(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-07-19
(45)【発行日】2023-07-27
(54)【発明の名称】ドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 8/9789 20170101AFI20230720BHJP
A61K 8/23 20060101ALI20230720BHJP
A61K 8/34 20060101ALI20230720BHJP
A61K 8/36 20060101ALI20230720BHJP
A61K 8/81 20060101ALI20230720BHJP
A61K 8/891 20060101ALI20230720BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20230720BHJP
A61Q 5/00 20060101ALI20230720BHJP
A61Q 19/10 20060101ALI20230720BHJP
【FI】
A61K8/9789
A61K8/23
A61K8/34
A61K8/36
A61K8/81
A61K8/891
A61K8/92
A61Q5/00
A61Q19/10
(21)【出願番号】P 2021566333
(86)(22)【出願日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 KR2020006632
(87)【国際公開番号】W WO2020235941
(87)【国際公開日】2020-11-26
【審査請求日】2021-12-14
(31)【優先権主張番号】10-2019-0059879
(32)【優先日】2019-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521487270
【氏名又は名称】ユリハン アグリカルチュラル コーポレーション カンパニー ヨンチュ カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,スク ヒョン
【審査官】▲高▼橋 明日香
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-241137(JP,A)
【文献】特開平10-017440(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2016-0043698(KR,A)
【文献】特開2008-001628(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2017-0050222(KR,A)
【文献】韓国登録特許第10-1792747(KR,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0112019(KR,A)
【文献】特開2007-001953(JP,A)
【文献】国際公開第2008/012938(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0010746(KR,A)
【文献】特開2014-162738(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104547210(CN,A)
【文献】Tonic & Serum (ID: 5351821),Mintel GNPD [online],2018年01月,[検索日;2022年11月8日], https://www.gnpd.com
【文献】Ultrasonic-assistedextraction of phenolic and antioxidative compounds from lizard tail(Houttuyniacordata Thunb.),Songklanakarin J. Sci. Technol.,2014年,36(1),65-72
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドクダミ抽出液を主要成分として含むドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物であって、
前記組成物は、ドクダミ抽出液1乃至5重量部、エタノール60乃至80重量部、パンテノール0.5乃至1.5重量部、デヒドロ酢酸ナトリウム0.1乃至1重量部、プロピレングリコール0.3乃至0.8重量部、硫黄0.1乃至0.5重量部、グルコン酸亜鉛0.01乃至0.03重量部、グルコン酸マグネシウム0.05乃至0.1重量部、ツバキ油0.005乃至0.03重量部、ジメチコン0.025乃至0.055重量部、
メタクリロイルエチルベタインコポリマー0.05乃至0.1重量部、及び香料0.005乃至0.01重量部の重量割合で含まれることを特徴とする、ドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物。
【請求項2】
ドクダミ抽出液を主要成分として含むドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物であって、
前記ドクダミ抽出液以外に、山養参発酵抽出液をさらに含むが、前記山養参発酵抽出液は、前記ドクダミ抽出液100重量部に対して10乃至30重量部の重量割合で含まれることを特徴とする請求項1に記載のドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物。
【請求項3】
前記ドクダミ抽出液は、ドクダミを準備した後、洗浄し、前記洗浄されたドクダミを一定の粒度で粉砕するが、前記ドクダミの粉砕は、粒径が500乃至2500μmの範囲となるように粉砕し、前記粉砕されたドクダミを溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入して、前記混合液に超音波を加えることにより、ドクダミ抽出混合液を製造するが、前記溶媒は、前記粉砕されたドクダミ100重量部に対して1000乃至2000重量部の重量割合で混合され、前記溶媒としては、水または炭素数1乃至4のアルコールのうちから選ばれたいずれか一つ以上の溶媒が用いられ、20乃至25℃の温度及び0.1乃至0.5kgf/cm
2の圧力下で、前記混合液に加えられる超音波は、30乃至50KHzの振動周波数で、30乃至60分間100乃至200ワット(watt)の出力を用いて抽出し、前記ドクダミ抽出混合液から固形物を除去した後、10乃至20℃の温度で1乃至3時間の間熟成することにより製造されることを特徴とする請求項1または2に記載のドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物の製造方法。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の組成物を含んで製造されたことを特徴とするドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレーの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物に係り、さらに詳しくは、髪の毛を固定して多様なスタイルを演出するだけでなく、天然抽出物が含まれて、健康な頭皮と髪を持たせることができるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ヘアスプレーは、髪の毛の形態を一時的に変化させた状態で、安定的にセットするための液状のスプレー製品であって、現代、広く使われており、ヘアセット用ポリマー、溶剤、可塑剤、保湿剤、及び香料等が含有され、髪の毛に十分な保湿効果を与えるとともに、手入れされた髪の形態を長期間持続的に維持できるようにする用途として用いられる。
【0003】
しかしながら、一般のスプレー液剤を髪の毛に噴射すれば、ヘアセット用ポリマー溶剤が蒸発することにより、髪の毛が硬くなり過ぎ、柔軟性が低下して、不自然に感じられるという問題点とともに、髪の毛に固形粉末が生成するという問題点が発生した。
【0004】
このような現象を防止するために、中和剤と一緒に保湿成分のためのシリコン類の可塑剤が添加されるが、可塑成分を添加すれば、髪の毛を柔軟にする効果はあるが、髪の毛の形態を維持するセット力が低下する。
【0005】
したがって、一定の水準のセット効果を示しながら、髪の毛を柔軟に維持するために、陽イオン界面活性剤を使用することができるが、界面活性剤は、プロパン、ブタンのような液化石油ガスとの相溶性の問題により結合が難しく、エアゾールを適用したスプレー製品には使うことができなかったので、柔軟性及びセット力のよいスプレー製品の開発が切望されていた。
【0006】
また、従来のヘアスプレー製品は、単に髪の毛の保湿とセットのための化学的な成分のみで構成されているので、人体に有用な天然抽出物が含まれて、髪と頭皮の状態を健康に維持し、脱毛を予防する等の効果は、期待することができないという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】韓国公開特許第10-2011-0041023号公報
【文献】韓国登録特許第10-1792747号公報
【文献】韓国公開特許第10-2013-0010746号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、髪の毛を固定して多様なスタイルを演出するだけでなく、天然抽出物が含まれて、健康な頭皮と髪を持たせることができるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物を提供することを目的とする。
【0009】
本発明が解決しようとする様々な課題は、上述した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は、下記の記載から当業者にとって明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、ドクダミ抽出液を主要成分として含む。
【0011】
前記ドクダミ抽出液以外に、エタノール、パンテノール(Panthenol)、デヒドロ酢酸ナトリウム(Sodium Dehydroacetate)、プロピレングリコール(Propylene Glycol)、硫黄(sulfur)、グルコン酸亜鉛(Zinc Gluconate)、グルコン酸マグネシウム(Magnesium Gluconate)、ツバキ油、ジメチコン(Dimethicone)、メタクリロイルエチルベタインコポリマー(Methacryloyl Ethyl Betaine)、及び香料を含んでもよい。
【0012】
前記組成物は、ドクダミ抽出液1乃至5重量部、エタノール60乃至80重量部、パンテノール0.5乃至1.5重量部、デヒドロ酢酸ナトリウム0.1乃至1重量部、プロピレングリコール0.3乃至0.8重量部、硫黄0.1乃至0.5重量部、グルコン酸亜鉛0.01乃至0.03重量部、グルコン酸マグネシウム0.05乃至0.1重量部、ツバキ油0.005乃至0.03重量部、ジメチコン0.025乃至0.055重量部、メタクリロイルエチルベタインコポリマー0.05乃至0.1重量部、及び香料0.005乃至0.01重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0013】
前記ドクダミ抽出液は、ドクダミを準備した後、洗浄し、前記洗浄されたドクダミを一定の粒度で粉砕するが、前記ドクダミの粉砕は、粒径が500乃至2500μmの範囲となるように粉砕し、前記粉砕されたドクダミを溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入して、前記混合液に超音波を加えることにより、ドクダミ抽出混合液を製造するが、前記溶媒は、前記粉砕されたドクダミ100重量部に対して1000乃至2000重量部の重量割合で混合され、前記溶媒としては、水または炭素数1乃至4のアルコールのうちから選ばれたいずれか一つ以上の溶媒が用いられ、20乃至25℃の温度及び0.1乃至0.5kgf/cm2の圧力下で、前記混合液に加えられる超音波は、30乃至50KHzの振動周波数で、30乃至60分間100乃至200ワット(watt)の出力を用いて抽出し、前記ドクダミ抽出混合液から固形物を除去した後、10乃至20℃の温度で1乃至3時間の間熟成することにより製造されてもよい。
【0014】
前記ドクダミ抽出液以外に、山養参発酵抽出液をさらに含むが、前記山養参発酵抽出液は、前記ドクダミ抽出液100重量部に対して10乃至30重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0015】
また、本発明は、上記した組成物を含む頭皮健康改善用スプレーを提供する。
【0016】
その他、実施例の具体的な事項は、詳細な説明に含まれている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、髪の毛を固定して多様なスタイルを演出するだけでなく、天然抽出物が含まれて、健康な頭皮と髪を持たせることができる頭皮健康改善用スプレーを製造することができる。
【0018】
本発明の技術的思想の実施例は、具体的に言及されていない様々な効果を提供することができることが十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1b】実施例1により製造されたスプレーを、20日間、1日15mlずつ被験者の髪の毛に噴射及びシャンプーを繰り返し、20日が経過した後、被験者の頭皮を示す写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の利点及び特徴、またそれらを達成する方法は、詳細に後述される実施例を参照すれば、明らかになるであろう。しかしながら、本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態で具体化され得る。かえって、ここに紹介される実施例は、開示された内容が徹底かつ完全になるように、また当業者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。
【0021】
この出願において用いられる用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味を有する場合を除き、複数の表現を含む。
【0022】
異なる定義が無い限り、技術用語及び科学用語を含めて、ここに用いられる全ての用語は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。一般に用いられる辞典に正義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならず、本出願で明らかに定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味と解釈されてはならない。
【0023】
以下、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物について好適な実施例を挙げて詳しく説明する。
【0024】
本発明で用いられる用語の「頭皮健康改善」とは、頭皮を鎮静させ、髪の毛を美化して魅力を増加させ、髪の毛を健康に維持することを意味する。
【0025】
本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、ドクダミ抽出液、エタノール、パンテノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、プロピレングリコール、硫黄、グルコン酸亜鉛、グルコン酸マグネシウ、ツバキ油、ジメチコン、メタクリロイルエチルベタインコポリマー、及び香料を含む。
【0026】
また、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、ドクダミ抽出液1乃至5重量部、エタノール60乃至80重量部、パンテノール0.5乃至1.5重量部、デヒドロ酢酸ナトリウム0.1乃至1重量部、プロピレングリコール0.3乃至0.8重量部、硫黄0.1乃至0.5重量部、グルコン酸亜鉛0.01乃至0.03重量部、グルコン酸マグネシウム0.05乃至0.1重量部、ツバキ油0.005乃至0.03重量部、ジメチコン0.025乃至0.055重量部、メタクリロイルエチルベタインコポリマー0.05乃至0.1重量部、及び香料0.005乃至0.01重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0027】
前記ドクダミ抽出液は、ドクダミを抽出して製造されたものであって、ドクダミ(Houttuynia cordata thunb)は、ドクダミ科(Saururaceae)の植物であるギョセイソウの全草であって、東南アジアと、特に、日本、韓国等の地に棲息する。前記ドクダミは、十の薬効があるとのことから十薬とも呼ばれ、幹は、サツマイモの葉と同じであり、生葉に触れると、生臭い匂いがすることから由来して、魚腥草とも呼ばれている。ドクダミは、薬用及び食用が可能であり、大韓民国食品公典における食品原材料分類には、副原料として最小量のみを使用可能な動植物に分類されており、薬理的には、強心、利尿、抗菌、解毒、抗癌の効能があると広く知られており、民間では、解毒と美容を助ける化粧品及び健康機能食品として用いられている。
【0028】
前記ドクダミ抽出液は、下記の製造方法で製造されたドクダミ抽出液が用いられてもよい。
【0029】
まず、ドクダミ抽出液を製造するために、ドクダミを準備した後、洗浄してもよい。
【0030】
次に、前記洗浄されたドクダミを一定の粒度で粉砕してもよい。
【0031】
前記ステップでは、前記ドクダミを一定の粒度で粉砕することにより、前記ドクダミの有効性分が十分に抽出されるが、前記ステップにおいて、ドクダミの粉砕は、粒径が500乃至2500μmの範囲となるように粉砕してもよい。前記ステップにおいて、前記ドクダミの粒径が500μm未満で粉砕される場合は、粉砕時間が長くかかり、また粒子が小さすぎ、後工程において粒子間の凝集現象が生じることがあり、2500μmを超えて粉砕される場合は、前記ドクダミから有用成分を効果的に抽出し難いという問題が発生する。
【0032】
次に、前記粉砕されたドクダミを低温減圧の雰囲気で、超音波を加えて抽出することにより、ドクダミ抽出混合液を製造してもよい。
【0033】
前記ステップでは、前記粉砕されたドクダミを溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入し、前記混合液に超音波を加えることにより、ドクダミ抽出混合液を製造することができるが、前記溶媒は、前記粉砕されたドクダミ100重量部に対して1000乃至2000重量部の重量割合で混合され、前記溶媒としては、水または炭素数1乃至4(C1乃至C4)のアルコールのうちから選ばれたいずれか一つ以上の溶媒が用いられてもよい。
【0034】
また、前記ステップは、20乃至25℃の温度及び0.1乃至0.5kgf/cm2の圧力下で、前記混合液に加えられる超音波は、30乃至50KHzの振動周波数で、30乃至60分間100乃至200ワットの出力を用いて抽出してもよい。
【0035】
続いて、前記ドクダミ抽出混合液から、粉砕されたドクダミのような固形物を除去した後、10乃至20℃の温度で1乃至3時間の間熟成させることにより、ドクダミ抽出液を製造してもよい。
【0036】
前記ステップにおいて、前記ドクダミ抽出混合液から、粉砕されたドクダミのような固形物の除去は、篩のような公知のフィルタネットを用いて、固形物を分離して除去することにより行われてもよい。
【0037】
前記エタノールは、溶剤として作用し、前記溶剤が蒸発することにより、髪の毛の表面にフィルムを形成し、前記フィルムの強度により髪の毛を固定させるようにする。
【0038】
前記パンテノールは、コンディショニング剤として用いられ、髪の毛の外形と印象の改善、柔軟性の増大、スタイルの増進、潤沢及び光沢の付与、髪の毛の質感を改善する役割を行うことができる。
【0039】
前記デヒドロ酢酸ナトリウムは、殺菌保存剤として用いられ、前記ドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物の貯蔵安定性を向上させる役割を行うことができる。
【0040】
前記プロピレングリコールの化学式はC3H8O2であり、比重は1.036~1.040であり、沸点は185~189℃である。前記プロピレングリコールは、水、アルコール、アセトン、酢酸エチル、クロロホルム、エーテル等とよく混合され、溶解性に優れ、吸湿性がよく、水分蒸発遮断剤として用いられてもよい。前記プロピレングリコールは、固定された髪の毛に保湿効果を与え、髪の毛を柔軟にセットし、コンディショニング効果を与えることができる。
【0041】
前記硫黄は、生体元素のうち8番目に高い割合を占めており、特に、骨、肌、髪の毛にたくさん分布している。人体において硫黄が欠乏していると、はげ頭、手足の爪の角質化、肌の老化等が起こるようになる。
【0042】
また、硫黄は、重金属及び化学薬品に対して優れた解毒作用を有しており、従来文献によれば、硫黄が体に作用すれば、骨が丈夫になり、骨髄が充満し(東医宝鑑)、陽気を助けて体を暖かくし、筋肉と骨を丈夫にし(神薬本草)、骨を強くし、筋肉を丈夫にし、脱毛を防止する(神農本草經)ことが明らかになっている。
【0043】
このような硫黄は、肌への適用時、毛穴内に浸透して、シスチンタンパク質を形成させ、これとともに、硫黄鎖を形成して、脱毛を予防することが知られており、様々な脱毛防止用製品に一成分として添加されてきた。
【0044】
本発明で用いられる硫黄は、毒性成分が除去された硫黄を意味し、前記硫黄は、痛みの緩和、炎症除去、有効物質の運搬、細胞再生、血液循環促進、解毒及び滅菌等の作用を行うことができるが、例えば、前記硫黄としては、市販されている公知の硫黄が用いられてもよく、前記生理活性作用及び体内浸透力をさらに向上させるために、粒径が10乃至80nmである硫黄が用いられてもよい。
【0045】
前記グルコン酸亜鉛は、皮膚コンディショニング剤として用いられ、抗ウイルス性により、炎症性ニキビ等の治療に効果的である。また、前記グルコン酸亜鉛は、刺激された頭皮を鎮静させ、肌の痒み等を解消するのに効果的である。
【0046】
前記グルコン酸マグネシウムは、グルコン酸(luconic Acid)のマグネシウム塩成分であって、化学式は、C12H22MgO14またはC12H22MgO14・2H2Oであり、分子量は414.61であり、健康かつ良好な肌を作るのに役立つ。
【0047】
前記ツバキ油は、不飽和脂肪酸が多量含有された油であって、この油は、放置しても、蒸発することが殆どなく、比重は約0.916として水に似ている。主な脂肪酸成分は、オレイン酸であって、約90%を占めており、黄色の澄んだ油であり、凝固点は最低25℃と低く、主に髪油・精密機械油、医薬系のオリーブ油の代用にも用いられている。
【0048】
本発明における前記ツバキ油は、下記の製造方法で製造されたツバキ油が用いられてもよい。
【0049】
まず、品質の優れた椿の種子を準備した後、水できれいに洗浄してもよい。
【0050】
次に、前記洗浄された椿の種子を、ブドウ果汁及び酸敗抑制剤に浸漬させてもよい。このように椿の種子をブドウ果汁及び酸敗抑制剤に浸漬させることにより、製造されるツバキ油が変色または酸敗することを防止することができる。
【0051】
前記洗浄された椿の種子の浸漬は、前記椿の種子を、ブドウ果汁及び酸敗抑制剤が1:1の重量割合で混合された混合液に浸漬させてもよく、前記酸敗抑制剤は、ビタミンC及び塩溶液が1:1の重量割合で混合されて製造されてもよい。
【0052】
前記ブドウ果汁は、血栓防止及び高血圧、動脈硬化症及び心臓疾患等の成人病の予防によく、記憶力の向上に役立ち、前記酸敗抑制剤として用いられる塩溶液は、濃度が1乃至2重量%である塩溶液であってもよく、前記洗浄された椿の種子100重量部に対してブドウ果汁及び酸敗抑制剤の混合液100乃至120重量部の重量割合で浸漬させた後、10乃至40分間維持させて行ってもよい。
【0053】
次に、前記ブドウ果汁及び酸敗抑制剤の混合液に浸漬された椿の種子を取り出し、前記椿の種子の内部にブドウ果汁及び酸敗抑制剤の成分を浸透させてもよい。
【0054】
前記ステップでは、ブドウ果汁及び酸敗抑制剤の有効成分が前記椿の種子の表面に浸透されることにより、長時間が経過した場合も、製造されるツバキ油が変色または酸敗することを防止することができるが、前記ステップでは、ブドウ果汁及び酸敗抑制剤の混合液から分離された椿の種子を、35乃至40℃の温度で30乃至60分間保管することにより行われてもよい。
【0055】
続いて、前記ブドウ果汁及び酸敗抑制剤の成分が浸透された椿の種子を蒸熟してもよい。
【0056】
前記椿の種子の蒸熟は、前記ブドウ果汁及び酸敗抑制剤の成分が浸透された椿の種子を、水蒸気で30分乃至60分間蒸して行われてもよいが、前記椿の種子の蒸熟が上記した下限範囲未満で行われる場合は、十分な蒸熟が行われないという問題点があり、上記した上限範囲を超えて行われる場合は、蒸熟時間の増加による効果の差がわずかである。
【0057】
次に、前記蒸熟した椿の種子を乾燥してもよい。
【0058】
前記蒸熟した椿の種子の乾燥は、前記蒸熟した椿の種子を30乃至40℃の温度で10乃至20時間の間行われてもよいが、前記椿の種子の乾燥温度を一定に維持させるために、乾燥機による機械式乾燥が用いられてもよい。
【0059】
次に、前記乾燥した椿の種子を酢酸またはクエン酸のうちいずれか一つ以上の酸で洗浄してもよい。
【0060】
前記乾燥した椿の種子の洗浄は、前記乾燥した椿の種子の表面を酢酸またはクエン酸のうちいずれか一つ以上の酸で洗浄することにより、追って発酵工程を経て製造されるツバキ油の香味、色沢等の改善効果を有する。
【0061】
続いて、前記洗浄した椿の種子に培養液及び乳酸菌からなる発酵液を噴霧してもよい。
【0062】
前記乳酸菌としては、乳酸菌(Lactobacillales)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、及びビフィドバクテリウムロングム(Bifidobacterium longum)からなる群より選ばれたいずれか一つの公知の乳酸菌が用いられてもよく、前記培養液は、ペプトン、麦芽エキス(Malt extract)、クエン酸ナトリウム(Sodium citrate)、リン酸水素二カリウム(Potassium phosphate dibasic)、グルコース(Glucose)、及び蒸溜水からなり、前記培養液は、ペプトン15乃至25重量部、麦芽エキス5乃至15重量部、クエン酸ナトリウム0.5乃至1.5重量部、リン酸水素二カリウム0.1乃至0.3重量部、グルコース1乃至3重量部、及び蒸溜水100乃至200重量部の重量割合で混合されてなされてもよい。
【0063】
前記培養液において、前記ペプトンは、タンパク質を供給する窒素源であって、微生物の成長に必要なタンパク質を供給し、前記麦芽エキスは、各種のミネラル、ビタミンB群、アミノ酸が含まれており、微生物の成長に役立ち、前記クエン酸ナトリウムは、培養液のpHを調節して、微生物の成長に最適化した状態を維持する無機質であって、栄養を供給することができ、前記グルコースは、乳酸菌が糖を代謝して有機酸を作り出す重要な成分として機能することができる。
【0064】
次に、前記発酵液が噴霧された椿の種子を発酵させてもよい。
【0065】
前記椿の種子の発酵は、前記発酵液が噴霧された椿の種子を、45乃至50℃の温度及び60乃至65%の湿度を維持する保管容器で、3乃至6日間保管して発酵させてもよい。
【0066】
次に、前記発酵された椿の種子を冷風乾燥してもよい。
【0067】
前記発酵された椿の種子の冷風乾燥は、前記発酵された椿の種子を3乃至6℃の温度の冷風で5乃至10時間の間乾燥して、55乃至60℃の温度で1乃至3日間維持することにより行われてもよい。
【0068】
続いて、前記冷風乾燥した椿の種子を、湿度70乃至80%、120乃至150℃の温度、及び2乃至4kgf/cm2で圧搾した後、オイルを分離することにより、ツバキ油(ツバキ種子油)を製造してもよい。
【0069】
前記ジメチコンは、乳化剤として用いられるが、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物の混合性を向上させて、均質した物性を示すようにすることができる。
【0070】
前記メタクリロイルエチルベタインコポリマーは、透明な芳香族アルコールであるエタノール溶剤によく融解されるようにすることができる。
【0071】
前記香料は、スプレー組成物の芳香性を提供するものであり、公知の多様な種類の香料が用いられてもよく、例えば、植物から抽出する天然香料を使って頭髪や頭皮の健康を考慮してもよい。
【0072】
一方、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、前記組成物以外に、山養参発酵抽出液をさらに含んでもよいが、前記山養参発酵抽出液は、前記ドクダミ抽出液100重量部に対して10乃至30重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0073】
前記山養参発酵抽出物は、山養参の根及び山養参の葉を用いて製造されてもよいが、前記山養参には、人参よりも10倍、紅参よりも4~5倍多いサポニンが入っており、免疫力を高めるのに大きな効能があり、これとともに、血液循環、糖尿病の予防、消化力の増進、ストレス緩和、元気増進等の効能がある。
【0074】
前記山養参発酵抽出液は、下記の製造方法で製造された山養参発酵抽出液が用いられてもよい。
【0075】
まず、山養参の根及び山養参の葉を分離して準備した後、洗浄してもよい。
【0076】
次に、前記山養参の根を水蒸気で加熱して蒸した後、硫黄で薫蒸してもよい。
【0077】
前記ステップでは、前記山養参の根を、130乃至140℃の温度及び1乃至3kgf/cm2の圧力で、30乃至100分間水蒸気で加熱した後、前記水蒸気で加熱された山養参の根を1乃至3分間硫黄で薫蒸してもよい。
【0078】
前記ステップにおいて、前記硫黄を使用すれば、前記山養参に含まれたタンニン物質等のポリフェノールが乾燥中に酸化して黒変することを防止し、追って工程において微生物が繁殖することを防止することができる。
【0079】
次に、前記硫黄で薫蒸された山養参の根を乾燥してもよい。
【0080】
前記ステップでは、硫黄で薫蒸された山養参の根を25乃至30℃の温度で1乃至3日間乾燥してもよい。
【0081】
続いて、前記乾燥した山養参の根を一定の長さ単位で切断するが、例えば、前記乾燥した山養参の根を0.1乃至1.0cmの長さ単位で切断してもよい。
【0082】
次に、前記切断した山養参の根に乳酸菌を混合した後、熟成させてもよい。
【0083】
前記ステップにおいて、前記熟成は、前記乳酸菌と混合された山養参の根を、20乃至25℃の温度で10乃至30時間の間維持して熟成させてもよい。
【0084】
例えば、前記乳酸菌としては、乳酸菌(Lactobacillales)、ストレプトコッカスサーモフィルス(Streptococcus thermophiles)、及びビフィドバクテリウムロングム(Bifidobacterium longum)からなる群より選ばれたいずれか一つの公知された乳酸菌が用いられてもよい。
【0085】
次に、前記洗浄された山養参の生葉を水蒸気で加熱してもよい。
【0086】
前記ステップでは、前記山養参の生葉を110乃至120℃の温度及び1乃至3kgf/cm2の圧力で、10乃至30分間水蒸気で加熱することにより行われてもよい。
【0087】
続いて、前記水蒸気で加熱された山養参の生葉を乾燥してもよい。
【0088】
前記ステップでは、日光乾燥時、前記山養参の生葉の葉緑素が破壊され、有用成分が揮発されることを防止するために、前記山養参の生葉を温度25乃至30℃で5乃至10時間の間乾燥してもよい。
【0089】
次に、前記乾燥した山養参の生葉を加熱して煎炒してもよい。
【0090】
前記ステップは、前記乾燥した山養参の生葉を加熱容器(例えば、釜)に投入した後、90乃至95℃の温度で3乃至5分間1次煎炒を行い、前記1次煎炒された山養参の生葉を、130乃至140℃の温度で30乃至60秒間2次煎炒を行うステップにより行われてもよい。
【0091】
次に、前記洗浄された山養参の生葉に枯草菌浸出水を噴霧して、前記山養参の生葉を発酵させてもよい。
【0092】
前記枯草菌浸出水は、前記乾燥した山養参の生葉の発酵を促進させるものであって、前記乾燥した山養参の生葉100重量部に対して枯草菌培養液を30乃至50重量部の重量割合で噴霧し、55乃至60℃の温度及び60乃至65%の湿度が維持されるようにした後、2乃至4日間発酵させてもよい。
【0093】
前記枯草菌培養液は、枯草菌と水を混合して生成されるものであって、前記枯草菌は、声飯に黒糖を10乃至12重量%混合し、用意された培地上にエコ栽培籾殻を置き、布切れを覆った後、25℃の温度で1日2回の生育に水分を噴霧しながら、1週間培養させて枯草菌を生成させ、これを、米ぬかと黒糖が50:50の重量比で混合された培地にさらに接種し、25℃で1週間培養して、本発明に用いられる枯草菌浸出水として用いてもよい。
【0094】
本発明において、前記枯草菌は、バチルスサブチルス(Bacillus subtilis)、バチルスサブチルススピジゼピアイ(Bacillus subtilis)、バチルスメガテリウム(Bacillusmegaterium)、バチルスリケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、及びバチルスプミルス(Bacillus pumilus)からなる群より選ばれたいずれか一つ以上が用いられてもよい。
【0095】
次に、前記熟成された山養参の根と、前記発酵された山養参の生葉を混合した後、発酵させて、発酵山養参混合物を製造してもよい。
【0096】
前記ステップでは、前記熟成された山養参の根100重量部に対して前記発酵された山養参の生葉を200乃至400重量部の重量割合で混合した後、60乃至65℃の温度及び55乃至60%の湿度で3乃至5日間発酵させて、発酵山養参混合物を製造してもよい。
【0097】
次に、前記発酵山養参混合物に溶媒を混合し、超音波を加えることにより、山養参発酵液を製造してもよい。
【0098】
前記山養参発酵液を製造するために、前記発酵山養参混合物を溶媒と混合して混合液を製造した後、超音波抽出器に投入し、前記混合液に超音波を加えることにより、山養参発酵液を製造するが、前記溶媒は、前記山養参混合液100重量部に対して300乃至500重量部の重量割合で含まれ、前記溶媒としては水が用いられてもよい。
【0099】
また、前記山養参発酵液を製造するために、前記混合液に加えられる超音波は、60乃至80KHzの振動周波数で、50乃至100分間、100乃至200ワットの出力を用いて抽出してもよい。
【0100】
続いて、前記山養参発酵液から、山養参の根、山養参の生葉のような固形分を除去してもよい。
【0101】
前記ステップにおいて、山養参の根、山養参の生葉のような固形分の分離は、篩(sieve)等のような公知のフィルタネットを用いてもよい。
【0102】
次に、前記固形分が除去された山養参発酵液を遠心分離してもよい。
【0103】
前記ステップでは、固形分が除去された山養参発酵液を遠心分離することにより、山養参の根と生葉の微細粒子が位置する下層液、前記下層液の上部に位置する重層液及び上層液に、位置的に区分して分離してもよい。
【0104】
次に、前記重層液及び上層液に位置する山養参発酵液を抽出して、山養参の有用性分で、山養参発酵抽出液を製造してもよい。
【0105】
前記ステップにおいて、前記山養参発酵抽出液は、山養参発酵液2000乃至3000gを、70%(v/v)エタノール水溶液10~15lにより、85乃至90℃で3~4時間の間1次抽出した後、70%(v/v)エタノール水溶液4~6lにより、85乃至90℃で2~3時間の間2次抽出を完了し、真空回転蒸発器により、1000乃至1500mlとなるまで抽出液を製造するステップと、前記抽出液にエタノールを加えて2乃至3倍の重量に希釈し、18,000~20,000rpmで30乃至40分間遠心分離して、前記山養参発酵液に含まれる高分子繊維素及び固形分を完全に除去した後、集められた上澄液を15~20倍重量の酢酸で2回抽出するステップと、により製造されてもよい。
【0106】
一方、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物は、前記組成物以外に、タマネギ抽出物をさらに含んでもよいが、前記タマネギ抽出物は、前記ドクダミ抽出液100重量部に対して5乃至15重量部の重量割合で含まれてもよい。
【0107】
前記タマネギ抽出物は、タマネギの有用性分を抽出して製造されるが、前記タマネギ(Allium cepa)は、ユリ科に属する多年生植物であり、長い栽培歴史とともに、特有の味と香を適用した食品、香辛料、及び薬剤等として用いられている。タマネギ100gには、水分90g、炭水化物約72g、タンパク質11g、ビタミンC10乃至20mg、カルシウム、リン、鉄等が含有されており、タマネギ外皮には、糖質504%、繊維質2924%、脂肪148%、灰分499%等が含有されている。
【0108】
タマネギの効能としては、抗酸化、血液地質の低下、抗高血圧、抗炎症、抗菌、抗腫瘍、血糖低下等が知られている。タマネギに含有された主な生理活性物質としては、有機硫黄化合物とフラボノイド化合物が挙げられ、特に、タマネギには、抗酸化作用を示すケルセチン(quercetin)が他の野菜や果物に比べて極めて高く含有されている。ケルセチンは、植物由来フラボノイド(flavonoid)系フェノール化合物であって、強力な抗酸化剤(antioxidant)であるだけでなく、抗動脈硬化作用、抗菌作用、コレステロール低下、抗癌、抗ウイルス、及び抗アレルギー活性を有するとともに、毒性は殆ど示さないと知られている。したがって、ケルセチンがたくさん含有されている食品を摂取すれば、血液循環の改善、血圧降下、糖尿病の予防、体重減少等のダイエット、免疫機能強化、DNA損傷抑制効果、及び赤血球膜の地質過酸化阻害効果等に効果がある。
【0109】
本発明において、前記タマネギ抽出物は、下記の製造方法で製造されてもよい。
【0110】
前記タマネギ抽出物を製造するために、まず、タマネギを採取し、1乃至3(w/w)%の濃度範囲及び33乃至37℃の温度を有する炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)が溶解された精製水で1乃至5分間洗浄して、タマネギに付着している異物を除去し、前記タマネギの外皮を分離して、タマネギ果肉及びタマネギ外皮に分離してもよい。
【0111】
次に、前記タマネギ果肉を乾燥機で乾燥したが、前記タマネギ果肉の乾燥は、日光乾燥時、前記タマネギ果肉の葉緑素が破壊され、タマネギ果肉固有の香が消えることを防止するために、一定の温度及び湿度が維持される乾燥機で行われてもよいが、例えば、前記タマネギ果肉の乾燥は、温度20乃至25℃及び湿度33乃至40%に維持される乾燥機で3乃至7時間の間乾燥してもよい。
【0112】
次に、前記乾燥したタマネギ果肉を精製水と混合した後、加熱して前記タマネギ果肉抽出物を製造してもよい。
【0113】
前記タマネギ果肉抽出物は、前記乾燥したタマネギ果肉100重量部に対して精製水500乃至1000重量部を混合した後、95乃至105℃の温度で5乃至15時間の間加熱することにより、前記タマネギ果肉抽出物を製造してもよい。
【0114】
続いて、タマネギ外皮を乾燥して、前記タマネギ外皮に含有されている水分を除去してもよく、前記タマネギ外皮の乾燥は、30乃至35℃及び湿度35乃至45%に維持される乾燥機で3乃至7時間の間乾燥してもよいが、本発明は、上記した条件でタマネギ外皮を乾燥することにより、前記タマネギ外皮に含まれている水分が均一かつ漸進的に蒸発されるようにして、タマネギ外皮の固有の香と有用性分をさらに容易に抽出させることができ、タマネギ外皮の細胞組織の破壊により、空気が浸透しやすくなり、発酵作用を促進することにより、タマネギ外皮の有用性分が濃く出るようにすることができる。
【0115】
次に、前記乾燥したタマネギ外皮を精製水と混合した後、加熱して、前記タマネギ外皮抽出物を製造してもよいが、前記タマネギ外皮抽出物は、前記乾燥したタマネギ外皮100重量部に対して精製水200乃至400重量部を混合した後、60乃至70℃の温度で1乃至3時間の間浸漬させてから、前記タマネギ外皮が浸漬された精製水を加熱器に投入し、前記加熱器に投入されたタマネギ外皮が浸漬された精製水を、110乃至120℃の温度及び圧力容器の内部圧力2.5乃至3.5kgf/cm2の範囲で、3乃至5時間の間加熱することにより、前記タマネギ外皮抽出物を製造してもよい。
【0116】
本発明は、上記のようにタマネギ外皮を精製水に浸漬させた後、抽出することにより、タマネギ外皮の植物壁を弱化させて抽出効率を増大させることができる。
【0117】
次に、前記タマネギ果肉抽出物及びタマネギ外皮抽出物を混合することにより、タマネギ抽出物を製造することができるが、前記タマネギ抽出物は、タマネギ果肉抽出物及びタマネギ外皮抽出物を7:3乃至6:4の重量割合で混合して製造されてもよい。
【0118】
続いて、前記タマネギ抽出物を3乃至7℃の温度で1乃至5時間保管することにより熟成させてもよいが、前記タマネギ抽出物を、前記のような条件で熟成させることにより、前記タマネギ抽出物が均一に混合され、香が増進されるようにすることができる。
【0119】
以下、本発明によるドクダミ成分を含む頭皮健康改善用スプレー組成物についての好適な実施例及び比較例を挙げ、さらに詳細に説明する。
【実施例1】
【0120】
ドクダミ抽出液3重量部、エタノール70重量部、パンテノール1重量部、デヒドロ酢酸ナトリウム0.5重量部、プロピレングリコール0.6重量部、硫黄0.3重量部、グルコン酸亜鉛0.02重量部、グルコン酸マグネシウム0.08重量部、ツバキ油0.02重量部、ジメチコン0.03重量部、メタクリロイルエチルベタインコポリマー0.08重量部、及び香料0.008重量部の重量割合で含まれたスプレー組成物を用いてスプレーを製造した。
【実施例2】
【0121】
前記実施例1と同じ組成物を用いてスプレーを製造したが、実施例2では、前記ドクダミ抽出液100重量部に対して山養参発酵抽出液を20重量部の重量割合でさらに含ませてスプレーを製造した。
【実施例3】
【0122】
前記実施例1と同じ組成物を用いて石鹸を製造したが、実施例3では、前記ドクダミ抽出液100重量部に対してタマネギ抽出物を10重量部の重量割合でさらに含ませてスプレーを製造した。
【0123】
<比較例1>
実施例1と同じ組成物を用いてスプレーを製造したが、比較例1では、ドクダミ抽出液及びツバキ油が含まれていない。
【0124】
<比較例2>
市販されているスプレー(W社製造、化学物質使用)を準備し、これを比較例2によるスプレーとして用いた。
【0125】
1.官能評価
前記実施例1乃至3、比較例1及び2によるスプレーの毛髪持続効果、頭皮刺激、頭皮改善及び毛髪改善の効果を測定し、下記の表1に示した。
【0126】
前記実験は、10歳~50歳の健常者20名(男性7名、女性13名)を対象としたが、前記スプレーを1日15mlずつ20日間使用させた後、その結果を5点評価法で測定した。
【0127】
ここで、5; 大変優秀、4; 優秀、3; 普通、2; 悪い、1;大変悪いを示す。
【0128】
【0129】
前記表1を検討すれば、実施例1乃至3によるスプレーは、毛髪固定効果に優れるとともに、頭皮及び毛髪改善効果に優れることが確認された。
【0130】
これは、実施例1乃至3によるスプレーは、ドクダミ抽出物、山養参発酵抽出液、タマネギ抽出物のような天然抽出物が含まれることにより、使用者の頭皮及び毛髪の改善に寄与することが分かった。
【0131】
2.スプレーの刺激実験
上記の通りに製造されたスプレーに対する刺激実験を次のように行った。
【0132】
まず、刺激実験は、10歳~50歳の健常者20名(男性7名、女性13名)を対象としたが、前記毛髪のシャンプー後、スプレーを被験者の毛髪に噴射し、3時間後、頭皮状態(紅斑、浮腫、丘疹等)を観察し、下記の表2のような評価表による定性評価を行った。
【0133】
【0134】
前記表2の刺激程度に対する実験対象者の評価結果は、下記の表3の通りである。
【0135】
【0136】
前記表3から分かるように、実施例1乃至3によるスプレーは、刺激や皮膚状態の変化が殆どなく、安全な物質であることが確認された。
【0137】
3.洗浄容易性実験
上記の通りに製造されたスプレーに対する洗浄容易性実験を、次のように行った。
【0138】
まず、洗浄容易性実験は、10歳~50歳の健常者20名(男性7名、女性13名)を対象としたが、毛髪にスプレーを10ml噴射して、毛髪をセットし、シャンプーを使って洗浄した場合、及びシャンプーを使わずに洗浄した場合に分け、その結果を下記の表4に示した。
【0139】
◎:ヘアジェル成分が殆ど残っておらず、洗浄後、さわやかな感じがする。
○: ヘアジェル成分がある程度除去されており、洗浄後、さわやかな感じがする。
△: ヘアジェル成分がある程度除去されているが、洗浄後、さわやかな感じはしない。
×: ヘアジェル成分が殆ど除去されず、洗浄後、不快な感じがする。
【0140】
【0141】
前記表4を参照すれば、実施例1乃至3により製造されたスプレーは、シャンプーの使用有無にかかわらず、洗浄後、スプレー成分が殆ど残っておらず、さわやかな感じがすることが分かった。
【0142】
4.頭皮刺激実験
実施例1により製造されたスプレーを被験者(35歳の女性)の毛髪に噴射し、被験者の頭皮状態を観察した。
【0143】
図1aは、被験者の頭皮を示す写真であり、
図1bは、実施例1により製造されたスプレーを20日間1日15mlずつ被験者の毛髪に噴射及びシャンプーを繰り返し、20日が経過した後、被験者の頭皮を示す写真である。
【0144】
図1a及び
図1bを参照すれば、実施例1により製造されたスプレーは、使用後、頭皮が鎮静され、頭皮の健康が改善したことが確認された。
【0145】
以上、本発明の好適な一実施例を説明したが、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明が、その技術的思想や必須的な特徴を変更することなく、他の具体的な形態で実施され得ることが理解されるであろう。そのため、上述した一実施例は、全ての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解されなければならない。