060】
前記ステップにおいて、前記山養参発酵抽出液は、山養参発酵液2000乃至3000gを、70%(v/v)エタノール水溶液10~15lにより、85乃至90℃で3~4時間の間1次抽出した後、70%(v/v)エタノール水溶液4~6lにより、85乃至90℃で2~3時間の間2次抽出を完了し、真空回転蒸発器により、1000乃至1500mlとなるまで抽出液を製造するステップと、前記抽出液にエタノールを加えて2乃至3倍の重量に希釈し、18,000~20,000rpmで30乃至40分間遠心分離して、前記山養参発酵液に含まれる高分子繊維素及び固形分を完全に除去した後、集められた上澄液を15~20倍重量の酢酸で2回抽出するステップと、により製造されてもよい。
【0061】
前記シアバター(Siea butter)は、アフリカの民間治療剤として長期間使われてきたシアーバターノキ(shea tree)の種子の胚から得られる植物性油脂であって、ザラザラして乾燥した肌に水分を供給して、しっとりする肌を作り、傷を再生する効能が極めて高いと知られ、化粧品の保湿制や軟化制として広く用いられている。フランス語でカリテ(karite)と呼ばれるシアーバターノキは、アフリカのマリ、カメルーン、コンゴ、ガーナ、ギニア、セネガル、スーダン、ナイジェリア、ブルキナファソ、ウガンダ、コートジボワール等の地で育つが、最近は、ウィテラリアパラドクサ(Vitellaria paradoxa)とも言われる。特に、シアーバターノキの種子の実は、その外観がバターに似ており、シアバターと呼ばれている。シアバターは、黄緑色の油脂であり、香りと味が良く、西アフリカでは、食用でも用いられるが、ココアと混ぜて使うか、チョコレートを作るとき、ココアバターの代用として使う。シアバターは、肌の保湿及び再生効果以外も、抗酸化及び抗炎症効果もあると知られている。また、シアバターには、紫外線遮断効果もあるが、紫外線遮断効果は、約SPF(sun protection factor)6である。また、毛細血管を刺激して、髪と頭皮を潤沢にし、栄養供給と再生力を増加させるので、ヘアコンディショナーとしても用いられる。
【0062】
前記トコフェロール(ビタミンE)は、自然保湿機能を有するので、乾燥肌をしっとりかつつやつや肌にし、皮膚の細胞膜を外部の侵入から保護する。すなわち、肌が紫外線、汚染物質、老化により損傷することを防ぎ、肌の奥まで保湿を行うので、肌の呼吸と新陳代謝に役立ち、しわ予防効果が良い。また、強力な抗酸化作用により、天然石鹸や化粧品に使えば、酸敗を防止し、保存期間を増やし、細胞と細胞膜を酸化要因から保護する。
【0063】
前記アカマツ葉油は、松葉蒸溜濃縮液であって、ベータカロチン、ルチン、必須アミノ酸等を多量含んでいる。前記アカマツ葉油は、抗糖尿病、血液循環促進、血清コレステロール低下、血圧降下作用、抗酸化作用、抗炎症作用、免疫機能等の作用を示す。
【0064】
前記ホホバ種子油は、砂漠地帯で育つホホバという植物の種子を圧搾して抽出したオイルであって、液体のワックス状で抽出されるオイルである。前記ホホバ種子油は、肌に吸収されやすく、毛穴に詰まらず、肌の奥まで水分を伝達して、肌バランスを取るのに効果的である。前記ホホバ種子油は、乾燥肌や老化肌によく、肌に水分膜を形成して水分が奪われないようにする優れた保湿効果を示す。
【0065】
前記ソープヌードルパーム油(parm oil)は、脂肪酸油脂であって、石鹸が固まるようにし、稠密な泡を生成させ、オレイン酸が含まれており、保湿にも役立つ。すなわち、前記ソープヌードルパーム油は、石鹸の硬度を上昇させ、稠密かつ安定的に泡を生じる。
【0066】
前記ヒアルロン酸は、主に、動物の関節液や眼球の硝子体ゲル、臍帯、真皮表層等の結合組織、ラウス肉腫等のある種の腫瘍から見い出されるもの以外に、A型、C型の溶血性連鎖球菌(Streptococcus)を始めとして、いくつかの細菌では、莢膜の成分となっている。動物組織、例えば、牛の鼻軟骨では、大型コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(aggrecan)や結合タンパク質と合わせられて、巨大な分子集合体を形成する。糖鎖の長さは、分子量が10~10として極めて長いものが多いが、材料に応じて異なり、また同一の材料であっても決して均一でない。多量の水と結合してゲルを作る性質があり、これが、関節の潤滑作用、肌の柔軟性等、生体内での機能と結び付いている。
【0067】
また、結合組織に損傷が生じると、急速な回復のために、ヒアルロン酸の合成が一時的に活発になることがあり、組織の再構築において細胞活動の一環を形成していると思われる。細胞表面のヒアルロン酸結合タンパク質として、CD44が見い出された。精巣、皮膚、肝等の動物組織や、毒ヘビ、蛭、細菌、放線菌から、それぞれヒアルロン酸のグルコサミニドまたはグルクロニド結合を加水分解または脱離切断する酵素が見い出されている。また、結合組織に損傷が生じると、急速な回復のために、ヒアルロン酸の合成が一時的に活発になることがあり、組織の再構築において細胞活動の一環を形成していると思われる。
【0068】
前記グルコン酸亜鉛は、皮膚コンディショニング剤として用いられ、抗ウイルス性により、炎症性ニキビ等に効果的である。また、前記グルコン酸亜鉛は、刺激された頭皮を鎮静させ、肌の痒み等を解消するのに効果的である。
【0069】
前記グルコン酸マグネシウムは、グルコン酸(luconic Acid)のマグネシウム塩成分であって、化学式はC1222MgO14またはC1222MgO14・2HOであり、分子量は414.61であり、健康かつ良好な肌を作るのに役立つ。
【0070】
前記玉粉は、肌のキメを柔らかくきれいに仕上げ、肌に栄養成分を効果的で伝達して、保湿効果を向上させる機能をする。玉は、硬玉と軟玉に大別され、硬玉は、輝石族に属する鉛輝石鉱物であり、ケイ酸、酸化アルミニウム、ソーダからなる単斜晶系物質である。硬度は、水晶のように緻密な塊であり、色は、黒色、青緑、緑色、透明または半透明であるものであり、普通、玉と言えば、この硬玉を称する。軟玉は、イノけい酸塩(Inosilicate)の単斜晶系パイリボール鉱物体であり、ドロマイト質大理石のうち、軟玉と蛇紋岩化超塩基性軟玉に分けられ、これらの品質は、その微細な構造、すなわち透角閃石-陽起石晶子が束組と繊維からなる粗細の程度で決まり、繊維が極めて細いほど品質が優れていることで知られている。
【0071】
前記ドクダミ抽出液は、ドクダミを抽出して製造されたものであって、ドクダミ(Houttuynia cordata thunb)は、ドクダミ科(Saururaceae)の植物であるギョセイソウの全草であって、東南アジアと、特に、日本、韓国等の地に棲息する。前記ドクダミは、十の薬効があるとのことから十薬とも呼ばれ、幹は、サツマイモの葉と同じであり、生葉に触れると、生臭い匂いがすることから由来して、魚腥草とも呼ばれている。ドクダミは、薬用及び食用が可能であり、大韓民国食品公典における食品原材料分類には、副原料として最小量のみを使用可能な動植物に分類されており、薬理的には、強心、利尿、抗菌、解毒、抗癌の効能があると広く知られており、民間では、解毒と美容を助ける化粧品及び健康機能食品として用いられている。
【0072】
前記ドクダミ抽出液は、下記の製造方法で製造されたドクダミ抽出液が用いられてもよい。
【0073】
まず、ドクダミ抽出液を製造するために、ドクダミを準備した後、洗浄してもよい。
【0074】
次に、前記洗浄されたドクダミを一定の粒度で粉砕してもよい。
【0075】
前記ステップでは、前記ドクダミを一定の粒度で粉砕することにより、前記ドクダミの有効性分が十分に抽出されるが、前記ステップにおいて、ドクダミの粉砕は、粒径が500乃至2500μmの範囲となるように粉砕してもよい。前記ステップにおいて、前記ドクダミの粒径が500μm未満で粉砕される場合は、粉砕時間が長くかかり、また粒子が小さすぎ、後工程において粒子間の凝集現象が生じることがあり、2500μmを超えて粉砕される場合は、前記ドクダミから有用成分を効果的に抽出し難いという問題が発生する。
【0076】
次に、前記粉砕されたドクダミを低温減圧の雰囲気で、超音波を加えて抽出することにより、ドクダミ抽出混合液を製造してもよい。
【0077】
前記ステップでは、前記粉砕されたドクダミを溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入し、前記混合液に超音波を加えることにより、ドクダミ抽出混合液を製造することができるが、前記溶媒は、前記粉砕されたドクダミ100重量部に対して1000乃至2000重量部の重量割合で混合され、前記溶媒としては、水または炭素数1乃至4(C1乃至C4)のアルコールのうちから選ばれたいずれか一つ以上の溶媒が用いられてもよい。
【0078】
また、前記ステップは、20乃至25℃の温度及び0.1乃至0.5kgf/cmの圧力下で、前記混合液に加えられる超音波は、30乃至50KHzの振動周波数で、30乃至60分間100乃至200ワットの出力を用いて抽出してもよい。
【0079】
続いて、前記ドクダミ抽出混合液から、粉砕されたドクダミのような固形物を除去した後、10乃至20℃の温度で1乃至3時間の間熟成させることにより、ドクダミ抽出液を製造してもよい。
【0080】
前記ステップにおいて、前記ドクダミ抽出混合液から、粉砕されたドクダミのような固形物の除去は、篩のような公知のフィルタネットを用いて、固形物を分離して除去することにより行われてもよい。
【0081】
前記プーアル茶抽出液は、プーアル茶を用いて製造されるが、前記プーアル茶は、中国雲南省の大葉種茶ノ木(Camellia sinensis LINNE)で加工した晒青毛茶を緊圧または散茶の状態で自然発酵する黒茶系の後発酵茶である。
【0082】
中国文献である本草綱目拾遺では、プーアル茶は、香が独特であり、二日酔い解消と消化を助け、痰を切り、胃をきれいにし、喉の渇きの解消、人体に有害な脂身を除去する作用があると記録されている。また、プーアル茶は、長期服用しても副作用がないので、日本、フランス、ドイツ、イタリア、マカオ等では、美容茶、ダイエット茶、長寿茶等と呼ばれられている(Son et al,Food & Nutr 18:219-224、2005)。
【0083】
一方、プーアル茶を用いた研究により、ICR系マウスに対して、アルコールを亜急性状態に誘導したとき、プーアル茶抽出物摂取群の血中アルコール濃度は、正常対照群と有意な差がなく(Park et al、J East Asian Soc dietary Life、14:634-639,2004)、プーアル茶とプーアル茶の抗酸化効果について調べた結果、水で抽出したプーアル茶とプーアル茶の場合、総ポリフェノールの含量と電子供与性が類似するという事実が立証されたことがある(Son et al,Korea JFood & Nutr,18:219-224,2005)。
【0084】
前記プーアル茶抽出液を製造するために、まず、プーアル茶の生葉を準備した後、洗浄して、前記プーアル茶の生葉に付着している異物を除去した後、前記洗浄されたプーアル茶の生葉を乾燥してもよい。
【0085】
本発明において、前記プーアル茶の生葉の乾燥は、日光乾燥時、前記プーアル茶の生葉の葉緑素が破壊され、有用成分が揮発することを防止するために、前記プーアル茶の生葉を、温度25乃至30℃で5乃至10時間の間乾燥してもよい。
【0086】
次に、前記乾燥したプーアル茶の生葉を加熱し、煎炒してもよい。
【0087】
前記ステップは、前記乾燥したプーアル茶の生葉を加熱容器(例えば、釜)に投入した後、90乃至100℃の温度で3乃至5分間1次煎炒を行い、前記1次煎炒が行われたプーアル茶の生葉を、130乃至140℃の温度で30乃至60秒間2次煎炒を行うステップにより行われてもよい。
【0088】
次に、前記煎炒されたプーアル茶の生葉に溶媒を混合し、超音波を加えることにより、プーアル茶混合液を製造してもよい。
【0089】
前記ステップでは、前記煎炒されたプーアル茶の生葉と溶媒を混合した後、超音波抽出器に投入し、前記煎炒されたプーアル茶の生葉及び溶媒からなる混合物に超音波を加えることにより、プーアル茶液を製造してもよいが、前記溶媒は、前記プーアル茶の生葉100重量部に対して300乃至600重量部の重量割合で混合され、前記溶媒としては、水が用いられてもよい。
【0090】
また、前記煎炒されたプーアル茶の生葉及び溶媒からなる混合物に加えられる超音波は、60乃至80KHzの振動周波数で、30乃至60分間300乃至400ワットの出力を用いて抽出してもよい。
【0091】
続いて、前記プーアル茶混合液からプーアル茶の生葉のような固形分を分離して除去した後、熟成してプーアル茶抽出液を製造してもよい。
【0092】
前記ステップにおいて、前記プーアル茶の生葉のような固形分の分離は、篩等のような公知のフィルタネットが用いられてもよく、前記熟成は、前記固形分が除去されたプーアル茶抽出液を、10乃至15℃の温度で3乃至7時間の間保管することにより行われてもよい。
【0093】
以下、本発明による山養参を用いた石鹸組成物についての好適な実施例及び比較例を挙げ、さらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0094】
山養参発酵抽出液30重量部、シアバター70重量部、トコフェロール(ビタミンE)5重量部、アカマツ葉油60重量部、ホホバ種子油50重量部、ソープヌードルパーム油800重量部、ヒアルロン酸2重量部、グルコン酸亜鉛3重量部、グルコン酸マグネシウム2重量部、及び玉粉7重量部の重量割合で含まれた石鹸組成物を用いて石鹸を製造した。
【実施例2】
【0095】
前記実施例1と同じ組成物を用いて石鹸を製造したが、実施例2では、前記山養参発酵抽出液100重量部に対してドクダミ抽出液を25重量部の重量割合でさらに含ませて石鹸を製造した。
【実施例3】
【0096】
前記実施例1と同じ組成物を用いて石鹸を製造したが、実施例3では、前記山養参発酵抽出液100重量部に対してプーアル茶抽出液を15重量部の重量割合でさらに含ませて石鹸を製造した。
【0097】
<比較例1>
実施例1と同じ方法で石鹸を製造したが、比較例1では、石鹸組成物に山養参発酵抽出液を使用しなかった。
【0098】
<比較例2>
市販されている石鹸(L社製造)を準備し、これを比較例2による石鹸として用いた。
【0099】
1.石鹸の刺激実験
上記のように製造された石鹸に対する刺激実験を次の通り行った。
【0100】
まず、臨床実験は、10歳~50歳の健常者20名(男性7名、女性13名)を対象としたが、前記石鹸で洗顔後、化粧品や保湿制等を塗らず、3時間後、肌状態(紅斑、浮腫、丘疹等)を観察し、下記の表1のような評価表による定性評価を行った。
【0101】
【表1】
【0102】
前記表1の刺激程度に対する実験対象者の評価結果は、下記の表2の通りである。
【0103】
【表2】
【0104】
前記表2から分かるように、実施例による石鹸は、刺激や肌状態の変化が殆どないものであり、紅斑、浮腫等の刺激が殆どない安全な物質であることが確認された。
【0105】
2.石鹸の肌刺激性実験
20歳~50歳の女性10名に対して、実施例及び比較例による人体洗浄用ハブ石鹸で洗顔後、化粧品や保湿制等を塗らず、3時間後、顔の皮膚刺激性を評価し、その結果を下記の表3に示した。
【0106】
下記評価は、5点評価法を用いて実施したが、0点-全くない、1点-極めて軽い症状、2点-明らかな症状、3点-少し酷い症状、4点-酷い症状に分けて評価した。
【0107】
【表3】
【0108】
前記表3を参照すれば、実施例及び比較例による石鹸で洗顔した後、紅斑、痒み、浮腫等の症状が示さなかったと報告された。
【0109】
3.皮膚弾力及び保湿改善実験
20歳~50歳の女性10名に対して、実施例により製造された石鹸で1日3回ずつ2週間洗顔した後に行ったアンケート調査において、皮膚弾力及び保湿改善について評価し、その結果を下記の表4に示した。
【0110】
前記評価は、1点から5点のスケールの5点評価法で評価し、点数が高いほどよいことを意味する。
【0111】
【表4】
【0112】
前記表4を参照すれば、実施例1により製造された石鹸を1日3回ずつ2週間洗顔した後に行ったアンケート調査において、実験者のうち7名が皮膚弾力及び保湿性が向上したと答え、そのうち3名は、遥かに向上したと答えた。
【0113】
4.剤形安定性実験
前記実施例1, 2, 3により製造された石鹸の剤形安定化程度を評価した。
【0114】
前記剤形安定化程度の評価は、実施例1,2,3により製造された石鹸試料を、それぞれ40℃、室温、―20℃の温度で30日間保管し、相安定性を確認することにより行い、その結果を下記の表5に示した。
【0115】
【表5】
【0116】
前記表5を参照すれば、実施例1,2,3により製造された石鹸は、剤形安定性が良好であることが確認された。
【0117】
5.抗菌力評価実験
実施例1及び比較例2により製造された石鹸の抗菌力を評価するために、下記のような実験を行った。抗菌力評価実験では、供試菌としてニキビ菌であるプロピオニバクテリウム・アクネス(Propionibacterium acnes ATCC 6919)を使用した。
【0118】
ニキビ菌をそれぞれBHIブロス(broth)に接種し、前培養してから、それぞれの組成物が5%含有された滅菌した新たなBHIブロス100mlに1%の濃度で接種した後、嫌気性培養器内で2日間培養した後、菌数を測定した。
【0119】
【表6】
【0120】
前記表6を参照すれば、実施例1により製造された人体洗浄用ハブ石鹸は、ニキビ菌に対する抗菌力が大いに向上したことが分かる。
【0121】
6.毛髪コンディショニング効果試験(官能評価)
前記実施例1,2,3及び比較例1,2により製造した石鹸を用いて、20~40歳の20名で構成される評価パネルに1週間使用させた後、アンケート項目に5点(大変悪い、悪い、普通、良い、大変良い)アンケートにより品質を評価し、その結果を表3に示した。
【0122】
【表7】
【0123】
以上、本発明の好適な一実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明が、その技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることが理解されるであろう。そのため、上述した一実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解されなければならない。